説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーションプログラム

【課題】移動体(例えばユーザ、車両)周辺の案内対象物(例えば施設)の存在をユーザに対して積極的かつ適切に報知する。
【解決手段】表示装置(画像表示装置31)の表示画面における地図上に移動体(車両)の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置10が、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部F2と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶部F3とを備え、移動体の現在位置を検出し、検出した移動体の現在位置を基準位置に決定し、決定した基準位置から所定範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索し、検索したPOI情報が示す案内対象物を特定可能な案内対象物特定情報(施設名称)を含む案内情報(案内プレート)を、その案内対象物が存在する位置が基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に表示画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準位置から各方面に存在する施設等を案内するナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ユーザによる検索条件の入力を受け付けて、多数の施設の中からユーザの目的に合った施設を検索する機能を有したナビゲーション装置が多数提案されている。このようなナビゲーション装置には、検索条件を絞りすぎてしまうとユーザが意図した以上に検索される施設が少なくなってしまい、適切な検索条件を入力することが煩わしくなるという問題があった。
【0003】
また、このようなナビゲーション装置には、ユーザの現在位置を基準にして所定の範囲内に存在する施設を検索する機能(以下、「周辺検索機能」という)を備えたものも多い。さらには、ユーザの現在位置から目的地までの推奨移動経路を探索し、探索された経路上であって現在位置と目的地との間の交差点の中から現在位置に近い交差点を検索し、検索された交差点の近傍に存在する施設を検索し、検索結果に応じて施設情報を出力するナビゲーション装置も提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−78430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来のナビゲーション装置では、施設を検索したいというユーザの要求を受け付けることにより検索が実行されるので、ユーザが検索指示を行わないと、ユーザの嗜好に合った施設が周辺検索などにより検索できる範囲内に存在していた場合であってもその存在を見落としてしまい利便性に欠ける。また、上述した従来のナビゲーション装置では、経路探索により探索された経路近傍の施設に係る施設情報が出力されるに過ぎないため、現在位置周辺の施設の存在をユーザに適切に報知することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題を解決すべく、ユーザ周辺の施設の存在をそのユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーション装置は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段と、前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段によって検出された前記現在位置に基づいて基準位置を決定する基準位置決定手段と、該基準位置決定手段によって決定された前記基準位置から所定範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索するPOI情報検索手段と、該POI情報検索手段によって検索されたPOI情報が示す案内対象物を特定可能な案内対象物特定情報を含む案内情報を、当該案内対象物が存在する位置が前記基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に前記表示画面に表示する案内情報表示手段とを含み、前記基準位置決定手段は、前記位置検出手段によって検出された移動体の現在位置を基準位置に決定し、前記案内情報表示手段は、前記基準位置から見て所定の複数方向側それぞれに存在する案内対象物を特定可能なそれぞれの案内対象物特定情報を前記複数方向別にそれぞれ含む各方向毎の案内情報を、前記基準位置から見た各方向側にそれぞれ表示することを特徴とする。
【0008】
上記の構成としたことで、ユーザ周辺の施設の存在をそのユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようになる。
【0009】
前記案内情報表示手段は、案内対象物特定情報と、該案内対象物特定情報によって特定される案内対象物が存在する位置が前記基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能な存在位置識別情報とを含む案内情報を前記表示画面に表示する構成としてもよい。
【0010】
前記基準位置決定手段は、前記所定の範囲内に存在する分岐点が複数ある場合に、該複数の分岐点間の距離が特定の距離以内であれば当該複数の分岐点を関連分岐点として特定し、前記案内情報表示手段は、前記基準位置決定手段により関連分岐点として特定された複数の分岐点に関する案内情報を表示画面に表示する構成としてもよい。
【0011】
前記道路情報は、道路と分岐点とにそれぞれ複数の種別が設定された情報であり、前記基準位置決定手段は、前記位置検出手段により検出された前記移動体の現在位置と前記道路情報とを参照して前記移動体の現在位置が特定の道路上であるか否か確認し、特定の道路上であった場合には、特定の道路種別に対応する種別が設定された分岐点を基準位置として決定する構成としてもよい。
【0012】
前記POI情報の案内禁止条件を記憶する案内禁止条件記憶手段を有し、前記POI情報検索手段は、前記案内禁止条件を満たすPOI情報以外のPOI情報を検索する構成としてもよい。
【0013】
