説明

チップの搬送方法及び装置

【課題】半導体ウェーハのチップ搬送効率の大幅向上、部品点数の削減、装置のコストダウンをはかる。
【解決手段】ウェーハ1から切り出されたチップ4をピックアップ位置6からトレイ8のプレイス位置9に搬送するチップの搬送方法において、チップをウェーハからピックアップするコレット部12を、Z軸駆動機構によりわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、θ軸回転機構14により往復搖動回転するアーム部材45により並進運動させ、並進運動するコレット部によりわずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復搖動運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハのチップの搬送方法及び装置に係り、特にチップを吸着してピックアップ位置からプレイス位置に搬送するコレット部に並進運動させることにより、従来のコレット部の運動を実質的に3動作少くすることにより、チップの搬送効率の大幅な向上、装置に必要な部品点数の削減、駆動モータの稼働率の削減による駆動モータの消耗の削減及び装置の大幅なコストダウンを達成可能な画期的なチップの搬送方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図7に示すように、半導体の製造工程において、半導体ウェーハ1(以下単に「ウェーハ」と略称する。)を粘着テープ2上に貼付し、該ウェーハ1に半導体素子3を形成し、ダイシング装置(図示せず)によって該半導体素子3を1つずつ切断分離して半導体チップ4(以下単に「チップ」と略称する。)とした後、粘着テープ2を引き伸ばして各チップ4を互いに離間させておき、コレット部5の吸着リップ5aにより1つずつ吸着剥離させて分離して取り出すこと(ピックアップ)が行われる。そして取り出されたチップ4は、ピックアップ位置6からトレイ8等のプレイス位置9までコレット部5により搬送される。
【0003】
このときのコレット部5の動作について説明すると、図7及び図8に示すように、スタート時においては、コレット部5はプレイス位置9から例えば90mm離れた待機位置7(ピックアップ位置6から30mmだけプレイス位置9側に寄った位置)に待機している。これはチップ画像認識動作中は、コレット部5がピックアップ位置6に居ることができないため、画像認識動作が完了した後(場合によっては、チップ位置補正が完了した後)に、コレット部5をピックアップ位置6へ移動させるようにしたものである。
【0004】
また画像認識動作中又はチップ位置補正動作中にコレット部5が完全にプレイス位置9に居るようにすると、コレット部5のX軸方向の移動距離(例えば合計120mm)の問題から、無駄な時間が発生してしまうため、コレット部5をプレイス位置9へ移動させ、画像処理用のカメラの前からコレット部5が居なくなった時点で画像処理を開始するようになっており、コレット部5はプレイス動作が完了した時点で、矢印Tの如くプレイス位置9から例えば90mm移動して待機し、画像認識動作が完了した後(場合によっては、チップ位置補正が完了した後)に、該待機位置7から例えば30mmだけ移動してピックアップ位置6に位置する動作とし、動作時間の節約を図っている。
【0005】
そこでまずステップS1で、チップ画像の認識を行い、ステップS2で、ウェーハ1側を動かしてコレット部5のチップ位置補正を行い、ステップS3で、コレット部5は、矢印Fの如く待機位置7からX軸方向に30mmだけ移動してピックアップ位置6へ移動し、ステップS4で、コレットZ軸下降を、矢印Aの如くチップ4のピックアップ位置6まで35mmの下降移動により実行する。これによってコレット部5の吸着リップ5aは軽くチップ4に接触し、空気の吸引によりチップ4を吸着する。
【0006】
そしてステップS5で、ピックアップ動作(チップ剥離動作)が行われ、図示しないニードルがチップ4及び粘着テープ2の下からこれを軽く突き上げることによりチップ4は粘着テープ2から剥離してウェーハ1から分離される。
【0007】
次いでステップS6で、コレット部5は、コレットZ軸上昇を、矢印Bの如くチップ4のコレット搬送位置10までの35mmの移動により実行する。
【0008】
そしてステップS7で、コレットX軸移動、即ち矢印Cの如くチップ4のプレイス位置9までの120mmの移動が行われ、ステップS8で、チップ4のプレイス動作(チップ受渡し動作)、即ち矢印Dの如くコレット部5のZ軸下降動作(35mm)が行われ、トレイ8にコレット部5の吸着リップ5aに吸着されたチップ4が軽く接触するまで下降し、コレット部5内で空気の吸引が停止することで、チップ4は吸着リップ5aから離れ、トレイ8上に置かれ、これによってチップ4のプレイス動作が完了し、コレット部5は矢印Eの如くコレット搬送位置10までZ軸上昇動作(35mm)を行う。
【0009】
次いでステップS9で、矢印Tの如くコレットX軸移動、即ち待機位置7までの90mmのX軸移動が行われ、コレット部5は、上記のように待機位置7において待機する。そしてステップS1にもどり、以下同様にしてチップ4のウェーハ1におけるピックアップ位置6からプレイス位置9までの搬送が繰り返し行われる。
【0010】
