説明

テープ回収方法、実装機および部品実装システム

【課題】空テープの切断回数を抑制しながら空テープを確実に、しかも良好に切断する。
【解決手段】実装グループの実行中に空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達すると予想される、(N+1)ターンの実装グループより前に実行されるNターンの実装グループと並行して切断位置P1を超えた空キャリアテープCRが一括切断され、回収ボックスに回収される。このように、空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達する手間で空キャリアテープCRが一括して切断されるため、上記不具合の発生を確実に防止して空キャリアテープCRを確実に、しかも良好に切断回収することができる。また、全駆動パターンを検証して可能な限り切断機構の駆動回数を抑制して実装時間の短縮を図っており、上記不具合の発生を確実に防止しながらもサイクルタイムを短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品を収納したテープを供給する複数のテープフィーダを装備した実装機により部品実装を行った際に発生する空テープを切断して回収する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板にチップ部品を実装する実装機に、部品供給用のテープフィーダを装備し、これにより多数のチップ部品を次々に所定位置へ送るようにしつつ、移動可能な吸着用ヘッドにより上記所定位置でチップ部品をテープフィーダから取り出すようにしたものが知られている。
【0003】
各テープフィーダでは、例えば一定間隔おきに多数のチップ部品を収納するキャリアテープにカバーテープを貼り合わせて多数のチップ部品を保持するようにしたテープが予めリールに巻きつけられ、このリールがフィーダの後部に取付けられている。そして、このリールから導出されたテープがフィーダ前方の部品取出し部に導かれ、カバーテープがキャリアテープから剥離されてチップ部品の取出しが可能な状態とされる。さらに、繰出し機構により間欠的にテープが繰出されつつ、次々にチップ部品が取出される。
【0004】
また、部品供給により空となったキャリアテープ(空テープ)が各テープフィーダからテープ回収装置に送られる。このテープ回収装置では、例えば特許文献1に記載されているように長尺の固定刃と可動刃を有する切断部と回収ボックスが設けられており、複数本の空テープが一括して切断され、回収ボックスに回収される。
【0005】
【特許文献1】特開2006−237316号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の装置では、基板に対する全部品の実装が完了し、基板を部品実装位置から搬出するタイミングで空テープの切断および回収を実行している。このため、次のような不都合が発生することがある。すなわち、部品実装を行っている間に空テープは断続的にテープ回収装置側に送られてくるため、実装部品点数が多い場合には空テープの送り込み量も長くなり、固定刃と可動刃の間を垂下してきた空テープの先端が回収ボックス(特許文献1中の器体31)の底部に達した後、回収ボックス内で空テープの撓みが生じたり、空テープ同士が絡み合うことがある。このような状態では空テープの切断を良好に行うことができないという不具合や空テープを良好にテープ回収装置に送り込めないという不具合等が発生することがあった。
【0007】
そこで、このような問題を解消するために、部品実装と並行して空テープを切断して回収することが従来行われている。つまり、空テープが切断位置に達するのを確認する度に切断部を作動させることで空テープが回収ボックスの奥底に送り込まれるまでに切断している。このようにテープ切断を高頻度で行うことで予め設定した切断限界位置に空テープが達する前に空テープを切断して上記不具合の発生を未然に防止していた。
【0008】
しかしながら、従来において、複数の空テープのうち1本でも空テープが切断位置に達すると、切断部を作動させてテープの一括切断を行っているため、基板への部品実装を完了するまでに実行される切断回数が多くなり、切断動作中、繰出し機構によるテープの繰出しができないため、切断動作が終了するまで吸着動作を停止する場合が発生し、1枚の基板に対する全部品の実装に要する時間、つまりサイクルタイムが長くなるという問題がある。また、切断回数の増大は刃部の劣化加速につながる。
【0009】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、空テープの切断回数を抑制しながら空テープを確実に、しかも良好に切断することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明にかかるテープ回収方法は、部品を収納したテープを供給する複数のテープフィーダを装備した実装機によるテープからの部品取出から基板への部品実装までの動作を実装グループとし、当該実装グループを生産プログラムにしたがって繰り返して実行するのに並行して、部品取り出し後の空テープを切断機構の切断位置を経由して回収手段側に送り込み、切断位置で切断して回収手段に回収するテープ回収方法であって、上記目的を達成するため、実装グループの実行中に空テープの先端が切断位置に対して回収手段側に予め設定された切断限界位置に到達すると予想される、第1実装グループを生産プログラムに基づき求める第1工程と、第1実装グループより前に実行される第2実装グループと並行して切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断機構により切断して回収手段に回収する第2工程とを備えたことを特徴としている。
