ネットワーク制御装置、画像形成装置、画像形成システム、省エネ制御方法、省エネ制御プログラム、及び記録媒体
【課題】ネットワークに接続された外部装置から電源をオフする際に、省エネモードから復帰するような無駄電力消費を抑える。
【解決手段】システム全体の制御を司るメインCPUと、予め設定された制御を司るサブCPUとを有し、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出するパケットタイプフィルタもパターンフィルタもオフの状態であるレディ状態(S402)で電源オフ要求があると、メインCPUからサブCPUに対して電源オフ移行要求(S409)が出力されて、シャットダウン状態になる(S412)。また、パケットタイプフィルタもパターンフィルタもオンの状態である省エネスタンバイモード(S404)、もしくは省エネモード(S406)で電源オフ要求(S410,S411)が発生すると、パターンフィルタのマッチング判断により、電源オフ状態になる(S412)。
【解決手段】システム全体の制御を司るメインCPUと、予め設定された制御を司るサブCPUとを有し、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出するパケットタイプフィルタもパターンフィルタもオフの状態であるレディ状態(S402)で電源オフ要求があると、メインCPUからサブCPUに対して電源オフ移行要求(S409)が出力されて、シャットダウン状態になる(S412)。また、パケットタイプフィルタもパターンフィルタもオンの状態である省エネスタンバイモード(S404)、もしくは省エネモード(S406)で電源オフ要求(S410,S411)が発生すると、パターンフィルタのマッチング判断により、電源オフ状態になる(S412)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、コピー、MFP(Multi Function Peripheral)等のネットワークインターフェースの省エネルギ制御に係り、特に省エネルギ制御を行うネットワーク制御装置、前記ネットワーク制御装置を備えたプリンタ、コピー、MFPなどの画像形成装置、この画像形成装置を備えた画像形成システム、このネットワーク制御装置で実行される省エネ制御方法、この省エネ制御方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラム及びこのコンピュータプログラムを記憶した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネを考慮したシステムとして例えば特許文献1ないし4に開示された発明が公知である。このうち特許文献1には、通常の動作モードと、電源供給の制限された省エネルギモードとでの動作が可能な画像形成装置において、メインCPUは、通常動作モードにおける各種制御を実行し、サブCPUはメインCPUよりも消費電力が小さく、省エネルギモードにおいては、メインCPUを含む非常夜電源系への電力供給が遮断され、サブCPUに関連する常夜電源系には電力供給が維持され、ネットワークインターフェース、FAXインターフェースからのデータ受信、操作部からの所定の操作入力等に応じてサブCPUから解除指示が発行されると、電源制御部は、省エネルギモードを解除するとともにメインCPUを含む非常夜電源系への電力供給を再開するようにした発明が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、電力制御モードが省エネモード時に、メインチップに代えて電力供給される1チップマイコンがネットワーク接続手段を介するステータス取得要求に対して、検知されるステータスを応答し、所定のジョブ処理要求があった場合には、通常待機モードへ復帰させて、メインチップを動作させ、1チップマイコンが受信しているジョブ処理要求を引き渡す発明が記載されている。
【0004】
更に、特許文献3には、システム全体の制御を司るメインCPUと、前記システムの内、予め設定された制御を司るサブCPUとを備え、通常モードと省エネルギモードが設定されたネットワーク制御装置において、ネットワークを介して転送されてくるパケットに含まれる通常モードから省エネルギモードに復帰する復帰要因パケットを検出する復帰要因検出手段を備え、サブCPUは復帰要因検出手段が復帰要因パケットを検出するまでは受信したパケットの処理を行い、メインCPUは復帰要因パケットを検出した後、当該復帰要因パケットを含む前記検出以降に受信したパケットの処理を行うようにした発明が記載されている。
【0005】
加えて、特許文献4には、クライアント装置が、ネットワークに接続される複数のネットワーク機器に対する電源に関する要求を一括して作成して、各ネットワーク機器に対して、電源に関する要求を送信し、複数のネットワーク機器は、それぞれ、ネットワークを介して、クライアント装置からの電源に関する要求を受信して、当該電源に関する要求を解析し、解析した要求内容に応じた電源に関する処理を行って、処理結果をクライアント装置に送信するようにした発明が記載されている。
【0006】
いずれにしても、特許文献1ないし3には、通常モードと省エネモードで動作可能な装置が、2つのCPUから構成され、省エネモード時には1つのCPUで動作し、ネットワークなどを介して接続された外部装置からデータを受信すると省エネモードを解除するようにし、あるいは、ネットワークなどを介して接続された外部装置からステータスに関する問い合せ以外のデータを受信すると省エネモードを解除し、特許文献4記載の発明では、クライアント側でネットワークに接続される複数のネットワーク機器の電源管理を簡単に行うことを可能にした発明が記載されている。
【特許文献1】特開2004−005029号公報
【特許文献2】特開2004−034488号公報
【特許文献3】特開2005−267100号公報
【特許文献4】特開2007−310832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された発明では、省エネモード時、ネットワークなどを介して接続された外部装置から装置の電源をオフする要求を受信すると省エネモードが解除され、よりエネルギが消費される通常モードに移行し、オフ要求を解釈した後に装置の電源がオフされる。また、特許文献2に記載された発明でも、省エネモード時、ネットワークなどを介して接続された外部装置から装置の電源をオフする要求を受信すると、ステータスに関する問い合わせではないため、省エネモードが解除され、よりエネルギが消費される通常モードに移行し、オフ要求を解釈した後に装置の電源がオフされる。
【0008】
このような動作は、省エネモードから全くエネルギを必要としない電源オフに移行する際に、電源オフ要求を解釈するため、省エネモードよりエネルギを消費する通常モードに移行してから、電源がオフされるため、省エネ効率が悪くなってしまう。また、省エネモード時、オフしていたCPUを含む制御部は、電源オフ要求を解釈するために電源オンされ、電源オフ要求を実行後に電源オフされるため、余分に電源をオンされてしまう。このような動作は、オンオフ回数を多くしてしまい、デバイスの寿命を短くする要因にもなっている。この動作について図18を用いて説明する。
【0009】
図18において、符号1001は主電源スイッチオンのタイミング、符号1002は定着などのウォームアップを含むシステムの立上げ時間、符号1003はプリント動作可能な待機状態、符号1004はプリント動作中、符号1005はプリント動作可能な待機状態、符号1006はプリント動作完了後一定時間経過すると遷移する省エネモード、符号1007はウォームアップ後のコマンド解析時間をそれぞれ示す。
【0010】
この図18に示した省エネモードでは、ネットワーク等に接続された外部装置から電源オフ要求を受信すると、符号1007でウォームアップを終了した後に電源オフ要求解析を行い、主電源をオフする。理想的には消費電力が少ない符号1006で示した省エネモードから主電源をオフすることが望まれるが、特許文献1及び2記載の発明では、符号1007で示した期間で無駄に電力が消費されてしまうという問題があった。また、データ解析部の電源オンオフ回数が増えてしまうため、寿命が短くなるという問題もあった。
【0011】
また、特許文献3及び4に記載された発明においても、省エネモードから通常モードへ復帰することはできるが、省エネモードからシャットダウンすることはできないので、特許文献1及び2記載の発明と同様の問題を含んでいる。
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ネットワークに接続された外部装置から、電源をオフする際に、省エネモードから復帰するような無駄な電力消費を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、第1の手段は、システム全体の制御を司るメイン制御部と、前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置であって、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手段を備え、前記サブ制御部は、前記電源オフ要因パケットを検出したときに省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させることを特徴とする。
【0014】
第2の手段は、第1の手段において、前記サブ制御部は省エネモードでは、ネットワーク接続維持に必要なパケット処理を行うことを特徴とする。
【0015】
第3の手段は、第1又は第2の手段において、前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットフィルタからなり、当該パケットフィルタは、パターンフィルタに設定されているデータと送信されてきたパケットの所定の領域に書き込まれているデータとのパターンマッチングを取り、前記電源オフ要因パケットを検出することを特徴とする。
【0016】
第4の手段は、第1又は第2の手段において、前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットタイプフィルタからなり、当該パケットタイプフィルタは、パターンフィルタに設定されているデータと送信されてきたパケットの所定の領域に書き込まれているデータとのパターンマッチングを取り、前記電源オフ要因パケットを検出することを特徴とする。
【0017】
第5の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段に係るネットワーク制御装置であって、前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットタイプフィルタを含み、前記サブ制御部は、電源オフ要因パケットをパケットフィルタ又はパケットタイプフィルタで検出したとき、省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させることを特徴とする。
【0018】
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段に係るネットワーク制御装置と、入力されたデータに基づいて記録媒体に可視画像を形成する画像形成手段と、を備えた画像形成装置を特徴とする。
【0019】
第7の手段は、第6の手段に係る画像形成装置と、複数のクライアントコンピュータと、がネットワークを介して接続され、前記画像形成装置が前記クライアントコンピュータからの動作指令によって作動し、画像形成を行う画像形成システムを特徴とする。
【0020】
第8の手段は、システム全体の制御を司るメイン制御部と、前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置の省エネ制御方法であって、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出したとき、前記サブ制御部によって前記システム全体を省エネモードの状態から電源オフの状態に移行させることを特徴とする。
【0021】
第9の手段は、システム全体の制御を司るメイン制御部と、前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置の省エネ制御をコンピュータによって実行する省エネ制御プログラムであって、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手順と、電源オフ要因パケットを検出したとき、前記サブ制御部によって前記システム全体を省エネモードの状態から電源オフの状態に移行させる手順と、を備えていることを特徴とする。
【0022】
第10の手段は、第9の手段に係る省エネ制御プログラムがコンピュータによって読み取られ、実行可能に記録媒体に記録されていることを特徴とする。
【0023】
なお、後述の実施形態では、メイン制御部はメインCPU101に、サブ制御部はサブCPU280に、ネットワークは符号6に、電源オフ要因パケットを検出する手段はパケットフィルタ238あるいはパケットタイプフィルタ235−3に、画像形成装置は符号1に、クライアントコンピュータはPC2〜5に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、サブ制御部が電源オフ要因パケットを検出したときに省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させるので、ネットワークに接続された外部装置から、電源をオフする際に、省エネモードから復帰するような無駄な電力消費を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。同図において、本実施形態に係るネットワークシステムは、プリンタなど複数の機能を有する画像形成装置1と、これらの画像形成装置1を使用するPC2、3、4、5とがネットワーク6に接続されて構成されている。なお、ネットワーク6に接続されている画像形成装置1、PC2、3、4、5の数は一例であり、これらがもっと多く接続された大規模なシステムでも、もっと少ない端末からなる小規模なシステムでも同様である。この例ではPC2、3、4、5のいずれかから画像形成装置1に印刷指示を送って印刷させることが可能である。また、ネットワーク6は、この実施形態ではイーサネット(登録商標)が使用されている。
【0027】
画像形成装置1は、例えば電子写真方式やインクジェット方式の公知構造の画像形成手段を備えているものであり、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能など複数の機能を備えたデジタル複合機(MFP)などの画像形成装置を含む。このような形式の画像形成装置自体は公知なので、ここでは機械的構成や電気的構成の詳細は省略する。
【0028】
図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。制御システムはコントローラ100と、インターフェース部(インターフェースASIC)200と、両者を接続するPCIバス300とから構成されている。
【0029】
コントローラ100は、メインCPU101、ASIC102、ネットワーク6を介して送られてくる画像データを記憶するメモリ103及びHDD104からなり、メインCPU101ネットワーク6を介して送られてくる画像データを記憶するメモリ103及びHDD104は、それぞれASIC102に接続され、ASIC102はPCIバス300に接続されている。
【0030】
メインCPU101は画像形成装置1の制御を司り、ASIC102はメインCPU101ネットワーク6を介して送られてくる画像データを記憶するメモリ103及びHDD104へのデータの入出力の制御を行う。
【0031】
インターフェースASIC200はネットワーク6、外部要因入力240、電源制御線250と接続され、電源制御線250は電源回路310に接続され、電源制御線250を介して出力される指令に応じて電源回路310から電源供給線311、312によってコントローラ100及びインターフェース部200への電源供給が行われる。
【0032】
電源回路310は電源スイッチ313を介して商用電源315に接続され、電源スイッチ313がオンされると、まず電源供給線312からインターフェースASIC200に電源を供給し、続いて電源制御線250を介して出力される指令によって、コントローラ100への電源供給を行う。省エネモードに移行する場合は、電源制御線250を介して出力される指令により、電源供給線311からの電源供給をオフし、ネットワーク6を介して画像形成装置1全体の電源をオフする要求があった場合は、電源制御線250を介して出力される指令により、電源スイッチオフ信号314を出力し、電源スイッチ313をオフし、画像形成装置1全体への給電をオフする。
【0033】
また、前記PCIバス300とインターフェースASIC200は、インターフェースASIC200のPCI260がPCI260のI/O端子261を介して接続されている。PCI260はインターフェースASIC200側の構成要素であるアービタ270とシステムインターフェース271に接続されている。以下、インターフェースはI/Fと略称する。
【0034】
