説明

バニロイド受容体リガンドおよび治療におけるこれらのリガンドの使用

急性、炎症性および神経障害性疼痛、歯痛、一般的頭痛、片頭痛、群発頭痛、混合型血管および非血管症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、骨関節炎、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病訴、慢性的な炎症状態、炎症性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、神経障害性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、糖尿病性神経障害疼痛、カウザルギー、交感神経により維持された疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは機能不全、単純疱疹、呼吸器、尿生殖器、胃腸もしくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、痒み症、白斑、一般的胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死性物質により誘発された胃の病変、毛髪成長、血管運動性もしくはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害を治療するための、下記一般構造式を有する化合物およびこれらの化合物を含有する組成物。


【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
バニロイド受容体1(VR1)は、トウガラシの活性成分であるカプサイシンの分子標的である。JuliusらはVR1(Caterinaら、1997年)の分子クローニングを報じた。VR1は、カプサイシンおよびレジニフェラトキシン(外因性活性化剤)、熱&酸刺激、ならびに脂質二重層代謝の生成物、アナンダミド(Premkumarら、2000年、Szaboら、2000年、Gauldieら、2001年、Olahら、2001年)およびリポキシゲナーゼ代謝産物(Hwangら、2000年)を含む一連の種々の刺激により活性化または感作される非選択的カチオンチャンネルである。VR1は、ラット、マウスおよびヒトにおける一次感覚ニューロン(Caterinaら、1997年)で高度に発現する(Onozawaら、2000年、Mezeyら、2000年、Helliwellら、1998年、Cortrightら、2001年)。これの感覚ニューロンは、真皮、骨、膀胱、胃腸管および肺を含む多くの内臓器官に分布している。また、VR1は、これらに限定するものではないが、CNS核、腎臓、胃およびT細胞を含む他のニューロンおよび非ニューロン組織でも発現する(Nozawaら、2001年、Yiangouら、2001年、Birderら、2001年)。おそらく、これらの様々な細胞および器官における発現が細胞シグナリングおよび細胞分裂などのこれらの細胞および器官の基本的な特性に寄与しているものと考えられる。
【0002】
VR1の分子クローニングに先立つカプサイシンでの実験は、ヒト、ラットおよびマウスにおける感覚ニューロンの活動を高め得る、カプサイシン感受性受容体の存在を示した(Holzer、1991年;Dray、1992年、SzallasiおよびBlumberg 1996年、1999年)。ヒトにおけるカプサイシンによる強烈な活動化の結果は注入部位における疼痛であり、他の種では感覚刺激に対する行動感受性の増大であった(SzallasiおよびBlumberg 1999年)。ヒトの皮膚へのカプサイシンの適用は、投与部位における熱および痛みの知覚だけでなく、ヒトにおける神経障害性疼痛状態の2つの特徴的な症状である、比較的広い領域にわたる痛覚過敏および異疼痛によっても特徴付けられる疼痛性反応を引き起こす(Holzer、1991年)。総合すると、おそらくVR1の高められた活性が疼痛状態の確立および維持において重大な役割を果たしているものと考えられる。カプサイシンの局所注入または皮内注射も限局的な血管拡張および浮腫の産生をもたらすことが示されている(SzallasiおよびBlumberg 1999年、Singhら、2001年)。この証拠は、カプサイシンがVR1の活性化を通じて感覚神経の求心性および遠心性機能を調節し得ることを示している。従って、疾患における感覚神経の関与は、感覚神経の活動を増大または低減させるべくバニロイド受容体の機能に影響を及ぼす分子により改変することができよう。
【0003】
VR1遺伝子ノックアウトマウスは、熱および酸刺激に対して低減された感覚感受性を有することが示されている(Caterinaら、2000年)。これは、VR1が疼痛応答(即ち、熱、酸またはカプサイシン刺激による)の発生だけでなく、感覚神経の基礎活動の維持にも寄与するという概念を支持している。この事実は、疾患におけるカプサイシン感受性神経の関与を示す研究とも一致する。ヒトおよび他の種における一次感覚神経は継続的なカプサイシン刺激により不活発にすることができる。このパラダイムは、一次感覚神経の受容体活性化誘導脱感作をもたらす−このようなインビボにおける感覚神経活動の低減は、以降の疼痛性刺激に対して被検者を感じにくくさせる。この点に関して、カプサイシンとレジンフェラトキシンの両者(VR1の外因性活性化剤)は脱感作をもたらし、疾患のインビボモデルにおける概念的研究の多くの証明で用いられてきた(Holzer、1991年、Dray、1992年、SzallasiおよびBlumberg 1999年)。
【0004】
(関係書目)
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【0005】
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【0017】
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【0021】
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【0023】
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【0024】
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【0025】
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【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明は、炎症性または神経障害性疼痛、ならびに喘息、リウマチ様関節炎、骨関節炎、炎症性腸障害、尿失禁、片頭痛および乾癬などの感覚神経機能がかかわる疾患などのバニロイド受容体媒介疾患および他の疾病などの疾患を治療するのに有用な新しいクラスの化合物を含む。特に、本発明の化合物は急性、炎症性および神経障害性疼痛、歯痛、一般的頭痛、片頭痛、群発頭痛、混合型血管および非血管症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、骨関節炎、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病訴、慢性的な炎症状態、炎症性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、神経障害性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、糖尿病性神経障害疼痛、カウザルギー、交感神経により維持された疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは機能不全、単純疱疹、呼吸器、尿生殖器、胃腸もしくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、痒み症、白斑、一般的胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死性物質により誘発された胃の病変、毛髪成長、血管運動性もしくはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害の治療に有用である。従って、本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、本発明の化合物および組成物を用いて炎症性または神経障害性疼痛、喘息、リウマチ様関節炎、骨関節炎、炎症性腸障害、尿失禁、片頭痛および乾癬疾患などのバニロイド受容体媒介疾患を治療するための方法、ならびに本発明の化合物を調製するのに有用な中間体およびプロセスも含む。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明の化合物は、以下の一般構造式:
【0029】
【化3】

で表される化合物、またはこれらの化合物の医薬適合性の塩により代表され、式中のL、N、Q、Q、Q、Q、R、XおよびYについては以下で定義される。
【0030】
前述の説明は、本発明の特定の側面を単に概説したものであり、決して本発明を制限することを意図したものではなく、また本発明を制限するものと解釈すべきでもない。ここで引用されているすべての特許、特許出願および他の刊行物は、これをもって全体が本明細書中に参照により組み込まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の一つの側面は、一般構造式:
【0032】
【化4】

を有する化合物、またはこれらの化合物のあらゆる医薬適合性の塩に関係し、式中:
Lは−C(R)=C(R)−または−C(R)=C(R)−であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNH、S、S=O、S(=O)またはOであり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
YはNH、C(R10)(R11)、O、S、S(=O)、S(=O)またはC(=O)であり;

【0033】
【化5】

から選択され;
はH、C1−2アルキル、−CF、−NH、−OH、−OCH、F、ClまたはBrであり;
はハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はBr、I、C2−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OR、−(C1−4ハロアルキル)OH、−N(C1−2アルキル)C1−2アルキルまたは−CNであり;ここで、YがCHであり、RおよびRが共にClのときには、Rはイソプロピル以外のものであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
10はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
11はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
は、それぞれの場合において独立して、HまたはC1−6アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、C1−6アルキルである。
【0034】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、QはC(R)であり;QはC(R)であり;QはC(R)であり;およびQはC(R)である。
【0035】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、XはNHである。
【0036】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、XはSである。
【0037】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、XはOである。
【0038】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、XはC(R)であり;XはC(R)である。
【0039】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、XはNであり;XはC(R)である。
【0040】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、XはC(R)であり;XはNである。
【0041】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、YはNHである。
【0042】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、YはC(R10)(R11)である。
【0043】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、YはCHである。
【0044】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、Rは:
【0045】
【化6】

である。
【0046】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、Rは:
【0047】
【化7】

である。
【0048】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、Rは:
【0049】
【化8】

である。
【0050】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、RはHまたはCHである。
【0051】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、RはCl、Br、I、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキルまたは−OC1−4アルキルである。
【0052】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、RはBr、I、C2−6アルキルまたはC1−4ハロアルキルであり、ここで、YがCHであり、RおよびRが共にClであるときには、Rはイソプロピル以外のものである。
【0053】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、RはBr、I、t−ブチル、イソブチル、n−ブチル、sec−ブチル、エチル、n−プロピルまたはC1−4ハロアルキルである。
【0054】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、RはHである。
【0055】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、RはHである。
【0056】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、RはHである。
【0057】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、Rはハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルである。
【0058】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、RはHである。
【0059】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、Rはハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルである。
【0060】
別の実施態様では、上および下の実施態様のいずれか一つと結び付けて、R10はHであり;R11はHである。
【0061】
本発明の別の側面は、上のいずれかの実施態様による化合物を投与する段階を含む、急性、炎症性および神経障害性疼痛、歯痛、一般的頭痛、片頭痛、群発頭痛、混合型血管および非血管症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、骨関節炎、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病訴、慢性的な炎症状態、炎症性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、神経障害性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、糖尿病性神経障害疼痛、カウザルギー、交感神経により維持された疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは機能不全、単純疱疹、呼吸器、尿生殖器、胃腸もしくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、痒み症、白斑、一般的胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死性物質により誘発された胃の病変、毛髪成長、血管運動性もしくはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害を治療する方法に関係する。
【0062】
本発明の別の側面は、上のいずれかの実施態様による化合物を投与する段階を含む、急性疼痛を治療する方法に関係する。
【0063】
本発明の別の側面は、上のいずれかの実施態様による化合物を投与する段階を含む、炎症性疼痛を治療する方法に関係する。
【0064】
本発明の別の側面は、上のいずれかの実施態様による化合物を投与する段階を含む、神経障害性疼痛を治療する方法に関係する。
【0065】
本発明の別の側面は、上のいずれかの実施態様による化合物および医薬適合性の希釈剤または担体を含む医薬組成物に関係する。
【0066】
本発明の別の側面は、薬剤としての上のいずれかの実施態様による化合物の使用に関係する。
【0067】
本発明の別の側面は、急性、炎症性および神経障害性疼痛、歯痛、一般的頭痛、片頭痛、群発頭痛、混合型血管および非血管症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、骨関節炎、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病訴、慢性的な炎症状態、炎症性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、神経障害性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、糖尿病性神経障害疼痛、カウザルギー、交感神経により維持された疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは機能不全、単純疱疹、呼吸器、尿生殖器、胃腸もしくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、痒み症、白斑、一般的胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死性物質により誘発された胃の病変、毛髪成長、血管運動性もしくはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害を治療するための薬剤の製造における、上のいずれかの実施態様による化合物の使用に関係する。
【0068】
本発明の化合物は一般的に幾つかの不斉中心を有していてよく、典型的にはラセミ混合物の形態で表される。本発明はラセミ混合物、部分的なラセミ混合物、ならびに個別的な鏡像異性体およびジアステレオマーを包含すべく意図されている。
【0069】
別な具合に特定されていない限り、本明細書および特許請求項で見られる用語には以下の定義が適用される:
「Cα−βアルキル」は、分枝状、環状もしくは線状の関係、またはこれら3つの組合せにおいて、最少でα個および最多でβ個の炭素原子を含むアルキル基を意味し、ここで、αおよびβは整数を表す。このセクションで記述されるアルキル基は1個または2個の二重結合もしくは三重結合も含んでよい。C1−6アルキルの例は、これらに限定するものではないが、以下のもの:
【0070】
【化9】

