説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラム

【課題】番組の進行に合わせて分割して配信される情報を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、所定の目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置1であって、1又は2以上の番組付随情報を含む番組情報を取得する番組情報取得部71と、番組情報取得部71によって番組付随情報が取得されるタイミングを特定する取得タイミング特定部72と、取得タイミング特定部72によって特定されたタイミングに基づき、番組付随情報の全部又は一部を取得可能な走行経路を案内するための制御を行う案内制御部73とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置が用いられている。さらに近年では、デジタル放送に含まれている番組コンテンツ以外の付加データを受信及び蓄積する車載デジタル放送受信機制御装置が提案されている。この装置は、目的地までの案内ルートが十分な距離だけ続いている場合に、そのルートの走行中にデジタル放送に含まれる新バージョンプログラム等の付加データを受信機によって受信及び蓄積させる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−340292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、デジタル放送においては、番組コンテンツの他、番組コンテンツに関連する付随的な情報(例えば番組で紹介された場所に関する情報等)が配信される場合がある。このような情報は必ずしも番組の開始時に一括して配信されるわけではなく、放送時間帯の中で番組の進行に合わせて分割されて配信される場合があった。しかし、特許文献1の如き従来の装置では情報が配信されるタイミングについては何ら考慮がされていなかったため、案内ルートを目的地まで走行する時間内に配信されない情報については取得することができなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、番組の進行に合わせて分割して配信される情報を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載のナビゲーション装置は、所定の目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置であって、1又は2以上の番組付随情報を含む番組情報を取得する番組情報取得手段と、前記番組情報取得手段によって前記番組付随情報が取得されるタイミングを特定する取得タイミング特定手段と、前記取得タイミング特定手段によって特定されたタイミングに基づき、前記番組付随情報の全部又は一部を取得可能な走行経路を案内するための制御を行う制御手段と、を備える。
【0007】
また、請求項2に記載のナビゲーション装置は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記番組付随情報の取得可能数が最大となる前記走行経路を案内するための制御を行う。
【0008】
また、請求項3に記載のナビゲーション装置は、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記番組付随情報の取得効率が最大となる前記走行経路を案内するための制御を行う。
【0009】
また、請求項4に記載のナビゲーション装置は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記目的地までの所要時間又は走行距離が最短となる基準走行経路における前記番組付随情報の取得可能数と前記走行経路における前記番組付随情報の取得可能数との差分と、当該基準走行経路の走行時間と当該走行経路の走行時間との差分又は当該基準走行経路の走行距離と当該走行経路の走行距離との差分とに基づき、当該走行経路における前記取得効率を特定する。
【0010】
また、請求項5に記載のナビゲーション装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記番組情報取得手段によって取得される前記番組付随情報の属性を特定する属性特定手段を備え、前記制御手段は、前記属性特定手段によって特定された前記番組付随情報の属性に基づき、所定の属性を有する前記番組付随情報を取得可能な前記走行経路を案内するための制御を行う。
【0011】
また、請求項6に記載のナビゲーション装置は、請求項1から5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記目的地までの許容走行時間又は許容走行距離を特定する許容走行量特定手段を備え、前記制御手段は、前記許容走行量特定手段により特定された前記許容走行時間内又は前記許容走行距離内に前記目的地に到達可能な前記走行経路のうち、前記番組付随情報の取得可能数が最大となる前記走行経路を案内するための制御を行う。
【0012】
また、請求項7に記載のナビゲーション装置は、請求項1から6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記目的地到着後に前記番組情報取得手段が動作可能な動作時間を推定する動作時間推定手段を備え、前記制御手段は、前記動作時間推定手段により推定された前記動作時間に基づき、前記目的地到着後に前記番組情報取得手段が取得可能な前記番組付随情報について案内するための制御を行う。
【0013】
また、請求項8に記載のナビゲーション装置は、請求項7に記載のナビゲーション装置において、前記動作時間推定手段は、前記目的地到着時における前記番組情報取得手段の電源の残量を予測し、当該予測した電源の残量に基づき、前記動作時間を推定する。
【0014】
また、請求項9に記載のナビゲーション装置は、請求項1から8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、前記制御手段は、前記目的地到着前又は前記目的地到着後に前記番組情報取得手段が取得可能な前記番組付随情報のうち、前記目的地到着前に取得可能な前記番組付随情報について案内するための制御を行う。
【0015】
また、請求項10に記載のナビゲーション方法は、所定の目的地までの走行経路を案内するナビゲーション方法であって、1又は2以上の番組付随情報を含む番組情報を取得する番組情報取得ステップと、前記番組情報取得ステップで前記番組付随情報が取得されるタイミングを特定する取得タイミング特定ステップと、前記取得タイミング特定ステップで特定されたタイミングに基づき、前記番組付随情報の全部又は一部を取得可能な走行経路を案内するための制御を行う制御ステップと、を含む。
【0016】
また、請求項11に記載のナビゲーションプログラムは、請求項10に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載のナビゲーション装置、請求項10に記載のナビゲーション方法、又は請求項11に記載のナビゲーションプログラムによれば、番組情報取得手段によって番組付随情報が取得されるタイミングを特定し、当該特定されたタイミングに基づき、番組付随情報の全部又は一部を取得可能な走行経路を案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報の全部又は一部を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる。すなわち、目的地までの走行中にユーザが番組を視聴している間に、当該番組に関連する番組付随情報を取得可能な走行経路を案内することができる。また、目的地に到着して車両を停車させた後に番組付随情報を取得するためにエンジンをアイドリングさせる場合と比較して、番組付随情報を取得するまで車両を走行させる方が二酸化炭素の排出量や騒音の発生、あるいはエンジンオイルの劣化等を低減することができ、地球環境への負荷を抑制することができる。
