説明

ネットワークカメラ監視システム

【課題】 ネットワークの特性を考慮しつつ、カメラサイトのデータ保持時間、ネットワークへの転送方法、転送タイミングを工夫することによって、セキュリティシステムへ十分貢献できるネットワークカメラ監視システムを提供する。
【解決手段】 本発明は、セキュリテイシステムを補完するためのネットワークカメラ監視システムであって、アラームの発生を検出する鍵となる動き検出手段10を持つ複数の回転台付き、又はマイク付きカメラ部1と、パソコン又は専用表示端末で構成される蓄積部3と、パソコン又は専用表示端末で構成される表示部4と、アドレス管理などのための管理サーバ5とをネットワーク2を介して結合するようにして構成し、アラームの発生を検出してカメラ部1内のメモリに記憶した画像データを表示部4に転送するようにする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はネットワークカメラ監視システムに関し、特に複数の監視機能付きカメラサイトをネットワークに接続して、ネットワークのトラヒック状態をみながら表示部に転送しうるよう構成したものである。
【0002】
【従来の技術】従来のネットワークカメラ監視システムは、図5に示されるように、カメラ部51と、同軸ケーブルなどからなるネットワーク52と、VTR、PD、DVD等からなる蓄積部53と、モニターTVなどからなる表示部54とから構成されており、カメラ部51が撮ったアナログ画像情報そのものをベタ取り画像情報としてネットワーク(同軸ケーブル)52を介して画像情報の蓄積手段53としてのVTR、PD、DVD等で全部保存しているが、前記蓄積手段53の記憶容量に限りがあるので、ネットワークカメラ監視システムとしてセキュリティシステムへの貢献度は十分であるとはいい難い点があった。また、アラーム情報についても、アラームの発生と同時にネットワーク52を介して画像情報として上記したVTR、PD、DVD等に記録させていたが、ネットワークのトラヒックによっては同時性が担保されないという課題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記の問題点を解消し、ネットワークの特性を考慮しつつ、カメラサイトのデータ保持時間、ネットワークへの転送方法、転送タイミングを工夫することによって、セキュリティシステムへ十分貢献できるネットワークカメラ監視システムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明はセキュリテイシステムを補完するためのネットワークカメラ監視システムであって、アラームの発生を検出する鍵となる動き検出手段を持つ複数の回転台付き、又はマイク付きカメラ部と、パソコン又は専用表示端末で構成される蓄積部と、パソコン又は専用表示端末で構成される表示部と、アドレス管理などのための管理サーバとをネットワークを介して結合するようにして構成したことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、セキュリテイシステムを補完するためのネットワークカメラ監視システムであって、動き検出手段を持つ複数の回転台付き、又はマイク付きカメラ部と、パソコン又は専用表示端末で構成される蓄積部と、パソコン又は専用表示端末で構成される表示部と、アドレス管理などのための管理サーバとをネットワークを介して結合するようにして構成したことを特徴とするネットワークカメラ監視システムとしたものであり、信頼性のおけるネットワーク監視カメラシステムを提供することができるという作用を有する。
【0006】また、本発明の請求項2に記載の発明は、前記カメラ部は画像データを逐次記憶するためのメモリを有するとともに前記ネットワークのトラヒックを監視するトラヒック監視手段を有しており、該トラヒック監視手段は、トラヒックが多い場合には、緊急且つ必要な画像データのみを又はデータとして音声と映像を同時に送る場合には音声を映像に優先させて前記表示部に送り、またトラヒックが少ない場合には、画像情報の詳細を前記表示部に送るようにしたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、トラヒックを監視して画像データの転送量を可変できるという作用又は音声を映像に優先させて表示部に送ることができるという作用を有する。
【0007】また、本発明の請求項3に記載の発明は、前記動き検出手段による動き検出をトリガに、前記メモリに記憶しておいてデータを外部のセンサ入力で条件間引きして転送することを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、外部のセンサ入力で条件間引きして転送することができるという作用を有する。
【0008】また、本発明の請求項4に記載の発明は、アラームの発生した内容が誤報と人間が判断してもデータ的には削除せず、マークを付けて検索対象から外し、人為的、作為的のデータ消去を防ぐようにしたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、アラームの発生した内容がもしも誤報であっても人為的、作為的のデータ消去を防ぐようにすることができるという作用を有する。
