ナビゲーション装置
【課題】
表示モニタに表示された道路をなぞらなくても交差点に右左折を指定することによって、乗員の希望するルートで目的地までの経路誘導を受けることができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
乗員は右折入力ボタン33を押圧して有効にし、交差点26,28を押圧すると、交差点26,28に右折指示を指定することができる。また、左折入力ボタン34を押圧して有効にし、交差点27,29を押圧すると、交差点27,29に左折指示を指定することができる。車両が交差点26,28に接近するとナビゲーション装置のスピーカから右折指示の経路誘導を受け、交差点27,29に接近すると左折指示の経路誘導を受ける。
表示モニタに表示された道路をなぞらなくても交差点に右左折を指定することによって、乗員の希望するルートで目的地までの経路誘導を受けることができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
乗員は右折入力ボタン33を押圧して有効にし、交差点26,28を押圧すると、交差点26,28に右折指示を指定することができる。また、左折入力ボタン34を押圧して有効にし、交差点27,29を押圧すると、交差点27,29に左折指示を指定することができる。車両が交差点26,28に接近するとナビゲーション装置のスピーカから右折指示の経路誘導を受け、交差点27,29に接近すると左折指示の経路誘導を受ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地へ経路誘導するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの通過経路を設定する際、表示画面に表示された道路を指又はタッチペンによりトレースすることによって、通過を希望する道路を設定するナビゲーション装置が、従来技術として知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−111354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているナビゲーション装置では、目的地までの経路誘導を行うためには、ユーザが指で画面上に表示されている道路をトレースして、通過を希望する道路を設定しなくてはならない。この道路をトレースする操作は、指やタッチペンが道路から外れないように神経を集中しなくてはならないので容易な操作とはいえない。特に、右ハンドル車に設けられたナビゲーション装置の場合は、左手でトレースしなくてはならないので、トレースする操作の困難性が増すという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明は、表示モニタに道路地図を表示する道路地図表示手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段とを備えたナビゲーション装置において、道路地図に表示された交差点に右折指示または左折指示を指定する指定手段と、指定手段によって指定された交差点に前記車両が所定の距離近づくと右折指示または左折指示する誘導手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、指定手段は、交差点を押圧すると交差点に右折指示が指定されることになる右折入力ボタンと、交差点を押圧すると交差点に左折指示が指定されることになる左折入力ボタンとを表示モニタに表示し、右折入力ボタンまたは左折入力ボタンを押圧した後、道路地図に表示された交差点を押圧することによって交差点に右折指示または左折指示を指定することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、指定手段は、車両が右折または左折する交差点毎に指定することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、指定手段は、指定された交差点に右折または左折を示すマークを表示することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、誘導手段は、指定手段によって指定された交差点に車両が所定の距離近づくと右折または左折を示すマークが表示されることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載のナビゲーション装置において、誘導手段は、車両の進行方向が表示モニタの略上を向くように道路地図の表示方向が変更される場合、右折または左折を示すマークの右折または左折を示す方向が車両の進行方向に関係なく略一定であり、道路地図の表示方向が一定である場合、車両が交差点を右折または左折する方向と右折または左折を示すマークの右折または左折を示す方向とが略一致することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、道路上をなぞらなくても交差点に右左折を指定することによって、乗員の希望するルートで目的地までの経路誘導を受けることができる。したがって、簡単な操作で乗員の希望するルートで目的地までの経路誘導を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、タッチパネル18を押圧することによって、道路地図上の所望の位置を指定することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19およびディスクドライブ111を有している。
【0007】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出し、タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の押圧位置を算出する。ディスクドライブ111には、表示モニタ16に表示する地図データが記録されたDVD−ROM112が装填される。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、乗員の要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が探索ルートとして表示モニタ16に表示される。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどからなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ111によって読み込まれるDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示など行うことができる。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示として乗員に提供する。スピーカ17は、乗員の各種入力操作をガイトしたり、乗員に対し経路誘導するためなどの音声を発生する。入力装置18は、乗員が各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、リモコンなどによって実現される。乗員は、表示モニタ16の表示画面の指示に従って入力装置18を手動で操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。