従来のチップの搬送方法及び装置は、上記のようにコレット部5の待機位置7からピックアップ位置6までの30mmのX軸移動、ピックアップ位置6での35mmストロークの上下方向のZ軸移動、コレット搬送位置10でのピックアップ位置6からプレイス位置9までの120mmの水平方向のX軸移動、プレイス位置9での35mmストロークの上下方向のZ軸移動及びプレイス位置9から待機位置7までの90mmのX軸移動の合計9動作が必須であり、更にコレット部5の運動軌跡が直角移動的、かつ段階的で複雑となるため、チップ4の搬送の1サイクルのタクトタイムは、一例として0.319秒を要し、これ以上短縮することは従来の技術では不可能で、チップの搬送効率が悪かった。
【0011】
また部品の稼働率については、例えばコレット部5のX軸方向、Z軸方向の移動の駆動源である駆動モータ(図示せず)の稼働率について見ると、チップ4の搬送の1サイクルに、コレット部5のX軸移動で駆動モータは6回転を、Z軸移動で駆動モータは2回転を必要とし、合計8回転させる必要があり、これより少ない駆動モータの回転でチップ4の搬送の1サイクルを実行することは不可能であった。
【0012】
またチップ4の搬送装置に必要とされる部品点数については、従来の装置では、一例として98個の部品が必要であり、これより少ない部品点数では装置は実現できなかった。
【0013】
このため、装置のコストもそれだけ高くつき、装置のコストダウンも限界に達しており、従来の搬送及び装置では到底これ以上のコストダウンは望めなかった。
【0014】
【特許文献1】 特開2005−353873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送方法において、チップをウェーハからピックアップするコレット部を、Z軸駆動機構によりわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、θ軸回転駆動機構により往復揺動回転するアーム部材により並進運動させ、並進運動するコレット部によりチップをわずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復揺動回転運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送することによって、従来の搬送方法及び装置に比較してコレット部の動作を3動作削減し、コレット部の運動を直角的、段階的な運動から非常に滑らかな運動に変更することであり、またこれによってチップの搬送のタクトタイムを従来の0.319秒から0.22秒まで、即ち約31%も一気に短縮し、チップの搬送効率を飛躍的に向上させることである。
また他の目的は、上記構成によりチップ搬送の1サイクルにおけるコレット部の動作に必要な駆動モータの稼働率、即ち駆動モータの必要回転数を従来の8回転から、1.2回転まで、即ち85%も一気に削減することであり、またこれによって駆動モータの消耗を減少させ、装置の長寿命化を図ることである。
また他の目的は、上記構成により装置の部品点数を約20%削減すると共に、装置の製造コストを約25%削減し、装置の低コスト化を達成することである。
【0016】
また他の目的は、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送方法において、チップをウェーハからピックアップするコレット部を、Z軸駆動機構によりわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、アーム部材の往復揺動回転の中心と同心の位置においてθ軸回転駆動機構の基台に固定された固定歯付プーリと、コレット部に固定されると共にθ軸回転駆動機構のアーム部材に回動自在に支持されたコレット部回転軸と共に回転する回転歯付プーリとに巻き掛けられた歯付ベルトとの相対運動によりアーム部材を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけコレット部を他方向に回転させることによりコレット部を並進運動させ、並進運動する該コレット部により、わずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復揺動回転運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送することによって、2個の歯付プーリと、1本の歯付ベルトという極めて簡易な構成によりコレット部の非常に滑らかな並進運動を可能とすることであり、またこれによって、チップの搬送において、コレット部の動作を3動作削減し、従来のコレット部の直角的、段階的な運動に比べて非常に滑らかな運動によりチップを極めて効率よくピックアップ位置からプレイス位置まで搬送できるようにすることであり、またこれによってチップ搬送のタクトタイムの大幅な短縮、部品点数の削減、コレット部を動かすための駆動モータの稼働率の大幅な削減及び装置の長寿命化を図ると共に、装置の大幅なコストダウンを図ることである。
【0017】
更に他の目的は、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送装置において、チップをウェーハからピックアップするコレット部と、該コレット部をわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させるZ軸駆動機構と、往復揺動回転するアーム部材によりコレット部に並進運動をさせるθ軸回転駆動機構とを備え、並進運動するコレット部によりわずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復揺動回転運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送するように構成することによって、コレット部の動作を3動作削減し、チップ搬送のタクトタイムの大幅な短縮、部品点数の削減、コレット部を動かすための駆動モータの稼働率の大幅な削減及び装置の長寿命化を図ると共に、装置の大幅なコストダウンを図ることである。