【0018】
請求項2に記載のナビゲーション装置によれば、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路を案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報の全部を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる。すなわち、目的地までの走行中にユーザが番組を視聴している間に、当該番組に関連する全ての番組付随情報を取得可能な走行経路を案内することができる。
【0019】
請求項3に記載のナビゲーション装置によれば、番組付随情報の取得効率が最大となる走行経路を案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報を目的地までの走行中に効率よく取得可能な走行経路を案内することができる。すなわち、目的地までの走行中にユーザが番組を視聴している間に、当該番組に関連する番組付随情報を効率よく取得可能な走行経路を案内することができる。
【0020】
請求項4に記載のナビゲーション装置によれば、基準走行経路における番組付随情報の取得可能数と走行経路における番組付随情報の取得可能数との差分と、当該基準走行経路の走行時間と当該走行経路の走行時間との差分又は当該基準走行経路の走行距離と当該走行経路の走行距離との差分とに基づき、当該走行経路における取得効率を特定するので、番組付随情報の取得効率を適切に特定することができる。
【0021】
請求項5に記載のナビゲーション装置によれば、属性特定手段によって特定された番組付随情報の属性に基づき、所定の属性を有する番組付随情報を取得可能な走行経路を案内するための制御を行うので、例えばユーザの嗜好に合致する属性を有する番組付随情報の全部又は一部を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる。
【0022】
請求項6に記載のナビゲーション装置によれば、許容走行時間内又は許容走行距離内に目的地に到達可能な走行経路のうち、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路を案内するための制御を行うので、例えばユーザの空き時間の範囲内やユーザにより設定された許容走行距離の範囲内で最大限の番組付随情報を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる。
【0023】
請求項7に記載のナビゲーション装置によれば、目的地到着後に番組情報取得手段が動作可能な動作時間に基づき、目的地到着後に番組情報取得手段が取得可能な番組付随情報について案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報のうち、目的地までの走行中に取得できない番組付随情報については目的地到着後に取得し、後日活用することができる。
【0024】
請求項8に記載のナビゲーション装置によれば、目的地到着時における番組情報取得手段の電源の残量を予測し、当該予測した電源の残量に基づき、目的地到着後に番組情報取得手段が動作可能な動作時間を推定するので、目的地到着後にエンジンを停止し電源のみによって番組情報取得手段が動作可能な動作時間を推定することができる。これにより、目的地に到着して車両を停車させた後に番組付随情報を取得するためにエンジンをアイドリングさせる場合と比較して、二酸化炭素の排出量や騒音の発生、あるいはエンジンオイルの劣化等を低減することができ、地球環境への負荷を抑制することができる。
【0025】
請求項9に記載のナビゲーション装置によれば、目的地到着前に番組情報取得手段が取得可能な番組付随情報について案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報のうち、目的地までの走行中にユーザが番組を視聴している間に取得可能な番組付随情報について案内することができる。これにより、ユーザが目的地までの走行中に視聴することから当該ユーザの印象に残りやすい番組内容に関連する番組付随情報を取得し、後日有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態1に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。
【図2】配信タイムテーブルに格納されている情報を例示した表である。
【図3】案内制御処理のフローチャートである。
【図4】走行経路と取得可能な番組付随情報とを例示した図であり、図4(a)は各走行経路において取得可能な番組付随情報を示した平面図、図4(b)は各走行経路において番組情報が取得されるタイミングを時系列で示した図である。
【図5】各走行経路について出力される情報の内容を例示した表である。
【図6】案内制御処理のフローチャートである。
【図7】走行経路と取得可能な番組付随情報とを例示した図であり、図7(a)は各走行経路において取得可能な番組付随情報を示した平面図、図7(b)は各走行経路において番組情報が取得されるタイミングを時系列で示した図である。
【図8】各走行経路について出力される情報の内容を例示した表である。
【図9】実施の形態3に係る配信タイムテーブルに格納されている情報を例示した表である。
【図10】案内制御処理のフローチャートである。
【図11】走行経路と取得可能な番組付随情報とを例示した図であり、図11(a)は各走行経路において取得可能な番組付随情報を示した平面図、図11(b)は各走行経路において番組情報が取得されるタイミングを時系列で示した図である。
【図12】各走行経路について出力される情報の内容を例示した表である。
【図13】案内制御処理のフローチャートである。
【図14】走行経路と取得可能な番組付随情報とを例示した図であり、図14(a)は各走行経路において取得可能な番組付随情報を示した平面図、図14(b)は各走行経路において番組情報が取得されるタイミングを時系列で示した図である。
【図15】各走行経路について出力される情報の内容を例示した表である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムの各実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0028】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路や取得効率が最大となる走行経路を案内するための制御を行う形態である。
【0029】
(構成)
まず、実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を説明する。図1は、実施の形態1に係るナビゲーション装置を例示するブロック図である。このナビゲーション装置1は、操作部10、現在位置検出処理部20、番組受信部30、通信部40、スピーカ50、ディスプレイ60、制御部70、及びデータ記録部80を備えている。
