説明

テトラリン及びインダン誘導体ならびにそれらの使用

式(I)、(II)又は(III)の化合物;又はその薬学的に許容しうる塩(式中、m、n、q、Ar、R、R、R、R及びRは、本明細書で定義されているとおりである)。また、式(I)〜(III)の化合物の製造方法、それらを含む組成物、及びそれらの使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換テトラリン、すなわち、テトラヒドロナフタレン化合物、ならびに関連組成物、製造方法、及び医薬の製造のためのそれらの使用に関するものである。
【0002】
脳内の主要な調節性神経伝達物質としての5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)の作用は、5−HT1、5−HT2、5−HT3、5−HT4、5−HT5、5−HT6、及び5−HT7と名付けられた、多数の受容体ファミリーを通して媒介される。脳内の5−HT6受容体mRNAの高いレベルに基づいて、5−HT6受容体は、中枢神経系障害の病理及び処置において役割を果たしうるということが述べられている。特に、5−HT2選択的リガンド及び5−HT6選択的リガンドは、パーキンソン病、ハンチントン病、不安、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病(認知記憶の増強)、睡眠障害、摂食障害、例えば拒食症、過食症及び肥満、パニック発作、静座不能、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、コカイン、エタノール、ニコチン及びベンゾジアゼピン類のような薬物乱用からの禁断症状、統合失調症、ならびにまた、脊髄外傷及び/又は水頭症のような頭部損傷に関連した障害のような、特定のCNS障害の処置において、潜在的に有用であると確認されている。そのような化合物は、機能性腸障害のような特定の胃腸(GI)障害の処置においても使用しうると予想される。例えば、B. L. Roth et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1994, 268, pages 1403-14120、D. R. Sibley et al., MoL Pharmacol, 1993, 43, 320-327、A. J. Sleight et al., Neurotransmission, 1995, 11, 1-5、及びA. J. Sleight et al., Serotonin ID Research Alert, 1997, 2(3), 115-8を参照のこと。
【0003】
5−HT6及び5−HT2Aのモジュレーターはいくつか開示されているが、5−HT6受容体、5−HT2A受容体、又はその双方の調節に有用な化合物が、引き続き必要とされている。
【0004】
本発明の一つの態様は、式I:
【0005】
【化1】

【0006】
[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素又はアルキルであり:
は、アルキル、ハロアルキル又は−NR(ここで、R及びRは、各々、独立に、水素、アルキル又はヒドロキシアルキルである)であり;
ただし、mが0であり、nが1であり、Rが水素であり、Rがメチル又は−NHである場合には、Arは3−フルオロフェニルではない]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0007】
本発明の他の態様において、式II:
【0008】
【化2】

【0009】
[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素又はアルキルであり:
は、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル又は−(CHp−NR(ここで、
pは、0又は1であり;
は、水素又はアルキルであり;
は、水素、アルキル、グアニジニル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシアルキルである)であり、
ただし、mが0であり、Rが−NHCH、−N(CH、−CHNH、−CHNHCH、−CHN(CH、又は−CHOHである場合には、Arは3−フルオロフェニルではなく、
mが0であり、Rが−NH又はグアニジニルである場合には、Arはフェニル又は3−フルオロフェニルではなく、
mが1であり、Rがテトラリン環系の8位のフルオロであり、Rがメチルである場合には、Arはフェニルではなく、
mが0であり、Rがメチルである場合には、Arは3−フルオロフェニル又はインドール−3−イルではなく、
mが0であり、Rがメトキシ又はエトキシである場合には、Arは3−フルオロフェニル又は2−フルオロフェニルではない]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
【0010】
本発明の他の態様において、式III:
【0011】
【化3】

【0012】
[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
qは、0〜3であり;
Aは、qが0又は1である場合には、−CH−であり、Aは、qが2又は3である場合には、−CH−又は−SO−であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ヘテロアルキル又はシアノである]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
【0013】
本発明の他の態様において、式VII:
【0014】
【化4】

【0015】
[式中、
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
は、水素又はアルキルであり:
は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はアルキルスルホニルアルキルであり;
10及びR11の一方はフルオロ又はヒドロキシであり、他方は水素である]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
【0016】
本発明は、また、上記化合物の製造方法、上記化合物の使用方法、及び上記化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0017】
本発明は、化合物、関連組成物、治療剤としての使用方法、及びその製造方法を提供する。具体的な実施態様において、本発明は、アリールスルホニルテトラリン化合物及び関連する医薬組成物、ならびに中枢神経系(CNS)疾患及び胃腸管障害の処置におけるその使用方法を提供する。
【0018】
この開示において引用された全ての刊行物は、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。
【0019】
定義
特記しない限り、明細書及び特許請求の範囲を含む本出願において使用される以下の用語は、下記の定義を有している。明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明白に別に示される場合を除いて、複数の対象物を含むことに注意されたい。
【0020】
「アゴニスト」は、別の化合物又は受容体部位の活性を増強する化合物をさす。
【0021】
「アンタゴニスト」は、別の化合物又は受容体部位の作用を減少又は阻止する化合物をさす。
【0022】
「アルキル」は、1〜12個の炭素原子を有している、炭素原子及び水素原子のみからなる、一価の直鎖状又は分岐状飽和炭化水素部分を意味する。「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子のアルキル基(すなわち、C−Cアルキル)をさす。アルキル基の例は、非限定的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシル等を含む。
【0023】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状飽和二価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレン等を意味する。
【0024】
「アルケニレン」は、2〜6個の炭素原子の直鎖状不飽和二価炭化水素基又は炭素原子3〜6個の分岐状飽和二価炭化水素基、例えば、エテニレン(−CH=CH−)、2,2−ジメチルエテニレン、プロペニレン、2−メチルプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等を意味する。
【0025】
「アルキルカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義されるようなアルキルである)の基を意味する。
【0026】
「アルキルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアルキルカルボニルである)の基を意味する。
【0027】
「アルキルスルホニル」は、基−SO−R(式中、Rは本明細書において定義されるようなアルキルである)を意味する。
【0028】
「アルキルスルホニルアルキル」は、基−R−SO−R’(式中、R’はアルキルであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)を意味する。
【0029】
「アルキルスルホニルアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアルキルスルホニルアルキルである)の基を意味する。
【0030】
「アルキルスルホンアミドアルキル」は、式−R−NR’−SO−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアルキルである)の基を意味する。
【0031】
「アルコキシ」は、基−OR(式中、Rは本明細書において定義されるようなアルキルである)を意味する。アルコキシ部分の例は、非限定的に、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等を含む。
【0032】
「アルコキシカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義されるようなアルコキシである)の基を意味する。
【0033】
「アルコキシカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアルコキシカルボニルである)の基を意味する。
【0034】
「アルコキシカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R’(式中、R’はアルコキシであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)の基を意味する。
【0035】
「アルコキシカルボニルアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアルコキシカルボニルアルキルである)の基を意味する。
【0036】
「アルコキシアルキル」は、式−R−OR’(式中、R’はアルキルであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)の基である。
【0037】
「アルコキシアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアルコキシアルキルである)の基を意味する。
【0038】
「アミノ」は、基−NRR’(式中、R及びR’は、各々独立に、水素又は本明細書において定義されるようなアルキルである)を意味する。したがって、「アミノ」は、「アルキルアミノ」及び「ジアルキルアミノ」を含む。
【0039】
「アミジニル」は、式:
【0040】
【化5】

【0041】
(式中、各々のRは、独立に、水素又は本明細書において定義されるようなアルキルである)で示される基を意味する。「N−シアノアミジニル」は、式:
【0042】
【化6】

【0043】
(式中、R’はシアノであり、Rは、水素又は本明細書において定義されるようなアルキルである)で示される基を意味する。
【0044】
「アミノスルホニル」は、基−SO−R(式中、Rは−NR’−であり、R’は水素又は本明細書において定義されるようなアルキルである)を意味する。
【0045】
「アミジニルアルキル」は、基−R−R’(式中、R’はアミジニルであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)を意味する。
【0046】
「アミノアルキル」は、基−R−R’(式中、R’はアミノであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)を意味する。「アミノアルキル」は、アミノメチル、アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルなどを含む。「アミノアルキル」のアミノ部分は、アルキルで1回又は2回置換されて、それぞれ「アルキルアミノアルキル」及び「ジアルキルアミノアルキル」を与える。「アルキルアミノアルキル」は、メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノエチルなどを含む。「ジアルキルアミノアルキル」は、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、N−メチル−N−エチルアミノエチルなどを含む。
【0047】
「アルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、R’は水素又はアルキルであり、R”はアルキルであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)の基を意味する。「ジアルキルアミノアルキル」は、アルキルアミノアルキル(式中、R’はアルキルである)である。
【0048】
「アミノカルボニル」は、式−C(O)−R(式中、Rは本明細書において定義されるようなアミノである)の基を意味する。
【0049】
「アミノカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R(式中、R’はアミノであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)の基を意味する。
【0050】
「アミノカルボニルアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアミノカルボニルアルキルである)の基を意味する。
【0051】
「アミノアルキルカルボニル」は、式−C(O)−R−R’(式中、R’はアミノであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)の基を意味する。
【0052】
「アミノアルキルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアミノカルボニルアルキルである)の基を意味する。
【0053】
「アミノスルホンアミドアルキル」は、式−R−NR’−SO−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなアミノである)の基を意味する。
【0054】
「アリール」は、単環式、二環式、又は三環式の芳香環からなる一価の環式芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、本明細書において定義されるように、場合により置換されていることができる。アリール部分の例は、非限定的に、フェニル、ナフチル、ナフタレニル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、ペンタレニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル(benzopiperazinyl)、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等を含み、それらの部分的に水素化された誘導体を含む。
【0055】
「アリーレン」は、二価のアリール基(式中、アリールは、本明細書において定義されるようなものである)を意味する。「アリーレン」は、例えば、o−、m−及びp−フェニレン(それぞれ、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン及び1,4−フェニレン)を含み、これらは、本明細書において定義されるように、場合により置換されていてもよい。
【0056】
交換可能に使用されうる「アリールアルキル」及び「アラルキル」は、基−R−R’(式中、Rはアルキレン基であり、Rは本明細書において定義されるようなアリール基である)を意味し;例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチル等が、アリールアルキルの例である。
【0057】
「シクロアルキル」は、単環式又は二環式の環からなる飽和炭素環式部分を意味する。シクロアルキルは、特に示されない限り、各々の置換基が独立に、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである、1個以上の置換基で場合により置換されていることができる。シクロアルキル部分の例は、非限定的に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等を含み、それらの部分不飽和誘導体、例えばシクロヘキセニル、シクロペンテニル等を含む。
【0058】
「シクロアルキルアルキル」は、式−R−R’(式中、Rはアルキレンであり、R’は本明細書において定義されるようなシクロアルキルである)の部分を意味する。
【0059】
「グアニジニル」は、式:
【0060】
【化7】

【0061】
(式中、各々のRは、独立に、水素又はアルキルであり、R’は水素、アルキル、又はフェニルであり、R”は水素、アルキル又はシアノである)で示される基を意味する。「グアニジニル」のフェニル部分は、本明細書において定義されるように、場合により置換されていてもよい。「N−シアノグアニジニル」は、グアニジニルについての式中のR”がシアノであることを意味する。
【0062】
「グアニジニルアルキル」は、基−R−R’(式中、R’はグアニジニルであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)である。「N−シアノグアニジニルアルキル」は、R’が本明細書において定義されるようなN−シアノグアニジニルであることを意味する。
【0063】
「グアニジニルカルボニルアルキル」は、式−R−C(O)−R’(式中、R’はグアニジニルであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)の基を意味する。
【0064】
「ヘテロアルキル」は、ヘテロアルキル基の結合している点が炭素原子を介してであるという理解のもとで、1、2又は3個の水素原子が−OR、−NR、及びS(O)(式中、nは0〜2の整数である)よりなる群から独立に選択される置換基で置き換えられた、本明細書において定義されるようなアルキル基を意味する(式中、Rは水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;R及びRは、互いに、独立に、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり;かつ、nが0である場合、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、又はシクロアルキルアルキルであり、かつnが1又は2である場合、Rはアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、又はジアルキルアミノである)。代表的な例は、非限定的に、メトキシ、エトキシ、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピル等を含む。
【0065】
「ヘテロアリール」は、ヘテロアリール基の結合している点が芳香環上にあるという理解のもとで、N、O、又はSより選択された1、2、又は3個の環ヘテロ原子を含有し、残りの環原子はCである芳香環を少なくとも1つ有している5〜12個の環原子の単環式又は二環式の一価基を意味する。ヘテロアリール環は、場合により、本明細書において定義されるように置換されていてもよい。ヘテロアリール部分の例は、非限定的に、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、チエニル、ベンゾチエニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジル、ピリジニル、ピリダジル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニル等を含み、それらの部分的に水素化された誘導体を含む。前記のヘテロアリール部分は、部分的に飽和されていてもよい。したがって、「ヘテロアリール」は、「イミダゾリニル」、「テトラヒドロピリミジニル」等を含む。
【0066】
「ヘテロアリーレン」は、二価のヘテロアリール基(ここで、ヘテロアリールは、本明細書において定義されるようなものである)を意味する。「ヘテロアリーレン」は、場合により、本明細書において定義されるように置換されていてもよい。「ヘテロアリーレン」は、例えば、インドリレン、ピリミジニレン等を含む。
【0067】
「ヘテロアリールアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなヘテロアリールである)の基を意味する。
【0068】
交換可能に使用されうる「ハロ」及び「ハロゲン」という用語は、置換基のフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードをさす。
【0069】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素が同一の又は異なるハロゲンで置き換えられた本明細書において定義されるようなアルキルを意味する。例としてのハロアルキルは、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、パーフルオロアルキル(例えば、−CF)等を含む。
【0070】
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子がN、NH又はN−アルキルであり、かつ残りの環原子がアルキレン基を形成している、飽和環を意味する。
【0071】
「ヘテロシクリル」は、1、2、3又は4個の(窒素、酸素又は硫黄より選択された)ヘテロ原子が組み込まれている、1〜3個の環からなる一価の飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、場合により、本明細書において定義されるように置換されうる。ヘテロシクリル部分の例は、非限定的に、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼピニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジニル、ピリダジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キヌクリジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、チアジアゾリリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等を含み、それらの部分的に不飽和な誘導体を含む。
【0072】
「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシで1、2又は3回置換されている、本明細書において定義されるようなアルキル基を意味する。
【0073】
「ヒドロキシアルキルカルボニル」は、式−C(O)−R−OH(式中、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)の基を意味する。
【0074】
「ヒドロキシアルキルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなヒドロキシアルキルカルボニルである)の基を意味する。
【0075】
「ヒドロキシアルキルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなヒドロキシアルキルである)の基を意味する。
【0076】
「イミダゾリニル」は、式:
【0077】
【化8】

【0078】
で示される基、より好ましくは、式:
【0079】
【化9】

【0080】
(式中、Rは、水素又はアルキルである)で示される基を意味する。「イミダゾリニル」は、「4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル」と互換的に使用されうる。
【0081】
「イミダゾロニル」は、式:
【0082】
【化10】

【0083】
で示される基、より好ましくは、式:
【0084】
【化11】

【0085】
(式中、Rは、水素又はアルキルである)で示される基を意味する。
【0086】
「イミダゾロニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなイミダゾロニルである)の基を意味する。
【0087】
「イミダゾリニルアルキル」は、基−R−R’(式中、R’は本明細書において定義されるようなイミダゾリニルであり、Rはアルキレンである)を意味する。
【0088】
「イミダゾリニルアミノアルキル」は、基−R−R’−R”(式中、R”は本明細書において定義されるようなイミダゾリニルであり、R’はアミノであり、Rはアルキレンである)を意味する。「イミダゾリニルアミノアルキル」のアミノ部分は、場合により、アルキルで置換されていてもよい。
【0089】
「イミダゾリルカルボニル」は、式:
【0090】
【化12】