【0018】
また他の目的は、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送装置において、チップをウェーハからピックアップするコレット部と、該コレット部をわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させるZ軸駆動機構と、コレット部が取り付けられたアーム部材を往復揺動回転させるθ軸回転駆動機構と、該θ軸回転駆動機構の基台にアーム部材の往復揺動回転の中心と同心の位置に固定された固定歯付プーリと、コレット部に固定されると共にアーム部材に回動自在に支持されたコレット部回転軸と、該コレット部回転軸に固定されコレット部と共に回転する回転歯付プーリと、該回転歯付プーリと固定歯付プーリとに巻き掛けられた歯付ベルトとを備え、固定歯付プーリと回転歯付プーリと歯付ベルトとの相対運動によりアーム部材を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけコレット部を他方向に回転させることによりコレット部を並進運動させ、並進運動する該コレット部により、わずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復揺動回転運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送するように構成することによって、2個の歯付プーリと、1本の歯付ベルトという極めて簡易な構成によりコレット部の非常に滑らかな並進運動を可能とすることであり、またこれによって、チップの搬送において、コレット部の動作を3動作削減し、従来のコレット部の直角的、段階的な運動に比べて非常に滑らかな運動によりチップを極めて効率よくピックアップ位置からプレイス位置まで搬送できるようにすることであり、またこれによってチップ搬送のタクトタイムの大幅な短縮、部品点数の削減、コレット部を動かすための駆動モータの稼働率の大幅な削減及び装置の長寿命化を図ると共に、装置の大幅なコストダウンを図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
要するに本発明方法(請求項1)は、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送方法において、前記チップを前記ウェーハからピックアップするコレット部を、Z軸駆動機構によりわずかに前記ウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、θ軸回転駆動機構により往復揺動回転するアーム部材により並進運動させ、並進運動する前記コレット部により前記チップをわずかなZ軸方向の運動と前記アーム部材の往復揺動回転運動とにより前記チップを前記ピックアップ位置から前記プレイス位置まで搬送することを特徴とするものである。
【0020】
また本発明方法(請求項2)は、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送方法において、前記チップを前記ウェーハからピックアップするコレット部を、Z軸駆動機構によりわずかに前記ウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、アーム部材の往復揺動回転の中心と同心の位置においてθ軸回転駆動機構の基台に固定された固定歯付プーリと、前記コレット部に固定されると共に前記θ軸回転駆動機構のアーム部材に回動自在に支持されたコレット部回転軸と共に回転する回転歯付プーリとに巻き掛けられた歯付ベルトとの相対運動により前記アーム部材を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけ前記コレット部を他方向に回転させることにより前記コレット部を並進運動させ、並進運動する該コレット部により、わずかなZ軸方向の運動と前記アーム部材の往復揺動回転運動とにより前記チップを前記ピックアップ位置から前記プレイス位置まで搬送することを特徴とするものである。
【0021】
また本発明装置(請求項3)は、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送装置において、前記チップを前記ウェーハからピックアップするコレット部と、該コレット部をわずかに前記ウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させるZ軸駆動機構と、往復揺動回転するアーム部材により前記コレット部に並進運動をさせるθ軸回転駆動機構とを備え、並進運動する前記コレット部によりわずかなZ軸方向の運動と前記アーム部材の往復揺動回転運動とにより前記チップを前記ピックアップ位置から前記プレイス位置まで搬送するように構成したことを特徴とするものである。
【0022】
