説明

トナー補給装置、トナー容器及び画像形成装置

【課題】ニアエンドからトナーエンドまでの印字枚数を増加させ、トナー容器の交換時におけるユーザーの負担を軽減する。
【解決手段】本発明に係るトナー補給装置は、容器本体26と排出口30を有するトナー容器24と、排出口30からのトナーが供給される現像器25と、トナー容器24内又は現像器25内のトナー濃度又はトナー残量を検出する検出手段63と、検出手段63からの信号を受信する制御手段と、を備え、トナー容器24は、容器本体26に取り付けられる第1回転軸42と、第1回転軸42に取り付けられる第1攪拌羽根43と、を有する第1攪拌部材40と、第1回転軸42と同軸上に配置される第2回転軸48と、第2回転軸48に取り付けられ、長さ又は幅の少なくとも一方が第1攪拌羽根43よりも大きい第2攪拌羽根50と、を有する第2攪拌部材41と、を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー補給装置と、トナー容器と、これらのトナー補給装置やトナー容器を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンター、ファクシミリ、それらの複合機などの電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラム等の表面に形成された静電潜像にトナーを供給することで、現像処理を行っている。また、このような現像処理に用いられるトナーは、トナーコンテナ等のトナー容器及び現像器を備えたトナー補給装置から感光体ドラム等の表面に供給されている。
【0003】
上記のような現像処理が繰り返し行われると、これに伴ってトナー容器内のトナーが減少していき、トナー容器内のトナーが無くなると、トナー容器の交換が必要となる。このトナー容器の交換の時期を知るために、一般的な画像形成装置には、トナー容器内又は現像器内のトナー濃度又はトナー残量を検出するための手段が設けられている。例えば、画像形成時におけるドットカウントの積算値に基づいてトナー容器内のトナー残量を推定する方式(ドットカウント方式)や、トナー補給モーターの回転時間(回転数)の積算値に基づいてトナー容器内のトナー残量を推定する方式がある(特許文献1の0008段落参照)。これらの方式は、トナー容器内にトナー残量センサーが備えられていない場合や、トナー容器と現像器の間に中間ホッパーが備えられていない場合に汎用されている。
【0004】
上記した検出手段によってトナー容器内のトナー残量が僅かな状態であると推定された場合、トナー容器内のトナーがニアエンド状態であることをユーザーに報知する一方で、現像器内に残存しているトナーを用いて画像形成動作が行われる。ユーザーは、ニアエンドの警告後、現像器内のトナーが実質的に消費され尽くされて装置が停止するトナーエンドまでの間に、トナー容器を交換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−31453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トナー容器内のトナーが無くなってからニアエンドの警告をし、このニアエンドからトナーエンドまでの間の印字を現像器内のトナーで行う場合、現像器内に収容できるトナー量が少ない小型の画像形成装置にあっては、ニアエンドからトナーエンドまでに印字できる枚数が極めて少ない。そのため、ユーザーはニアエンドになってからすぐに次のトナー容器を用意してセットする必要があり、トナー容器の交換に時間的余裕が無かった。また、無理にニアエンドからトナーエンドまでの印字枚数を多く設定してしまうと、現像器内のトナー濃度が低くなりすぎて画像濃度が低くなってしまう等の問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、ニアエンドからトナーエンドまでの印字枚数を増加させ、トナー容器の交換時におけるユーザーの負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のトナー補給装置は、トナーを収容する容器本体と、該容器本体に設けられてトナーを排出する排出口と、を有するトナー容器と、前記排出口から排出されるトナーが供給される現像器と、前記トナー容器内又は前記現像器内のトナー濃度又はトナー残量を検出する検出手段と、該検出手段からの信号を受信する制御手段と、を備えたトナー補給装置であって、前記トナー容器は、前記容器本体に取り付けられる第1回転軸と、該第1回転軸に取り付けられる第1攪拌羽根と、を有する第1攪拌部材と、前記第1回転軸と同軸上に配置される第2回転軸と、該第2回転軸に取り付けられ、長さ又は幅の少なくとも一方が前記第1攪拌羽根よりも大きい第2攪拌羽根と、を有する第2攪拌部材と、を備え、前記検出手段からの信号に基づいて前記制御手段が前記トナー容器内のトナーがニアエンド状態であると判定する前は、前記第1攪拌部材を回転させるとともに前記第2攪拌部材の回転を停止させ、前記検出手段からの信号に基づいて前記制御手段が前記トナー容器内のトナーがニアエンド状態であると判定した後は、前記第2攪拌部材を回転させることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、トナー容器内のトナーは、各攪拌部材によって攪拌されつつ排出口側へと搬送されるが、第1攪拌部材のみが回転するニアエンドの判定前には、トナー容器内において第1攪拌羽根が届かない部分にトナーが残存する。一方で、ニアエンドの判定後には、第2攪拌部材を回転させることで、トナー容器内に残存するトナーを第2攪拌羽根によって排出口に向かわせることができる。これに伴って、ニアエンド時においてトナー容器内に残存しているトナー量を従来よりも多くすることが可能となり、ニアエンドからトナーエンドまでの印字枚数を増加させることが可能となるため、トナー容器の交換のための十分な時間を確保することが可能となり、ユーザーの負担を軽減させることができる。
【0010】
本発明のトナー補給装置は、前記第1回転軸は、前記容器本体の一端側から他端側まで設けられ、前記第1攪拌羽根は、前記第1回転軸の軸方向中央部に取り付けられ、前記第2回転軸は、前記第1攪拌羽根の両側の前記第1回転軸に装着され、前記第2攪拌羽根は、前記各第2回転軸に両端部を取り付けられ、前記第1攪拌羽根の外周を囲繞するように設けられていても良い。
