説明

パワーモジュール

【課題】パワーモジュール半製品を構成するヒートプレートを絶縁基板より面積的に小さくしても、成形時の絶縁基板の亀裂や破壊による損傷を防止することができると共に、製品としてのパワーモジュールの極小化の要請に十分答え得る実用化製品を提供する。
【解決手段】パワーモジュール半製品Yを、両外部接続端子5、6における一端側の外部表出側端部5b及びヒートプレート2の他面側をそれぞれ表出させた状態で、成形樹脂層により封止して構成する場合、積層基板体Xを構成するパワーモジュール基板3に、成形樹脂層7を成形する上側成形型11と共に成形型を構成する下側成形型12に設けた位置決めピン14が挿入される位置決め孔8を設けて、パワーモジュール半製品Yのキャビティー13内における位置決めを行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソリットステートリレーや電源などの特に大電力商品に組み込むパワーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパワーモジュールは、セラミック等からなる絶縁基板と、該絶縁基板の一方の面に一面側が接合される金属板からなるヒートプレートと、前記絶縁基板の他方の面に接合する回路パターンを形成するパワーモジュール基板と、パワーモジュール基板の回路パターン上に配設するパワー半導体素子と、該パワー半導体素子に前記回路パターンを介して電気的に接続される外部接続端子とを、該外部接続端子の一端部及びヒートプレートの他方の面を表出させた状態で成形樹脂層を用いて封止することによって構成されている。
【0003】
そして、この種の従来のパワーモジュールは、例えば、図16に示すように、セラミック等の絶縁基板aと、絶縁基板aの一方の面に一面側が接合される金属板からなるヒートプレートbと、絶縁基板aの他方の面に接合し回路パターン(不図示)が形成されたパワーモジュール基板cとを有して構成している。
【0004】
パワーモジュール基板cの回路パターン上には、パワー半導体素子dを配設するとともに、パワーモジュール基板cの基板面上には、パワー半導体素子dに電気的に接続すべく折曲形状を呈する一対の外部接続端子e、fが設置されている。
【0005】
そして、これら、絶縁基板a、ヒートプレートb、パワーモジュール基板c、パワー半導体素子d及び外部接続端子e、fは、パワーモジュール半製品gを構成している。
【0006】
パワーモジュール半製品gは、樹脂成形型である上側成形型hと下側成形型iとで形成するキャビティーj内にセットされて、キャビティーj内に溶融樹脂を封入して形成された成形樹脂層により、外部接続端子e、fの一端側の外部表出側端部e−1、f−1及びヒートプレートbの他面側をそれぞれ表出させた状態で封止して、製品としてのパワーモジュールとして構成することになる(特許文献1参照)。
【0007】
パワーモジュール半製品gは、成形樹脂層で封止するためにキャビティーj内にセットする場合、外部接続端子e、fの外部表出側端部e−1、f−1が図において水平方向に延在して成形樹脂層から表出していることを利用して外部表出側端部e−1、f−1に設けた位置決め孔e−2、f−2を下側成形型iに設けた位置決めピンi−1、i−1にそれぞれ嵌合することによって、位置決めするようにしていた。
【0008】
しかしながら、パワーモジュール半製品gを成形樹脂層により封止することによって製作された製品としてのパワーモジュールは、外部接続端子e、fの外部表出側端部e−1、f−1が成形樹脂層から図において水平方向に大きく張り出した形状となっていることと相俟って、キャビティーg内において衝撃に対して弱い絶縁基板aを保護する面から金属板製のヒートプレートbを絶縁基板aに比べて水平方向に大きく張出させて面積的に大きくする構成になっているために、外部接続端子e−1、f−1とヒートプレートbとの絶縁距離が短くなり、絶縁性確保のために大型化させざるを得なかった。
【0009】
そこで、本願出願人は、特許文献2に記載されているようなパワーモジュールを提案している。
【0010】
すなわち、かかるパワーモジュールは、図17に示すように、セラミック等の絶縁基板aの一方の面に一面側が接合される金属板からなるヒートプレートbと、絶縁基板aの他方の面に接合し回路パターン(不図示)が形成されたパワーモジュール基板cとを有してを構成し、パワーモジュール基板cの回路パターン上に、パワー半導体素子dを配設するとともに、パワーモジュール基板cの基板面上には、パワー半導体素子dに電気的に接続する一対の外部接続端子e、fが設置されて、パワーモジュール半製品gを構成している点、上記した特許文献1と同様にであるが、外部接続端子e、fは、直状形状に形成されて、パワーモジュール基板cの基板面に対して交差する方向に起立設置すると共に、ヒートプレートbが絶縁基板aを面積的に小さくなるようにしていた。なお、mは、一方のパワーモジュール基板cとパワー半導体素子dとを電気的に接続するボンディング体である。
【0011】
かかる構成を有するパワーモジュールは、外部接続端子e、fとヒートプレートbとの絶縁距離が十分確保されることになると共に、製品としてのパワーモジュール自体のサイズの極小化という世の中の要請に答えることができる製品を提供できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−165588号公報
