説明

デングウイルス感染を治療及び予防するためのチエノピリジン誘導体類

あるチエノピリジン誘導体化合物を治療上有効な量で投与することにより、ウイルス感染を治療する方法及び医薬組成物が開示される。化合物及びその医薬組成物を利用する方法も開示される。特に、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、及びダニ媒介性脳炎ウイルスを含むが、それらに限定されない、フラビウイルスにより起こるようなウイルス感染の治療及び予防が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年2月27日に出願された米国暫定出願第61/156,132号の優先権及び便益を主張し、その内容は、本明細書に参照としてそのまま組み込まれている。
【0002】
本発明は、デング熱、黄熱、西ナイル、セントルイス脳炎、C型肝炎、マレー渓谷脳炎、及び日本脳炎等のフラビウイルス科に関連するウイルス病を治療及び予防するためのチエノピリジン誘導体類及び類似物の利用、並びに、上記のものを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
デング熱(DF)は、4つの緊密に関連するウイルス血清型(DEN−1、DEN−2、DEN−3、及びDEN−4)のうちの1つにより起こる急性熱病である。デング熱は、その臨床特徴に基づいて、古典的デング熱、又は更に重度の形態である、デング出血熱症候群(DHF)、及びデングショック症候群(DSS)に分類される。1つの血清型からの感染から回復することにより、その特定の血清型に対して寿命の長い免疫が作り出されるが、いずれかの他の血清側に対しては、短寿命で限定された防衛しか与えられない(32)。デングは、包膜された、外被を有する正の向きのRNAウイルスであるフラビウイルス科の一員であり、そのヒト病原体として、西ナイルウイルス(WNV)、黄熱ウイルス(YFV)、日本脳炎ウイルス(JEV)、 及びダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)等も挙げられる。デング熱の伝搬は、世界中の熱帯及び亜熱帯地域に見出される感染したネッタイシマカを介する。
【0004】
各地域のデング熱伝染病は、罹患率及び死亡率が高く、社会の崩壊をもたらし、入院及び蚊の駆除に両方に関して影響を受ける社会に、実質的に経済的負担が生じる。デング熱は、世界保健機構(WHO)により、毎年世界中で、50万のDHF症例と2万4千の死亡とを含む、デング熱感染の5千万の症例が推定される、最も重大な節足動物媒介性ウイルス疾患と見なされている。WHOは、世界の人口の40%(25億人)が、DF、DHF、及びDSSの危険にあると推定している(32)。デング熱は、国立アレルギー感染症研究所の分類A病原体でもあり、生物テロ防衛に関して、海外の米国軍隊に対する著しい脅威である。デングは、北アメリカの新興の脅威であり、過去25年間、重度の疾病が劇的に増加しており、キューバ及びベネズエラでの大規模な流行とテキサス及びハワイでの突発的発生とを含む。媒介動物の蚊を管理できないことと、長距離の旅行の増加は、デング熱病の増加と拡散の一因である。ウイルス性出血熱ウイルスとしてのデング熱の特徴(節足動物媒介性であること、広く拡散すること、大量の細胞破壊を誘導し、重度の出血、衝撃、及び死を起こし得る免疫応答を誘発する能力があること)により、このウイルスは、世界中に展開される軍人並びに熱帯地域への旅行者にとって著しい脅威になる。デング熱で困惑する生物テロ防衛及び市民の健康のための課題の両方に対する備えのために、新たなワクチン及び抗ウイルス治療薬を開発することが必要とされる。
【0005】
デング熱により、重症度の増した幾つかの病気が生じ、その重症度は、異なる血清型のウイルスに以前、感染したことにより部分的に定められる。古典的なデング熱(DF)は、感染した蚊に刺された後、3〜8日で始まり、熱、背痛、関節痛、はしかのような発疹、並びに吐き気及び嘔吐が突然開始することを特徴とする(20)。DFは、これらの症状のために「骨折」熱と呼ばれることが多い。この疾患は、通常、2週間後に回復するが、衰弱と鬱病で回復に時間がかかることが普通である。この疾患、デング出血熱(DHF)のより重度の形態は、病気の徴候と初期段階がデング熱と類似している。しかしながら、その徴候の後の短期間で、この疾患は、高熱、肝臓の肥大、及び、血管浸透性による鼻、口、及び内部器官からの出血等の出血現象で特徴付けられる(33)。デングショック症候群(DSS)では、血漿漏出に由来する循環器不全及び循環血液量減少性ショックが起こり、血漿が補充されることなく、12〜24時間で死に至り得る。DHF/DSSの症例の致死率は、治療しなければ、20%程度の高さであり得る。DHFは、多くの国で子供の入院及び死の主な原因になっており、入院を必要とする症例は、毎年、50万と推定され、症例致死率は、約5%である(32)。
【0006】
DHF/DSSの病因発生は、尚、研究されているが、部分的に、抗体依存性増強(ADE)と言われる、異好性抗体により貧食細胞内でウイルスの複製が増強されることが部分的に原因であると考えられている(8)。異なる血清型のデングウイルスでの第2の感染中に、中性になっていない交差反応性抗体は、単球及びランゲルハンス細胞(樹状細胞)内に取り込まれ、感染細胞の数を増加させるウイルス抗体複合体を形成する。これにより、細胞傷害活性リンパ球が活性化され、それにより、血漿が漏出し、DHF及びDSSの出血の特徴が生じ得る(20)。この抗体に依存して感染が増強することは、有効なワクチンの開発が難しいと示されている理由の1つである。あまり頻繁ではないが、DHF/DSSは、第1の感染の後に起こる場合があり(29)、そのために、ウイルス毒性(15)及び免疫活性は、この疾患の発病の一因であると考えられる(25)。
【0007】
デング熱は、アフリカ、アメリカ、東地中海、東南アジア及び西太平洋の100を超える国々の風土病である。流行の間、罹患率の高さは、影響を受けやすい人口の80〜90%程度である。4つの血清型のウイルスが、世界中で出現しており、この疾患の症例数並びに爆発的大流行の数は増加している。2002年では、例えば、両アメリカ大陸のみでデング熱の1,015,420の症例が報告され、14,374の症例が、DHFであった。それは、1995年に両アメリカ大陸で報告されたデング熱の症例の数の3倍以上である(23)。
【0008】
デング熱のゲノムは、長さが約11kbであり、単一の長いポリ蛋白質((27)で検討されている)として翻訳される直線状一本鎖の感染性の正の向きのRNAから構成される。ゲノムは、ヌクレオカプシド蛋白質(C)、膜結合性蛋白質(M)、及び被膜蛋白質(E)を暗号化する7つの非構造(NS)蛋白質ゲノム及び3つの構造蛋白質ゲノムで構成される。非構造蛋白質は、ウイルスRNA複製(31)、ウイルスアセンブリ、及びその疾患の炎症組成物(18)に携わる。構造蛋白質は、主に、ウイルス粒子の形成に携わる(21)。前駆体ポリ蛋白質は、細胞蛋白質分解酵素により切断され、構造蛋白質を分離する(17)のに対し、ウイルスにより符号化された蛋白質分解酵素は、ポリ蛋白質の非構造領域を切断する(6)。ゲノムは、上部を覆われ、3’末端にはポリ(A)尾部がないが、代わりに、ゲノムRNAの安定性及び複製に必要な安定したステム・ループ構造がある(3)。ウイルスは、E蛋白質を介して細胞受容体に結合し、受容体介在性の細胞内取り込み作用を、続いて、リソソーム内での低pH融合を受ける(19)。次に、ウイルスのゲノムは、外被を外され、ウイルス前駆体ポリ蛋白質に翻訳される。翻訳中及び翻訳後の蛋白質分解処理は、構造蛋白質と非構造蛋白質とを分離する。RNA依存性RNAポリメラーゼは、共因子と共に、後代のプラス鎖RNAを合成するためのテンプレートの役割をするマイナス鎖RNAを合成する(24)。ウイルス複製は、膜結合性のものである(1、30)。複製に続いて、ゲノムは、カプシドを形成し、脂質の外被で覆われた未成熟ウイルスが、内腔内で発芽する(9)。外被蛋白質は、糖化されることになり、成熟ウイルスが、細胞外部へ放出される。ウイルス寿命サイクル中の不可欠な段階又はプロセスは、抗ウイルス薬からの抑制を可能にする標的であり得、E蛋白質による細胞へのウイルスの結合、細胞内へのウイルスの取り込み、キャッピング機構、ウイルス蛋白質分解酵素、ウイルスRNA依存性RNA重合酵素、及びウイルスヘリカーゼを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
デングウイルスに関連する疾病に対する最近の管理は、媒介物の管理のみに依存している。デング熱の治療又は予防のための認可された抗ウイルス薬又はワクチンはない。グアノシン類似体であるリバビリンは、様々なRNAウイルス感染に対して有効であると示されており、組織培養において、デング2’−O−メチル転移酵素のNS5領域を抑制することにより、デング熱に作用する(2、10)。しかしながら、リバビリンは、マウスモデルで(14)又はアカゲザルモデルで(16)、デング熱に対する防御を示さず、代わりに、貧血と血栓症を誘発させた。現時点で認可された利用可能なワクチンはないが、デング熱多価ワクチンは、ヒトでは、ある程度限定された可能性を示している(5、11、12、26)。しかしながら、ウイルスの各々が疾患を起こす4つの異なる血清型が存在するために、ワクチンの開発は難しい。ワクチンの開発では、ウイルスの異なる鎖に対する不均等な防御によってより重度の疾患の危険が実際に増加し得るという、ADEの課題にも直面している。従って、デング熱の全ての血清型を標的にした抗ウイルス薬が必要である。デング熱感染の初期に投与される、ウイルス複製を抑制する抗ウイルス薬は、DHFに関連する高いウイルス負荷を防止し、疾病の治療及び予防に魅力的な方策であり得る。ウイルス複製を抑制する抗ウイルス薬は、デング熱風土性の地域へ旅行する前に投与されて、その疾病にかかるのを防止することができるか、又は、以前にデング熱にかかった人に対しては、別の血清型のウイルスによる感染を防止し、DHF及びDSSにより生命が脅かされる機会を減らすことができる。抗ウイルス薬を有することは、異なる血清型に対する不均等な免疫防御ために生じ得る副作用を処置するための道具を手元に有することで、ウイルスの開発も補助し得る。成果の上がるワクチンは、有効な生物テロ防衛の重要な要素であるけれども、免疫開始についての通常の遅延、潜在的な副作用、費用、及び、脅威性の低い危険作因に対して大規模に一般人にワクチンを接種することに関連する物流は、包括的な生物テロ防衛が個別の迅速な応答要素を含むことを示唆する。従って、フラビウイルス性感染に対して防御するために、安全で有効な製品を開発することが緊急に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、医薬上許容される担体と、以下の一般化学式Iを有する化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩とを含む医薬組成物を提供し、
【化1】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Rは、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、及び置換アミノカルボニルから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、
A、B、D、及びEは、独立して、それぞれ、N又はC−R、C−R,C−R及びC−Rであり、式中、R、R、R及びRは、独立して、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、若しくは、R及びR又はR及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、前記環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、前記環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい。
【0011】
本発明は、医薬上許容される担体と、以下の一般化学式IIを有する化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩とを含む医薬組成物も提供し、
【化2】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Bは、N又はC−Rであり、式中、Rは、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、
Gは、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、及び−C(=NR)−から成る群から選択され、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、又は、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R又はR及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素又は硫黄及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
【化3】

