説明

データ受信装置

【課題】提供する情報本体に制御情報を付加したものを提供情報に加え、提供情報の利用促進などの制御が可能なデータ受信装置を提供する。
【解決手段】映像・画像・音声等を含むマルチメディアディジタル情報を通信放送手段を用いて利用者に提供する送受信システムにおいて、データ受信装置をネットワークに接続し、通信放送手段によって提供される情報本体と付属データとから構成された情報単位を受信させる。これにより、通信接続部を介して情報提供者からデータ送信された情報は利用管理部により付属データの内容がチェックされ、その付属データにしたがって情報利用部に指示が送られ、情報が利用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は著作権等の設定されたマルチメディアディジタル情報を、放送通信網を介して利用者に提供し、著作権等の権利の保護や提供情報の保護を図りつつ、利用者に多様な情報提供形態を可能にする情報の形式と制御方式を持ったデータ受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、放送通信網を介して各種の情報サービスが提供され利用され始めている。例えば電話回線網を使ったファックス情報サービスや、CATV網を使った映像サービス、コンピュータネットワークによるインタネットサービス等々がある。これらの情報サービスから成るデータは、利用者と情報提供者の間で情報提供と利用の契約行為が終了すると、提供すべき情報はほとんど生のままの形態で情報本体だけをデータとして送付し、著作権の保護や情報の保護はかなりの部分利用者の良識に依存している。情報提供と利用の契約行為と、著作権の保護や情報の保護と、情報本体の利用がそれぞれ独立して存在しているために高度な情報サービスに向けていろいろな問題を包含している(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−221751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述したように、従来の情報サービスでは情報サービスの契約行為から情報提供、情報利用にいたるプロセスが統合的構造的に行われていないために、利用者が厳密に管理できないことや、不正利用や不正コピーを含めた提供情報の利用管理が正しく行なえないこと、提供者側から提供した情報の保全を含めて管理監視や制御ができないこと、提供情報が制御できないこと等の問題があった。
【0004】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、提供する情報本体に加えて制御情報を付加したものを提供情報に加えて送信データとすることで、提供される情報の利用促進或いは不正利用や不正コピーの阻止などの制御を可能にすることができるデータ受信装置を提供することである。
【0005】
本発明の第2の目的は、提供される情報についての厳密な利用者管理を可能にし、提供した情報本体の利用管理が正しく行なうことができるデータ受信装置を提供することである。
【0006】
本発明の第3の目的は、情報の提供者が利用者に提供した情報を管理し制御できるデータ受信装置を提供することである。
【0007】
本発明の第4の目的は、情報利用者としての立場にある者が情報提供者になり得るような、多様な情報本体のプレゼンテーションが行なえるようにしたデータ受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の目的を達成するために、映像・画像・音声等を含むマルチメディアディジタル情報を通信放送手段を用いて利用者に提供するデータ送受信システムにおいて、データ受信装置を、情報本体と付属データを受信する通信接続部と、前記情報本体を利用者に提供する情報利用部と、利用者による前記情報本体の提供を、前記付属データに基づいて前記情報利用部に指示する利用管理部とで構成したことを要旨とする。
【0009】
かかる構成により、通信接続部を介して情報提供者からデータ送信された情報は利用管理部により付属データの内容がチェックされ、その付属データにしたがって、情報利用部に指示が送られ、情報が利用される。
【0010】
本発明では、前記のようなデータ受信装置において、前記通信接続部により受信した前記情報本体を蓄積する記憶装置或いはファイル装置と、前記情報利用部を介して送られた前記情報本体の利用メディアとしての端末周辺機部とをさらに備えたことを要旨とする。
【0011】
かかる構成により、通信接続部を介して情報提供者からデータ送信された情報は、ファイルとして格納が許されているか否かがチェックされ、格納が許されてない場合には情報本体を制御するための付属データのみを記憶装置に格納する。本体情報領域および付加データに引き続いて転送されてくる情報本体部は、記憶装置或いはファイル装置に格納される事なく、情報利用部を介して端末周辺機部に送られオンラインリアルタイム利用やインタラクティブな利用または情報のプレイバック等のかたちで利用者に提供される。この場合、情報の利用形態は、記憶装置に格納された付属データで規定され、その規定に基づいて利用管理部・情報利用部・端末周辺機部が正しく情報提供を制御する。
【0012】
また、付属データは各種の情報を含んでいる。その第1に、少なくとも前記情報本体の暗号化の有無、暗号化方式、暗号鍵を記述した暗号化情報のいずれかを含む。第2に、情報本体を利用できる生存期間を規定した生存期間情報を含む。第3に、情報本体の種類を記述した情報種情報を含む。第4に、情報本体を外部ネットワークに転送して良いか否かの指定情報を含む。第5に、情報本体をプリントアウトすることを許可するか否かを規定するプリントアウト情報を含む。第6に、情報本体を利用できる人を規定した利用者情報を含む。第7に、情報本体の改ざんを防止するための改ざん防止情報を含む。第8に、情報本体の著作権主張の有無を示す著作権情報を含む。
【0013】
付属データが上述のような各種情報を含むことにより、他人による盗聴や改ざんを防止でき、また正規の利用者に対しては所定の期間についての情報の利用が許可され、また、プリントアウトなどのサービスを受けることが可能となる。