ネットワーク6には、イーサネット(登録商標)物理層(Ethernet(登録商標) Phy)231とMAC IP(Media Access Control Internet Protocol)232とが直列に接続されている。MAC IP232にはtxバッファ232tとrxバッファ232rが設けられ、前者にはmac_txif233が、後者にはMAC_rxif235が、それぞれ接続され、更にバス289を介して、DMAC_tx234及びDMAC_rx237が接続されている。また、DMAC_tx234及びDMAC_rx237は、更にアービタ270に接続されている。なお、233a、235aはそれぞれバス切り替え信号であり、mac_config225はMAC IP232、mac_txif233、及びmac_rxif235の設定を行う。
【0035】
mac_rxif235にはまた、rx_RAM236とパケットフィルタ238が接続され、このパケットフィルタ238は電源管理部241とバス289を介して割り込みコントローラ239に接続されている。
【0036】
電源管理部241には、外部要因240とパケットフィルタ238からの要因が入力され、電源制御部251に制御信号が出力される。パケットフィルタ238には、パターンフィルタが設けられ、後述するように省エネモードの場合、送られてきたパケットに特定のパターンが含まれていると、含まれるパターンに応じて、電源管理部241は電源制御部251に対して、メインCPU101の電源をオンしたり、電源スイッチ313をオフしたりするよう指示する。
【0037】
また、電源管理部241はバス289に接続され、電源制御部251、サブCPU280、ROM281、RAM282、ramI/F285及びマスタI/F287がバス290に接続され、RAM286はバス290及びバス291にramI/F285を介して接続されている。また、マスタI/F287はアービタ270にも接続され、アービタ270はマスタI/F287からの信号に応じてDMAC_tx234、DMAC_rx237の接続状態を調停する。更に、バス289、290、291はバス・アービタ283に接続され、バス・アービタ283によってバス289、290、291使用の調停が図られる。なお、バス291にはシステムレジスタ(sysreg)284が接続され、バス290には拡張用I/F288が接続されている。
【0038】
システムレジスタ284はこの実施形態では、インターフェースASIC200のバージョン情報を記憶している。これにより、バージョンアップやこのASIC200にバグが発見されたときの識別に利用される。サブCPU280は、省エネモードの際にメインCPU101の電源をオンオフ制御し、また、省エネモード時にメインCPU101を使用しなくとも処理できる場合に、その処理を実行する。逆に、メインCPU101が動作する通常モード時にはサブCPU280は省エネ状態(低消費電力状態)に設定される。
【0039】
図3はmac_rxif235の内部構成の詳細を示すブロック図である。同図において、mac_rxif235は、MAC IP232とのインターフェースとして機能するmac rxI/F235−1、パケットフィルタ238とのインターフェースとして機能するパケットフィルタI/F235−2、パケットタイプフィルタ235−3、rxバッファ232rとのインターフェースとして機能するrxバッファI/F235−4、パケットエントリジェネレータ235−5、パケットエントリレジスタ235−6、マスクレジスタ235−7、割り込みレジスタ235−8、cpuI/F235−9、セレクタ235−10、及びdmacI/F235−11から構成されている。
【0040】
このように構成すると、MAC IP232から入力されたネットワーク6からの伝送データは、パケットフィルタI/F235−2、パケットタイプフィルタ235−3及びrxバッファI/F235−4に入力され、パケットフィルタI/F235−2からパケットフィルタ238に、パケットタイプフィルタ235−3から割り込みレジスタ235−8、及びパケットエントリジェネレータ235−5へ、rxバッファI/F235−4からrx_RAM236にそれぞれ情報が入力できるようになっている。また、rx_RAM236からの情報は、サブCPU280からの指示によって、セレクタ235−10が動作し、dmacI/F235−11あるいはcpuI/F235−9に入力される。
【0041】
パケットタイプフィルタ235−3は省エネモードのときに予め設定された情報が書き込まれたパケットのみ選択するもので、パケットエントリジェネレータ235−5に対して選択すべきパケットか否かを通知し、パケットエントリレジスタ235−6はその通知に基づいてrxバッファI/F235−4に対してrx_RAM236に記憶させる情報を指示し、前記パケットタイプフィルタ235−3によって選択された情報のみがrx_RAM236に格納されることになる。この格納された情報は、後でも触れるがサブCPU280によって処理される。
【0042】
図4はrx_RAM236のメモリマップを示す図である。
Rx_RAM236は図4から分るようにType236−1、LENGTH236−2、パケット236−3及びStatus236−4から構成されている。Type236−1には、パケットフィルタ、パターンフィルタの番号が格納され、この番号はどのフィルタで受信したかを示す。LENGTH236−2は、受信パケット長を示し、Packet236−3には、受信したパケットの内容(ここでは、Packet1の内容)が格納される。また、Status236−4には、受信パケット情報、すなわち、MAC IP232からのパケット情報が格納される。
【0043】
パケットエントリレジスタ235−6はrx_RAM236のどこにどのようなパケットが書き込まれているかを登録するアドレス管理の機能を有し、rx_RAM236の受信パケットNの先頭アドレスが格納される。通常モードの場合には、前記パケットタイプフィルタ235−3は機能しないので、全ての情報が一旦rx_RAM236に格納され、dmacI/F235−11からDMAC_rx237を介してコントローラ100側に送られ、メインCPU101で処理される。なお、レジスタ(int reg235−8、msk reg235−7)から割り込み信号が出力され、この割り込み信号は割り込みコントローラ239に送られ、所定の割り込みが行われる。マスクレジスタ235−7はI/FASIC200の入力端子が外部の影響を受けないようにマスクするマスク信号を出力する。
【0044】
このように構成された制御部では、通常モードではメインCPU101が印刷データをネットワークから受け取り、ASIC102がメモリ103に書き込み、その後、プリントエンジン側にデータを送って、印刷を行わせる。その際、サブCPU280は低消費電力モードに設定され、サブCPU280は最小限の消費電力で済むような状態になっている。この実施形態では、サブCPU280については電源をオフするのではなく、クロックを停止状態にしてサブCPU280の動作が行われないようにしている。この状態では、印刷データはネットワーク6からイーサネット物理層231、MAC IP232のrxバッファ232r、mac_rxif235、DMAC_rx237、アービタ270、PCI260、PCIバス300、ASIC102を経てメモリ103に入力され、印刷データがメモリ103に描画される。
【0045】
逆に他の機器にメモリ103あるいはHDD104に格納されたデータを送信する場合には、データはASIC102、PCIバス300、PCI260、アービタ270、DMAC_tx234、mac_txif233、MAC IP232のtxバッファ232t、イーサネット物理層231を経てネットワーク6に送出される。なお、mac_rxif235に入力されたデータはこの通常稼動状態では、rx_RAM236に一旦格納された後、格納された順に吐き出され、mac_rxif235からDMAC_rx237側に出力される。
【0046】
省エネモードは、所定時間外部からデータが制御部に入力されない場合、あるいは図示しない画像形成装置1の制御部あるいはネットワーク6に接続されたPC2、3、4、5から指定されたときに移行するモードで、このモードではメインCPU101を含むコントローラ100へは電力の供給は行われない。すなわち、コントローラ100に電力を供給する電源回路310からの通電は行われない。この通電の制御は、電源制御線250を介して電源制御部251によって行われ、電源制御部251は電源管理部241からの指示、あるいはサブCPU280からの指示によりコントローラ100への通電のオンオフを制御する。
【0047】
通常モードから省エネモードへの移行や、省エネモードから通常モードへの移行、省エネモードから電源オフへの移行については後述するとして、省エネモードでは、メインCPU101を含むコントローラ100に駆動電力が供給されないことから、メインCPU101は動作せず、メモリ103、HDD104も使用することができない状態となっている。この状態では、ネットワーク6、外部要因240及び電力制御線250に関係する各部は通電されている。省エネモードになると、コントローラ100への電源供給は絶たれ、ネットワーク6との通信はサブCPU280が制御する。
【0048】
ネットワーク6を介して入力されるデータがサブCPU280で処理できるものであれば、そのまま省エネモードを継続するが、印刷データがネットワーク6を介して入力されると、サブCPU280では処理できなくなるので、コントローラ100への通電を開始し、省エネモードから通常モードへ移行する。また、ネットワーク6を介して電源オフ要求が入力され、特定のパターンを検出すると、電源オフ要求と解釈し、商用電源315からの通電をオフする。省エネモードでは、ネットワーク6から画像形成装置1に入力されるパケットに対してmac_rxif235のパケットタイプフィルタ235−3でフィルタをかけ、入力されるパケットの内、予め設定された情報が書き込まれたパケットを前記フィルタ235−3で選択してrx_RAM236に格納し、前記情報が書き込まれていないパケットは上書きされ、実質的に格納されることはない。
【0049】
図5は通常モードから省エネモードへの移行時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングを示す図である。
同図において、通常モードではメインCPU101は動作状態でサブCPU280はDOZE状態(クロックが停止している状態)である。したがってサブCPU280は通電されているが、クロックは供給されていないので、実質的には電力を消費していない状態となっている。この状態でも漏れ電流はあるので、消費電力は零ではないが、電力消費は最小限の状態である。
【0050】
この状態で、まず、メインCPU101はパケットタイプフィルタ235−3をイネーブルにし(S101)、次いで、パケットフィルタ238に設けられているパターンフィルタをイネーブルにする(S102)。そして、割り込みコントローラ239から割り込みが発生し、省エネモード移行要求をサブCPU280に出力する(S103)。省エネモード移行要求は最後に行ったジョブ終了時から予め設定された時間が経過したとき、あるいはネットワーク6に接続されているPC2、3、4、5のいずれかから省エネモード移行指示があった場合に出力される。また、画像形成装置1の操作パネルから入力される場合もある。なお、図5を含む以下の説明においてINTは割り込みを示す。
【0051】
このようにして省エネモード移行要求がサブCPU280に出力されると、サブCPU280は省エネモード移行の要因を確認する。この場合の要因は、前記パターンフィルタの出力によって確認される。サブCPU280は省エネモードの移行の要因を確認すると、省エネモード移行処理を開始する(S104)。省エネモード移行処理では、サブCPU280は、まずメインCPU101に対してアクセスし、設定情報をメインCPU101に対して確認する(S105)。この場合、設定情報は、ネットワーク6に関する情報や画像形成装置1における用紙の情報などである。メインCPU101はサブCPU280からの設定情報確認を受けて、設定情報を送信する(S106)。
【0052】
サブCPU280は設定情報の確認をメインCPU101から受けて移行準備完了通知をメインCPU101に対して送信する(S107)。メインCPU101は移行準備完了通知を確認し(S108)、メインCPU101の省エネモード移行の段階に入る。サブCPU280では、S107で省エネモードへの移行準備が完了した後、バス切り替え回路233a、235aによりパケット転送バス289をそれぞれサブCPU280側に切り替え、サブCPU280での送受信処理を開始する(S109)。そして、省エネモードへの移行取り消し猶予監視時間T1の経過を待ち、この猶予監視時間T1を経過する前に省エネモードに移行することを阻害する要因が発生しないときに、サブCPU280はDMA_rx237の停止要求をメインCPU101に出力する(S110)。この猶予監視時間T1はサブCPU280の省エネモード移行準備が完了した後、メインCPU101がネットワーク6から送信されてきたパケットの処理を少なくとも完了する時間に設定されている。これによりネットワーク6と画像形成装置1のシステム間で通信が中断されることはなく、転送されてきた処理すべきパケットは、メインCPU101あるいはサブCPU280で必ず処理されることになる。また、この猶予監視時間T1は、S109でサブCPU280がパケット転送パスをサブCPU280側に切り替えても、その前に転送され、メインCPU101でまだ処理されていないパケットがDMACなどに残っているので、それらのパケットを処理するための時間にも相当する。なお、この猶予時間が経過すれば、DMAC_rx237を停止してもすでにメインCPU101側での処理が終了しているので、未処理のパケットが生じることはない。
【0053】
メインCPU101はサブCPU280からDMAC234、237停止要求を受けてDMA転送を停止する(S111)。また、メインCPU101はDMAC234、237から割り込みを受けてDMA転送が停止したことを確認する(S112)と、サブCPU280に省エネモード移行要求を出力する(S113)。
【0054】
サブCPU280は、メインCPU101から省エネモード移行要求を受けると、入出力端子をサブCPU280側に接続し、メインCPU101の電源を落としたときに外部端子から不必要な消費電力が生じないように後述のI/O端子処理を実行し(S114)、メインCPU101側に省エネモード移行のためにメインCPU101を含むコントローラ100への電源供給を停止する(S115)。I/O端子処理とは、以下に述べるような処理のことである。図2に示したシステムではPCIバスで使用しているI/O端子を電源が遮断される前にHi−z状態に制御し、電源遮断中もHi−z状態に保持しておくことによって、電源が遮断されている側のASICに流れ込む電流を排除し、低消費電力を促進するようにしている。このようにHi−z状態に保持することにより、低消費電力化だけではなく、誤動作の発生や制御の確実性も意図している。
【0055】
すなわち、電源を遮断しただけでは、遮断したときに溜まっていた電荷が意図しない側に流れて誤作動を引起し、あるいはショートして大電流が流れ、素子が破壊されるなどの危険性もはらむことになる。そこで、本実施形態ではI/O端子261をHi−z状態とし、このような事態が発生しないようにしている。これにより、メインCPU101には電源供給が絶たれ、メインCPU101を含むコントローラ100はシャットダウン状態となる(S116)。このようにしてコントローラ100がシャットダウン状態になることにより、省エネモードへの移行が完了し、制御権がメインCPU101からサブCPU280に移り、省エネモードが解消されるまで、サブCPU280が画像形成装置1の制御を司ることになる。
【0056】
なお、S107からS110までの猶予監視時間T1は、省エネモード移行準備が完了した後に、省エネモード移行を阻害する要因が発生したときに対処するために設けられた期間であり、例えばネットワーク6から送信されてくる情報に印刷情報が含まれていた場合には、メインCPU101で印刷処理を行わなければならないので、省エネモード移行をキャンセルして通常モードに戻るために用意されている。
【0057】
図6は前記監視時間T1が経過する前に省エネモード移行を阻害する要因が発生したときのメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理のタイミングを示す図である。ここでは、S101からS109までは、省エネモード移行の場合と同様の処理が同様のタイミングで実行される。
【0058】
そこで、S109でパケット転送バス289をサブCPU280側に切り替え、サブCPU280での送受信処理を開始し、サブCPU280による移行取り消し猶予監視時間T1中にサブCPU280側に省エネモード移行を阻害する要因が発生したときには省エネモード移行準備が取り消され(S121)、その旨、メインCPU101に送信される。これを受けて、メインCPU101では省エネモード移行を取り消す(S122)。一方、メインCPU101側に省エネモード移行を阻害する要因が発生したときには省エネモード移行準備が取り消され(S123)、その旨、サブCPU280に送信される。これを受けて、サブCPU280では省エネモード移行を取り消す(S124)。そして、前記監視時間T1が経過した後、サブCPU280側にすでに受信し、メインCPU101側で処理すべきパケットがあれば、メインCPU101側に引渡し(S125)、メインCPU101では、これを受け取る(S126)。