【0091】
(式中、Rは、水素又は本明細書において定義されるようなアルキルである)で示される基を意味する。
【0092】
「イミダゾリニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなイミダゾリニルである)の基を意味する。
【0093】
「イミダゾリルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又は本明細書において定義されるようなアルキルであり、R”はイミダゾリルである)の基を意味する。
【0094】
「イミダゾリニルアルキル」は、式−R−R”(式中、Rはアルキレンであり、R”は本明細書において定義されるようなイミダゾリニルである)の基を意味する。
【0095】
「イミダゾリニルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−C(O)−NR’−R” (式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなイミダゾリニルである)の基を意味する。
【0096】
「ピリミジニルアミノアルキル」は、基−R−R’−R”(式中、R”はピリミジニル(好ましくは、ピリミジン−2−イル)であり、R’はアミノであり、Rはアルキレンである)を意味する。「ピリミジニルアミノアルキル」のピリミジニル部分は、場合により、本明細書において定義されるように置換されていてもよく、「ピリミジニルアミノアルキル」のアミノ部分は、場合により、アルキルで置換されていてもよい。
【0097】
「ピロリルカルボニル」は、式:
【0098】
【化13】

【0099】
(式中、Rは、水素又は本明細書において定義されるようなアルキルである)で示される基を意味する。
【0100】
「ピロリルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなピロリルカルボニルである)の基を意味する。
【0101】
「ピロリジニルカルボニル」は、式:
【0102】
【化14】

【0103】
(式中、Rは、水素又は本明細書において定義されるようなアルキルである)で示される基を意味する。
【0104】
「ピロリジニルカルボニルアミノアルキル」は、式−R−NR’−R”(式中、Rはアルキレンであり、R’は水素又はアルキルであり、R”は本明細書において定義されるようなピロリジニルカルボニルである)の基を意味する。
【0105】
「テトラヒドロピリミジニル」は、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル、好ましくは1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イルを意味し、場合により、本明細書において定義されるように置換されていてもよい。「テトラヒドロピリミジニル」は、5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イルを含む。
【0106】
「テトラヒドロピリミジニルアミノアルキル」は、基−R−NR’−R”(式中、R”はテトラヒドロピリミジニルであり、R’は水素又はアルキルであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)を意味する。
【0107】
互換的に使用しうる「ウレア」又は「ウレイル」は、式:
【0108】
【化15】

【0109】
(式中、Rは、独立に、水素又はアルキルである)で示される基を意味する。
【0110】
「ウレアルキル」は、基−R−R’(式中、R’はウレアであり、Rは本明細書において定義されるようなアルキレンである)を意味する。
【0111】
「場合により置換されている」は、「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、又は「ヘテロシクリル」と一緒になって使用された場合、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ヘテロアルキル、−COR(式中、Rは水素、アルキル、フェニル、又はフェニルアルキルである)、−(CR’R”)−COOR(式中、nは0〜5の整数であり、R’及びR”は、独立に、水素又はアルキルであり、Rは水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)、又は−(CR’R”)−CONR(式中、nは0〜5の整数であり、R’及びR”は、独立に、水素又はアルキルであり、R及びRは、互いに独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、フェニル又はフェニルアルキルである)より選択される1〜4個の置換基、好ましくは1又は2個の置換基で、独立に、場合により置換されている、アリール、フェニル、ヘテロアリール、又はヘテロシクリルを意味する。
【0112】
「脱離基」は、有機合成化学において、従来からそれに関連している意味を持つ基を意味し、すなわち、置換反応条件下で、交換可能な原子又は基を意味する。脱離基の例は、非限定的に、ハロゲン、アルカン−又はアリーレンスルホニルオキシ(例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、及びチエニルオキシ)、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されているベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシ等を含む。
【0113】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用は、非限定的に、本明細書において定義されるようなアゴニスト、アンタゴニスト等を含む。
【0114】
「場合による」又は「場合により」は、その後に記述された事象又は状況が生じてもよいが、生じる必要がなくてもよく、その記述は、事象又は状況が生じる場合と、生じるない場合とを含むことを意味する。
【0115】
「疾患状態」は、任意の疾患、状態、症状、又は兆候を意味する。
【0116】
「不活性有機溶媒」又は「不活性溶媒」は、溶媒が、それに関して記述された反応の条件の下で不活性であることを意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンもしくはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジン等を含む。特記のない限り、本発明の反応において使用される溶媒は、不活性溶媒である。
【0117】
「薬学的に許容しうる」は、一般に安全であり、非毒性であり、生物学的にも他の面からも有害ではない、医薬組成物の調製において有用なものを意味し、ヒトにおける医薬的使用のみならず獣医学的使用にも許容されるものを含む。
【0118】
化合物の「薬学的に許容しうる塩」は、本明細書において定義されるような、医薬的に許容され、かつ親化合物の所望の薬理学的活性を有している塩を意味する。そのような塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等のような無機酸で形成されるか;又は酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、しょうのうスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸等のような有機酸で形成された酸付加塩;あるいは
親化合物中の酸性プロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンで交換されるか;又は有機もしくは無機の塩基と配位した場合に形成される塩を含む。許容しうる有機塩基は、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミン等を含む。許容しうる無機塩基は、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、及び水酸化ナトリウムを含む。
【0119】
好ましい薬学的に許容しうる塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから形成される塩である。
【0120】
薬学的に許容しうる塩の全ての関連物は、同酸付加塩の、本明細書において定義されるような溶媒付加形態(溶媒和物)又は結晶形態(多形)を含むことを理解されたい。
【0121】
本明細書中で互換的に使用しうる「プロ−ドラッグ」及び「プロドラッグ」という用語は、このようなプロドラッグを哺乳動物対象に投与した場合に、式Iの活性親薬物をインビボで放出する、任意の化合物をさす。式Iの化合物のプロドラッグは、式Iの化合物に存在する1個以上の官能基を修飾することにより調製され、その修飾物はインビボで切断されて、親化合物を放出しうるようなものである。プロドラッグは、式Iの化合物中のヒドロキシ、アミノ、又はスルフヒドリル基が、インビボで切断されて、遊離ヒドロキシル、アミノ、又はスルフヒドリル基をそれぞれ再生しうるような任意の基に結合している、式Iの化合物を含む。プロドラッグの例は、非限定的に、式Iの化合物におけるヒドロキシ官能基のエステル(例えば、アセテート、ホルメート、及びベンゾエート誘導体)、カルバメート(例えば、N,N−ジメチルアミノカルボニル)、アミノ官能基のN−アシル誘導体(例えば、N−アセチル)、N−マンニッヒ塩基、シッフ塩基、及びエナミノン、式Iの化合物中のケトン及びアルデヒド官能基のオキシム、アセタール、ケタール、及びエノールエステルなどを含む、Bundegaard, H.、"Design of Prodrugs(プロドラッグの設計)" p1-92, Elesevier, New York-Oxford (1985) などを参照されたい。
【0122】
「保護(Protective)基」又は「保護(する)(protecting)基」は、合成化学において従来それと関連づけられている意味において、多官能化合物中の1つの反応部位を選択的にブロックして、もう一つの保護されていない反応部位において、選択的に化学反応が実施されうるようにする基を意味する。本発明の特定の方法は、反応物の中に存在する反応性の窒素及び/又は酸素原子をブロックするための、保護基に依存する。例えば、「アミノ保護基」及び「窒素保護基」という用語は、本明細書において互換的に使用され、合成手順中に望ましくない反応に対して窒素原子を保護することを目的とする有機基をさす。例としての窒素保護基は、非限定的に、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)等を含む。当業者は、除去の容易さのために、また後続の反応に耐える能力のために、基をどのようにして選択するかを知っている。
【0123】
「溶媒和物」は、化学量論的又は非化学量論的な量の溶媒を含有している溶媒付加形態を意味する。いくつかの化合物は、結晶固体状態において、一定のモル比の溶媒分子を捕捉し、それにより溶媒和物を形成する傾向を有している。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールである場合、形成される溶媒和物はアルコラートである。水和物は、水がその分子状態をHOとして維持する、1個以上の水分子と1個の物質との組み合わせにより形成され、そのような組み合わせは1種以上の水和物を形成することができる。
【0124】
「対象」は、哺乳動物及び非哺乳動物を意味する。哺乳動物は、非限定的に、ヒト;チンパンジーとその他の類人猿及びサル類のような非ヒト霊長類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、及びブタのような家畜;ウサギ、イヌ、及びネコのような家庭動物;ラット、マウス、及びモルモットのようなげっ歯類を含む実験動物等を含む、哺乳類のあらゆる構成員を意味する。非哺乳動物の例は、非限定的に、トリ等を含む。「対象」という用語は、特定の齢又は性別を意味しない。
【0125】
「治療有効量」は、疾患状態を処置するために対象に投与するとき、疾患状態のこのような処置を行うのに十分である化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、処置される疾患状態、重篤度又は処置される疾患、対象の年齢及び相対的な健康さ、投与の経路及び形態、従事する医師又は獣医の判断、ならびに他の因子により変動する。
【0126】
変数について言及する用語「上で定義されるもの」及び「本明細書において定義されるもの」は、変数の広い定義、ならびに、存在するならば、好ましい、より好ましい及び最も好ましい定義を参照により組み入れる。
【0127】
疾患状態を「処置すること」又は疾患状態の「処置」は、以下のものを含む:
(i)疾患状態の予防、すなわち疾患状態に暴露されるうる又は罹患しやすくなっているが、まだ疾患状態の症状を経験又は示していない対象において、疾患状態の臨床症状を発現させないこと、
(ii)疾患状態の阻害、すなわち疾患状態又はその臨床症状の進展を止めること、あるいは
(iii)疾患状態の緩和、すなわち疾患状態又はその臨床症状を一時的又は永久的に後退させること。
【0128】
「処理する」、「接触させる」、及び「反応させる」という用語は、化学反応をさす場合、2つ以上の試薬を、適切な条件下で加えるか又は混合して、表示の生成物及び/又は所望の生成物を製造することを意味する。表示の生成物及び/又は所望の生成物を製造する反応が、最初に加えられた2つの試薬を組み合わせから、直接に結果として生じる必要はないこと、すなわち混合物中に製造される1つ以上の中間体が存在してもよく、それが最終的に表示の生成物及び/又は所望の生成物の形成に至ることを理解されたい。
【0129】
一般に、本出願において使用される命名法は、IUPACの体系的命名法を生み出すBeilstein InstituteコンピュータシステムであるAUTONOM(商標)v.4.0に基づく。
【0130】
本明細書に示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を使用して作製された。本明細書中の、化学構造における炭素、酸素又は窒素原子上に見られるあらゆる空原子価は、水素原子の存在を示す。
【0131】
本発明の一つの態様は、式I:
【0132】
【化16】

【0133】
[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素又はアルキルであり:
は、アルキル、ハロアルキル又は−NR(式中、R及びRは、各々、独立に、水素、アルキル又はヒドロキシアルキルである)であり;
ただし、mが0であり、nが1であり、Rが水素であり、Rがメチル又は−NHである場合には、Arは3−フルオロフェニルではない]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩を提供する。
【0134】
本発明の他の態様において、式II:
【0135】
【化17】

【0136】
[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素又はアルキルであり:
は、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル又は−(CHp−NR(ここで、
pは、0又は1であり;
は、水素又はアルキルであり;
は、水素、アルキル、グアニジニル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシアルキルである)であり、
ただし、mが0であり、Rが−NHCH、−N(CH、−CHNH、−CHNHCH、−CHN(CH又は−CHOHである場合には、Arは3−フルオロフェニルではなく、
mが0であり、Rが−NH又はグアニジニルである場合には、Arはフェニル又は3−フルオロフェニルではなく、
mが1であり、Rがテトラリン環系の8位のフルオロであり、Rがメチルである場合には、Arはフェニルではなく、
mが0であり、Rがメチルである場合には、Arは3−フルオロフェニル又はインドール−3−イルではなく、
mが0であり、Rがメトキシ又はエトキシである場合には、Arは3−フルオロフェニル又は2−フルオロフェニルではない]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
【0137】
本発明の他の態様において、式III:
【0138】
【化18】

【0139】
[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
qは、0〜3であり;
Aは、qが0又は1である場合には、−CH−であり、Aは、qが2又は3である場合には、−CH−又は−SO−であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ヘテロアルキル又はシアノである]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
【0140】
本発明の範囲は、存在しうる様々な異性体のみならず、形成されうる異性体の様々な混合物も包含することを理解されたい。
【0141】
さらに、本発明の範囲は、式I、II及びIIIの化合物の溶媒和物及び塩も包含する。
【0142】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、mは0である。
【0143】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、nは1である。
【0144】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、nは2である。
【0145】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、nは3である。
【0146】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロ、好ましくはフルオロである。
【0147】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロ、好ましくはフルオロであり、Rは、テトラリン環系の5位又は8位に位置している。
【0148】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロであり、nは1である。
【0149】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロであり、nは1であり、Arは、場合により置換されているフェニルである。
【0150】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロであり、nは1であり、Arは、場合により、ハロ、好ましくはフルオロで置換されているフェニルである。
【0151】
式I、式II又は式IIIの特定の実施態様において、mは1であり、Rはフルオロであり、nは1であり、Arは、場合により、ハロ、好ましくはフルオロで置換されているフェニルである。
【0152】
式IIIの特定の実施態様において、Aは−CH−である。
【0153】
式IIIの特定の実施態様において、qは0である。
【0154】
式IIIの特定の実施態様において、qは1である。
【0155】
式IIIの特定の実施態様において、qは2である。
【0156】
式IIIの特定の実施態様において、qは3である。
【0157】
式IIIの特定の実施態様において、qは0であり、Aは−CH−である。
【0158】
式IIIの特定の実施態様において、qは1であり、Aは−CH−である。
【0159】
式IIIの特定の実施態様において、qは2であり、Aは−CH−である。
【0160】
式IIIの特定の実施態様において、qは3であり、Aは−CH−である。
【0161】
式IIIの特定の実施態様において、qは1であり、Aは−CH−であり、Rは、水素又はヒドロキシである。
【0162】
式IIIの特定の実施態様において、qは2であり、Rは水素であり、Aは−SO−である。
【0163】
式Iの特定の実施態様において、対象化合物は、式IVa又はIVb:
【化19】

【0164】
[式中、
sは、0〜4であり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)r−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、rは、0〜2であり、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
m、n、R、R及びRは、本明細書で定義されているとおりである]
で示されるもの又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0165】
式IIの特定の実施態様において、対象化合物は、式Va又はVb:
【0166】
【化20】

【0167】
[式中、
sは、0〜4であり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)r−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、rは、0〜2であり、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
m、n、R、R及びRは、本明細書で定義されているとおりである]
で示されるもの又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0168】
式IIIの特定の実施態様において、対象化合物は、式VIa又はVIb:
【0169】
【化21】

【0170】
[式中、
sは、0〜4であり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)r−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、rは、0〜2であり、R、R、R及びRは、各々独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
m、n、A、R、及びRは、本明細書で定義されているとおりである]
で示されるもの又はその薬学的に許容しうる塩である。
【0171】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは0である。
【0172】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、nは1である。
【0173】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、nは2である。
【0174】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、nは3である。
【0175】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロ、好ましくはフルオロである。
【0176】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロ、好ましくはフルオロであり、Rは、テトラリン環系の5位又は8位に位置している。
【0177】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロであり、nは1である。
【0178】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロであり、nは1であり、sは0又は1である。
【0179】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rはハロであり、nは1であり、sは0又は1であり、Rはハロ、好ましくはフルオロである。
【0180】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは1であり、Rはフルオロであり、nは1であり、sは1であり、Rはハロ、好ましくはフルオロである。
【0181】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは1であり、Rは、テトラリン環系の5位又は8位に位置しているフルオロであり、nは1であり、sは1であり、Rはハロ、好ましくはフルオロである。
【0182】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは0又は1であり、Rは、テトラリン環系の5位又は8位に位置しているフルオロであり、nは1であり、sは1であり、Rは3−フルオロである。
【0183】
式IVa、IVb、Va、Vb、VIa及びVIbのいずれかの特定の実施態様において、mは1であり、Rは、テトラリン環系の5位又は8位に位置しているフルオロであり、nは1であり、sは1であり、Rは3−フルオロである。
【0184】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、qは0である。
【0185】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、qは1である。
【0186】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、qは2である。
【0187】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、qは3である。
【0188】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、qは0である。
【0189】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、qは1であり、Aは−CH−である。
【0190】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、qは2であり、Aは−CH−である。
【0191】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、qは3であり、Aは−CH−である。
【0192】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、nは1であり、qは1であり、Aは−CH−であり、Rは、水素又はヒドロキシである。
【0193】
式VIa又は式VIbの特定の実施態様において、nは1であり、qは2であり、Rは水素であり、Aは−SO−である。
【0194】
本発明の他の態様において、式VII:
【0195】
【化22】

