説明

トナー残量検出機構及びそれを用いた画像形成装置

【課題】 トナーなしの状態とトナーがある状態の2つの状態だけでなく、トナー残量を詳細に検出し、適確なトナー不足の警告やトナー残量を操作者に知らせる。
【解決手段】 トナー収容部に設けられ、軸支された回転軸53aを回転させ、当該回転により回転軸53aに設けられた攪拌部53cを回転してトナーを攪拌する画像形成装置において、攪拌部53cが回転軸53aの上部で回転軸53aに対し垂直の位置を超えると攪拌部53cの自重によりトナー面まで自由落下し、落下した後、直ちに回転軸53aの回転により攪拌部53cを回転するようにし、攪拌部53cの回転周期を測定することによりトナー残量を検知するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、ファクシミリ、電子写真装置、複写機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、一般に、図13に示したように、ドラム表面に静電潜像を形成する感光ドラム1、現像剤であるトナー9を感光ドラム1に移動させる現像ローラ2、トナーカートリッジ12から適宜供給されるトナー9を攪拌器53により攪拌しながら現像ローラ2に移動させるトナー供給ローラ3、感光ドラム1に移動されるトナー層の厚さを一定にするトナーブレード10、感光ドラム1に静電潜像を形成させるLEDヘッド26、感光ドラム1の表面を所定の電位にするための帯電ローラ4、感光ドラム1に形成された静電潜像上に付着したトナーを印刷媒体11に転写するための転写ローラ5、転写後に感光ドラム1の表面に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレード7から構成されている。
【0003】
また、保守性を考慮して、現像ローラ2とトナー供給ローラ3とトナーブレード10とトナーカートリッジ12を一体として交換可能なようにEPカートリッジ13として構成するのが一般的である。
【0004】
(従来のトナー残量検出機構の構成)
そして、従来のトナー残量検出のためのトナー残量検出センサ50は、以下のように構成されている。この構成を図13(右下側)、図14、図15を用いて説明する。まず、図13(右下側)、図15に示したように当該トナー残量検出センサ50は、レバー51の先端にマグネット51aを配置し、レバー51の後端がフォトインタラプタ52を横切るように構成し、レバー51を図示しないバネ等によりC方向に付勢する構成としている。
【0005】
一方、図14に示したように、トナーを攪拌する攪拌器53の回転軸53aは、ギア55の中心部に篏入させられているがギア55とは独立に支持され、ギア55に対して係合させられて自由に回転することができる構成となっている。すなわち、D方向に前記ギア55が回転すると、突起54が前記攪拌器53の腕部53bを押してD方向に回転させる構成となっている。また、攪拌部53cはトナー残量検出センサ50のレバー51を吸引するためにマグネット51aに吸引される磁性材料で構成されている。
【0006】
以上の構成とすることにより、攪拌部53cが実線のように下側に来るとき、トナー残量検出センサ50のレバー51に設けられたマグネット51aによりレバー51がC方向とは逆の方向に引き付けられ、図15(下側)の実線で示される位置となるのでフォトインタラプタ52を遮蔽する。また、攪拌部53cが下側になく、レバー51に設けたマグネット51aにより吸引されない状態では、レバー51がバネ等によりC方向に回転し、破線で示される位置となるのでフォトインタラプタ52は遮断されない。
【0007】
(従来のトナー残量検出方法)
以上の構成により、従来の画像形成装置のトナー残量の検出は、以下のように行なわれる。すなわち、図16に示したように、トナーが充分にある場合は、(a)から(b)の状態までは、トナーの抵抗及び攪拌部53cの重さを常に受け、(b)から(c)破線の状態までは攪拌部53cの重さを常に受けるので、腕部53bが突起54から離れることなく、一定速度で回転する。
【0008】
そして、攪拌部53cが最上死点位置から若干右側に来たとき、攪拌部53cの重さにより、攪拌部53cは、腕部53bから離れてトナーがある位置(実線位置)まで落下する。その後、突起54が腕部53b位置まで到達した後(d)、腕部53bは突起54により押されて、再び(a)の状態となり、次いで(b)の状態となるまではトナーの抵抗により突起54とともに移動する。従って、攪拌部53によりマグネット51aが吸引されフォトインタラプタ52を遮蔽する時間は、攪拌部53cが特に停滞しないで移動するときの遮断時間t1となる。
【0009】
すなわち、この場合のフォトインタラプタ52の出力波形は、ギア55の回転周期をT0とすると、図18(a)に示したように、マグネット51aの吸引時間tlowは比較的短いt1となる。
【0010】