を含む。
【0071】
「ベンゾ基」は、単独で、または組み合わせて、二価の基C=を意味し、一つの代表は−CH=CH−CH=CH−であり、別の環に近接して結合されたときにはベンゼン様の環(例えばテトラヒドロナフチレン、インドールなど)を形成する。
【0072】
「ハロ」または「ハロゲン」はF、Cl、BrおよびIから選択されるハロゲン原子を意味する。
【0073】
「Cα−βハロアルキル」は、上で説明されている通りのアルキル基であって、アルキル鎖に結合されている水素原子のうちのある個数(少なくとも1個)がF、Cl、BrまたはIで置換されているアルキル基を意味する。
【0074】
「ヘテロ環」は少なくとも1個の炭素原子とN、OおよびSから選択される少なくとも1個の他の原子とを含む環を意味する。特許請求項で見られ得るヘテロ環の例は、これらに限定するものではないが、以下のもの:
【0075】
【化10】


を含む。
【0076】
「利用可能な窒素原子」は、ヘテロ環の一部であり、外部の結合を例えばHまたはCHによる置換で利用できる状態のまま残し、2つの単結合(例えばピペリジン)により接続されている窒素原子である。
【0077】
「医薬適合性の塩」は通常の手段により調製される塩を意味し、当業者に周知である。「薬理学的に許容可能な塩」は、これらに限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、リンゴ酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、サリチル酸、安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸などを含めた無機酸および有機酸の塩基性塩を含む。本発明の化合物がカルボキシ基などの酸性官能基を含んでいるときには、このカルボキシ基に対する適切な医薬適合性のカチオン対は当業者に周知であり、アルカリ性、アルカリ土類、アンモニウム、第四級アンモニウムカチオンなどを含む。「薬理学的に許容可能な塩」の更なる例については、以下およびBergeらによるJ.Pharm.Sci.66:1(1977年)を参照のこと。
【0078】
「飽和または不飽和」は水素で飽和された置換基、水素で全く飽和されていない置換基、および水素で部分的に飽和された置換基を含む。
【0079】
「脱離基」は一般的にアミン、チオールまたはアルコール求核試薬などの求核試薬によって容易に置換可能な基を表す。このような脱離基は当技術分野において周知である。このような脱離基の例は、これらに限定するものではないが、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ハロゲン化物、トリフラート、トシラートなどを含む。好適な脱離基は、適切な場合、本明細書で指示されている。
【0080】
「保護基」は、一般的に、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシ、メルカプトなどの選定された反応性基が求核反応、求電子反応、酸化、還元などの望ましくない反応を受けるのを防ぐために使用される、当技術分野において広く知られた基を表す。好適な保護基は、適切な場合、本明細書で指示されている。アミノ保護基の例は、これらに限定するものではないが、アラルキル、置換アラルキル、シクロアルケニルアルキルおよび置換シクロアルケニルアルキル、アリル、置換アリル、アシル、アルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、シリルなどを含む。アラルキルの例は、これらに限定するものではないが、ベンジル、オルトメチルベンジル、トリチルおよびベンズヒドリルを含み、これらのアラルキルはハロゲン、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、アシルアミノ、アシルなど、ならびにホスホニウム塩およびアンモニウム塩などの塩で場合によって置換されてよい。アリール基の例はをフェニル、ナフチル、インダニル、アントラセニル、9−(9−フェニルフルオレニル)、フェナントレニル、ジュレニルなど含む。シクロアルケニルアルキルまたは置換シクロアルキレニルアルキル基の例は、好適には6−10個の炭素原子を有し、これらに限定するものではないが、シクロヘキセニルメチルなど含む。適切なアシル、アルコキシカルボニルおよびアラルコキシカルボニル基はベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソ−ブトキシカルボニル、ベンゾイル、置換ベンゾイル、ブチリル、アセチル、トリ−フルオロアセチル、トリ−クロロアセチル、フタロイルなどを含む。同じアミノ基を保護するために保護基の混合物を使用することができ、例えばアラルキル基とアラルコキシカルボニル基の両者により第一級アミノ基を保護することができる。また、アミノ保護基は、これらの保護基が結合される窒素と共にヘテロ環式環、例えば1,2−ビス(メチレン)ベンゼン、フタルイミジル、スクシンイミジル、マレイミジルなどを形成することもでき、この場合、これらのヘテロ環式基は、隣接するアリールおよびシクロアルキル環を更に含むことができる。更に、これらのヘテロ環式基は、ニトロフタルイミジルなど、一−、二−または三−置換されてよい。また、アミノ基は、塩酸塩、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの付加塩の形成により酸化などの望ましくない反応から保護することもできる。多くのアミノ保護基はカルボキシ、ヒドロキシおよびメルカプト基を保護するのにも適している。例えばアラルキル基。tert−ブチルなど、アルキル基もヒドロキシおよびメルカプト基を保護するのに適した基である。
【0081】
シリル保護基は1つまたはそれ以上のアルキル、アリールおよびアラルキル基で場合によって置換されたケイ素原子である。適切なシリル保護基は、これらに限定するものではないが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリ−イソプロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、ジメチルフェニルシリル、1,2−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,2−ビス(ジメチルシリル)エタンおよびジフェニルメチルシリルを含む。アミノ基のシリル化はモノ−またはジ−シリルアミノ基をもたらす。アミノアルコール化合物のシリル化はN,N,O−トリ−シリル誘導体を導くことができる。シリルエーテル官能基からのシリル官能基の除去は、別個の反応段階として、またはアルコール基との反応中にインサイチュで、例えば金属水酸化物またはフッ化アンモニウム試薬を用いて処理することにより容易に果たされる。適切なシリル化剤は、例えば塩化トリメチルシリル、塩化tert−ブチル−ジメチルシリル、塩化フェニルジメチルシリル、塩化ジフェニルメチルシリル、またはこれらの化合物のイミダゾールもしくはDMFとの組合せ生成物である。アミンをシリル化するための方法およびシリル保護基を除去するための方法は当業者に周知である。これらのアミン誘導体を対応するアミノ酸、アミノ酸アミドまたはアミノ酸エステルから調製する方法も、アミノ酸/アミノ酸エステルまたはアミノアルコール化学を含む有機化学の技術分野における当業者に周知である。
【0082】
保護基は、分子の残りの部分に影響を及ぼさない条件下で除去される。これらの方法は当技術分野において周知であり、酸加水分解、水素化分解などを含む。一つの好適な方法は、アルコール、酢酸など、またはこれらの混合物などの適切な溶媒系において炭素上のパラジウムを利用する水素化分解によってベンジルオキシカルボニル基を除去する方法などにより保護基を除去することを要件とする。t−ブトキシカルボニル保護基は、ジオキサンまたは塩化メチレンなどの適切な溶媒系において、HClまたはトリフルオロ酢酸などの無機酸または有機酸を用いて除去することができる。結果として生じるアミノ酸は、遊離アミンをもたらすべく容易に中和することができる。メチル、エチル、ベンジル、tert−ブチル、4−メトキシフェニルメチルなどのカルボキシ保護基は、当業者に周知の加水分解および水素化分解条件下で除去することができる。
【0083】
本発明の化合物は、以下の例:
【0084】
【化11】

で例示されている、環式および非環式のアミジンおよびグアニジン基など、ヘテロ原子置換ヘテロアリール基(Y’=O、S、NR)などの互変異性体の形態に存在し得る基を含有していてよいことに留意すべきであり、ここでは一つの形態が呼称、説明、表示および/または主張されているが、このような名称、説明、表示および/または主張にすべての互変異性体の形態が本質的に含まれるべく意図されている。
【0085】
本発明の化合物のプロドラッグもこの発明により想定されている。プロドラッグは、患者にプロドラッグを投与した後、加水分解、代謝などの生理学的な作用により本発明の化合物に化学的に修飾される活性または不活性な化合物である。プロドラッグの製造および使用にかかわる適切性および技術は当業者に周知である。エステルとのかかわり合いを有するプロドラッグの一般的な検討については、SvenssonおよびTunekによるDrug Metabolism Reviews 165(1988年)ならびにBundgaardによるDesign of Prodrugs,Elsevier(1985年)を参照のこと。マスキングされたカルボキシラートアニオンの例はアルキル(例えばメチル、エチル)、シクロアルキル(例えばシクロヘキシル)、アラルキル(例えばベンジル、p−メトキシベンジル)、およびアルキルカルボニルオキシアルキル(例えばピバロイルオキシメチル)などの様々なエステルを含む。アミンは、遊離型ドラッグおよびホルムアルデヒドを放出する生体内のエステラーゼにより開裂されるアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスキングされている(Bungaard、J.Med.Chem.2503(1989年))。また、イミダゾール、イミド、インドールなどの酸性NH基を含有する薬剤もN−アシルオキシメチル基でマスキングされている(BundgaardによるDesign of Prodrugs,Elsevier(1985年))。ヒドロキシ基はエステルおよびエーテルとしてマスキングされている。EP第039,051号(SloanおよびLittle、4/11/81)はマンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、これらのプロドラッグの調製および使用を開示している。
【0086】
本明細書および特許請求項は、用語「...および...から選択される」および「...または...である」(ときとしてマーカッシュ群と呼ばれることがある)を用いた種のリストを含む。本出願でこの用語が使用されるときには、別な具合に述べられていない限り、全体として、または群のいずれかの単一の構成要員として、または群のいずれかのサブグループとしてこの群を含むものとする。この用語の使用は単に略記を目的としたものであり、必要な場合に個々の要素またはサブグループの除去を決して制限するものではない。
【0087】
(実験に関する説明)
一般的事項
別な具合に記されていない限り、すべての材料は商業的な供給業者から入手し、更に精製することなく使用した。別な具合に指示されていない限り、すべての部は重量に基づくものであり、温度は摂氏温度である。すべての化合物は、これらの化合物の割り当てられた構造と一致するNMRスペクトルを示した。融点はBuchi装置で測定され、補正は行われていない。質量スペクトルデータはエレクトロスプレーイオン化法により測定された。すべての実施例は、高速液体クロマトグラフィーで測定したときに、純度≧95%にまで精製された。別な具合に述べられていない限り、反応は窒素雰囲気下において室温で実行された。
【0088】
以下の略号が使用される:
aq.:水性
BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
cond:濃縮
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtO:ジエチルエーテル
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エチルアルコール
h:時間
min:分
MeOH:メチルアルコール
stad:飽和
THF:テトラヒドロフラン
【0089】
本発明の化合物を調製するための包括的な反応図式:
【0090】
【化12】







