説明

バルブ装置

【課題】吸気絞り弁の軸方向寸法の短縮化を図り、ハウジングに形成される吸気通路の機械加工を容易にする。
【解決手段】吸気絞軸受部14は、ボールベアリング55、メタルブッシュ56、シール部材57の3つからなり、軸方向寸法の短縮化が困難である。そこで、ハウジング11とは別体に設けたカップ部材15の内部に吸気絞軸受部14を組付け、カップ部材15を吸気通路2内に突出した状態で、カップ部材15をハウジング11に固定する。これにより、吸気絞軸受部14の組付位置を吸気通路2側にズラすことができ、吸気絞バルブ12の軸方向寸法を短縮することができる。吸気通路2の内部に「ハウジング11の一部による凸部」を形成する必要がないため、吸気通路2の機械加工を容易に実施でき、ハウジング11の製造コストを抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体通路の開閉あるいは開度調整の少なくとも一方を行うバルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体通路内に配置したバルブをシャフトを介して回動支持するバルブ装置が広く用いられている。
バルブ装置の中には、バルブ装置の搭載上の制約等から、バルブ装置の外形寸法のうち、軸方向寸法(シャフトの軸方向)の短縮が要求される場合がある。
バルブ装置の短縮化を図る技術として、ハウジングに対してシャフトを回動自在に支持する軸受部の収容部位(ハウジングの一部)を、流体通路の内側に突出(膨出)させることが考えられる。
【0003】
この具体例を、後述する実施例に対応した図7を参照して説明する。
なお、背景技術に用いる符号のうち、後述する[発明を実施するための形態]および[実施例]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
【0004】
図7に示す吸気絞り弁5(バルブ装置の一例)は、
・吸気通路2(流体通路の一例)が形成されるハウジング11と、
・吸気通路2の開度調整を行う吸気絞バルブ12(バルブの一例)と、
・吸気絞バルブ12と一体に回動する吸気絞シャフト13(シャフトの一例)と、
・ハウジング11に対して吸気絞シャフト13を回動自在に支持する吸気絞軸受部14(軸受部の一例)と、
を具備する。
【0005】
具体的に、図7に示す吸気絞り弁5は、吸気絞シャフト13がハウジング11に対して片持ち支持されるものであり、
図7に示す吸気絞軸受部14は、
・吸気絞シャフト13のフラツキを防止する2つのベアリング(ボールベアリング55、メタルブッシュ56)と、
・ハウジング11と吸気絞シャフト13の間の隙間を塞ぐ1つのシール部材57と、
で構成されている。
【0006】
車両搭載上の制約から、吸気絞り弁5の軸方向の外形寸法を短縮させる場合、図7に示すように、ハウジング11に対して吸気絞シャフト13を回動自在に支持する吸気絞軸受部14の収容部位(ハウジング11の一部)を、吸気通路2の内側に突出させることが考えられる。
即ち、吸気通路2内に突出する凸部100をハウジング11に設け、その凸部100の内部に吸気絞軸受部14を配置すること、即ち、凸部100によって吸気絞軸受部14の配置位置を吸気通路2側へズラすことが考えられる。
【0007】
このように、軸方向の短縮化の目的で、吸気通路2内に凸部100を形成しようとすると、吸気通路2を機械加工によって仕上げることが難しくなり、
・コストアップの要因になるとともに、
・吸気絞バルブ12と吸気通路2の隙間精度(具体的には、吸気絞バルブ12と凸部100の隙間精度)の悪化を招き、漏れ流量のバラツキが大きくなる不具合がある。
【0008】
なお、上記では、バルブ装置の一例として吸気絞り弁5を例に問題点を説明した。しかるに、上記の問題点は吸気絞り弁5のみに生じる問題点ではなく、シャフトを回動自在に支持する全てのバルブ装置において共通の問題点であり、本発明は吸気絞り弁5に限定されるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−150955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸方向寸法の短縮化を図るバルブ装置において、ハウジングに形成される流体通路の機械加工を容易にするとともに、漏れ流量のバラツキを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[請求項1の手段]
請求項1のバルブ装置は、ハウジングとは別体に設けられたカップ部材の内部に軸受部を組付け、カップ部材を流体通路内に突出した状態でハウジングに固定する構造を採用する。
カップ部材を流体通路内に突出させることにより、軸受部の組付位置を流体通路側にズラすことができるため、バルブ装置の軸方向寸法の短縮化を図ることができるとともに、流体通路の内部にハウジングの一部によって凸部を形成する必要がない。
このため、軸方向寸法の短縮化を図るバルブ装置において、ハウジングに形成される流体通路の機械加工を容易にでき、製造コストを抑えることが可能になる。