【0196】
[式中、
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
は、水素又はアルキルであり:
は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はアルキルスルホニルアルキルであり;
10及びR11の一方はフルオロ又はヒドロキシであり、他方は水素である]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩が提供される。
【0197】
式VIIの特定の実施態様において、nは1である。
【0198】
本発明の他の態様において、
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオンアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メタンスルホンアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−イソブチルアミド;
C,C,C−トリフルオロ−N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メタンスルホンアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−プロピオンアミド
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−メトキシ−アセトアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミド;
C−[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン;
N−[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミド;
[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ジメチル−アミン;
(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(2−メタンスルホニル−エチル)−アミン;
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−N,N−ジメチルアミノ スルホンアミド;
5−アミノメチル−2−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール;
N−[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−アセトアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−2−ヒドロキシ−アセトアミド;
[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ウレア;
3−(5−アゼチジン−1−イルメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホニル)−1H−ピロール
C−[6−(チアゾール−5−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン;
[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−(2−メトキシ−エチル)−アミン;
2−ヒドロキシ−N−[6−(1H−ピロール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミド;
2−{[6−(1H−ピロール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−エタノール;
[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ウレア;
C−[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン;
2−{[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−エタノール;
2−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−イソチアゾリジン 1,1−ジオキシド;
(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−ウレア;
2−{[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−エタノール;
2−{[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−アセトアミド;
[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ウレア;
3−{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−プロパン−1−スルホン酸;
N−[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−アセトアミド;及び
1−[6−(1H−ピロール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール
1−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール
から選択される化合物が提供される。
【0199】
ここで、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R及びRは、アルキルであるか、又はアルキル部分を含み、このようなアルキルは、好ましくは低級アルキル、すなわちC〜Cアルキル、より好ましくはC〜Cアルキルである。
【0200】
本発明に係る代表的化合物は、各々の化合物に関する融点又は質量スペクトルM+Hと共に、表1に示されている。いくつかの例における融点は、対応する付加塩について示されている。
【0201】
【表1】













【0202】
本発明の他の態様は、治療有効量の少なくとも一つの式(I)の化合物及び薬学的に許容しうる担体を含む組成物を提供する。
【0203】
本発明のさらに他の態様は、治療有効量の式Iの化合物を対象に投与することを含む、対象における中枢神経系(CNS)疾患状態を処置する方法を提供する。疾患状態は、例えば、精神病、統合失調症、躁うつ病、神経障害、記憶障害、注意欠陥障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、又はハンチントン病を含みうる。
【0204】
本発明のさらなる他の態様は、治療有効量の式(I)の化合物を対象に投与することを含む、対象における胃腸管の障害を処置する方法を提供する。
【0205】
本発明の他の態様は、式(I)の化合物を製造する方法を提供する。
【0206】
合成
本発明の化合物は、以下に示し、記載した例示的な合成反応スキームに記述される多様な方法により調製することができる。
【0207】
これらの化合物の調製において使用される出発物質及び試薬は、一般に、アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)のような商業的な供給元から入手可能であるか、又はFieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-15; Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals; 及びOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 2004, Volumes 1-56のような参照文献に示された手順に従い、当業者に既知の方法により調製される。以下の合成反応スキームは、本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法を例示するものに過ぎず、これらの合成反応スキームに対する様々な修飾を行うことができ、本出願に含まれる開示を参照して、当業者に示唆されるであろう。
【0208】
合成反応スキームの出発物質及び中間体は、所望により、非限定的に、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィー等を含む従来技術を使用して、単離及び精製することができる。そのような物質は、物理定数及びスペクトルデータを含む従来の手段を使用して、特徴付けることができる。
【0209】
特記のない限り、本明細書に記載された反応は、好ましくは、約−78℃〜約150℃、より好ましくは約0℃〜約125℃の反応温度範囲で、最も好ましくかつ好都合には約室温(又は周囲温度)、例えば約20℃で、大気圧で、不活性雰囲気下に実施される。
【0210】
下記スキームAは、本発明の化合物(ここで、Ar、m及びRは本明細書で定義されているようなものである)を調製するために使用可能な1つの合成手順を例示する。テトラリン化合物への多数の合成経路が公知であり、対象化合物の調製に使用しうる。スキームAの手順は、単に例示するものである。スキームAの手順の具体的な例が、以下の実験の部に提供されている。
【0211】
【化23】

【0212】
スキームAの工程1において、ケトン化合物aは、アルキル化/シアニル化反応を経て、アリールスルホニルニトリル化合物bを与える。ケトン化合物は、例えば、アリールスルホンアミジルテトラロン又はアリールアミノスルホニルテトラロンを包含しうる。ケトン化合物aは、この分野で公知の多様な手法により調製しうる。工程1のアルキル化反応は、極性非プロトン溶媒条件下、ヨウ化亜鉛の存在下に、トリメチルシリルシアニドでのケトン化合物aの処理と、それに続くp−トルエンスルホン酸又は同様の酸での処理により達成されうる。
【0213】
工程2において、ニトリル化合物bを環原子還元に付すと、ニトリル化合物cを与える。この還元は、工程1から生じる残留不飽和を除去し、白金又はパラジウム触媒と共に水素ガスを用いて行いうる。
【0214】
第二の還元反応は、工程3で行われ、化合物cのニトリル基を還元し、アミノメチル化合物dを与える。化合物dは、本発明に係る式Iの化合物である。
【0215】
スキームAの手順に多くの変形が可能であり、当業者に容易に明らかである。特定の実施態様において、工程2及び工程3の還元反応は、単一の工程で行いうる。他の実施態様において、工程2の還元は、追加の不飽和をもたらすために省略しうる。アミン化合物dは、適切な保護/脱保護を用いて、追加のアルキル化反応に付して、モノアルキルアミノ又はジアルキルアミノ化合物を与えうる。アミン化合物dは、また、引き続く反応を経て、アミジニル、グアニジニル、イミダゾリニル、イミダゾリニルアミノ、及び他の官能性を形成しうる。このような追加的な反応の具体的な例は、以下の実施例中に提供されている。
【0216】
スキームBを参照すると、Yが脱離基であり且つ出現ごとに同一又は異なってもよく、Rが低級アルキルであり且つ出現ごとに同一又は異なってもよく、Ar、m、X、R、R及びRは本明細書で定義されているようなものである、対象化合物への別の合成経路が示されている。
【0217】
【化24】

【0218】
スキームBの工程1において、ケトン化合物aは、アルキル化反応に付し、ヒドロキシエステル化合物eを与える。工程1におけるアルキル化は、亜鉛及びヨウ素での、引き続くハロアルキルエステル化合物、例えばブロモプロピオン酸エチル(ここで、Yはブロモであり、nは1であり、R及びRは水素であり、Rはエチルである)での、ケトン化合物aの処理により達成しうる。
【0219】
工程2において、ヒドロキシエステル化合物eは、酸、例えばp−トルエンスルホン酸での処理により、脱水され、不飽和エステル化合物fを与える。特定の実施態様態様において、工程2の脱水は、工程1の間に自然に起こりうるので、工程2は省略しうる。
【0220】
還元反応は、工程3で生じ、ここでは、化合物f中の残留不飽和を、適切な白金又はパラジウム触媒の存在下に水素で処理することにより水素化し、エステル化合物gを与える。
【0221】
工程4において、化合物gを還元に付し、引き続いてアルキルスルホニル化し、スルホネート化合物hを与える。この工程は、化合物gを還元剤、例えば水素化リチウムアルミニウムで処理することにより行われえ、アルコール(示されていない)を形成し、これは、その後、ハロゲン化アルキルスルホニル、例えば塩化メタンスルホニルで処理される。
【0222】
工程5において、アリールスルホネート化合物hのアミノ化は、アミン化合物iを与える。多くの実施態様におけるこのアミノ化は、スルホネート化合物hをアジ化ナトリウムで処理して、アジド化合物(示されていない)を形成し、次いでこれを水素化リチウムアルミニウム又は同様の還元剤を用いて還元し、引き続き酸処理(workup)することにより、アミンiを与えることを含みうる。
【0223】
スキームAの場合のように、スキームBの手順に多くの変形が可能であり、当業者にそれら自体を示唆するであろう。そのような変形において、スルホネート化合物hは、シアニドで処理し、ニトリル化合物が形成され、これは、次いで、還元され、アミンを与える。
【0224】
スキームAの化合物d又はスキームBの化合物iのアミン基は、種々の反応を経て、スキームCに示されるような、多様なR官能基を与える。
【0225】
【化25】

【0226】
スキームBにおいて、化合物dを、BOC保護し、次いで、還元条件下にアルキル化に付し、引き続き脱保護し、メチルアミノ化合物jを与える。化合物eは、別のアルキル化(示されていない)に付され、対応するジメチルアミノ又は他のジアルキルアミノ化合物を与える。
【0227】
化合物dを、また、極性非プロトン性溶媒条件下、アミン触媒の存在下に、1H−ピラゾール−1−カルボキサアミジン塩酸塩と反応させ、グアニジン化合物kを与えうる。あるいは、化合物dを、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させ、ホルムアミジン化合物mを与える。また別の代替法として、化合物dを、2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールで処理し、イミダゾリニルアミノ化合物nを与える。さらに別の代替法において、化合物dを、エチルイミデート(アセトイミド酸エチルエステル)と反応させ、アセトアミジン化合物oを与える。
【0228】
スキームA、スキームB及びスキームCの手順に多くの変形が可能であり、当業者に容易に明らかである。そのような追加的な反応の具体的な例は、以下の実施例に提供されている。
【0229】
有用性
本発明の化合物は、5−HT受容体、5−HT2A受容体、又はその双方を含む5−HT受容体について、選択的親和性を有しており、従って、パーキンソン病、ハンチントン病、不安、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病(認知記憶の増強)、睡眠障害、摂食障害、例えば拒食症、過食症、及び肥満、不安発作、静座不能、注意欠陥多動性障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、コカイン、エタノール、ニコチン及びベンゾジアゼピン類のような薬物乱用からの禁断症状、統合失調症、ならびにまた、脊髄外傷及び/又は水頭症のような頭部損傷に関連した障害のような特定のCNS障害の処置において有用であると期待される。そのような化合物は、機能性腸障害及び過敏性腸症候群のような特定のGI(胃腸)障害の処置においても使用しうると期待される。
【0230】
試験
本発明の化合物の薬理学は、当技術分野において認識されている手順によって決定された。放射性リガンド結合における5−HT6受容体及び5−HT2A受容体でのテスト化合物の親和性を決定するためのインビトロ技術及び機能アッセイは、下記されている。
【0231】
投与及び医薬組成物
本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物、又は個々の異性体、異性体のラセミ混合物もしくは非ラセミ混合物、又は薬学的に許容しうるそれらの塩もしくは溶媒和物を、少なくとも1種の薬学的に許容しうる担体と一緒に、そして場合によりその他の治療用及び/又は予防用成分と一緒に含む、医薬組成物を包含する。
【0232】
一般に、本発明の化合物は、類似した有用性をもたらす薬剤の、任意の許容されている投与方法によって、治療有効量で投与されるであろう。適切な投薬量範囲は、治療すべき疾患の重篤度、対象の年齢及び相対的な健康状態、使用される化合物の効能、投与の経路及び形態、投与が指示される適応、ならびに関与する医師の選択及び経験のような多数の因子に依存して、典型的には1日あたり1〜500mg、好ましくは1日あたり1〜100mg、最も好ましくは1日あたり1〜30mgである。そのような疾患を処置する当業者は、必要以上に試験を行うことなく、かつ個人的な知識及び本特許出願の開示に依拠して、所与の疾患について本発明の化合物の治療有効量を確定することが可能となる。
【0233】
一般に、本発明の化合物は、経口(口内及び舌下を含む)、直腸、鼻、局所、肺、膣、もしくは非経口(筋肉内、動脈内、くも膜下腔内(intrathecal)、皮下及び静脈内を含む)投与に適したものを含む医薬製剤として、又は吸入もしくは通気(insufflation)による投与に適した形態で、投与される。好ましい投与の方法は、一般に、苦痛の程度に従って調整されうる、好都合な毎日投薬計画を用いる経口である。
【0234】
本発明の化合物は、1つ以上の慣用の補助剤、担体、又は希釈剤と一緒になって、医薬組成物及び単位投薬量の形態にしうる。医薬組成物及び単位投薬形態は、追加の活性化合物又は有効成分と共に又はそれらをなしに、慣用の割合の慣用の成分から構成されることができ、単位投薬形態は、使用される目的の1日投薬量の範囲に相応した任意の適切な有効量の活性成分を含有しうる。医薬組成物は、錠剤もしくは充填カプセルのような固体、半固体、粉末、徐放性製剤、又は溶液剤、懸濁剤、乳濁剤、エリキシルのような液体、又は経口的に使用するための充填カプセルとして;又は直腸もしくは膣への投与のための坐剤の形態で;又は非経口的に使用するための無菌の注射用液の形態で使用されうる。そこで、1錠あたり、約1ミリグラム、又はより広く約0.01〜約100ミリグラムの活性成分を含有している製剤が、適切な代表的な単位投薬形態である。
【0235】
本発明の化合物は、多様な経口投与投薬形態へと製剤化されうる。医薬組成物及び投薬形態は、本発明の化合物又はそれらの薬学的に許容しうる塩を活性成分として含みうる。薬学的に許容しうる担体は、固体又は液体でありうる。固形調製物は、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散可能顆粒剤を含む。固体担体は、希釈剤、風味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル物質としても作用しうる1つ以上の物質でありうる。粉末剤において、担体は、一般に、微粉化した活性成分との混合物である、微粉化した固体である。錠剤において、活性成分は、一般に、必要な結合能力を有している担体と適切な割合で混合され、所望の形状及びサイズに圧縮される。粉末剤及び錠剤は、好ましくは、約1〜約70パーセントの活性化合物を含有している。適切な担体は、非限定的に、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、乳糖、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ロウ、カカオ脂等がを含む。「調製物」という用語は、担体を含む又は含まない活性成分が、それに関連する担体により包囲されているカプセル剤を提供する、担体としてのカプセル化物質との活性化合物の製剤が含まれるように意図される。同様に、カシェ剤及びトローチ剤が含まれる。錠剤、粉末剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤は、経口投与に適した固体の形態でありうる。
【0236】
経口投与に適したその他の形態は、乳濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、水性溶液剤、水性懸濁剤を含む液状調製物、又は使用直前に液状調製物に変換することを意図した固形調製物を含む。乳濁剤は、溶液中、例えばプロピレングリコール水溶液中で調製することができ、又は例えばレシチン、ソルビタンモノオレアート、もしくはアラビアゴムのような乳化剤を含有していてもよい。水性溶液剤は、活性成分を水に溶解させ、適切な着色剤、風味剤、安定剤、及び増粘剤を添加することにより調製することができる。水性懸濁剤は、天然又は合成のゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びその他の周知の懸濁化剤のような粘性物質と共に、微粉化した活性成分を水に分散させることにより調製することができる。固形調製物は、溶液剤、懸濁剤、及び乳濁剤を含み、活性成分に加え、着色剤、風味剤、安定剤、緩衝剤、人工及び天然の甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤等を含有していてもよい。
【0237】
本発明の化合物は、非経口投与(例えば、注射、例としては、ボーラス注射又は連続注入による)用に製剤化してもよく、アンプル、プレー充填注射器、小量注入(容器)中に単位用量形態で又は防腐剤を添加した多用量容器中に存在できる。組成物は、油性又は水性のビヒクル中の懸濁剤、溶液剤、又は乳濁剤、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液剤のような形態をとりうる。油性又は非水性の担体、希釈剤、溶媒、又はビヒクルの例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、及び注射用有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)を含み、保存剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、安定剤及び/又は分散剤のような製剤化剤を含有していてもよい。あるいは、活性成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、又は適切なビヒクル、例えば滅菌した、発熱物質を含まない水を用いて、使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってもよい。
【0238】
本発明の化合物は、軟膏、クリームもしくはローションとして、又は経皮パッチとして、表皮への局所投与用に製剤化されうる。軟膏及びクリームは、例えば、適切な増粘剤及び/又はゲル化剤が添加された水性又は油性の基剤と共に製剤化されうる。ローションは、水性又は油性の基剤と共に製剤化することができ、一般に、1種以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、又は着色剤をも含有しているであろう。口内への局所投与に適している製剤は、風味付けされた基剤、通常、ショ糖及びアラビアゴム又はトラガカントの中に活性薬剤を含むトローチ;ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシアのような不活性基剤の中に活性成分を含むパステル剤;ならびに適切な液体担体の中に活性成分を含む洗口液を含む。
【0239】
本発明の化合物は、坐剤としての投与用に製剤化されうる。脂肪酸グリセリドの混合物のような、低融点ロウ又はカカオ脂がまず溶融され、例えば撹拌によって、活性成分が均質に分散される。次いで、溶融した均質な混合物を都合の良いサイズの鋳型に注入し、冷却し、凝固する。
【0240】
本発明の化合物は、膣投与用に製剤化されうる。活性成分に加えて、そのような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレーが適切であることは、当該技術で公知である。
【0241】
本発明の化合物は、鼻投与用に製剤化されうる。溶液剤又は懸濁剤が、慣用の手段によって、例えば、点滴器、ピペット又はスプレーにより、鼻腔に直接適用される。その製剤は、単一用量形態又は多用量形態で提供されうる。後者の点滴器又はピペットの場合、これは、適切な所定の容量の溶液剤又は懸濁剤を投与する患者によって達成しうる。スプレーの場合、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプによって達成しうる。
【0242】
本発明の化合物は、鼻腔内投与を含む、特に気道へのエアロゾル投与用に製剤化しうる。化合物は、一般に、例えば、5ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有しているであろう。そのような粒子サイズは、当技術分野において既知の手段によって、例えば微粒子化によって、得られる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、もしくはジクロロテトラフルオロエタン、又は二酸化炭素もしくはその他の適切なガスのような適切な噴射剤での加圧パック中に供される。エアロゾルが、レシチンのような界面活性剤を好都合に含有しうる。薬物の用量は、計量バルブによって制御されうる。あるいは、活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えば、乳糖、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなデンプン誘導体、及びポリビニルピロリジン(PVP)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物の形態で提供されうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えばゼラチンのカプセル又はカートリッジ、又は粉末剤が吸入器により投与されるブリスターパック中に、単位用量形態で存在してよい。
【0243】
所望の場合、製剤は、活性成分の徐放投与又は放出制御投与に適応した腸溶コーティングで調製しうる。例えば、本発明の化合物は、経皮又は皮下薬物送達デバイス中に、製剤化することができる。化合物の徐放が必要である場合、及び治療計画への患者コンプライアンスが必須である場合、これらの送達システムは有利である。経皮送達システムにおける化合物は、しばしば、皮膚粘着性の固体支持体に結合されている。目的の化合物を、浸透増強剤、例えば、Azone(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることもできる。徐放性送達システムは、手術又は注射によって皮下層へと皮下挿入される。皮下インプラントは、脂溶性の膜、例えばシリコンゴム又は生分解性ポリマー、例えばポリ乳酸中に化合物を封入している。
【0244】
医薬調製物は、好ましくは、単位投薬形態にある。そのような形態において、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量へと分割される。単位投薬形態は、パッケージ調製物であることができ、そのパッケージは、パケット錠剤、カプセル剤及びバイアル又はアンプル中の粉末剤のような、調製物の個々の分量を含有する。また、単位投薬形態は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、もしくはトローチ剤自体であってもよく、又はパッケージされた形態に、適切な数のこれらのいずれかでありうる。
【0245】
その他の適切な医薬的担体及びそれらの製剤化は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本発明の化合物を含有している代表的な医薬製剤は、以下の実施例に記載される。
【実施例】
【0246】
下記の製造例および実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し実施できるように与えられる。それらは、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に本発明の例示的および代表的なものであるとして見なされるべきである。下記の略語を実施例で使用することができる。
【0247】
略語
DCM ジクロロメタン/塩化メチレン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
tBuOH tert−ブタノール
gc ガスクロマトグラフィー
HMPA ヘキサメチルホスホルアミド
hplc 高速液体クロマトグラフィー
mCPBA m−クロロ過安息香酸
MeCN アセトニトリル
NMP N−メチルピロリジノン
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
LDA リチウムジイソプロピルアミン
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0248】
製造例1
6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
この製造例に記載した合成手順を、スキームDに示した方法に従って実施した。
【0249】
【化26】

