説明

バッテリの冷却構造

【課題】温度上昇した冷却風の排気に伴う悪影響を抑制するバッテリの冷却構造、を提供する。
【解決手段】バッテリの冷却構造は、車両のラゲージルーム44に配置されたバッテリ21と、車両室内42で開口する吸気口24を含み、車両室内42の空気を冷却風としてバッテリ21に供給する吸気ダクト23と、リヤシートと隙間を設けて立設され、ラゲージルーム44と車両室内42とを区画し、吸気ダクト23が挿通されるダクト孔36が形成されるパーティションパネル31とを備える。パーティションパネル31には、ラゲージルーム44内の空気を車両室内42に排出する排気孔37が形成される。排気孔37は、ダクト孔36から離間した位置に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には、バッテリの冷却構造に関し、より特定的には、車両のラゲージルームに搭載されるバッテリの冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバッテリの冷却構造に関して、たとえば、特開2004−1683号公報には、電池の特性の劣化や短寿命化を防止することを目的とした自動車用電池の冷却構造が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示される自動車用電池の冷却構造は、電池パックと接続される吸気ダクトと、電池パックを冷却するための冷却風を吸気ダクトに流通させる送風ファンとを備える。吸気ダクトには、ラゲージルームに搭載される荷物を覆うためのトノカバーよりも上方に位置する吸気口が形成されている。
【0003】
また、特開平5−169981号公報には、電気自動車に搭載されるバッテリを、車体前端部から取り入れられる外気によって冷却することを目的とした、電気自動車におけるバッテリ冷却装置が開示されている(特許文献2)。特許文献2では、電気自動車に、車体前端部から後端部にまで延びる中空のサイドフレームが設けられている。サイドフレームの前端部の開口から外気が吸入され、その外気が、バッテリ収納室を通過した後、サイドフレームの後端部の開口から排出される。
【0004】
また、特開2006−182044号公報には、特に容量の大きい高電圧バッテリであっても車両に搭載することを可能にする高電圧バッテリユニットの車両搭載構造が開示されている(特許文献3)。特許文献3では、燃料電池車両の後部のリヤフロアパネル上に、高電圧バッテリが設置されている。
【0005】
また、特開2002−231321号公報には、排気ダクトの排気口の構造を複雑化することなく、冷却効率の向上を図ることを目的とした車両用電池冷却装置が開示されている(特許文献4)。特許文献4では、バッテリを冷却した後の空気を排気する排気ダクトの排気口が、デッキサイドトリムとボディアウタとの間に設けられている。
【特許文献1】特開2004−1683号公報
【特許文献2】特開平5−169981号公報
【特許文献3】特開2006−182044号公報
【特許文献4】特開2002−231321号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1では、充放電に伴い発熱する電池パックを冷却するため、車両室内の空気を冷却風としてラゲージルームに導入する。この場合、車両室内からラゲージルームへの空気の流出が続くと車両室内の内圧が低下するため、ラゲージルーム内の空気が車両室内に戻される場合がある。しかしながら、ラゲージルーム内の空気は、発熱する電池パックや電池パックから排出される冷却風の影響によって高温になっている。このような高温の空気が車両室内に戻されると、車両室内の乗員がその気流を不快に感じたり、高温の空気が再びラゲージルームに取り込まれ、電池パックの冷却効率が低下したりするおそれがある。
【0007】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、温度上昇した冷却風の排気に伴う悪影響を抑制するバッテリの冷却構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に従ったバッテリの冷却構造は、車両のラゲージルームに配置されたバッテリと、車両室内で開口する吸気口を含み、車両室内の空気を冷却風としてバッテリに供給する吸気ダクトと、リヤシートと隙間を設けて立設され、ラゲージルームと車両室内とを区画し、吸気ダクトが挿通されるダクト孔が形成されるパーティションパネルとを備える。パーティションパネルには、ラゲージルーム内の空気を車両室内に排出する排気孔が形成される。排気孔は、ダクト孔から離間した位置に形成される。