【0012】
また、カップ部材は、ハウジングの一部によって流体通路の内部で形成される凸部とは異なり、ハウジングとは別体で設けられるため、カップ部材の加工精度を高くできる。このため、バルブとカップ部材の隙間精度を向上することができ、漏れ流量のバラツキを小さく抑えることができ、結果的にバルブ装置の信頼性を高めることができる。
【0013】
さらに、カップ部材の内部に軸受部を組付ける構造であるため、ハウジングの仕様が変更されても、カップ部材と軸受部の構造を共通して用いることができる。このため、ハウジングの仕様が変更されても、軸受部の組付設備を変更する必要がなく、ハウジングの仕様が変更された際のコストを抑えることができる。
【0014】
[請求項2の手段]
請求項2のバルブ装置は、カップ部材がハウジングに圧入固定されるものである。
このように圧入技術を用いることにより、ハウジングに対するカップ部材の固定効果に加え、ハウジングとカップ部材との隙間を圧入によって塞ぐことができる。
【0015】
[請求項3の手段]
請求項3のバルブ装置は、ハウジングの組付穴に形成されたハウジング側段差と、カップ部材に形成されたカップ側段差とが、カップ部材の圧入方向において当接するものである。
ハウジング側段差とカップ側段差の当接により、ハウジングに対するカップ部材の組付精度を高めることができるとともに、ハウジングとカップ部材の間のシール性を高めることができる。
【0016】
[請求項4の手段]
請求項4のカップ部材は、ハウジングより熱伝達率の低い材料によって設けられるものである。
これにより、軸受がハウジングに直接支持されていた従来技術に比較して、軸受部の被熱を小さくすることができ、軸受部における比熱の影響を小さくすることができる。
【0017】
[請求項5の手段]
請求項5のシャフトは、ハウジングに対して片持ち支持される。
そして、カップ部材の内部には、
カップ部材に対してシャフトを回動自在に支持する2つのベアリングと、
シャフトとカップ部材との間をシールするシール部材と、
が配置される。
このように、軸受部が軸方向に長いもの(2つのベアリング+シール部材)であっても、カップ部材を流体通路の内側に突出配置することで、バルブ装置の軸方向寸法を短く設けることが可能になる。
【0018】
[請求項6の手段]
請求項6のバルブ装置は、吸気が通過する吸気通路と、この吸気通路にEGRガスを導く低圧EGR流路との合流部に吸気負圧を発生させる吸気絞り弁である。
これにより、吸気絞り弁の軸方向寸法の短縮化が図られても、ハウジングに形成される吸気通路の機械加工が容易で、且つ漏れ流量のバラツキを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】吸気絞り弁の断面図である(実施例1)。
【図2】エンジンの吸排気システムの概略図である(実施例1)。
【図3】低圧EGR調整弁の回転角度に応じたEGR流量と吸気流量との関係を示すグラフである(実施例1)。
【図4】高圧/低圧EGR量制御プログラムにおけるEGR制御の説明図である(実施例1)。
【図5】低圧EGRバルブユニットにおける低圧EGR調整弁および吸気絞り弁の断面図である(実施例1)。
【図6】低圧EGRバルブユニットにおける駆動部の概略図である(実施例1)。
【図7】吸気絞り弁の断面図である(背景技術)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照して[発明を実施するための形態(実施形態)]を説明する。
低圧EGR装置1は、
・低吸気負圧発生範囲の吸気通路2にEGRガスを導く低圧EGR流路3の開度調整を行なう低圧EGR調整弁4と、
・吸気通路2を絞ることで、吸気通路2と低圧EGR流路3の合流部に吸気負圧を発生させる吸気絞り弁5(バルブ装置の一例)と、
・低圧EGR調整弁4と吸気絞り弁5を駆動する駆動装置(電動アクチュエータ6+リンク装置7)と、
を備える。
【0021】
吸気絞り弁5は、本発明が適用されるものであり、
・吸気通路2(流体通路の一例)が形成されるハウジング11と、
・吸気通路2の開度調整を行う吸気絞バルブ12(バルブの一例)と、
・吸気絞バルブ12と一体に回動する吸気絞シャフト13(シャフトの一例)と、
・ハウジング11に対して吸気絞シャフト13を回動自在に支持する吸気絞軸受部14(軸受部の一例)と、
を具備する。
【0022】
吸気絞軸受部14は、ハウジング11とは別体に設けられた略カップ形状を呈するカップ部材15の内部に組付けられる。
そして、吸気絞り弁5の軸方向寸法を短縮する目的(吸気絞軸受部14を吸気通路2側にズラして配置する目的)で、カップ部材15の一部が吸気通路2内に突出した状態で、カップ部材15がハウジング11に固定される。
【実施例】
【0023】
本発明を低圧EGR装置1の吸気絞り弁5に適用した具体的な一例(実施例)を、図面を参照して説明する。以下の実施例は具体的な一例を開示するものであって、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。なお、以下の実施例において上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