【0059】
省エネモード移行を阻害する要因とは、例えば、パケットフィルタ238に後述のウエイクアップフレームが転送されたとき、画像形成装置1の操作部からスタートボタンの押下、あるいはADFの圧板開閉動作などの画像形成動作に結びつく動作を行わせる指示が入力されたとき、ネットワーク6からメインCPU101が印刷するデータが転送されてきたときなどである。このような要因が発生すると、省エネモードに移行すると印刷ができなくなるので、省エネモードに移行することなく通常モードで動作させる。
【0060】
サブCPU280側では、S125でデータを受け渡した後、S109で切り替えたパケット転送バス289をメインCPU101側に戻し、サブCPU280での送受信処理を停止する(S127)。メインCPU101は、パケット転送バス289がメインCPU101側に切り替えられた後、サブCPU280のDOZE移行を許可する(S128)。サブCPU280は要因を確認し、DOZE移行に問題がなければクロックの転送を停止し、DOZE状態に移行する(S129)。この状態で、サブCPU280も通常モードに復帰しているので、メインCPU101での制御が実行され、パケットタイプフィルタディスエーブル(S130)に、更にパターンフィルタディスエーブル(S131)の状態にして完全に通常モードに戻る。
【0061】
このように制御すると、省エネモードへの移行処理が開始された後でも、省エネモードに移行することなく通常モードに復帰することができ、前記移行及び復帰期間はメインCPU101及びサブCPU280ともに作動しているので、ネットワーク6上で通信が絶えることがない。これにより、データの欠落が生じることもない。
【0062】
図7は省エネモードから通常モードへ復帰するときのメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理のタイミングを示す図である。図7の状態は、メインCPU101は電源オフ(シャットダウン)の状態、サブCPU280は省エネモードで作動している状態である。
【0063】
この状態で、サブCPU280に省エネモードから通常モードへ復帰する要因が発生すると(S151)、メインCPU101の電源をオンにし(S152)、サブCPU280はI/O端子処理を実行し(S162)、メインCPU101と接続されているI/O端子のHi−z状態を解除する。これらの操作によって、省エネモードから通常モードへ移行する際にメインCPU101に電源が投入される瞬間に流れ込む電流を排除することが可能になる。省エネモードから通常モードへ復帰する要因は、後述するがパケットタイプフィルタ235−3でネットワーク6から送られてきたパケットに特定のパケット、ここではSYNパケット(SYNフラグ)が含まれていた場合、操作部からの入力やADFの圧板が操作された場合のように外部から画像形成処理を行う前の操作信号が入力された場合(外部要因)、パケットフィルタ238に設けられているパターンフィルタが復帰要因を示すパターンを検出した場合などである。
【0064】
電源は電源装置310に対して電源制御部251が電源制御線250を介してメインCPU101に対して電源を供給する信号を送ることによってオンされる。このようにしてメインCPU101に電源が入ると、メインCPU101はブート処理を実行し、立ち上がるための一連の処理を実行する。一方、サブCPU280ではパターンフィルタディスエーブル(S153)としてパケット処理は継続する(T2)。これはメインCPU101が電源オン状態ではあるが、ブート状態であるので、メインCPU101では、まだ、パケット処理は不可能であるため、サブCPU280で行う必要があるからである。そして、サブCPU280が復帰要因パケット(この実施形態では、SYNパケット)を検出するまでパケット処理を継続し(S154)、復帰要因パケットを検出した時点でサブCPU280のパケット処理は停止し、メインCPU101の割り込みを待つ(T3)。S154で割り込み要因を検出するということは、S153でパターンフィルタディスエーブルにすることにより、パターンフィルタからパケットの入力が行われなくなった後、サブCPU280のパケット処理が進行し、復帰要因となったパケットを検出することであり、これ以降、メインCPU101側で処理してもサブCPU280側で処理するパケットがないことを意味する。
【0065】
そこで、メインCPU101ではブート処理の終わりに電源オンの要因を確認し(S155)、その後、稼動状態に入る。そして、サブCPU280にアクセスして設定条件を確認し(S156)、送受信バッファ(tx_buffer232t及びrx_buffer232r)を初期化する(S157)。この状態で通常モードに復帰可能となるので、割り込みをかけて通常モード移行準備が完了したことをサブCPU280に知らせる(S158)。サブCPU280はT3でメインCPU101からの割り込みを待っていたことから、S158の割り込み確認した時点で、DOZE状態に移行する(S159)。メインCPU101では、通常モードに復帰したので、DMA転送を開始し(S160)、パケットタイプフィルタ235−3をディスエーブルにする(S161)。これによりmac_rxif235に入力されたパケットは一旦rx_RAM236に入るが、フィルタ処理は行われずに、そのままコントローラ100側に送信され、メモリ103に格納された後、メインCPU101で処理される。
【0066】
なお、S153のパターンフィルタディスエーブルは、S151で復帰要因が発生した後、早いタイミングで設定した方が好ましい。これは、早いタイミングの方が、電源オンの信号の重複の可能性が低くなるからである。また、S161のパケットタイプフィルタ235−3は、サブCPU280がDOZE状態に移行した後にディスエーブルとなるように設定する。これは、サブCPU280で処理すべきパケット処理が残っている可能性を排除するためで、サブCPU280側で処理すべきパケット処理が確実に終了し、サブCPU280が作動しなくなった状態でネットワーク6を介して転送されてくるパケットは全てメインCPU101側に送られる。これにより省エネモードから通常モードへの復帰時においてもネットワーク上で通信が途絶えることはない。
【0067】
図8は通常モードから電源オフへの移行時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングを示す図である。同図において、まず、電源オフ要求が発生すると、サブCPU280に電源オフ要求を出力する(S180)。電源オフ要求は操作パネル、あるいはネットワーク6に接続されているPC2、3、4、5のいずれかから電源オフ移行指示があった場合に出力される。電源オフ要求がサブCPU280に出力されると、サブCPU280は電源オフの要因を確認する。サブCPU280は電源オフの移行要因を確認すると、電源オフ移行処理を開始する(S181)。電源オフ移行処理では、サブCPU280は、まずメインCPU101に対してアクセスし、設定情報をメインCPU101に対して確認する(S105)。この場合、設定情報は、ネットワーク6に関する情報や画像形成装置1における用紙の情報などである。
【0068】
メインCPU101はサブCPU280からの設定情報確認を受けて、設定情報を送信する(S106)。サブCPU280は設定情報の確認をメインCPU101から受けて移行準備完了通知をメインCPU101に対して送信する(S107)。メインCPU101は移行準備完了通知を確認し(S108)、メインCPU101の電源オフ移行の段階に入る。
【0069】
サブCPU280では、S107で電源オフへの移行準備が完了した後、バス切り替え回路233a、235aによりパケット転送バス289をそれぞれサブCPU280側に切り替え、サブCPU280での送受信処理を開始する(S109)。そして、サブCPU280はDMA_rx237の停止要求をメインCPU101に出力する(S110)。メインCPU101はサブCPU280からDMAC234、237停止要求を受けてDMA転送を停止する(S111)。また、メインCPU101はDMAC234、237から割り込みを受けてDMA転送が停止したことを確認する(S112)と、サブCPU280に電源オフ移行要求を出力する(S182)。サブCPU280は、メインCPU101から電源オフ移行要求を受けると、入出力端子をサブCPU280側に接続し、メインCPU101の電源を落としたときに外部端子から不必要な消費電力が生じないように後述のI/O端子処理を実行し(S114)、電源制御線250を介して、電源回路310の給電を断ち、画像形成装置1の電源をオフする(S183)。これにより、画像形成装置1の電源供給が絶たれ、画像形成装置1はシャットダウン状態となる(S116、S184)。
【0070】
図9は省エネモードから電源オフへの移行時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングを示す図である。図9の状態は、メインCPU101は電源オフ(シャットダウン)の状態、サブCPU280は省エネモードで作動している状態である。この状態で、サブCPU280に省エネモードから電源オフ要因が発生すると(S185)、画像形成装置1の電源をオフにする(S186)。省エネモードからの電源オフ要因は、後述するがパケットタイプフィルタ235−3でネットワーク6から送られてきたパケットに特定のパケットが含まれていた場合、操作部から入力された場合(外部要因)、パケットフィルタ238に設けられているパターンフィルタが電源オフ要因を示すパターンを検出した場合などである。
【0071】
図10は電源投入時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングとI/O端子261の状態を示す図である。本実施形態では、メインCPU101の電源制御をサブCPU280が行っていることから、電源投入時には図10に示すように、まずサブCPU280の電源がオンになり(S171)、次いでメインCPU101の電源がオンになる(S172)。その後、両者ともブート処理を実行し、サブCPU280が先に立ち上がり、サブCPU280のステータスをRAM286にセットした後(S173)、クロックを停止してDOZE状態となる。
【0072】
他方、メインCPU101では、電源オンの要因、すなわちRAM286に書き込まれたセット内容を確認した後(S174)、立ち上がり、ネットワーク関係の各部を初期化してネットワーク6との通信が可能な状態とし(S175)、DMA転送と通信を開始する(S176)。これによりメインCPU101が稼動状態となり、通常モードで動作することになる。この時点で、サブCPU280はDOZE状態となっており、サブCPU280側は省エネ状態となっている。
【0073】
この実施形態では、メインCPU101は電源を制御される側のASICの状態に等しく、サブCPU280は電源を制御する側のASICの状態に等しいので、サブCPU280によって制御されるI/O端子の状態を示している。システムの電源投入直後は、Hi−zに制御できるI/O端子はHi−z状態に制御されない。つまり、メインCPU101が活性状態にあるときには、サブCPU280のI/O端子はHi−zに制御されない。ただし、通常の機能の一部として任意の時間、Hi−z状態になることはある。前述のように本実施形態では、パケットタイプフィルタ235−3とパターンフィルタとによって送信されてくるパケットを選択し、所定の処理を実行するようになっている。
【0074】
図11は復帰要因パケットの検出前と検出後のパケット処理の状態を示す説明図である。すなわち、図11は、送信されてくるパケット501の中から■で示した復帰要因パケットをフィルタ(復帰要因検出手段502)で検出し、この復帰要因を検出するまではパケット(図中○で示す)の処理をサブCPU(システム)280で行い、復帰要因パケットを含む当該パケットを検出した後のパケット(図中□で示す)の処理はメインCPU(システム)101で行う前記第1の手段に対応する構成を示している。このように処理すると、省エネモードから通常モードへの復帰時においてもI/FASIC200側で受信するパケットの中断がないので、ネットワーク側から見ると送信を継続して行うことができる。以下詳述する。
【0075】
図12はパケットタイプフィルタ235−3によってフィルタリングされるIPパケットの構造を示す図である。同図において、IPパケット200は、IPヘッダ201、TCPヘッダ202及びTCPデータ203からなり、TCPヘッダ202とTCPデータ203でTCPデータグラム204が構成され、TCPデータグラム204とIPヘッダ201でIPデータグラム205が構成されている。
【0076】
図13は図12のIPヘッダ201のフォーマット、すなわちIPヘッダフォーマットの内部構造を示す図である。IPヘッダフォーマットは、バージョン情報フィールド201a、ヘッダ長フィールド201b、TOS(type of service)フィールド201c、全長(tos_len)フィールド201d、識別(ID)フィールド201e、フラグフィールド201f、フラグメントオフセットフィールド201g、TTLフィールド201h、プロトコルフィールド201i、ヘッダチェックサムフィールド201j、発信元IPアドレスフィールド201k、宛先IPアドレスフィールド201l、及びオプションフィールド201mから構成されている。
【0077】
この構成において、バージョン情報フィールド201aは4に固定され、ヘッダ長フィールド201bはオプション領域まで含めたヘッダ長を示す。TOSフィールド201cはパケット処理において何を優先するかの指針を示す。全長フィールド201dはIPパケット200全体の長さを示す。識別フィールド201eとフラグメントオフセットフィールド201gはIPレベルのフラグメント(パケットの分割)とリアセンブルを実現するために利用される。TTLフィールド201hはネットワーク上でのIPパケットの残り生存時間を示す。ヘッダチェックサム201jはIPヘッダ部分のみのチェックサムである。
【0078】
図14は図12のTCPヘッダ202のフォーマット、すなわちTCPヘッダフォーマットの内部構造を示す図である。TCPヘッダフォーマットは、発信ポート番号フィールド202a、宛先ポート番号フィールド202b、シーケンス番号フィールド202c、確認応答番号フィールド202d、ヘッダ長202e、予約フィールド202f、フラグフィールド202g、ウインドウサイズフィールド202h、TCPチェックサムフィールド202i、緊急ポインタフィールド202j及びオプションフィールド202kから構成されている。発信元ポート番号フィールド202aは発信元のTCPポート番号を示し、宛先ポート番号202bは送信先のTCPポート番号を示す。シーケンス番号フィールド202cは、このパケットがデータストリーム中のどこに位置するかを示し、確認応答番号フィールド202dには受信パケットに対する応答(ACK)のシーケンス番号が書き込まれており、どこまで受信パケットを受け取ったかを相手に通知する。ヘッダ長フィールド202eはTCPヘッダ長を示し、オプションフィールド202eの有無に応じてヘッダ長が変化する。フラグフィールド202gにはURGからFINの6種のフラグが書き込まれ、ウインドウサイズフィールド202hは受信ウインドウの大きさを通知する。TCPチェックサム202iはTCPヘッダとデータの両方に対して計算される。緊急ポインタフィールド202jは緊急データの最後を指し示すものである。
【0079】
フラグフィールドの6種のフラグは引出し線で引出して示すように、URGフラグ202g−1、ACKフラグ202g−2、PSHフラグ202g−3、RSTフラグ202g−4、SYNフラグ202g−5、FINフラグ202g−6からなる。URG(緊急)フラグ202g−1は緊急ポインタフィールド202jの緊急ポインタが有効であることを示す。ACK(応答)フラグ202g−2は確認応答番号フィールドの202dの確認応答番号が有効であることを示す。通常このフラグは常にオンとなっている。PSH(PUSH)フラグ202g−3はなるべく早く送信することを示す。RST(RESET)フラグ202g−4はコネクションのリセットを要求するフラグである。SYNフラグ202g−5はコネクションの確立を要求するフラグであり、FINフラグ202g−6はコネクションの終了を要求するフラグである。
【0080】
図15はTCPプロトコルの基本的な接続シーケンスを示す図である。この接続シーケンスでは、PC2、3、4、5からARP(address resolution protocol)リクエストを画像形成装置1に発信し、画像形成装置1からARPレスポンスが返ってきてアドレス解決されると、PC2、3、4、5から画像形成装置1にSYNを送り、画像形成装置1からACKが返ってくるとTCPセッションが確立され、更にPC2、3、4、5からSYN/ACKを画像形成装置1に送り、通信が行われる。
【0081】