【実施例1】
【0091】
【化13】

{2−[(2−クロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−4−イル)}−N−[6−(トリフルオロメチル)(3−ピリジル)]カルボンアミド
【0092】
【化14】

【0093】
(a)1−アミノ−2−(2−クロロフェニル)エタン−1−チオン。100mL用の丸底フラスコにシアン化2−クロロベンジル(4.53g、30mmol、Aldrich)、ピリジン(30mL、Aldrich)およびトリメチルアミン(12mL、90mmol、Aldrich)を加えた。反応溶液に硫化水素(Aldrich)を0℃で1時間通気した。反応混合物を室温で一晩攪拌した後、反応溶液に窒素を室温で15分間通気した。真空下で溶媒を除去した。残分を100mLのEtOAc中に希釈し、2%HCl水溶液(50mL)およびブライン(100mL)で洗った。有機相を無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮することにより、黄色い粗製固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:186(M+1);MS(ESI、陰イオン)m/z:184(M−1)。
【0094】
【化15】

【0095】
(b)エチル2−[(2−クロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート。100mL用の丸底フラスコに1−アミノ−2−(2−クロロフェニル)エタン−1−チオン(1.85g、10mmol)、ピリジン(2.4mL、30mmol、Aldrich)、ブロモピルビン酸エチル(1.94g、10mmol、Aldrich)およびエチルアルコール(35mL)を加えた。反応溶液を還流させながら一晩加熱した。真空下で溶媒を除去した後、残分を200mLのEtOAcで希釈し、白色の沈殿物を濾過した。濾液を飽和NaHCO水溶液(150mL)およびブライン(150mL)で洗った。分離した有機相を無水MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、4:1)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:282(M+1);MS(ESI、陰イオン)m/z:280(M−1)。
【0096】
【化16】

【0097】
(c)2−[(2−クロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸。50mL用の丸底フラスコにエチル2−[(2−クロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート(2.81g、10mmol)、THF(15mL、Aldrich)、メチルアルコール(10mL)およびNaOH水溶液(5N、10mL、50mmol、J.T.Baker)を加えた。反応溶液を室温で一晩攪拌した。有機溶媒を真空下で除去し、残分をHO(20mL)で希釈した後、0℃に冷却した。水性相にHCl水溶液(10%)を加え、水性相の酸性度をpH<4(pH紙でモニターした)に調節した。水性相から沈殿物を濾過することにより、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:254(M+1);MS(ESI、陰イオン)m/z:252(M−1)。
【0098】
【化17】

【0099】
(d)2−(2−クロロ−ベンジル)−チアゾール−4−カルボニルクロリド。100mL用の丸底フラスコに2−[(2−クロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(2.31g、9.1mmol)、CHCl(60mL)、塩化オキサリル(5.8g、45mmol、Aldrich)およびDMF(0.1mL、Aldrich)を加えた。反応溶液を室温で6時間攪拌した。揮発性成分を真空下で除去した。黄色い固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:272(M+1);MS(ESI、陰イオン)m/z:270(M−1)。
【0100】
【化18】

【0101】
(e){2−[(2−クロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−4−イル)}−N−[6−(トリフルオロメチル)(3−ピリジル)]カルボンアミド。50mL用の丸底フラスコに3−アミノ−6−(トリフルオロメチル)ピリジン(0.09g、0.55mmol、Matrix Scientific)、KCO粉末(0.23g、1.66mmol、Sigma−Aldrich Chemicals)、CHCl(2mL)および2−(2−クロロ−ベンジル)−チアゾール−4−カルボニルクロリド(0.15g、0.55mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩攪拌した。固体を濾過し、CHClで洗った。この溶液をHO(2×)およびブラインで洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における10%−15%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:396、398(M+1)。MP99−101℃。
【実施例2】
【0102】
【化19】

{2−[(3,5−ジクロロ(4−ピリジル))アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド
【0103】
【化20】

【0104】
(a)N−{[(3,5−ジクロロ(4−ピリジル))アミノ]チオキソメチル}ベンズアミド。500mL用の丸底フラスコに4−アミノ−3,5−ジクロロピリジン(5.0g、31mmol、Lancester)、イソチオシアン酸ベンゾイル(5.0g、31mmol、Aldrich)およびCHCl(250mL)を加えた。反応溶液を60℃で72時間攪拌した。反応溶液を室温にまで冷却させ、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、5:1)で精製することにより、黄色い固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:327(M+1);MS(ESI、陰イオン)m/z:325(M−1)。
【0105】
【化21】

【0106】
(b)エチル−2−[(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート。500mL用の丸底フラスコにN−{[(3,5−ジクロロ(4−ピリジル))アミノ]チオキソメチル}ベンズアミド(6.26g、19mmol)、KCO(2.9g、21mmol、Aldrich)、エチルアルコール(150mL、Aldrich)および水(50mL)を加えた。反応混合物を80℃で16時間攪拌した後、室温にまで冷却させた。この反応混合物にブロモピルビン酸エチル(4.1g、21mmol、Aldrich)を加えた。反応溶液を60℃で更に6時間攪拌した。室温にまで冷却した後、反応混合物を濾過し、濾液からエチルアルコールを真空下で除去した。結果として生じた水性相をEtOAc(4×50mL)で抽出した。これらを合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液(150mL)、ブライン(150mL)で洗い、無水MgSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、5:2)で精製することにより、薄黄色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:318(M+1);MS(ESI、陰イオン)m/z:316(M−1)。
【0107】
【化22】

【0108】
(c)2−[(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸。実施例1の段階(c)で説明されている手順により、エチル−2−[(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート(3.1g、10mmol)、5NのNaOH水溶液(6mL、30mmol、J.T.Baker)、MeOH(30mL、Aldrich)およびTHF(50mL、Aldrich)から、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:290(M+1);MS(ESI、陰イオン)m/z:288(M−1)。
【0109】
【化23】

【0110】
(d){2−[(3,5−ジクロロ(4−ピリジル))アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド。25mL用の丸底フラスコに2−[(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(289mg、1.0mmol)、4−アミノベンゾトリフルオリド(161mg、1.0mmol、Aldrich)、HATU:[o−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート](456mg、1.2mmol、Perseptive Biosystems)、DIEA(156mg、1.2mmol、Aldrich)およびDMF(8mL)を加えた。反応溶液を室温で一晩攪拌させた。溶媒を真空下で除去し、残分をEtOAc(50mL)中に希釈し、飽和NaHCO水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗った。結果として生じた有機相を無水MgSO上で乾燥させ、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、7:2)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:433(M+1);MS(ESI、陰イオン)m/z:431(M−1)。MP:195−197℃。
【実施例3】
【0111】
【化24】

{2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド
【0112】
【化25】

【0113】
(a)エチル2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート。丸底フラスコに1−(2,6−ジメチルフェニル)−2−チオ尿素(3.0g、16.6mmol、Transworld Chemicals)、ブロモピルビン酸エチル(2.1mL、16.6mmol、Aldrich)およびEtOH(40mL)を加えた。反応混合物を60℃で一晩攪拌した。真空下で溶媒を除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘキサン中における0−50%のEtOAc、続いてCHCl中における0−10%のMeOH)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:277(M+1)。
【0114】
【化26】

【0115】
(b)2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸。丸底フラスコにエチル2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート(3.29g、11.9mmol)、LiOH一水和物(2.5g、59.6mmol、Aldrich)および湿性EtOH(60mL)を加えた。反応混合物を室温で3日間攪拌し、HCl水溶液(2.0M、30mL)で中和した。真空下でEtOHを除去した後、水性相をEtOAc(3×80mL)で抽出した。これらを合わせた有機抽出物を飽和NaCl水溶液で洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:249(M+1)。
【0116】
【化27】

【0117】
(c){2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド。丸底フラスコに2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(300mg、1.21mmol)、4−トリフルオロメチルアニリン(0.137mL、1.09mmol、Aldrich)およびHATU:[o−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート](690mg、1.82mmol、Perseptive Biosystems)ならびにDMF(2.0mL)を加えた。反応混合物を室温で88時間攪拌した。DMFの除去後、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘキサン中における0−8%のEtOAc)で精製することにより、薄黄色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:392(M+1)。MP:216−218℃。
【実施例4】
【0118】
【化28】

(2,6−ジメチルフェニル){4−[5−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾル−2−イル](1,3−チアゾル−2−イル}アミン
【0119】
【化29】

【0120】
(a)N−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド。丸底フラスコに2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(777mg、3.1mmol)、4−(トリフルオロメチル)−1,2−フェニレンジアミン(551mg、3.1mmol、Lancaster)、HATU:[o−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート](1.79g、4.7mmol、Perseptive Biosystems)およびDMF(5mL)を加えた。反応混合物を室温で5日間攪拌した。DMFの除去後、この粗生成物をHO(80mL)で希釈し、CHCl(3×80mL)で抽出した。これらを合わせた有機相を飽和NaClで洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における0−28%のEtOAc)で精製することにより、褐色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:407(M+1)。
【0121】
【化30】

【0122】
(b)(2,6−ジメチルフェニル){4−[5−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾル−2−イル](1,3−チアゾル−2−イル}アミン。氷酢酸(4mL)およびトルエン(4mL)中におけるN−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジメチルフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド(200mg、0.49mmol)の溶液を100℃で2時間攪拌した。溶媒を真空下で除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘキサン中における0−30%のEtOAc)で精製することにより、オフホワイト色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:389(M+1)。MP:250−251℃。
【実施例5】
【0123】
【化31】

{2−[(3−クロロ(2−ピリジル))アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)−N−[4−(メチルエチル)フェニル]カルボンアミド
【0124】
【化32】

【0125】
(a)エチル2−アミノ−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート。丸底フラスコにチオ尿素(5.0g、65.7mmol、Aldrich)、EtOH(150ml)およびブロモピルビン酸エチル(9.2mL、65.7mmol、Aldrich)を加えた。反応混合物を45℃で18時間攪拌した。真空下でEtOHを除去した。この粗生成物を飽和NaHCO(100mL)およびHO(100mL)で希釈した。水性相をEtOAc(3×200mL)で抽出した。これらを合わせた有機抽出物を飽和NaCl(200mL)で洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。EtOAc−MeOH中で結晶化させることにより、黄色い結晶性固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:173(M+1)。
【0126】
【化33】

