説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、ナビゲーション方法

【課題】サーバから詳細な地図データを取得することができる上、通信圏外の状態や通信状態が急激に悪化した場合等においても、継続して地図を表示させることができる、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、ナビゲーション方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、通信状態が正常と判定した場合に、詳細地図データの取得要求を送信してサーバから詳細地図データを受信し、一方、通信状態が正常ではないと判定した場合に、広域地図データを記憶部から取得し、受信した詳細地図データ、または、取得した広域地図データを、表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、ナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め地図データを保持せず、必要な地図データを適宜サーバ等からダウンロードするナビゲーション装置が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、必要に応じ現在位置検出手段により検出した現在位置を通信手段を介して地図センターに通知してその地図情報を要求し、地図センターから取得した地図情報と現在位置検出手段から検出した現在位置とを合成して描画処理し、表示部に表示するナビゲーション装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、複数の尺度の地図情報を無線で配信する局から地図情報を受信する通信回路と、当該通信回路の受信強度に基づいて受信する地図情報の尺度を選択する制御手段とを備えたナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−67385号公報
【特許文献2】特開2002−323324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のナビゲーション装置においては、通信圏外の状態や、通信状態が急激に悪化した場合等に、地図データを取得できないという問題点を有していた。
【0007】
例えば、特許文献1に記載のナビゲーション装置においては、隣接するエリアに移動体の現在位置が到達した場合に自動的に地図情報を地図センターから取得するよう構成されているものの、地図情報の取得要求時に通信圏外にある場合には、地図情報を取得することができなくなるという問題点を有していた。
【0008】
また、特許文献2に記載のナビゲーション装置においては、通信強度に応じて地図情報の尺度を選択して受信するよう構成されているものの、通信強度が急激に悪化した場合には、もはや地図情報を取得することができなくなってしまうという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、サーバから詳細な地図データを取得することができる上、通信圏外の状態や通信状態が急激に悪化した場合等においても、継続して地図を表示させることができる、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、ナビゲーション方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するため、本発明のナビゲーションシステムは、記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、表示部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、詳細地図データを記憶する詳細地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、広域地図データを記憶する広域地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記制御部は、上記ナビゲーションサーバとの通信状態を判定する通信状態判定手段と、上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常と判定された場合に、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信する取得要求送信手段と、上記ナビゲーションサーバから送信される上記詳細地図データを受信する詳細地図データ受信手段と、上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常ではないと判定された場合に、上記広域地図データ記憶手段に記憶された上記広域地図データを取得する広域地図データ取得手段と、上記詳細地図データ受信手段により受信された上記詳細地図データ、または、上記広域地図データ取得手段により取得された上記広域地図データを、上記表示部に表示させる地図データ表示手段と、を備え、上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、上記ナビゲーション装置から送信される上記詳細地図データの取得要求を受信する取得要求受信手段と、上記取得要求受信手段により受信された上記取得要求に基づいて、対応する上記詳細地図データを上記詳細地図データ記憶手段から取得する詳細地図データ取得手段と、上記詳細地図データ取得手段により取得された上記詳細地図データを、上記ナビゲーション装置に送信する詳細地図データ送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記ナビゲーション装置の上記制御部は、上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常ではなくなったと判定された場合に、当該表示部に現在表示されている上記詳細地図データの縮尺を上記記憶部に格納し、当該通信状態が正常な状態に回復したと判定された場合に、上記記憶部に格納した上記縮尺で上記詳細地図データが上記表示部に表示されるよう制御する縮尺制御手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記通信状態判定手段は、上記ナビゲーションサーバとの上記通信状態を監視し、当該通信状態に基づいて上記判定を行うことを特徴とする。
【0013】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記通信状態は、通信強度の強弱、通信速度、通信回線の種別、および/または、通信圏内あるいは通信圏外の状態であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記ナビゲーション装置の上記制御部は、上記ナビゲーション装置の利用者の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段、を更に備え、上記取得要求送信手段は、上記現在位置情報に基づいて、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のナビゲーション装置は、記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、表示部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置であって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、詳細地図データを記憶し、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、広域地図データを記憶し、上記制御部は、上記ナビゲーションサーバとの通信状態を判定する通信状態判定手段と、上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常と判定された場合に、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信する取得要求送信手段と、上記取得要求に基づいて上記ナビゲーションサーバの上記記憶部から取得され送信される上記詳細地図データを、上記ナビゲーションサーバから受信する詳細地図データ受信手段と、上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常ではないと判定された場合に、上記ナビゲーション装置の上記記憶部に記憶された上記広域地図データを取得する広域地図データ取得手段と、上記詳細地図データ受信手段により受信された上記詳細地図データ、または、上記広域地図データ取得手段により取得された上記広域地図データを、上記表示部に表示させる地図データ表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明のナビゲーションサーバは、表示部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバであって