説明

テープ状光ファイバ

【課題】細径光ファイバ裸線を用いても伝送損失の増加を抑制できると共に、VCSELなどのアレイ状光素子との接続作業が容易なテープ状光ファイバを提供する。
【解決手段】コア2の周囲にクラッド3を有して外径が125μmよりも小さい細径光ファイバ裸線4と、細径光ファイバ裸線4の外周に形成された被覆層とからなる複数の光ファイバ10と、複数の光ファイバ10の外周に設けられた一括被覆層11とを備え、複数の光ファイバ10は、コア2の間隔が一定であるとともに、被覆層が相互に接するように並列されており、被覆層は、その被覆層の外径がコア2の間隔と等しくなる被覆厚さを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器内あるいは機器間の光伝送路などに用いられるテープ状光ファイバに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機器内あるいは機器間の光伝送技術として、光インターコネクション方式の光伝送が注目されている。このような光インターコネクション方式では、光素子として多チャンネルアレイ化の容易なVCSEL(Vertical−Cavity Surface−Emitting Laser)などのアレイ状光素子が一般に用いられている。
【0003】
このVCSELなどのアレイ状光素子間の光伝送に用いられる光ファイバモジュールとしては、例えば、図3に示すように、多心のテープ状光ファイバ31の両端をコネクタ32に接合して、コネクタ32の先端(テープ状光ファイバ31の先端)をアレイ状光素子と光接続させる光ファイバモジュール33がある。
【0004】
光ファイバモジュール33に用いるテープ状光ファイバ31として、従来、図4に示すように、コア41の外周にクラッド42、被覆層43が順次形成された光ファイバ44を、複数本平行(一列)に配置させ、これらの周囲に一括被覆層45を形成したものがある。このテープ状光ファイバ31では、例えばクラッド径が125μmで、外径が250μmの光ファイバ44を用いている。
【0005】
一般にアレイ状光素子の素子ピッチは250μmであることが多いため、光ファイバ44同士を密接して並列させたテープ状光ファイバ31では、光ファイバ44のコア41のピッチとアレイ状光素子の素子ピッチが一致している。
【0006】
ところで、最近は、機器の小型化、高密度化などが求められているため、基板などが密集した狭い配線空間に配線するために小さな曲率半径で曲げることができ、また機械的強度に優れたテープ状光ファイバが求められている。そのため、可とう性(曲げ特性)や機械的強度などに優れた細径光ファイバを用いたテープ状光ファイバが注目されている。
【0007】
そこで、現在においては、例えば、コアの外周にクラッド径が125μmよりも小さい(例えば80μm)クラッドを形成した細径光ファイバ裸線と、その外周に形成された被覆層とを有する外径が125μmの細径光ファイバを125μmのピッチで複数本平行に配置させ、これらの周囲を樹脂で一括被覆したテープ状光ファイバも用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−58663号公報
【特許文献2】特開2007−33466号公報
【特許文献3】特開2006−276819号公報
【特許文献4】特開平8−304675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、一般的にVCSELなどのアレイ状光素子では、発光部や受光部などが250μmの素子ピッチで並列配置されている。
【0010】
しかし、細径光ファイバを用いたテープ状光ファイバでは、125μmのピッチで細径光ファイバが並列されるため、細径光ファイバのピッチ(125μm)とアレイ状光素子のピッチ(例えば、250μm)が一致せず、テープ状光ファイバとアレイ状光素子との接続作業が難しい場合がある。
【0011】
さらに、125μmのピッチで細径光ファイバを平行に配置した場合、各細径光ファイバ同士が比較的近い位置に配置されることから、細径光ファイバ同士で光の干渉が発生しやすくなり、ノイズが発生しやすくなる。これによって、伝送損失の増加を招くおそれがある。
【0012】