一方、トナー残量が減少し、図17に示したように残り僅かとなった場合は、同図(a)、(b)の状態及び(c)の攪拌部53cが自重により落下するまでは前述のトナーが多い場合と同様の動作となるが、(c)の状態では、攪拌部53cが上死点位置を過ぎると攪拌部53cは何の抵抗もなくなり自重により突起54から離れ下死点位置近傍まで落下する。
【0011】
このとき、攪拌部53cが下死点位置近傍に位置するので、攪拌部53cによりマグネット51aが吸引されフォトインタラプタ52を遮蔽する。そして、フォトインタラプタ52を遮蔽した状態のまま、突起54が腕部53b位置まで到達した後(d)、腕部53bは突起54により押されて、再び(a)の状態となる。従って、攪拌部53cが下死点位置を離れた時点で、攪拌部53cによるマグネット51aの吸引がなくなるので、フォトインタラプタ52を遮蔽する時間は、ほぼ(c)の状態から(d)の状態までの時間となる。
【0012】
すなわち、この場合のフォトインタラプタ52の出力波形は、図18(b)に示したように、マグネット51aの吸引時間tlowは、ギア55の回転周期T0の半分近い時間t2となりt1より長くなる。
【0013】
以上のトナーが有る場合のマグネット51aの吸引時間t1と、トナーが残り僅かな場合のマグネット51aの吸引時間t2を予め測定して置き、t1とt2の中間の時間として一定の時間tαを決めて置き、適時測定したマグネット51aの吸引時間tlowがtαより長くなった場合、トナー残量が不足していると判定していた。(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−11610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来の画像形成装置では、攪拌部53cが自重により落下したとき(図16、図17の各(c)の状態)に、攪拌部53cによりマグネット51aが吸引されフォトインタラプタ52を遮蔽しない限り、トナー残量が100%のときも、20%程度のときも、マグネット51aの吸引時間tlow時間は、ほぼ同じ時間となる。
【0015】
従って、トナー残量を詳細に把握することできず、トナーなしの状態とトナーがある状態の2つの状態しか検出することができないので、トナーなしの状態を検出した時点では、すでにトナーがなく、交換用のトナーカートリッジなどを準備していない場合では、しばらく画像形成装置を使用できなくなったり、或いは複数枚の印刷の際に途中でトナーがなくなり印刷かすれが発生したりするといった不具合が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、トナー収容部に設けられ、軸支されたシャフトを一定周期で回転し、そのシャフトに設けられた回転体の動作周期をセンサで検知することによりトナー残量を検知するトナー残量検知機構において、前記回転体は、前記シャフトの回転方向に対し回転自在となるように前記シャフトに設けられ、前記回転体は、前記シャフトの回転により前記シャフト上部に回転し、前記回転体がシャフトの上部で前記シャフトに対し垂直以上の位置となると前記回転体の自重により前記シャフトの回転周期より速く回転しトナー面まで自由落下し、落下したのちは直ちに前記シャフトの回転により回転するようにした。
【発明の効果】
【0017】
以上詳細に述べたように、本発明の画像形成装置によれば、前記回転体がシャフトの上部で前記シャフトに対し垂直以上の位置となると前記回転体の自重により前記シャフトの回転周期より速く回転しトナー面まで自由落下し、落下したのちは直ちに前記シャフトの回転により回転するようにしたので、前記回転体の回転周期を検出することにより、トナー残量を詳細に検出して表示することができる。
そして、詳細なトナー残量表示によりトナーがなくなる時期も予測できるので、交換用のトナーカートリッジの準備もでき画像形成装置を使用できなくなることもなくし、複数枚の印刷の際に途中でトナーがなくなり印刷かすれが発生したりすることもなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態例を、図面を用いて説明する。なお図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【実施例】
【0019】
(画像形成装置の構成)
実施例の画像形成装置の構成は、図1に示したように、ドラム表面に静電潜像を形成する感光ドラム1、現像剤であるトナー9を感光ドラム1に移動させる現像ローラ2、トナーカートリッジ12から適宜供給されるトナー9を攪拌器33により攪拌しながら現像ローラ2に移動させるトナー供給ローラ3、感光ドラム1に移動されるトナー層の厚さを一定にするトナーブレード10、感光ドラム1に静電潜像を形成させるLEDヘッド26、感光ドラム1の表面を所定の電位にするための帯電ローラ4、感光ドラム1に形成された静電潜像上に付着したトナーを印刷媒体11に転写するための転写ローラ5、転写後に感光ドラム1の表面に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレード7から構成されている。
