説明

ナビゲーション装置

【課題】 駐車場を素早く見つけることのできるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 地図とTV映像とを表示面に同時に表示可能な表示部140を有し、車両の経路案内を行うナビゲーション装置1において、表示部の表示面31A上に設けられたタッチパネル32と、車両周辺の駐車場を検索する制御部100とを有し、表示部140の表示領域を区分して地図表示領域MA及びTV映像表示領域TAが設けられ、地図表示領域MAに地図が表示されていると共に、TV映像表示領域TAのTV映像が非表示状態となっているときに、タッチパネル32がタッチ操作された場合、車両周辺の駐車場を検索するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両の経路案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載型のナビゲーション装置においては、表示装置の表示面全体に地図を表示する全画面表示に加え、表示面を2分割してなる2画面表示を可能にしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。さらに、2画面表示が可能なナビゲーション装置として、地図と共にTV映像を表示するものが知られている。かかるナビゲーション装置では、運転者が走行中にTV映像に気を取られるのを防止し、走行の安全性を確保するために、車両走行中にはTV映像を非表示状態して当該TV映像の表示を禁止し、TV音声のみを出力するようになっている。
【特許文献1】特開2003−340578号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、運転者が車両走行中にTV音声の内容をきいて、そのTV映像をみたくなった場合には、TV映像の表示禁止を解除するために、車両を駐車させる必要があるものの、車両を駐車するための場所(以下、駐車場という)を素早く見つけ出すのが困難である、といった問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、駐車場を素早く見つけることのできるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、地図とTV映像とを表示面に同時に表示可能な表示手段を有し、車両の経路案内を行うナビゲーション装置において、前記表示手段の表示面上に設けられたタッチパネルと、車両周辺の駐車場を検索する駐車場検索手段とを有し、前記表示手段の表示領域を区分して地図表示領域及びTV映像表示領域が設けられ、前記地図表示領域に地図が表示されていると共に、前記TV映像表示領域の前記TV映像が非表示状態となっているときに、前記タッチパネルがタッチ操作された場合、前記駐車場検索手段が車両周辺の駐車場を検索するようにしたことを特徴とする。
【0005】
また本発明は、上記発明において、前記タッチパネルの面上のうち、前記TV映像表示領域がタッチ操作された場合に、前記駐車場検索手段が車両周辺の駐車場を検索するようにしたことを特徴とする。
【0006】
また本発明は、上記発明において、前記駐車場検索手段による検索の結果として得られた駐車場を前記TV映像表示領域に表示するようにしたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記発明において、自車位置から近い順に前記駐車場を前記TV映像表示領域に表示するようにしたことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記発明において、前記TV映像表示領域の広さに応じて検索結果の表示態様を異ならせたことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記発明において、前記TV映像表示領域の広さが所定の広さよりも狭い場合、前記駐車場検索手段による検索の結果として得られた駐車場を識別番号により表示するようにしたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記発明において、前記駐車場検索手段による検索の結果として得られた駐車場の場所を、前記地図上に表示するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、駐車場を素早く見つけることのできるナビゲーション装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は本実施の形態に係るナビゲーション装置1の外観構成を示す斜視図である。このナビゲーション装置1は、車両に搭載されて経路案内を行うものであり、図1に示すように、車両のダッシュボード2に設けられた所定の収納スペースに嵌め込まれる装置本体10と、この装置本体10の正面に設けられた操作パネル11とを備えている。操作パネル11は、枠体としてのフェイスパネル12と、このフェイスパネル12上に設けられた複数の操作スイッチ13と、フェイスパネル12に嵌め込まれた表示パネル14とを有している。この表示パネル14には、現在地点の周辺地図、車両の現在位置、及び、目的地までの経路が表示され、これにより経路案内が行われる。
