パケットモードスピーチ通信
【課題】パケットモードスピーチ通信サービスを提供及び管理する新規な方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るパケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてスピーチアイテムを管理する方法は、グループ通信グループの1つのグループメンバにスピーチアイテムを許可し、前記許可に応答して所定のアイドル周期を測定するように第1タイマーをセットし、前記グループメンバの前記1つからボイスパケットが受信されるたびに前記第1タイマーをリセットし、前記第1タイマーが時間切れして、前記許可から、又は前記1つのグループメンバからボイスパケットを最後に受信してから、前記所定のアイドル周期が経過したことを指示する場合に、前記許可されたスピーチアイテムを終了させる、という段階を含み、前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、ことを特徴とする。
【解決手段】本発明に係るパケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてスピーチアイテムを管理する方法は、グループ通信グループの1つのグループメンバにスピーチアイテムを許可し、前記許可に応答して所定のアイドル周期を測定するように第1タイマーをセットし、前記グループメンバの前記1つからボイスパケットが受信されるたびに前記第1タイマーをリセットし、前記第1タイマーが時間切れして、前記許可から、又は前記1つのグループメンバからボイスパケットを最後に受信してから、前記所定のアイドル周期が経過したことを指示する場合に、前記許可されたスピーチアイテムを終了させる、という段階を含み、前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに係り、より詳細には、通信システムにおけるパケットモードスピーチ通信に係る。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムとは、一般に、ユーザがシステムのサービスエリア内を移動するときにワイヤレス通信を行うことのできるテレコミュニケーションシステムを指す。典型的な移動通信システムは、公衆地上移動ネットワーク(PLMN)である。移動通信ネットワークは、ほとんどの場合に、外部ネットワーク、ホスト、又は特定のサービスプロバイダーによりオファーされるサービスへのワイヤレスアクセスをユーザに与えるアクセスネットワークである。
【0003】
プロフェッショナル移動無線又はプライベート移動無線(PMR)システムは、主として、警察、軍事、オイルプラント等の専門及び政府ユーザのために開発された専用無線システムである。PMRサービスは、専用のPMR技術で構築された専用のPMRネットワークを経てオファーされている。この市場は、アナログ、デジタル、従来型及びトランク式等の多数の技術に振り分けられるが、どれも支配的な役割をもたない。TETRA(地上トランク式無線)は、デジタルPMRシステムのためにETSI(ヨーロピアン・テレコミュニケーションズ・スタンダーズ・インスティテュート)により規定された規格である。米国特許第6,141,347号は、グループコールにマルチキャストアドレッシング及び分散型処理を使用するワイヤレス通信システムを介している。
【0004】
PMRシステムにより与えられる1つの特殊な特徴は、グループ通信である。ここで使用する「グループ」という用語は、同じグループ通信、例えば、コールに参加するよう意図された3人以上のユーザの論理的なグループを指す。グループは、論理的に形成され、即ちネットワーク側に維持された特殊なグループ通信情報が特定のユーザを特定のグループ通信のグループに関連付ける。この関連付けは、容易に形成し、変更し又は取り消すことができる。同じユーザが2つ以上のグループ通信グループのメンバーであってもよい。通常、グループ通信グループのメンバーは、警察、消防団、民間会社等の同じ組織に属する。又、通常、同じ組織は、多数の別々のグループ、即ち1組のグループを有する。
【0005】
グループコールは、典型的に、長時間(最長数日間)のもので、その間に通信がめったに行われずそして各対話は通常短いものである。全アクティブトラフィックは、例えば、1つのコール中に15分に過ぎない。各トークバースト即ちスピーチアイテムは、既存のPMRシステムでは平均長さ7秒である。それ故、無線チャンネル又は他の高価なシステムリソースは、常時割り当てることができない。というのは、サービスが著しく高価なものになってしまうからである。プッシュ・ツー・トーク(押して話す)特徴をもつグループ通信は、この問題を克服するPMRネットワークの重要な特徴の1つである。一般に、「プッシュ・ツー・トーク、リリース・ツー・リッスン(押して話し、放して聞く)」特徴をもつグループボイス通信では、グループコールは、スイッチとして電話に「プレッセル(pressel)(PTT、プッシュ・ツー・トークスイッチ)を使用することをベースとし、即ちPTTを押すことによりユーザが話したいことを指示し、ユーザ装置がサービス要求をネットワークに送信する。ネットワークは、その要求を拒絶するか、又は要求されたリソースを、リソースの入手性、要求を発しているユーザのプライオリティ等の所定の基準に基づいて割り当てる。同時に、特定の加入者グループにおける他の全てのアクティブなユーザにも接続が確立される。ボイス接続が確立された後、要求を発しているユーザが話しをし、そして他のユーザは、チャンネル上でそれを聞くことができる。ユーザがPTTを放すと、ユーザ装置が解除メッセージをネットワークへ信号し、リソースが解除される。従って、リソースは、実際のスピーチトランザクション即ちスピーチアイテムに対してのみ予約される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、通信システムにおけるグループ通信に対して種々の要求が生じる。
コール設定時間は、比較的短くなければならず、即ち数秒といった設定時間は許容できない。ユーザがコールを開始するか又はスピーチアイテムを開始するときには、設定の始めに数百ミリ秒以内に話し始めることができねばならない。聴取者は、おそらく約1秒以内に話を聞かねばならない。半二重メカニズムが使用されるので、この音声遅れは長いものである。これらの値は、一例に過ぎない。
【0007】
グループ通信は、トラフィックの秩序を必要とし、即ち一方が話すときに他方が聞くことを必要とする。それ故、無線インターフェイスは、半二重型である。一度に一方向しかアクティブでない。通信システムは、グループにおいて一度に1人のメンバーしか話さないように制御できねばならない。
ユーザは、同じ時間に多数のグループに属することができる。それ故、通信システムは、ユーザへ同時に多数のグループ通信がある場合にはユーザが聴取するグループを選択しそしてプライオリティ決めできねばならない。
【0008】
プッシュ・ツー・トーク型のグループコールは、従来のPMRユーザだけではなく、多数の他の形式のユーザにとっても魅力的である。例えば、個人は、趣味グループやスポーツグループ等のグループと話したいことがある。又、小さな会社のユーザも、就業日に、同じ仕事グループ内で、社内又は仕事のコミュニティにおいて、頻繁なジョブ関連通信に対してプッシュ・ツー・トーク型のグループ通信特徴を利用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、パケットモードスピーチ通信サービスを提供しそして管理する新規な方法を提供することである。
本発明のこの目的は、独立請求項に記載した方法、システム、ネットワークユニット及び加入者装置により達成される。
【0010】
本発明の1つの特徴によれば、メインストリームのセルラー無線ネットワークは、パケットモード(例えば、IPベース)グループ通信サービスが最上部において提供される無線アクセスネットワークとして機能する。実際に、本発明により必要とされる全ての新規な要素及び機能は、無線アクセス及び移動コアネットワークの外部である。従って、無線アクセス及び移動コアネットワークは、メインストリームネットワーク要素に経費のかかる変更を必要とせずに、使用することができる。換言すれば、グループ通信サービスは、標準的なメインストリーム無線アクセスネットワーク(例えば、移動通信用のグローバルシステムGSM、及びユニバーサル移動テレコミュニケーションシステムUMTS)を介して実行でき、インフラストラクチャーにおけるエンドユーザ当たりの投下資本はかなり低く、従って、オペレータにとって魅力的である。本発明の一実施形態では、グループ通信サービスは、移動無線ネットワークのインターネットプロトコル(IP)データサービスの最上部においてボイスオーバーIP(VoIP)データアプリケーションとして実施される。IPベースのグループ通信サービスにおいてアクティブで、例えば、グループコールにおいてアクティブないかなるユーザも、無線アクセスネットワークを経てグループ通信サービスエンティティへと予め確立された論理的接続を有する。例えば、GPRSサービス(汎用パケット無線サービス)に使用されるパケットデータプロトコル(PDP)コンテクストと同様の論理的接続を使用することができる。送信及び受信端のエアインターフェイスにおけるチャンネルリソースを含む実際の通信経路をオープンにし、そしてリソースをトークアイテムの時間中だけ予約することが必要である。コール設定シグナリング、認証、暗号キーの合意及びサービスパラメータのネゴシエーションは、論理的接続が既に存在するので、リソース予約段階には必要とされないが、物理的なリソースは、シグナリング手順を使用することにより予約されオープンされる。従って、短い接続設定時間を達成することができる。
【0011】
本発明の一実施形態では、スピーチアイテムを制御することに関連した全てのシグナリングは、ユーザトラフィックに埋め込まれたユーザ平面シグナリングとして実施される。本発明の一実施形態では、ユーザトラフィックは、リアルタイム搬送(RTP)パケットの形態である。本発明の一実施形態では、埋め込まれたスピーチアイテムシグナリングは、RTPパケットのようなユーザボイスデータパケットを含むユーザトラフィックストリームの始めに送信されるリーダーパケットを含み、そしてグループ通信サービスエンティティが、そのリーダーパケットに基づいてスピーチアイテムを許可又は拒絶する。本発明の一実施形態では、グループ通信サービスは、リーダーパケットに基づいてスピーチアイテムを許可するときに、そのリーダーパケット及びそれに続くボイスパケットを含むユーザトラフィックストリームを受信メンバーへ転送することにより、グループの受信メンバーへのスピーチアイテム通信をオープンする。本発明の一実施形態では、埋め込まれたスピーチアイテムシグナリングは、RTPパケットのようなユーザボイスデータパケットを含むユーザトラフィックストリームの終わりに送信されるトレーラーパケットを含み、そしてグループ通信サービスエンティティは、そのトレーラーパケットに基づいてスピーチアイテムを終了させる。本発明の一実施形態では、グループ通信サービスエンティティは、ユーザトラフィックストリームの終りにトレーラーパケットを受信グループメンバーに転送し、受信グループメンバーへのスピーチアイテム通信を終了させる。本発明の別の特徴は、通信システムにおけるパケットモードグループボイス通信方法であって、
上記通信システムの最上部にグループ通信サービスエンティティを用意し、
上記グループ通信サービスエンティティに、少なくとも1つのグループ通信グループにおけるグループメンバーの個々のアドレスを与え、
上記グループメンバーの1つから上記グループ通信サービスエンティティへボイスパケットを送信し、各ボイスパケットは、上記少なくとも1つのグループにアドレスされ、そして
上記個々のアドレスに基づいて上記グループメンバーの各受信メンバーに上記ボイスパケットを個々に転送する、
という段階を備えた方法にある。
【0012】
本発明の更に別の特徴は、通信システムにおけるパケットモードグループボイス通信方法であって、
グループ通信サービスエンティティに、グループ通信グループのグループメンバーの個々のアドレスを設け、
アウトバンドシグナリングにより各グループメンバーから上記グループ通信サービスエンティティへの個々の論理的接続を形成し、
ユーザトラフィックストリームに埋め込まれたリーダーパケットを上記グループメンバーの1つから上記個々の論理的接続を経て上記グループ通信サービスエンティティへ送信することにより上記グループのスピーチアイテムをスタートし、各リーダーパケットは、各グループメンバーの識別子を含むものであり、
上記グループ通信サービスエンティティは、i)上記スタートしたスピーチアイテムを拒絶するか、又はii)上記スタートしたスピーチアイテムを上記1つのグループメンバーへ許可し、そして上記ユーザトラフィックストリームにおいて上記リーダーパケット及びその後続のボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて上記グループ内の上記グループメンバーの各受信メンバーへ個々に転送する、
という段階を備えた方法にある。
【0013】
本発明の更に別の特徴は、パケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてトラフィックストリームを管理する方法であって、
少なくとも1つのグループ通信グループ又は1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされたトラフィックストリームを管理するためのユーザ特有の通信機能を用意し、
第1のグループ通信グループ又は第1の1対1通信に関連した第1のボイスパケットストリームであって、少なくとも上記第1のグループ通信グループ又は上記第1の1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされた第1のボイスパケットストリームを受信し、
上記第1のボイスパケットストリームを上記各ユーザへ転送し、
上記第1のボイスパケットストリームの連続性を監視し、
少なくとも1つの更に別のグループ又は1対1通信に関連した少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームを受信し、
上記第1のボイスパケットデータストリームが連続する場合には上記少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームをいずれも上記ユーザへ転送せず、
上記第1のボイストラフィックストリームが所定時間周期中不連続であった場合は上記少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームの1つを上記ユーザへ転送する、
という段階を備えた方法にある。
【0014】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、上記通信システムの最上部に設けられたグループサーバーを備えたサーバーシステムにおいて、上記グループサーバーが、更に、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶するための手段と、
上記グループメンバーからボイスパケットを受信するための手段であって、各受信したボイスパケットは、各パケットがアドレスされる通信グループを識別する情報を含むような手段と、
通信グループ当たり1つのグループメンバーへのスピーチアイテムを順次に許可するための手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有する上記グループメンバーから受信した各ボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて、上記各グループ通信グループにおける各受信メンバーへ別々にユニキャストするための手段と、
を備えたサーバーシステムにある。
【0015】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、上記通信システムの最上部に設けられたグループサーバーを備えたサーバーシステムにおいて、上記グループサーバーが、更に、
グループ通信のソースを識別しそして認証するための手段と、
グループにおいて一度に1つのグループメンバーしか話さないように制御するための手段と、
現在話をしているグループメンバーからのボイスパケットが向けられるところのグループ内のアクティブなグループメンバーをチェックするための手段、及び到来するボイスパケットから、上記アクティブなグループメンバーの各々へ別々に転送されるべき出て行くパケットを発生するための手段と、
1つのグループメンバーへ向けられた考えられる多数の到来するトラフィックストリームから、上記1つのグループメンバーへ転送されるべきものを選択するための手段と、
を備えたサーバーシステムにある。
【0016】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、
グループ特有の通信機能を与える少なくとも1つの第1グループ通信ネットワークエンティティを備え、この第1グループ通信ネットワークエンティティは、更に、
少なくとも1つのグループ通信グループにおけるグループメンバーの個々のアドレスを記憶するデータメモリと、
上記グループメンバーからボイスパケットを受信するための手段であって、各々の受信されたボイスパケットは、各パケットがアドレスされた通信グループを識別する情報を含むような手段と、
スピーチアイテムを、通信グループ当たり1つのグループメンバーに順次に許可するための手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有する上記グループメンバーから受信した各ボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて、上記各グループ通信における各受信メンバーへ別々にユニキャストするための手段と、
を含み、そして更に、
少なくとも1人のユーザに対してユーザ特有の通信機能を与える少なくとも1つの第2ユーザ通信ネットワークエンティティを備え、これにより、上記第2ユーザネットワークエンティティにより管理されるユーザからのグループ関連通信が、先ず、上記第2ユーザネットワークエンティティへルーティングされ、次いで、適当な第1グループネットワークエンティティへ転送され、そして上記少なくとも1つの第1グループネットワークエンティティからのユニキャストボイスパケットは、そのボイスパケットを各ユーザへ送信する前に、先ず、上記第2ユーザネットワークエンティティへルーティングされるサーバーシステムにある。
【0017】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、
グループ特有の通信機能を与える少なくとも1つのグループ通信ネットワークエンティティを備え、このグループネットワークエンティティは、更に、
グループにおいて一度に1つのグループメンバーしか話さないように制御するための手段と、
現在話をしているグループメンバーからのボイスパケットが向けられるところのグループ内のアクティブなグループメンバーをチェックし、そして到来するボイスパケットから、上記グループ内の少なくとも1つのアクティブなメンバーにサービスしているユーザサーバーへ別々に転送されるべき出て行くパケットを発生するための手段と、
少なくともユーザのためのユーザ平面にユーザ特有の通信機能を与えるユーザ通信ネットワークエンティティと、
を備え、このユーザネットワークエンティティは、更に、
グループ通信のソースを識別しそして認証するための手段と、
1つのグループメンバーへ向けられた考えられる多数の到来するトラフィックストリームから、上記1つのグループメンバーへ転送されるべきものを選択するための手段と、
を備えたサーバーシステムにある。
【0018】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、
ユーザ平面にグループ特有の通信機能を与える少なくとも1つのグループ通信ネットワークエンティティを備え、このグループネットワークエンティティは、更に、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶するための手段と、
上記グループメンバーからボイスパケットを受信するための手段であって、各受信されたボイスパケットは、各パケットがアドレスされる通信グループを識別する情報を含むような手段と、
通信グループ当たり1つのグループメンバーへスピーチアイテムを順次に許可するための手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有する上記グループメンバーから受信した各ボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて、上記各グループ通信における各受信メンバーへ別々にユニキャストするための手段と、
を含み、更に、
少なくとも1人のユーザに対してユーザ平面にユーザ特有の通信機能を与えるユーザ通信ネットワークエンティティを備え、これにより、上記ユーザネットワークエンティティにより管理されるユーザからのグループ関連通信が、先ず、上記ユーザネットワークエンティティへルーティングされ、次いで、適当なグループネットワークエンティティへ転送され、そして上記少なくとも1つのグループネットワークエンティティからのユニキャストボイスパケットが、そのボイスパケットを各ユーザへ送信する前に、先ず、上記ユーザネットワークエンティティへルーティングされ、更に、
上記グループネットワークエンティティにおいてグループ通信の制御平面管理を果たすグループコール処理エンティティと、
上記ユーザネットワークエンティティにおいて通信の制御平面管理を果たすユーザコール処理エンティティと、
を備えたサーバーシステムにある。
【0019】
本発明の更に別の特徴は、パケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてスピーチアイテムを管理するためのネットワークユニットであって、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶するための手段と、
上記グループメンバーからボイスパケットを受信するための手段であって、各受信されたボイスパケットは、各パケットがアドレスされる通信グループを識別する情報を含むような手段と、
通信グループ当たり1つのグループメンバーへスピーチアイテムを順次に許可するための手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有する上記グループメンバーから受信した各ボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて、上記各グループ通信グループにおける各受信メンバーへ別々にユニキャストするための手段と、
を備えたネットワークユニットにある。
【0020】
本発明の更に別の特徴は、少なくとも1つのグループ通信グループ又は1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされたトラフィックストリームを管理するためのネットワークユニットであって、
上記ユーザにアドレスされた第1グループ又は1対1通信に関連した第1ボイスパケットストリームを、ユーザへユニキャストするために選択する手段と、
上記選択された第1ボイスパケットストリームの連続性を監視するための手段と、
上記現在選択されたボイスパケットストリームが連続的である場合には、少なくとも1つの更に別のグループ又は1対1通信に関連した他の受信されたボイスパケットストリームを破棄するための手段、及び上記最初に選択されそしてユニキャストされた第1ボイストラフィックストリームが所定の時間周期中不連続であった場合には、別の受信されたボイスパケットストリームを選択して上記ユーザにユニキャストするための手段と、
を備えたネットワークユニットにある。
【0021】
本発明の更に別の特徴は、通信システムにおいて1対1のボイス通信を確立するための方法であって、
上記移動通信システムの最上部に通信サーバーを設け、
上記通信サーバーと、上記通信サーバーにおいてアクティブな通信サービスを受ける各ユーザとの間に個々の論理的接続を形成し、
ユーザから上記個々の論理的接続を各々経て上記通信サーバーへトラフィックストリームに埋め込まれたリーダーパケットを送信することにより通信をスタートする、
という段階を備え、各リーダーパケットは、上記送信ユーザ及び受信ユーザの識別子を含み、そして
上記通信サーバーは、i)上記スタートされたスピーチアイテムを拒絶するか、又はii)上記スタートされたスピーチアイテムを上記送信ユーザに対して許可し、そして上記ユーザトラフィックストリームの上記リーダーパケット及びその後続するボイスパケットを、上記受信ユーザの上記受信された識別子に基づいて上記受信ユーザへ転送するようにした方法にある。
【0022】
本発明の別の特徴は、パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
通信システムを経てパケットデータ通信するためのメカニズムと、
上記メカニズムの最上部にあるグループ通信アプリケーションと、
を備え、上記アプリケーションは、グループ通信サーバーへの論理的パケット接続を確立するための第1手段を有し、そして
上記アプリケーションは、上記グループ通信サーバーとの間でボイスパケットを送信及び受信するための第2手段を有している加入者装置にある。
【0023】
本発明の更に別の特徴は、パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
プッシュ・ツー・トーク手段と、
ユーザにより上記プッシュ・ツー・トーク手段が作動されるのに応答して、ユーザトラフィックストリームにおいてリーダーパケット及びそれに続くボイスパケットを上記グループ通信サービスへ送信し、それにより、スピーチアイテムをスタートさせる手段と、
を備えた加入者装置にある。
【0024】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供する方法において、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶し、
制御平面シグナリングを使用して上記グループ通信グループを管理し、
グループメンバーが、ユーザトラフィックストリームに埋め込まれたユーザ平面シグナリングを使用してスピーチアイテムを要求し、
上記埋め込まれたユーザ平面シグナリングに基づき通信グループ当たり1つのグループメンバーに対してスピーチアイテムを順次に許可し、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有するグループメンバーからボイスパケットを受け取り、各受け取られたボイスパケットは、各パケットがアドレスされた通信グループを識別する情報を含み、そして
上記埋め込まれたユーザ平面シグナリングと、スピーチアイテムを有するグループメンバーから受け取られた各ボイスパケットとを、上記個々のアドレスに基づき、上記各グループ通信グループ内の各受信メンバーへ別々にユニキャストする、
という段階を備えた方法にある。
【0025】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムにおいて、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶する手段と、
制御平面シグナリングを使用して上記グループ通信グループを管理する手段と、
ユーザトラフィックストリームに埋め込まれたユーザ平面シグナリングを使用して上記グループメンバーにより送信されたスピーチアイテム要求スピーチに基づいて通信グループ当たり1つのグループメンバーへスピーチアイテムを順次に許可する手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有するグループメンバーからボイスパケットを受け取る手段であって、各受け取られたボイスパケットは、各パケットがアドレスされた通信グループを識別する情報を含むものであるような手段と、
上記埋め込まれたユーザ平面シグナリングと、スピーチアイテムを有するグループメンバーから受け取られた各ボイスパケットとを、上記個々のアドレスに基づき、上記各グループ通信グループ内の各受信メンバーへ別々にユニキャストする手段と、
を備えたサーバーシステムにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
本発明は、エンドユーザ間のパケットモード通信と、オーバーレイパケットモードグループ通信サービスとを許すアクセスネットワークとして使用することのできるいかなるデジタル通信システムにも適用できる。本発明は、GPRS型パケット無線をベースとする移動通信システムに特に好ましく使用される。以下、本発明の好ましい実施形態は、GPRSサービス及びUMTS又はGSMシステムにより説明するが、本発明は、この特定のパケット無線システムに限定されるものではない。本発明の好ましい実施形態に使用されるIPボイス通信方法は、ボイスオーバーIP(VoIP)であるが、本発明は、この特定の方法に限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の好ましい実施形態の基本的アーキテクチャーを示す。ここに示す実施形態では、IPパケットデータサービスを提供する移動無線アクセスネットワーク(RAN)は、2G無線アクセス技術、例えば、ベーストランシーバステーションBTS及びベースステーションコントローラBSCを伴うGSMベースステーションサブシステムBSSを使用するGPRSアーキテクチャーをベースとしている。GSM無線アクセスは、従来型でもよいし、又はGSMエンハンストデータレート・フォー・GSMエボリューション(EDGE)技術をベースとするものでもよい。後者の場合には、無線アクセスは、全IPのGSM無線アクセスネットワークであるGERANと称される。或いは又、3G無線アクセスネットワークUTRAN(UMTSのような)が使用されてもよい。全IPコアネットワークは、GERAN及びUTRANの両方に使用することができる。移動ネットワークのアーキテクチャーは、本発明にとって重要でなく、本発明の理解を容易にするためにGPRSインフラストラクチャー及びオペレーションについて簡単に説明する。GPRSインフラストラクチャーは、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)及びサービングGPRSサポートノード(SGSN)のようなサポートノードを備えている。SGSNの主たる機能は、そのサービスエリアにおいて新たなGPRS移動ステーションを検出し、新たな移動ステーションMS(ユーザ装置UEとも称される)をGPRSレジスタに登録するプロセスを取り扱い、MSへ/からデータパケットを送信/受信し、そしてそのサービスエリア内のMSの位置の記録を保持することである。契約情報は、GSM/GPRSレジスタ(ホーム位置レジスタHLR又は3G全IPネットワークのホーム加入者サーバーHSS)に記憶される。GGSNノードの主たる機能は、外部データネットワークとの相互作用である。又、GGSNは、民間会社のネットワーク又はホストに直結されてもよい。GGSNは、PDPアドレス及びルート情報、即ちアクティブなGPRS加入者のためのSGSNアドレスを含む。GGSNは、SGSNにより供給されるルート情報を使用して位置ディレクトリーを更新する。GGSNは、ルート情報を使用して、プロトコルデータユニット(PDU)を外部ネットワークからMSの現在位置即ちサービングSGSNへGPRSトンネルプロトコル(GTP)に基づいてトンネル搬送する。トンネル搬送とは、データパケットが、トンネルの一端から他端へ転送される間に別のデータパケットへカプセル化されることを意味する。又、GGSNは、MSから受信したデータパケットをカプセル解除して適当なデータネットワークへ転送する。GPRSデータを送信及び受信するために、MSは、PDPアクチベーション手順を要求することにより、それが使用を希望するパケットデータアドレスをアクチベートする。このオペレーションは、MSを対応するGGSNに分からせ、外部データネットワークとのインターワーキングを開始できるようにする。より詳細には、1つ以上のPDPコンテクストが生成されて、MS、GGSN及びSGSNに記憶される。PDPコンテクストは、PDP形式(例えば、X.25又はIP)、PDPアドレス(例えば、IPアドレス)及びサービスクオリティ(QoS)のような異なるデータ送信パラメータを定義する。