上記化学式は、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を含む7又は8員環、若しくは、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を任意選択で含み得る4員環である。前記環は、置換基を導入しても、導入しなくてもよく、又は、別の環と融合されてもよく、前記別の環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい。
【0012】
本発明は、以下の化学式Iの化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩を哺乳類にその必要に応じて治療上有効な量で投与することを含む、ウイルス感染又は前記ウイルス感染に関連する疾患を治療する方法又は予防法も更に提供し、
【化4】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Rは、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、及び置換アミノカルボニルから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、
A、B、D、及びEは、独立して、それぞれ、N又はC−R、C−R,C−R及びC−Rであり、式中、R、R、R及びRは、独立して、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、若しくは、R及びR又はR及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、前記環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、前記環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい。
【0013】
本発明は、以下の化学式IIの化合物又前記化合物の医薬上許容される塩を哺乳類にその必要に応じて治療上有効な量で投与することを含む、ウイルス感染又は前記ウイルス感染に関連する疾病を治療又は予防する方法も提供し、
【化5】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Bは、N又はC−Rであり、式中、Rは、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、
Gは、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、及び−C(=NR)−から成る群から選択され、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R又はR及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素又は硫黄及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
【化6】

上記化学式は、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を含む7又は8員環、若しくは、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を任意選択で含み得る4員環である。前記環は、置換基を導入しても、導入しなくてもよく、又は、別の環と融合されてもよく、前記別の環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい。
【0014】
本発明は、以下の一般化学式IIを有する化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩を更に提供し、
【化7】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Bは、N又はC−Rであり、式中、Rは、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、
Gは、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、及び−C(=NR)−から成る群から選択され、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R又はR及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素又は硫黄及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
【化8】

上記化学式は、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を含む7又は8員環、若しくは、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を任意選択で含み得る4員環である。前記環は、置換基を導入しても、導入しなくてもよく、又は、別の環と融合されてもよく、前記別の環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい。
【0015】
本発明は、本発明の化合物を合成するのに利用される新たな中間体化合物も提供する。これらの中間体化合物は、第3級ブチル(4E)−4−(ヒドロキシメチレン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシレート、第3級ブチル(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−4−オキソアゼパン−1−カルボキシレート、第3級3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼパン−7−カルボキシレート、第3級ブチル3シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレート、3−アミノ−7−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−アミド、及び3−アミノ−6−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−アミドから成る群から選択される。
【0016】
本発明は、第3級ブチル(4E)−4−(ヒドロキシメチレン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシレートと第3級ブチル(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−4−オキソアゼパン−1−カルボキシレートの混合物を調製する方法を更に提供し、前記方法は、第3級ブチル 4−オキソアゼパン−1−カルボキシレートをN−[第3級ブトキシ(ジメチルアミノ)メチル]−N,N−ジメチルアミンと反応させることを含む。
【0017】
本発明は、第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキシ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートと第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレートの混合物を調製する方法も提供し、前記方法は、2−シアノエタンチオアミド及びピペリジン酢酸塩の存在下で、第3級ブチル(4E)−4−(ヒドロキシメチレン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシレートと第3級ブチル(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−4−オキソアゼパン−1−カルボキシレートの混合物を反応させることを含む。
【0018】
本発明は、第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートを2−クロロ−N−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル)アセタミドと反応させることを含む、3−アミノ−7−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを調製する方法を更に提供する。
【0019】
本発明は、3−アミノ−7−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドをHClと反応させることを含む、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを調製する方法も提供する。
【0020】
本発明は、第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレートを2−クロロ−N−(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アセタミドと反応させることを含む、3−アミノ−6−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを調製する方法を更に提供する。
【0021】
本発明は、3−アミノ−6−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドをHClと反応させることを含む、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを調製する方法も提供する。
【0022】
本発明の他の目的及び利点は、以下の記載と付属の請求項から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の化合物は、以下の一般化学式Iであり、
【化9】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Rは、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、及び置換アミノカルボニルから成る群から選択される。若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、
A、B、D、及びEは、独立して、それぞれ、N又はC−R、C−R,C−R及びC−Rであり、式中、R、R、R及びRは、独立して、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、若しくは、R及びR又はR及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、前記環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、前記環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい。
【0024】
好ましくは、化学式Iの化合物に対して、Xは、Sであり、Aは、C−NHであり、Bは、C−Rであり、R2は、フッ素置換フェニルであり、又は、Bは、C−Hであり、Dは、C−Hであり、Eは、C−Rであり、Rは、チエニルであり、又は、Dは、C−Rであり、Eは、C−Rであり、R及びRは、環を形成し、及び/又は、Rは、置換アミノカルボニルである。
【0025】
好ましくは、本発明の化学式Iの化合物は、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−10−アザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド、1−アミノ−5−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]イソキノリン−2−カルボン酸(4−メチル−チアゾ−ル−2−イル)−アミド、3,6−ジアミド−5−シアノ−4−フラン−2−イル−チエノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸(4−ブロモ−フェニル)−アミド、3−アミノ−6−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボン酸(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、4−[(3−アミド−6−イソプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボニル)−アミノ]−安息香酸エチルエステル、及び3−アミノ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボン酸(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミドから成る群から選択される。
【0026】
更に好ましくは、本発明の化学式Iの化合物は、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−10−アザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである。
【0027】
本発明の化合物は、以下の一般化学式IIでもあり、
【化10】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Bは、N又はC−Rであり、式中、Rは、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、
Gは、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、及び−C(=NR)−から成る群から選択され、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R又はR及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素又は硫黄及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
【化11】

上記化学式は、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を含む7又は8員環、若しくは、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を任意選択で含み得る4員環である。前記環は、置換基を導入しても、導入しなくてもよく、又は、別の環と融合されてもよく、前記別の環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい。
【0028】
好ましくは、化学式IIの化合物について、Xは、Sであり、Bは、CHであり、R及びRの各々は、Hであり、Gは、−C(=O)−であり、Rは、水素であり、Rは、ヘテロアリールであり、
【化12】