【0013】
操作パネル11は、図2に示すように、装置本体10の正面に設けられた収納部15に開閉自在に取り付けられている。具体的には、図3に示すように、収納部15両側の側壁16の面内に上下に延びるガイド溝17が形成され、操作パネル11の上方両端側に設けられた突起18が上記ガイド溝17に移動自在に取り付けられると共に、操作パネル11の下方両端側に押出機構19が取り付けられている。この押出機構19は、装置本体10の正面に向けて突出し操作パネル11の下端部を押し出すものであり、図示せぬモータによって突出駆動されるスライドバー20を有し、このスライドバー20の先端が操作パネル11の側面下方に軸ピン20Aにより連結され、操作パネル11を回転自在に支持している。
【0014】
したがって、押出機構19による操作パネル11の下端部の押し出し動作に伴い、突起18がガイド溝17に沿って下方側に移動することで、操作パネル11が傾動し、前掲図2に示すように、操作パネル11が開かれ、そして、装置本体10の正面が露出する。これとは逆に、押出機構19が操作パネル11の下端部を引き戻し、突起18がガイド溝17に沿って上方側に移動することで、前掲図1に示すように操作パネル11が閉じ、装置本体10が操作パネル11に覆われた状態となる。この操作パネル11の開閉動作、すなわち、上記スライドバー20を駆動する図示せぬモータの始動は、操作パネル11のフェイスパネル12上に配設された操作スイッチ13の操作に基づいて行われる。
【0015】
装置本体10の正面には、前掲図2に示すように、メモリカード等のカード型記録媒体が挿入されるカード挿入口21や、このカード挿入口21からカード型記録媒体を排出するための排出ボタン22、CD(Compact Disc)或いはDVD(Digital Versatile Disk)等のディスク型記録媒体(光ディスク)が挿入されるディスク挿入口23、ディスク挿入口23からディスク型記録媒体を排出するための排出ボタン24などが設けられている。これらの挿入口21、23は、上述の通り、通常時は操作パネル11により覆われており、操作スイッチ13を操作して操作パネル11を開くことで、挿入口21、23にアクセス可能となる。
【0016】
次いで、操作パネル11に設けられた表示パネル14の構成について詳細する。図4に示すように、表示パネル14は、液晶駆動回路基板30と、液晶パネル31と、液晶パネル31の表示面31A全体を覆うように設けられたタッチパネル32とを有している。タッチパネル32には、抵抗膜方式のものが用いられ、透明度(光透過度)が高く、液晶パネル31の表示がタッチパネル32を通して視認可能になされている。このように、本ナビゲーション装置1にあっては、フェイスパネル12に設けた操作スイッチ13に加え、タッチパネル32による操作も可能となっている。なお、表示パネル14としては、上記液晶パネル31に代えて、例えば有機EL(Electro-Luminescence)パネル等を用いることも可能である。
【0017】
図5は、ナビゲーション装置1の機能的構成を示すブロック図である。この図において、制御部100は、ナビゲーション装置1の各部を中枢的に制御するものであり、演算・制御手段としてのメインCPU(Central Processing Unit)101と、ROM102、DRAM104及びSRAM106を有する記憶部110とを備えている。ROM(Read Only Memory)102は制御プログラムやデータ等を格納するものである。これらの制御プログラムやデータ等は、ナビゲーション装置1の主電源投入時に、メインCPU101によって読み出されて実行され、これにより各部の制御動作が行われる。DRAM(Dynamic Random Access Memory)104はメインCPU101がROM102から読み出したプログラムや、演算結果、演算途中のデータ等を一時的に格納するものである。SRAM(Static Random Access Memory)106はナビゲーション装置1の主電源切断時に、DRAM104に格納されているデータ等の記憶内容をバックアップするものであり、主電源切断後においても車両のバッテリーから電力が供給され、主電源切断後もバックアップすべき記憶内容を保持可能になされている。