【0009】また、本発明の請求項5に記載の発明は、アラームの発生時には、時間、カメラごとの設置場所情報、回転台付きカメラのポジション情報、アラーム発生事由を収得し、それを前記メモリに記憶するとともに、前記ネットワークを介して表示部に転送することを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、従来よりも詳細なアラーム情報を収得することができるという作用を有する。
【0010】また、本発明の請求項6に記載の発明は、前記カメラ部に、あらかじめ指定した一定以上の音声入力があった場合、アラーム出力として出力する手段と、その出力を行なうか否かを選択できる手段を有したことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、一定以上の音声入力があった場合にアラームを出力するか否かを選択して出力することができるという作用を有する。
【0011】また、本発明の請求項7に記載の発明は、前記カメラ部のCCDの電荷蓄積時間を制御することによって、夜間感度を上げる長時間蓄積モードに設定するネットワーク伝送部が管理し、映像出力レベルと前記CCDの電荷蓄積時間の制御に応じて、同じデータをネットワークに送出しないことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、ネットワークに送出するデータ量を減らすことができるという作用を有する。
【0012】以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。本発明は、セキュリテイシステムを補完するためのネットワークカメラ監視システムであり、基本的には、動き検出手段を持つ複数の回転台付き、又はマイク付きカメラ部と、パソコン又は専用表示端末で構成される蓄積部と、パソコン又は専用表示端末で構成される表示部と、必要があればアドレス管理などのための管理サーバとをイーサネット等のネットワーク(LAN、公衆網でもよい)を介して結合するようにして構成されるものである。
【0013】図1は、本発明の実施の形態におけるネットワークカメラ監視システムの概要構成を示すものである。図1において、ネットワークカメラ監視システムは、複数のカメラ部1と、ネットワーク2と、パソコン又は専用表示端末などからなる蓄積部3と、同じくパソコン又は専用表示端末などからなる表示部4と、ネットワークドメインなどのアドレス管理をするための管理サーバ5とから構成されている。
【0014】図2は、図1のカメラ部1をより細分化し、図1よりも詳細なネットワークカメラ監視システムの構成を示すものである。図2において、カメラ部1は複数設けられるとともに、各カメラ部1(図3参照)には画像データを記憶するメモリ(図3参照)と動き検出部10が内蔵されている。図示していないが、各カメラ部は回転台付き、又はマイク付きで構成されており、カメラの回転方向の制御、音声の収録などを適宜実施できるようにする。図2においては、カメラ部1は、直接ネットワーク2に結合されるもの、コントロールボックス11を経由してネットワーク2に結合されるもの、更にコントロールボックス11とアラーム画像サーバ12を経由してネットワーク2に結合されるものが示されている。
【0015】カメラ部1が直接ネットワーク2に結合されるものは、従来どおりの動作でネットワーク2に結合されるが、カメラ部1がコントロールボックス11を経由してネットワーク2に結合されるものは、コントロールボックス11で外部条件が付加され、外部条件に応じて画像データの転送量をコントロールするようにしている。一例としては、アパーチャを制御することでもって画像のデータ量を制御してネットワークのトラヒックの混雑度に対処する。
【0016】また、カメラ部1がコントロールボックス11とアラーム画像サーバ12を経由してネットワーク2に結合されるものは、アラーム画像サーバ12でカメラ部1から転送された画像データを逐次保持しており、アラームの発生をコントロールボックス11から入力されるとアラーム情報の同時性を確保する観点からアラーム情報を表示部4に転送する。この際、ネットワーク2のトラヒックが混雑していた場合には、通信の混雑具合を見ながら必要最低減の画像データを送るようにする。
【0017】また、データとして音声と映像を同時に送る場合には音声を映像に優先させて表示部に送るようにする。これは、音声が途切れるということが監視者にとって気になるのを防ぐためである。
【0018】なお、画像データをカメラ部1で消すタイミングは、アラーム画像サーバ12に転送直後ではなく、アラーム画像サーバ12で二次記憶し終わったことを通知されることによって行なうことが望ましい。