【0250】
工程1
4−(3−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−酪酸メチルエステル
ジメチルホルムアミド(DMF)35ml中の3−フルオロベンズアルデヒド(35.38g、285.07mmol)の溶液を、アクリル酸メチル(26.28ml、25.03g、290.7mmol)及び粉末KCNの加熱した(48℃)溶液にアルゴン下で加えた。反応混合物を40℃で2時間撹拌し、次に水500mlに注いだ。この水相をEtO 500mlで2回及びEtOAc 250mlで1回抽出した。合わせた有機層を水及び飽和ブラインで洗浄し、次にMgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、4−(3−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−酪酸メチルエステル50.89g(242.2mmol、84.93%)を油状物として得た。MS:211(M+H)
【0251】
工程2
4−(3−フルオロ−フェニル)−酪酸
エチレングリコール(150ml)中の4−(3−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−酪酸メチルエステル(28.27g、134.49mmol)、ヒドラジン一水和物(26.1ml、26.93g、537.96mmol)及びKOH(22.64g、403.47mmol)の溶液を、アルゴン下で加熱還流し、2時間還流した。反応混合物を冷却し、水1.5リットルで希釈し、EtO 500mlを加え、混合物を撹拌しながら、6M HClを加えることにより酸性化し、その後、EtO 500mlを加えた。有機層を除去し、水層をEtO/EtOAc(3:1)の250ml及び500mlの2回で抽出した。合わせた有機層を水、飽和ブラインで洗浄し、次にMgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、褐色を帯びた油状物を得て、それをヘキサン類/EtOAc(9:1)を使用するシリカゲルを通して溶離した。溶媒を減圧下で除去して、4−(3−フルオロ−フェニル)−酪酸18.44g(101.21mmol、75.26%)を油状物として得た。MS:183(M+H)
【0252】
工程36−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
メタンスルホン酸(75ml)及びPの溶液を、85℃で15分間撹拌し、この時点で、ほとんどのPが溶解していた。追加のメタンスルホン酸15mlを滴下し、混合物を85℃で2時間撹拌した。反応混合物を水500mlに注ぎ、EtOAc 400mlで2回抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO、水及び飽和ブラインで洗浄し、次にMgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、油状物を得て、それをヘキサン類/EtOAc(9:1)を使用するシリカゲルを通して溶離した。溶媒を減圧下で除去して、6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン6.06g(36.91mmol、53.97%)を黄色の油状物として得た。MS:165(M+H)
【0253】
工程4
6−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
N−メチルピロリジノン(NMP)50ml中の6−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(5.51g、33.56mmol)、ベンゼンチオール(4.07g、3.79ml、36.92mmol)及びKCO(9.28g、67.12mmol)の溶液を、アルゴン下、80℃に加熱し、80℃で2時間撹拌した。反応混合物を水500mlに注ぎ、EtOAc 300mlで希釈した。層を分離し、水層をEtOAc 250mlで2回抽出した。合わせた有機層を水、飽和ブラインで洗浄し、次にMgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、油状物を得て、それをヘキサン類/EtOAc(9:1)を使用するシリカゲルを通して溶離した。溶媒を減圧下で除去して、6−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン8.05g(31.65mmol、94.31%)を、淡黄色の油状物として得た。MS:255(M+H)
【0254】
工程5
6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
MeOH/MeCN(各50ml)中の6−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(8.05g、31.65mmol)の溶液を、室温で撹拌した。OXONE(商標)(ペルオキシ一硫酸カリウム、77.83g、126.60mmol)を水50mlに溶解し、撹拌している反応物に加えた。反応混合物を15時間撹拌し、次に減圧下で蒸発させた。得られた水性残留物を水500mlで希釈し、EtOAc 300mlで3回抽出した。合わせた抽出物を水、飽和ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、油状物を得て、それをヘキサンで、続いてクロロホルムで、シリカゲルを通して溶離した。溶媒を減圧下で除去して、白色の固体6.55g(22.87mmol、72.27%)を得て、それをEtO/ヘキサン類から再結晶化した。MS:287(M+H)
【0255】
工程4で、3−クロロベンゼンチオールでの上記手順を使用して、6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンを同様に調製した。MS:287(M+H)
【0256】
製造例2
7−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
本製造例に記載した合成手順は、スキームEに示した方法に従って実施した。
【0257】
【化27】

【0258】
工程1:
4−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−酪酸
フルオロベンゼン(50ml、530mmol)及び三塩化アルミニウム(156g、1.17mol)を、塩化メチレン500mlに加え、反応混合物を撹拌した。無水コハク酸(50g、500mmol)を撹拌している反応混合物に一度に加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。10%HClを注意深く加えて反応をクエンチし、反応混合物を水500mlに加えた。水性混合物を塩化メチレン250mlで2回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、4−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−酪酸62g(316mmol、59.6%)を粗固体として得た。MS:197(M+H)
【0259】
工程2:
4−オキソ−4−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−酪酸
4−(4−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−酪酸(10.0g、51mmol)、チオフェノール(5.2g、51mmol)及び粉末炭酸カリウム(13.8g、100mmol)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)25mlに加えた。反応混合物を110℃に2時間加熱し、次に冷却し、水250mlを加えることにより希釈した。水性混合物をEtOAc、100mlで3回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、4−オキソ−4−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−酪酸11g(38.5mmol、75.5%)を粗固体として得た。MS:287(M+H)
【0260】
工程3:
4−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−酪酸
粉末亜鉛(66g)を、2%HClで洗浄し、6M HCl 50ml中のHgCl(6g)の溶液に加えた。この混合物を5分間激しく振とうし、過剰量の液体をデカントした。次に混合物を6M HCl 450ml中の4−オキソ−4−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−酪酸(6.5g、22.7mmol)の機械的に撹拌した懸濁液に加え、反応混合物を室温で5日間撹拌した。次に混合物をデカントして、過剰量のHClを除去し、更に水250mlを加えてクエンチした。水性混合物をEtOAc 100mlで3回抽出し、合わせた有機層を減圧下で乾燥させて、4−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−酪酸5.0g(18.4mmol、81%)を粗固体として得た。MS:273(M+H)
【0261】
工程4:
7−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
4−(4−フェニルスルファニル−フェニル)−酪酸(5.0g、18.4mmol)を、テトラヒドロフラン(THF)50mlに溶解した。シュウ酸クロリド(1.8ml、20mmol)及びDMF 1滴を加え、反応混合物を1時間撹拌し、次に減圧下で蒸発乾固した。得られた残留物を1,2−ジクロロエタン40mlに溶解し、三塩化アルミニウム(0.85g、25mmol)を一度に加えた。反応混合物を1時間撹拌し、2%HClを加えることによりクエンチした。この水性混合物をEtOAc 100mlで2回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、7−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン2.54g(10mmol、55.5%)をガム状の残留物として得た。MS:255(M+H)
【0262】
工程5:
7−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
7−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン( )をMeOH 50mlに溶解し、室温で撹拌した。OXONE(商標)(13.5g、22mmol)を水10mlに溶解し、撹拌している反応物に加えた。反応混合物を8時間撹拌し、次に減圧下で蒸発させた。得られた水性残留物を水200mlで希釈し、EtOAc 100mlで3回抽出した。合わせた抽出物をMgSOで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去し、油状物を得て、それを1:1 EtOAc/ヘキサン類を用いるシリカゲルを通して溶離した。溶媒を減圧下で除去して、7−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン1.7g(5.9mmol、59%)を油状物として得た。MS:287(M+H)
【0263】
工程2で、4−フルオロベンゼンチオールを用い上記手順を使用して、7−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンを同様に調製した。MS:287(M+H)
【0264】
実施例1
C−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン
この実施例に記載された合成手順をスキームFに示された方法に従って実施した。
【0265】
【化28】

【0266】
工程1
6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−ナフタレン−1−カルボニトリル
上記製造例1からの6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(4.0g、14mmol)、トリメチルシリルシアニド(10.0g、100mmol)及びヨウ化亜鉛(0.25g)を合わせ、窒素下で15時間撹拌した。次に反応混合物にEtO 200mlを加えて希釈し、冷水で洗浄し、有機層を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、油状物とした。油状物をトルエン250mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸0.5gを加えた。反応混合物3時間を還流し、冷却し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を中圧でヘキサン類中の5%EtOAcを用いるシリカを通して溶離して、(ラセミ体)6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−ナフタレン−1−カルボニトリル1.8g(6.1mmol、44%)を油状物として得た。MS:296(M+H)
【0267】
工程2
6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボニトリル
6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−ナフタレン−1−カルボニトリル(5.1g、17.2mmol)、EtOH 70ml、及び酢酸50mlを、Parr容器に置き、10%パラジウム担持炭(Fluka Chemica Co.)1.0gを加えた。反応混合物を水素55psi下で15時間振とうした。Parr容器を窒素でパージし、反応混合物を濾過した。濾液を水500mlに加え、水性混合物をEtOAc 200mlで2回抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させて、6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボニトリル4.6g(15.5mmol、90%)を油状物として得た。MS:298(M+H)
【0268】
工程3
C−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン
6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−カルボニトリルを、乾燥テトラヒドロフラン(THF)100mlに溶解し、氷浴中で冷却しながら、混合物を撹拌した。ボラン−THF錯体(40ml)を撹拌している冷溶液に加え、反応混合物を窒素下で、室温にて15時間室温で撹拌した。20%HCl 20ml及びメタノール60mlを加えることにより反応混合物を注意深くクエンチした。溶媒を減圧下で除去し、水性残留物を塩基性になるまで1M NaOHを滴下して処理した。残留物をEtOAc 100mlで2回抽出し、有機層を乾燥させ(MgSO)、蒸発させた。粗生成物をEtOH中の希HClで酸性化し、EtOAcから再結晶化して、C−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン3.1gを塩酸塩として得た。MS:302(M+H)
【0269】
工程1で適切なナフタレノン化合物を使用して、下記を同様に調製した:
2−(7−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルアミン、MS:302(M+H)
C−[6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン、MS:337(M+H);及び
C−[7−(4−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン、MS:320(M+H)
【0270】
実施例2
[6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メチル−アミン
この実施例に記載された合成手順をスキームGに示された方法に従って実施した。
【0271】
【化29】

【0272】
C−[6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン(1.1g、3.2mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボナート(DiBOC、0.8g、3.7mmol)を乾燥THF 50mlに溶解し、この反応混合物を窒素下、室温で(25℃)3時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をEtO 50mlに溶解し、濾過した。濾液を減圧下で蒸発させて、BOC−保護C−[6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミンを得、これを乾燥ジメチルホルムアミド(20ml)に直接溶解し、氷浴中で冷却した。水素化ナトリウム(0.17g、油中60重量%、約4.3mmol)をヘキサン類で洗浄し、洗浄された固体を反応混合物に加えた。反応混合物を氷浴温度で3時間撹拌し、その後、ヨードメタン0.25ml(4.0mmol)を加えた。撹拌を更に3時間続け、反応混合物に0.5%HCl冷水溶液250mlを加えた。水性混合物をEtO 100mlで2回抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、油状物を得た。この油状物をTHF 20mlに溶解し、EtO中のHCl 20mlを加えた。溶媒を蒸発させ、得られた固体をEtOH−EtOから再結晶化して、[6−(3−クロロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メチル−アミン0.3gを塩酸塩として得た。MS:351(M+H)
【0273】
実施例3
N−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミジン
この実施例に記載された合成手順をスキームHに示された方法に従って実施した。
【0274】
【化30】

【0275】
C−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン(0.4g、1.32mmol)及びイミド酸エチル(アセトイミド酸エチルエステル、0.17g、1.32mmol)を、無水エタノール10mlに溶解し、反応混合物をアルゴン下で、室温で8時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去して、粗油状物を得て、それをEtO/EtOHからオキサラート塩として再結晶化した。MS:343(M+H)
【0276】
実施例4
N−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−グアニジン
この実施例に記載された合成手順をスキームIに示された方法に従って実施した。
【0277】
【化31】

【0278】
C−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン(1.0g、3.5mmol)、1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩(0.5g、3.5mmol)及びジエチルイソプロピルアミン(7.0mmol)1.2mlを、DMF 10mlに溶解した。反応混合物を100℃に3時間加熱し、次に冷却し、水75mlを加えることにより希釈した。水性混合物をEtOAc 100mlで2回抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、得られた油状物を中圧クロマトグラフィー(シリカゲル、MeOH/CHCl/NHOH 10:89:1)により精製して、N−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−グアニジン0.4g(1.16mmol、33%)を得た。MS:344(M+H)
【0279】
実施例5
(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−アミン
この実施例に記載された合成手順をスキームJに示された方法に従って実施した。
【0280】
【化32】