【0030】
(構成−操作部)
操作部10は、ユーザによる操作入力を受け付ける操作手段である。この操作部10の具体的な構成は任意であり、例えば、ディスプレイ60の前面に設けたタッチパネル、押しボタン、リモートコントローラの如き遠隔操作手段、あるいは、音声入力を受け付けるマイクの如き音声認識手段を用いて操作部10を構成することができる。
【0031】
(構成−現在位置検出処理部)
現在位置検出処理部20は、ナビゲーション装置1が取り付けられた車両の現在位置を検出する現在位置検出手段である。具体的には、現在位置検出処理部20は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の車両の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0032】
(構成−番組受信部)
番組受信部30は、番組を受信する番組受信手段である。ここで、「番組」とは、TV番組やラジオ番組を含むものであるが、これらに限定されず任意の放送形態による番組を含む。また、「番組」は、放送局から放送された番組(以下、「一次番組」)と、一次番組を中継や録画再生する機器から出力された番組(以下、「二次番組」)を含む。本実施の形態1においては、番組受信部30は、一次番組を取得するためのアンテナ及びチューナーを有する放送受信手段として構成されているが、二次番組を外部機器から受信するための受信用のインターフェースとして構成されてもよい。
【0033】
この「番組」に関する情報を、ここでは「番組情報」と称する。この番組情報は、「番組本体情報」と「番組付随情報」を含む。「番組本体情報」とは、番組本体を構成する情報であって、例えば、番組がTV番組である場合には、当該TV番組を構成する音声情報や映像情報が該当し、番組がラジオ番組である場合には、当該ラジオ番組を構成する音声情報が該当する。また、「番組付随情報」とは、番組に付随する情報であって、例えば、番組が地上デジタル放送やBSデジタル放送によるデジタルTV番組である場合には、文字データ放送等を行うための文字情報、デジタル信号にパケットとして挿入されるPSI(Program Specific Information)やSI(Service Information)、あるいは、番組放送に伴い付随的に配信される情報(メタ情報)が該当する。SIには、例えば、電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を作成する元データとなり得るEIT(Event Information Table)が含まれる。ここで、番組付随情報には、番組で紹介される場所(POI:Point Of Interest)に関するPOI情報や懸賞情報等の番組付随情報が当該番組の進行に合わせて配信されるタイミングを特定する配信時刻情報が含まれる。なお、この配信時刻情報は番組受信部30ではなく通信部40によって別途受信されることとしてもよい。さらに、番組付随情報としては、例えば、「番組名称」、及び「放送局名称(ここでは、番組の放送局を特定するための情報)」等が含まれる。
【0034】
(構成−通信部)
通信部40は、外部の通信装置(例えば、既知のコンピュータ、移動体通信端末、あるいは、カーナビゲーションサービスを統括する統括センター)との間で、各種情報を通信するための通信手段であり、公知の無線通信装置を用いることができる。
【0035】
(構成−スピーカ)
スピーカ50は、制御部70の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ50より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0036】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ60は、制御部70の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段である。なお、このディスプレイ60の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0037】
(構成−制御部)
制御部70は、ナビゲーション装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態1に係るナビゲーションプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してナビゲーション装置1にインストールされることで、制御部70の各部を実質的に構成する。
【0038】
この制御部70は、機能概念的に、番組情報取得部71、取得タイミング特定部72、案内制御部73、及び経路探索部74を備えている。番組情報取得部71は、1又は2以上の番組付随情報を含む番組情報を取得する番組情報取得手段である。取得タイミング特定部72は、番組情報取得手段によって前記番組付随情報が取得されるタイミングを特定する取得タイミング特定手段である。案内制御部73は、番組付随情報の全部又は一部を取得可能な走行経路を案内するための制御を行う制御手段である。経路探索部74は、走行経路を探索する経路探索手段である。これらの制御部70の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0039】
(構成−データ記録部)
データ記録部80は、ナビゲーション装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0040】
このデータ記録部80は、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)81、及び配信タイムテーブル82を備えている。
【0041】
地図情報DB81は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」は、例えばリンクデータ(リンク番号、接続ノード番号、道路座標、道路種別、車線数、走行規制等)、ノードデータ(ノード番号、座標)、地物データ(信号機、道路標識、ガードレール、建物等)、自宅、駐車場、コンビニ、ガソリンスタンド、レストラン、レジャー施設等の施設を案内するための施設データ(各施設の位置、各施設の種別、及び各施設を示すアイコンの描画情報を相互に関連付けた情報を含む)、地形データ、地図をディスプレイ60に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。
【0042】
配信タイムテーブル82は、番組付随情報が配信されるタイミングを特定するための配信時刻情報を格納する。図2は配信タイムテーブル82に格納されている情報を例示した表である。図2に示すように、配信タイムテーブル82には、項目「番組名称」、「放送局名称」、「情報ID」、及び「配信予定時刻」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「番組名称」に対応して格納される情報は、番組の名称を示す情報である。項目「放送局名称」に対応して格納される情報は、番組の放送局を示す情報である。項目「情報ID」に対応して格納される情報は、番組の進行に合わせて配信される番組付随情報を一意に識別するための識別情報である。「配信予定時刻」に対応して格納される情報は、番組付随情報が配信され、番組受信部30によって取得されるタイミングを特定するための配信時刻情報である。これらの情報を配信タイムテーブル82に格納するタイミングは任意で、例えば番組の視聴が開始された際に、番組受信部30又は通信部40によって受信され番組情報取得部71によって取得された番組付随情報から取得され、当該配信タイムテーブル82に格納される。また、異なる番組の視聴が開始された場合には、新たに開始された番組についての情報により配信タイムテーブル82の内容が更新される。