【0019】図3は、図1のカメラ部1の構成を示すブロック図である。図3において、カメラ部は、カメラ制御部25による絞り制御を受けるレンズ21と、CCD素子22と、AGC23と、A/D変換器24と、カメラ制御部25と、電荷蓄積時間制御部26と、ビデオデジタルプロセス部27と、JPEGエンコーダ28と、動き検出部29と、アラーム監視部30と、記憶部31と、サーバ32と、TCP/IP部33と、接点制御部34とから構成されている。そして、動き検出部29は、ビデオデジタルプロセス部27のプロセスから動きが検出されるようにされ、アラーム監視部30は、アラームの発生により接点制御部34の接点情報、動き検出部29からの監視対象の動きからアラーム監視すべき事態の発生を判断して記憶部31にデータを記憶すると共に、記憶部31からサーバ32、TCP/IP部33を経てネットワークに伝送するようにしている。アラーム情報としては、カメラ映像信号、アラームログ情報、アラーム発信情報が伝送される。
【0020】また、図4は、図3のカメラ部でのCCD電荷蓄積制御による出力データの生成の様子を示す図であり、通常は1フィールド毎に所定の映像出力レベルでもってネットワークにデータ転送しているが、夜間においては、フィールド間隔(図4の場合は、2フィールド毎)を広くとって感度を上げ且つ映像出力レベルを通常の場合に比べて2倍に上げネットワークにデータ転送するようにする。これにより、同じデータをネットワークに送出しないようにすることができる。最後にアドレス管理について図2を用いて説明すると、マイク付きカメラ部1では、映像と音声の両方のデータを収得することができるので、カメラ部1のメモリ(記憶部)においては、ネットワークドメイン形式を用いて映像と音声の記録ファイルを作成しておき、それを別々に表示部4に転送するようにする。そのためには、アドレス管理する管理サーバ5を用意しておく必要がある。
【0021】このようにアドレス管理を実施しておくと、たとえIPアドレスが変わってもカメラ固有のMACアドレスとカメラ名だけを情報にしてカメラの表示切り替えなどの選択を実施することができ、常に設置時に設定した一定の組み合わせが保たれるので、好都合である。また、設置時に使用するIPアドレスを示して(入力)後に組み合わせが変わるDHCPによってアドレス付与の関係が変化しても、同時に設定したカメラ名とMAC(固有アドレス)との関連を記憶しておくことで、IPアドレスによって通信していることをユーザから隠すことができるので、この点からも好都合である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に記載の発明は、セキュリテイシステムを補完するためのネットワークカメラ監視システムであって、動き検出手段を持つ複数の回転台付き、又はマイク付きカメラ部と、パソコン又は専用表示端末で構成される蓄積部と、パソコン又は専用表示端末で構成される表示部と、アドレス管理などのための管理サーバとをネットワークを介して結合するようにして構成したことを特徴とするネットワークカメラ監視システムとしたものであり、信頼性のおけるネットワーク監視カメラシステムを提供することができるという効果を有する。
【0023】また、本発明の請求項2に記載の発明は、前記カメラ部は画像データを逐次記憶するためのメモリを有するとともに前記ネットワークのトラヒックを監視するトラヒック監視手段を有しており、該トラヒック監視手段は、トラヒックが多い場合には、緊急且つ必要な画像データのみを又はデータとして音声と映像を同時に送る場合には音声を映像に優先させて前記表示部に送り、またトラヒックが少ない場合には、画像情報の詳細を前記表示部に送るようにしたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、トラヒックを監視して画像データの転送量を可変できるという効果又は音声を映像に優先させて表示部に送ることができるという効果を有する。
【0024】また、本発明の請求項3に記載の発明は、前記動き検出手段による動き検出をトリガに、前記メモリに記憶しておいてデータを外部のセンサ入力で条件間引きして転送することを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、外部のセンサ入力で条件間引きして転送することができるという効果を有する。
【0025】また、本発明の請求項4に記載の発明は、アラームの発生した内容が誤報と人間が判断してもデータ的には削除せず、マークを付けて検索対象から外し、人為的、作為的のデータ消去を防ぐようにしたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、アラームの発生した内容がもしも誤報であっても人為的、作為的のデータ消去を防ぐようにすることができるという効果を有する。
【0026】また、本発明の請求項5に記載の発明は、アラームの発生時には、時間、カメラごとの設置場所情報、回転台付きカメラのポジション情報、アラーム発生事由を収得し、それを前記メモリに記憶するとともに、前記ネットワークを介して表示部に転送することを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、従来よりも詳細なアラーム情報を収得することができるという効果を有する。
【0027】また、本発明の請求項6に記載の発明は、前記カメラ部に、あらかじめ指定した一定以上の音声入力があった場合、アラーム出力として出力する手段と、その出力を行なうか否かを選択できる手段を有したことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、一定以上の音声入力があった場合にアラームを出力するか否かを選択して出力することができるという効果を有する。