【0024】
先ず、エンジン吸排気システムを説明する。
エンジン吸排気システムには、高圧EGR装置21と低圧EGR装置1が設けられている。
【0025】
高圧EGR装置21は、高排気圧範囲{DPF22(あるいは触媒)の排気上流側で、高い排気圧が発生する範囲}の排気通路23の内部と、高吸気負圧発生範囲(スロットルバルブ24の吸気下流側で、高い吸気負圧が発生する範囲)の吸気通路2の内部とを接続して、多量のEGRガスをエンジンへ戻すことが可能な排気ガス再循環装置であり、排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路2の吸気下流側へ戻す高圧EGR流路25を備えている。
具体的な一例として、図2の高圧EGR流路25は、排気通路23側がエキゾーストマニホールドに接続され、吸気通路2側がインテークマニホールド(図2はインテークマニホールドのサージタンク26)に接続されている。
【0026】
図2に示す高圧EGR装置21には、高圧EGR流路25の途中に、高圧EGR流路25の開度を調整することでEGRガスの流量調整を行なう高圧EGR調整弁27と、吸気側に戻されるEGRガスの冷却を行なう高圧EGRクーラ28と、吸気側に戻されるEGRガスを高圧EGRクーラ28から迂回させる高圧クーラバイパス29と、高圧EGRクーラ28と高圧クーラバイパス29の切り替えを行なう高圧EGRクーラ切替弁30とが設けられている。
なお、図2は具体例であり、高圧EGRクーラ28、高圧クーラバイパス29および高圧EGRクーラ切替弁30を搭載しないものであっても良い。
【0027】
低圧EGR装置1は、低排気圧範囲{DPF22(あるいは触媒)の排気下流側で、低い排気圧が発生する範囲}の排気通路23の内部と、低吸気負圧発生範囲(スロットルバルブ24の吸気上流側で、低い吸気負圧が発生する範囲)の吸気通路2の内部とを接続して、少量のEGRガスをエンジンに戻すことが可能な排気ガス再循環装置であり、排気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路2の吸気上流側に戻す低圧EGR流路3を備えている。
具体的な一例として、図2の低圧EGR流路3は、排気通路23側がDPF22(あるいは触媒)より排気下流側の排気管に接続され、吸気通路2側がターボチャージャのコンプレッサ31より吸気上流側の吸気管に接続されている。
【0028】
低圧EGR装置1には、低圧EGR流路3の途中に、低圧EGR流路3の開度を調整することでEGRガスの流量調整を行なう低圧EGR調整弁4と、吸気側に戻されるEGRガスの冷却を行なう低圧EGRクーラ32とが設けられている。
また、低圧EGR装置1は、吸気通路2と低圧EGR流路3の合流部に吸気負圧を発生させるための吸気絞り弁5を設けている。
【0029】
この吸気絞り弁5は、吸気通路2を最大に絞った状態であっても、吸気通路2の一部を開放するように設けられるものである。具体的には、吸気絞り弁5が吸気通路2を最大に絞った状態であっても、吸気通路2の例えば10%ほどを開放するように設けられるものである(図3の実線5’の最小流量参照)。
【0030】
次に、高圧EGR装置21および低圧EGR装置1の制御を行なうECUを説明する。ECUは、高圧EGR装置21および低圧EGR装置1の運転制御を行なうEGR制御プログラムが搭載されている。
このEGR制御プログラムは、
・エンジンの暖気状態(例えば、エンジン冷却水の温度)に基づいて高圧EGRクーラ切替弁30の切り替えを行なう高圧EGRクーラ切替プログラムと、
・エンジン回転数とエンジン負荷(エンジン負荷トルク)に応じて高圧EGR調整弁27、低圧EGR調整弁4および吸気絞り弁5の開度制御を行なう高圧/低圧EGR量制御プログラムとを備えている。
【0031】
高圧/低圧EGR量制御プログラムの概略を、図4を参照して説明する。
高圧/低圧EGR量制御プログラムは、
・図4に示す実線i以下における運転領域(エンジン回転数とエンジン負荷トルクの関係によるエンジン運転領域)の時に、低圧EGR装置1を停止させ、高圧EGR装置21の高圧EGR調整弁27の開度制御のみによってEGR制御を行ない(具体的には、低圧EGR流路3を低圧EGR調整弁4によって閉塞させ、高圧EGR調整弁27をエンジン回転数とエンジン負荷トルクの関係に応じた開度に制御する)、
・図4に示す実線iと実線iiの間の運転領域の時に、高圧EGR装置21の高圧EGR調整弁27の開度制御と、低圧EGR装置1の低圧EGR調整弁4および吸気絞り弁5の開度制御の両方によってEGR制御を行ない(具体的には、高圧EGR調整弁27をエンジン回転数とエンジン負荷トルクの関係に応じた開度に制御するとともに、低圧EGR調整弁4および吸気絞り弁5をエンジン回転数とエンジン負荷トルクの関係に応じた開度に制御する)、