【0018】
主記憶部120は比較的容量の大きな各種アプリケーションプログラムやデータ等を格納するものであり、例えばハードディスク装置を備えている。主記憶部120に格納されるものとしては、例えば経路案内のためのプログラムや、表示パネル14の表示制御のためのプログラム、経路案内のための地図データ等がある。また、この地図データには、駐車場の場所を示すアイコン(図像)や名称等が含まれ、さらに、現在位置から駐車場までの経路案内や検索のための各種データが主記憶部120に格納されている。
【0019】
記録媒体読取部130は、制御部100の制御の下、上述したカード型記録媒体やディスク型記録媒体に記録されているデータを読み取り、制御部100に出力するものであり、カード型記録媒体読取装置や、CD/DVDドライブ装置等を備えている。なお、記録媒体に地図データを格納し、この地図データを経路案内に用いる構成としても良い。
音出力部135は、制御部100の制御の下、音楽や音声を出力するものであり、DA変換器や増幅器、スピーカ等を備えている。記録媒体に記録された音楽データの再生にあっては、記録媒体読取部130によって読み取られた音楽データが音出力部135に出力され、音楽が再生される。
【0020】
表示部140は、制御部100の制御の下、地図等の各種情報を表示するものであり、描画回路142と、液晶駆動回路144と、上述した液晶パネル31とを備えている。描画回路142は、地図データ等を含む描画コマンドDSSを制御部100から受け取り、この描画コマンドDSSに基づいた表示を行うべく液晶駆動回路144を制御するものであり、描画プロセッサ146とVRAM148とを備えている。描画プロセッサ146は、描画コマンドDSSに基づいて液晶パネル31に表示すべき描画データ(例えばビットマップ画像データ)を生成するものであり、VRAM(Video RAM)148は描画データを保持するものである。液晶駆動回路144はVRAM148に保持されている描画データを順次受け取り、この描画データに基づいて液晶パネル31の表示面31Aに表示するものである。これら描画回路142及び液晶駆動回路144は、上述した液晶駆動回路基板30に実装されている。
【0021】
位置検出部150は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されているGPS電波を受信するアンテナ(レシーバでも良い)を備え、GPS電波に基づいて、車両の現在地点を示す位置座標と、進行方向とを計算し、位置検出信号PSとして制御部100に出力するものである。制御部100は、経路探索時に、位置検出信号PSにより示される現在地点から目的地までの誘導経路を探索して探索結果を表示部140に表示し、また、経路案内時には、位置検出信号PSに基づいて現在位置の移動状況を地図と共に表示部140に表示して経路案内を行う。
【0022】
FM多重受信処理部160は、制御部100の制御の下、FM多重放送波を受信して、渋滞や事故、交通規制といったVICS情報(道路交通情報)や緊急情報、天気予報(気象情報)といった各種情報を取り出し、制御部100に出力するものである。また、ビーコン受信処理部170は、制御部100の制御の下、車両走行中の道路に関するVICS情報を受信し、制御部100に出力するものである。ここで、車両走行中にあっては、FM多重受信処理部160及びビーコン受信処理部170は、これらVICS情報や緊急情報、天気予報等の各種情報を文字情報として取得しており、この文字情報が制御部100に出力され、制御部100の制御によって、表示部140に文字(アイコン等を含む)として表示される。
【0023】
TV受信処理部180は、制御部100の制御の下、TV(テレビジョン)放送波を受信してTV映像及びTV音声を制御部100に出力するものであり、図示せぬTVチューナ回路を備えている。TV映像は動画像として液晶パネル31に表示され、また、TV音声は音出力部135から出力される。
【0024】
車両情報取得部200は、車両の走行状態に関する情報を取得するものである。具体的には、車両情報取得部200は、イルミ情報取得部202と、車速パルス取得部204と、パーキングブレーキ操作状態取得部206とを備えている。イルミ情報取得部202は、車両に配設されたイルミ配線の電流(或いは電圧)を検知し、車両のスモールライト(車幅灯)のオン・オフを示すイルミ信号ILSを制御部100に出力するものである。車両のスモールライトのオン・オフを検出することで、車両の周囲の明るさを特定することが可能となり、イルミ信号ILSによって、スモールライトの点灯が示されている場合、制御部100は、描画回路142を制御することで、液晶パネル31の輝度を高め、液晶パネル31の表示が見えにくくなるのを防止する。