【0020】
また、保守性を考慮して現像ローラ2とトナー供給ローラ3とトナーブレード10とトナーカートリッジ12を一体として交換可能なようにEPカートリッジ13として構成している。
【0021】
(トナー残量検出機構の構成)
実施例の画像形成装置のトナー残量検出機構は、以下のように構成されている。なお、トナー残量検出センサの構成は、図3に示したように、レバー51の先端にマグネット51aを配置し、レバー51の後端がフォトインタラプタ52を横切るように構成し、レバー51を図示しないバネ等によりC方向に付勢し、或いは自重により点線の状態となるような構成としている。
【0022】
一方、図4に示したように、ワンウェイクラッチ36の固定部36aがギア55に固定され、ワンウェイクラッチ36の歯部36bがトナーを攪拌する攪拌器33の回転軸53aに固定されているので、攪拌器33の回転軸53aは、図1ないし図3に示したように、ギア55の中心部に篏入させられているがギア55とは独立に支持され、ギア55に対して係合させられて一方向に自由に回転することができる構成となっている。すなわち、D方向に前記ギア55が回転すると、図4に詳細に示したワンウェイクラッチ36により前記攪拌器53の腕部53bをD方向にのみ回転させる構成となっている。また、攪拌部53cの一部または全部は後述のトナー残量検出センサのレバー51を吸引するためにマグネット51aに吸引される磁性材料で構成されている。
【0023】
なお、攪拌器の構成としては、図2のような構成ではなく、図5に示したように、図示しないギアにより回転する回転軸43aにワンウェイクラッチ36を設けた腕部43b1を取り付け、もう一方の腕部43b2を回転自在な構成とした攪拌部43cとしてもよいし、両方の腕部ともワンウェイクラッチ36を設けた構成としてもよいし、さらに腕部を複数設けた構成としてもよい。以下、説明の便宜上、図2の攪拌器の構成にて説明するが、図5の構成の場合でも同様の動作となる。
【0024】
以上の構成とすることにより、攪拌部53cが実線のように下側に来るときは、トナー残量検出センサ50のレバー51に設けられたマグネット51aによりレバー51がC方向とは逆の方向に引き付けられ、図3の実線で示される位置となるのでフォトインタラプタ52を遮蔽する。また、攪拌部53cが下側になく、レバー51に設けたマグネット51aにより吸引されない状態では、マグネット51aにより吸引されないのでレバー51がバネ等によりC方向に回転し、図中破線で示される位置となりフォトインタラプタ52は遮断されない。
【0025】
(制御系の構成)
実施例の画像形成装置の制御系の構成を図6に示す。同図に示したように実施例の画像形成装置21は、上位装置22からの印刷データを受信するインタフェイス部23と、後述の光センサ28の出力や図示しない媒体検出センサの出力結果に基づき印刷制御や媒体搬送用モータの駆動制御を行う制御部24、制御部24の制御のもとに図示しないモータを回転駆動して印刷媒体11の搬送や各ローラや感光ドラム1を回転駆動させるモータ駆動回路25、上位装置22からの印刷データである画像・文字等を感光ドラム1に静電潜像させるLEDヘッド26、各部ローラのバイアス電圧を設定する電圧設定部27、フォトインタラプタ52から構成される光センサ28、トナー残量が不足した場合などの画像形成装置の異常を操作者に知らせるための表示部29から構成され、同図のように接続されている。なお、制御部24には、制御プログラムを実行する際に必要なデータを格納するためのメモリ24a及び時間を計測するためのタイマ24bが内蔵されている。
【0026】
(通常の印刷動作)
以上の構成により、実施例の画像形成装置では以下のように印刷が行われる。すなわち、トナーカートリッジ12より随時供給され攪拌器33により攪拌されるトナー9をトナー供給ローラ3により現像ローラ2に移送しトナーブレード10によりトナー厚を一定にされながら現像ローラ2に移動する。そして、LEDヘッド26により感光ドラム1上に静電潜像を生成し(通常は所望の画像、文字等の部分の電位を下げ)、静電潜像上にトナー9を付着させ、付着したトナー9を感光ドラム1と転写ローラ5間の印刷媒体11に転写し、図示しない定着部にてトナーを定着することにより印刷が行われ、感光ドラム1に残ったトナーがクリーニングブレード7によりかきとられ、感光ドラム1のクリーニングが行なわれる。
【0027】
(トナー残量検出動作)
実施例の画像形成装置のトナー残量の検出は、以下のように行なわれる。図7はトナーが充分にある場合の攪拌部53cの回転遷移を表し、図8はトナーが残り僅かな状態での攪拌部53cの回転遷移を表している。
【0028】