【0009】
このように構成されたバッテリの冷却構造によれば、リヤシートと隙間を設けて立設されたパーティションパネルに排気孔が形成される。このため、排気孔を通じてラゲージルームから排出された空気は、リヤシートとパーティションパネルとの間の隙間を流れた後、車両室内に戻される。これにより、空気は分散して車両室内に戻されるため、高温の空気によって車両室内の乗員が不快感を覚えることを防止できる。また、排気孔は、ダクト孔から離間した位置に形成される。これにより、排気孔から排出された高温の空気が直ちに吸気口から吸引されるということが起こり難くなり、バッテリの冷却効率の低下を抑制できる。したがって、本発明によれば、温度上昇した冷却風の排気に伴う悪影響を抑制することができる。
【0010】
また好ましくは、排気孔は、吸気口よりも高い位置に形成される。このように構成されたバッテリの冷却構造によれば、排気孔から排出された高温の空気が吸気口に向かい難くなり、バッテリの冷却効率の低下をさらに効果的に抑制できる。
【0011】
また好ましくは、車両の車両幅方向における中心線に対して、吸気口および排気孔は、互いに反対側に配置される。このように構成されたバッテリの冷却構造によれば、車両幅方向において吸気口および排気孔が離間して配置されるため、排気孔から排出された空気が吸気口から吸引され難くなる。
【0012】
また好ましくは、吸気ダクトは、ラゲージルームで分割され、互いに接続される第1部分および第2部分を含む。このように構成されたバッテリの冷却構造によれば、第1部分と第2部分とを切り離した状態でバッテリをラゲージルームに設置することにより、バッテリの設置時の作業性を向上させることができる。
【0013】
また好ましくは、バッテリの冷却構造は、吸気ダクトに冷却風を流通させるファンと、ラゲージルームに配置され、車体を補強するフレーム部材とをさらに備える。ファンは、フレーム部材に固定される。このように構成されたバッテリの冷却構造によれば、ファンを高剛性のフレーム部材に固定することにより、ファンの振動が車両本体に伝わることを抑制できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、この発明に従えば、温度上昇した冷却風の排気に伴う悪影響を抑制するバッテリの冷却構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0016】
図1は、この発明の実施の形態におけるバッテリの冷却構造が適用されたハイブリッド自動車を示す斜視図である。図中には、ハイブリッド自動車のラゲージルーム周辺が、リヤシートが省略された状態で示されている。図2は、図1中のハイブリッド自動車の断面図である。
【0017】
図1および図2を参照して、車両としてのハイブリッド自動車は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、車両駆動用のモータとを動力源とする。
【0018】
ハイブリッド自動車には、車両室内42およびラゲージルーム44が形成されている。車両室内42は、乗員が搭乗する空間である。車両室内42には、リヤシート50が設置されている。リヤシート50は、車両の底部であるフロア49上に設置されている。リヤシート50は、乗員が腰を下ろす座部51と、乗員が背中を持たせ掛ける背もたれ部52とを含む。ラゲージルーム44は、主に荷物を積むための空間である。ラゲージルーム44は、車両後部に形成されている。
【0019】
車両室内42とラゲージルーム44との間は、パーティションパネル31およびアッパーバックパネル45により区画されている。パーティションパネル31は、リヤシート50と隣接して配置されている。パーティションパネル31は、フロア49上に立設されている。パーティションパネル31とリヤシート50との間に隙間32が形成されている。パーティションパネル31と背もたれ部52との間に隙間32が形成されている。隙間32は、背もたれ部52の背面で平面的に延在する。パーティションパネル31は、ラゲージルーム44の車両前方側に配置されている。パーティションパネル31は、車両幅方向に板状に延在する。
【0020】
パーティションパネル31は、金属板から形成されている。パーティションパネル31は、車両室内42とラゲージルーム44との間で熱や騒音を遮断するとともに、車体の剛性を高め、車両の操縦安定性を向上させる。
【0021】
アッパーバックパネル45は、略水平方向に延在する。アッパーバックパネル45は、ラゲージルーム44の鉛直上側に配置されている。アッパーバックパネル45には、通気孔46が形成されている。通気孔46は、車両室内42とラゲージルーム44との間を連通させる。車両室内42の空気は、通気孔46を通じてベントグリル63から排気される。