・図4に示す実線ii以上における運転領域の時に、高圧EGR装置21を停止させ、低圧EGR装置1の低圧EGR調整弁4および吸気絞り弁5の開度制御のみによってEGR制御を行なう(具体的には、高圧EGR流路25を高圧EGR調整弁27によって閉塞させ、低圧EGR調整弁4および吸気絞り弁5をエンジン回転数とエンジン負荷トルクの関係に応じた開度に制御する)制御プログラムである。
【0032】
低圧EGR装置1は、低排気圧範囲のEGRガスを、低吸気負圧発生範囲に戻すものであるため、少量のEGRガスをエンジンに戻すことができる。しかるに、低圧EGR装置1を用いて多量のEGRガスをエンジンへ戻したい運転領域が存在しても、低吸気負圧発生範囲にEGRガスを戻す構造の低圧EGR装置1では多量のEGRガスをエンジンへ戻すことが困難である。
そこで、低圧EGR装置1は、EGRガスを戻す吸気通路2内に積極的に吸気負圧を発生させるための吸気絞り弁5を設け、低圧EGR装置1において大きなEGR量を得たい運転領域では、吸気絞り弁5を閉じる方向(吸気負圧が発生する方向)に開度制御し、低圧EGR装置1において多量のEGRガスをコントロールすることを可能にしている。
【0033】
しかし、
・低圧EGR装置1を用いて少量のEGRガスをエンジンへ戻す「低濃度制御状態」の時は、吸気絞り弁5が負圧を発生させないように最大開度(全開開度)で固定されて、低圧EGR調整弁4のみを開度制御する必要があり、
・低圧EGR装置1を用いて多量のEGRガスをエンジンへ戻す「高濃度制御状態」の時は、低圧EGR調整弁4の開度を増加するとともに、負圧を増加させるべく吸気絞り弁5の開度を小さくする必要がある。
【0034】
このように、「低濃度制御状態」では吸気絞り弁5が全開に固定されて低圧EGR調整弁4のみが開度制御され、「高濃度制御状態」では低圧EGR調整弁4の開度に対応して吸気絞り弁5の開度も変化するものである。
このため、低圧EGR調整弁4を駆動するための専用のアクチュエータと、吸気絞り弁5を駆動するための専用のアクチュエータとが要求されるが、それぞれに専用のアクチュエータを搭載すると、コストアップ、体格アップ、重量アップの要因になってしまう。
【0035】
そこで、低圧EGR装置1は、低圧EGR調整弁4を駆動する1つの電動アクチュエータ6と、この電動アクチュエータ6の出力特性を変化させて吸気絞り弁5を駆動するリンク装置7とを備え、リンク装置7を介して伝達された電動アクチュエータ6の出力によって吸気絞り弁5を駆動するように設けられている。
【0036】
リンク装置7には、電動アクチュエータ6の出力特性を変化させて吸気絞り弁5へ伝達する特性変換部が設けられており、低圧EGR調整弁4が所定開度より大きくなってから低圧EGR調整弁4の開度アップに連動させて吸気絞り弁5の開度を小さくするように設けられている(図3参照)。
なお、図3の実線4’は低圧EGR調整弁4の回転角度に対するEGR流量の変化を示し、図3の実線5’は低圧EGR調整弁4の回転角度に対する吸気絞り弁5による吸気流量の変化を示すものである。
【0037】
〔低圧EGRバルブユニット40の説明〕
低圧EGR調整弁4と吸気絞り弁5は、電動アクチュエータ6とリンク装置7よりなる駆動装置によって駆動されるものであり、この駆動装置は、低圧EGR調整弁4および吸気絞り弁5とともに、低圧EGRバルブユニット40に搭載される。
【0038】
この低圧EGRバルブユニット40は、低圧EGR流路3と吸気通路2の合流部を備えるハウジング11に、上述した低圧EGR調整弁4、吸気絞り弁5、駆動装置(電動アクチュエータ6+リンク装置7)を搭載するものである。
以下において、低圧EGRバルブユニット40に搭載される低圧EGR調整弁4、吸気絞り弁5、駆動装置を成す電動アクチュエータ6およびリンク装置7を順次説明する。
【0039】
低圧EGR調整弁4は、
・低圧EGR流路3が形成される部位のハウジング11と、
・このハウジング11に対して回動自在に支持される低圧EGRシャフト41と、
・この低圧EGRシャフト41に設けられて低圧EGR流路3の開度調整を行う低圧EGRバルブ42と、
・低圧EGRシャフト41を片持ち支持する低圧EGRシャフト軸受部43と、
を備えて構成される。
低圧EGRバルブ42は、低圧EGR流路3内において低圧EGRシャフト41に溶接(あるいはネジやカシメ等の締結手段)で固定されるバタフライバルブであり、低圧EGRシャフト41と一体に回動するものである。
【0040】
吸気絞り弁5(バルブ装置の一例)は、
・吸気通路2が形成される部位のハウジング11と、
・低圧EGRシャフト41に対して平行配置され、ハウジング11に対して回動自在に支持される吸気絞シャフト13(バルブ装置におけるシャフトの一例)と、
・この吸気絞シャフト13に設けられて吸気通路2の絞り開度調整を行う吸気絞バルブ12(バルブ装置におけるバルブの一例)と、
・吸気絞シャフト13を片持ち支持する吸気絞軸受部14(バルブ装置における軸受部の一例)と、
を備えて構成される。