上記化学式は、異種原子としてNを含む7員環である。
【0029】
好ましくは、本発明の化学式IIの化合物は、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである。
【0030】
その上、好ましくは、本発明の化学式IIの化合物は、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである。
【0031】
本発明の方法は、上記のような化学式I又は化学式IIの化合物を哺乳類にその必要に応じて治療上有効な量で投与することを含む、ウイルス感染又は前記ウイルス感染に関連する疾患を治療又は予防することである。
【0032】
好ましくは、哺乳類は、ヒトであり、ウイルス感染は、フラビウイルス感染である。更に好ましくは、フラビウイルスは、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、 及びダニ媒介性脳炎ウイルスから成る群から選択される。更に好ましくは、フラビウイルスは、DEN−1、DEN−2、DEN−3、及びDEN−4から成る群から選択されるデングウイルスである。
【0033】
好ましくは、ウイルス感染は、デング熱、黄熱、西ナイル、セントルイス脳炎、C型肝炎、マレー渓谷脳炎、及び日本脳炎から成る群から選択される容態と関連している。更に好ましくは、ウイルス感染は、デング熱と関連しており、前記デング熱は、古典的デング熱、デング出血性熱症候群、及びデングショック症候群から成る群から選択される。
【0034】
本発明の方法は、a)リバビリン又はシドフォビル等の他の抗ウイルス剤、b)ワクチン、及び/又はインターフェロン又はペグ化インターフェロンを同時に投与することも含み得る。
【0035】
本発明は、本発明の化合物、特に、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド及び3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを合成する方法も提供する。これらの合成方法は、以下に、実施例14及び実施例15で与えられる。
【0036】
本発明の化合物の合成中の新たな中間体として、第3級ブチル(4E)−4−(ヒドロキシメチレン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシレート、第3級ブチル(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−4−オキソアゼパン−1−カルボキシレート、第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート、第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレート、3−アミノ−7−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド、及び3−アミノ−6−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
定義
この詳細な記述に沿って、以下の略記及び定義が用いられる。単数形「a」、「an」及び「the」は、本明細書で用いられる場合、文脈が明確に他を指示しない限り、複数の指示物を含むことに留意しなければならない。
【0038】
本明細書で考察される出版物は、単にそれらの開示用に与えられ、本明細書では、それらの出版物を前のものとすることについての承認として解釈されるべきではない。更に、与えられる出願日は、実際の出願日と異なる場合があり、自主的に確認される必要があり得る。
【0039】
値の範囲が与えられる場合、間に入る各々の値が包含されると理解される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、より小さな範囲内に無関係に含まれる場合があり、それには、具体的に他を排除するように一定の範囲を制限することが必要である。一定の範囲が、それらの限界の一方又は両方を含む場合、含まれるそれらの限界のうちの一方又は両方を排除する範囲も本発明に含まれる。引用された範囲内にある任意の値も考慮される。
【0040】
他に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び化学的用語は、当業者により普通に理解されるものと同じ意味である。本明細書に記載されるものに類似の又は等価ないずれの方法及び材料も、実用的に又は試験的に利用することができる。本明細書に述べられる全ての出版物は、それらの出版物が引用しているものに関連する方法及び/又は材料を開示し、記載するために、本明細書に参照として組み込まれている。
【0041】
「患者」又は「被験体」は、いずれかの哺乳類を含むことになる。治療目的のための「哺乳類」は、哺乳類として分類されるいずれかの動物を指し、ヒト、ラットとマウスとモルモットとを含む実験動物、家畜及び農業動物、並びに、犬、馬、猫、牛等のような動物園の動物、スポーツ用動物又はペット動物を含むが、これらに限定されない。
【0042】
用語「有効性」は、本明細書で用いられる場合、特定の治療計画の効果を指す。薬剤に応答する疾病の経過の変化を基にして、有効性を計測することができる。
【0043】
用語「成功する」は、本明細書で、長期にわたる治療計画に関連して用いられる場合、特定の治療計画効果を指す。これは、有効性、毒性(例えば、製剤又は投与単位の副作用と患者に対する耐性)、患者の処方準拠等のつり合いを含む。長期にわたる投与計画が「成功した」と見なされるためには、患者に都合の良い結果を作り出すように、異なる態様の患者治療と有効性の均衡をとらなければならない。
【0044】
用語「治療する」「治療」等は、所望の医薬的及び生理学的効果を得ることを指すように本明細書で用いられる。その効果は、その疾病、症状又は容態を防止すること又は部分的に防止することに関する予防効果であってもよく、及び/又は、その疾病、症状、又はこの疾病に属する有害な影響の部分的な又は完全な治療に関する治療効果であってもよい。用語「治療」は、本明細書で用いられる場合、ヒト等の哺乳類の疾病のあらゆる治療を包含し、(a)疾病になり得るが、疾病を有するとしてまだ診断されていない被験体に、その疾病が起こることを防止すること、即ち、疾病になり得るが、疾病の症状をまだ被る又は示していない被験体に、この疾病の臨床症状を発現させないようにすること、(b)この疾病を抑制すること、即ち、この疾病の発現又はその臨床症状を停止又は低減させること、(c)この疾病を取り除くこと、即ち、この疾病及び/又はその症状又は容態を退行させることを含む。考えられるのは、病的炎症に関連する病気に苦しんでいる患者を治療することである。長期間にわたる病的炎症に属する有害な影響を、及び/又は、長期間にわたり生体システム内にある不適切な炎症への生理的応答により生じる影響を、予防、抑制又は除去することも考えられる。
【0045】
本明細書で用いられる場合、「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)、複素環−C(O)−、及び置換複素環−C(O)−基を指し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環及び置換複素環は、本明細書で定義されるようなものである。
【0046】
「アルキルアミノ」は、−NRR基を指し、式中、Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環から成る群から選択され、各Rは、窒素原子と共に、複素環又は置換複素環を形成するように継合され、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環及び置換複素環は、本明細書で定義されたようなものである。
【0047】
「アルケニル」は、好ましくは2〜10個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、且つ、アルケニル不飽和の少なくとも1つの部位、より好ましくは1〜2の部位を有する、アルケニル基を指す。
【0048】
「アルコキシ」は、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、第3級ブトキシ、第2級ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシ等を含む「アルキル−O−」基を指す。
【0049】
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子、代わりに、1〜6個の炭素原子を有する直線又は分岐アルキル基を指す。この用語は、メチル、t−ブチル、n−へプチル、オクチル等のような塩基により例示される。
【0050】
「アミノ」は、−NH基を指す。
【0051】
「アリール」又は「アル」は、単環(例えば、フェニル)又は複合縮合環(例えば、ナフチル又はアンチル)を有する6〜14炭素原子の不飽和芳香族炭素環基を指し、その縮合環は、連結点が芳香族環原子を通じてのものであるという条件で、芳香族のもの(2−ベンゾオキサゾリノン、2H−1、4−ベンゾオキサジン−3(4H)−オン等)であっても、なくてもよい。
【0052】
「置換アリール」は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、カルボキシル置換アルキル、カルボキシルシクロアルキル、カルボキシル置換シクロアルキル、カルボキシルアリール、カルボキシル置換アリール、カルボキシルヘテロアリール、カルボキシル置換ヘテロアリール、カルボキシル複素環、カルボキシル置換複素環、カルボキシルアミド、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、波呂、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミド、オキシチオカルボニルアミド、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−置換シクロアルキル、−S(O)−アルケニル、−S(O)−置換アルケニル、−S(O)−アリール、−S(O)−置換アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−置換ヘテロアリール、−S(O)−複素環、−S(O)−複素環、−OS(O)−アルキル、−OS(O)−置換アルキル、−OS(O)−アリール、−OS(O)−置換アリール、−OS(O)−ヘテロアリール、−OS(O)−置換ヘテロアリール、−OS(O)−複素環、−OS(O)−置換複素環、−OS(O)−NRR、式中、Rは、水素又はアルキルであり、−NRS(O)−アルキル、NRS(O)置換アルキル、−NRS(O)−アリール、−NRS(O)置換アリール、−NRS(O)−ヘテロアリール、−NRS(O)−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−複素環、−NRS(O)−置換複素環、−NRS(O)−NR−アルキル、−NRS(O)−NR−置換アルキル、−NRS(O)−NR−アリール、−NRS(O)−NR−置換アリール、−NRS(O)−NR−ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−複素環、−NRS(O)−NR−置換複素環、式中、Rは、水素又はアルキルであり、モノ及びジアルキルアミノ、モノ及びジ(置換アルキル)アミノ、モノ及びジアリールアミノ、モノ及びジ置換アリールアミノ、モノ及びジヘテロアリールアミノ、モノ及びジ置換ヘテロアリールアミノ、モノ及びジ複素環アミノ、モノ及びジ置換複素環アミノ、非対称ジ置換アミノから成る群から選択される1〜3個の置換基を導入されるアリール基を指す。前記非対称ジ置換アミノは、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、及び、Boc、Cbz、ホルミル等のような従来の封鎖基により封鎖された、又は、Rが水素又はアルキルである、−SONRRの置換基を導入された、置換アリール上のアミノ基から成る群から独立して選択される異なる置換基を有する。