【0127】
(b)エチル2−[(3−クロロ−2−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート。密封されたフラスコ内のエチル2−アミノ−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート(2.33g、13.5mmol)、2,3−ジクロロピリジン(2.0g、13.5mmol、Lancaster)、酢酸パラジウム(II)(152mg、0.68mmol、Strem Chemicals)、rac−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(420mg、0.68mmol、Aldrich)、炭酸カリウム(37.3g、Mallinckrodt)およびトルエン(55mL)の混合物をN下において112℃で2日間攪拌した。反応混合物をCeliteのパッドに通し、このCeliteパッドをEtOAc(5×100mL)で洗った。有機層をHO(200mL)で希釈し、水性相から分離した。この水性相をEtOAc(150mL)で抽出した。これらを合わせた有機相を飽和NaCl(200mL)で洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における0−15%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:284(M+1)。
【0128】
【化34】

【0129】
(c)2−[(3−クロロ−2−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸。95%EtOH(20mL)中におけるエチル2−[(3−クロロ−2−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボキシラート(1.42g、5.02mmol)およびLiOH(361mg、15.1mmol、Aldrich)の混合物を室温で5時間攪拌した。反応混合物をHCl水溶液(2.0M、7.5mL、15.0mmol)で中和し、減圧下で濃縮した。この材料を真空下で一晩乾燥させることにより、白色の固体として表題生成物が得られ、この生成物は副産物としてLiClを含んだ。MS(ESI、陽イオン)m/z:256(M+1)。
【0130】
【化35】

【0131】
(d){2−[(3−クロロ(2−ピリジル))アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)−N−[4−(メチルエチル)フェニル]カルボンアミド。DMF(3.0mL)中における2−[(3−クロロ−2−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(280mg、上の段階(c)から得られた粗生成物)、4−イソプロピルアニリン(0.095mL、0.69mmol)およびHATU:[o−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート](416mg、1.10mmol、Perseptive Biosystems)の混合物を室温で一晩攪拌した。DMFの除去後、シリカゲルクロマトグラフィー(勾配:ヘキサン中における0−15%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:373(M+1)。
【実施例6】
【0132】
【化36】

(3−クロロ(2−ピリジル)){4−[5−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾル−2−イル](1,3−チアゾル−2−イル)}アミン
【0133】
【化37】

【0134】
(a)N−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(3−クロロ(2−ピリジル))アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(3−クロロ(2−ピリジル))アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド。DMF(5mL)中における2−[(3−クロロ−2−ピリジル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(573mg)、4−(トリフルオロメチル)−1,2−フェニレンジアミン(264mg、1.50mmol、Lancaster)およびHATU:[o−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート](855mg、2.25mmol、Perseptive Biosystems)の溶液を室温で6日間攪拌した。DMFの除去後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における0−25%のEtOAc)で精製することにより、褐色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:414(M+1)。
【0135】
【化38】

【0136】
(b)(3−クロロ(2−ピリジル)){4−[5−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾル−2−イル](1,3−チアゾル−2−イル)}アミン。氷酢酸(2.5mL)およびトルエン(2mL)中におけるN−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(3−クロロ(2−ピリジル))アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(3−クロロ(2−ピリジル))アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド(62mg、0.15mmol)の溶液を100℃で2.5時間攪拌した。真空下で溶媒を除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl中における0−2%のMeOH)で精製することにより、褐色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:396(M+1)。MP:207−208℃。
【実施例7】
【0137】
【化39】

{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−メチル(1,3−チアゾル−5−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド
【0138】
【化40】

【0139】
(a)メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシラート。2−(2,6−ジクロロフェニル)エタンチオアミド(1.00g、4.54mmol、Maybridge)を充填した丸底フラスコにMeOH(10mL)およびメチル2−クロロ−アセトアセタート(0.55mL、4.54mmol、Aldrich)を加えた。この溶液を60℃で2日間攪拌し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における3%−10%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:316(M+1)。
【0140】
【化41】

【0141】
(b)2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸。メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボキシラート(1.15g、3.65mmol)を含有する丸底フラスコにTHF(6mL)、固体NaOH(0.58g、14.6mmol)およびHO(6mL)を加えた。この混合物を室温で一晩攪拌し、KOH(0.82g、14.60mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間攪拌し、真空下で濃縮し、1NのHClでpH〜4−5に酸性化した。白色の固体を濾過し、乾燥させることにより表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:302(M+1)。
【0142】
【化42】

【0143】
(c){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−メチル(1,3−チアゾル−5−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド。25mL用の丸底フラスコに2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(150mg、0.50mmol)、4−(トリフルオロメチル)アニリン(80mg、0.50mmol、Aldrich)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(143mg、0.75mmol、Aldrich)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(67mg、0.50mmol、Aldrich)、DMF(1.0mL)およびCHCl(1.5mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、CHCl(50mL)で希釈した。有機相をNaCO(2×)およびブラインで洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮することにより黄色い固体が得られた。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における10%のEtOAc)、続いてPrep HPLC(5%−95%のCHCN/HO)で精製することにより、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:445(M+1)。MP:180−183℃。
【実施例8】
【0144】
【化43】

2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−[6−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾル−2−イル]−1,3−チアゾール
【0145】
【化44】

【0146】
(a){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾル−4−イル}メタン−1−オール。凝縮器を備えた100mL用の丸底フラスコに2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、実施例9(c)(1.5g、5.2mmol)、THF(7mL)およびBH(THF中における1.0M溶液、10.4mL、10.4mmol、Aldrich)を加えた。反応混合物を還流下において6時間加熱した後、室温にまで冷却させた。この反応混合物を室温で2日間放置し、還流下において更に4時間加熱した。この混合物を室温にまで冷却し、結果として生じた懸濁液を濾過した。濾液を氷浴中で冷却し、MeOHで希釈した。減圧下でメタノール性溶液を蒸発させ、残分を真空下で乾燥させることにより、白色の固体として表題化合物が得られた。この粗生成物を、更に精製することなく、次の段階で使用した。MS(ESI、陽イオン)m/z:274(M+1)。
【0147】
【化45】

【0148】
(b){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾル−4−イル}ホルムアルデヒド。150mL用の丸底フラスコにCHCl(20mL)、MnO(5.6g、58.6mmol、Fluka)、およびCHCl(10mL)中における{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾル−4−イル}メタン−1−オール(1.6g、5.9mmol)の溶液を加えた。反応混合物を還流させながら一晩加熱し、熱いうちにCelite(登録商標)のパッドを通じて濾過し、濾液を真空下で濃縮した。残分をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における9%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:272(M+1)。
【0149】
【化46】

【0150】
(c)2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−[6−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾル−2−イル]−1,3−チアゾール。25mL用の丸底フラスコに{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾル−4−イル}ホルムアルデヒド(0.27g、1.0mmol)、4−(トリフルオロメチル)−1,2−フェニレンジアミン(0.18g、1.0mmol、Lancaster)およびニトロベンゼン(3mL)を加えた。反応混合物を145℃で2日間加熱した。この粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における9%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:428(M+1)。MP:187−189℃。
【実施例9】
【0151】
【化47】

{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−5−イル)}−N−[4−(メチルエチル)フェニル]カルボンアミド
【0152】
【化48】

【0153】
(a)エチル2−クロロ−3−オキソプロパノアート。凝縮器および滴下漏斗を備えた250mL用の三つ口フラスコにEtOH(28mL)およびナトリウム球(2.3g、0.1mol)を加えた。反応混合物を室温で4時間攪拌し、エーテル(70mL)で希釈した。攪拌された反応混合物に、付加漏斗を通じて、エーテル(50mL)中におけるギ酸エチル(9.5mL、0.11mol、Aldrich)およびクロロ酢酸エチル(12mL、0.11mol、Aldrich)の溶液を加えた。付加の完了後、この混合物を室温で一晩攪拌した。白色の固体を濾過し、水に溶解し、5NのHClでpH〜4−5に酸性化した。水性相をエーテルで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮することにより無色のオイルが得られた。
【0154】
【化49】

【0155】
(b)エチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシラート。実施例7の段階(a)で説明されている手順により、EtOH(10mL)中におけるエチル2−クロロ−3−オキソプロパノアート(1.0g、6.7mmol)および2−(2,6−ジクロロフェニル)エタンチオアミド(1.5g、6.7mmol、Maybridge)から、薄黄色のオイルとして表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:316(M+1)。
【0156】
【化50】

【0157】
(c)2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸。エチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−5−カルボキシラート(0.68g、2.16mmol)を含有する丸底フラスコにTHF(3mL)、HO(1mL)、MeOH(1mL)およびNaOH(0.43g、10.79mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、真空下で濃縮した。残分を水に溶解した。水性相をヘキサンで抽出し、5NのHClでpH<6に酸性化した。結果として生じた白色の固体を濾過し、この水溶液をCHClで抽出した。これらを合わせたCHCl抽出物をNaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮することにより白色の固体を得た。これら2つのバッチの白色固体を合わせ、真空下で乾燥させることにより表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:288(M+1)。
【0158】
【化51】

【0159】
(d){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−5−イル)}−N−[4−(メチルエチル)フェニル]カルボンアミド。実施例7の段階(c)で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸(0.15g、0.52mmol)および4−イソプロピルアニリン(0.07g、0.52mmol、Aldrich)から、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:405(M+1)。MP:169−175℃。
【実施例10】
【0160】
【化52】

【0161】
(e){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−5−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド。実施例9で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−5−カルボン酸、実施例9(c)(0.15mg、0.52mmol)および4−(トリフルオロメチル)アニリン(84.2mg、0.52mmol、Aldrich)から、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:431(M+1)。MP:163−164℃。
【実施例11】
【0162】
【化53】

{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−5−イル}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド
【0163】
【化54】

【0164】
(a)2−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メトキシエタンイミン塩酸塩。氷浴中の100mL用三つ口フラスコにエーテル(50mL)およびMeOH(5mL)を加えた。このフラスコにHClガスを15分間通気した後、2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル(3.0g、16.1mmol、Aldrich)を加えた。反応溶液を室温にまで徐々に温め、一晩攪拌した。反応混合物中の沈殿物を濾過し、エーテルで洗い、真空下で乾燥させることにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:218(M+1)。
【0165】
【化55】

【0166】
(b)メチル2,3−ジアミノプロパノアート二塩酸塩。凝縮器を備えた500mL用の氷冷丸底フラスコにMeOH(260mL)を加えた。注射器により塩化オキサリル(25mL、286.6mmol、Aldrich)をゆっくりと加えた後、氷浴を取り除き、2,3−ジアミノプロパン酸一塩酸塩(9.16g、65.4mmol、Aldrich)を加えた。反応混合物を60℃で一晩加熱し、真空下で濃縮した。結果として生じた固体をEtOAcおよびCHClで洗った。白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:119(M+1)。
【0167】
【化56】