また、本発明のナビゲーション方法は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション方法であって、前記移動体の現在位置を検出する位置検出処理と、該位置検出処理にて検出した前記現在位置に基づいて基準位置を決定する基準位置決定処理と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報DBに記憶された当該POI情報の中から、前記基準位置決定処理にて決定された前記基準位置から所定範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索するPOI情報検索処理と、該POI情報検索処理にて検索したPOI情報が示す案内対象物を特定可能な案内対象物特定情報を含む案内情報を、当該案内対象物が存在する位置が前記基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に前記表示画面に表示する案内情報表示処理とを含み、前記基準位置決定処理にて、前記位置検出処理にて検出した移動体の現在位置を基準位置に決定し、前記案内情報表示処理にて、前記基準位置から見て所定の複数方向側それぞれに存在する案内対象物を特定可能なそれぞれの案内対象物特定情報を前記複数方向別にそれぞれ含む各方向毎の案内情報を、前記基準位置から見た各方向側にそれぞれ表示することを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明のナビゲーションプログラムは、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導させるためのナビゲーションプログラムであって、コンピュータに、前記移動体の現在位置を検出する位置検出処理と、該位置検出処理にて検出した前記現在位置に基づいて基準位置を決定する基準位置決定処理と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報DBに記憶された当該POI情報の中から、前記基準位置決定処理にて決定された前記基準位置から所定範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索するPOI情報検索処理と、該POI情報検索処理にて検索したPOI情報が示す案内対象物を特定可能な案内対象物特定情報を含む案内情報を、当該案内対象物が存在する位置が前記基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に前記表示画面に表示する案内情報表示処理とを実行させ、前記基準位置決定処理では、前記位置検出処理にて検出した移動体の現在位置を基準位置に決定する処理を実行させ、前記案内情報表示処理では、前記基準位置から見て所定の複数方向側それぞれに存在する案内対象物を特定可能なそれぞれの案内対象物特定情報を前記複数方向別にそれぞれ含む各方向毎の案内情報を、前記基準位置から見た各方向側にそれぞれ表示する処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザ周辺の施設の存在をそのユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置を用いたナビゲーションシステムの一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図3】本発明に係るナビゲーション装置が備えるPOI情報記憶部に記憶されているPOI情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】本発明に係るナビゲーション装置が備える案内プレート情報記憶部に記憶されている案内プレート情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図5】本発明に係るナビゲーション装置が備える案内履歴情報記憶部に記憶されている案内履歴情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図6】本例における案内プレートの概念を説明するための説明図である。
【図7】本例における案内プレートの概念を説明するための説明図である。
【図8】本例における案内プレート表示処理の例を示すフローチャートである。
【図9】案内プレートを表示したときの表示画面の例を示す説明図である。
【図10】案内プレートの表示形態の例を説明するための説明図である。
【図11】案内プレートの表示形態の例を説明するための説明図である。
【図12】案内プレートの表示形態の例を説明するための説明図である。
【図13】本例における案内履歴情報表示処理の例を示すフローチャートである。
【図14】POI情報の検索範囲の決定方法を説明するための説明図である。
【図15】案内プレートの表示形態の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明に係るナビゲーション装置10を用いた経路誘導システム(ナビゲーションシステム)の一例を示す概略図である。図1に示すように、本例の経路誘導システムは、ナビゲーション装置10と、自車位置測位装置20と、出力装置30と、入力装置40とを含む。
【0019】
自車位置測位装置20は、移動体(以下、「車両」を例に説明する。この「移動体」は、ナビゲーション装置10自体や、このナビゲーション装置10とともに移動する車両や人間などの物体を含む概念である。)の現在位置を測定する装置であり、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、このGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、初期位置から移動量(距離)を計測する速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサなどからなる。
【0020】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0021】
また、自車位置測位装置20は、車両に搭載されており、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコードなどの処理を行い、ナビゲーション装置10へ出力する信号処理部を備える。
【0022】
出力装置30は、ナビゲーション装置10からの経路誘導情報などを出力する装置であり、例えば画像情報を表示する画像表示部(ディスプレイ装置、モニタ)31と、音声情報を音声出力する音声出力装置(スピーカ装置)32とを含む。画像表示装置31は、地図情報と車両の現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの最適な誘導経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって移動経路の道順を報知する。また、音声出力装置32は、案内音声情報を音声出力することで、聴覚によって移動経路の道順を報知する。