【0043】
(処理)
次に、このように構成されたナビゲーション装置1によって実行される案内制御処理について説明する。図3は案内制御処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。特記しない制御に関しては、ナビゲーション装置1の制御部70が行うこととする。この案内制御処理は、例えば操作部10を介して目的地が設定され、当該目的地までの経路探索の指示がされた場合に起動される。
【0044】
案内制御処理が起動されると、経路探索部74は、設定された目的地までの所要時間又は走行距離が最短となる経路(以下、必要に応じて「基準走行経路」)を公知の経路探索ロジックにより探索する(SA1)。
【0045】
続いて、案内制御部73はディスプレイ60やスピーカ50を介して番組を出力中か否かを判定する(SA2)。その結果、番組を出力中ではない場合(SA2、No)、ユーザは番組を視聴しておらず、当該番組の進行に合わせて配信される番組付随情報を取得する必要がないものとし、案内制御部73はディスプレイ60やスピーカ50を介して基準走行経路を走行経路として案内する(SA3)。その後、制御部70は案内制御処理を終了する。
【0046】
一方、ディスプレイ60やスピーカ50を介して番組を出力中の場合(SA2、Yes)、取得タイミング特定部72は配信タイムテーブル82を参照し、当該番組の進行に合わせて配信される番組付随情報が番組情報取得部71によって取得されるタイミングを特定する(SA4)。図2の例では、番組名称「PS」の番組を視聴していた場合、情報ID「1」の番組付随情報が10時05分、情報ID「2」の番組付随情報が10時20分、情報ID「3」の番組付随情報が10時30分、情報ID「4」の番組付随情報が10時32分、情報ID「5」の番組付随情報が10時45分に取得されることが特定される。
【0047】
図3に戻り、案内制御部73は、SA4で特定した番組付随情報の取得タイミングに基づき、SA1で探索した基準走行経路において全ての番組付随情報を取得可能か否かを判定する(SA5)。ここで、「走行経路において番組付随情報を取得可能」とは、当該走行経路における目的地への到着予定時刻までに番組付随情報を取得可能であることを意味するものとする。また、「全ての番組付随情報」とは、ディスプレイ60やスピーカ50を介した番組の出力開始後(ユーザによる番組の視聴開始後)に当該番組の進行に合わせて配信される全ての番組付随情報を意味するものとする。すなわち、ディスプレイ60やスピーカ50を介した番組の出力開始前に配信された番組付随情報は含まれないものとする。SA5の判定の結果、全ての番組付随情報を取得可能な場合(SA5、Yes)、他の走行経路を探索する必要がないものとし、案内制御部73はディスプレイ60やスピーカ50を介して基準走行経路を走行経路として案内する(SA3)。その後、制御部70は案内制御処理を終了する。
【0048】
一方、全ての番組付随情報を取得可能ではない場合(SA5、No)、経路探索部74は、SA4で特定した番組付随情報の取得タイミングに基づき、基準走行経路において最後に取得される番組付随情報の次に配信される番組付随情報を取得可能な走行経路を探索する(SA6)。この走行経路の探索方法は任意で、例えば基準走行経路において最後に取得される番組付随情報の次に番組付随情報が配信される時刻以降に目的地に到着するように、迂回路を探索する。
【0049】
図4は走行経路と取得可能な番組付随情報とを例示した図であり、図4(a)は各走行経路において取得可能な番組付随情報を示した平面図、図4(b)は各走行経路において番組情報が取得されるタイミングを時系列で示した図である。図4における丸数字は図2における番組付随情報の情報IDに対応し、当該丸数字が付された位置に対応するタイミングで番組付随情報が取得されることを表している。図4(a)に示した例では、基準走行経路である「経路1」において取得可能な番組付随情報の数は1つとなっており、5つの番組付随情報の全てを取得することはできない(SA5、No)。そこで、さらに番組付随情報「2」を取得可能な「経路2」を探索する(SA6)。
【0050】
図3に戻り、案内制御部73は探索した走行経路において全ての番組付随情報を取得可能か否かを判定する(SA7)。その結果、全ての番組付随情報を取得可能ではない場合(SA7、No)、経路探索部74は、最後に探索した走行経路において最後に取得される番組付随情報の次に配信される番組付随情報を取得可能な走行経路を探索し(SA8)、当該探索した走行経路において全ての番組付随情報を取得可能か否かを判定する(SA7)。
【0051】
図4の例では、「経路2」においても5つの番組付随情報の全てを取得することはできない(SA7、No)。そこで、さらに番組付随情報「3」を取得可能な「経路3」を探索する(SA7)。ここで、図4の番組付随情報「3」及び「4」のように複数の番組付随情報が一定の時間内に配信される場合には、図4に示した「経路3」のように、これらの複数の番組付随情報を一つにまとめて取り扱うようにしてもよい。さらに、「経路3」においても5つの番組付随情報の全てを取得することはできないため(SA7、No)、さらに番組付随情報「5」を取得可能な「経路4」を探索する(SA7)。
【0052】
図3に戻り、探索した走行経路において全ての番組付随情報を取得可能な場合(SA7、Yes)、案内制御部73はSA6及びSA8で探索した各走行経路における番組付随情報の取得効率を特定する(SA9)。例えば、基準走行経路における番組付随情報の取得可能数と各走行経路における番組付随情報の取得可能数との差分を、基準走行経路の走行時間と各走行経路の走行時間との差分で除した値を、番組付随情報の取得効率として特定することができる。すなわち、基準走行経路における走行時間を基準として、走行時間を単位時間増加させた場合の番組付随情報の取得可能数の増加数を取得効率として特定する。あるいは、基準走行経路における番組付随情報の取得可能数と各走行経路における番組付随情報の取得可能数との差分を、基準走行経路の走行距離と各走行経路の走行距離との差分で除した値を、番組付随情報の取得効率として特定してもよい。すなわち、基準走行経路における走行距離を基準として、走行距離を単位距離増加させた場合の番組付随情報の取得可能数の増加数を取得効率として特定してもよい。
【0053】
続いて案内制御部73は、SA1で探索した基準走行経路、並びにSA6及びSA8で探索した各走行経路の種別を特定する(SA10)。例えば図4の例では、基準走行経路である「経路1」は、目的地までの所要時間又は走行距離が最短となる走行経路であることから、例えば経路種別が「所要時間優先」であると特定される。また、「経路3」については、SA9で特定した番組付随情報の取得効率が最大となる走行経路であることから、経路種別が「取得効率優先」であると特定される。また、「経路4」については、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路であることから、経路種別が「取得可能数優先」であると特定される。
【0054】
