説明

ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置

【課題】テレビで紹介された店舗や観光地などを、使用者に簡単、確実に提供可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】テレビで視聴した番組の履歴を自動的に保存し、施設情報検索部131は、番組内紹介施設情報データベース24を用いて視聴した番組内で紹介された店舗や観光地などを検索し、検索結果である位置情報を、表示部9に表示することができ現在位置判断部104は、検索結果である位置情報が現在位置付近に存在すると判断した場合は、表示部9、音声出力制御部10を使用して使用者にその存在を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム及びナビゲーション装置に関し、現在地付近における公共放送で紹介された施設を音声や画面表示などで使用者に報知することができるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なナビゲーション装置は、例えば車両のような移動体に搭載されるカーナビゲーション装置や、PND(Portable Navigation Device:持ち運び可能ナビゲーション)装置や、PDA(小型情報端末)や、携帯電話のアプリケーションとしての歩行者ナビゲーション装置等が知られている。これらは、移動体の出発点から所望の目標点までの推奨経路を自動的に探索したり、所望の位置の地図を画面に表示することができるように構成されている。使用者は所望の位置を指定すると、ナビゲーション装置は、入力された情報を基に位置を検索して地図を表示したり、推奨経路を探索したりすることができる。さらに、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信し、現在地を算出することで現在地の地図を表示し推奨経路の案内を行うことができるものが知られている。
【0003】
このようなナビゲーション装置の使用者は、旅行やドライブに出発する際に公共放送で放送されたテレビやラジオ等の旅番組や地域の情報番組などで紹介された店舗や観光地などの情報を参考にすることがある。使用者が公共放送で紹介された店舗や観光地などにナビゲーション装置を使って行きたいと考えた場合、店舗や観光地等の正確な位置情報を入力するため、番組で紹介された店舗や観光地等の名称、住所、電話番号などをメモしておき、ナビゲーション装置にその情報を入力する必要がある。
【0004】
しかしながら、従来の方法では番組で紹介された店舗や観光地の施設名称や住所、電話番号などの位置を特定するための情報を使用者が覚えておくか、それらの情報をメモなどに書き留めておく必要がある。また、特に従来の方法では住所や施設名称をナビゲーション装置に指定する場合、その操作が煩雑であるためナビゲーション装置の操作に慣れていない使用者にとっては簡単に位置を指定することが難しいという問題があった。このため、テレビ放送の番組に加えてナビゲーション用情報も同時に放送し、視聴中の番組で放送されているナビゲーション情報を可搬型のメモリーカードなどに保存し、ナビゲーション装置のメモリーカードスロットにメモリーカードを挿入することで、放送で紹介された情報を簡単に使用できるナビゲーション装置が開示されている(例えば特許文献1)。
【0005】
また、テレビ放送の番組に加えてURLなどの情報を同時に放送し、番組の視聴中に利用者がリモコンの特定操作でマーキングを行うことで番組に関連したURLなどの情報を利用して特定のサーバから放送中の番組のナビゲーション情報を受信し、その情報を可搬型のメモリーカードなどに保存し、ナビゲーション装置のメモリーカードスロットにメモリーカードを挿入することで、放送で紹介された情報を簡単に使用できるナビゲーション装置が開示されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3499851号公報
【特許文献2】特開2006−31441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のナビゲーション装置では、情報を保存したメモリーカードをカーナビゲーション装置まで持って行き挿入する必要があった。