、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、広域地図データを記憶し、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、詳細地図データを記憶し、上記制御部は、通信状態が正常と判定された場合に上記ナビゲーション装置から送信される上記詳細地図データの取得要求を受信する取得要求受信手段と、上記取得要求受信手段により受信された上記取得要求に基づいて、対応する上記詳細地図データを上記ナビゲーションサーバの上記記憶部から取得する詳細地図データ取得手段と、上記詳細地図データ取得手段により取得された上記詳細地図データを上記ナビゲーション装置に送信して、当該詳細地図データまたは上記ナビゲーション装置の上記記憶部に記憶された上記広域地図データが上記表示部に表示されるよう制御する詳細地図データ送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明のナビゲーション方法は、記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、表示部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、詳細地図データを記憶する詳細地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、広域地図データを記憶する広域地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記ナビゲーションサーバとの通信状態を判定する通信状態判定ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記通信状態判定ステップにて上記通信状態が正常と判定された場合に、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信する取得要求送信ステップと、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記ナビゲーション装置から送信される上記詳細地図データの取得要求を受信する取得要求受信ステップと、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記取得要求受信ステップにて受信された上記取得要求に基づいて、対応する上記詳細地図データを上記詳細地図データ記憶手段から取得する詳細地図データ取得ステップと、上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、上記詳細地図データ取得ステップにて取得された上記詳細地図データを、上記ナビゲーション装置に送信する詳細地図データ送信ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記ナビゲーションサーバから送信される上記詳細地図データを受信する詳細地図データ受信ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記通信状態判定ステップにて上記通信状態が正常ではないと判定された場合に、上記広域地図データ記憶手段に記憶された上記広域地図データを取得する広域地図データ取得ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記詳細地図データ受信ステップにて受信された上記詳細地図データ、または、上記広域地図データ取得ステップにて取得された上記広域地図データを、上記表示部に表示させる地図データ表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明のナビゲーション方法は、記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、表示部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置において実行されるナビゲーション方法であって、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、詳細地図データを記憶し、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、広域地図データを記憶し、上記制御部において実行される、上記ナビゲーションサーバとの通信状態を判定する通信状態判定ステップと、上記通信状態判定ステップにて上記通信状態が正常と判定された場合に、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信する取得要求送信ステップと、上記取得要求に基づいて上記ナビゲーションサーバの上記記憶部から取得され送信される上記詳細地図データを、上記ナビゲーションサーバから受信する詳細地図データ受信ステップと、上記通信状態判定ステップにて上記通信状態が正常ではないと判定された場合に、上記ナビゲーション装置の上記記憶部に記憶された上記広域地図データを取得する広域地図データ取得ステップと、上記詳細地図データ受信ステップにて受信された上記詳細地図データ、または、上記広域地図データ取得ステップにて取得された上記広域地図データを、上記表示部に表示させる地図データ表示ステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明のナビゲーション方法は、表示部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバにおいて実行されるナビゲーション方法であって、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、広域地図データを記憶し、上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、詳細地図データを記憶し、上記制御部において実行される、通信状態が正常と判定された場合に上記ナビゲーション装置から送信される上記詳細地図データの取得要求を受信する取得要求受信ステップと、上記取得要求受信ステップにて受信された上記取得要求に基づいて、対応する上記詳細地図データを上記ナビゲーションサーバの上記記憶部から取得する詳細地図データ取得ステップと、上記詳細地図データ取得ステップにて取得された上記詳細地図データを上記ナビゲーション装置に送信して、当該詳細地図データまたは上記ナビゲーション装置の上記記憶部に記憶された上記広域地図データが上記表示部に表示されるよう制御する詳細地図データ送信ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、ナビゲーションサーバは、詳細地図データを記憶部に記憶し、ナビゲーション装置は、広域地図データを記憶部に記憶し、ナビゲーション装置は、ナビゲーションサーバとの通信状態を判定し、通信状態が正常と判定した場合に、詳細地図データの取得要求をナビゲーションサーバに送信し、ナビゲーションサーバから送信される詳細地図データを受信し、通信状態が正常ではないと判定した場合に、記憶部に記憶された広域地図データを取得し、受信された詳細地図データ、または、取得した広域地図データを、表示部に表示させ、ナビゲーションサーバは、ナビゲーション装置から送信される詳細地図データの取得要求を受信し、受信した取得要求に基づいて、対応する詳細地図データを記憶部から取得し、取得した詳細地図データを、ナビゲーション装置に送信することができる。これにより、本発明は、サーバから詳細な地図データを取得することができる上、通信圏外の状態や通信状態が急激に悪化した場合等においても、継続して地図を表示させることができるという効果を奏する。特に、本発明は、ローカル(ナビゲーション装置)側に大容量のストレージやメモリを持たず、データ量の小さい広域地図データのみを記憶するナビゲーション装置に適用した場合においても、データ量の比較的大きい詳細地図データをダウンロードするために十分な通信状態である場合にのみサーバ側から詳細地図データをダウンロードするので、ローカル(ナビゲーション装置)側において通信状態に応じて適切な地図データを取得して表示させることができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明によれば、ナビゲーション装置は、通信状態が正常ではなくなったと判定した場合に、表示部に現在表示されている詳細地図データの縮尺を記憶部に格納し、当該通信状態が正常な状態に回復したと判定した場合に、記憶部に格納した縮尺で詳細地図データが表示部に表示されるよう制御することができる。これにより、本発明は、通信状態が悪化する前に表示部に表示されていた詳細地図データの縮尺を復元して、利用者に違和感を与えることなく所望の縮尺で地図を表示させることができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、ナビゲーション装置は、ナビゲーションサーバとの通信状態を監視し、当該通信状態に基づいて通信状態の判定を行うことができる。これにより、本発明は、通信状態の遷移を把握して、現在の通信状態に応じて適切な地図データを取得することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、通信状態は、通信強度の強弱、通信速度、通信回線の種別、および/または、通信圏内あるいは通信圏外の状態とすることができる。これにより、本発明は、通信強度や、通信速度や、通信回線の種別や、通信圏内・通信圏外の状態等の通信状態に応じて、これらの通信状態が詳細地図データのダウンロードを行うために不十分であっても、利用者に違和感を与えることなく地図データを継続して提供することができるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、ナビゲーション装置は、当該ナビゲーション装置の利用者の現在位置に関する現在位置情報を取得し、現在位置情報に基づいて、詳細地図データの取得要求をナビゲーションサーバに送信することができる。これにより、本発明は、ナビゲーション装置の利用者の現在位置を含む詳細地図データを取得することができるという効果を奏する。