本実施形態では、mac_rxif235に設けられたパケットタイプフィルタ235−3の他に、パケットフィルタ238にパターンフィルタが設けられ、パケットのパターンマッチングによりフィルタリングして所定の処理を実行させるようにしている。パケットフィルタ238の機能は、ネットワーク上の他のマシン、ここではPC2、3、4、5から起動及びオフすることができる機能であり、PC2、3、4、5は画像形成装置1が省エネモードであるときに、ウエイクアップフレームを送信することにより起動し、画像形成装置1が通常モードあるいは省エネモードであるときに、シャットダウンフレームを送信することによりオフすることができる。ウエイクアップフレームが正しいMACアドレスを含んでいれば、画像形成装置1はスタンバイ又はサスペンド状態から復帰して通常モードで機能する。またシャットダウンフレームが正しいMACアドレスを含んでいれば、画像形成装置1はスタンバイ又はサスペンド状態から電源をオフする。
【0082】
このパケットの選別には送信されてくるパケットの中に例えば64バイトのパターンマッチング用のフィールドを設け、このフィールドに書き込まれたデータと予めパケットフィルタ238のパターンフィルタに設定されているデータとのパターンマッチングを取り、パターンマッチングが取れたパターンによって、パケットフィルタ238がシステムをウエイクアップしたり、シャットダウンしたりする。本実施形態では、パケットフィルタI/F235−2を介して、パケットフィルタ238に送信されてきたパケットに対してパターンフィルタがパターンマッチングを行い、パターンマッチングが取れたパターンにより、ウエイクアップフレームもしくはシャットダウンフレームが送信されてきたと判断する。ウエイクアップフレームが送信されてきたと判断した場合は、パケットフィルタ238は電源管理部241に対して電源制御部251がメインCPU101の電源をオンにするよう指示する。シャットダウンフレームが送信されてきたと判断した場合は、パケットフィルタ238は電源管理部241に対して電源制御部251がシステムの電源をオフにするよう指示する。
【0083】
なお、パケットフィルタI/F235−2を介して、パケットフィルタ238に送信されてきたパケットに対してパターンフィルタがパターンマッチングを行い、パターンマッチングが取れた場合には、割り込みコントローラ239からサブCPU280に割り込みが発生し、サブCPU280は、このパターンマッチングの割り込みに基づいて電源をオフさせる(S185,S186)。
【0084】
電源制御部251は、これらの指示に基づいて電源制御線250から電源供給部310に対して電源供給を行う、あるいは行わない指示を出力し、メインCPU101とシステム全体の電源制御を行う。ウエイクアップフレームの判断は、復帰要因となってメインCPU101の電源がオンになり、省エネモードから通常モードに復帰する図7のS151、及びS152に対応する。このとき、図7ではサブCPU280に対して復帰要因発生となっているが、同図は、このときサブCPU280が稼動していることを示しているだけで、サブCPU280が省エネモードから通常モードに復帰させる動作を行っているわけではない。また、ウエイクアップフレームを検出して省エネモードから通常モードに復帰させる手順が開始されると、パターンフィルタを機能させておく必要がなくなり、S153でパターンフィルタをディセーブルとする。
【0085】
通常モード時、シャットダウンフレームの判断は、オフ要因となってメインCPU101で行われ、通常モードから電源オフする図8のS180に対応する。省エネモード時、シャットダウンフレームの判断は、オフ要因となってパケットフィルタ238で行われ、省エネモードから電源オフする図9のS185に対応する。このように省エネモードと通常モードとによりパターンフィルタを機能させるか否かが決定される。パターンフィルタは省エネモードのときに機能すればよく、通常モード時に機能する必要はない。なお、パケットタイプフィルタ235−3のパターンフィルタでパターンマッチングする場合には、前述のように、パケットタイプフィルタ235−3から割り込みレジスタ235−8、及びパケットエントリジェネレータ235−5へ、rxバッファI/F235−4からrx_RAM236にそれぞれ情報が入力され、rx_RAM236からの情報は、サブCPU280からの指示によって、セレクタ235−10が動作し、cpuI/F235−9に入力され、サブCPU280に入力される。その際、前記パターンマッチングするデータがあれば、サブCPU280は省エネモードから電源をオフさせる。
【0086】
図16は、省エネモード移行要求があった場合、省エネモード復帰要求があった場合、及び電源オフ要求があった場合の状態遷移を示す省エネ状態遷移図である。この図に示すように電源がオンになると(S301)、まず通常モードで動作する(S302)。このときパケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオフの状態である。この状態でメインCPU101からサブCPU280に対して省エネモード移行要求があると(S303)、省エネモードに移行する(S304)が、このときパケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオンとなっている。
【0087】
また、S302で電源オフ要求があると、メインCPU101からサブCPU280に対して電源オフ移行要求(S306)が出力されて、シャットダウン状態になる(S308)。省エネモード(S304)で復帰要因が発生し、省エネ復帰要求(S305)により通常モードに復帰する際には、パターンフィルタとパケットタイプフィルタ235−3をオフにする。S304で電源オフ要求(S307)が発生すると、パターンフィルタのマッチング判断により、電源オフ状態になる(S308)。このようなフィルタ制御を通常モード(Ready状態)と省エネモードとで繰返して省エネ制御を実行する。
【0088】
図17は、図6に示した省エネモードの移行取り消し処理を含む省エネモード移行要求、省エネモード復帰要求、及び電源オフ要求等があった場合の遷移状態を示す省エネ状態遷移図である。この省エネ状態の遷移では、図16の遷移図に対して図6のS121からS124の処理を含む場合を示している。
【0089】
すなわち、電源がオンになると(S401)、まず通常モードで動作する(S402)。このときパケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオフの状態である。この状態でメインCPU101からサブCPU280に対して省エネモード移行要求があると(S403)、省エネモード移行を開始し、移行準備が完了すると、パケット転送バスを切り替えて、サブCPU280による移行取り消しがあるかどうかを監視する(S404)。これを省エネスタンバイモードとここでは称する。この監視状態(S404)では、パケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオンとなっている。
【0090】
S404の省エネスタンバイモードで、省エネモードの取り消し要求を検出した場合、これをメインCPU101側に転送する(S408)。これによりメインCPU101はレディ状態に戻り(S402)、パケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオフされる。S404の省エネスタンバイモードで、移行取り消し猶予監視時間T1経過した場合、省エネ移行要求により(S405)、省エネモードに移行する(S406)。復帰要因が発生すると、省エネ復帰要求(S407)により省エネ状態から通常モードに移行し、パターンフィルタをオフ、パケットタイプフィルタ235−3をオフにしてレディ状態となる(S402)。そして、電源オフになるまでレディ状態(S402)、省エネスタンバイ状態(S404)、及び省エネモード状態(S406)を省エネ要求(S403)、省エネ取り消し要求(S408)、省エネ移行要求(S405)、省エネ復帰要求(S407)の各要求に応じて遷移し、省エネ制御を実行する。
【0091】
パケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオフの状態であるレディ状態(S402)で電源オフ要求があると、メインCPU101からサブCPU280に対して電源オフ移行要求(S409)が出力されて、シャットダウン状態になる(S412)。また、パケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオンの状態である省エネスタンバイモード(S404)、もしくは省エネモード(S406)で電源オフ要求(S410,S411)が発生すると、パターンフィルタのマッチング判断により、電源オフ状態になる(S412)。
【0092】
なお、これらの各工程はコンピュータプログラムによって実現される。プログラムデータは、予めROMに格納されているが、必要に応じて、あるいはバージョンアップなどの要求によりネットワークに接続されたサーバや図示しない記録媒体駆動装置にロードされたCD−ROM、SDカード、光磁気ディスクなどの公知の記録媒体から読み出してダウンロードするように構成することも可能である。
【0093】
以上のように本実施形態によれば、
1)省エネモードから電源オフすることができるので、電源オフ要求を解釈するために通常モードに復帰する必要がなくなり、ネットワーク制御装置の電源をオフする際の電力を削減することができる。
2)省エネモードから電源オフすることができ、通常モードに戻った後に電源オフする必要がないので、電源のオン/オフ回数を削減することが可能となり、電子部品の寿命を延ばし、信頼性の向上を図ることができる。
3)省エネモード時、サブCPU280でネットワーク接続維持に必要なパケット処理を行うので、通常モードより低い電力で、ネットワーク接続維持が可能である。
4)ネットワーク6から転送されてきた所定のパケット(本実施形態では電源オフ要因パケット)をパケットフィルタ238検出したときに、サブCPU280は省エネモードから電源オフに移行させるので、簡易の制御構成で実現できる。
5)電源オフ要因パケットの検出がパケットフィルタ238のパターンフィルを使用したパターンマッチングによって行われるので、ソフト的に処理することが可能であり、簡単かつ精度よく検出することができる。
6)ネットワークに接続された画像形成装置1の電源部の制御に使用することにより、画像形成装置の電源をオフする際の電力を削減することができ、省エネ効果を得ることができる。
7)クライアントコンピュータ2〜5を含めた画像形成システムに応用することで、クライアントコンピュータ2〜5の指示に従って、画像形成装置1の電源をオフする際の電力を削減することができる。
などの効果を奏する。
【0094】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】図2におけるmac_rxifの内部構成の詳細を示すブロック図である。
【図4】図3におけるrx_RAMのメモリマップを示す図である。
【図5】通常モードから省エネモードへの移行時のメインCPUとサブCPUの動作状態と処理タイミングを示す図である。
【図6】監視時間が経過する前に省エネモード移行を阻害する要因が発生したときのメインCPUとサブCPUの動作状態と処理のタイミングを示す図である。
【図7】省エネモードから通常モードへ復帰するときのメインCPUとサブCPUの動作状態と処理のタイミングを示す図である。
【図8】通常モードから電源オフへの移行時のメインCPUとサブCPUの動作状態と処理タイミングを示す図である。
【図9】省エネモードから電源オフへの移行時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングを示す図である。
【図10】電源投入時のメインCPUとサブCPUの動作状態と処理タイミングとI/O端子の状態を示す図である。
【図11】復帰要因パケットの検出前と検出後のパケット処理の状態を示す説明図である。
【図12】パケットタイプフィルタによってフィルタリングされるIPパケットの構造を示す図である。
【図13】図12のIPヘッダのフォーマットであるIPヘッダフォーマットの内部構造を示す図である。
【図14】図12のTCPヘッダのフォーマットであるTCPヘッダフォーマットの内部構造を示す図である。
【図15】TCPプロトコルの基本的な接続シーケンスを示す図である。
【図16】省エネモード移行要求があった場合、省エネモード復帰要求があった場合、及び電源オフ要求があった場合の状態遷移を示す省エネ状態遷移図である。
【図17】省エネモードの移行取り消し処理を含む省エネモード移行要求、省エネモード復帰要求、及び電源オフ要求等があった場合の遷移状態を示す省エネ状態遷移図である。
【図18】従来例における省エネモードにおける動作と電力との関係を、時間をパラメータとして示した図である。
【符号の説明】
【0096】
1 画像形成装置(MFP)
2,3,4,5 PC(パーソナルコンピュータ)
6 ネットワーク
100 コントローラ部
101 メインCPU
200 インターフェースASIC
231 イーサネット物理層
232 MAC IP
233 mac_txif
235 mac_rxif
235−3 パケットタイプフィルタ
236 rx_RAM
238 パケットフィルタ
239 割り込みコントローラ
240 外部要因
241 電源管理部
280 サブCPU
289,290,291 バス
310 電源回路
313 電源スイッチ
315 商用電源
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、コピー、MFP(Multi Function Peripheral)等のネットワークインターフェースの省エネルギ制御に係り、特に省エネルギ制御を行うネットワーク制御装置、前記ネットワーク制御装置を備えたプリンタ、コピー、MFPなどの画像形成装置、この画像形成装置を備えた画像形成システム、このネットワーク制御装置で実行される省エネ制御方法、この省エネ制御方法をコンピュータで実行するためのコンピュータプログラム及びこのコンピュータプログラムを記憶した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネを考慮したシステムとして例えば特許文献1ないし4に開示された発明が公知である。このうち特許文献1には、通常の動作モードと、電源供給の制限された省エネルギモードとでの動作が可能な画像形成装置において、メインCPUは、通常動作モードにおける各種制御を実行し、サブCPUはメインCPUよりも消費電力が小さく、省エネルギモードにおいては、メインCPUを含む非常夜電源系への電力供給が遮断され、サブCPUに関連する常夜電源系には電力供給が維持され、ネットワークインターフェース、FAXインターフェースからのデータ受信、操作部からの所定の操作入力等に応じてサブCPUから解除指示が発行されると、電源制御部は、省エネルギモードを解除するとともにメインCPUを含む非常夜電源系への電力供給を再開するようにした発明が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、電力制御モードが省エネモード時に、メインチップに代えて電力供給される1チップマイコンがネットワーク接続手段を介するステータス取得要求に対して、検知されるステータスを応答し、所定のジョブ処理要求があった場合には、通常待機モードへ復帰させて、メインチップを動作させ、1チップマイコンが受信しているジョブ処理要求を引き渡す発明が記載されている。
【0004】
更に、特許文献3には、システム全体の制御を司るメインCPUと、前記システムの内、予め設定された制御を司るサブCPUとを備え、通常モードと省エネルギモードが設定されたネットワーク制御装置において、ネットワークを介して転送されてくるパケットに含まれる通常モードから省エネルギモードに復帰する復帰要因パケットを検出する復帰要因検出手段を備え、サブCPUは復帰要因検出手段が復帰要因パケットを検出するまでは受信したパケットの処理を行い、メインCPUは復帰要因パケットを検出した後、当該復帰要因パケットを含む前記検出以降に受信したパケットの処理を行うようにした発明が記載されている。
【0005】
加えて、特許文献4には、クライアント装置が、ネットワークに接続される複数のネットワーク機器に対する電源に関する要求を一括して作成して、各ネットワーク機器に対して、電源に関する要求を送信し、複数のネットワーク機器は、それぞれ、ネットワークを介して、クライアント装置からの電源に関する要求を受信して、当該電源に関する要求を解析し、解析した要求内容に応じた電源に関する処理を行って、処理結果をクライアント装置に送信するようにした発明が記載されている。
【0006】
いずれにしても、特許文献1ないし3には、通常モードと省エネモードで動作可能な装置が、2つのCPUから構成され、省エネモード時には1つのCPUで動作し、ネットワークなどを介して接続された外部装置からデータを受信すると省エネモードを解除するようにし、あるいは、ネットワークなどを介して接続された外部装置からステータスに関する問い合せ以外のデータを受信すると省エネモードを解除し、特許文献4記載の発明では、クライアント側でネットワークに接続される複数のネットワーク機器の電源管理を簡単に行うことを可能にした発明が記載されている。
【特許文献1】特開2004−005029号公報
【特許文献2】特開2004−034488号公報
【特許文献3】特開2005−267100号公報