【0168】
(c)メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−2−イミダゾリン−5−カルボキシラート。150mL用の丸底フラスコに2−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メトキシエタンイミン塩酸塩(2.0g、7.87mmol)、メチル2,3−ジアミノプロパノアート二塩酸塩(1.5g、7.87mmol)、MeOH(40mL)およびトリエチルアミン(3.3mL、27.56mmol、Aldrich)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、真空下で濃縮した。残分をNaHCO溶液で希釈し、CHCl(4×)で抽出した。これらを合わせた有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(CHCl中における4%のMeOH)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:287(M+1)。
【0169】
【化57】

【0170】
(d)メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾール−5−カルボキシラート。凝縮器を備えた丸底フラスコにCHCl(10mL)、MnO(8.5g、98mmol、Fluka)、およびCHCl(10mL)中におけるメチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−2−イミダゾリン−5−カルボキシラート(1.4g、4.9mmol)の溶液を加えた。この混合物を還流下で一晩加熱した。Celite(登録商標)のパッドを通じて固体を濾過し、MeOHおよびCHClで洗った。これらを合わせた濾液を真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における15%のEtOAc、続いてCHCl中における4%のMeOH)で精製することにより、白色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:285(M+1)。
【0171】
【化58】

【0172】
(e)2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾール−5−カルボン酸塩酸塩。メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾール−5−カルボキシラート(0.64g、2.25mmol)を含有する丸底フラスコにTHF(3mL)、MeOH(1mL)、NaOH(0.45g、11.27mmol)および水(1mL)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した後、還流させながら4時間加熱し、真空下で濃縮し、5NのHCl水溶液で酸性化した。第一バッチの生成物として白色の沈殿物を濾過した。母液を−20℃のフリーザーに一晩入れた。第二バッチの白色沈殿物を濾過することにより、別な部分の表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:271(M+1)。
【0173】
【化59】

【0174】
(f){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−5−イル}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド。20mL用のバイアルに2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾール−5−カルボン酸塩酸塩(100mg、0.32mmol)、DMF(1mL)、HATU:[o−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム]ヘキサフルオロホスファート(160mg、0.42mmol、Perseptive Biosystems)、ジイソプロピルエチルアミン(0.17mL、0.97mmol、Aldrich)および4−(トリフルオロメチル)アニリン(0.10g、0.65mmol、Aldrich)を加えた。反応混合物を室温で4日間攪拌し、EtOAc(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(2×)およびブラインで洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における30%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:415(M+1)。MP:253−255℃。
【実施例12】
【0175】
【化60】

【0176】
{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−5−イル}−N−[4−(メチルエチル)フェニル]カルボンアミド。実施例11で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾール−5−カルボン酸塩酸塩、実施例11(e)(100mg、0.32mmol)および4−イソプロピルアニリン(0.09mL、0.65mmol、Aldrich)から、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:388、390(M+1)。MP:210−212℃。
【実施例13】
【0177】
【化61】

【0178】
{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−5−イル}−N−(4−ブロモフェニル)カルボンアミド。実施例11で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾール−5−カルボン酸塩酸塩、実施例11(e)(100mg、0.32mmol)および4−ブロモアニリン(111mg、0.65mmol、Aldrich)から、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:426(M+1)。MP:253−254℃。
【実施例14】
【0179】
【化62】

【0180】
{2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]−5−ブロモ(1,3−チアゾル−4−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド。50mL用のフラスコに{2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド、実施例63(100mg、0.23mmol)、酢酸(2.0mL)および臭素(0.03mL、0.46mmol、Aldrich)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した後、真空下で濃縮した。この粗生成物をCHCl(50mL)で希釈し、飽和NaHCO(2×)、1MのNaおよびブラインで洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における12%のEtOAc)で精製することにより、オフホワイト色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:512(M+1)。MP:151−162℃。
【実施例15】
【0181】
【化63】

(2,6−ジクロロ−フェニル)−[4−(6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)−チアゾル−2−イル]−アミン
【0182】
【化64】

【0183】
(a)N−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド。実施例11の段階(f)で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸(339mg、1.18mmol、実施例3で説明されている手順と類似の仕方で調製)および4−(トリフルオロメチル)−1,2−フェニレンジアミン(207mg、1.18mmol、Lancaster)から、薄茶色の固体として表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:447(M+1)。
【0184】
【化65】

【0185】
(b)(2,6−ジクロロ−フェニル)−[4−(6−トリフルオロメチル−1H−ベンゾイミダゾル−2−イル)−チアゾル−2−イル]−アミン。酢酸(4mL)およびトルエン(1mL)中におけるN−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)アミノ](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド(0.19g、0.43mmol)の溶液を100℃で1時間加熱した後、真空下で濃縮した。酢酸を飽和NaHCOで中和した。水性相をEtOAcで抽出した。これらを合わせた有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。残分をCHClで希釈し、生じた白色の沈殿物を濾過し、真空下で乾燥させることにより表題化合物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:429(M+1)。MP:242−243℃。
【実施例16】
【0186】
【化66】

N−(3,4−ジクロロフェニル){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド
【0187】
【化67】

【0188】
(a)2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボニルクロリド。2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸、実施例9(c)(1.0g、3.48mmol)を含有する丸底フラスコにCHCl、塩化オキサリル(CHCl中における2.0M溶液、2.1mL、4.2mmol、Aldrich)および3滴のDMFを加えた。この混合物を還流させながら一晩加熱し、真空下で濃縮することにより、薄黄色の固体として表題粗生成物が得られた。
【0189】
【化68】

【0190】
(b)N−(3,4−ジクロロフェニル){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド。実施例1で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボニルクロリド(0.15g、0.49mmol)および3,4−ジクロロアニリン(0.08g、0.49mmol、Avocado)から、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:430(M−1)。MP:153−157℃。
【実施例17】
【0191】
【化69】

【0192】
{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−4−イル)}−N−(3,4−ジフルオロフェニル)カルボンアミド。実施例16で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボニルクロリド(0.15g、0.49mmol)および3,4−ジフルオロアニリン(63mg、0.49mmol、Aldrich)から、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:399(M−1)。MP:113−116℃。
【実施例18】
【0193】
【化70】

4−(5,6−ジクロロベンゾイミダゾル−2−イル)−2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール
【0194】
【化71】

【0195】
(a)N−(2−アミノ−4,5−ジクロロフェニル){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド。実施例16の段階(b)で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール−4−カルボニルクロリド(155.6mg、0.51mmol)および4,5−ジクロロ−1,2−フェニレンジアミン(0.174g、0.98mmol、Aldrich)から、褐色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:448(M+1)。MP:238−241℃。
【0196】
【化72】

【0197】
(b)4−(5,6−ジクロロベンゾイミダゾル−2−イル)−2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−チアゾール。N−(2−アミノ−4,5−ジクロロフェニル){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−チアゾル−4−イル)}カルボンアミド(200mg、0.45mmol)を含有する丸底フラスコに酢酸(4mL)およびトルエン(1mL)を加えた。この溶液を100℃に1時間加熱し、真空下で濃縮した。酢酸を飽和NaHCOで中和した。水性相をEtOAcで抽出した。これらを合わせた有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における14%のEtOAc)、続いてPrep HPLC(50%−95%のCHCN/HO)で精製することにより、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:430(M+1)。MP:245−247℃。
【実施例19】
【0198】
【化73】

{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−オキサゾル−4−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド
【0199】
【化74】

【0200】
(a)2−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メトキシエタンイミン塩酸塩。氷浴中の500mL用三つ口丸底フラスコに2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル(10.5g、56.4mmol、Aldrich)およびMeOH(200mL)を加えた。この混合物に、25℃未満の内部温度で、HClガスを90分間通気した。反応溶液を室温にまで徐々に温め、2,6−ジクロロフェニルアセトニトリルが消費されるまで4時間攪拌した。反応混合物を真空下で濃縮した。CHClを残分に加え、蒸発させた。CHClの付加および蒸発をもう1回繰り返した。白色の固体として表題化合物が得られ、更に精製することなく、次の段階で使用した。MS(ESI、陽イオン)m/z:218(M+1)。
【0201】
【化75】

【0202】
(b)メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−オキサゾリン−4−カルボキシラート。250mL用の丸底フラスコに、段階(a)から得られた2−(2,6−ジクロロフェニル)−1−メトキシエタンイミン塩酸塩、D,L−セリンメチルエステル塩酸塩(8.8g、56.4mmol、Aldrich)、CHCl(115mL)およびジイソプロピルエチルアミン(10.0mL、56.4mmol、Aldrich)を加えた。反応溶液を室温で一晩攪拌し、真空下で濃縮した。残分をCHCl(150mL)で希釈した。このCHCl溶液を水(2×)およびブラインで洗った。有機相をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における8%−19%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:288(M+1)。
【0203】
【化76】

【0204】
(c)メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−オキサゾール−4−カルボキシラート。250mL用の丸底フラスコにCHCl(150mL)、臭化銅(II)(3.2g、14.5mmol、Aldrich)、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(2.2g、14.5mmol、Aldrich)およびヘキサメチレンテトラミン(2.0g、14.5mmol、Aldrich)を加えた。この暗色の温かい溶液を室温に5分間放置した後、メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−オキサゾリン−4−カルボキシラート(4.1g、14.5mmol)を加えた。得られた溶液を室温で一晩攪拌した後、飽和NHClとNHOHの1:1混合液(合計150mL)で希釈した。水性相をCHCl(3×150mL)で抽出した。これらを合わせた有機相を飽和NHClとNHOHの1:1混合液、10%のクエン酸、飽和NaHCOおよびブラインで連続的に洗った。結果として得られた溶液をNaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における14%−18%のEtOAc)で精製することにより、薄黄色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:286、288(M+1)。
【0205】
【化77】

【0206】
(d)2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸。メチル2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−オキサゾール−4−カルボキシラート(1.93g、6.77mmol)を含有する丸底フラスコにMeOH(15mL)、NaOH(1.35g、33.85mmol)およびHO(15mL)を加えた。反応混合物を室温で5時間攪拌し、濃縮し、5NのHClで中和した。結果として生じた白色の固体を濾過し、乾燥させることにより表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:272、274(M+1)。
【0207】
【化78】

【0208】
(e){2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−オキサゾル−4−イル)}−N−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]カルボンアミド。100mL用の丸底フラスコに2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸(0.22g、0.81mmol)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.23g、1.22mmol、Aldrich)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.11g、0.81mmol、Aldrich)、CHCl(4mL)および4−(トリフルオロメチル)アニリン(0.15mL、1.22mmol、Aldrich)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌し、CHCl(50mL)で希釈した。有機相をNaHCO(2×)、HOおよびブラインで洗い、NaSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中における5%−8%のEtOAc)で精製することにより、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:413、415(M+1)。MP:182−184℃。
【実施例20】
【0209】
【化79】

2−{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−4−イル}−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾール
【0210】
【化80】

【0211】
(a)N−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−4−イル}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−4−イル}カルボンアミド。実施例19の段階(e)で説明されている手順により、4−(トリフルオロメチル)−1,2−フェニレンジアミン(0.17g、0.97mmol、Lancaster)および2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾール−5−カルボン酸塩酸塩(0.263g、0.97mmol、実施例11(e))から、オフホワイト色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:429(M+1)。
【0212】
【化81】