【0012】
上述したとおり、タッチパネル19は表示モニタ16のモニタ画面上に設けられた透明パネルであり、表示モニタ16に表示した表示画面はタッチパネル19を通して表示される。また、表示モニタ16の表示画面を押圧するとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は入力装置18と同様に入力機能を有する。表示モニタ16に表示された地図画面や各種ボタン、表示メニューなどを指で押圧するとタッチパネル19が押圧され、タッチパネルコントロール部110によって押圧位置が算出される。そして、算出された押圧位置は制御回路11に入力され、目的地を設定したり、各種ボタンや表示メニューに対応する機能を実行させたりする。
【0013】
目的地が乗員により設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められたルート(以下、探索ルートという)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、乗員は地図上の探索ルートを画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、探索ルートに従って車両が走行できるように、乗員に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0014】
ナビゲーション装置1は、目的地までの経路演算を行い、目的地までの探索ルートを探索するほかに、誘導交差点の右左折指示を指定することによって目的地までのルートを設定することができる。そして、ナビゲーション装置1は、探索ルートに従って車両が走行できるように経路誘導するほかに、誘導交差点の右左折指示を指定することによって設定されたルートにしたがって車両が走行できるように経路誘導する。詳細は後述する。
【0015】
ディスクドライブ111は、装填されたDVD−ROM112から、表示モニタ16へ地図を表示するための地図データを読み出す。なお、DVD−ROM112以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0016】
次に、タッチパネルを押圧することによって誘導交差点の右左折を指定し、乗員の希望するルートで目的地まで経路誘導を受けるための操作を、図2〜8を参照して説明する。図2は、乗員が希望する出発地から目的地まで至るためのルートを説明するための図である。乗員は、ルート23で出発地21から目的地22まで進行することを希望しているものとする。ここで、ルート23は、出発地21から道路24aを通過し、交差点26を右折して道路25aを通過し、交差点27を左折して道路24bを通過し、交差点28を右折して道路25bを通過し、交差点29を左折して道路24cを通過して目的地22に至るルートである。
【0017】
交差点の右左折を指定することによって目的地までの経路誘導を設定するための不図示の設定入力ボタンを乗員が押圧すると、表示モニタ16には図3に示す表示画面が表示される。表示画面には道路地図31とともに道路地図31に重ねて、右左折指定領域32が表示される。道路地図31には、道路24a〜24cおよび道路25a,25bが表示されるものとする。右左折指定領域32には、右折入力ボタン33と左折入力ボタン34とが表示される。
【0018】
右折入力ボタン33を押圧すると右折入力ボタン33は有効の状態になり、その状態で道路地図31上の交差点を押圧すると、自車両がその交差点に接近したとき右折を指示するように指定することができる。有効の状態になっている右折入力ボタン33をさらに押圧すると右折入力ボタン33は無効となる。そして、無効の状態で交差点を押圧しても指定されない。また、左折入力ボタン34を押圧して左折入力ボタン34を有効にすると、自動的に右折入力ボタン33は無効になる。
【0019】
左折入力ボタン34を押圧すると左折入力ボタン34は有効の状態になり、その状態で道路地図31上の交差点を押圧すると、自車両がその交差点に接近したとき左折を指示するように指定することができる。有効の状態になっている左折入力ボタン34をさらに押圧すると左折入力ボタン34は無効となる。そして、無効の状態で交差点を押圧しても指定されない。また、右折入力ボタン33を有効にすると、自動的に左折入力ボタン34は無効になる。
【0020】
乗員は、希望するルート23で出発地21から目的地22に至るためには、交差点26,28を右折しなくてはならない。したがって、図4に示すように、乗員は指41で右折入力ボタン33を押圧して有効にし、交差点26,28を指41で押圧する。交差点26,28を押圧して、右折を指示するように指定すると、右折マーク42,43が表示される。
【0021】
乗員は、希望するルート23で出発地21から目的地22に至るためには、交差点27,29を左折しなくてはならない。したがって、図5に示すように、乗員は指41で左折入力ボタン34を押圧して有効にし、交差点27,29を指41で押圧する。交差点27,29を押圧して、左折を指示するように指定すると左折マーク51,52が表示される。
【0022】
次に、交差点における右左折指示を指定することによってルートを設定したナビゲーション装置1の経路誘導について図6を参照して説明する。図6は、自車両61が交差点27に接近し、ナビゲーション装置1より左折指示の経路誘導を受けるときに表示モニタ16に表示される表示画面を説明するための図である。表示モニタ16に表示される道路地図31は自車両61の向きに関係なく北を上にして表示される。ナビゲーション装置1が経路誘導を実行しているとき、道路地図31には、原則、右折マーク42,43および左折マーク51,52は表示されない。しかし、自車両61が右折または左折を指示するように指定した交差点に所定の距離内で接近すると、右折マーク42,43または左折マーク51,52が表示される。交差点27においては左折を指示するように指定したので、自車両が交差点27に接近すると左折マーク51が表示される。そして、乗員に対し経路誘導するためにスピーカ17から「ポン、次の交差点を左折してください。」という音声を発生する。
【0023】
次に、交差点の右左折指定処理を図7および図8のフローチャートを参照して説明する。図7および図8の処理は、交差点に右左折指示を指定することによって目的地までの経路誘導を設定する不図示の設定入力ボタンを乗員が押圧するとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0024】