【0053】
「シクロアルキル」は、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンティル、シクロヘキシル、シクロオクチル等を含む、単環を有する3〜8個の炭素原子の環状アルキル基を指す。この定義から除外されるものは、アダマンタニル等のような多環アルキル基である。
【0054】
「ハロ」又は「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ及びイオドである。
【0055】
「ヘテロアリール」は、その環内で酸素、窒素及び硫黄又はその酸化物から成る群から選択される2〜10個の炭素原子及び1〜4個の異種原子の芳香族炭素環基を指す。そのような異種アリール基は、単環(例えば、ピリジル又はフリル)又は複合縮合環類(例えば、インドリジニル又はベンゾチエニル)を有することができ、前記複合縮合環は、連結点が芳香族環原子を通じてのものであるという条件で、芳香族であっても、なくてもよい。加えて、ヘテロアリール基の異種原子は、酸化されてもよく、即ち、ピリジンN−酸化物又は1,1−ジオキソ1,2,5−チアジアゾ−ル等を形成してもよい。加えて、その環の炭素原子は、オキソ(=O)で置換されてもよい。用語「ヘテロアリール環内に2つの窒素原子を有するヘテロアリール」は、ヘテロアリール環内に2つの窒素原子、及び、2つの窒素原子のみを有し、且つ、ヘテロアリール環内に、酸素又は硫黄等の1つ又は2つの他の異種原子を任意選択で含む、ヘテロアリール基を指す。
【0056】
「置換ヘテロアリール」は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、カルボキシル置換アルキル、カルボキシルシクロアルキル、カルボキシル置換シクロアルキル、カルボキシルアリール、カルボキシル置換アリール、カルボキシルヘテロアリール、カルボキシル置換ヘテロアリール、カルボキシル複素環、カルボキシル置換複素環、カルボキシルアミド、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、波呂、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミド、オキシチオカルボニルアミド、−S(O)−アルキル、−S(O)−置換アルキル、−S(O)−シクロアルキル、−S(O)−置換シクロアルキル、−S(O)−アルケニル、−S(O)−置換アルケニル、−S(O)−アリール、−S(O)−置換アリール、−S(O)−ヘテロアリール、−S(O)−置換ヘテロアリール、−S(O)−複素環、−S(O)−複素環、−OS(O)−アルキル、−OS(O)−置換アルキル、−OS(O)−アリール、−OS(O)−置換アリール、−OS(O)−ヘテロアリール、−OS(O)−置換ヘテロアリール、−OS(O)−複素環、−OS(O)−置換複素環、−OS(O)−NRR、式中、Rは、水素又はアルキルであり、−NRS(O)−アルキル、NRS(O)置換アルキル、−NRS(O)−アリール、−NRS(O)置換アリール、−NRS(O)−ヘテロアリール、−NRS(O)−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−複素環、−NRS(O)−置換複素環、−NRS(O)−NR−アルキル、−NRS(O)−NR−置換アルキル、−NRS(O)−NR−アリール、−NRS(O)−NR−置換アリール、−NRS(O)−NR−ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−置換ヘテロアリール、−NRS(O)−NR−複素環、−NRS(O)−NR−置換複素環、式中、Rは、水素又はアルキルであり、モノ及びジアルキルアミノ、モノ及びジ(置換アルキル)アミノ、モノ及びジアリールアミノ、モノ及びジ置換アリールアミノ、モノ及びジヘテロアリールアミノ、モノ及びジ置換ヘテロアリールアミノ、モノ及びジ複素環アミノ、モノ及びジ置換複素環アミノ、非対称ジ置換アミンから成る群から選択される1〜3個の置換基を導入されるヘテロアリール基を指す。前記非対称ジ置換アミンは、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、及び、Boc、Cbz、ホルミル等のような従来の封鎖基により封鎖された、又は、Rが水素又はアルキルである、−SONRRの置換基を導入された、置換アリール上のアミノ基から成る群から独立して選択される異なる置換基を有する。
【0057】
「スルホニル」は、−S(O)2R基を指し、式中、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環から成る群から選択され、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、及び置換複素環は、本明細書で定義されたようなものである。
【0058】
「任意選択で置換される」は、詳述された塩基が、置換されなくても、詳述された塩基が、置換されなくてもよいことを意味する。
【0059】
「医薬上許容される担体」は、一般に安全であり、毒性がなく、生体的にも他の様式でも望ましくなくはない医薬組成物又は製剤を調製するのに有用な担体を意味し、獣医用に並びにヒト医薬用に許容される担体を含む。
【0060】
「医薬上許容される陽イオン」は、医薬上許容される塩の陽イオンを指す。
【0061】
「医薬上許容される塩」は、生体的に又は他の様式で望ましくなくはない生体的有効性及び化合物の特性を保持する塩類を指す。医薬上許容される塩類は、化合物の医薬上許容される塩類を指し、その塩類は、従来技術で周知の様々な有機対イオン及び無機対イオンから誘導され、単なる例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等、分子が塩基の官能性を含む場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩等のような有機酸及び無機酸の塩類が挙げられる。
【0062】
医薬上許容される塩基付加塩類は、有機塩類及び無機塩類から調製することができる。無機塩基類から誘導される塩類として、単なる例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニア、カルシウム及びマグネシウム塩類が挙げられる。有機塩基類から誘導される有機塩類として、アルキルアミン類、ジアルキルアミン類、トリアルキルアミン類、置換アルキルアミン類、ジ(置換アルキル)アミン類、トリ(置換アルキル)アミン類、アルケニルアミン類、ジアルケニルアミン類、トリアルケニルアミン類、置換アルケニルアミン類、ジ(置換アルケニル)アミン類、トリ(置換アルケニル)アミン類、シクロアルキルアミン類、ジ(シクロアルキル)アミン類、トリ(シクロアルキル)アミン類、置換シクロアルキルアミン類、ジ置換シクロアルキルアミン類、トリ置換シクロアルキルアミン類、シクロアルケニルアミン類、ジ(シクロアルケニル)アミン類、トリ(シクロアルケニル)アミン類、置換シクロアルケニルアミン類、ジ置換シクロアルケニルアミン類、トリ置換シクロアルケニルアミン類、アリールアミン類、ジアリールアミン類、トリアリールアミン類、ヘテロアリールアミン類、ジヘテロアリールアミン類、トリヘテロアリールアミン類、複素環アミン類、ジ複素環アミン類、トリ複素環アミン類、混合ジ及びトリアミン類等の第1級、第2級及び第3級アミン類が挙げられるが、これらに限定されず、前記アミン上の前記置換基の少なくとも2つは、異なるものであり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環等から成る群から選択される。2つ又は3つの置換基がアミノ窒素と共に複素環基又はヘテロアリール基を形成する、アミン類も挙げられる。
【0063】
適切なアミン類の実施例として、単なる例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソ−プロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノール、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコースアミン、N−アルキルグルカミン類、テオブロミン、プリン類、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジン等が挙げられる。他のカルボン酸誘導体、例えば、カルボキサミド類、低級アルキルカルボキサミド類、ジアルキルカルボキサミド類等を含むカルボン酸アミド類も有用であると理解されるべきである。
【0064】
医薬上許容される酸性付加塩類は、無機酸類及び有機酸類から調製され得る。無機酸類から誘導される塩類として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、燐酸等が挙げられる。有機酸類から誘導される塩類として、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸等が挙げられる。
【0065】
化合物は、プロドラッグとして作用し得る。プロドラッグは、そのようなプロドラッグが哺乳類被験体に投与される際に、生体内に活性親薬物を放出するいずれかの化合物を意味する。プロドラッグは、生体内で修飾物が切断され、親薬物を放出し得るように存在する官能基を修飾することにより調製される。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノ、又はスルフヒドリル基が、それぞれ、遊離ヒドロキシル、アミノ、又はスルフヒドリル基を再生するように生体内で切断され得るいずれかの塩基に結合される、化合物を含む。プロドラッグの実例として、エステル類(例えば、酢酸塩、蟻酸塩、及び安息香酸塩誘導体類)、ヒドロキシ官能基のカルバミン酸塩類(例えば、N,N−ジメチルアミノ−カルボニル)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
疾病を「治療する」又は疾病の「治療」として、
(1)疾患を予防すること、即ち、疾病に曝され得るか又はなり得るが、まだ疾患の症状を被っていないか又は示していない哺乳類内に、この疾病の臨床症状を発症させないこと、
(2)疾患を抑制すること、即ち、この疾病の発生又はその臨床症状を停止又は低減させること、若しくは、
(3)(c)この疾病を取り除くこと、即ち、この疾病及び/又はその症状又は容態を退行させること
が挙げられる。
【0067】
「治療上有効な量」は、疾病を治療するために哺乳類に投与される際に、この疾病に対するそのような治療を有効にするのに十分である化合物の量を意味する。「治療上有効な量」は、化合物、疾病、その重症度、及び、治療されるべき哺乳類の年齢、体重等に応じて変わることになる。