【0014】
本発明において利用管理部は、入力された利用者IDが前記利用者情報と一致した場合にのみ、前記情報本体を利用できるように前記所利用部を制御し、或いは、改ざんを検出した場合は、前記改ざんされた情報本体及びその付属データを無効とする機能を有する。
【0015】
したがって、本発明によれば、決められた利用者のみが情報を利用できるようにし、また、利用者の利用目的や利用形態が情報提供者規定の条件に合致しているかどうかをチェックするためにデータ受信装置全体を制御して、正しい利用である場合にはファイル装置から情報本体部を順次読み出し、情報利用部を経由して端末周辺機部で利用者に情報提供する。
【0016】
利用管理部はまた、情報形態や暗号化の有無、利用ログの必要の有無、利用者認証、利用目的に関するチェックと制御、情報の生存性と情報廃棄条件のチェック、利用時のログ管理、情報改ざん検出などの管理と制御を行い、条件が合致しない不正利用等の場合には情報利用部に情報提供禁止の指示を出す。また、情報利用部は、利用管理部の管理下で機能し暗号化情報の復号化処理、映像情報や音声情報等の情報の種類に応じた再生制御、画質等の情報利用レベルに応じた情報変換、複数領域の情報合成やスーパーインポーズ処理等を行なう。また端末制御およびプリントアウト時やコピー時の機器制御と情報変換を行なう。
【0017】
本発明はまた、著作権情報を管理する著作権情報管理部をさらに備えることを要旨とする。このため、前記著作権情報管理部は前記著作権情報に基づいて、前記情報利用部を制御することにより、著作権や肖像権などを侵害するような利用方法がなされていないかを利用条件に合致させて検証し、必要に応じて利用の規制、或いは課金などの処理を行なう。
【0018】
また、前記データ受信装置には、端末周辺機部とファイル装置との間に接続された情報生成部をさらに備えることができ、この情報生成部により、付加データを持たないオリジナルな原情報に対して、前記情報生成部において領域付加データ列の枠組みを自動的に生成し、記憶装置に付加データ付きの新たな一つの情報サービス単位の提供可能な情報枠組みを作成するようにすることができる。情報生成部は、本システムで扱われると同等の情報形式を生成し、本処理装置の利用者自らが情報提供者として情報生成部で作成した情報をネットワークを通じて他者に送信することができようにする。さらにこの場合において、情報のコピーや改ざんを禁じたり、利用者を制限したり、暗号化によって情報の安全を図ったりすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、利用者に提供されるひとかたまりの情報の利用の仕方を管理し、それぞれの情報が決められた利用者により、且つ適切な利用形態により利用することができる。
【0020】
本発明によれば、利用者に提供されるひとかたまりの情報が多数の著作権者の情報から構成でき、その情報は多数の領域に、異なった著作権情報と処理を持って分割され、しかも各領域ごとに異なった利用条件設定を行うことができるようにしたので利用者の利用状況に応じた情報の提供、或いは課金処理を行うことができる。
【0021】
また、情報提供者による提供情報の管理が可能であり、提供した情報に関して利用状況管理、不正利用管理(防止或いは検出)、情報保全等々の運用管理がなされるため安心して情報の提供が可能になり、細かな利用者指定、部分的なコピーやプリントアウトの禁止や許可、部分毎の方式の設定、利用する情報品質に応じた情報の提供、利用期限設定の情報サービス、利用回数制の情報サービス等々情報提供者や利用者の便に応じた多様なサービス形態が可能である。
【0022】
さらに、末端の情報利用者までもが情報の提供者になることができ、自らが持ち、或いは作成した情報に利用条件を付けてネットワークを通じて情報を提供することができるというように、多彩なデータ受信が行なえるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態のデータ受信装置の構成を示す図である。このデータ受信装置は、図1に示すように、情報が提供されるネットワークN等の外界に接続された通信接続部2と、データ受信装置全体の動作をコントロールする制御部3と、提供された情報のどの分割領域を利用しているかをリアルタイムに管理し制御する領域管理部4と、著作権にかかわる情報の管理や制御を司る著作権情報管理部5と、提供された情報の運用や正しい利用を管理制御する利用管理部6と、通信接続部を介して提供された情報を蓄積する記憶装置7およびファイル装置8と、利用者が情報を利用する場合に情報本体の管理制御を行う情報利用部9と、情報利用部から提供される情報を利用者に提示する端末周辺機部10とで構成されている。ネットワークNとしては、電話回線、ファクシミリ回線、データ回線、インターネット、LAN、衛星放送など各種のデータ伝送用の放送通信回線がある。制御部3にはCPUが用いられ、各種データ受信が行なえるよう種々のプログラムおよびマイクロプロセッサが組み込まれている。端末周辺機部10はキーボードおよびディスプレイを備えて指令の入力およびデータの出力、表示を行なうことができるCRTディスプレイ端末やパーソナルコンピュータ、ワークステーション、或いはその他のプリンタ等の機器が使用され、本実施の形態におけるデータ受信装置の中では操作・表示出力手段としての機能を有している。
【0024】
図2は情報提供者から提供される一つの情報サービス単位20の構成を示したもので、外部から提供される分割された本体情報領域(1)27から本体情報領域(N)28までのN個の領域から構成される情報本体24と、それぞれの本体情報領域に対応する領域付加データ(1)25から領域付加データ(N)26のN個の領域付加データで構成される付加データ23と、付加データ23のアドレスポインタを持った領域データ22と、情報本体24の全体の属性を示す属性データ21とから構成されている。
【0025】
図3は、図2の領域データ22の構成を示したものである。領域データ(1)30から領域データ(N)31のN個で構成される領域データのそれぞれ32は、対応する領域付加データの開始アドレスポインタ33と終了アドレスポインタ34と、接続情報(1)35から接続情報(k)36までのk個の接続情報を持っている。