【特許文献4】特開2007−310832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載された発明では、省エネモード時、ネットワークなどを介して接続された外部装置から装置の電源をオフする要求を受信すると省エネモードが解除され、よりエネルギが消費される通常モードに移行し、オフ要求を解釈した後に装置の電源がオフされる。また、特許文献2に記載された発明でも、省エネモード時、ネットワークなどを介して接続された外部装置から装置の電源をオフする要求を受信すると、ステータスに関する問い合わせではないため、省エネモードが解除され、よりエネルギが消費される通常モードに移行し、オフ要求を解釈した後に装置の電源がオフされる。
【0008】
このような動作は、省エネモードから全くエネルギを必要としない電源オフに移行する際に、電源オフ要求を解釈するため、省エネモードよりエネルギを消費する通常モードに移行してから、電源がオフされるため、省エネ効率が悪くなってしまう。また、省エネモード時、オフしていたCPUを含む制御部は、電源オフ要求を解釈するために電源オンされ、電源オフ要求を実行後に電源オフされるため、余分に電源をオンされてしまう。このような動作は、オンオフ回数を多くしてしまい、デバイスの寿命を短くする要因にもなっている。この動作について図18を用いて説明する。
【0009】
図18において、符号1001は主電源スイッチオンのタイミング、符号1002は定着などのウォームアップを含むシステムの立上げ時間、符号1003はプリント動作可能な待機状態、符号1004はプリント動作中、符号1005はプリント動作可能な待機状態、符号1006はプリント動作完了後一定時間経過すると遷移する省エネモード、符号1007はウォームアップ後のコマンド解析時間をそれぞれ示す。
【0010】
この図18に示した省エネモードでは、ネットワーク等に接続された外部装置から電源オフ要求を受信すると、符号1007でウォームアップを終了した後に電源オフ要求解析を行い、主電源をオフする。理想的には消費電力が少ない符号1006で示した省エネモードから主電源をオフすることが望まれるが、特許文献1及び2記載の発明では、符号1007で示した期間で無駄に電力が消費されてしまうという問題があった。また、データ解析部の電源オンオフ回数が増えてしまうため、寿命が短くなるという問題もあった。
【0011】
また、特許文献3及び4に記載された発明においても、省エネモードから通常モードへ復帰することはできるが、省エネモードからシャットダウンすることはできないので、特許文献1及び2記載の発明と同様の問題を含んでいる。
【0012】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ネットワークに接続された外部装置から、電源をオフする際に、省エネモードから復帰するような無駄な電力消費を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するため、第1の手段は、システム全体の制御を司るメイン制御部と、前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置であって、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手段を備え、前記サブ制御部は、前記電源オフ要因パケットを検出したときに省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させることを特徴とする。
【0014】
第2の手段は、第1の手段において、前記サブ制御部は省エネモードでは、ネットワーク接続維持に必要なパケット処理を行うことを特徴とする。
【0015】
第3の手段は、第1又は第2の手段において、前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットフィルタからなり、当該パケットフィルタは、パターンフィルタに設定されているデータと送信されてきたパケットの所定の領域に書き込まれているデータとのパターンマッチングを取り、前記電源オフ要因パケットを検出することを特徴とする。
【0016】
第4の手段は、第1又は第2の手段において、前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットタイプフィルタからなり、当該パケットタイプフィルタは、パターンフィルタに設定されているデータと送信されてきたパケットの所定の領域に書き込まれているデータとのパターンマッチングを取り、前記電源オフ要因パケットを検出することを特徴とする。
【0017】
第5の手段は、第1ないし第3のいずれかの手段に係るネットワーク制御装置であって、前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットタイプフィルタを含み、前記サブ制御部は、電源オフ要因パケットをパケットフィルタ又はパケットタイプフィルタで検出したとき、省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させることを特徴とする。
【0018】
第6の手段は、第1ないし第5のいずれかの手段に係るネットワーク制御装置と、入力されたデータに基づいて記録媒体に可視画像を形成する画像形成手段と、を備えた画像形成装置を特徴とする。
【0019】
第7の手段は、第6の手段に係る画像形成装置と、複数のクライアントコンピュータと、がネットワークを介して接続され、前記画像形成装置が前記クライアントコンピュータからの動作指令によって作動し、画像形成を行う画像形成システムを特徴とする。
【0020】
第8の手段は、システム全体の制御を司るメイン制御部と、前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置の省エネ制御方法であって、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出したとき、前記サブ制御部によって前記システム全体を省エネモードの状態から電源オフの状態に移行させることを特徴とする。
【0021】
第9の手段は、システム全体の制御を司るメイン制御部と、前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置の省エネ制御をコンピュータによって実行する省エネ制御プログラムであって、ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手順と、電源オフ要因パケットを検出したとき、前記サブ制御部によって前記システム全体を省エネモードの状態から電源オフの状態に移行させる手順と、を備えていることを特徴とする。
【0022】
第10の手段は、第9の手段に係る省エネ制御プログラムがコンピュータによって読み取られ、実行可能に記録媒体に記録されていることを特徴とする。
【0023】
なお、後述の実施形態では、メイン制御部はメインCPU101に、サブ制御部はサブCPU280に、ネットワークは符号6に、電源オフ要因パケットを検出する手段はパケットフィルタ238あるいはパケットタイプフィルタ235−3に、画像形成装置は符号1に、クライアントコンピュータはPC2〜5に、それぞれ対応する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、サブ制御部が電源オフ要因パケットを検出したときに省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させるので、ネットワークに接続された外部装置から、電源をオフする際に、省エネモードから復帰するような無駄な電力消費を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。同図において、本実施形態に係るネットワークシステムは、プリンタなど複数の機能を有する画像形成装置1と、これらの画像形成装置1を使用するPC2、3、4、5とがネットワーク6に接続されて構成されている。なお、ネットワーク6に接続されている画像形成装置1、PC2、3、4、5の数は一例であり、これらがもっと多く接続された大規模なシステムでも、もっと少ない端末からなる小規模なシステムでも同様である。この例ではPC2、3、4、5のいずれかから画像形成装置1に印刷指示を送って印刷させることが可能である。また、ネットワーク6は、この実施形態ではイーサネット(登録商標)が使用されている。
【0027】
画像形成装置1は、例えば電子写真方式やインクジェット方式の公知構造の画像形成手段を備えているものであり、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能など複数の機能を備えたデジタル複合機(MFP)などの画像形成装置を含む。このような形式の画像形成装置自体は公知なので、ここでは機械的構成や電気的構成の詳細は省略する。
【0028】
図2は本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。制御システムはコントローラ100と、インターフェース部(インターフェースASIC)200と、両者を接続するPCIバス300とから構成されている。
【0029】
コントローラ100は、メインCPU101、ASIC102、ネットワーク6を介して送られてくる画像データを記憶するメモリ103及びHDD104からなり、メインCPU101ネットワーク6を介して送られてくる画像データを記憶するメモリ103及びHDD104は、それぞれASIC102に接続され、ASIC102はPCIバス300に接続されている。
【0030】
メインCPU101は画像形成装置1の制御を司り、ASIC102はメインCPU101ネットワーク6を介して送られてくる画像データを記憶するメモリ103及びHDD104へのデータの入出力の制御を行う。
【0031】
インターフェースASIC200はネットワーク6、外部要因入力240、電源制御線250と接続され、電源制御線250は電源回路310に接続され、電源制御線250を介して出力される指令に応じて電源回路310から電源供給線311、312によってコントローラ100及びインターフェース部200への電源供給が行われる。
【0032】
電源回路310は電源スイッチ313を介して商用電源315に接続され、電源スイッチ313がオンされると、まず電源供給線312からインターフェースASIC200に電源を供給し、続いて電源制御線250を介して出力される指令によって、コントローラ100への電源供給を行う。省エネモードに移行する場合は、電源制御線250を介して出力される指令により、電源供給線311からの電源供給をオフし、ネットワーク6を介して画像形成装置1全体の電源をオフする要求があった場合は、電源制御線250を介して出力される指令により、電源スイッチオフ信号314を出力し、電源スイッチ313をオフし、画像形成装置1全体への給電をオフする。
【0033】
また、前記PCIバス300とインターフェースASIC200は、インターフェースASIC200のPCI260がPCI260のI/O端子261を介して接続されている。PCI260はインターフェースASIC200側の構成要素であるアービタ270とシステムインターフェース271に接続されている。以下、インターフェースはI/Fと略称する。
【0034】
ネットワーク6には、イーサネット(登録商標)物理層(Ethernet(登録商標) Phy)231とMAC IP(Media Access Control Internet Protocol)232とが直列に接続されている。MAC IP232にはtxバッファ232tとrxバッファ232rが設けられ、前者にはmac_txif233が、後者にはMAC_rxif235が、それぞれ接続され、更にバス289を介して、DMAC_tx234及びDMAC_rx237が接続されている。また、DMAC_tx234及びDMAC_rx237は、更にアービタ270に接続されている。なお、233a、235aはそれぞれバス切り替え信号であり、mac_config225はMAC IP232、mac_txif233、及びmac_rxif235の設定を行う。
【0035】
mac_rxif235にはまた、rx_RAM236とパケットフィルタ238が接続され、このパケットフィルタ238は電源管理部241とバス289を介して割り込みコントローラ239に接続されている。
【0036】
電源管理部241には、外部要因240とパケットフィルタ238からの要因が入力され、電源制御部251に制御信号が出力される。パケットフィルタ238には、パターンフィルタが設けられ、後述するように省エネモードの場合、送られてきたパケットに特定のパターンが含まれていると、含まれるパターンに応じて、電源管理部241は電源制御部251に対して、メインCPU101の電源をオンしたり、電源スイッチ313をオフしたりするよう指示する。
【0037】
また、電源管理部241はバス289に接続され、電源制御部251、サブCPU280、ROM281、RAM282、ramI/F285及びマスタI/F287がバス290に接続され、RAM286はバス290及びバス291にramI/F285を介して接続されている。また、マスタI/F287はアービタ270にも接続され、アービタ270はマスタI/F287からの信号に応じてDMAC_tx234、DMAC_rx237の接続状態を調停する。更に、バス289、290、291はバス・アービタ283に接続され、バス・アービタ283によってバス289、290、291使用の調停が図られる。なお、バス291にはシステムレジスタ(sysreg)284が接続され、バス290には拡張用I/F288が接続されている。
【0038】
システムレジスタ284はこの実施形態では、インターフェースASIC200のバージョン情報を記憶している。これにより、バージョンアップやこのASIC200にバグが発見されたときの識別に利用される。サブCPU280は、省エネモードの際にメインCPU101の電源をオンオフ制御し、また、省エネモード時にメインCPU101を使用しなくとも処理できる場合に、その処理を実行する。逆に、メインCPU101が動作する通常モード時にはサブCPU280は省エネ状態(低消費電力状態)に設定される。
【0039】
図3はmac_rxif235の内部構成の詳細を示すブロック図である。同図において、mac_rxif235は、MAC IP232とのインターフェースとして機能するmac rxI/F235−1、パケットフィルタ238とのインターフェースとして機能するパケットフィルタI/F235−2、パケットタイプフィルタ235−3、rxバッファ232rとのインターフェースとして機能するrxバッファI/F235−4、パケットエントリジェネレータ235−5、パケットエントリレジスタ235−6、マスクレジスタ235−7、割り込みレジスタ235−8、cpuI/F235−9、セレクタ235−10、及びdmacI/F235−11から構成されている。
【0040】
このように構成すると、MAC IP232から入力されたネットワーク6からの伝送データは、パケットフィルタI/F235−2、パケットタイプフィルタ235−3及びrxバッファI/F235−4に入力され、パケットフィルタI/F235−2からパケットフィルタ238に、パケットタイプフィルタ235−3から割り込みレジスタ235−8、及びパケットエントリジェネレータ235−5へ、rxバッファI/F235−4からrx_RAM236にそれぞれ情報が入力できるようになっている。また、rx_RAM236からの情報は、サブCPU280からの指示によって、セレクタ235−10が動作し、dmacI/F235−11あるいはcpuI/F235−9に入力される。
【0041】
パケットタイプフィルタ235−3は省エネモードのときに予め設定された情報が書き込まれたパケットのみ選択するもので、パケットエントリジェネレータ235−5に対して選択すべきパケットか否かを通知し、パケットエントリレジスタ235−6はその通知に基づいてrxバッファI/F235−4に対してrx_RAM236に記憶させる情報を指示し、前記パケットタイプフィルタ235−3によって選択された情報のみがrx_RAM236に格納されることになる。この格納された情報は、後でも触れるがサブCPU280によって処理される。
【0042】
図4はrx_RAM236のメモリマップを示す図である。
Rx_RAM236は図4から分るようにType236−1、LENGTH236−2、パケット236−3及びStatus236−4から構成されている。Type236−1には、パケットフィルタ、パターンフィルタの番号が格納され、この番号はどのフィルタで受信したかを示す。LENGTH236−2は、受信パケット長を示し、Packet236−3には、受信したパケットの内容(ここでは、Packet1の内容)が格納される。また、Status236−4には、受信パケット情報、すなわち、MAC IP232からのパケット情報が格納される。
【0043】
パケットエントリレジスタ235−6はrx_RAM236のどこにどのようなパケットが書き込まれているかを登録するアドレス管理の機能を有し、rx_RAM236の受信パケットNの先頭アドレスが格納される。通常モードの場合には、前記パケットタイプフィルタ235−3は機能しないので、全ての情報が一旦rx_RAM236に格納され、dmacI/F235−11からDMAC_rx237を介してコントローラ100側に送られ、メインCPU101で処理される。なお、レジスタ(int reg235−8、msk reg235−7)から割り込み信号が出力され、この割り込み信号は割り込みコントローラ239に送られ、所定の割り込みが行われる。マスクレジスタ235−7はI/FASIC200の入力端子が外部の影響を受けないようにマスクするマスク信号を出力する。