ステップS701では、右折入力ボタン33が有効か否かを判定する。有効の場合は、ステップS701が肯定判定され、ステップS702へ進む。無効の場合はステップS701が否定判定され、ステップS801へ進む。右折入力ボタン33は無効の状態で押圧されると有効になり、有効の状態で押圧されると無効となる。また、左折入力ボタン34が有効になると右折入力ボタン33は無効になる。ステップS702では、交差点が押圧されたか否かを判定する。交差点が押圧されたか否かは、押圧したタッチパネル上の位置を道路地図31上の位置座標に変換し、その位置座標を中心とした所定範囲内に交差点に対応するノード、つまり3つ以上のリンクが接続しているノードが存在するか否かを検出することによって実行する。交差点が押圧された場合は、ステップS702が肯定判定され、ステップS703へ進む。交差点が押圧されていない場合は、ステップS701へ戻る。ステップS703では、押圧された交差点に対応するノードのノード情報に右折指示の情報を付加することによって、押圧された交差点に右折指示のフラグを設定する。ステップS704では、押圧された交差点に右折マークを表示する。そして、ステップS701へ戻る。
【0025】
図8のステップS801では、左折入力ボタン34が有効か否かを判定する。有効の場合は、ステップS801が肯定判定され、ステップS802へ進む。無効の場合はステップS801が否定判定され、リターンする。左折入力ボタン34は無効の状態で押圧されると有効になり、有効の状態で押圧されると無効となる。また、右折入力ボタン33が有効になると左折入力ボタン34は無効になる。ステップS802では、交差点が押圧されたか否かを判定する。交差点が押圧された場合は、ステップS802が肯定判定され、ステップS803へ進む。交差点が押圧されていない場合は、ステップS801へ戻る。ステップS803では、押圧された交差点に対応するノードのノード情報に左折指示の情報を付加することによって、押圧された交差点に左折指示のフラグを設定する。ステップS804では、押圧された交差点に左折マークを表示する。そして、ステップS801へ戻る。
【0026】
右折入力ボタン33が有効なときに左折指示のフラグが立てられた交差点が押圧された場合は、左折指示のフラグを取り消し、押圧された交差点には右折指示のフラグを立てる。一方、左折入力ボタン34が有効なときに右折指示のフラグが立てられた交差点が押圧された場合は、右折指示のフラグを取り消し、押圧された交差点には左折指示のフラグを立てる。このように、同じ交差点に右折指示と左折指示がなされた場合は後に指定された指示が有効となる。
【0027】
次に、本実施形態のナビゲーション装置1の経路誘導処理を図9を参照して説明する。図9の処理は、交差点に右左折を指定することによって設定した経路誘導を開始する不図示の経路誘導ボタンを乗員が押圧するとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される
【0028】
ステップS901では、現在地検出装置14によって自車両の現在位置を検出する。ステップS902では、自車両の進行方向にある最初の交差点を検出する。最初の交差点は次のように検出する。ステップS901で検出した現在位置とDVD−ROM112に記憶されている地図データより、現在地に対応するリンクを抽出する。そして、現在地に対応するリンクと自車両の進行方向で接続しているリンクを抽出して、そのリンクに対応するノードのノード情報を抽出する。そして、そのノード情報からノードが3つ以上のリンクと接続しているか判定をする。3つ以上のリンクと接続しているときは、そのノードが最初の交差点となる。ノードが3つ以上のリンクと接続していない場合は、隣のリンクを抽出して、そのリンクに対応するノード情報を抽出する。そして、同様にしてノードが3つ以上のリンクと接続しているか判定する。この判定を3つ以上のリンクに接続したノードに至るまで繰り返すことによって、自車両の進行方向にある最初の交差点を検出する。
【0029】
ステップS903では、最初の交差点に右折指示または左折指示のフラグが設定されているか否かを判定する。フラグが設定されている場合は、ステップS903が肯定判定されステップS904へ進む。フラグが設定されていない場合は、ステップS901へ戻る。ステップS904では、自車両の現在位置と交差点との間の距離を算出する。ステップS905では、算出した距離が所定の距離以内かを判定する。この判定によって、自車両が、右折または左折を指示するように設定した交差点に接近したか否かを判定する。所定の距離以内の場合は、ステップS905が肯定判定され、ステップS906へ進む。所定の距離に満たない場合は、ステップS905が否定判定され、ステップS904へ戻る。
【0030】
ステップS906では、フラグが右折指示のものであるか、左折指示のものであるかを判定する。右折指示の場合は、ステップS907へ進む。左折指示の場合は、ステップS909へ進む。ステップS907では、道路地図31に右折マーク42,43を表示する。そして、ステップS908で、スピーカ17で発生する音声によって、次の交差点を右折するように指示する。ステップS909では、道路地図31に左折マーク51,52を表示する。そして、ステップS910で、スピーカ17で発生する音声によって、次の交差点を左折するように指示する。
【0031】
以上の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)以上の実施の形態によれば、右折または左折する交差点を押圧するという簡単な操作によって、乗員の希望するルートで目的地までの経路誘導を受けることができる。
(2)目的地までの経路誘導を受けるために、目的地までのルート自体を設定するのではなく、右折したり左折したりする交差点つまり、目的地に至るまでのルートでポイントとなる地点のみ設定すればよいので、設定が簡単である。
(3)ナビゲーション装置1が経路誘導を行う交差点を乗員は自由に指定することができるので、経路誘導の必要な交差点のみにおいてナビゲーション装置1に経路誘導をさせることができる。したがって、経路誘導の必要がない交差点でナビゲーション装置1の音声による経路誘導を受け、煩わしいと思うようなことはない。
(4)目的地に至るために右折または左折する交差点が近づくと右折マーク42,43または左折マーク51,52が表示されるので、次の交差点で右折または左折しなくてはならないという注意を喚起することができる。
【0032】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)振動ジャイロ14aなどによって自車両16の進行方向を検出し、表示モニタ16に表示される道路地図31が、自車両61の方向が常に表示モニタ16の略上側に向くように表示される場合において、自車両61が交差点に接近したときに表示される右折マーク42,43または左折マーク51,52の向きを、道路地図31の向きが変わっても一定にすることができる。
たとえば、図10に示すように、自車両61の向きが上を向くように道路地図31方向が変更された場合においても、左折マーク51を左向きにする。このようにすることによって、自車両61が交差点27を曲がる方向と左折マーク51の矢印の方向が一致するのでわかりやすい。