続いて案内制御部73は、SA1で探索した基準走行経路、並びにSA6及びSA8で探索した走行経路に関する情報を、ディスプレイ60やスピーカ50を介して出力させる(SA11)。図5は、各走行経路について出力される情報の内容を例示した表である。例えば、基準走行経路である「経路1」については、SA10で特定した経路種別が「所要時間優先」である旨や、1つの番組付随情報を取得可能である旨が出力される。また、「経路2」については、基準走行経路と比較して走行時間を10分増加させることで、2つの番組付随情報を取得可能である旨が出力される。また、「経路3」については、SA10で特定した経路種別が「取得効率優先」である旨や、基準走行経路と比較して走行時間を25分増加させることで、4つの番組付随情報を取得可能である旨が出力される。また、「経路4」については、SA10で特定した経路種別が「取得可能数優先」である旨や、基準走行経路と比較して走行時間を50分増加させることで、5つの番組付随情報の全てを取得可能である旨が出力される。これらの情報と共に、図4に示した平面図や時系列図をディスプレイ60に表示させてもよい。
【0055】
図3に戻り、案内制御部73は、SA11で出力した各走行経路の何れかが操作部10を介して選択されるまで待機し(SA12、No)、走行経路が選択された場合(SA12、Yes)、案内制御部73はディスプレイ60やスピーカ50を介して当該選択された走行経路を案内する(SA3)。その後、制御部70は案内制御処理を終了する。
【0056】
(効果)
このように実施の形態1によれば、番組情報取得部71によって番組付随情報が取得されるタイミングを特定し、当該特定されたタイミングに基づき、番組付随情報の全部又は一部を取得可能な走行経路を案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報の全部又は一部を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる。すなわち、目的地までの走行中にユーザが番組を視聴している間に、当該番組に関連する番組付随情報を取得可能な走行経路を案内することができる。また、目的地に到着して車両を停車させた後に番組付随情報を取得するためにエンジンをアイドリングさせる場合と比較して、番組付随情報を取得するまで車両を走行させる方が二酸化炭素の排出量や騒音の発生、あるいはエンジンオイルの劣化等を低減することができ、地球環境への負荷を抑制することができる。
【0057】
特に、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路を案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報の全部を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる。すなわち、目的地までの走行中にユーザが番組を視聴している間に、当該番組に関連する全ての番組付随情報を取得可能な走行経路を案内することができる。
【0058】
また、番組付随情報の取得効率が最大となる走行経路を案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報を目的地までの走行中に効率よく取得可能な走行経路を案内することができる。すなわち、目的地までの走行中にユーザが番組を視聴している間に、当該番組に関連する番組付随情報を効率よく取得可能な走行経路を案内することができる。
【0059】
特に、基準走行経路における番組付随情報の取得可能数と走行経路における番組付随情報の取得可能数との差分と、当該基準走行経路の走行時間と当該走行経路の走行時間との差分又は当該基準走行経路の走行距離と当該走行経路の走行距離との差分とに基づき、当該走行経路における取得効率を特定するので、番組付随情報の取得効率を適切に特定することができる。
【0060】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、目的地到着後に番組情報取得部71が動作可能な動作時間を推定する形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0061】
(構成)
まず、実施の形態2に係るナビゲーション装置1の構成を説明する。なお、実施の形態2に係るナビゲーション装置1の構成は制御部70を除いて実施の形態1と同様であるので、ブロック図の図示を省略する。
【0062】
(構成−制御部)
実施の形態2に係る制御部70は、番組情報取得部71、取得タイミング特定部72、案内制御部73、及び経路探索部74に加えて動作時間推定部(図示省略)を備えている。動作時間推定部は、目的地到着後に番組情報取得部71が動作可能な動作時間を推定する動作時間推定手段である。
【0063】
(処理)
次に、実施の形態2に係る案内制御処理について説明する。図6は案内制御処理のフローチャートである。なお、SB1からSB8は図3のSA1からSA8と、SB11は図3のSA9と、SB14は図3のSA12と同じであるので、説明を省略する。
【0064】
SB7において、SB6又はSB8で探索した走行経路において全ての番組付随情報を取得可能と判定した場合(SB7、Yes)、動作時間推定部は目的地到着後に番組情報取得部71が動作可能な動作時間を走行経路毎に推定する(SB9)。ここで動作時間推定部は、走行経路毎に目的地到着時におけるバッテリ(図示省略)の残量を予測し、当該予測したバッテリの残量に基づき動作時間を推定する。例えば、動作時間推定部は現在のバッテリ残量を特定すると共に、各走行経路を目的地まで走行した場合におけるバッテリへの充電量を走行距離、時間帯、天候、気温等に基づいて推定することにより、目的地到着時におけるバッテリの残量を予測する。そして、当該予測したバッテリ残量とナビゲーション装置1の消費電力とに基づき、番組情報取得部71が動作可能な動作時間を推定する。
【0065】
図7は走行経路と取得可能な番組付随情報とを例示した図であり、図7(a)は各走行経路において取得可能な番組付随情報を示した平面図、図7(b)は各走行経路において番組情報が取得されるタイミングを時系列で示した図である。図7に示したように、「経路1」において目的地到着後に番組情報取得部71が動作可能な動作時間(T)の間に取得可能な番組付随情報の数は番組付随情報「1」の1つとなっている。また、「経路2」において目的地到着後に番組情報取得部71が動作可能な動作時間(T)の間に取得可能な番組付随情報の数は番組付随情報「3」及び「4」の2つとなっている。また、「経路3」において目的地到着後に番組情報取得部71が動作可能な動作時間(T)の間に取得可能な番組付随情報はない。
【0066】
図6に戻り、案内制御部73は、動作時間推定部により推定された動作時間に基づき、目的地到着後に番組情報取得部71が取得可能な番組付随情報の数を特定する(SB10)。すなわち、目的地の到着後、番組情報取得部71が動作可能な動作時間内に配信される番組付随情報の数を、SB4で特定した番組付随情報の取得タイミングに基づき特定する。
【0067】
SB11で各走行経路における番組付随情報の取得効率を特定した後、案内制御部73は、SB1で探索した基準走行経路、並びにSB6及びSB8で探索した各走行経路の種別を特定する(SB12)。例えば図7の例では、基準走行経路である「経路1」は、目的地までの所要時間又は走行距離が最短となる走行経路であることから、例えば経路種別が「所要時間優先」であると特定される。また、「経路2」については、SB11で特定した番組付随情報の取得効率が最大となる走行経路であることから、経路種別が「取得効率優先」であると特定される。また、「経路4」については、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路であることから、経路種別が「取得可能数優先」であると特定される。