【0011】
また、この発明にかかる実装機は、上記目的を達成するため、部品を吸着及び離着可能なヘッドを有するヘッドユニットと、基台に配置される部品供給部上方と基台上に保持される基板上方との間でヘッドユニットを移動可能とするヘッドユニット駆動機構と、部品供給部に配置されるテープからの部品取出から基板への部品実装までの動作を実装グループとし、ヘッドユニット駆動機構を制御し実装グループを生産プログラムにしたがって繰り返して実行する制御手段とを備え、当該制御手段は、基台近傍に配置され、部品取り出し後の空テープを切断する切断装置と、当該切断機構の切断位置を経由して送り込まれる空テープを回収する回収手段を備えたテープ回収装置に対して切断機構の駆動タイミングを制御し、実装グループの実行中に空テープの先端が切断位置に対して回収手段側に予め設定された切断限界位置に到達すると予想される、第1実装グループより前に実行される第2実装グループと並行して切断機構を駆動して切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断して回収手段に回収することを特徴としている。
【0012】
また、この発明にかかる部品実装システムは、上記目的を達成するため、部品を収納したテープを送り出して部品を供給するフィーダが複数装着され、テープからの部品取出から基板への部品実装までの動作を実装グループとし、当該実装グループを生産プログラムにしたがって繰り返して実行する実装機と、実装グループの実行と並行して、切断機構の切断位置を経由して回収手段側に送り込まれた部品取り出し後の空テープを切断位置で切断して回収手段に回収するテープ回収装置と、切断機構の駆動タイミングを制御する制御手段とを備え、制御手段は、実装グループの実行中に空テープの先端が切断位置に対して回収手段側に予め設定された切断限界位置に到達すると予想される、第1実装グループより前に実行される第2実装グループと並行して切断機構を駆動して切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断して回収手段に回収することを特徴としている。
【0013】
このように構成された発明(テープ回収方法、実装機および部品実装システム)では、切断位置に対する回収手段側の所定位置、例えば回収手段の底面直上位置が切断限界位置として予め設定されている。そして、実装グループの実行中に空テープの先端が切断限界位置に到達すると予想される、第1実装グループを求め、この第1実装グループより前に実行される第2実装グループと並行して切断位置を超えた空テープの一括切断・回収が実行される。したがって、空テープの先端が切断限界位置に到達する手間で空テープが一括して切断される。
【0014】
また、空テープの一括切断タイミング(第2工程の実行タイミング)を生産プログラムに書き込んでおき、生産プログラムに基づき部品実装およびテープ回収を行うように構成してもよい。このように予め一括切断タイミングに関する情報を含む生産プログラムを作成しておくことで同一態様で部品実装を行う際には同生産プログラムを用いて部品実装とテープ回収を行うことができる。その結果、第1工程の実行が不要となり、処理効率をさらに高めることができる。
【0015】
また、実装グループの実行に失敗するケースが発生することがあるが、この場合には、切断機構を作動させて切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断して回収手段に回収するのが望ましい。というのも、このようなケースを生産プログラムは想定していないからであり、空テープの一括切断を実行することで空テープの先端が切断限界位置を超えるのを確実に防止することができる。
【0016】
また、生産プログラムに基づく実装グループの継続実行が不可能となった後に、同一の生産プログラムまたは別の生産プログラムに基づき実装グループを再開する場合も、実装グループの失敗の場合と同様に空テープの一括切断を実行してもよい。
【0017】
さらに、上記のように空テープの一括切断(第3工程)を実行する場合には、第1工程を再度実行して第1実装グループを改めて求め、第2工程の実行タイミングを調整するのが望ましい。これによって、タイミング調整後におけるテープ回収を元の通り効率的に行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、実装グループの実行中に空テープの先端が切断限界位置に到達すると予想される、第1実装グループより前に実行される第2実装グループと並行して切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断機構により切断して回収手段に回収しているため、常に空テープの先端が切断限界位置に到達する手間で空テープを一括して切断・回収することができる。その結果、空テープの切断回数を抑制しながら空テープを確実に、しかも良好に切断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は本発明にかかる部品実装システムの一実施形態を示すブロック図である。この部品実装システムでは、実装機10に対してホストコンピュータ、あるいはパーソナルコンピュータやサーバーPCなどの制御装置1がLAN(=Local Area Network)ケーブル等により接続されている。この制御装置1は、部品実装システム全体を制御するコントローラ2を有している。このコントローラ2は、CPU等により構成される演算処理部2aと、ハードディスクドライブなどの記憶部2bと、通信制御部2cとを備えている。記憶部2bには、部品毎の送りピッチ、部品実装順序、部品吸着順序などの基板データに基づき作成された生産プログラムが例えばリスト形式で記憶される。また、この実施形態では、演算処理部2aは生産プログラムの作成時に基板データに基づき実装動作(実装グループの実行)をシミュレーションし、空テープの切断動作のタイミングを求め、上記生産プログラムに組み込む。なお、このような動作については、後で詳述する。