化合物の医薬製剤
【0068】
一般に、化合物は、許容されるこれらの化合物のいずれかの投与方法により治療上有効な量で投与されることになる。化合物は、経口、非経口(例えば、皮下、硬膜下、静脈内、筋肉内、髄腔内、腹腔内、脳内、動脈内、又は病巣内の投与経路)、局部、鼻腔内、局所(例えば、外科用途又は外科座薬)、直腸、及び肺を含むが、これらに限定されない、様々な経路で投与することができる。従って、これらの化合物は、注入化合物と経口化合物の両方で有効である。化合物は、点滴により、又は、大量瞬時投与により連続的に投与することができる。
【0069】
化合物、即ち、活性成分の実際の量は、この疾病の重症度、即ち、被験体の容態又は治療されるべき疾病と年齢と相対的な健康、使用される化合物の効力、投与経路及び形態、及び他の因子等の複数の因子に依存することになる。
【0070】
そのような化合物の毒性及び治療効果は、細胞培養又は実験動物での標準的な医薬上の手続により定められ、例えば、LD50(母集団の50%に対しての致死量)及びED50(母集団の50%に対して治療上有効な量)を定めることができる。毒性効果と治療効果との間の投与比は、治療指標であり、LD50/ED50比として表現することができる。
【0071】
細胞培養アッセイ及び動物実験から得られたデータを利用して、ヒト用に様々な投与量を調合することができる。そのような化合物の投与量は、毒性の僅かな又は毒性のないED50を含む様々な循環濃度内にある。投与量は、用いられる投与形態と利用される投与経路に応じて、この範囲内で変わり得る。利用される任意の化合物に対して、治療上有効な投与量は、初期に、細胞培養アッセイから推定することができる。細胞培養で定められるようなIC50(即ち、症状抑制の最大半量を得る試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度の範囲を得るために、動物モデルで、投与量が調合され得る。そのような情報を利用して、ヒトに有用な投与量を更に正確に定めることができる。血漿レベルは、例えば、高効率の液体クロマトグラフィーにより計測され得る。
【0072】
患者に投与される医薬化合物の量は、投与されているもの、予防又は治療等の投与目的、患者の状態、投与方法等に応じて変わることになる。治療用途では、組成物は、疾病を既に被っている患者に、この疾病の症状及びその副作用を治療又は少なくとも部分的に停止するのに十分な量で投与される。これを達成するのに適切な量は、「治療上有効な投与量」として定義される。この使用に有効な量は、治療される疾患の容態に依存し、並びに、担当医の判断により、炎症の重症度、年齢、体重、及び患者の一般的な容態等のような因子に依存することになる。
【0073】
患者に投与される組成物は、上述の医薬化合物の形態である。これらの組成物は、従来の殺菌技術により殺菌され得る、又は、殺菌濾過され得る。その結果得られた水溶液は、使用のために現状のまま梱包され得るか、又は、冷凍乾燥され得る。冷凍乾燥された調合物は、投与前に、無菌水性担体と混合される。上述の賦形剤、担体、又は安定剤のうちの幾つかを利用することにより、医薬用塩類が形成されることになると理解されるであろう。
【0074】
活性化合物は、投与量の広い範囲にわたり有効であり、一般に、医薬上又は治療上有効な量で投与される。化合物の治療投与量は、例えば、治療が行われる特定の利用、化合物の投与方法、患者の健康及び容態、及び処方医の判断に従って変わることになる。例えば、静脈内投与では、投与量は、通常、体重キログラム当たり約0.5mg〜約100mgの範囲である。有効な投与量は、生体外の又は動物モデルの試験系から導かれた投与応答曲線から補外法により推定することができる。通常、臨床医は、所望の効果を得る投与量に到達するまで、その化合物を投与することになる。
【0075】
化合物は、医薬品として用いられる場合、通常、医薬組成物の形態で投与される。医薬組成物は、活性成分として、1つ以上の医薬上許容される担体又は賦形剤と関連する1つ以上の上記化合物を含む。用いられる賦形剤は、通常、ヒト被験体又は他の1つの哺乳類に投与するのに適切なものである。組成物を作製する際に、活性成分は、通常、賦形剤と混合され、賦形剤により希釈されるか、又は、カプセル、小袋、紙又は他の容器の形態であり得る担体内に封入される。賦形剤は、希釈剤として用いられる場合、活性成分のための媒体、担体、又は媒質として作用する固体材料、半固体材料、又は液体材料であり得る。従って、組成物は、タブレット、ピル、粉末、錠剤、小袋、カプセル、エリキシル剤、懸濁液、乳剤、溶液、シロップ、(固体としての又は液状媒質中の)噴霧、例えば重量で10%までの活性化合物を含む軟膏、軟質及び硬質ゼラチンカプセル、座薬、無菌の注入可能な溶液、及び無菌に梱包された粉末の形態であり得る。
【0076】
製剤を調製する際に、他の成分と組み合わせる前に適切な粒径を与えるために、活性化合物を粉砕する必要があり得る。活性化合物は、実質的に不溶である場合、通常、200メッシュ未満の粒径に粉砕される。活性化合物が実質的に水溶である場合、粒径は、通常、製剤の実質的に均一な分布を与えるように、例えば、40メッシュに粉砕することにより調節される。
【0077】
適切な賦形剤の幾つかの実例として、乳糖、ブドウ糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシア樹脂、燐酸カルシウム、アルギン酸塩類、トラガント、ゼラチン、珪酸カルシウム、微細結晶セルロース、ポリビニルピロリジン、セルロース、無菌水、シロップ、及びメチルセルロースが挙げられる。加えて、製剤として、滑石、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油等の潤滑剤、湿潤剤、乳化及び懸濁剤、メチル及びプロピルヒドロキシ安息香酸塩類等の保存剤、甘味剤、及び香味料を挙げることができる。本発明の組成物は、従来技術で周知の手続を用いて患者に投与した後に、活性成分が迅速に、持続的に、又は遅延して放出されるように調合される。
【0078】
医薬組成物内の活性化合物の量及びその単位投与量形態は、特定用途、方法又は導入方法、特定化合物の効力、及び所望の濃度に応じて幅広く変化又は調節され得る。用語「単位投与量形態」は、ヒト被験体及び他の哺乳類に対する単位投与量として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、適切な医薬用賦形剤と組み合わせて所望の治療効果を作り出すように算出された所定量の活性材料を含む。
【0079】
化合物は、非経口投与用に、無菌生理食塩水等の適切な不活性担体内に調合することができる。投与される投与量は、投与経路により定められる。
【0080】
静脈注射製剤による治療薬の投与は、製薬産業で十分に知られている。静脈注射性剤は、まさに治療薬が可溶である組成物であるのものは別として、一定量を有するべきである。例えば、製剤は、活性成分(複数)の全ての安定性を促すべきであり、その上、製剤の製造は、費用効果がなければならない。これらの因子の全ては、最終的に、静脈注射性剤の全体の成果及び有用性を定める。
【0081】
医薬製剤及び化合物内に含まれ得る他の付属の添加物は、以下である。溶剤:エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、安定剤:EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、クエン酸、抗菌防腐剤:ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、緩衝剤:クエン酸/クエン酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、マレイン酸/マレイン酸ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、燐酸/燐酸二水素カリウム、燐酸/燐酸水素二ナトリウム、及び浸透圧調節剤:塩化ナトリウム、マンニトール、ショ糖。
【0082】
緩衝剤の存在は、水溶液のpHを約4〜約8の範囲内に保つのに必要である。緩衝系は、一般に、弱酸及びその可溶塩の混合物、例えば、クエン酸ナトリウム/クエン酸であり、若しくは、単一陽イオン又は二塩基酸の二陽イオン塩、例えば、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、燐酸/燐酸二水素カリウム、及び燐酸/燐酸水素二ナトリウムである。
【0083】
利用される緩衝系の量は、(1)所望のpH、及び(2)薬剤の量に依存する。一般に、利用される緩衝剤の量は、製剤pHを4〜8の範囲に保つことができる。一般に、緩衝剤(緩衝剤のモルは、緩衝剤成分(例えば、クエン酸ナトリウム及びクエン酸)の組み合わせられたモルとして取り上げられる)の薬剤に対するモル比、1:1〜10:1が利用される。
【0084】
利用される緩衝剤は、化合物水溶液のpHを4〜6に保つのに十分な、5〜50mg/mlのクエン酸ナトリウム対1〜15mg/mlのクエン酸の範囲内のクエン酸ナトリウム/クエン酸である。
【0085】
緩衝剤は、ガラス容器又はゴム留め具から浸出し得るか又は通常の水道水内に存在し得る溶解された金属イオン、例えば、Ca、Mg、Fe、Al、Baで可溶な金属錯体が形成されることにより薬剤が沈殿するのを防止するためにも存在し得る。
【0086】
加えて、浸透圧をヒト血液の同じ値に調節するための薬剤、例えば、約1〜8mg/mlの量の塩化ナトリウムの存在は、静脈注射製剤を投与した後に赤血球が膨張又は収縮し、吐き気又は下痢等の望ましくない副作用が生じ、関連する血液障害が生じ得るのを回避するために必要とされ得る。一般に、製剤の浸透圧は、ヒト血液の浸透圧と合致し、282〜288mOsm/kgの範囲であり、一般に、塩化ナトリウムの0.9%溶液に対応する浸透圧と等価である285mOsm/kgである。
【0087】
静脈注射製剤は、静脈内直接注射、静脈内大量瞬時投与により投与することができるか、又は、0.9%塩化ナトリウム注入等の適切な点滴溶液又は他の相溶可能な点滴溶液に加えることで、点滴により投与することができる。
【0088】
化合物は、好ましくは、単位投与形態で調製され、各投与量は、約5〜約100mg、より一般的に約10〜30mgの活性成分を含む。用語「単位投与形態」は、ヒト被験体に対する単位投与量として適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、適切な医薬用賦形剤と組み合わせて所望の治療効果を作り出すように算出された所定量の活性材料を含む。
【0089】
活性化合物は、投与量の広い範囲にわたり有効であり、一般に、医薬上又は治療上有効な量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、医師により、治療される容態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個別の患者の年齢、体重及び応答、患者の症状の重症度等を含む関連する環境に照らし合わせて投与されることになると理解される。
【0090】
タブレット等の固体組成物を調製するために、主要な活性成分は、医薬用賦形剤と混合され、本発明の化合物の均質な混合物を含む固体の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物が均質と呼ばれる場合、活性成分が組成物全体にわたり均一に分散されることにより、組成物が、タブレット、ピル及びカプセル等の均等に有効な単位投与形態に容易に細分され得ることを意味する。次に、この固体の予備処方は、例えば、0.1〜約2000mgの活性成分を含む上記の種類の単位投与形態に細分される。
【0091】
タブレット又はピルは、膜で覆われてもよく、又はそうでなければ、持続作用の利点をもたらす投与形態を与えるように調合されてもよい。例えば、タブレット又はピルは、外部投与成分が内部投与成分を包む形態である、内部投与成分と外部投与成分とを含むことができる。2つの成分は、腸溶性層により分離することができ、前記腸溶性層は、胃の中での分解に抵抗し、内部成分が損なわれずに十二指腸内へ通過するか、又は、内部成分の放出を遅らせることを可能にする働きをする。そのような腸溶性層又は腸溶性膜のために、様々な材料を利用することができ、そのような材料として、複数の高分子酸と、シェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロース等の材料と高分子酸の混合物が挙げられる。
【0092】
経口又は注入による投与のための、新規の組成物が組み込まれ得る液体として、水溶液、適切に味付けされたシロップ、水性又は油性懸濁液、及び、綿実油、胡麻油、ココナッツ油又はピーナッツ油並びにエリキシル剤及び類似の医薬用媒体等の食用油で味付けされた乳剤が挙げられる。
【0093】
吸入用の又は空気混入用の組成物として、医薬上許容される水性溶媒又は有機溶媒若しくはそれらの混合物内の溶液及び懸濁液と、粉末が挙げられる。液体又は固体組成物は、上記のような適切な医薬上許容される賦形剤を含み得る。医薬上許容される溶媒中の組成物は、不活性ガスを利用して噴霧され得る。噴霧溶液が、噴霧装置から直接吸気されてもよく、噴霧装置が、顔面マスクテント又は間欠的陽圧呼吸機に取り付けられてもよい。溶液、懸濁液、又は粉末組成物は、適切な方法で製剤を送達する装置から投与され得る。
【0094】
化合物は、持続的な放出形態で投与することができる。持続放出の製剤の適切な実例として、化合物を含む固体疎水性ポリマーの半浸透性母材が挙げられ、その母材は、形付けられた物品、例えば、フィルム、又はマイクロカプセルの形態である。持続放出の母材の実例として、ポリエステル類、ヒドロゲル類(例えば、ランガーら、生体医療材料研究学術誌第15巻、167〜277頁(1981年)、及び、ランガー、化学技術第12巻、98〜105頁(1982年)により記載されるような、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)又はポリビニルアルコール)、ポリラクチド類(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とガンマエチル−L−グルタメートとの共重合体類(シドマンら、生体ポリマー類第22巻、547〜556頁、1983年)、非分解性エチレン酢酸ビニル(ランガーら、同上)、LUPRONDEPOT(商標)(即ち、酪酸・グリコール酸共重合体及びリュープロリド酢酸塩から構成される注入可能な微細球)及びポリ−D−(−)−3−ヒドロキシブチル酸(EP第133,988号)等の分解性酪酸・グリコール酸共重合体類が挙げられる。
【0095】
化合物は、持続放出形態で、例えば、蓄積注射、埋め込み製剤、又は浸透ポンプで投与することができ、前記化合物は、活性成分が持続的に放出するのを可能にするような方法で調合することができる。持続放出製剤用の埋め込み剤は、従来技術で周知のものである。埋め込み剤は、生体分解性ポリマー類又は非生体分解性ポリマー類の微細球、スラブを含むが、それらに限定されないものとして調合され得る。例えば、酪酸及び/又はグリコール酸のポリマー類は、宿主に十分に許容される受食性ポリマーを形成する。
【0096】
経皮送達装置(「パッチ」)が用いられてもよい。化合物を調節された量で連続的に又は非連続的に注入するために、そのような経皮パッチが利用され得る。医薬製剤を送達する経皮パッチの構成及び利用は、従来技術で十分に知られている。例えば、1991年6月11日に発行され、本明細書に参照として組み込まれている米国特許第5,023,252号を参照すること。そのようなパッチは、連続的に、脈動で、又は要求に応じて医薬製剤を送達するように構成され得る。
【0097】
医薬組成物を脳に導入することが望まれるか又は必要である場合、直接的又は間接的配置技術が用いられ得る。直接的技術は、通常、血液脳関門を迂回するように宿主の脳室系内に薬物送達用カテーテルを配置することを含む。身体の特定の解剖学的領域に生体因子を移送するのに利用されるそのような埋め込み可能な送達システムは、米国特許第5,011,472号に記載され、本明細書に参照として組み込まれている。
【0098】
間接的技術は、通常、親水性薬物を脂溶性薬物に変換することにより薬物に潜在時間を与える組成物を調製することを含む。潜在時間を与えることは、一般に、薬物上に存在するヒドロキシ、カルボニル、硫酸塩、及び第一級アミン基を封鎖し、薬物をより脂質に溶けやすくし、血液脳関門を通って移送しやすくすることにより達成される。代わりに、親水性薬物の送達は、血液脳関門を一時的に開くことができる高張溶液を動脈内に点滴することにより、より良くされ得る。
【0099】
血清半減期を増すために、化合物は、密閉化され、リポソームの内腔内に導入され、コロイドとして調製されてもよい。または、化合物の血清半減期を延長させる他の従来技術が用いられてもよい。リポソームを調製するために、例えば、スゾカらの米国特許第4,235871号、第4,501,728号及び4,837,028号に記載されるような様々な方法が利用することができ、その各々は、本明細書に参照として組み込まれている。
【0100】
医薬組成物は、様々な薬物送達システムへの利用に適している。本発明に利用される適切な製剤は、レミングストンの医薬科学第17版(ペンシルバニア州、フィラデルフィアのマス出版社、1985年)の中に見られる。
【0101】
以下の実施例では、略記は、上に定義されていない場合、一般に受け入れられている意味を有する。更に、全温度は、(特に指示のない限り)摂氏度である。次の方法を利用して、指示されるような以下に説明される化合物を調製した。