【0025】
なお、上記において、本発明のナビゲーションシステムを一例に効果の説明をしたが、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、ナビゲーション方法においても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの基本処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの縮尺復元処理の一例を示す図である。
【図4】図4は、通信状態が正常である場合に表示される詳細地図データの表示画面の一例を示す図である。
【図5】図5は、通信状態が正常でない場合に表示される広域地図データの表示画面の一例を示す図である。
【図6】図6は、通信状態が回復した場合に表示される詳細地図データの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明にかかるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、ナビゲーション方法、並びにプログラムの実施の形態を、図1〜図3を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0028】
[ナビゲーションシステムの構成]
まず、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例について、図1を参照して以下に説明する。ここで、図1は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0029】
図1に示すように、本実施形態のナビゲーションシステムは、概略的に、制御部202と記憶部206とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ200、および、表示部114と制御部102と記憶部106とを少なくとも備えたナビゲーション装置100、を通信可能に接続して構成される。通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等であり、ナビゲーション装置100とナビゲーションサーバ200等の外部機器とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網、一般電話回線網を含む。)、イントラネット、電力線通信(PLC)等であってもよい。また、これらナビゲーション装置100およびナビゲーションサーバ200の各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0030】
[ナビゲーションサーバ200の構成]
ここで、図1において、ナビゲーションサーバ200は、ナビゲーション装置100から送信される詳細地図データの取得要求を受信し、受信した取得要求に基づいて、対応する詳細地図データを記憶部206から取得し、取得した詳細地図データをナビゲーション装置100に送信する等の機能を有する。ナビゲーションサーバ200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、ナビゲーション装置100と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206とを備えて構成される。制御部202は、各種処理を行う制御手段であり、詳細地図データの取得や送信等を行う。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ナビゲーションサーバ200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能等を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、ナビゲーション装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。記憶部206は、固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(詳細地図データベース206a等)を格納する。
【0031】
これら記憶部206の各構成要素のうち、詳細地図データベース206aは、ナビゲーション装置100に予め記憶される地図データよりも詳細な地図データを記憶する地図データ記憶手段である。この詳細地図データベース206aに記憶される詳細地図データは、一例として、1)地図描画用データと、2)ネットワークデータと、3)スポットデータ等を含んで構成される。
【0032】
1)地図描画用データは、地図を描画するためのデータであり、例えば、建物や道路や、山・河川等の地形等を描画するための描画用データである。描画用データは、一例として、地図上で一つの地域や敷地や領域等を多角形のポリゴンで表したデータであってもよく、二次元表示または三次元表示用のデータであってもよい。また、描画用データは、全国および各地方の道路地図等の屋外地図データであってもよく、高さ情報を持つ建築物(例えば、立体駐車場等)に関するフロア案内地図等の屋内地図データであってもよい。
【0033】
2)ネットワークデータは、交通網を規定したデータであり、例えば、ノードとリンクとによって構成される道路や通路等に関するデータである。このネットワークデータは、例えば、交差点等の道路網表現上の結節点であるノードに関するノードデータと、ノード間の道路区間であるリンクに関するリンクデータとの組み合わせによって構成されている。より具体的には、ノードデータは、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、交差点名称等を含んで構成されてもよい。また、リンクデータは、リンク番号、接続する道路の種別(高速道路か一般道路か等)、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、および、名称等を含んで構成されてもよい。
【0034】
3)スポットデータは、ある地点に情報を対応付けたデータであり、例えば、緯度・経度等に対応付けて、店舗等の施設情報や、注記(地名等の文字等)、アイコン(広告などの付加アイコン、一般的なアイコン等)、記号(地図記号等)等の情報が格納されている。
【0035】
これら各種の詳細地図データは、詳細地図データベース206aに予め記憶されており、ナビゲーションサーバ200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新の詳細地図データをダウンロードして詳細地図データベース206aに記憶された各種の詳細地図データをアップデートしてもよい。また、これらの各種の詳細地図データは、経度および緯度で区画化されたメッシュ単位(例えば、第1〜3次メッシュ区画、100mメッシュ区画(1/10細分メッシュ区画)等)で構成されてもよい。なお、詳細地図データベース206aに記憶される詳細地図データは、ラスター形式の地図データでもよく、ベクター形式の地図データでもよい。
【0036】
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、取得要求受信部202a、詳細地図データ取得部202b、詳細地図データ送信部202cを備えて構成される。
【0037】
このうち、取得要求受信部202aは、地図データの取得要求をナビゲーション装置100から受信する取得要求受信手段である。
【0038】