(2)表示モニタ16に表示される道路地図31が常に北を上に向けて表示されるなど、略一定の方向に向けて道路地図を31を表示している場合、自車両61が交差点に接近すると表示する右折マーク42,43の右折を示す向きまたは左折マーク51,52の左折を示す向きを、自車両61が曲がる向きに合わせて表示するようにしてもよい。たとえば、図11に示すように、自車両61が交差点27に接近したときに、左折マーク51の矢印の向きを自車両61が交差点27を左折する方向に合うようにするため、自車両61が交差点27に進入するする角度に合わせて左折マーク51を回転して表示するようにしてもよい。自車両61の交差点27への進入角度は、自車両61の位置するリンクの向きを検出することによって算出する。自車両61が曲がる向きと右折マーク42,43または左折マーク51,52の向きとが一致するのでわかりやすい。
(3)乗員は、右折入力ボタン33または左折入力ボタン34を有効にした状態で、交差点を押圧することによって、所望の交差点に右折指示または左折指示を指定し、右折マーク42,43または左折マーク51,52を所望の交差点に表示した。しかし、右折入力ボタン33または左折入力ボタン34を指41で押圧し、押圧したまま指41を所望の交差点まで移動し(ドラッグし)、右折マーク42,43または左折マーク51,52を表示する交差点まで移動し、タッチパネル19から指41を離すと所望の交差点に右折指示または左折指示が指定され、右折マーク42,43または左折マーク51,52が表示されるようにしてもよい。たとえば、図12(a)に示すように、右折入力マーク33を指41で押圧して押圧したまま指41を交差点28まで移動し、図12(b)に示すように、指41を離すと交差点28に右折指示が指定され、右折マーク43が表示されるようにしてもよい。
(4)以上の実施の形態では、乗員は所望の交差点に右折指示または左折指示を指定し、右折マーク42,43または左折マーク51,52を所望の交差点に表示したが、右左折以外に、所望の交差点を右斜め上方向、右斜め下方向、左斜め上方向および左斜め下方向に曲がることを指定し、所望の交差点に右斜め上方向、右斜め下方向、左斜め上方向および左斜め下方向に曲がることを示すマークを表示するようにしてもよい。
【0033】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の道路地図表示手段は制御回路11および表示モニタ16に対応し、現在位置検出手段は現在地検出装置14に対応する。指定手段は制御回路11およびタッチパネル19に対応し、誘導手段は制御回路11、表示モニタ16およびスピーカ17に対応する。右折または左折を示すマークは、右折マーク42,43または左折マーク51,52に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】出発地から目的地までのルートを説明するための図である。
【図3】交差点の右左折指示を指定することによって目的地までの経路誘導を設定するときに表示モニタに表示される表示画面を説明するための図である。
【図4】交差点に右折指示を指定するための操作を説明するための図である。
【図5】交差点に左折指示を指定するための操作を説明するための図である。
【図6】左折指示が指定された交差点に車両が接近したときに表示モニタに表示される表示画面を説明するための図である。
【図7】交差点の右左折指定処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】交差点の右左折指定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態のナビゲーション装置の経路誘導処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】左折指示が指定された交差点に車両が接近したときに表示モニタに表示される別の表示画面を説明するための図である。
【図11】左折指示が指定された交差点に車両が接近したときに表示モニタに表示される別の表示画面を説明するための図である。
【図12】交差点に右折指示を指定するための操作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 スピーカ
19 タッチパネル
110 タッチパネルコントロール部
111 ディスクドライブ
112 DVD−ROM
21 出発地
22 目的地
23 ルート
24a〜24c,25a,25b 道路
26〜29 交差点
32 右左折指定領域
33 右折入力ボタン
34 左折入力ボタン
41 指
42,43 右折マーク
51,52 左折マーク
61 自車位置マーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地へ経路誘導するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの通過経路を設定する際、表示画面に表示された道路を指又はタッチペンによりトレースすることによって、通過を希望する道路を設定するナビゲーション装置が、従来技術として知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2000−111354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているナビゲーション装置では、目的地までの経路誘導を行うためには、ユーザが指で画面上に表示されている道路をトレースして、通過を希望する道路を設定しなくてはならない。この道路をトレースする操作は、指やタッチペンが道路から外れないように神経を集中しなくてはならないので容易な操作とはいえない。特に、右ハンドル車に設けられたナビゲーション装置の場合は、左手でトレースしなくてはならないので、トレースする操作の困難性が増すという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)請求項1の発明は、表示モニタに道路地図を表示する道路地図表示手段と、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段とを備えたナビゲーション装置において、道路地図に表示された交差点に右折指示または左折指示を指定する指定手段と、指定手段によって指定された交差点に前記車両が所定の距離近づくと右折指示または左折指示する誘導手段とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、指定手段は、交差点を押圧すると交差点に右折指示が指定されることになる右折入力ボタンと、交差点を押圧すると交差点に左折指示が指定されることになる左折入力ボタンとを表示モニタに表示し、右折入力ボタンまたは左折入力ボタンを押圧した後、道路地図に表示された交差点を押圧することによって交差点に右折指示または左折指示を指定することを特徴とする。