【0020】
また、演算処理部2aは実装機10に対して生産プログラムを通信制御部2cを介して同プログラムを実行する実装機10に送信可能となっている。このように通信制御部2cは生産プログラムを実装機10に出力する出力部として機能する。また、一度作成された生産プログラムは記憶部2bに登録され、必要に応じて実装機10に読み込まれて部品実装が可能となる。なお、同図中の符号3は演算処理部2aにより作成された生産プログラムや相関データリストなどを表示したり、作業者がコントローラ2に対して各種データや指令などの情報を入力するための表示/操作ユニットである。また、この実施形態では、有線LANにより制御装置1と実装機10の間での通信を行っているが、通信方式や態様はこれに限定されるものではない。
【0021】
図2は実装機の概略構成を示す平面図である。また、図3は図2の実装機をフロント側から見た図である。さらに、図4は図2の実装機に装着された部品供給部およびテープ回収装置を示す図である。なお、これらの図面では、各図の方向関係を明確にするために、XYZ直角座標軸が示されている。
【0022】
この実装機10では、基台11上に基板搬送機構20が配置されており、基板30を所定の搬送方向Xに搬送可能となっている。より詳しくは、基板搬送機構20は、基台11上において基板30を図1の右側から左側へ搬送する一対のコンベア21、21を有している。これらのコンベア21、21は実装機10全体を制御するコントローラ40(図1参照)により制御される。すなわち、コンベア21,21はコントローラ40からの駆動指令に応じて作動し、搬入されてきた基板30を所定の実装作業位置(図2に示す基板30の位置)で停止させる。また、当該基板30は図略の保持装置により固定保持される。そして、この基板30に対して部品供給部50から供給される電子部品(図示省略)がヘッドユニット60に複数搭載された吸着ノズル61により移載される。このようにヘッドユニット60が部品供給部50の上方と基板30の上方の間を複数回往復して基板30に実装すべき部品の全部について実装処理が完了すると、基板搬送機構20はコントローラ40からの駆動指令に応じて基板30を搬出する。
【0023】
この実施形態では、部品供給部50は、コンベア21,21に対してフロント(+Y)側とリア(−Y)側のそれぞれ上流部と下流部の合計4箇所に設けられており、各部品供給部50では複数のフィーダ51が装着されている。また、この実施形態では、図4に示すように、フィーダ取付台車52を用いることで、複数のフィーダ51を一括して実装機10に対して着脱可能としている。このフィーダ取付台車52の後部には2つのリール保持部521、522が設けられている。これらのうち第1リール保持部521はフィーダ51の後方下方に配置される一方、第2リール保持部522は第1リール保持部521の後方下方に配置されている。これらのリール保持部521、522はフィーダ51とは別体に形成され、第1リール保持部521は第1リールR1を、また第2リール保持部522は第2リールR2を幅方向(同図紙面に対して垂直な方向)に複数並設させつつ保持可能となっている。そして、各リールR1、R2はそれぞれ第1フィーダ群および第2フィーダ群に対応して設けられている。すなわち、この実施形態では台車52には、複数のフィーダ51が幅方向Xに所定のピッチで取り付けられており、幅方向Xの手前側から奇数番目に配置されるフィーダ51により第1フィーダ群が形成される一方、偶数番目に配置されるフィーダ51により第2フィーダ群が形成されている。そして、第1リール保持部521は、各フィーダ51のピッチの2倍のピッチで複数の第1リールR1を保持可能とされている。各第1リールR1のテープTPは、第1リールR1の上方側から当該第1リールR1に対応するフィーダ51のテープガイド512に送給可能となっている。
【0024】
また、第2リール保持部522も、各フィーダ51のピッチの2倍のピッチで複数の第2リールR2を保持可能とされている。そして、各第2リールR2のテープTPは、第1リール保持部521に配置される第1リールR1の径方向外側において案内されて当該第2リールR2に対応するフィーダ51のテープガイド512に送給可能となっている。以上のリール配置により、各リールR1,R2の幅が各フィーダ51の幅より大きくても、各フィーダ51の配置ピッチを各リールR1,R2の幅より狭い等ピッチで配置することが可能となる。
【0025】
各フィーダ51は電動式のテープフィーダとして構成されており、図4に示すように、幅方向(X方向)に扁平なボックス型のフィーダ本体511を有している。このフィーダ本体511はテープガイド512を前後方向に備えている。そして、フィーダ51の先端側(同図の右手側)、すなわちフィーダ本体511をコンベア21(図2)側に向けた状態で、フィーダ51はフィーダ取付台車52にセットされて固定されている。
【0026】
テープガイド512の後方(図4の左端部)には、上記したようにリールR1、R2が配置されており、前方のフィーダ本体511へテープTPが導出されている。このテープTPは、従来から周知のように、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の部品を一定間隔置きに収納、保持するものであり、キャリアテープ(図4中の符号CR)とこれに貼着されるカバーテープ(図4中の符号CV)とから構成されている。より具体的に説明すると、キャリアテープCRは上方に開口した空洞状の部品収納凹部を一定間隔置きに有しており、各部品収納凹部にIC等の部品が収納されている。また、キャリアテープCRの一辺側には、その縁部に沿ってテープ厚み方向に貫通する係合孔が一定間隔で設けられており、テープ送り機構のスプロケット513と係合可能となっている。一方、カバーテープCVは、部品収納凹部の口元が開口する部分を覆うようにキャリアテープCRの上面に接着されている。