吸気絞バルブ12は、吸気通路2内において吸気絞シャフト13にネジやカシメ等の締結手段13a(あるいは溶接)で固定されるバタフライバルブであり、吸気絞シャフト13と一体に回動するものでる。
【0041】
また、低圧EGRバルブユニット40には、低圧EGRバルブ42(低圧EGR調整弁4)を全閉位置へ戻すリターンスプリング44と、吸気絞バルブ12(吸気絞り弁5)を全開位置へ戻すリターンスプリング45と、吸気絞バルブ12を最大開度で停止させるストッパ部材(図示しない)とが設けられている。
これにより、電動アクチュエータ6の通電停止時(後述する電動モータ6aの通電停止時)では、低圧EGR調整弁4が全閉位置に戻されるとともに、吸気絞り弁5が全開位置に戻される。
【0042】
電動アクチュエータ6は、通電により回転出力を発生する電動モータ6a(例えば、DCモータ)と、この電動モータ6aの回転出力を減速して出力トルクを増大させる歯車減速装置6bとを組み合わせたものであり、ハウジング11と、このハウジング11にネジ等で締結されるカバー46aとの間に形成される駆動部収容室46の内部に配置される。この駆動部収容室46は、電動アクチュエータ6およびリンク装置7が組付けられる収容空間である。
【0043】
歯車減速装置6bは、電動モータ6aの出力軸に固定されたピニオン47、電動モータ6aと吸気絞シャフト13との間で回転自在に支持される中間ギヤ48、吸気絞シャフト13に結合される最終ギヤ49とから構成される。
中間ギヤ48は、電動モータ6aのピニオン47に噛合する大径ギヤ48aと、最終ギヤ49に噛合する小径ギヤ48bとを一体に設けたものである。
そして、歯車減速装置6bの出力(最終ギヤ49の回動)により、低圧EGR調整弁4を駆動するとともに、リンク装置7を介して吸気絞り弁5を駆動するものである。
【0044】
リンク装置7は、電動アクチュエータ6と同様、駆動部収容室46内に配置されて、電動アクチュエータ6の出力特性(回動特性)を変換して吸気絞り弁5を駆動するものであり、低圧EGR調整弁4と一体に回転するカムプレート51と、吸気絞り弁5と一体に回転する従動アーム52とを備える。
【0045】
カムプレート51は、板形状を呈したものであり、低圧EGRシャフト41に対して直角に固定配置されている。
従動アーム52も、板形状を呈したものであり、従動アーム52の回動端側がカムプレート51に対して所定の隙間を隔てて重なるように、吸気絞シャフト13に対して直角に結合配置されるものである。
【0046】
リンク装置7において電動アクチュエータ6の出力特性を変換する特性変換部は、カムプレート51の回転中心から離れた位置に設けられたカム溝53と、従動アーム52の回転中心から離れた位置に設けられてカム溝53に嵌まり合うカム溝係合部52aとによって構成される。
カム溝係合部52aは、カム溝53内に嵌まり合う円筒状のローラ(回転差吸収体)と、従動アーム52の回動端側に設けられた軸部とによって構成される。
【0047】
カム溝53のカムプロフィールは、「開度キープ用カム溝53a」と「吸気絞用カム溝53b」を繋ぎ合わせて設けられている。
「開度キープ用カム溝53a」は、「カムプレート51の回転中心と同一中心の円弧溝」であり、低圧EGR調整弁4が低圧EGR流路3を最大に絞る全閉開度θ0(図3のEGRバルブ開度=0°)から所定中間開度θ1に至る回動範囲(開度θ0〜開度θ1)において、吸気絞り弁5の開度を最大開度に保つように設けられている。
【0048】
「吸気絞用カム溝53b」は、上述した「開度キープ用カム溝53a」の一方の端部に連続するように連なって形成されており、「カムプレート51の回転中心と同一中心の円弧溝」に対して「所定の角度で変化する角度形状」を呈し、低圧EGR調整弁4が所定中間開度(θ1)から最大開度(θ2:図3のEGRバルブ開度=90°)に至る回動範囲(開度θ1〜開度θ2)において従動アーム52を回動させて、吸気絞り弁5の開度を最大開度から吸気通路2を閉じる方向に回動させるように設けられている。
【0049】
また、低圧EGRバルブユニット40には、低圧EGRバルブ42の回転角度を検出する回転角センサ54が設けられている。
この回転角センサ54は、低圧EGRシャフト41の回転角度を検出することで低圧EGRバルブ42の開度を検出するものであり、低圧EGRシャフト41の角度(低圧EGRバルブ42の開度)に応じた開度信号をECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)に出力する。
【0050】
具体的に、回転角センサ54は、2つの部材の相対回転を非接触で検出する磁気型センサであり、最終ギヤ49にインサートされて低圧EGRシャフト41と一体に回転する略筒状を呈する磁気回路部54aと、駆動部収容室46を閉塞するカバー46aに取り付けられて磁気回路部54aに対して非接触に配置される磁気検出部54b(ホールIC等)とで構成され、この磁気検出部54bの発生する電圧信号がECUに与えられる。
【0051】