【0068】
続いて案内制御部73は、SB1で探索した基準走行経路、並びにSB6及びSB8で探索した走行経路に関する情報を、ディスプレイ60やスピーカ50を介して出力させる(SB13)。図8は、各走行経路について出力される情報の内容を例示した表である。例えば、「経路1」については、SB12で特定した経路種別が「所要時間優先」である旨や、合計で2つの番組付随情報を取得可能であり、そのうち1つの番組付随情報を目的地までの走行中に取得可能である旨が出力される。また、「経路2」については、SB12で特定した経路種別が「取得効率優先」である旨や、基準走行経路と比較して走行時間を10分増加させることで、4つの番組付随情報を取得可能であり、そのうち2つの番組付随情報を目的地までの走行中に取得可能である旨が出力される。また、「経路3」については、基準走行経路と比較して走行時間を25分増加させることで、4つの番組付随情報を走行中に取得可能である旨が出力される。また、「経路4」については、SB12で特定した経路種別が「取得可能数優先」である旨や、基準走行経路と比較して走行時間を50分増加させることで、5つの番組付随情報の全てを走行中に取得可能である旨が出力される。これらの情報と共に、図7に示した平面図や時系列図をディスプレイ60に表示させてもよい。
【0069】
(効果)
このように実施の形態2によれば、実施の形態1における基本的な効果に加えて、目的地到着後に番組情報取得部71が動作可能な動作時間に基づき、目的地到着後に番組情報取得部71が取得可能な番組付随情報について案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報のうち、目的地までの走行中に取得できない番組付随情報については目的地到着後に取得し、後日活用することができる。
【0070】
特に、目的地到着時における番組情報取得部71のバッテリの残量を予測し、当該予測したバッテリの残量に基づき、目的地到着後に番組情報取得部71が動作可能な動作時間を推定するので、目的地到着後にエンジンを停止しバッテリのみによって番組情報取得部71が動作可能な動作時間を推定することができる。これにより、目的地に到着して車両を停車させた後に番組付随情報を取得するためにエンジンをアイドリングさせる場合と比較して、二酸化炭素の排出量や騒音の発生、あるいはエンジンオイルの劣化等を低減することができ、地球環境への負荷を抑制することができる。
【0071】
また、目的地到着前に番組情報取得部71が取得可能な番組付随情報について案内するための制御を行うので、番組の進行に合わせて分割して配信される番組付随情報のうち、目的地までの走行中にユーザが番組を視聴している間に取得可能な番組付随情報について案内することができる。これにより、ユーザが目的地までの走行中に視聴することから当該ユーザの印象に残りやすい番組内容に関連する番組付随情報を取得し、後日有効に活用することができる。
【0072】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、番組情報取得部71によって取得される番組付随情報の属性を特定する形態である。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0073】
(構成)
まず、実施の形態3に係るナビゲーション装置1の構成を説明する。なお、実施の形態3に係るナビゲーション装置1の構成は制御部70、及びデータ記録部80を除いて実施の形態1と同様であるので、ブロック図の図示を省略する。
【0074】
(構成−番組受信部)
本実施の形態3においては、番組付随情報には、番組の進行に合わせて配信されるPOI情報や懸賞情報等の番組付随情報のジャンルや当該番組付随情報に関連する地域(例えばPOIの所在地域)等、番組付随情報の属性を特定する属性情報が含まれる。なお、この属性情報は番組受信部30ではなく通信部40によって別途受信されることとしてもよい。
【0075】
(構成−制御部)
実施の形態3に係る制御部70は、番組情報取得部71、取得タイミング特定部72、案内制御部73、及び経路探索部74に加えて属性特定部(図示省略)を備えている。属性特定部は、番組情報取得部71によって取得される番組付随情報の属性を特定する属性特定手段である。
【0076】
(構成−データ記録部)
図9は、実施の形態3に係る配信タイムテーブル82に格納されている情報を例示した表である。図9に示すように、配信タイムテーブル82には、項目「番組名称」、「放送局名称」、「情報ID」、及び「配信予定時刻」に加えて、項目「ジャンル」及び「地域」に対応する情報が相互に関連付けて格納されている。項目「ジャンル」に対応して格納される情報は、番組付随情報のジャンルを特定するための属性情報である。項目「地域」に対応して格納される情報は、番組付随情報に関連する地域を特定するための属性情報である。
【0077】
(処理)
次に、実施の形態3に係る案内制御処理について説明する。図10は案内制御処理のフローチャートである。なお、SC1からSC4は図3のSA1からSA4と、SC6からSC10は図3のSA5からSA9と、SC14は図3のSA12と同じであるので、説明を省略する。
【0078】
SC4において、番組の進行に合わせて配信される番組付随情報が番組情報取得部71によって取得されるタイミングを特定した後、属性特定部は配信タイムテーブル82を参照し、番組情報取得部71によって取得される番組付随情報の属性を特定する(SC5)。図9の例では、番組名称「PS」の番組を視聴していた場合、情報ID「001」の番組付随情報のジャンルはレストランであり、関連する地域は東海地方であることが特定される。また、情報ID「002」の番組付随情報のジャンルはレジャーであり、関連する地域は愛知県であることが特定される。また、情報ID「003」の番組付随情報のジャンルは買い物であり、関連する地域は岡崎市であることが特定される。また、情報ID「004」の番組付随情報のジャンルはレジャーであり、関連する地域は名古屋市であることが特定される。また、情報ID「005」の番組付随情報のジャンルは買い物であり、関連する地域は静岡県であることが特定される。
【0079】
SC10において各走行経路における番組付随情報の取得効率を特定した後、案内制御部73は、SC5で属性特定部によって特定された番組付随情報の属性に基づき、所定の属性を有する番組付随情報を取得可能な走行経路を特定する(SC11)。ここで、「所定の属性」の具体的な内容は任意で、例えばユーザが案内を希望する番組付随情報の属性として予め設定される。
【0080】
図11は走行経路と取得可能な番組付随情報とを例示した図であり、図11(a)は各走行経路において取得可能な番組付随情報を示した平面図、図11(b)は各走行経路において番組情報が取得されるタイミングを時系列で示した図である。例えば、ユーザが案内を希望する番組付随情報のジャンルとして「レジャー」が予め設定されている場合、ジャンルが「レジャー」の番組付随情報「2」を取得可能な走行経路として「経路2」が特定され、ジャンルが「レジャー」の番組付随情報「2」及び「4」を取得可能な走行経路として「経路3」及び「経路4」が特定される。
【0081】