【0027】
また、フィーダ本体511の上部には、前後方向(Y方向)に延びるテープガイドが設けられるとともに、その上部を覆うようにカバー部材が設けられている。そして、リールから導出されたテープTPはテープガイドに沿ってカバー部材の下方に案内される。
【0028】
フィーダ51には、テープTPをリールR1、R2から引出しつつテープガイドに沿って送り出すために、ヘッドユニット60により部品をピックアップする位置、つまり吸着ノズル61にとっての部品吸着位置の下方にスプロケット513が配置されている。そして、その外縁部分の一部がフィーダ本体511の内側天井部分に形成される開口部を介してテープガイドに臨むとともに、その外周に設けられたピンの一部がキャリアテープCRの側方、カバーテープCVの外側部において長手方向に、ピンのピッチと一致する所定ピッチで設けられた係合孔に嵌合することによりテープTPに係合している。そして、スプロケット513が回転駆動されると、この回転に伴いリールR1、R2からテープTPが引出されつつ、テープTPの部品収納凹部のピッチに対応する一定のピッチ送り量でテープTPが間欠的に送出される。
【0029】
また、部品吸着位置の下方となるテープTPにおいての部品供給位置での部品供給を可能とするため、部品供給位置の上流側でテープTPからカバーテープCVが引き剥がされる。つまり、部品供給位置の上流側(同図の左手側)では、テープガイドに沿って案内されるテープTPからカバーテープCVがカバー部材の一部によって引き剥がされて後方側に折り返される。これによって、テープTP(キャリアテープCR)の部品収納凹部が上方に開放されて、その状態のまま部品供給位置に送られてヘッドユニット60に搭載された吸着ノズル61による部品吸着が可能となっている。一方、上記のようにして折り返されたカバーテープCVは引取り機構514によって後方側に送られ、さらに後方のカバーテープ収容部517内に送られる。一方、部品が抜き取られて空となった空キャリアテープCR(本発明の「空テープ」に相当)はテープ回収装置80に送られ、適当なサイズに切断機構84によって切断された後で回収ボックス82に回収される。なお、この構成および動作については後で詳述する。
【0030】
図2に戻って実装機10について説明を続ける。この実装機10では、上記のようにフロント(+Y)側でX方向に並設された部品供給部50の間にフロント側画像読取部90が配置される一方、リア(−Y)側にも同様にリア側画像読取部90が配置されている。各画像読取部90は多数のLED(Light Emitting Diode)からなる照明部とラインセンサを備えている。これらの構成部品のうちラインセンサはCCD固体撮像素子の撮像面を上方に向けた状態で同素子を上記吸着ノズル61の配列方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に設けたものであって、照明部に形成されたスリット部を介して一次元的に各吸着ノズル61に吸着された電子部品の下面の部品画像を取り込むようになっている。
【0031】
実装機10には基板搬送機構20の他に、ヘッドユニット駆動機構70が設けられている。このヘッドユニット駆動機構70はヘッドユニット60を基台11の所定範囲にわたりX軸方向及びY軸方向(X軸及びZ軸方向と直交する方向)に移動するための機構である。そして、ヘッドユニット60の移動により吸着ノズル61で吸着された電子部品が部品供給部50の上方位置から基板30の上方位置に搬送される。すなわち、ヘッドユニット駆動機構70は、X軸方向に延びる実装用ヘッド支持部材71を有しており、この実装用ヘッド支持部材71はヘッドユニット60をX軸に沿って移動可能に支持している。また、実装用ヘッド支持部材71は、両端部が基板搬送機構20の上方に位置するY軸方向の固定レール72に支持され、この固定レール72に沿ってY軸方向に移動可能になっている。さらに、ヘッドユニット駆動機構70は、ヘッドユニット60をX軸方向に駆動する駆動源たるX軸サーボモータ73と、ヘッドユニット60をY軸方向に駆動する駆動源たるY軸サーボモータ74とを有している。モータ73はボールねじ75に連結されており、コントローラ40(図1)からの動作指令に応じてモータ73が作動することでヘッドユニット60がボールねじ75を介してX軸方向に駆動される。一方、モータ74はボールねじ76に連結されており、演算処理部41(図1)からの動作指令に応じてモータ74が作動することで実装用ヘッド支持部材71がボールねじ76を介してY軸方向へ駆動される。
【0032】
このヘッドユニット60では、鉛直方向Zに延設された不図示の実装用ヘッドが8本、X軸方向(基板搬送機構20による基板30の搬送方向)に等間隔で列状配置されている。実装用ヘッドのそれぞれの先端部には、吸着ノズル61が装着されている。ヘッドユニット60には各実装用ヘッドをZ軸周りに回転させるR軸モータ66、各実装用ヘッドをZ軸方向に昇降するZ軸モータ65が搭載される。ヘッドユニット駆動機構70によりヘッドユニット60は電子部品を吸着ノズルにより吸着保持したまま基板30に搬送するとともに、電子部品の装着方向を所定の方向にして所定位置に移載する。
【0033】