【0213】
(b)2−{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−4−イル}−6−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾール。実施例15の段階(b)で説明されている手順により、N−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−4−イル}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]イミダゾル−4−イル}カルボンアミド(0.14g、0.33mmol)から、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:411、413(M+1)。MP:281−282℃。
【実施例21】
【0214】
【化82】

2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−[6−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾル−2−イル]−1,3−オキサゾール
【0215】
【化83】

【0216】
(a)N−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−オキサゾル−4−イル)}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−オキサゾル−4−イル)}カルボンアミド。実施例19の段階(e)で説明されている手順により、2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸、実施例19(d)(0.26g、0.97mmol)および4−(トリフルオロメチル)−1,2−フェニレンジアミン(0.17g、0.97mmol、Lancaster)から、薄茶色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:430(M+1)。
【0217】
【化84】

【0218】
(b)2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル]−4−[6−(トリフルオロメチル)ベンゾイミダゾル−2−イル]−1,3−オキサゾール。実施例15の段階(b)で説明されている手順により、N−[2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−オキサゾル−4−イル)}カルボンアミドおよびN−[2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]{2−[(2,6−ジクロロフェニル)メチル](1,3−オキサゾル−4−イル)}カルボンアミド(0.19mg、44mmol)から、白色の固体として表題生成物が得られた。MS(ESI、陽イオン)m/z:412、414(M+1)。MP:201−202℃。
【0219】
表1:以下の化合物は、反応図式1で概要説明され、実施例1で説明されている実験手順と類似の方法により調製された。
【0220】
【表1】