【0026】
図4は、図2における付加データ23を構成する領域付加データ(1)25から領域付加データ(N)26のN個のそれぞれの領域付加データについて、i番目の領域付加データ40を例にとって詳細機能41〜68の構成を示したものである。
【0027】
次に本実施の形態の動作を説明する。ネットワークに接続された通信接続部2を経由して情報提供者から送られてくる一つの情報サービス単位としての情報のうち、属性データ21と領域データ22と付加データ23は記憶装置7に取り込まれる。属性データ21には情報本体24を記憶装置に格納して良いか否かが記されていて、格納が許されている場合には付加データ23に引き続いて送られてくる情報本体24を含める全情報を記憶装置7またはファイル装置8に格納する。格納が許されてない場合には、情報利用は実時間でのたれながし型の利用になるので、情報本体24は通信接続部2から直接情報利用部9に転送される。制御部3と領域管理部4は転送されてくる情報本体と記憶装置7に格納された領域データ22および付加データ23を監視しながら実行中の情報本体の領域を実時間で把握し、該当する付加データ23のうちの領域付加データを特定する。制御部3と著作権情報管理部5と利用管理部6は、前記特定された領域付加データ40を参照し、詳細機能41〜68にしたがって情報利用部9に転送されてくる情報本体24の情報を制御しながら端末周辺機部10に情報を転送し、利用者に情報サービスを実施する。
【0028】
記憶装置に格納が許されている場合には、いったん記憶装置またはファイル装置に全情報が格納された後、利用者が利用する場合に制御部3の指示により属性データ21と領域データ22と付加データ23が記憶装置7にロードされる。制御部3と領域管理部4の管理の下でファイル装置から呼び出された情報本体24は情報利用部9に順次転送されてゆくが、以降の動作は前述の場合と同等である。ただしこの場合には蓄積型の情報利用が可能であるので、情報提供のシーケンスは自由に制御可能である。領域データ32の中の接続情報35は、現在実行中の領域の次に実行される領域を指定するもので、この実行順にしたがって情報本体のプレイバック等の実行が進行して行く。一つの領域データ32のなかに複数個(本実施の形態ではk個)の接続情報をもつので、情報本体についてk通りの実行シーケンスの設定が可能である。この機能によって例えば情報本体が映画の場合にはデモ用に切り出すシーンを分割設定し、これらの分割領域をj番目の接続情報で結んでデモシーケンスを作っておけば、利用者にj番目の接続シーケンスを選択させることで、有償提供の映画であってもデモだけは無償でPRとして提供することができる。なお、情報本体が教育を対象とする学習ドリル等の場合には、生徒の能力レベルに応じて上級から初級までn通りのコースを設けこれを接続情報シーケンスとしてプログラムしておくことで、学習中に内容が理解できない部分があれば、その時点で生徒がコースを初級側のコースに移せば詳細な説明や学習を受けることができるといった効果的なドリルが1つの情報本体から作成提供できる。
【0029】
次に領域付加データ40が持つ機能と動作について説明する。領域付加データ40は要素機能情報として本体情報領域(i)開始アドレス41からその他補助情報68で構成される。この現在実行中の領域の領域付加データは記憶装置7にあって、領域にかかわる要素機能情報は領域管理部4で、著作権にかかわる要素機能情報は著作権情報管理部5で、情報利用にかかわる要素機能情報は利用管理部6でそれぞれ解釈され管理され制御される。本体情報領域(i)開始アドレス41と同終了アドレス42は、情報本体24のi番目の本体情報領域を示していて、この領域に対して以下の要素機能情報が適用される。
【0030】
利用モード情報43は、該領域の情報利用が有償か無償かを規定するもので、有償の場合には著作権情報44と所有権情報・利用権情報45と課金情報55を参照しながら課金処理を行う。著作権情報44は、該領域の関係する複数のすべての著作権および著作者情報が含まれ、著作権利処理を行う場合に参照される。所有権・利用権情報45は、該領域の関係する複数のすべての所有権と所有権者情報および利用権と利用権者情報が記載され、所有権処理や利用権処理を行う場合に参照される。肖像権情報46は、該領域の関係する肖像権の処理に必要な情報が含まれ、肖像権に伴う権利処理時に参照される。存在形態情報47は、該領域の情報本体が利用者に販売したものか、利用者がコピーをした複製物か、情報提供者等からの貸与品か、それとも利用者自らが作成した自作物なのかを規定する。所有権・利用権情報45と連携して、利用者が所有権を含めて買い取ったものか、利用権だけを買い取ったものかが定義される。利用条件等があらためて規定されてない場合にはこの情報の存在形態によって社会的な常識の範囲内での利用が許される。例えば私的利用におけるシリアルコピーマネジメントの適用等である。自作物の規定は、ネットワーク社会においては社会の全員が情報の発信者であり情報提供者になることから、利用者が自ら情報を生成する過程で編集改ざん等の自由度を確保するためで、第三者にこの情報を提供する場合には当然ながら自作物の項目は削除されて転送される。
【0031】
暗号化情報48は、該領域の本体情報の暗号化の有無の指定と、暗号化されている場合には暗号方式、暗号鍵等の情報が記載されている。領域ごとに暗号方式や鍵を変えることができるので、重要度によって暗号化レベルを変えたり、著作権者や情報提供者が自らの暗号を用いることができる。この暗号化情報48は情報利用部9に転送され本体情報の復号化を行なう場合に利用される。廃棄処理情報49は、該領域の情報が不用になった場合の廃棄処理を規定したものである。廃棄処理が発生するのは、廃棄指示があった場合と、生存期間情報54で規定した情報の利用期限を過ぎた場合および利用者による不正利用があった場合である。廃棄処理は情報が存在した領域に意味のない情報を再書き込みし痕跡なく消去する。廃棄処理情報49の中で情報返却指定があれば、廃棄に先立って情報を提供元に送り返す。返送の目的は情報改ざんが無かったことの確認や利用状況の取得である。廃棄処理情報49の中で廃棄通知指定があれば、廃棄後情報の提供元に廃棄の通知がなされる。