ヘッドユニット駆動機構70によってヘッドユニット60が部品供給部50の上方に移動し、吸着ノズル61が吸着対象部品を搭載するフィーダの上方の部品吸着位置に位置されるとともに、Z軸モータ65によって吸着ノズル61が下降して、部品供給位置に位置している部品収納凹部50の電子部品に対して吸着ノズル61の先端部が接して吸着保持し、吸着ノズル61が上昇する。この吸着動作が複数の吸着ノズル61に対して順次実施される。こうして各吸着ノズル61で複数の電子部品を吸着保持したままヘッドユニット60が基板30の上方に搬送されるとともに、途中画像読取部90の上方を通過させることで吸着ノズル61への電子部品の吸着状態画像を取り込み、各所定位置において各所定方向に向けて各電子部品を基板30に移載する。
【0034】
また、このように構成されたヘッドユニット60では、X軸方向両側の各側面に撮像面を下に向けた状態で基板認識カメラ62、63が固定されている。これら基板認識カメラ62、63は実装作業位置上にある基板30の複数のフィデューシャルマークを撮影して基板位置、基板方向を画像認識する機能を有している。この基板に関する画像と電子部品の吸着状態画像とに基き、各電子部品を基板30に移載するに際してヘッドユニット60のX軸方向位置、X軸方向位置及び吸着ノズル61のR軸方向位置の各補正が実施され、基板位置ズレ、部品吸着位置ズレによらず正しい各所定位置において各所定方向に向けて各電子部品を基板30に移載する。また、ヘッドユニット60をフィーダ51の部品供給位置上方に移動させることで基板認識カメラ62、63によりフィーダ51により送給されてくる部品やテープの部品収納凹部などを上方から撮像可能となっている。
【0035】
テープ回収装置80は各部品供給部50に1つずつ設けられている。各テープ回収装置80は、図4に示すように、実装機本体とフィーダ取付台車52のリール保持基台523の間で、しかもフィーダ51の下方の空間に配置されている。各テープ回収装置80は回収本体81を有しており、回収本体81の上面中央部に設けられた開口部82を介してテープフィーダ51から送られてくる空キャリアテープCRが回収本体81内部に案内される。また、回収本体81には、ガイド部材83、切断機構84および回収ボックス85が配置されている。すなわち、開口部82の直下位置にガイド部材83が設けられて空キャリアテープCRを下方に案内する。また、ガイド部材83の下方端側に切断機構84が設けられている。この切断機構84は、連続して効率良く空キャリアテープCRを切断するために、一の回転軸に固定された一の円盤状回転刃84aと、他の回転軸に固定された他の円盤状回転刃84bを有しており、これらの回転刃の周端部が互いに摺動自在となるように回転刃84a、84bが配設されている。そして、両回転刃84a、84bが摺動回転しながらX方向に移動することで、X方向に配列されたテープフィーダ51からそれぞれ送られてくる空キャリアテープCRを一括して空キャリアテープCRの長手方向に対して略直交するX方向に切断可能する。なお、こうして切断された空キャリアテープCRは自重により切断機構84の下方に配置された回収ボックス85に落下して回収される。図4中の符号P1、P2、P3はそれぞれ切断位置、切断可能位置および切断限界位置を示している。これらのうち「切断限界位置」が特に重要な意義を有している。上記したように空キャリアテープCRの先端が切断限界位置を超えると、回収ボックス85の底部に達し、回収ボックス85内で空キャリアテープCRの撓みが生じたり、空キャリアテープCRが絡み合って不具合を生じさせることがある。つまり、切断限界位置P3は上記不具合を発生させないための限界位置を示している。
【0036】
次に、実装機10の電気的構成について図1を参照しながら説明する。実装機10には、実装機全体を制御するコントローラ40が設けられている。このコントローラ40は、演算処理部41と、記憶部42と、モータ制御部43と、画像処理部44と、切断機構84などの外部機器を制御するための外部入出力部45と、サーバー通信制御部46とを備えている。この演算処理部41はCPU等により構成されており、記憶部42に予め記憶されている生産プログラムにしたがって実装機各部を制御して後述する実装グループを繰り返し実行して基板への部品実装を行う。
【0037】
モータ制御部43には、上記X軸サーボモータ73およびY軸サーボモータ74以外にヘッドユニット60内で各吸着ノズル61を昇降駆動するZ軸モータ65、各吸着ノズル61を上下軸周りで回動するR軸モータ66が電気的に接続されており、各モータを駆動制御する。また、これらのモータ65、66、73、74にはモータの回転状況に応じたパルス信号を出力するエンコーダ(図示省略)がそれぞれ付設されている。各エンコーダから出力されるパルス信号はコントローラ40に取り込まれる構成となっており、これらの信号を受けた演算処理部41が各軸モータ65、66、73、74の回転量に関する情報を取得し、モータ制御部43と共に各軸モータ65、66、73、74を制御して、吸着ノズル61を基台11上の任意の位置に移動できる構成となっている。
【0038】
また、画像処理部44には基板認識カメラ62、63および画像読取部90が電気的に接続されており、これらから出力される撮像信号がそれぞれ画像処理部44に取り込まれるようになっている。そして、画像処理部44では、取り込まれた撮像信号に基づいて、部品画像の解析並びに基板画像の解析がそれぞれ行われるようになっている。
【0039】
なお、この実装機10では、制御装置(サーバー)1との間で生産プログラムやピッチ送り量などの各種データの授受を行うためにサーバー通信制御部46が設けられている。また、同図中の符号47は生産プログラムや相関データリストなどを表示したり、作業者がコントローラ40に対して各種データや指令などの情報を入力するための表示/操作ユニットである。
【0040】
