説明

トリアジンキナーゼ阻害剤

本発明は式I:


の化合物およびその医薬的に許容される塩を提供する。式Iの化合物はチロシンキナーゼ活性を阻害し、それにより、それらは抗癌剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗癌剤として有用である、新規なトリアジン化合物に関する。本発明はまた、該化合物を含む医薬組成物、並びに増殖性疾患および他の疾患(特に、いくつかの種類の癌)の治療に該化合物を用いる方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、チロシンキナーゼ酵素を阻害する化合物、チロシンキナーゼ阻害化合物を含む組成物、およびチロシンキナーゼ活性の過剰発現または発現上昇(upregulation)を特徴とする疾患(例えば、癌、糖尿病、再狭窄、動脈硬化症、乾癬、アルツハイマー病、血管形成疾患および免疫不全)(Powis, G. et al., “Signaling Targets for the Development of Cancer Drugs”, Anti-Cancer Drug Design, 9:263-277 (1994); Merenmies, J. et al., “Receptor Tyrosine Kinase Signaling in Vascular Development” Cell Growth Differ, 8:3-10 (1997); Shawver, L.K. et al., “Receptor Tyrosine Kinases as Targets for Inhibition of Angiogenesis”, Drug Discovery Today, 2:50-63 (1997); これらは全て本明細書で引用により援用されている)を治療するためのチロシンキナーゼ酵素阻害剤の使用方法に関する。
【0003】
チロシンキナーゼは、いくつかの細胞機能に関するシグナル伝達(例えば、細胞増殖、発癌、アポトーシス、および細胞分化)において重要な役割を果たす。これらの酵素の阻害剤は、これらの酵素によって起こる増殖性疾患の治療または予防において有用である。恒常的な分裂促進性の情報伝達をもたらす、受容体タンパク質チロシンキナーゼの過剰発現または活性化が、ヒト悪性腫瘍の増大する重要な要因であるということは確かな疫学的証拠によって示されている。これらのプロセスに係わっているチロシンキナーゼには、Abl、CDK、EGF、EMT、FGF、FAK、Flk−1/KDR、Flt−3、GSK−3、GSKβ−3、HER−2、IGF−1R、IR、Jak2、LCK、MET、PDGF、Src、Tie−2、TrkA、TrkBおよびVEGFが含まれる。したがって、チロシンキナーゼ酵素を制御するか、または阻害するために用いることのできる新規な化合物を研究する目下の必要性が存在する。
【0004】
1またはそれ以上の下記のカテゴリー(これらは一例として与えられているのであって、限定をするためではない)において、有利な、そして改善された特性を有する化合物を見出すことも望まれ、また好まれる。
(a)薬物動態的性質(経口バイオアベイラビリティーを含む);
(b)医薬的性質;
(c)必要な投与量;
(d)血中濃度の最高最低間の特徴(peak-to-trough characteristics)を低下させる要素;
(e)受容体で実薬(active drug)の濃度を増加させる要素;
(f)臨床的な薬物相互作用の易罹病性(liability)を減少させる要素;
(g)有害な副作用の可能性を低下させる要素;並びに
(h)製造コストまたは実現可能性を改善する要素。
【0005】
(発明の概要)
本発明は、チロシンキナーゼ酵素阻害剤として有用な、式Iの化合物(その立体異性体、互変異性体および医薬的に許容される塩を含む)を提供する。
【0006】
本発明はまた、医薬的に許容される担体、および1またはそれ以上の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0007】
本発明はまた、式Iの化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩の治療上の有効量、および適宜1またはそれ以上の他の抗癌剤または治療を、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、1またはそれ以上のチロシンキナーゼ阻害剤に関連する症状の治療方法を提供する。
【0008】
本発明はまた、本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩を用いる、癌の治療方法を提供する。
【0009】
本発明はまた、本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩の、治療における使用を提供する。
【0010】
本発明はまた、本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩の、増殖性疾患治療(例えば、癌)のための医薬の製造における使用を提供する。
【0011】
これらおよび本発明の他の特徴は、本開示が続くに従い、説明される。
(発明の詳細な説明)
【0012】
本発明は、式Iの化合物、そのような化合物を用いる医薬組成物およびそのような化合物を用いる方法を提供する。
【0013】
本発明に従って、式I:
【化1】

[式中:
Qはアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり;
XはC=O、C=SまたはCHであり;
は水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノまたはアルキルアミノカルボニルであり;
は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
は水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
は独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
およびRは独立して水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、または置換ヘテロアルキニルであるか;または
とRは一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
mは1、2または3であり;
nは0、1、2、3または4である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が開示される。
【0014】
本発明に従って、式Ia:
【化2】

[式中:
Qがヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり;
XがC=OまたはC=Sであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、または置換ヘテロアルキニルであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1、2、3または4である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が開示される。
【0015】
本発明の別の態様において、式Ia:
【化3】

[式中:
Qがヘテロアリールであり;
XがC=Oであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、または置換ヘテロアルキニルであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1または2である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が開示される。
【0016】
本発明の更なる態様において、式Ia:
【化4】

[式中:
Qがピラゾールまたはイミダゾールであり;
XがC=Oであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
がピリジン、置換ピリジン、ピラジン、置換ピラジン、チアジアゾール、チアゾール、置換チアゾール、ピペリジンまたは置換ピペリジンであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1または2である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が開示される。
【0017】
本発明の別の態様において、式II:
【化5】

[式中:
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
がピリジン、置換ピリジン、ピラジン、置換ピラジン、チアジアゾール、チアゾール、置換チアゾール、ピペリジンまたは置換ピペリジンであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1または2である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が開示される。
【0018】
本発明のさらに別の態様において、式III:
【化6】