また、詳細地図データ取得部202bは、取得要求受信部202aにより受信された取得要求に対応する詳細地図データを、詳細地図データベース206aから取得する詳細地図データ取得手段である。例えば、詳細地図データ取得部202bは、取得要求において指定された地図の範囲や中心座標、縮尺等に基づいて、対応する詳細地図データを詳細地図データベース206aから抽出することにより取得する。また、詳細地図データ取得部202bは、取得要求に現在位置情報が付加されている場合に、当該現在位置情報に対応する詳細地図データを詳細地図データベース206aから取得してもよい。また、詳細地図データ取得部202bにより取得される詳細地図データのデータ形式は、ラスター形式でもベクター形式でもよく、一例として、詳細地図データ取得部202bは、詳細地図データベース206aにベクター形式の詳細地図データが記憶されている場合において、取得要求において指定された縮尺にて、ベクター形式の詳細地図データをラスター形式に変換してもよい。ここで、本実施の形態において、「縮尺」とは、地図を実物より縮めて描画するための縮小比率等であり、例えば、「2万5千分の1」や「5万分の1」等の地図の縮尺や、地図データのメッシュ区画の種類(1次〜3次メッシュ区画、100mメッシュ区画等)や、ナビゲーション装置100の表示部114の単位ピクセルあたりに表示する地図上の距離(1mなど)であってもよい。例えば、詳細地図データ取得部202bは、詳細地図データベース206aに複数のメッシュ区画(1次〜3次メッシュ区画、100mメッシュ区画等)で詳細地図データが記憶されている場合において、取得要求において縮尺として指定されたメッシュ区画の詳細地図データを取得してもよい。
【0039】
また、詳細地図データ送信部202cは、詳細地図データ取得部202bにより取得された詳細地図データをナビゲーション装置100に送信する詳細地図データ送信手段である。
【0040】
[ナビゲーション装置100の構成]
また、図1において、ナビゲーション装置100は、ナビゲーションサーバ200との通信状態を判定し、通信状態が正常と判定した場合に、詳細地図データの取得要求をナビゲーションサーバ200に送信して詳細地図データをナビゲーションサーバ200から受信し、一方、通信状態が正常ではないと判定した場合に、広域地図データベース106aに記憶された広域地図データを取得し、当該受信した詳細地図データまたは取得した広域地図データを、表示部114に表示させる等の機能を有する。本実施の形態において、ナビゲーション装置100は、通信制御インターフェース部104を介してネットワーク300を経由し、ナビゲーションサーバ200と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206と表示部114と入力部116を備えて構成される。ここで、ナビゲーション装置100は、リアルタイムに現在位置情報の取得が行えるよう、GPS機能やIMES機能等を有する位置取得部112を備えていてもよい。
【0041】
ナビゲーション装置100は、例えば、カーナビゲーションを行う車載用のカーナビゲーション装置や、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、携帯電話やPHSやPDA等の携帯ナビゲーション装置等であってもよい。ここで、カーナビゲーションを行う車載用のナビゲーション装置100としては、例えば、車両から電力の供給を受けられ、ダッシュボード等の車両本体にアタッチメント等で着脱可能に固定され、装置本体(ローカル)に大容量ストレージを持たず、車両から信号(例えば、車速パルス、燃料消費等)を取得することもでき、通信モジュールを内蔵しており、通信圏内でナビゲーションサーバ200等とネットワーク300を介して通信可能であり、地図データ等のデータをナビゲーションサーバ200からダウンロードすることも可能な装置である。
【0042】
ナビゲーション装置100の構成のうち、位置取得部112は、例えば、位置発信装置500から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段であってもよい。例えば、位置取得部112は、リアルタイムに現在位置情報の取得が行えるよう、GPS機能やIMES機能等を有する。ここで、位置発信装置500は、軌道データや時刻情報等に関する位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置であってもよく、また、GPS信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするIMES(Indoor Message System)技術を実現するIMES装置であってもよい。なお、IMES技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置500は、屋外で受信したGPS信号を屋内で発信するGPSリピータであってもよい。また、位置発信装置500は、建物(例えば、立体駐車場)内の各フロアの各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報(位置ID等)が割り振られている。そして、ナビゲーション装置100が通信可能範囲に入ると、ナビゲーション装置100は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグシステムやBluetooth(登録商標)等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置500は、無線LANのアクセスポイントであってもよい。本実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出する。また、位置取得部112は、無線LAN信号を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。本実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。
【0043】
また、位置取得部112は、例えば、方位センサにて検出したナビゲーション装置100の進行方向等の方位情報、距離センサにて検出した距離情報、および、地図データに基づいてナビゲーション装置100の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ここで、方位センサには、ナビゲーション装置100の絶対走行方位を検出する地磁気センサおよびナビゲーション装置100の相対走行方位を検出する光ジャイロが使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位や傾きに関する情報を取得できる電子コンパスであってもよい。また、距離センサは、ナビゲーション装置100が車載の情報処理端末である場合、車両の回転に応じたパルスを発生させ、車輪の回転数により走行距離を検出してもよい。また、位置取得部112は、ナビゲーション装置100が車載の情報処理端末である場合、各車両に搭載された通信装置の車車間通信から自車位置を示す位置情報を取得してもよい。
【0044】
また、表示部114は、ナビゲーションサーバ200から受信した詳細地図データや、広域地図データベース106aから取得した広域地図データ等を表示するための表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)である。また、入力部116は、出発地や現在地や目的地等を入力させるための入力手段(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等)であってもよい。入出力制御インターフェース部108は、位置取得部112や、表示部114、入力部116等の制御を行う。
【0045】
また、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ナビゲーション装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、ナビゲーションサーバ200等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
【0046】
また、記憶部106は、固定ディスク装置やキャッシュメモリ等のストレージ手段であり、各種のファイルやテーブルやデータベース(広域地図データベース106a、詳細地図データ一時ファイル106b、縮尺状態ファイル106c等)を格納する。
【0047】
このうち、広域地図データベース106aは、ナビゲーションサーバ200の詳細地図データベース206aに記憶される地図データよりも広域な地図データを記憶する広域地図データ記憶手段である。例えば、広域地図データベース106aに記憶される広域地図データには、詳細地図データベース206aに記憶される詳細地図データに比べて、縮尺が小さい地図データが格納されている。一例として、詳細地図データのメッシュ単位が100mメッシュ区画(1辺の長さ:約100m)である場合、広域地図データのメッシュ単位を第3次メッシュ区画(1辺の長さ:約1km)としてもよい。また、広域地図データは、詳細地図データのうち一部のデータ項目を省略して、主要なデータ項目のみを抽出したものであってもよく、広域地図データは、更新されることなく予め記憶部106に記憶されているものであってもよい。換言すると、広域地図データは、詳細地図データに比べて、荒い、および/または、古いという性質を有しており、広域地図データベース106aに記憶される広域地図データは、詳細地図データベース206aに記憶される詳細地図データよりもデータサイズが比較的小さい。
【0048】