【0028】
図1において、移動ネットワークを経て移動ステーション(MS)へグループ通信サービスを提供するために移動ネットワークの最上部にプッシュ・ツー・トーク・オーバー・セルラー(PoC)層が設けられる。概念的に、このPoC層は、一対の基本的論理エンティティ、即ちPoCブリッジ10及びPoCコール処理サーバー(CPS)11を備えている。ブリッジ10及びCPS11は、通常、IPネットワークを経てGGSNに接続される。ブリッジ10及びCPS11は、PMRアプリケーションを実行し、これは、IP移動RANにより与えられるIP接続を経て移動ステーションMSのPMRアプリケーションと通信する。この通信は、シグナリングパケット、及びボイス(グループ及び1対1)通信パケットの両方を含む。
【0029】
CPS11は、PMR通信の制御平面管理を行う。その重要な役割は、本発明の実施形態において次のモジュールで実施される種々の機能を必要とする。即ち、PoC通信に対して確立されたセッション開始プロトコル(SIP)のような適当なセッション制御プロトコルでシグナリングされるグループメンバーシップのセッションを取り扱い、そしてユーザプロフィール(コール権利、グループアクティブメンバーシップ、スキャニング設定等)を管理するアプリケーションである「PMRサーバー」;SIPシグナリングのユーザ位置及びルーティング機能を与えるSIPプロキシー/ロケーションサーバー;ユーザ登録/認証のためのSIPレジスタ;及びグループ&ユーザ特有情報(メンバーシップ、権利、スキャニング設定等)に基づきIP層データ分布に含まれるネットワークエンティティ(PoCブリッジ)を制御するメディアゲートウェイコントローラ。しかしながら、本明細書では、共通の語「CPS」は、CPSの考えられる全ての機能を指す。
【0030】
しかしながら、PMR管理要求は、グループ及びユーザ特有のものに分割することができ、本発明の一実施形態では、図2に示すように、2種類のCPSサービスが定義される。グループ通信のためのSIPセッションは、グループ制御平面機能(G−CPF)(G−CPF)23(例えば、サーバーにおける)により取り扱われる。ユーザがグループにアタッチするときには、G−CPF23は、相対的なSIPインビテーショントランザクションを処理し、そしてユーザの受信者と、相対的トラフィック分布の役割を果たすネットワークエンティティとの間の適切なマップ設定を実行する。ユーザ−制御平面機能(U−CPF)22(例えば、制御平面プロキシーサーバー)は、基本的に、IPネットワークとユーザとの間の制御平面インターフェイスである。このネットワークエンティティにより、ユーザはシステムにログオンし、そしてそれらの動作設定(スキャニング設定、選択されたグループ等)をネゴシエーションする。これは、ユーザのプロフィールを取り扱い、そしてユーザの1対1コールを管理する。これは、論理的な分離に過ぎず、両種類のCPSを同じコンピュータに位置させられることが明らかである。G−CPSとU−CPFとを分離させると、ユーザは、異なるオペレータ及びIPドメインの異なるイントラネット又は移動ネットワークにおいてG−CPFにより取り扱われるPoCグループを結合することができる。又、分割は、システムに実際に無限数のグループ又はユーザを許すことにより拡張性ももたらす。
【0031】
再び図1を参照すれば、ブリッジ10は、VoIPパケットをユーザターミナルへ、それらのグループメンバーシップ、それらのスキャニング設定、及び最終的なプリエンプション又は非常事態に基づいてリアルタイムで配布する役割を果たす。各ブリッジは、CPSによりプログラムされた有効な接続間でのみトラフィックを転送する。ブリッジ10は、次の機能の1つ以上を実行する。
入力チェック:トラフィックソースを識別しそして認証する(任意であるが、以下に説明するリーダーRTPパケットにおけるニューモニックは、ここで処理されねばならない)。又、入力チェックは、セキュリティ手順を実行しそしてサポートするアクションも含む。
【0032】
入力フィルタリング:グループにおいて一度に1人の話し手だけが話す(即ちスピーチアイテムを許可する)ように管理し、そして任意であるが、高いプライオリティのボイスアイテムにプライオリティを与える。
増倍:フィルタリングプロセスの後に、ブリッジ10は、トラフィックが向けられるグループのアクティブなメンバーをチェックし、そして各アクティブなメンバーに対する「ダウンリンク」パケットを到来するパケットから発生する。
スキャニングフィルタリング:同じユーザに向けられる多数の到来するトラフィックストリームから、ユーザのスキャニング設定に基づきユーザ受信者へ転送されるべきものを選択する。
【0033】
この場合も、入力フィルタリング及び増倍がグループ特定のプロセスであるから、入力チェック及びスキャニングフィルタリングはユーザ特有であるが、次の2種類のアプリケーションブリッジは、図2に示すように、本発明の一実施形態において定義されている。
第1に、グループ−ユーザ平面機能(G−UPF)G−UPF21(例えば、サーバーにおける)は、グループメンバーのオーディオパケットが送信される(それらのU−UPFを経て)ネットワークエンティティであって、入力フィルタリング及び増倍プロセスが実行されるところのネットワークエンティティである。各新たなグループには、G−CPF23が、G−UPF間でできるだけ均一にトラフィックを分布する負荷バランス基準に基づいて、単一のG−UPF21を指定する。
【0034】
ユーザ−ユーザ平面機能(U−UPF)U−UPF20(例えば、サーバーにおける)は、U−CPF22によりそこに指定された個々の加入者に対して入力チェック及びスキャニングプロセスを実行する。セキュリティの目的で、U−UPF20は、それが取り扱う各移動ターミナルに対してセキュリティの関連性を有する。U−UPF20は、移動ターミナルからネットワークの複雑さを隠し、従って、ユーザは、全てのユーザ平面トラフィックをこのユニットに送信するだけでよく、このユニットは、その後、適切なU−CPF22のマッピング設定に基づいてそれを転送する。このように、各ユーザと、パケットを受け取るところのU−UPF20を信頼すべきである全てのIPネットワークエンティティとの間に機密チャンネルを確立する必要がある。
【0035】
制御平面要素については、この論理的分割は、G−UPF及びU−UPF実施の間に物理的な分離を必ずしも必要とせず、従って、それらを同じコンピュータに配置することができる。
ユーザ及びグループのセッションを管理する役割を果たすU−CPF22及びG−CPF23は、各々、特定の制御平面シグナリングを必要とする。ETSIの3GPP(ヨーロピアン・テレコミュニケーションズ・スタンダーズ・インスティテュート、第3世代パートナーシッププロジェクト)の仕様は、いわゆる全IPネットワークにおいてIPベースのボイス通信を含む。このような全IPネットワークは、IPネットワークにおいてボイス通信(ボイスオーバーIP即ちVoIP)を可能にする。VoIPの場合に、RFC2543において定義されるセッション開始プロトコル(SIP)のようなコール制御シグナリングが指定される。それ故、好ましい実施形態では、SIPは、PoCコールセッションをサポートしそして管理するように選択される。しかしながら、他のIPセッションプロトコルを使用してもよい。更に、本発明の好ましい実施形態では、IP層のトラフィック分布に含まれるG−UPF21及びU−UPF20を制御するためにG−CPF23及びU−CPF22によってメガコ(Megaco)(RFC3015において定義された)が使用される。しかしながら、ユーザ平面要素のスイッチングを制御するための他の対応するプロトコルが使用されてもよい。更に、転送を取り扱うためにRTP(RFC1889において定義されたリアルタイム搬送プロトコル)が選択されており、そしてボイスパケット(VoIP)の配送を取り扱うためにQoSメカニズムが必要とされる。
【0036】
メガコは、物理的に分解されるマルチメディアゲートウェイのための一般的フレームワークを定義する。その接続モデルは、ターミネーション及びコンテクストである2つの主たる抽象作用に基づいている。前者は、1つ以上のストリームをソースし及び/又はシンクするMGW(即ちPoCブリッジ)における論理的エンティティであり、一方、後者は、2つ以上のターミネーションが同じ関連付けに含まれる場合には、トポロジー(誰が誰を聞き/見るか)を記述するターミネーションの集合と、メディア混合及び/又はスイッチングパラメータとの間の関連付けである。コンテクストに対するある優先的取り扱いに関する情報をMGWに与えるためにMGC(即ち、PoC CPS)によりプライオリティの値を使用することができ、そして優先的取り扱いを許すために、非常コールの指示も与えられる。プロトコルは、その接続モデル、コンテクスト及びターミネーションの論理的エンティティを操作するためのコマンドを与え、ここでは、PoCブリッジ10(G−UPF21及びU−UPF20)における適切なトラフィック経路及びフィルタリング/スキャニングプロセスをプログラムするためにPMRCPS11(G−CPF23及びU−CPF22)により要求される融通性及び機能を与えるものと仮定する。
【0037】
SIPプロトコルは、コール制御、ユーザ位置及び登録のためのシグナリングメッセージを定義し、これらは、PoC解決策の好ましい実施形態では、特定のPMR通信及び関連参加ユーザを取り扱うために使用されている(コールセッションの確立、連結及び分解、PoCサービスへのユーザログオン、ユーザプロフィールネゴシエーション等)。
【0038】
各PoC通信に対して、SIPセッションが確立され、そしてそれを取り扱うCPSによって管理される(グループ及び1対1通信に対して各々G−CPF23及びU−CPF22)。ユーザがグループのアクティブなメンバーになろうとするときには、それに対応するセッションに加わらねばならない。1対1のコールの場合には、PoCのU−CPFは、各1対1コールに対する参加U−CPF間の1つのセッションを維持する。
【0039】
ユーザの全ての出て行くトラフィック及び到来するトラフィックは、ユーザに指定されたU−UPF20を通らねばならない。特に、アップリンクでは、ユーザのトラフィックは、ユーザのU−UPF20によってチェックされ、そしてトラフィックが向けられるグループを取り扱うG−UPF21へ転送されるか、又は1対1の通信の場合には、被呼者を取り扱うU−UPF20へ転送される。
【0040】
ダウンリンクでは、トラフィックは、行先ユーザのU−UPF20へ分配される(グループ通信の場合には、G−UPF21におけるパケット増倍により、パケットが増倍され、そしてグループのサービングアクティブメンバーである各U−UPFへ転送される)。U−UPFでは、ユーザのスキャニングプロセスが実行され、そしてトラフィックが増倍されて、現在スキャニング設定に基づきグループを聴取する各ユーザへ転送される。
【0041】
このPoC解決策は、アクセスとは独立しており、これは、GSM、WCDMA、WLAN又は同等の技術の最上部で実行できることを意味する。但し、それらが、常時オンのVoIPベアラをサポートできる場合に限る。IP層の音声分布は、標準的なVoIPメカニズム(RTPのような)を使用し、一方、特定のインターネットプロトコル又はインターフェイスは、加入者及びグループマネージメント機能(SGMF)25、ドメインネームサーバー(DNS)24、WWW/WAP(ワールドワイドウェブ/ワイヤレスアプリケーションプロトコル)、及びセキュリティマネージメントサーバーのような補足的ネットワークエンティティを接続するのに使用される。各ネットワークエンティティは、IPパケットを転送及びルーティングするところの少なくとも1つのIPアドレスに明らかに関連しているが、ネットワーク要素の役割は、SIPの観点から定義されねばならない。各MSは、SIPユーザエージェント(UA)であり、従って、その各々は、通常「username@hostname」であるSIPアドレス(URL)を有し、ここで、hostnameは、MSが登録されねばならないU−CPF22に関連付けできるが、必ずしも関連付けされなくてもよい。このU−CPF22は、MSが自分の制御のもとで到着するのを許すと共に、SIPシグナリングのルーティングをサポートするために、レジスタ、ロケーション及びプロキシーSIPサーバーとして働かねばならない。音声データの分配に排他的に含まれるG−UPF21及びU−UPF20は、実際のSIPメカニズムにおいて役割をもたず、そしてコアネットワークは、単に、単一のIPネットワークリンクとして見える。SIPシグナリングレベルにおいて、URLは、ユーザ及びグループ識別に使用される。URLは、RFC2543において定義されたsip:URL、RFC2806において定義された電話番号を表わすtel:URL、又は他のURLフォーマットである。REGISTER(登録)方法は、sip:URLと共に使用され、即ちSIP URLは、PoCシステムにおけるユーザメイン認識である。プライベートナンバリングプラン番号(飲み)でのユーザのダイヤリングは、To:ヘッダフィールドにtel:URLを使用して行うことができる(sip:URLは、常時存在するホスト部分を有していなければならない)。二次的認識は、例えば、b−当事者が同じバーチャルプライベートネットワーク(VPN)からのものである場合に、1対1コールに対してb−当事者をアドレスするために使用することができる。グループは、常に、sip:URLでアドレスされ、ここでは、ユーザ名に代わってグループ名が使用され、そしてホストがホスト部分においてグループ(もし分かれば、正確なG−CPF)を管理する。ユーザ平面におけるアドレッシングは、以下で詳細に説明する。
【0042】
更に、管理及び情報問合せ/更新の目的でPoCシステムにはSGMF25が設けられるのが好ましい。SGMF25を経て、管理の権利を有するオペレータ又は通常のユーザは、PoCシステムにおいてユーザ及びグループを生成し、削除しそして変更することができる。又、ユーザ及びグループに関連したアクセス権利を生成しそして変更することができる。情報それ自体は、構造化問合せ言語(SQL)データベースのようなデータベース、又はライトウェイトディレクトリーアクセスプロトコルLDAP(RFC2251で定義された)ディレクトリーのようなディレクトリーに収容することができる。これらのデータ貯蔵部は、スタンドアローン型でもよいし、SGMF25と共通に配置されてもよい。このデータベース又はディレクトリーは、PoCシステムにおけるメインデータ貯蔵部である。管理の権利を有する通常のユーザは、WWW/WAPインターフェイスを使用してSGMFにアクセスすることができる。SGMF25の重要な機能は、U−CPF22及びG−CPF23から到来する要求を処理し、そしてデータベース及びディレクトリーのフェッチ及び更新を要求に基づいて行うことである。
【0043】
SOAP(ワールドワイドウェブコンソーシアムW3Cにより定義された簡単なオブジェクトアクセスプロトコル)、又は同様のプロトコルを、U−CPF22とSGMF25との間のインターフェイス、並びにG−CPF23とSGMF25との間のインターフェイスに使用することができる。
【0044】
ユーザ装置又は移動ステーションMSは、特定の移動通信システムに使用される標準プロトコルスタックの最上部のユーザ層にPoCアプリケーションを有している。SIP及びRTPプロトコルは、基礎となる送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)及びIPプロトコルを使用し、これらは、更に、無線リソースのような物理層リソースを使用する。更に、WAPスタックを使用して、SGMF25又は別のサーバー上のWAPページをアクセスすることができる。
【0045】
図3には、1つの考えられる一般的なPoCアーキテクチャーが示されている。IPバックボーン29は、例えば、IP移動バックボーン、LAN、PoCイントラネット、又は2つ以上の個別のイントラネット、等である。
PoC移動MSは、ユーザによりPoCモードが選択されたときに、次の2つのGPRSコンテクストを設定する。a)制御平面シグナリング(グループ管理、登録等)のためにTCP/IPと共に使用されるべきPoC CPS11へのもの;及びb)RTP、UDP、会話IPクオリティクラス又は同様のもの並びに無線経路を経ての充分なヘッダ圧縮を使用してPoCブリッジ10へ/から搬送されるボイスに対するもの。移動又は移動ネットワークが2つの同時コンテクストをサポートしない場合には、移動は、SIPシグナリングトランザクションの時間中RTP接続をクリアダウンしなければならない。PoC移動MSは、PoCモードがオンであるときにはブリッジ10へのコンテクストを常に維持しなければならない。又、SIPコンテクストは、常にオンであるのが好ましいが、これがネットワーク容量又はPoC以外のサービスのアクセス性に対して問題を生じる場合には、シグナリングトランザクションの時間中にSIPコンテクストも設定することができる。この場合には、セルラーネットワークは、ネットワーク開始コンテクスト設定をサポートしなければならないことに注意されたい。SIPセッションは、電源オン時又はPMRモードアクチベーションにおいてシグナリングされる。SIPセッションは、常にオンであり、従って、PMRボイスアイテムに対してはSIPシグナリングが不要である。全てのボイスは、PTTアクチベーションの後に既存のコンテクストを経て送信される。このメカニズムは、高速コール設定を可能にする。
【0046】
移動RANの無線インターフェイスにおけるアップリンクベアラの割り当ての例が図4に示されている。ユーザは、PTTをプッシュし、そしてMSは、移動RANにスピーチアイテム要求を送信する。MSは、全スピーチアイテムの時間中に専用無線ベアラを求める。移動RANは、アップリンクベアラ(例えば、専用パケットデータチャンネル及び物理的タイムスロット)を許可する。移動RANがアップリンクベアラの割り当てを確認するときには、移動は、それを経てデータの送信を開始する。送信される第1パケットは、話し手の識別子と、それに続くボイスストリームパケット(VoIP RTPパケット)とを含むRTPメッセージである。リーダーRTPパケット及びVoIP RTPパケットは、アクティブなGPRSコンテクストに基づいてPoCブリッジ10へルーティングされる。
【0047】
PoCブリッジ10は、パケットを増倍し、そしてそれらをグループの他のメンバーへ送信する。移動ネットワークの無線インターフェイスにおけるダウンリンクベアラの割り当ての例が図5に示されている。ダウンリンクベアラは、既存のコンテクストを介して移動ステーションMSへ進むIPパケットをSGSNが検出したときにSGSNにより割り当てられる。最初に、SGSNは、MSがスタンバイ状態にある場合にMSをページングする。MSから確認を受け取った後に、SGSNは、RAN(例えば、GSM BSS)が専用の無線ベアラを割り当てるのを要求し、そして割り当て後に、SGSNは、RANへのパケットの送信(例えば、LLCフレームにおいて)をスタートする。RANは、パケット(例えば、無線ブロックにおける)をMSへ送信する。
【0048】
アップリンクボイスベアラは、ユーザがPTTスイッチのプッシュを停止したときにMSにより解除される。ネットワークは、最大スピーチアイテム長さ(例えば、20−30秒)を越えたときにアップリンクベアラを解除する。ダウンリンク方向には、無線ネットワークは、ベアラに関連したIPメッセージが所定の時間中受信されないときにベアラを解除する(いわゆるアイドル時間切れ)。
【0049】
PTTスイッチを押した後に発呼者が経験するコール設定遅延は、移動ステーションMSが話をスタートするための可聴指示をユーザに与えることにより短縮することができる。可聴音の後に、ユーザは、話しをスタートすることができ、そしてVoIPメッセージがスタートする。これは、発呼者が設定遅延として経験する時間である。話をする許可を与えることのできる多数のポイントが存在する。グループコールの場合、1つの適当なポイントは、アップリンク無線ベアラが割り当てられた後及び第1のRTPメッセージ(いわゆるリーダーパケット、非ボイス)がRANへ送信された後である。
【0050】
1対1のコールでは、話をスタートするための指示を更に被呼者から受け取ることができる。第1のRTPパケットがアップリンクへ送信されるときには、ダウンリンクの状態がそのポイントにおいて未知であることに注意されたい。ダウンリンク方向にB当事者がいないか又は無線ベアラの欠落のためにコールが失敗に終わるか、又はコール認証チェックが失敗に終わる場合には、ユーザは、コール失敗の指示を得る。或いは又、話をするための指示は、ブリッジ10が例えば第1のRTPパケットを処理したという確認を与えた後、或いは1対1のコールでは、B当事者がリーダーパケットを確認した後に、与えることができる。或いは又、MSは、ユーザに可聴指示を与えるためにリードパケットを送信することからCPSにより設定されたタイマー値をもつことができる。
【0051】
グループ通信
グループ(トークグループとも称される)は、ボイス通信のための容易で且つ即座のマルチポイント方法をユーザに与える。各ユーザは、1つ以上のグループへのアクセスが許される。典型的なケースとして、移動ユーザは、そのバーチャルプライベートネットワーク(VPN)内の全てのグループへのアクセスが許される。ユーザは、使用可能なグループのサブセットへアクティブにアタッチすることができる。
基本的なモードでは、移動ユーザは、通信に対して1つのグループを選択する。次いで、ユーザは、そのグループの全てのトラフィックを聴取し(個々のコールに参加しない限り)そしてそのグループにおいて話をすることができる。ユーザは、別のグループへ容易にスイッチすることができる。
【0052】
又、ユーザは、スキャニングと称する方法を使用することにより多数のグループにおいて実質上同時に動作することができる。ユーザは、多数のグループを選択し、そしてそれらにプライオリティを指定する。次いで、ユーザは、一度に1つのグループからトラフィックを聴取するが、より重要なグループからのトラフィックが他のトラフィックを中断する。グループの1つが選択されたグループとして残り、ユーザによるスピーチ送信がその選択されたグループへ行われる。ユーザは、スキャニングをオン及びオフに切り換えることができる。プライオリティを伴うスキャニングされるグループのリストは、ユーザにより編集することができる。グループ選択及び他の設定の変更も、ユーザ自身以外の誰かにより行うこともできる。
グループにおいて受信しそして話をし、選択されたグループを変更し、そしてスキャニングをアクチベートするためのユーザインターフェイスは、簡単で且つ高速である。スキャニングリストを定義する等の他のタスクは、あまり頻繁に使用されない。
【0053】
PMR形式の1対1通信
オプションとして、本発明によるアーキテクチャーは、ユーザがそれらの定義されたアクセス権利内で(デフォールト:それらのVPN内で)他のユーザへの直接的な1対1コールを実行できるようにするために使用できる。直接的な1対1コールは、通常の電話の使用ではなくインターコム(intercom)の使用に類似している。このようなコールは、多数のPMRユーザに良く適しており、即ち移動ステーションを動作するために、タスク、コマンド及びアドバイスを最小の注意で与えたり受けたりすることができる。アクティビティは、良好なタイミング精度で整合することができ、長い期間コールをオンに保持する必要はない。基本的に、1対1コールは、グループ通信の特殊なケースに過ぎず、同じ原理を使用することができる。
【0054】
管理平面オペレーション
以下、本発明の好ましい実施形態及び異なる態様を、PoCの管理平面、制御平面及びユーザ平面について説明する。
ユーザ及びグループの管理
MS装置では、ユーザは、考えられるグループをブラウズし、それらと契約することができる。又、ユーザは、グループを去ることもできる。より専門的な用途では、グループへの/からの強制加入及び離脱も必要である。WEB/WAPブラウザベースのサービスを経てグループ管理が行われるのが望ましい。
【0055】
第1に、ユーザは、PoCシステムにおいて生成されねばならない。これは、WAP/WWWインターフェイスを使用してSGSM25にアクセスすることにより行われる。全てのユーザ及びグループ管理オペレーションは、MSを使用してSGMFにアクセスできるか又はSGMFに直結することのできる管理ユーザにより実行することができる。
【0056】
第2に、グループは、通信に使用できる前に生成される必要がある。グループを生成しそしてそれらのアクセス権を定義することは、グループ管理と称するものに属する。多数のユーザグループ又はエンドユーザ組織は、それらのグループ管理をアウトソースすることが予想されるが、あるものは、グループを生成し、そしてグループメンバー及びアクセス権を定義することにアクセスすることを好む。一方、ユーザは、全部ではないが、新たなグループ(例えば、PoCを使用する通常の労働者)の生成を必要とする。それ故、PoCシステムにおいて管理ユーザの個別の概念をもつのが良好である。本発明の好ましい実施形態では、ユーザは、図2及び3に示すようにオペレータにより提供される加入者及びグループマネージメント機能(SGMF)へのリモートアクセス権をもつことができる。SGMFは、WAP/WWWフォームを使用するグループ管理ユーザインターフェイスを与える。しかしながら、他の形式のユーザインターフェイスも考えられる。
【0057】
グループ管理概念の概要が図6に示されている。グループ管理は、管理ユーザ61により、ユーザ62の使用のためのグループを生成するのに使用される。ユーザ62は、グループにアクティブに参加することもできるし(アクティブなグループセッションが確立される)、又は後で使い易いようにそれらのMSのグループリスト63においてブックマークが付けられたグループをもつこともできる。更に、ユーザ62は、更に別のグループへのアクセスも許される。ユーザ62は、例えば、グループのURLをタイピングするか(例えば、「football@publicgroups.operator.fi」)、或いはウェブ又はWAPページにおいてリンクをクリックすることにより、このようなグループにおいてセッションをアクチベートすることができる。管理ユーザ61は、1)個人又は営業用にグループを生成し又は変更する通常のユーザ、2)会社用にグループを生成し又は変更するオフィス要員、3)PMRフリート用にグループを生成し又は変更するディスパッチャー、又は4)顧客用にグループを生成し又は変更するオペレータ又はサービスプロバイダー要員。
【0058】
第1に、SGMF25は、許可された管理ユーザと、それらが何を行うことが許されたかに関する情報を保持しなければならない。この情報は、次のような設定を含む。1)管理ユーザがどのオペレーションを使用することが許されたか(例えば、アクセス権の生成、追加/除去、通知の送信)、2)どのグループの管理が許されたか(例えば、自身のプライベートグループ、会社kのグループ、プロバイダーxの公衆グループ)、及び3)どのユーザをグループに含むことが許されたか(例えば、会社kのユーザ、個人のリスト)。
【0059】
許可された管理ユーザ61がグループを生成する例示的ケースについて考える。本発明の実施形態では、この点において生成されるグループデータは、1)グループのホームCPS23、2)グループのURL(ホームCPS23に依存する)、及び3)グループに対する初期アクセス権(後で変更可能)。グループ生成/管理アプリケーションは、ここで、例えば、次のようなアクションを実行する。1)もし必要であれば、URLのDNSサーバー24を更新し(通常、既存のドメイン名が使用される場合には不要である)、2)CPS23をグループ名で更新し、及び3)PoCデータベース又はディレクトリー(PoCメイン情報貯蔵部)65を更新する。
【0060】
又、管理ユーザ61は、この点において、新たなグループの通知を潜在的なグループメンバーに送信したいことがある。例えば、次のような典型的なケースが明らかである。1)管理ユーザ61は、自分が知っている5人の個人のグループを生成した私人であり、グループへのアクセスは、これら5人の個人に制限され、そしてユーザは、これら5人の個人へ通知を送信することを望み、2)管理ユーザは、趣味のグループを生成したサービスプロバイダーであり、グループへのアクセスは、全てに対してオープンにセットされ、そして市場調査に基づきおそらく関心があるユーザのリストへ通知が送信される。
【0061】
新たなグループの通知は、例えば、特殊な形態のSMSメッセージ(例えば、リングトーン、ローゴス)、又はSIP即時メッセージである。MSは、このメッセージに反応して、例えば、1)このユーザに新たなグループが使用可能であることをユーザに表示し、2)直ちに加入する(アクティブなセッションを通常に又はスティッキーにスタートする)か、後で使用するためにブックマーキングするか、或いは拒絶する(拒絶メッセージをSGMFへ送信し、これがそのメッセージを管理ユーザに表示する)機会をMSユーザに与える。拒絶は、ユーザがグループを受け入れないことをアプリケーションに指示するが、これは、必ずしも、アクセス権データに対する変更を生じなくてよい。
【0062】
上述したように、新たなグループは、SGMFにより当該G−CPF23に追加される。同様に、SGMFは、グループを削除することもできる。G−CPF23は、グループに生成には直接含まれない。通知がユーザへ送信された後に、グループに加入したいユーザは、グループへのSIPセッションを確立するユーザとしてG−CPF23に対して直ちに現われる。ここで、G−CPF23は、SGMF25からグループアクセス権を問合せ、SGMF25は、次いで、PoCデータベース又はディレクトリー(PoCメイン情報貯蔵部)65へ問合せを行う。
【0063】
ユーザグループアクセス権を取り去っても、PoCデータベース又はディレクトリー65に影響が及ぶだけである。それ故、いかなる進行中のセッションも、影響を受けず、次のセッション設定において変更が有効となる。ユーザがグループから取り去られるべき場合には、それに対するここのファシリティがG−CPF23に対して実施される。グループの削除は、SGMF25により適当なG−CPF23に対して指示される。G−CPF23は、次いで、全てのアクティブなセッションを終わらせ、そのグループに対する記憶された情報を除去する。又、SGMF25は、PoCデータベース又はディレクトリー65における情報の除去も処理する。
【0064】
グループアクセス権は、ユーザ装置に対するグループセッションがスタートしたときにCPSによりチェックされる。セキュリティを維持することが必要と思われる場合には、他のときにも付加的なチェックを行うことができる。本発明の好ましい実施形態では、グループアクセス権は、データベース又はディレクトリー65に保持され、これは、次いで、適当なサーバーにより問合せされる。典型的な問合せは、「is user-x allowed to access group-y?(ユーザxは、グループyにアクセスすることが許されたか?)」の形態をとる。
【0065】
アクセス権の定義は、融通性があって、個々のユーザ/グループのレベルと、ユーザ/グループのリストの両方で考えられるのが好ましい。例えば、好ましくは、次のものを定義できねばならない。1)ユーザxは、グループwにアクセスすることが許され、2)ユーザx、ユーザy、ユーザzは、グループwにアクセスすることが許され、3)ユーザxは、会社kの全グループにアクセスすることが許され、4)会社kの全ユーザは、グループzにアクセスすることが許され、5)会社kの全ユーザは、会社kの全グループにアクセスすることが許され、6)全ユーザは、グループpにアクセスすることが許され、7)等々。
【0066】
それ故、アクセス管理は、ユーザ及びグループの両方に対してハイアラーキー構造を使用するのが好ましい。これは、ユーザがユーザグループに属することができ、そしてグループが多数のレベルにあってもグループグループに属することができることを意味する。又、単一のユーザが多数の(並列の)ユーザグループに属することができる場合には、更に融通性がある。グループアクセスは、特定のユーザ又は全ユーザグループに与えることができる。ユーザグループに与えられたアクセスは、そのユーザグループにおける全ユーザを受け入れる。ユーザは、特定のグループ又はグループグループへのアクセスが与えられる。グループグループへのアクセスは、そのグループグループ内の全グループへ受け入れるものである。