また、テレビ視聴中にリモコンを操作して情報をメモリーカードに保存してカーナビゲーション装置まで持って行き挿入する必要があり使用者にとっては使い勝手が悪く不便であるという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、これらの問題を解決するものであり、テレビで視聴したことがある店舗や観光地などの地点情報を簡単に指定すると共に案内することができるナビゲーションシステム及びナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のナビゲーションシステムは、情報サーバから情報を取得して利用することができるナビゲーション装置で構成されたナビゲーションシステムであって、情報サーバは、利用者が視聴した視聴履歴を収集する視聴履歴収集手段と、施設情報を保持し外部ネットワークを介して施設情報が更新可能なデータベースと、視聴履歴に対応した施設情報をデータベースから検索する施設情報検索手段と、外部と通信を行う通信手段と、を備え、ナビゲーション装置は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、情報サーバの通信手段から施設情報を取得する施設情報取得手段と、情報取得手段で取得した施設情報を記憶する施設情報記憶手段と、現在位置検出手段で検出された現在位置周辺の施設情報を情報記憶手段から検索する周辺施設検索手段と、周辺検索手段で検索された施設情報をナビゲーション装置の利用者に報知するか否かを判断する報知判断手段と、報知判断手段の判断結果に応じて報知する報知手段とを備えて構成されることを特徴としている。
【0010】
また本発明のナビゲーション装置は、公共放送を受信する公共放送受信手段と、公共放送の利用者の視聴履歴を収集する視聴履歴収集手段と、施設情報を保持する外部ネットワークに接続されたデータベースと、視聴履歴に対応した施設情報をデータベースから検索する施設情報検索手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置検出手段で検出された現在位置周辺の施設情報をデータベースから検索する周辺施設検索手段と、周辺検索手段で検索された施設情報をナビゲーション装置の利用者に報知するか否かを判断する報知判断手段と、 報知判断手段の判断結果に応じて報知する報知手段とを備えて構成されることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のナビゲーション装置は、公共放送を受信する公共放送受信手段と、公共放送の利用者の視聴履歴を収集する視聴履歴収集手段と、視聴履歴収集手段で収集された視聴履歴から外部ネットワークに接続されたデータベースを用いて施設情報を検索する施設情報検索手段と、施設情報検索手段で検索された施設情報を記憶する施設情報記憶手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置検出手段で検出された現在位置周辺の施設情報を施設情報記憶手段から検索する周辺施設検索手段と、周辺検索手段で検索された施設情報をナビゲーション装置の利用者に報知するか否かを判断する報知判断手段と、報知判断手段の判断結果に応じて報知する報知手段とを備えて構成されることを特徴としている。
【0012】
また、本発明ナビゲーション装置は、利用者が視聴した視聴履歴を収集する視聴履歴収集手段と、施設情報を保持する外部ネットワークに接続されたデータベースと、視聴履歴に対応した施設情報をデータベースから検索する施設情報検索手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置検出手段で検出された現在位置周辺の施設情報をデータベースから検索する周辺施設検索手段と、周辺検索手段で検索された施設情報をナビゲーション装置の利用者に報知するか否かを判断する報知判断手段と、報知判断手段の判断結果に応じて報知する報知手段とを備えて構成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、公共放送で放送された旅番組や情報番組を利用者が視聴した情報内の店舗や観光地等の位置を含めた情報を利用者がメモを取る必要も無く簡単にナビゲーション装置で利用することが出来る。
【0014】
また、番組で紹介された店舗や観光地などの情報がナビゲーション装置から自動的に案内されることで、使用者は煩雑な操作をすることなく、以前テレビで見たことがある店舗や観光地などの近くを偶然に通ったときであっても、ナビゲーション装置から以前テレビで見たことがある店舗や観光地が近くにある旨の案内がなされるので、そこに立寄ることが出来る。
【0015】
また、番組で紹介された店舗や観光地などの情報がナビゲーション装置に表示されることで、以前テレビで見たことがある店舗や観光地などの位置情報がナビゲーション装置の画面に表示され推奨経路の目標点として簡単に位置指定を行うことが出来る。
【0016】
また、番組内で紹介された店舗や観光地などの情報を保持するデータベースと、それを検索する機能は、コンピュータネットワーク網上の情報サーバ装置に具備することができるので、使用者は常に最新のデータベースを使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワーク網の構成を示すブロック図