同じく125μmのピッチで配線されたVCSELから出射される光が入射させる細径光ファイバと隣接する細径光ファイバへも漏れてしまい、隣接した細径光ファイバにとってのノイズ光になってしまったり、漏れることにより伝送損失が発生してしまうことになる。
【0013】
そこで、細径光ファイバのピッチをアレイ状光素子のピッチと一致させて接続作業を容易にするために、図5に示すように、細径光ファイバ51を250μmのピッチで並列させ、これらの周囲に一括被覆層52を形成したテープ状光ファイバ53を用いることが考えられる。
【0014】
テープ状光ファイバ53を作製する場合、例えば図6に示すように、予め作製した細径光ファイバ51を複数のリール61から繰り出し、各細径光ファイバ51を整列用部材62に通して細径光ファイバ51を整列させ、各細径光ファイバ51を並列させた状態で樹脂(UV硬化樹脂)63で満たされたダイス64に一括して通して樹脂63を塗布した後、紫外線65を照射して樹脂63を硬化させて形成する方法がある。
【0015】
しかし、この方法を用いて外径が125μmの細径光ファイバ51を250μmのピッチで並列させた状態で樹脂を塗布すると、図7に示すように、樹脂63の表面張力などによって細径光ファイバ51が並列させた位置からずれてしまう問題がある。
【0016】
すなわち、外径が125μmの細径光ファイバ51を、250μmのピッチで一直線上に配置することが難しいため、アレイ状光素子との接続作業が難しいという問題があった。
【0017】
そこで、本発明の目的は、細径光ファイバ裸線を用いても伝送損失の増加を抑制できると共に、VCSELなどのアレイ状光素子との接続作業が容易なテープ状光ファイバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、コアの周囲にクラッドを有して外径が125μmよりも小さい細径光ファイバ裸線と、前記細径光ファイバ裸線の外周に形成された被覆層とからなる複数の光ファイバと、前記複数の光ファイバの外周に設けられた一括被覆層とを備え、前記複数の光ファイバは、前記コアの間隔が一定であるとともに、前記被覆層が相互に接するように並列されており、前記被覆層は、該被覆層の外径が前記コアの間隔と等しくなる被覆厚さを有するテープ状光ファイバである。
【0019】
請求項2の発明は、コアの周囲にクラッドを有して外径が125μmよりも小さい細径光ファイバ裸線と、前記細径光ファイバ裸線の外周に形成された被覆層とからなる複数の光ファイバと、前記複数の光ファイバの外周に設けられた一括被覆層とを備え、前記複数の光ファイバは、前記コアの間隔が一定であるように並列されており、前記複数の光ファイバの間に、前記複数の光ファイバの外径と等しい外径を有するダミー部材が、前記複数の光ファイバと接するように設けられているテープ状光ファイバである。
【0020】
請求項3の発明は、前記被覆層は、単層からなる請求項1又は2に記載のテープ状光ファイバである。
【0021】
請求項4の発明は、前記被覆層は、100〜1000MPaのヤング率を有する請求項1〜3のいずれかに記載のテープ状光ファイバである。
【0022】
請求項5の発明は、前記コアの間隔が250μmであり、前記クラッドの外径が60〜80μmである請求項1又は2に記載のテープ状光ファイバである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、細径光ファイバ裸線を用いても伝送損失の増加を抑制できると共に、VCSELなどのアレイ状光素子との接続作業が容易なテープ状光ファイバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るテープ状光ファイバの横断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るテープ状光ファイバの横断面図である。
【図3】テープ状光ファイバを用いた光ファイバモジュールの外観斜視図である。
【図4】クラッド径が250μmの光ファイバを用いたテープ状光ファイバの横断面図である。
【図5】クラッド径が125μmの細径光ファイバを250μmのピッチで並列したテープ状光ファイバの横断面図である。
【図6】図5のテープ状光ファイバの製造方法の一例を説明する図である。