また本発明装置(請求項4)は、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送装置において、前記チップを前記ウェーハからピックアップするコレット部と、該コレット部をわずかに前記ウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させるZ軸駆動機構と、前記コレット部が取り付けられたアーム部材を往復揺動回転させるθ軸回転駆動機構と、該θ軸回転駆動機構の基台に前記アーム部材の往復揺動回転の中心と同心の位置に固定された固定歯付プーリと、前記コレット部に固定されると共に前記アーム部材に回動自在に支持されたコレット部回転軸と、該コレット部回転軸に固定され前記コレット部と共に回転する回転歯付プーリと、該回転歯付プーリと前記固定歯付プーリとに巻き掛けられた歯付ベルトとを備え、前記固定歯付プーリと前記回転歯付プーリと前記歯付ベルトとの相対運動により前記アーム部材を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけ前記コレット部を他方向に回転させることにより前記コレット部を並進運動させ、並進運動する該コレット部により、わずかなZ軸方向の運動と前記アーム部材の往復揺動回転運動とにより前記チップを前記ピックアップ位置から前記プレイス位置まで搬送するように構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記のようにウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送方法において、チップをウェーハからピックアップするコレット部を、Z軸駆動機構によりわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、θ軸回転駆動機構により往復揺動回転するアーム部材により並進運動させ、並進運動するコレット部によりチップをわずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復揺動回転運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送するようにしたので、従来の搬送方法及び装置に比較してコレット部の動作を3動作削減し得、コレット部の運動を直角的、段階的な運動から非常に滑らかな運動に変更することができる効果があり、またこの結果チップの搬送のタクトタイムを従来の0.319秒から0.22秒まで、即ち約31%も一気に短縮し、チップの搬送効率を飛躍的に向上させることができる効果がある。
また他の目的は、上記構成によりチップ搬送の1サイクルにおけるコレット部の動作に必要な駆動モータの稼働率、即ち駆動モータの必要回転数を従来の8回転から、1.2回転まで、即ち85%も一気に削減することができ、またこの結果駆動モータの消耗を減少させ、装置の長寿命化を図ることができる効果がある。
また上記構成により装置の部品点数を約20%削減できると共に、装置の製造コストを約25%削減でき、装置の低コスト化を達成し得る効果がある。
【0024】
またウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送方法において、チップをウェーハからピックアップするコレット部を、Z軸駆動機構によりわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、アーム部材の往復揺動回転の中心と同心の位置においてθ軸回転駆動機構の基台に固定された固定歯付プーリと、コレット部に固定されると共にθ軸回転駆動機構のアーム部材に回動自在に支持されたコレット部回転軸と共に回転する回転歯付プーリとに巻き掛けられた歯付ベルトとの相対運動によりアーム部材を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけコレット部を他方向に回転させることによりコレット部を並進運動させ、並進運動する該コレット部により、わずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復揺動回転運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送するようにしたので、2個の歯付プーリと、1本の歯付ベルトという極めて簡易な構成によりコレット部の非常に滑らかな並進運動を可能とし得る効果があり、またこの結果チップの搬送において、コレット部の動作を3動作削減し得、従来のコレット部の直角的、段階的な運動に比べて非常に滑らかな運動によりチップを極めて効率よくピックアップ位置からプレイス位置まで搬送できるようになる効果があり、またこの結果チップ搬送のタクトタイムの大幅な短縮、部品点数の削減、コレット部を動かすための駆動モータの稼働率の大幅な削減及び装置の長寿命化を図ることができると共に、装置の大幅なコストダウンを図ることができる効果がある。
【0025】
更には、ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送装置において、チップをウェーハからピックアップするコレット部と、該コレット部をわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させるZ軸駆動機構と、往復揺動回転するアーム部材によりコレット部に並進運動をさせるθ軸回転駆動機構とを備え、並進運動するコレット部によりわずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復揺動回転運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送するように構成したので、コレット部の動作を3動作削減し得、チップ搬送のタクトタイムの大幅な短縮、部品点数の削減、コレット部を動かすための駆動モータの稼働率の大幅な削減及び装置の長寿命化を図ることができると共に、装置の大幅なコストダウンを図ることができる効果がある。