【0011】
このような構成を採用することで、簡易な構成により、第1攪拌部材と第2攪拌部材を別個に回転させることが可能となる。
【0012】
本発明のトナー補給装置は、前記現像器には、トナーとキャリアからなる現像剤が収容され、前記検出手段は、現像剤中のトナー濃度を検出可能なトナー濃度センサーであり、前記現像器に取り付けられていても良い。
【0013】
このような構成を採用することにより、トナー容器にセンサーを設けなくてもトナー容器内のトナー残量を推測することが可能となり、通常は頻繁に交換が必要となるトナー容器の構成を簡易なものとすることが可能となる。
【0014】
本発明のトナー補給装置は、トナー濃度の基準値を格納した記憶手段を備え、前記制御手段は、前記現像器からのトナーの排出を一定時間停止した状態でトナーを前記トナー容器から前記現像器へと供給するトリートメント動作が行われた後に、前記トナー濃度センサーによって検出されるトナー濃度と前記基準値を比較し、前記トナー濃度センサーによって検出されるトナー濃度が前記基準値以上でない場合に、前記トナー容器内のトナーがニアエンド状態であると判定しても良い。
【0015】
このような構成を採用することにより、トリートメント動作によってトナー容器内のトナー残量がわずかであることを確認してからトナーがニアエンド状態である旨の判定が行われることになる。そのため、トナー容器内に十分な量のトナーが残存しているにも関わらずニアエンド表示が行われるような不都合を回避することが可能となる。
【0016】
本発明のトナー補給装置は、前記トナー容器は、他のトナー容器を介さずに前記現像器に接続されていても良い。
【0017】
このような構成を採用することにより、中間ホッパー等の他のトナー容器を介してトナー容器と現像器を接続する場合と比較して、トナー補給装置の構成を簡易なものとすることが可能となり、製造工程の簡易化及び製造コストの低廉化を図ることが可能となる。
【0018】
本発明のトナー容器は、トナーを収容する容器本体と、該容器本体に設けられてトナーを排出する排出口と、を有するトナー容器であって、前記容器本体に取り付けられる第1回転軸と、該第1回転軸に取り付けられる第1攪拌羽根と、を有する第1攪拌部材と、前記第1回転軸と同軸上に配置される第2回転軸と、該第2回転軸に取り付けられ、長さ又は幅の少なくとも一方が前記第1攪拌羽根よりも大きい第2攪拌羽根と、を有する第2攪拌部材と、を備え、トナーがニアエンド状態になる前は、前記第1攪拌部材を回転させるとともに前記第2攪拌部材の回転を停止させ、トナーがニアエンド状態になった後は、前記第2攪拌部材を回転させても良い。
【0019】
このような構成によれば、トナー容器内のトナーは、各攪拌部材によって攪拌されつつ排出口側へと搬送されるが、第1攪拌部材のみが回転するニアエンド前には、トナー容器内において第1攪拌羽根が届かない部分にトナーが残存する。一方で、ニアエンド後には、第2攪拌部材を回転させることで、トナー容器内に残存するトナーを第2攪拌羽根によって排出口に向かわせることができる。これに伴って、ニアエンドからトナーエンドまでの印字枚数を増加させることが可能となるため、トナー容器の交換のための十分な時間を確保することが可能となり、ユーザーの負担を軽減させることができる。
【0020】
本発明の画像形成装置は、上記いずれかのトナー補給装置又はトナー容器を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、ニアエンドからトナーエンドまでの印字枚数を増加させ、トナー容器の交換時におけるユーザーの負担を軽減することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るカラープリンターの構成の概略を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナー補給装置を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナーコンテナを示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナーコンテナの前側壁付近の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナーコンテナの後側壁付近の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るカラープリンターのシステム構成の概略を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナー補給制御(ニアエンド前)を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナー補給制御(ニアエンド時)を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、ニアエンド表示がされた直後のトナーコンテナの状態を示す断面図である。
【図10】従来のカラープリンター(比較例)と本発明に係るカラープリンター(実施例)について、初期時とニアエンド時とトナーエンド時における印字枚数及びトナー重量を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、図1を用いて画像形成装置としてのカラープリンター1の全体の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るカラープリンター1の構成の概略を示す模式図である。
【0024】
カラープリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には転写紙(図示せず)を収納した給紙カセット3が設けられ、プリンター本体2の上部には排紙トレイ4が設けられている。
【0025】
プリンター本体2の内部には、像担持体としての中間転写ベルト5が駆動ローラー6と従動ローラー7の間に架設されており、中間転写ベルト5の下部一側(図面上は下部左側)には、画像濃度センサー8が配置されている。