[式中:
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
がピリジン、置換ピリジン、ピラジン、置換ピラジン、チアジアゾール、チアゾール、置換チアゾール、ピペリジンまたは置換ピペリジンであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1または2である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体が開示される。
【0019】
別の態様において本発明は、医薬的に許容される担体、および1またはそれ以上の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩を含む医薬組成物を提供する。
【0020】
別の態様において本発明は、医薬的に許容される担体、および1またはそれ以上の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩の治療上の有効量を含む医薬組成物を提供する。
【0021】
別の態様において本発明は、1またはそれ以上の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩の治療上の有効量を、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、タンパク質キナーゼ関連疾患の治療方法を提供する。
【0022】
別の態様において本発明は、1またはそれ以上の本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩の治療上の有効量を、治療が必要な患者に投与することを特徴とする、チロシンキナーゼ関連疾患の治療方法を提供する。
【0023】
別の態様において、タンパク質キナーゼ関連疾患は、前立腺癌、膵管腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫、メラノーマ、多発性骨髄腫または急性骨髄性白血病(AML)からなる群より選択される。
【0024】
別の態様において本発明は、本発明の化合物、あるいはその立体異性体、互変異性体または医薬的に許容される塩の、タンパク質キナーゼ関連疾患を治療する有効量を投与することを特徴とする、タンパク質キナーゼ関連疾患の治療が必要な患者の治療方法を提供する。
【0025】
別の態様において本発明は、1またはそれ以上の付加的な抗癌剤または治療(例えば、放射線療法)をさらに含む、医薬組成物を提供する。
【0026】
別の態様において本発明は、治療における使用のための、本発明の化合物を提供する。
【0027】
別の態様において本発明は、タンパク質キナーゼ関連疾患治療のために治療において使用するための、本発明の化合物を提供する。
【0028】
別の態様において本発明は、チロシンキナーゼ関連疾患治療のための治療において使用するための、本発明の化合物を提供する。
【0029】
別の態様において本発明はまた、タンパク質キナーゼ関連疾患治療のための医薬の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0030】
別の態様において本発明はまた、チロシンキナーゼ関連疾患治療のための医薬の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0031】
別の態様において本発明は、本発明の化合物と、治療において同時に、別々にまたは連続して使用される付加的な治療薬との併用製剤(combined preparation)を提供する。
【0032】
別の態様において本発明は、本発明の化合物と、タンパク質キナーゼ関連疾患治療において同時に、別々にまたは連続して使用される付加的な治療薬との併用製剤を提供する。
【0033】
本発明は、それの精神または本質的な特質から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。本発明には、本明細書で記載される本発明の好ましい態様のあらゆる組み合わせが包含される。本発明のあらゆる態様は、他の態様または付加的な、より好ましい態様を説明するための態様と併用され得ることが理解される。好ましい態様の各要素は、それぞれの独立した好ましい態様であることも理解される。さらには、ある態様のいずれの要素も、付加的な態様を説明するためのいずれの態様のあらゆる他の要素と組み合わさることが意図される。
【0034】
以下は、本明細書の中で用いられ得る用語の定義である。特にことわりが無ければ、本明細書の中で基または用語に関して提供される最初の定義は、本明細書にわたり単独でまたは別の基の一部として、その基または用語に適用する。
【0035】
本明細書で用いる用語「置換された」は、指定された原子上のいずれかの水素の一以上が、示された基からの選択肢に置き換わることを意味するが、ただし、指定された原子が通常の原子価を上回らず、および置換が安定な化合物をもたらす。置換基がケト(すなわち、=O)の場合、その原子上の2つの水素が置き換わる。ケト置換基は、芳香族部分には存在しない。本明細書で用いる環二重結合は、二つの隣接する環原子の間で形成される二重結合(例えば、C=C、C=N、またはN=N)である。
【0036】
化合物について、いずれかの構成要素または式で、いずれかの記号(例えば、R)が一回より多く存在する場合、それぞれの定義は他の全ての定義から独立している。したがって例えば、もし基が0〜2のRで置換されることが示されていれば、その基は2つまでのR基で適宜置換されてもよく、それぞれのRはRの定義から独立して選択される。また、置換基および/または記号の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合に限り許容される。
【0037】
置換基の結合について、環の2つの原子を結ぶ結合が交差して示されている場合、そのような置換基は環のいずれの原子と結合してもよい。置換基が、所定の式の化合物の残りに結合するのに際し、介する原子を示さないで記載されている場合、そのような置換基は、その置換基のいずれの原子を介して結合してもよい。置換基および/または記号の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合に限り許容される。
【0038】
本発明の化合物に窒素原子(例えば、アミン)がある場合、これらは、酸化剤(例えば、MCPBAおよび/または過酸化水素)で処理することによって、N−オキシドに変換することができ、本発明の他の化合物を提供する。したがって、全ての示されている、および特許請求されている窒素原子は、示されている窒素およびそのN−オキシド(N→O)誘導体の両方を対象にすると見なされる。
【0039】
用語「アルキル」または「アルキレン」は、分枝鎖および直鎖の、1〜20炭素原子、好ましくは1〜7炭素原子の飽和脂肪族炭化水素基を指す。用語「低級アルキル」は、炭素原子が1〜4の無置換アルキル基を指す。アルキルの例には、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、2−メチルブチル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、3−メチルペンチル、および4−メチルペンチルが含まれる。
【0040】
用語「置換アルキル」は、例えば1〜4つの置換基[例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、オキソ、アルカノイル、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、2つのアミノ置換基がアルキル、アリールまたはアリールアルキルから選択される二置換アミン;アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、置換アルカノイルアミノ、置換アリールアミノ、置換アラルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールアルキルチオノ、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、スルホンアミド(例えばSONH)、置換スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル(例えばCONH)、置換カルバミル(例えばCONHアルキル、CONHアリール、CONHアリールアルキル、または窒素にアルキル、アリールもしくはアリールアルキルから選択される2つの置換基がある場合);アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、グアニジノ、ヘテロサイクリル(例えば、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ホモピペラジニルなど)、および置換ヘテロサイクリル]で置換されたアルキル基を指す。上記において、置換基がさらに置換される場合、それはアルキル、アルコキシ、アリールまたはアリールアルキルによってである。
【0041】
用語「アルケニル」または「アルケニレン」は、特定の数の炭素原子、および1またはそれ以上の不飽和炭素炭素結合(それは、鎖におけるいずれかの安定な箇所で生じる)を有する、直鎖または分枝鎖構造の炭化水素鎖を指す。これらは、1〜4個の二重結合を有する、2〜20炭素原子、好ましくは2〜15炭素原子、そして最も好ましくは2〜8炭素原子の基である。アルケニルの例には、これらに限定されないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−メチル−2−プロペニル、4−メチル−3−ペンテニルなどが含まれる。
【0042】
用語「置換アルケニル」は、例えば、1または2つの置換基(例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル、置換カルバミル、グアニジノ、インドリル、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジルなど)で置換されたアルケニル基を指す。
【0043】
用語「アルキニル」または「アルキニレン」は、1またはそれ以上の炭素炭素三重結合(それは、鎖におけるいずれかの安定な箇所で生じる)を有する、直鎖または分枝鎖構造の炭化水素鎖を指す。これらは、1〜4三重結合を有する、2〜20炭素原子、好ましくは2〜15炭素原子、そして最も好ましくは2〜8炭素原子の基である。アルキニルの例には、これらに限定されないがエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが含まれる。
【0044】
用語「置換アルキニル」は、例えば、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、アルキルチオノ、アルキルスルホニル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバミル、置換カルバミル、グアニジノおよびヘテロサイクリル、例えば、イミダゾリル、フリル、チエニル、チアゾリル、ピロリジル、ピリジル、ピリミジルなどの置換基によって置換されたアルキニル基を指す。
【0045】
用語「シクロアルキル」は、好ましくは1〜3つの環および1つの環あたり3〜7炭素を含み、それが不飽和C〜C炭素環とさらに縮合してもよい、適宜置換された、飽和環状炭化水素環系を指す。代表的な基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシル、シクロドデシル、およびアダマンチルが含まれる。代表的な置換基には、上述した1またはそれ以上のアルキル基、あるいはアルキル置換基として上述した1またはそれ以上の基が含まれる。
【0046】
用語「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、酸素架橋を介して、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義したようなアルキル基を指す。例えば、「C1〜6アルコキシ」(またはアルキルオキシ)には、C、C、C、C、C、およびCアルコキシ基が含まれることが意図される。アルコキシの例には、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、およびs−ペントキシが含まれる。同じように、「アルキルチオ」または「チオアルコキシ」は、硫黄架橋を介して、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義したようなアルキル基を意味する(例えば、メチル−S−、エチル−S−、など)。
【0047】
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素 およびヨウ素を指す。
【0048】
用語「ハロアルキル」は、1またはそれ以上のハロゲンで置換された、特定の数の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。ハロアルキルの例には、これらに限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、およびヘプタクロロプロピルが含まれる。ハロアルキルの例にはまた、1またはそれ以上のフッ素原子で置換された、特定の数の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される「フルオロアルキル」も含まれる。
【0049】
用語「ハロアルコキシ」または「ハロアルキルオキシ」は、酸素架橋を介して、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義したようなハロアルキル基を意味する。例えば「C1〜6ハロアルコキシ」は、C、C、C、C、C、およびCハロアルコキシ基を含むことが意図される。ハロアルコキシの例には、これらに限定されないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシなどが含まれる。同じように、「ハロアルキルチオ」または「チオハロアルコキシ」は、硫黄架橋を介して、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義したようなハロアルキル基を意味し;例えば、トリフルオロメチル−S−、ペンタフルオロエチル−S−などである。
【0050】
用語「炭素環」または「カルボサイクリル」は、安定な3、4、5、6、7、もしくは8員単環式または二環式、あるいは7、8、9、10、11、12、もしくは13員二環式または三環式であって、それらはいずれも飽和、部分的に不飽和、または芳香族であり得る。そのようなカルボサイクリルの例には、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、またはテトラヒドロナフチル(テトラリン)が含まれる。特に断りがなければ、好ましいカルボサイクリルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、およびインダニルである。用語「カルボサイクリル」が用いられる場合、「アリール」を含むことが意図される。
【0051】
用語「二環式カルボサイクリル」または「二環式炭素環基」は、2つの縮合した環を含み、炭素原子を構成要素として含む、安定な9または10員炭素環系を指す。2つの縮合した環のうち、1つ目の環は2つ目の環と縮合したベンゾ環であり;2つ目の環は飽和、部分的に不飽和、または不飽和な、5または6員炭素環である。二環式炭素環基は、安定な構造をもたらすいずれの炭素原子においても、そのペンダント基と結合し得る。本明細書で記載される二環式炭素環基は、生じる化合物が安定ならば、いずれの炭素原子において置換されてもよい。二環式炭素環基の例は、これらに限定されないが、ナフチル、1,2−ジヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、およびインダニルである。
【0052】
本明細書における「炭素環」または「カルボサイクリル」に関して、用語「適宜置換された」とは、その炭素環がアルキル(好ましくは、低級アルキル)、アルコキシ(好ましくは、低級アルコキシ)、ニトロ、モノアルキルアミノ(好ましくは、低級アルキルアミノ)、ジアルキルアミノ(好ましくは、ジ(低級)アルキルアミノ)、シアノ、ハロ、ハロアルキル(好ましくはトリフルオロメチル)、アルカノイル、アミノカルボニル、モノアルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミド(好ましくは低級アルキルアミド)、アルコキシアルキル(好ましくは、低級アルコキシ(低級)アルキル)、アルコキシカルボニル(好ましくは、低級アルコキシカルボニル)、アルキルカルボニルオキシ(好ましくは、低級アルキルカルボニルオキシ)並びにアリール(好ましくはフェニル)、前記アリールでハロ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基で適宜置換されるアリールから独立して選択される1またはそれ以上の基によって、1またはそれ以上の置換可能な環位置で置換されてもよいことを示す。
【0053】
用語「アリール」は、環部分が6〜12炭素原子を有する単環式または二環式芳香族炭化水素基を指し、例えばフェニル、ナフチル、ビフェニルおよびジフェニル基などであり、そのそれぞれは置換されてもよい。
【0054】
用語「アリールオキシ」、「アリールアミノ」、「アリールアルキルアミノ」、「アリールチオ」、「アリールアルカノイルアミノ」、「アリールスルホニル」、「アリールアルコキシ」、「アリールスルフィニル」、「アリールヘテロアリール」、「アリールアルキルチオ」、「アリールカルボニル」、「アリールアルケニル」、または「アリールアルキルスルホニル」は、それぞれ、酸素;アミノ;アルキルアミノ;チオ;アルカノイルアミノ;スルホニル;アルコキシ;スルフィニル;ヘテロアリールもしくは置換ヘテロアリール;アルキルチオ;カルボニル;アルケニル;またはアルキルスルホニルに結合している、アリールまたは置換アリールを指す。
【0055】
用語「アリールスルホニルアミノカルボニル」は、アミノカルボニルに結合しているアリールスルホニルを指す。
【0056】
用語「アリールオキシアルキル」、「アリールオキシカルボニル」または「アリールオキシアリール」は、それぞれ、アルキルもしくは置換アルキル;カルボニル;またはアリールもしくは置換アリールに結合しているアリールオキシを指す。
【0057】
用語「アリールアルキル」は、少なくとも一つの炭素原子に結合している、少なくとも一つの水素原子がアリールまたは置換アリールに置き換わっている、アルキルまたは置換アルキルを指す。典型的なアリールアルキルには、これらに限定されないが、例えばベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、および2−ナフトフェニルエタン−1−イルが含まれる。
【0058】
用語「アリールアルキルオキシ」は、酸素結合を介して結合されているアリールアルキル(−O−アリールアルキル)を指す。
【0059】
用語「置換アリール」は、例えば1〜4つの置換基(例えばアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、ハロ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルカノイル、アルカノイルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、チオール、アルキルチオ、ウレイド、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルバミル、アルコキシカルボニル、アルキルチオノ、アリールチオノ、アリールスルホニルアミン、スルホン酸、アルキルスルホニル、スルホンアミド、アリールオキシなど)で置換されたアリール基を指す。その置換基は、さらにヒドロキシ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリールまたはアリールアルキルによって置換され得る。
【0060】
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも一つのヘテロ原子環員(例えば、硫黄、酸素、または窒素)を含む、適宜置換された、安定な単環式および多環式芳香族炭化水素を指す。好ましいヘテロアリール基は、炭素原子並びにN、NH、OおよびSからなる群より独立に選択される1、2、3、もしくは4ヘテロ原子を含む、安定な5、6、もしくは7員単環式または7、8、9、もしくは10員二環式のヘテロ環芳香族環(heterocyclic aromatic rings)である。芳香族ヘテロ環におけるSおよびO原子の総数は、1より大きくないことに注意する。ヘテロアリール基には、これらに限定されないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル インダゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、プリニル、カルバゾリル、ベンズイミダゾリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル−S−オキシド、2,3−ジヒドロベンゾチエニル−S−ジオキシド、ベンゾオキサゾリン−2−オン−イル、インドリニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジオキサンなどが含まれる。
【0061】
例示される置換基には、1またはそれ以上の上述したアルキル基もしくはアリールアルキル基、あるいは1またはそれ以上の上述したアルキル置換基が含まれる。
【0062】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環の」および「ヘテロサイクリル」は、少なくとも一つの炭素原子を有する環において、少なくとも一つのヘテロ原子を有する、適宜置換された、飽和、部分的に不飽和もしくは完全に不飽和な、芳香族もしくは非芳香族環基(例えば、4〜7員単環式、7〜11員二環式、または10〜15員三環式環系)を指す。ヘテロ原子を含む、ヘテロ環基のそれぞれの環は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択されるヘテロ原子を1つ、2つもしくは3つ有してもよく、その場合に窒素および硫黄ヘテロ原子は−NO−、−SO−、または−SO−に適宜酸化されてもよく、また窒素ヘテロ原子は適宜四級化されてもよい。ヘテロ環基は、任意のヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。用語「ヘテロ環」が用いられる場合、ヘテロアリールを含むことが意図される。
【0063】
ヘテロ環の例には、これらに限定されないが、2−ピロリドニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、2H−ピロリル、3H−インドリル、4−ピペリドニル、4aH−カルバゾール、4H−キノリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンズイミダザロニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、b−カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、イミダゾロピリジニル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチアゾロピリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾロピリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリジニルペリミジニル、オキシインドリル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル(phenarsazinyl)、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チアゾロピリジニル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、およびキサンテニルが含まれる。
【0064】
好ましい5〜10員ヘテロ環には、これらに限定されないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、ベンズイミダゾリル、1H−インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンズテトラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、イサチノイル、イソキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソオキサゾロピリジニル、キナゾリニル、キノリニル、イソチアゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、およびピラゾロピリジニルが含まれる。
【0065】
好ましい5〜6員ヘテロ環には、これらに限定されないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、およびトリアゾリルが含まれる。
【0066】
代表的な二環式ヘテロ環基には、2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチエニル、キヌクリジニル、キノリニル、キノリニル−N−オキシド、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンジミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフリル、クロモニル、クマリニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニル(例えば、フロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,1−b]ピリジニル]またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば、3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル)、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズピラゾリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ジヒドロベンゾピラニル、インドリニル、インダゾリル、イソクロマニル、イソインドリニル、ナフチリジニル、フタルアジニル、ピペロニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロトリアジニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、チエノフリル、チエノピリジル、チエノチエニル、などが含まれる。
【0067】
代表的な置換基には、上記の1またはそれ以上のアルキル基もしくはアリールアルキル基、あるいはアルキル置換基として上述した1またはそれ以上の基が含まれる。
【0068】
また、より小さなヘテロサイクリル(エポキシドおよびアジリジン)も含まれる。
【0069】
用語「ヘテロ原子」には、酸素、硫黄および窒素が含まれる。
【0070】
用語「アルキルスルホン」は、−RS(=O)で、そのRがアルキルまたは置換アルキルであるものを指す。
【0071】
用語「オキソ」は、2価の基である=Oを指す。
【0072】
用語「カルバメート」は、−OC(=O)NHの基を指す。
【0073】
用語「アミド」は、−C(=O)NHの基を指す。
【0074】
用語「スルホンアミド」は、−SONHの基を指す。
【0075】
用語「置換アミド」、「置換スルホンアミド」、または「置換カルバメート」は、少なくとも一つの水素が、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルから選択される基に置き換わっている、それぞれ、アミド、スルホンアミド、またはカルバメートを指す。
【0076】
置換アミドは、例えば、−C(=O)NRで、RおよびRが独立してH、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルから選択されるが、ただしRまたはRの少なくとも一つは置換部分である基を指す。
【0077】
置換スルホンアミドは、例えば、−SONRで、RおよびRが独立してアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルから選択されるが、ただしRまたはRの少なくとも一つは置換部分である基を指す。
【0078】
置換カルバメートは、例えば、−OC(=O)NRで、RおよびRが独立してアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、および置換シクロアルキルから選択されるが、ただしRまたはRの少なくとも一つは置換部分である基を指す。
【0079】
用語「ウレイド」は、−NHC(=O)NHの基を指す。
【0080】
用語「シアノ」は、−CNの基を指す。
【0081】
用語「シクロアルキルアルキル」または「シクロアルキルアルコキシ」は、それぞれ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルが結合している、アルキルもしくは置換アルキル;またはアルコキシを指す。
【0082】
用語「ニトロ」は、−N(O)の基を指す。
【0083】
用語「チオ」は、−SHの基を指す。
【0084】
用語「アルキルチオ」は、−SRで、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである基を指す。
【0085】
用語「チオアルキル」は、−RSで、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである基を指す。
【0086】
用語「アルキルスルホニル」は、−S(=O)で、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである基を指す。
【0087】
用語「アルキルスルフィニル」は、−S(=O)Rで、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、または置換シクロアルキルである基を指す。
【0088】
用語「カルボキシ」は、−C(=O)OHの基を指す。
【0089】
用語「カルボキシアルコキシ」または「アルコキシカルボニルアルコキシ」は、それぞれ、カルボキシ、またはアルコキシカルボニルが結合している、アルコキシを指す。
【0090】
用語「アルコキシカルボニル」は、−C(=O)ORで、Rがアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリールである基を指す。
【0091】