【0023】
入力装置40は、ナビゲーション装置10に対して各種の指示を行うための装置である。本例では、入力装置40は、例えば出力装置30の表示画面上に表示される操作ボタンによって構成される。
【0024】
ナビゲーション装置10は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。ナビゲーション装置10は、CPU(中央処理装置)、プログラム記憶部、OS(オペレーティング・システム)、等を有する。CPUは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、経路探索処理や経路誘導処理、情報検索処理を含む各種の処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。
【0025】
図2は、本例におけるナビゲーション装置10の構成例を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、図2に示すように、記憶部Fと、経路探索部11と、自車位置情報受付部12と、方位情報受付部13と、基準位置決定部14と、POI(Point Of Interest)情報検索部15と、案内プレート作成部16と、POI情報案内部17と、制御部Cとを含む。なお、ナビゲーション装置10を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバスBに接続されている。
【0026】
経路探索部11は、出発位置(例えば、現在位置)から目的地までの誘導経路を導出する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、ユーザからの目的地情報の入力を受け付けて、受け付けた目的地情報に基づいて目的地の位置情報を特定し、この目的地を参照して現在位置から目的地までの誘導経路を導出するとともに、導出した誘導経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0027】
自車位置情報受付部12は、車両の現在位置情報を受け付けるための処理を行う。ここで、現在位置は、例えば緯度と経度により示される。本例においては、自車位置測位装置20により測定された現在位置情報を受け付けるものとする。
【0028】
方位情報受付部13は、自車位置測位装置20から、車両の進行方向を特定する方位情報を受け付ける。
【0029】
基準位置決定部14は、後述する案内プレート表示処理においてPOI情報の検索範囲を決定するための基準位置を決定する機能を有する。本例においては、車両の現在位置と進行方向とに応じて、車両が道なりに走行した場合に到達する交差点(以下、「分岐点」という。)を基準位置として決定し(以下、基準位置として決定した分岐点を「案内分岐点」という。)、案内分岐点の名称やノードID、および道路形状などの案内分岐点に関する情報を案内プレート情報記憶部F4に記憶する機能を有する。
【0030】
なお、基準位置として決定する分岐点を複数選択するようにしてもよい。この場合、車両の走行速度などに基づいて、車両が所定の時間内に到達することが見込まれる範囲に存在する分岐点や、現在位置から所定距離内に位置する分岐点などを基準位置として決定するようにすればよい。また、基準位置として自車位置や所定の施設を選択する構成としてもよい。
【0031】
POI情報検索部15は、POI情報記憶部F3を参照して、基準位置決定部14により決定された基準位置から所定の範囲内に存在する施設などを示すPOI情報を検索し、検索結果を案内プレート情報記憶部F4に記憶する機能を有する。本例においては、POI情報検索部15は、POI情報の範囲として、案内分岐点から進行可能な道路(以下、進行可能道路という。)を特定して所定の距離や所定のリンク数などで区切ることにより検索対象とする道路区間を特定し、それぞれ特定された道路区間から道なりで接続されている道路区間を特定しつつ、道路区間周辺に位置する施設などを検索範囲とする。なお、検索範囲の決定方法としては、例えば、POI情報記憶部F3にて各POI情報に道路区間を対応づけて管理し、特定された道路区間と関係付けられた施設を検索する構成としてもよいし、特定された道路区間から所定距離幅内のような所定の範囲にある施設を検索する構成としてもよい。
【0032】
ここで、本例において、案内分岐点から進行可能な道路は、道路情報として予め記憶されているものとする。すなわち、本例における道路情報は、例えば複数のレーンを含む道路におけるレーンごとの進行可能方向を示す情報などを有していることとする。
【0033】
案内プレート作成部16は、案内分岐点の道路形状とPOI情報検索部15の検索結果とに応じて、ユーザの現在位置と進行方向を基準にして各方面に存在する施設などの名称を、各道路区間と対応付けした形態でユーザに報知するための案内プレートを作成する機能を有する。これにより、施設などの存在する位置が基準位置から見ていずれの方向にあるかが識別可能となる。案内プレートについては、後で詳しく説明する。
【0034】
POI情報案内部17は、画像表示装置31の表示画面上に、基準位置決定部14により決定された基準位置と、POI情報検索部15により特定された道路区間や検索されたPOI情報が示す施設を、強調表示やアイコン表示などにより他の地図情報と識別可能となるように表示するための処理を行う。また、本例におけるPOI情報案内部17は、案内プレート情報記憶部F4を参照して、車両が案内プレート情報の示す分岐点に対して所定の範囲以内に接近したことに応じて、所定の期間(例えば、案内プレートを表示してから分岐点を通過するまでや、他の案内プレートを表示する時機まで。)表示画面に案内プレートを表示する機能や、案内したPOI情報を案内履歴情報として案内履歴情報記憶部F5に記憶する機能を有する。
【0035】
また、POI情報案内部17は、ユーザによる案内履歴情報表示要求を受けつけたことに応じて案内履歴情報記憶部F5を参照し、所定の表示条件(例えば、1時間以内に表示した案内プレートに設定されたPOI情報。)にしたがってPOI情報を表示する機能など、ユーザに対して施設などを案内するための各種の機能を有する。
【0036】
制御部Cは、CPU(中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを具備し、記憶部Fに記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーションプログラム)に従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、その処理を実行する機能を有する。
【0037】