【0067】
制御平面オペレーション
PoCサービスへのユーザログオン
ユーザは、PoCサービスの利用をスタートできる前に、自分自身をU−CPF22に登録しなければならず、その実際のIPアドレスは、DNSサービスにより決定されねばならない。本発明の好ましい実施形態では、ユーザは、先ず、自分のSIPアドレスのホスト部分を含むDNS問合せを行う。DNS24は、ホスト部分に対応するU−CPF22のIPアドレスを返送する。
【0068】
図7に示す例を参照すると、MSは、U−CPF22のIPアドレスが分かると、SIP登録メッセージをU−CPF22へ送信する。U−CPF22は、ユーザのMSから登録メッセージを受信すると、SGMF25にコンタクトして、ユーザの権利をチェックし、そして他の情報を得る。その後に、U−CPF22は、ユーザのU−UPF20にコンタクトして、その入力チェック及びスキャニングフィルタリングプロセスを実行し、そしてユーザはそのユーザ平面トラフィックを送信しなければならない。次いで、ユーザは、追加メッセージによりU−UPFに追加され、そしてU−UPFは、ユーザのスキャニングプロセスを開始し、確認を送信する。任意であるが、U−UPF20にコンタクトする前に、U−CPF22は、ユーザ情報をユーザのホーム位置レジスタ(HLR)又は3Gホーム加入者サーバー(HSS)と交換し、ユーザを認証し、そしてユーザプロフィールを生成する。
【0069】
ログオンの間に、ユーザは、自分のU−UPF20のIPアドレスを得、そしておそらくは、ユーザのスティッキーグループ(以下に述べる)のリストを得る。
登録メッセージは、通常、ユーザの識別情報を含むが、メッセージは、他の当該指示も含む。これは、新たなログオンを行いそして自分のU−CPF22から特定の情報を要求するためにユーザにより再送信することができる。
【0070】
同じターミナルによりシステムへ異なるユーザがログオンして、同じIP受信者に対して2つ以上のスキャニングプロセスを必要とするのを回避するために、U−CPF22により特定のチェック機構が実行されねばならない。
ユーザが自分のスキャニング設定を更新したいか、又は自分のスキャニングプロセスをオン/オフにセットしたい場合には、新たな特定のSIP登録メッセージを自分のU−CPF22へ送信することができる。ユーザがあるグループ(スキャニングがオフにセットされた)を選択したい場合には、SIP INFOメッセージをユーザのU−CPF22へ送信することによりそれが行われる。ユーザがスティッキーグループ(永久的グループ)を有する場合には、それらがログオンにおいてアクチベートされ、即ちU−CPF22は、必要とされる後続オペレーション、例えば、SIPセッションインビテーション、マッピング設定をG−UPF21及びU−UPF20において実行し、そして最終的に、得られた情報(例えば、ユーザが暗黙に加入したスティッキーセッションのリスト)をログオン確認メッセージにおいてユーザへ与える。
【0071】
アクティブグループセッション
ユーザは、アクティブなセッションを有するところのグループにおいて通信する(聴取しそして話をする)。セッションは、SIPシグナリングにより設定されそして終了される。セッションの設定は、ユーザによるか、又は許可された第三者(例えば、ディスパッチャー又はアプリケーション)により開始することができる。第三者によるセッションの確立は、主としてPMR用途だけに関連している。特に、非PMRマーケットにおける多数のユーザは、おそらく第三者によるセッションの確立を嫌い、そしてこれを防止できることを望む。又、セッションは、例えば、グループ削除の場合には、G−CPF23により強制終了することもできる。
【0072】
アクティブなグループセッションにおける一次及び有効データは、サーバーにより常時保持される。従って、ユーザ装置(例えば、MS)がアクティブなスティッキーグループセッションにおいてデータを失った場合には、新たなログオンを実行することによりU−CPFから全ての必要なグループ情報を要求することができる。
【0073】
多数のアプリケーションにおいて、ユーザは、電源オフ周期の後に同じグループを使用し続けることができる。このため、スティッキーセッションが設けられる。ユーザがログオフしたときには、ユーザのスティッキーセッションに関連した情報がPoCデータベース又はディレクトリー(PoCメイン情報貯蔵部)にセーブされ、そして電源オン時にセッションが再確立される。換言すれば、スティッキーグループは、新たなログオンの後に自動的にアクチベートされるトークグループである。
【0074】
グループセッションをアクチベートするために、MSは、グループのURLを知る必要がある。ユーザの観点から、ユーザは、次のようにグループを選択する(ユーザ判断は、どんなオプションが実施されたかに依存する)。
1)グループの全URLをタイピングする(例えば、sector2@hkl.grpcps.operator.fi、football@publicgc.operator.fi)。
2)グループブックマークリストにおいてMSに記憶されたグループから選択する。
3)WAP/WWWアプリケーションを使用して、使用可能なグループをブラウズする。
【0075】
これらの方法は全て相補的なもので、URLをタイピングし、ブックマークリストから選択し、ウェブページにおけるリンクをクリックすることより成るウェブブラウジングにおける対応する方法に匹敵するものである。3つのケース全部における成果は、MSが所要グループのURLを知りそしてSIPシグナリングをスタートできることである。
【0076】
ユーザによるセッションの設定は、(このファシリティが実施されそしてユーザがそれを使用することを判断する場合には)ユーザにより与えられるグループのURLに基づいて行われる。これは、ユーザが任意のグループへアクセスを試みることを許し、即ちアクセス権のチェックがサーバーにより実行される。グループへ時々アクセスする別の方法は、ウェブ/WAPブラウザを使用して、関心のある及び/又は有用なグループをブラウズすることである。これら両方の方法は、グループへの時々及び一時的なアクセスに非常に適している。
【0077】
しかしながら、ユーザが、セッションを常時オープンに保持する必要なく、あるグループへの頻繁なアクセスを必要とする場合には、ユーザ装置は、ある形式のグループブックマークリストを含む。グループブックマークリストの主たる目的は、ユーザがローカルでグループのリストをブラウズしそしてグループに容易にアタッチするのを許すことである。ユーザ装置におけるグループブックマークリストが完全なものであって、特定のユーザに使用可能な全てのグループを含む必要はないことに注意されたい。あるグループが欠落した場合には、ユーザは、そのURLを与えることによりそのグループにアクセスし、そしてそれをリストに記憶することができる。
【0078】
ユーザの観点から、グループブックマークリストは、従来のPMRグループ又はチャンネルセレクタとして考えられる。他の形式のユーザは、リストを、第2の電話帳、インターネットブックマークリスト、又はTVチャンネル設定と同様のものとして考える。モデルのこのセットは、おそらく全てのサービス利用者をカバーするのに充分である。
【0079】
意図された市場(PMR又は消費者)の形式に基づき、グループブックマークリストがいかに機能するかについては幾つかのオプションがある。PMRについては、ユーザインターフェイスは、従来のPMRグループリストに類似しなければならず、そして新たなグループをグループリストにリモート位置でロードする(システムマネージャーから)ファシリティが必要とされる。消費者ユーザについては、ユーザインターフェイスは、ユーザがグループ自体を追加できるところのブックマークリストに更に類似している(例えば、現在選択されたグループをブックマーキングする)。PMRユーザは、当然、現在グループをブックマーキングするファシリティから利益を得る。この段階において、リストからグループを削除することは、ユーザの責任であると仮定する。PMRユーザに対し、全ての新たなグループが自動的にブックマークされる自動ブックマーキングが有用である。
【0080】
ユーザ平面オペレーション
PoCグループスピーチアイテムのシグナリング
ユーザは、その全てのユーザ平面トラフィックをU−UPF20へ送信しなければならず、そしてトラフィックがグループへ向けられた場合には、U−UPF20によりグループに関連付けられた特定のポート番号がトラフィック識別目的で使用される。
1つの共通のPMR要件は、一度に1人のアクティブなメンバーだけが各グループにおいて話すことが許されることであり、これは、選択されたグループへ話をしようとしているユーザが、システムにより管理されるスピーチアイテムを得なければならないことを意味する。スピーチアイテムは、G−UPF21により許可され又は拒絶される。
【0081】
この機能をサポートする簡単なやり方は、SIPシグナリングを使用することであるが、明確なシグナリングトランザクションにより導入される遅延を回避するために、暗示的シグナリングに対してRTPパケットのペイロード形式フィールド及びペイロード自体を使用する別の解決策がここでは好ましい。
従って、本発明の実施形態では、システムは、従来のPMRシステム、即ちTETRAに使用されるもののようなトークスパートの要求−許可形式管理をベースとするものではない。むしろ、高速のオペレーションを与えるために、ユーザは、システムからのトークスパート許可を得ずに、送信トークスパートを開始するが、多数の話し手がぶつかる(又は他の問題)場合には、送信の権利が撤回される。
【0082】
上述した暗示的シグナリング解決策では、各ユーザは、希望するときに、選択されたグループへ話をするように試みることができる。図8の例を参照すれば、MSのユーザがPTTをプッシュするときには、アップリンクリソースが上述したように予約され、MSは、U−UPF20を経てG−UPF21へリーダーRTPパケットを送信する。スピーチアイテムが得られ、そしてMSへ許可される。同時に、以下に述べるタイマーが初期化される。リーダーRTPパケットは、それらの各U−UPFを経てグループの全てのアクティブな受信メンバーへ転送され、アクティブなメンバーがスピーチアイテムを得てグループへのトークをスタートするたびに、グループの全てのアクティブな受信メンバーへ現在話し手の認識を指示する。このリーダーパケットは、埋め込まれた制御シグナリングに対する特殊なペイロード形式及びRTPペイロードを使用して、送信者の認識に関する情報(ニューモニック、番号等)と、同じ話し手により送信される後続のRTPパケットを確認するのに使用されるSSRC値とを搬送する。次いで、リーダーRTPパケットの後に、実際のグループの音声ストリーム(VoIP RTPパケット)が続く。
【0083】
通常、スピーチアイテムが得られず、そしてG−UPF21がリーダーRTPパケットの受信に応答してユーザへのスピーチアイテムを許可しないときには、ユーザは、同じグループトラフィックから別のメンバーの音声を受信したときに自分の音声が転送されないことに気付く。しかしながら、これはユーザが別のグループを同時に聴取する場合には充分ではなく、従って、グループのG−UPF21は、要求されたスピーチアイテムをユーザが得ないことをユーザのU−UPF20に信号しなければならない(埋め込まれたRTPシグナリングを使用して)。ユーザのU−UPF20は、次いで、この特殊なRTPパケットをユーザへと送信する。このパケットは、スピーチアイテムがユーザターミナルに許可されなかったことをユーザターミナルに指示し、そしてMSがあるハードウェアメカニズム(視覚又は音声指示のような)をスイッチオンしてユーザに警告できるようにする。
【0084】
スピーチアイテムは、暗示的シグナリングによって管理されるので、グループ通信中に更に別の特定の明確なシグナリングを必要としない。
各G−CPF23は、グループにアタッチするユーザに対して独特のSSRC値を発生する。グループアタッチ中に、G−CPF23は、このSSRC値をユーザに返送し、そしてそれをG−CPF23及びG−UPF21に記憶する。このでは、SSRCは、グループのコンテクストにおいてユーザを独特に識別し、一方、ユーザの各1対1コールに対してU−UPF20により関連付けされた異なるSSRCは、1対1コールにおいて発呼者を指示し、そしてそのコールにおいて発呼者及び被呼者の両方に同じ値が使用される。
U−UPF20により転送されたユーザトラフィックは、次いで、トラフィックが向けられるグループを取り扱うG−UPF23のIPアドレスと、G−UPF23がそのグループのトラフィックに対して割り当てた特定のポート番号とにより識別される。
【0085】
入力フィルタリングにおけるトークスパートタイマー
ユーザにより見たグループにおけるトラフィックは、特定のユーザから到来する若干連続するスピーチのトークスパート(即ちスピーチアイテム)で構成される。しかしながら、U−UPF20及びG−UPF21は、スピーチのパケットを受信し、そして多数のユーザが同じグループにおいて同時に話そうと試みる。グループにおける現在話し手からのスピーチが中断されたり又は他のユーザからのパケットで干渉されたりすることのないように確保するために、G−UPF21は、各アクティブなグループに対してトークスパート連続性タイマーを実施する。タイマーに加えて、現在話しているユーザの認識が記憶される。
【0086】
典型的なトークスパートでは、ユーザがPTTを押している間に、自分のスピーチコーデックがスピーチパケット(フレーム)を発生し、これらは、規則的な間隔で送信される。もちろん、パケットは若干不規則な間隔でG−UPF21に到着する。ユーザが話をしていないときでも、MSは、DTXパッケージを送信する(不連続送信)。従って、パケット間にソフト状態を保持するためにタイマーが必要とされる。タイマーは、到来するパケットのたびに再スタートされ、そしてタイマー値は、送信されるパケット(例えば、DTXフレーム)間の間隔、及びユーザとG−UPF21との間の遅延の変化とを考慮して、パケット間に間隔を許すに充分なものでなければならない。従って、タイマー値は、数百ミリ秒程度である。
【0087】
考え方は、ユーザがPTTを放した場合にユーザに対して予約された順番を保つことではない。それ故、本発明の一実施形態は、トレーラーパケットを使用してトークスパートの終りを信号し、これは、ターマーの時間切れと同等であると考えねばならない。トークスパート連続性タイマーは、G−UPF21において実施される。というのは、ここでは、同じグループにおいて異なる話し手が話をしようと競い合うからである。
【0088】
又、最大トークスパート時間を制限する必要もある。ユーザの観点から、単一のユーザがグループを不必要に長時間占有して他のものが話すのを妨げてはならない。ユーザのPTTが送信位置において偶発的にジャミングした場合にもグループを阻止してはならない。オペレータは、サービス及び料率をプロフィーリングする理由で、トークスパート時間を限定することを望む。トークスパート最大値タイマーの典型的な値は、30s、60s又はそれ以上である。タイマーは、ユーザが現在話し手となったときに、第1パケットにおいてスタートする。タイマーが時間切れしたときには、他の話し手がいなくても、現在話し手のトークスパートが停止される。再び話をできるようにするために、PTTを放しそしてもう一度プッシュする必要がある。特殊な埋め込まれたRTPシグナリングパケットがG−UPFによりMSへ送信されて、送信を停止させる。
【0089】
トークスパート最大値タイマーは、U−UPF20又はG−UPF21或いはその両方において実施できるが、その結果は、各場合に同じではない。U−UPF20におけるタイマーは、ユーザ特有の最大トークスパート時間を実施し、G−UPF21におけるタイマーは、グループ特有の最大トークスパート時間を実施する。これらは、いずれも有用であり、両方ともの場合もそうである。アーキテクチャーは、両方ともをサポートする。
【0090】
図9は、G−UPF21におけるトークスパートタイマープロセスを示すフローチャートである。トークグループ連続性タイマー及びトークスパート最大値タイマーは、スピーチアイテムがユーザに許可されたときにスタートする(ステップ92)。ステップ91では、ユーザから新たなパケットが受信されたかどうかチェックされる。もしそうでなければ、連続性タイマーが時間切れしたかどうかチェックされる(ステップ92)。連続性タイマーが時間切れした場合には、スピーチアイテムが終了となる(ステップ97)。連続性タイマーが時間切れしない場合には、最大値タイマーが時間切れしたかどうかチェックされる(ステップ93)。最大値タイマーが時間切れした場合には、スピーチアイテムが終了となる(ステップ97)。最大値タイマーが時間切れしていない場合には、プロセスは、ステップ91へ戻る。ステップ91においてユーザから新たなパケットが受け取られた場合には、その受け取られたパケットが、PTTの解除に応答してユーザ装置により送信されたテイラーパケットであるかどうかチェックされる(ステップ97)。テイラーパケットが受け取られた場合には、スピーチアイテムが終了される(ステップ94)。受け取られたパケットがテイラーパケットでない場合には、最大値タイマーが時間切れしたかどうかチェックされる(ステップ95)。最大値タイマーが時間切れした場合には、スピーチアイテムが終了となる(ステップ97)。最大値タイマーが時間切れしない場合には、トークスパートタイマーが再スタートされ(ステップ96)、そしてプロセスは、ステップ91へ戻る。
【0091】
トークスパートを中断するメカニズムも必要とされる。これは、許可されたユーザが進行中のトークスパートをオーバーライドする必要があるときである。従って、G−CPF23は、1)グループ内のトークスパートを中断するか、又は2)ユーザにグループ内の中断プライオリティをもたせるように、G−UPF21に指令することができる。ケース1では、誰もスピーチアイテムをもたずそして送信を停止するためのコマンド(埋め込まれたRTPシグナリングパケット)をその中断される話し手のMSへ送信する結果としてグループ内の進行中のスピーチアイテムを中断しなければならない。ケース2では、プライオリティ決めされたユーザからのスピーチアイテムが、以前の話し手への停止送信コマンドの送信、トークスパートタイマーの再スタート、及び新たな話し手へのスピーチアイテムの許可を生じさせる。中断プライオリティは、一時的に又はオン・デマンドで或いは特別な場合にのみ使用されると仮定する。それ故、グループ当たりの中断プライオリティをもつユーザの数は、大きい必要がない(仮定=1)。
【0092】
本発明の好ましい実施形態では、送信を停止するコマンドは、特殊なペイロードを使用するRTPパケットの使用により達成される。このパケットのパラメータフィールドは、コマンドの理由を示す。これらのパケットは、制約されていないフィルタリングプロセスをパスしなければならない。送信停止コマンドを受信するMSは、ボイスパケットの送信を直ちに停止し、そしてPTTがもはや押されないかのように受信状態に復帰する。ユーザは、PTTを押したままである場合にも、到来するボイストラフィックを聴取し始める。再び送信を開始するために、ユーザは、先ず、PTTを放し、そして再びそれを押さねばならない。送信停止コマンドが発生されるか、又はU−UPF20を経てルーティングされる。
【0093】
送信中のダウンストリーム抑制
半二重モードのオペレーションでは、ユーザが送信している間にダウンストリームチャンネルにボイスパケットをロードすることが望ましくない。それ故、本発明の一実施形態では、U−UPF20は、送信中に次のようにしてダウンストリームの抑制を実施する。図10を参照すれば、グループコールに参加しているユーザからのアップストリームトラフィックは、リーダー及びボイスパケットに対して監視される(ステップ101)。アップストリームのトークスパートタイマーを使用して、ユーザがグループコールにおいてトークスパートを送信することを指示するソフト状態を与えねばならない。使用するメカニズムは、グループにおけるトークスパートの連続性を維持するための上述したものと同じでなければならない。アップストリームボイス又はリーダーパケットは、アップストリームトークスパート状態をオンにセットし(ステップ102)、そしてアップストリームトークスパートタイマーをスタートする(ステップ103)。タイマーが時間切れすると(ステップ104)、アップストリームトークスパート状態をオフにセットする(ステップ105)。アップストリームトークスパート状態がオンであるときには、ダウンストリームパケット(シグナリング以外)は、ユーザに送信されない。アップストリームトークスパート状態がオフであるときには、ダウンストリームパケットが通常に送信される。
【0094】
ユーザ平面における音声データ分布
ユーザ平面では、エンドユーザへの/からの音声データリアルタイム分布が取り扱われ、PoCブリッジ10(G−UPF21及び/又はU−UPF20)がそれを行うネットワーク要素となる。多数のブリッジ/プロキシーが同じPoC通信に含まれるときには、それらの機能が、対応するSIPセッションを取り扱うPoC CPS11(G−CPF23又はU−CPF22)により制御され、整合される。
【0095】
本発明の目的は、PoC解決策を数百万のユーザ及び少なくとも数十万のグループまで拡張することである。拡張可能なPMR解決策を与えるために、特定のアドレッシングモデルが計画されている。このモデルの主たる目的は、厳密に必要とされる量のIPアドレス及びポート番号並びに好ましい静的割り当て(もし可能であれば)を使用して、ブリッジ、ユーザ及びそれらのトラフィックの間で複雑なマッピングを実施し、ネットワークエンティティ間で交換されるべき情報の量を減少することである。
【0096】
IP/UDP/RTPプロトコルスタックは、一般に、VoIPの世界においてリアルタイム音声データ送信に使用され、従って、これは、本発明の好ましい実施形態ではユーザ平面に対しても選択される。
より詳細には、少なくともユーザのターミナルにおいてIPv6が実施され、一方、あるコアネットワークエンティティでは、IPv4もサポートして(二重IPv6/v4スタック)、それを使用する最終的なサブネットワークとの相互操作性を確保する必要があると仮定する。
【0097】
パケットネットワークを経て音声通信するためのリアルタイムストリームの搬送をサポートするためにIETFにより開発されたリアルタイム搬送プロトコル(RTP)がUDPの最上部に使用されて、より信頼性のある搬送プロトコル(ここでは必要とされない)、例えば、TCPにより導入される遅延を回避する。受信側のエンドポイントにRTP及びレイテンシバッファがある状態で、タイミング(ジッタの問題)、パケット順序付け、多数のストリームの同期、複写パケットの排除、及びストリームの連続性を取り扱うことができる。
【0098】
ユーザがグループに話をするときには、ユーザのMSは、音声パケットを自分のU−UPF20に送信し、このU−UPFは、入力チェック後に、それをグループのG−UPF21に転送する。U−UPF20により転送されるトラフィックは、G−UPF21のIPアドレスと、G−UPF21をグループに関連付けるポート番号とによって独特に識別され、一方、ユーザと自分のU−UPF20との間のトラフィックは、U−UPF20のIPアドレスと、U−UPF20をグループに関連付けるポート番号とによって識別され、従って、MSは、同じソケットを使用して、グループに対してトラフィックを送信及び受信することができる(以下の例ではポート番号「200」が使用される)。
【0099】
ユーザは、グループのアクティブメンバーになると、自分のU−UPFによりグループのトラフィックに指定されたポート番号を自分のU−CPFから得る。同時に、U−CPF22及びG−CPF23は、ユーザのU−UPF20とグループのG−UPF21との間に適切なマッピングをセットする。より詳細には、U−UPF20は、G−UPF21がグループのトラフィックに指定したポート番号を得る。
U−UPF20は、全ての1対1通信に対してそれが割り当てた特定のポート番号と、発呼者のU−UPF20により1対1コールの確立中にそのコールに指定されるSSRC値とによって到来する1対1トラフィックを識別する。MSとU−UPF20との間の動的ポート番号のネゴシエーションを回避するために、全てのMS及びU−UPFに静的なポート番号を使用しなければならない(以下の例では「102」)。
【0100】
上述した「分割ブリッジ」モデルでは、ダウンリンクにおいて、G−UPF21が、到来するグループトラフィックを個別のU−UPF20に転送しなければならないことがある。この種の通信の場合、及びU−UPF20からG−UPF21への通信の場合に、各グループに対して指定されたポート番号が使用される。
ユーザ平面においてグループコールをいかに管理するか良く説明するために、以下に例を示す。現在グループの話し手は、自分の音声パケットを自分のU−UPF20に送信し、このU−UPFは、パケットをチェックして、グループのG−UPF21に転送する。トラフィックがG−UPF21の入力バッファを通過すると、ローカルU−UPF(G−UPF物理的エンティティに配置された)により直接取り扱われるアクティブなメンバーのスキャニングプロセスへ個々に配送される。同時に、トラフィックは、関連する他のU−UPFへも転送され、これは、それ自身のアクティブなメンバーにサービスする。
【0101】
関連する2つのブリッジとのグループ通信の例が図11に示されている。G−UPF1及びそれに関連したU−UPF1は、IPアドレス1.0.0.1を有する。G−UPF1及びU−UPF1は、ポート500、502、102、700、702を有する。G−UPF2及びU−UPF2は、ポート500、102、600、602を有する。両ブリッジにおいて、ポート102は、上述した目的で割り当てられる。他のポートは、図11に見られるように、グループG1、G2及びG3に割り当てられる。あるポートにおける転送オペレーションは、各ポートに受け取られたパケットが、指示されたIPアドレス及びポートに転送されねばならないことを意味する。移動ステーションMS1−MS4は、図11に示すように、IPアドレス、1対1ポート及びグループトラフィックポートを有する。U−UPF1は、移動ステーションMS1及びMS4に指定される。U−UPF2は、移動ステーションMS2及びMS3に指定される。MS1は、グループG1及びG2に属し、MS2は、グループG1に属し、MS3は、グループG1及びG3に属し、そしてMS4は、グループG1及びG2に属する。
【0102】
ここでは、MS1が、行先IPアドレス1.0.0.1及び行先ポート700を伴う音声パケット1を送信すると仮定する。従って、音声パケット1は、U−UPF1におけるポート700へルーティングされる。ポート700は、グループG1に割り当てられ、それ故、U−UPF1は、グループG1に属する全てのユーザへとパケットを増倍する。この場合に、音声パケット4は、MS4へ送信される。U−UPF1のポート700も、IPアドレス1.0.0.2及びポート500への転送機能を有する。それ故、U−UPF1は、音声パケット1の複写、即ち音声パケット2をこの行先へ送信する。その結果、音声パケット2は、G−UPF2におけるポート500へルーティングされる。ポート500は、グループG1に割り当てられ、それ故、U−UPF2が、グループG1に属する全てのユーザへとパケットを増倍する。この場合に、音声パケットは、移動ステーションMS2及びMS3へ送信される。
G−UPF2におけるポート500も、IPアドレス1.0.0.1及びポート700を伴う転送機能を有する。それ故、G−UPF2は、音声パケット2の複写をこの行先へ送信する。その結果、音声パケットは、U−UPF1においてポート700へルーティングされる。
【0103】
マルチ−ユニキャスト
上述したように、本発明の1つの特徴は、移動無線システムにおけるグループ通信がグループサーバーを使用して実施され、このグループサーバーは、グループへアドレスされたボイスパケットを受け取りそして最終的にそれらボイスパケットを(U−UPFを経て)各グループメンバーへ個々に転送するというものである。グループサーバーは、多数のグループ(G1、・・Gn)を与える。グループメンバーは、ボイスパケットをグループサーバーへ送信し(U−UPFを経て)、各パケットは、グループサーバーにアドレスされるが、グループの認識(G1、・・Gn)も搬送する。グループサーバーは、グループメンバーのU−UPFアドレスを含むテーブルをグループごとに保持し、そしてU−UPFは、ユーザの個々のアドレスを含むテーブルを保持する。
【0104】
図12に示す例においては、ソースMSは、アップリンクに1つのストリームだけを送信するが、このとき、PoCブリッジは、8つの異なる受信者に対してそれを増倍する。各リンクの上部では、アップリンク及びダウンリンクにおいて搬送されるストリームの数が各々指示され、そして各受信MSは、各MSに到着するためにパケットにより必要とされるホップの数で示されている。参照記号Rは、システムにおけるルーティングノードを表わす。
この概念は、ここでは、マルチ−ユニキャストと称される。この概念は、移動通信ネットワークにおいてグループ通信を実施するための非慣例的方法であり、グループ通信サービスの実施の複雑さを相当に低減する。
【0105】
グループ通信の中心的問題は、移動無線システムにおいてグループメンバーへの通信をどのように効率的に行うかである。これらのシステムは、その規模が非常に小さなもの(1つのベースステーション)から国家的規模(数千のベースステーション)まである。同様に、グループは、異なる規模又は変化する規模でもよい。更に困難なものとして、グループの地理的な分布は、非常に局地的なものから国家的なものまであり、状況に応じて変化し得る。換言すれば、メンバーの位置やメンバーの分布に拘りなく、各グループメンバーにグループトラフィックをいかに確実に配送するかが問題である。
【0106】
慣例的な無線システムは小規模で、グループは通常ローカルである。それ故、明らかな解決策は、特定のエリアにおいてアクティブな各グループに対しベースステーションごとに1つの送信を使用することであった。この送信は、グループアドレス(マルチキャスト)により識別された。公知の解決策は、大規模な通信システムにおいて多数の問題を伴う。第1に、グループコールがなされたときに、システムは、コールに対してどのベースステーションを使用するか知る必要がある。従って、システムは、各グループに対するグループメンバーの位置を追跡するために個別の移動管理サブシステムを実施する必要がある。これは、システムの複雑さを著しく増大し、全処理負荷の一次的ファクターになり得る。第2に、グループトラフィックを受信するために、移動ステーションは、適切なグループアドレスを保持しなければならない。それ故、全てが適切に機能するために、移動ステーション及び全ての関連システム要素の両方にとってグループメンバーシップを前もって知らねばならない。これは、信頼性の低い非常に狭帯域巾の無線チャンネルにわたって動作しなければならない分散型データ管理サブシステムを必要とする。
【0107】
これらの問題は、技術の現状を特徴付けるものである。公知システムは、ベースステーションの使用を最適化する試みを全く行わないことにより問題を回避している。グループのトラフィックは、ベースステーションの固定の所定セットに放射され、従って、グループに対する移動管理の必要性を軽減する。又、これは、システムがグループメンバーを知る必要がなく、グループアドレスが移動ステーションにプログラムされていることを意味する。
【0108】
本発明によるマルチ−ユニキャスト概念により、膨大な処理負荷を生じると共にオペレーション中にエラーを生じる傾向があって信頼性の低いサービスをユーザに経験させる大規模なサブシステムを追加することなく、大規模な移動システムにおけるグループ通信を高い信頼性で実施することができる。システムの個々のアドレッシング及び基本的移動管理を使用して受信者へグループトラフィックが配送されるので、グループトラフィックは、個々のトラフィックと同程度に信頼性の高いものとなる。
【0109】
個々の配送の使用は、マルチキャスト配送よりリソースを多く消費することを立証できる。これは、大きなセルサイズをベースとする慣例的なPMRシステムにおいて確かにそうであり、それ故、単一ベースステーションの範囲内に著しい数のグループメンバーを位置することができる。近代的なセルラーネットワークでは、大きなセルの使用は、周波数利用の観点から非効率的であり、次第に小さなセルが開発され、それ故、グループメンバーが同じセル内に位置する確率が高くなる。