【0022】
ハイブリッド自動車は、バッテリ21を含む。バッテリ21は、ラゲージルーム44に収容されている。バッテリ21は、ハイブリッド自動車の走行用である。バッテリ21は、ハイブリッド自動車に搭載された車両駆動用のモータに電力供給する。バッテリ21は、充放電可能な2次電池であれば特に限定されず、たとえば、ニッケル水素電池であってもよいし、リチウムイオン電池であってもよい。
【0023】
本実施の形態におけるハイブリッド自動車においては、車両駆動用のモータを駆動する際、バッテリ21から放電された直流電流がインバータによって交流電流に変換され、モータに供給される。モータをジェネレータとして機能させ、エネルギ回生を行なう際には、モータが発電した交流電流がインバータによって直流電流に変換され、バッテリ21に充電される。
【0024】
ハイブリッド自動車は、吸気ダクト23を含む。吸気ダクト23は、車両室内42と、ラゲージルーム44に配置されたバッテリ21との間で延びる。吸気ダクト23は、パーティションパネル31を貫通する。吸気ダクト23は、ラゲージルーム44内に配索されている。吸気ダクト23は、リヤシート50の下を配索されている。吸気ダクト23は、座部51とフロア49との隙間を配索されている。吸気ダクト23は、車両前後方向に延びる。
【0025】
吸気ダクト23は、吸気口24を含む。吸気口24は、車両室内42で開口する。吸気口24は、リヤシート50の足元の空間で開口する。リヤシート50の足元の空間は、直射日光の影響を受け難く、一般的に温度が低いため、バッテリ21に低温の空気を冷却風として導入することができる。
【0026】
パーティションパネル31には、ダクト孔36が形成されている。ダクト孔36は、車両幅方向におけるパーティションパネル31の一方端に形成されている。ダクト孔36は、パーティションパネル31の下端に形成されている。パーティションパネル31は、パネル部分31pを含む。パネル部分31pは、パーティションパネル31から着脱自在である。ダクト孔36は、パネル部分31pに形成されている。
【0027】
ハイブリッド自動車は、排気ダクト25を含む。排気ダクト25は、バッテリ21と、ラゲージルーム44のトリム(内装)およびボディ間の空間との間で延びる。排気ダクト25は、ラゲージルーム44内に配索されている。排気ダクト25は、排気口61および62を含む。排気口61は、ラゲージルーム44内で開口する。排気口62は、ラゲージルーム44のトリムおよびボディ間の空間で開口する。
【0028】
ハイブリッド自動車は、ファン26を含む。ファン26は、吸気ダクト23および排気ダクト25にバッテリ21を冷却するための冷却風を流通させる。ファン26は、排気ダクト25の経路上に配置されている。ファン26は、ラゲージルーム44に配置されている。ファン26は、回転ファンの中央部から回転軸方向に吸気して、回転軸の半径方向に冷却風を排出する電動のシロッコファンである。ファン26は、バッテリ21から冷却風を吸引する引き込み型のファンである。
【0029】
なお、ファン26の種類は、シロッコファンに限られず、たとえば、クロスフロー型のファンやプロペラファンであってもよい。ファン26は、バッテリ21に向けて冷却風を供給する押し込み型のファンであってもよい。
【0030】
ファン26を駆動させると、車両室内42の空気が吸気口24を通じて吸気ダクト23に取り込まれる。空気は、吸気ダクト23を通り、冷却風としてバッテリ21に導入される。バッテリ21の冷却によって温度上昇した冷却風は、排気ダクト25を通り、その一部が排気口61を通じてラゲージルーム44に排出され、残りが排気口62およびベントグリル63を通じて車外に排出される。
【0031】
パーティションパネル31には、排気孔37が形成されている。排気孔37は、車両室内42とラゲージルーム44との間を連通させる。排気孔37は、車両幅方向におけるパーティションパネル31の他方端に形成されている。排気孔37は、パーティションパネル31の下端に形成されている。排気孔37は、ダクト孔36から離間した位置に形成されている。排気孔37とダクト孔36とは、車両幅方向に離間して形成されている。排気孔37は、吸気口24から離間した位置に形成されている。ハイブリッド自動車の車両幅方向における中心線に対して、吸気口24は一方の側に配置され、排気孔37は他方の側に配置されている。排気孔37は、通気孔46よりも大きい開口面積を有する。
【0032】