【0025】
車速パルス取得部202は、車両の走行速度を示す車速パルス信号を車両に搭載されたコンピュータ、或いは、車両に取り付けられたセンサから取得し、制御部100に車速信号CSSとして出力するものである。この車速信号CSSにより車両の停車が特定可能となる。
パーキングブレーキ操作状態取得部204は、車両のパーキングブレーキレバー(或いはペダル)の操作状態を取得し、パーキングブレーキがかけられているか否かを示すパーキングブレーキ状態信号PBSを出力するものである。すなわち、このパーキングブレーキ状態信号PBSに基づいて車両が駐車中であるか、特に、車両が走行中(一時的な停止状態を含む)であるかが特定される。
【0026】
操作部190は、スイッチ操作部192と、タッチパネル操作部194とを備えている。スイッチ操作部192は、上述した操作スイッチ13に加え、この操作スイッチ13の操作を電気信号に変換してスイッチ信号SSを制御部100に出力するスイッチ回路基板(図示せず)を備えている。タッチパネル操作部194は、上述したタッチパネル32に加え、タッチパネル32の操作を電気信号に変換してタッチ信号TSを制御部100に出力するタッチパネル回路基板(図示せず)を備えている。タッチ信号TSには、タッチパネル32面上のタッチ操作個所の座標を示す情報が含まれており、これにより、制御部100が、タッチパネル32上のタッチ操作個所を識別可能となる。ここで、制御部100は、走行の安全を図るべく、車速信号CSSにより車両が停車中でないことが示されている場合には(具体的には、車速が0以上の場合)、操作部190からのスイッチ信号SS及びタッチ信号TSの入力を無効とし、車両が停車していないときの各種の操作を禁止している。
【0027】
次いで、表示部140の表示態様について説明する。図6に示すように、ナビゲーション装置1は、液晶パネル31の表示面31A全体に地図或いはTV映像を表示する全画面表示と、図7に示すように、液晶パネル31の表示面31Aを2つの表示領域に区分し、一方の表示領域に地図を表示すると共に、他方の表示領域にTV映像を表示する2画面表示との2つの表示態様を有している。以下の説明では、2画面表示において、地図が表示される表示領域を地図表示領域MAと称し、TV映像が表示される領域をTV映像表示領域TAと称する。なお、2画面表示の表示態様としては、表示面31A内に小窓を形成し、その小窓にTV映像を表示する態様もあり得る。この態様においては、地図表示領域MA上に、小窓として形成されたTV映像表示領域TAが重なることになる。
【0028】
2画面表示においては、操作部190(スイッチ操作部192或いはタッチパネル操作部194)の操作によって、地図表示領域MAとTV映像表示領域TAとの面積比率を変更可能に構成されており、かかる操作指示がなされた場合、制御部100は、この面積比率の変更を指示する描画コマンドDSSを表示部140に出力して、地図表示領域MAとTV映像表示領域TAとの面積比率を変更する。これにより、地図及びTV映像のうち、ユーザが注目したい方を適宜拡大表示できる。
【0029】
また、2画面表示においては、運転者がTV映像に気を取られるのを防止すべく、図8に示すように、車両が走行している間は、TV映像表示領域TAにTV映像の代わりに例えばイラスト等の静止画像を表示してTV映像を非表示状態とする。具体的には、表示部140の画面表示状態が2画面表示状態であるときに、パーキングブレーキ状態信号PBSによって車両が駐車状態でなくなったことが示された場合に、制御部100が表示部140へのTV映像の出力を停止すると共に、TV映像の代わりにTV映像表示領域TAに表示すべき静止画像のデータを出力する。このとき、制御部100は音出力部135へのTV音声の出力を継続する。これにより、車両走行中においては、表示画面が2画面表示状態である場合、TV映像表示領域TAではTV映像が非表示となり観ることはできないものの、TV音声を聴くことはできるようになっている。
【0030】
また、本実施の形態では、図9に示すように、画面表示が2画面表示状態であって、TV映像表示領域TAへのTV映像が非表示状態となっている間、車両が停車している場合には、タッチパネル32の面上のうち、TV映像表示領域TAに対応する領域を駐車場検索ボタン33として機能させる構成とし、この駐車場検索ボタン33がタッチ操作された場合に、制御部100が車両周辺の駐車場検索を開始するようになされている。したがって、運転者等が、TV音声の内容などから、TV映像がみたくなった場合には、車両を路肩などに一時停車して、上記駐車場検索ボタン33をタッチ操作することで、周辺の駐車場を簡単、かつ、素早く見つけ出すことが可能となる。以下、図10を参照して、この駐車場検索ボタン33についての処理動作について詳述する。