【図3】本発明の主要な機能を示すブロック図
【図4】家庭用テレビ受信装置の詳細な動作を示すフローチャート
【図5】情報サーバ装置の詳細な動作を示すフローチャート
【図6】情報サーバ装置がナビゲーション装置に検索結果を送信する際の詳細な動作を示すフローチャート
【図7】ナビゲーション装置が検索結果を受信する際の詳細な動作を示すフローチャート
【図8】ナビゲーション装置が経路案内を行う際の詳細な動作を示すフローチャート
【図9】視聴履歴データの一例を示す模式図
【図10】番組内紹介施設情報データベースの一例を示す模式図
【図11】ナビゲーション装置における表示例を示す模式図
【図12】他の実施形態を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に本発明について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように,本発明のナビゲーション装置1は、CPU2と、入力部3と、インターフェース(図1にはI/Fと略記)4と、GPS受信部4aと、自立航法ユニット4bと、記憶部5と、ROM6と、RAM7と、表示部8と、音声出力制御部9と、音声出力部10と、データ通信部11と、バスライン12と、を備えて構成されている。
【0019】
ここでCPU2は、ナビゲーション装置1を構成する各部の動作を制御することができるように構成されている。
入力部3は、例えばタッチパネルやリモートコントローラのように、ナビゲーション装置
1に対して使用者による操作やデータ入力のために使うことができるように構成されている。
【0020】
インターフェース(I/F)4は、GPS受信部4a及び自立航法ユニット4bが接続されている。GPS受信部4aは、GPS(Global Positioning System)に代表される測位システムに収容される人工衛星からの電波を受信して、移動体の現在位置を示す位置情報をインターフェース4に出力することができるように構成されている。また、自立航法ユニット4bは、加速度センサ及び角速度センサを含んでおり、それらから検出された移動体の加速度及び角速度を表す加速度情報及び角速度情報をインターフェース4に出力することができるように構成されている。さらにインターフェース4は、入力された位置情報、並びに加速度情報及び角速度情報をCPU2に転送することができるように構成されている。
【0021】
記憶部5は、一般的にはHDD(ハードディスクドライブ)に代表される記録媒体であり、この記憶媒体にはナビゲーションに必要な地図データが記録されており、必要な地図データを読み出してRAM7に転送することができるように構成されている。なお、HDD以外の他の記憶媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM、メモリーカード等のROMなどが挙げられる。
【0022】
ROM6は、本ナビゲーション装置1の動作を規定するコンピュータプログラムが保存されている。
【0023】
RAM7は、本ナビゲーション装置1の構成各部から転送されてくる情報を格納することができると共に必要に応じて情報を消去する。
【0024】
表示部8は、ナビゲーション装置1における地図や推奨経路を表示することができるように構成されており、具体的には液晶ディスプレイなどである。
【0025】
音声出力制御部9は、音声出力部10への音や音声出力を制御することができるように構成されている。
【0026】
データ通信部11は、電波による通信、代表的にはBluetooth(登録商標)(ブルートゥース)通信を行う送受信部を含み、外部ネットワークに接続して送受信を行うことができるように構成されている。また、データ通信部11は、CPU2が生成した情報を外部のネットワーク(図2)に送出したり、ネットワークから送られてきた情報をRAM7に転送したりすることができるように構成されている。
【0027】
バスライン12は、本ナビゲーション装置1を構成する各部を通信可能に接続することができるように構成されている。
【0028】
ここで、本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワーク網の構成について図を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワーク網の構成を示すブロック図である。図2に示すようにコンピュータネットワーク網は、コンピュータネットワーク21と、テレビ受信装置22と、情報サーバ23と、ナビゲーション装置1のデータ通信部11を備えた構成を有している。ここで情報サーバ23は、番組内紹介施設情報データベース24を備えて構成されている。