(3)請求項3の発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、指定手段は、車両が右折または左折する交差点毎に指定することを特徴とする。
(4)請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、指定手段は、指定された交差点に右折または左折を示すマークを表示することを特徴とする。
(5)請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、誘導手段は、指定手段によって指定された交差点に車両が所定の距離近づくと右折または左折を示すマークが表示されることを特徴とする。
(6)請求項6の発明は、請求項5に記載のナビゲーション装置において、誘導手段は、車両の進行方向が表示モニタの略上を向くように道路地図の表示方向が変更される場合、右折または左折を示すマークの右折または左折を示す方向が車両の進行方向に関係なく略一定であり、道路地図の表示方向が一定である場合、車両が交差点を右折または左折する方向と右折または左折を示すマークの右折または左折を示す方向とが略一致することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、道路上をなぞらなくても交差点に右左折を指定することによって、乗員の希望するルートで目的地までの経路誘導を受けることができる。したがって、簡単な操作で乗員の希望するルートで目的地までの経路誘導を受けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、タッチパネル18を押圧することによって、道路地図上の所望の位置を指定することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19およびディスクドライブ111を有している。
【0007】
タッチパネル19は、表示モニタ16の表面に積層される透明のタッチスイッチであり、表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の操作位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出し、タッチパネルコントロール部110はタッチパネル19の押圧位置を算出する。ディスクドライブ111には、表示モニタ16に表示する地図データが記録されたDVD−ROM112が装填される。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、乗員の要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。
【0008】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が探索ルートとして表示モニタ16に表示される。
【0009】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどからなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0010】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ111によって読み込まれるDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示など行うことができる。
【0011】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示として乗員に提供する。スピーカ17は、乗員の各種入力操作をガイトしたり、乗員に対し経路誘導するためなどの音声を発生する。入力装置18は、乗員が各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、リモコンなどによって実現される。乗員は、表示モニタ16の表示画面の指示に従って入力装置18を手動で操作することにより、目的地を選択して目的地を設定する。
【0012】
上述したとおり、タッチパネル19は表示モニタ16のモニタ画面上に設けられた透明パネルであり、表示モニタ16に表示した表示画面はタッチパネル19を通して表示される。また、表示モニタ16の表示画面を押圧するとタッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は入力装置18と同様に入力機能を有する。表示モニタ16に表示された地図画面や各種ボタン、表示メニューなどを指で押圧するとタッチパネル19が押圧され、タッチパネルコントロール部110によって押圧位置が算出される。そして、算出された押圧位置は制御回路11に入力され、目的地を設定したり、各種ボタンや表示メニューに対応する機能を実行させたりする。
【0013】
目的地が乗員により設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められたルート(以下、探索ルートという)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、乗員は地図上の探索ルートを画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、探索ルートに従って車両が走行できるように、乗員に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0014】
ナビゲーション装置1は、目的地までの経路演算を行い、目的地までの探索ルートを探索するほかに、誘導交差点の右左折指示を指定することによって目的地までのルートを設定することができる。そして、ナビゲーション装置1は、探索ルートに従って車両が走行できるように経路誘導するほかに、誘導交差点の右左折指示を指定することによって設定されたルートにしたがって車両が走行できるように経路誘導する。詳細は後述する。
【0015】
ディスクドライブ111は、装填されたDVD−ROM112から、表示モニタ16へ地図を表示するための地図データを読み出す。なお、DVD−ROM112以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0016】
次に、タッチパネルを押圧することによって誘導交差点の右左折を指定し、乗員の希望するルートで目的地まで経路誘導を受けるための操作を、図2〜8を参照して説明する。図2は、乗員が希望する出発地から目的地まで至るためのルートを説明するための図である。乗員は、ルート23で出発地21から目的地22まで進行することを希望しているものとする。ここで、ルート23は、出発地21から道路24aを通過し、交差点26を右折して道路25aを通過し、交差点27を左折して道路24bを通過し、交差点28を右折して道路25bを通過し、交差点29を左折して道路24cを通過して目的地22に至るルートである。