なお、ECUは、マイクロコンピュータを搭載した周知の電子制御装置であり、回転角センサ54によって検出される実際の低圧EGRバルブ42の開度が、車両の運転状態に応じた目標開度となるように電動モータ6aをフィードバック制御するように設けられている。
【0052】
(実施例の特徴技術)
低圧EGRバルブユニット40は、車両搭載上の制約から吸気絞り弁5の軸方向寸法を短縮する要求がある。
そこで、この実施例の吸気絞り弁5は、本発明にかかる軸方向の短縮技術を用いて吸気絞り弁5の軸方向寸法の短縮化を図っている。
以下では、吸気絞り弁5が採用する軸方向の短縮技術を説明する。
【0053】
この実施例は、ハウジング11に対して吸気絞シャフト13を片持ち支持する吸気絞軸受部14を、吸気通路2側にズラして組付けることで、吸気絞り弁5の軸方向寸法の短縮化を図るものであり、吸気絞軸受部14を吸気通路2側にズラして組付ける手段として、ハウジング11と別体に設けられたカップ部材15を用いるものである。
【0054】
先ず、吸気絞シャフト13を片持ち支持する吸気絞軸受部14(カップ部材15の内部に組付けられる軸受部)を説明する。
この実施例の吸気絞軸受部14は、
・吸気絞シャフト13の傾斜を抑えための2つのベアリング(ボールベアリング55とメタルブッシュ56)と、
・吸気絞シャフト13とカップ部材15との間をシールするシール部材57と、
から構成され、ボールベアリング55、メタルブッシュ56、シール部材57の3つが軸方向に並んで配置される。
【0055】
ボールベアリング55は、駆動部収容室46に近い側に配置される。このボールベアリング55は、アウターレース(外輪)とインナーレース(内輪)との間(環状隙間)に多数のボールを圧入配置した周知のものであり、ボールの圧入によりアウターレースとインナーレースの径方向のガタツキが抑えられ、アウターレースとインナーレースが多数のボールによって相対回転自在に設けられている。
アウターレース、インナーレース、ボールは耐摩耗性に優れた金属材料(例えば軸受鋼など)によって設けられる。そして、アウターレースの外周面はカップ部材15の内部(具体的には、後述するカップ筒部15bの内周面)に圧入固定される。一方、インナーレースの内周面には吸気絞シャフト13が挿入され、インナーレースの内周面に吸気絞シャフト13の外周面が軽圧入される。
【0056】
メタルブッシュ56は、ボールベアリング55とシール部材57との間に配置される金属製の円筒体であり、メタルブッシュ56の外周面がカップ部材15の内部(具体的には、後述するカップ筒部15bの内周面)に圧入固定される。一方、メタルブッシュ56の内周面には吸気絞シャフト13が挿入配置され、メタルブッシュ56の内周面と吸気絞シャフト13の外周面との間に微細な摺動クリアランスが設けられる。
【0057】
シール部材57は、吸気通路2に近い側に配置される。このシール部材57は、内部に環状金属をモールドしたゴム製のリップシールであり、シール部材57の外縁に設けられる筒部がカップ部材15の内部に軽圧入されてカップ部材15に固定される。そして、シール部材57の内周縁(リップ部)が吸気絞シャフト13の外周面に軽く圧迫した状態で、吸気絞シャフト13と摺接するものである。
【0058】
カップ部材15は、アルミニウム(アルミニウム合金であっても良い)によって設けられるハウジング11とは別体に設けられた金属製の部品であり、この実施例では、ハウジング11より熱伝達率の低い金属材料(鉄、ステンレス等)によって設けられる。また、カップ部材15は、ハウジング11に固定されるものであり、この実施例では固定技術の一例として圧入技術を用いるものである。
【0059】
このカップ部材15は、
・外面(図1下面)が吸気通路2内に露出配置されるカップ底部15aと、
・内周面に吸気絞軸受部14(上述したボールベアリング55、メタルブッシュ56、シール部材57)が組付けられるとともに、外周面がハウジング11に圧入されるカップ筒部15bと、
からなる1部品である。
【0060】
カップ底部15aは、その中心部に吸気絞シャフト13が挿通配置されるシャフト挿通穴が形成されるものであり、シャフト挿通穴の内径寸法は吸気絞シャフト13と非接触となるように、吸気絞シャフト13の外形寸法より僅かに大径に設けられている。
【0061】
カップ筒部15bは、略円筒形状を呈し、その内周面に吸気絞軸受部14(上述したボールベアリング55、メタルブッシュ56、シール部材57)が組付けられるものである。
このカップ筒部15bの外周面は、ハウジング11に形成した組付穴58の内周面に圧入固定されるものである。
【0062】
組付穴58は、吸気通路2と駆動部収容室46を貫通する穴であり、この組付穴58の内周面には周方向に伸びる環状のハウジング側段差59a(組付穴58の内径が駆動部収容室46で大径になる部位の段差)が設けられている。
一方、組付穴58内に配置される部位のカップ筒部15bの外周面には、周方向に伸びる環状のカップ側段差59b(カップ筒部15bの外形がカップ底側で小径となる部位の段差)が設けられている。
【0063】
カップ筒部15bの外径寸法は、少なくとも一部において組付穴58の内径寸法より僅かに大径に設けられている。