【図7】図5のテープ状光ファイバにおいて、細径光ファイバが並列させた位置からずれた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0026】
本発明のテープ状光ファイバは、アレイ状光素子間の光伝送に用いられるものであり、例えば機器内あるいは機器間の光伝送路、HDMIコードなどに用いられる。
【0027】
図1は、第1の実施の形態に係るテープ状光ファイバの横断面図である。
【0028】
図1に示すように、第1の実施の形態に係るテープ状光ファイバ1は、図示しないアレイ状光素子に光接続するコネクタに接続される複数本の光ファイバ10を有し、その各光ファイバ10は、コア2同士間におけるコア2の中心間隔が、アレイ状光素子の素子ピッチと同じ距離となるように一定に並列されると共に、これら光ファイバ10の周囲に一括被覆層11を形成したものである。
【0029】
アレイ状光素子とは、複数の受光部または発光部がアレイ状に形成された光素子であり、例えばVCSELなどがある。
【0030】
第1の実施の形態では、一例としてアレイ状光素子の素子ピッチが一般的な250μmである場合を説明する。
【0031】
第1の実施の形態においては、光ファイバ10として被覆層の厚さを厚くした肉厚光ファイバ6を用いる。肉厚光ファイバ6は、コア2の周囲にクラッド径が125μmよりも小さい、例えば60〜80μmのクラッドを有する細径光ファイバ裸線4と、その外周に形成され、外径が250μmの肉厚被覆層5とからなる。
【0032】
細径光ファイバ裸線4のコア径は、従来のクラッド径が125μmの光ファイバ44と同様に50μmであるが、細径光ファイバ裸線4のクラッド径は、60〜80μmである。細径光ファイバ裸線4は、例えばGI(グレーデットインデックス)ファイバである。
【0033】
肉厚被覆層5は、その外径がコア2間におけるコア2の中心間隔と等しくなる被覆厚さを有する。すなわち、その外径が素子ピッチ(250μm)と等しくなるように形成される。例えばコア2の中心間隔が250μm、クラッド径が60〜80μmである場合、肉厚被覆層5の厚さは85〜95μmにされる。肉厚被覆層5のヤング率は、100〜1000MPaであるとよい。これは、ヤング率が1000MPaを超えると、曲げ特性が低下し、逆にヤング率が100MPa未満になると、アレイ状光素子に光接続すべく光ファイバ先端を研磨する際に、肉厚被覆層5がちぎれてコア2に傷を付けてしまうおそれがあるためである。
【0034】
このような構成の肉厚光ファイバ6は従来の光ファイバ44(図4参照)と同じ外径となるが、石英ガラスからなる細径光ファイバ裸線4のヤング率に比べて、肉厚被覆層5のヤング率は小さいので、細径光ファイバ裸線4の外径(クラッド径)が小さく、すなわち石英ガラスの断面積が小さくなった分だけ、曲げ特性、機械的強度が向上する。
【0035】
この肉厚光ファイバ6を、各肉厚光ファイバ6の肉厚被覆層5が相互に接するように(すなわち素子ピッチと同ピッチで)並列させ、これら並列させた肉厚光ファイバ6を樹脂で一括被覆してテープ状光ファイバ1が形成される。
【0036】
ここで並列とは、断面視で各肉厚光ファイバ6(のコア2)が一直線上かつ等ピッチに配列された状態を言う。
【0037】
テープ状光ファイバ1の両端には、アレイ状光素子に光接続するためのコネクタが設けられる。
【0038】
コネクタは、例えば略直方体形状のコネクタ本体内に、テープ状光ファイバ1の先端をコネクタ本体の側面から底面にガイドするガイド溝を有する。このガイド溝にテープ状光ファイバ1を挿入して接着固定することで、アレイ状光素子間の光伝送に用いられる光ファイバモジュールが形成される。
【0039】
テープ状光ファイバ1の製造方法を簡単に説明する。
【0040】
先ず、コア径とクラッド径を調整した母材を線引きして外径60〜80μmの細径光ファイバ裸線4とし、その外周に樹脂を塗布・硬化させて外径250μmの肉厚被覆層5を形成した肉厚光ファイバ6を作製してリールに巻き取る。
【0041】
肉厚光ファイバ6の肉厚被覆層5を形成する際は、外径250μmの層を一層あるいは複数層に分けて繰り返し樹脂を塗布・硬化させて形成する。
【0042】