【0026】
中間転写ベルト5の上方には、中間転写ベルト5の上面に沿って4個の画像形成部10がトナーの色(例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラック)ごとに設けられている。なお、図1では、図面上左右両側に配置される2個の画像形成部10のみが表示されており、左右方向中央に配置される2個の画像形成部10については、記載が省略されている。
【0027】
各画像形成部10には、像担持体としての感光体ドラム11が回転可能に設けられている。感光体ドラム11は、例えばOPC又はアモルファスシリコン等を用いて形成され、OPCを用いる場合には、感度と寿命のバランスを考慮して、膜厚20μm〜40μmに設定される。感光体ドラム11の周囲には、帯電器12と、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器13と、トナー補給装置14と、一次転写ローラー15と、クリーニングブレード16と、除電器17とが、一次転写のプロセス順に配置されている。トナー補給装置14の詳細については後述する。
【0028】
プリンター本体2の一側(図面上右側)には、転写紙の搬送経路18が設けられている。搬送経路18の上流端には給紙部20が設けられ、搬送経路18の中流部には二次転写ローラー21が従動ローラー7との間で中間転写ベルト5を挟むように設けられ、搬送経路18の下流部には定着部22が設けられ、搬送経路18の下流端部には排紙部23が設けられている。
【0029】
次に、このような構成を備えたカラープリンター1の画像形成動作について説明する。
【0030】
カラープリンター1に電源が投入されると、各種パラメータ−が初期化され、定着部22の温度設定等の初期設定が実行される。そして、カラープリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
【0031】
まず、帯電器12によって感光体ドラム11が所定の表面電位に帯電された後、露光器13からのレーザー光により感光体ドラム11に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム11の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像を、トナー補給装置14がトナーにより対応する色のトナー像に現像し、可視化する。このトナー像は、一次転写ローラー15によって中間転写ベルト5の表面に一次転写される。以上の動作が画像形成部10ごとに順次繰り返されることによって、中間転写ベルト5上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0032】
一方、給紙部20によって給紙カセット3又は手指しトレイ(図示せず)から取り出された転写紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて二次転写ローラー21側へと搬送され、二次転写ローラー21によって、中間転写ベルト5上のフルカラーのトナー像が転写紙に二次転写される。トナー像を二次転写された転写紙は、搬送経路18を下流側へと搬送されて定着部22に進入し、この定着部22において転写紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された転写紙は、排紙部23から排紙トレイ4上に排出される。
【0033】
なお、感光体ドラム11上に残留したトナーと電荷は、クリーニングブレード16と除電器17によってそれぞれ除去される。また、キャリブレーションによる画像濃度検出時には、キャリブレーション用のトナー画像を形成して中間転写ベルト5に転写し、このトナー画像の濃度を画像濃度センサー8によって検出する。
【0034】
次に、主に図2〜図5を用いて、トナー補給装置14の詳細について説明する。以下、便宜上、図2における手前側(図3における左側)を各部材の正面側(前側)として説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナー補給装置を示す断面図である。図3は、本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナーコンテナを示す断面図である。図4は、本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナーコンテナの前側壁付近の断面図である。図5は、本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナーコンテナの後側壁付近の断面図である。なお、図3は、図2のA−A線部分を切断面とし、図4及び図5は、図2のB−B線部分を切断面としている。
【0035】
図2に示されるように、トナー補給装置14は、トナーコンテナ24と、トナーコンテナ24の下方に配置される現像器25と、を備えている。トナーコンテナ24は、例えば現像器25に着脱可能に装着されており、トナーコンテナ24と現像器25の間には、中間ホッパー等の他のトナー容器は設けられていない。
【0036】
まず、トナーコンテナ24について説明すると、トナーコンテナ24には、画像形成部10ごとに異なる色のトナーが収容されており、トナー残量を検知する手段が設けられていない。
【0037】
図3に最も良く示されるように、各トナーコンテナ24は、上面が開口された容器本体26と、容器本体26の開口を閉止する蓋体27と、を備えている。容器本体26の上端にはフランジ部28が設けられており、このフランジ部28に蓋体27が超音波溶着されることで、トナーコンテナ24が閉止されている。
【0038】
容器本体26は、前後方向に細長い形状を成している。容器本体26の底部の前端部右側には排出口30が設けられている。排出口30は、トナーコンテナ24を現像器25に装着していない状態において、スライド式のシャッター(図示せず)により閉止されている。そして、トナーコンテナ24が現像器25に装着されるのに連動してシャッターがスライドして排出口30が開放されるように構成されている。
【0039】