【0044】
このように構成された制御部では、通常モードではメインCPU101が印刷データをネットワークから受け取り、ASIC102がメモリ103に書き込み、その後、プリントエンジン側にデータを送って、印刷を行わせる。その際、サブCPU280は低消費電力モードに設定され、サブCPU280は最小限の消費電力で済むような状態になっている。この実施形態では、サブCPU280については電源をオフするのではなく、クロックを停止状態にしてサブCPU280の動作が行われないようにしている。この状態では、印刷データはネットワーク6からイーサネット物理層231、MAC IP232のrxバッファ232r、mac_rxif235、DMAC_rx237、アービタ270、PCI260、PCIバス300、ASIC102を経てメモリ103に入力され、印刷データがメモリ103に描画される。
【0045】
逆に他の機器にメモリ103あるいはHDD104に格納されたデータを送信する場合には、データはASIC102、PCIバス300、PCI260、アービタ270、DMAC_tx234、mac_txif233、MAC IP232のtxバッファ232t、イーサネット物理層231を経てネットワーク6に送出される。なお、mac_rxif235に入力されたデータはこの通常稼動状態では、rx_RAM236に一旦格納された後、格納された順に吐き出され、mac_rxif235からDMAC_rx237側に出力される。
【0046】
省エネモードは、所定時間外部からデータが制御部に入力されない場合、あるいは図示しない画像形成装置1の制御部あるいはネットワーク6に接続されたPC2、3、4、5から指定されたときに移行するモードで、このモードではメインCPU101を含むコントローラ100へは電力の供給は行われない。すなわち、コントローラ100に電力を供給する電源回路310からの通電は行われない。この通電の制御は、電源制御線250を介して電源制御部251によって行われ、電源制御部251は電源管理部241からの指示、あるいはサブCPU280からの指示によりコントローラ100への通電のオンオフを制御する。
【0047】
通常モードから省エネモードへの移行や、省エネモードから通常モードへの移行、省エネモードから電源オフへの移行については後述するとして、省エネモードでは、メインCPU101を含むコントローラ100に駆動電力が供給されないことから、メインCPU101は動作せず、メモリ103、HDD104も使用することができない状態となっている。この状態では、ネットワーク6、外部要因240及び電力制御線250に関係する各部は通電されている。省エネモードになると、コントローラ100への電源供給は絶たれ、ネットワーク6との通信はサブCPU280が制御する。
【0048】
ネットワーク6を介して入力されるデータがサブCPU280で処理できるものであれば、そのまま省エネモードを継続するが、印刷データがネットワーク6を介して入力されると、サブCPU280では処理できなくなるので、コントローラ100への通電を開始し、省エネモードから通常モードへ移行する。また、ネットワーク6を介して電源オフ要求が入力され、特定のパターンを検出すると、電源オフ要求と解釈し、商用電源315からの通電をオフする。省エネモードでは、ネットワーク6から画像形成装置1に入力されるパケットに対してmac_rxif235のパケットタイプフィルタ235−3でフィルタをかけ、入力されるパケットの内、予め設定された情報が書き込まれたパケットを前記フィルタ235−3で選択してrx_RAM236に格納し、前記情報が書き込まれていないパケットは上書きされ、実質的に格納されることはない。
【0049】
図5は通常モードから省エネモードへの移行時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングを示す図である。
同図において、通常モードではメインCPU101は動作状態でサブCPU280はDOZE状態(クロックが停止している状態)である。したがってサブCPU280は通電されているが、クロックは供給されていないので、実質的には電力を消費していない状態となっている。この状態でも漏れ電流はあるので、消費電力は零ではないが、電力消費は最小限の状態である。
【0050】
この状態で、まず、メインCPU101はパケットタイプフィルタ235−3をイネーブルにし(S101)、次いで、パケットフィルタ238に設けられているパターンフィルタをイネーブルにする(S102)。そして、割り込みコントローラ239から割り込みが発生し、省エネモード移行要求をサブCPU280に出力する(S103)。省エネモード移行要求は最後に行ったジョブ終了時から予め設定された時間が経過したとき、あるいはネットワーク6に接続されているPC2、3、4、5のいずれかから省エネモード移行指示があった場合に出力される。また、画像形成装置1の操作パネルから入力される場合もある。なお、図5を含む以下の説明においてINTは割り込みを示す。
【0051】
このようにして省エネモード移行要求がサブCPU280に出力されると、サブCPU280は省エネモード移行の要因を確認する。この場合の要因は、前記パターンフィルタの出力によって確認される。サブCPU280は省エネモードの移行の要因を確認すると、省エネモード移行処理を開始する(S104)。省エネモード移行処理では、サブCPU280は、まずメインCPU101に対してアクセスし、設定情報をメインCPU101に対して確認する(S105)。この場合、設定情報は、ネットワーク6に関する情報や画像形成装置1における用紙の情報などである。メインCPU101はサブCPU280からの設定情報確認を受けて、設定情報を送信する(S106)。
【0052】
サブCPU280は設定情報の確認をメインCPU101から受けて移行準備完了通知をメインCPU101に対して送信する(S107)。メインCPU101は移行準備完了通知を確認し(S108)、メインCPU101の省エネモード移行の段階に入る。サブCPU280では、S107で省エネモードへの移行準備が完了した後、バス切り替え回路233a、235aによりパケット転送バス289をそれぞれサブCPU280側に切り替え、サブCPU280での送受信処理を開始する(S109)。そして、省エネモードへの移行取り消し猶予監視時間T1の経過を待ち、この猶予監視時間T1を経過する前に省エネモードに移行することを阻害する要因が発生しないときに、サブCPU280はDMA_rx237の停止要求をメインCPU101に出力する(S110)。この猶予監視時間T1はサブCPU280の省エネモード移行準備が完了した後、メインCPU101がネットワーク6から送信されてきたパケットの処理を少なくとも完了する時間に設定されている。これによりネットワーク6と画像形成装置1のシステム間で通信が中断されることはなく、転送されてきた処理すべきパケットは、メインCPU101あるいはサブCPU280で必ず処理されることになる。また、この猶予監視時間T1は、S109でサブCPU280がパケット転送パスをサブCPU280側に切り替えても、その前に転送され、メインCPU101でまだ処理されていないパケットがDMACなどに残っているので、それらのパケットを処理するための時間にも相当する。なお、この猶予時間が経過すれば、DMAC_rx237を停止してもすでにメインCPU101側での処理が終了しているので、未処理のパケットが生じることはない。
【0053】
メインCPU101はサブCPU280からDMAC234、237停止要求を受けてDMA転送を停止する(S111)。また、メインCPU101はDMAC234、237から割り込みを受けてDMA転送が停止したことを確認する(S112)と、サブCPU280に省エネモード移行要求を出力する(S113)。
【0054】
サブCPU280は、メインCPU101から省エネモード移行要求を受けると、入出力端子をサブCPU280側に接続し、メインCPU101の電源を落としたときに外部端子から不必要な消費電力が生じないように後述のI/O端子処理を実行し(S114)、メインCPU101側に省エネモード移行のためにメインCPU101を含むコントローラ100への電源供給を停止する(S115)。I/O端子処理とは、以下に述べるような処理のことである。図2に示したシステムではPCIバスで使用しているI/O端子を電源が遮断される前にHi−z状態に制御し、電源遮断中もHi−z状態に保持しておくことによって、電源が遮断されている側のASICに流れ込む電流を排除し、低消費電力を促進するようにしている。このようにHi−z状態に保持することにより、低消費電力化だけではなく、誤動作の発生や制御の確実性も意図している。
【0055】
すなわち、電源を遮断しただけでは、遮断したときに溜まっていた電荷が意図しない側に流れて誤作動を引起し、あるいはショートして大電流が流れ、素子が破壊されるなどの危険性もはらむことになる。そこで、本実施形態ではI/O端子261をHi−z状態とし、このような事態が発生しないようにしている。これにより、メインCPU101には電源供給が絶たれ、メインCPU101を含むコントローラ100はシャットダウン状態となる(S116)。このようにしてコントローラ100がシャットダウン状態になることにより、省エネモードへの移行が完了し、制御権がメインCPU101からサブCPU280に移り、省エネモードが解消されるまで、サブCPU280が画像形成装置1の制御を司ることになる。
【0056】
なお、S107からS110までの猶予監視時間T1は、省エネモード移行準備が完了した後に、省エネモード移行を阻害する要因が発生したときに対処するために設けられた期間であり、例えばネットワーク6から送信されてくる情報に印刷情報が含まれていた場合には、メインCPU101で印刷処理を行わなければならないので、省エネモード移行をキャンセルして通常モードに戻るために用意されている。
【0057】
図6は前記監視時間T1が経過する前に省エネモード移行を阻害する要因が発生したときのメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理のタイミングを示す図である。ここでは、S101からS109までは、省エネモード移行の場合と同様の処理が同様のタイミングで実行される。
【0058】
そこで、S109でパケット転送バス289をサブCPU280側に切り替え、サブCPU280での送受信処理を開始し、サブCPU280による移行取り消し猶予監視時間T1中にサブCPU280側に省エネモード移行を阻害する要因が発生したときには省エネモード移行準備が取り消され(S121)、その旨、メインCPU101に送信される。これを受けて、メインCPU101では省エネモード移行を取り消す(S122)。一方、メインCPU101側に省エネモード移行を阻害する要因が発生したときには省エネモード移行準備が取り消され(S123)、その旨、サブCPU280に送信される。これを受けて、サブCPU280では省エネモード移行を取り消す(S124)。そして、前記監視時間T1が経過した後、サブCPU280側にすでに受信し、メインCPU101側で処理すべきパケットがあれば、メインCPU101側に引渡し(S125)、メインCPU101では、これを受け取る(S126)。
【0059】
省エネモード移行を阻害する要因とは、例えば、パケットフィルタ238に後述のウエイクアップフレームが転送されたとき、画像形成装置1の操作部からスタートボタンの押下、あるいはADFの圧板開閉動作などの画像形成動作に結びつく動作を行わせる指示が入力されたとき、ネットワーク6からメインCPU101が印刷するデータが転送されてきたときなどである。このような要因が発生すると、省エネモードに移行すると印刷ができなくなるので、省エネモードに移行することなく通常モードで動作させる。
【0060】
サブCPU280側では、S125でデータを受け渡した後、S109で切り替えたパケット転送バス289をメインCPU101側に戻し、サブCPU280での送受信処理を停止する(S127)。メインCPU101は、パケット転送バス289がメインCPU101側に切り替えられた後、サブCPU280のDOZE移行を許可する(S128)。サブCPU280は要因を確認し、DOZE移行に問題がなければクロックの転送を停止し、DOZE状態に移行する(S129)。この状態で、サブCPU280も通常モードに復帰しているので、メインCPU101での制御が実行され、パケットタイプフィルタディスエーブル(S130)に、更にパターンフィルタディスエーブル(S131)の状態にして完全に通常モードに戻る。
【0061】
このように制御すると、省エネモードへの移行処理が開始された後でも、省エネモードに移行することなく通常モードに復帰することができ、前記移行及び復帰期間はメインCPU101及びサブCPU280ともに作動しているので、ネットワーク6上で通信が絶えることがない。これにより、データの欠落が生じることもない。
【0062】
図7は省エネモードから通常モードへ復帰するときのメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理のタイミングを示す図である。図7の状態は、メインCPU101は電源オフ(シャットダウン)の状態、サブCPU280は省エネモードで作動している状態である。
【0063】
この状態で、サブCPU280に省エネモードから通常モードへ復帰する要因が発生すると(S151)、メインCPU101の電源をオンにし(S152)、サブCPU280はI/O端子処理を実行し(S162)、メインCPU101と接続されているI/O端子のHi−z状態を解除する。これらの操作によって、省エネモードから通常モードへ移行する際にメインCPU101に電源が投入される瞬間に流れ込む電流を排除することが可能になる。省エネモードから通常モードへ復帰する要因は、後述するがパケットタイプフィルタ235−3でネットワーク6から送られてきたパケットに特定のパケット、ここではSYNパケット(SYNフラグ)が含まれていた場合、操作部からの入力やADFの圧板が操作された場合のように外部から画像形成処理を行う前の操作信号が入力された場合(外部要因)、パケットフィルタ238に設けられているパターンフィルタが復帰要因を示すパターンを検出した場合などである。
【0064】
電源は電源装置310に対して電源制御部251が電源制御線250を介してメインCPU101に対して電源を供給する信号を送ることによってオンされる。このようにしてメインCPU101に電源が入ると、メインCPU101はブート処理を実行し、立ち上がるための一連の処理を実行する。一方、サブCPU280ではパターンフィルタディスエーブル(S153)としてパケット処理は継続する(T2)。これはメインCPU101が電源オン状態ではあるが、ブート状態であるので、メインCPU101では、まだ、パケット処理は不可能であるため、サブCPU280で行う必要があるからである。そして、サブCPU280が復帰要因パケット(この実施形態では、SYNパケット)を検出するまでパケット処理を継続し(S154)、復帰要因パケットを検出した時点でサブCPU280のパケット処理は停止し、メインCPU101の割り込みを待つ(T3)。S154で割り込み要因を検出するということは、S153でパターンフィルタディスエーブルにすることにより、パターンフィルタからパケットの入力が行われなくなった後、サブCPU280のパケット処理が進行し、復帰要因となったパケットを検出することであり、これ以降、メインCPU101側で処理してもサブCPU280側で処理するパケットがないことを意味する。
【0065】
そこで、メインCPU101ではブート処理の終わりに電源オンの要因を確認し(S155)、その後、稼動状態に入る。そして、サブCPU280にアクセスして設定条件を確認し(S156)、送受信バッファ(tx_buffer232t及びrx_buffer232r)を初期化する(S157)。この状態で通常モードに復帰可能となるので、割り込みをかけて通常モード移行準備が完了したことをサブCPU280に知らせる(S158)。サブCPU280はT3でメインCPU101からの割り込みを待っていたことから、S158の割り込み確認した時点で、DOZE状態に移行する(S159)。メインCPU101では、通常モードに復帰したので、DMA転送を開始し(S160)、パケットタイプフィルタ235−3をディスエーブルにする(S161)。これによりmac_rxif235に入力されたパケットは一旦rx_RAM236に入るが、フィルタ処理は行われずに、そのままコントローラ100側に送信され、メモリ103に格納された後、メインCPU101で処理される。
【0066】