用語「アリールアルコキシカルボニル」は、アリールまたは置換アリールが結合している、アルコキシカルボニルを指す。
【0092】
用語「アルキルカルボニルオキシ」または「アリールカルボニルオキシ」は、−OC(=O)Rで、それぞれ、Rがアルキルもしくは置換アルキル、またはアリールもしくは置換アリールである基を指す。
【0093】
用語「カルバモイル」は、−OC(=O)NH、−OC(=O)NHR、および/または−OC(=O)NRで、RおよびRが独立して、アルキルおよび置換アルキルから選択される基を指す。
【0094】
−NR(C=O)Rの基は、Rが水素、低級アルキル、および置換低級アルキルから選択され、並びにRが水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、アリール、および置換アリールから選択される基を指す。
【0095】
用語「カルボニル」は、C(=O)を指す。
【0096】
用語「アルキルカルボニル」、「アミノカルボニル」、「アルキルアミノカルボニル」「アミノアルキルカルボニル」、または「アリールアミノカルボニル」は、それぞれ、アルキルもしくは置換アルキル;アミノ;アルキルアミノもしくは置換アルキルアミノ;アミノアルキルもしくは置換アミノアルキル;またはアリールアミノが結合している、カルボニルを指す。
【0097】
用語「アミノカルボニルアリール」または「アミノカルボニルアルキル」は、それぞれ、アミノカルボニルが結合している、アリールもしくは置換アリール;またはアルキルもしくは置換アルキルを指す。
【0098】
用語「スルホニル」は、S(=O)の基を指す。
【0099】
用語「スルフィニル」は、S(=O)を指す。
【0100】
用語「カルボキシアルキル」は、カルボキシが結合している、アルキルまたは置換アルキルを指す。
【0101】
式Iの化合物は塩を形成することができ、これもまた本発明の範囲内である。医薬的に許容される(すなわち、無毒で、生理学的に許容される)塩が望ましいが、例えば本発明の化合物を単離または精製するのに、他の塩も有用である。
【0102】
式Iの化合物は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムおよびリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)、有機塩基(例えば、ジシクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ピリジン)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)などと塩を形成し得る。そのような塩は、当業者に公知な方法で形成することができる。
【0103】
式Iの化合物は、様々な有機酸および無機酸と塩を形成し得る。そのような塩には、塩化水素、臭化水素、メタンスルホン酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マレイン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、および他の様々な塩(例えば、硝酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、サリチル酸塩など)によって形成されるものが含まれる。そのような塩は、当業者に公知な方法で形成することができる。
【0104】
また、双性イオン(「分子内塩」)も形成され得る。
【0105】
本発明の化合物に関するあらゆる立体異性体は、混合の、または純粋な、もしくは実質的に純粋な形のいずれかで、考慮されている。本発明の化合物の定義は、可能な全ての立体異性体、およびそれらの混合物を包含する。その定義は特に、特定の活性を有する、ラセミ体、および分離された光学異性体を包含する。ラセミ体は、物理的方法(例えば、分別結晶法、ジアステレオマー誘導体の分離もしくは結晶化、またはキラルカラムクロマトグラフィーによる分離)を用いて分離することができる。個々の光学異性体は、通常の方法(例えば、光学活性酸とともに塩を形成し、その後結晶化する方法)を用いてラセミ化合物から得ることができる。
【0106】
式Iの化合物はまた、プロドラッグの形も有し得る。プロドラッグは、医薬品に関する多くの望まれる性質(例えば、溶解性、バイオアベイラビリティ、製造など)を高めることが知られているので、本発明の化合物はプロドラッグの形で提供され得る。したがって本発明は、特許請求されている化合物のプロドラッグ、それの運搬方法、およびそれを含む組成物を包含することも意図されている。「プロドラッグ」は、プロドラッグが対象の哺乳類に投与された場合に、インビボで本発明の活性親薬物を放出する、任意の共有結合担体も含まれることが意図されている。本発明のプロドラッグは、化合物に存在する官能基を修飾することによって製造され、その修飾は、通常操作またはインビボで開裂されて、親化合物になるという方法である。プロドラッグには、本発明のプロドラッグが対象の哺乳類に投与された場合に、開裂して遊離ヒドロキシル基、遊離アミノ基、または遊離スルフヒドリル基を形成するいずれかの基に結合している、それぞれ、ヒドロキシ基、アミノ基、またはスルフヒドリル基である、本発明の化合物が含まれる。プロドラッグの例には、これらに限定されないが、本発明の化合物中のアルコールおよびアミン官能基を有する酢酸、ギ酸、および安息香酸エステルおよびアミド誘導体が含まれる。
【0107】
プロドラッグの様々な形が、当技術分野で公知である。そのようなプロドラッグ誘導体の例として:
a) Design of Prodrugs, edited by H. Bundgaard (Elsevier, 1985), and Methods in Enzymology, Vol. 112, at pp. 309-396, edited by K. Widder et al. (Academic Press, 1985);
b) A Textbook of Drug Design and Development, edited by Krosgaard-Larsen and H. Bundgaard, Chapter 5, “Design and Application of Prodrugs”, by H. Bundgaard, at pp. 113-191 (1991);
c) H. Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, 8:1-38 (1992);
d) Bundgaard, H. et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 77:285 (1988); および
e) Kakeya, N. et al., Chem Phar Bull., 32:692 (1984)
を参照。
【0108】
カルボキシ基を含む化合物は、生理学的に加水分解可能なエステルを形成し、体内で加水分解されて式I化合物それ自体を与えるので、プロドラッグとして役立つことができる。そのようなプロドラッグは、多くの場合で加水分解が主に消化酵素影響下で起こることから、経口投与が好まれる。非経口投与は、エステルそれ自体が活性であるか、または加水分解が血中で起こる場合に用いてもよい。式Iの化合物の、生理学的に加水分解可能なエステルの例には、C1〜6アルキル、C1〜6アルキルベンジル、4−メトキシベンジル、インダニル、フタリル、メトキシメチル、C1〜6アルカノイルオキシ−C1〜6アルキル(例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチルまたはプロピオニルオキシメチル)、C1〜6アルコキシカルボニルオキシ−C1〜6アルキル、(例えば、メトキシカルボニル−オキシメチルまたはエトキシカルボニルオキシメチル)、グリシルオキシメチル、フェニルグリシルオキシメチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)−メチルおよび、例えば、ペニシリンおよびセファロスポリンの分野で用いられる、他のよく知られた生理学的に加水分解可能なエステルが含まれる。そのようなエステルは、当技術分野で公知の、通常の技術によって製造され得る。
【0109】
プロドラッグの製造は当技術分野でよく知られており、例えば、Medicinal Chemistry: Principles and Practice, King, F.D., ed., The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK (1994)に記載されており、これは本明細書で引用としてそのまま援用されている。
【0110】
さらに理解されるべきことは、式Iの化合物の溶媒和物(例えば、水和物)もまた、本発明の範囲内にあることである。溶媒和の方法は、一般的に当技術分野で公知である。
【0111】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度への単離、および効果的な治療薬への製剤化に耐える十分に強い化合物を示すことを意図している。ここで列挙した化合物には、N−ハロ、S(O)H、またはS(O)H基が含まれないことが好ましい。
【0112】
本明細書で用いられる「治療する」または「治療」は、哺乳類(特にヒト)における病状の治療で、
(a)哺乳類における病状の予防(特に、そのような哺乳類が病状に罹りやすい性質を有するのだが未だ罹っていないと診断さている場合の予防)、
(b)病状の抑制、すなわち症状の進行を抑止すること、および/または
(c)病状の軽減、すなわち病状の退行を引き起こすこと、のようなものを包含する。
【0113】
「治療上の有効量」は、単独または併用投与する場合に効果的である、本発明の化合物の量が含まれることを意図している。「治療上の有効量」はまた、Trkに関連した疾患および/または病気を抑制するのに効果的であることが要求される化合物の併用量が含まれることも意図している。この化合物の併用は、相乗併用が好ましい。相乗作用は、例えば、Chou et al., Adv. Enzyme Regul., 22:27-55 (1984)で記載されるように、併用投与する場合の化合物の効果の方が、単剤として単独投与する場合の化合物の相加効果よりも大きい場合に生じる。一般に相乗効果は、化合物が最適濃度に及ばない濃度において最も明瞭に示される。相乗作用は、細胞毒性の低下、抗血栓作用の増加、または個々の成分の場合と比べて併用によってもたらされる他の多くの有益な効果という形であり得る。
【0114】
本発明にはさらに、本発明の化合物の1またはそれ以上、および医薬的に許容される担体を含む組成物も含まれる。
【0115】
「医薬的に許容される担体」は、一般的に、動物(特に哺乳類)に生理活性物質を送達するにあたって、当該技術分野で許容される媒体を指す。医薬的に許容される担体は、十分に当業者の範囲内である、多くの要素にしたがって製剤される。これらには、以下に限定されないが、製剤される活性薬剤の種類および性質、薬剤の含まれる組成物が投与される患者、組成物の投与が対象とする経路、並びに標的とされる治療指標が含まれる。医薬的に許容される担体には、水性および非水性液体媒体の両方が含まれ、並びに様々な固形および半固形の剤形も含まれる。そのような担体は、活性薬剤と共に、多くの異なる成分および添加剤を含むことができ、そのような付加的な成分は、様々な理由(例えば活性薬剤、結合剤の安定化など)で製剤に含まれ、このことは当業者に十分公知である。適した医薬的に許容される担体、およびそれらの選択肢に関わる要素についての記載は、容易に入手可能な多くの出典(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA (1985)にあり、これは本明細書で引用としてそのまま援用されている)に存在する。
【0116】
(実用性)
本発明のさらなる態様において、温血動物(例えば、ヒト)に関する抗増殖効果生成剤の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩の使用が提供される。
【0117】
本発明のさらなる特徴として、治療が必要な温血動物(例えば、ヒト)に関して、抗増殖効果を生成する方法が提供される。その方法は、本明細書で既に定義したように、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩の有効量を、前記動物に投与することを特徴とする。
【0118】
さらに、本発明の別の態様において、いくつかの種類の癌(前立腺、膵管腺癌、乳房、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、甲状腺癌、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫、メラノーマ、多発性骨髄腫または急性骨髄性白血病(AML)を含む)治療に使用する医薬の製造における、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩の使用が提供される。
【0119】
上記本明細書で定義した抗増殖治療は、単独療法として適用してもよく、あるいは本発明の化合物に添加して、一以上の他の物質および/または治療を含んでもよい。そのような治療は、治療におけるそれぞれの成分を同時に、連続的に、または別々に投与することによって達成し得る。本発明の化合物はまた、公知の抗癌剤および細胞毒性薬、並びに放射線治療のような治療と併用しても有用であり得る。もし固定用量として製剤するなら、そのような併用製品は、下記に記載されている用量域の範囲内で本発明の化合物を、および承認されている用量域の範囲内で、他の医薬的に活性な薬剤を用いる。組み合わせ製剤が不適切な場合に、式Iの化合物は公知の抗癌剤および細胞毒性薬、並びに放射線治療のような治療と一緒に、連続して用いることができる。
【0120】
用語「抗癌」剤には、癌治療に有用であるいずれの公知である薬剤も含まれ、例えば以下:17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゾラデックス;マトリクスメタロプロテイナーゼ阻害剤;抗VEGF抗体(アバスチン(登録商標))のようなVEGF阻害剤、および小分子(例えば、ZD6474およびSU6668);バタラニブ、ネクサバール(登録商標)(ソラフェニブトシラート)、スーテント(登録商標)(スニチニブリンゴ酸塩)、CP−547632、およびCEP−7055;HER1および、抗HER2抗体(ハーセプチン)のようなHER2阻害剤;EGFR阻害剤(例えば、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ABX−EGF、EMD72000、11F8、およびセツキシマブ);Eg5阻害剤(例えば、SB−715992、SB−743921、およびMKI−833);panHer阻害剤(例えば、カネルチニブ、EKB−569、CI−1033、AEE−788、XL−647、mAb2C4、およびGW−572016);タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤[例えば、グリベック(登録商標)(イマチニブメシル酸塩)およびダサチニブスプリセル(ダサチニブ)、カソデックス(登録商標)(ビカルタミド)、タモキシフェン];MEK−1キナーゼ阻害剤、MAPKキナーゼ阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤;イマチニブのようなPDGF阻害剤;固形癌への血流を遮断することによって、癌細胞から栄養を取り除き癌細胞を休止状態にさせる、抗血管新生剤および抗血管剤;アンドロゲン依存性の癌を非増殖性にする、去勢;チロシンキナーゼ非受容体および受容体の阻害剤;インテグリンシグナル伝達阻害剤;微小管活性化剤(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンフルニン、パクリタキセル、ドセタキセル、7−O−メチルチオメチルパクリタキセル、4−デスアセチル−4−メチルカルボネートパクリタキセル、3’−tert−ブチル-3’−N−tert-ブチルオキシカルボニル−4−デアセチル-3’−デフェニル−3’−N−デベンゾニル−4−O−メトキシカルボニル−パクリタキセル、C−4メチルカルボナートパクリタキセル、エポチロンA、エポチロンB、エポチロンC、エポチロンD、デスオキシエポチロンA、デスオキシエポチロンB、[1S−[1R,3R(E),7R,10S,11R,12R,16S]]−3−[2−[2−(アミノメチル)−4−チアゾリル]−1−メチルエテニル]−7,11−ジヒドロキシ−8,8,10,12,16−ペンタメチル−4−17−ジオキサビシクロ[14.1.0]−ヘプタデカン−5,9−ジオン、およびこれらの誘導体);CDK阻害剤、抗増殖性の細胞周期阻害剤、エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin)、エトポシド、VM−26;抗悪性腫瘍薬酵素(例えば、トポイソメラーゼI阻害剤、カンプトテシン、トポテカン、SN−38);プロカルバジン;ミトキサントロン;白金配位複合体(例えば、シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチン);生物学的修飾物質;増殖阻害剤;抗ホルモン治療薬;ロイコボリン;テガフール;プリン拮抗薬(例えば、6−チオグアニンおよび6−メルカプトプリン)のような代謝拮抗剤;グルタミン拮抗薬、例えばDON(AT−125;d−オキソ−ノルロイシン);リボヌクレオチド還元酵素阻害剤;mTOR阻害剤;並びに造血性成長因子などである。
【0121】
付加的な細胞毒性薬には、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ミトキサントロン、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、シタラビン、イダトレキセート(idatrexate)、トリメトレキサート(trimetrexate)、ダカルバジン、L−アスパラギナーゼ、ビカルタミド、ロイプロリド、ピリドベンゾインドール誘導体、インターフェロン、およびインターロイキンなどが含まれる。
【0122】
内科的腫瘍学の分野において、それぞれの癌患者を治すために治療の異なる形を併用して用いることは、通常の治療の範囲内である。内科的腫瘍学において、そのような治療の他の構成物には、上記本明細書で定義した抗増殖性の治療に加え、外科手術、放射線治療または化学療法があり得る。そのような化学療法は、治療薬の主要な3つのカテゴリーを包含し得る:
(i)上記で定義したものと異なる機構によって働く血管新生阻害剤(例えば、リノミド、インテグリンαvβ3機能阻害剤、アンジオスタチン、ラゾキサン);
(ii)細胞増殖抑制剤である以下、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン(iodoxifene))、プロゲストーゲン(例えば、酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン)、抗ホルモン剤、抗プロゲストーゲン剤、抗アンドロゲン剤(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン)、LHRHアゴニストおよびアンタゴニスト(例えば、酢酸ゴセレリン、ロイプロリド)、テストステロン5α−ジヒドロレダクターゼ阻害剤(例えば、フィナステリド)、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、抗浸潤剤(例えば、マリマスタットおよびウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体機能阻害剤のようなメタロプロテアーゼ阻害剤)、および成長因子機能阻害剤、(そのような成長因子には、例えばEGF、FGF、血小板由来成長因子および肝細胞増殖因子が含まれ、そのような阻害剤には、成長因子抗体、成長因子受容体抗体であるアバスチン(登録商標)(ベバシズマブ)およびアービタックス(登録商標)(セツキシマブ);チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤が含まれる);並びに
(iii)内科的腫瘍学で用いられている、抗増殖剤/抗悪性腫瘍剤、およびこれらの組み合わせ、例えば、代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサートのような抗葉酸剤、5−フルオロウラシルのようなフルオロピリミジン、プリンおよびアデノシン類似体、シトシンアラビノシド);抗腫瘍抗生物質(例えば、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、およびイダルビシンのようなアントラサイクリン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシン、ミトラマイシン)のインターカレーション;白金誘導体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、シクロホスファミド、イホスファミド、ニトロソ尿素、チオテパ);抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンブラスチン、およびビンフルニンのようなビンカアルカロイド)、およびタキソイド(例えば、タキソール(登録商標)(パクリタキセル)、タキソテール(登録商標)(ドセタキセル))、および最新の微小管剤(newer microtubule agent)(例えば、エポチロン類似体(イクサベピロン)、ディスコデルモリド類似体、およびエリュテロビン類似体);トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、エトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン);細胞周期阻害剤(例えば、フラボピリドル(flavopyridols));生物学的修飾物質およびプロテアソーム阻害剤であるベルケイド(登録商標)(ボルテゾミブ)である。
【0123】
上記のように、本発明の式Iの化合物はそれらの抗増殖効果ゆえに興味の対象となる。そのような本発明の化合物は、癌、乾癬、および関節リウマチのような広範囲にわたる症状に有用であることが予想される。
【0124】
具体的に式Iの化合物は、様々な癌で、以下に限定されないが:
前立腺癌、膵管腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌、および甲状腺癌のような癌;
神経芽細胞腫、神経膠芽腫、および髄芽腫のような中枢神経系および末梢神経系の腫瘍;
血液性悪性腫瘍(例えば、急性骨髄性白血病(AML))、並びに
黒色腫および多発性骨髄腫のようなその他の癌
が含まれる治療において有用である。
【0125】
一般的な、細胞増殖の制御における、キナーゼの重要な働きに起因して、阻害剤は可逆的な細胞分裂阻害剤として作用することができ、それは異常な細胞増殖(例えば、良性前立腺肥大、家族性大腸ポリープ症、神経線維腫症、肺線維症、関節炎、乾癬、糸球体腎炎、血管形成または血管手術後の再狭窄、肥厚性瘢痕形成、および炎症性大腸炎)を特徴とするいずれの疾患経過の治療においても有用であり得る。
【0126】
式Iの化合物は、チロシンキナーゼ活性が高頻度で発現する腫瘍(例えば、前立腺癌、結腸癌、脳癌、甲状腺癌、および脾臓癌)の治療において、特に有用である。また、本発明の化合物は、肉腫、および小児肉腫(pediatric sarcomas)の治療においても有用であり得る。本発明の化合物の組成物(または組み合わせで)を投与することにより、哺乳類の宿主における腫瘍の増殖は減少する。
【0127】
式Iの化合物はまた、キナーゼ[例えば、Flt−3(Fme様キナーゼ3)、Tie−2、CDK2、VEGFR、FGFR、およびIGFRキナーゼ]を通じて働くシグナル伝達経路と関連し得る、他の癌性の疾患(例えば、急性骨髄性白血病)の治療においても有用であり得る。
【0128】
活性成分が含まれる、本発明の医薬組成物は、経口用に適した形態(例えば、錠剤、トローチ剤、ドロップ、水性もしくは油性の懸濁液、分散性の粉末もしくは顆粒、乳濁液、硬もしくは軟カプセル、またはシロップもしくはエリキシル剤)であり得る。経口用である組成物は医薬組成物の製造のために当該技術分野で公知である任意の方法によって製造することができて、並びにそのような組成物には医薬的に優雅な(elegant)および口当たりのよい製剤を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される薬剤の1またはそれ以上が含まれ得る。
【0129】
経口用の製剤はまた、活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されている硬ゼラチンカプセルとしてか、あるいは活性成分がポリエチレングリコールまたは油媒体(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、またはオリーブ油)のような水溶性担体と混合されている軟ゼラチンカプセルとして提供され得る。
【0130】
医薬組成物は、滅菌注射可能な水溶液の形であり得る。許容され得る、ベヒクルおよび溶媒として、水、リンガー溶液および生理食塩液が用いられ得る。
【0131】
この滅菌注射可能な製剤はまた、活性成分が油性相に溶解している、滅菌注射用の水中油型マイクロエマルションでもあり得る。例えば、活性成分はまず、ダイズ油およびレシチンの混合物に溶解され得る。該油剤は次いで、水およびグリセロールの混合物に移されて、マイクロエマルションを形成するために処理される。
【0132】
注射剤またはマイクロエマルションは、局所ボーラス注入法によって患者の血流中に持ち込まれ得る。あるいは、本化合物の血中濃度を一定に維持するために、該液剤またはマイクロエマルションを、該方法で投与することが有効であり得る。そのような一定濃度を維持するために、連続的な静脈内送達装置が利用され得る。そのような装置の一例には、デルテック(Deltec)CADD−PLUS(登録商標)モデル5400静脈内ポンプがある。
【0133】
医薬組成物は、筋肉内および皮下投与のために、滅菌注射可能な、水性または油性の懸濁液の形であり得る。この懸濁液は適した分散剤または湿潤剤、および上記の懸濁剤を用いて、当該技術分野で公知の方法によって製剤され得る。
【0134】
本発明の化合物がヒト患者に投与される場合、通常、1日の服用量は処方医師により決定され、その用量は一般に年齢、体重、性別、およびそれぞれの患者の反応、並びに患者の症状の重症度によって変わる。
【0135】
もし固定用量として製剤するなら、そのような併用製品は、上記に記載した用量域の範囲内で本発明の化合物を、および承認されている用量域の範囲内で他の医薬的に活性な薬剤を用いる。組み合わせ製剤が不適切な場合に、式Iの化合物を公知の抗癌剤および細胞毒性薬と連続して投与してもよい。本発明は、投与の順序に限定されず;式Iの化合物を、公知である抗癌剤もしくは細胞毒性薬の投与の前または後のいずれに投与してもよい。
【0136】
化合物は、約0.05〜200mg/kg/日(好ましくは100mg/kg/日未満)の用量域で単回投与または2回〜4回に分割投与されてもよい。
【0137】
(生物アッセイ)
A.CDK2/サイクリンEキナーゼアッセイ
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.4)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識CDK2E基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応は細菌で発現されたCDK2Eを、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(30μM);FL−ペプチド(1.5μM);CDK2E(0.2nM);および1.6%DMSO。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして11個の濃度で、各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
【0138】
B.FLT3
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.4)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識FLT3基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応はFLT3を、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(200μM);FL−ペプチド(1.5μM);FLT3(4.5nM);および1.6%DMSO。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして11個の濃度で、各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
【0139】
C.GSK3−β
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.2)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、βグリセロールリン酸(25mM)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識ペプチドFL−GSK基質およびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応はGSK3−βを、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000(カリパー、ホプキントン、MA)を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(30μM);FL−GSK基質(1.5μM);His−GSK3B(2.4nM);および1.6%DMSO。
【0140】
D.IGF1−受容体チロシンキナーゼアッセイ
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.4)、MnCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識IGF1R基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応はIGF1−受容体を、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(25μM);FL−ペプチド(1.5μM);IGF1−受容体(14nM);および1.6%DMSO。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして11個の濃度で、各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
【0141】
本明細書に記載する化合物を上記アッセイで試験した。下記の結果が得られた。
【表1】