この肉厚光ファイバ6を、図6で説明したように、各リール61から整列用部材62に繰り出し、整列用部材62で肉厚光ファイバ6を横断面視で一直線上に整列させ、これを樹脂(UV硬化樹脂や熱硬化樹脂)63で満たされたダイス64に、各肉厚光ファイバ6の肉厚被覆層5が相互に接した状態で通過させて周囲に樹脂63を塗布した後、肉厚光ファイバ6の周囲に被覆された樹脂63に紫外線65を照射して(UV硬化樹脂の場合)、樹脂63を硬化させて一括被覆層11を形成し、これを図示しない巻き取りリールなどで巻き取るとテープ状光ファイバ1が得られる。
【0043】
このテープ状光ファイバ1の両端にコネクタを設けると、アレイ状光素子間の光伝送に用いられる光ファイバモジュールが得られる。
【0044】
第1の実施の形態の作用を説明する。
【0045】
第1の実施の形態に係るテープ状光ファイバ1では、曲げ特性、機械的強度に優れる、外径60〜80μmの細径光ファイバ裸線4を用い、その細径光ファイバ裸線4の外周に、被覆後の外径がコア2の中心間隔と等しくなる被覆厚さを有する肉厚被覆層5を形成した肉厚光ファイバ6を用いるようにすることで、テープ状光ファイバ1を製造する際に、樹脂の表面張力によって肉厚光ファイバ6が上下左右にずれるのを防止でき、肉厚光ファイバ6のコア2が、アレイ状光素子の素子ピッチで並列されたテープ状光ファイバ1を形成することができる。
【0046】
よって、テープ状光ファイバ1では、コア2のピッチとアレイ状光素子の素子ピッチとが一致しているため、アレイ状光素子との接続作業が容易に行える。
【0047】
また、第1の実施の形態に係るテープ状光ファイバ1では、肉厚被覆層5によって、細径光ファイバ裸線4が十分に離れて配置されるため、細径光ファイバ裸線4同士で干渉が発生しにくく、伝送損失の増加を抑制できる。
【0048】
肉厚被覆層5の被覆構造については、通常の光ファイバ(SMファイバ)のようにプライマリ層とセカンダリ層(プライマリ層よりもヤング率が高い、具体的には600MPa〜900MPaのヤング率を有する層)の2層構造を適用することができる。また、2層構造に替えてセカンダリ層(このときのヤング率は200MPa〜500MPa)のみの1層構造としてもよい。
【0049】
但し、通常の2層構造の場合、テープ状光ファイバの先端(一端)をコネクタに挿入してアレイ状光素子と接続させる際に、テープ状光ファイバの端面を研磨処理するが、この研磨処理時にプライマリ層が柔らかいために肉厚光ファイバ6が並列された位置からずれてしまうおそれがある。そのため、2層構造に替えて1層構造とするのが好ましい。
【0050】
他にも、肉厚被覆層5の外周に、各肉厚光ファイバ6ごとに異なる色の付いた着色層を形成してもよい。こうすることで、各肉厚光ファイバ6を容易に区別できる。
【0051】
次に、第2の実施の形態を図2により説明する。
【0052】
図1のテープ状光ファイバ1では、肉厚光ファイバ6の肉厚被覆層5の外径を調整することで、肉厚光ファイバ6を素子ピッチで並列させたが、図2のテープ状光ファイバ21は、細径光ファイバ裸線4の外周に被覆層として肉薄被覆層22を形成した細径光ファイバ23を用い、各細径光ファイバ23間にダミー部材24を配設することで、各細径光ファイバ23をコア2同士間におけるコア2の中心間隔が素子ピッチと同じ距離(ピッチ)となるように一定に並列させるものである。
【0053】
第2の実施の形態では、一例としてアレイ状光素子の素子ピッチが一般的な250μm、細径光ファイバ23の(肉薄被覆層22の)外径が一般的な125μm(素子ピッチの1/2)である場合を説明する。
【0054】
テープ状光ファイバ21は、外径が125μmの細径光ファイバ23を素子ピッチ(250μm)で並列させるべく、各細径光ファイバ23間にダミー部材24を配設し、これら細径光ファイバ23をダミー部材24と共に樹脂で一括被覆して、細径光ファイバ23およびダミー部材24の周囲に一括被覆層25を形成したものである。
【0055】
肉薄被覆層22としては、第1の実施の形態と同様に、100〜1000MPaのヤング率を有する1層構造、あるいは2層以上の多層構造からなる被覆層を適用することができる。
【0056】
ダミー部材24としては、細径光ファイバ23と外径の等しいものを用いるとよく、例えば細径光ファイバ23と外径の等しいガラス棒またはダミーファイバを用いる。ダミーファイバとは、例えば細径光ファイバ23と同じものである。
【0057】