次に、上記のように構成された部品実装システムにおける動作について図5ないし図7を参照しつつ説明する。図5は切断機構の最適駆動パターンを求める手順を示すフローチャートである。また、図6は実装機およびテープ回収装置の動作を模式的に示す図である。さらに、図7は切断機構の最適駆動パターンを求める手順を示す模式図である。この部品実装システムでは、制御装置1の演算処理部2aが部品毎の送りピッチ、部品実装順序、部品吸着順序などの基板データに基づき生産プログラムを作成する(ステップS1)。この生産プログラムにしたがって実装機10を制御することで実装グループを繰り返して行うことが可能となっている。
【0041】
この「実装グループ」は、ヘッドユニット60に搭載されている複数の吸着ノズル61について、テープTPからの部品取出から基板30への部品実装までの、より厳密にはさらに、前の「実装グループ」の終了に伴い基板30上方から部品供給部50上方へヘッドユニット60が移動する動作を含んだ、動作を意味しており、図6の最上欄に示すように、ヘッドユニット60の吸着位置への移動、吸着ノズル61による部品吸着、画像読取部90による部品認識、ヘッドユニット60による基板30への部品装着(部品実装)が含まれている。なお、部品が吸着されたテープTPは、吸着ノズル61が上昇するとスプロケット513および引取り機構514が駆動されて部品収納凹部の1ピッチ分のテープ送りが実施される。このテープ送りも実装グループに含まれている。この実装グループが生産プログラムにしたがって複数ターン(=複数回)実行されることで基板30への全部品の実装が完了する。なお同図においては、全ターン中の(N−1)番目のターン、N番目のターンおよび(N+1)番目のターンを抜き出し、空キャリアテープCRの移動を模式的に示している。例えば同図中段に示すように、(N−1)ターン、Nターンおよび(N+1)ターン中に切断機構84による切断動作を実行しない場合、実装グループにより実装される部品を抜き取った後の空キャリアテープCRは部品吸着毎にテープ回収装置80に送り込まれ、一部の空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3を超えてしまう。
【0042】
これを防止するために、(N+1)ターンよりも前のターン、特に同図最下段に示すように直前のNターンで切断機構84を駆動するのが好ましい。こうすることで、空キャリアテープCRが切断限界位置P3を超えて不具合が発生するのを確実に防止しながら、切断回数を抑制することができる。そこで、本実施形態では、実装グループの実行中に空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達すると予想される、第1実装グループ(図6に示すケースでは(N+1)番目の実装グループ)を求め、第1実装グループより前に実行される第2実装グループと並行して切断機構84を駆動する。これによって、空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達する手間で空キャリアテープCRが一括して切断される。このように切断機構84による空キャリアテープCRの一括切断タイミングを最適化してサイクルタイムを最小化するために、本実施形態では制御装置1の演算処理部2aがステップS2〜S9を実行している。このように本実施形態では、演算処理部2aが本発明の「制御手段」として機能している。
【0043】
ステップS2では、全てのターンで切断機構84を駆動する、いわゆる最頻駆動パターンを作成する。例えば全ターン数が「7」である場合、図7に示す「パターン1」が最頻駆動パターンに相当する。また、最頻駆動パターンで全実装グループを実行した場合に要する実装時間A1を実装時間Nの初期値とする(ステップS3)。
【0044】
そして、ステップS5で駆動パターンを変更しながら生産プログラムに基づくシミュレーションにより全実装グループの実行と並行して当該駆動パターンで切断処理を行った場合に図6の中段右欄に示すように少なくとも1本の空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達するか否かを判定する(ステップS6)。そして、全空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達しておらず、「テープ切断結果」がOKであると判定する(ステップS6で「NO」)と、全実装グループを実行するのに要した時間A(A2、A3、…)を算出する(ステップS7)。こうして求めた時間Aが実装時間Nよりも短い場合(ステップS8で「YES」)には、実装時間Nを時間Aに書き換えるとともに、現時点での駆動パターンを切断機構84の最適駆動パターンとして記憶部2bに一時的に記憶する(ステップS9)。これら一連の動作(ステップS5〜S9)を全駆動パターンについて実行することで実装時間Nが最小となる最適駆動パターンが得られる。なお、この実施形態では、当該最適駆動パターンが生産プログラムに組み込まれて記憶部2bに保存される。また、当該最適駆動パターンが組み込まれた生産プログラムが実装機10に送信され、当該生産プログラムに基づき実装機10は実装グループを実行しながら最適駆動パターンで切断機構84を駆動し、部品実装と切断・回収処理を並行して行う。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、実装グループの実行中に空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達すると予想される、第1実装グループ(例えば図6の例で(N+1)ターンの実装グループ)より前に実行される第2実装グループ(例えば図6の例でNターンや(N−1)ターンの実装グループ)と並行して切断位置を超えた空キャリアテープCRが一括切断され、回収ボックス85に回収される。