【0017】
交差点の右左折を指定することによって目的地までの経路誘導を設定するための不図示の設定入力ボタンを乗員が押圧すると、表示モニタ16には図3に示す表示画面が表示される。表示画面には道路地図31とともに道路地図31に重ねて、右左折指定領域32が表示される。道路地図31には、道路24a〜24cおよび道路25a,25bが表示されるものとする。右左折指定領域32には、右折入力ボタン33と左折入力ボタン34とが表示される。
【0018】
右折入力ボタン33を押圧すると右折入力ボタン33は有効の状態になり、その状態で道路地図31上の交差点を押圧すると、自車両がその交差点に接近したとき右折を指示するように指定することができる。有効の状態になっている右折入力ボタン33をさらに押圧すると右折入力ボタン33は無効となる。そして、無効の状態で交差点を押圧しても指定されない。また、左折入力ボタン34を押圧して左折入力ボタン34を有効にすると、自動的に右折入力ボタン33は無効になる。
【0019】
左折入力ボタン34を押圧すると左折入力ボタン34は有効の状態になり、その状態で道路地図31上の交差点を押圧すると、自車両がその交差点に接近したとき左折を指示するように指定することができる。有効の状態になっている左折入力ボタン34をさらに押圧すると左折入力ボタン34は無効となる。そして、無効の状態で交差点を押圧しても指定されない。また、右折入力ボタン33を有効にすると、自動的に左折入力ボタン34は無効になる。
【0020】
乗員は、希望するルート23で出発地21から目的地22に至るためには、交差点26,28を右折しなくてはならない。したがって、図4に示すように、乗員は指41で右折入力ボタン33を押圧して有効にし、交差点26,28を指41で押圧する。交差点26,28を押圧して、右折を指示するように指定すると、右折マーク42,43が表示される。
【0021】
乗員は、希望するルート23で出発地21から目的地22に至るためには、交差点27,29を左折しなくてはならない。したがって、図5に示すように、乗員は指41で左折入力ボタン34を押圧して有効にし、交差点27,29を指41で押圧する。交差点27,29を押圧して、左折を指示するように指定すると左折マーク51,52が表示される。
【0022】
次に、交差点における右左折指示を指定することによってルートを設定したナビゲーション装置1の経路誘導について図6を参照して説明する。図6は、自車両61が交差点27に接近し、ナビゲーション装置1より左折指示の経路誘導を受けるときに表示モニタ16に表示される表示画面を説明するための図である。表示モニタ16に表示される道路地図31は自車両61の向きに関係なく北を上にして表示される。ナビゲーション装置1が経路誘導を実行しているとき、道路地図31には、原則、右折マーク42,43および左折マーク51,52は表示されない。しかし、自車両61が右折または左折を指示するように指定した交差点に所定の距離内で接近すると、右折マーク42,43または左折マーク51,52が表示される。交差点27においては左折を指示するように指定したので、自車両が交差点27に接近すると左折マーク51が表示される。そして、乗員に対し経路誘導するためにスピーカ17から「ポン、次の交差点を左折してください。」という音声を発生する。
【0023】
次に、交差点の右左折指定処理を図7および図8のフローチャートを参照して説明する。図7および図8の処理は、交差点に右左折指示を指定することによって目的地までの経路誘導を設定する不図示の設定入力ボタンを乗員が押圧するとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0024】
ステップS701では、右折入力ボタン33が有効か否かを判定する。有効の場合は、ステップS701が肯定判定され、ステップS702へ進む。無効の場合はステップS701が否定判定され、ステップS801へ進む。右折入力ボタン33は無効の状態で押圧されると有効になり、有効の状態で押圧されると無効となる。また、左折入力ボタン34が有効になると右折入力ボタン33は無効になる。ステップS702では、交差点が押圧されたか否かを判定する。交差点が押圧されたか否かは、押圧したタッチパネル上の位置を道路地図31上の位置座標に変換し、その位置座標を中心とした所定範囲内に交差点に対応するノード、つまり3つ以上のリンクが接続しているノードが存在するか否かを検出することによって実行する。交差点が押圧された場合は、ステップS702が肯定判定され、ステップS703へ進む。交差点が押圧されていない場合は、ステップS701へ戻る。ステップS703では、押圧された交差点に対応するノードのノード情報に右折指示の情報を付加することによって、押圧された交差点に右折指示のフラグを設定する。ステップS704では、押圧された交差点に右折マークを表示する。そして、ステップS701へ戻る。
【0025】
図8のステップS801では、左折入力ボタン34が有効か否かを判定する。有効の場合は、ステップS801が肯定判定され、ステップS802へ進む。無効の場合はステップS801が否定判定され、リターンする。左折入力ボタン34は無効の状態で押圧されると有効になり、有効の状態で押圧されると無効となる。また、右折入力ボタン33が有効になると左折入力ボタン34は無効になる。ステップS802では、交差点が押圧されたか否かを判定する。交差点が押圧された場合は、ステップS802が肯定判定され、ステップS803へ進む。交差点が押圧されていない場合は、ステップS801へ戻る。ステップS803では、押圧された交差点に対応するノードのノード情報に左折指示の情報を付加することによって、押圧された交差点に左折指示のフラグを設定する。ステップS804では、押圧された交差点に左折マークを表示する。そして、ステップS801へ戻る。
【0026】
右折入力ボタン33が有効なときに左折指示のフラグが立てられた交差点が押圧された場合は、左折指示のフラグを取り消し、押圧された交差点には右折指示のフラグを立てる。一方、左折入力ボタン34が有効なときに右折指示のフラグが立てられた交差点が押圧された場合は、右折指示のフラグを取り消し、押圧された交差点には左折指示のフラグを立てる。このように、同じ交差点に右折指示と左折指示がなされた場合は後に指定された指示が有効となる。
【0027】
次に、本実施形態のナビゲーション装置1の経路誘導処理を図9を参照して説明する。図9の処理は、交差点に右左折を指定することによって設定した経路誘導を開始する不図示の経路誘導ボタンを乗員が押圧するとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される
【0028】