容器本体26には、排出口30の上方に、搬送スクリュー31が回転可能に設けられている。搬送スクリュー31は、前後方向に延びる回転軸34と、この回転軸34の外周に同心で設けられたスパイラルフィン35と、を備えている。回転軸34の前後両端部は、容器本体26の前後両側壁32、33にそれぞれ設けられた軸穴36、37に挿通されている。これにより、搬送スクリュー31が容器本体26に回転可能に支持されている。回転軸34の後端部は、容器本体26の後側壁33の後方に突出しており、この突出部分に搬送ギア38が固定されている。

【0040】
容器本体26には、搬送スクリュー31の左上方に第1攪拌手段としての第1攪拌パドル40と、第2攪拌手段としての第2攪拌パドル41が設けられている。
【0041】
第1攪拌パドル40は、容器本体26の前端側から後端側まで設けられる第1回転軸42と、第1回転軸42の軸方向(本実施形態では前後方向)中央部に取り付けられる第1攪拌羽根43と、を備えている。
【0042】
第1回転軸42は、前後方向に長い丸棒状を成している。図4に示されるように、第1回転軸42の前端部は、容器本体26の前側壁32に穿設された前側挿通穴44に挿通され、図5に示されるように、第1回転軸42の後端部は、容器本体26の後側壁33に穿設された後側挿通穴45に挿通されている。これにより、第1攪拌パドル40が、容器本体26に回転可能に支持されている。第1回転軸42の後端部は、容器本体26の後側壁33の後方に突出しており、この突出部分に第1攪拌ギア46が固定されている。
【0043】
第1攪拌羽根43は、例えば、PETフィルム、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムを用いて形成されており、可撓性を有している。第1攪拌羽根43は、前後方向に長い長方形状を成しており、一方の長辺部47aが第1回転軸42に取り付けられている。
【0044】
図3に示されるように、第2攪拌パドル41は、第1回転軸42と同軸上に配置される第2回転軸48a、48bと、第2回転軸48a、48bに取り付けられる第2攪拌羽根50と、を備えている。
【0045】
第2回転軸48a、48bは、円筒状を成しており、前後一対で設けられている。各第2回転軸48a、48bは、第1攪拌羽根43の前後両側の第1回転軸42の外周に装着されている。換言すると、第1攪拌羽根43の前後両側において、各第2回転軸48a、48bに第1回転軸42が挿通されている。このような構成により、第2攪拌パドル41は、容器本体26及び第1攪拌パドル40に対して相対回転可能になっている。
【0046】
図4に示されるように、前側の第2回転軸48a(以下、単に「第2回転軸48a」と称する。)の前端部は、容器本体26の前側壁32に設けられた前側挿通穴44に第1回転軸42とともに挿通されており、前側壁32の前方に突出している。そして、この前側壁32の前方に突出した部分に、第2攪拌ギア51が固定されている。図5に示されるように、後側の第2回転軸48b(以下、単に「第2回転軸48b」と称する。)は、容器本体26の後側壁33の後側挿通穴45には挿通されておらず、容器本体26内に配置されている。
【0047】
第2回転軸48aの後端部と第2回転軸48bの前端部は、芯材52によって接続されており、これにより、第2回転軸48aが回転すると、これに従動して第2回転軸48bが回転するように構成されている。芯材52はコ字状を成しており、第1攪拌羽根43の外周部(第1攪拌羽根43の前後両側の短辺部54と第1回転軸42に取り付けられていない側の長辺部47b)と所定の間隔を介して設けられている。
【0048】
第2攪拌羽根50は、例えば、PETフィルム、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムを用いて形成されており、可撓性を有している。第2攪拌羽根50は、第1攪拌羽根43と同様に前後方向に長い形状を成している。第2攪拌羽根50は、前後方向に延びる接続部55と、この接続部55の前後両端部から略直角に屈曲される取付部56と、を備えており、コ字状を成している。各取付部56は、接続部55の反対側において各第2回転軸48a、48bに取り付けられている。第2攪拌羽根50の内周部は、コ字状を成しており、芯材52に取り付けられている。第2攪拌羽根50の内周部は、第1攪拌羽根43の外周部と所定の間隔を介して設けられており、第1攪拌羽根43の外周部を囲繞するように設けられている。
【0049】
図3に示されるように、第2攪拌羽根50の長さL1(本実施形態では前後方向の長さ)は、第1攪拌羽根43の長さL2よりも大きい。図4に示されるように、第2攪拌羽根50の幅W1(本実施形態では、第1回転軸42及び第2回転軸48a、48bの軸心Pからの最大幅)は、第1攪拌羽根43の幅W2よりも大きい。
【0050】
次に、現像器25について説明すると、現像器25には2成分現像方式が採用され、トナーとキャリアからなる現像剤を収容し、図2に示されるように、現像器25は、ケーシング58によって外周を覆われており、ケーシング58の左端には開口部59が設けられている。
【0051】
ケーシング58の上板には、トナーコンテナ24の排出口30と対応する位置に導入口60が設けられており、この導入口60の下方には、左右一対の攪拌ミキサーパドル61a、61bが回転可能に収納されている。攪拌ミキサーパドル61a、61bは、ケーシング58内に立設された隔壁62によって隔てられた状態で配置されており、攪拌ミキサーパドル61a、61bによって現像器25内の現像剤が循環するように構成されている。
【0052】
右側の攪拌ミキサーパドル61b(以下、単に「攪拌ミキサーパドル61b」と称する。)の右方には検出手段としてのトナー濃度センサー63が設けられている。このトナー濃度センサー63は、例えば透磁率センサーであり、現像器25内に収容されている現像剤の透磁率を測定し、トナーとキャリアの混合比からトナー濃度を検出できるように構成されている。攪拌ミキサーパドル61bには、センサークリーナー64が取り付けられている。センサークリーナー64は、トナー濃度センサー63と接触可能な位置に設けられており、攪拌ミキサーパドル61bの回転に伴ってトナー濃度センサー63に摺接し、トナー濃度センサー63の表面をクリーニングするように構成されている。