圧入工程時は、駆動部収容室46側から組付穴58の内部にカップ部材15を強く押し入れる。そして、ハウジング側段差59aとカップ側段差59bとが圧入方向において当接することで圧入が完了するものである。
【0064】
ここで、ハウジング側段差59aとカップ側段差59bとが圧入方向において当接した状態において、カップ部材15の一部(カップ部材15におけるカップ底部15a+カップ筒部15bの一部)が吸気通路2の内部に所定量だけ突出するように、ハウジング側段差59aとカップ側段差59bの位置関係が設定されている。
このため、圧入完了時には、図1に示すように、カップ部材15の一部が吸気通路2内に所定量だけ突出して配置される。
【0065】
(実施例の効果1)
この実施例の吸気絞シャフト13は、ハウジング11に対して片持ち支持されるものであり、カップ部材15の内部に吸気絞軸受部14としてボールベアリング55、メタルブッシュ56、シール部材57の3つが配置されるものである。
このため、吸気絞軸受部14の軸方向長が長くなってしまうため、既存の技術では吸気絞り弁5の軸方向寸法の短縮化が困難になる。
【0066】
これに対し、この実施例の吸気絞り弁5は、ハウジング11とは別体に設けられたカップ部材15の内部に吸気絞軸受部14(ボールベアリング55、メタルブッシュ56、シール部材57)を組付け、カップ部材15を吸気通路2内に突出した状態でハウジング11に固定する技術を採用する。
このように、カップ部材15を吸気通路2内に突出配置することにより、吸気絞軸受部14の組付位置を吸気通路2側にズラすことができるため、吸気絞軸受部14の軸方向寸法が長くても、吸気絞バルブ12の軸方向寸法を短縮することができる。
また、吸気通路2内に対するカップ部材15の突出量を変更することで、吸気絞り弁5の軸方向寸法を容易に変更することができるため、仕様変更等に容易に対応することが可能になる。
【0067】
(実施例の効果2)
この実施例の吸気絞り弁5は、ハウジング11とは別体に設けられたカップ部材15を吸気通路2内に突出配置することで吸気絞軸受部14の組付位置を吸気通路2側にズラすものであるため、吸気通路2の内部にハウジング11の一部によって凸部100(符号、図7参照)を形成する必要がない。このため、ハウジング11における吸気通路2の機械加工を容易にでき、ハウジング11の製造コストを抑えることが可能になる。
【0068】
(実施例の効果3)
カップ部材15は、ハウジング11の一部によって形成される凸部100(符号、図7参照)とは異なり、ハウジング11とは別体で設けられる。即ち、カップ部材15は、単品として形成される。このため、吸気通路2内で加工を受ける凸部100に比較して、カップ部材15の加工精度を高くできる。
これによって、吸気絞バルブ12とカップ部材15の隙間精度を向上することができ、漏れ流量のバラツキを小さく抑えることができる。
【0069】
(実施例の効果4)
この実施例の吸気絞り弁5は、カップ部材15の内部に吸気絞軸受部14を組付ける構造であるため、ハウジング11の仕様が変更されても、カップ部材15と吸気絞軸受部14の構造を共通して用いることができる。このため、ハウジング11の仕様が変更されても、吸気絞軸受部14の組付設備を変更する必要がなく、ハウジング11の仕様が変更された際のコストを抑えることができる。
【0070】
(実施例の効果5)
この実施例の吸気絞り弁5は、カップ部材15がハウジング11に圧入固定されるものである。
カップ部材15をハウジング11に圧入固定することにより、カップ部材15をハウジング11に固定する効果に加え、ハウジング11とカップ部材15との隙間を圧入によって塞ぐことができ、ハウジング11とカップ部材15の間の気密漏れを圧入によって防ぐことができる。
【0071】
(実施例の効果6)
この実施例の吸気絞り弁5は、ハウジング11の組付穴58に形成されたハウジング側段差59aと、カップ部材15に形成されたカップ側段差59bとを、カップ部材15の圧入方向において当接させたものである。
ハウジング側段差59aとカップ側段差59bの当接により、ハウジング11に対するカップ部材15の組付精度を高めることができる。
【0072】
また、圧入時には、ハウジング側段差59aとカップ側段差59bが当接するまでカップ部材15をハウジング11に圧入すれば済むため、圧入量を容易に一定にでき、圧入コスト(カップ部材15の組付けコスト)を抑えることができる。
さらに、ハウジング側段差59aとカップ側段差59bの当接により、ハウジング11とカップ部材15の間のシールをより確実にできる。
【0073】
(実施例の効果7)
この実施例のカップ部材15は、ハウジング11より熱伝達率の低い材料によって設けられる。
これにより、軸受がハウジング11に直接支持されていた従来技術に比較して、吸気絞軸受部14(ボールベアリング55、メタルブッシュ56、シール部材57)の被熱を小さくすることができ、吸気絞軸受部14における比熱の影響を小さくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