【0221】
表2:以下の化合物は、反応図式2で概要説明され、実施例2および3で説明されている実験手順と類似の方法により調製された。
【0222】
【表2】



【0223】
表3:以下の化合物は、反応図式3で概要説明され、実施例4で説明されている実験手順と類似の方法により調製された。
【0224】
【表3】


【0225】
表4:以下の化合物は、反応図式11で概要説明され、実施例5で説明されている実験手順と類似の方法により調製された。
【0226】
【表4】

【0227】
表5:以下の化合物は、反応図式14で概要説明され、実施例19で説明されている実験手順と類似の方法により調製された。
【0228】
【表5】

【0229】
一次背根神経節ニューロンにおけるカプサイシン誘発性Ca2+流入
終末的に麻酔が施された定時妊娠Sprague−Dawleyラット(Charles River,Wilmington,MA)から胎生19日齢(E19)の背根神経節(DRG)を解剖し、5%熱不活性化ウマ血清(Life Technologies)を含む氷冷L−15培地(Life Technologies,Grand Island,NY)に採取した。この後、パパイン解離システム(Worthington Biochemical Corp.,Freehold,NJ)を用いて、DRGを単一の細胞懸濁液に解離した。これらの解離された細胞を200×gで5分間ペレット化し、1mg/mLのオボムコイド阻害剤、1mg/mLのオボアルブミンおよび0.005%のDNaseを含むEBSSに再懸濁させた。細胞破片を除去すべく、10mg/mLのオボムコイド阻害剤、10mg/mLのオボアルブミンを含む勾配溶液を通じて、細胞懸濁液を200×gで6分間遠心分離し;あらゆる凝集塊を除去すべく、88μmのナイロンメッシュ(Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)を通じて濾過した。血球計で細胞数を測定し、細胞を、ポリ−オルニチン100μg/mL(Sigma)およびマウスラミニン1μg/mL(Life Technologies)で被覆された96−ウェルプレートに、完全培地中において10×10個の細胞/ウェルで播種した。完全培地は最少必須培地(MEM)およびHam’s F12、1:1、ペニシリン(100U/mL)およびストレプトマイシン(100μg/mL)、ならびに神経成長因子(10ng/mL)、10%熱不活性化ウマ血清(Life Technologies)で構成されている。これらの培養を37℃、5%COおよび湿度100%に保った。非ニューロン細胞の成長を抑制するため、培地に5−フルオロ−2’−デオキシウリジン(75μM)およびウリジン(180μM)を含めた。VR1の活性化は、カプサイシン刺激(0.01−10μMの範囲)または酸刺激(pH4.1に緩衝された30mMのHepes/Mesの付加)のいずれかを用いるこれらの細胞のアッセイで果たされた。また、化合物は、VR1におけるこれらの化合物のアゴニスト特性を評価するためのアッセイフォーマットでも試験が行われた。VR1の活性化は、放射性カルシウム(45Ca2+:Amersham CES3−2mCi)の細胞取込みの関数として追跡される。
【0230】
カプサイシンアンタゴニストアッセイ:培養3日目のE−19 DRG細胞が、連続的な濃度のVR1アンタゴニストと共に、HBSS(BSA 0.1mg/mLおよびpH7.4における1mMのHepesが補充されたHanks緩衝塩類溶液)中において、室温で15分間インキュベートされる。この後、細胞は、Ham’s F12中において、0.1mg/mLのBSA、15mMのHepes、pH7.4、および10μCi/mLの45Ca2+(Amersham CES3−2mCi)を含む活性化緩衝液中におけるVR1アゴニスト、カプサイシン(500nM)で、室温で2分間チャレンジされる。
【0231】
酸アンタゴニストアッセイ:30mMのHepes/Mes緩衝液(最終アッセイpH5)中における45Ca2+の付加に先立ち、化合物がE−19 DRG細胞と共に室温で2分間プレインキュベートされ、この後、化合物の洗浄の前に、更に2分間放置される。45Ca2+(Amersham CES3−2mCi)の最終濃度は10μCi/mLである。
【0232】
アゴニストアッセイ:化合物の洗浄の前に、45Ca2+の存在下において、化合物をE−19 DRG細胞と共に室温で2分間インキュベートする。45Ca2+(Amersham CES3−2mCi)の最終濃度、10μCi/mL。
【0233】
化合物の洗浄および分析:機能アッセイの直後に、ELX405プレート洗浄機(Bio−Tek Instruments Inc.)を用いてアッセイプレートを洗う。PBS、0.1mg/mLのBSAで3回洗う。洗浄操作と洗浄操作の合間に吸引する。MicroBeta Jet(Wallac Inc.)を用いてプレートを読み取る。この後、適切な計算アルゴリズムを用いて化合物の活性度を算出する。
【0234】
45カルシウム2+アッセイプロトコル
CMVプロモーターの下でヒトVR1またはラットVR1のいずれかを安定して発現するChinese Hamster Ovary細胞を用いて化合物を検定することができる。トリプシンを用いて70%のコンフルエンシーでルーチン的に継代される成長培地内で細胞を培養し、化合物の評価を行う24時間前にアッセイプレートに塗布することができよう。
【0235】
可能な成長培地:
DMEM、高グルコース(Gibco 11965−084)、
10%透析血清(Hyclone SH30079.03)、
1X非必須アミノ酸(Gibco 11140−050)、
1Xグルタミン−Pen−Strep(Gibco 10378−016)、
Geneticin、450μg/mL(Gibco 10131−035)。
【0236】
化合物は、100%DMSO中に希釈し、幾つかの濃度対数単位[40μM−2pM]にわたって活性を試験することができよう。化合物は、評価に先立ち、HBSS緩衝液(pH7.4)0.1mg/mLのBSA中に更に希釈されてよい。アッセイにおける最終DMSO濃度は0.5−1%になろう。各アッセイプレートは、緩衝液のみ、および既知のアンタゴニスト化合物(カプサゼピンまたは説明されているVR1アンタゴニストのうちの1つのいずれか)を用いて対照と為すことができよう。
【0237】
VR1の活性化は、カプサイシン刺激(0.1−1μMの範囲)または酸刺激(pH4.1に緩衝された30mMのHepes/Mesの付加)のいずれかを用いるこれらの細胞のアッセイにおいて果たすことができよう。また、化合物は、VR1におけるこれらの化合物のアゴニスト特性を評価するためのアッセイフォーマットでも試験することができよう。
【0238】
カプサイシンアンタゴニストアッセイ:化合物は、45Ca2+およびカプサイシンを付加する前に、(ヒトVR1またはラットVR1のいずれかを発現する)細胞と共に室温で2分間プレインキュベートし、この後、化合物の洗浄に先立ち、更に2分間放置されてよい。カプサイシン(200nM)をHAM’s F12、0.1mg/mLのBSA、pH7.4における15mMのHepes中に加えることができる。加えられる最終45Ca2+(Amersham CES3−2mCi)は10μCi/mLであってよい。
【0239】
酸アンタゴニストアッセイ:化合物は、30mMのHepes/Mes緩衝液(最終アッセイpH5)中における45Ca2+を付加する前に、(ヒトVR1またはラットVR1のいずれかを発現する)細胞と共に2分間プレインキュベートし、この後、化合物の洗浄に先立ち、更に2分間放置されてよい。加えられる最終45Ca2+(Amersham CES3−2mCi)は10μCi/mLであってよい。
【0240】
アゴニストアッセイ:化合物は、化合物の洗浄に先立ち、45Ca2+の存在下において、(ヒトVR1またはラットVR1のいずれかを発現する)細胞と共に2分間インキュベートすることができる。加えられる最終45Ca2+(Amersham CES3−2mCi)は10μCi/mLであってよい。
【0241】
化合物の洗浄および分析:機能アッセイの直後に、ELX405プレート洗浄機(Bio−Tek Instruments Inc.)を用いてアッセイプレートが洗われよう。PBS、0.1mg/mLのBSAで3回洗い、洗浄操作と洗浄操作の合間に吸引することができよう。この後、MicroBeta Jet(Wallac Inc.)を用いてプレートを読み取り、適切な計算アルゴリズムを用いて化合物の活性度を算出することができよう。
【0242】
有用な核酸配列およびタンパク質は、これらの全体が本明細書中に参照により組み込まれる米国特許第6,335,180号、第6,406,908号および第6,239,267号に見出すことができる。
【0243】
急性、炎症性および神経障害性疼痛、歯痛、一般的頭痛、片頭痛、群発頭痛、混合型血管および非血管症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、骨関節炎、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病訴、慢性的な炎症状態、炎症性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、神経障害性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、糖尿病性神経障害疼痛、カウザルギー、交感神経により維持された疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは機能不全、単純疱疹、呼吸器、尿生殖器、胃腸もしくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、痒み症、白斑、一般的胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死性物質により誘発された胃の病変、毛髪成長、血管運動性もしくはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害などのバニロイド受容体疾患を治療するため、本発明の化合物は、通常の医薬適合性の担体、佐剤および賦形剤を含む薬用量単位調合物の形態で経口的に、非経口的に、吸入スプレーにより、経直腸的に、または局所的に投与することができる。本明細書で使用する場合、非経口的という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内、注入法または腹腔内を含む。
【0244】
本明細書における疾患および障害の治療は、例えば疼痛、炎症などの予防的治療が必要であると確信される被検者(即ち、動物、好適には哺乳動物、最も好適にはヒト)に対する、本発明の化合物、本化合物の薬剤学的な塩、または前記いずれかの医薬組成物の予防的な投与も含めるべく意図されている。
【0245】
本化合物は、中でもとりわけ麻薬性鎮痛薬、Mu受容体アンタゴニスト、Kappa受容体アンタゴニスト、非麻薬性(即ち、非中毒性)鎮痛薬、モノアミン取込み阻害剤、アデノシン抑制剤、カンナビノイド誘導体、Substance Pアンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブおよびダレコキシブなどのCOX−2阻害剤、NSAID’s、ならびにナトリウムチャンネル遮断薬を含む、オピオイドおよび他の抗疼痛性鎮痛薬との組合せ療法において使用することもできる。モルヒネ、メペリジン、コデイン、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、メプタジノール、ヒドロコドン、オキシコドン、メタドン、Tramadol[(+)鏡像異性体]、DuP747、Dynorphine A、Enadoline、RP−60180、HN−11608、E−2078、ICI−204448、アセトミノフェン(パラセタモール)、プロポキシフェン、ナルブフィン、E−4018、フィレナドール、ミルテンタニル、アミトリプチリン、DuP631、Tramadol[(−)鏡像異性体]、GP−531、アカデシン、AKI−1、AKI−2、GP−1683、GP−3269、4030W92、トラマドールラセミ化合物、Dynorphine A、E−2078、AXC3742、SNX−111、ADL2−1294、ICI−204448、CT−3、CP−99,994およびCP−99,994から選択される化合物との組合せがより好適であろう。
【0246】
本発明の化合物および/または本発明の組成物を用いてバニロイド受容体媒介疾患、癌、および/または高血糖症を治療するための薬用量投与計画は、疾患のタイプ、年齢、体重、性別、患者の医学的状態、状態の重症度、投与経路、および使用される特定の化合物を含む様々なファクターに基づく。従って、薬用量投与計画は広い範囲にわたって変わり得るが、標準的な方法を用いてルーチン的に決定することができる。1日当たり、体重1キログラムにつき約0.01mgから30mgまで、好適には約0.1mgから10mg/kgまで、より好適には約0.25mgから1mg/kgまでのオーダーの用量レベルがここで開示されているすべての使用方法にとって有用である。
【0247】
本発明の薬剤学的に活性な化合物は、ヒトおよび他の哺乳動物を含む患者に投与する薬剤を製造するための通常の調剤方法により加工することができる。
【0248】
経口投与の場合、本医薬組成物は、例えばカプセル剤、錠剤、懸濁剤または液剤の形態であってよい。本医薬組成物は、好適には、所定の量の活性成分を含有する薬用量単位形態で製造される。例えば、これらは約1mgから2000mgまで、好適には約1mgから500mgまで、より好適には約5mgから150mgまでの量の活性成分を含んでいてよい。ヒトまたは他の哺乳動物に対する適切な一日量は、患者の状態および他のファクターに依存して広い範囲にわたって変わり得るが、繰り返し述べると、ルーチン的な方法を用いて決定することができる。
【0249】
また、本活性成分は、塩類溶液、デキストロースまたは水を含む適切な担体を伴う組成物として注射により投与することもできる。一日当たりの非経口的な薬用量投与計画は、約0.1mg/kgから約30mg/kg(全体重)まで、好適には約0.1mg/kgから約10mg/kgまで、より好適には約0.25mg/kgから1mg/kgまでであろう。
【0250】
無菌の注射可能な水性または油性懸濁剤などの注射可能な調製物は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、既知の技術により調合することができる。無菌の注射可能な調製物は、無毒の非経口的に許容可能な希釈剤または溶剤中における無菌の注射可能な溶液剤または懸濁剤であってもよく、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液剤などであってよい。使用され得る許容可能な賦形剤および溶剤の中でもとりわけ、水、リンゲル液および等張食塩溶液が好適である。更に、無菌の不揮発性油が溶剤または懸濁化媒質として通常使用される。この目的で、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含むあらゆる無菌性の不揮発性油を使用することができる。更に、オレイン酸などの脂肪酸も注射可能薬剤の調製に使用することができる。
【0251】
薬剤を直腸投与するための坐剤は、本薬剤を、通常の温度では固体であるが、直腸温度で液体となり、従って直腸で溶け、薬剤を放出するココアバターおよびポリエチレングリコールなどの適切な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。
【0252】
本発明の化合物の活性成分の適切な局所用量は、一日に1回から4回、好適には1回または2回投与される0.1mgから150mgまでの量である。局所投与の場合、本活性成分は、調合物のうち0.001%から10%w/wまで、例えば重量で1%から2%までであってよく、10%w/wもの量であってもよいが、好適には5%w/wを超えない量であり、より好適には、調合物のうち0.1%から1%までである。
【0253】
局所投与に適した調合物は、皮膚を通じて浸透するのに適した液体または半液体調製物(例えばリニメント剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤またはパスタ剤)、および眼、耳または鼻に投与するのに適した点滴薬を含む。
【0254】
投与する場合、本発明の化合物は、通常、指示された投与経路に適した1つまたはそれ以上の佐剤と組み合わされる。本化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、アカシア、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、および/またはポリビニルアルコールと混ぜ合わされ、慣習的な投与用に錠剤化またはカプセル化されてよい。代替的に、本発明の化合物は塩類溶液、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、ラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、トラガカントゴム、および/または種々の緩衝液に溶解されてもよい。他の佐剤および投与様式が薬剤技術分野において周知である。担体または希釈剤は、単独で、またはワックスを伴って、モノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリル、または当技術分野において周知である他の材料などの時間遅延材料を含んでいてよい。
【0255】
本医薬組成物は固体の形態(顆粒剤、粉末剤または坐剤を含む)または液体の形態(例えば溶液剤、懸濁剤または乳剤)に作り上げられてよい。本医薬組成物は滅菌などの通常の薬剤学的な操作に掛けられてよく、および/または保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などの通常の佐剤を含んでいてよい。
【0256】
経口投与用の固体剤形はカプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤および顆粒剤を含む。このような固体剤形の場合、本活性化合物はスクロース、ラクトースまたはデンプンなどの少なくとも1つの不活性な希釈剤と混ぜ合わされてよい。このような剤形は、通常の慣行として、不活性な希釈剤以外の付加的な物質、例えばステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤も含むことができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、これらの剤形は、緩衝剤も含んでいてよい。錠剤および丸剤は、更に、腸溶剤皮を伴って調製することができる。
【0257】
経口投与用の液体剤形は、当技術分野において普通に使用される水などの不活性な希釈剤を含有する、医薬適合性の乳剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。このような組成物は、湿潤剤、甘味剤、香味剤および芳香剤などの佐剤も含んでよい。
【0258】
本発明の化合物は1つまたはそれ以上の不斉炭素原子を持つことができ、従って、光学異性体の形態、更にはこれらの異性体のラセミ混合物または非ラセミ混合物の形態で存在することができる。光学異性体は、通常のプロセスによるラセミ混合物の分割により、例えばジアステレオ異性体塩の形成により、光学的に活性な酸または塩基で処理することにより得ることができる。適切な酸の例は酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸およびショウノウスルホン酸であり、この後、結晶化によるジアステレオ異性体の混合物の分離、続いて、これらの塩からの光学的に活性な塩基の遊離が行われる。光学異性体を分離するための別のプロセスは、鏡像異性体の分離を最大化すべく最適に選択されたキラルクロマトグラフィーカラムの使用を含む。更に別の利用可能な方法は、本発明の化合物を活性化された形態における光学的に純粋な酸または光学的に純粋なイソシアナートと反応させることによる共有結合性ジアステレオ異性体分子の合成を含む。合成されたジアステレオ異性体は、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化または昇華などの通常の手段により分離し、この後、鏡像異性的に純粋な化合物を導出すべく加水分解することができる。本発明の光学的に活性な化合物は、同様に、活性な開始材料を用いることにより得ることができる。これらの異性体は遊離酸、遊離塩基、エステルまたは塩の形態であり得る。
【0259】
同様に、本発明の化合物は、同じ分子式の化合物であるが、原子が相互に関して異なった状態で配列されている異性体として存在し得る。詳細には、本発明の化合物のアルキレン置換基は、通常および好ましくは、左側から右側へ読まれるこれらの各基に対する定義で指示されている通りに分子に配列または挿入されている。しかし、特定のケースにおいて、当業者は、これらの置換基が分子内のこれ以外の原子に対する相対的な配向に関して逆になっている本発明の化合物の調製が可能であることを認識するであろう。即ち、挿入される置換基は、逆の配向で分子に挿入されている点を除き、上で述べられているものと同一であり得る。当業者であれば、本発明の化合物のこれらの異性形態が本発明の範囲内に包含されるものと解釈すべきであることを認識するであろう。
【0260】
本発明の化合物は、無機または有機酸から誘導される塩の形態で使用することができる。このような塩は、これらに限定するものではないが、以下のものを含む:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、二硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、二グルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルモアート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、2−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシラート、メシラートおよびウンデカン酸塩。また、塩基性窒素含有基を、メチル、エチル、プロピルおよびブチル塩化物、臭化物およびヨウ化物などの低級アルキルハロゲン化物;ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル硫酸塩などのジアルキル硫酸塩、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル塩化物、臭化物およびヨウ化物などの長鎖ハロゲン化物、ベンジルおよびフェネチル臭化物などのアラルキルハロゲン化物などの物質で第四級化することもできる。これにより、水または油に可溶性もしくは分散性の生成物が得られる。
【0261】
医薬適合性の酸付加塩を形成するために使用され得る酸の例は、塩酸、硫酸およびリン酸などの無機酸、ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸などの有機酸を含む。他の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウムもしくはマグネシウムなどのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属との塩、または有機塩基との塩を含む。
【0262】
また、本発明の化合物の代謝的に不安定なエステルまたはプロドラッグの形態を含め、カルボン酸またはヒドロキシル含有基の医薬適合性のエステルも本発明の範囲に包含される。代謝的に不安定なエステルは、例えばこの化合物の対応する非エステル化形態の血中濃度を増加させ、非エステル化形態化合物の効能を長引かせ得るエステルである。プロドラッグの形態は、投与されたときには分子が活性な形態でなく、代謝など、例えば酵素的または加水分解による開裂などの生体内におけるある作用または生体内変化後に治療学的に活性になる形態である。エステルとのかかわり合いを有するプロドラッグの一般的な検討については、SevenssonおよびTunekによるDrug Metabolism Reviews 165(1988年)およびBundgaardによるDesign of Prodrugs,Elsevier(1985年)を参照のこと。マスキングされたカルボキシラートアニオンの例は、アルキル(例えばメチル、エチル)、シクロアルキル(例えばシクロヘキシル)、アラルキル(例えばベンジル、p−メトキシベンジル)およびアルキルカルボニルオキシアルキル(例えばピバロイルオキシメチル)などの様々なエステルを含む。アミンは、生体内においてエステラーゼにより開裂されて遊離薬剤およびホルムアルデヒドを放出するアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスキングされている(BundgaardによるJ.Med.Chem.2503(1989年))。また、イミダゾール、イミド、インドールなどの酸性NH基を含有する薬剤もN−アシルオキシメチル基でマスキングされている(BundgaardによるDesign of Prodrugs,Elsevier(1985年))。ヒドロキシ基はエステルおよびエーテルとしてマスキングされている。EP第039,051号(SloanおよびLittle、4/11/81)は、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、これらのプロドラッグの調製および使用について開示している。本発明の化合物のエステルは、例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルエステル、更には酸性部分とヒドロキシル含有部分との間で形成される他の適切なエステルを含み得る。代謝的に不安定なエステルは、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、イソ−プロポキシメチル、α−メトキシエチル、α−((C1−)アルキルオキシ)エチルなどの基、例えばメトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシエチル、イソ−プロポキシエチルなど;5−メチル−2−オキソ−1,3ジオキソレン−4−イルメチルなどの2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基;C1−アルキルチオメチル基、例えばメチルチオメチル、エチルチオメチル、イソプロピルチオメチルなど;アシルオキシメチル基、例えばピバロイルオキシメチル、α−アセトキシメチルなど;エトキシカルボニル−1−メチル;またはα−アシルオキシ−α−置換メチル基、例えばα−アセトキシエチルを含み得る。
【0263】
更に、本発明の化合物は、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、水などの通常の溶媒から結晶化され得る結晶性固体として存在することができる。従って、本発明の化合物の結晶性の形態は、親化合物の多形相、溶媒和物および/または水和物またはこれらの形態の医薬適合性の塩として存在してよい。このようなすべての形態も、同様に、本発明の範囲内に収まるものと解釈すべきである。
【0264】
本発明の化合物は単独の活性な薬剤として投与することができるが、これらの化合物を本発明の1つもしくはそれ以上の化合物または他の物質と組み合わせて使用することもできる。組合せとして投与する場合、これらの治療薬は同時もしくは異なる時点で与えられる別々の組成物として調合することができ、またはこれらの治療薬を単一の組成物として与えることもできる。
【0265】
前述の説明は本発明の単なる例証であり、開示されている化合物に本発明を限定すべく意図されたものではない。当業者にとって明白な変形および変更は、添付の特許請求項で定義される本発明の範囲および特質内に収まるべく意図されている。
【0266】
前述の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確かめることができ、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な使用形態および条件に適合化させるべく、本発明を様々に変更および修飾することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式:
【化1】