【0026】
またウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送装置において、チップをウェーハからピックアップするコレット部と、該コレット部をわずかにウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させるZ軸駆動機構と、コレット部が取り付けられたアーム部材を往復揺動回転させるθ軸回転駆動機構と、該θ軸回転駆動機構の基台にアーム部材の往復揺動回転の中心と同心の位置に固定された固定歯付プーリと、コレット部に固定されると共にアーム部材に回動自在に支持されたコレット部回転軸と、該コレット部回転軸に固定されコレット部と共に回転する回転歯付プーリと、該回転歯付プーリと固定歯付プーリとに巻き掛けられた歯付ベルトとを備え、固定歯付プーリと回転歯付プーリと歯付ベルトとの相対運動によりアーム部材を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけコレット部を他方向に回転させることによりコレット部を並進運動させ、並進運動する該コレット部により、わずかなZ軸方向の運動とアーム部材の往復揺動回転運動とによりチップをピックアップ位置からプレイス位置まで搬送するように構成したので、2個の歯付プーリと、1本の歯付ベルトという極めて簡易な構成によりコレット部の非常に滑らかな並進運動を可能し得る効果がある。またこの結果チップの搬送において、コレット部の動作を3動作削減し得、従来のコレット部の直角的、段階的な運動に比べて非常に滑らかな運動によりチップを極めて効率よくピックアップ位置からプレイス位置まで搬送できる効果があり、またこの結果チップ搬送のタクトタイムの大幅な短縮、部品点数の削減、コレット部を動かすための駆動モータの稼働率の大幅な削減及び装置の長寿命化を図ることができると共に、装置の大幅なコストダウンを図ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1から図5において、本発明に係るチップの搬送装置11は、ウェーハ1から切り出されたチップ4をピックアップ位置6からトレイ8のプレイス位置9に搬送するチップの搬送装置であって、コレット部12と、Z軸駆動機構13と、θ軸回転駆動機構14と、固定歯付プーリ15と、コレット部回転軸16と、回転歯付プーリ18と、歯付ベルト19とを備えている。
【0028】
図2において、コレット部12は、チップ4をウェーハ1からピックアップするもので、下端に吸着リップ12aを備えており、内部は中空に形成され、側面には空気吸引口12bが設けられ、ここに空気吸引パイプ(図示せず)が接続されるようになっており、外部の真空ポンプ(図示せず)等により内部は真空に近い状態に抜気されるようになっている。そしてコレット部回転軸16に固定されたブラケット20にねじ21により固定されたボールブッシュ22にコレット部12と一体の中空軸23が摺動自在に嵌合しており、圧縮ばね24により常時下方に向けて押圧付勢されており、弾性的にZ軸方向に往復動可能に構成され、ウェーハ1に柔らかく接触できるようになっている。中空軸23の上端には、高さ調節用のストッパ25が取り付けられており、複数のナット26を弛めてボルト28を上下させて該ボルトの下端がブラケット20に当たることによってコレット部12の可動範囲を規制できるようになっている。
【0029】
またコレット部回転軸16と一体の腕部材29の一端に植設された固定バー30は、ブラケット20に圧入されたブッシュ31に嵌合し、コレット部回転軸16に対するブラケット20の回り止めを図っている。
【0030】
Z軸駆動機構13は、図1において、コレット部12をわずかに(5mm位)ウェーハ1に対して接近又は離脱するZ軸方向(上下方向)に往復運動させるための機構であり、装置のベースをなす基台32には、一対のガイドレール33がねじ37により固定され、またZ軸駆動用モータ34がねじ35により固定されており、Z軸駆動用モータ34の回転軸34aは、基台32に固定された軸受36により回動自在に支持され、Z軸駆動ねじ38に連結されている。
Z軸駆動ねじ38は、スライドテーブル39と一体のナット40に螺合しており、スライドテーブル39は、一対のガイドレール33に摺動自在に嵌合する一対のリニアガイド41にねじ42により夫々固定されている。そしてスライドテーブル39には、ねじ43によりθ軸回転駆動機構14の基台44が取り付けられている。
【0031】
図2において、θ軸回転駆動機構14は、コレット部12が取り付けられたアーム部材45を往復揺動回転させるもので、該θ軸回転駆動機構の基台44にθ軸回転駆動用モータ46が取り付けられており、該θ軸回転駆動用モータはねじ48により減速機49が一体化された減速機内蔵タイプのものであり、減速機49が固定されたブラケット50を介して基台44に取り付けられている。
θ軸回転駆動用モータ46の回転軸46a減速機49の出力軸)は、接ぎ手52を介してθ回転軸53に連結されており、該θ回転軸53は基台44に固定された軸受54により回動自在に支持され、一端53aは大径に形成され、その段差部53bが軸受54のインナレース部54aに当接し、他端53cに形成されたおねじ部53dにはナット55が螺合し、インナレース部54bに締め付けられている。
【0032】