ステップS901では、現在地検出装置14によって自車両の現在位置を検出する。ステップS902では、自車両の進行方向にある最初の交差点を検出する。最初の交差点は次のように検出する。ステップS901で検出した現在位置とDVD−ROM112に記憶されている地図データより、現在地に対応するリンクを抽出する。そして、現在地に対応するリンクと自車両の進行方向で接続しているリンクを抽出して、そのリンクに対応するノードのノード情報を抽出する。そして、そのノード情報からノードが3つ以上のリンクと接続しているか判定をする。3つ以上のリンクと接続しているときは、そのノードが最初の交差点となる。ノードが3つ以上のリンクと接続していない場合は、隣のリンクを抽出して、そのリンクに対応するノード情報を抽出する。そして、同様にしてノードが3つ以上のリンクと接続しているか判定する。この判定を3つ以上のリンクに接続したノードに至るまで繰り返すことによって、自車両の進行方向にある最初の交差点を検出する。
【0029】
ステップS903では、最初の交差点に右折指示または左折指示のフラグが設定されているか否かを判定する。フラグが設定されている場合は、ステップS903が肯定判定されステップS904へ進む。フラグが設定されていない場合は、ステップS901へ戻る。ステップS904では、自車両の現在位置と交差点との間の距離を算出する。ステップS905では、算出した距離が所定の距離以内かを判定する。この判定によって、自車両が、右折または左折を指示するように設定した交差点に接近したか否かを判定する。所定の距離以内の場合は、ステップS905が肯定判定され、ステップS906へ進む。所定の距離に満たない場合は、ステップS905が否定判定され、ステップS904へ戻る。
【0030】
ステップS906では、フラグが右折指示のものであるか、左折指示のものであるかを判定する。右折指示の場合は、ステップS907へ進む。左折指示の場合は、ステップS909へ進む。ステップS907では、道路地図31に右折マーク42,43を表示する。そして、ステップS908で、スピーカ17で発生する音声によって、次の交差点を右折するように指示する。ステップS909では、道路地図31に左折マーク51,52を表示する。そして、ステップS910で、スピーカ17で発生する音声によって、次の交差点を左折するように指示する。
【0031】
以上の実施の形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)以上の実施の形態によれば、右折または左折する交差点を押圧するという簡単な操作によって、乗員の希望するルートで目的地までの経路誘導を受けることができる。
(2)目的地までの経路誘導を受けるために、目的地までのルート自体を設定するのではなく、右折したり左折したりする交差点つまり、目的地に至るまでのルートでポイントとなる地点のみ設定すればよいので、設定が簡単である。
(3)ナビゲーション装置1が経路誘導を行う交差点を乗員は自由に指定することができるので、経路誘導の必要な交差点のみにおいてナビゲーション装置1に経路誘導をさせることができる。したがって、経路誘導の必要がない交差点でナビゲーション装置1の音声による経路誘導を受け、煩わしいと思うようなことはない。
(4)目的地に至るために右折または左折する交差点が近づくと右折マーク42,43または左折マーク51,52が表示されるので、次の交差点で右折または左折しなくてはならないという注意を喚起することができる。
【0032】
以上の実施の形態のナビゲーション装置1を次のように変形することができる。
(1)振動ジャイロ14aなどによって自車両16の進行方向を検出し、表示モニタ16に表示される道路地図31が、自車両61の方向が常に表示モニタ16の略上側に向くように表示される場合において、自車両61が交差点に接近したときに表示される右折マーク42,43または左折マーク51,52の向きを、道路地図31の向きが変わっても一定にすることができる。
たとえば、図10に示すように、自車両61の向きが上を向くように道路地図31方向が変更された場合においても、左折マーク51を左向きにする。このようにすることによって、自車両61が交差点27を曲がる方向と左折マーク51の矢印の方向が一致するのでわかりやすい。
(2)表示モニタ16に表示される道路地図31が常に北を上に向けて表示されるなど、略一定の方向に向けて道路地図を31を表示している場合、自車両61が交差点に接近すると表示する右折マーク42,43の右折を示す向きまたは左折マーク51,52の左折を示す向きを、自車両61が曲がる向きに合わせて表示するようにしてもよい。たとえば、図11に示すように、自車両61が交差点27に接近したときに、左折マーク51の矢印の向きを自車両61が交差点27を左折する方向に合うようにするため、自車両61が交差点27に進入するする角度に合わせて左折マーク51を回転して表示するようにしてもよい。自車両61の交差点27への進入角度は、自車両61の位置するリンクの向きを検出することによって算出する。自車両61が曲がる向きと右折マーク42,43または左折マーク51,52の向きとが一致するのでわかりやすい。
(3)乗員は、右折入力ボタン33または左折入力ボタン34を有効にした状態で、交差点を押圧することによって、所望の交差点に右折指示または左折指示を指定し、右折マーク42,43または左折マーク51,52を所望の交差点に表示した。しかし、右折入力ボタン33または左折入力ボタン34を指41で押圧し、押圧したまま指41を所望の交差点まで移動し(ドラッグし)、右折マーク42,43または左折マーク51,52を表示する交差点まで移動し、タッチパネル19から指41を離すと所望の交差点に右折指示または左折指示が指定され、右折マーク42,43または左折マーク51,52が表示されるようにしてもよい。たとえば、図12(a)に示すように、右折入力マーク33を指41で押圧して押圧したまま指41を交差点28まで移動し、図12(b)に示すように、指41を離すと交差点28に右折指示が指定され、右折マーク43が表示されるようにしてもよい。
(4)以上の実施の形態では、乗員は所望の交差点に右折指示または左折指示を指定し、右折マーク42,43または左折マーク51,52を所望の交差点に表示したが、右左折以外に、所望の交差点を右斜め上方向、右斜め下方向、左斜め上方向および左斜め下方向に曲がることを指定し、所望の交差点に右斜め上方向、右斜め下方向、左斜め上方向および左斜め下方向に曲がることを示すマークを表示するようにしてもよい。
【0033】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本発明の道路地図表示手段は制御回路11および表示モニタ16に対応し、現在位置検出手段は現在地検出装置14に対応する。指定手段は制御回路11およびタッチパネル19に対応し、誘導手段は制御回路11、表示モニタ16およびスピーカ17に対応する。右折または左折を示すマークは、右折マーク42,43または左折マーク51,52に対応する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する上で、上記の実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係になんら限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】出発地から目的地までのルートを説明するための図である。
