説明

データ収集装置

【課題】 データ収集装置の盗難防止機能を向上する。
【解決手段】 操作パネルを覆い隠すように設置した開閉自在なドア40の開閉動作を検知する開閉ドアセンサ39と、開閉ドアセンサ39が検知した開閉データを記憶するデータ記憶部35と、データ記憶部35が記憶した開閉履歴を表示するデータ表示部36を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ収集装置に係り、特に、屋外の環境情報を収集するデータ収集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、さまざまな分野で情報通信技術を応用している。たとえば、データ収集システムでは、遠隔地に、周囲の環境情報を収集するデータ収集装置を設置し、電気通信回線を経由することで、自宅で、収集したデータを閲覧することができるようになった。具体的には、遠隔地にある農地または農場に、農作物の生育環境に関したデータ(以降、環境データと略記)を収集するデータ収集装置を設置し、電気通信回線を経由することで、自宅で、農作物の生育情報を閲覧することができる下記の特許文献1または2に記載のデータ収集システムが公知である。
【特許文献1】特開2006− 42721号公報
【特許文献2】特開2006−105745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようなデータ収集システムは、データ収集装置を遠隔地に設置するので、不審者による盗難の危険がある。この対策として、特許文献2に記載のデータ収集装置では、内蔵のカメラを用いて不審者を探知している。しかし、上記の対策では、不審者が防犯カメラの存在を認識して映らないような処置を講じた場合には効果がない。
【0004】
以上にかんがみて、本発明は、盗難防止機能が向上したデータ収集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1にあっては、上記の課題を解決するために、操作部を覆い隠すように設置した開閉自在な開閉構造部の開閉動作を検知する検知手段と、この検知手段が検知した開閉動作に関したデータ(以降、開閉データと略記)を記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶した開閉履歴を表示する表示手段とを有する。
【0006】
請求項2にあっては、上記の課題を解決するために、上記の記憶手段が記憶した開閉履歴に基づいて所定の間隔で開閉回数を演算する演算手段と、この演算手段が演算した開閉回数が所定数を超えると所定の警報を表示する表示手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、データ収集装置の操作部を覆い隠す開閉構造部の開閉履歴を表示する。したがって、操作部での不審者の入力操作を把握することができるため、データ収集装置の盗難機能が向上する。
【0008】
請求項2の発明によれば、データ収集装置の操作部を覆い隠す開閉構造部の開閉回数が所定数を超えると所定の警報を表示する。したがって、この操作部で入力操作を試みた不審者の存在を知ることができるため、データ収集装置の盗難機能が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る、農作物育成支援システム1の全体構成を示すブロック図である。農作物育成支援システム1は、遠隔地にある農地または農場に設置したデータ収集装置3と、電気通信回線5に接続することができる場所に設置した集計解析サーバ・コンピュータ4(以降、集計解析サーバ4と略記)と、農地または農場の管理者が利用することができる場所に設置したクライアント・コンピュータ2(以降、クライアント端末2と略記)とを構成要素としている。なお、データ収集装置3と、集計解析サーバ4と、クライアント端末2とは、電気通信回線5を経由して相互に通信している。また、データ収集装置3は、所定のアクセスポイント(図示しない)を経由して電気通信回線に接続している。以下、各構成要素について説明する。
【0011】
データ収集装置3は、環境データを収集して集計解析サーバ4へ送信する。また、データ収集装置3は、環境データをクライアント端末2に提供する。なお、データ収集装置3については、のちほど、さらに詳しく説明する。
【0012】
集計解析サーバ4は、データ収集装置3が収集した環境データを受信して、管理者ごとに所定の形式で集計する。また、集計解析サーバ4は、所定の方式のもとに環境データを解析する。この解析によって、集計解析サーバ4は、農作物に関した生育情報を抽出してクライアント端末2に提供する。なお、集計解析サーバ4は、ワークステーションなどの、はん用情報処理装置を用いている。
【0013】
クライアント端末2は、データ収集装置3が収集した環境データまたは集計解析サーバ4が抽出した生育情報を読み込んで表示または保存する。また、クライアント端末2は、データ収集装置3または集計解析サーバ4を遠隔制御する。なお、クライアント端末2は、パーソナル・コンピュータまたは携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの、はん用情報処理装置を用いている。
【0014】
以上の構成要素によって、農作物育成支援システム1は、遠隔地にある農地または農場での環境データを収集して集計または解析し、農地または農場の管理者に生育情報を提供する。
【0015】
図2は、データ収集装置3の外観を示す斜視図である。データ収集装置3は、本体ユニット30を主体とし、支柱30aが本体ユニット30から独立して存在している。なお、支柱30aには、カメラ・ユニット6または温度・湿度センサ7が上部に設置してある。