【0281】
C−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン(100mg、31mmol)及び2−メチルスルファニル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾールヨウ化水素酸塩(76mg、31mmol)を、CHCl 2mlに加え、全ての溶媒が蒸発させられるまで、反応混合物を穏やかに還流しながら加熱した。反応混合物を30分間150℃に加熱し、次に冷却した。NaOH水溶液を滴下することにより、粗混合物を塩基性化し、次に短いシリカゲルカラムの分取液体クロマトグラフィー(CHCl/MeOH 90:10)により精製した。溶媒を除去して、(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イル)−アミン57mg(47%)を得た。MS:370(M+H)
【0282】
実施例6
(7−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イル)−アミン
この実施例に記載された合成手順をスキームKに示された方法に従って実施した。
【0283】
【化33】

【0284】
C−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン(0.125g、0.41mmol)及び5,5−ジメチル−2−メチルスルファニル−ヘキサヒドロ−ピリミジン塩酸塩を、CHCl 2mlに加え、全ての溶媒が蒸発されるまで、反応混合物を穏やかに還流しながら加熱した。反応混合物を150℃に30分間加熱し、次に冷却した。NaOH水溶液を滴下することにより粗混合物を塩基性化し、次に分取液体クロマトグラフィー(CHCl/MeOH 90:10)により精製し、CHCl/エーテルから再結晶化して、(7−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(5,5−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン−2−イル)−アミン58mg(31%)を得た。融点:140〜145℃。MS:413(M+H)
【0285】
実施例7
2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルアミン
この実施例に記載された合成手順をスキームLに示された方法に従って実施した。
【0286】
【化34】

【0287】
工程1
(6−ベンゼンスルホニル−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸メチルエステル
無水ベンゼン(25ml)、粉末亜鉛金属(0.505g、7.72mmol)、I(0.01g)及び6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンの溶液/懸濁液を、室温で10分間撹拌した。エチルブロモプロピオナート(0.784ml、1.18g、7.07mmol)を加え、反応混合物を2.5時間加熱還流した。反応混合物を放冷し、水300mlで希釈し、EtOAc 250mlで2回抽出した。合わせた有機層を水及び飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、(6−ベンゼンスルホニル−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸メチルエステルを得た。MS:375(M+H)
【0288】
工程2
(6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−イリデン)−酢酸メチルエステル
ベンゼン250ml中の(6−ベンゼンスルホニル−1−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸メチルエステル(1.28g、3.42mmol)及びp−トルエンスルホン酸(0.50g)の溶液を、Dean-Starkトラップを使用して2時間還流した。反応混合物を冷却し、EtOAc 500mlに注ぎ、この有機相を水、飽和NaHCOで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。減圧下で蒸発させて、暗色の油状物を得、それを溶離によりシリカゲルで精製(ヘキサン類:EtOAc 7:3)して、白色の結晶質固体0.991g(2.78mmol、81.2%)を得た。MS:357(M+H)
【0289】
工程3
(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸メチルエステル
(6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−イリデン)−酢酸メチルエステル(5.63g、15.8mmol)を、1LのParr社製反応容器中で、EtOAc 300mlに溶解し、パラジウム/活性炭1.0gを加えた。反応混合物を水素50psi下で8時間振とうし、その後、混合物をCELITE(商標)プラグを通して濾過した。濾液を減圧下で蒸発させて、油状物を得、それをヘキサン類:EtOAc(3:2)に溶解し、シリカゲルを通して溶離して、(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸メチルエステル5.22g(14.56mmol、92.2%)を得た。MS:359(M+H)
【0290】
工程4
メタンスルホン酸 2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルエステル
無水EtO(50ml)中の(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸メチルエステル(5.22g、14.56mmol)の溶液を、アルゴン下で、0℃に冷却し、THF中の水素化アルミニウムリチウム21.84ml(21.84mmol)を、シリンジを介して滴下した。更なる乾燥THF 50mlを加え、反応混合物を1時間撹拌した。水500mlを加えて、反応混合物を注意深くクエンチし、得られた水性混合物をEtOAc 250mlで2回抽出した。有機層を蒸発させて、粗油状物を得、それを1:1 ヘキサン類:EtOAcを用い、シリカゲルを通する溶離により精製した。溶媒を蒸発させて、固体を得、それを乾燥塩化メチレン50mlに溶解した。溶液を0℃に冷却し、ピリジン(4.0ml、49.5mmol)及びメタンスルホニルクロリド(1.69ml、21.84mmol)を加えた。反応混合物を3時間撹拌し、その間反応混合物を室温に温まるにまかせた。反応混合物を飽和NaHCO水溶液500mlに注ぎ、混合物をEtOAc 250mlで3回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、油状物を得て、それをベンゼンに溶解し、共沸して残留ピリジンを除去した。溶媒を除去し、得られた油状物を塩化メチレンに溶解し、1:1 ヘキサン類:EtOAcを用い、シリカゲルを通して溶離した。溶媒を再び除去して、メタンスルホン酸 2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルエステル(4.44g、11.25mmol、77.3%)を白色の固体として得た。MS:396(M+H)
【0291】
工程5
2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルアミン
乾燥DMF(25ml)中のメタンスルホン酸 2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルエステル(1.12g、2.84mmol)の溶液を、アルゴン下で、室温で撹拌した。固体のヨウ化カリウム(0.25g)及びアジ化ナトリウム(0.185g、2.84mmol)を加え、反応混合物を48時間撹拌した。反応混合物を水500mlに注ぎ、水性混合物をEtOAc 150mlで4回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させ、油状物を得て、それをヘキサン類:EtOAc(3:2)を用い、シリカゲルを通して溶離することにより精製した。溶媒を除去した後、得られた油状物を乾燥THFに溶解し、0℃に冷却し、THF中の水素化アルミニウムリチウム5.68ml(5.68mmol)を、撹拌している反応混合物にシリンジを介して滴下した。反応混合物を室温に(約30分間)温まるにまかせ、水250mlを加えるてクエンチした。水性溶液をEtOAc 250mlで2回抽出し、合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、油状物を得た。油状物をMeOHに溶解し、EtO中の2M HCl 2mlを加え、溶液を穏やかに温め、次に冷却した。得られた残留物をMeOH/EtOから再結晶化して、2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルアミン塩酸塩0.17g(0.483mmol、17%)を得た。MS:316(M+H)
【0292】
工程1において、7−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン、5−フェニルスルホニル−インダン−1−オン及び6−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンをそれぞれ用いて、下記を同様に調製した:
2−(7−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルアミン、MS:316(M+H)
2−(5−ベンゼンスルホニル−インダン−1−イル)−エチルアミン、MS:302(M+H);及び
2−[6−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−エチルアミン、MS:334(M+H)
【0293】
実施例8
N′−[2−(7−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチル]−N,N−ジメチル−ホルムアミジン
この実施例に記載された合成手順をスキームMに示された方法に従って実施した。
【0294】
【化35】

【0295】
2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルアミン(0.1g、0.32mmol)を、ジメチルホルムアミドジメチルアセタール5mlに加え、反応混合物を95℃に2時間加熱した。反応混合物を冷却し、水100mlを加えてクエンチした。水性混合物をEtOAc 150mlで2回抽出し、合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で蒸発させて、油状物を得た。祖油状物を塩化メチレンに溶解し、1:1 ヘキサン類:EtOAcを用い、シリカゲルを通して溶離して、その後、溶媒を減圧下で除去して、N′−[2−(7−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチル]−N,N−ジメチル−ホルムアミジン0.1g(0.26mmol、81%)を得た。MS:386(M+H)
【0296】
実施例9
2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチル]−ジメチル−アミン
この実施例に記載された合成手順をスキームNに示された方法に従って実施した。
【0297】
【化36】

【0298】
Journal of Organic Chemistry, 61(11), 3849-3862(1996)に記載された手順を使用して、1,2−ジクロロエタン35ml中の2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルアミン0.680g(2.16mmol)及びホルムアルデヒド水溶液(37%溶液の0.439ml、5.40mmol)の溶液を室温で10分間撹拌した。NaBH(OAc)3(2.75g、12.96mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。飽和NaHCO水溶液をゆっくりと加えて、反応をクエンチし、水性混合物をEtOAc 250mlで2回抽出した。合わせた有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を減圧下で蒸発させて、油状物を得、それをヘキサン類/EtOAc(6:4:)を用い、シリカゲルカラムを通して溶離して、2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチル]−ジメチル−アミンを得て、それをオキサラート塩0.340g(0.90mmol、41.6%)として再結晶化した。MS:344(M+H)
【0299】
実施例10
3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピルアミン
この実施例に記載された合成手順をスキームOに示された方法に従って実施した。
【0300】
【化37】

【0301】
工程1
3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオニトリル
DMF 50ml中のメタンスルホン酸 2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルエステル(1.21g、3.07mmol)、シアン化カリウム(0.799g、12.27mmol)及びヨウ化カリウム(0.25g)の溶液を、アルゴン下で、24時間撹拌しながら95℃に加熱した。反応混合物を冷却し、水500mlに注いだ。水性混合物をEtOAcで3回抽出し、合わせた有機相を水、飽和ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を減圧下で蒸発させて、油状物を得、それをシリカゲルでの溶離(ヘキサン類:EtOAc 1:1)により精製した。溶媒を減圧下で除去して、3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオニトリル0.950g(2.97mmol、95.1%)を白色の結晶質固体として得た。MS:326(M+H)
【0302】
工程2
3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピルアミン
3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオニトリル(0.740g、2.27mmol)の溶液を、乾燥THFに溶解し、反応混合物をアルゴン下で室温にて撹拌した。BHTHF(6ml)を滴下し、反応混合物を15時間撹拌した。10%HCl水溶液を注意深く加えることにより反応混合物をクエンチし、続いて10分間撹拌した。反応混合物を減圧下に置いてTHFを除去した。得られた水溶液をEtOH 10mlで希釈し、0.5M NaOH溶液を加えることにより塩基性とし、75℃に15分間温めた。溶液を冷却し、EtOAc 150mlで3回抽出した。合わせた有機層を水、飽和ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を減圧下で蒸発させて、油状物を得て、シリカゲルの溶離(MeOH:CHCl 5:95)により精製した。溶媒を除去して、3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピルアミン0.190g(0.577mmol、25.4%)を油状物として得て、それをEtOH/EtOAcから再結晶化して、オキサラート塩(0.140g、0.334mmol、総収率14.7%)として得た。MS:330(M+H)
【0303】
実施例11
3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオンアミジン
この実施例に記載された合成手順をスキームPに示された方法に従って実施した。
【0304】
【化38】

【0305】
3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオニトリル(0.45g、1.4mmol)を、EtOH 15mlとCHCl 10mlの混合物に溶解し、溶液を窒素で2分間、次にHClガスで15分間スパージし、その後、反応混合物をHClガス下に48時間そのままにした。反応混合物を減圧下で蒸発乾固し、得られた残留物をEtOH 15mlとCHCl 10mlの混合物に溶解した。この溶液をMeOH中のNH(飽和)氷冷溶液50mlに滴下した。溶液を濾過してNHClを除去し、真空で濃縮し、CHCl、EtOAc及びMeOH(1:1:1)の混合物に溶解した。この有機溶液からNHClを濾過により除去し、溶媒を減圧下で除去して、3−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−プロピオンアミジン0.32g(0.94mmol、67%)を油状物として得た。MS:343(M+H)
【0306】
実施例12
1−[2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチル]−1H−イミダゾール
この実施例に記載された合成手順をスキームQに示された方法に従って実施した。
【0307】
【化39】

【0308】
メタンスルホン酸 2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチルエステル(0.250g、0.634mmol)、イミダゾール(0.173g、2.54mmol)、炭酸カリウム(0.175g、1.27mmol及びヨウ化カリウム(0.25g)を、アセトニトリル50mlに加え、反応混合物をアルゴン下で、16時間還流した。反応混合物を冷却し、水300mlに注ぎ、EtOAc 250mlで2回抽出し、合わせた有機層を水、飽和ブラインで洗浄し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を減圧下で除去して、油状物を得て、MeOH/CHCl(5:95)で溶離するシリカゲルカラムで精製した。溶媒を減圧下で除去して、1−[2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−エチル]−1H−イミダゾール0.180g(0.491mmol、77.5%)を油状物として得た。油状物をEtOH/HClから再結晶化して、対応する塩酸塩0.130g(0.323mol、50.9%)を得た。MS:367(M+H)
【0309】
実施例13
S−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチルアミン
この実施例に記載された合成手順をスキームRに示された方法に従って実施した。
【0310】
【化40】

【0311】
工程1
R−6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール
この工程は、Salunkhe and Burkhardt, Tetrahedron Letters 38(9): 1523(1997)の一般手順に従う。トルエン中の1.0MのS−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン1.4ml(1.4mmole)及びトルエン15ml中のボラン−ジエチルアニリン錯体2.8ml(15.8mmole)の溶液を、乾燥窒素雰囲気下で、30℃で加熱した。トルエン15ml中の6−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン3.5g(13.8mmole)の溶液を、2時間かけて滴下した。反応混合物を30〜32℃で1時間撹拌した。メタノール(5.0ml)を20分間かけて滴下し、続いて1.0N塩酸10mlを滴下した。混合物を20分間撹拌し、次にそれをエチルエーテル50mlで希釈した。有機相を水25mlで2回、飽和塩化ナトリウム20mlで1回洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物をエーテル/ヘキサンから再結晶化して、R−6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール、3.49g(98%)を得た。融点74〜75℃。M+H=256;[α]=−30.8°(c=1、CHCl)。ヘキサン中の5%イソプロピルアルコールで溶離するChiracel OD(20ミクロン)のキラルHPLC、99.9ee、保持時間=10.9分。
【0312】
工程2
S−2−エトキシカルボニル−2−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステル
この工程は、Hillier, et al, Organic Letters 6(4): 573(2004)の一般手順に従う。トルエン60ml中のR−6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール3.3g(12.9mmole)、トリエチルメタントリカルボキシラート5.97g(25.7mmole)及び97%トリメチルホスフィン2.3ml(25.7mmole)の溶液を、窒素下で、−55℃に冷却した。ニートのジイソプロピルアゾジカルボキシラート(5.06ml、25.7mmole)を30分間かけて滴下した。反応混合物を−55℃で1/2時間撹拌し、次に2時間かけて22°に温め、次に22℃で1時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮した。残留物に、3N水酸化ナトリウム50mlを加えた。混合物をジエチルエーテル200mlで抽出した。有機相を、3N水酸化ナトリウム25mlで2回、水25mlで1回、1N塩酸25mlで2回、飽和塩化ナトリウム25mlで1回洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残査を50%エチルエーテル/ヘキサン50mlで突き砕いた。沈殿したジイソプロピルヒドラジンジカルボン酸を濾過により除去した。濾液を濃縮し、残留物を、ヘキサン中の10%酢酸エチルで溶離する、230〜400メッシュのシリカゲルの低圧カラムクロマトグラフィーに付した。生成物を固体、3.71g(61%)として得、それをキラルHPLC(Chiralpak OJ、ヘキサン中の10%イソプロパノール、保持時間=10.5分)により、90eeであると決定した。エチルエーテル/ヘキサンから再結晶化により得られた分析サンプルは、融点85〜86℃、M+H=470、[α]=+30.2°(c=1.0、CHCl)を有し、キラルHPLC分析により、98.8eeであると決定された。
【0313】
工程3
R−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸
メタノール10ml及び水2ml中のS−2−エトキシカルボニル−2−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステル0.6g(1.3mmole)90eeの溶液に、3N水酸化ナトリウム2.6mlを加えた。反応混合物を18時間加熱還流した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を氷酢酸10mlに溶解した。溶液を4時間加熱還流し、次にそれを減圧下で濃縮した。残留物を0.1N塩酸20mlと酢酸エチル30mlに分配した。有機相を水10ml、飽和塩化ナトリウム10mlで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮して、R−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸を、油状物、0.38g(98%)、M+H=299として得た。この酸のサンプルを、トリメチルシリルジアゾメタンを使用して、メチルエステルに変換した。10%イソプロピルアルコール/ヘキサンを用いるChiralpak OJのキラルHPLCは、90eeを示した。
【0314】
工程4
S−メチル−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
塩化メチレン6ml中のR−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸0.38g(1.27mmole)90eeの溶液に、DMF2滴及びシュウ酸クロリド0.22ml(2.55mmole)を加えた。溶液を23℃で30分間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をアセトン6mlに溶解し、氷浴中で0℃に冷却した。水2ml中のアジ化ナトリウム0.206g(3.18mmole)の溶液を滴下し、反応混合物を0℃から22℃で30分間かけて撹拌した。混合物を水20mlで希釈し、飽和塩化ナトリウム25mlを加え、混合物をトルエン50mlで抽出した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、次に30分間加熱還流した。溶液を減圧下で濃縮し、残留物をテトラヒドロフラン10mlに溶解した。得られた溶液をテトラヒドロフラン中の0.2M水素化アルミニウムリチウム2.5mlの溶液に滴下した。反応混合物を23℃で30分間撹拌し、次に20分間還流した。ガスの発生が停止するまで、水を滴下した。混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、残留物を6N塩酸20mlとエチルエーテル25mlに分配した。水相を氷浴中で冷却し、固体の水酸化ナトリウムペレットで強塩基性にした。混合物をエチルエーテル35mlで抽出し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物をテトラヒドロフラン10mlに溶解し、テトラヒドロフラン2ml中のジ−tert−ブチルジカルボナート0.12g(0.54mmole)の溶液を加えた。反応混合物を23℃で30分間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の5%酢酸エチルで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)の低圧カラムクロマトグラフィーに付した。S−メチル−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを油状物として得た。0.13g(27%)、M+H=384。
【0315】
工程5
S−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
塩化メチレン5ml中のS−メチル−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル0.13g(0.34mmole)の溶液に、メタ−クロロ過安息香酸0.175g(1.02mmole)を加えた。反応混合物を23℃で30分間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、残留物をエチルエーテル25mlに溶解した。溶液を5%水酸化ナトリウム5ml及び水15mlで2回洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮して、S−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを白色の泡状物0.1g(71%)として得た。M+H=416。キラルHPLC(Chiralpak AS、ヘキサン中の25%イソプロピルアルコール)、保持時間=16.9分、90ee。
【0316】
工程6
S−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチルアミン トリフルオロアセタート塩
塩化メチレン1.0ml中のS−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステル0.1g(0.24mmole)90eeの溶液に、トリフルオロ酢酸1.0mlを加えた。混合物を23℃で15分撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチル/エチルエーテルから再結晶化して、S−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチルアミンをトリフルオロ酢酸塩、0.093g(90%)として得た。融点146〜147℃、M+H=316、[α]=+0.4°(c=1.0、メタノール)。
【0317】
実施例14
R−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチルアミン
この実施例に記載された合成手順をスキームSに示された方法に従って実施した。
【0318】
【化41】