記憶部Fは、ROMやRAM等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。本例における記憶部Fは、誘導経路情報記憶部F1と、地図情報記憶部F2と、POI情報記憶部F3と、案内プレート情報記憶部F4と、案内履歴情報記憶部F5とを含む。
【0038】
なお、図示しないが、本例におけるナビゲーション装置10は通信機能を備えており、記憶部Fに記憶される各種の情報は時期などに応じて更新可能であるものとする。
【0039】
誘導経路情報記憶部F1は、経路探索部11が導出した誘導経路を記憶する記憶媒体である。
【0040】
地図情報記憶部F2は、一定の経度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(メッシュ)に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。地図情報は、地図情報記憶部F2に記憶されるほか、例えばSDメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、CD−ROMやDVD−ROM等に保存することができる。また、インターネット等の通信ネットワークを介して地図情報をダウンロードするようにしてもよい。また、地図情報記憶部F2は、道路情報として、道路をノードとリンクで表して管理し、各道路に関して道路構成ノード情報と道路構成リンク情報とを位置情報と対応付けて記憶する。
【0041】
POI情報記憶部F3は、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル、旅館といった店舗情報、有名な施設を示す施設情報、行楽地を示す行楽地情報といった案内対象物(店舗、施設、行楽地など)を示すPOI情報を記憶する記憶媒体である。図3は、POI情報記憶部F3におけるPOI情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例におけるPOI情報は、施設などの案内対象物を一意に特定するためのPOI−IDと、施設などの案内対象物の名称と、住所と、緯度・経度と、電話番号と、人気ランキングなどが対応付けされた情報である。
【0042】
案内プレート情報記憶部F4は、案内プレート作成部17が案内プレートの作成に用いるための案内プレート情報を記憶する記憶媒体である。図4は、案内プレート情報記憶部F4における案内プレート情報の格納状態の例を示す説明図である。図4に示すように、案内プレート情報は、案内分岐点の名称と、ノードIDと、道路形状と、POI検索部15により検索されたPOI情報とを含む情報である。ここで、案内プレート情報におけるPOI情報は、リンクIDで示される道路区間とPOI−IDとが対応付けされた状態で記憶されているものとする。なお、本例において案内プレート情報は、基準位置決定部14が地図情報記憶部F2とPOI情報記憶部F3とから必要な情報を読み出して案内プレート情報記憶部F4に記憶することにより作成される。
【0043】
案内履歴情報記憶部F5は、POI情報案内部17により案内したPOI情報を案内履歴情報として記憶する記憶媒体である。図5は、案内履歴情報記憶部F5における案内履歴情報の格納状態の例を示す説明図である。図5に示すように、案内履歴情報は、POI情報案内部17により案内された案内プレート情報における案内分岐点名称と、案内した時刻(分岐点通過時刻)と、POI−IDとを含む。
【0044】
次に、本例における案内プレートの概念について説明する。図6と図7は、本例における案内プレートの概念を説明するための説明図である。図6において、車両の現在地をP、車両の進行方向に位置する分岐点をA,B、分岐点A,Bから退出する方向の道路(進行可能道路)の周辺に存在する施設などの位置を示す案内アイコンをS1〜S9で示す。
【0045】
車両が分岐点Aに対して所定の距離以内に移動すると(例えば、図6における地点AS)、案内プレート作成部16が、案内分岐点(図6における交差点A)に応じた案内プレートを作成する処理を行う。
【0046】
図7(A)は、このときの案内プレートの例を示す説明図である。図7(A)に示すように、案内プレートは、交差点Aの道路形状に応じた矢印を表示する道路形状表示領域101と、案内アイコンが示す施設などの名称を道路形状表示領域101に表示された矢印のうち該当施設の存在位置を示す方向を向く矢印の近傍に表示するための施設名称表示領域102〜104と、分岐点Aの名称を表示する分岐点名称表示領域105とを含む。
【0047】
同様に、車両が案内分岐点である交差点Bに対して所定の距離以内に移動すると(例えば、図6における地点BS)、案内プレート作成部16が、図7(B)のように交差点Bに応じた案内プレートを作成する処理を行う。
【0048】
なお、案内プレートは、案内分岐点毎でなく、例えば図7(C)に示すように複数の案内分岐点を合わせた形態のものを作成する場合もあることとする。すなわち、例えば、複数の案内分岐点間の距離が特定の距離以内であるか否かを判定することにより案内プレートの形態を決定する。また、案内プレートとして、案内分岐点における進行可能道路毎に対応する施設などの名称を示したリストを作成し、表示画面に表示された進行可能道路との対応が識別可能となるように表示する構成としてもよい。
【0049】
次に、本発明のナビゲーション装置10の動作について図面を参照して説明する。なお、本発明に特に係わらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0050】
図8は、ナビゲーション装置10が実行する案内プレート表示処理の例を示すフローチャートである。案内プレート表示処理では、車両の進行方向に位置する分岐点からの各分岐方面(進行可能道路が向かう方面)に存在する施設を検索して案内するための処理が行われる。なお、ここでいう「案内」とは施設などの存在をユーザに紹介することが目的であり、必ずしも施設までユーザを誘導する必要はないものとする。
【0051】
本例における案内プレート表示処理は、ナビゲーション装置10の電源が入ったことに応じて自動的に開始される。なお、ナビゲーション装置10における案内プレート表示処理は、例えばユーザが特定のボタンを押下したことを受け付けることにより停止される構成であるものとする。
【0052】
案内プレート表示処理において、先ず、制御部Cは、自車位置情報受付部12により現在位置情報を受け付けて、地図情報記憶部F2に記憶された地図情報を参照して車両が走行中の道路区間(ノードIDとリンクID)を特定する(ステップS101)。
【0053】