図10に戻り、SC11で所定の属性を有する番組付随情報を取得可能な走行経路を特定した後、案内制御部73は、SC1で探索した基準走行経路、並びにSC7及びSC9で探索した各走行経路の種別を特定する(SC12)。例えば図11の例では、基準走行経路である「経路1」は、目的地までの所要時間又は走行距離が最短となる走行経路であることから、例えば経路種別が「所要時間優先」であると特定される。また、「経路3」については、SC10で特定した番組付随情報の取得効率が最大となる走行経路であることから、経路種別が「取得効率優先」であると特定される。さらに、ジャンルが「レジャー」の2つの番組付随情報を全て取得可能であることから、経路種別が「属性優先」でもあると特定される。また、「経路4」については、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路であることから、経路種別が「取得可能数優先」であると特定される。
【0082】
続いて案内制御部73は、SC1で探索した基準走行経路、SC7及びSC9で探索した走行経路、並びにSC11で特定した走行経路に関する情報を、ディスプレイ60やスピーカ50を介して出力させる(SC13)。図12は、各走行経路について出力される情報の内容を例示した表である。例えば、「経路2」については、基準走行経路と比較して走行時間を10分増加させることで、2つの番組付随情報を取得可能である旨に加えて、ジャンルが「レジャー」の番組付随情報を1つ取得可能である旨が出力される。また、「経路3」については、SC12で特定した経路種別が「取得効率優先」及び「属性優先」である旨や、基準走行経路と比較して走行時間を25分増加させることで、4つの番組付随情報を取得可能である旨が出力される。また、「経路4」については、SC12で特定した経路種別が「取得可能数優先」である旨や、基準走行経路と比較して走行時間を50分増加させることで、5つの番組付随情報の全てを走行中に取得可能であり、ジャンルが「レジャー」の2つの番組付随情報を全て取得可能である旨が出力される。これらの情報と共に、図11に示した平面図や時系列図をディスプレイ60に表示させてもよい。
【0083】
(効果)
このように実施の形態3によれば、実施の形態1における基本的な効果に加えて、属性特定部によって特定された番組付随情報の属性に基づき、所定の属性を有する番組付随情報を取得可能な走行経路を案内するための制御を行うので、例えばユーザの嗜好に合致する属性を有する番組付随情報の全部又は一部を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる。
【0084】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4について説明する。この実施の形態4は、目的地までの許容走行時間又は許容走行距離を特定する形態である。なお、実施の形態4の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0085】
(構成)
まず、実施の形態4に係るナビゲーション装置1の構成を説明する。なお、実施の形態4に係るナビゲーション装置1の構成は制御部70を除いて実施の形態1と同様であるので、ブロック図の図示を省略する。
【0086】
(構成−制御部)
実施の形態4に係る制御部70は、番組情報取得部71、取得タイミング特定部72、案内制御部73、及び経路探索部74に加えて、許容走行量特定部(図示省略)を備えている。許容走行量特定部は、目的地までの許容走行時間又は許容走行距離を特定する許容走行量特定手段である。
【0087】
(処理)
次に、実施の形態4に係る案内制御処理について説明する。図13は案内制御処理のフローチャートである。なお、SD1からSD4は図3のSA1からSA4と、SD6からSD10は図3のSA5からSA9と、SD12は図3のSA10と、SD14は図3のSA12と同じであるので、説明を省略する。
【0088】
SD4において、番組の進行に合わせて配信される番組付随情報が番組情報取得部71によって取得されるタイミングを特定した後、許容走行量特定部は目的地までの許容走行時間又は許容走行距離を特定する(SD5)。ここで、「許容走行時間」の具体的な内容は任意で、目的地に到着するまでに許容される走行時間や、目的地への到着許容時刻等を特定する。また、許容走行時間の特定方法は任意で、例えば操作部10を介してユーザから入力された時間を許容走行時間として特定する。あるいは、携帯情報端末のスケジュール情報をネットワーク(図示省略)を介して取得し、当該スケジュール情報に基づき、次の予定開始時刻を許容走行時間(到着許容時刻)として特定してもよい。また、「許容走行距離」の具体的な内容は任意で、例えば目的地に到着するまでに許容される走行距離を特定する。また、許容走行距離の特定方法は任意で、例えば操作部10を介してユーザから入力された距離を許容走行距離として特定する。
【0089】
SD10において各走行経路における番組付随情報の取得効率を特定した後、案内制御部73は、SD5で許容走行量特定部により特定された許容走行時間又は許容走行距離内に目的地に到達可能な走行経路を特定する(SD11)。
【0090】
図14は走行経路と取得可能な番組付随情報とを例示した図であり、図14(a)は各走行経路において取得可能な番組付随情報を示した平面図、図14(b)は各走行経路において番組情報が取得されるタイミングを時系列で示した図である。図14の例では、許容走行時間内に目的地に到達可能な走行経路として、「経路1」及び「経路2」が特定される。
【0091】
図13に戻り、SD12において、SD1で探索した基準走行経路、並びにSD7及びSD9で探索した各走行経路の種別を特定した後、案内制御部73は、SD1で探索した基準走行経路、SD7及びSD9で探索した走行経路、並びにSD11で特定した走行経路のうち番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路に関する情報を、ディスプレイ60やスピーカ50を介して出力させる(SD13)。図15は各走行経路について出力される情報の内容を例示した表である。図15に示したように、「経路2」については、基準走行経路と比較して走行時間を10分増加させることで、2つの番組付随情報を取得可能である旨に加えて、許容走行時間内に目的地に到達可能な走行経路のうち、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路である旨が出力される。また、「経路3」及び「経路4」については、実施の形態1で図5に例示した内容に加えて、許容走行時間内に目的地に到達不可能な走行経路である旨が出力される。これらの情報と共に、図14に示した平面図や時系列図をディスプレイ60に表示させてもよい。
【0092】
(効果)
このように実施の形態4によれば、実施の形態1における基本的な効果に加えて、許容走行時間内又は許容走行距離内に目的地に到達可能な走行経路のうち、番組付随情報の取得可能数が最大となる走行経路を案内するための制御を行うので、例えばユーザの空き時間の範囲内やユーザにより設定された許容走行距離の範囲内で最大限の番組付随情報を目的地までの走行中に取得可能な走行経路を案内することができる。
【0093】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0094】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0095】
(各実施の形態の相互の関係について)