【0319】
工程1
トリフルオロ−メタンスルホン酸 5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル
6−ヒドロキシテトラロン(12g、0.072mole)及びトリエチルアミン(10ml、0.072mole)を、塩化メチレン200mlに溶解し、氷浴中で冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(20g、0.072mole)を滴下し、反応混合物を30分間撹拌した。反応混合物を水200mlに注ぎ、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させて、トリフルオロ−メタンスルホン酸 5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル15.5gを油状物として得た。MS:295(M+H)
【0320】
工程2
6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
トリフルオロ−メタンスルホン酸 5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルエステル(13.0g、0.044mole)、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(7.25g、0.044mole)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ,−9,9−ジメチルキサントス(1.1g、0.004mole)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.0g、0.004mole)、炭酸セシウム(5.0g)及びテトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中の1M、5ml)を全て、トルエン100mlに加え、反応混合物を4時間還流した。反応混合物を室温に冷まし、酢酸エチルと水に分配した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物を、塩化メチレンで溶離する中圧クロマトグラフィーにより精製して、6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン5.5gを得た。融点:121℃。MS:287(M+H)
【0321】
工程3
S−6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール
この工程は、Salunkhe and Burkhardt, Tetrahedron Letters 38(9): 1523(1997)の一般手順に従う。トルエン200ml中のR−2−メチルCBSオキサボリリジン(oxaborilidine)(2.2ml、(0.002mole、トルエン中の1M))及びジエチルアナリン−ボラン錯体(4.6ml、0.026mole)の溶液を、35℃に加熱した。トルエン100ml中の6−ベンゼンスルホニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(6.5g、0.022mole)を、2時間かけて滴下した。10%HCl 20mlで、続いてメタノール30mlで反応をクエンチし、反応混合物を30分間撹拌した。反応混合物を水200mlで希釈し、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をトルエン/MTBEから再結晶化して、S−6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール6gを得た。融点:136℃。MS:288(M+H)。ヘキサン中の5%IPAで溶離し、保持時間=29.7分であるキラルHPLC Chiralpak ADによる分析で99%+ee。
【0322】
工程4
R−2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−2−エトキシカルボニル−マロン酸ジエチルエステル
S−6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール(2.0g、6.9mmole)、トリメチルホスフィン(13.9ml、13.9mmol、THF中の1M)、トリエチルメチレントリカルボキシラート(2.9ml、13.9mmol)を一緒に、トルエン75mlに溶解し、反応混合物の温度を−50℃に下げた。THF 15ml中のジ−t−ブチルアジドジカルボキシラート(3.2g、13.9mmol)の溶液を、25分間かけて滴下し、反応混合物を−50℃で更に30分間撹拌した。反応混合物を25℃に温め、撹拌を更に3時間続けた。反応混合物を水と酢酸エチルに分配し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物をヘキサン中の25%酢酸エチルで溶離する中圧クロマトグラフィーにより精製して、R−2−エトキシカルボニル−2−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステル1.3gを得た。MS:504(M+H)
【0323】
工程5
S−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸エチルエステル
R−2−エトキシカルボニル−2−(6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステル(1.3g、2.6mmol)、リチウムクロリド(0.33g、7.8mmol)及び水0.2mlを、ジメチルスルホキシド20mlに加えた。反応混合物2時間を還流し、次に室温に冷ました。反応混合物を水40mlで希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して、S−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸エチルエステル0.8gを油状物として得た。MS:359(M+H)。ヘキサン中の20%IPAで溶離し、保持時間=12.2分であるchiralpak AD、キラルHPLCにより96%ee、。
【0324】
工程6
(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸
S−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸エチルエステル(0.8g、2.23mmol)及び10%NaOH 10mlを、エタノール20mlに加え、反応混合物を30分間還流した。反応混合物を水100mlで希釈し、10%HClで酸性化した。水性混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、残留物をMTBEから再結晶化して、(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸0.4gを得た。MS:331(M+H)。融点:144℃。
【0325】
工程7
R−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチルアミン
(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸(0.3g、1.0mmol)及びトリエチルアミン(0.15ml、1.1mmol)を、アセトン15mlに溶解し、反応混合物を氷浴中で冷却した。クロロギ酸n−ブチル(0.15ml、1.1mmol)を、撹拌している反応混合物に5分間かけて滴下した。さらに220分間撹拌した後、水5ml中のアジ化ナトリウム(0.13g、2.1mmol)を滴下した。反応混合物をさらに20分間氷浴温度で撹拌した。水50mlを加えることにより反応をクエンチし、得られた水性混合物をトルエン70mlで抽出した。トルエン溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。次にトルエン溶液を30分間加熱還流し、室温に冷まし、溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物を、THF 10mlとジエチルエーテル30mlの混合物に溶解し、氷浴中で冷却した。水素化リチウムアルミニウム(エーテル中の1M、3ml)を滴下し、懸濁液を氷浴温度で3時間撹拌した。反応を10%NaOH 3mlでクエンチし、硫酸ナトリウム乾燥剤を加えた。有機溶液を濾過により回収し、溶媒を減圧下で除去し、混合物を得、混合物を30分後濾過した。有機溶液を蒸発させて、R−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチルアミンを油状物として得た。MS:316(M+H)
【0326】
実施例15
R−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1イルメチル]−メチル−アミン
この実施例に記載された合成手順をスキームTに示された方法に従って実施した。
【0327】
【化42】

【0328】
工程1
6−ヨード−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
20%硫酸20ml中のN−(5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−アセトアミド2.5g(12.3mmole)の混合物を、90°で45分間加熱した。溶液を室温に放冷すると、すぐに6−アミノ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン硫酸塩(図示せず)が固体塊として沈殿した。この固体に、水20ml及び氷酢酸20mlを加えた。得られた溶液を氷浴中で撹拌し、水15ml中の亜硝酸ナトリウム1.72g(25mmoles)の溶液を、0.5時間かけて滴下した。反応混合物を、水80ml中のヨウ化カリウム8g(48mmoles)の十分に撹拌した溶液にゆっくりと注いだ。混合物をエチルエーテル200mlで抽出し、有機相を、水で、次に飽和亜硫酸水素ナトリウムで、次に飽和塩化ナトリウムで洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の5%酢酸エチルで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)の低圧カラムクロマトグラフィーに付した。6−ヨード−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンを白色の固体として得た。3.12g(94%)、融点77〜78°。
【0329】
工程2
S−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール
トルエン40ml中のR−2−メチル−CBS−オキサザボロリジン(MCBSOB、トルエン中の1.0M 3.7ml(3.7mmoles))及びボラン−ジエチルアニリン錯体(BDEA、7.5ml、42mmoles)の溶液を、30°に加熱した。トルエン40ml中の6−ヨード−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(10g、36.8mmoles)の溶液を2.5時間かけて滴下した。反応混合物を更に0.5時間30°で撹拌した。溶液(室温で)にメタノール20mlを加えた。0.25時間後、1N塩酸50mlをゆっくりと加えた。混合物を20分間撹拌し、次にそれをエチルエーテル200mlで抽出した。有機相を、1N塩酸、水、及び飽和塩化ナトリウムで洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。油状の残留物に高温のヘキサン100mlを加えた。結晶化が完了した時、白色の固体を集め、乾燥させて、S−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール9.62g(95%)を得た。融点102〜103°、M=274、[α]=+12.2°(c=1、クロロホルム)。
【0330】
工程3
R−2−エトキシカルボニル−2−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステル
トルエン150ml中のS−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール(9.5g、34.7mmoles)及びトリエチルメタントリカルボキシラート(TEMTC、16g、69.3mmoles)の溶液に、トルエン中の1.0Mトリメチルホスフィン70mlを加えた。溶液を撹拌し、窒素下で、−50°に冷却した。ニートのジイソプロピルアゾジカルボキシラート(DIADC、14ml、69.3mmoles)を0.5時間かけて滴下した。溶液を減圧下で濃縮した。残留物に水100ml及び3N水酸化ナトリウム100mlを加えた。混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機相を3N水酸化ナトリウム、水、1N塩酸、再び水、次に飽和塩化ナトリウムで洗浄した。乾燥させた(硫酸マグネシウム)後、溶液を減圧下で濃縮した。残留物にジエチルエーテル25mlを加えた。10分後、ジイソプロピル−1,2−ヒドラジンジカルボキシラートの結晶質堆積物を濾過により除去した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物を、ヘキサン中の7%酢酸エチルで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)の低圧カラムクロマトグラフィーに付した。R−2−エトキシカルボニル−2−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステルを白色の結晶質固体(ヘキサンから)14.84g(88%)として得た。融点86〜87°、[α]=−20.3°(c=1、クロロホルム)、M=488。
【0331】
工程4
S−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル酢酸
メタノール25ml中のR−2−エトキシカルボニル−2−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−マロン酸ジエチルエステル(14g、28.7mmoles)の溶液に、水60ml及び3N水酸化ナトリウム60mlを加えた。反応混合物を20時間加熱還流し、次に減圧下で濃縮した。残留物に氷酢酸200mlを加えた。溶液を3時間加熱還流し、次にそれを減圧下で濃縮した。残留物を水60mlとエチルエーテル300mlに分配した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物をエチルエーテル/ヘキサンから再結晶化して、S−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル酢酸7.6g(84%)を得た。融点90〜91°、M=316、[α]=+20°(c=1、クロロホルム)。
【0332】
工程5
R−C−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン塩酸塩
ジクロロメタン350ml中のS−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル酢酸(28.4g、90mmoles)の溶液に、DMF 5滴及びシュウ酸クロリド12ml(0.135mole)を加えた。反応混合物を23°で1時間撹拌し、次にそれを減圧下で濃縮した。残留物をアセトン250mlに溶解し、溶液を0°に冷却した。水80ml中の亜硝酸ナトリウム(12g、0.18mole)の溶液を0.5時間かけて滴下した。反応混合物を水400ml及び飽和塩化ナトリウム200mlで希釈した。混合物をトルエン500mlで抽出し、有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、次に0.5時間加熱還流した。溶液を減圧下で濃縮した。残留物をジオキサン150mlに溶解し、溶液を濃塩酸250mlの沸騰している溶液に40分間かけて滴下した。溶液を少量のタールからデカントし、温かいデカンテーション液を減圧下で濃縮した。残留物をエタノール/エチルエーテルから再結晶化して、R−C−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン塩酸塩を塩酸塩23.3g(80%)として得た。融点276〜277°、M=287、[α]=−2.8°(c=1、メタノール)。
【0333】
工程6
R−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
THF 250ml中のR−C−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン塩酸塩(15g、46.4mmoles)とトリエチルアミン8mlの撹拌した混合物に、THF 50ml中のジ−tert−ブチルジカルボナート(10.9g、49.9mmoles)の溶液を滴下した。反応混合物を23°で2時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物をエチルエーテル300mlと水150mlに分配した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物をジエチルエーテル/ヘキサンから再結晶化して、R−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル12.91g(72%)を得た。融点121〜122°、M=387、[α]=+24°(c=1、クロロホルム)。
【0334】
工程7
R−[6−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
この工程は、Itoh及びMaseのOrganic Letters 6(24): 4587(2004)の一般手順に従う。ジオキサン15ml中で、R−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.5g、1.29mmoles)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.059g、0.064mmoles)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.074g、0.128mmoles)、ジイソプロピルエチルアミン(0.333g、2.58mmoles)及び3−メトキシ−チオフェノール(0.2g、1.42mmoles)を混合した。反応混合物を50°で1時間撹拌し、次にジエチルエーテル50mlで希釈し、濾過した。濾液を水10mlで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の10%酢酸エチルで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)の低圧カラムクロマトグラフィーに付した。溶離した生成物をヘキサンから再結晶化して、R−[6−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル0.46g(89%)を得た。融点73〜74℃、M=399、[α]=+26.6°(c=1、クロロホルム)。
【0335】
工程8
R−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
ジクロロメタン10ml中のR−[6−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.2g、0.5mmole)の溶液に、m−クロロ過安息香酸(0.3g、77%固体の1.34mmole)を加えた。反応混合物を23°で0.5時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、残留物を酢酸エチル50mlと5%水酸化ナトリウム30mlに分配した。有機相を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮して、R−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル0.21g(97%)を得た。MNa=454。
【0336】
工程9
R−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
DMF 3ml中のR−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.2g、0.46mmole)の溶液に、100%水素化ナトリウム0.025g(1mmole)を加えた。この混合物にヨードメタン(0.1ml、1.6mmole)を加えた。反応混合物を23°で2時間撹拌し、次に水25mlで希釈し、酢酸エチル40mlで抽出した。有機相を水及び飽和塩化ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)の低圧カラムクロマトグラフィーに付した。R−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを泡状物、0.15g(73%)として得た。M=445、[α]=+16.4°(c=1、メタノール)。
【0337】
工程10
R−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1イルメチル]−メチル−アミン
TFA 2ml中のR−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メチル−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.12g、0.27mmole)の温かい溶液を、減圧下で濃縮した。残留物に、メタノール0.5ml及びエチルエーテル中1N 塩酸1.0mlを加えた。混合物を30秒間加熱沸騰し、次にそれを減圧下で濃縮した。R−[6−(3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1イルメチル]−メチル−アミン塩酸塩を、メタノール/酢酸エチル/エチルエーテルから再結晶化して得た。0.08g(78%)、融点194〜195°、MH=346、[α]=−3.4°(c=1、メタノール)。
【0338】
実施例15の手順を使用して、以下を同様に調製した:
R−C−[6−(−3−メトキシ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン塩酸塩:融点188〜189℃、MH=332、[α]=−6.0°(c=1、メタノール);
R−C−[6−(3−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン塩酸塩;融点265〜266℃、MH=380;
R−C−[6−(1H−ピラゾール−4−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン;融点181〜182℃、MH=292;
R−C−[6−(1−メチル−1H−イミダゾール−2−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミンオキサラート:融点196〜197℃、MH=306;
R−C−[6−(3H−インドール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン、MH=341;
R−C−[6−(5−フルオロ−3H−インドール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン、MH=359;
R−C−[6−(1H−ピロール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン、MH=291
R−メチル−[6−(1H−ピロール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミン塩酸塩、MH=305;
R−C−[6−(6−フルオロ−3H−ベンズイミダゾール−4−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミンオキサラート、MH=360;
R−C−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン塩酸塩、融点248〜249℃、MH=320、[α]=+25.2°(c=1、メタノール);
R−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メチル−アミン塩酸塩、MH=334、[α]=+18.5°(c=1、メタノール);
R−C−(6−ベンゼンスルホニル−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン塩酸塩、MH=320、[α]=+11.2°(c=0.5、メタノール);
[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メチル−アミンオキサラート、MH=334;及び
エチル−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミンオキサラート、MH=348。
【0339】
実施例16
R−3−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホニル)−ベンゾニトリル
この実施例に記載された合成手順をスキームUに示された方法に従って実施した。
【0340】
【化43】