【図3】交差点の右左折指示を指定することによって目的地までの経路誘導を設定するときに表示モニタに表示される表示画面を説明するための図である。
【図4】交差点に右折指示を指定するための操作を説明するための図である。
【図5】交差点に左折指示を指定するための操作を説明するための図である。
【図6】左折指示が指定された交差点に車両が接近したときに表示モニタに表示される表示画面を説明するための図である。
【図7】交差点の右左折指定処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】交差点の右左折指定処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】本実施形態のナビゲーション装置の経路誘導処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】左折指示が指定された交差点に車両が接近したときに表示モニタに表示される別の表示画面を説明するための図である。
【図11】左折指示が指定された交差点に車両が接近したときに表示モニタに表示される別の表示画面を説明するための図である。
【図12】交差点に右折指示を指定するための操作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 スピーカ
19 タッチパネル
110 タッチパネルコントロール部
111 ディスクドライブ
112 DVD−ROM
21 出発地
22 目的地
23 ルート
24a〜24c,25a,25b 道路
26〜29 交差点
32 右左折指定領域
33 右折入力ボタン
34 左折入力ボタン
41 指
42,43 右折マーク
51,52 左折マーク
61 自車位置マーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示モニタに道路地図を表示する道路地図表示手段と、
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段とを備えたナビゲーション装置において、
前記道路地図に表示された交差点に右折指示または左折指示を指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定された交差点に前記車両が所定の距離近づくと右折指示または左折指示する誘導手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記指定手段は、前記交差点を押圧すると前記交差点に右折指示が指定されることになる右折入力ボタンと、前記交差点を押圧すると前記交差点に左折指示が指定されることになる左折入力ボタンとを前記表示モニタに表示し、前記右折入力ボタンまたは前記左折入力ボタンを押圧した後、前記道路地図に表示された交差点を押圧することによって前記交差点に右折指示または左折指示を指定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
前記指定手段は、前記車両が右折または左折する交差点毎に指定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記指定手段は、前記指定された交差点に右折または左折を示すマークを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導手段は、前記指定手段によって指定された交差点に前記車両が所定の距離近づくと右折または左折を示すマークが表示されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導手段は、前記車両の進行方向が前記表示モニタの略上を向くように前記道路地図の表示方向が変更される場合、前記右折または左折を示すマークの右折または左折を示す方向が前記車両の進行方向に関係なく略一定であり、前記道路地図の表示方向が一定である場合、前記車両が前記交差点を右折または左折する方向と前記右折または左折を示すマークの右折または左折を示す方向とが略一致することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項1】
表示モニタに道路地図を表示する道路地図表示手段と、
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段とを備えたナビゲーション装置において、
前記道路地図に表示された交差点に右折指示または左折指示を指定する指定手段と、
前記指定手段によって指定された交差点に前記車両が所定の距離近づくと右折指示または左折指示する誘導手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記指定手段は、前記交差点を押圧すると前記交差点に右折指示が指定されることになる右折入力ボタンと、前記交差点を押圧すると前記交差点に左折指示が指定されることになる左折入力ボタンとを前記表示モニタに表示し、前記右折入力ボタンまたは前記左折入力ボタンを押圧した後、前記道路地図に表示された交差点を押圧することによって前記交差点に右折指示または左折指示を指定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
前記指定手段は、前記車両が右折または左折する交差点毎に指定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記指定手段は、前記指定された交差点に右折または左折を示すマークを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導手段は、前記指定手段によって指定された交差点に前記車両が所定の距離近づくと右折または左折を示すマークが表示されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導手段は、前記車両の進行方向が前記表示モニタの略上を向くように前記道路地図の表示方向が変更される場合、前記右折または左折を示すマークの右折または左折を示す方向が前記車両の進行方向に関係なく略一定であり、前記道路地図の表示方向が一定である場合、前記車両が前記交差点を右折または左折する方向と前記右折または左折を示すマークの右折または左折を示す方向とが略一致することを特徴とするナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−284218(P2006−284218A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−101278(P2005−101278)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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