まず、図7の場合のようにトナーが充分にある場合は、(a)から(b)の状態までは、トナーの抵抗及び攪拌部53cの重さを常に受け、(b)から(c)状態までは攪拌部53cの重さを常に受け、ワンウェイクラッチ36によりD方向とは逆の方向へは回転制限され当該方向には戻ることはないので、一定速度でD方向に回転する。
【0029】
そして、攪拌部53cが最上死点位置から若干右側に来たとき、ワンウェイクラッチ36によりD方向への回転は制限されないので、攪拌部53cの重さによりトナーがある位置(実線位置)まで落下する。すなわち、ギア55によるこの間の回転(以下、「スキップ回転角」という)をスキップすることになる。そして、直ちに、(d)に示したように腕部53bはワンウェイクラッチ36により回転駆動されて、再び(a)の状態となる。
【0030】
従って、攪拌部53によりマグネット51aが吸引されフォトインタラプタ52を遮蔽する周期Tは、図7(c)に示した攪拌部53cが最上死点位置からトナーがある位置まで落下したスキップ回転角90度程度の時間分、短くなるので、フォトインタラプタ52の出力は図9(a)に示したように比較的長い周期T1となる。
【0031】
一方、トナー残量が減少し、図8に示したように残り僅かとなると、(a)、(b)の状態及び(c)の攪拌部53cが自重により落下するまでは、前述トナーが多い場合と同じであるが、(c)の状態で、攪拌部53cが上死点を過ぎると、攪拌部53cは、ワンウェイクラッチ36によりD方向への回転は制限されないので、トナーがあるほぼ下死点位置(実線位置)まで落下する。そして、直ちに、(d)に示したように腕部53bはワンウェイクラッチ36により回転駆動されて、再び(a)の状態となる。
【0032】
従って、トナーが残り僅かな場合は、攪拌部53によりマグネット51aが吸引されフォトインタラプタ52を遮蔽する周期Tは、攪拌部53cが最上死点位置からトナーがあるほぼ下死点位置まで落下するので、180度程度のスキップ回転角の時間分、短くなり、フォトインタラプタ52の出力は図9(c)に示したように、T1やT2より短い周期T3となる。
【0033】
ここで、前記周期Tは、予め実験によりトナー残量と周期Tの関係を求め、例えばテーブルデータとして周期Tとトナー量の関係をメモリ24bに格納して置くようにすればよい。すなわち、トナー満杯の状態を「Full」、トナー量がほぼ満杯の状態「Near Full」、トナーが残り僅かな状態を「Near End」、トナー不足の状態を「End」として表し、トナーが満杯である場合、周期Tは、ギア55の回転周期T0となり、トナーがほとんどない場合はT0/2(=0.5*T0)となるので、
【0034】
Full : T>0.8*T0
【0035】
Near Full: 0.8*T0≧T>0.7*T0
【0036】
Near End : 0.7*T0≧T>0.6*T0
【0037】
End : 0.6*T0≧T
とし、適時測定する周期Tにより前記各状態を判定し判定結果に応じて各トナー残量の状態を表示部29に表示する。或いは、さらに細かく範囲を分け各トナー残量の状態を表示するようにしてもよいし、操作者に分かりやすいように、適時測定する周期Tに応じて図10に示したように目盛によって、詳細に表示するようにしてもよい。
【0038】
或いは、以下に述べるように、周期Tから一義的にトナー残量を求める算出式によりトナー残量を求めるようにしてもよい。すなわち、図11(a)に示したように斜線部のトナーが残っているとした場合、スキップ回転角は、θ+π/4となり、トナー残量に相当する斜線部の面積Atは、
【0039】
At=半円の面積 − 2*(三角形abc+弧bcd) (1)
【0040】
と表され、
2*三角形abcの面積=(rsinθ)*(rcosθ) (2)
【0041】
2*弧bcd=πr^2*(θ/π) (3)
【0042】
であるので、
At=r^2*(π/2−θ−sinθ・cosθ) (4)
【0043】
として表される。
この斜線部の面積Atと角度θの関係を図で表すと、縦軸を単位円(r=1)を4分割した面積を"1"とすると、図12のような関係となる。
【0044】
一方、スキップ回転角がθ+π/4の場合、フォトインタラプタ52を遮蔽する周期Tは、
【0045】
T=T0*{2π−(θ+π/4)/2π (5)
【0046】
となり、
θ+π/4=2π(1−T/T0) (6)
【0047】
として表すことができるので、周期Tからスキップ回転角θ+π/4を直接抽出することができ、さらに抽出したθを(4)式に代入することにより一義的に面積Atが求められトナー残量を求めることができる。
【0048】
なお、実際のトナーの配置は、図11(b)のように攪拌部53cによりトナーがやや図中左側に寄せられるので、前記のように求められたトナー残量から一定値を加算、或いは所定の率で大きくする補正を行うようにするとよい。
【0049】