アーム部材45は、ねじ56によりθ回転軸53の一端53aにその基端45aが固定され、一端45bには軸受58を介してコレット部回転軸16が支持されており、該コレット部回転軸の大径部16aの段差部16bとそのおねじ部16cに螺合したナット59とがインナレース部58a,58bに夫々当接して締め付け固定され、結果としてコレット部回転軸16は、アーム部材45に対して回動自在に構成されている。
【0033】
図2及び図3において、固定歯付プーリ15は、θ軸回転駆動機構14の基台44にアーム部材45の往復揺動回転の回転中心Oと同心の位置に固定されており、ねじ60により基台44に固定されたブラケット61にねじ62により締め付け固定され、回転不能に構成されている。なお、固定歯付プーリ15と、回転歯付プーリ18は、その歯数が同一に設定されている。
そして回転不能の固定歯付プーリ15の回りを、アーム部材45の回転により歯付ベルト19が巻き付きながら回転移動し、歯付ベルト19の歯は固定歯付プーリ15の歯と噛み合いながらアーム部材45の回転方向と逆方向にずれて行き、その結果として回転歯付プーリ18をアーム部材45の回転と逆方向に同一角度だけ回転させるように構成されている。
【0034】
図2において、コレット部回転軸16は、上記のように、コレット部12に固定されると共にアーム部材45に回動自在に支持されており、軸受58を介してアーム部材45に回動自在に取り付けられている。
【0035】
図2において、回転歯付プーリ18は、コレット部回転軸16にねじ63により固定され、コレット部12と共に回転するようになっており、その回転は、アーム部材45の回転に伴う歯付ベルト19の回転移動によりもたらされるもので、回転角度はアーム部材45と同一、回転方向はアーム部材45と逆方向となり、この回転歯付プーリ18のアーム部材45に対する逆回転が、コレット部12に並進運動をさせるように構成されている。
【0036】
図2及び図3において、歯付ベルト19は、いわゆるタイミングベルトであり、回転歯付プーリ18と固定歯付プーリ15に巻き掛けられており、その中間には、張力を調節するためのアイドルプーリ65が取り付けられている。
【0037】
そして固定歯付プーリ15と回転歯付プーリ18と歯付ベルト19との相対運動によりアーム部材45を一方向に回転させた分だけコレット部12を他方向に回転させることによりコレット部12を並進運動させ、並進運動するコレット部12により、わずかなZ軸方向の運動とアーム部材45の往復揺動回転運動とによりチップ4をピックアップ位置6からプレイス位置9まで搬送するように構成されている。
【0038】
そして本発明に係るチップの搬送方法(請求項1)は、ウェーハ1から切り出されたチップ4をピックアップ位置6からトレイ8のプレイス位置9に搬送するチップの搬送方法において、チップ4をウェーハ1からピックアップするコレット部12を、Z軸駆動機構13によりわずかにウェーハ1に対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、θ軸回転駆動機構14により往復揺動回転するアーム部材45により並進運動させ、並進運動するコレット部12によりわずかなZ軸方向の運動とアーム部材45の往復揺動回転運動とによりチップ4をピックアップ位置6からプレイス位置9まで搬送する方法である。
【0039】
また本発明に係るチップの搬送方法(請求項2)は、ウェーハ1から切り出されたチップ4をピックアップ位置6からトレイ8のプレイス位置9に搬送するチップの搬送方法において、チップ4をウェーハ1からピックアップするコレット部12を、Z軸駆動機構13によりわずかにウェーハ1に対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、アーム部材45の往復揺動回転の中心Oと同心の位置においてθ軸回転駆動機構14の基台44に固定された固定歯付プーリ15と、コレット部12に固定されると共にθ軸回転駆動機構14のアーム部材45に回動自在に支持されたコレット部回転軸16と共に回転する回転歯付プーリ18とに巻き掛けられた歯付ベルト19との相対運動によりアーム部材45を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけコレット部12を他方向に回転させることによりコレット部12を並進運動させ、並進運動する該コレット部12により、わずかなZ軸方向の運動とアーム部材45の往復揺動回転運動とによりチップ4をピックアップ位置6からプレイス位置9まで搬送する方法である。
【0040】
本発明は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。まずチップの搬送装置11の機構の基本的な作用について説明すると、図1において、Z軸駆動機構13においては、Z軸駆動用モータ34が回転すると、その回転軸34a及びZ軸駆動ねじ38が回転し、これに螺合したナット40がZ軸方向に移動するため、一対のリニアガイド41が一対のガイドレール33により案内されてZ軸方向に移動し、この結果θ軸回転駆動機構14の全体がZ軸方向に移動する。これによってコレット部12及びその吸着リップ12aのウェーハ1又はトレイ8に対するZ軸方向(上下方向)位置を自由に制御することができる。
【0041】
次に、図2から図5において、θ軸回転駆動機構14の作用について説明すると、θ軸回転駆動用モータ46が回転(往復揺動回転)すると、その回転軸46aが回転し、接ぎ手52を介してθ回転軸53が回転し、これに固定されたアーム部材45が回転中心Oを中心にして矢印G又はH方向に往復揺動回転する。するとコレット部回転軸16が、アーム部材45に対して回動自在の状態で回転歯付プーリ18及びコレット部12を伴って回転中心O回りに矢印I,Jの如く公転する。