実施例1−製剤1
【0102】
以下の成分を含む硬質ゼラチンカプセルを調製する:

成分 (mg/カプセル)
活性成分 30.0
澱粉 305.0
ステアリン酸マグネシウム 5.0
【0103】
上記の成分を混合し、硬質ゼラチンカプセル内に340mgの量で充填する。

実施例2−製剤2
【0104】
以下の成分を利用して、タブレット製剤を調製する。

成分 (mg/カプセル)
活性成分 25.0
セルロース、微細結晶状 200.0
コロイド状二酸化シリコン 10.0
ステアリン酸 5.0
【0105】
それらの成分を混合、圧縮して、各々が240mgのタブレットを形成する。

実施例3−製剤3
【0106】
以下の成分を含む乾燥粉末吸入器用製剤を調製する。
成分 重量%
活性成分 5
ラクトース 95
【0107】
活性混合物をラクトースと混合し、その混合物を乾燥粉末吸入機器に加える。

実施例4−製剤4
【0108】
以下のように、各々が30mgの活性成分を含むタブレットを調製する。

成分 (mg/カプセル)
活性成分 30.0mg
澱粉 45.0mg
微細結晶状セルロース 35.0mg
ポリビニルピロリドン
(10%水溶液として) 4.0mg
澱粉グリコール酸ナトリウム 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
滑石 1.0mg
総計 120mg
【0109】
活性成分、澱粉、及びセルロースを第20号メッシュの米国製ふるいに通し、完全に混合する。その結果得られた粉末とポリビニルピロリドンの溶液を混合し、次に、前記混合溶液を16メッシュの米国製ふるいに通す。そのように作製された細粒を50°〜60℃で乾燥し、16メッシュの米国製ふるいに通す。次に、その細粒に、第30号メッシュの米国製ふるいに事前に通された澱粉グリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、及び滑石を加え、混ぜ合わせた後に、タブレット製造機械の上で圧縮し、各々の重量が150mgのタブレットを産出する。

実施例5−製剤5
【0110】
以下のように、各々が40mgの薬物を含むカプセルを作製する。

成分 (mg/カプセル)
活性成分 40.0mg
澱粉 109.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.0mg
総計 150.0mg
【0111】
活性成分、セルロース、澱粉、ステアリン酸マグネシウムを混合し、第20号メッシュの米国製ふるいに通し、硬質ゼラチンカプセル内に150mgの量で充填する。

実施例6−製剤6
【0112】
以下のように、各々が25mgの活性成分を含む座薬を作製する。
成分 量
活性成分 25mg
飽和脂肪酸グリセリド 2,000mgまで
【0113】
活性成分を第60号メッシュ米国ふるいに通し、必要最小限の熱を利用して事前に溶融された飽和脂肪酸グリセリド中で懸濁する。次に、その混合物を名目2.0gの容量の座薬鋳型の中に注ぎ、冷却する。

実施例7−製剤7
【0114】
以下のように、各々が5.0ml投与量当たり50mgの薬剤を含む懸濁液を作製する。
成分 量
活性成分 50.0mg
キサンタンガム 4.0mg
セルロースグリコール酸ソーダ(11%)
微細結晶状セルロース(89%) 500mg
ショ糖 1.75g
安息香酸ナトリウム 10.0mg
香味料及び着色料 任意の量で
純水 5.0mlまで
【0115】
薬物、ショ糖、及びキサンタンガムを混合し、第10号メッシュの米国製ふるいに通し、次に、事前に作製された、微細結晶状セルロースとセルロースグリコール酸ソーダの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香味料、及び着色料を若干の水で希釈し、攪拌しながら加える。次に、十分な量の水を加えて、必要とされる体積を作り出す。

実施例8−製剤8
【0116】
以下のように、各々が15mgの活性成分を含む硬質ゼラチンタブレットを作製する。

成分 (mg/カプセル)
活性成分 15.0mg
澱粉 407.0mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
総計 425.0mg
【0117】
活性成分、セルロース、澱粉、及びステアリン酸マグネシウムを混合し、第20号メッシュの米国製ふるいに通し、硬質ゼラチンカプセル内に560mgの量で充填する。

実施例9−製剤9
【0118】
以下のように、静脈注射製剤を調製してもよい。
成分 (mg/カプセル)
活性成分 250.0mg
等張食塩水 1000ml
【0119】
一般に、無菌の出入り口を有する容器、例えば、静脈注射用溶液バッグ、又は、皮下組織用注射針又は類似の鋭い器具で突き刺し可能な栓を有する薬瓶内に、治療化合物組成物を置く。

実施例10−製剤10
【0120】
以下のように、局所製剤を調製してもよい。
成分 量
活性成分 1〜10g
乳化鑞 30g
液体パラフィン 20g
白色軟質パラフィン 100g
【0121】
白色軟質パラフィンを溶融するまで加熱する。液体パラフィン及び乳化鑞を組み込み、溶解するまで攪拌する。活性成分を加え、分散するまで攪拌し続ける。次に、固体になるまで混合物を冷却する。

実施例11−製剤11
【0122】
以下のように、噴霧製剤を調製してもよい。以下の手続を利用して、濃度30.0mg/mLの候補化合物の0.5%重曹/食塩水溶液(重量/体積)を調製する。
【0123】
0.5%重曹/保存食塩水:100.0mLの調製
【表A】

手続:
1.0.5gの重曹を100mL容積のフラスコに加える。
2.約90.0mLの食塩水を加え、溶解するまで音波破砕する。
3.適量の食塩水を100.0mlまで加え、完全に混合する。
【0124】
30.0mg/mLの候補化合物:10.0mLを調製する。
【表B】

手続:
1.0.300gの候補化合物を10.0mLの容積のフラスコ内に加える。
2.約9.7mLの0.5%重曹/保存食塩水を加える。
3.候補化合物が完全に溶解するまで音波破砕する。
4.適量の0.5%重曹/保存食塩水を10.0mLまで加え、混合する。

実施例12−デングウイルスにより誘導される細胞変性効果を計測する高処理能力選別アッセイの開発
【0125】
デングウイルスにより誘導される細胞変性効果(CPE)を計測するために、感受性があり再現可能な高処理能力選別(HTS)アッセイが設定されている。5日間で完全なCPEを作り出すのに必要とされるデングウイルス原液の量を定めるために、ヴェーロ細胞単層が、96ウェルプレート上に播種され、デングウイルス原液の10倍段階希釈液で感染され、約0.001PEU/細胞〜0.1PFU/細胞の感染効率(MOI)を示した。感染後5日間で、培養は、5%グルタルアルデヒドで固定され、0.1%クリスタルバイオレットで染色された。ウイルス誘導CPEは、分光器を用いてOD570で定量化された。この分析から、デングウイルスの0.1PFU/細胞のMOIは、HTSアッセイ用に選択された。96ウェルアッセイの信号対雑音比(S/N)を設定し、ウェル間及びアッセイ間の変異性を評価するために、5つの独立した実験が行われた。ヴェーロ細胞単層は、デングウイルス原液の0.1PFU/細胞で感染された。各プレートには、以下の対照:4倍のウイルス感染ウェル、4倍の未感染細胞のウェル、及び、参照規準として、500、250、125及び62μMでのリバビリンに対する2倍での投与応答曲線が含まれた。感染後5日間で、上記のようにプレートを処理した。
【0126】
デングウイルスにより誘導されるCPEを抑制する化合物のSIGA化学ライブラリから化合物を評価するために、デングウイルスCPEアッセイが利用された。各評価の実行は、プレート毎に80の化合物を備えた48 96ウェルプレートから構成され、実行毎に4,608データポイントを生成した。この処理能力で、約52週で、200,000の化合物を評価することができる。化合物は、各ウェルの最終濃度が5μM化合物及び5%DMSOであるように、DMSO内に溶解され、培地内に希釈された。化合物は、パーキンエルマー多重プローブ(登録商標)II HT PLUSロボットシステムを利用して、ロボット操作で培養液に加えられた。化合物の添加に続いて、培養液は、デングウイルス(DEN−2株 ニューギニアC)で感染された。5日間の恒温放置の後、プレートを処理し、パーキンエルマー・エンヴィジョンIIプレート読み出しシステム上でCPEを定量化した。
【0127】
これらの実験の結果は、96ウェルアッセイ形式が、堅牢で、再現可能であることを示した。S/N比(細胞対照ウェルの信号(信号)対ウイルス対照ウェル(雑音)の比)は、5.0±1.2であった。ウェル間の変異性は、各個別のプレートに対して定められ、正の対照と負の対照の両方に対して、10%未満の分散係数を有することが見出され、アッセイ間の変異性は、全体で15%未満であった。このアッセイを利用して、リバビリンに対するEC50値を、それぞれ、125±25μMであると定めた。デング熱に対するリバビリンの効果は、利用された細胞種で変化するが、得られたそれらの値は、この化合物について公開された値の範囲内であった(2、13、28)。総じて、これらの結果は、デングウイルス複製の抑制剤について我々の化合物ライブラリを評価するために、感受性があり再現可能なHTSアッセイの開発に成功していることを示す。