【0032】
利用ログ情報50は、該領域の情報が利用された場合に利用状況のログを取るか否かの指定と通知先の指定をするものであり、指定がある場合には利用者・利用年月日・利用時刻・利用時間・利用目的のログをその他補助情報68の領域に記録する。このログ記録は課金の確認や情報提供者のマーケティング情報として、また利用確認情報として、著作権者や情報提供者や利用者に提供することを目的とする。また不正アクセス等が発生した場合のログも取られる。利用情報通知51は、該領域の情報が利用された場合に著作権者と情報提供者と利用者に利用通知を発行するかどうかと、通知発行のタイミングを指定する。例えば月末通知の指定があれば前記利用ログ情報をもとに毎月末に月間の利用状況が通知される。こうした利用状況を通知するシステムにすることで、不正利用や不正アクセスも未然に防止することができる。
【0033】
利用空間規定52は、該情報が利用できる空間を規定するものである。空間指定としては利用できる端末の機器番号指定、サーバネームの指定、ネットワークネームの指定、GPS情報による位置情報、ネットワークアドレスによる位置情報、電話番号による地域情報、住所による地域情報等を用いて利用者の利用位置を特定し規定した空間外の場合には情報の利用を許可しない。これによって遠隔地から情報を利用したり不正にアクセスできないようにし情報保全のセキュリティを確保する。たとえば家庭内情報の外部流出防止やプライバシ情報の外部流出防止等にも利用できる。従来のネットワークシステムは企業や組織に閉じたネットワークであったため外部からの侵入に対するセキュリティに関してそれほど配慮する必要がなかったが、高度情報社会の時代にはネットワークはオープンが前提であり、不正侵入や不正アクセスにたいするガードを強化する必要がある。利用空間規定による情報の保護はそうした目的に対する提案である。
【0034】
情報レベル53は、音の場合にはビット数で代表される音質、映像の場合には分解能やアスペクト比で代表される映像品質についての規定である。提供情報のソースを製作するときにはできるだけ高い品質で製作し、ネットワーク配信して提供する場合には提供品質に応じて課金したり、ネットワーク配信時の提供は高品質で提供しておいて利用者が利用時に利用する端末の品質レベルに応じて課金するといった品質課金制を実現するものである。ハイビジョンの大型ホームシアタで情報利用する場合には高く、机上で小型の映像機器をメディアとして利用する場合には同じ情報であっても安く課金するといったことができる。情報品質の制御は、利用する端末周辺機部10がどのような情報レベルかを制御部3で認識し、利用管理部6でそれにしたがった情報レベルの制御情報を情報レベル53から選び出して、該制御情報を情報利用部9に渡して情報利用部9で情報品質の変換を行なう。
【0035】
生存期間情報54は、該領域の本体情報を利用者のシステムでいつまで利用可能な状態にしておくかを規定する。規定は一回だけの利用、N回の利用、いつからいつまでといった期間指定、情報提供者から指示あるまで利用可能、永久に利用可能、利用者が廃棄処理するまで有効といった指定ができる。指定した条件が終了すると、廃棄処理が行われ情報本体は失われる。従来の情報サービスシステムでは、利用者サイドに送りこんだ情報はいっさい情報提供者の手を離れ制御も管理も不能であった。このために重要情報の提供やコストのかかった情報を利用者に渡してしまうことはできなかったが、本提案の生存期間情報によって情報利用と情報回収が正しく行われれば、新しい情報サービスの提供が可能になる。例えば、レンタルビデオを借りてくるように、ネットワークを通してある映画を日借りし、規定の日数が過ぎれば自動的に廃棄消滅するサービスや、やはり映画のネットワーク提供で見たい家族が3人いる場合に、廃棄処理情報49と利用ログ情報50と生存期間情報54を併用設定することで、3回利用するまでは期限に関係なく利用可能な利用回数制の情報サービス等の実現が可能である。
【0036】
課金情報55は、課金に関する規定で、課金の対象内容毎の課金方法や利用金額、支払い先や支払い方法についての詳細が定義される。著作権情報管理部5において本課金情報55を参照しながら課金処理が行われる。従来のネットワーク情報サービスでは、映画一本いくらとか、ドキュメント情報1セットでいくらといった大まかな課金しかできなかったが、本発明によれば課金は領域単位に課金対象内容毎に設定が可能であるため、例えば映画のあるシーンのテーマミュージックだけを音コピーするといくらとか、ドキュメント情報サービスの特定のページの中の表や図だけのプリントアウトを取るといくらとかいったきめ細かな課金サービスが実現できる。また、領域によって著作権者や情報提供者が異なり課金方法や金額がちがう場合も、権利者毎の課金サービスが自由に行える。
【0037】
利用者情報56は、利用者を規定する。提供した情報利用に関して厳密な利用者管理をしたい場合に情報の利用者が情報提供申し込み時に利用者を登録するか情報提供者が利用者を特定して情報サービスをすれば、利用者情報56で利用者が規定されて情報提供される。利用者情報56は利用管理部6で参照管理され制御情報が情報利用部9に送られて領域レベルの利用者管理がなされる。これは例えば銀行が顧客にPR等を含めた銀行便りを毎月送る場合に、その家庭全員の預金残高を同時に配信し、家族それぞれの残高表をそれぞれ一つの領域として本人の利用者規定を利用者情報56で指定しておけば、同一の銀行便りをそれぞれの家族が見ても預金残高表については自分の残高表以外は見ることができないといったサービスが可能である。また生存期間情報54で一回利用後廃棄の指定をしておけば、本人が見たあとは自分の預金残高表は廃棄される等の機能が付与できるので機密保持上安心できる。この領域レベルの利用者規定によって同一情報を多数の利用者に提供しながら利用者個人の機密保持を計ったサービスが可能である。
【0038】