【0341】
工程1
R−[6−(3−シアノ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
この工程で使用する3−シアノベンゼンスルフィン酸ナトリウムを、水10ml中の亜硫酸ナトリウム(3.2g、25.2mmoles)の溶液を80°に加熱して調製し、そこへTHF 7ml中の3−シアノベンゼンスルホニルクロリド(2.55g、12.6mmoles)の溶液及び重炭酸ナトリウム(2.1g、25.2mmoles)の溶液を滴下した。混合物をジエチルエーテルで抽出し、水相を減圧下で濃縮し、加熱し、Whatman GF/Bガラス繊維フィルターで濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、3−シアノベンゼンスルフィン酸ナトリウム1.92g(81%)を得た。融点216〜218℃。
【0342】
Cacchi et al., J. Organic Chemistry: 69(17): 5608-5614(2004)の一般手順に従い、トルエン10ml中のR−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.4g、1.0mmole)、3−シアノベンゼンスルフィン酸ナトリウム(0.246g、1.3mmole)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.05g、0.054mmole)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.062g、0.108mmole)、炭酸セシウム(0.53g、1.5mmole)、及びテトラ−n−ブチル塩化アンモニウム(0.362g、1.3mmole)の混合物を、95°で4時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル80mlで希釈し、飽和塩化ナトリウムで洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物をヘキサン中の25%酢酸エチルで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)の低圧カラムクロマトグラフィーに付した。R−[6−(3−シアノ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを泡状物0.2g(47%)として得た。M=426、[α]=+5°(c=1、メタノール)。
【0343】
工程2
R−3−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホニル)−ベンゾニトリル
実施例15の工程9及び10の手順に従って、R−3−(5−アミノメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホニル)−ベンゾニトリルを、オキサラート塩として調製した:融点212〜213℃、MH=327、[α]=+5.8°(c=1、DMSO)。
【0344】
実施例17
R−N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミド
この実施例に記載された合成手順をスキームVに示された方法に従って実施した。
【0345】
【化44】

【0346】
工程1
6,8−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
この工程は、Eaton et al., Organic Chemistry 38(23): 4071-4073(1973)により報告される一般手順に従う。五酸化リン32g及びメタンスルホン酸192mlから調製したEatonの試薬を、65℃で加熱した。メタンスルホン酸30ml中の4−(3,5−ジフルオロ−フェニル)−酪酸(12.85g、64.19mmoles、Repke et al., US 5538988による記載のように調製した)の溶液を加え、反応混合物を65℃で35分間加熱した。混合物を砕いた氷1Lに注ぎ、生成物を、酢酸エチル1部に対してジエチルエーテル2部の混合物500mlで2回抽出した。有機相を、飽和重炭酸ナトリウム、水、飽和塩化ナトリウムで洗浄し、次にそれを乾燥させた(硫酸マグネシウム)。溶液を減圧下で濃縮した。6,8−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オンをヘキサンから再結晶化により単離した。9.55g(82%)、融点57−58℃。
【0347】
工程2
8−フルオロ−6−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
DMSO 4ml中の6,8−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(1.0g、5.5moles)とカリウム チオフェノラート(0.81g、5.5mmole)の混合物を、50℃で0.5時間加熱した。混合物を0.1N塩酸30mlで希釈し、次にそれをジエチルエーテル50mlで抽出した。有機相を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。8−フルオロ−6−フェニルスルファニル−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オを酢酸エチル/ヘキサンから、残留物の再結晶化により得た。0.871g(58%)、融点112〜113℃、MH=273。
【0348】
工程3
R−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
R−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを、上記実施例15の工程2〜6の手順により、(8−フルオロ−6−フェニルスルファニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(図示せず)を調製し、次に実施例15の工程8の手順を使用して、スルファニル化合物をスルホニル生成物に酸化して、得た。MH=420。
【0349】
工程4
R−N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミド
TFA 2ml中のR−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.1g、0.24mmole)の温かい溶液を、減圧下で濃縮した。残留物をピリジン5mlに溶解し、無水酢酸0.5mlを加えた。反応混合物を23°で2時間撹拌した。溶液を減圧下で濃縮し、残留物をクロロホルム25mlと水5mlに分配した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮し、R−N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミドを均質な泡状物として残した。0.06g(69%)、MH=362。
【0350】
R−N−[6−(1H−インドール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミドを同様に調製した。MH=383。
【0351】
実施例18
R−2−{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オン
この実施例に記載された合成手順をスキームWに示された方法に従って実施した。
【0352】
【化45】

【0353】
エタノール6ml中のR−C−[6−フルオロ−ベンゼンスルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン(0.28g、0.877mmole)、2−メチルスルファニル−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オン(0.25g、0.96mmole、Chen et al., WO9736859による報告の方法により調製した)及び水酸化ナトリウム(0.038g、0.96mmole)の混合物を、22時間加熱還流した。溶液を減圧下で濃縮して1/3量にし、酢酸エチル25mlで希釈し、5%炭酸ナトリウム10mlで洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、0.25%水酸化アンモニウムを含有する、クロロホルム中の2〜15%メタノールのグラジエントで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)のカラムクロマトグラフィーに付した。R−2−{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−3,5−ジヒドロ−イミダゾール−4−オンを白色の固体としてを得た。0.205g(58%)、MH=402。
【0354】
実施例19
C−[6−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−イルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン
この実施例に記載された合成手順をスキームXに示された方法に従って実施した。
【0355】
【化46】

【0356】
工程1
R−チオ酢酸 S−[5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]エステル
ジオキサン50ml中のR−(6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(2.0g、5.2mmoles)、チオ酢酸カリウム(0.713g、6.24mmoles)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.301g、0.52mmole)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.275g、0.3mmoles)、及びジイソプロピルエチルアミン(1.34g、10.4mmoles)の混合物を、23°で18時間撹拌した。混合物をエチルエーテル100mlで希釈し、濾過した。濾液を、0.1N塩酸、水、及び飽和塩化ナトリウムで洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の10〜15%酢酸エチルのグラジエントで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)の低圧カラムクロマトグラフィーに付した。R−チオ酢酸 S−[5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]エステルを白色の固体0.9g(52%)として得た。融点68〜69°、MH=336、[α]=+32.5°(c=1、クロロホルム)。
【0357】
工程2
R−(6−メルカプト−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
メタノール10ml中のR−チオ酢酸 S−[5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル]エステル(0.84g、2.5mmoles)の溶液に、4M水酸化ナトリウム1.0ml(4mmole)を加えた。溶液を減圧下で直ちに濃縮し、残留物を1.0M塩酸10mlとエチルエーテル50mlに分配した。有機相を水で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮して、R−(6−メルカプト−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを結晶質固体0.7g(95%)として得た。融点98〜99°、M=293、[α]=+27.6°(c=1、クロロホルム)。
【0358】
工程3
(R)4−[5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルスルファニル]−6−フルオロ−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
この工程で使用する6−フルオロ−4−ヨード−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを、Weber et al., WO 9400124の手順に従って、5−フルオロ−3−ヨード−ベンゼン−1,2−ジアミンから調製した。簡潔に述べれば、5−フルオロ−3−ヨード−ベンゼン−1,2−ジアミン(1.3g、5.16mmoles)と96%ギ酸1.5mlの混合物を、100°で3時間撹拌し、次に冷却し、5%水酸化ナトリウム35mlを加えた。混合物を氷浴中で冷却し、得られた固体を集め、水で洗浄し、真空で乾燥して、6−フルオロ−4−ヨード−1H−ベンゾイミダゾール1.16g(86%)、融点210〜211℃を得た。ジオキサン15ml中のこのベンズイミダゾール1.0g(3.8mmoles)、ジ−tert−ブチルジカルボナート(0.92g、4.2mmole)、及びジメチルアミノピリジン5gの混合物を、80℃で20時間撹拌し、次に減圧下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の30%酢酸エチルで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)のカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−フルオロ−4−ヨード−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを結晶質固体1.38g(100%)として得た。融点73〜74℃。
【0359】
ジオキサン6ml中の6−フルオロ−4−ヨード−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.33g、0.92mmole)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.047g、0.05mmole)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.058g、0.1mmole)、ジイソプロピルエチルアミン(0.32ml、1.84mmole)、及びR−(6−メルカプト−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.3g、1.02mmole)の混合物を、50℃で1.5時間撹拌した。混合物をエチルエーテル30mlで希釈し、2.5%塩酸、水、及び0.75M炭酸ナトリウムで洗浄した。有機相を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、減圧下で濃縮した。残留物を、まずヘキサン中の5〜40%酢酸エチルのグラジエントで溶離するシリカゲル(230〜400メッシュ)の、次にアクティビティIの、そしてヘキサン中の50%酢酸エチルで溶離する中性アルミナのカラムクロマトグラフィーに付した。(R)−4−[5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルスルファニル]−6−フルオロ−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを油状物0.32g(66%)として得た。NMR(CDCl3) ppm δ: 8.39(s, 1H), 7.46(dd, 1H, J = 6.3 Hz, J = 8.7 Hz), 7.29(m, 3H), 6.61(dd, 1H, J = 2.4 Hz, J = 10 Hz), 4.67(m, 1H), 3.44(m, 1H), 3.32(m, 1H), 3.0(m, 1H), 2.76(m, 2H), 1.81(m, 4H), 1.70(s, 9H), 1.60(s, 9H)。
【0360】
工程4
(R)−C−[6−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−イルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン
(R)−4−[5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルスルファニル]−6−フルオロ−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを、実施例15の工程8の手順を使用して、メタクロロ過安息香酸で処理した。得られた4−[5−(tert−ブトキシカルボニルアミノ−メチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホニル]−6−フルオロ−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを、実施例15の工程10の手順に従って、脱保護して、C−[6−(6−フルオロ−1H−ベンゾイミダゾール−4−イルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミンを得た。M+H=360。
【0361】
実施例20
(R)−N−[6−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−N′−シアノ−グアニジン
(R)−N−[6−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−N′−シアノ−グアニジンを、J. Med. Chem. 47, 12, 3201(2004)に報告された手順に従って、C−[6−(2−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミンをジフェニルシアノイミダートで処理することにより調製した。
【0362】
実施例21
(R)−1−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−3−メチル−ウレア
(R)−1−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−3−メチル−ウレアを、Najer et al., Bull. Soc. Chim. Fr.; 1069-1071(1957)の手順に従って、C−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミンをメチルイソシアナートで処理することにより調製した。
【0363】
実施例22
N−[2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−アセチル]−グアニジン
この実施例に記載された合成手順をスキームYに示された方法に従って実施した。
【0364】
【化47】

【0365】
DMF 30ml中の(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−酢酸(0.30g、0.80mmole)及びカルボニルジイミダゾール(0.13g、0.90mmole)を、室温で3時間撹拌した。硫酸グアニジン(90mg)を、続いてジイソプロピルエチルアミン0.1mlを加え、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し、得られた白色の結晶を濾過により集め、水で洗浄し、真空で乾燥させ、N−[2−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−アセチル]−グアニジン190mgを得た。M+H=372。
【0366】
[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−酢酸から、(R)−N−{2−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−アセチル}−グアニジンを同様に調製した。M+H=390。
【0367】
実施例23
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−メチルアミノ−アセトアミド
この実施例に記載された合成手順をスキームZに示された方法に従って実施した。
【0368】
【化48】

【0369】
工程1
({[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバモイル}−メチル)−メチル−カルバミン酸 ベンジルエステル
塩化メチレン30ml中のC−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン塩酸塩(0.2g、0.56mmole)、(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−酢酸(0.15g、0.67mmole)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.11g、0.84mmole)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド(0.16g、0.84mmole)及びトリエチルアミン(0.50ml、3.36mmole)を、室温で24時間撹拌した。反応を水0.2mlでクエンチし、全ての混合物をシリカゲルに吸収させ、酢酸エチルで溶離する中圧のクロマトグラフィーに付して、({[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバモイル}−メチル)−メチル−カルバミン酸 ベンジルエステル0.15gを油状物として得た。
【0370】
工程2
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−メチルアミノ−アセトアミド
メタノール20ml及びギ酸2ml中の({[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバモイル}−メチル)−メチル−カルバミン酸 ベンジルエステル(0.15g)の撹拌している溶液に、10%パラジウム担持炭0.1gを室温で加えた。3時間撹拌した後、混合物をCeliteで濾過し、清澄な濾液を濃縮乾固した。残査を酢酸エチル及びジエチルエーテルから再結晶化して、N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−メチルアミノ−アセトアミドギ酸塩0.090gを得た。M+H=391。
【0371】
実施例24
2−{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−N−メチル−アセトアミド
この実施例に記載された合成手順をスキームAAに示された方法に従って実施した。
【0372】
【化49】

【0373】
工程1
{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−酢酸エチルエステル
ジクロロエタン25ml中のC−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン塩酸塩(0.5g、1.41mmole)及びトリエチルアミン(0.2ml、1.55mmole)を、3分間一緒に撹拌し、次に溶液を氷浴中で冷却した。トルエン中のグリオキシル酸エチル(0.32ml、1.55mmole)の50%溶液を加え、次に続いて水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(0.7g、3.08mmle)を加えた。反応物を4時間撹拌し、次に2%炭酸ナトリウム溶液を加えてクエンチした。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機抽出物を飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下でストリップして油状物として、{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−酢酸エチルエステルを得た。HCl塩を、ジエチルエーテル−メタノールから結晶化した。収量:0.42g、M+H=406。
【0374】
工程2
2−{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−N−メチル−アセトアミド
{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−酢酸エチルエステル(0.42g)を、メタノール中の1Mのメチルアミン20mlに溶解した。溶液を室温で24時間撹拌し、次に減圧下濃縮して油状物とした。油状物をエタノールに溶解し、ジエチルエーテル中の1N HClを加えて、2−{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−N−メチル−アセトアミドを塩酸塩として沈殿させた。収量:0.045g、M+H=391。
【0375】
実施例25
(R)−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ウレア
この実施例に記載された合成手順をスキームBBに示された方法に従って実施した。
【0376】
【化50】

【0377】
C−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン塩酸塩(0.5g、1.41mmole)及びシアン酸カリウム(0.137g、1.69mmol)を、撹拌している水30mlに加え、混合物を60℃に5分間加熱した。次に、反応混合物を室温に冷まし、得られた白色の沈殿物を濾過により集め、冷水で洗浄し、真空で乾燥させて、(R)−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ウレア0.408gを得た。M+H=363。
【0378】
実施例26
(R)−N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メタンスルホンアミド
この実施例に記載された合成手順を、スキームCCに示された方法に従って実施した。
【0379】
【化51】

【0380】
C−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン塩酸塩(0.5g、1.41mmole)を、塩化メチレン20ml及びピリジン0.5mlに溶解し、混合物を氷浴中で冷却した。メタンスルホニルクロリド(0.16g、1.41mmol)を滴下し、反応混合物を5分間氷浴温度で撹拌し、次に室温に温まるにまかせた。水を加えて、反応混合物をクエンチし、塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をジエチルエーテルから再結晶化して、(R)−N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メタンスルホンアミド0.39gを得た。M+H=398。
【0381】
実施例27
N−[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−アセトアミド
この実施例に記載された合成手順を、スキームDDに示された方法に従って実施した。
【0382】
【化52】