【0142】
E.インスリン受容体チロシンキナーゼアッセイ
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.4)、MnCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識InsR基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応はインスリン受容体を、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(25μM);FL−ペプチド(1.5μM);インスリン受容体(14nM);および1.6%DMSO。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして11個の濃度で、各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
【0143】
F.JAK2
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.2)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、βグリセロールリン酸(25mM)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識ペプチドFL−JAK2基質およびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応は活性JAK2を、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000(カリパー、ホプキントン、MA)を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(30μM);FL−JAK2ペプチド(1.5μM);His−CDK5/p25(2.6nM);および1.6%DMSO。
【0144】
G.LCKキナーゼアッセイ
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.4)、MnCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識LCK基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応はLCKを、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(3μM);FL−ペプチド(1.5μM);LCK(1nM);および1.6%DMSO。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして11個の濃度で、各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
【0145】
H.MapKapK2
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.4)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識MK2基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応はMapKapK2を、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(1μM);FL−ペプチド(1.5μM);MapKapK2(0.08nM);0.015%Brij35;および1.6%DMSO。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして11個の濃度で、各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
【0146】
I.Metキナーゼアッセイ
キナーゼ反応液は、30μlのキナーゼ緩衝液(TRIS−Cl(20mm)、MnCl(5mM)、BSA(0.1mg/ml)、DTT(0.5mM))中の、バキュロウイルスで発現したGST−Met(0.75ng)、poly(Glu/Tyr)(Sigma)(3μg)、33Pγ−ATP(0.12μCi)、ATP(1μM)からなる。該反応液を1時間、30℃でインキュベートし、冷トリクロロ酢酸(TCA)を加えて停止させ、最終濃度を8%とした。TCA沈殿物をフィルターメート・ユニバーサル・ハーベスター(Filtermate universal harvester)を用いてGF/Cユニフィルター・プレート(GF/C unifilter plates)の上で回収し、そのフィルターをトップカウント96ウェル液体シンチレーションカウンター(TopCount 96−well liquid scintillation counter)を用いて定量した。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして7個の濃度で、各3回評価した。
【0147】
J.p38αアッセイ
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.2)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識p38α基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応は活性化p38αを、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(20μM);FL−ペプチド(1.5μM);p38α(6nM);および1.6%DMSO。
【0148】
K.p38βアッセイ
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.2)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識p38β基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応は活性化p38βを、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(20μM);FL−ペプチド(1.5μM);p38β(1nM);および1.6%DMSO。
【0149】
L.タンパク質キナーゼA
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.4)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識PKA基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応はタンパク質キナーゼAを、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(20μM);FL−ペプチド(1.5μM);タンパク質キナーゼA(1nM);および1.6%DMSO。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして11個の濃度で、各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
【0150】
M.タンパク質キナーゼCα
アッセイをU型ボトム384ウェルプレート中で行った。最終的なアッセイ容量は、アッセイ緩衝液(HEPES(100mM、pH7.4)、MgCl(10mM)、Brij35(0.015%)、およびDTT(4mM))中の、15μlの添加の酵素、基質(蛍光標識PKCα基質ペプチドおよびATP)および試験化合物から調製して30μlとした。該反応はタンパク質キナーゼCαを、脂質、基質および試験化合物と組み合わせることによって開始させた。該反応液を室温で60分間インキュベートして、EDTA(35mM、30μl)を各試料に加えることにより反応を終了させた。該反応混合物を、蛍光物質およびリン酸化生成物の電気泳動分離によって、カリパーラボチップ(Caliper LabChip)3000を用いて分析した。阻害データは、100%阻害である無酵素コントロール反応液、および0%阻害であるビヒクルのみの反応液との比較によって算出した。アッセイにおける試薬の最終濃度は、ATP(1μM);FL−ペプチド(1.5μM);タンパク質キナーゼCα(1nM);および1.6%DMSO。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして11個の濃度で、各2回評価した。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
【0151】
N.TrkAキナーゼアッセイ
キナーゼ反応液は、30μlのキナーゼ緩衝液(MOPS(20mm)、MgCl2(10mM)、EDTA(1mM)、Brij−35(0.015%)、BSA(0.1mg/ml)、βメルカプトエタノール(0.0025%))中の、バキュロウイルスで発現したHis−TrkA(0.12ng)、poly(Glu/Tyr)(Sigma)(3μg)、33Pγ−ATP(0.24μCi)、ATP(30μM)、からなる。該反応液を1時間、30℃でインキュベートし、冷トリクロロ酢酸(TCA)を加えて停止させ、最終濃度を8%とした。TCA沈殿物をフィルターメート・ユニバーサル・ハーベスター(Filtermate universal harvester)を用いてGF/Cユニフィルター・プレート(GF/C unifilter plates)の上で回収し、そのフィルターをトップカウント96ウェル液体シンチレーションカウンター(TopCount 96−well liquid scintillation counter)を用いて定量した。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして7個の濃度で、各3回評価した。
【0152】
O.TrkBキナーゼアッセイ
キナーゼ反応液は、30μlのキナーゼ緩衝液(MOPS(20mm)、MgCl(10mM)、EDTA(1mM)、Brij−35(0.015%)、BSA(0.1mg/ml)、βメルカプトエタノール(0.0025%))中の、バキュロウイルスで発現したHis−TrkB(0.75ng)、poly(Glu/Tyr)(Sigma)(3μg)、33Pγ−ATP(0.24μCi)、ATP(30μM)、からなる。該反応液を1時間、30℃でインキュベートし、冷トリクロロ酢酸(TCA)を加えて停止させ、最終濃度を8%とした。TCA沈殿物をフィルターメート・ユニバーサル・ハーベスター(Filtermate universal harvester)を用いてGF/Cユニフィルター・プレート(GF/C unifilter plates)の上で回収し、そのフィルターをトップカウント96ウェル液体シンチレーションカウンター(TopCount 96−well liquid scintillation counter)を用いて定量した。用量応答曲線は、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な濃度(IC50)を測定するために作成した。化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、そして7個の濃度で、各3回評価した。
【0153】
P.IGF−1R Sal腫瘍モデル
遺伝子組み換えマウス(MCI−19)で自然発生的に増殖した唾液腺腺癌を切り取り、約20mgの断片にした。腫瘍の断片を6匹のメス、胸腺欠損BALB/c nu/nu マウス(Harley Sprague-Dawley, Indianapolis, IN)の群の腹胸部(ventral thoracic region)に13−ゲージ外套針を使用して皮下注射で移植した。確立した後、唾液腺由来腫瘍株をIGF1R−Salと命名し、腫瘍異種移植としてヌードマウスで増殖した。腫瘍を2週間ことに継代培養し、このとき、腫瘍はf500〜1,000mmのサイズに達した。処置試験のために、約100mmのサイズのIGF1R−Sal腫瘍を持ったヌードマウスをビヒクル(80%ポリエチレングリコール400/水)のみまたは被験物質での処置用に5匹の群に分類した。化合物をbidスケジュール(8時間をおく経口投与量)または1日に1回スケジュールで経口的に(qd)4日連続で投与した。腫瘍を処置開始時と終了時に測定した。活性を腫瘍増殖阻害%(TGI%)として測定した。TGI%を式(C−T)/(C−C)を用いて測定した(Cは処置終了時のコントロール群の中央値腫瘍サイズとして定義され、Cは処置開始時のコントロール群の中央値腫瘍サイズとして定義され、Tは処置終了時の処置群の中央値腫瘍サイズとして定義される)。
【0154】
本明細書に記載される化合物を上記アッセイで試験した。下記の結果が得られた。
【表2】