【0016】
図3は、本体ユニット30の主体構成を機能別に示したブロック図である。本体ユニット30は、内部に設置した、センサ・インタフェース部31(以降、センサI/F部31と略記)と、データ収集部32と、データ演算部33と、データ制御部34と、データ記憶部35と、無線通信制御部37と、無線通信部38と、本体ハウジングに設置したデータ表示部36とを構成要素としている。以下、各構成要素について説明する。
【0017】
センサI/F部31は、センサとデータ収集部32との間での通信を制御する。
【0018】
センサは、環境データを検出してデータ収集部32へ出力する。具体的には、温度・湿度センサ70または土壌温度センサ71、土壌水分センサ72、土壌ECセンサ73、日射量センサ74、CO2センサ75を用いている。温度・湿度センサ70は、空気の温度または湿度を検出する。具体的には、温度検出に白金測温度抵抗体型を、湿度検出に静電容量式高分子ポリマ型を用いている。土壌温度度センサ71は、農地または農場の土壌温度度を検出する。土壌水分センサ72は、農地または農場の度胸水分を検出する。具体的には、電気抵抗型を用いている。土壌ECセンサ73は、農地または農場の土壌中に含む肥料の含有傾向を検出する。具体的には、電気伝導度を用いている。日射量センサ74は、地表面上の全天日射量を検出する。具体的には、熱電対型を用いている。CO2センサ75は、空気中のCO2濃度を検出する。具体的には、固体高分子型を用いている。
【0019】
データ収集部32は、センサが検出した環境データを所定の周期で自動的に収集して、取得日時とともにデータ演算部33へ出力する。
【0020】
データ演算部33は、データ収集部32が収集した環境データを所定の形式に変換してデータ制御部34へ出力する。
【0021】
データ制御部34は、データ演算部33が変換した環境データを、データ記憶部35に記憶させ、データ表示部36に表示させる。また、データ制御部34は、カメラ・ユニット6に、農作物の生育に関した画像(以降、生育画像と略記)を撮像させ、データ記憶部35に記憶させる。さらに、データ制御部34は、無線通信制御部37の要求に応じて、データ記憶部35が記憶した環境データまたは生育画像を読み込んで無線通信制御部37へ出力する。
【0022】
カメラ・ユニット6は、生育画像を撮像する。具体的には、CCD型またはC−MOS型のイメージ・センサが内蔵したカメラ60を備えている。
【0023】
データ記憶部35は、データ制御部34の指示で、データ演算部33が変換した環境データまたはカメラ・ユニット6が撮像した生育画像を所定の方式のもとで記憶する。具体的には、外部メモリを用いている。
【0024】
無線通信制御部37は、データ記憶部35の所定範囲をデータ制御部34に要求し、取得した環境データまたは生育画像を集計解析サーバ4へ送信する。具体的には、集計解析サーバ4に未送信の環境データまたは生育画像などを、データ制御部34に要求して送信する。また、無線通信制御部37は、クライアント端末2からの要求に応じて、データ記憶部35の指定範囲をデータ制御部34に要求し、取得した環境データまたは生育画像をクライアント端末2へ送信する。
【0025】
無線通信部38は、無線通信制御部37と所定のアクセス・ポイント(図示しない)との間での通信を制御する。具体的には、アンテナを用いている。
【0026】
データ表示部36は、データ制御部34の指示で、データ演算部33が変換した環境データまたはカメラ・ユニット6が撮像した生育画像を表示する。具体的には、液晶ディスプレイを用いている。
【0027】
以上の構成によって、データ収集装置3は、遠隔地にある農地または農場で、環境データまたは生育画像を収集して集計解析サーバ4へ送信する。
【0028】
本発明を適用した本体ユニットは、上記の構成要素に加え、本体ハウジングに設置したドア開閉センサ39を備える。以下、各構成要素について説明する。
【0029】
ドア開閉センサ39は、ドア40の開閉動作を検知してデータ収集部32へ出力する。
【0030】
センサI/F部31は、ドア開閉センサ39とデータ収集部32との間での通信を制御する。
【0031】
データ収集部32は、ドア開閉センサ39が検出した開閉データを所定の周期で自動的に収集して、取得日時とともにデータ演算部33へ出力する。
【0032】
データ演算部33は、データ収集部32が収集した開閉データを所定の形式に変換してデータ制御部34へ出力する。また、データ制御部34の指示で、データ演算部33は、データ記憶部35が記憶した開閉履歴を所定の間隔で開閉回数を演算する。
【0033】
データ制御部34は、データ演算部33が変換した開閉データを、ドア40が開または閉動作するごとに、データ記憶部35に記憶させる。この指示によって、ドア40の開閉履歴を生成する。データ制御部34は、また、データ記憶部35が記憶した開閉履歴をデータ表示部36に表示させる。さらに、データ制御部34は、データ記憶部35が記憶した開閉履歴を読み込んでデータ演算部33へ出力し、データ演算部33に所定の時間間隔で開閉回数を演算させる。
【0034】
上記の開閉回数が所定数を超えると、データ制御部34は、データ表示部36に所定の警報を表示させる。
【0035】
データ記憶部35は、データ制御部34の指示で、データ演算部33が変換した開閉データを所定の方式のもとに記憶する。この記憶によって、開閉データは、ドア40の開閉履歴となる。換言すれば、操作パネルの操作履歴である。
【0036】
データ表示部36は、データ制御部34の指示で、データ記憶部35が記憶した開閉履歴を所定の形式で表示する。具体的には、図5に示すように、開閉日時または開閉状態などを表示している。データ表示部36は、また、データ制御部34の指示で、データ演算部33が算出した開閉回数が所定数を超えると所定の警報を表示する。