【0383】
工程1
酢酸 {[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバモイル}−メチルエステル
C−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン塩酸塩(0.12g、0.338mmole)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.07g、0.507mmol)、エチルカルボジイミド(0.10g、0.507mmol)、トリエチルアミン(0.3ml、2.0mmol)及び酢酸 2−オキソ−プロピルエステル(0.05g、0.40mmol)を、塩化メチレン10mlに溶解した。反応混合物を室温で24時間撹拌した。反応を水でクエンチし、全ての混合物をシリカゲルに吸収させ、中圧クロマトグラフィーに付し、酢酸エチル//ヘキサン類(3:1)で溶離して、酢酸 {[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバモイル}−メチルエステル0.1gを得た。
【0384】
工程2N−[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−アセトアミド
酢酸 {[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−カルバモイル}−メチルエステル(0.1g)を、メタノール10mlに溶解し、2M NaOH水溶液2mlを加えた。反応混合物を撹拌しながら、60℃に20分間加熱し、次に冷却し、減圧下で濃縮した。残留物を水と酢酸エチルに分配し、有機層を分離し、乾燥させ(MgSO)、減圧下で濃縮した。油状残留物をメチルtert−ブチルエーテル/ヘキサン類(1:1)から再結晶化して、N−[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−アセトアミド80mgとした。MS(M+H)=378。
【0385】
実施例28
N−[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−N−メチル−メタンスルホンアミド
この実施例に記載された合成手順を、スキームEEに示された方法に従って実施した。
【0386】
【化53】

【0387】
[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メチル−アミン塩酸塩(0.4g、1.13mmol)を、塩化メチレン10ml及びピリジン2.0mlに溶解し、混合物を氷浴中で冷却した。メタンスルホニルクロリド(0.2ml)を滴下し、反応混合物を氷浴温度で10分間撹拌し、次に室温に温まるにまかせた。水を加えることにより反応混合物をクエンチし、塩化メチレンで抽出した。有機層を1%HCl水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、中圧で、1:1:EtOAc/ヘキサン類のシリカゲルを通して溶離し、N−[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−N−メチル−メタンスルホンアミド310mgを得た。M+H=412。
【0388】
実施例29
(R)−N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノスルホンアミド
この実施例に記載された合成手順を、スキームFFに示された方法に従って実施した。
【0389】
【化54】

【0390】
C−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン塩酸塩(0.25g、0.7mmole)、スルファミド(70mg)及び水(10ml)を、ジオキサン30mlに加えた。反応混合物を24時間還流し、次に冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcから再結晶化して、(R)−N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノスルホンアミド280mgを得た。MS M+H=399。
【0391】
実施例30
1−[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール
この実施例に記載された合成手順を、スキームGGに示された方法に従って実施した。
【0392】
【化55】

【0393】
工程1
1−((R)−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アゼチジン−3−オール
イソプロパノール(6ml)中のC−((R)−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−メチルアミン(0.79g、2.75mmol)の撹拌している溶液に、氷浴温度で窒素雰囲気下、エピブロモヒドリン((0.38g、2.8mmol)を滴下した。氷浴を取り外し、反応混合物を室温で18時間撹拌した。トリエチルアミン(0.39ml、2.8mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間、次に60℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、減圧下で濃縮し、残留物をEtOAcに取った。EtOAc溶液を水及び0.5M炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた油状物をHPLCによるクロマトグラフィー(ヘキサン類/EtOAc 1:1〜50%ヘキサン類/27%EtOA/15%MeOH/8%濃NHOH)に付して、1−((R)−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アゼチジン−3−オール0.5g(53%)とした。MS M+H=344。
【0394】
工程2
1−[(R)−6−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール
アルゴン下、ジオキサン5ml中で、1−((R)−6−ヨード−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アゼチジン−3−オール(0.172g、0.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)−ジパラジウム(0)(0.023g、0.025mmoles)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(0.029g、0.05mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1mmol)及び3−フルオロ−チオフェノール(0.13g、1.0mmoles)を混合した。反応混合物を60°で45分間撹拌し、次に冷却し、EtOAcで希釈した。有機層を1.5M水性炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、分取HPLC(ヘキサン類/EtOAc 1:1〜50%ヘキサン類/27%EtOA/15%MeOH/8%濃NHOH)に付して、1−[(R)−6−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール0.08g(47%)を得た。MS M+H=344。
【0395】
工程3
1−[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール
MeOH(4ml)中の1−[(R)−6−(3−フルオロ−フェニルスルファニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール(0.08g、0.23mmol)の撹拌した溶液に、水2.5ml中のOXONE(商標)(0.307g、0.5mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で36時間撹拌した。混合物をEtOAcに取り、有機層を1.5M炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取TLC(ヘキサン類/EtOAc/MeOH 5:4:1)により精製して、1−[(R)−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール0.06gを得た。MS M+H=376。
【0396】
実施例30
製剤
種々の経路で送達するための医薬調製物は、以下の表に示されるようにして、製剤化される。表中で使用されている「活性成分」又は「活性化合物」は、1以上の式Iの化合物を意味する。
【0397】
【表2】

【0398】
成分を混合し、各々約100mgを含むカプセルに分配し;1個のカプセルは、およそ1日の用量である。
【0399】
【表3】

【0400】
成分を合わせ、メタノールなどの溶媒を使用して造粒する。その後、製剤を乾燥し、適切な錠剤機を用いて、錠剤(約20mgの活性化合物を含む)に成形する。
【0401】
【表4】

【0402】
成分を混合し、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0403】
【表5】

【0404】
活性成分を注射用の水の一部分に溶解する。次に、撹拌しながら、十分な量の塩化ナトリウムを加え、溶液を等張にする。注射用の残りの水で、溶液を所要の重さにして、0.2ミクロンの膜フィルターを通してろ過し、滅菌状態で、包装する。
【0405】
【表6】

【0406】
スチーム浴上で、成分を溶融し、混合し、全量2.5gを含む鋳型に注ぐ。
【0407】
【表7】

【0408】
水を除く全ての成分を合わせ、撹拌しながら、約60℃まで加熱する。その後、約60℃の十分量の水を、激しく撹拌しながら加え、成分を乳化し、その後、水を適量加えて100gとする。
【0409】
鼻スプレー製剤
約0.025〜0.5パーセントの活性化合物を含有しているいくつかの水性懸濁物を、鼻スプレー製剤として調製する。その製剤は、場合により、例えば、微晶質セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロース等のような不活性成分を含有していてもよい。pHを調整するために、塩酸を添加しうる。鼻スプレー製剤は、典型的には、1作動あたり約50〜100マイクロリットルの製剤を送達する鼻スプレー計量ポンプを介して送達されうる。典型的な投薬スケジュールは、4〜12時間毎に2〜4回のスプレーである。
【0410】
実施例31
放射性リガンド結合研究
この実施例は、式Iの化合物のインビトロ放射性リガンド結合研究を説明する。
本発明の化合物のインビトロでの結合活性を次のようにして決定した。組換えヒト5−HT受容体を安定して発現するHEK293細胞に由来する細胞膜における[H]LSDの結合について競合させることにより、5−HTリガンド親和性の二重測定を行った。組換えヒト5−HT2A受容体を安定して発現するCHO−K1細胞に由来する細胞膜における[H]ケタンセリン(Ketanserin)(3−(2−(4−(4−フルオロベンゾイル)ピペリジノール)エチル)−2,4(1H,3H)−キナゾリンジオン)の結合について競合させることにより、5−HT2Aリガンド親和性の二重測定を行った。膜は、Monsma et al., Molecular Pharmacology, Vol. 43 pp. 320-327 (1993)により記載された方法により、HEK293細胞系から、および、Bonhaus et al., Br. J Pharmacol. Jun; 115(4): 622-8 (1995)により記載されたように、CHO−K1細胞系から、調製した。
【0411】
5−HT受容体での親和性を推定するためには、すべての測定は、250マイクロリットルの反応容量で、50mM Tris−HCl、10mM MgSO、0.5mM EDTA、1mMアスコルビン酸を含有する、pH7.4、37℃のアッセイ緩衝液中で行った。5−HT2Aレセプターでの親和性を推定するためには、すべての測定は、250マイクロリットルの反応容量で、50mM Tris−HCl、5mMアスコルビン酸、4mM CaCl2を含有する、pH7.4、32℃のアッセイ緩衝液中で行った。
【0412】
H]LSD又は[H]ケタンセリン(5nM)、競合リガンド、及び膜を含有するアッセイ管を振とう水浴中、37℃で75分間(5−HTについて)又は32℃で60分間(5−HT2Aについて)インキュベートし、Packard 96ウェル細胞採取機を使用して、Packard GF−Bプレート(0.3%PEIで予備浸漬)で濾過し、氷冷50mM Tris−HClで3回洗浄した。結合[H]LSD又は[H]ケタンセリンを、Packard TopCountを使用して、1分間あたりの放射活性カウントとして測定した。
【0413】
結合部位からの[H]LSD又は[H]ケタンセリンの置換は、濃度−結合データを4−パラメータロジスティック式に当てはめることによって定量化した:
【0414】
【数1】

【0415】
(式中、Hillはヒル勾配であり、[リガンド]は競合放射性リガンドの濃度であり、IC50は放射性リガンドの半極大特異的結合を生じる放射性リガンドの濃度である。特異的結合ウィンドウは、Bmaxと基底値パラメータとの差である)。
【0416】
本実施例の手順を使用して、式Iの化合物を試験し、選択的5−HTアンタゴニスト、選択的5−HT2Aアンタゴニスト、又はその双方であることが見出された。例えば、化合物C−[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミンは、5−HTについて約10.0のpKiを示した。さらに、5−HT2AについてのpKiデータを以下に例示する。
【0417】
【表8】

【0418】
実施例29
認知増強
本発明の化合物の認知増強特性は、動物認知モデル:物体認識課題モデルにおけるものでありうる。4ヶ月齢の雄ウィスター(Wistar)ラット(Charles River, The Netherlands)を使用した。化合物を毎日調製し、生理食塩水に溶解し、3種の用量で試験した。投与は、常に、T1の60分前に、腹腔内(注射容量1ml/kg)に行った。スコポラミン臭化水素酸塩を、化合物注射の30分後に注射した。ラット24匹の2つの等しい試験群を作成し、2人の実験者によって試験した。投与の試験の順序はランダムに決定した。実験は二重盲検プロトコルを使用して実施した。全てのラットを、各投与条件で1回処理した。物体認識テストは、Ennaceur, A., Delacour, J., 1988, A new one-trial test for neurobiological studies of memory in rats.1: Behavioral data.Behav.Brain Res. 31, 47-59によって記載されたようにして実施した。
【0419】
本発明をその特定の実施態様に関して記載したが、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更をなしうること及び均等物が代用されうることを、当業者は理解されたい。さらに、特定の状況、物質、組成物、方法、1つ以上のプロセス工程を、本発明の目的とする精神及び範囲に適応させるために、多くの修飾を行いうる。そのような修飾は、全て、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化56】


[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素又はアルキルであり:
は、アルキル、ハロアルキル又は−NR(ここで、R及びRは、各々、独立に、水素、アルキル又はヒドロキシアルキルである)であり;
ただし、mが0であり、nが1であり、Rが水素であり、Rがメチル又は−NHである場合には、Arは3−フルオロフェニルではない]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
式II:
【化57】


[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素又はアルキルであり:
は、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル又は−(CHp−NR(ここで、
pは、0又は1であり;
は、水素又はアルキルであり;
は、水素、アルキル、グアニジニル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシアルキルである)であり、
ただし、mが0であり、Rが−NHCH、−N(CH、−CHNH、−CHNHCH、−CHN(CH、又は−CHOHである場合には、Arは3−フルオロフェニルではなく、
mが0であり、Rが−NH又はグアニジニルである場合には、Arはフェニル又は3−フルオロフェニルではなく、
mが1であり、Rがテトラリン環系の8位のフルオロであり、Rがメチルである場合には、Arはフェニルではなく、
mが0であり、Rがメチルである場合には、Arは3−フルオロフェニル又はインドール−3−イルではなく、
mが0であり、Rがメトキシ又はエトキシである場合には、Arは3−フルオロフェニル又は2−フルオロフェニルではない]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項3】
式III:
【化58】


[式中、
mは、0〜3であり;
nは、1〜3であり;
qは、0〜3であり;
Aは、qが0又は1である場合には、−CH−であり、またAは、qが2又は3である場合には、−CH−又は−SO−であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)t−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、tは、0〜2であり、R、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
は、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、ヘテロアルキル又はシアノである]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項4】
mが0である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
nが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
mが0又は1であり、Rがハロである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
mが0又は1であり、Rがハロであり、Rが、テトラリン環系の5位又は8位に位置している、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
mが0又は1であり、Rがハロであり、nが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
mが0又は1であり、Rがハロであり、nが1であり、Arが、場合により置換されているフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
mが0又は1であり、Rがハロであり、nが1であり、Arが、場合によりハロで置換されているフェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
Aが−CH−であり、qが1である、請求項3記載の化合物。
【請求項12】
Aが−SO−であり、qが2である、請求項3記載の化合物。
【請求項13】
その化合物が、式IVa又はIVb:
【化59】


[式中、
sは、0〜4であり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)r−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、rは、0〜2であり、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
m、n、R、R及びRは、請求項1に記載のとおりである]
で示されるもの又はその薬学的に許容しうる塩である、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
その化合物が、式Va又はVb:
【化60】


[式中、
sは、0〜4であり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)r−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、rは、0〜2であり、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
m、n、R、R及びRは、請求項2に記載のとおりである]
で示されるもの又はその薬学的に許容しうる塩である、請求項2記載の化合物。
【請求項15】
その化合物が、式Va又はVb:
【化61】


[式中、
sは、0〜4であり;
各々のRは、独立に、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シアノ、−S(O)r−R、−C(=O)−NR、−SO−NR、−N(R)−C(=O)−R、又は−C(=O)−R(ここで、rは、0〜2であり、R、R、R及びRは、各々、独立に、水素又はアルキルであり、Rは、水素,アルキル、アルコキシ又はヒドロキシである)であり;
m、n、A、R、及びRは、請求項1に記載のとおりである]
で示されるもの又はその薬学的に許容しうる塩である、請求項3記載の化合物。
【請求項16】
式VII:
【化62】


[式中、
nは、1〜3であり;
Arは、場合により置換されているアリール又は場合により置換されているヘテロアリールであり;
は、水素又はアルキルであり:
は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル又はアルキルスルホニルアルキルであり;
10及びR11の一方はフルオロ又はヒドロキシであり、他方は水素である]
で示される化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項17】
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−N−メチル−メタンスルホンアミド;
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド;
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオンアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−メタンスルホンアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−イソブチルアミド;
C,C,C−トリフルオロ−N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−メタンスルホンアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−プロピオンアミド
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−メトキシ−アセトアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−アセトアミド;
C−[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン;
N−[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミド;
[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ジメチル−アミン;
(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−(2−メタンスルホニル−エチル)−アミン;
N−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−N,N−ジメチルアミノ スルホンアミド;
5−アミノメチル−2−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−オール
N−[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−アセトアミド;
N−(6−ベンゼンスルホニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−2−ヒドロキシ−アセトアミド
[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ウレア
3−(5−アゼチジン−1−イルメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−スルホニル)−1H−ピロール
C−[6−(チアゾール−5−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン
[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−(2−メトキシ−エチル)−アミン;
2−ヒドロキシ−N−[6−(1H−ピロール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アセトアミド;
2−{[6−(1H−ピロール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−エタノール;
[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ウレア;
C−[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル]−メチルアミン;
2−{[5−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−エタノール;
2−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−イソチアゾリジン 1,1−ジオキシド;
(6−ベンゼンスルホニル−8−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−ウレア;
2−{[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−エタノール;
2−{[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−アセトアミド;
[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−ウレア;
3−{[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アミノ}−プロパン−1−スルホン酸;
N−[8−フルオロ−6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−2−ヒドロキシ−アセトアミド;
1−[6−(1H−ピロール−3−スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール;及び
1−[6−(3−フルオロ−ベンゼンスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル]−アゼチジン−3−オール
よりなる群から選択される化合物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項記載の少なくとも1種の化合物を、薬学的に許容しうる担体と混合して含む医薬組成物。
【請求項19】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物。
【請求項20】
5−HT6受容体モジュレーター、5−HT2A受容体モジュレーター又は双方に関連する疾患の処置用の医薬を製造するための、請求項1〜17のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項21】
精神病、統合失調症、躁うつ病、神経障害、記憶障害、注意欠陥障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、摂食障害、及びハンチントン病より選択される中枢神経系疾患状態の処置用の、請求項20記載の使用。
【請求項22】
胃腸管の障害の治療及び/又は予防用の、請求項20記載の使用。
【請求項23】
本明細書に記載の発明。

【公表番号】特表2009−541252(P2009−541252A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515836(P2009−515836)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055873
【国際公開番号】WO2007/147771
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】