走行中の道路区間を特定すると、制御部Cは、方位情報受付部13により車両の進行方向を特定し、基準位置決定部14により車両が道なりに所定距離走行した場合に通過または到着する分岐点があるか否かを判定する(ステップS102)。ここで、所定距離以内に分岐点がない場合(ステップS102のN)、制御部Cは、ステップS101に遷移する。
【0054】
所定距離以内に分岐点がある場合(ステップS102のY)、制御部Cは、基準位置決定部14により、所定距離以内に分岐点が複数あるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、分岐点が1つの場合(ステップS103のN)、制御部Cは、この分岐点を案内分岐点として特定してステップS107に遷移する。
【0055】
所定距離以内に分岐点が複数ある場合(ステップS103のY)、制御部Cは、各分岐点間の距離が特定の距離以内であるか否かを判定する(ステップS104)。ここで、各分岐点間の距離が特定の距離以内であると判定された場合(ステップS104のY)、制御部Cは基準位置決定部14により複数の分岐点をそれぞれ関連した案内分岐点として特定する(ステップS105)。一方、各分岐点間の距離が特定の距離以内でないと判定された場合(ステップS104のN)、制御部Cは基準位置決定部14により複数の分岐点を別々の案内分岐点として特定する(ステップS106)。
【0056】
案内分岐点を特定すると、制御部Cは、基準位置決定部14により地図情報記憶部F2を参照して案内分岐点に関する情報を案内プレート情報記憶部F4に記憶する(ステップS107)。
【0057】
案内分岐点に関する情報を記憶すると、制御部Cは、POI情報検索部15により、案内分岐点における進行可能道路を特定する(ステップS108)。
【0058】
案内分岐点における進行可能道路を特定すると、制御部Cは、POI情報検索部15により、特定した進行可能道路から所定の範囲内に存在する施設を示すPOI情報を案内プレート情報記憶部F4に記憶する(ステップS109)。
【0059】
POI情報を記憶すると、制御部Cは、案内プレート作成部16により案内プレートを作成して記憶部Fに記憶する(ステップS110)。このとき、関連した案内分岐点として記憶されたものに関しては、図7(C)のように、1つにまとめた案内プレートを作成する。
【0060】
案内プレートを作成すると、制御部Cは、車両が案内分岐点に対して所定の距離以内に接近したか否かを判定する(ステップS111)。なお、ここでの「所定の距離」は、車両の移動速度などに応じて変更される構成としてもよい。また、案内分岐点毎に案内開始点を設定し、車両が案内開始点を通過したか否かを判定する構成としてもよい。
【0061】
制御部Cは、車両が案内分岐点に対して所定の距離以内に接近したと判定すると(ステップS111のY)、表示画面に案内分岐点に対応する案内プレートを表示するための処理を行う(ステップS112)。
【0062】
図9は、案内プレートを表示したときの表示画面の例を示す説明図である。図9に示すように、表示画面には地図情報表示領域の他、案内プレート表示領域201と、現在住所表示領域202とを含む各種の領域が設けられている。なお、案内プレート表示領域201に表示される案内プレートに対応する案内分岐点A1の識別力を高めるために、アイコンを他の分岐点と識別可能な形態にしたり、案内プレートと案内分岐点との対応を指示線により示したりする構成としてもよい。
【0063】
また、案内プレートの別の形態として、例えば図10に示すように、案内分岐点A1における進行可能道路毎に、車両が進行可能道路を進行した場合に向かうこととなる施設などの名称のリスト301〜303を表示する構成としてもよい。また、この場合、リストと進行可能道路の対応関係を明確にするために、例えば図11に示すように、施設などの名称のリスト301〜303に対応する進行可能道路を指示線Dにより示す構成としてもよい。このような構成とすることにより、特殊な形状の道路があった場合などでも視認性が低下することを防止できる。また、案内プレートが意図しない表示となってしまった場合にもユーザを惑わすことがない。
【0064】
さらに、案内プレートの別の形態として、図12に示すように、案内分岐点から各施設への距離を表示する構成としてもよい。この場合、制御部Cが、案内プレート情報記憶部F4にPOI情報が記憶されたことに応じて、経路探索部11により、案内交差点からPOI情報が示す施設などへの距離を算出して記憶する構成とすればよい。
【0065】
なお、案内プレートで表示する施設などの名称は、案内分岐点からの距離順に並べて表示するようにしてもよいし、予めユーザにより表示優先度の設定を受け付ける構成としてもよい。
【0066】
また、各POI情報の位置関係などにより、案内プレートの表示形態を変更してユーザが直感的に認識しやすいようにする構成としてもよい。すなわち、例えば施設を示す名称の文字サイズを、案内分岐点から遠くなる程小さくしたり、文字間隔を狭くしたりするようにしてもよい。また、案内プレートにおける施設名称の描画開始位置を、例えば車両の現在位置から見て右方向の案内プレートであれば、案内プレートにおける施設名称の表示領域において、案内分岐点や車両から近い位置に存在する施設の名称をより左側から、遠いものをより右側から描画する構成としてもよい。すなわち、案内プレートおける施設名称の表示領域において、施設名称の表示位置によりどの施設が現在位置に近いのかが容易に認識可能となるように表示するようにしてもよい。
【0067】
また、案内プレートの形状を車両の進行方向を基準にして、例えば直進方向に位置する施設などを案内する案内プレートを台形に、左右方向に位置する施設などを案内する案内プレートを平行四辺形や左右どちらかの1辺が底辺に対して直角な台形にする構成としてもよい。
【0068】
案内プレートを表示すると、制御部Cは、車両が案内分岐点を通過したか否かを判定する(ステップS113)。車両が案内分岐点を通過したと判定すると(ステップS113のY)、制御部Cは、POI情報案内部17により表示画面から案内プレートを消去し(ステップS114)、消去した案内プレートが有していた情報を案内履歴情報記憶部F5に記憶して案内履歴情報を更新し(ステップS115)、ステップS101に遷移する。
【0069】
一方、車両が案内分岐点に対して所定の距離以内に接近していないと判定した場合(ステップS111のN)、制御部Cは、車両が走行中の道路区間が変更されたか否かを判定する(ステップS116)。走行中の道路区間が変更されていないと判定した場合(ステップS116のN)、制御部Cは、ステップS111に遷移する。ここで、走行中の道路区間が変更されたと判定した場合(ステップS116のY)、制御部Cは、ステップS101に遷移して車両が走行中の道路区間を特定する。なお、このとき既に作成していた案内プレートは、その情報を削除する構成としてもよいし、案内履歴情報として、1度表示画面に表示された案内プレートと識別可能な状態で記憶する構成としてもよい。