上記の実施例では、吸気絞り弁5に本発明を適用する例を示したが、本発明を適用可能なバルブ装置は吸気絞り弁5に限定されるものではなく、シャフトによってバルブを回動駆動する全てのバルブ装置に本発明を適用可能なものである。
【0075】
上記の実施例では、シャフトを片持ち支持する吸気絞軸受部14に本発明を適用する例を示したが、シャフトを両側(流体通路の径方向の両側)で回動自在に支持する「両持ち支持タイプ」のバルブ装置に本発明を適用しても良い。
【0076】
上記の実施例では、吸気絞軸受部14の内部に3つの部品(ボールベアリング55、メタルブッシュ56、シール部材57)を組付ける例を示したが、限定されるものではなく、吸気絞軸受部14の内部に1つ以上の部品(1つのベアリング部品等)を配置するものであっても良い。
【0077】
上記の実施例では、ハウジング11とカップ部材15の固定技術として圧入技術を例示したが、圧入技術に限定されるものではなく、溶着、接着、ネジ締結、モールドなど、他の固定技術を用いても良い。
【0078】
上記の実施例では、ハウジング11とカップ部材15の両方を金属材料で設ける例を示したが、ハウジング11とカップ部材15のいずれか一方を樹脂材料で設けたり、あるいはハウジング11とカップ部材15の両方を樹脂材料で設けても良い。
【符号の説明】
【0079】
1 低圧EGR装置
2 吸気通路(流体通路)
3 低圧EGR流路
5 吸気絞り弁(バルブ装置)
11 ハウジング
12 吸気絞バルブ(バルブ)
13 吸気絞シャフト(シャフト)
14 吸気絞軸受部
15 カップ部材
55 ボールベアリング(2つのベアリングの一方)
56 メタルブッシュ(2つのベアリングの他方)
57 シール部材
58 組付穴
59a ハウジング側段差
59b カップ側段差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が通過可能な流体通路(2)が形成されるハウジング(11)と、
前記流体通路(2)の開閉あるいは開度調整を行うバルブ(12)と、
このバルブ(12)と一体に回動するシャフト(13)と、
前記ハウジング(11)に対して前記シャフト(13)を回動自在に支持する軸受部(14)と、
を具備するバルブ装置(5)において、
前記軸受部(14)は、前記ハウジング(11)とは別体に設けられたカップ形状を呈するカップ部材(15)の内部に組付けられ、
前記カップ部材(15)は、当該カップ部材(15)の一部が前記流体通路(2)内に突出した状態で前記ハウジング(11)に固定配置されることを特徴とするバルブ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のバルブ装置(5)において、
前記カップ部材(15)は、前記ハウジング(11)に圧入固定されることを特徴とするバルブ装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のバルブ装置(5)において、
前記ハウジング(11)は、前記カップ部材(15)を挿入配置する組付穴(58)を備え、
この組付穴(58)の内周面に環状形成されたハウジング側段差(59a)と、前記カップ部材(15)の外周面に環状形成されたカップ側段差(59b)とが、前記カップ部材(15)の圧入方向において当接することを特徴とするバルブ装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のバルブ装置(5)において、
前記カップ部材(15)は、前記ハウジング(11)より熱伝達率の低い材料によって設けられることを特徴とするバルブ装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のバルブ装置(5)において、
前記シャフト(13)は、前記ハウジング(11)に対して片持ち支持されるものであり、
前記カップ部材(15)の内部には、
前記カップ部材(15)に対して前記シャフト(13)を回動自在に支持する2つのベアリング(55、56)と、
前記シャフト(13)と前記カップ部材(15)との間をシールするシール部材(57)と、
が配置されることを特徴とするバルブ装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のバルブ装置(5)において、
このバルブ装置(5)は、吸気が通過する吸気通路(2)と、この吸気通路(2)にEGRガスを導く低圧EGR流路(3)との合流部に吸気負圧を発生させる吸気絞り弁(5)であることを特徴とするバルブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−57259(P2013−57259A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194878(P2011−194878)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】