ラゲージルーム44内の空気は、排気口61を通じて排出される高温の冷却風や、バッテリ21自身の発熱の影響により、温度上昇する。一方、車両室内42の空気が吸気口24を通じて吸引され続けると、車両室内42の内圧が低くなり、空調等に悪影響を及ぼす。このため、本実施の形態では、ラゲージルーム44内の空気が、排気孔37を通じて車両室内42に戻される。
【0033】
この際、排気孔37がパーティションパネル31に形成されているため、排気孔37から排出された空気は、まずリヤシート50とパーティションパネル31との間の隙間32に流入する。空気は、隙間32を流れ、リヤシート50と内装部品(トリム、カーペット等)との間から車両室内42に放出される。このような工程により、ラゲージルーム44内の空気は、分散して車両室内42に戻されるため、高温の気流が車両室内42の乗員に不快感を与えるということを防止できる。また、ラゲージルーム44から車両室内42への排気は、主に排気孔37を通じて行なわれる。このため、ラゲージルーム44内の空気が、リヤシート50に着席する乗員の頭とほぼ同じ高さにある通気孔46から流入することを抑制できる。
【0034】
また、排気孔37は、ダクト孔36から離間した位置であって、吸気口24よりも高い位置に形成される。このような構成により、排気孔37と吸気口24とを遠ざけて配置する構成を容易に得ることができる。また、排気孔37から排出された高温の空気は、高い位置から低い位置に向けては進行し難い。これらの理由から、本実施の形態によれば、排気孔37から排出された空気が、吸気口24を通じて再びバッテリ21に導入されることを効果的に抑制できる。
【0035】
この発明の実施の形態におけるバッテリの冷却構造は、車両としてのハイブリッド自動車のラゲージルーム44に配置されたバッテリ21と、車両室内42で開口する吸気口24を含み、車両室内42の空気を冷却風としてバッテリ21に供給する吸気ダクト23と、リヤシート50と隙間32を設けて立設され、ラゲージルーム44と車両室内42とを区画し、吸気ダクト23が挿通されるダクト孔36が形成されるパーティションパネル31とを備える。パーティションパネル31には、ラゲージルーム44内の空気を車両室内42に排出する排気孔37が形成される。排気孔37は、ダクト孔36から離間した位置に形成される。
【0036】
このように構成された、この発明の実施の形態におけるバッテリの冷却構造によれば、ラゲージルーム44から車両室内42に高温の空気が排気されるにも拘らず、車両室内42の快適性を維持することができる。また、ラゲージルーム44から排気された空気が直ちに吸気ダクト23に吸引されることを抑制することで、バッテリ21の冷却効率を向上させることができる。
【0037】
続いて、図1および図2中のハイブリッド自動車の冷却構造についてさらに詳細な説明を行なう。図2を参照して、ハイブリッド自動車は、デッキボード47を含む。デッキボード47は、ラゲージルーム44に配置されている。デッキボード47は、略水平方向に延在する。デッキボード47の上には荷物が載置され、その下には吸気ダクト23、排気ダクト25およびファン26が配置される。
【0038】
本実施の形態では、地面の高さを基準にして、吸気ダクト23、排気ダクト25およびファン26の最大高さが、バッテリ21の最大高さ以下である。このような構成により、バッテリ21よりも上に突出する部品がなくなるため、ラゲージルーム44内の容量を大きく確保することができる。
【0039】
図3は、図1中のファンの取り付け構造を示す平面図である。図4は、図3中のIV−IV線上に沿ったハイブリッド自動車の断面図である。図3および図4を参照して、ハイブリッド自動車は、サイドメンバ56を含む。サイドメンバ56は、フロア49に設けられている。サイドメンバ56は、車両前後方向に沿って延びる。サイドメンバ56は、車両幅方向におけるフロア49の両端にそれぞれ設けられている。サイドメンバ56は、ハイブリッド自動車の車体を補強するフレーム部材である。サイドメンバ56は、フロア49を補強するフレーム部材である。
【0040】
本実施の形態では、ファン26がサイドメンバ56に固定されている。ファン26は、ボルト58によりサイドメンバ56に締結されている。サイドメンバ56は高剛性であるため、このような構成により、ファン26から車両本体に振動が伝達することを抑制できる。これにより、ハイブリッド自動車のNV(noise and vibration)性能を向上させることができる。また、ファン26と車両本体との間に介在させる防振用の弾性体を省略することが可能になるため、コストの削減を図ることができる。
【0041】