[式中:
Lは−C(R)=C(R)−または−C(R)=C(R)−であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNH、S、S=O、S(=O)またはOであり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
YはNH、C(R10)(R11)、O、S、S(=O)、S(=O)またはC(=O)であり;

【化2】

から選択され;
はH、C1−2アルキル、−CF、−NH、−OH、−OCH、F、ClまたはBrであり;
はハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はBr、I、C2−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OR、−(C1−4ハロアルキル)OH、−N(C1−2アルキル)C1−2アルキルまたは−CNであり;ここで、YがCHであり、RおよびRが共にClである場合には、Rはイソプロピル以外のものであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
10はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
11はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
は、それぞれの場合において独立して、HまたはC1−6アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、C1−6アルキルである]
を有する化合物、または前記化合物のあらゆる医薬適合性の塩。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物を投与する段階を含む、急性、炎症性および神経障害性疼痛、歯痛、一般的頭痛、片頭痛、群発頭痛、混合型血管および非血管症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、骨関節炎、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病訴、慢性的な炎症状態、炎症性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、神経障害性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、糖尿病性神経障害疼痛、カウザルギー、交感神経により維持された疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは機能不全、単純疱疹、呼吸器、尿生殖器、胃腸もしくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、痒み症、白斑、一般的胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死性物質により誘発された胃の病変、毛髪成長、血管運動性もしくはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害を治療する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物を投与する段階を含む、急性疼痛の治療方法。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物を投与する段階を含む、炎症性疼痛の治療方法。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物を投与する段階を含む、神経障害性疼痛の治療方法。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物および医薬適合性の希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式:
【化1】

[式中:
Lは−C(R)=C(R)−または−C(R)=C(R)−であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNH、S、S=O、S(=O)またはOであり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
YはNH、C(R10)(R11)、O、S、S(=O)、S(=O)またはC(=O)であり;

【化2】

から選択され;
はH、C1−2アルキル、−CF、−NH、−OH、−OCH、F、ClまたはBrであり;
はハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はBr、I、C2−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OR、−(C1−4ハロアルキル)OH、−N(C1−2アルキル)C1−2アルキルまたは−CNであり;ここで、YがCHであり、RおよびRが共にClである場合には、Rはイソプロピル以外のものであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
10はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
11はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
は、それぞれの場合において独立して、HまたはC1−6アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、C1−6アルキルである]
を有する化合物、または前記化合物のあらゆる医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項2】
がハロである、請求項1に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項3】
がtert−ブチルまたはCFである、請求項1に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項4】
がハロであり;
がtert−ブチルまたはCFである;
請求項1に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項5】
構造式:
【化3】

[式中:
Lは−C(R)=C(R)−または−C(R)=C(R)−であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNH、S、S=O、S(=O)またはOであり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
YはNH、C(R10)(R11)、O、S、S(=O)、S(=O)またはC(=O)であり;

【化4】

であり;
はH、C1−2アルキル、−CF、−NH、−OH、−OCH、F、ClまたはBrであり;
はハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキルまたは−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルであり;
はBr、I、C2−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OR、−(C1−4ハロアルキル)OH、−N(C1−2アルキル)C1−2アルキルまたは−CNであり;ここで、YがCHであり、RおよびRが共にClである場合には、Rはイソプロピル以外のものであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
10はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
11はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
は、それぞれの場合において独立して、HまたはC1−6アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、C1−6アルキルである]
を有する化合物、または前記化合物のあらゆる医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項6】
がハロである、請求項5に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項7】
がtert−ブチルまたはCFである、請求項5に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項8】
がハロであり;
がtert−ブチルまたはCFである;
請求項5に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を投与する段階を含む、急性、炎症性および神経障害性疼痛、歯痛、一般的頭痛、片頭痛、群発頭痛、混合型血管および非血管症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、骨関節炎、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病訴、慢性的な炎症状態、炎症性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、神経障害性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、糖尿病性神経障害疼痛、カウザルギー、交感神経により維持された疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは機能不全、単純疱疹、呼吸器、尿生殖器、胃腸もしくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、痒み症、白斑、一般的胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死性物質により誘発された胃の病変、毛髪成長、血管運動性もしくはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害を治療する方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を投与する段階を含む、急性疼痛の治療方法。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を投与する段階を含む、炎症性疼痛の治療方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式:
【化1】

[式中:
Lは−C(R)=C(R)−または−C(R)=C(R)−であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNH、S、S=O、S(=O)またはOであり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
YはNH、C(R10)(R11)、O、S、S(=O)、S(=O)またはC(=O)であり;

【化2】

から選択され;
はH、C1−2アルキル、−CF、−NH、−OH、−OCH、F、ClまたはBrであり;
はハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はBr、I、C2−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OR、−(C1−4ハロアルキル)OH、−N(C1−2アルキル)C1−2アルキルまたは−CNであり;ここで、YがCHであり、RおよびRが共にClである場合には、Rはイソプロピル以外のものであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
10はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
11はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
は、それぞれの場合において独立して、HまたはC1−6アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、C1−6アルキルである]
を有する化合物、または前記化合物のあらゆる医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項2】
がハロである、請求項1に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項3】
がtert−ブチルまたはCFである、請求項1に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項4】
がハロであり;
がtert−ブチルまたはCFである;
請求項1に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項5】
構造式:
【化3】

[式中:
Lは−C(R)=C(R)−または−C(R)=C(R)−であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
はNH、S、S=O、S(=O)またはOであり;
はNまたはC(R)であり;
はNまたはC(R)であり;
YはNH、C(R10)(R11)、O、S、S(=O)、S(=O)またはC(=O)であり;

【化4】

であり;
はH、C1−2アルキル、−CF、−NH、−OH、−OCH、F、ClまたはBrであり;
はハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキルまたは−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルであり;
はBr、I、C2−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−C(=O)R、−OR、−(C1−4ハロアルキル)OH、−N(C1−2アルキル)C1−2アルキルまたは−CNであり;ここで、YがCHであり、RおよびRが共にClである場合には、Rはイソプロピル以外のものであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、H、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、−OR、−S(=O)N(R)R、−C(=O)N(R)R、または−N(R)C(=O)Rであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
はH、ハロ、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(H)C1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)C1−4アルキルまたは−OC1−4アルキルであり;
10はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
11はH、F、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、−N(R)R、または−ORであり;
は、それぞれの場合において独立して、HまたはC1−6アルキルであり;
は、それぞれの場合において独立して、C1−6アルキルである]
を有する化合物、または前記化合物のあらゆる医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項6】
がハロである、請求項5に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項7】
がtert−ブチルまたはCFである、請求項5に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項8】
がハロであり;
がtert−ブチルまたはCFである;
請求項5に記載の化合物、または前記化合物の医薬適合性の塩もしくは水和物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を投与する段階を含む、急性、炎症性および神経障害性疼痛、歯痛、一般的頭痛、片頭痛、群発頭痛、混合型血管および非血管症候群、緊張性頭痛、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、骨関節炎、炎症性腸障害、炎症性眼障害、炎症性もしくは不安定性膀胱障害、乾癬、炎症性要素を伴う皮膚病訴、慢性的な炎症状態、炎症性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、神経障害性疼痛ならびに関連する痛覚過敏および異疼痛、糖尿病性神経障害疼痛、カウザルギー、交感神経により維持された疼痛、求心路遮断症候群、喘息、上皮組織損傷もしくは機能不全、単純疱疹、呼吸器、尿生殖器、胃腸もしくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、痒み症、白斑、一般的胃腸障害、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、下痢、壊死性物質により誘発された胃の病変、毛髪成長、血管運動性もしくはアレルギー性鼻炎、気管支障害または膀胱障害を治療する方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を投与する段階を含む、急性疼痛の治療方法。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を投与する段階を含む、炎症性疼痛の治療方法。
【請求項12】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を投与する段階を含む、神経障害性疼痛の治療方法。
【請求項13】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物および医薬適合性の希釈剤または担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2006−517234(P2006−517234A)
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503463(P2006−503463)
【出願日】平成16年2月9日(2004.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2004/003908
【国際公開番号】WO2004/072068
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(500049716)アムジエン・インコーポレーテツド (242)
【Fターム(参考)】