【0053】
左側の攪拌ミキサーパドル61aの左方には、開口部59から一部を露出させるようにして、現像ローラー65(現像剤担持体)が設けられている。現像ローラー65は、例えば、固定マグネットを内包した回転可能なスリーブを有している。現像ローラー65の上方には、現像剤規制ブレード66が配置されており、現像剤規制ブレード66によって流量を調整された現像剤が現像ローラー65によって保持され、現像ローラー65と対向する感光体ドラム11に供給されるようになっている。この感光体ドラム11に供給される現像剤は、攪拌ミキサーパドル61a、61bによって入れ替えられる。
【0054】
次に、主に図6を用いて、カラープリンター1の制御システムについて説明する。図6は、本発明の一実施形態に係るカラープリンターのシステム構成の概略を示すブロック図である。
【0055】
カラープリンター1には、制御手段としてのCPU71が設けられている。CPU71は、ROM、RAM等の記憶装置で構成される記憶手段72と接続されており、記憶手段72に格納された制御プログラムや制御用データに基づいて、CPU71がカラープリンター1の各部の制御を行うように構成されている。記憶手段72には、例えば、トナーコンテナ24から現像器25にトナー補給を行う基準となるトナー濃度(以下、「第1下限濃度」と称する。)や、この第1下限濃度から所定の値を減じて算出したトナー濃度(以下、「第2下限濃度」と称する。)が格納されている。
【0056】
CPU71は、プリンター本体2に設けられた操作表示部73と接続されている。操作表示部73には、例えば、スタートキー、ストップ/クリアキー、電源キー、テンキー、タッチパネル等の操作キーが設けられ、ユーザーが各操作キーを操作すると、その操作指示がCPU71に出力されるように構成されている。また、CPU71から出力される信号に基づいて、エラーメッセージ等の各種情報が操作表示部73に表示されるように構成されている。
【0057】
CPU71は、画像濃度センサー8やトナー濃度センサー63と接続されており、画像濃度センサー8やトナー濃度センサー63からの信号をCPU71が受信するように構成されている。
【0058】
CPU71は、モーター駆動部74を介して搬送モーター75と接続されており、搬送モーター75は搬送ギア38に接続されている。そして、CPU71からの駆動指令信号に基づいてモーター駆動部74から搬送モーター75に電流が流されることで搬送モーター75が回転し、この搬送モーター75の回転が搬送ギア38に伝達されて搬送ギア38が回転するように構成されている。
【0059】
CPU71は、モーター駆動部74を介して第1攪拌モーター76と接続されており、第1攪拌モーター76は第1攪拌ギア46に接続されている。そして、CPU71からの駆動指令信号に基づいてモーター駆動部74から第1攪拌モーター76に電流が流されることで第1攪拌モーター76が回転し、この第1攪拌モーター76の回転が第1攪拌ギア46に伝達されて第1攪拌ギア46が回転するように構成されている。
【0060】
CPU71は、モーター駆動部74を介して第2攪拌モーター77と接続されており、第2攪拌モーター77は第2攪拌ギア51に接続されている。そして、CPU71からの駆動指令信号に基づいてモーター駆動部74から第2攪拌モーター77に電流が流されることで第2攪拌モーター77が回転し、この第2攪拌モーター77の回転が第2攪拌ギア51に伝達されて第2攪拌ギア51が回転するように構成されている。
【0061】
上記の如く構成されたカラープリンター1におけるトナー補給制御について主に図7〜図9を用いて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナー補給制御(ニアエンド前)を示すフローチャートである。図8は、本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、トナー補給制御(ニアエンド時)を示すフローチャートである。図9は、本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、ニアエンド状態である旨の判定がされた直後のトナーコンテナの状態を示す断面図である。なお、図7、図8の一部のステップにおいて括弧内に表示されているパドル名は、そのステップにおいて回転しているパドルを示している。
【0062】
上記の如く構成されたものにおいて、画像出力が行われると(S101)、トナー濃度センサー63が現像器25内のトナー濃度を検出し(S102)、この検出信号をCPU71に出力する。CPU71は、トナー濃度センサー63によって検出されたトナー濃度(以下、「検出されたトナー濃度」と略称する。)を記憶手段72に格納された第1下限濃度と比較し、検出されたトナー濃度が第1下限濃度よりも低いか否かを判定する(S103)。この判定がNOの場合には、CPU71は、現像器25内のトナー濃度が十分で有ると判断する。これに伴って、トナー補給が行われることなく画像が出力される(S101)。
【0063】
一方で、S103の判定がYESの場合には、CPU71は、検出されたトナー濃度と記憶手段72に格納された第2下限濃度を比較し、検出されたトナー濃度が第2下限濃度以下であるか否かを判定する(S104)。この判定がNOの場合には、CPU71は、モーター駆動部74に駆動指令信号を送信して、第1攪拌モーター76及び搬送モーター75を駆動させる。
【0064】
この第1攪拌モーター76の駆動に伴って、第1攪拌モーター76の駆動力が第1攪拌ギア46に伝達され、第1攪拌パドル40が図2に矢印で示す向きに回転する。これによって、トナーコンテナ24内のトナーが、攪拌されながら搬送スクリュー31側へと搬送される。
【0065】
また、上記した搬送モーター75の駆動に伴って、搬送モーター75の駆動力が搬送ギア38に伝達されて搬送スクリュー31が回転する。これによって、トナーコンテナ24内のトナーが排出口30から現像器25内に導入され、現像器25へのトナー補給が行われる(S105)。なお、このトナー補給(S105)は、印字を継続しながら行われる。また、このトナー補給(S105)では、第2攪拌モーター77は駆動させていないため、第2攪拌パドル41の回転は停止している。上記したトナー補給(S105)が完了すると、S101のステップに戻って画像出力が行われる。