また、詳細地図データ一時ファイル106bは、詳細地図データ受信部102dにより受信された詳細地図データを記憶する詳細地図データ記憶手段である。ここで、詳細地図データ一時ファイル106bは、詳細地図データ受信部102dにより受信された詳細地図データを一時的に記憶するものでもよく、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)等であってもよい。
【0049】
また、縮尺状態ファイル106cは、表示部114に現在表示されている詳細データの縮尺を記憶するための縮尺状態記憶手段である。
【0050】
また、制御部102は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、現在位置情報取得部102a、通信状態判定部102b、取得要求送信部102c、詳細地図データ受信部102d、広域地図データ取得部102e、地図データ表示部102f、縮尺制御部102gを備えて構成される。
【0051】
このうち、現在位置情報取得部102aは、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部102aは、位置取得部112にて位置発信装置500から受信した位置情報信号から算出した位置情報、および/または、位置取得部112の方位センサにて検出したナビゲーション装置100の進行方向等の方位情報等を含むナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を取得してもよい。また、現在位置情報取得部102aは、利用者により入力部116を介して入力された現在位置についての位置座標等を現在位置情報として取得してもよい。ここで、利用者により入力部116を介して入力された現在位置は、利用者が現実に存在する位置であってもよく、利用者により任意に選択された仮想の現在位置(一例として、東京にいる利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点)であってもよい。具体的には、入力部116を介して利用者に表示部114に表示された地図データを表示した表示画面上で指定(例えば、タッチパネル式の表示部114での指定操作等)させた座標、および/または、方向情報を現在位置情報として取得してもよい。
【0052】
また、通信状態判定部102bは、ナビゲーションサーバ200との通信状態を判定する通信状態判定手段である。例えば、通信状態判定部102bは、ナビゲーションサーバ200との通信状態を監視し、当該通信状態に基づいて判定を行う。通信状態判定部102bにより監視される通信状態は、通信強度の強弱や、通信速度、通信回線の種別、通信圏内/圏外の状態等である。例えば、通信状態判定部102bは、ナビゲーションサーバ200から送信される詳細地図データを受信するために十分な通信状態である場合(例えば、通信強度が強い、通信速度が速い、通信回線が太い、通信圏内である等の場合)等には、通信状態を正常と判定する。一方、通信状態判定部102bは、ナビゲーションサーバ200から送信される詳細地図データを受信するために通信状態が不十分である場合(例えば、通信強度が弱い、通信速度が遅い、通信回線が細い、通信圏外である等の場合)等には、通信状態が正常ではないと判定する。
【0053】
また、取得要求送信部102cは、通信状態判定部102bにより通信状態が正常と判定された場合に、詳細地図データの取得要求をナビゲーションサーバ200に送信する取得要求送信手段である。ここで、地図データの取得要求は、一例として、地図の範囲や縮尺や位置(中心座標等)等を指定するための情報を含んでもよく、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置を中心とした地図を取得する等のために、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報を含んでもよい。
【0054】
また、詳細地図データ受信部102dは、ナビゲーションサーバ200から送信される詳細地図データを受信し、詳細地図データ一時ファイル106bに格納する詳細地図データ受信手段である。
【0055】
また、広域地図データ取得部102eは、通信状態判定部102bにより通信状態が正常ではないと判定された場合に、現在位置情報取得部102aに記憶された広域地図データを取得する広域地図データ取得手段である。
【0056】
また、地図データ表示部102fは、詳細地図データ受信部102dにより受信され詳細地図データ一時ファイル106bに格納された詳細地図データ、または、広域地図データ取得部102eにより取得された広域地図データを、表示部114に表示させる地図データ表示手段である。すなわち、例えば、地図データ表示部102fは、詳細地図データ一時ファイル106bに格納された詳細地図データを表示部114に表示させ、詳細地図データ一時ファイル106bに対応する詳細地図データがない場合には詳細地図データの代わりに、広域地図データ取得部102eにより取得された広域地図データを表示部114に表示させる。ここで、地図データ表示部102fは、詳細地図データまたは広域地図データを表示するための表示画面上に、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報に基づく現在位置ポインタを重畳させて表示させてもよく、現在位置ポインタを含む詳細地図データの表示画面を表示できなくなった場合に、広域地図データの表示画面に切り替えてもよい。
【0057】
また、縮尺制御部102gは、通信状態判定部102bにより通信状態が正常ではなくなったと判定された場合に、表示部114に現在表示されている詳細地図データの縮尺を縮尺状態ファイル106cに格納し、通信状態判定部102bにより通信状態が正常な状態に回復したと判定された場合に、縮尺状態ファイル106cに格納した縮尺で詳細地図データが表示部114に表示されるよう制御する縮尺制御手段である。すなわち、縮尺制御部102gは、通信状態が正常な状態に回復した場合に、詳細地図データが元の縮尺で表示部114に表示されるように復元する。例えば、縮尺制御部102gは、通信状態判定部102bにより通信状態が正常な状態に回復したと判定された場合に、縮尺状態ファイル106cに格納した縮尺に基づいて、詳細地図データの取得要求が送信されるよう取得要求送信部102cを制御してもよい。また、縮尺制御部102gは、通信状態判定部102bにより通信状態が正常な状態に回復したと判定された場合に、詳細地図データ受信部102dにより受信され詳細地図データ一時ファイル106bに格納された詳細地図データが縮尺状態ファイル106cに格納した縮尺で表示されるよう地図データ表示部102fを制御してもよい。
【0058】
以上で、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例の説明を終える。
【0059】
[ナビゲーションシステムの処理]
次に、このように構成された本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例について、以下に図2および図3を参照して詳細に説明する。
【0060】
[基本処理]
まず、本実施形態におけるナビゲーションシステムの基本処理の一例について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの基本処理の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図2に示すように、まず、ナビゲーション装置100の通信状態判定部102bは、ナビゲーションサーバ200との通信状態を監視して、通信状態が正常であるか否かを判定する(ステップSA−1)。例えば、通信状態判定部102bは、ナビゲーションサーバ200から送信される詳細地図データを受信するために十分な通信状態である場合(例えば、通信強度が強い、通信速度が速い、通信回線が太い、通信圏内である等の場合)等には、通信状態を正常と判定し、一方、ナビゲーションサーバ200から送信される詳細地図データを受信するために通信状態が不十分である場合(例えば、通信強度が弱い、通信速度が遅い、通信回線が細い、通信圏外である等の場合)等には、通信状態が正常ではないと判定する。なお、通信状態が正常か否かを判定するために、予め通信状態に対応付けて閾値を設定しておき、通信状態判定部102bは、当該閾値に基づいて判定を行ってもよい。
【0062】
そして、ナビゲーション装置100の取得要求送信部102cは、通信状態判定部102bにより通信状態が正常と判定された場合に(ステップSA−1、Yes)、詳細地図データの取得要求をナビゲーションサーバ200に送信する(ステップSA−2)。ここで、取得要求送信部102cは、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置を含む地図データを取得するために、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報を付加して取得要求を送信してもよい。なお、現在位置情報取得部102aは、位置発信装置500から発信される位置情報信号から現在位置情報を取得してもよく、入力部116を介して利用者に表示部114に表示された地図データを表示した表示画面上で指定(例えば、タッチパネル式の表示部114での指定操作等)させた座標、および、方位情報を現在位置情報として取得してもよい。