【0029】
コンピュータネットワーク21は、インターネットに代表されるネットワークであり、グローバルに接続されたコンピュータネットワークで構成されている。
【0030】
テレビ受信装置22は、使用者が視聴した視聴履歴を情報サーバ23にコンピュータネットワークを介して送信することができるように構成されている。
【0031】
情報サーバ23は、テレビ受信装置22から送られてくる視聴履歴から情報サーバ23が保持する番組内紹介施設情報データベース24を使用し、使用者がテレビ受信装置22で視聴した番組で紹介された店舗や観光地の情報を検索する。そして検索結果は、コンピュータネットワークを介してナビゲーション装置1に送信されるように構成されている。
【0032】
図3は、図1及び図2に示すナビゲーション装置及びコンピュータネットワーク網の主要な構成を示すブロック図である。図3に示すように、ナビゲーション装置1の主要機能は、CPU2がROM6に記録されたコンピュータプログラムを読み出して実行することにより実現することができる。詳しくは、図3に示すようにナビゲーション装置1のCPU2は、情報送受信部101と、現在位置検出部102と、経路探索部103と、現在位置判断部104と、経路案内部105と、を備えて構成されている。
【0033】
さらに、テレビ受信装置22は、チューナー部121と、表示部122と、視聴履歴記憶部123と、視聴履歴データ124と、情報送受信部125とを備えて構成されている。また、情報サーバ23は、施設情報検索部131と、制御部132と、ユーザー管理データベース133と、情報送受信部134とを備えて構成されている。
【0034】
ここで、テレビ受信装置22のチューナー部121は、使用者がテレビ受信装置22で視聴したチャンネルの放送波を受信し、視聴履歴記憶部123は、視聴中の番組の情報を、チューナー部121から取得し、視聴履歴データ124として記憶することができるように構成されている。また、情報送受信部125は、視聴履歴記憶部123を介して受け取った視聴履歴データ124を定期的に情報サーバ23に対して送信することができるように構成されている。なお、使用者がテレビ受信装置で視聴したチャンネルを特定するのに、テレビ受信装置22を操作することができるリモコンからのチャンネル選択を受信して視聴チャンネルをチューナー部121に送信するように構成してもよい。
【0035】
情報サーバ23の情報送受信部134は、テレビ受信装置22から定期的に送信されてくる視聴履歴データをネットワークを介して受信することができるように構成されている。
また、制御部132は、情報送受信部134が受信した視聴履歴データを取得し、施設情報検索部131に視聴履歴データを基に検索を行う。施設情報検索部131で検索された検索結果である店舗や観光地などの位置情報をユーザー管理データベース133に保存する。なお、施設情報検索部131は、視聴履歴データに記録してある番組情報をキーワードとして、その番組内で紹介された店舗や観光地などの情報を番組内紹介施設情報データベース24から検索するように構成されている。
【0036】
ナビゲーション装置1の情報送受信部101は、コンピュータネットワーク21への接続を行い、情報サーバ23から利用者が視聴した番組に対応した検索結果である店舗や観光地などの位置情報を取得することができるように構成されている。なお、ナビゲーション装置1の情報送受信部101は、ナビゲーション装置1の電源が投入されると情報サーバと通信を確立することができるように構成されている。また、電源が投入されるときに情報サーバと通信を確立するだけではなく、ナビゲーション装置1の入力部3から利用者の操作に応じて情報サーバに接続するように構成してもよい。
【0037】
ナビゲーション装置1の現在位置検出部102は、移動体の現在位置を定期的に検出することができるように構成されており、具体的には、GPSの人工衛星から電波を受信可能な場合には、GPS受信部4aから、移動体の現在位置を含む位置情報を取得すること
ができ、人工衛星からの電波を受信できない場合には、自立航法ユニット4bからの加速度情報及び角速度情報を使って、移動体の現在位置を検出することができるように構成されている。
【0038】
経路探索部103は、使用者が入力部3を操作することにより設定された目的地(位置)を推奨経路の目標点とし、前述の現在位置検出部102により検出された現在位置を出発点とし、出発点から目標点までの推奨経路を、RAM7に読み出された地図データを使って探索しRAM7に格納することができるように構成されている。なお、経路探索部103は、使用者が入力部3を操作することにより設定された位置を出発点として用いても構わない。