実施例13−本発明の化合物の抗デング2型活性の判定
【0128】
実施例12に記載されるアッセイは、デングウイルス抑制剤の高処理能力選別の基盤であり、そのウイルスに対して、210,000化合物のライブラリが試験された。デングウイルスにより誘導されるCPEを少なくとも50%で抑制した化合物は、更に、化学的取り扱いやすさ、効力、及び選択制について検査された。
【0129】
最初に、該当化合物の化学的構造は、化学的取り扱いやすさについて検査された。化学的に取り扱いやすい化合物は、合理的な化学的方法論を用いて合成面で利用しやすく、化学的に安定な機能性と潜在的に医薬品らしい品質とを有するものとして定義される。この医療化学の選別を通過した該当物は、それらの効力について評価された。広範囲の濃度にわたる抑制活性を評価することにより、化合物の効力を定めた。非線形の退行を利用して、最良合致の抑制曲線を生成し、50%有効濃度(EC50)を算出した。所与の化合物の選択性又は特異性は、通常、その生体上の効果に対するその細胞毒性の比として表記される。細胞増殖アッセイを利用して、50%細胞毒性濃度(CC50)を算出する。EC50に対するこの値の比は、治療指標(T.I.=CC50/EC50)と呼ばれる。細胞毒性を定めるために、2種類のアッセイを用いている。それらの両方は、代謝面で活性状態の細胞内で生成される還元酵素活性を定量化するための標準的な方法である(22)。一方は、3−(4,5−ジメチルチアゾ−ル−2−イル)−2,5−ジフェニル−テトラゾリウムブロミド(MTT)の低減を計測する比色法であり、他方は、レサズリン(アラマーブルー)の低減を計測する蛍光計測を利用する。関連しないウイルス科からのウイルスに対する抑制作用を評価することにより、更に、選択性を特徴付けることができた。HTS選別から、初期該当物のプール内で16品質のデング熱用該当物が発見され、全ては、25μM未満のEC50値を有していた。これらの化合物が、デング熱の4つの血清型の各々に対して作用することの確認は、幾つかの薬物濃度で実行される収率測定で行われ、各々に対して、滴定量が定められた。
【0130】
第1選別で活性であった化合物は、活性について、ウイルス収率測定で試験された。表1は、デング2型(株 ニューギニアC)に対する活性について、様々な濃度でのウイルス収率測定で試験された幾つかの化合物を示す。12ウェルプレート内のヴェーロ細胞は、デング2型ウイルスを用いて、0.1の感染効率(MOI)で感染され、化合物(又は、対照としてDMSO)で処理され、37℃で恒温放置され、感染後48時間で収穫され、上記のようにヴェーロ細胞上に滴下された。EC50が、エクセルフィットにより算出された。デングウイルスの他の血清型に対する活性は、同じ方法で定められた。
【0131】
化合物1は、初期品質該当物のプール内から、デング熱の全ての4つの血清型に対する活性を備えた、最も効力及び選択性がある化合物の1つとして識別された。この化合物の化学的類似物が得られ、これらの類似物は、上記のように試験され、化学構造と生体活性との間の関連を定めた(表1を参照)。表1中でA及びBと標識される全ての化合物は、EC50値が25μM以下であり、デング熱に対して活性がある。
【表C1】

【表C2】

【表C3】

【表C4】

【表C5】

【表C6】

【表C7】

【表C8】

【表C9】

【表C10】

【表C11】

【表C12】

【表C13】

【表C14】

【表C15】

【表C16】

【表C17】

【表C18】

【表C19】

【表C20】

【表C21】

【表C22】

【表C23】

【表C24】

【表C25】

【表C26】

【表C27】

【表C28】

【表C29】

【表C30】

【表C31】

【表C32】

実施例14 3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド塩酸塩(C12又は表1中の化合物115)の合成
【化13】

工程A 2−クロロ−N−(5−フェニル1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル)アセタミド(C3)の合成
【0132】
無水DMF(20mL)中の5−フェニル1,3,4−チアジアゾ−ル−2−アミン(C1、1.06g、6mmol)とKCO(0.83g、6mmol)の混合物にクロロアセチルクロリド(C2、0.48mL、6mmol)を加えた。混合物を室温で4時間にわたり攪拌した。次に、反応混合物を冷水(100mL)中に注ぎ、攪拌し、次に濾過した。その結果えられた固体を水で洗浄し、次に、オーブン内で真空乾燥し、化合物C3(1.15g、76%)が白色の固体として生じた。

工程B 第3級ブチル(4E)−4−(ヒドロキシメチレン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシレート(C6)と第3級ブチル(3E)−3−(ヒドロキシメチル)−4−オキソアゼパン−1−カルボキシレート(C7)の合成
【0133】
THF(30mL)中の第3級ブチル 4−オキソアゼパン−1−カルボキシレート(C4、2.56g、12.0mmol)とN−[第3級ブトキシ(ジメチルアミノ)メチル]−N,N−ジメチルアミノ(C5、2.97mL、14.4mmol)を8時間にわたり還流した。冷却後、反応混合物を水(20mL)で処理し、室温で15分間攪拌し、次に、EtOAcで抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮し、C6(多量)及びC7(少量)が、無色の油(2.63g、91%)として与えられた。その油は、混合物として、次の反応工程で直接利用された。

工程C 第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート(C9)と第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレート(C10)の合成
【0134】
C6とC7の混合物の溶液(2.36g、9.8mmol)、HO中の2−シアノエタンチアのアミド(C8、0.98mmol)とピペリジン酢酸塩(10mL)[氷酢酸(4.2mL)、水(10mL)及びピペリジン(7.2mL)から調製される]を2時間にわたり還流した。冷却後、反応混合物をEtOAcで抽出した。混合性有機層をNaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。与えられた残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 60:40)で純化し、多量生成物として黄色の固体の所望の化合物C9(0.75g、25%)が、MS:MH=306、少量生成物としてC10(0.188g、6.3%)が、MS:MH=306、生じた。

工程D 3−アミノ−7−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド(C11)の合成
【0135】
EtOH(20mL)中のC9(750mg、2.46mmol)、C3(623mg、2.46mmol)と酢酸ナトリウム(302mg、3.68mmol)の混合物を4時間にわたり還流した。冷却後、反応混合物を水(100mL)に注ぎ、攪拌し、次に、濾過した。与えられた固体をオーブン内真空下で乾燥させ、次に、EtOAc中で再結晶化し、化合物C11(500mg、39%)が、黄色の固体として得られた。MS:Na=545。

工程E 3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド塩酸塩(C12、表中の化合物115)の合成
【0136】
Boc保護アミンC11(150mg、0.29mmol)を、4MHClの1,4−ジオキサン溶液(5mL)中において室温で2時間にわたり攪拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮し、ヘキサン中で生成物を析出させた。与えられた固体を更に、MeOH/CHClから再結晶化により純化し、標的化合物C12(100mg、76%)が、赤色の固体として生じた。HPLC:純度>97%、MS:MH=423、H NMR(DMSO−d+DO):δ8.02(s:1H)、7.60(d、2H)、7.42(m、3H)、4.26(s、2H)、3.45(s、2H)、3.12(m、2H)、1.96(s、2H)。

実施例15 3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド塩酸塩(C14又は表1中の化合物52)の合成
【化14】

【0137】
化合物C14を、化合物115(C12)と同じ方法で、単離された第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレート(C10)を利用して合成した。3−アミノ−6−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドC(13)を質量分析法で確認した。C14が、黄色の固体として得られた。MS:MH=423。H NMR(DMSO−d+DO):δ8.24(s、1H)、7.86(s、2H)、7.53(s、3H)、3.36(s、2H)、3.28(s、4H)、3.17(s、2H)。
【0138】
本明細書で引用される全ての参考文献は、全ての目的のために参照としてそのまま組み込まれている。
【0139】
本発明は、その好ましい実施形態に関して記載されているが、当業者により理解されるように、より広く用いることができる。本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ限定される。
【0140】
[参考文献]







【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬上許容される担体と、以下の化学式Iを有する化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩とを含む医薬組成物であって、
【化1】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Rは、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、及び置換アミノカルボニルから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、
A、B、D、及びEは、独立して、それぞれ、N又はC−R、C−R,C−R及びC−Rであり、式中、R、R、R及びRは、独立して、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、若しくは、R及びR又はR及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、前記環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、前記環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい、医薬組成物。
【請求項2】
XがSである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
AがC−NHである、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
BがC−Hである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
C−R及びRが、フッ素置換フェニルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
DがC−Hである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
EがC−Rであり、Rがチエニルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
DがC−Rであり、EがC−Rであり、R及びRが環を形成する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
Rが置換アミノカルボニルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
化学式Iの前記化合物が、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−10−アザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド、1−アミノ−5−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]イソキノリン−2−カルボン酸(4−メチル−チアゾ−ル−2−イル)−アミド、3,6−ジアミド−5−シアノ−4−フラン−2−イル−チエノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸(4−ブロモ−フェニル)−アミド、3−アミノ−6−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボン酸(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、4−[(3−アミド−6−イソプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボニル)−アミノ]−安息香酸エチルエステル、及び3−アミノ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボン酸(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミドから成る群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
化学式Iの前記化合物が、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−10−アザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
医薬上許容される担体と、以下の一般化学式IIの化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩とを含む医薬組成物であり、
【化2】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Bは、N又はC−Rであり、式中、Rは、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、
Gは、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、及び−C(=NR)−から成る群から選択され、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R又はR及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素又は硫黄及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
【化3】