【0042】
コレット部回転軸16及び回転歯付プーリ18の公転によって、歯付ベルト19は固定歯付プーリ15に巻き付くようにその歯が固定歯付プーリ15の歯に噛み合いながら公転することになる。ここで固定歯付プーリ15は回転不能であるため、歯付ベルト19は公転に伴って固定歯付プーリ15の歯との噛み合い位置をずらしながら公転することになるため、もしアーム部材45が矢印1の方向に回転すると、歯付ベルト19は矢印Kの方向(図4において時計方向)に動き、アーム部材45が矢印Jの方向に回転すると、歯付ベルト19は矢印Lの方向(図4において半時計方向)に動くことになる。
【0043】
この結果、固定歯付プーリ15と回転歯付プーリ18とはその歯数が同一に設定されているため、アーム部材45が矢印I方向に回転すると、歯付ベルト19を介して回転歯付プーリ18が矢印M方向、即ち他方向(逆方向)に回転(公転しながら自転)し、アーム部材45が矢印J方向に回転すると、歯付ベルト19を介して回転歯付プーリ18が矢印N方向、即ち他方向に回転し、コレット部12は、コレット部回転軸16を介して、常にアーム部材45とは逆方向(矢印M方向又はN方向)に同一角度回転し、結果としてアーム部材45の往復揺動回転により、コレット部12はその自転方向位置、即ちZ軸方向の姿勢を全く変えることなく、ピックアップ位置6とプレイス位置9間を移動することになり、並進運動をすることができる。
【0044】
要するに、コレット部12はアーム部材45の矢印I,J方向の往復揺動回転により図3から図5に示すように、極めて滑らかにピックアップ位置6とプレイス位置9との間を並進運動により移動することができる。
【0045】
次に、図6も参照して、本発明に係るチップの搬送装置11の作用(チップの搬送方法)について説明する。まずスタート位置においては、コレット部12はプレイス位置9にあり、従来のような待機位置にまで移動させておく動作は不要であり、ステップS1で、チップ画像処理を行い、ステップS2でチップ位置補正を行う。
【0046】
ステップS3で、アーム部材45を矢印Jの方向に207°回転させてコレット部12を並進運動により直ちにピックアップ6まで移動させ、ここでZ軸駆動機構13を作動させてコレット部12を矢印Pの如くわずかに(5mm位)Z軸下降させ、コレット部12の吸着リップ12aをウェーハ1のチップ4に軽く当接させ。
【0047】
ステップS4で、ピックアップ動作(チップ剥離動作)が行われる。即ち、ウェーハ1の下方からは矢印Rの如くニードル64により粘着テープ2を上方に押圧し、このときコレット部12からは矢印Sの如く空気が吸引されているので、チップ4は吸着リップ12aに吸着されて、ウェーハ1から分離、剥離される。ここでZ軸駆動機構13が作動して、コレット部12をわずかに(5mm位)矢印Qの如くZ軸上昇させ、コレット部12の吸着リップ12aでチップ4を保持しながらウェーハ1から離間させる。
【0048】
次いで、ステップS5で、アーム部材45を矢印Iの方向に207°回転させ、コレット部12をチップ4を伴ってプレイス位置9に移動させる。ここで再びZ軸駆動機構13が作動して、コレット部12をわずかに(5mm位)矢印Pの如くZ軸下降させてトレイ8に接近させる。
【0049】
最後に、ステップS6で、コレット部12からの空気の吸引を停止させ、チップ4をコレット部12の吸着リップ12aから離し、トレイ8に置く。これによりチップ4のプレイス動作、即ちチップ4の受け渡し動作が完了する。
【0050】
以上のような本発明に係るチップの搬送方法及び装置によると、コレット部12は極めて滑らかな並進運動によりピックアップ位置6とプレイス位置9との間を移動することができ、その運動が単純でスピーディーであるため、チップ4の搬送の1サイクルに要する動作を従来に比べて3動作削減でき、この結果タクトタイムを0.22秒(従来は0.319杪)まで短縮することができ、各駆動用モータの可動率は約85%削減でき、部品点数は約20%削減でき、製品コストは約25%低減させることができることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1から図6は本発明に係り、図1はチップの搬送装置の側面図である。
【図2】θ軸回転駆動機構の部分縦断面側面図である。
【図3】チップ搬送装置の要部正面図である。
【図4】チップ搬送装置の要部の作用を示す正面図である。
【図5】チップ搬送装置の要部の作用を示す概略斜視図である。
【図6】チップ搬送装置のルーチンを示すフローチャート図である。
【図7】図7及び図8は従来例に係り、図7はチップ搬送装置の要部の作用を示す概略斜視図である。
【図8】チップ搬送装置のルーチンを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0052】
1 ウェーハ
2 粘着テープ
3 半導体素子
4 チップ
5 コレット部
5a 吸着リップ
6 ピックアップ位置
7 待機位置
8 トレイ
9 プレイス位置
10 コレット搬送位置
11 チップの搬送装置
12 コレット部
12a 吸着リップ
12b 空気吸引口
13 Z軸駆動機構
14 θ軸回転駆動機構
15 固定歯付プーリ
16 コレット部回転軸
16a 大径部
16b 段差部
16c おねじ部
18 回転歯付プーリ
19 歯付ベルト
20 ブラケット
21 ねじ
22 ボールブッシュ
23 中空軸
24 圧縮ばね
25 ストッパ