なお、S153のパターンフィルタディスエーブルは、S151で復帰要因が発生した後、早いタイミングで設定した方が好ましい。これは、早いタイミングの方が、電源オンの信号の重複の可能性が低くなるからである。また、S161のパケットタイプフィルタ235−3は、サブCPU280がDOZE状態に移行した後にディスエーブルとなるように設定する。これは、サブCPU280で処理すべきパケット処理が残っている可能性を排除するためで、サブCPU280側で処理すべきパケット処理が確実に終了し、サブCPU280が作動しなくなった状態でネットワーク6を介して転送されてくるパケットは全てメインCPU101側に送られる。これにより省エネモードから通常モードへの復帰時においてもネットワーク上で通信が途絶えることはない。
【0067】
図8は通常モードから電源オフへの移行時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングを示す図である。同図において、まず、電源オフ要求が発生すると、サブCPU280に電源オフ要求を出力する(S180)。電源オフ要求は操作パネル、あるいはネットワーク6に接続されているPC2、3、4、5のいずれかから電源オフ移行指示があった場合に出力される。電源オフ要求がサブCPU280に出力されると、サブCPU280は電源オフの要因を確認する。サブCPU280は電源オフの移行要因を確認すると、電源オフ移行処理を開始する(S181)。電源オフ移行処理では、サブCPU280は、まずメインCPU101に対してアクセスし、設定情報をメインCPU101に対して確認する(S105)。この場合、設定情報は、ネットワーク6に関する情報や画像形成装置1における用紙の情報などである。
【0068】
メインCPU101はサブCPU280からの設定情報確認を受けて、設定情報を送信する(S106)。サブCPU280は設定情報の確認をメインCPU101から受けて移行準備完了通知をメインCPU101に対して送信する(S107)。メインCPU101は移行準備完了通知を確認し(S108)、メインCPU101の電源オフ移行の段階に入る。
【0069】
サブCPU280では、S107で電源オフへの移行準備が完了した後、バス切り替え回路233a、235aによりパケット転送バス289をそれぞれサブCPU280側に切り替え、サブCPU280での送受信処理を開始する(S109)。そして、サブCPU280はDMA_rx237の停止要求をメインCPU101に出力する(S110)。メインCPU101はサブCPU280からDMAC234、237停止要求を受けてDMA転送を停止する(S111)。また、メインCPU101はDMAC234、237から割り込みを受けてDMA転送が停止したことを確認する(S112)と、サブCPU280に電源オフ移行要求を出力する(S182)。サブCPU280は、メインCPU101から電源オフ移行要求を受けると、入出力端子をサブCPU280側に接続し、メインCPU101の電源を落としたときに外部端子から不必要な消費電力が生じないように後述のI/O端子処理を実行し(S114)、電源制御線250を介して、電源回路310の給電を断ち、画像形成装置1の電源をオフする(S183)。これにより、画像形成装置1の電源供給が絶たれ、画像形成装置1はシャットダウン状態となる(S116、S184)。
【0070】
図9は省エネモードから電源オフへの移行時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングを示す図である。図9の状態は、メインCPU101は電源オフ(シャットダウン)の状態、サブCPU280は省エネモードで作動している状態である。この状態で、サブCPU280に省エネモードから電源オフ要因が発生すると(S185)、画像形成装置1の電源をオフにする(S186)。省エネモードからの電源オフ要因は、後述するがパケットタイプフィルタ235−3でネットワーク6から送られてきたパケットに特定のパケットが含まれていた場合、操作部から入力された場合(外部要因)、パケットフィルタ238に設けられているパターンフィルタが電源オフ要因を示すパターンを検出した場合などである。
【0071】
図10は電源投入時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングとI/O端子261の状態を示す図である。本実施形態では、メインCPU101の電源制御をサブCPU280が行っていることから、電源投入時には図10に示すように、まずサブCPU280の電源がオンになり(S171)、次いでメインCPU101の電源がオンになる(S172)。その後、両者ともブート処理を実行し、サブCPU280が先に立ち上がり、サブCPU280のステータスをRAM286にセットした後(S173)、クロックを停止してDOZE状態となる。
【0072】
他方、メインCPU101では、電源オンの要因、すなわちRAM286に書き込まれたセット内容を確認した後(S174)、立ち上がり、ネットワーク関係の各部を初期化してネットワーク6との通信が可能な状態とし(S175)、DMA転送と通信を開始する(S176)。これによりメインCPU101が稼動状態となり、通常モードで動作することになる。この時点で、サブCPU280はDOZE状態となっており、サブCPU280側は省エネ状態となっている。
【0073】
この実施形態では、メインCPU101は電源を制御される側のASICの状態に等しく、サブCPU280は電源を制御する側のASICの状態に等しいので、サブCPU280によって制御されるI/O端子の状態を示している。システムの電源投入直後は、Hi−zに制御できるI/O端子はHi−z状態に制御されない。つまり、メインCPU101が活性状態にあるときには、サブCPU280のI/O端子はHi−zに制御されない。ただし、通常の機能の一部として任意の時間、Hi−z状態になることはある。前述のように本実施形態では、パケットタイプフィルタ235−3とパターンフィルタとによって送信されてくるパケットを選択し、所定の処理を実行するようになっている。
【0074】
図11は復帰要因パケットの検出前と検出後のパケット処理の状態を示す説明図である。すなわち、図11は、送信されてくるパケット501の中から■で示した復帰要因パケットをフィルタ(復帰要因検出手段502)で検出し、この復帰要因を検出するまではパケット(図中○で示す)の処理をサブCPU(システム)280で行い、復帰要因パケットを含む当該パケットを検出した後のパケット(図中□で示す)の処理はメインCPU(システム)101で行う前記第1の手段に対応する構成を示している。このように処理すると、省エネモードから通常モードへの復帰時においてもI/FASIC200側で受信するパケットの中断がないので、ネットワーク側から見ると送信を継続して行うことができる。以下詳述する。
【0075】
図12はパケットタイプフィルタ235−3によってフィルタリングされるIPパケットの構造を示す図である。同図において、IPパケット200は、IPヘッダ201、TCPヘッダ202及びTCPデータ203からなり、TCPヘッダ202とTCPデータ203でTCPデータグラム204が構成され、TCPデータグラム204とIPヘッダ201でIPデータグラム205が構成されている。
【0076】
図13は図12のIPヘッダ201のフォーマット、すなわちIPヘッダフォーマットの内部構造を示す図である。IPヘッダフォーマットは、バージョン情報フィールド201a、ヘッダ長フィールド201b、TOS(type of service)フィールド201c、全長(tos_len)フィールド201d、識別(ID)フィールド201e、フラグフィールド201f、フラグメントオフセットフィールド201g、TTLフィールド201h、プロトコルフィールド201i、ヘッダチェックサムフィールド201j、発信元IPアドレスフィールド201k、宛先IPアドレスフィールド201l、及びオプションフィールド201mから構成されている。
【0077】
この構成において、バージョン情報フィールド201aは4に固定され、ヘッダ長フィールド201bはオプション領域まで含めたヘッダ長を示す。TOSフィールド201cはパケット処理において何を優先するかの指針を示す。全長フィールド201dはIPパケット200全体の長さを示す。識別フィールド201eとフラグメントオフセットフィールド201gはIPレベルのフラグメント(パケットの分割)とリアセンブルを実現するために利用される。TTLフィールド201hはネットワーク上でのIPパケットの残り生存時間を示す。ヘッダチェックサム201jはIPヘッダ部分のみのチェックサムである。
【0078】
図14は図12のTCPヘッダ202のフォーマット、すなわちTCPヘッダフォーマットの内部構造を示す図である。TCPヘッダフォーマットは、発信ポート番号フィールド202a、宛先ポート番号フィールド202b、シーケンス番号フィールド202c、確認応答番号フィールド202d、ヘッダ長202e、予約フィールド202f、フラグフィールド202g、ウインドウサイズフィールド202h、TCPチェックサムフィールド202i、緊急ポインタフィールド202j及びオプションフィールド202kから構成されている。発信元ポート番号フィールド202aは発信元のTCPポート番号を示し、宛先ポート番号202bは送信先のTCPポート番号を示す。シーケンス番号フィールド202cは、このパケットがデータストリーム中のどこに位置するかを示し、確認応答番号フィールド202dには受信パケットに対する応答(ACK)のシーケンス番号が書き込まれており、どこまで受信パケットを受け取ったかを相手に通知する。ヘッダ長フィールド202eはTCPヘッダ長を示し、オプションフィールド202eの有無に応じてヘッダ長が変化する。フラグフィールド202gにはURGからFINの6種のフラグが書き込まれ、ウインドウサイズフィールド202hは受信ウインドウの大きさを通知する。TCPチェックサム202iはTCPヘッダとデータの両方に対して計算される。緊急ポインタフィールド202jは緊急データの最後を指し示すものである。
【0079】
フラグフィールドの6種のフラグは引出し線で引出して示すように、URGフラグ202g−1、ACKフラグ202g−2、PSHフラグ202g−3、RSTフラグ202g−4、SYNフラグ202g−5、FINフラグ202g−6からなる。URG(緊急)フラグ202g−1は緊急ポインタフィールド202jの緊急ポインタが有効であることを示す。ACK(応答)フラグ202g−2は確認応答番号フィールドの202dの確認応答番号が有効であることを示す。通常このフラグは常にオンとなっている。PSH(PUSH)フラグ202g−3はなるべく早く送信することを示す。RST(RESET)フラグ202g−4はコネクションのリセットを要求するフラグである。SYNフラグ202g−5はコネクションの確立を要求するフラグであり、FINフラグ202g−6はコネクションの終了を要求するフラグである。
【0080】
図15はTCPプロトコルの基本的な接続シーケンスを示す図である。この接続シーケンスでは、PC2、3、4、5からARP(address resolution protocol)リクエストを画像形成装置1に発信し、画像形成装置1からARPレスポンスが返ってきてアドレス解決されると、PC2、3、4、5から画像形成装置1にSYNを送り、画像形成装置1からACKが返ってくるとTCPセッションが確立され、更にPC2、3、4、5からSYN/ACKを画像形成装置1に送り、通信が行われる。
【0081】
本実施形態では、mac_rxif235に設けられたパケットタイプフィルタ235−3の他に、パケットフィルタ238にパターンフィルタが設けられ、パケットのパターンマッチングによりフィルタリングして所定の処理を実行させるようにしている。パケットフィルタ238の機能は、ネットワーク上の他のマシン、ここではPC2、3、4、5から起動及びオフすることができる機能であり、PC2、3、4、5は画像形成装置1が省エネモードであるときに、ウエイクアップフレームを送信することにより起動し、画像形成装置1が通常モードあるいは省エネモードであるときに、シャットダウンフレームを送信することによりオフすることができる。ウエイクアップフレームが正しいMACアドレスを含んでいれば、画像形成装置1はスタンバイ又はサスペンド状態から復帰して通常モードで機能する。またシャットダウンフレームが正しいMACアドレスを含んでいれば、画像形成装置1はスタンバイ又はサスペンド状態から電源をオフする。
【0082】
このパケットの選別には送信されてくるパケットの中に例えば64バイトのパターンマッチング用のフィールドを設け、このフィールドに書き込まれたデータと予めパケットフィルタ238のパターンフィルタに設定されているデータとのパターンマッチングを取り、パターンマッチングが取れたパターンによって、パケットフィルタ238がシステムをウエイクアップしたり、シャットダウンしたりする。本実施形態では、パケットフィルタI/F235−2を介して、パケットフィルタ238に送信されてきたパケットに対してパターンフィルタがパターンマッチングを行い、パターンマッチングが取れたパターンにより、ウエイクアップフレームもしくはシャットダウンフレームが送信されてきたと判断する。ウエイクアップフレームが送信されてきたと判断した場合は、パケットフィルタ238は電源管理部241に対して電源制御部251がメインCPU101の電源をオンにするよう指示する。シャットダウンフレームが送信されてきたと判断した場合は、パケットフィルタ238は電源管理部241に対して電源制御部251がシステムの電源をオフにするよう指示する。
【0083】
なお、パケットフィルタI/F235−2を介して、パケットフィルタ238に送信されてきたパケットに対してパターンフィルタがパターンマッチングを行い、パターンマッチングが取れた場合には、割り込みコントローラ239からサブCPU280に割り込みが発生し、サブCPU280は、このパターンマッチングの割り込みに基づいて電源をオフさせる(S185,S186)。
【0084】
電源制御部251は、これらの指示に基づいて電源制御線250から電源供給部310に対して電源供給を行う、あるいは行わない指示を出力し、メインCPU101とシステム全体の電源制御を行う。ウエイクアップフレームの判断は、復帰要因となってメインCPU101の電源がオンになり、省エネモードから通常モードに復帰する図7のS151、及びS152に対応する。このとき、図7ではサブCPU280に対して復帰要因発生となっているが、同図は、このときサブCPU280が稼動していることを示しているだけで、サブCPU280が省エネモードから通常モードに復帰させる動作を行っているわけではない。また、ウエイクアップフレームを検出して省エネモードから通常モードに復帰させる手順が開始されると、パターンフィルタを機能させておく必要がなくなり、S153でパターンフィルタをディセーブルとする。
【0085】
通常モード時、シャットダウンフレームの判断は、オフ要因となってメインCPU101で行われ、通常モードから電源オフする図8のS180に対応する。省エネモード時、シャットダウンフレームの判断は、オフ要因となってパケットフィルタ238で行われ、省エネモードから電源オフする図9のS185に対応する。このように省エネモードと通常モードとによりパターンフィルタを機能させるか否かが決定される。パターンフィルタは省エネモードのときに機能すればよく、通常モード時に機能する必要はない。なお、パケットタイプフィルタ235−3のパターンフィルタでパターンマッチングする場合には、前述のように、パケットタイプフィルタ235−3から割り込みレジスタ235−8、及びパケットエントリジェネレータ235−5へ、rxバッファI/F235−4からrx_RAM236にそれぞれ情報が入力され、rx_RAM236からの情報は、サブCPU280からの指示によって、セレクタ235−10が動作し、cpuI/F235−9に入力され、サブCPU280に入力される。その際、前記パターンマッチングするデータがあれば、サブCPU280は省エネモードから電源をオフさせる。
【0086】
図16は、省エネモード移行要求があった場合、省エネモード復帰要求があった場合、及び電源オフ要求があった場合の状態遷移を示す省エネ状態遷移図である。この図に示すように電源がオンになると(S301)、まず通常モードで動作する(S302)。このときパケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオフの状態である。この状態でメインCPU101からサブCPU280に対して省エネモード移行要求があると(S303)、省エネモードに移行する(S304)が、このときパケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオンとなっている。
【0087】
また、S302で電源オフ要求があると、メインCPU101からサブCPU280に対して電源オフ移行要求(S306)が出力されて、シャットダウン状態になる(S308)。省エネモード(S304)で復帰要因が発生し、省エネ復帰要求(S305)により通常モードに復帰する際には、パターンフィルタとパケットタイプフィルタ235−3をオフにする。S304で電源オフ要求(S307)が発生すると、パターンフィルタのマッチング判断により、電源オフ状態になる(S308)。このようなフィルタ制御を通常モード(Ready状態)と省エネモードとで繰返して省エネ制御を実行する。
【0088】
図17は、図6に示した省エネモードの移行取り消し処理を含む省エネモード移行要求、省エネモード復帰要求、及び電源オフ要求等があった場合の遷移状態を示す省エネ状態遷移図である。この省エネ状態の遷移では、図16の遷移図に対して図6のS121からS124の処理を含む場合を示している。