【0031】
図10は、駐車場検索ボタン処理の手順を示すフローチャートである。制御部100は、先ず、駐車場検索ボタン33を機能させるべきか否かを判断するために次の処理を行う。すなわち、図10に示すように、制御部100は、表示部140の画面表示がTV映像と地図との2画面表示状態となっているか否かを判断し(ステップS1)、2画面表示状態でない場合(ステップS1:NO)、駐車場検索ボタン33を機能させる必要がないため、そのまま処理を終了する。一方、2画面表示状態である場合(ステップS1:YES)、制御部100はパーキングブレーキ状態信号PBSに基づいて、車両が駐車中であるか否かを判断する(ステップS2)。車両が駐車中である場合(ステップS2:YES)、TV映像表示領域TAにTV映像が表示されていることとなり、駐車場検索ボタン33を機能させる必要がないため、制御部100は処理手順をステップS1に戻す。
【0032】
一方、車両が駐車中でない場合(ステップS2:NO)、制御部100は、車速信号CSSに基づいて車両が停車中であるか否かを判断する(ステップS3)。車両が停車中でない場合(ステップS3:NO)、ナビゲーション装置1への操作が禁止されていることから、駐車場検索ボタン33を機能させる必要がないため、制御部100は、処理手順をステップS1に戻す。車両が停車中である場合には(ステップS3:YES)、タッチパネル32の面上のうち、TV映像表示領域TAに対応する領域を駐車場検索ボタン33として機能させ操作可能にする(ステップS4)。すなわち、このステップS4においては、制御部100は、現在のTV映像表示領域TAの座標範囲を取得し、この座標範囲とタッチパネル32の面上に機能させるべき駐車場検索ボタン33の座標値とを対応付ける。これにより、TV映像表示領域TAの表示領域に対するタッチ操作が駐車場検索ボタン33に対するタッチ操作であると制御部100により認識されることになる。
【0033】
以上の処理により、表示部140の表示画面が2画面表示状態であって、TV映像表示領域TAにTV映像が非表示状態のときに、車両が停車した場合、前掲図9に示すように、タッチパネル32上のTV映像表示領域TAに対応する領域が駐車場検索ボタン33として機能し、この駐車場検索ボタン33が操作可能となる。
【0034】
このようにして駐車場検索ボタン33を操作可能とした後、制御部100は、駐車場検索ボタン33がタッチ操作されたか否かを、タッチ信号TSに基づいて判断する(ステップS5)。タッチ操作がない場合(ステップS5:NO)、駐車場検索を行う必要がないため、制御部100は、処理手順をステップS1に戻す。一方、タッチ操作があった場合(ステップS5:YES)、制御部100は、車両周辺の駐車場を検索すべく、次の処理を実行する。
【0035】
すなわち、制御部100は、位置検出部PSからの位置検出信号PSに基づいて現在の自車位置を特定する(ステップS6)。次いで、制御部100は、現在の自車位置から所定距離範囲内に存在する駐車場(駐車可能なスペースを含む)を、主記憶部120に格納されている地図データや各種の検索データに基づいて検索する(ステップS7)。このステップS7においては、制御部100は、該当する駐車場を現在の自車位置から近い順に所定件数(例えば10件)を上限として検索する。
【0036】
次いで、制御部100は、ステップS7の検索結果を表示部140に表示するための検索結果表示処理を実行する(ステップS8)。この検索結果表示処理においては、検索の結果として得られた駐車場がTV映像表示領域TAに表示され、また、これらの駐車場の場所が地図上に表示される。さらに、TV映像表示領域TAへの検索結果の表示態様はTV映像表示領域TAの大きさに応じて変更される。
【0037】
具体的には、図11に示すように、制御部100は、先ず、現在のTV映像表示領域TAの表示面31Aにおける座標値(座標範囲)を取得する(ステップS80)。そして、制御部100は、この座標値に基づいて特定されるTV映像表示領域TAの大きさが、駐車場の名称表示を行うに十分な広さであるかを判断する(ステップS81)。TV映像表示領域TAが十分広い場合(ステップS81:YES)、制御部100は、図12に示すように、ステップS7の検索の結果として得られた駐車場の名称及び識別番号をTV映像表示領域TAに自車位置から近い順に表示すると共に、これらの駐車場の場所を識別可能に地図表示領域MAの地図上に表示する(ステップS82)。一方、TV映像表示領域TAが狭い場合(ステップS81:NO)、制御部100は、図13に示すように、ステップS7の検索の結果として得られた駐車場の各々を識別するための識別番号を、自車位置から近い順にTV映像表示領域TAに表示すると共に、これらの駐車場の場所を識別可能に地図表示領域MAの地図上に表示する(ステップS83)。