26 ナット
28 ボルト
29 腕部材
30 固定バー
31 ブッシュ
32 基台
33 ガイドレール
34 Z軸駆動用モータ
34a 回転軸
35 ねじ
36 軸受
37 ねじ
38 Z軸駆動ねじ
39 スライドテーブル
40 ナット
41 リニアガイド
42 ねじ
43 ねじ
44 θ軸回転駆動機構の基台
45 アーム部材
45a 基端
45b 一端
46 θ軸回転駆動用モータ
46a 回転軸
48 ねじ
49 減速機
50 ブラケット
52 接ぎ手
53 θ回転軸
53a 一端
53b 段差部
53c 他端
53d おねじ部
54 軸受
54a インナレース部
54b インナレース部
55 ナット
56 ねじ
58 軸受
58a インナレース部
58b インナレース部
59 ナット
60 ねじ
61 ブラケット
62 ねじ
63 ねじ
64 ニードル
65 アイドルプーリ
A 矢印
B 矢印
C 矢印
D 矢印
E 矢印
F 矢印
G 矢印
H 矢印
I 矢印
J 矢印
K 矢印
L 矢印
M 矢印
N 矢印
O 回転中心
P 矢印
Q 矢印
R 矢印
S 矢印
T 矢印
X X軸方向
Z Z軸方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送方法において、前記チップを前記ウェーハからピックアップするコレット部を、Z軸駆動機構によりわずかに前記ウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、θ軸回転駆動機構により往復揺動回転するアーム部材により並進運動させ、並進運動する前記コレット部によりわずかなZ軸方向の運動と前記アーム部材の往復揺動回転運動とにより前記チップを前記ピックアップ位置から前記プレイス位置まで搬送することを特徴とするチップの搬送方法。
【請求項2】
ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送方法において、前記チップを前記ウェーハからピックアップするコレット部を、Z軸駆動機構によりわずかに前記ウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させると共に、アーム部材の往復揺動回転の中心と同心の位置においてθ軸回転駆動機構の基台に固定された固定歯付プーリと、前記コレット部に固定されると共に前記θ軸回転駆動機構のアーム部材に回動自在に支持されたコレット部回転軸と共に回転する回転歯付プーリとに巻き掛けられた歯付ベルトとの相対運動により前記アーム部材を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけ前記コレット部を他方向に回転させることにより前記コレット部を並進運動させ、並進運動する該コレット部により、わずかなZ軸方向の運動と前記アーム部材の往復揺動回転運動とにより前記チップを前記ピックアップ位置から前記プレイス位置まで搬送することを特徴とするチップの搬送方法。
【請求項3】
ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送装置において、前記チップを前記ウェーハからピックアップするコレット部と、該コレット部をわずかに前記ウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させるZ軸駆動機構と、往復揺動回転するアーム部材により前記コレット部に並進運動をさせるθ軸回転駆動機構とを備え、並進運動する前記コレット部によりわずかなZ軸方向の運動と前記アーム部材の往復揺動回転運動とにより前記チップを前記ピックアップ位置から前記プレイス位置まで搬送するように構成したことを特徴とするチップの搬送装置。
【請求項4】
ウェーハから切り出されたチップをピックアップ位置からトレイのプレイス位置に搬送するチップの搬送装置において、前記チップを前記ウェーハからピックアップするコレット部と、該コレット部をわずかに前記ウェーハに対して接近又は離脱するZ軸方向に往復運動させるZ軸駆動機構と、前記コレット部が取り付けられたアーム部材を往復揺動回転させるθ軸回転駆動機構と、該θ軸回転駆動機構の基台に前記アーム部材の往復揺動回転の中心と同心の位置に固定された固定歯付プーリと、前記コレット部に固定されると共に前記アーム部材に回動自在に支持されたコレット部回転軸と、該コレット部回転軸に固定され前記コレット部と共に回転する回転歯付プーリと、該回転歯付プーリと前記固定歯付プーリとに巻き掛けられた歯付ベルトとを備え、前記固定歯付プーリと前記回転歯付プーリと前記歯付ベルトとの相対運動により前記アーム部材を往復揺動回転させることにより該アーム部材を一方向に回転させた分だけ前記コレット部を他方向に回転させることにより前記コレット部を並進運動させ、並進運動する該コレット部により、わずかなZ軸方向の運動と前記アーム部材の往復揺動回転運動とにより前記チップを前記ピックアップ位置から前記プレイス位置まで搬送するように構成したことを特徴とするチップの搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−105357(P2009−105357A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300990(P2007−300990)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(591240032)エムテック株式会社 (6)
【Fターム(参考)】