【0070】
次に、ナビゲーション装置10が実行する案内履歴情報表示処理について説明する。
【0071】
図13は、案内履歴情報表示処理の例を示すフローチャートである。案内履歴情報表示処理では、車両が案内交差点を通過したことにより案内が終わったPOI情報を再度読み出すための処理が実行される。
【0072】
本例における案内履歴情報表示処理は、例えば入力装置40を介してユーザの操作を受け付けたことに応じて開始される。
【0073】
案内履歴情報表示処理では、先ず、制御部Cは、例えば表示条件入力画面を表示画面に表示することにより案内履歴情報の表示条件の入力を受け付ける(ステップS201)。ここで、表示条件としては、例えば、「何時間前までに案内プレートにより表示した施設名称に対応するPOI情報を表示する。」といった内容の条件を受け付けることとする。なお、表示条件を受け付けずに、過去に表示した全ての施設名称に対応するPOI情報の一部をリスト化して表示する構成としてもよい。
【0074】
案内履歴情報の表示条件を受け付けると(ステップS201のY)、制御部Cは、案内履歴情報記憶部F5を参照して、受け付けた表示条件を満たす案内履歴情報を抽出する処理を行う(ステップS202)。
【0075】
案内履歴情報を抽出すると、制御部Cは、POI情報記憶部F3に記憶されたPOI情報のうち、案内履歴情報におけるPOI−IDが示すPOI情報の一覧画面(例えば、名称一覧画面)を表示するための処理を行う(ステップS203)。
【0076】
POI情報の一覧画面を表示すると、制御部Cは、表示画面上に表示している地図上に位置する施設を示すPOI情報があるか否かを判定する(ステップS204)。
【0077】
表示中の地図上に位置する施設を示すPOI情報があると判定すると(ステップS204のY)、制御部Cは、POI情報に応じた位置から指示線を表示し、その近傍に施設の名称やアイコンを表示して(ステップS205)、ここでの処理を終了する。
【0078】
以上のように、上述した実施の形態においては、表示装置(例えば画像表示装置31)の表示画面における地図上に移動体(例えば車両)の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置10が、道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶部F2と、案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶部F3とを備え、移動体の現在位置を検出し、検出した現在位置に基づいて基準位置を決定し、決定した基準位置から所定範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索し、検索したPOI情報が示す案内対象物を特定可能な案内対象物特定情報(例えば施設名称)を含む案内情報(例えば案内プレート)を、その案内対象物が存在する位置が基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に表示画面に表示する構成としているので、移動体(例えばユーザ、車両)周辺の案内対象物(例えば施設)の存在をユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようなる。
【0079】
すなわち、ユーザが施設などの検索を行うためにナビゲーション装置を操作しなくても、時期や移動体の位置に応じたPOI情報を積極的にユーザに紹介することができるようになる。このため、ユーザにとっては煩わしい操作をせずに情報を取得でき、自己の嗜好に合った施設などの存在を見逃すことがなくなるため利便性が向上する。一方、企業などの情報の提供者側にとっても、今まで検索されないと表示できなかった施設を積極的に提示できるようになり、時期や嗜好に応じた自社のコンテンツ特性を活かせるようになるため利便性が向上する。
【0080】
また、案内情報(例えば案内プレート)を、案内対象物が存在する位置が基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に表示画面に表示する構成としているので、案内対象物が基準位置(例えば現在位置、前方の交差点など)から見てどちらの方向に位置しているのかをユーザに対して案内することが可能となり、移動体(例えばユーザ、車両)周辺の案内対象物(例えば施設)の存在をユーザに対して適切に報知することができるようなる。
【0081】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、移動体の進行方向を特定し、特定した進行方向から移動体の進行方向に存在する分岐点(例えば交差点)を特定して基準位置として決定し、基準位置として決定した分岐点から進行可能な道路を特定し、特定した進行可能道路から所定の範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索する構成としているので、移動体の位置と進行方向を加味したアクセスしやすい施設などの案内対象物を案内することができるようになる。
【0082】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、移動体の進行方向に存在する分岐点が所定の範囲内に存在する場合にその分岐点を基準位置として決定する構成としてもよい。このような構成とすることにより、移動体の現在位置を考慮した適切なタイミングで施設などの案内対象物の存在を案内することができるようになる。
【0083】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、表示された案内情報を示す案内履歴情報を記憶する案内履歴情報記憶部F5を備え、案内履歴情報表示要求を受け付け、案内履歴情報表示要求を受け付けたことに応じて、案内履歴情報によって特定されるPOI情報を抽出し、抽出したPOI情報を表示する構成としているので、施設などの案内対象物の存在を見落としてしまった場合でも、ユーザにとって有用な情報を後から得る機会を提供することができるようになる。
【0084】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、検出した移動体の現在位置を基準位置に決定し、基準位置から見て所定の複数方向側それぞれに存在する案内対象物を特定可能なそれぞれの案内対象物特定情報を複数方向別にそれぞれ含む各方向毎の案内情報を、基準位置から見た各方向側にそれぞれ表示する構成としているので、進行方向のイメージを容易にすることができるようになる。例えば、案内分岐点における進行可能道路を進んだ場合に向かうこととなる方向に著名な施設などの案内対象物を表示することが可能となり、案内対象物の存在位置に対してどのような向きに進行しているかのイメージが容易となる。