製造方法
【0155】
一般に、式(I)の化合物は下記のスキームおよび当業者の一般的な知識に従って製造することができる。式(I)の化合物の互変異性体および溶媒和物(例えば、水和物)もまた本発明の範囲に含まれる。溶媒和の方法は当該技術分野に一般に知られている。従って、本発明の化合物は遊離した形態または水和物の形態であり得、そして下記のスキームに例示される方法によって得ることができる。

スキーム1
【化7】

工程1
【0156】
化合物IVを、化合物IIと適当に置換されたアミノ化合物IIIとを塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)の存在下に溶媒(例えばTHF)中で反応させることによって、製造する。

工程2
【0157】
化合物VIを、化合物IVと適当に官能基化されたプロリンVとを塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン)の存在下に、有機溶媒(例えばTHFまたはメタノール)中、室温で反応させることによって得る。あるいは、アミノ化合物Vを導入するための遷移金属触媒法もまた使用することができる。

工程3
【0158】
化合物Iを、VIと適当なアミンVIIとを塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン)の存在下に、有機溶媒(例えばTHFまたはメタノール)中で反応させることによって得ることができる。あるいは、アミノ化合物VIIを導入するための遷移金属触媒法もまた使用することができる。

スキーム2
【化8】

工程1
【0159】
化合物IVを、化合物IIと適当に官能基化されたプロリンIIIとを塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン)の存在下に、有機溶媒(例えばTHFまたはメタノール)中室温で反応させることによって得る。あるいは、アミノ化合物Vを導入するための遷移金属触媒法もまた使用することができる。

工程2
【0160】
化合物VIを、IVと適当なアミンVとを塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン)の存在下に、有機溶媒(例えばTHFまたはメタノール)中で反応させることによって得ることができる。あるいは、アミノ化合物Vを導入するための遷移金属触媒法もまた使用することができる。

工程3
【0161】
化合物Iを、VIとアリールまたはヘテロアリールアミンVIIのアルカリ金属塩とを反応させる得ることができるが、それはアルキル金属(例えばメチルまたはイソプロピルマグネシウムクロリド)によって生成される。あるいは、化合物Iを、対応するVIの酸とアミンVIIとをアミド結合を形成する試薬(例えば(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート)および塩基(例えばジイソプロピルエチルアミン)を用いて、溶媒(例えばジメチルホルムアミド)中で結合することによって、得ることができる。

実施例のHPLC条件:
【0162】
分析的逆相HPLC保持時間を、下記方法を用いてUV検出(220nm)で得た:
a:Phenomenex−Luna 4.6×50mm S10、2分グラジエント、4mL/分 溶媒A(10%MeOH−90%HO−0.1%TFA);溶媒B(90%MeOH−10%HO−0.1%TFA)
b:Phenomenex−Luna 4.6×150mm、20分グラジエント、1.5mL/分 溶媒A(10%MeOH−90%HO−0.1%TFA);溶媒B(90%MeOH−10%HO−0.1%TFA)
c:Phenomenex−Luna 4.6×50mm S10、3分グラジエント、4mL/分 溶媒A(10%MeOH−90%HO−0.1%TFA);溶媒B(90%MeOH−10%HO−0.1%TFA)
d:Phenomenex−Luna 4.6×150mm、15分グラジエント、1.5mL/分 溶媒A(10%MeOH−90%HO−0.1%TFA);溶媒B(90%MeOH−10%HO−0.1%TFA)
e:Phenomenex−Luna 4.6×150mm、18分グラジエント、1.5mL/分 溶媒A(10%MeOH−90%HO−0.1%TFA);溶媒B(90%MeOH−10%HO−0.1%TFA)
f:Phenomenex−Luna 4.6×50mm S10、4分グラジエント、4mL/分 溶媒A(10%MeOH−90%HO−0.1%TFA);溶媒B(90%MeOH−10%HO−0.1%TFA)
g:Waters Xbridge phenyl 4.6×150、25分グラジエント、1mL/分 溶媒A(5%アセトニトリル−95%HO−0.1%TFA);溶媒B(95%アセトニトリル−5%HO−0.1%TFA);開始B%10および最終B%50
h:Sunfire C18 4.6×150、30分グラジエント、1mL/分 溶媒A(5%アセトニトリル−95%HO−0.1%TFA);溶媒B(95%アセトニトリル−5%HO−0.1%TFA);開始B%0および最終B%100
【0163】
プレパラティブ逆相(RP)HPLCをHO/MeOH混合液(0.1%トリフルオロ酢酸で緩衝化)を用いるリニアグラジエント溶出で、220nmまたは254nmでの検出にて、下記のカラムの1つを用いて行った:Shimadzu S5 ODS−VP 20×100mm(流量=9mL/分)、またはYMC S10 ODS 50×500mm(流量=50mL/分)、またはYMC S10 ODS 30×500mm(流量=20mL/分)。
【0164】
全ての最終生産物をH NMR、エレクトロスプレイイオン化質量分析(ESI MS)または大気圧イオン化質量分析(API MS)によって特性化した。H NMRスペクトルを500、400または300MHz Bruker機器で得た。13C NMRスペクトルを100または125MHzで記録した。電界強度を溶媒ピークに対するδ(100万分の1、ppm)の単位で表し、ピーク多重度を以下のように示した:s、シングレット;d、ダブレット;dd、ダブレットのダブレット;dm、マルチプレットのダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;br s、ブロード シングレット;m、マルチプレット。

実施例1
(S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド
【化9】


1A. 4,6−ジクロロ−N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化10】

【0165】
シアヌル酸クロリド(5g、27.1mmol)のTHF(40mL)中溶液にジイソプロピルエチルアミン(7.1mL、40.6mmol)および3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−アミン(4.0g、32.5mmol)/イソプロピルアルコール(40mL)を0℃にて30分間かけて加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌した。粗反応溶液を次工程に精製なしに使用した。少量をバイオタージ(0−50%EtOAc/ヘキサン、1L)で精製した。H NMR(DMSO、400MHz)δ 11.33(s、NH)、6.19(s、1H)、3.83(br s、NH)、1.88−1.95(m、1H)、0.93−0.96(m、2H)、0.68−0.70(m、2H)。LC/MS[M+H]:271/273;保持時間(方法F):3.00分

1B.(S)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド
【化11】

【0166】
攪拌した(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピロリジン−2−カルボン酸(1.0g、4.37mmol)および6−フルオロピリジン−3−アミン(1.47g、13.1mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.65mg、4.81mmol)、およびN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミド(2.5g、13.1mmol)のN−メチルピロリジノン(10mL)中溶液にジイソプロピルエチルアミン(3.8mL、21.8mmol)を加えた。反応混合物を65℃に12時間加熱し、溶媒を蒸発乾固した。残渣をプレパラティブHPLCによって分離した。粗生成物をメタノールに溶解し、4N HCl/ジオキサン(4mL)を加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌し、粗生成物をさらに精製することなしに次工程に使用した。LC/MS[M+H]:224;保持時間(方法F):0.78分

1C.(S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド
【化12】

【0167】
ジイソプロピルエチルアミン(0.77mL、4.42mmol)を4,6−ジクロロ−N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(800mg、2.95mmol)および(S)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド(625mg、2.8mmol)のTHF(20mL)中混合物に加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。溶媒を除去して1C(860mg、64%)をTFA塩として得た。LC/MS[M+H]:458;保持時間(方法F):2.70分
【0168】
攪拌した1C(50mg、0.109mmol)のTHF(5mL)中溶液にモルホリン(0.2mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキューム(speed vac)を用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して1(37.2mg、67%)を得た。LC/MS[M+H]:508;保持時間(方法A):1.53分

実施例2
(S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド
【化13】

【0169】
攪拌した1C(50mg、0.109mmol)のTHF(5mL)中溶液にN−メチルピペラジン(0.2mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して2(36.4mg、64%)を得た。LC/MS[M+H]:522;保持時間(方法F):2.01分

実施例3
(S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド
【化14】

【0170】
攪拌したパラジウム炭素(10%)(30mg)のメタノール(10mL)中懸濁液に(S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド1C(90mg、0.20mmol)/メタノール(10mL)を加え。反応混合物を水素バルーン用いる水素雰囲気下で室温にて2日間攪拌した。混合物をセリットパッド通して濾過し、ついでこれをメタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して4(57mg、67%)を得た。LC/MS[M+H]:424;保持時間(方法F):2.08分

実施例4
(S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(メチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド
【化15】

【0171】
1C(50mg、0.109mmol)およびメチルアミン(2M THF溶液、1mL、過剰)のエタノール(2mL)中溶液を70℃に10時間加熱し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して4(21.7mg、44%)を得た。LC/MS[M+H]:453;保持時間(方法F):2.35分

実施例5
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド
【化16】

【0172】
水素化ナトリウム(300mg、12.5mmol)をMeOH(5mL)に窒素下0℃にて加えた。生じた混合物を室温にて30分間攪拌した。2mLの反応混合物を取り、1C(100mg、0.219mmol)のMeOH(3mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して5(46mg、46%)を得た。LC/MS[M+H]:454;保持時間(方法F):2.51分

実施例6および7
【0173】
実施例6および7をテーブル1に開示するが、これらは上記実施例1に記載の方法を用いて製造した。
【表3】

実施例8
(S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2−メチル−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化17】


8A.(S)−2−メチル−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化18】

【0174】
攪拌したピラジン−2−アミン(1.56g、16.44mmol)のTHF(30mL)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(7.8mL、15.62mmol)(2.0M THF溶液)を窒素下0℃にて滴下した。生じた懸濁液を室温で30分間攪拌した。(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(1.0g、4.11mmol)固溶体を反応混合物に加えた。反応混合物を室温で6時間攪拌し、MeOHでクエンチし、濃縮した。残渣をEtOAc(120mL)に溶解し、1N HClで洗浄して、過剰のピラジン−2−アミン、水、および食塩水を除去し、NaSOで乾燥した。粗生成物をメタノールに溶解し、4N HCl/ジオキサン(4mL)を加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌し、粗生成物をさらに精製することなしに次工程に使用した。

8B.(S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2−メチル−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化19】

【0175】
ジイソプロピルエチルアミン(0.77mL、4.42mmol)を4,6−ジクロロ−N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(800mg、2.95mmol)および(S)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−2−メチルピロリジン−2−カルボキサミド(625mg、2.8mmol)のTHF(20mL)中混合物に加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。溶媒を除去して8B(860mg、64%)をTFA塩として得た。LC/MS[M+H]:440;保持時間(方法C):2.33分
【0176】
攪拌した8B(50mg、0.114mmol)のTHF(5mL)中溶液にモルホリン(0.2mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して8(36mg、64%)を得た。LC/MS[M+H]:492;保持時間(方法F):2.41分

実施例9
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−(ピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2−メチル−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化20】

【0177】
攪拌した8B(50mg、0.114mmol)のTHF(5mL)中溶液にピペラジン(0.2mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して9(34mg、61%)を得た。LC/MS[M+H]:491;保持時間(方法A):1.32分

実施例10
(S)−1−(4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−6−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2−メチル−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化21】

【0178】
攪拌した8B(50mg、0.114mmol)のTHF(5mL)中溶液に1−(ピペラジン−1−イル)エタノン(0.2mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して10(41mg、68%)を得た。LC/MS[M+H]:533;保持時間(方法A):1.51分

実施例11〜17
【0179】
実施例11〜17をテーブル2に開示するが、これらは上記実施例1および2に記載の方法を用いて製造した。
【表4】

【表5】

【表6】

実施例18
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1、3、5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化22】


18A.(2S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−メトキシピロリジン−2−カルボン酸
【化23】

【0180】
J. Med. Chem.,331:875-885(1988)に記載の方法に従って、18Aを市販の(2S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸から製造した。

18B.(2S,4S)−1−ベンジル 2−メチル 4−メトキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【化24】

【0181】
(2S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−メトキシピロリジン−2−カルボン酸(3.0g、0.01mol)のメタノール(40mL0およびジエチルエーテル(20mL)中溶液に(トリメチルシリル)ジアゾメタン(2.0Mジエチルエーテル中溶液、6.4mL、0.013mol)を氷浴下で滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌した。反応混合物を濃縮して、(2S,4S)−1−ベンジル 2−メチル 4−メトキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート18B(3.2g、100%)を油状物として得、これを精製なしに次工程に使用した。H NMR(CDCl、400MHz)δ 7.27−7.36(m、5H)、5.04−5.19(m、2H)、4.39−4.50(m、1H)、3.91−3.94(m、1H)、3.53−3.72(m、5H)、3.24(s、3H)、2.21−2.35(m、2H).

18C.(2S,4S)−ベンジル 4−メトキシ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート
【化25】

【0182】
アミノピラジン(535mg、5.63mmol)のTHF(15mL)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M THF溶液、2.7mL、5.35mmol)を0℃にて滴下した。生じたスラリーを室温で30分間攪拌した。(2S,4S)−1−ベンジル 2−メチル 4−メトキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(550mg、1.88mmol)のTHF(2mL)中溶液をスラリーに加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、メタノール(3mL)でクエンチした。粗生成物をプレパラティブHPLCによって精製し(2S,4S)−ベンジル 4−メトキシ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート18C(570mg、85%)を油状物として得た。LC/MS[M+H]:356;保持時間(方法F):2.32分

18D.(2S,4S)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化26】

【0183】
(2S,4S)−ベンジル 4−メトキシ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート18C(550mg、1.54mmol)のメタノール(200mL)中溶液にパラジウム炭素(10%、80mg)を窒素下で加えた。該懸濁液を55psiで終夜水素添加した。生じた懸濁液をセリットパッド通して濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮して生成物(18D)を油状物として得(350mg、100%)、これを精製なしに次工程に使用した。LC/MS[M+H]:223;保持時間(方法F):0.76分

18E.(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化27】

【0184】
ジイソプロピルエチルアミン(0.69mL、3.97mmol)を4,6−ジクロロ−N−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン1A(500mg、1.32mmol)および(2S,4S)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド(278mg、1.25mmol)のイソプロパノール(15mL)およびTHF(15mL)中混合物に加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌した。粗反応混合物を濃縮なしに次工程に使用した。LC/MS[M+H]:457/459;保持時間(方法F):2.40分
【0185】
モルホリン(0.2mL、過剰)を未精製の(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド18E(〜150mg)のメタノール中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して18(80mg、50%)を得た。LC/MS[M+H]:508;保持時間(方法F):2.40分

実施例19
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化28】

【0186】
1−メチルピペラジン(0.2mL、過剰)を未精製の(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド18E(〜150mg)のメタノール中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して19(84mg、49%)を得た。LC/MS[M+H]:521;保持時間(方法F):1.88分

実施例20
(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化29】

【0187】
化合物5と同一の方法を用いて、化合物20を18Eから製造した。LC/MS[M+H]:453;保持時間(方法A):1.54分 HPLC保持時間(方法B):14.05分