【0110】
又、本発明の基本的なアーキテクチャーは、音声データ分配に対してあるマルチキャスティングメカニズムも使用できるが、これは、上述した問題を伴うマルチキャスティング機能をRANに必要とすることに注意されたい。いずれにせよ、この場合には、ユニキャスト(マルチ−ユニキャスト)及びマルチキャストの両分配技術をサポートして、例えば、あるサイトでグループの若干のメンバーがサービスを受けるべきときにより効率的であるか、又はマルチキャスティングが最終的にサポートされない場合に、ユニキャスティングの利点を得るのが依然として合理的である。
【0111】
スキャニングフィルタリング
現在のPMRシステムでは、ユーザにアドレスされた全てのトラフィックが自分のターミナルに配送され、このターミナルは、フィルタリング機能をローカルで実行して、ユーザが聴取したい単一トラフィックを再生する。このタスクは、ユーザのスキャニング設定に基づいて行わねばならず、そしてプライオリティの高いグループ又は非常コールから到来するトラフィックの最終的オーバーライドをサポートしなければならない。
【0112】
ターミナルで再生されないトラフィックを送信するためのダウンリンクにおける帯域巾の浪費を回避するために、フィルタリング機能は、ネットワークにおいて前もって実施されねばならないことが明らかであり、これは、好ましい実施形態に基づいてネットワークアーキテクチャーにPoCブリッジ10を導入するための動機の1つである。
【0113】
この点におけるブリッジ10の役割は、2つの直列のプロセス、即ち図13に示すようなグループ及びユーザ特有のプロセスとして考えられる。グループ特有のプロセスでは、G−UPF21は、グループの全てのアクティブなメンバーへ転送されねばならないか、又は本発明の好ましい実施形態では、トラフィックストリームの行先であるグループ内のアクティブなメンバーを有するU−UPFへ転送されねばならない多数のパケットストリームにおいて到来するトラフィックを増倍しなければならない。ユーザ特有のプロセスでは、U−UPF20は、ユーザにアドレスされた多数の考えられるトラフィックストリームのどの1つを実際にユーザに転送する必要があるか判断しなければならない。又、U−UPFは、グループトラフィックを受信するユーザごとにその現在スキャニング設定に基づいてストリームを増倍する(U−UPFが2人以上のユーザにサービスする場合)。送信トラフィックは、通常、現在聴取されるグループからのトラフィックであるが、時には、オーバーライドトラフィックストリームのこともある。
【0114】
会話の連続性を確保するために(即ち、聴取者がコヒレントな一連の送信を受け取るよう確保するために)、U−UPF20に特定のタイマーが設けられる。このタイマーの機能は、会話中のあるタイムアウトより長い休止がない限り、ユーザが同じグループ(又は個々のコール)において連続的トークスパートを受け取るよう保持することである。ここでは、その典型的な値は、2ないし15秒である。
【0115】
原理的に、これは、このタイマーの時間中、スキャニングプロセスが各パケット後に受信グループにロックすべきであることを意味する。タイマーは、U−UPFに配置され、そしてタイマー値は、グループ特有であるのが好ましい。又、グループ及び個々のトラフィックに対して異なるタイムアウトを使用するのが望ましい。しかしながら、ユーザにアドレスされた現在聴取されるストリームよりプライオリティの高いトラフィックがU−UPFに到着したときには、プライオリティの高いストリームが、プライオリティの低いトラフィックを直ちにオーバーライドし、会話連続性タイマーは何の作用も与えない。
【0116】
スキャニングフィルタリングプロセスを実施する例が図14に示されている。ステップ141において、プロセスは、G−UPF21(グループ通信)或いは別のユーザ又はU−UPF(1対1通信)からU−UPF20へ到着する多数の(即ち2つ以上の)ボイスパケットトラフィックストリームの1つを選択し、そして選択されたトラフィックストリームをユーザへ転送する。他の到着するトラフィックストリームは破棄され、即ちユーザへ転送されない。選択がなされると、タイマーが所定値「休止周期」、即ち選択されたトラフィックストリームにおける2つの連続するボイスパケット間の最大時間周期にセットされる(ステップ142)。ステップ143では、プロセスは、新たなRTPパケットが受け取られたかどうかチェックする。新たなRTPパケットが到着した場合には、先ず、ステップ145において、そのパケットが以前のパケットよりプライオリティの高いストリームに属するかどうかチェックされる。このパケットが、ユーザのスキャニング設定に基づき、以前のものより高いプライオリティをもたない場合には、プロセスがステップ146へ進み、タイマーがリセットされると共に、パケットがユーザに送信される。その後、プロセスは、ステップ143へ戻る。ステップ145において、新たなパケットが、以前のものよりプライオリティの高いストリームに属すると分かった場合には、新たなパケットがユーザへ送信され、そしてタイマーがリセットされる(ステップ147)。その後、プロセスは、ステップ143へ戻る。新たなパケットが受け取られない場合には、タイマーが時間切れしたかどうかチェックされる(ステップ144)。タイマーが時間切れしない場合には、プロセスはステップ143へ戻る。タイマーが時間切れした場合には、プロセスは、選択されたトラフィックストリームを中断すべきと考え、そしてステップ141へ戻って、新たなトラフィックストリームを選択する。
【0117】
1対1コール管理
図15を参照して、1対1コール管理の例を以下に説明する。1対1トラフィックのために各U−UPF20に静的なポート番号が割り当てられる(図11のポート102のように)。
ユーザが1対1通信の確立を希望する場合には、自分のターミナルMS1においてPTTを押す。MS1は、特定の「1対1」ポート番号102を使用して、自分の認識情報(番号又は名前)を含むリーダーパケットを自分のU−UPF1へ送信すればよい。この特定のリーダーパケットは、この目的のために指定された特定のRTPペイロードの使用により識別される。被呼者(MS2)の認識に加えて、リーダーパケットは、他の当該情報を含む。
【0118】
第1に、発呼者U−UPF1は、この1対1コールにおいて両当事者により使用されるべきSSRC値を指定する。被呼者に到着しそして必要な権利チェックを行うために、ユーザのU−UPF1にここでコンタクトする。次いで、SGMFにコンタクトして、被呼者のU−CPF2アドレスを得、権利チェックを行い、そして発呼者の名前表示に対して正しい形式を定義する。この情報自体は、PoCデータベース又はディレクトリー(PoCメイン情報貯蔵部)に収容され、ここから、SGMFは、必要な情報を得る。この情報は、発呼者のU−CPF1へ戻される。
【0119】
ここで、SIPインバイト要求を使用して、被呼者のU−CPF2にコンタクトする。被呼者のU−CPF2は、被呼者のU−UPF2にメッセージを送信し、このU−UPF2は、次いで、リーダーパケットをMS2へ送信して、1対1コールを受信する能力をチェックする。又、被呼者のU−CPF2には、確認も送信され、このU−CPF2は、次いで、発呼者のU−CPF1にSIP OKメッセージを返送する。発呼者のU−CPF1は、発呼者のU−UPF1へメッセージを送信し、そしてこのU−UPF1は、メッセージを確認する。最後に、SIP確認は、被呼者のU−CPF2へ戻され、そしてネットワークは、コールを首尾良く設定する。
【0120】
肯定(埋め込まれたRTPシグナリング)確認が被呼者のU−UPFから受信された後に、それはMS1へ転送され、ここで、MS1は、ボイスRTPパケットの送信を開始することができる。
この段階において、発呼者が話をし、そしてターミナルMS1は、ボイスを含むRTPパケットを自分のU−UPF20へ送信し、このU−UPF20は、パケットのSSRCフィールドに基づいて、ボイスRTPパケットを被呼者(MS2)のU−UPF20へ送信する。その後、被呼者のU−UPFは、最終的にそれらを(スキャニングプロセスの結果に基づいて)被呼者のターミナルに配送する。
【0121】
被呼者は、PTTを放すことにより通信を終了し、この場合にMS1は、テイラーパケットを送信して、通信の停止をU−UPFへ指示する。又、図9を参照して述べたように、連続性の監視を使用することもできる。
1対1通信において発生し得る幾つかの特殊なシグナリングのケースを以下に例示する。
被呼者は、グループにおいてトラフィックを同時に受信することがある。ダウンリンクの帯域巾は限定されているので、多数のボイスストリームを同じ移動ステーションMSに転送するのは望ましくない(多数のストリームの受信をサポートするに充分な帯域巾がないことを知っている限り)。それ故、ダウンリンクにおける1対1トラフィックは、被呼ユーザのU−UPF20において、グループトラフィックに適用したのと同じスキャニングプロセスを経てルーティングされる。これは、各MSが、一度に1つのボイスストリームのみを送信するように確保する。
【0122】
同様に、同じ被呼者が、同時に2つ以上の1対1コールを受け取ることがある。それ故、被呼者のU−UPFは、MSへの1対1のボイス転送が進行中である場合にはそれを検出しそして同じMSへの同時の1対1ストリームを防止しなければならない。これは、グループ内の多数の話し手を防止する同じプロセスで取り扱われるのが好ましい(1対1ポートにおける到来するトラフィックは、確認されたSSRCに基づいてフィルターされる)。
【0123】
1対1コール設定の失敗は、多数の異なる理由に依存し、この場合に、発呼者のU−UPFは、被呼者のU−UPFから否定(埋め込まれたRTPシグナリング)確認を受け取り、これは、MS1へ転送される。その一例は、MS2のスキャニングプロセスがプライオリティの高いトラフィックを転送するというものである。その別の例は、1)被呼者が未知であり、2)被呼者がPoCサービスに現在ログオンしておらず、3)コール権利チェックが、当事者間の1対1コールが許されないことを指示し、そして4)被呼者が回路モードコールに参加したことを含む。通信当事者が相互両方向通信の感覚を経験するよう確保するために、U−UPFは、スタートする(パケットが転送される)ことが許されているスピーチアイテムがいずれのトラフィックによっても中断されない(プライオリティの高いトラフィックによりオーバーライドされるときを除き)ことを確保するためのタイマーを実施しなければならない。更に、発呼者のU−UPFは、a)スピーチアイテム間の短い休息(数秒程度の)間に会話が中断されず、b)スピーチアイテムの管理が実行され(参加者のいずれか1人がトークスパート状態をオンにする)、そしてc)最大トークスパート時間が観察される(コール参加者のいずれか1人があまり長時間話すことが防止される)ことを確保するためにタイマーを実施する。タイマーa)がオフになると、PoCネットワークにおいて1対1コールがクリアされることに注意されたい。
【0124】
セキュリティ
ユーザは、システムによって与えられる識別(例えば、グループ、話し手)に合理的なレベルで依存できねばならないことが要求される。ユーザは、受信したデータのコンテンツが不正処理されていないことに合理的なレベルで依存できねばならない。合理的なレベルとは、公衆回路交換電話ネットワークにより与えられるものに対応する。
【0125】
この要求を満足するために2つの主たる解決策が示されている。1)RANにより与えられるセキュリティと、RANとCPS11又はブリッジ10との間でIPネットワークにより与えられるセキュリティとに依存し、そして2)ユーザ装置(MS)とCPS11又はブリッジ10との間のIP(IPSec)認証のためにセキュリティアーキテクチャーを使用する。
【0126】
基礎となるRAN及びIPネットワーク手段の両方のセキュリティに依存することは、特に、1)CPS11及びブリッジ10がソースIPアドレスを探索することにより送信ユーザの認識をチェックし、それ故、ネットワークがソースIPアドレスの偽造を防止し、2)MSが送信CPS11又はブリッジ10の認識をチェックし、それ故、ネットワークがソースIPアドレスの偽造を防止し、そして3)基礎となるネットワークがパケットのコンテンツに対する不正処理を容易に許さないことを意味する。
【0127】
大半のユーザは、極端なセキュリティを必要としない。通常は、RANにおけるエアインターフェイス暗号化によって満足なレベルが達成され、IPネットワーク内のトラフィックへの外部からのアクセスを防止する。もし必要であれば、IPネットワークのセキュリティは、ネットワーク要素間にIPSecを使用することにより改善することができる(これは、IPネットワークと、PoC要素、即ちCPS11及びブリッジ10、との両方に適用される)。
【0128】
オプションとして、本発明によるアーキテクチャーは、MSとそのU−UPF20との間にIPSec認証ヘッダ(AH)を使用することを許す。各MS(又はもし必要であれば、ユーザ)は、公衆−プライベートキー対を有し、同様に、U−UPF20も、公衆−プライベートキー対を有する。従って、標準的なIPSecメカニズムを使用して、MSとそのU−UPF20との間にセキュリティ関連性を設定することができる。
【0129】
この構成は、PoCサービスにログオンするMS(又はユーザ)の認証を許す。ログオンの後、MSからU−UPF20への全てのパケットにIPSec認証ヘッダを使用しなければならない。このように、プロキシー20(又は制御の場合にはCPS)に到着するパケットの発生源及び完全性を照合することができる。同様に、プロキシーからMSへの全てのパケットに認証ヘッダを使用することができ、これは、MSがパケットの発生源及び完全性を照合できるようにする。このようにして、セキュリティは、MSとプロキシーとの間の信頼の問題となる。
【0130】
換言すれば、PoCサービスに契約する各MSは、そのU−UPF20と両方向セキュリティ関連性(SA)を有する。完全な作用設定は、更に、1)セキュリティ関連性を設定し管理する手段(インターネットキー交換IKE)、2)信頼のあるソースで公衆キーを照合する手段、及び3)公衆及びプライベートキーを発生し分配する手段(インターネットセキュリティ関連性及びキー管理プロトコルISAKMP)、を必要とする。
【0131】
このメカニズムは複雑に見えるが、標準的で且つ容易に利用できる解決策を使用する。IPSec認証を後で使用する場合には、IPSecのみでユーザにサービスするのに使用される1つのU−UPF20にそれをインストールすることにより徐々に使用に供することができる。換言すれば、認証及び非認証MS及びプロキシーの両方をサポートすることができる。
【0132】
暗号化
特定のユーザは、端−端暗号化を使用できることが要求される。より簡単な別の態様として、2脚の端−ブリッジ−端暗号化を考えねばならない。というのは、これがキー管理を相当に簡単化するからである。
基礎となるネットワークのエアインターフェイス暗号化により提供されるものより高い暗号化要求をもつユーザの場合には、IPSec暗号化セキュリティペイロード(ESP)を使用して、MSとブリッジとの間に機密性(暗号化)を与えることができる。
【0133】
例えば、MS1は、プロキシーへ送信するためのボイスパケットのペイロードを暗号化する。プロキシーは、パケットを暗号解読し、次いで、それらを再び暗号化して、MS2へ転送する。これは、通信当事者がキーを共用する必要なく、端−端暗号化とほとんど同じレベルのセキュリティをユーザに与える。それ故、端−端暗号化に関連した通常のキー管理問題がこのモデルでは生じない。
【0134】
ここに提案するモデルでは、PoC要素(CPS、ブリッジ)がネットワークにおけるセキュリティ基準コンポーネントに過ぎない。それ故、非常に高いセキュリティ要求をもつユーザの場合には、ユーザグループの制御のもとで機密施設に個別のユーザプロキシー及びブリッジをインストールすることが可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態のみを説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されず、特許請求の範囲内で種々変更し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の基本的なアーキテクチャーを示す図である。
【図2】本発明の基本的なアーキテクチャーを示す図である。
【図3】本発明の基本的なアーキテクチャーを示す図である。
【図4】移動ネットワークの無線インターフェイスにおいてアップリンク及びダウンリンクベアラを各々割り当てるところを示すシグナリング図である。
【図5】移動ネットワークの無線インターフェイスにおいてアップリンク及びダウンリンクベアラを各々割り当てるところを示すシグナリング図である。
【図6】グループ管理の概念を示す概略図である。
【図7】PoCサービスへのユーザログオンを示すシグナリング図である。
【図8】グループスピーチアイテムの管理に関するシグナリングを示すシグナリング図である。
【図9】トークスパートタイマーによるPoCグループスピーチアイテムの管理を示すフローチャートである。
【図10】アップストリームタイマーによるダウンストリーム抑制を示すフローチャートである。
【図11】2つのブリッジを伴うユーザ平面グループ通信を示すブロック図である。
【図12】マルチ−ユニキャスト概念を示す図である。
【図13】スキャニングフィルタプロセスを示すブロック図である。
【図14】スキャニングフィルタプロセスの実施を示す図である。
【図15】1対1通信の設定に関するシグナリング及び通信を示すシグナリング図である。
【符号の説明】
【0136】
10 PoCブリッジ
11 PoCコール処理サーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに係り、より詳細には、通信システムにおけるパケットモードスピーチ通信に係る。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムとは、一般に、ユーザがシステムのサービスエリア内を移動するときにワイヤレス通信を行うことのできるテレコミュニケーションシステムを指す。典型的な移動通信システムは、公衆地上移動ネットワーク(PLMN)である。移動通信ネットワークは、ほとんどの場合に、外部ネットワーク、ホスト、又は特定のサービスプロバイダーによりオファーされるサービスへのワイヤレスアクセスをユーザに与えるアクセスネットワークである。
【0003】
プロフェッショナル移動無線又はプライベート移動無線(PMR)システムは、主として、警察、軍事、オイルプラント等の専門及び政府ユーザのために開発された専用無線システムである。PMRサービスは、専用のPMR技術で構築された専用のPMRネットワークを経てオファーされている。この市場は、アナログ、デジタル、従来型及びトランク式等の多数の技術に振り分けられるが、どれも支配的な役割をもたない。TETRA(地上トランク式無線)は、デジタルPMRシステムのためにETSI(ヨーロピアン・テレコミュニケーションズ・スタンダーズ・インスティテュート)により規定された規格である。米国特許第6,141,347号は、グループコールにマルチキャストアドレッシング及び分散型処理を使用するワイヤレス通信システムを介している。
【0004】
PMRシステムにより与えられる1つの特殊な特徴は、グループ通信である。ここで使用する「グループ」という用語は、同じグループ通信、例えば、コールに参加するよう意図された3人以上のユーザの論理的なグループを指す。グループは、論理的に形成され、即ちネットワーク側に維持された特殊なグループ通信情報が特定のユーザを特定のグループ通信のグループに関連付ける。この関連付けは、容易に形成し、変更し又は取り消すことができる。同じユーザが2つ以上のグループ通信グループのメンバーであってもよい。通常、グループ通信グループのメンバーは、警察、消防団、民間会社等の同じ組織に属する。又、通常、同じ組織は、多数の別々のグループ、即ち1組のグループを有する。
【0005】
グループコールは、典型的に、長時間(最長数日間)のもので、その間に通信がめったに行われずそして各対話は通常短いものである。全アクティブトラフィックは、例えば、1つのコール中に15分に過ぎない。各トークバースト即ちスピーチアイテムは、既存のPMRシステムでは平均長さ7秒である。それ故、無線チャンネル又は他の高価なシステムリソースは、常時割り当てることができない。というのは、サービスが著しく高価なものになってしまうからである。プッシュ・ツー・トーク(押して話す)特徴をもつグループ通信は、この問題を克服するPMRネットワークの重要な特徴の1つである。一般に、「プッシュ・ツー・トーク、リリース・ツー・リッスン(押して話し、放して聞く)」特徴をもつグループボイス通信では、グループコールは、スイッチとして電話に「プレッセル(pressel)(PTT、プッシュ・ツー・トークスイッチ)を使用することをベースとし、即ちPTTを押すことによりユーザが話したいことを指示し、ユーザ装置がサービス要求をネットワークに送信する。ネットワークは、その要求を拒絶するか、又は要求されたリソースを、リソースの入手性、要求を発しているユーザのプライオリティ等の所定の基準に基づいて割り当てる。同時に、特定の加入者グループにおける他の全てのアクティブなユーザにも接続が確立される。ボイス接続が確立された後、要求を発しているユーザが話しをし、そして他のユーザは、チャンネル上でそれを聞くことができる。ユーザがPTTを放すと、ユーザ装置が解除メッセージをネットワークへ信号し、リソースが解除される。従って、リソースは、実際のスピーチトランザクション即ちスピーチアイテムに対してのみ予約される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、通信システムにおけるグループ通信に対して種々の要求が生じる。
コール設定時間は、比較的短くなければならず、即ち数秒といった設定時間は許容できない。ユーザがコールを開始するか又はスピーチアイテムを開始するときには、設定の始めに数百ミリ秒以内に話し始めることができねばならない。聴取者は、おそらく約1秒以内に話を聞かねばならない。半二重メカニズムが使用されるので、この音声遅れは長いものである。これらの値は、一例に過ぎない。
【0007】
グループ通信は、トラフィックの秩序を必要とし、即ち一方が話すときに他方が聞くことを必要とする。それ故、無線インターフェイスは、半二重型である。一度に一方向しかアクティブでない。通信システムは、グループにおいて一度に1人のメンバーしか話さないように制御できねばならない。
ユーザは、同じ時間に多数のグループに属することができる。それ故、通信システムは、ユーザへ同時に多数のグループ通信がある場合にはユーザが聴取するグループを選択しそしてプライオリティ決めできねばならない。
【0008】
プッシュ・ツー・トーク型のグループコールは、従来のPMRユーザだけではなく、多数の他の形式のユーザにとっても魅力的である。例えば、個人は、趣味グループやスポーツグループ等のグループと話したいことがある。又、小さな会社のユーザも、就業日に、同じ仕事グループ内で、社内又は仕事のコミュニティにおいて、頻繁なジョブ関連通信に対してプッシュ・ツー・トーク型のグループ通信特徴を利用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、パケットモードスピーチ通信サービスを提供しそして管理する新規な方法を提供することである。
本発明のこの目的は、独立請求項に記載した方法、システム、ネットワークユニット及び加入者装置により達成される。
【0010】
本発明の1つの特徴によれば、メインストリームのセルラー無線ネットワークは、パケットモード(例えば、IPベース)グループ通信サービスが最上部において提供される無線アクセスネットワークとして機能する。実際に、本発明により必要とされる全ての新規な要素及び機能は、無線アクセス及び移動コアネットワークの外部である。従って、無線アクセス及び移動コアネットワークは、メインストリームネットワーク要素に経費のかかる変更を必要とせずに、使用することができる。換言すれば、グループ通信サービスは、標準的なメインストリーム無線アクセスネットワーク(例えば、移動通信用のグローバルシステムGSM、及びユニバーサル移動テレコミュニケーションシステムUMTS)を介して実行でき、インフラストラクチャーにおけるエンドユーザ当たりの投下資本はかなり低く、従って、オペレータにとって魅力的である。本発明の一実施形態では、グループ通信サービスは、移動無線ネットワークのインターネットプロトコル(IP)データサービスの最上部においてボイスオーバーIP(VoIP)データアプリケーションとして実施される。IPベースのグループ通信サービスにおいてアクティブで、例えば、グループコールにおいてアクティブないかなるユーザも、無線アクセスネットワークを経てグループ通信サービスエンティティへと予め確立された論理的接続を有する。例えば、GPRSサービス(汎用パケット無線サービス)に使用されるパケットデータプロトコル(PDP)コンテクストと同様の論理的接続を使用することができる。送信及び受信端のエアインターフェイスにおけるチャンネルリソースを含む実際の通信経路をオープンにし、そしてリソースをトークアイテムの時間中だけ予約することが必要である。コール設定シグナリング、認証、暗号キーの合意及びサービスパラメータのネゴシエーションは、論理的接続が既に存在するので、リソース予約段階には必要とされないが、物理的なリソースは、シグナリング手順を使用することにより予約されオープンされる。従って、短い接続設定時間を達成することができる。
【0011】
本発明の一実施形態では、スピーチアイテムを制御することに関連した全てのシグナリングは、ユーザトラフィックに埋め込まれたユーザ平面シグナリングとして実施される。本発明の一実施形態では、ユーザトラフィックは、リアルタイム搬送(RTP)パケットの形態である。本発明の一実施形態では、埋め込まれたスピーチアイテムシグナリングは、RTPパケットのようなユーザボイスデータパケットを含むユーザトラフィックストリームの始めに送信されるリーダーパケットを含み、そしてグループ通信サービスエンティティが、そのリーダーパケットに基づいてスピーチアイテムを許可又は拒絶する。本発明の一実施形態では、グループ通信サービスは、リーダーパケットに基づいてスピーチアイテムを許可するときに、そのリーダーパケット及びそれに続くボイスパケットを含むユーザトラフィックストリームを受信メンバーへ転送することにより、グループの受信メンバーへのスピーチアイテム通信をオープンする。本発明の一実施形態では、埋め込まれたスピーチアイテムシグナリングは、RTPパケットのようなユーザボイスデータパケットを含むユーザトラフィックストリームの終わりに送信されるトレーラーパケットを含み、そしてグループ通信サービスエンティティは、そのトレーラーパケットに基づいてスピーチアイテムを終了させる。本発明の一実施形態では、グループ通信サービスエンティティは、ユーザトラフィックストリームの終りにトレーラーパケットを受信グループメンバーに転送し、受信グループメンバーへのスピーチアイテム通信を終了させる。本発明の別の特徴は、通信システムにおけるパケットモードグループボイス通信方法であって、
上記通信システムの最上部にグループ通信サービスエンティティを用意し、
上記グループ通信サービスエンティティに、少なくとも1つのグループ通信グループにおけるグループメンバーの個々のアドレスを与え、
上記グループメンバーの1つから上記グループ通信サービスエンティティへボイスパケットを送信し、各ボイスパケットは、上記少なくとも1つのグループにアドレスされ、そして
上記個々のアドレスに基づいて上記グループメンバーの各受信メンバーに上記ボイスパケットを個々に転送する、
という段階を備えた方法にある。
【0012】
本発明の更に別の特徴は、通信システムにおけるパケットモードグループボイス通信方法であって、
グループ通信サービスエンティティに、グループ通信グループのグループメンバーの個々のアドレスを設け、
アウトバンドシグナリングにより各グループメンバーから上記グループ通信サービスエンティティへの個々の論理的接続を形成し、
ユーザトラフィックストリームに埋め込まれたリーダーパケットを上記グループメンバーの1つから上記個々の論理的接続を経て上記グループ通信サービスエンティティへ送信することにより上記グループのスピーチアイテムをスタートし、各リーダーパケットは、各グループメンバーの識別子を含むものであり、
上記グループ通信サービスエンティティは、i)上記スタートしたスピーチアイテムを拒絶するか、又はii)上記スタートしたスピーチアイテムを上記1つのグループメンバーへ許可し、そして上記ユーザトラフィックストリームにおいて上記リーダーパケット及びその後続のボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて上記グループ内の上記グループメンバーの各受信メンバーへ個々に転送する、
という段階を備えた方法にある。
【0013】
本発明の更に別の特徴は、パケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてトラフィックストリームを管理する方法であって、
少なくとも1つのグループ通信グループ又は1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされたトラフィックストリームを管理するためのユーザ特有の通信機能を用意し、
第1のグループ通信グループ又は第1の1対1通信に関連した第1のボイスパケットストリームであって、少なくとも上記第1のグループ通信グループ又は上記第1の1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされた第1のボイスパケットストリームを受信し、
上記第1のボイスパケットストリームを上記各ユーザへ転送し、
上記第1のボイスパケットストリームの連続性を監視し、
少なくとも1つの更に別のグループ又は1対1通信に関連した少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームを受信し、
上記第1のボイスパケットデータストリームが連続する場合には上記少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームをいずれも上記ユーザへ転送せず、
上記第1のボイストラフィックストリームが所定時間周期中不連続であった場合は上記少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームの1つを上記ユーザへ転送する、
という段階を備えた方法にある。
【0014】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、上記通信システムの最上部に設けられたグループサーバーを備えたサーバーシステムにおいて、上記グループサーバーが、更に、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶するための手段と、
上記グループメンバーからボイスパケットを受信するための手段であって、各受信したボイスパケットは、各パケットがアドレスされる通信グループを識別する情報を含むような手段と、
通信グループ当たり1つのグループメンバーへのスピーチアイテムを順次に許可するための手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有する上記グループメンバーから受信した各ボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて、上記各グループ通信グループにおける各受信メンバーへ別々にユニキャストするための手段と、
を備えたサーバーシステムにある。
【0015】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、上記通信システムの最上部に設けられたグループサーバーを備えたサーバーシステムにおいて、上記グループサーバーが、更に、
グループ通信のソースを識別しそして認証するための手段と、
グループにおいて一度に1つのグループメンバーしか話さないように制御するための手段と、