【0066】
一方で、上記したS104の判定がYESの場合には、CPU71は、トナーコンテナ24内のトナー残量が少なくなり、トナーコンテナ24から現像器25へのトナーの補給量が低下していると判断し、現像器25からのトナーの排出を一定時間停止した状態(印字を一定時間停止した状態)でトナーコンテナ24から現像器25へとトナーを補給する「トリートメント動作」を行う(S106)。このトリートメント動作(S106)は、トナー補給(S105)と同様に、第1攪拌パドル40と搬送スクリュー31を回転させながら行い、第2攪拌パドル41の回転は停止している。
【0067】
上記したトリートメント動作(S106)が完了したら、トナー濃度センサー63によって現像器25内のトナー濃度を検出する(S107)。CPU71は、検出されたトナー濃度と記憶手段72に格納された基準値(例えば、第1下限濃度)を比較し、検出されたトナー濃度が基準値以上であるか否かを判定する(S108)。このS108の判定がYESの場合には、S101のステップに戻って画像出力が行われる。
【0068】
一方で、上記したS108のステップがNOの状態(検出されたトナー濃度が前記した基準値よりも低い状態)が一定時間続いた場合には、CPU71は、トナーコンテナ24内のトナーがニアエンド状態(第1攪拌パドル40を回転させながらトナー補給を行ってもトナー濃度が回復しない状態)であると判定し(S109)、ニアエンド時の制御(図8参照)を行う。
【0069】
このニアエンド時の制御について更に説明すると、まず、CPU71は、操作表示部73に信号を出力して、例えば「トナーが残りわずかです」等のニアエンド表示を操作表示部73に表示させる(S201)。これによって、ユーザーによるトナーコンテナ24の交換が促される。
【0070】
このようにニアエンド表示を行うとともに、CPU71は、モーター駆動部74に駆動指令信号を送信して、第2攪拌モーター77及び搬送モーター75を駆動させる(第1攪拌モーター76は駆動させない)。
【0071】
この第2攪拌モーター77の駆動に伴って、第2攪拌モーター77の駆動力が第2攪拌ギア51に伝達されて第2攪拌パドル41が図2に矢印で示す向きに回転する。これによって、トナーコンテナ24内のトナーが、攪拌されながら搬送スクリュー31側へと搬送される。なお、前記したトナー補給(S105)やトリートメント動作(S106)では第1攪拌パドル40のみが回転しているため、ニアエンド表示がされた直後には、トナーコンテナ24内において第1攪拌羽根43が届かない部分にトナーが残存している(図9に矢印tで残存するトナーを示す)。この残存しているトナーが、第2攪拌パドル41の回転に伴って、第2攪拌羽根50で排出口30に向かって流動する。
【0072】
また、上記した搬送モーター75の駆動に伴って、搬送モーター75の駆動力が搬送ギア38に伝達されて搬送スクリュー31が回転する。これによって、トナーコンテナ24内のトナーが排出口30を介して現像器25内に導入され、現像器25へのトナー補給が行われる(S202)。
【0073】
現像器25へのトナー補給が完了すると、画像出力(S203)が行われる。画像出力(S203)が完了すると、トナー濃度センサー63が現像器25内のトナー濃度を検出し(S204)、この検出信号をCPU71に出力する。CPU71は、検出されたトナー濃度と記憶手段72に格納された第1下限濃度を比較し、検出されたトナー濃度が第1下限濃度よりも低いか否かを判定する(S205)。この判定がNOの場合には、CPU71は、現像器25内のトナー濃度が十分で有ると判断する。これに伴って、トナー補給が行われることなく画像出力が行われる(S203)。
【0074】
一方で、S205の判定がYESの場合には、CPU71は、検出されたトナー濃度と記憶手段72に格納された第2下限濃度を比較し、検出されたトナー濃度が第2下限濃度以下であるか否かを判定する(S206)。この判定がNOの場合には、CPU71は、モーター駆動部74に駆動指令信号を送信して第2攪拌モーター77及び搬送モーター75を駆動させ、トナー補給(S202)と同様に、第2攪拌パドル41と搬送スクリュー31を回転させてトナー補給を行う(S207)。
【0075】
一方で、上記したS206の判定がYESの場合には、CPU71は、トナーコンテナ24内のトナー残量が少なくなり、トナーコンテナ24から現像器25へのトナーの補給量が低下していると判断し、トリートメント動作を行う(S208)。このトリートメント動作(S208)は、トナー補給(S202、S207)と同様に、第2攪拌パドル41と搬送スクリュー31を回転させながら行い、第1攪拌パドル40の回転は停止している。
【0076】
上記したトリートメント動作(S208)が完了したら、トナー濃度センサー63によって現像器25内のトナー濃度を検出する(S209)。CPU71は、検出されたトナー濃度を、記憶手段72に格納された基準値(例えば、第1下限濃度)と比較し、検出されたトナー濃度が基準値以上であるか否かを判定する(S210)。このS210の判定がYESの場合には、S203のステップに戻って画像出力が行われる。
【0077】
一方で、上記したS210のステップがNOの場合には、CPU71は、トナーコンテナ24内にトナーが無いと判断し、操作表示部73に信号を出力して例えば「トナーがありません」等のトナーエンド表示を操作表示部73に表示させるとともに、カラープリンター1を停止させる(S211)。
【0078】
なお、ニアエンド表示(S201)以降にプリンター本体2のカバー(図示せず)が開閉されたり、カラープリンター1の電源スイッチがOFF/ONされたりした場合には、トナーコンテナ24の交換が行われた可能性が有る。この場合には、第1攪拌パドル40と第2攪拌パドル41のいずれか一方又は両方によるトリートメント動作を行い、トナー濃度センサー63によって現像器25内のトナー濃度を検出する。トナー濃度が基準値(例えば、第1下限濃度)以上まで回復した場合には、ニアエンド表示やトナーエンド表示を解除させ、通常の画像出力(S101)に移行する。その後は、第1攪拌パドル40のみを回転させてトナー補給を行う。