【0039】
現在位置判断部104は、現在位置検出部102で検出された現在位置が、RAM8内の推奨経路上にあるか否かを判断する。詳しくは、移動体が推奨経路に沿って移動しているか否かを判断する。また、現在位置判断部104は、データ通信部11の情報送受信部101が受信した店舗や観光地などの位置情報と現在位置を比較し、現在位置からあらかじめ定めた一定距離以内に検索結果である位置情報が存在するか否かを判断することができるように構成されている。
【0040】
経路案内部105は、現在位置判断部104で行われた移動体が推奨経路に沿って移動しているか否かという判断に基づき推奨経路の案内を行う。具体的には、推奨経路に沿って移動していると判断した場合において、現在位置から推奨経路に沿って目標点側の一定距離内のある交差点を曲折する場合は、表示部8及び音声出力制御部9に対して一定距離先の交差点をいずれかの方向に曲折する旨の案内表示出力指示及び案内音声出力指示を行う。また、経路案内部105は、現在位置判断部104で判断された現在位置付近にデータ受信部11の情報送受信部101が受信した店舗や観光地に該当する位置情報が存在するか否かという判断に基づき、存在する店舗や観光地の位置情報に関して報知を行う。具体的には、情報送受信部101が受信した店舗や観光地に該当する現在位置付近に位置情報が存在すると判断すると、表示部9及び音声出力制御部9に対して現在位置付近に以前テレビで見たことがある店舗や観光地などが存在する旨の案内表示出力指示及び案内音声出力指示を行うことができるように構成されている。
【0041】
次に、図4、図5、図6、図7、及び図8を参照して、本実施形態におけるナビゲーション装置、テレビ受信装置、情報サーバ装置の詳細な動作について説明する。
【0042】
図4は、テレビ受信装置22の詳細な動作を示すフローチャートである。図4に示すように、使用者がテレビを視聴すると視聴履歴記憶部123は、チューナー部121より視聴中の放送局IDと番組IDを取得する(S11)。なお、放送局IDとは、各放送局に割り当てられたチャンネルを示すIDであり、放送局ごとに異なったIDがふられている。また、番組IDとは、放送される番組に割り当てられたIDであり、同一日付内では番組ごとに異なったIDがふられている。この放送局IDと番組IDと放送日付とを用いることで番組を特定することが出来るように構成されている。
【0043】
次に、視聴履歴記憶部123は、視聴履歴データ124として前述の放送日付と放送局IDと番組IDを1組として記憶する(S12)。次に、情報送受信部125は、前回情報サーバ装置23へ視聴履歴データ124を送信してからあらかじめ定めた一定時間が経過したか判断する(S13)。なおこの処理(S13)は、情報サーバ装置23への視聴履歴送信の回数が多すぎると、情報サーバ装置23及びコンピュータネットワーク21の負荷が高くなってしまうのを避けるための処理であり、一定時間を経過していなくても視聴した番組が終了した時点で送信するように構成してもよい。S13で前回情報サーバ装置23に視聴履歴データ124を送信してからあらかじめ定めた一定時間が経過した場合
(S13、YES)は、視聴履歴データ124のうち情報サーバ装置23に送信していないデータがあれば、それらをすべて送信する(S14)。
【0044】
次に、テレビ受信装置22の電源が切られたか否かを判断する(ステップS15)。テレビ受信装置22の電源が切られた場合(S15、YES)は終了し、電源が切られていない場合(S15、NO)は、視聴履歴記憶部123が改めてチューナー部121より視聴中の放送局IDと番組IDを取得する(S16)。
【0045】
次に、視聴履歴記憶部123がS16で取得した放送局ID、番組IDと、前回取得した放送局ID、番組IDとを比較して、視聴中の番組が変わったかどうか判断する(S17)。視聴中の番組が変わった場合(S17、YES)はS12に戻り新たな視聴履歴を保存し、視聴中の番組が変わっていない場合(S17、NO)は、ステップS13に戻り、前回情報サーバ装置23への送信から一定時間経過したかどうかの判断を行うようにテレ受信装置22は動作するように構成されている。
【0046】
次に、情報サーバの動作について図を用いて説明する。
図5は、情報サーバ装置23の詳細な動作を示すフローチャートである。図5に示すように、情報送受信部134はテレビ受信装置22からの視聴履歴データを受信する(S21)。次に、制御部132は、受信した視聴履歴データを施設情報検索部131に渡し、施設情報検索部131は視聴履歴データをキーとして番組内紹介施設情報データベース24から視聴履歴データに示された番組内で紹介された店舗などの情報を検索する(S22)。次に、制御部132は、検索された番組内紹介施設情報を、ユーザー管理データベース133に保存する(S23)。このとき、ユーザー管理データベース133は、使用者毎のデータ管理を行う。なお、ユーザー管理データベース133は、使用者毎にデータ管理を行うように構成しているが、特に限定するものではなく使用者毎に管理をしなくても同様の効果を得ることが出来る。