【0038】
このように、車両周辺の駐車場を近い順でTV映像表示領域TAに表示すると共に、それらの駐車場の場所を地図上に表示することにより、運転者は、現在地からどの程度離れたどの場所に駐車場があるのかを認識することができる。また、TV映像表示領域TAの広さに応じて、当該TV映像表示領域に表示する検索結果の表示態様を変更することで、検索結果を適切に表示することができる。特に、TV映像表示領域TAが狭い場合に、検索結果の表示態様を、駐車場の識別番号のみの表示といった簡略化した態様とすることで、検索結果の視認性の低下を防止可能となる。さらに、検索結果を駐車場の識別番号のみをTV映像表示領域TAに表示する場合であっても、図13に示すように、地図上には、各駐車場の名称を表示するようにすることで、運転者は、それらの駐車場を容易に認識することができる。なお、TV映像表示領域TAが十分広い場合には、駐車場の名称の他に、有料駐車場か否かや、駐車料金など、駐車場選択の参考になる情報をあわせて表示するようにしても良い。
【0039】
さて、前掲図10に戻り、制御部100は、検索結果表示処理により検索結果を表示した後、運転者等によって、検索の結果として得られた駐車場のいずれかが、目的地(既に他の目的地が設定されている場合には経由地)として設定されたか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、このステップS9においては、制御部100は、タッチパネル32の面上のうちTV映像表示領域TAに対応する個所がタッチ操作されたか否かをタッチ信号TSに基づいて判断し、タッチ操作された場合には、どの駐車場がタッチ操作されたかを判断する。そして、検索結果として表示したいずれかの駐車場がタッチ操作された場合には、その駐車場が目的地として設定されたものと判断する。
【0040】
そして、ステップS9の判断の結果、目的地の設定が行われていない場合(ステップS9:NO)、制御部100は、駐車場までの経路案内を行う必要がないため、処理手順をステップS1に戻す。また、目的地の設定が行われている場合には(ステップS9:YES)、制御部100は、目的地として設定された駐車場までの経路計算を行った後、その計算結果に基づいて目的地までの誘導を開始し(ステップS10)、その後処理を終了する。これにより、運転者等は、車両周辺にある駐車場に車両をスムーズに移動させることができる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態のナビゲーション装置1によれば、地図表示領域MAに地図が表示されていると共に、TV映像表示領域TAのTV映像が非表示状態となっているときに、タッチパネル32がタッチ操作された場合、車両周辺の駐車場を検索するようにしたため、運転者等は、TV映像がみたくなった場合に、簡単かつ素早く周辺の駐車場を検索することができ、これにより、周辺の所望の駐車場に車両を駐車させて、TVをゆっくり鑑賞することができる。
【0042】
また本実施の形態のナビゲーション装置1によれば、タッチパネル32の面上のうち、TV映像表示領域TAがタッチ操作された場合に、駐車場検索を行い車両周辺の駐車場を検索するようにしたため、駐車場検索ボタン33を表示等により明示せずとも、運転者等が駐車場検索ボタン33の場所を特定することができる。
【0043】
また本実施の形態のナビゲーション装置1によれば、検索の結果として得られた駐車場をTV映像表示領域TAに表示するようにしたため、地図の視認性を低下させることがない。また、検索の結果として得られた駐車場の場所を地図上にも明示することで、駐車場の場所や、現在位置と駐車場との位置関係を運転者が把握することができる。
【0044】
また本実施の形態のナビゲーション装置1によれば、自車位置から近い順に駐車場をTV映像表示領域TAに表示するようにしたため、運転者等が、最も近い(最も早く辿り着ける)駐車場を容易に選択することができる。
【0045】
また本実施の形態のナビゲーション装置1によれば、TV映像表示領域TAの広さに応じて検索結果の表示態様を異ならせたため、TV映像表示領域TAの広さを考慮して、視認性に優れた態様で検索結果を表示することができる。例えば、TV映像表示領域TAの広さが所定の広さよりも狭い場合には、検索の結果として得られた駐車場を識別番号により表示するといったように、表示の態様を簡略化した態様とすることで、検索結果の視認性を高めることができる。