利用条件情報57は、該領域の情報を利用する場合に、あらかじめ利用できる条件を設定しておけば、条件に合致しない場合には情報利用を禁止することができる。この利用条件情報57の設定のしかたは二通りあって、一つは情報提供者があらかじめ設定して提供する場合と、もう一つは利用者システムに格納する場合に利用者が利用条件をつける場合である。この使用条件情報57は利用管理部6で参照管理され、制御情報が情報利用部9に与えられて情報提供制御を行なう。前者の情報提供者が利用条件を付与する場合の一つの例は、例えば映画の情報サービスにおいてセックスや暴力シーン等若年者に見せたくないシーンには一つの領域設定をして、該領域に利用条件としてアダルト指定をしておくことで20才以下の利用者がその映画を見る場合には問題のシーンはスキップされてプレイバックされる。後者の利用者がインストールする場合に利用条件を付ける一例としては、子供が夢中になるゲームの情報サービス等で利用可能な条件として例えば土曜日曜の午後1時から6時までといった使用を許可する時間を親が指定しておく使い方で、子供が際限なくゲームに耽ることを防止することができる。本利用条件情報57は、このように情報サービスにおいてその利用を部分的に制限したり制御したりしたい場合に効果を発揮する発明である。
【0039】
コピー可否情報58は、該領域の本体情報のコピーを許すか否かを規定する。ここでコピーを禁止されると利用者は該領域の本体情報のコピーはできない。利用管理部6でコピー可否情報58が参照管理され、制御情報が情報利用部9におくられてコピーの制御をする。例えばドキュメント情報で一部に利用者にコピーをされては困る部分がある場合には、領域設定をしてコピー禁止にしておけば、利用者が全体のコピーをとっても禁止された領域の情報はコピーからはずされるといったコピーの部分制御を可能にする。コピー条件情報59は、コピー可否情報58でコピーを許した場合のコピー条件を規定する。コピー条件の一つの規定は対象とするコピー媒体に関する条件である。例えばディジタルコピーになる機器へのコピーは許さないが、アナログコピー対象の機器へのコピーは許すといった制御が可能である。コピー条件の二つ目の規定は、情報本体のコピーだけでなく領域付加データ40を付けてコピーするか否かを指定する。これによって元になった情報本体が持っていた属性をコピーした子情報にも遺伝させることができる。利用者限定や課金もコピー物に適用することができるし、ネットワークへの転送の禁止や再加工の禁止をコピー物に継承させることができる。この場合には後述の属性遺伝60と併用する。三つ目の規定はコピーできる人を規定する。利用者を規定しておくことで第三者はコピー操作ができない。四つ目の規定はコピー利用に関するもので、1回だけのコピーは許すがそれ以上の孫コピーは許さないとか、生存期間情報54や利用空間規定52や属性情報60と併用設定して、コピー物が利用できる期限を付けたり利用できる空間を規定してコピーを許すことができる。こうしたコピー条件は利用管理部6で識別管理され、制御情報が情報利用部に送られてコピー制御をする。
【0040】
属性遺伝60は、情報本体の持つ属性をコピーしたものに遺伝させるために機能する。コピー条件情報59で属性遺伝コピーが指定されると、領域付加データ40のどの項目を遺伝させ、どの項目について更新遺伝させるかを規定する。例えば著作権や課金にかかわる情報項目を遺伝させておけば、コピーしたものが利用された場合にも著作権についての権利の保護や正しい課金処理が継承されるし、コピーにかかわる情報を遺伝させておけば、コピー物に対しても正しいコピー制御がなされる。一例として子コピーまでを許すシリアルコピーマネジメントを実施する場合には、コピーに付加する領域付加データ40の存在形態情報47をコピー物に変更し、コピー可否情報58をコピー禁止にしておけば目的が達せられる。このように属性遺伝60を用いた制御によって、極めて高い自由度を持ちながら情報の保全や不正利用防止等の管理された情報サービスが可能である。情報種61は、その領域の本体情報の種類について規定したもので、文字情報・画像情報・音声情報・映像情報等の種類と情報圧縮方式等の情報再生に必要な方式についての規定である。利用管理部6において認識され、制御情報が情報利用部9に送られて本体情報の再生に利用される。領域ごとにこのような情報種制御を行うことで、いろいろな情報源から情報をもってきて、その組合せで情報本体を構築することができる。たとえばMPEG1の映像情報と、MPEG2の映像情報と、非圧縮の映像情報を混在させて本体情報を構築することができる。
【0041】
利用者確認要否情報62は、情報利用時に利用者の確認をとる必要がある場合の確認IDの記録と制御である。高いセキュリティを確保するために利用者のより高次なIDを入力させる場合や、販売契約の認証の場合に用いる。いずれの場合にも、利用管理部6は正しい入力が確認できないと次のステップには進めない制御を行なう。ネットワーク再転送の可否63は、情報サービスとして提供された情報を、利用者がネットワークに再転送できるか否かを規定制御する。転送可の指定があれば利用者がその情報本体をネットワークに再転送して良いが、転送否の指定があれば利用者はネットワークに情報を再転送することはできない。たとえばカタログやPR資料ならばできるだけ多くの人に知らしめることは好ましいことで、このような場合には再転送可の指定をすることができる。しかしながら著作権設定のされた情報等の場合には、ネットワーク上に再転送されることは禁止されねばならないから、再転送否の扱いになる。ネットワーク再転送の可否63は通信接続部2で認識制御されるから、再転送否の指定情報は通信接続部を通過できない。本体情報全体の再転送の可否を制御するだけでなく、本体情報の領域毎に指定できるから、再転送可の商品カタログの中にその利用者だけに提示する特別価格を記載してこの部分のみ再転送否にしておくことで、特別価格を第三者に知られることを防止するような制御が可能である。
【0042】