【0085】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、案内対象物特定情報と、その案内対象物特定情報によって特定される案内対象物が存在する位置が基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能な存在位置識別情報(例えば図9に示す矢印)とを含む案内情報を表示画面に表示する構成としているので、移動体(例えばユーザ、車両)周辺の案内対象物(例えば施設)の存在をユーザに対して積極的かつ適切に報知することができるようなる。
【0086】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、所定の範囲内に存在する分岐点が複数ある場合に、複数の分岐点間の距離が特定の距離以内であればその複数の分岐点を関連分岐点として特定し、関連分岐点として特定した複数の分岐点に関する案内情報を表示画面に表示する構成としているので、分岐点間が短い場合にもユーザに対して視認性の良い案内を行うことができるようになる。
【0087】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、地図情報記憶部F2に記憶する地図情報には、道路と分岐点とにそれぞれ複数の種別が設定された道路情報が含まれており、基準位置決定部14が、自車位置情報受付部13が受け付けた移動体の現在位置と道路情報とを参照して移動体の現在位置が特定の道路上(例えば高速道路上)であるか否か確認し、特定の道路上であった場合には、特定の道路種別に対応する種別が設定された分岐点(例えば高速道路の出口)を基準位置として決定する構成としてもよい。これにより、例えば移動体が高速道路を走行中の場合に、次のインターチェンジで降りた場合の一般道路沿いに存在する施設などを案内することができるようになる。
【0088】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10が、POI情報の案内禁止条件を記憶する案内禁止条件記憶部を備え、案内禁止条件を満たすPOI情報以外のPOI情報を検索し、その検索結果を表示画面上に表示する構成としてもよい。案内禁止条件は、あらかじめ設定されていてもよいし、ユーザからの指示に応じて設定されるようにしてもよい。この場合、ユーザからの指示に応じて設定される案内禁止条件としては、例えば自宅を中心とした所定範囲内に位置する案内対象物のPOI情報、自宅からの距離が所定距離以内に位置する案内対象物のPOI情報、自宅を含む市区町村の行政区画内に位置する案内対象物のPOI情報、自宅の行政区画に隣接する行政区界や指定された道路区間内に位置する案内対象物のPOI情報などが考えられる。このような構成とすることにより、例えばユーザの自宅周辺など、ユーザがよく知った土地での施設案内を行うことによりユーザに煩わしさなどの不快感を与えてしまうことを回避することができるようになる。
【0089】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、案内プレートを表示してから、ユーザによる施設名称の選択を受け付けて、受け付けた施設名称が示す施設に関する詳細情報を表示する構成としてもよい。この場合、例えば、案内プレートの表示中、制御部Cがユーザによる案内プレートに表示された施設の名称の押下を受け付けて、受け付けた施設名称に応じたPOI情報を検索し、画像や住所、営業時間、定休日、メニュー、評価情報、紹介文等を詳細情報として表示画面に表示する構成としてよい。このような構成とすることにより、検索メニューで文字列を入力することが無いのでユーザのストレスが軽減される。また、手間がかからず詳細情報が得られるため、気になったPOI情報へアクセスする機会が増える。
【0090】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、基準位置として例えば車両の現在位置など分岐点以外の位置を決定した場合には、POI情報の検索範囲は、例えば図14に示すように、車両の現在位置Pを基準にして、距離と角度範囲により決定する構成とすればよい。また、図14においては検索範囲を車両の現在位置を基準にして前方と左右方向の3つに分けているが、検索範囲はこれに限定されず、例えば車両から見て後方となる領域を検索範囲に含める構成としてもよいし、検索範囲をさらに細かく分ける構成としてもよい。
【0091】
また、この場合、案内プレートの表示形態は、例えば図15に示すように、車両の現在位置から見た場合に正対することとなるような形態で表示するようにしてもよい。
【0092】
なお、分岐点の有無にかかわらず、車両が走行中の道路と、進行方向から予想される予想走行道路との道路沿いに存在する施設を示すPOI情報を検索し、検索結果を表示する構成としてもよい。この場合、表示するPOI情報のジャンルを限定したり、表示する検索結果をユーザの希望に応じた順序に並べたりするようにしてもよい。なお、ここでいう「道路沿い」と判断する条件としては、対象となる道路から即アクセスできることを条件としたり、対象となる道路を中心とした特定の距離の帯状の範囲に存在することを条件としたりすることなどが考えられる。
【0093】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ユーザに対して案内するPOI情報の優先度の決定方法として、ユーザの嗜好を反映する構成してもよい。この場合、例えば直接ユーザによる表示優先度の設定を受け付けるほか、過去にユーザが検索した施設のジャンルを記憶したり、案内プレートを表示したときやユーザが移動を終了したときにそれまで表示した案内プレートに対するユーザの評価を受け付けて記憶したりすることで、次回の表示優先度の設定に反映できる構成とすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、車両の進路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、電子地図の表示が可能なカーナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【0095】
F1 誘導経路情報記憶部
F2 地図情報記憶部
F3 POI情報記憶部
F4 案内プレート情報記憶部
F5 案内履歴情報記憶部
10 ナビゲーション装置
11 経路探索部
12 自車位置情報受付部
13 方位情報受付部
14 基準位置決定部
15 POI情報検索部
16 案内プレート作成部