【0047】
ここで、図9及び図10を参照して、視聴履歴データ124と番組内紹介施設情報データベース24の構成について説明する。
視聴履歴データ124は、図9に示すとおり、使用者が視聴した1つの番組について、その番組が放送された日付、放送局ID、番組IDの3つを一組にして保存している。図9において、「項番」と記載したA、B、C、Dは説明のための記号であり、例えば、番組A、番組B、番組C、番組Dを使用者は視聴し、その履歴が保存された状態を示したものである。
【0048】
番組内紹介施設情報データベース24は、図10に示すとおり、ある番組で紹介された施設についてその施設が紹介された番組の放送日付、放送局ID、番組IDと、その施設の緯度経度、名称、電話番号、説明文、営業時間、駐車場の情報を一組にして格納されている。また、図10において、「項番」と記載した1、2、3、4は、説明のための番号であり、例えば、施設1、施設2、施設3、施設4の情報が番組内紹介施設情報データベース24に格納されている。
【0049】
次に、図9に示すような視聴履歴がある場合について、ステップS22における検索動作について図10を参照して説明する。
図10に示すように、検索動作は、視聴履歴データ124に保存されている番組が、番組内紹介施設情報データベース24に格納されているかの検索を行い、番組の日付、放送局ID、番組IDが同じであるものを探す処理を行う。
図9に示した番組Aについては、図10の項番1が、同じ日付、放送局ID、番組IDであるので、検索結果の1つとして項番1が選択される。同様に、番組Bについては、図10内に同じ日付、放送局ID、番組IDを持ったものがないので、番組Bについては、
紹介された店舗などがないと判断する(例:ドラマやニュース番組と推測される)。同様に、番組Cについては、図10の項番2、及び項番3が、同じ日付、放送局ID、番組IDであるので、検索結果の1つとして、項番2、及び項番3が選択される。これは、ひとつの番組で2つの施設が紹介されたことを示す。また、番組Dについては、図10内に同じ日付、放送局ID、番組IDを持ったものがないので、番組Dについても紹介された店舗などがないと判断する。
なお、図10項番4については、図9に示す視聴履歴からは検索されなかった施設であり、使用者がその施設を紹介した番組を見ていなかったことを意味する。
【0050】
図6は、情報サーバ装置23が、ナビゲーション装置1に対して、検索結果である番組内紹介施設情報(フローチャート内では「検索結果」と記載。以下、本文でも「検索結果」と記載する)を送信する際の詳細な動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、情報送受信部134は、ナビゲーション装置1からの取得要求が来ているか否かを確認する(S31)。ここでナビゲーション装置1から検索結果取得要求が来ていない場合(S31、NO)は、ステップS31に戻りナビゲーション装置1から検索結果取得要求が来るのを待つ。また、ナビゲーション装置1から検索結果取得要求が来た場合(S31、YES)は、検索結果をナビゲーション装置1に送信(S32)する。
【0051】
次にナビゲーション装置の検索結果を受信する動作について図を用いて説明する。
図7は、ナビゲーション装置1の検索結果を受信する際の詳細な動作を示すフローチャートである。
図7に示すようにCPU2及び情報送受信部101は、情報サーバ装置23に対して、検索結果の取得を要求する(S41)。情報サーバ装置23から送信された検索結果を受信しRAM7に記憶する(S42)。次に、CPU2及び情報送受信部101は、正しく受信が出来たか否かを確認する(S43)。検索結果が正しく受信できた場合(S43、YES)は、CPU2の指示に基づいて表示部8に図11に示すような検索結果をリスト形式で表示する(S44)。S43で検索結果を取得していない場合(S43、NO)は終了する。
【0052】
次にナビゲーション装置の動作について図面を用いて説明する。
図8は、ナビゲーション装置1の、経路案内を行う際の詳細な動作を示すフローチャートである。