上記化学式は、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を含む7又は8員環、若しくは、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を任意選択で含み得る4員環であり、前記環は、置換基を導入しても、導入しなくてもよく、又は、別の環と融合されてもよく、前記別の環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、前記環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい、医薬組成物。
【請求項13】
XがSである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
BがCHである、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
及びRの各々がHである、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
Gが−C(=O)−である、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
が水素であり、Rがヘテロアリールである、請求項12に記載の組成物。
【請求項18】
【化4】

上記化学式が、異種原子としてNを含む7員環である、請求項12に記載の組成物。
【請求項19】
3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである、請求項12に記載の組成物。
【請求項20】
3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである、請求項12に記載の組成物。
【請求項21】
ウイルス感染又は前記ウイルス感染に関連する疾病を治療又は予防する方法であり、以下の化学式Iの化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩を、哺乳類にその必要に応じて治療上有効な量で投与することを含み、
【化5】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Rは、ハロゲン、シアノ、イソシアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、ヒドロキシスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、及び置換アミノカルボニルから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、
A、B、D、及びEは、独立して、それぞれ、N又はC−R、C−R,C−R及びC−Rであり、式中、R、R、R及びRは、独立して、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、若しくは、R及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、若しくは、R及びR又はR及びRは、それらが結合する炭素と共に、置換環又は非置換環を形成してもよく、前記環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、前記環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい、方法。
【請求項22】
XがSである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
AがC−NHである、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
BがC−Hである、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
BがC−Rであり、Rがフッ素置換フェニルである、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
DがC−Hである、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
EがC−Rであり、Rがチエニルである、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
DがC−Rであり、EがC−Rであり、R及びRが環を形成する、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
Rが置換アミノカルボニルである、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
化学式Iの前記化合物が、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−10−アザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド、1−アミノ−5−メチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−チエノ[2,3−c]イソキノリン−2−カルボン酸(4−メチル−チアゾ−ル−2−イル)−アミド、3,6−ジアミド−5−シアノ−4−フラン−2−イル−チエノ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸(4−ブロモ−フェニル)−アミド、3−アミノ−6−エチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボン酸(4−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、4−[(3−アミド−6−イソプロピル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボニル)−アミノ]−安息香酸エチルエステル、及び3−アミノ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−チエノ[2,3−b][1,6]ナフチリジン−2−カルボン酸(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミドから成る群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項31】
化学式Iの前記化合物が、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−10−アザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記哺乳類がヒトである、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記ウイルス感染が、フラビウイルス感染である、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
前記フラビウイルスが、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、 及びダニ媒介性脳炎ウイルスから成る群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項35】
前記ウイルス感染が、デング熱、黄熱、西ナイル、セントルイス脳炎、C型肝炎、マレー渓谷脳炎、及び日本脳炎から成る群から選択される容態と関連している、請求項21に記載の方法。
【請求項36】
前記ウイルスがデングウイルスである、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
前記デングウイルスが、DEN−1、DEN−2、DEN−3、及びDEN−4から成る群から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ウイルス感染が、デング熱と関連している、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記デングウイルスが、古典的デング熱、デング出血性熱症候群、及びデングショック症候群から成る群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
抗ウイルス剤、ワクチン、及びインターフェロンから成る群から少なくとも1つの薬剤を同時に投与することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項41】
前記抗ウイルス剤がリバビリンである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記抗ウイルス剤がシドフォビルである、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記インターフェロンがペグ化されている、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
以下の化学式IIの化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩を、哺乳類にその必要に応じて治療上有効な量で投与することを含む、ウイルス感染又は前記ウイルス感染と関連する疾病を治療又は予防する方法であって、
【化6】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Bは、N又はC−Rであり、式中、Rは、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、
Gは、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、及び−C(=NR)−から成る群から選択され、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R又はR及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素又は硫黄及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
【化7】

上記化学式は、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を含む7又は8員環、若しくは、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を任意選択で含み得る4員環であり、前記環は、置換基を導入しても、導入しなくてもよく、又は、別の環と融合されてもよく、前記別の環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、前記環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい、方法。
【請求項45】
XがSである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
BがCHである、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
及びRの各々がHである、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
Gが−C(=O)−である、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
が水素であり、Rがヘテロアリールである、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
【化8】

上記化学式が、異種原子としてNを含む7員環である、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
化学式IIの前記化合物が、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである、請求項44に記載の方法。
【請求項52】
化学式IIの前記化合物が、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである、請求項44に記載の方法。
【請求項53】
前記哺乳類がヒトである、請求項44に記載の方法。
【請求項54】
前記ウイルス感染が、フラビウイルス感染である、請求項44に記載の方法。
【請求項55】
前記フラビウイルスが、デングウイルス、西ナイルウイルス、黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、 及びダニ媒介性脳炎ウイルスから成る群から選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記ウイルス感染が、デング熱、黄熱、西ナイル、セントルイス脳炎、C型肝炎、マレー渓谷脳炎、及び日本脳炎から成る群から選択される容態と関連している、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記ウイルスがデングウイルスである、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記デングウイルスが、DEN−1、DEN−2、DEN−3、及びDEN−4から成る群から選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記ウイルス感染がデング熱と関連している、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記デングウイルスが、古典的デング熱、デング出血性熱症候群、及びデングショック症候群から成る群から選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
抗ウイルス剤、ワクチン、及びインターフェロンから成る群から少なくとも1つの薬剤を同時に投与することを更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項62】
前記抗ウイルス剤がリバビリンである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記抗ウイルス剤がシドフォビルである、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記インターフェロンがペグ化されている、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
以下の一般化学式IIを有する化合物又は前記化合物の医薬上許容される塩であって、
【化9】

式中、Xは、O、S及びN−R’から成る群から選択され,R’は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、
Bは、N又はC−Rであり、式中、Rは、水素、置換又は非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノ及びニトロから成る群から選択され、
Gは、−C(=O)−、−C(=S)−、−S(=O)−、及び−C(=NR)−から成る群から選択され、式中、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、スルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル及び置換カルバモイルから成る群から選択され、若しくは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素を加えて、或いは、R又はR及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R又はR及びR又はRは、それらが結合する窒素原子と共に、Gの炭素又は硫黄及びX含有5員環の2つの炭素を加えて、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、或いは、R及びRは、それらが結合する窒素原子と共に、芳香族環又は脂肪族環と融合され得る置換環又は非置換環を形成してもよく、
【化10】

上記化学式は、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を含む7又は8員環、若しくは、N、O及びSから選択される1つ以上の異種原子を任意選択で含み得る4員環であり、前記環は、置換基を導入しても、導入しなくてもよく、又は、別の環と融合されてもよく、前記別の環は、芳香族であっても芳香族でなくてもよく、前記環内に1つ以上の異種原子を含んでもよく、芳香族環又は脂肪族環と融合されてもよい、化合物又は前記化合物の塩。
【請求項66】
XがSである、請求項65に記載の化合物。
【請求項67】
BがCHである、請求項65に記載の化合物。
【請求項68】
及びRの各々がHである、請求項65に記載の化合物。
【請求項69】
Gが−C(=O)−である、請求項65に記載の化合物。
【請求項70】
が水素であり、Rがヘテロアリールである、請求項65に記載の化合物。
【請求項71】
【化11】

上記化学式が、異種原子としてNを含む7員環である、請求項65に記載の化合物。
【請求項72】
3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである、請求項65に記載の化合物。
【請求項73】
3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドである、請求項65に記載の化合物。
【請求項74】
第3級ブチル(4E)−4−(ヒドロキシメチレン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシレート、第3級ブチル(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−4−オキソアゼパン−1−カルボキシレート、第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレート、第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレート、3−アミノ−7−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミド、及び3−アミノ−6−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドから成る群から選択される化合物。
【請求項75】
第3級ブチル(4E)−4−(ヒドロキシメチレン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシレートと第3級ブチル(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−4−オキソアゼパン−1−カルボキシレートの混合物を調製する方法であって、前記方法が、第3級ブチル 4−オキソアゼパン−1−カルボキシレートをN−[第3級ブトキシ(ジメチルアミノ)メチル]−N,N−ジメチルアミンと反応させることを含む、方法。
【請求項76】
第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートと第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレートの混合物を調製する方法であって、前記方法が、2−シアノエタンチオアミド及びピペリジン酢酸塩の存在下で、第3級ブチル(4E)−4−(ヒドロキシメチレン)−5−オキソアゼパン−1−カルボキシレートと第3級ブチル(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−4−オキソアゼパン−1−カルボキシレートの混合物を反応させることを含む、方法。
【請求項77】
第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,6,8,9−ヘキサヒドロ−7H−ピリド[2,3−d]アゼピン−7−カルボキシレートを2−クロロ−N−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル)アセタミドと反応させることを含む、3−アミノ−7−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを調製する方法。
【請求項78】
3−アミノ−7−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドをHClと反応させることを含む、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−7,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを調製する方法。
【請求項79】
第3級ブチル 3−シアノ−2−チオキソ−1,2,5,7,8,9−ヘキサヒドロ−6H−ピリド[3,2−c]アゼピン−6−カルボキシレートを2−クロロ−N−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾ−ル−2−イル)アセタミドと反応させることを含む、3−アミノ−6−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを調製する方法。
【請求項80】
3−アミノ−6−第3級ブチルオキシカルボニル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドをHClと反応させることを含む、3−アミノ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−チア−6,10−ジアザ−シクロヘプタ[f]インデン−2−カルボン酸(5−フェニル−[1,3,4]チアジアゾ−ル−2−イル)−アミドを調製する方法。

【公表番号】特表2012−519174(P2012−519174A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552100(P2011−552100)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/025183
【国際公開番号】WO2010/099166
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(509322904)シガ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】