17 POI情報案内部
20 自車位置測位装置
30 出力装置
31 画像表示装置
32 音声出力装置
40 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、
道路情報を含む地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報記憶手段と、
前記移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、
該位置検出手段によって検出された前記現在位置に基づいて基準位置を決定する基準位置決定手段と、
該基準位置決定手段によって決定された前記基準位置から所定範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索するPOI情報検索手段と、
該POI情報検索手段によって検索されたPOI情報が示す案内対象物を特定可能な案内対象物特定情報を含む案内情報を、当該案内対象物が存在する位置が前記基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に前記表示画面に表示する案内情報表示手段とを含み、
前記基準位置決定手段は、前記位置検出手段によって検出された移動体の現在位置を基準位置に決定し、
前記案内情報表示手段は、前記基準位置から見て所定の複数方向側それぞれに存在する案内対象物を特定可能なそれぞれの案内対象物特定情報を前記複数方向別にそれぞれ含む各方向毎の案内情報を、前記基準位置から見た各方向側にそれぞれ表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記案内情報表示手段は、案内対象物特定情報と、該案内対象物特定情報によって特定される案内対象物が存在する位置が前記基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能な存在位置識別情報とを含む案内情報を前記表示画面に表示する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記基準位置決定手段は、前記所定の範囲内に存在する分岐点が複数ある場合に、該複数の分岐点間の距離が特定の距離以内であれば当該複数の分岐点を関連分岐点として特定し、
前記案内情報表示手段は、前記基準位置決定手段により関連分岐点として特定された複数の分岐点に関する案内情報を表示画面に表示する
請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記道路情報は、道路と分岐点とにそれぞれ複数の種別が設定された情報であり、
前記基準位置決定手段は、前記位置検出手段により検出された前記移動体の現在位置と前記道路情報とを参照して前記移動体の現在位置が特定の道路上であるか否か確認し、特定の道路上であった場合には、特定の道路種別に対応する種別が設定された分岐点を基準位置として決定する
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記POI情報の案内禁止条件を記憶する案内禁止条件記憶手段を有し、
前記POI情報検索手段は、前記案内禁止条件を満たすPOI情報以外のPOI情報を検索する
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション方法であって、
前記移動体の現在位置を検出する位置検出処理と、
該位置検出処理にて検出した前記現在位置に基づいて基準位置を決定する基準位置決定処理と、
案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報DBに記憶された当該POI情報の中から、前記基準位置決定処理にて決定された前記基準位置から所定範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索するPOI情報検索処理と、
該POI情報検索処理にて検索したPOI情報が示す案内対象物を特定可能な案内対象物特定情報を含む案内情報を、当該案内対象物が存在する位置が前記基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に前記表示画面に表示する案内情報表示処理とを含み、
前記基準位置決定処理にて、前記位置検出処理にて検出した移動体の現在位置を基準位置に決定し、
前記案内情報表示処理にて、前記基準位置から見て所定の複数方向側それぞれに存在する案内対象物を特定可能なそれぞれの案内対象物特定情報を前記複数方向別にそれぞれ含む各方向毎の案内情報を、前記基準位置から見た各方向側にそれぞれ表示する
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項7】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導させるためのナビゲーションプログラムであって、
コンピュータに、
前記移動体の現在位置を検出する位置検出処理と、
該位置検出処理にて検出した前記現在位置に基づいて基準位置を決定する基準位置決定処理と、
案内対象物を示すPOI情報を記憶するPOI情報DBに記憶された当該POI情報の中から、前記基準位置決定処理にて決定された前記基準位置から所定範囲内に存在する案内対象物を示すPOI情報を検索するPOI情報検索処理と、
該POI情報検索処理にて検索したPOI情報が示す案内対象物を特定可能な案内対象物特定情報を含む案内情報を、当該案内対象物が存在する位置が前記基準位置から見ていずれの方向にあるかを識別可能に前記表示画面に表示する案内情報表示処理とを実行させ、
前記基準位置決定処理では、前記位置検出処理にて検出した移動体の現在位置を基準位置に決定する処理を実行させ、
前記案内情報表示処理では、前記基準位置から見て所定の複数方向側それぞれに存在する案内対象物を特定可能なそれぞれの案内対象物特定情報を前記複数方向別にそれぞれ含む各方向毎の案内情報を、前記基準位置から見た各方向側にそれぞれ表示する処理を
実行させるためのナビゲーションプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2011−33611(P2011−33611A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246238(P2009−246238)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【分割の表示】特願2009−181800(P2009−181800)の分割
【原出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】