現在話をしているグループメンバーからのボイスパケットが向けられるところのグループ内のアクティブなグループメンバーをチェックするための手段、及び到来するボイスパケットから、上記アクティブなグループメンバーの各々へ別々に転送されるべき出て行くパケットを発生するための手段と、
1つのグループメンバーへ向けられた考えられる多数の到来するトラフィックストリームから、上記1つのグループメンバーへ転送されるべきものを選択するための手段と、
を備えたサーバーシステムにある。
【0016】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、
グループ特有の通信機能を与える少なくとも1つの第1グループ通信ネットワークエンティティを備え、この第1グループ通信ネットワークエンティティは、更に、
少なくとも1つのグループ通信グループにおけるグループメンバーの個々のアドレスを記憶するデータメモリと、
上記グループメンバーからボイスパケットを受信するための手段であって、各々の受信されたボイスパケットは、各パケットがアドレスされた通信グループを識別する情報を含むような手段と、
スピーチアイテムを、通信グループ当たり1つのグループメンバーに順次に許可するための手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有する上記グループメンバーから受信した各ボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて、上記各グループ通信における各受信メンバーへ別々にユニキャストするための手段と、
を含み、そして更に、
少なくとも1人のユーザに対してユーザ特有の通信機能を与える少なくとも1つの第2ユーザ通信ネットワークエンティティを備え、これにより、上記第2ユーザネットワークエンティティにより管理されるユーザからのグループ関連通信が、先ず、上記第2ユーザネットワークエンティティへルーティングされ、次いで、適当な第1グループネットワークエンティティへ転送され、そして上記少なくとも1つの第1グループネットワークエンティティからのユニキャストボイスパケットは、そのボイスパケットを各ユーザへ送信する前に、先ず、上記第2ユーザネットワークエンティティへルーティングされるサーバーシステムにある。
【0017】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、
グループ特有の通信機能を与える少なくとも1つのグループ通信ネットワークエンティティを備え、このグループネットワークエンティティは、更に、
グループにおいて一度に1つのグループメンバーしか話さないように制御するための手段と、
現在話をしているグループメンバーからのボイスパケットが向けられるところのグループ内のアクティブなグループメンバーをチェックし、そして到来するボイスパケットから、上記グループ内の少なくとも1つのアクティブなメンバーにサービスしているユーザサーバーへ別々に転送されるべき出て行くパケットを発生するための手段と、
少なくともユーザのためのユーザ平面にユーザ特有の通信機能を与えるユーザ通信ネットワークエンティティと、
を備え、このユーザネットワークエンティティは、更に、
グループ通信のソースを識別しそして認証するための手段と、
1つのグループメンバーへ向けられた考えられる多数の到来するトラフィックストリームから、上記1つのグループメンバーへ転送されるべきものを選択するための手段と、
を備えたサーバーシステムにある。
【0018】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムであって、
ユーザ平面にグループ特有の通信機能を与える少なくとも1つのグループ通信ネットワークエンティティを備え、このグループネットワークエンティティは、更に、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶するための手段と、
上記グループメンバーからボイスパケットを受信するための手段であって、各受信されたボイスパケットは、各パケットがアドレスされる通信グループを識別する情報を含むような手段と、
通信グループ当たり1つのグループメンバーへスピーチアイテムを順次に許可するための手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有する上記グループメンバーから受信した各ボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて、上記各グループ通信における各受信メンバーへ別々にユニキャストするための手段と、
を含み、更に、
少なくとも1人のユーザに対してユーザ平面にユーザ特有の通信機能を与えるユーザ通信ネットワークエンティティを備え、これにより、上記ユーザネットワークエンティティにより管理されるユーザからのグループ関連通信が、先ず、上記ユーザネットワークエンティティへルーティングされ、次いで、適当なグループネットワークエンティティへ転送され、そして上記少なくとも1つのグループネットワークエンティティからのユニキャストボイスパケットが、そのボイスパケットを各ユーザへ送信する前に、先ず、上記ユーザネットワークエンティティへルーティングされ、更に、
上記グループネットワークエンティティにおいてグループ通信の制御平面管理を果たすグループコール処理エンティティと、
上記ユーザネットワークエンティティにおいて通信の制御平面管理を果たすユーザコール処理エンティティと、
を備えたサーバーシステムにある。
【0019】
本発明の更に別の特徴は、パケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてスピーチアイテムを管理するためのネットワークユニットであって、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶するための手段と、
上記グループメンバーからボイスパケットを受信するための手段であって、各受信されたボイスパケットは、各パケットがアドレスされる通信グループを識別する情報を含むような手段と、
通信グループ当たり1つのグループメンバーへスピーチアイテムを順次に許可するための手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有する上記グループメンバーから受信した各ボイスパケットを、上記個々のアドレスに基づいて、上記各グループ通信グループにおける各受信メンバーへ別々にユニキャストするための手段と、
を備えたネットワークユニットにある。
【0020】
本発明の更に別の特徴は、少なくとも1つのグループ通信グループ又は1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされたトラフィックストリームを管理するためのネットワークユニットであって、
上記ユーザにアドレスされた第1グループ又は1対1通信に関連した第1ボイスパケットストリームを、ユーザへユニキャストするために選択する手段と、
上記選択された第1ボイスパケットストリームの連続性を監視するための手段と、
上記現在選択されたボイスパケットストリームが連続的である場合には、少なくとも1つの更に別のグループ又は1対1通信に関連した他の受信されたボイスパケットストリームを破棄するための手段、及び上記最初に選択されそしてユニキャストされた第1ボイストラフィックストリームが所定の時間周期中不連続であった場合には、別の受信されたボイスパケットストリームを選択して上記ユーザにユニキャストするための手段と、
を備えたネットワークユニットにある。
【0021】
本発明の更に別の特徴は、通信システムにおいて1対1のボイス通信を確立するための方法であって、
上記移動通信システムの最上部に通信サーバーを設け、
上記通信サーバーと、上記通信サーバーにおいてアクティブな通信サービスを受ける各ユーザとの間に個々の論理的接続を形成し、
ユーザから上記個々の論理的接続を各々経て上記通信サーバーへトラフィックストリームに埋め込まれたリーダーパケットを送信することにより通信をスタートする、
という段階を備え、各リーダーパケットは、上記送信ユーザ及び受信ユーザの識別子を含み、そして
上記通信サーバーは、i)上記スタートされたスピーチアイテムを拒絶するか、又はii)上記スタートされたスピーチアイテムを上記送信ユーザに対して許可し、そして上記ユーザトラフィックストリームの上記リーダーパケット及びその後続するボイスパケットを、上記受信ユーザの上記受信された識別子に基づいて上記受信ユーザへ転送するようにした方法にある。
【0022】
本発明の別の特徴は、パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
通信システムを経てパケットデータ通信するためのメカニズムと、
上記メカニズムの最上部にあるグループ通信アプリケーションと、
を備え、上記アプリケーションは、グループ通信サーバーへの論理的パケット接続を確立するための第1手段を有し、そして
上記アプリケーションは、上記グループ通信サーバーとの間でボイスパケットを送信及び受信するための第2手段を有している加入者装置にある。
【0023】
本発明の更に別の特徴は、パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
プッシュ・ツー・トーク手段と、
ユーザにより上記プッシュ・ツー・トーク手段が作動されるのに応答して、ユーザトラフィックストリームにおいてリーダーパケット及びそれに続くボイスパケットを上記グループ通信サービスへ送信し、それにより、スピーチアイテムをスタートさせる手段と、
を備えた加入者装置にある。
【0024】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供する方法において、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶し、
制御平面シグナリングを使用して上記グループ通信グループを管理し、
グループメンバーが、ユーザトラフィックストリームに埋め込まれたユーザ平面シグナリングを使用してスピーチアイテムを要求し、
上記埋め込まれたユーザ平面シグナリングに基づき通信グループ当たり1つのグループメンバーに対してスピーチアイテムを順次に許可し、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有するグループメンバーからボイスパケットを受け取り、各受け取られたボイスパケットは、各パケットがアドレスされた通信グループを識別する情報を含み、そして
上記埋め込まれたユーザ平面シグナリングと、スピーチアイテムを有するグループメンバーから受け取られた各ボイスパケットとを、上記個々のアドレスに基づき、上記各グループ通信グループ内の各受信メンバーへ別々にユニキャストする、
という段階を備えた方法にある。
【0025】
本発明の更に別の特徴は、通信システムのためのパケットモードグループ通信サービスを提供するサーバーシステムにおいて、
少なくとも1つのグループ通信グループ内のグループメンバーの個々のアドレスを記憶する手段と、
制御平面シグナリングを使用して上記グループ通信グループを管理する手段と、
ユーザトラフィックストリームに埋め込まれたユーザ平面シグナリングを使用して上記グループメンバーにより送信されたスピーチアイテム要求スピーチに基づいて通信グループ当たり1つのグループメンバーへスピーチアイテムを順次に許可する手段と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを有するグループメンバーからボイスパケットを受け取る手段であって、各受け取られたボイスパケットは、各パケットがアドレスされた通信グループを識別する情報を含むものであるような手段と、
上記埋め込まれたユーザ平面シグナリングと、スピーチアイテムを有するグループメンバーから受け取られた各ボイスパケットとを、上記個々のアドレスに基づき、上記各グループ通信グループ内の各受信メンバーへ別々にユニキャストする手段と、
を備えたサーバーシステムにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
本発明は、エンドユーザ間のパケットモード通信と、オーバーレイパケットモードグループ通信サービスとを許すアクセスネットワークとして使用することのできるいかなるデジタル通信システムにも適用できる。本発明は、GPRS型パケット無線をベースとする移動通信システムに特に好ましく使用される。以下、本発明の好ましい実施形態は、GPRSサービス及びUMTS又はGSMシステムにより説明するが、本発明は、この特定のパケット無線システムに限定されるものではない。本発明の好ましい実施形態に使用されるIPボイス通信方法は、ボイスオーバーIP(VoIP)であるが、本発明は、この特定の方法に限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の好ましい実施形態の基本的アーキテクチャーを示す。ここに示す実施形態では、IPパケットデータサービスを提供する移動無線アクセスネットワーク(RAN)は、2G無線アクセス技術、例えば、ベーストランシーバステーションBTS及びベースステーションコントローラBSCを伴うGSMベースステーションサブシステムBSSを使用するGPRSアーキテクチャーをベースとしている。GSM無線アクセスは、従来型でもよいし、又はGSMエンハンストデータレート・フォー・GSMエボリューション(EDGE)技術をベースとするものでもよい。後者の場合には、無線アクセスは、全IPのGSM無線アクセスネットワークであるGERANと称される。或いは又、3G無線アクセスネットワークUTRAN(UMTSのような)が使用されてもよい。全IPコアネットワークは、GERAN及びUTRANの両方に使用することができる。移動ネットワークのアーキテクチャーは、本発明にとって重要でなく、本発明の理解を容易にするためにGPRSインフラストラクチャー及びオペレーションについて簡単に説明する。GPRSインフラストラクチャーは、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)及びサービングGPRSサポートノード(SGSN)のようなサポートノードを備えている。SGSNの主たる機能は、そのサービスエリアにおいて新たなGPRS移動ステーションを検出し、新たな移動ステーションMS(ユーザ装置UEとも称される)をGPRSレジスタに登録するプロセスを取り扱い、MSへ/からデータパケットを送信/受信し、そしてそのサービスエリア内のMSの位置の記録を保持することである。契約情報は、GSM/GPRSレジスタ(ホーム位置レジスタHLR又は3G全IPネットワークのホーム加入者サーバーHSS)に記憶される。GGSNノードの主たる機能は、外部データネットワークとの相互作用である。又、GGSNは、民間会社のネットワーク又はホストに直結されてもよい。GGSNは、PDPアドレス及びルート情報、即ちアクティブなGPRS加入者のためのSGSNアドレスを含む。GGSNは、SGSNにより供給されるルート情報を使用して位置ディレクトリーを更新する。GGSNは、ルート情報を使用して、プロトコルデータユニット(PDU)を外部ネットワークからMSの現在位置即ちサービングSGSNへGPRSトンネルプロトコル(GTP)に基づいてトンネル搬送する。トンネル搬送とは、データパケットが、トンネルの一端から他端へ転送される間に別のデータパケットへカプセル化されることを意味する。又、GGSNは、MSから受信したデータパケットをカプセル解除して適当なデータネットワークへ転送する。GPRSデータを送信及び受信するために、MSは、PDPアクチベーション手順を要求することにより、それが使用を希望するパケットデータアドレスをアクチベートする。このオペレーションは、MSを対応するGGSNに分からせ、外部データネットワークとのインターワーキングを開始できるようにする。より詳細には、1つ以上のPDPコンテクストが生成されて、MS、GGSN及びSGSNに記憶される。PDPコンテクストは、PDP形式(例えば、X.25又はIP)、PDPアドレス(例えば、IPアドレス)及びサービスクオリティ(QoS)のような異なるデータ送信パラメータを定義する。
【0028】
図1において、移動ネットワークを経て移動ステーション(MS)へグループ通信サービスを提供するために移動ネットワークの最上部にプッシュ・ツー・トーク・オーバー・セルラー(PoC)層が設けられる。概念的に、このPoC層は、一対の基本的論理エンティティ、即ちPoCブリッジ10及びPoCコール処理サーバー(CPS)11を備えている。ブリッジ10及びCPS11は、通常、IPネットワークを経てGGSNに接続される。ブリッジ10及びCPS11は、PMRアプリケーションを実行し、これは、IP移動RANにより与えられるIP接続を経て移動ステーションMSのPMRアプリケーションと通信する。この通信は、シグナリングパケット、及びボイス(グループ及び1対1)通信パケットの両方を含む。
【0029】
CPS11は、PMR通信の制御平面管理を行う。その重要な役割は、本発明の実施形態において次のモジュールで実施される種々の機能を必要とする。即ち、PoC通信に対して確立されたセッション開始プロトコル(SIP)のような適当なセッション制御プロトコルでシグナリングされるグループメンバーシップのセッションを取り扱い、そしてユーザプロフィール(コール権利、グループアクティブメンバーシップ、スキャニング設定等)を管理するアプリケーションである「PMRサーバー」;SIPシグナリングのユーザ位置及びルーティング機能を与えるSIPプロキシー/ロケーションサーバー;ユーザ登録/認証のためのSIPレジスタ;及びグループ&ユーザ特有情報(メンバーシップ、権利、スキャニング設定等)に基づきIP層データ分布に含まれるネットワークエンティティ(PoCブリッジ)を制御するメディアゲートウェイコントローラ。しかしながら、本明細書では、共通の語「CPS」は、CPSの考えられる全ての機能を指す。
【0030】
しかしながら、PMR管理要求は、グループ及びユーザ特有のものに分割することができ、本発明の一実施形態では、図2に示すように、2種類のCPSサービスが定義される。グループ通信のためのSIPセッションは、グループ制御平面機能(G−CPF)(G−CPF)23(例えば、サーバーにおける)により取り扱われる。ユーザがグループにアタッチするときには、G−CPF23は、相対的なSIPインビテーショントランザクションを処理し、そしてユーザの受信者と、相対的トラフィック分布の役割を果たすネットワークエンティティとの間の適切なマップ設定を実行する。ユーザ−制御平面機能(U−CPF)22(例えば、制御平面プロキシーサーバー)は、基本的に、IPネットワークとユーザとの間の制御平面インターフェイスである。このネットワークエンティティにより、ユーザはシステムにログオンし、そしてそれらの動作設定(スキャニング設定、選択されたグループ等)をネゴシエーションする。これは、ユーザのプロフィールを取り扱い、そしてユーザの1対1コールを管理する。これは、論理的な分離に過ぎず、両種類のCPSを同じコンピュータに位置させられることが明らかである。G−CPSとU−CPFとを分離させると、ユーザは、異なるオペレータ及びIPドメインの異なるイントラネット又は移動ネットワークにおいてG−CPFにより取り扱われるPoCグループを結合することができる。又、分割は、システムに実際に無限数のグループ又はユーザを許すことにより拡張性ももたらす。
【0031】
再び図1を参照すれば、ブリッジ10は、VoIPパケットをユーザターミナルへ、それらのグループメンバーシップ、それらのスキャニング設定、及び最終的なプリエンプション又は非常事態に基づいてリアルタイムで配布する役割を果たす。各ブリッジは、CPSによりプログラムされた有効な接続間でのみトラフィックを転送する。ブリッジ10は、次の機能の1つ以上を実行する。
入力チェック:トラフィックソースを識別しそして認証する(任意であるが、以下に説明するリーダーRTPパケットにおけるニューモニックは、ここで処理されねばならない)。又、入力チェックは、セキュリティ手順を実行しそしてサポートするアクションも含む。
【0032】
入力フィルタリング:グループにおいて一度に1人の話し手だけが話す(即ちスピーチアイテムを許可する)ように管理し、そして任意であるが、高いプライオリティのボイスアイテムにプライオリティを与える。
増倍:フィルタリングプロセスの後に、ブリッジ10は、トラフィックが向けられるグループのアクティブなメンバーをチェックし、そして各アクティブなメンバーに対する「ダウンリンク」パケットを到来するパケットから発生する。
スキャニングフィルタリング:同じユーザに向けられる多数の到来するトラフィックストリームから、ユーザのスキャニング設定に基づきユーザ受信者へ転送されるべきものを選択する。
【0033】
この場合も、入力フィルタリング及び増倍がグループ特定のプロセスであるから、入力チェック及びスキャニングフィルタリングはユーザ特有であるが、次の2種類のアプリケーションブリッジは、図2に示すように、本発明の一実施形態において定義されている。
第1に、グループ−ユーザ平面機能(G−UPF)G−UPF21(例えば、サーバーにおける)は、グループメンバーのオーディオパケットが送信される(それらのU−UPFを経て)ネットワークエンティティであって、入力フィルタリング及び増倍プロセスが実行されるところのネットワークエンティティである。各新たなグループには、G−CPF23が、G−UPF間でできるだけ均一にトラフィックを分布する負荷バランス基準に基づいて、単一のG−UPF21を指定する。
【0034】
ユーザ−ユーザ平面機能(U−UPF)U−UPF20(例えば、サーバーにおける)は、U−CPF22によりそこに指定された個々の加入者に対して入力チェック及びスキャニングプロセスを実行する。セキュリティの目的で、U−UPF20は、それが取り扱う各移動ターミナルに対してセキュリティの関連性を有する。U−UPF20は、移動ターミナルからネットワークの複雑さを隠し、従って、ユーザは、全てのユーザ平面トラフィックをこのユニットに送信するだけでよく、このユニットは、その後、適切なU−CPF22のマッピング設定に基づいてそれを転送する。このように、各ユーザと、パケットを受け取るところのU−UPF20を信頼すべきである全てのIPネットワークエンティティとの間に機密チャンネルを確立する必要がある。
【0035】
制御平面要素については、この論理的分割は、G−UPF及びU−UPF実施の間に物理的な分離を必ずしも必要とせず、従って、それらを同じコンピュータに配置することができる。
ユーザ及びグループのセッションを管理する役割を果たすU−CPF22及びG−CPF23は、各々、特定の制御平面シグナリングを必要とする。ETSIの3GPP(ヨーロピアン・テレコミュニケーションズ・スタンダーズ・インスティテュート、第3世代パートナーシッププロジェクト)の仕様は、いわゆる全IPネットワークにおいてIPベースのボイス通信を含む。このような全IPネットワークは、IPネットワークにおいてボイス通信(ボイスオーバーIP即ちVoIP)を可能にする。VoIPの場合に、RFC2543において定義されるセッション開始プロトコル(SIP)のようなコール制御シグナリングが指定される。それ故、好ましい実施形態では、SIPは、PoCコールセッションをサポートしそして管理するように選択される。しかしながら、他のIPセッションプロトコルを使用してもよい。更に、本発明の好ましい実施形態では、IP層のトラフィック分布に含まれるG−UPF21及びU−UPF20を制御するためにG−CPF23及びU−CPF22によってメガコ(Megaco)(RFC3015において定義された)が使用される。しかしながら、ユーザ平面要素のスイッチングを制御するための他の対応するプロトコルが使用されてもよい。更に、転送を取り扱うためにRTP(RFC1889において定義されたリアルタイム搬送プロトコル)が選択されており、そしてボイスパケット(VoIP)の配送を取り扱うためにQoSメカニズムが必要とされる。
【0036】
メガコは、物理的に分解されるマルチメディアゲートウェイのための一般的フレームワークを定義する。その接続モデルは、ターミネーション及びコンテクストである2つの主たる抽象作用に基づいている。前者は、1つ以上のストリームをソースし及び/又はシンクするMGW(即ちPoCブリッジ)における論理的エンティティであり、一方、後者は、2つ以上のターミネーションが同じ関連付けに含まれる場合には、トポロジー(誰が誰を聞き/見るか)を記述するターミネーションの集合と、メディア混合及び/又はスイッチングパラメータとの間の関連付けである。コンテクストに対するある優先的取り扱いに関する情報をMGWに与えるためにMGC(即ち、PoC CPS)によりプライオリティの値を使用することができ、そして優先的取り扱いを許すために、非常コールの指示も与えられる。プロトコルは、その接続モデル、コンテクスト及びターミネーションの論理的エンティティを操作するためのコマンドを与え、ここでは、PoCブリッジ10(G−UPF21及びU−UPF20)における適切なトラフィック経路及びフィルタリング/スキャニングプロセスをプログラムするためにPMRCPS11(G−CPF23及びU−CPF22)により要求される融通性及び機能を与えるものと仮定する。
【0037】
SIPプロトコルは、コール制御、ユーザ位置及び登録のためのシグナリングメッセージを定義し、これらは、PoC解決策の好ましい実施形態では、特定のPMR通信及び関連参加ユーザを取り扱うために使用されている(コールセッションの確立、連結及び分解、PoCサービスへのユーザログオン、ユーザプロフィールネゴシエーション等)。
【0038】
各PoC通信に対して、SIPセッションが確立され、そしてそれを取り扱うCPSによって管理される(グループ及び1対1通信に対して各々G−CPF23及びU−CPF22)。ユーザがグループのアクティブなメンバーになろうとするときには、それに対応するセッションに加わらねばならない。1対1のコールの場合には、PoCのU−CPFは、各1対1コールに対する参加U−CPF間の1つのセッションを維持する。
【0039】
ユーザの全ての出て行くトラフィック及び到来するトラフィックは、ユーザに指定されたU−UPF20を通らねばならない。特に、アップリンクでは、ユーザのトラフィックは、ユーザのU−UPF20によってチェックされ、そしてトラフィックが向けられるグループを取り扱うG−UPF21へ転送されるか、又は1対1の通信の場合には、被呼者を取り扱うU−UPF20へ転送される。
【0040】
ダウンリンクでは、トラフィックは、行先ユーザのU−UPF20へ分配される(グループ通信の場合には、G−UPF21におけるパケット増倍により、パケットが増倍され、そしてグループのサービングアクティブメンバーである各U−UPFへ転送される)。U−UPFでは、ユーザのスキャニングプロセスが実行され、そしてトラフィックが増倍されて、現在スキャニング設定に基づきグループを聴取する各ユーザへ転送される。
【0041】
このPoC解決策は、アクセスとは独立しており、これは、GSM、WCDMA、WLAN又は同等の技術の最上部で実行できることを意味する。但し、それらが、常時オンのVoIPベアラをサポートできる場合に限る。IP層の音声分布は、標準的なVoIPメカニズム(RTPのような)を使用し、一方、特定のインターネットプロトコル又はインターフェイスは、加入者及びグループマネージメント機能(SGMF)25、ドメインネームサーバー(DNS)24、WWW/WAP(ワールドワイドウェブ/ワイヤレスアプリケーションプロトコル)、及びセキュリティマネージメントサーバーのような補足的ネットワークエンティティを接続するのに使用される。各ネットワークエンティティは、IPパケットを転送及びルーティングするところの少なくとも1つのIPアドレスに明らかに関連しているが、ネットワーク要素の役割は、SIPの観点から定義されねばならない。各MSは、SIPユーザエージェント(UA)であり、従って、その各々は、通常「username@hostname」であるSIPアドレス(URL)を有し、ここで、hostnameは、MSが登録されねばならないU−CPF22に関連付けできるが、必ずしも関連付けされなくてもよい。このU−CPF22は、MSが自分の制御のもとで到着するのを許すと共に、SIPシグナリングのルーティングをサポートするために、レジスタ、ロケーション及びプロキシーSIPサーバーとして働かねばならない。音声データの分配に排他的に含まれるG−UPF21及びU−UPF20は、実際のSIPメカニズムにおいて役割をもたず、そしてコアネットワークは、単に、単一のIPネットワークリンクとして見える。SIPシグナリングレベルにおいて、URLは、ユーザ及びグループ識別に使用される。URLは、RFC2543において定義されたsip:URL、RFC2806において定義された電話番号を表わすtel:URL、又は他のURLフォーマットである。REGISTER(登録)方法は、sip:URLと共に使用され、即ちSIP URLは、PoCシステムにおけるユーザメイン認識である。プライベートナンバリングプラン番号(飲み)でのユーザのダイヤリングは、To:ヘッダフィールドにtel:URLを使用して行うことができる(sip:URLは、常時存在するホスト部分を有していなければならない)。二次的認識は、例えば、b−当事者が同じバーチャルプライベートネットワーク(VPN)からのものである場合に、1対1コールに対してb−当事者をアドレスするために使用することができる。グループは、常に、sip:URLでアドレスされ、ここでは、ユーザ名に代わってグループ名が使用され、そしてホストがホスト部分においてグループ(もし分かれば、正確なG−CPF)を管理する。ユーザ平面におけるアドレッシングは、以下で詳細に説明する。
【0042】
更に、管理及び情報問合せ/更新の目的でPoCシステムにはSGMF25が設けられるのが好ましい。SGMF25を経て、管理の権利を有するオペレータ又は通常のユーザは、PoCシステムにおいてユーザ及びグループを生成し、削除しそして変更することができる。又、ユーザ及びグループに関連したアクセス権利を生成しそして変更することができる。情報それ自体は、構造化問合せ言語(SQL)データベースのようなデータベース、又はライトウェイトディレクトリーアクセスプロトコルLDAP(RFC2251で定義された)ディレクトリーのようなディレクトリーに収容することができる。これらのデータ貯蔵部は、スタンドアローン型でもよいし、SGMF25と共通に配置されてもよい。このデータベース又はディレクトリーは、PoCシステムにおけるメインデータ貯蔵部である。管理の権利を有する通常のユーザは、WWW/WAPインターフェイスを使用してSGMFにアクセスすることができる。SGMF25の重要な機能は、U−CPF22及びG−CPF23から到来する要求を処理し、そしてデータベース及びディレクトリーのフェッチ及び更新を要求に基づいて行うことである。
【0043】
SOAP(ワールドワイドウェブコンソーシアムW3Cにより定義された簡単なオブジェクトアクセスプロトコル)、又は同様のプロトコルを、U−CPF22とSGMF25との間のインターフェイス、並びにG−CPF23とSGMF25との間のインターフェイスに使用することができる。
【0044】
ユーザ装置又は移動ステーションMSは、特定の移動通信システムに使用される標準プロトコルスタックの最上部のユーザ層にPoCアプリケーションを有している。SIP及びRTPプロトコルは、基礎となる送信制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)及びIPプロトコルを使用し、これらは、更に、無線リソースのような物理層リソースを使用する。更に、WAPスタックを使用して、SGMF25又は別のサーバー上のWAPページをアクセスすることができる。
【0045】
図3には、1つの考えられる一般的なPoCアーキテクチャーが示されている。IPバックボーン29は、例えば、IP移動バックボーン、LAN、PoCイントラネット、又は2つ以上の個別のイントラネット、等である。