【0063】
そして、ナビゲーションサーバ200の取得要求受信部202aは、地図データの取得要求をナビゲーション装置100から受信する(ステップSA−3)。
【0064】
そして、ナビゲーションサーバ200の詳細地図データ取得部202bは、取得要求受信部202aにより受信された取得要求に基づいて、対応する詳細地図データを詳細地図データベース206aから取得する(ステップSA−4)。例えば、詳細地図データ取得部202bは、取得要求において指定された地図の範囲や中心座標、縮尺、現在位置情報等に基づいて、対応する詳細地図データを詳細地図データベース206aから抽出することにより取得する。
【0065】
そして、ナビゲーションサーバ200の詳細地図データ送信部202cは、詳細地図データ取得部202bにより取得された詳細地図データを、ナビゲーション装置100に送信する(ステップSA−5)。
【0066】
そして、ナビゲーション装置100の詳細地図データ受信部102dは、ナビゲーションサーバ200から送信された詳細地図データを受信し、詳細地図データ一時ファイル106bに格納する(ステップSA−6)。
【0067】
このように、ナビゲーション装置100は、通信状態判定部102bにより通信状態が正常と判定された場合にはナビゲーションサーバ200から詳細地図データを取得するが、一方、上述したステップSA−1において、通信状態判定部102bにより通信状態が正常ではないと判定された場合には(ステップSA−1、No)、ナビゲーション装置100の広域地図データ取得部102eは、対応する広域地図データを現在位置情報取得部102aから取得する(ステップSA−7)。
【0068】
そして、ナビゲーション装置100の地図データ表示部102fは、詳細地図データ受信部102dにより受信され詳細地図データ一時ファイル106bに格納された詳細地図データ、または、広域地図データ取得部102eにより取得された広域地図データを、表示部114に表示させる(ステップSA−8)。すなわち、地図データ表示部102fは、通信状態が正常である場合には詳細地図データ一時ファイル106bに格納される詳細地図データを表示部114に表示させ、一方、通信状態が正常でない場合には広域地図データ取得部102eにより取得された広域地図データを表示部114に表示させることとなる。ここで、地図データ表示部102fは、詳細地図データまたは広域地図データを表示するための表示画面上に、現在位置情報取得部102aにより取得された現在位置情報に基づく現在位置ポインタを重畳させて表示させてもよい。また、ナビゲーション装置100は、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報の更新等により地図表示画面上で現在位置を表示できなくなった場合など、新たに地図データが必要となった場合等には、ステップSA−1に処理を戻し、再度、詳細地図データまたは広域地図データを取得して表示させる。以上が、本実施形態におけるナビゲーションシステムの基本処理の一例である。
【0069】
[縮尺復元処理]
つぎに、本実施形態におけるナビゲーションシステムの縮尺復元処理について、以下に図3を参照して説明する。この縮尺復元処理では、通信状態が正常な状態から悪化して再び正常な状態に回復した場合を想定して、正常な状態に回復した場合に利用者に違和感を与えないよう詳細地図データの縮尺を復元して表示させることを一つの目的としている。ここで、図3は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの縮尺復元処理の一例を示す図である。
【0070】
図3に示すように、上述したステップSA−8と同様に、ナビゲーション装置100の地図データ表示部102fは、通信状態が正常である場合に詳細地図データ受信部102dにより受信され詳細地図データ一時ファイル106bに格納された詳細地図データを、表示部114に表示させる(ステップSB−1)。ここで、図4は、通信状態が正常である場合に表示される詳細地図データの表示画面の一例を示す図である。図4に示すように、地図データ表示部102fは、一例として、詳細地図データ一時ファイル106bに格納された100mメッシュ区画(1辺の長さ:約100m)の詳細地図データを表示部114に表示させる。
【0071】
そして、ナビゲーション装置100の取得要求送信部102cは、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報の更新等により詳細地図データの表示画面上で現在位置を表示できなくなった場合など、新たに地図データが必要か否か判定する(ステップSB−2)。
【0072】
そして、取得要求送信部102cにより新たに地図データが必要であると判定された場合(ステップSB−2、Yes)、ナビゲーション装置100の通信状態判定部102bは、ナビゲーションサーバ200との通信状態を監視して、通信状態が正常であるか否かを判定する(ステップSB−3)。一方、取得要求送信部102cにより新たな地図データは必要ないと判定された場合は(ステップSB−2、No)、ナビゲーション装置100の地図データ表示部102fは、続けて詳細地図データを表示部114に表示させる(ステップSB−1)。
【0073】
そして、通信状態判定部102bにより通信状態が正常と判定された場合(ステップSB−3、Yes)、上述したステップSA−2と同様に、ナビゲーション装置100の取得要求送信部102cは、詳細地図データの取得要求をナビゲーションサーバ200に送信することにより、ステップSA−2以降の処理が行われ、この場合には縮尺復元処理の必要はなくなる。
【0074】
一方、通信状態判定部102bにより通信状態が正常ではないと判定された場合(ステップSB−3、No)、ナビゲーション装置100の縮尺制御部102gは、表示部114に現在表示されている詳細地図データの縮尺を縮尺状態ファイル106cに格納する(ステップSB−4)。例えば、図4に示した表示画面が表示されている場合、縮尺制御部102gは、表示部114に現在表示されている詳細地図データの縮尺として、メッシュ区画の種類(例えば、100mメッシュ)や、表示部114の単位ピクセルあたりに表示する地図上の距離(1mなど)等を縮尺状態ファイル106cに格納してもよい。
【0075】
そして、ナビゲーション装置100の広域地図データ取得部102eは、対応する広域地図データを広域地図データベース106aから取得する(ステップSB−5)。
【0076】
そして、ナビゲーション装置100の地図データ表示部102fは、広域地図データ取得部102eにより取得された広域地図データを表示部114に表示させる(ステップSB−6)。ここで、図5は、通信状態が正常でない場合に表示される広域地図データの表示画面の一例を示す図である。図5に示すように、地図データ表示部102fは、一例として、広域地図データベース106aに第3次メッシュ区画(1辺の長さ:約1km)の広域地図データが記憶されている場合等に広域地図データ取得部102eにより取得された広域地図データを表示部114に表示させる。
【0077】
そして、ナビゲーション装置100の通信状態判定部102bは、通信状態が正常な状態に回復したか否かを判定する(ステップSB−7)。
【0078】
通信状態判定部102bにより通信状態が正常な状態に回復していないと判定された場合には(ステップSB−7、No)、ステップSB−5に戻り、広域地図データ取得部102eによる必要な広域地図データの取得処理と、地図データ表示部102fによる広域地図データの表示処理が継続される。
【0079】
一方、通信状態判定部102bにより通信状態が正常な状態に回復したと判定された場合には(ステップSB−7、Yes)、ナビゲーション装置100の取得要求送信部102cは、詳細地図データの取得要求をナビゲーションサーバ200に送信する(ステップSB−8)。ここで、縮尺制御部102gは、縮尺状態ファイル106cに格納された縮尺(例えば、100mメッシュ区画)で詳細地図データを取得するための取得要求が送信されるよう取得要求送信部102cを制御してもよい。
【0080】
そして、ナビゲーションサーバ200の取得要求受信部202aは、地図データの取得要求をナビゲーション装置100から受信する(ステップSB−9)。
【0081】
そして、ナビゲーションサーバ200の詳細地図データ取得部202bは、取得要求受信部202aにより受信された取得要求に基づいて、対応する詳細地図データを詳細地図データベース206aから取得する(ステップSB−10)。ここで、詳細地図データ取得部202bは、取得要求において縮尺が指定されている場合、当該縮尺の詳細地図データを詳細地図データベース206aから取得する。
【0082】
そして、ナビゲーションサーバ200の詳細地図データ送信部202cは、詳細地図データ取得部202bにより取得された詳細地図データを、ナビゲーション装置100に送信する(ステップSB−11)。