上記説明した各実施の形態は、任意の組み合わせで相互に組み合わせることができる。例えば、実施の形態2と実施の形態4とを組み合わせて、許容走行時間内又は許容走行距離内に目的地に到達可能な走行経路のうち、走行中及び目的地到着後に取得可能な番組付随情報の合計数が最大となる走行経路を案内するための制御を行うようにしてもよい。
【0096】
(ナビゲーション装置について)
上述の各実施の形態では、ナビゲーション装置1が車両に搭載されている場合を例として説明したが、ナビゲーション機能を有する携帯情報端末にナビゲーション装置1を搭載してもよい。
【0097】
(案内制御処理について)
上述の各実施の形態では、探索した走行経路に関する情報をディスプレイ60やスピーカ50を介して出力させる際に(図3のSA11、図6のSB13、図10のSC13、図13のSD13)、番組付随情報の取得可能数を案内する場合を例として説明したが、番組の進行に合わせて分割して配信される全て番組付随情報のうち取得可能な割合を案内するようにしてもよい。例えば、図5、図12、又は図15のテーブル項目「取得可能情報数」や図8のテーブル項目「合計取得可能情報数」に対応する情報が「1/5」である場合、これを「20%」として出力してもよい。また、番組付随情報が全5個配信される場合において1個の番組付随情報を取得可能な場合、「1個(20%)の情報を取得可能です。」、あるいは「20%の情報を取得可能です。」との情報を出力するようにしてもよい。
【0098】
また、上述の各実施の形態では、基準走行経路における番組付随情報の取得可能数と各走行経路における番組付随情報の取得可能数との差分を、基準走行経路の走行時間と各走行経路の走行時間との差分で除した値を、番組付随情報の取得効率として特定すると説明したが、他の方法で取得効率を特定してもよい。例えば、基準走行経路における番組付随情報の取得可能数を基準とした場合の各走行経路における番組付随情報の取得可能数の増加率を、基準走行経路の走行時間と各走行経路の走行時間との差分で除した値を、番組付随情報の取得効率として特定するようにしてもよい。
【0099】
また、上述の各実施の形態では、「全ての番組付随情報」とは、ディスプレイ60やスピーカ50を介した番組の出力開始後(ユーザによる番組の視聴開始後)に当該番組の進行に合わせて配信される全ての番組付随情報を意味すると説明したが、ディスプレイ60やスピーカ50を介した番組の出力開始時点で配信済みの番組付随情報を遡って取得可能としてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 ナビゲーション装置
10 操作部
20 現在位置検出処理部
30 番組受信部
40 通信部
50 スピーカ
60 ディスプレイ
70 制御部
71 番組情報取得部
72 取得タイミング特定部
73 案内制御部
74 経路探索部
80 データ記録部
81 地図情報DB
82 配信タイムテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の目的地までの走行経路を案内するナビゲーション装置であって、
1又は2以上の番組付随情報を含む番組情報を取得する番組情報取得手段と、
前記番組情報取得手段によって前記番組付随情報が取得されるタイミングを特定する取得タイミング特定手段と、
前記取得タイミング特定手段によって特定されたタイミングに基づき、前記番組付随情報の全部又は一部を取得可能な走行経路を案内するための制御を行う制御手段と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記番組付随情報の取得可能数が最大となる前記走行経路を案内するための制御を行う、
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記番組付随情報の取得効率が最大となる前記走行経路を案内するための制御を行う、
請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記目的地までの所要時間又は走行距離が最短となる基準走行経路における前記番組付随情報の取得可能数と前記走行経路における前記番組付随情報の取得可能数との差分と、当該基準走行経路の走行時間と当該走行経路の走行時間との差分又は当該基準走行経路の走行距離と当該走行経路の走行距離との差分とに基づき、当該走行経路における前記取得効率を特定する、
請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記番組情報取得手段によって取得される前記番組付随情報の属性を特定する属性特定手段を備え、
前記制御手段は、
前記属性特定手段によって特定された前記番組付随情報の属性に基づき、所定の属性を有する前記番組付随情報を取得可能な前記走行経路を案内するための制御を行う、
請求項1から4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記目的地までの許容走行時間又は許容走行距離を特定する許容走行量特定手段を備え、
前記制御手段は、
前記許容走行量特定手段により特定された前記許容走行時間内又は前記許容走行距離内に前記目的地に到達可能な前記走行経路のうち、前記番組付随情報の取得可能数が最大となる前記走行経路を案内するための制御を行う、
請求項1から5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記目的地到着後に前記番組情報取得手段が動作可能な動作時間を推定する動作時間推定手段を備え、
前記制御手段は、
前記動作時間推定手段により推定された前記動作時間に基づき、前記目的地到着後に前記番組情報取得手段が取得可能な前記番組付随情報について案内するための制御を行う、
請求項1から6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記動作時間推定手段は、
前記目的地到着時における前記番組情報取得手段の電源の残量を予測し、当該予測した電源の残量に基づき、前記動作時間を推定する、
請求項7に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記制御手段は、
前記目的地到着前又は前記目的地到着後に前記番組情報取得手段が取得可能な前記番組付随情報のうち、前記目的地到着前に前記番組情報取得手段が取得可能な前記番組付随情報について案内するための制御を行う、
請求項1から8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
所定の目的地までの走行経路を案内するナビゲーション方法であって、
1又は2以上の番組付随情報を含む番組情報を取得する番組情報取得ステップと、
前記番組情報取得ステップで前記番組付随情報が取得されるタイミングを特定する取得タイミング特定ステップと、
前記取得タイミング特定ステップで特定されたタイミングに基づき、前記番組付随情報の全部又は一部を取得可能な走行経路を案内するための制御を行う制御ステップと、
を含むナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項10に記載の方法をコンピュータに実行させるナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−137660(P2011−137660A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−296312(P2009−296312)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】