プリントアウト情報64は、プリントアウトの可否を規定する。いったん紙にプリントアウトされた情報はほかの複写機等を用いて紙から紙にコピーされることを避けられない。このために紙レベルで流通しては困る情報は、プリントアウト否の指定をする。この場合も領域指定になるので、ドキュメントの部分的なプリントアウト禁止ができる。属性遺伝60と併用することで、情報本体がコピーされてほかの媒体に移っても、その媒体でのプリントアウトが禁止され情報の安全が確保される。プリントアウト情報64は利用管理部6で認識管理され、制御情報が情報利用部9に渡されてプリントアウト制御を行なう。再加工情報65は、情報サービスとして提供された情報を利用者で加工処理してよいか否かを規定する。著作権が設定された情報にあっては情報の改ざんは権利の侵害にあたるためこれを禁止する。再加工が禁止された本体情報は許された情報利用等で正しく利用する場合を除いて単独で記憶装置にロードすることはできない。また、再加工情報65で再加工が禁止された情報が記録されたファイル装置や記憶装置の領域に他の情報を書き込むことはできない。再加工情報65は利用管理部で認識され、制御部3および領域管理部4で再加工防止の制御が行われる。
【0043】
再販情報66は、情報サービスで提供された情報を利用者が再販してよいかどうかを規定する。ネットワーク社会は末端の利用者の誰もが、自分の情報に値段を付けて情報販売ができる社会である。自作情報ではなく、他所から得た情報を第三者に容易に販売できることは防止されねばならない。このために再販情報66で再販が禁止された場合には、その領域付加データ40の内容は変更することはできないようにする。これによってこの情報の提供者が設定した利用環境や条件、課金方法、著作権情報等が変更できないため、利用者は自らの販売対象としてこの情報を利用できなくなる。他者の情報の再販といった悪質な不正利用に関しては再加工情報65、ネットワーク転送の可否63、コピー可否情報58、利用者情報56、利用空間規定52、廃棄処理情報49、暗号化情報48等々との併用で何種もの安全鍵がかけられるので高い安全性で権利ある情報を保護し不正利用を防止することができる。
【0044】
改ざん防止情報67は、この領域の本体情報と領域付加データ40のそれぞれに改ざんを検出する例えばサムチェック等の情報を生成して付与したものである。特に領域付加データ40の改ざんは不正利用につながるもので、この場合には情報廃棄処理を行なう。その他補助情報68は領域の利用ログ情報の格納や領域の実行を制御する時間情報等の運用に用いる。
【0045】
以上述べたように本システムにあっては領域付加データ40の内容、即ち本体情報領域(i)開始アドレス41からその他補助情報68までの機能とその組合せによって情報サービスされた情報の保全、課金、不正利用防止等に何重もの安全性を付与し、多彩な情報サービスが実現できるものである。
【0046】
制御部3は、利用者からの指示等で複数領域の合成表示が必要な場合には、領域管理部4と利用管理部6に対して領域情報合成の指示をだす。利用管理部6は情報利用部9に対して複数領域の合成制御指示を出し、領域管理部4は定められた複数領域の領域付加データ40を記憶装置7に読みだし、該領域付加データ40を参照しながら利用管理部は複数領域の本体情報を順次読み出す。読み出された情報は情報利用部9において定められた合成処理を行いながら、利用者への提示のために端末周辺機部10に合成情報の送出を行なう。例えば100シーン100領域からなる1時間の映画において、検索モードを作りディスプレイ上に一時に20画面の動画を縮小合成して表示すれば、5回の切り替えで1時間の映画をわずか1、2分でチェックすることができる。また、情報がドキュメントの場合には1ぺージ1領域の設定がしてあれば複数領域を一画面に表示して効率的なイメージ検索ができる。いずれの場合も領域付加データ40にしたがって各領域のプレイバックがなされるので利用条件に合致しない領域が表示されることはない。
【0047】
領域付加データ40は通常記憶装置7にあって利用管理部6が参照し認識しそれに基づいて情報本体の制御がなされるが、利用者が領域付加データ40の内容を知ることが必要な場合には、制御部3からの指示により利用管理部6は情報利用部9に制御情報を転送して記憶装置7にある領域付加データ40を編集して周辺端末部に転送・提示することができる。著作権情報・課金情報・利用条件・コピー条件等利用者が利用に際して許されている内容を見ることができる。
【0048】
図5は本発明の第2の実施の形態に係るのデータ受信装置の構成を示す図である。このデータ受信装置は、図1に示す第1の実施の形態と同様に、ネットワークNに接続された通信接続部2と、制御部3と、領域管理部4と、著作権情報管理部5と、利用管理部6と、各種情報を蓄積する記憶装置7およびファイル装置8と、情報利用部9と、情報を利用者に提示する端末周辺機部10とを備えている。そして、この第2の実施の形態では、上記各種機能部に加え、情報生成部11を備えており、利用者が自ら本システムで利用し或いは他人に提供する情報を作成することができるようになっている。この情報生成部11は端末周辺機部10に接続され、また記憶装置7およびファイル装置に接続されてデータの書き込みおよび読み出しができるようになっている。さらに、情報生成部11は制御部3に接続されて動作制御されるようになっている。
【0049】
かかる構成において、情報生成部11は、利用者が自ら本システムで利用できる情報を作成する場合に、端末周辺機部10から利用者が作成したオリジナルな情報本体を読み込み、領域設定にしたがって本システムに適合する一つの情報サービス単位20、属性データ21、領域データ22、付加データ23、情報本体24、付加領域データ40の枠組みを生成するものである。これによって情報の利用者は電子メールを作成して送信するように、自ら情報提供者となって第三者に情報サービスをすることができる。著作権設定や利用条件設定、課金設定、コピー制御の設定等々も設定することができるから、情報提供サービスのプロでなくても高度な情報サービスができる。個人商店主が自らの顧客に対して情報サービスしたりPR情報を提供したり、個人が自分の持つ情報をそれを必要とする不特定多数にネットワークを通じて販売するといった利用が可能である。もちろん、他者から得た情報を不正に利用して自らの情報として送出する等の不正利用はできないようになっているのはすでに述べた通りである。
【0050】