【0037】
図4は、ドア40の開閉回数が所定数を越えた場合の警報処理を示すフローチャートである。警報処理は、所定の期間内におけるドア40の開閉回数が所定数を超えた場合に、データ制御部34の指示で、データ記憶部35が記憶した開閉履歴をデータ表示部が表示する。以下、警報処理の流れを説明する。
【0038】
ステップS1において、データ制御部34は、ドア40が「開閉したか」を判断して、「開閉した」と判断するとステップS2へ移行し、「開閉してない」と判断するとステップS1へ戻す。
【0039】
ステップS2において、データ制御部34は、データ演算部33に時間計測を開始させ、ステップS3へ移行する。
【0040】
ステップS3において、データ制御部34は、時間計測を開始してからの時間が所定の時間を「経過したか」を判断して、「経過してない」と判断するとステップS4へ移行し、「経過した」と判断するとステップS1へ戻す。
【0041】
ステップS4において、データ制御部34は、ドア40が「開閉したか」を判断して、「開閉した」と判断するとステップS5へ移行し、「開閉してない」と判断するとステップS3へ戻す。
【0042】
ステップS5において、データ制御部34は、データ演算部33に開閉回数をカウントアップさせ、ステップS6へ移行する。
【0043】
ステップS6において、データ制御部34は、開閉回数が所定数を「超えたか」を判断して、「超えた」と判断するとステップS7へ移行し、「超えてない」と判断するとステップS3へ戻す。
【0044】
ステップS7において、データ制御部34は、データ表示部36に所定の警報を表示させ、ステップS8へ移行する。
【0045】
ステップS8において、データ制御部34は、データ演算部33に時間計測および開閉回数をリセットさせ、ステップS1へ移行する。
【0046】
図5は、データ表示部36が表示した開閉履歴の一例である。データ表示部36は、開閉日時を日時エリア36aに、この開閉日時に対応した開閉状態を状態エリア36bに表示する。また、ドアの開閉回数が所定数を越えた場合の警報表示36cは、日時エリア36aまたは状態エリア36bでの文字を反転することで表示する。
【0047】
以上の構成によって、本体ユニット30は、操作パネルのドア40での開閉履歴を表示し、開閉回数が所定数を超えると所定の警報を表示する。
【0048】
以上、本発明の最適な実施形態について説明したのだが、本発明は、上記の実施形態に限らず、要旨を逸脱しない範囲でさまざまな改変を施すことができる。また、この実施形態は、農作物育成支援システムでのデータ収集装置の適用事例であったのだけれども、農作物育成支援システムに限らず、広く一般の、屋外の環境情報を収集するデータ収集装置に適用することができる。
【0049】
なお、「課題を解決するための手段」では、操作パネルの開閉自在なドア40が開閉構造部に、ドア開閉センサ39が検知手段に、データ記憶部35が記憶手段に、データ表示部36が表示手段に、データ演算部33が演算手段にそれぞれ対応する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るデータ収集装置を備えた農作物育成支援システムの、全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用したデータ収集装置の、外観を示す斜視図である。
【図3】データ収集装置における本体ユニットの主体構成を機能別に示したブロック図である。
【図4】本体ユニットにおけるドアの開閉回数が所定数を越えた場合の警報処理を示すフローチャートである。
【図5】本体ユニットのデータ表示部が表示した開閉履歴の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 農作物育成支援システム
2 クライアント端末
3 データ収集装置
4 集計解析サーバ
5 電気通信回線
6 カメラ・ユニット
7 温度・湿度センサ
30 本体ユニット
30a 支柱
31 センサI/F部
32 データ収集部
33 データ演算部
34 データ制御部
35 データ記憶部
36 データ表示部
36a 日時エリア
36b 状態エリア
36c 警報表示
37 無線通信制御部
38 無線通信部
39 ドア開閉センサ
40 ドア
60 カメラ
70 温度・湿度センサ
71 土壌温度センサ
72 土壌水分センサ
73 土壌ECセンサ
74 日射量センサ
75 CO2センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を覆い隠すように設置した開閉自在な開閉構造部を有し、屋外の環境情報を収集するデータ収集装置において、
前記開閉構造部の開閉動作を検知する検知手段と、
該検知手段が検知した開閉データを記憶する記憶手段と、
該記憶手段が記憶した開閉履歴を表示する表示手段と
を有することを特徴とするデータ収集装置。
【請求項2】
前記記憶手段が記憶した開閉履歴に基づいて所定の間隔で開閉回数を演算する演算手段と、
該演算手段が演算した開閉回数が所定数を超えると所定の警報を表示する表示手段と
を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ収集装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−304199(P2008−304199A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148948(P2007−148948)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】