【0089】
すなわち、電源がオンになると(S401)、まず通常モードで動作する(S402)。このときパケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオフの状態である。この状態でメインCPU101からサブCPU280に対して省エネモード移行要求があると(S403)、省エネモード移行を開始し、移行準備が完了すると、パケット転送バスを切り替えて、サブCPU280による移行取り消しがあるかどうかを監視する(S404)。これを省エネスタンバイモードとここでは称する。この監視状態(S404)では、パケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオンとなっている。
【0090】
S404の省エネスタンバイモードで、省エネモードの取り消し要求を検出した場合、これをメインCPU101側に転送する(S408)。これによりメインCPU101はレディ状態に戻り(S402)、パケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオフされる。S404の省エネスタンバイモードで、移行取り消し猶予監視時間T1経過した場合、省エネ移行要求により(S405)、省エネモードに移行する(S406)。復帰要因が発生すると、省エネ復帰要求(S407)により省エネ状態から通常モードに移行し、パターンフィルタをオフ、パケットタイプフィルタ235−3をオフにしてレディ状態となる(S402)。そして、電源オフになるまでレディ状態(S402)、省エネスタンバイ状態(S404)、及び省エネモード状態(S406)を省エネ要求(S403)、省エネ取り消し要求(S408)、省エネ移行要求(S405)、省エネ復帰要求(S407)の各要求に応じて遷移し、省エネ制御を実行する。
【0091】
パケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオフの状態であるレディ状態(S402)で電源オフ要求があると、メインCPU101からサブCPU280に対して電源オフ移行要求(S409)が出力されて、シャットダウン状態になる(S412)。また、パケットタイプフィルタ235−3もパターンフィルタもオンの状態である省エネスタンバイモード(S404)、もしくは省エネモード(S406)で電源オフ要求(S410,S411)が発生すると、パターンフィルタのマッチング判断により、電源オフ状態になる(S412)。
【0092】
なお、これらの各工程はコンピュータプログラムによって実現される。プログラムデータは、予めROMに格納されているが、必要に応じて、あるいはバージョンアップなどの要求によりネットワークに接続されたサーバや図示しない記録媒体駆動装置にロードされたCD−ROM、SDカード、光磁気ディスクなどの公知の記録媒体から読み出してダウンロードするように構成することも可能である。
【0093】
以上のように本実施形態によれば、
1)省エネモードから電源オフすることができるので、電源オフ要求を解釈するために通常モードに復帰する必要がなくなり、ネットワーク制御装置の電源をオフする際の電力を削減することができる。
2)省エネモードから電源オフすることができ、通常モードに戻った後に電源オフする必要がないので、電源のオン/オフ回数を削減することが可能となり、電子部品の寿命を延ばし、信頼性の向上を図ることができる。
3)省エネモード時、サブCPU280でネットワーク接続維持に必要なパケット処理を行うので、通常モードより低い電力で、ネットワーク接続維持が可能である。
4)ネットワーク6から転送されてきた所定のパケット(本実施形態では電源オフ要因パケット)をパケットフィルタ238検出したときに、サブCPU280は省エネモードから電源オフに移行させるので、簡易の制御構成で実現できる。
5)電源オフ要因パケットの検出がパケットフィルタ238のパターンフィルを使用したパターンマッチングによって行われるので、ソフト的に処理することが可能であり、簡単かつ精度よく検出することができる。
6)ネットワークに接続された画像形成装置1の電源部の制御に使用することにより、画像形成装置の電源をオフする際の電力を削減することができ、省エネ効果を得ることができる。
7)クライアントコンピュータ2〜5を含めた画像形成システムに応用することで、クライアントコンピュータ2〜5の指示に従って、画像形成装置1の電源をオフする際の電力を削減することができる。
などの効果を奏する。
【0094】
なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが対象となる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施形態に係るネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】図2におけるmac_rxifの内部構成の詳細を示すブロック図である。
【図4】図3におけるrx_RAMのメモリマップを示す図である。
【図5】通常モードから省エネモードへの移行時のメインCPUとサブCPUの動作状態と処理タイミングを示す図である。
【図6】監視時間が経過する前に省エネモード移行を阻害する要因が発生したときのメインCPUとサブCPUの動作状態と処理のタイミングを示す図である。
【図7】省エネモードから通常モードへ復帰するときのメインCPUとサブCPUの動作状態と処理のタイミングを示す図である。
【図8】通常モードから電源オフへの移行時のメインCPUとサブCPUの動作状態と処理タイミングを示す図である。
【図9】省エネモードから電源オフへの移行時のメインCPU101とサブCPU280の動作状態と処理タイミングを示す図である。
【図10】電源投入時のメインCPUとサブCPUの動作状態と処理タイミングとI/O端子の状態を示す図である。
【図11】復帰要因パケットの検出前と検出後のパケット処理の状態を示す説明図である。
【図12】パケットタイプフィルタによってフィルタリングされるIPパケットの構造を示す図である。
【図13】図12のIPヘッダのフォーマットであるIPヘッダフォーマットの内部構造を示す図である。
【図14】図12のTCPヘッダのフォーマットであるTCPヘッダフォーマットの内部構造を示す図である。
【図15】TCPプロトコルの基本的な接続シーケンスを示す図である。
【図16】省エネモード移行要求があった場合、省エネモード復帰要求があった場合、及び電源オフ要求があった場合の状態遷移を示す省エネ状態遷移図である。
【図17】省エネモードの移行取り消し処理を含む省エネモード移行要求、省エネモード復帰要求、及び電源オフ要求等があった場合の遷移状態を示す省エネ状態遷移図である。
【図18】従来例における省エネモードにおける動作と電力との関係を、時間をパラメータとして示した図である。
【符号の説明】
【0096】
1 画像形成装置(MFP)
2,3,4,5 PC(パーソナルコンピュータ)
6 ネットワーク
100 コントローラ部
101 メインCPU
200 インターフェースASIC
231 イーサネット物理層
232 MAC IP
233 mac_txif
235 mac_rxif
235−3 パケットタイプフィルタ
236 rx_RAM
238 パケットフィルタ
239 割り込みコントローラ
240 外部要因
241 電源管理部
280 サブCPU
289,290,291 バス
310 電源回路
313 電源スイッチ
315 商用電源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム全体の制御を司るメイン制御部と、
前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、
を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置であって、
ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手段を備え、
前記サブ制御部は、前記電源オフ要因パケットを検出したときに省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させること
を特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のネットワーク制御装置であって、
前記サブ制御部は省エネモードでは、ネットワーク接続維持に必要なパケット処理を行うことを特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のネットワーク制御装置であって、
前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットフィルタからなり、
当該パケットフィルタは、パターンフィルタに設定されているデータと送信されてきたパケットの所定の領域に書き込まれているデータとのパターンマッチングを取り、前記電源オフ要因パケットを検出すること
を特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載のネットワーク制御装置であって、
前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットタイプフィルタからなり、
当該パケットタイプフィルタは、パターンフィルタに設定されているデータと送信されてきたパケットの所定の領域に書き込まれているデータとのパターンマッチングを取り、前記電源オフ要因パケットを検出すること
を特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のネットワーク制御装置であって、
前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットタイプフィルタを含み、
前記サブ制御部は、電源オフ要因パケットをパケットフィルタ又はパケットタイプフィルタで検出したとき、省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させることを特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のネットワーク制御装置と、
入力されたデータに基づいて記録媒体に可視画像を形成する画像形成手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置と、
複数のクライアントコンピュータと、
がネットワークを介して接続され、前記画像形成装置が前記クライアントコンピュータからの動作指令によって作動し、画像形成を行うこと
を特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
システム全体の制御を司るメイン制御部と、
前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、
を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置の省エネ制御方法であって、
ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出したとき、前記サブ制御部によって前記システム全体を省エネモードの状態から電源オフの状態に移行させること
を特徴とする省エネ制御方法。
【請求項9】
システム全体の制御を司るメイン制御部と、
前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、
を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置の省エネ制御をコンピュータによって実行する省エネ制御プログラムであって、
ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手順と、
電源オフ要因パケットを検出したとき、前記サブ制御部によって前記システム全体を省エネモードの状態から電源オフの状態に移行させる手順と、
を備えていることを特徴とする省エネ制御プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の省エネ制御プログラムがコンピュータによって読み取られ、実行可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
システム全体の制御を司るメイン制御部と、
前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、
を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置であって、
ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手段を備え、
前記サブ制御部は、前記電源オフ要因パケットを検出したときに省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させること
を特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のネットワーク制御装置であって、
前記サブ制御部は省エネモードでは、ネットワーク接続維持に必要なパケット処理を行うことを特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のネットワーク制御装置であって、
前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットフィルタからなり、
当該パケットフィルタは、パターンフィルタに設定されているデータと送信されてきたパケットの所定の領域に書き込まれているデータとのパターンマッチングを取り、前記電源オフ要因パケットを検出すること
を特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載のネットワーク制御装置であって、
前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットタイプフィルタからなり、
当該パケットタイプフィルタは、パターンフィルタに設定されているデータと送信されてきたパケットの所定の領域に書き込まれているデータとのパターンマッチングを取り、前記電源オフ要因パケットを検出すること
を特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のネットワーク制御装置であって、
前記電源オフ要因パケットを検出する手段がパケットタイプフィルタを含み、
前記サブ制御部は、電源オフ要因パケットをパケットフィルタ又はパケットタイプフィルタで検出したとき、省エネモードからシステム全体を電源オフの状態に移行させることを特徴とするネットワーク制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のネットワーク制御装置と、
入力されたデータに基づいて記録媒体に可視画像を形成する画像形成手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6記載の画像形成装置と、
複数のクライアントコンピュータと、
がネットワークを介して接続され、前記画像形成装置が前記クライアントコンピュータからの動作指令によって作動し、画像形成を行うこと
を特徴とする画像形成システム。
【請求項8】
システム全体の制御を司るメイン制御部と、
前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、
を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置の省エネ制御方法であって、
ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出したとき、前記サブ制御部によって前記システム全体を省エネモードの状態から電源オフの状態に移行させること
を特徴とする省エネ制御方法。
【請求項9】
システム全体の制御を司るメイン制御部と、
前記システムの内、予め設定された制御を司るサブ制御部と、
を有し、通常モードと省エネモードが設定されたネットワーク制御装置の省エネ制御をコンピュータによって実行する省エネ制御プログラムであって、
ネットワークを介して転送されてくる電源オフ要因パケットを検出する手順と、
電源オフ要因パケットを検出したとき、前記サブ制御部によって前記システム全体を省エネモードの状態から電源オフの状態に移行させる手順と、
を備えていることを特徴とする省エネ制御プログラム。
【請求項10】
請求項9記載の省エネ制御プログラムがコンピュータによって読み取られ、実行可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−152709(P2010−152709A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330960(P2008−330960)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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