【0079】
以上のように、本実施形態では、トナーコンテナ24内のトナーがニアエンド状態であるとCPU71が判定する前は、第1攪拌パドル40を回転させるとともに第2攪拌パドル41の回転を停止させ、トナーコンテナ24内のトナーがニアエンド状態であるとCPU71が判定した後は、第2攪拌パドル41を回転させるとともに第1攪拌パドル40の回転を停止させている。このような構成により、ニアエンド時には、トナーコンテナ24内において第1攪拌羽根43が届かない部分にトナーが残存することになり、ニアエンド時においてトナーコンテナ24内に残存しているトナーの量を従来よりも多くすることが可能となる。これに伴って、ニアエンドからトナーエンドまでの印字枚数を増加させることが可能となるため、トナーコンテナ24の交換のための十分な時間を確保することが可能となり、ユーザーの負担を軽減させることができる。
【0080】
また、本実施形態では、第1回転軸42が容器本体26の前端側から後端側まで設けられ、第1攪拌羽根43が第1回転軸42の軸方向中央部に取り付けられ、第2回転軸48a、48bが第1攪拌羽根43の両側において第1回転軸42に装着され、第2攪拌羽根50が、第2回転軸48a、48bに両端部を取り付けられて第1攪拌羽根43の外周を囲繞するように設けられている。このような構成を採用することで、簡易な構成により、第1攪拌パドル40と第2攪拌パドル41を別個に回転させることが可能となる。
【0081】
また、本実施形態では、トナー濃度センサー63が現像器25に設けられている。このような構成を採用することにより、トナーコンテナ24にトナー残量センサーを設けなくてもトナーコンテナ24内のトナー残量を推測することが可能となり、頻繁に交換が必要となるトナーコンテナ24の構成を簡易なものとすることが可能となる。
【0082】
また、本実施形態では、トリートメント動作によってトナーコンテナ24内のトナー残量がわずかであることを確認してからニアエンド状態である旨の判定が行われているため、トナーコンテナ24内に十分な量のトナーが残存しているにも関わらずニアエンド表示が行われるような不都合を回避することが可能となる。
【0083】
また、本実施形態では、トナーコンテナ24が、中間ホッパー等の他のトナー容器を介さずに現像器25に接続されているため、トナー補給装置14の構成を簡易なものとすることが可能となり、製造工程の簡易化及び製造コストの低廉化を図ることが可能となる。
【0084】
本実施形態では、CPU71によってトナーコンテナ24内のトナーがニアエンドである旨の判定がされた後、第2攪拌パドル41のみを回転させる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、CPU71によってトナーコンテナ24内のトナーがニアエンドである旨の判定がされた後に、第1攪拌パドル40と第2攪拌パドル41の両方を回転させても良い。
【0085】
本実施形態では、第1回転軸42や第2回転軸48a、48bが容器本体26の前後両側壁32、33に直接支持される場合について説明したが、他の異なる実施形態では、第1回転軸42や第2回転軸48a、48bが容器本体26の前後両側壁32、33に軸受け(図示せず)を介して支持されても良い。
【0086】
本実施形態では、第2回転軸48aと第2回転軸48bを芯材52によって接続する場合について説明したが、他の異なる実施形態においては、芯材52を設けることなく、第2回転軸48aと第2回転軸48bを第2攪拌羽根50のみを介して接続しても良い。
【0087】
本実施形態では、第2攪拌羽根50の長さ及び幅の両方が第1攪拌羽根43よりも大きい場合について説明したが、他の異なる実施形態では、第2攪拌羽根50の長さ又は羽根のいずれか一方のみが第1攪拌羽根43よりも大きくても良い。
【0088】
本実施形態では、トナーコンテナ24の前側と後側に、それぞれ第2攪拌ギア51と第1攪拌ギア46を配置する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、トナーコンテナ24の前側又は後側のいずれか一方に第1攪拌ギア46と第2攪拌ギア51の両方を配置しても良い。
【0089】
本実施形態では、現像器25に取り付けられるトナー濃度センサー63によってトナーコンテナ24内のトナー濃度を検出する構成について説明したが、他の異なる実施形態では、トナーコンテナ24又は現像器25に取り付けられる圧電センサー、光センサー等の他の異なる検出手段によって、トナーコンテナ24内のトナー残量やトナー濃度を検出しても良い。
【0090】
本実施形態では、トナーと磁性キャリアよりなる2成分現像方式について説明したが、トナー濃度センサー63を用いない場合には、キャリアを含まない1成分現像方式を用いても良い。
【0091】
本実施形態ではスライド式のシャッターを用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、トナーコンテナ24が現像器25に装着されることでレバーのロックが解除された後、ユーザーのレバー操作に連動してシャッターが回転して排出口30が開放される回転式のシャッターを用いても良い。
【0092】
本実施形態では、トナーコンテナ24を直接現像器25に接続する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、トナーコンテナ24を中間ホッパー等の他のトナー容器を介して現像器25に接続しても良い。この場合には、中間ホッパー等の他のトナー容器に本発明の構成を適用しても良い。
【0093】
本実施形態では、タンデム式のカラープリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、ロータリー式のカラープリンター1、モノクロプリンター、複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。
【0094】
(比較実験)
従来のトナーコンテナ(比較例)と本発明に係るトナーコンテナ(実施例)について、ニアエンドからトナーエンドまでの印刷枚数を比較するための実験を行った。
【0095】