以上の実施例の説明では、周期Tを攪拌部53cが1回転する時間としたが、図9(c)にT'として示したように最下点にマグネット吸着離脱後、上死点まで攪拌部53cが回転移動するまでの時間T'はトナー残量に関係なく常に必要な時間となるので、これを除去した時間、すなわちT−T'により、トナー残量との関係を求めて置き、周期Tからトナー残量を求めるようにしてもよい。
【0050】
また、以上の実施例の説明では、トナー残量検出センサをレバー51に取り付けたマグネット51aと攪拌部53cの吸引を利用した検出方法として説明したが、攪拌部53cや回転軸53aが1回転する時間を測定できれば、どのような構成としてもよい。例えば、攪拌部53cの材料とした磁性金属(鉄、ニッケル)などに対する検出感度が高い近接センサなどを設け、攪拌部53cや回転軸53aの接近を検出する方法としてもよいし、密封性のよいマイクロスイッチなどを攪拌部53cの通過位置に設け当該スイッチがオンオフするように構成し、このオンオフ時間を測定するようにしてもよい。
【0051】
(実施例の効果)
以上詳細に述べたように、実施例の画像形成装置によれば、攪拌部53cが回転軸53aの上部で回転軸53aに対し垂直の位置を超えると攪拌部53cの自重によりトナー面まで自由落下し、落下した後、直ちに回転軸53aの回転により攪拌部53cを回転移動するようにしたので、攪拌部53cの回転周期を検出することにより、トナー残量を詳細に検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上述べたように、本発明は、トナーなどの現像剤を用いて印刷を行うプリンタ、ファクシミリ、電子写真装置、複写機等の画像形成装置に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例の画像形成装置の構成図である。
【図2】実施例の攪拌器の構造である。
【図3】実施例の画像形成装置のトナー残量検出センサの構成図である。
【図4】実施例の攪拌器の横断面図である。
【図5】別の実施例の攪拌器の構造である。
【図6】実施例の制御系の構成図である。
【図7】実施例のトナー残量検出動作の説明図である。
【図8】実施例のトナー残量検出動作の説明図である。
【図9】実施例のフォトインタラプタの出力信号である。
【図10】実施例の画像形成装置のトナー残量の表示例である。
【図11】実施例の画像形成装置の攪拌部回転周期を説明する図である。
【図12】トナー残量とスキップ回転角の関係の説明図である。
【図13】従来の画像形成装置の構成図である。
【図14】従来の画像形成装置の攪拌器の構造である。
【図15】従来の画像形成装置のトナー残量検出センサの構成図である。
【図16】従来の画像形成装置のトナー残量検出動作の説明図である。
【図17】従来の画像形成装置のトナー残量検出動作の説明図である。
【図18】従来の画像形成装置のフォトインタラプタの出力信号である。
【符号の説明】
【0054】
9 トナー
33、43、53 攪拌器
36 ワンウェイクラッチ
44a、53a 回転軸
43b、53b 腕部
43c、53c 攪拌部
50 トナー残量検出センサ
51 レバー
51a マグネット
52 フォトインタラプタ
55 ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー収容部に設けられ、軸支されたシャフトを一定周期で回転し、当該シャフトに設けられた回転体の動作周期をセンサで検知することによりトナー残量を検知するトナー残量検知機構において、
前記回転体は、前記シャフトの回転方向に対し回転自在となるように前記シャフトに設けられ、
前記回転体は、前記シャフトの回転により前記シャフト上部に回転し、前記回転体がシャフトの上部で前記シャフトに対し垂直以上の位置となると前記回転体の自重により前記シャフトの回転周期より速く回転しトナー面まで自由落下し、落下した後は直ちに前記シャフトの回転により回転することを特徴とするトナー残量検知機構。
【請求項2】
請求項1のトナー残量検知機構において、
前記回転体は、前記シャフトに対しワンウェイクラッチにより前記シャフトの回転方向に対し回転自在に設けられることを特徴とするトナー残量検知機構。
【請求項3】
請求項1のトナー残量検知機構において、
前記トナー残量は、トナーフルの時の前記回転体の回転周期と検出された回転周期に基づき検知されることを特徴とするトナー残量検知機構。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3いずれか記載のトナー残量検知機構を設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−23537(P2006−23537A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201435(P2004−201435)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】