【0046】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形を加えることができる。例えば、上述した実施の形態では、地図とTV映像とを同時に表示する2画面表示について説明したが、地図とTV映像とが同時に表示されている限りにおいて、3画面以上の複数画面表示であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】操作パネルが開状態のときを示す上記ナビゲーション装置の外観構成を示す斜視図である。
【図3】操作パネルが開閉する機構を示す図である。
【図4】表示パネルの構成を示す分解斜視図である。
【図5】上記ナビゲーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図6】表示部(表示パネル)における全画面表示状態を模式的に示す図である。
【図7】表示部(表示パネル)における2画面表示状態を模式的に示す図である。
【図8】車両走行時の2画面表示状態を模式的に示す図である。
【図9】車両停車時(駐車時を除く)の2画面表示状態を模式的に示す図である。
【図10】駐車場検索ボタン処理のフローチャートである。
【図11】検索結果表示処理のフローチャートである。
【図12】検索結果の表示の態様を模式的に示す図である。
【図13】検索結果の表示の態様を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ナビゲーション装置
11 操作パネル
14 表示パネル
31 液晶パネル
31A 表示面
32 タッチパネル
33 駐車場検索ボタン
100 制御部
140 表示部
150 位置検出部
180 TV受信処理部
190 操作部
TA TV映像表示領域
MA 地図表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図とTV映像とを表示面に同時に表示可能な表示手段を有し、車両の経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記表示手段の表示面上に設けられたタッチパネルと、
車両周辺の駐車場を検索する駐車場検索手段とを有し、
前記表示手段の表示領域を区分して地図表示領域及びTV映像表示領域が設けられ、
前記地図表示領域に地図が表示されていると共に、前記TV映像表示領域の前記TV映像が非表示状態となっているときに、前記タッチパネルがタッチ操作された場合、前記駐車場検索手段が車両周辺の駐車場を検索するようにした
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記タッチパネルの面上のうち、前記TV映像表示領域がタッチ操作された場合に、前記駐車場検索手段が車両周辺の駐車場を検索するようにした
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記駐車場検索手段による検索の結果として得られた駐車場を前記TV映像表示領域に表示するようにした
ことを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
自車位置から近い順に前記駐車場を前記TV映像表示領域に表示するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記TV映像表示領域の広さに応じて検索結果の表示態様を異ならせたことを特徴とする請求項3または4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記TV映像表示領域の広さが所定の広さよりも狭い場合、前記駐車場検索手段による検索の結果として得られた駐車場を識別番号により表示するようにしたことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記駐車場検索手段による検索の結果として得られた駐車場の場所を、前記地図上に表示するようにしたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−78360(P2006−78360A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−263267(P2004−263267)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】