比較例については、単一の攪拌パドルのみを備えたトナーコンテナを用意し、トナーコンテナ内のトナーが僅かになった時点でニアエンドとし、そこから画像濃度が低下しない程度まで印字を行なった後にトナーエンドとした。
【0096】
一方で、実施例については、第1攪拌パドルと第2攪拌パドルを備えた上記実施形態と同様の構成のトナーコンテナを用意した。そして、第1攪拌パドルを回転させながらトナー補給を行ってもトナー濃度が回復しなくなった時点でニアエンドとし、そこから第2攪拌パドルを回転させながらトナー補給を行い、画像濃度が低下しない程度まで印字を行なった後にトナーエンドとした。
【0097】
本実験では、印字率5%の原稿で2000枚印字可能な量のトナーをトナーコンテナに充填し、5%原稿を連続印字して評価を行なった。図10に、比較例と実施例について、初期時、ニアエンド時、トナーエンド時におけるトナーコンテナ内のトナー重量と印字枚数を示す。比較例では、ニアエンド時にトナーコンテナ内のトナー重量が非常に少なくなっているため、ニアエンドからトナーエンドまでに29枚しか印字できなかった。これに対し、本発明の構成では、ニアエンド時に比較例の2倍以上の重量のトナーがトナーコンテナ内に残存しているため、ニアエンドからトナーエンドまでに340枚もの印字を行うことができた。
【0098】
以上のように、本発明の構成によれば、ニアエンド時におけるトナーコンテナ内のトナー残量を従来よりも多くすることが可能となり、ニアエンドからトナーエンドまでの印字枚数を増加させることができる。これに伴って、ユーザーがトナーコンテナの交換を行うための時間を十分に確保することが可能となり、ユーザーの負担を軽減させることが可能となる。
【符号の説明】
【0099】
1 カラープリンター(画像形成装置)
14 トナー補給装置
24 トナーコンテナ(トナー容器)
25 現像器
26 容器本体
30 排出口
40 第1攪拌パドル(第1攪拌部材)
41 第2攪拌パドル(第2攪拌部材)
42 第1回転軸
43 第1攪拌羽根
48 第2回転軸
50 第2攪拌羽根
63 トナー濃度センサー(検出手段)
71 CPU(制御手段)
72 記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容する容器本体と、該容器本体に設けられてトナーを排出する排出口と、を有するトナー容器と、
前記排出口から排出されるトナーが供給される現像器と、
前記トナー容器内又は前記現像器内のトナー濃度又はトナー残量を検出する検出手段と、
該検出手段からの信号を受信する制御手段と、を備えたトナー補給装置であって、
前記トナー容器は、
前記容器本体に取り付けられる第1回転軸と、該第1回転軸に取り付けられる第1攪拌羽根と、を有する第1攪拌部材と、
前記第1回転軸と同軸上に配置される第2回転軸と、該第2回転軸に取り付けられ、長さ又は幅の少なくとも一方が前記第1攪拌羽根よりも大きい第2攪拌羽根と、を有する第2攪拌部材と、を備え、
前記検出手段からの信号に基づいて前記制御手段が前記トナー容器内のトナーがニアエンド状態であると判定する前は、前記第1攪拌部材を回転させるとともに前記第2攪拌部材の回転を停止させ、
前記検出手段からの信号に基づいて前記制御手段が前記トナー容器内のトナーがニアエンド状態であると判定した後は、前記第2攪拌部材を回転させることを特徴とするトナー補給装置。
【請求項2】
前記第1回転軸は、前記容器本体の一端側から他端側まで設けられ、
前記第1攪拌羽根は、前記第1回転軸の軸方向中央部に取り付けられ、
前記第2回転軸は、前記第1攪拌羽根の両側の前記第1回転軸に装着され、
前記第2攪拌羽根は、前記各第2回転軸に両端部を取り付けられ、前記第1攪拌羽根の外周を囲繞するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
【請求項3】
前記現像器には、トナーとキャリアからなる現像剤が収容され、
前記検出手段は、現像剤中のトナー濃度を検出可能なトナー濃度センサーであり、前記現像器に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー補給装置。
【請求項4】
トナー濃度の基準値を格納した記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記現像器からのトナーの排出を一定時間停止した状態でトナーを前記トナー容器から前記現像器へと供給するトリートメント動作が行われた後に、前記トナー濃度センサーによって検出されるトナー濃度と前記基準値を比較し、前記トナー濃度センサーによって検出されるトナー濃度が前記基準値以上でない場合に、前記トナー容器内のトナーがニアエンド状態であると判定することを特徴とする請求項3に記載のトナー補給装置。
【請求項5】
前記トナー容器は、他のトナー容器を介さずに前記現像器に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー補給装置。
【請求項6】
トナーを収容する容器本体と、該容器本体に設けられてトナーを排出する排出口と、を有するトナー容器であって、
前記容器本体に取り付けられる第1回転軸と、該第1回転軸に取り付けられる第1攪拌羽根と、を有する第1攪拌部材と、
前記第1回転軸と同軸上に配置される第2回転軸と、該第2回転軸に取り付けられ、長さ又は幅の少なくとも一方が前記第1攪拌羽根よりも大きい第2攪拌羽根と、を有する第2攪拌部材と、を備え、
トナーがニアエンド状態になる前は、前記第1攪拌部材を回転させるとともに前記第2攪拌部材の回転を停止させ、
トナーがニアエンド状態になった後は、前記第2攪拌部材を回転させることを特徴とするトナー容器。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー補給装置又は請求項6に記載のトナー容器を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−68703(P2013−68703A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205849(P2011−205849)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】