PoC移動MSは、ユーザによりPoCモードが選択されたときに、次の2つのGPRSコンテクストを設定する。a)制御平面シグナリング(グループ管理、登録等)のためにTCP/IPと共に使用されるべきPoC CPS11へのもの;及びb)RTP、UDP、会話IPクオリティクラス又は同様のもの並びに無線経路を経ての充分なヘッダ圧縮を使用してPoCブリッジ10へ/から搬送されるボイスに対するもの。移動又は移動ネットワークが2つの同時コンテクストをサポートしない場合には、移動は、SIPシグナリングトランザクションの時間中RTP接続をクリアダウンしなければならない。PoC移動MSは、PoCモードがオンであるときにはブリッジ10へのコンテクストを常に維持しなければならない。又、SIPコンテクストは、常にオンであるのが好ましいが、これがネットワーク容量又はPoC以外のサービスのアクセス性に対して問題を生じる場合には、シグナリングトランザクションの時間中にSIPコンテクストも設定することができる。この場合には、セルラーネットワークは、ネットワーク開始コンテクスト設定をサポートしなければならないことに注意されたい。SIPセッションは、電源オン時又はPMRモードアクチベーションにおいてシグナリングされる。SIPセッションは、常にオンであり、従って、PMRボイスアイテムに対してはSIPシグナリングが不要である。全てのボイスは、PTTアクチベーションの後に既存のコンテクストを経て送信される。このメカニズムは、高速コール設定を可能にする。
【0046】
移動RANの無線インターフェイスにおけるアップリンクベアラの割り当ての例が図4に示されている。ユーザは、PTTをプッシュし、そしてMSは、移動RANにスピーチアイテム要求を送信する。MSは、全スピーチアイテムの時間中に専用無線ベアラを求める。移動RANは、アップリンクベアラ(例えば、専用パケットデータチャンネル及び物理的タイムスロット)を許可する。移動RANがアップリンクベアラの割り当てを確認するときには、移動は、それを経てデータの送信を開始する。送信される第1パケットは、話し手の識別子と、それに続くボイスストリームパケット(VoIP RTPパケット)とを含むRTPメッセージである。リーダーRTPパケット及びVoIP RTPパケットは、アクティブなGPRSコンテクストに基づいてPoCブリッジ10へルーティングされる。
【0047】
PoCブリッジ10は、パケットを増倍し、そしてそれらをグループの他のメンバーへ送信する。移動ネットワークの無線インターフェイスにおけるダウンリンクベアラの割り当ての例が図5に示されている。ダウンリンクベアラは、既存のコンテクストを介して移動ステーションMSへ進むIPパケットをSGSNが検出したときにSGSNにより割り当てられる。最初に、SGSNは、MSがスタンバイ状態にある場合にMSをページングする。MSから確認を受け取った後に、SGSNは、RAN(例えば、GSM BSS)が専用の無線ベアラを割り当てるのを要求し、そして割り当て後に、SGSNは、RANへのパケットの送信(例えば、LLCフレームにおいて)をスタートする。RANは、パケット(例えば、無線ブロックにおける)をMSへ送信する。
【0048】
アップリンクボイスベアラは、ユーザがPTTスイッチのプッシュを停止したときにMSにより解除される。ネットワークは、最大スピーチアイテム長さ(例えば、20−30秒)を越えたときにアップリンクベアラを解除する。ダウンリンク方向には、無線ネットワークは、ベアラに関連したIPメッセージが所定の時間中受信されないときにベアラを解除する(いわゆるアイドル時間切れ)。
【0049】
PTTスイッチを押した後に発呼者が経験するコール設定遅延は、移動ステーションMSが話をスタートするための可聴指示をユーザに与えることにより短縮することができる。可聴音の後に、ユーザは、話しをスタートすることができ、そしてVoIPメッセージがスタートする。これは、発呼者が設定遅延として経験する時間である。話をする許可を与えることのできる多数のポイントが存在する。グループコールの場合、1つの適当なポイントは、アップリンク無線ベアラが割り当てられた後及び第1のRTPメッセージ(いわゆるリーダーパケット、非ボイス)がRANへ送信された後である。
【0050】
1対1のコールでは、話をスタートするための指示を更に被呼者から受け取ることができる。第1のRTPパケットがアップリンクへ送信されるときには、ダウンリンクの状態がそのポイントにおいて未知であることに注意されたい。ダウンリンク方向にB当事者がいないか又は無線ベアラの欠落のためにコールが失敗に終わるか、又はコール認証チェックが失敗に終わる場合には、ユーザは、コール失敗の指示を得る。或いは又、話をするための指示は、ブリッジ10が例えば第1のRTPパケットを処理したという確認を与えた後、或いは1対1のコールでは、B当事者がリーダーパケットを確認した後に、与えることができる。或いは又、MSは、ユーザに可聴指示を与えるためにリードパケットを送信することからCPSにより設定されたタイマー値をもつことができる。
【0051】
グループ通信
グループ(トークグループとも称される)は、ボイス通信のための容易で且つ即座のマルチポイント方法をユーザに与える。各ユーザは、1つ以上のグループへのアクセスが許される。典型的なケースとして、移動ユーザは、そのバーチャルプライベートネットワーク(VPN)内の全てのグループへのアクセスが許される。ユーザは、使用可能なグループのサブセットへアクティブにアタッチすることができる。
基本的なモードでは、移動ユーザは、通信に対して1つのグループを選択する。次いで、ユーザは、そのグループの全てのトラフィックを聴取し(個々のコールに参加しない限り)そしてそのグループにおいて話をすることができる。ユーザは、別のグループへ容易にスイッチすることができる。
【0052】
又、ユーザは、スキャニングと称する方法を使用することにより多数のグループにおいて実質上同時に動作することができる。ユーザは、多数のグループを選択し、そしてそれらにプライオリティを指定する。次いで、ユーザは、一度に1つのグループからトラフィックを聴取するが、より重要なグループからのトラフィックが他のトラフィックを中断する。グループの1つが選択されたグループとして残り、ユーザによるスピーチ送信がその選択されたグループへ行われる。ユーザは、スキャニングをオン及びオフに切り換えることができる。プライオリティを伴うスキャニングされるグループのリストは、ユーザにより編集することができる。グループ選択及び他の設定の変更も、ユーザ自身以外の誰かにより行うこともできる。
グループにおいて受信しそして話をし、選択されたグループを変更し、そしてスキャニングをアクチベートするためのユーザインターフェイスは、簡単で且つ高速である。スキャニングリストを定義する等の他のタスクは、あまり頻繁に使用されない。
【0053】
PMR形式の1対1通信
オプションとして、本発明によるアーキテクチャーは、ユーザがそれらの定義されたアクセス権利内で(デフォールト:それらのVPN内で)他のユーザへの直接的な1対1コールを実行できるようにするために使用できる。直接的な1対1コールは、通常の電話の使用ではなくインターコム(intercom)の使用に類似している。このようなコールは、多数のPMRユーザに良く適しており、即ち移動ステーションを動作するために、タスク、コマンド及びアドバイスを最小の注意で与えたり受けたりすることができる。アクティビティは、良好なタイミング精度で整合することができ、長い期間コールをオンに保持する必要はない。基本的に、1対1コールは、グループ通信の特殊なケースに過ぎず、同じ原理を使用することができる。
【0054】
管理平面オペレーション
以下、本発明の好ましい実施形態及び異なる態様を、PoCの管理平面、制御平面及びユーザ平面について説明する。
ユーザ及びグループの管理
MS装置では、ユーザは、考えられるグループをブラウズし、それらと契約することができる。又、ユーザは、グループを去ることもできる。より専門的な用途では、グループへの/からの強制加入及び離脱も必要である。WEB/WAPブラウザベースのサービスを経てグループ管理が行われるのが望ましい。
【0055】
第1に、ユーザは、PoCシステムにおいて生成されねばならない。これは、WAP/WWWインターフェイスを使用してSGSM25にアクセスすることにより行われる。全てのユーザ及びグループ管理オペレーションは、MSを使用してSGMFにアクセスできるか又はSGMFに直結することのできる管理ユーザにより実行することができる。
【0056】
第2に、グループは、通信に使用できる前に生成される必要がある。グループを生成しそしてそれらのアクセス権を定義することは、グループ管理と称するものに属する。多数のユーザグループ又はエンドユーザ組織は、それらのグループ管理をアウトソースすることが予想されるが、あるものは、グループを生成し、そしてグループメンバー及びアクセス権を定義することにアクセスすることを好む。一方、ユーザは、全部ではないが、新たなグループ(例えば、PoCを使用する通常の労働者)の生成を必要とする。それ故、PoCシステムにおいて管理ユーザの個別の概念をもつのが良好である。本発明の好ましい実施形態では、ユーザは、図2及び3に示すようにオペレータにより提供される加入者及びグループマネージメント機能(SGMF)へのリモートアクセス権をもつことができる。SGMFは、WAP/WWWフォームを使用するグループ管理ユーザインターフェイスを与える。しかしながら、他の形式のユーザインターフェイスも考えられる。
【0057】
グループ管理概念の概要が図6に示されている。グループ管理は、管理ユーザ61により、ユーザ62の使用のためのグループを生成するのに使用される。ユーザ62は、グループにアクティブに参加することもできるし(アクティブなグループセッションが確立される)、又は後で使い易いようにそれらのMSのグループリスト63においてブックマークが付けられたグループをもつこともできる。更に、ユーザ62は、更に別のグループへのアクセスも許される。ユーザ62は、例えば、グループのURLをタイピングするか(例えば、「football@publicgroups.operator.fi」)、或いはウェブ又はWAPページにおいてリンクをクリックすることにより、このようなグループにおいてセッションをアクチベートすることができる。管理ユーザ61は、1)個人又は営業用にグループを生成し又は変更する通常のユーザ、2)会社用にグループを生成し又は変更するオフィス要員、3)PMRフリート用にグループを生成し又は変更するディスパッチャー、又は4)顧客用にグループを生成し又は変更するオペレータ又はサービスプロバイダー要員。
【0058】
第1に、SGMF25は、許可された管理ユーザと、それらが何を行うことが許されたかに関する情報を保持しなければならない。この情報は、次のような設定を含む。1)管理ユーザがどのオペレーションを使用することが許されたか(例えば、アクセス権の生成、追加/除去、通知の送信)、2)どのグループの管理が許されたか(例えば、自身のプライベートグループ、会社kのグループ、プロバイダーxの公衆グループ)、及び3)どのユーザをグループに含むことが許されたか(例えば、会社kのユーザ、個人のリスト)。
【0059】
許可された管理ユーザ61がグループを生成する例示的ケースについて考える。本発明の実施形態では、この点において生成されるグループデータは、1)グループのホームCPS23、2)グループのURL(ホームCPS23に依存する)、及び3)グループに対する初期アクセス権(後で変更可能)。グループ生成/管理アプリケーションは、ここで、例えば、次のようなアクションを実行する。1)もし必要であれば、URLのDNSサーバー24を更新し(通常、既存のドメイン名が使用される場合には不要である)、2)CPS23をグループ名で更新し、及び3)PoCデータベース又はディレクトリー(PoCメイン情報貯蔵部)65を更新する。
【0060】
又、管理ユーザ61は、この点において、新たなグループの通知を潜在的なグループメンバーに送信したいことがある。例えば、次のような典型的なケースが明らかである。1)管理ユーザ61は、自分が知っている5人の個人のグループを生成した私人であり、グループへのアクセスは、これら5人の個人に制限され、そしてユーザは、これら5人の個人へ通知を送信することを望み、2)管理ユーザは、趣味のグループを生成したサービスプロバイダーであり、グループへのアクセスは、全てに対してオープンにセットされ、そして市場調査に基づきおそらく関心があるユーザのリストへ通知が送信される。
【0061】
新たなグループの通知は、例えば、特殊な形態のSMSメッセージ(例えば、リングトーン、ローゴス)、又はSIP即時メッセージである。MSは、このメッセージに反応して、例えば、1)このユーザに新たなグループが使用可能であることをユーザに表示し、2)直ちに加入する(アクティブなセッションを通常に又はスティッキーにスタートする)か、後で使用するためにブックマーキングするか、或いは拒絶する(拒絶メッセージをSGMFへ送信し、これがそのメッセージを管理ユーザに表示する)機会をMSユーザに与える。拒絶は、ユーザがグループを受け入れないことをアプリケーションに指示するが、これは、必ずしも、アクセス権データに対する変更を生じなくてよい。
【0062】
上述したように、新たなグループは、SGMFにより当該G−CPF23に追加される。同様に、SGMFは、グループを削除することもできる。G−CPF23は、グループに生成には直接含まれない。通知がユーザへ送信された後に、グループに加入したいユーザは、グループへのSIPセッションを確立するユーザとしてG−CPF23に対して直ちに現われる。ここで、G−CPF23は、SGMF25からグループアクセス権を問合せ、SGMF25は、次いで、PoCデータベース又はディレクトリー(PoCメイン情報貯蔵部)65へ問合せを行う。
【0063】
ユーザグループアクセス権を取り去っても、PoCデータベース又はディレクトリー65に影響が及ぶだけである。それ故、いかなる進行中のセッションも、影響を受けず、次のセッション設定において変更が有効となる。ユーザがグループから取り去られるべき場合には、それに対するここのファシリティがG−CPF23に対して実施される。グループの削除は、SGMF25により適当なG−CPF23に対して指示される。G−CPF23は、次いで、全てのアクティブなセッションを終わらせ、そのグループに対する記憶された情報を除去する。又、SGMF25は、PoCデータベース又はディレクトリー65における情報の除去も処理する。
【0064】
グループアクセス権は、ユーザ装置に対するグループセッションがスタートしたときにCPSによりチェックされる。セキュリティを維持することが必要と思われる場合には、他のときにも付加的なチェックを行うことができる。本発明の好ましい実施形態では、グループアクセス権は、データベース又はディレクトリー65に保持され、これは、次いで、適当なサーバーにより問合せされる。典型的な問合せは、「is user-x allowed to access group-y?(ユーザxは、グループyにアクセスすることが許されたか?)」の形態をとる。
【0065】
アクセス権の定義は、融通性があって、個々のユーザ/グループのレベルと、ユーザ/グループのリストの両方で考えられるのが好ましい。例えば、好ましくは、次のものを定義できねばならない。1)ユーザxは、グループwにアクセスすることが許され、2)ユーザx、ユーザy、ユーザzは、グループwにアクセスすることが許され、3)ユーザxは、会社kの全グループにアクセスすることが許され、4)会社kの全ユーザは、グループzにアクセスすることが許され、5)会社kの全ユーザは、会社kの全グループにアクセスすることが許され、6)全ユーザは、グループpにアクセスすることが許され、7)等々。
【0066】
それ故、アクセス管理は、ユーザ及びグループの両方に対してハイアラーキー構造を使用するのが好ましい。これは、ユーザがユーザグループに属することができ、そしてグループが多数のレベルにあってもグループグループに属することができることを意味する。又、単一のユーザが多数の(並列の)ユーザグループに属することができる場合には、更に融通性がある。グループアクセスは、特定のユーザ又は全ユーザグループに与えることができる。ユーザグループに与えられたアクセスは、そのユーザグループにおける全ユーザを受け入れる。ユーザは、特定のグループ又はグループグループへのアクセスが与えられる。グループグループへのアクセスは、そのグループグループ内の全グループへ受け入れるものである。
【0067】
制御平面オペレーション
PoCサービスへのユーザログオン
ユーザは、PoCサービスの利用をスタートできる前に、自分自身をU−CPF22に登録しなければならず、その実際のIPアドレスは、DNSサービスにより決定されねばならない。本発明の好ましい実施形態では、ユーザは、先ず、自分のSIPアドレスのホスト部分を含むDNS問合せを行う。DNS24は、ホスト部分に対応するU−CPF22のIPアドレスを返送する。
【0068】
図7に示す例を参照すると、MSは、U−CPF22のIPアドレスが分かると、SIP登録メッセージをU−CPF22へ送信する。U−CPF22は、ユーザのMSから登録メッセージを受信すると、SGMF25にコンタクトして、ユーザの権利をチェックし、そして他の情報を得る。その後に、U−CPF22は、ユーザのU−UPF20にコンタクトして、その入力チェック及びスキャニングフィルタリングプロセスを実行し、そしてユーザはそのユーザ平面トラフィックを送信しなければならない。次いで、ユーザは、追加メッセージによりU−UPFに追加され、そしてU−UPFは、ユーザのスキャニングプロセスを開始し、確認を送信する。任意であるが、U−UPF20にコンタクトする前に、U−CPF22は、ユーザ情報をユーザのホーム位置レジスタ(HLR)又は3Gホーム加入者サーバー(HSS)と交換し、ユーザを認証し、そしてユーザプロフィールを生成する。
【0069】
ログオンの間に、ユーザは、自分のU−UPF20のIPアドレスを得、そしておそらくは、ユーザのスティッキーグループ(以下に述べる)のリストを得る。
登録メッセージは、通常、ユーザの識別情報を含むが、メッセージは、他の当該指示も含む。これは、新たなログオンを行いそして自分のU−CPF22から特定の情報を要求するためにユーザにより再送信することができる。
【0070】
同じターミナルによりシステムへ異なるユーザがログオンして、同じIP受信者に対して2つ以上のスキャニングプロセスを必要とするのを回避するために、U−CPF22により特定のチェック機構が実行されねばならない。
ユーザが自分のスキャニング設定を更新したいか、又は自分のスキャニングプロセスをオン/オフにセットしたい場合には、新たな特定のSIP登録メッセージを自分のU−CPF22へ送信することができる。ユーザがあるグループ(スキャニングがオフにセットされた)を選択したい場合には、SIP INFOメッセージをユーザのU−CPF22へ送信することによりそれが行われる。ユーザがスティッキーグループ(永久的グループ)を有する場合には、それらがログオンにおいてアクチベートされ、即ちU−CPF22は、必要とされる後続オペレーション、例えば、SIPセッションインビテーション、マッピング設定をG−UPF21及びU−UPF20において実行し、そして最終的に、得られた情報(例えば、ユーザが暗黙に加入したスティッキーセッションのリスト)をログオン確認メッセージにおいてユーザへ与える。
【0071】
アクティブグループセッション
ユーザは、アクティブなセッションを有するところのグループにおいて通信する(聴取しそして話をする)。セッションは、SIPシグナリングにより設定されそして終了される。セッションの設定は、ユーザによるか、又は許可された第三者(例えば、ディスパッチャー又はアプリケーション)により開始することができる。第三者によるセッションの確立は、主としてPMR用途だけに関連している。特に、非PMRマーケットにおける多数のユーザは、おそらく第三者によるセッションの確立を嫌い、そしてこれを防止できることを望む。又、セッションは、例えば、グループ削除の場合には、G−CPF23により強制終了することもできる。
【0072】
アクティブなグループセッションにおける一次及び有効データは、サーバーにより常時保持される。従って、ユーザ装置(例えば、MS)がアクティブなスティッキーグループセッションにおいてデータを失った場合には、新たなログオンを実行することによりU−CPFから全ての必要なグループ情報を要求することができる。
【0073】
多数のアプリケーションにおいて、ユーザは、電源オフ周期の後に同じグループを使用し続けることができる。このため、スティッキーセッションが設けられる。ユーザがログオフしたときには、ユーザのスティッキーセッションに関連した情報がPoCデータベース又はディレクトリー(PoCメイン情報貯蔵部)にセーブされ、そして電源オン時にセッションが再確立される。換言すれば、スティッキーグループは、新たなログオンの後に自動的にアクチベートされるトークグループである。
【0074】
グループセッションをアクチベートするために、MSは、グループのURLを知る必要がある。ユーザの観点から、ユーザは、次のようにグループを選択する(ユーザ判断は、どんなオプションが実施されたかに依存する)。
1)グループの全URLをタイピングする(例えば、sector2@hkl.grpcps.operator.fi、football@publicgc.operator.fi)。
2)グループブックマークリストにおいてMSに記憶されたグループから選択する。
3)WAP/WWWアプリケーションを使用して、使用可能なグループをブラウズする。
【0075】
これらの方法は全て相補的なもので、URLをタイピングし、ブックマークリストから選択し、ウェブページにおけるリンクをクリックすることより成るウェブブラウジングにおける対応する方法に匹敵するものである。3つのケース全部における成果は、MSが所要グループのURLを知りそしてSIPシグナリングをスタートできることである。
【0076】
ユーザによるセッションの設定は、(このファシリティが実施されそしてユーザがそれを使用することを判断する場合には)ユーザにより与えられるグループのURLに基づいて行われる。これは、ユーザが任意のグループへアクセスを試みることを許し、即ちアクセス権のチェックがサーバーにより実行される。グループへ時々アクセスする別の方法は、ウェブ/WAPブラウザを使用して、関心のある及び/又は有用なグループをブラウズすることである。これら両方の方法は、グループへの時々及び一時的なアクセスに非常に適している。
【0077】
しかしながら、ユーザが、セッションを常時オープンに保持する必要なく、あるグループへの頻繁なアクセスを必要とする場合には、ユーザ装置は、ある形式のグループブックマークリストを含む。グループブックマークリストの主たる目的は、ユーザがローカルでグループのリストをブラウズしそしてグループに容易にアタッチするのを許すことである。ユーザ装置におけるグループブックマークリストが完全なものであって、特定のユーザに使用可能な全てのグループを含む必要はないことに注意されたい。あるグループが欠落した場合には、ユーザは、そのURLを与えることによりそのグループにアクセスし、そしてそれをリストに記憶することができる。
【0078】
ユーザの観点から、グループブックマークリストは、従来のPMRグループ又はチャンネルセレクタとして考えられる。他の形式のユーザは、リストを、第2の電話帳、インターネットブックマークリスト、又はTVチャンネル設定と同様のものとして考える。モデルのこのセットは、おそらく全てのサービス利用者をカバーするのに充分である。
【0079】
意図された市場(PMR又は消費者)の形式に基づき、グループブックマークリストがいかに機能するかについては幾つかのオプションがある。PMRについては、ユーザインターフェイスは、従来のPMRグループリストに類似しなければならず、そして新たなグループをグループリストにリモート位置でロードする(システムマネージャーから)ファシリティが必要とされる。消費者ユーザについては、ユーザインターフェイスは、ユーザがグループ自体を追加できるところのブックマークリストに更に類似している(例えば、現在選択されたグループをブックマーキングする)。PMRユーザは、当然、現在グループをブックマーキングするファシリティから利益を得る。この段階において、リストからグループを削除することは、ユーザの責任であると仮定する。PMRユーザに対し、全ての新たなグループが自動的にブックマークされる自動ブックマーキングが有用である。
【0080】
ユーザ平面オペレーション
PoCグループスピーチアイテムのシグナリング
ユーザは、その全てのユーザ平面トラフィックをU−UPF20へ送信しなければならず、そしてトラフィックがグループへ向けられた場合には、U−UPF20によりグループに関連付けられた特定のポート番号がトラフィック識別目的で使用される。
1つの共通のPMR要件は、一度に1人のアクティブなメンバーだけが各グループにおいて話すことが許されることであり、これは、選択されたグループへ話をしようとしているユーザが、システムにより管理されるスピーチアイテムを得なければならないことを意味する。スピーチアイテムは、G−UPF21により許可され又は拒絶される。
【0081】
この機能をサポートする簡単なやり方は、SIPシグナリングを使用することであるが、明確なシグナリングトランザクションにより導入される遅延を回避するために、暗示的シグナリングに対してRTPパケットのペイロード形式フィールド及びペイロード自体を使用する別の解決策がここでは好ましい。
従って、本発明の実施形態では、システムは、従来のPMRシステム、即ちTETRAに使用されるもののようなトークスパートの要求−許可形式管理をベースとするものではない。むしろ、高速のオペレーションを与えるために、ユーザは、システムからのトークスパート許可を得ずに、送信トークスパートを開始するが、多数の話し手がぶつかる(又は他の問題)場合には、送信の権利が撤回される。
【0082】
上述した暗示的シグナリング解決策では、各ユーザは、希望するときに、選択されたグループへ話をするように試みることができる。図8の例を参照すれば、MSのユーザがPTTをプッシュするときには、アップリンクリソースが上述したように予約され、MSは、U−UPF20を経てG−UPF21へリーダーRTPパケットを送信する。スピーチアイテムが得られ、そしてMSへ許可される。同時に、以下に述べるタイマーが初期化される。リーダーRTPパケットは、それらの各U−UPFを経てグループの全てのアクティブな受信メンバーへ転送され、アクティブなメンバーがスピーチアイテムを得てグループへのトークをスタートするたびに、グループの全てのアクティブな受信メンバーへ現在話し手の認識を指示する。このリーダーパケットは、埋め込まれた制御シグナリングに対する特殊なペイロード形式及びRTPペイロードを使用して、送信者の認識に関する情報(ニューモニック、番号等)と、同じ話し手により送信される後続のRTPパケットを確認するのに使用されるSSRC値とを搬送する。次いで、リーダーRTPパケットの後に、実際のグループの音声ストリーム(VoIP RTPパケット)が続く。
【0083】
通常、スピーチアイテムが得られず、そしてG−UPF21がリーダーRTPパケットの受信に応答してユーザへのスピーチアイテムを許可しないときには、ユーザは、同じグループトラフィックから別のメンバーの音声を受信したときに自分の音声が転送されないことに気付く。しかしながら、これはユーザが別のグループを同時に聴取する場合には充分ではなく、従って、グループのG−UPF21は、要求されたスピーチアイテムをユーザが得ないことをユーザのU−UPF20に信号しなければならない(埋め込まれたRTPシグナリングを使用して)。ユーザのU−UPF20は、次いで、この特殊なRTPパケットをユーザへと送信する。このパケットは、スピーチアイテムがユーザターミナルに許可されなかったことをユーザターミナルに指示し、そしてMSがあるハードウェアメカニズム(視覚又は音声指示のような)をスイッチオンしてユーザに警告できるようにする。
【0084】
スピーチアイテムは、暗示的シグナリングによって管理されるので、グループ通信中に更に別の特定の明確なシグナリングを必要としない。
各G−CPF23は、グループにアタッチするユーザに対して独特のSSRC値を発生する。グループアタッチ中に、G−CPF23は、このSSRC値をユーザに返送し、そしてそれをG−CPF23及びG−UPF21に記憶する。このでは、SSRCは、グループのコンテクストにおいてユーザを独特に識別し、一方、ユーザの各1対1コールに対してU−UPF20により関連付けされた異なるSSRCは、1対1コールにおいて発呼者を指示し、そしてそのコールにおいて発呼者及び被呼者の両方に同じ値が使用される。
U−UPF20により転送されたユーザトラフィックは、次いで、トラフィックが向けられるグループを取り扱うG−UPF23のIPアドレスと、G−UPF23がそのグループのトラフィックに対して割り当てた特定のポート番号とにより識別される。
【0085】
入力フィルタリングにおけるトークスパートタイマー
ユーザにより見たグループにおけるトラフィックは、特定のユーザから到来する若干連続するスピーチのトークスパート(即ちスピーチアイテム)で構成される。しかしながら、U−UPF20及びG−UPF21は、スピーチのパケットを受信し、そして多数のユーザが同じグループにおいて同時に話そうと試みる。グループにおける現在話し手からのスピーチが中断されたり又は他のユーザからのパケットで干渉されたりすることのないように確保するために、G−UPF21は、各アクティブなグループに対してトークスパート連続性タイマーを実施する。タイマーに加えて、現在話しているユーザの認識が記憶される。
【0086】
典型的なトークスパートでは、ユーザがPTTを押している間に、自分のスピーチコーデックがスピーチパケット(フレーム)を発生し、これらは、規則的な間隔で送信される。もちろん、パケットは若干不規則な間隔でG−UPF21に到着する。ユーザが話をしていないときでも、MSは、DTXパッケージを送信する(不連続送信)。従って、パケット間にソフト状態を保持するためにタイマーが必要とされる。タイマーは、到来するパケットのたびに再スタートされ、そしてタイマー値は、送信されるパケット(例えば、DTXフレーム)間の間隔、及びユーザとG−UPF21との間の遅延の変化とを考慮して、パケット間に間隔を許すに充分なものでなければならない。従って、タイマー値は、数百ミリ秒程度である。
【0087】
考え方は、ユーザがPTTを放した場合にユーザに対して予約された順番を保つことではない。それ故、本発明の一実施形態は、トレーラーパケットを使用してトークスパートの終りを信号し、これは、ターマーの時間切れと同等であると考えねばならない。トークスパート連続性タイマーは、G−UPF21において実施される。というのは、ここでは、同じグループにおいて異なる話し手が話をしようと競い合うからである。
【0088】
又、最大トークスパート時間を制限する必要もある。ユーザの観点から、単一のユーザがグループを不必要に長時間占有して他のものが話すのを妨げてはならない。ユーザのPTTが送信位置において偶発的にジャミングした場合にもグループを阻止してはならない。オペレータは、サービス及び料率をプロフィーリングする理由で、トークスパート時間を限定することを望む。トークスパート最大値タイマーの典型的な値は、30s、60s又はそれ以上である。タイマーは、ユーザが現在話し手となったときに、第1パケットにおいてスタートする。タイマーが時間切れしたときには、他の話し手がいなくても、現在話し手のトークスパートが停止される。再び話をできるようにするために、PTTを放しそしてもう一度プッシュする必要がある。特殊な埋め込まれたRTPシグナリングパケットがG−UPFによりMSへ送信されて、送信を停止させる。
【0089】
トークスパート最大値タイマーは、U−UPF20又はG−UPF21或いはその両方において実施できるが、その結果は、各場合に同じではない。U−UPF20におけるタイマーは、ユーザ特有の最大トークスパート時間を実施し、G−UPF21におけるタイマーは、グループ特有の最大トークスパート時間を実施する。これらは、いずれも有用であり、両方ともの場合もそうである。アーキテクチャーは、両方ともをサポートする。
【0090】