実施例21
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(ピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化30】

【0188】
ピペラジン(0.5mL、過剰)を未精製の(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド18E(〜500mg、1.13mmol)のメタノール中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物のTFA塩の5分の1をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して21(84mg、76%)を得た。LC/MS[M+H]:507;保持時間(方法F):2.26分

実施例22
(2S,4S)−1−(4−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化31】

【0189】
トリエチルアミン(150mg、1.48mmol)を(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(ピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド(110mg、0.22mmol)および塩化アセチル(18mg、0.44mmol)のMeOH(5mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で6時間攪拌し、濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物のTFA塩の5分の1をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して22(64mg、53%)を得た。LC/MS[M+H]:549;保持時間(方法F):2.79分

実施例23
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(1H−イミダゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化32】

【0190】
(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド18E(100mg、0.22mmol)、イミダゾール(400mg、過剰)、およびヒューニッヒ塩基(66mg、0.66mmol)のEtOH(5mL)中溶液を100℃に5時間加熱し、濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物のTFA塩の5分の1をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して23(57mg、53%)を得た。LC/MS[M+H]:489;保持時間(方法F):2.05分

実施例24〜61
【0191】
実施例24〜61をテーブル3に開示するが、これらは上記実施例18、20、22、および23に記載の方法を用いて製造した。
【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

実施例62
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシピロリジン−2−カルボキサミド
【化33】


62A.(2S,4S)−ベンジル 2−(6−フルオロピリジン−3−イルカルバモイル)−4−メトキシピロリジン−1−カルボキシレート
【化34】

【0192】
6−フルオロピリジン−3−アミン(500mg、4.46mmol)のTHF(15mL)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M THF溶液、2.12mL、4.24mmol)を0℃にて滴下した。生じた反応混合物を室温で30分間攪拌した。(2S,4S)−1−ベンジル 2−メチル 4−メトキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレート18B(435mg、1.49mmol)のTHF(2mL)中溶液を反応混合物に加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、メタノール(3mL)でクエンチした。粗生成物をプレパラティブHPLCによって精製し、(2S,4S)−ベンジル 4−メトキシ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート62A(424mg、80%)を油状物として得た。LC/MS[M+H−Boc]:240;保持時間(方法F):2.43分

62B.(2S,4S)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシピロリジン−2−カルボキサミド
【化35】

【0193】
攪拌したパラジウム炭素(10%、80mg)のメタノール(100mL)中懸濁液に(2S,4S)−ベンジル 4−メトキシ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート62A(400mg、1.12mmol)のメタノール(100mL)中溶液を窒素下で加えた。懸濁液に水素バルーン雰囲気で終夜水素添加した。生じた懸濁液をセリットパッド通して濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮して、生成物を油状物として得(250mg、100%)、これを精製なしに次工程に使用した。LC/MS[M+H]:240;保持時間(方法F):0.91分

62C.(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシピロリジン−2−カルボキサミド
【化36】

【0194】
(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシピロリジン−2−カルボキサミド62Cを1Cに記載の方法を用いて製造した。LC/MS[M+H]:474/476;保持時間(方法F):2.55分。モルホリン(0.2mL、過剰)を未精製の62C(150mg、未精製)のTHF中溶液に加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、生成物をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して62を得た。LC/MS[M+H]:525;保持時間(方法F):2.38分

実施例63および64
【0195】
実施例63および64をテーブル4に開示するが、これらは上記実施例62に記載の方法を用いて62Cから開始して製造した。
【表18】

実施例65
(2S,4R)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化37】


65A.(2S,4R)−tert−ブチル 4−フルオロ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート
【化38】

【0196】
アミノピラジン(3.85g、40.5mmol)のTHF(120mL)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M THF溶液、19mL、38mmol)を0℃にて滴下した。生じたスラリーを室温で30分間攪拌した。市販の(2S,4R)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−フルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(3.2g、12.9mmol)のTHF(10mL)中溶液をスラリーに加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、メタノール(3mL)でクエンチした。真空で濃縮した後、酢酸エチル(120mL)および1N HCl(60mL)を残渣に加えた。有機層を1N HCl、水、食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過した。濃縮して(2S,4R)−tert−ブチル 4−フルオロ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート65A(4.1g、100%)を無色泡状物として得た。LC/MS[M+H]:311;保持時間(方法F):1.46分

65B.(2S,4R)−4−フルオロ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化39】

【0197】
(2S,4R)−tert−ブチル 4−フルオロ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート65A−(4.1g、12.3mmol)のCHCl(120mL)中溶液にTFA(10mL)を加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌した。真空で濃縮した後、残渣を次工程に精製なしに使用した。LC/MS[M+H]:211;保持時間(方法F):0.30分

65C.(2S,4R)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化40】

【0198】
1Cに記載の方法を用いて65Cを製造した。LC/MS[M+H]:445/447;保持時間(方法F):2.41分
【0199】
1に記載の方法を用いて65を製造した。LC/MS[M+H]:496;保持時間(方法F):2.29分

実施例66〜78
【0200】
実施例66〜78をテーブル5に開示するが、これらは上記実施例65に記載の方法を用いて製造した。
【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

実施例79
(2S,4R)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化41】


79A.(2S,4R)−4−フルオロ−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化42】

【0201】
(2S,4R)−4−フルオロ−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド79Aを(2S,4R)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−フルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレートから、65Aおよび65Bに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:228;保持時間(方法C):0.57分

79B.(2S,4R)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化43】

【0202】
79Bを1Aおよび79Aから、1Cに関して記載されるように製造した:MS:462/464(M+H)、HPLC(方法F)保持時間:2.61分
【0203】
化合物79をモルホリンおよび79Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:513;保持時間(方法F):2.43分

実施例80
(2S,4R)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化44】

【0204】
化合物80をN−メチルピペラジンおよび79Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:526;保持時間(方法F):1.91分

実施例81
(2S,4R)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(6−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化45】

【0205】
化合物81をN−メトキシエチルピペラジンおよび79Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:570;保持時間(方法F):1.98分

実施例82
(2S,4R)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化46】


82A.(2S,4R)−4−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化47】

【0206】
(2S,4R)−4−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド82Aを(2S,4R)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−フルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレートから、65Aおよび65Bに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:217;保持時間(方法F):0.28分

82B.(2S,4R)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化48】

【0207】
82Bを1Aおよび83Aから、1Cに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:451/453;保持時間(方法F):2.59分
【0208】
化合物82をモルホリンおよび82Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:502;保持時間(方法F):2.77分

実施例83
(2S,4R)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化49】

【0209】
化合物83をN−メチルピペラジンおよび82Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:515;保持時間(方法F):1.91分

実施例84
(2S,4R)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−フルオロ−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化50】

【0210】
化合物84をN−メトキシエチルピペラジンおよび82Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:559;保持時間(方法F):2.34分

実施例85
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化51】


85A.(2S,4S)−4−ヒドロキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化52】

【0211】
(2S,4S)−4−ヒドロキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド85Aを(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレートから、65Aおよび65Bに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:209;保持時間(方法F):0.27分

85B.(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化53】

【0212】
化合物85Bを1Aおよび85Aから、1Cに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:443/445;保持時間(方法F):2.18分
【0213】
化合物85をモルホリンおよび85Bから、1に関して記載されるように製造した:MS:494(M+H)、HPLC(方法F)保持時間:2.20分

実施例86
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化54】

【0214】
化合物86を1−メチルピペラジンおよび85Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:507;保持時間(方法F):1.64分

実施例87
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化55】

【0215】
化合物87を1−(2−メトキシエチル)ピペラジンおよび85Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:551;保持時間(方法F):1.73分

実施例88
(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化56】


88A.(2S,4S)−4−ヒドロキシ−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化57】

【0216】
(2S,4S)−4−ヒドロキシ−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド88Aを(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレートおよび2−アミノチアゾールから、65Aおよび65Bに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:214;保持時間(方法F):0.35分

88B.(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化58】

【0217】
88Bを1Aおよび88Aから、1Cに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:448/450;保持時間(方法F):2.34分
【0218】
化合物88をモルホリンおよび88Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:499;保持時間(方法F):2.36分

実施例89〜95
【0219】
実施例89〜95をテーブル6に開示するが、これらは実施例88に記載される方法を用いて製造した。
【表23】

【表24】

【表25】

実施例96
(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化59】


96A.(2S,4S)−tert−ブチル 4−ヒドロキシ−2−(5−メチルチアゾール−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート
【化60】

【0220】
化合物96Aを(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレートおよび5−メチルチアゾール−2−アミンから、65Aに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:515;保持時間(方法F):1.91分LC/MS[M+H−Boc]:228;保持時間(方法F):2.52分

96B.(2S,4S)−4−ヒドロキシ−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化61】

【0221】
(2S,4S)−4−ヒドロキシ−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド65Aを(2S,4S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボキシレートおよび5−メチルチアゾール−2−アミンから、65Bに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:228;保持時間(方法F):0.55分

96C.(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化62】

【0222】
96Cを1Aおよび96Bから、1Cに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:462;保持時間(方法F):2.53分
【0223】
化合物96をモルホリンおよび96Cから、1に関して記載されるように製造した:LC/MS[M+H]:513、保持時間(方法F):2.51分

実施例97〜99
【0224】
実施例97〜99をテーブル7に開示するが、これらは上記実施例96に記載の方法を用いて製造した。
【表26】

実施例100
(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【化63】


100A.(2S,4S)−tert−ブチル 2−(5−フルオロチアゾール−2−イルカルバモイル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート
【化64】

【0225】
5−フルオロチアゾール−2−アミン、1.3TFA(2.249g、8.44mmol)のTHF(30mL)中溶液にイソプロピルマグネシウム(8mL、16.00mmol)(2.0M THF溶液)を0℃で窒素下にて加えた。反応混合物を室温で5分間攪拌した。(1S,4S)−tert−ブチル 3−オキソ−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボキシレート(1.5g、7.03mmol)固体を反応混合物に加えた。反応混合物を室温で16時間攪拌し、MeOHでクエンチし、濃縮した。残渣にNHCl(sat'd)およびEtOAcを加えた。有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過した。粗生成物をバイオタージ(25−60%EtOAc/hex、1.7L、60−80%EtOAc/hex 1.0L)によって精製した。1.42g(60.9%)の生成物を油状物として単離した。LC/MS[M+H−Boc]:232;保持時間(方法F):2.70分

100B.(2S,4S)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【化65】

【0226】
(2S,4S)−tert−ブチル 2−(5−フルオロチアゾール−2−イルカルバモイル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(1.42g、4.29mmol)のMeOH(40mL)中溶液に4N HCl/ジオキサン(10.71mL、42.9mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、濃縮した。残渣を次工程に精製なしに使用した。LC/MS[M+H]:232;保持時間(方法F):0.51分

100C.(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(5−フルオロチアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボキサミド
【化66】

【0227】
4,6−ジクロロ−N−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(11.62mL、1.359mmol)のTHF中溶液に固体(2S,4S)−tert−ブチル 2−(5−フルオロチアゾール−2−イルカルバモイル)−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート HCl塩(0.5g、1.359mmol)およびヒューニッヒ塩基(0.712mL、4.08mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。粗反応溶液を次工程に精製なしに使用した。LC/MS[M+H]:466;保持時間(方法F):2.68分
【0228】
反応混合物にモルホリン(0.355g、4.08mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCによって精製した。生成物を含有するHPLCフラクションをspeedvacで濃縮し、MCXのカートリッジに適用した。これをメタノールで洗浄し、生成物を2Nアンモニア/メタノール溶液で溶出し、100を得た(320mg、44%)。LC/MS[M+H]:517;保持時間(方法F):2.67分

実施例101
(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化67】


101A.(2S,4S)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 4−ヒドロキシ−2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【化68】

【0229】
101Aを市販の(S)−ベンジル 2−アミノプロパノエートおよび(R)−2−(クロロメチル)オキシランから、Org. Lett., 3029 (2007)に記載の方法に従って製造した。

101B.(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−2−メチルピロリジン−2−カルボン酸
【化69】

【0230】
窒素を流した耐圧ボトルに、Pd/C(200mg)および(2S,4S)−2−ベンジル 1−tert−ブチル 4−ヒドロキシ−2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(1.4g、4.17mmol)/MeOH(300mL)を加えた。反応混合物を50psiで終夜水素添加した。反応混合物をセリットパッドに通し、MeOHで洗浄し、濃縮した。残渣(0.86g、84%)を次工程に精製なしに使用した。H NMR(CDOD、400MHz)δ 4.32−4.39(m、1H)、3.62−3.68(m、1H)、3.34−3.37(m、1H)、2.12−2.22(m、2H)、1.51および1.49(s、3H)、1.43および1.40(s、9H).

101C.(1S,4S)−tert−ブチル 4−メチル−3−オキソ−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボキシレート
【化70】

【0231】
(2S,4S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシ−2−メチルピロリジン−2−カルボン酸(860mg、3.51mmol)およびジフェニル ホスホルアジデート(700mg、2.54mmol)(DPPA)の溶液にEtN(0.680mL、4.88mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温で6時間攪拌し、水でクエンチし、EtOAcで抽出した(3×40mL)。有機層を合わせて水および食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をバイオタージ(0−30%EtOAc/hex、1.2L)によって精製し、101C(235mg、49%)を得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ 4.87(1H、d、J=1.01Hz)、3.53−3.62(m、1H)、3.44−3.53(m、1H)、1.98−2.10(m、2H)、1.74(s、3H)、1.40(s、9H);13C NMR(CDCl、101MHz)δ 172.45(1C)、154.93(1C)、81.22(1C)、75.03(1C)、64.02(1C)、53.16(1C)、46.35(1C)、28.26(1C)、および13.96(3C).