【0028】また、本発明の請求項7に記載の発明は、前記カメラ部のCCDの電荷蓄積時間を制御することによって、夜間感度を上げる長時間蓄積モードに設定するネットワーク伝送部が管理し、映像出力レベルと前記CCDの電荷蓄積時間の制御に応じて、同じデータをネットワークに送出しないことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システムとしたものであり、ネットワークに送出するデータ量を減らすことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るネットワーク監視カメラシステムの概略構成を示す図、
【図2】本発明の実施の形態に係るネットワーク監視カメラシステムの構成を示す図、
【図3】本発明の実施の形態に係るカメラ部の構成を示すブロック図、
【図4】本発明の実施の形態に係るカメラ部でのCCD電荷蓄積制御による出力データの生成の様子を示す図、
【図5】従来のネットワーク監視カメラシステムの概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1、51 カメラ部
2、52 ネットワーク
3、53 蓄積部
4、54 表示部
5 管理サーバ
10、29 動き検出部
11 コントロールボックス
12 アラーム画像サーバ
21 レンズ
22 CCD
23 AGC
24 A/D変換器
25 カメラ制御部
26 電荷蓄積時間制御部
27 ビデオデジタルプロセス部
28 JPEGエンコーダ
30 アラーム監視部
31 記憶部
32 サーバ
33 TCP/IP部
34 接点制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 セキュリテイシステムを補完するためのネットワークカメラ監視システムであって、アラームの発生を検出する鍵となる動き検出手段を持つ複数の回転台付き、又はマイク付きカメラ部と、パソコン又は専用表示端末で構成される蓄積部と、パソコン又は専用表示端末で構成される表示部と、アドレス管理などのための管理サーバとをネットワークを介して結合するようにして構成したことを特徴とするネットワークカメラ監視システム。
【請求項2】 前記カメラ部は画像データを逐次記憶するためのメモリを有するとともに前記ネットワークのトラヒックを監視するトラヒック監視手段を有しており、該トラヒック監視手段は、トラヒックが多い場合には、緊急且つ必要な画像データのみを又はデータとして音声と映像を同時に送る場合には音声を映像に優先させて前記表示部に送り、またトラヒックが少ない場合には、画像情報の詳細を前記表示部に送るようにしたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システム。
【請求項3】 前記動き検出手段による動き検出をトリガに、前記メモリに記憶しておいてデータを外部のセンサ入力で条件間引きして転送することを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システム。
【請求項4】 アラームの発生した内容が誤報と人間が判断してもデータ的には削除せず、マークを付けて検索対象から外し、人為的、作為的のデータ消去を防ぐようにしたことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システム。
【請求項5】 アラームの発生時には、時間、カメラごとの設置場所情報、回転台付きカメラのポジション情報、アラーム発生事由を収得し、それを前記メモリに記憶するとともに、前記ネットワークを介して表示部に転送することを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システム。
【請求項6】 前記カメラ部に、あらかじめ指定した一定以上の音声入力があった場合、アラーム出力として出力する手段と、その出力を行なうか否かを選択できる手段を有したことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システム。
【請求項7】 前記カメラ部のCCDの電荷蓄積時間を制御することによって、夜間感度を上げる長時間蓄積モードに設定するネットワーク伝送部が管理し、映像出力レベルと前記CCDの電荷蓄積時間の制御に応じて、同じデータをネットワークに送出しないことを特徴とする請求項1に記載のネットワークカメラ監視システム。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2000−83241(P2000−83241A)
【公開日】平成12年3月21日(2000.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−265783
【出願日】平成10年9月4日(1998.9.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】