図9は、G−UPF21におけるトークスパートタイマープロセスを示すフローチャートである。トークグループ連続性タイマー及びトークスパート最大値タイマーは、スピーチアイテムがユーザに許可されたときにスタートする(ステップ92)。ステップ91では、ユーザから新たなパケットが受信されたかどうかチェックされる。もしそうでなければ、連続性タイマーが時間切れしたかどうかチェックされる(ステップ92)。連続性タイマーが時間切れした場合には、スピーチアイテムが終了となる(ステップ97)。連続性タイマーが時間切れしない場合には、最大値タイマーが時間切れしたかどうかチェックされる(ステップ93)。最大値タイマーが時間切れした場合には、スピーチアイテムが終了となる(ステップ97)。最大値タイマーが時間切れしていない場合には、プロセスは、ステップ91へ戻る。ステップ91においてユーザから新たなパケットが受け取られた場合には、その受け取られたパケットが、PTTの解除に応答してユーザ装置により送信されたテイラーパケットであるかどうかチェックされる(ステップ97)。テイラーパケットが受け取られた場合には、スピーチアイテムが終了される(ステップ94)。受け取られたパケットがテイラーパケットでない場合には、最大値タイマーが時間切れしたかどうかチェックされる(ステップ95)。最大値タイマーが時間切れした場合には、スピーチアイテムが終了となる(ステップ97)。最大値タイマーが時間切れしない場合には、トークスパートタイマーが再スタートされ(ステップ96)、そしてプロセスは、ステップ91へ戻る。
【0091】
トークスパートを中断するメカニズムも必要とされる。これは、許可されたユーザが進行中のトークスパートをオーバーライドする必要があるときである。従って、G−CPF23は、1)グループ内のトークスパートを中断するか、又は2)ユーザにグループ内の中断プライオリティをもたせるように、G−UPF21に指令することができる。ケース1では、誰もスピーチアイテムをもたずそして送信を停止するためのコマンド(埋め込まれたRTPシグナリングパケット)をその中断される話し手のMSへ送信する結果としてグループ内の進行中のスピーチアイテムを中断しなければならない。ケース2では、プライオリティ決めされたユーザからのスピーチアイテムが、以前の話し手への停止送信コマンドの送信、トークスパートタイマーの再スタート、及び新たな話し手へのスピーチアイテムの許可を生じさせる。中断プライオリティは、一時的に又はオン・デマンドで或いは特別な場合にのみ使用されると仮定する。それ故、グループ当たりの中断プライオリティをもつユーザの数は、大きい必要がない(仮定=1)。
【0092】
本発明の好ましい実施形態では、送信を停止するコマンドは、特殊なペイロードを使用するRTPパケットの使用により達成される。このパケットのパラメータフィールドは、コマンドの理由を示す。これらのパケットは、制約されていないフィルタリングプロセスをパスしなければならない。送信停止コマンドを受信するMSは、ボイスパケットの送信を直ちに停止し、そしてPTTがもはや押されないかのように受信状態に復帰する。ユーザは、PTTを押したままである場合にも、到来するボイストラフィックを聴取し始める。再び送信を開始するために、ユーザは、先ず、PTTを放し、そして再びそれを押さねばならない。送信停止コマンドが発生されるか、又はU−UPF20を経てルーティングされる。
【0093】
送信中のダウンストリーム抑制
半二重モードのオペレーションでは、ユーザが送信している間にダウンストリームチャンネルにボイスパケットをロードすることが望ましくない。それ故、本発明の一実施形態では、U−UPF20は、送信中に次のようにしてダウンストリームの抑制を実施する。図10を参照すれば、グループコールに参加しているユーザからのアップストリームトラフィックは、リーダー及びボイスパケットに対して監視される(ステップ101)。アップストリームのトークスパートタイマーを使用して、ユーザがグループコールにおいてトークスパートを送信することを指示するソフト状態を与えねばならない。使用するメカニズムは、グループにおけるトークスパートの連続性を維持するための上述したものと同じでなければならない。アップストリームボイス又はリーダーパケットは、アップストリームトークスパート状態をオンにセットし(ステップ102)、そしてアップストリームトークスパートタイマーをスタートする(ステップ103)。タイマーが時間切れすると(ステップ104)、アップストリームトークスパート状態をオフにセットする(ステップ105)。アップストリームトークスパート状態がオンであるときには、ダウンストリームパケット(シグナリング以外)は、ユーザに送信されない。アップストリームトークスパート状態がオフであるときには、ダウンストリームパケットが通常に送信される。
【0094】
ユーザ平面における音声データ分布
ユーザ平面では、エンドユーザへの/からの音声データリアルタイム分布が取り扱われ、PoCブリッジ10(G−UPF21及び/又はU−UPF20)がそれを行うネットワーク要素となる。多数のブリッジ/プロキシーが同じPoC通信に含まれるときには、それらの機能が、対応するSIPセッションを取り扱うPoC CPS11(G−CPF23又はU−CPF22)により制御され、整合される。
【0095】
本発明の目的は、PoC解決策を数百万のユーザ及び少なくとも数十万のグループまで拡張することである。拡張可能なPMR解決策を与えるために、特定のアドレッシングモデルが計画されている。このモデルの主たる目的は、厳密に必要とされる量のIPアドレス及びポート番号並びに好ましい静的割り当て(もし可能であれば)を使用して、ブリッジ、ユーザ及びそれらのトラフィックの間で複雑なマッピングを実施し、ネットワークエンティティ間で交換されるべき情報の量を減少することである。
【0096】
IP/UDP/RTPプロトコルスタックは、一般に、VoIPの世界においてリアルタイム音声データ送信に使用され、従って、これは、本発明の好ましい実施形態ではユーザ平面に対しても選択される。
より詳細には、少なくともユーザのターミナルにおいてIPv6が実施され、一方、あるコアネットワークエンティティでは、IPv4もサポートして(二重IPv6/v4スタック)、それを使用する最終的なサブネットワークとの相互操作性を確保する必要があると仮定する。
【0097】
パケットネットワークを経て音声通信するためのリアルタイムストリームの搬送をサポートするためにIETFにより開発されたリアルタイム搬送プロトコル(RTP)がUDPの最上部に使用されて、より信頼性のある搬送プロトコル(ここでは必要とされない)、例えば、TCPにより導入される遅延を回避する。受信側のエンドポイントにRTP及びレイテンシバッファがある状態で、タイミング(ジッタの問題)、パケット順序付け、多数のストリームの同期、複写パケットの排除、及びストリームの連続性を取り扱うことができる。
【0098】
ユーザがグループに話をするときには、ユーザのMSは、音声パケットを自分のU−UPF20に送信し、このU−UPFは、入力チェック後に、それをグループのG−UPF21に転送する。U−UPF20により転送されるトラフィックは、G−UPF21のIPアドレスと、G−UPF21をグループに関連付けるポート番号とによって独特に識別され、一方、ユーザと自分のU−UPF20との間のトラフィックは、U−UPF20のIPアドレスと、U−UPF20をグループに関連付けるポート番号とによって識別され、従って、MSは、同じソケットを使用して、グループに対してトラフィックを送信及び受信することができる(以下の例ではポート番号「200」が使用される)。
【0099】
ユーザは、グループのアクティブメンバーになると、自分のU−UPFによりグループのトラフィックに指定されたポート番号を自分のU−CPFから得る。同時に、U−CPF22及びG−CPF23は、ユーザのU−UPF20とグループのG−UPF21との間に適切なマッピングをセットする。より詳細には、U−UPF20は、G−UPF21がグループのトラフィックに指定したポート番号を得る。
U−UPF20は、全ての1対1通信に対してそれが割り当てた特定のポート番号と、発呼者のU−UPF20により1対1コールの確立中にそのコールに指定されるSSRC値とによって到来する1対1トラフィックを識別する。MSとU−UPF20との間の動的ポート番号のネゴシエーションを回避するために、全てのMS及びU−UPFに静的なポート番号を使用しなければならない(以下の例では「102」)。
【0100】
上述した「分割ブリッジ」モデルでは、ダウンリンクにおいて、G−UPF21が、到来するグループトラフィックを個別のU−UPF20に転送しなければならないことがある。この種の通信の場合、及びU−UPF20からG−UPF21への通信の場合に、各グループに対して指定されたポート番号が使用される。
ユーザ平面においてグループコールをいかに管理するか良く説明するために、以下に例を示す。現在グループの話し手は、自分の音声パケットを自分のU−UPF20に送信し、このU−UPFは、パケットをチェックして、グループのG−UPF21に転送する。トラフィックがG−UPF21の入力バッファを通過すると、ローカルU−UPF(G−UPF物理的エンティティに配置された)により直接取り扱われるアクティブなメンバーのスキャニングプロセスへ個々に配送される。同時に、トラフィックは、関連する他のU−UPFへも転送され、これは、それ自身のアクティブなメンバーにサービスする。
【0101】
関連する2つのブリッジとのグループ通信の例が図11に示されている。G−UPF1及びそれに関連したU−UPF1は、IPアドレス1.0.0.1を有する。G−UPF1及びU−UPF1は、ポート500、502、102、700、702を有する。G−UPF2及びU−UPF2は、ポート500、102、600、602を有する。両ブリッジにおいて、ポート102は、上述した目的で割り当てられる。他のポートは、図11に見られるように、グループG1、G2及びG3に割り当てられる。あるポートにおける転送オペレーションは、各ポートに受け取られたパケットが、指示されたIPアドレス及びポートに転送されねばならないことを意味する。移動ステーションMS1−MS4は、図11に示すように、IPアドレス、1対1ポート及びグループトラフィックポートを有する。U−UPF1は、移動ステーションMS1及びMS4に指定される。U−UPF2は、移動ステーションMS2及びMS3に指定される。MS1は、グループG1及びG2に属し、MS2は、グループG1に属し、MS3は、グループG1及びG3に属し、そしてMS4は、グループG1及びG2に属する。
【0102】
ここでは、MS1が、行先IPアドレス1.0.0.1及び行先ポート700を伴う音声パケット1を送信すると仮定する。従って、音声パケット1は、U−UPF1におけるポート700へルーティングされる。ポート700は、グループG1に割り当てられ、それ故、U−UPF1は、グループG1に属する全てのユーザへとパケットを増倍する。この場合に、音声パケット4は、MS4へ送信される。U−UPF1のポート700も、IPアドレス1.0.0.2及びポート500への転送機能を有する。それ故、U−UPF1は、音声パケット1の複写、即ち音声パケット2をこの行先へ送信する。その結果、音声パケット2は、G−UPF2におけるポート500へルーティングされる。ポート500は、グループG1に割り当てられ、それ故、U−UPF2が、グループG1に属する全てのユーザへとパケットを増倍する。この場合に、音声パケットは、移動ステーションMS2及びMS3へ送信される。
G−UPF2におけるポート500も、IPアドレス1.0.0.1及びポート700を伴う転送機能を有する。それ故、G−UPF2は、音声パケット2の複写をこの行先へ送信する。その結果、音声パケットは、U−UPF1においてポート700へルーティングされる。
【0103】
マルチ−ユニキャスト
上述したように、本発明の1つの特徴は、移動無線システムにおけるグループ通信がグループサーバーを使用して実施され、このグループサーバーは、グループへアドレスされたボイスパケットを受け取りそして最終的にそれらボイスパケットを(U−UPFを経て)各グループメンバーへ個々に転送するというものである。グループサーバーは、多数のグループ(G1、・・Gn)を与える。グループメンバーは、ボイスパケットをグループサーバーへ送信し(U−UPFを経て)、各パケットは、グループサーバーにアドレスされるが、グループの認識(G1、・・Gn)も搬送する。グループサーバーは、グループメンバーのU−UPFアドレスを含むテーブルをグループごとに保持し、そしてU−UPFは、ユーザの個々のアドレスを含むテーブルを保持する。
【0104】
図12に示す例においては、ソースMSは、アップリンクに1つのストリームだけを送信するが、このとき、PoCブリッジは、8つの異なる受信者に対してそれを増倍する。各リンクの上部では、アップリンク及びダウンリンクにおいて搬送されるストリームの数が各々指示され、そして各受信MSは、各MSに到着するためにパケットにより必要とされるホップの数で示されている。参照記号Rは、システムにおけるルーティングノードを表わす。
この概念は、ここでは、マルチ−ユニキャストと称される。この概念は、移動通信ネットワークにおいてグループ通信を実施するための非慣例的方法であり、グループ通信サービスの実施の複雑さを相当に低減する。
【0105】
グループ通信の中心的問題は、移動無線システムにおいてグループメンバーへの通信をどのように効率的に行うかである。これらのシステムは、その規模が非常に小さなもの(1つのベースステーション)から国家的規模(数千のベースステーション)まである。同様に、グループは、異なる規模又は変化する規模でもよい。更に困難なものとして、グループの地理的な分布は、非常に局地的なものから国家的なものまであり、状況に応じて変化し得る。換言すれば、メンバーの位置やメンバーの分布に拘りなく、各グループメンバーにグループトラフィックをいかに確実に配送するかが問題である。
【0106】
慣例的な無線システムは小規模で、グループは通常ローカルである。それ故、明らかな解決策は、特定のエリアにおいてアクティブな各グループに対しベースステーションごとに1つの送信を使用することであった。この送信は、グループアドレス(マルチキャスト)により識別された。公知の解決策は、大規模な通信システムにおいて多数の問題を伴う。第1に、グループコールがなされたときに、システムは、コールに対してどのベースステーションを使用するか知る必要がある。従って、システムは、各グループに対するグループメンバーの位置を追跡するために個別の移動管理サブシステムを実施する必要がある。これは、システムの複雑さを著しく増大し、全処理負荷の一次的ファクターになり得る。第2に、グループトラフィックを受信するために、移動ステーションは、適切なグループアドレスを保持しなければならない。それ故、全てが適切に機能するために、移動ステーション及び全ての関連システム要素の両方にとってグループメンバーシップを前もって知らねばならない。これは、信頼性の低い非常に狭帯域巾の無線チャンネルにわたって動作しなければならない分散型データ管理サブシステムを必要とする。
【0107】
これらの問題は、技術の現状を特徴付けるものである。公知システムは、ベースステーションの使用を最適化する試みを全く行わないことにより問題を回避している。グループのトラフィックは、ベースステーションの固定の所定セットに放射され、従って、グループに対する移動管理の必要性を軽減する。又、これは、システムがグループメンバーを知る必要がなく、グループアドレスが移動ステーションにプログラムされていることを意味する。
【0108】
本発明によるマルチ−ユニキャスト概念により、膨大な処理負荷を生じると共にオペレーション中にエラーを生じる傾向があって信頼性の低いサービスをユーザに経験させる大規模なサブシステムを追加することなく、大規模な移動システムにおけるグループ通信を高い信頼性で実施することができる。システムの個々のアドレッシング及び基本的移動管理を使用して受信者へグループトラフィックが配送されるので、グループトラフィックは、個々のトラフィックと同程度に信頼性の高いものとなる。
【0109】
個々の配送の使用は、マルチキャスト配送よりリソースを多く消費することを立証できる。これは、大きなセルサイズをベースとする慣例的なPMRシステムにおいて確かにそうであり、それ故、単一ベースステーションの範囲内に著しい数のグループメンバーを位置することができる。近代的なセルラーネットワークでは、大きなセルの使用は、周波数利用の観点から非効率的であり、次第に小さなセルが開発され、それ故、グループメンバーが同じセル内に位置する確率が高くなる。
【0110】
又、本発明の基本的なアーキテクチャーは、音声データ分配に対してあるマルチキャスティングメカニズムも使用できるが、これは、上述した問題を伴うマルチキャスティング機能をRANに必要とすることに注意されたい。いずれにせよ、この場合には、ユニキャスト(マルチ−ユニキャスト)及びマルチキャストの両分配技術をサポートして、例えば、あるサイトでグループの若干のメンバーがサービスを受けるべきときにより効率的であるか、又はマルチキャスティングが最終的にサポートされない場合に、ユニキャスティングの利点を得るのが依然として合理的である。
【0111】
スキャニングフィルタリング
現在のPMRシステムでは、ユーザにアドレスされた全てのトラフィックが自分のターミナルに配送され、このターミナルは、フィルタリング機能をローカルで実行して、ユーザが聴取したい単一トラフィックを再生する。このタスクは、ユーザのスキャニング設定に基づいて行わねばならず、そしてプライオリティの高いグループ又は非常コールから到来するトラフィックの最終的オーバーライドをサポートしなければならない。
【0112】
ターミナルで再生されないトラフィックを送信するためのダウンリンクにおける帯域巾の浪費を回避するために、フィルタリング機能は、ネットワークにおいて前もって実施されねばならないことが明らかであり、これは、好ましい実施形態に基づいてネットワークアーキテクチャーにPoCブリッジ10を導入するための動機の1つである。
【0113】
この点におけるブリッジ10の役割は、2つの直列のプロセス、即ち図13に示すようなグループ及びユーザ特有のプロセスとして考えられる。グループ特有のプロセスでは、G−UPF21は、グループの全てのアクティブなメンバーへ転送されねばならないか、又は本発明の好ましい実施形態では、トラフィックストリームの行先であるグループ内のアクティブなメンバーを有するU−UPFへ転送されねばならない多数のパケットストリームにおいて到来するトラフィックを増倍しなければならない。ユーザ特有のプロセスでは、U−UPF20は、ユーザにアドレスされた多数の考えられるトラフィックストリームのどの1つを実際にユーザに転送する必要があるか判断しなければならない。又、U−UPFは、グループトラフィックを受信するユーザごとにその現在スキャニング設定に基づいてストリームを増倍する(U−UPFが2人以上のユーザにサービスする場合)。送信トラフィックは、通常、現在聴取されるグループからのトラフィックであるが、時には、オーバーライドトラフィックストリームのこともある。
【0114】
会話の連続性を確保するために(即ち、聴取者がコヒレントな一連の送信を受け取るよう確保するために)、U−UPF20に特定のタイマーが設けられる。このタイマーの機能は、会話中のあるタイムアウトより長い休止がない限り、ユーザが同じグループ(又は個々のコール)において連続的トークスパートを受け取るよう保持することである。ここでは、その典型的な値は、2ないし15秒である。
【0115】
原理的に、これは、このタイマーの時間中、スキャニングプロセスが各パケット後に受信グループにロックすべきであることを意味する。タイマーは、U−UPFに配置され、そしてタイマー値は、グループ特有であるのが好ましい。又、グループ及び個々のトラフィックに対して異なるタイムアウトを使用するのが望ましい。しかしながら、ユーザにアドレスされた現在聴取されるストリームよりプライオリティの高いトラフィックがU−UPFに到着したときには、プライオリティの高いストリームが、プライオリティの低いトラフィックを直ちにオーバーライドし、会話連続性タイマーは何の作用も与えない。
【0116】
スキャニングフィルタリングプロセスを実施する例が図14に示されている。ステップ141において、プロセスは、G−UPF21(グループ通信)或いは別のユーザ又はU−UPF(1対1通信)からU−UPF20へ到着する多数の(即ち2つ以上の)ボイスパケットトラフィックストリームの1つを選択し、そして選択されたトラフィックストリームをユーザへ転送する。他の到着するトラフィックストリームは破棄され、即ちユーザへ転送されない。選択がなされると、タイマーが所定値「休止周期」、即ち選択されたトラフィックストリームにおける2つの連続するボイスパケット間の最大時間周期にセットされる(ステップ142)。ステップ143では、プロセスは、新たなRTPパケットが受け取られたかどうかチェックする。新たなRTPパケットが到着した場合には、先ず、ステップ145において、そのパケットが以前のパケットよりプライオリティの高いストリームに属するかどうかチェックされる。このパケットが、ユーザのスキャニング設定に基づき、以前のものより高いプライオリティをもたない場合には、プロセスがステップ146へ進み、タイマーがリセットされると共に、パケットがユーザに送信される。その後、プロセスは、ステップ143へ戻る。ステップ145において、新たなパケットが、以前のものよりプライオリティの高いストリームに属すると分かった場合には、新たなパケットがユーザへ送信され、そしてタイマーがリセットされる(ステップ147)。その後、プロセスは、ステップ143へ戻る。新たなパケットが受け取られない場合には、タイマーが時間切れしたかどうかチェックされる(ステップ144)。タイマーが時間切れしない場合には、プロセスはステップ143へ戻る。タイマーが時間切れした場合には、プロセスは、選択されたトラフィックストリームを中断すべきと考え、そしてステップ141へ戻って、新たなトラフィックストリームを選択する。
【0117】
1対1コール管理
図15を参照して、1対1コール管理の例を以下に説明する。1対1トラフィックのために各U−UPF20に静的なポート番号が割り当てられる(図11のポート102のように)。
ユーザが1対1通信の確立を希望する場合には、自分のターミナルMS1においてPTTを押す。MS1は、特定の「1対1」ポート番号102を使用して、自分の認識情報(番号又は名前)を含むリーダーパケットを自分のU−UPF1へ送信すればよい。この特定のリーダーパケットは、この目的のために指定された特定のRTPペイロードの使用により識別される。被呼者(MS2)の認識に加えて、リーダーパケットは、他の当該情報を含む。
【0118】
第1に、発呼者U−UPF1は、この1対1コールにおいて両当事者により使用されるべきSSRC値を指定する。被呼者に到着しそして必要な権利チェックを行うために、ユーザのU−UPF1にここでコンタクトする。次いで、SGMFにコンタクトして、被呼者のU−CPF2アドレスを得、権利チェックを行い、そして発呼者の名前表示に対して正しい形式を定義する。この情報自体は、PoCデータベース又はディレクトリー(PoCメイン情報貯蔵部)に収容され、ここから、SGMFは、必要な情報を得る。この情報は、発呼者のU−CPF1へ戻される。
【0119】
ここで、SIPインバイト要求を使用して、被呼者のU−CPF2にコンタクトする。被呼者のU−CPF2は、被呼者のU−UPF2にメッセージを送信し、このU−UPF2は、次いで、リーダーパケットをMS2へ送信して、1対1コールを受信する能力をチェックする。又、被呼者のU−CPF2には、確認も送信され、このU−CPF2は、次いで、発呼者のU−CPF1にSIP OKメッセージを返送する。発呼者のU−CPF1は、発呼者のU−UPF1へメッセージを送信し、そしてこのU−UPF1は、メッセージを確認する。最後に、SIP確認は、被呼者のU−CPF2へ戻され、そしてネットワークは、コールを首尾良く設定する。
【0120】
肯定(埋め込まれたRTPシグナリング)確認が被呼者のU−UPFから受信された後に、それはMS1へ転送され、ここで、MS1は、ボイスRTPパケットの送信を開始することができる。
この段階において、発呼者が話をし、そしてターミナルMS1は、ボイスを含むRTPパケットを自分のU−UPF20へ送信し、このU−UPF20は、パケットのSSRCフィールドに基づいて、ボイスRTPパケットを被呼者(MS2)のU−UPF20へ送信する。その後、被呼者のU−UPFは、最終的にそれらを(スキャニングプロセスの結果に基づいて)被呼者のターミナルに配送する。
【0121】
被呼者は、PTTを放すことにより通信を終了し、この場合にMS1は、テイラーパケットを送信して、通信の停止をU−UPFへ指示する。又、図9を参照して述べたように、連続性の監視を使用することもできる。
1対1通信において発生し得る幾つかの特殊なシグナリングのケースを以下に例示する。
被呼者は、グループにおいてトラフィックを同時に受信することがある。ダウンリンクの帯域巾は限定されているので、多数のボイスストリームを同じ移動ステーションMSに転送するのは望ましくない(多数のストリームの受信をサポートするに充分な帯域巾がないことを知っている限り)。それ故、ダウンリンクにおける1対1トラフィックは、被呼ユーザのU−UPF20において、グループトラフィックに適用したのと同じスキャニングプロセスを経てルーティングされる。これは、各MSが、一度に1つのボイスストリームのみを送信するように確保する。
【0122】
同様に、同じ被呼者が、同時に2つ以上の1対1コールを受け取ることがある。それ故、被呼者のU−UPFは、MSへの1対1のボイス転送が進行中である場合にはそれを検出しそして同じMSへの同時の1対1ストリームを防止しなければならない。これは、グループ内の多数の話し手を防止する同じプロセスで取り扱われるのが好ましい(1対1ポートにおける到来するトラフィックは、確認されたSSRCに基づいてフィルターされる)。
【0123】
1対1コール設定の失敗は、多数の異なる理由に依存し、この場合に、発呼者のU−UPFは、被呼者のU−UPFから否定(埋め込まれたRTPシグナリング)確認を受け取り、これは、MS1へ転送される。その一例は、MS2のスキャニングプロセスがプライオリティの高いトラフィックを転送するというものである。その別の例は、1)被呼者が未知であり、2)被呼者がPoCサービスに現在ログオンしておらず、3)コール権利チェックが、当事者間の1対1コールが許されないことを指示し、そして4)被呼者が回路モードコールに参加したことを含む。通信当事者が相互両方向通信の感覚を経験するよう確保するために、U−UPFは、スタートする(パケットが転送される)ことが許されているスピーチアイテムがいずれのトラフィックによっても中断されない(プライオリティの高いトラフィックによりオーバーライドされるときを除き)ことを確保するためのタイマーを実施しなければならない。更に、発呼者のU−UPFは、a)スピーチアイテム間の短い休息(数秒程度の)間に会話が中断されず、b)スピーチアイテムの管理が実行され(参加者のいずれか1人がトークスパート状態をオンにする)、そしてc)最大トークスパート時間が観察される(コール参加者のいずれか1人があまり長時間話すことが防止される)ことを確保するためにタイマーを実施する。タイマーa)がオフになると、PoCネットワークにおいて1対1コールがクリアされることに注意されたい。
【0124】
セキュリティ
ユーザは、システムによって与えられる識別(例えば、グループ、話し手)に合理的なレベルで依存できねばならないことが要求される。ユーザは、受信したデータのコンテンツが不正処理されていないことに合理的なレベルで依存できねばならない。合理的なレベルとは、公衆回路交換電話ネットワークにより与えられるものに対応する。
【0125】
この要求を満足するために2つの主たる解決策が示されている。1)RANにより与えられるセキュリティと、RANとCPS11又はブリッジ10との間でIPネットワークにより与えられるセキュリティとに依存し、そして2)ユーザ装置(MS)とCPS11又はブリッジ10との間のIP(IPSec)認証のためにセキュリティアーキテクチャーを使用する。
【0126】
基礎となるRAN及びIPネットワーク手段の両方のセキュリティに依存することは、特に、1)CPS11及びブリッジ10がソースIPアドレスを探索することにより送信ユーザの認識をチェックし、それ故、ネットワークがソースIPアドレスの偽造を防止し、2)MSが送信CPS11又はブリッジ10の認識をチェックし、それ故、ネットワークがソースIPアドレスの偽造を防止し、そして3)基礎となるネットワークがパケットのコンテンツに対する不正処理を容易に許さないことを意味する。
【0127】
大半のユーザは、極端なセキュリティを必要としない。通常は、RANにおけるエアインターフェイス暗号化によって満足なレベルが達成され、IPネットワーク内のトラフィックへの外部からのアクセスを防止する。もし必要であれば、IPネットワークのセキュリティは、ネットワーク要素間にIPSecを使用することにより改善することができる(これは、IPネットワークと、PoC要素、即ちCPS11及びブリッジ10、との両方に適用される)。
【0128】
オプションとして、本発明によるアーキテクチャーは、MSとそのU−UPF20との間にIPSec認証ヘッダ(AH)を使用することを許す。各MS(又はもし必要であれば、ユーザ)は、公衆−プライベートキー対を有し、同様に、U−UPF20も、公衆−プライベートキー対を有する。従って、標準的なIPSecメカニズムを使用して、MSとそのU−UPF20との間にセキュリティ関連性を設定することができる。
【0129】
この構成は、PoCサービスにログオンするMS(又はユーザ)の認証を許す。ログオンの後、MSからU−UPF20への全てのパケットにIPSec認証ヘッダを使用しなければならない。このように、プロキシー20(又は制御の場合にはCPS)に到着するパケットの発生源及び完全性を照合することができる。同様に、プロキシーからMSへの全てのパケットに認証ヘッダを使用することができ、これは、MSがパケットの発生源及び完全性を照合できるようにする。このようにして、セキュリティは、MSとプロキシーとの間の信頼の問題となる。
【0130】
換言すれば、PoCサービスに契約する各MSは、そのU−UPF20と両方向セキュリティ関連性(SA)を有する。完全な作用設定は、更に、1)セキュリティ関連性を設定し管理する手段(インターネットキー交換IKE)、2)信頼のあるソースで公衆キーを照合する手段、及び3)公衆及びプライベートキーを発生し分配する手段(インターネットセキュリティ関連性及びキー管理プロトコルISAKMP)、を必要とする。
【0131】
このメカニズムは複雑に見えるが、標準的で且つ容易に利用できる解決策を使用する。IPSec認証を後で使用する場合には、IPSecのみでユーザにサービスするのに使用される1つのU−UPF20にそれをインストールすることにより徐々に使用に供することができる。換言すれば、認証及び非認証MS及びプロキシーの両方をサポートすることができる。
【0132】
暗号化
特定のユーザは、端−端暗号化を使用できることが要求される。より簡単な別の態様として、2脚の端−ブリッジ−端暗号化を考えねばならない。というのは、これがキー管理を相当に簡単化するからである。
基礎となるネットワークのエアインターフェイス暗号化により提供されるものより高い暗号化要求をもつユーザの場合には、IPSec暗号化セキュリティペイロード(ESP)を使用して、MSとブリッジとの間に機密性(暗号化)を与えることができる。
【0133】
例えば、MS1は、プロキシーへ送信するためのボイスパケットのペイロードを暗号化する。プロキシーは、パケットを暗号解読し、次いで、それらを再び暗号化して、MS2へ転送する。これは、通信当事者がキーを共用する必要なく、端−端暗号化とほとんど同じレベルのセキュリティをユーザに与える。それ故、端−端暗号化に関連した通常のキー管理問題がこのモデルでは生じない。
【0134】
ここに提案するモデルでは、PoC要素(CPS、ブリッジ)がネットワークにおけるセキュリティ基準コンポーネントに過ぎない。それ故、非常に高いセキュリティ要求をもつユーザの場合には、ユーザグループの制御のもとで機密施設に個別のユーザプロキシー及びブリッジをインストールすることが可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態のみを説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されず、特許請求の範囲内で種々変更し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の基本的なアーキテクチャーを示す図である。
【図2】本発明の基本的なアーキテクチャーを示す図である。
【図3】本発明の基本的なアーキテクチャーを示す図である。