以上、各実施の形態において説明したように、本発明ではネットワークNに接続された端末周辺機部10の保有者全員が情報の利用者であると同時に情報の提供者たりうるようなネットワーク社会の実現を可能とする。従来の技術によれば放送やネットワークを通じて利用者に送られた情報は、情報提供者の手を離れた瞬間から著作権者の権利の保護や情報の保全および不正利用防止等の面で全くの管理不能な状況で情報サービスを行わなければならなかった。また提供するひとかたまりの情報自体の作り方もシンプルで、著作権者や提供者が複雑多岐に渡るということはなかったし、情報自体も単一フォーマットで通して作られていた。課金についても同様で、ひとかたまりの情報に付きいくらといったシンプルな値段付けであった。しかしながらマルチメディア時代にあっては、このような単純な情報提供形式の情報サービスでは各種権利の保護や情報の保全、多様化する情報サービスへの対応等々の面で一層の発展は難しいと考えられる。本発明は、すでに述べたように、このような諸問題を解決するもので、次のような効果或いは利点を持つものである。
【0051】
第1に、利用者に提供されるひとかたまりの情報が多数の著作権者の情報から構成できるということである。ひとかたまりの情報は多数の領域に分割され、分割された各領域はそれぞれ異なった著作権情報と処理を持つことができる。また各領域ごとに異なった課金処理や利用条件設定を行うことができるので利用者の利用状況に応じた課金処理を直接権利者にたいして行うことができる。さらに各領域ごとに暗号方式や圧縮方式等の情報形式が異なる情報をそのまま使用してひとかたまりの情報全体としては多様な情報形式の情報を混在させることができるので多数の著作権者が持つ多様なマルチメディア情報をそのまま使って全体の情報を構築することができる。
【0052】
第2に、情報提供者が利用者に提供した情報の管理が可能であるという点である。提供した情報に関して利用状況管理、不正利用管理、課金管理、情報保全等々の運用管理がなされ情報提供者がこれを知ることができるため安心して情報の提供が可能になる。こうした提供情報の管理は著作者や提供者の権利を守る面から必須事項で、情報提供者に安心できる状況を作り出すことが情報サービス社会の実現には重要である。
【0053】
第3に、不正利用の防止と検出ができるということである。従来の情報サービスにあっては情報利用に関して不正の検出方法がなかった。それは提供した情報にかんして何が正しい利用で何を禁止しているかについての定義と監視がなされていなかったためである。本発明では多数の著作権情報から成る全体のひとかたまりの情報に関して、それぞれの著作権情報に正しい利用範囲や何が許されるか等の利用状況設定が情報提供者によって設定可能になっていて、その利用状況が管理されている。それに反するような利用は不正利用として検出し利用者に警告し、最悪の場合には情報を自動廃棄処理することができる。例えば不正利用とは許可されてない利用空間からの利用、許可されてない利用者の利用、利用時間や年令等の利用条件に反する利用、許されてない情報のコピー、情報の改ざん再加工、ネットワークへの情報の再転送、許可されてない情報のプリントアウト等である。
【0054】
第4に、情報保全や不正利用防止や正しい利用監視や利用条件の設定が可能であることから生まれる効果として、利用者サイドでの情報の蓄積型の利用が可能になることである。レンタルビデオを借りてきて利用し見終わると返却するように、情報をネットワークを通して借りてきて自分のファイル等に蓄積して必要なときに利用し、利用が終わると自動的に廃棄消去したり返却したりするような借用利用型の情報サービスが可能になる。
【0055】
第5に、多様な情報サービスが可能になる点である。細かな利用者指定、部分的なコピーやプリントアウトの禁止や許可、部分毎の課金額や方式の設定、利用する情報品質に応じた課金制、利用期限設定の情報サービス、利用回数制の情報サービス等々情報提供者や利用者の便に応じたサービス形態が可能である。
【0056】
第6に、末端の情報利用者全員が情報の提供者になれることである。自らの持つ情報に利用条件を付け価格を付けてネットワークを通じて情報を提供し販売することができる。このようなシステムを可能にするためには、本発明のような第三者による著作権情報の侵害が検出され防止されている必要があり、そうでなければネットワークを通じて著作権の設定された情報がばらまかれてしまうという結果になり、好ましくないのである。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上説明したように、本発明によれば、利用者に提供されるひとかたまりの情報が多数の著作権者の情報から構成でき、その情報は多数の領域に、異なった著作権情報と処理を持って分割され、しかも各領域ごとに異なった課金処理や利用条件設定を行うことができるようにしたので利用者の利用状況に応じた課金処理を直接権利者に対して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るデータ受信装置の構造を示すブロック図
【図2】前記第1の実施の形態において情報提供者から提供される1つの情報サービス単位の構成図
【図3】前記第1の実施の形態において1つの情報サービス単位を構成する領域の領域データ構成図
【図4】前記第1の実施の形態において領域を制御するための付加データ構成図
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るデータ受信装置の構造を示すブロック図
【符号の説明】
【0059】
2 通信接続部
3 制御部
4 領域管理部
5 著作権情報管理部
6 利用管理部
7 記憶装置
8 ファイル装置
9 情報利用部
10 端末周辺機部
11 情報生成部
20 情報サービス単位
21 属性データ
22 領域データ
23 付加データ
24 情報本体
25、26 領域付加データ
27、28 本体情報領域
30、31、32 領域データ
33 領域付加データ(i)開始アドレス
34 領域付加データ(i)終了アドレス
35、36 接続情報
40 領域付加データ(i)
41 本体情報領域(i)開始アドレス
42 本体情報領域(i)終了アドレス
43 利用モード情報
44 著作権情報
45 所有権・利用権情報