このように、空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達する手間で空キャリアテープCRが一括して切断されるため、上記不具合の発生を確実に防止して空キャリアテープCRを確実に、しかも良好に切断回収することができる。また、全駆動パターンを検証して可能な限り切断機構84の駆動回数を抑制して実装時間Nの短縮を図っており、上記不具合の発生を確実に防止しながらもサイクルタイムを短縮することができる。すなわち、部品吸着を完了し、ヘッドユニットが部品供給部上方から離間した瞬間から、実装を終えて再び部品供給部に戻って来るまでの期間をT1、テープ切断に要する時間T2とすると、T1<=T2となる場合に、確実にサイクルタイムを短縮することができる。T1>T2であっても、テープ切断による振動が実装機10本体に悪影響を与えたり、切断機構84を空気圧で駆動する場合には、切断中の空気圧の消費により、吸着ノズル61に吸着用負圧および装着用正圧を供給する不図示の空気圧機器への空気圧が低下し、結果として時間T1中に切断ができなくなり、実質的なT2‘がT1より大きくなり、本実施形態によれば、サイクルタイムを短縮することができる。また、空キャリアテープCRを切断する回数が少なくなることで切断機構84の長寿命化を図ることができ、ランニングコストを効果的に低減させることができる。
【0046】
また、上記実施形態では、駆動パターン(空キャリアテープCRの一括切断タイミング)を生産プログラムに書き込み、当該生産プログラムを記憶部2bに記憶させているため、同一態様で部品実装を行う場合、制御装置1から実装機10に記憶部2b内の生産プログラムを送信し、同生産プログラムを用いて部品実装とテープ回収を行ってもよい。この場合、駆動パターンの設定が不要となり、処理効率を高めることができる。
【0047】
なおまた、切断限界位置P3は、切断され回収ボックス85内に溜まる空キャリアテープCRの量が増加するに従い上位の位置に変化するものである。図5のフローチャートのS6の判断における切断限界位置P3は、何回目のターンかのターン数が大きくなる程上位となるよう、回収ボックス85の収納横断面が大きい程上位となる程度を緩和するように予め設定されたものが用いられる。また、生産プログラムに基き実行される実装中、作業者が一旦実装機を停止し回収ボックス85を空にする場合、作業者の再スタートにより直ちに図5のフローチャートが実施され、空テープの切断動作に関して生産プログラムが書き換えられる。
【0048】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、全駆動パターンについて上記検証を行うことで、実装グループの実行中に空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3に到達する第1実装グループを求めているが、第1実装グループを求める方法はこれに限定されるものではなく、生産プログラムに基づくシミュレーションにより第1実装グループを求め、これより先に実行される第2実装グループと並行して空キャリアテープCRの一括切断を行うことで上記実施形態と同様の作用効果が得られる。特に切断回数を抑制する観点から、第1実装グループの直前に実行される実装グループを第2実装グループとするのが好適である。
【0049】
また、ヘッドユニット60での吸着不良、部品脱落、部品供給部50に設けられたテープフィーダ51でのスプライシング不良による欠品等のエラーが発生すると、当該ヘッドユニット60による基板30への部品装着が生産プログラム通りに実行されない。このように実装グループの実行に失敗した場合には、実装機10のコントローラ40により切断機構84を作動させて切断位置P1を超えた空キャリアテープCRの全てを一括して切断して回収ボックス85に回収するのが望ましい。このように切断動作を割り込ませることで空キャリアテープCRの先端が切断限界位置P3を超えるのを確実に防止することができる。
【0050】
また、テープフィーダ51の取り外し、運転リセット、部品実装システムの再立ち上げなどを実行する場合には、生産プログラムに基づく実装グループの継続実行が不可能となる。このような場合には、現在の空キャリアテープCRの長さが不明となる。そこで、同生産プログラムまたは別の生産プログラムに基づき実装グループを実行する場合には、実装グループの失敗の場合と同様に空キャリアテープCRを一括切断するのが望ましい。
【0051】
また、上記ように空キャリアテープCRの一括切断(第3工程)を実行する場合には、最適駆動パターンを改めて求め、一括切断の実行タイミングを調整するのが望ましい。これによって、タイミング調整後におけるテープ回収を元の通り効率的に行うことができる。
【0052】
さらに、上記実施形態では空キャリアテープCRを一括切断するために回転刃84a、84bを用いた切断機構84を採用しているが、切断機構84の構成はこれに限定されるものではなく、例えば特許文献1に記載されている、長尺状の固定刃と可動刃を用いた切断機構を有する部品実装システムに対して本発明を適用してもよい。
【0053】
なお、一度作成され実装機10の記憶部42に書き込まれ空テープの切断動作タイミングに関する生産プログラムは、実装機10でのフィーダ51の段取り、回収本体80における空テープの取り出しに対応して実行される。すなわち実装機10のコントローラ40が切断機構81に対する制御手段となる。しかしながら、制御装置1により直接切断機構81を制御しても良い。
【0054】
また、上記実施形態では、空テープの切断動作タイミングのシミュレーションをLANで実装機10に接続された制御装置1で実施しているが、独立のコンピュータにより実施し、この結果のプログラムをCD-ROMを介し実装機10の記憶部42に書き込むようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明にかかる部品実装システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】実装機の概略構成を示す平面図である。