図8に示すように、現在位置検出部102は、移動体の現在位置を検出し(S51)、使用者は入力部3を使用して行き先である目標点をナビゲーション装置1に設定する(S52)。次に、経路探索部103は、現在位置から入力部3で入力された目標点までの推奨経路を探索する(S53)。次に、検索された推奨経路を案内するため、現在位置検出部102は、移動体の現在位置を検出する(S54)。次に、現在位置判断部104は、移動体が推奨経路に沿って移動しているか否かを判断(S55)し、移動体が経路に沿って移動している場合(S55、YES)は、経路案内部105は経路の案内を行う(S56)。また、移動体が経路に沿って走行していない場合(S55、NO)は、経路の案内は行わない。
【0053】
次に、現在位置判断部104は、現在位置付近に検索結果の地点があるか否かを判断(S57)し、現在位置付近に検索結果の地点がある場合(S57、YES)は、経路案内部105は現在位置付近にテレビで見たことがある店舗や観光地がある地点がある旨、表示部8または音声出力部10を使用して、表示または音声の少なくとも一つを用いて使用者に報知する(S58)。また、現在位置付近に検索結果の店舗や観光地がある地点がない場合(S57、NO)は、地点の案内は行わない。
【0054】
次に、ナビゲーション装置1の電源が切られたか判断し(S59)、S59でナビゲー
ション装置1の電源が切られた場合は(S59、YES)終了する。また、S59でナビゲーション装置1の電源が切られていないと判断された場合(S59、NO)は、S54以降が再度行われる。
【0055】
なお、以上の実施形態では、テレビを視聴するためのテレビ受信装置及び番組内紹介施設情報データベースを具備する情報サーバ装置を、ナビゲーション装置とは別にして構成したが、本発明を限定するものではなくテレビ受信装置、番組内紹介施設情報データベースのいずれか、または両方を、ナビゲーション装置に内蔵してもよい。
【0056】
また、以上の実施形態では、ナビゲーション装置から報知する際に表示または音声で行うとしたが本発明を限定するものではなく、例えば、振動など、使用者の五感を利用して報知可能な手段であれば特に限定されるものではなくどのような手法を用いることができる。
【0057】
また、以上の実施形態におけるナビゲーション装置は、情報サーバ装置に対して自動的に検索結果の受信を行うようにしたが本発明を限定するものではなく、例えば、使用者が入力部を用いてある特定の操作を行った時点で受信を行うように構成してもよい。
【0058】
また、以上の実施形態における番組内紹介施設情報データベースの位置情報は、その施設の緯度経度、名称、電話番号、説明文、営業時間、駐車場の情報としたが本発明を限定するものではなく、例えば、番組内紹介施設情報データベースに施設の写真や説明のための音声データなどを含んでも同様の効果を得ることができ、少なくとも緯度経度を含むのであれば、特にどのようなものを用いて同様の効果を得ることができる。
【0059】
また、本発明の実施形態において視聴履歴記憶部123、視聴履歴データ124、情報送受信部125が一体型に構成されテレビ受信装置を用いて説明したが本発明を限定するものではなく、例えば、図12に示すように一般的なテレビ装置25とし、新たに、視聴履歴記憶部300、視聴履歴データ301、情報送受信部302で構成された視聴情報収集装置26を別に設けるように構成してもよい。このように構成することで、視聴情報収集装置26を既存のテレビ受信装置に取り付けることで、利用者が視聴した番組のデータを収集して番組情報を情報サーバに送信して検索を行い、検索結果をナビゲーション装置1に用いて表示するように構成してもよい。
【0060】
また、図3、図12で示した構成ではテレビ受信装置としたが本発明を限定するものではなく、例えば、ラジオ装置でも同様の効果を得ることができる。このようにすることで、テレビ放送、ラジオ放送、無線放送、有線放送、有料放送、衛星放送等の公共放送で紹介された施設、店舗、観光地等の情報を自動的に検索して、ナビゲーション装置を用いて自動的に案内することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係るナビゲーションシステム及びナビゲーション装置は、公共放送で放送され、利用者が視聴した店舗、施設、観光地などの情報を簡単にナビゲーション装置に取り込んで案内することでき、より確実に利用者が視聴した店舗、施設、観光地等の位置を特定できるナビゲーション装置等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0062】
1 ナビゲーション装置
2 CPU
3 入力装置
4 インターフェース
4a GPS受信部
4b 自立航法ユニット
5 記憶部
6 ROM
7 RAM
8 表示部
9 音声出力制御部
10 音声出力部
11 データ通信部
12 バスライン
21 コンピュータネットワーク
22 テレビ受信装置
23 情報サーバ
24 情報データベース
25 テレビ
26 視聴情報収集装置
101 情報送受信部
102 現在位置検出部
103 経路探索部