101D.(2S,4S)−tert−ブチル 4−ヒドロキシ−2−メチル−2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート
【化71】

【0232】
チアゾール−2−アミン(2.327g、23.23mmol)のTHF(15mL)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(11.3mL、22.60mmol)を0℃、窒素下にて加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌した。(1S,4S)−tert−ブチル 4−メチル−3−オキソ−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボキシレート(0.66g、2.90mmol)のTHF(3mL)中溶液を反応混合物に加えた。反応混合物を室温で1時間攪拌し、60℃に4時間加熱した。反応混合物を室温で終夜攪拌し、濃縮した。残渣をTFA/MeOHでクエンチした。粗生成物をプレパラティブHPLCよって精製し、101D(0.49g、38%)をTFA塩として得た。LC/MS[M+H]:328;保持時間(方法F):2.58分

101E.(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化72】

【0233】
(2S,4S)−tert−ブチル 4−ヒドロキシ−2−メチル−2−(チアゾール−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート(0.49g、1.5mmol)のCHCl中溶液にTFA(1mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で14時間攪拌し、濃縮した。残渣を次工程に精製なしに使用した。LC/MS[M+H]:228;保持時間(方法F):0.46分

101F.(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化73】

【0234】
1A(400mg、1.5mmol)のTHF(15mL)中溶液に(2S,4S)−4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド(342mg、1.5mmol)およびヒューニッヒ塩基(455mg、4.5mmol)の溶液を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌した。粗反応溶液を次工程に精製なしに使用した。LC/MS[M+H]:462;保持時間(方法F):2.65分
【0235】
(2S,4S)−1−(4−クロロ−6−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド(50mg、0.108mmol)のTHF中溶液にモルホリン(0.1mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCによって精製した。生成物を含有するHPLCフラクションをspeedvacで濃縮し、MCXのカートリッジに適応した。これをメタノールで洗浄し、生成物を2Nアンモニア/メタノール溶液で溶出し、101(23mg、42%)を得た。LC/MS[M+H]:513;保持時間(方法F):2.56分

実施例102〜104
【0236】
実施例102〜104をテーブル8に開示するが、これらは上記実施例101に記載の方法を用いて製造した。
【表27】

実施例105
(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−2−メチル−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化74】


105A.(1S,4S)−5−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチル−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オン
【化75】

【0237】
(1S,4S)−tert−ブチル 4−メチル−3−オキソ−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5−カルボキシレート(230mg、1.01mmol)のCHCl(20mL)中溶液にTFA(0.5mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で6時間攪拌し、濃縮した。残渣を次工程に精製なしに使用した。
【0238】
上記で得られた粗生成物を1A(270mg、1.01mmol)およびヒューニッヒ塩基(300mg、3.03mmol)のTHF(10mL)中溶液に加えた。反応混合物を室温で6時間攪拌した。粗生成物を次工程に精製なしに使用した。LC/MS[M+H]:362;保持時間(方法F):2.56分

105B.(1S,4S)−5−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチル−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オン
【化76】

【0239】
(1S,4S)−5−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチル−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オン(365mg、1.01mmol)のTHF(10mL)中溶液にモルホリン(0.2mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCによって精製し、105B(340mg、66%)をTFA塩として得た。LC/MS[M+H]:513;保持時間(方法F):2.56分
【0240】
アミノチアゾール(200mg)のTHF(10mL)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(2.0M THF溶液)(0.95mL、0.95mmol)を0℃、窒素下にて加えた。反応混合物を室温で30分間攪拌した。(1S,4S)−5−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチル−2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−オン(50mg、0.10mmol)のTHF(3mL)中溶液を加えた。反応混合物を60℃に6時間加熱し、室温に冷却した。粗生成物をプレパラティブHPLCによって精製した。生成物を含有するHPLCフラクションをspeedvacで濃縮し、MCXのカートリッジに適用した。これをメタノールで洗浄し、生成物を2Nアンモニア/メタノール溶液で溶出し、105(21mg、40%)を得た。LC/MS[M+H]:527;保持時間(方法F):2.66分

実施例106
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2,4,4−トリメチル−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化77】


106A.(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピロリジン−2−カルボン酸
【化78】

【0241】
攪拌した市販の(S)−2−メチルピロリジン−2−カルボン酸(20g、0.155mol)およびジ−tert−ブチル ジカルボネート(40.6g、0.186mol)の塩化メチレン(200mL)中溶液にトリエチルアミン(24.5g、0.233mol)を加えた。懸濁液を室温で終夜攪拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィで精製し(2−5%MeOH/CHCl)、(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピロリジン−2−カルボン酸106Aを油状物として得た。

106B.(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【化79】

【0242】
攪拌した(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−2−メチルピロリジン−2−カルボン酸106Aのメタノール(100mL)およびエーテル(100mL)中溶液にTMS−ジアゾメタン(80mL)(2.0Mエーテル溶液)を0℃にて滴下した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、反応混合物を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィで精製し(10%EtOAc/ヘキサン)、(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート106B(28.5g、76% 全収率)を油状物として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ 3.69(s、3H)、3.42−3.56(m、2H)、2.13−2.17(m、1H)、1.83−1.93(m、3H)、1.49(s、3H)、1.39(s、9H).

106C.(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2−メチル−5−オキソピロリジン−1、2−ジカルボキシレート
【化80】

【0243】
激しく攪拌した(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2−メチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート106B(1g、4.11mmol)の酢酸エチル(40mL)中溶液にNaIO(3.52g、16.46mmol)およびRuCl(10mg、0.04mmol)の水(40mL)中溶液を加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌し、イソプロパノールでクエンチした。反応混合物を室温で20分間攪拌し、濃縮した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水および食塩水で洗浄し、およびNaSOで乾燥した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィで精製し(20−50%EtOAc/ヘキサン)、(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2−メチル−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート106C(1.02g、100%)を油状物として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ 3.74(s、3H)、2.51−2.64(m、2H)、2.16−2.21(m、1H)、1.97−2.02(m、3H)、1.65(s、3H)、1.46(s、9H).

106D.(S)−メチル 2,4,4−トリメチルピロリジン−2−カルボキシレート
【化81】

【0244】
攪拌した(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2,4,4−トリメチル−5−オキソピロリジン−1,2−ジカルボキシレート106C(13.96g、48.9mmol)のTHF(100mL)中溶液にSuper−hydride(水素化トリエチルホウ素リチウム)(58.7mL、58.7mmol)を−78℃、窒素雰囲気下にて加えた。反応混合物を−78℃で2時間攪拌し、飽和NaHCOで−78℃にてクエンチした。反応混合物を0℃に加温し、過酸化水素(15mL)を0℃にて滴下した。混合物を0℃にて30分間攪拌し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、水および食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥した。濃縮した後、粗生成物を次工程に精製なしに使用した。攪拌した上記で得られた粗生成物のCHCl中溶液に、トリエチルシラン(17.19mL、108mmol)の半分、およびBF.OEt(13.64mL、108mmol)の半分を−78℃で窒素下雰囲気にて加えた。反応混合物を−78℃で1時間攪拌し、ついで残りのトリエチルシラン(17.19mL、108mmol)およびBF.OEt(13.64mL、108mmol)を加えた。反応混合物を−78℃で2時間攪拌し、飽和NaHCO溶液でクエンチした。反応混合物をCHClで抽出した。有機層を合わせて、水および食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥した。粗生成物をバイオタージ(0−30%EtOAc/ヘキサン、1.5L)によって精製し、(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2,4,4−トリメチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート106D(10g、75%)を油状物として得た。
【0245】
攪拌した(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 2,4,4−トリメチルピロリジン−1,2−ジカルボキシレート106DのCHCl(60mL)中溶液にTFA(10mL)を加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌し、濃縮した。残渣を次工程に精製なしに使用した。

106E.(S)−メチル 1−(4−クロロ−6−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2,4,4−トリメチルピロリジン−2−カルボキシレート
【化82】

【0246】
化合物106Eを1Aおよび106Dから、1Cに関して記載されるように製造した:LC/MS[M+H]:406/408;保持時間(方法F):3.55分

106F.(S)−メチル 1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2,4,4−トリメチルピロリジン−2−カルボキシレート
【化83】

【0247】
化合物106Fをモルホリンおよび106Eから、1に関して記載されるように製造した:LC/MS[M+H]:457;保持時間(方法F):2.97分
【0248】
ピラジン−2−アミン(200mg、2.10mmol)のTHF(5mL)中溶液に イソプロピルマグネシウムクロリド(1.0mL、1.99mmol)(2.0M THF溶液)を窒素下、0℃にて加えた。生じた懸濁液を室温で30分間攪拌した。(S)−メチル 1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノピリミジン−2−イル)−2,4,4−トリメチルピロリジン−2−カルボキシレート(50mg、0.10mmol)の溶液を懸濁液に加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、MeOHでクエンチし、濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCによって分離した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して106を得た。LC/MS[M+H]:520;保持時間(方法F):2.85分

実施例107
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2,4,4−トリメチル−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化84】

【0249】
化合物107をN−メチルピペラジンおよび106Eから、106Fおよび106に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:520;保持時間(方法F):2.85分

実施例108
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−2,4,4−トリメチル−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化85】

【0250】
化合物108を106Fおよび2−アミノチアゾール(thaizole)から、106に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:525;保持時間(方法F):2.99分

実施例109
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化86】


109A.(S)−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化87】

【0251】
(S)−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド109Aを市販のtert−ブチル 2−メチル ピロリジン−1,2−ジカルボキシレートから、65Aに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:198;保持時間(方法F):0.74分

109B.(S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化88】

【0252】
(S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド109Bを1Aおよび109Aから、1Cに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:432/434;保持時間(方法F):2.70分
【0253】
化合物109をモルホリンおよび109Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:483;保持時間(方法F):2.54分

実施例110
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化89】

【0254】
化合物110を1−メチルピペラジンおよび109Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:496;保持時間(方法F):2.02分

実施例111
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−(4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化90】

【0255】
化合物111を1−(2−メトキシエチル)ピペラジンおよび109Bから、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:540;保持時間(方法F):2.07分

実施例112
(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−((R)−ピペリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化91】


112A. 4−クロロ−N−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−アミン
【化92】

【0256】
化合物112Aを1Aおよびモルホリンから、1Cに関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:322/324;保持時間(方法F):2.81分

112B.(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシピロリジン−2−カルボン酸
【化93】

【0257】
化合物112Bを112Aおよび(2S,4S)−4−メトキシピロリジン−2−カルボン酸から、1に関して記載されるように製造した。LC/MS[M+H]:431;保持時間(方法F):2.27分

112C.(R)−tert−ブチル 3−((2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシピロリジン−2−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化94】

【0258】
112B(900mg、1.653mmol)のDMF(10mL)中溶液にN1−((エチルイミノ)メチレン)−N3,N3−ジメチルプロパン−1,3−ジアミン ヒドロクロリド(951mg、4.96mmol)、(R)−tert−ブチル 3−アミノピペリジン−1−カルボキシレート(993mg、4.96mmol)、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール水和物(253mg、1.653mmol)、およびEtN(1.382mL、9.92mmol)を加えた。反応混合物を室温で14時間攪拌した。粗反応混合物をプレパラティブHPLCによって精製し、112C(800mg、79%)を得た。LC/MS[M+H]:613;保持時間(方法F):2.99分
【0259】
112C(900mg、1.47mmol)のCHCl(40mL)中溶液にTFA(5mL、過剰)を加えた。反応混合物を室温で14時間攪拌し、濃縮した。分析データを得るために少量をプレパラティブHPLCによって精製し、残りを精製なしに次工程に使用した。LC/MS[M+H]:513;保持時間(方法F):1.89分

実施例113
(2S,4S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシ−N−((R)−1−メチルピペリジン−3−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化95】

【0260】
112(60mg、0.117mmol)のTHF(5mL)中溶液にホルムアルデヒド(0.5mL、過剰)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.24mL、0.24mmol)、およびEtN(0.05mL、0.35mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、濃縮した。粗生成物をプレパラティブHPLCによって精製し、113(45mg、73%)を得た。LC/MS[M+H]:527;保持時間(方法F):1.89分

実施例114および115
【0261】
実施例114および115をテーブル9に開示するが、これらは実施例113に記載される方法を用いて製造した。
【表28】

実施例116
(S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4,4−ジフルオロ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化96】


116A.(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4,4−ジフルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【化97】

【0262】
攪拌した市販の(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボン酸(5g、19.90mmol)のTHF(60mL)中溶液にトリメチルシリルジアゾメタン(12.94mL、25.9mmol)を室温で加えた。混合物を12時間攪拌し、溶媒を蒸発乾固した。残渣をさらに精製することなく次反応に使用した。

116B.(S)−tert−ブチル 4,4−ジフルオロ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート
【化98】

【0263】
攪拌したピラジン−2−アミン(4.30g、45.2mmol)の50mLのTHF中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(16.96mL、33.9mmol)を窒素雰囲気下にて滴下した。固体が該溶液から沈殿した。15分後、(S)−1−tert−ブチル 2−メチル 4,4−ジフルオロピロリジン−1,2−ジカルボキシレート116A−(3g、11.31mmol)のTHF(50mL)中溶液を加え、2時間攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発乾固した。残渣を酢酸エチル中に懸濁し、水および食塩水で洗浄し、乾燥した。溶媒を蒸発して、固体を得、これをクロマトグラフ(20%酢酸エチル、CHCl)して、116Bを得た。LC/MS[M+H]:329;保持時間(方法F):2.42分

116C.(S)−4,4−ジフルオロ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化99】

【0264】
攪拌した(S)−tert−ブチル 4,4−ジフルオロ−2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)ピロリジン−1−カルボキシレート116B(1.6g、4.87mmol)のCHCl(30mL)中溶液にトリフルオロ酢酸(7.24mL、97mmol)を加えた。混合物を4時間攪拌し、溶媒を蒸発乾固し、残渣116Cをさらに精製することなく次反応に使用した。LC/MS[M+H]:229;保持時間(方法F):0.61分

116D.(S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4,4−ジフルオロ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化100】

【0265】
攪拌した4,6−ジクロロ−N−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン1A(1.320g、4.87mmol)のMeOH(50mL)中溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.697mL、9.74mmol)、続いて(S)−4,4−ジフルオロ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド116C(1.111g、4.87mmol)/CHCl(25.0mL)を室温で加えた。14時間後、溶媒を蒸発乾固し、残渣をプレパラティブHPLC処理した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物116DのTFA塩を次反応に使用した。LC/MS[M+H]:463;保持時間(方法C):2.23分
【0266】
攪拌した(S)−1−(4−クロロ−6−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4,4−ジフルオロ−N−(ピラジン−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド(70mg、0.151mmol)のMeOH(3mL)中溶液にN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.026mL、0.151mmol)続いてモルホリン(39.5mg、0.454mmol)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を蒸発乾固し、残渣をプレパラティブHPLC処理した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出させた。溶媒を蒸発させて生成物116を得た。LC/MS[M+H]:514;保持時間(方法C):1.59分