図5は、図1中のパーティションパネルの分解組み立て図である。図2および図5を参照して、本実施の形態では、吸気ダクト23が、ダクト部分23mとダクト部分23nとを含む。ダクト部分23mとダクト部分23nとは、ラゲージルーム44で分割され、互いに接合されている。ダクト部分23mは、吸気口24を含む。ダクト部分23mは、ダクト孔36に挿入されることにより、パネル部分31pと一体に設けられている。ダクト部分23nは、バッテリ21に接続されている。
【0042】
このような構成により、バッテリ21の組み付け工程時、ダクト部分23nのみが接続されたバッテリ21をラゲージルーム44に設置し、その後、ダクト部分23nとダクト部分23mとを接続する。つまり、本実施の形態では、バッテリ21を設置する工程と、ダクト23をパーティションパネル31に挿通する工程とを別々に行なうことができる。その結果、バッテリ21の組み付け時の作業性を向上させることができる。
【0043】
図6は、図5中の吸気ダクトの変形例を示す斜視図である。図6を参照して、本変形例では、パネル部分31pとダクト部分23mとが別体に設けられている。ラゲージルーム44と車両室内42との間の気密性を確保するため、ダクト孔36の周縁とダクト部分23mとの隙間にシール部材39が挿入されている。このように構成においても、上述の効果を同様に得ることができる。
【0044】
なお、本発明を、燃料電池とバッテリとを動力源とする燃料電池ハイブリッド車(FCHV:Fuel Cell Hybrid Vehicle)または電気自動車(EV:Electric Vehicle)に適用することもできる。本実施の形態におけるハイブリッド自動車では、燃費最適動作点で内燃機関を駆動するのに対して、燃料電池ハイブリッド車では、発電効率最適動作点で燃料電池を駆動する。また、バッテリの使用に関しては、両方のハイブリッド自動車で基本的に変わらない。
【0045】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】この発明の実施の形態におけるバッテリの冷却構造が適用されたハイブリッド自動車を示す斜視図である。
【図2】図1中のハイブリッド自動車の断面図である。
【図3】図1中のファンの取り付け構造を示す平面図である。
【図4】図3中のIV−IV線上に沿ったハイブリッド自動車の断面図である。
【図5】図1中のパーティションパネルの分解組み立て図である。
【図6】図5中の吸気ダクトの変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
21 バッテリ、23 吸気ダクト、23m,23n ダクト部分、24 吸気口、26 ファン、31 パーティションパネル、32 隙間、36 ダクト孔、37 排気孔、42 車両室内、44 ラゲージルーム、50 リヤシート、56 サイドメンバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のラゲージルームに配置されたバッテリと、
車両室内で開口する吸気口を含み、車両室内の空気を冷却風として前記バッテリに供給する吸気ダクトと、
リヤシートと隙間を設けて立設され、ラゲージルームと車両室内とを区画し、前記吸気ダクトが挿通されるダクト孔が形成されるパーティションパネルとを備え、
前記パーティションパネルには、ラゲージルーム内の空気を車両室内に排出する排気孔が形成され、
前記排気孔は、前記ダクト孔から離間した位置に形成される、バッテリの冷却構造。
【請求項2】
前記排気孔は、前記吸気口よりも高い位置に形成される、請求項1に記載のバッテリの冷却構造。
【請求項3】
車両の車両幅方向における中心線に対して、前記吸気口および前記排気孔は、互いに反対側に配置される、請求項1または2に記載のバッテリの冷却構造。
【請求項4】
前記吸気ダクトは、ラゲージルームで分割され、互いに接続される第1部分および第2部分を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のバッテリの冷却構造。
【請求項5】
前記吸気ダクトに冷却風を流通させるファンと、
ラゲージルームに配置され、車体を補強するフレーム部材とをさらに備え、
前記ファンは、前記フレーム部材に固定される、請求項1から4のいずれか1項に記載のバッテリの冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−12606(P2009−12606A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−176357(P2007−176357)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】