104 現在位置判断部
105 経路案内部
121 チューナー部
122 表示部
123 視聴履歴記憶部
124 視聴履歴データ部
125 情報送受信部
131 施設情報検索部
132 制御部
133 ユーザー管理データベース
134 情報送受信部
200 視聴履歴記憶部
201 視聴履歴データ
202 情報送受信部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報サーバから情報を取得して利用することができるナビゲーション装置で構成されたナビゲーションシステムであって、
前記情報サーバは、
利用者が視聴した視聴履歴を収集する視聴履歴収集手段と、
施設情報を保持し外部ネットワークを介して前記施設情報が更新可能なデータベースと、
前記視聴履歴に対応した前記施設情報を前記データベースから検索する施設情報検索手段と、
外部と通信を行う通信手段と、を備え、
前記ナビゲーション装置は、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記情報サーバの通信手段から施設情報を取得する施設情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記施設情報を記憶する施設情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段で検出された現在位置周辺の前記施設情報を前記情報記憶手段から検索する周辺施設検索手段と、
前記周辺検索手段で検索された前記施設情報を前記ナビゲーション装置の利用者に報知するか否かを判断する報知判断手段と、
前記報知判断手段の判断結果に応じて報知する報知手段と、
を備えて構成されることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
公共放送を受信する公共放送受信手段と、
前記公共放送の利用者の視聴履歴を収集する視聴履歴収集手段と、
施設情報を保持する外部ネットワークに接続されたデータベースと、
前記視聴履歴に対応した前記施設情報を前記データベースから検索する施設情報検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置検出手段で検出された現在位置周辺の前記施設情報を前記データベースから検索する周辺施設検索手段と、
前記周辺検索手段で検索された前記施設情報を前記ナビゲーション装置の利用者に報知するか否かを判断する報知判断手段と、
前記報知判断手段の判断結果に応じて報知する報知手段と、
を備えて構成されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
公共放送を受信する公共放送受信手段と、
前記公共放送の利用者の視聴履歴を収集する視聴履歴収集手段と、
前記視聴履歴収集手段で収集された視聴履歴から外部ネットワークに接続されたデータベースを用いて施設情報を検索する施設情報検索手段と、
前記施設情報検索手段で検索された前記施設情報を記憶する施設情報記憶手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置検出手段で検出された現在位置周辺の前記施設情報を前記施設情報記憶手段から検索する周辺施設検索手段と、
前記周辺検索手段で検索された前記施設情報を前記ナビゲーション装置の利用者に報知するか否かを判断する報知判断手段と、
前記報知判断手段の判断結果に応じて報知する報知手段と、
を備えて構成されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
利用者が視聴した視聴履歴を収集する視聴履歴収集手段と、
施設情報を保持する外部ネットワークに接続されたデータベースと、
前記視聴履歴に対応した前記施設情報を前記データベースから検索する施設情報検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記現在位置検出手段で検出された現在位置周辺の前記施設情報を前記データベースから検索する周辺施設検索手段と、
前記周辺検索手段で検索された前記施設情報を前記ナビゲーション装置の利用者に報知するか否かを判断する報知判断手段と、
前記報知判断手段の判断結果に応じて報知する報知手段と、
を備えて構成されることを特徴とするナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−153961(P2011−153961A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16471(P2010−16471)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】