【図4】移動ネットワークの無線インターフェイスにおいてアップリンク及びダウンリンクベアラを各々割り当てるところを示すシグナリング図である。
【図5】移動ネットワークの無線インターフェイスにおいてアップリンク及びダウンリンクベアラを各々割り当てるところを示すシグナリング図である。
【図6】グループ管理の概念を示す概略図である。
【図7】PoCサービスへのユーザログオンを示すシグナリング図である。
【図8】グループスピーチアイテムの管理に関するシグナリングを示すシグナリング図である。
【図9】トークスパートタイマーによるPoCグループスピーチアイテムの管理を示すフローチャートである。
【図10】アップストリームタイマーによるダウンストリーム抑制を示すフローチャートである。
【図11】2つのブリッジを伴うユーザ平面グループ通信を示すブロック図である。
【図12】マルチ−ユニキャスト概念を示す図である。
【図13】スキャニングフィルタプロセスを示すブロック図である。
【図14】スキャニングフィルタプロセスの実施を示す図である。
【図15】1対1通信の設定に関するシグナリング及び通信を示すシグナリング図である。
【符号の説明】
【0136】
10 PoCブリッジ
11 PoCコール処理サーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてスピーチアイテムを管理する方法であって、
グループ通信グループの1つのグループメンバーにスピーチアイテムを許可し、
前記許可に応答して所定のアイドル周期を測定するように第1タイマーをセットし、
前記グループメンバーの前記1つからボイスパケットが受信されるたびに前記第1タイマーをリセットし、
前記第1タイマーが時間切れして、前記許可から、又は前記1つのグループメンバーからボイスパケットを最後に受信してから、前記所定のアイドル周期が経過したことを指示する場合に、前記許可されたスピーチアイテムを終了させる、
という段階を含み、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
最大許容時間周期が前記許可から経過した場合に前記許可されたスピーチアイテムを終了させる段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つのグループメンバーが、送信の終了を指示するために所定のペイロードを有するテイラーパケットを送信し、
前記テイラーパケットの受信に応答して前記スピーチアイテムを終了させる、
という段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
パケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてトラフィックストリームを管理する方法であって、
少なくとも1つのグループ通信グループ又は1対1の通信においてアクティブなユーザにアドレスされたトラフィックストリームを管理するためのユーザ特有の通信機能を用意し、
第1のグループ通信グループ又は第1の1対1通信に関連した第1のボイスパケットストリームであって、少なくとも前記第1のグループ通信グループ又は前記第1の1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされた第1のボイスパケットストリームを受信し、
前記第1のボイスパケットストリームを前記各ユーザへ転送し、
前記第1のボイスパケットストリームの連続性を監視し、
少なくとも1つの更に別のグループ又は1対1通信に関連した少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームを受信し、
前記第1のボイスパケットデータストリームが連続する場合には前記少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームをいずれも前記ユーザへ転送せず、
前記第1のボイストラフィックストリームが所定時間周期中不連続であった場合は前記少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームの1つを前記ユーザへ転送する、
という段階を備え、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記監視段階は、更に、
前記第1ボイスパケットストリームの第1パケットが前記ユーザへ転送されるときに前記所定時間周期を測定するようにタイマーをセットし、
前記第1ボイスパケットストリームの新たなパケットが前記ユーザへ転送されるたびに前記タイマーをリセットし、
前記タイマーが時間切れした場合に前記第1ボイスパケットストリームが不連続であると決定する、
という更に別の段階を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
より高いプライオリティを有するボイスパケットストリームが受け取られたときに直ちに前記第1ボイスパケットストリームを中断する更に別の段階を含む、請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのグループ通信グループ又は1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされたトラフィックストリームを管理するためのネットワークユニットであって、
ユーザにアドレスされた第1グループ又は1対1通信に関連した第1ボイスパケットストリームを、ユーザへユニキャストするために選択する手段と、
前記選択された第1ボイスパケットストリームの連続性を監視するための手段と、
前記現在選択されたボイスパケットストリームが連続的である場合には、少なくとも1つの更に別のグループ又は1対1通信に関連した他の受信されたボイスパケットストリームを破棄するための手段、及び前記最初に選択されユニキャストされた第1ボイストラフィックストリームが所定の時間周期中不連続であった場合には、別の受信されたボイスパケットストリームを選択して前記ユーザにユニキャストするための手段と、
を備え、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とするネットワークユニット。
【請求項8】
前記監視手段が、更に、
前記選択されたボイスパケットストリームの第1パケットが前記ユーザへ転送されるときに前記所定の時間周期を測定するようにセットされるタイマーと、
前記選択されたボイスパケットストリームの新たなパケットが前記ユーザへ転送されるたびに前記タイマーをリセットするための手段と、
前記タイマーが時間切れした場合に前記選択されたボイスパケットストリームが不連続であると決定するための手段と、
を備えた請求項7に記載のネットワークユニット。
【請求項9】
より高いプライオリティを有するボイスパケットストリームが受信されたときに前記第1ボイスパケットストリームを直ちに中断することを更に含む、請求項7に記載のネットワークユニット。
【請求項10】
通信システムにおいて1対1のボイス通信を確立するための方法であって、
前記移動通信システムの最上部に通信サーバを設け、
前記通信サーバと、前記通信サーバにおいてアクティブな通信サービスを受ける各ユーザとの間に個々の論理的接続を形成し、
ユーザから前記個々の論理的接続を各々経て前記通信サーバへトラフィックストリームに埋め込まれたリーダーパケットを送信することにより通信をスタートする、
という段階を備え、各リーダーパケットは、前記送信ユーザ及び受信ユーザの識別子を含み、
前記通信サーバは、i)前記スタートされたスピーチアイテムを拒絶するか、又はii)前記スタートされたスピーチアイテムを前記送信ユーザに対して許可し、前記ユーザトラフィックストリームの前記リーダーパケット及びその後続するボイスパケットを、前記受信ユーザの前記受信された識別子に基づいて前記受信ユーザへ転送するようにし、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記転送段階が、
前記受信ユーザの前記受信された認識に基づいて通信制御サーバから前記受信ユーザのIPアドレスを問合せし、
前記リーダーパケット及びその後続のボイスパケットを前記受信ユーザの前記IPアドレスに転送する、
という更に別の段階を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記送信ユーザが、リーダーパケット及びその後続のパケットを、前記通信サーバにおいて1対1通信に対して指定された特定ポートに送信する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
通信システムを経てパケットデータ通信するためのメカニズムと、
前記メカニズムの最上部にあるグループ通信アプリケーションと、
を備え、
前記アプリケーションが、グループ通信サーバに対する論理的パケット接続を確立するための第1手段を有し、
前記アプリケーションが、前記グループにおける受信者に転送されるべきリアルタイムボイスパケットを、前記グループ通信サーバとの間で送受信するための第2手段を有し、
送信されるリアルタイムボイスパケットの各々が、該パケットのアドレス先である前記通信グループを、前記グループサーバにおける前記グループに割り当てられるポートを識別することにより識別する情報を、含み、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする加入者装置。
【請求項14】
前記アプリケーションが、ボイスオーバーIP(VoIP)アプリケーションである、請求項13に記載の加入者装置。
【請求項15】
プッシュ・ツー・トーク手段と、
ユーザによる前記プッシュ・ツー・トーク手段のアクチベーションに応答して、リーダーパケット及びそれに続くボイスパケットをユーザトラフィックストリームにおいて前記論理的接続を経て前記グループ通信サーバに送信し、それにより、スピーチアイテムをスタートする手段と、
を更に備えた、請求項13又は請求項14に記載の加入者装置。
【請求項16】
パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
プッシュ・ツー・トーク手段と、
ユーザによる前記プッシュ・ツー・トーク手段のアクチベーションに応答して、ユーザトラフィックストリームにおいてリーダーパケット及びそれに続くボイスパケットを前記グループ通信サービスに送信し、それにより、スピーチアイテムをスタートさせる手段と、
を備え、
前記リアルタイムボイスリーダーパケットが、該パケットのアドレス先である前記通信グループを、前記グループサーバにおける前記グループに割り当てられるポートを識別することにより識別する情報を、含み、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする加入者装置。
【請求項17】
前記リーダーパケットを送信した後に前記グループ通信サービスからユーザにスピーチアイテムが許可されないという指示に応答して、更なるパケットの送信を停止すると共に、プッシュ・ツー・トーク手段が依然アクチベートされているがスピーチアイテムを停止するための手段を更に備えた、請求項16に記載の加入者装置。
【請求項18】
ユーザによる前記プッシュ・ツー・トーク手段のデアクチベーションに応答して、スピーチアイテムを停止すると共に、更なるボイスパケットの送信を停止する第3手段を更に備えた請求項16又は請求項17に記載の加入者装置。
【請求項19】
ユーザによる前記プッシュ・ツー・トーク手段のデアクチベーションに応答して、ユーザトラフィックストリームに埋め込まれたテイラーパケットを前記グループ通信サービスに送信し、それにより、スピーチアイテムを停止するための手段を備えた請求項16から請求項18のいずれかに記載の加入者装置。
【請求項20】
前記指示が、リーダーパケットを送信した後にグループ通信グループにおける別のユーザから発信するボイス又はリーダーパケットの受信である、請求項17に記載の加入者装置。
【請求項21】
前記指示が、前記リーダーパケットを送信した後に所定のペイロード形式を有するボイスパケットの受信である、請求項17に記載の加入者装置。
【請求項22】
前記指示の受信に応答して、スピーチアイテムが許可されなかったことをユーザに警告する手段を備えた、請求項17に記載の加入者装置。
【請求項23】
前記プッシュ・ツー・トークスイッチのアクチベーションの後に話し始めるユーザに可聴指示を与える手段を更に備えた、請求項16から請求項22のいずれかに記載の加入者装置。
【請求項24】
前記指示手段が、前記プッシュ・ツー・トークスイッチの前記アクチベーションから所定の時間周期が経過した後に前記可聴指示を可能にするタイマーを備えた、請求項23に記載の加入者装置。
【請求項25】
前記指示手段が、次の接続設定段階の1つに到達した後、即ち1)アップリンクベアラが割り当てられた後、2)前記リーダーパケットが送信された後、3)前記グループ通信サービスが前記リーダーパケットを処理しスピーチアイテムを許可した後、4)受信当事者が前記リーダーパケットを確認した後、前記可聴指示を与える、請求項23に記載の加入者装置。
【請求項26】
パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
通信システムを経てパケットデータ通信するためのメカニズムと、
前記メカニズムの最上部にあるグループ通信アプリケーションと、
を備え、
前記アプリケーションが、制御平面シグナリングによりグループ通信サービスに対する論理的パケット接続を確立するための第1手段を有し、
前記アプリケーションは、前記グループ通信サーバとの間でボイスパケットを送受信するための第2手段を有し、
前記ボイスパケットが、リアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットであり、
前記アプリケーションは、ユーザ平面シグナリングによりスピーチアイテムを要求するための第3手段を有している加入者装置。
【請求項27】
前記埋め込まれたスピーチアイテムシグナリングが、RTPパケットのようなユーザボイスデータパケットを含むユーザトラフィックストリームの始めに送信されるリーダーパケットを含む、請求項26に記載の加入者装置。
【請求項28】
パケットモードグループ通信サービスを有する移動通信システムを介したパケットデータ通信のための加入者装置を構成し、
前記パケットデータ通信の上部の層の上に位置付けられたグループ通信アプリケーションを有する
前記加入者装置に対して、前記パケットデータ通信の上部の層にあるグループ通信アプリケーションを設け、
前記グループ通信により、グループ通信サーバに対する論理的パケット接続を確立し、
前記グループ通信アプリケーションにより、前記グループ通信サーバとの間でリアルタイム搬送プロトコルのボイスパケットを送受信する、
という段階を含み、
リアルタイム搬送プロトコルのボイスパケットが、ポート番号を用いて、グループ通信グループにアドレスされている、
ことを特徴とする方法。
【請求項29】
通信システムの上部にグループ通信サービスエンティティを設け、
前記グループ通信サービスエンティティに対して、少なくとも1つのグループ通信グループにおけるグループメンバの個々のアドレスを与え、
前記グループメンバの1つから前記グループ通信サービスエンティティに対する複数のボイスパケットであって、各々が前記グループ通信グループの少なくとも1つにアドレスされた複数のボイスパケットを、受信し、
前記ボイスパケットを、前記個々のアドレスに基づいて各受信グループメンバに対して個々に転送する、
という段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
通信システムの上部に設けられたグループサーバを具備するサーバシステムであって、
前記グループサーバが、
少なくとも1つのグループ通信グループにおけるグループメンバの個々のアドレスを記憶するように構成されたデータメモリと、
前記グループメンバからボイスパケットを受信するように構成され、受信されるボイスパケットの各々が、該ボイスパケットのアドレス先となる前記グループ通信グループを識別する情報を含む、受信器と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを含む前記グループメンバから受信したボイスパケットの各々を、前記個々のアドレスに基づいて、対応するグループ通信グループにおける受信グループメンバに対して別々に転送するように構成された送信器と、
を具備する、
ことを特徴とするサーバシステム。
【請求項1】
パケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてスピーチアイテムを管理する方法であって、
グループ通信グループの1つのグループメンバーにスピーチアイテムを許可し、
前記許可に応答して所定のアイドル周期を測定するように第1タイマーをセットし、
前記グループメンバーの前記1つからボイスパケットが受信されるたびに前記第1タイマーをリセットし、
前記第1タイマーが時間切れして、前記許可から、又は前記1つのグループメンバーからボイスパケットを最後に受信してから、前記所定のアイドル周期が経過したことを指示する場合に、前記許可されたスピーチアイテムを終了させる、
という段階を含み、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
最大許容時間周期が前記許可から経過した場合に前記許可されたスピーチアイテムを終了させる段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つのグループメンバーが、送信の終了を指示するために所定のペイロードを有するテイラーパケットを送信し、
前記テイラーパケットの受信に応答して前記スピーチアイテムを終了させる、
という段階を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
パケットモードグループボイス通信特徴を有する通信システムにおいてトラフィックストリームを管理する方法であって、
少なくとも1つのグループ通信グループ又は1対1の通信においてアクティブなユーザにアドレスされたトラフィックストリームを管理するためのユーザ特有の通信機能を用意し、
第1のグループ通信グループ又は第1の1対1通信に関連した第1のボイスパケットストリームであって、少なくとも前記第1のグループ通信グループ又は前記第1の1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされた第1のボイスパケットストリームを受信し、
前記第1のボイスパケットストリームを前記各ユーザへ転送し、
前記第1のボイスパケットストリームの連続性を監視し、
少なくとも1つの更に別のグループ又は1対1通信に関連した少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームを受信し、
前記第1のボイスパケットデータストリームが連続する場合には前記少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームをいずれも前記ユーザへ転送せず、
前記第1のボイストラフィックストリームが所定時間周期中不連続であった場合は前記少なくとも1つの更に別のボイスパケットストリームの1つを前記ユーザへ転送する、
という段階を備え、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする方法。
【請求項5】
前記監視段階は、更に、
前記第1ボイスパケットストリームの第1パケットが前記ユーザへ転送されるときに前記所定時間周期を測定するようにタイマーをセットし、
前記第1ボイスパケットストリームの新たなパケットが前記ユーザへ転送されるたびに前記タイマーをリセットし、
前記タイマーが時間切れした場合に前記第1ボイスパケットストリームが不連続であると決定する、
という更に別の段階を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
より高いプライオリティを有するボイスパケットストリームが受け取られたときに直ちに前記第1ボイスパケットストリームを中断する更に別の段階を含む、請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのグループ通信グループ又は1対1通信においてアクティブなユーザにアドレスされたトラフィックストリームを管理するためのネットワークユニットであって、
ユーザにアドレスされた第1グループ又は1対1通信に関連した第1ボイスパケットストリームを、ユーザへユニキャストするために選択する手段と、
前記選択された第1ボイスパケットストリームの連続性を監視するための手段と、
前記現在選択されたボイスパケットストリームが連続的である場合には、少なくとも1つの更に別のグループ又は1対1通信に関連した他の受信されたボイスパケットストリームを破棄するための手段、及び前記最初に選択されユニキャストされた第1ボイストラフィックストリームが所定の時間周期中不連続であった場合には、別の受信されたボイスパケットストリームを選択して前記ユーザにユニキャストするための手段と、
を備え、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とするネットワークユニット。
【請求項8】
前記監視手段が、更に、
前記選択されたボイスパケットストリームの第1パケットが前記ユーザへ転送されるときに前記所定の時間周期を測定するようにセットされるタイマーと、
前記選択されたボイスパケットストリームの新たなパケットが前記ユーザへ転送されるたびに前記タイマーをリセットするための手段と、
前記タイマーが時間切れした場合に前記選択されたボイスパケットストリームが不連続であると決定するための手段と、
を備えた請求項7に記載のネットワークユニット。
【請求項9】
より高いプライオリティを有するボイスパケットストリームが受信されたときに前記第1ボイスパケットストリームを直ちに中断することを更に含む、請求項7に記載のネットワークユニット。
【請求項10】
通信システムにおいて1対1のボイス通信を確立するための方法であって、
前記移動通信システムの最上部に通信サーバを設け、
前記通信サーバと、前記通信サーバにおいてアクティブな通信サービスを受ける各ユーザとの間に個々の論理的接続を形成し、
ユーザから前記個々の論理的接続を各々経て前記通信サーバへトラフィックストリームに埋め込まれたリーダーパケットを送信することにより通信をスタートする、
という段階を備え、各リーダーパケットは、前記送信ユーザ及び受信ユーザの識別子を含み、
前記通信サーバは、i)前記スタートされたスピーチアイテムを拒絶するか、又はii)前記スタートされたスピーチアイテムを前記送信ユーザに対して許可し、前記ユーザトラフィックストリームの前記リーダーパケット及びその後続するボイスパケットを、前記受信ユーザの前記受信された識別子に基づいて前記受信ユーザへ転送するようにし、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記転送段階が、
前記受信ユーザの前記受信された認識に基づいて通信制御サーバから前記受信ユーザのIPアドレスを問合せし、
前記リーダーパケット及びその後続のボイスパケットを前記受信ユーザの前記IPアドレスに転送する、
という更に別の段階を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記送信ユーザが、リーダーパケット及びその後続のパケットを、前記通信サーバにおいて1対1通信に対して指定された特定ポートに送信する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
通信システムを経てパケットデータ通信するためのメカニズムと、
前記メカニズムの最上部にあるグループ通信アプリケーションと、
を備え、
前記アプリケーションが、グループ通信サーバに対する論理的パケット接続を確立するための第1手段を有し、
前記アプリケーションが、前記グループにおける受信者に転送されるべきリアルタイムボイスパケットを、前記グループ通信サーバとの間で送受信するための第2手段を有し、
送信されるリアルタイムボイスパケットの各々が、該パケットのアドレス先である前記通信グループを、前記グループサーバにおける前記グループに割り当てられるポートを識別することにより識別する情報を、含み、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする加入者装置。
【請求項14】
前記アプリケーションが、ボイスオーバーIP(VoIP)アプリケーションである、請求項13に記載の加入者装置。
【請求項15】
プッシュ・ツー・トーク手段と、
ユーザによる前記プッシュ・ツー・トーク手段のアクチベーションに応答して、リーダーパケット及びそれに続くボイスパケットをユーザトラフィックストリームにおいて前記論理的接続を経て前記グループ通信サーバに送信し、それにより、スピーチアイテムをスタートする手段と、
を更に備えた、請求項13又は請求項14に記載の加入者装置。
【請求項16】
パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
プッシュ・ツー・トーク手段と、
ユーザによる前記プッシュ・ツー・トーク手段のアクチベーションに応答して、ユーザトラフィックストリームにおいてリーダーパケット及びそれに続くボイスパケットを前記グループ通信サービスに送信し、それにより、スピーチアイテムをスタートさせる手段と、
を備え、
前記リアルタイムボイスリーダーパケットが、該パケットのアドレス先である前記通信グループを、前記グループサーバにおける前記グループに割り当てられるポートを識別することにより識別する情報を、含み、
前記ボイスパケットがリアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットである、
ことを特徴とする加入者装置。
【請求項17】
前記リーダーパケットを送信した後に前記グループ通信サービスからユーザにスピーチアイテムが許可されないという指示に応答して、更なるパケットの送信を停止すると共に、プッシュ・ツー・トーク手段が依然アクチベートされているがスピーチアイテムを停止するための手段を更に備えた、請求項16に記載の加入者装置。
【請求項18】
ユーザによる前記プッシュ・ツー・トーク手段のデアクチベーションに応答して、スピーチアイテムを停止すると共に、更なるボイスパケットの送信を停止する第3手段を更に備えた請求項16又は請求項17に記載の加入者装置。
【請求項19】
ユーザによる前記プッシュ・ツー・トーク手段のデアクチベーションに応答して、ユーザトラフィックストリームに埋め込まれたテイラーパケットを前記グループ通信サービスに送信し、それにより、スピーチアイテムを停止するための手段を備えた請求項16から請求項18のいずれかに記載の加入者装置。
【請求項20】
前記指示が、リーダーパケットを送信した後にグループ通信グループにおける別のユーザから発信するボイス又はリーダーパケットの受信である、請求項17に記載の加入者装置。
【請求項21】
前記指示が、前記リーダーパケットを送信した後に所定のペイロード形式を有するボイスパケットの受信である、請求項17に記載の加入者装置。
【請求項22】
前記指示の受信に応答して、スピーチアイテムが許可されなかったことをユーザに警告する手段を備えた、請求項17に記載の加入者装置。
【請求項23】
前記プッシュ・ツー・トークスイッチのアクチベーションの後に話し始めるユーザに可聴指示を与える手段を更に備えた、請求項16から請求項22のいずれかに記載の加入者装置。
【請求項24】
前記指示手段が、前記プッシュ・ツー・トークスイッチの前記アクチベーションから所定の時間周期が経過した後に前記可聴指示を可能にするタイマーを備えた、請求項23に記載の加入者装置。
【請求項25】
前記指示手段が、次の接続設定段階の1つに到達した後、即ち1)アップリンクベアラが割り当てられた後、2)前記リーダーパケットが送信された後、3)前記グループ通信サービスが前記リーダーパケットを処理しスピーチアイテムを許可した後、4)受信当事者が前記リーダーパケットを確認した後、前記可聴指示を与える、請求項23に記載の加入者装置。
【請求項26】
パケットモードグループボイス通信サービスを有する通信システムのための加入者装置であって、
通信システムを経てパケットデータ通信するためのメカニズムと、
前記メカニズムの最上部にあるグループ通信アプリケーションと、
を備え、
前記アプリケーションが、制御平面シグナリングによりグループ通信サービスに対する論理的パケット接続を確立するための第1手段を有し、
前記アプリケーションは、前記グループ通信サーバとの間でボイスパケットを送受信するための第2手段を有し、
前記ボイスパケットが、リアルタイム搬送プロトコル(RTP)に基づいたボイスパケットであり、
前記アプリケーションは、ユーザ平面シグナリングによりスピーチアイテムを要求するための第3手段を有している加入者装置。
【請求項27】
前記埋め込まれたスピーチアイテムシグナリングが、RTPパケットのようなユーザボイスデータパケットを含むユーザトラフィックストリームの始めに送信されるリーダーパケットを含む、請求項26に記載の加入者装置。
【請求項28】
パケットモードグループ通信サービスを有する移動通信システムを介したパケットデータ通信のための加入者装置を構成し、
前記パケットデータ通信の上部の層の上に位置付けられたグループ通信アプリケーションを有する
前記加入者装置に対して、前記パケットデータ通信の上部の層にあるグループ通信アプリケーションを設け、
前記グループ通信により、グループ通信サーバに対する論理的パケット接続を確立し、
前記グループ通信アプリケーションにより、前記グループ通信サーバとの間でリアルタイム搬送プロトコルのボイスパケットを送受信する、
という段階を含み、
リアルタイム搬送プロトコルのボイスパケットが、ポート番号を用いて、グループ通信グループにアドレスされている、
ことを特徴とする方法。
【請求項29】
通信システムの上部にグループ通信サービスエンティティを設け、
前記グループ通信サービスエンティティに対して、少なくとも1つのグループ通信グループにおけるグループメンバの個々のアドレスを与え、
前記グループメンバの1つから前記グループ通信サービスエンティティに対する複数のボイスパケットであって、各々が前記グループ通信グループの少なくとも1つにアドレスされた複数のボイスパケットを、受信し、
前記ボイスパケットを、前記個々のアドレスに基づいて各受信グループメンバに対して個々に転送する、
という段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
通信システムの上部に設けられたグループサーバを具備するサーバシステムであって、
前記グループサーバが、
少なくとも1つのグループ通信グループにおけるグループメンバの個々のアドレスを記憶するように構成されたデータメモリと、
前記グループメンバからボイスパケットを受信するように構成され、受信されるボイスパケットの各々が、該ボイスパケットのアドレス先となる前記グループ通信グループを識別する情報を含む、受信器と、
グループ通信グループにおけるスピーチアイテムを含む前記グループメンバから受信したボイスパケットの各々を、前記個々のアドレスに基づいて、対応するグループ通信グループにおける受信グループメンバに対して別々に転送するように構成された送信器と、
を具備する、
ことを特徴とするサーバシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−206164(P2008−206164A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54534(P2008−54534)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【分割の表示】特願2002−582646(P2002−582646)の分割
【原出願日】平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【分割の表示】特願2002−582646(P2002−582646)の分割
【原出願日】平成14年4月12日(2002.4.12)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]