【図3】図2の実装機をフロント側から見た図である。
【図4】図2の実装機に装着された部品供給部およびテープ回収装置を示す図である。
【図5】切断機構の最適駆動パターンを求める手順を示すフローチャートである。
【図6】実装機およびテープ回収装置の動作を模式的に示す図である。
【図7】切断機構の最適駆動パターンを求める手順を示す模式図である。
【符号の説明】
【0056】
1…制御装置(制御手段)
2…コントローラ(制御手段)
2a…演算処理部(制御手段)
30…基板
50…部品供給部
51…テープフィーダ
80…テープ回収装置
84…切断機構
85…回収ボックス(回収手段)
CR…空キャリアテープ
P3…切断限界位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納したテープを供給する複数のテープフィーダを装備した、実装機による前記テープからの部品取出から基板への部品実装までの動作を実装グループとし、当該実装グループを生産プログラムにしたがって繰り返して実行するのに並行して、部品取り出し後の空テープを切断機構の切断位置を経由して回収手段側に送り込み、前記切断位置で切断して前記回収手段に回収するテープ回収方法であって、
実装グループの実行中に前記空テープの先端が前記切断位置に対して前記回収手段側に予め設定された切断限界位置に到達すると予想される、第1実装グループを前記生産プログラムに基づき求める第1工程と、
前記第1実装グループより前に実行される第2実装グループ
と並行して前記切断位置を超えた空テープの全てを一括して前記切断機構により切断して前記回収手段に回収する第2工程と
を備えたことを特徴とするテープ回収方法。
【請求項2】
部品実装およびテープ回収を実行する前に前記第2工程を実行するタイミングを前記生産プログラムに書き込み、前記生産プログラムに基づき部品実装およびテープ回収を行う請求項1記載のテープ回収方法。
【請求項3】
実装グループの実行に失敗したときには、前記切断機構を作動させて前記切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断して前記回収手段に回収する第3工程をさらに備える請求項1または2記載のテープ回収方法。
【請求項4】
前記生産プログラムに基づく前記実装グループの継続実行が不可能となった後に前記生産プログラムまたは別の生産プログラムに基づき実装グループを再開するときには、前記切断機構を作動させて前記切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断して前記回収手段に回収する第3工程をさらに備える請求項1または2記載のテープ回収方法。
【請求項5】
前記第3工程を実行する場合には、前記第1工程を再度実行して第1実装グループを改めて求め、前記第2工程の実行タイミングを調整する請求項3または4記載のテープ回収方法。
【請求項6】
部品を吸着及び離着可能なヘッドを有するヘッドユニットと、基台に配置される部品供給部上方と基台上に保持される基板上方との間で前記ヘッドユニットを移動可能とするヘッドユニット駆動機構と、前記部品供給部に配置されるテープからの部品取出から基板への部品実装までの動作を実装グループとし、前記ヘッドユニット駆動機構を制御し前記実装グループを生産プログラムにしたがって繰り返して実行する制御手段とを備え、
当該制御手段は、
前記基台近傍に配置され、部品取り出し後の空テープを切断する切断装置と、当該切断機構の切断位置を経由して送り込まれる空テープを回収する回収手段を備えたテープ回収装置に対して前記切断機構の駆動タイミングを制御し、
実装グループの実行中に前記空テープの先端が前記切断位置に対して前記回収手段側に予め設定された切断限界位置に到達すると予想される、第1実装グループより前に実行される第2実装グループと並行して前記切断機構を駆動して前記切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断して前記回収手段に回収することを特徴とする実装機。
【請求項7】
部品を収納したテープを送り出して部品を供給するフィーダが複数装着され、前記テープからの部品取出から基板への部品実装までの動作を実装グループとし、当該実装グループを生産プログラムにしたがって繰り返して実行する実装機と、
前記実装グループの実行と並行して、切断機構の切断位置を経由して回収手段側に送り込まれた部品取り出し後の空テープを前記切断位置で切断して前記回収手段に回収するテープ回収装置と、
前記切断機構の駆動タイミングを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、実装グループの実行中に前記空テープの先端が前記切断位置に対して前記回収手段側に予め設定された切断限界位置に到達すると予想される、第1実装グループより前に実行される第2実装グループと並行して前記切断機構を駆動して前記切断位置を超えた空テープの全てを一括して切断して前記回収手段に回収する
ことを特徴とする部品実装システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−118512(P2010−118512A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−290960(P2008−290960)
【出願日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】