【0083】
そして、ナビゲーション装置100の詳細地図データ受信部102dは、ナビゲーションサーバ200から送信された詳細地図データを受信し、詳細地図データ一時ファイル106bに格納する(ステップSB−12)。
【0084】
そして、ナビゲーション装置100の縮尺制御部102gは、詳細地図データ一時ファイル106bに格納された詳細地図データが縮尺状態ファイル106cに格納された縮尺で表示部114に表示されるよう地図データ表示部102fを制御することにより、縮尺の復元を行う(ステップSB−13)。ここで、図6は、通信状態が回復した場合に表示される詳細地図データの表示画面の一例を示す図である。一例として図6に示すように、地図データ表示部102fは、縮尺状態ファイル106cに格納された縮尺(例えば、100mメッシュ区画や、単位ピクセルあたりの地図上の距離1mなど)で表示部114に表示されるように、詳細地図データ一時ファイル106bに格納された詳細地図データを必要であれば拡大縮小などの描画処理を行った後、表示部114に表示させる。
【0085】
以上が本実施の形態におけるナビゲーションシステムの縮尺復元処理の一例である。これにより、通信状態が悪化する前に表示部114に表示されていた詳細地図データの縮尺を復元して、利用者に違和感を与えることなく所望の縮尺で地図を表示させることができる。
【0086】
以上で、本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の説明を終える。
【0087】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0088】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0089】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや施設検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0090】
また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0091】
例えば、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200の各装置が備える処理機能、特に制御部102、および、制御部202にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じてナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHD等の記憶部206等は、OSとして協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0092】
また、このコンピュータプログラムは、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0093】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0094】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0095】
記憶部106や記憶部206に格納される各種のデータベース等(詳細地図データベース206a、広域地図データベース106a〜縮尺状態ファイル106c等)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0096】
また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0097】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上詳述したように、本発明によれば、サーバから詳細な地図データを取得することができる上、通信圏外の状態や通信状態が急激に悪化した場合等においても、継続して地図を表示させることができる、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、ナビゲーション方法を提供することができるので、ナビゲーションを支援する情報機器や情報処理分野などの様々な分野において極めて有用である。
【符号の説明】
【0099】
100 ナビゲーション装置
102 制御部
102a 現在位置情報取得部
102b 通信状態判定部
102c 取得要求送信部
102d 詳細地図データ受信部
102e 広域地図データ取得部
102f 地図データ表示部
102g 縮尺制御部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a 広域地図データベース
106b 詳細地図データ一時ファイル
106c 縮尺状態ファイル
108 入出力制御インターフェース部
112 位置取得部
114 表示部
116 入力部
200 ナビゲーションサーバ
202 制御部
202a 取得要求受信部
202b 詳細地図データ取得部
202c 詳細地図データ送信部
204 通信制御インターフェース部
206 記憶部
206a 詳細地図データベース
300 ネットワーク
500 位置発信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、表示部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
詳細地図データを記憶する詳細地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
広域地図データを記憶する広域地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記制御部は、
上記ナビゲーションサーバとの通信状態を判定する通信状態判定手段と、
上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常と判定された場合に、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信する取得要求送信手段と、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記詳細地図データを受信する詳細地図データ受信手段と、
上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常ではないと判定された場合に、上記広域地図データ記憶手段に記憶された上記広域地図データを取得する広域地図データ取得手段と、
上記詳細地図データ受信手段により受信された上記詳細地図データ、または、上記広域地図データ取得手段により取得された上記広域地図データを、上記表示部に表示させる地図データ表示手段と、
を備え、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部は、
上記ナビゲーション装置から送信される上記詳細地図データの取得要求を受信する取得要求受信手段と、
上記取得要求受信手段により受信された上記取得要求に基づいて、対応する上記詳細地図データを上記詳細地図データ記憶手段から取得する詳細地図データ取得手段と、
上記詳細地図データ取得手段により取得された上記詳細地図データを、上記ナビゲーション装置に送信する詳細地図データ送信手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記ナビゲーション装置の上記制御部は、
上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常ではなくなったと判定された場合に、当該表示部に現在表示されている上記詳細地図データの縮尺を上記記憶部に格納し、当該通信状態が正常な状態に回復したと判定された場合に、上記記憶部に格納した上記縮尺で上記詳細地図データが上記表示部に表示されるよう制御する縮尺制御手段、
を更に備えたことを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記通信状態判定手段は、
上記ナビゲーションサーバとの上記通信状態を監視し、当該通信状態に基づいて上記判定を行うことを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記通信状態は、通信強度の強弱、通信速度、通信回線の種別、および/または、通信圏内あるいは通信圏外の状態であることを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一つに記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記ナビゲーション装置の上記制御部は、
上記ナビゲーション装置の利用者の現在位置に関する現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段、
を更に備え、
上記取得要求送信手段は、