実施例117〜120
【0267】
実施例117〜120をテーブル10に開示するが、これらは116Dから開始して、実施例116に記載される方法を用いて製造した。
【表29】

実施例121
(1S,3S,5S)−2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(ピラジン−2−イル)−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキサミド
【化101】


121A.(1S,3S,5S)−2−tert−ブチル 3−メチル 2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,3−ジカルボキシレート
【化102】

【0268】
(1S,3S,5S)−2−tert−ブチル 3−メチル 2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,3−ジカルボキシレート121AをWO2004/05250に報告される方法から製造することができる。

121B.(1S,3S,5S)−tert−ブチル 3−(ピラジン−2−イルカルバモイル)−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボキシレート
【化103】

【0269】
(1S,3S,5S)−tert−ブチル 3−(ピラジン−2−イルカルバモイル)−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2−カルボキシレート121Bを、121Aおよび2−アミノピラジンから、65Aに報告される方法を用いて製造した。LC/MS[M+H]:305;保持時間(方法A):1.63分

121C.(1S,3S,5S)−N−(ピラジン−2−イル)−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキサミド
【化104】

【0270】
化合物121Cを、121Bから開始して65Cに記載される方法を用いて製造した。LC/MS[M+H]:205;保持時間(方法C):0.70分

121D.(1S,3S,5S)−2−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(ピラジン−2−イル)−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボキサミド
【化105】

【0271】
化合物121Dを、化合物1Aおよび121Cから、1Cに関して記載される方法を用いて製造した。LC/MS[M+H]:439;保持時間(方法A):1.70分
【0272】
化合物121をモルホリンおよび121Dから、化合物1に関して記載される方法を用いて製造した。MS:490(M+H)、HPLC(方法A)保持時間:1.57分

実施例122および123
【0273】
実施例122および123をテーブル11に開示するが、これらは実施例121に記載される方法を用いて、121Dから開始して製造した。
【表30】

実施例124
(2S,4S)−1−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−(2,2−ジフルオロエトキシ)−N−(チアゾール−2−イル)ピロリジン−2−カルボキサミド
【化106】


124A.(2S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸
【化107】

【0274】
(2S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(5.0g、18.85mmol)のTHF(100mL)中溶液にNaH(1.583g、39.6mmol)を0℃でN下にて加えた。生じた懸濁液を室温で30分間攪拌した。1,1−ジフルオロ−2−(トリフルオロメチルスルホニル)エタン(4.11g、20.73mmol)のTHF(5mL)中溶液を懸濁液に加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を水でクエンチし濃縮した。残渣をEtOAcで抽出し;水層をph3に1N HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。有機層を水および食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過した。粗生成物を精製なしに次工程にて使用した。LC/MS[M−H]:328;保持時間(方法F):0.93分(Phenomenex−Luna s10 4.6×50mmカラム、4分グラジエント、4mL/分).

124B.(2S,4S)−1−ベンジル 2−メチル 4−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート
【化108】

【0275】
(2S,4S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−4−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピロリジン−2−カルボン酸(2.0g、6.07mmol)のMeOHおよびエーテル(80mL)(1:1)中溶液にTMS−ジアゾメタン(4.56mL、9.11mmol)(2.0Mエーテル中溶液)を0℃で滴下した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、濃縮した。残渣を次工程にて使用した。

124C.(2S,4S)−メチル 4−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピロリジン−2−カルボキシレート
【化109】

【0276】
窒素を流した耐圧ボトルにPd/C(200mg)を窒素下に加えた。(2S,4S)−1−ベンジル 2−メチル 4−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボキシレート(2.0g、5.83mmol)のMeOH(140mL)中溶液を該ボトルに加えた。反応混合物を50psiで終夜水素添加した。反応混合物をセリットパッドに通し、MeOHで洗浄した。濾液を濃縮し、残渣を次工程に精製なしに使用した。H NMR(CDCl、400MHz)δppm 3.56−3.79(1H、m)、3.96(1H、br s)、3.60−3.70(1H、m)、3.62(3H、s)、3.43−3.50(2H、m)、3.07−3.09(1H、m)、2.94−3.03(1H、m)、2.78−2.87(1H、m)、2.05−2.15(2H、m);13C NMR(126MHz、CDCl)δppm 174.72(1C)、114.40(1C、t、J=241Hz)、80.41(1C)、67.96−(1C、t、J=27.6Hz)、58.78(1C)、52.40(1C)、52.29(1C)、52.19(1C、s)、35.96(1C).

124D.(1R,4R)−メチル 2−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−(2,2−ジフルオロエトキシ)シクロペンタンカルボキシレート
【化110】

【0277】
1Cに記載の方法を用いて124Dを製造した。LC/MS[M+H]:444/446;保持時間(方法F):2.80分

124E.(1R,4R)−メチル 2−(4−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−(2,2−ジフルオロエトキシ)シクロペンタンカルボキシレート
【化111】

【0278】
124Eをモルホリンおよび124Dから、1に記載の方法を用いて製造した。LC/MS[M+H]:495;保持時間(方法F):2.61分
【0279】
チアゾール−2−アミン(153mg、1.341mmol)のTHF(10mL)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(115mg、1.117mmol)を0℃でN下に加えた。反応混合物を室温で10分間攪拌した。(2S,4S)−メチル 1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−2−イル)−4−(2,2−ジフルオロエトキシ)ピロリジン−2−カルボキシレート(50mg、0.112mmol)のTHF(3mL)中溶液を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、TFA/MeOHでクエンチし、濃縮した。残渣をプレパラティブHPLCによって精製した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出させた。溶媒を除去して124(43mg、72%)を得た。LC/MS[M+H]:563;保持時間(方法F):3.21分

実施例125および126
【0280】
実施例125および126をテーブル12に開示するが、これらは実施例124に記載される方法を用いて124Eから開始して製造した。
【表31】

実施例127
(S)−1−(4−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イルアミノ)−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(ピラジン−2−イル)アゼチジン−2−カルボキサミド
【化112】


127A.(S)−tert−ブチル 2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)アゼチジン−1−カルボキシレート
【化113】

【0281】
攪拌したピラジン−2−アミン(1.626g、17.10mmol)のTHF(40mL)中溶液にイソプロピルマグネシウムクロリド(8.44mL、16.88mmol)を0℃にてN下に加えた。生じたスラリーを室温で30分間攪拌した。(S)−1−tert−ブチル 2−メチル アゼチジン−1,2−ジカルボキシレート(0.92g、4.27mmol)のTHF(5mL)中溶液を該反応スラリーに加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、濃縮した。残渣をEtOAcに溶解し、1N HCl、水、および食塩水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過した。粗生成物(1.05g、88%)を精製なしに次工程にて使用した。H NMR(400MHz、MeOD)δppm 1.38(s、9H)2.31(br s、1H)2.53(ddd、J=8.81、6.17、2.39Hz、1H)3.89−4.00(m、2H)4.81−4.86(m、1H)8.30−8.37(m、2H)9.41(s、1H);LC/MS[M+H]:279;保持時間(方法F):2.27分

127B.(S)−N−(ピラジン−2−イル)アゼチジン−2−カルボキサミド
【化114】

【0282】
攪拌した(S)−tert−ブチル 2−(ピラジン−2−イルカルバモイル)アゼチジン−1−カルボキシレート(1.05g、3.77mmol)のCHCl(40mL)中溶液にTFA(1.453mL、18.86mmol)を加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌し、濃縮した。残渣を次工程にて精製なしに使用した。LC/MS[M+H]:179;保持時間(方法F):0.29分

127C.(S)−1−(4−クロロ−6−(3−シクロプロピル−1H−ピラゾール−5−イルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N−(ピラジン−2−イル)アゼチジン−2−カルボキサミド
【化115】

【0283】
攪拌した4,6−ジクロロ−N−(5−シクロプロピル−1H−ピラゾール−3−イル)−1,3,5−トリアジン−2−アミン(0.85g、3.14mmol)およびN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(1.216g、9.41mmol)の溶媒1(25mL)中溶液に(S)−N−(ピラジン−2−イル)アゼチジン−2−カルボキサミド(0.559g、3.14mmol)を0℃にて加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌した。粗反応溶液を精製なしに次工程にて使用した。LC/MS[M+H]:413;保持時間(方法F):2.39分
【0284】
反応混合物の5分の1をフラスコに入れ、モルホリン(0.5mL、過剰)を該反応混合物に加えた。反応混合物を室温で2時間攪拌し、濃縮した。残渣をMeOHに溶解し、固体を濾過除去した。粗生成物をプレパラティブHPLCによって精製した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒をスピードバキュームを用いて蒸発乾固した。生成物のTFA塩をメタノールに溶解し、MCXカートリッジに充填した。メタノールで洗浄した後、生成物の遊離塩基を2Mアンモニア溶液を用いて放出した。溶媒を除去して127(84mg、26%)を得た。LC/MS[M+H]:464;保持時間(方法F):2.45分

実施例128〜130
【0285】
実施例128〜130をテーブル13に開示するが、これらは実施例127に記載される方法を用いて127Cから開始して製造した。
【表32】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式:
【化1】

[式中:
Qはアリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり;
XはC=O、C=SまたはCHであり;
は水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノまたはアルキルアミノカルボニルであり;
は水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
は水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
は独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
およびRは独立して水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、または置換ヘテロアルキニルであるか;または
とRは一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
mは1、2または3であり;
nは0、1、2、3または4である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【請求項2】
下式:
【化2】

[式中:
Qがヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり;
XがC=OまたはC=Sであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、または置換ヘテロアルキニルであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1、2、3または4である]
の請求項1に記載の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【請求項3】
下式:
【化3】

[式中:
Qがヘテロアリールであり;
XがC=Oであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、または置換ヘテロアルキニルであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1または2である]
の請求項2に記載の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【請求項4】
下式:
【化4】

[式中:
Qがピラゾールまたはイミダゾールであり;
XがC=Oであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
がピリジン、置換ピリジン、ピラジン、置換ピラジン、チアジアゾール、チアゾール、置換チアゾール、ピペリジンまたは置換ピペリジンであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1または2である]
の請求項3に記載の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【請求項5】
下式:
【化5】

[式中:
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
がピリジン、置換ピリジン、ピラジン、置換ピラジン、チアジアゾール、チアゾール、置換チアゾール、ピペリジンまたは置換ピペリジンであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1または2である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【請求項6】
下式:
【化6】

[式中:
が水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アルカノイル、置換アルカノイル、アルカノイルオキシ、アミノ、アミノアルキル、置換アミノアルキル、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、二置換アミノ、アミド、置換アミド、カルバメート、置換カルバメート、ウレイド、シアノ、スルホンアミド、置換スルホンアミド、アルキルスルホン、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルコキシ、ニトロ、チオ、チオアルキル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、カルバモイル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アリールヘテロアリール、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルコキシ、アリールオキシアルキル、アリールオキシアリール、ヘテロサイクリル、置換ヘテロサイクリル、アルキルカルボニル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、置換ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、置換ヘテロアルキニル、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アリールアルカノイルアミノ、アリールチオ、アリールアルキルチオ、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニル、アルキルスルホニル、アリールカルボニルアミノ、またはアルキルアミノカルボニルであり;
が水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素、アルキルまたは置換アルキルであり;
が独立して1またはそれ以上の水素、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキルまたは置換シクロアルキルであり;
が水素であり;
がピリジン、置換ピリジン、ピラジン、置換ピラジン、チアジアゾール、チアゾール、置換チアゾール、ピペリジンまたは置換ピペリジンであるか;または
とRが一緒になってそれらが結合している窒素原子と共に適宜置換された4〜8員の飽和もしくは不飽和の単環式炭素環または単環式ヘテロ環、または適宜置換された7〜12員の飽和もしくは不飽和の二環式炭素環または二環式ヘテロ環を形成し;
nが0、1または2である]
の化合物、あるいはその医薬的に許容される塩、互変異性体または立体異性体。
【請求項7】
医薬的に許容される担体、および1またはそれ以上の請求項1〜6のいずれかの化合物あるいはその医薬的に許容される塩または立体異性体を含む医薬組成物。
【請求項8】
医薬的に許容される担体、および1またはそれ以上の請求項1〜6のいずれかの化合物あるいはその医薬的に許容される塩または立体異性体を、1またはそれ以上の他の抗癌剤または細胞毒性剤と組み合わせて含む医薬組成物。
【請求項9】
治療における使用のための、請求項1〜6のいずれかの化合物、あるいはその医薬的に許容される塩または立体異性体。
【請求項10】
増殖性疾患治療のための医薬の製造における、請求項1〜6のいずれかの化合物、あるいはその医薬的に許容される塩または立体異性体の使用。
【請求項11】
該増殖性疾患が癌である、請求項10の化合物の使用。
【請求項12】
該癌が前立腺癌、膵管腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌および甲状腺癌、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫およびメラノーマ、多発性骨髄腫、または急性骨髄性白血病(AML)である、請求項11の化合物の使用。
【請求項13】
哺乳類における、増殖性疾患治療のための活性薬剤としての、請求項1の1またはそれ以上の化合物。
【請求項14】
該増殖性疾患が癌である、請求項13に記載の増殖性疾患治療のための活性薬剤としての、1またはそれ以上の化合物。
【請求項15】
該癌が前立腺癌、膵管腺癌、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、膵臓癌および甲状腺癌、神経芽細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫およびメラノーマ、多発性骨髄腫、または急性骨髄性白血病(AML)である、請求項14に記載の癌治療のための活性薬剤としての、1またはそれ以上の化合物。
【請求項16】
1またはそれ以上の他の抗癌剤または細胞毒性剤と一緒に用いる、請求項15に記載の癌治療のための活性薬剤としての1またはそれ以上の化合物であって、請求項1の化合物と前記他の抗癌剤または細胞毒性剤が、合剤として一緒に製剤化されるか、または同時もしくは連続投与のために別々に製剤化されることを特徴とする化合物。
【請求項17】
1またはそれ以上の請求項1〜6のいずれかの化合物、あるいはその医薬的に許容される塩または立体異性体の治療上の有効量を治療が必要な哺乳類種に投与することを特徴とする、アルツハイマー病の治療方法。

【公表番号】特表2010−534677(P2010−534677A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518371(P2010−518371)
【出願日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際出願番号】PCT/US2008/070961
【国際公開番号】WO2009/015254
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(391015708)ブリストル−マイヤーズ スクイブ カンパニー (494)
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL−MYERS SQUIBB COMPANY
【Fターム(参考)】