ダミー部材24として細径光ファイバ23と外径の等しいものを用いることにより、一括被覆層25を被覆した際に樹脂の表面張力によって細径光ファイバ23が並列させた位置から上下左右にずれるのを防止できる。そのため、細径光ファイバ23のコア2がアレイ状光素子の素子ピッチで並列されたテープ状光ファイバ21を形成することができる。また、ダミー部材24と細径光ファイバ23とを並列させたときに高さが揃うため、一括被覆したときに樹脂の表面に凹凸ができず、外観が良好なテープ状光ファイバ21が得られる。
【0058】
テープ状光ファイバ21では、従来と同径(125μm)の細径光ファイバ23間にダミー部材24を配設することでコア2を素子ピッチで並列させるため、テープ状光ファイバの厚さを薄くでき、可とう性を向上できる。
【0059】
一方、テープ状光ファイバ21は薄いため、上述したコネクタではガイド溝が大きく、テープ状光ファイバ21の光軸をアレイ状光素子の光軸と一致させるようにガイド溝に接着固定するのが難しい場合がある。そのような場合は、テープ状光ファイバ21の厚さに合わせて、ガイド溝を形成したコネクタを用いるとよい。
【0060】
第2の実施の形態においては、外径が125μmの細径光ファイバ23を用いたが、これよりも細い細径光ファイバを用いることもできる。その場合は、肉薄被覆層22の外径が素子ピッチの1/2になるように形成し、かつそれと同じ外径のダミー部材24を細径光ファイバ23間に配設するようにするとよい。または、素子ピッチの1/2よりも外径が小さい、例えば素子ピッチの1/3,1/4の外径となるように細径光ファイバ23の肉薄被覆層22を形成し、その細径光ファイバ23間に細径光ファイバ23と同じ外径のダミー部材24を複数本配設するようにしてもよい。
【0061】
第2の実施の形態においては、ダミー部材24として断面円形のガラス棒またはダミーファイバを用いたが、ガラス棒またはダミーファイバ以外のもの(例えば、樹脂)を用いてもよく、またその断面形状が矩形のものを用いてもよい。
【0062】
また上記実施の形態においては、細径光ファイバ裸線4としてGIファイバを用いたが、シングルモード(SM)ファイバなど他の種類の光ファイバを用いてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 テープ状光ファイバ
2 コア
3 クラッド
4 細径光ファイバ裸線
10 光ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアの周囲にクラッドを有して外径が125μmよりも小さい細径光ファイバ裸線と、 前記細径光ファイバ裸線の外周に形成された被覆層とからなる複数の光ファイバと、
前記複数の光ファイバの外周に設けられた一括被覆層とを備え、
前記複数の光ファイバは、前記コアの間隔が一定であるとともに、前記被覆層が相互に接するように並列されており、
前記被覆層は、該被覆層の外径が前記コアの間隔と等しくなる被覆厚さを有することを特徴とするテープ状光ファイバ。
【請求項2】
コアの周囲にクラッドを有して外径が125μmよりも小さい細径光ファイバ裸線と、 前記細径光ファイバ裸線の外周に形成された被覆層とからなる複数の光ファイバと、
前記複数の光ファイバの外周に設けられた一括被覆層とを備え、
前記複数の光ファイバは、前記コアの間隔が一定であるように並列されており、
前記複数の光ファイバの間に、前記複数の光ファイバの外径と等しい外径を有するダミー部材が、前記複数の光ファイバと接するように設けられていることを特徴とするテープ状光ファイバ。
【請求項3】
前記被覆層は、単層からなる請求項1又は2に記載のテープ状光ファイバ。
【請求項4】
前記被覆層は、100〜1000MPaのヤング率を有する請求項1〜3のいずれかに記載のテープ状光ファイバ。
【請求項5】
前記コアの間隔が250μmであり、前記クラッドの外径が60〜80μmである請求項1又は2に記載のテープ状光ファイバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−224478(P2010−224478A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74504(P2009−74504)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】