上記現在位置情報に基づいて、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信することを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項6】
記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、表示部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置であって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
詳細地図データを記憶し、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
広域地図データを記憶し、
上記制御部は、
上記ナビゲーションサーバとの通信状態を判定する通信状態判定手段と、
上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常と判定された場合に、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信する取得要求送信手段と、
上記取得要求に基づいて上記ナビゲーションサーバの上記記憶部から取得され送信される上記詳細地図データを、上記ナビゲーションサーバから受信する詳細地図データ受信手段と、
上記通信状態判定手段により上記通信状態が正常ではないと判定された場合に、上記ナビゲーション装置の上記記憶部に記憶された上記広域地図データを取得する広域地図データ取得手段と、
上記詳細地図データ受信手段により受信された上記詳細地図データ、または、上記広域地図データ取得手段により取得された上記広域地図データを、上記表示部に表示させる地図データ表示手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーション装置。
【請求項7】
表示部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバであって、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
広域地図データを記憶し、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
詳細地図データを記憶し、
上記制御部は、
通信状態が正常と判定された場合に上記ナビゲーション装置から送信される上記詳細地図データの取得要求を受信する取得要求受信手段と、
上記取得要求受信手段により受信された上記取得要求に基づいて、対応する上記詳細地図データを上記ナビゲーションサーバの上記記憶部から取得する詳細地図データ取得手段と、
上記詳細地図データ取得手段により取得された上記詳細地図データを上記ナビゲーション装置に送信して、当該詳細地図データまたは上記ナビゲーション装置の上記記憶部に記憶された上記広域地図データが上記表示部に表示されるよう制御する詳細地図データ送信手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションサーバ。
【請求項8】
記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、表示部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行されるナビゲーション方法であって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
詳細地図データを記憶する詳細地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
広域地図データを記憶する広域地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記ナビゲーションサーバとの通信状態を判定する通信状態判定ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記通信状態判定ステップにて上記通信状態が正常と判定された場合に、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信する取得要求送信ステップと、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、
上記ナビゲーション装置から送信される上記詳細地図データの取得要求を受信する取得要求受信ステップと、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、
上記取得要求受信ステップにて受信された上記取得要求に基づいて、対応する上記詳細地図データを上記詳細地図データ記憶手段から取得する詳細地図データ取得ステップと、
上記ナビゲーションサーバの上記制御部において実行される、
上記詳細地図データ取得ステップにて取得された上記詳細地図データを、上記ナビゲーション装置に送信する詳細地図データ送信ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記詳細地図データを受信する詳細地図データ受信ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記通信状態判定ステップにて上記通信状態が正常ではないと判定された場合に、上記広域地図データ記憶手段に記憶された上記広域地図データを取得する広域地図データ取得ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、
上記詳細地図データ受信ステップにて受信された上記詳細地図データ、または、上記広域地図データ取得ステップにて取得された上記広域地図データを、上記表示部に表示させる地図データ表示ステップと、
を含むことを特徴とする、ナビゲーション方法。
【請求項9】
記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、表示部と記憶部と制御部とを少なくとも備えたナビゲーション装置において実行されるナビゲーション方法であって、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
詳細地図データを記憶し、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
広域地図データを記憶し、
上記制御部において実行される、
上記ナビゲーションサーバとの通信状態を判定する通信状態判定ステップと、
上記通信状態判定ステップにて上記通信状態が正常と判定された場合に、上記詳細地図データの取得要求を上記ナビゲーションサーバに送信する取得要求送信ステップと、
上記取得要求に基づいて上記ナビゲーションサーバの上記記憶部から取得され送信される上記詳細地図データを、上記ナビゲーションサーバから受信する詳細地図データ受信ステップと、
上記通信状態判定ステップにて上記通信状態が正常ではないと判定された場合に、上記ナビゲーション装置の上記記憶部に記憶された上記広域地図データを取得する広域地図データ取得ステップと、
上記詳細地図データ受信ステップにて受信された上記詳細地図データ、または、上記広域地図データ取得ステップにて取得された上記広域地図データを、上記表示部に表示させる地図データ表示ステップと、
を含むことを特徴とする、ナビゲーション方法。
【請求項10】
表示部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置に通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーションサーバにおいて実行されるナビゲーション方法であって、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
広域地図データを記憶し、
上記ナビゲーションサーバの上記記憶部は、
詳細地図データを記憶し、
上記制御部において実行される、
通信状態が正常と判定された場合に上記ナビゲーション装置から送信される上記詳細地図データの取得要求を受信する取得要求受信ステップと、
上記取得要求受信ステップにて受信された上記取得要求に基づいて、対応する上記詳細地図データを上記ナビゲーションサーバの上記記憶部から取得する詳細地図データ取得ステップと、
上記詳細地図データ取得ステップにて取得された上記詳細地図データを上記ナビゲーション装置に送信して、当該詳細地図データまたは上記ナビゲーション装置の上記記憶部に記憶された上記広域地図データが上記表示部に表示されるよう制御する詳細地図データ送信ステップと、
を含むことを特徴とする、ナビゲーション方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−38925(P2011−38925A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187349(P2009−187349)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】