46 肖像権情報
47 存在形態情報
48 暗号化情報
49 廃棄処理情報
50 利用ログ情報
51 利用情報通知
52 利用空間規定
53 情報レベル
54 生存期間情報
55 課金情報
56 利用者情報
57 利用条件情報
58 コピー可否情報
59 コピー条件情報
60 属性遺伝
61 情報種
62 利用者確認要否情報
63 ネットワーク再転送の可否
64 プリントアウト情報
65 再加工情報
66 再販情報
67 改ざん防止情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを通じて受信した情報に基づいてデータを処理し出力するデータ受信装置であって、
コンテンツと付属データとを含む情報サービスデータを、ネットワークを通じて受信する通信接続部と、
前記通信接続部が受信した前記情報サービスデータに含まれる前記コンテンツを少なくとも格納する記憶装置と、
前記情報サービスデータに含まれる前記付属データのうち、情報利用にかかわる情報を管理し、前記情報利用にかかわる情報に基づいて前記コンテンツの提供についての指示を出力する利用管理部と、
前記利用管理部からの前記指示に基づいて、前記コンテンツを前記記憶装置から読み出し、出力する情報利用部と、
を具備し、
前記付属データには、前記コンテンツを格納してよいか否かを示す情報が含まれ、
格納が許されている場合は、前記コンテンツを前記記憶装置への格納を可能とし、
格納が禁止されている場合は、前記コンテンツを前記記憶装置に格納することなく前記情報利用部に転送することを特徴とするデータ受信装置。
【請求項2】
前記付属データは、前記コンテンツの暗号化の有無と、暗号方式、暗号鍵を設定する暗号化情報を含み、
前記暗号化情報に基づいて、前記情報利用部における前記コンテンツの利用が管理されることを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項3】
前記付属データは、前記コンテンツの生存期間情報を含み、
前記生存期間情報は、前記コンテンツの利用可能な回数、利用可能な期間、永久に利用可能かの少なくともいずれかを規定するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ受信装置。
【請求項4】
前記付属データは、前記コンテンツの廃棄処理情報を含み、
前記の廃棄処理情報は、前記コンテンツの前記コンテンツの利用期限が過ぎた場合の前記コンテンツの廃棄処理を規定したものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のデータ受信装置。
【請求項5】
前記付属データは、前記コンテンツをネットワークに再転送してよいか否かを示す指定情報が含み、
前記通信接続部は、前記指定情報に基づいて、前記情報本体のネットワークへの再転送を管理することを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載のデータ受信装置。
【請求項6】
前記付属データは、前記コンテンツの利用モード情報を含み、
前記利用モード情報は、前記コンテンツの利用が有償か無償かを規定したものであり、
前記利用モード情報が有償を示す場合には、課金処理を行うことを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のデータ受信装置。
【請求項7】
前記付属データは、情報レベルを規定する情報を含み、
前記情報レベルを規定する情報は、前記コンテンツの音質および/または映像品質を規定したものであることを特徴とする請求項1〜6いずれか一項に記載のデータ受信装置。
【請求項8】
前記付属データは、前記コンテンツのコピーの可否を規定したコピー可否情報を含み、
前記利用管理部は、前記コピー可否情報に基づいて前記情報利用部における前記コンテンツのコピーを制御し、
コピーが禁止されている場合には、前記情報利用部における前記コンテンツのコピーを禁止し、
コピーが許可されている場合には、前記情報利用部における前記コンテンツのコピーを許可することを特徴とする請求項1〜7いずれか一項に記載のデータ受信装置。
【請求項9】
前記付属データは、コピー条件情報をさらに含み、
前記コピー条件情報は、前記コピー可否情報において前記コンテンツのコピーが許可されている場合に、許可されるコピー方式を示すための情報であり、
前記コピー方式としては、少なくともデジタルコピー及びアナログコピーを含むことを特徴とする請求項8に記載のデータ受信装置。
【請求項10】
前記付属データは、コピー条件情報をさらに含み、
前記コピー条件情報は、前記コンテンツのコピーの世代数を規定するものであることを特徴とする請求項8に記載のデータ受信装置。
【請求項11】
前記コンテンツは複数の領域から構成され、
前記領域管理部は、前記通信接続部で受信した前記情報サービスデータに含まれる前記コンテンツの前記複数の領域のうち、前記情報利用部において利用される領域を管理し、前記情報サービスデータに含まれる前記付属データのうち、前記利用される領域にかかわる情報を管理することを特徴とする請求項1に記載のデータ受信装置。
【請求項12】
前記コンテンツは複数の領域から構成され、
前記付属データは、各領域それぞれについて、該領域にかかわる情報、及び、情報利用にかかわる情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のデータ受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−16039(P2008−16039A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−187832(P2007−187832)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【分割の表示】特願2006−338700(P2006−338700)の分割
【原出願日】平成7年12月6日(1995.12.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】