【特許文献2】特開2009−59812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図7に示すパワーモジュールは、パワーモジュール半製品gを成形樹脂層にて封止するために、パワーモジュール半製品gを上側成形型h及び下側成形型iが形成するキャビティーj内にセットする場合、絶縁基板aが突出しているとはいえども、かかる突出部分を位置決め部位にすることはできない。なぜならば、絶縁基板aは衝撃に対して非常に脆弱であることから、たとえば下側成形型iに当接させただけで亀裂や破壊等損壊してしまい、パワーモジュール半製品gのキャビティーj内での位置決めとして使用することはできない。
【0014】
かかることから、従来の技術は、ヒートプレートbを絶縁基板aに対して面積的に小さくすることによってパワーモジュール半製品gの極小化、延いては製品としてのパワーモジュール自体の極小化の要請に答えるために、実用化するに当たっての課題が残っている。
【0015】
そこで、本発明は、パワーモジュール半製品を構成するヒートプレートを絶縁基板より面積的に小さくしても、成形時の絶縁基板の亀裂や破壊による損傷を防止することができると共に、製品としてのパワーモジュールの極小化の要請に十分答え得る実用化製品の提供を可能にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るパワーモジュールは、セラミック等の絶縁基板の一方の面に一面側が接合される金属板からなるヒートプレートと、前記絶縁基板の他方の面に接合し回路パターンが形成されたパワーモジュール基板とで積層基板体を構成しており、前記パワーモジュール基板の回路パターン上にパワー半導体素子を配設すると共に、該パワー半導体素子に電気的に導通する少なくとも一対の直状形状の外部接続端子を、前記パワーモジュール基板の基板面に対して交差する方向に起立設置してパワーモジュール半製品を構成し、且つ、該パワーモジュール半製品を、前記両外部接続端子における一端側の外部表出側端部及び前記ヒートプレートの他面側をそれぞれ表出させた状態で、成形樹脂層により封止して構成しており、前記積層基板体に位置決め孔を形成したことを特徴とするものである。
【0017】
本発明によれば、パワーモジュール半製品は、たとえ絶縁基板に対してヒートプレートを面積的に小さい形状にしたとしても、成形型のキャビティー内にセットする場合に、積層基板に設けた位置決め孔を成形型側の位置決めピンに挿入することにより、常にキャビティー内において正規の位置に短時間でセットすることができ、パワーモジュール半製品を構成するヒートプレートを絶縁基板より面積的に小さくしても、成形時の絶縁基板の亀裂や破壊による損傷を防止することができると共に、極小化を実現できることになり、延いては製品としてのパワーモジュール自体の極小化の要請に十分答え得る実用化製品を提供することが可能にするものである。
【0018】
そして、上記発明の一つの実施の形態においては、前記位置決め孔が、前記積層基板体に一対形成されている。
【0019】
かかる構成により、たとえ位置決め孔が加工しやすい円孔形状にしても、キャビティー内にセットされたパワーモジュール半製品は、キャビティー内において正規の位置にセットされ、しかもセット後に不用意に回転等移動することがない。
【0020】
また、上記発明の他の一つの実施の形態として、前記一対の位置決め孔が、前記パワーモジュール半製品の重心線に対して互いに対称位置にそれぞれ配置形成されている。
【0021】
かかる構成により、パワーモジュール半製品は、キャビティー内へのセット後に重力分布の不均衡によるガタつきを起こすことなく、キャビティー内において常に安定したセット状態を保持することができる。
【0022】
また、上記発明の他の一つの実施の形態として、前記位置決め孔が、前記積層基板体を構成するヒートプレートに形成されている。
【0023】
かかる構成により、ヒートプレートに形成した位置決め孔に成形型側の位置決めピンを挿入することにより、キャビティー内にセットされたパワーモジュール半製品は、キャビティー内において正規の位置にセットされ、しかもセット後に不用意に回転等移動することはない。
【0024】
また、上記発明の他の一つの実施の形態として、前記位置決め孔が、前記積層基板体を構成する前記パワーモジュール基板に形成されている。
【0025】
かかる構成により、パワーモジュール基板に形成した位置決め孔に成形型側の位置決めピンを挿入することによりキャビティー内にセットされたパワーモジュール半製品は、キャビティー内において正規の位置にセットされ、しかもセット後に不用意に回転等移動することがなく、更には、パワーモジュール基板は、ヒートプレートに比較して肉厚に形成することができることから、位置決めピンの位置決め孔における接触面積を大きく確保することができ、パワーモジュール半製品のキャビティー内における位置決めをさらに安定したものにすることができる。
【0026】
また、上記発明の他の一つの実施の形態として、前記パワーモジュール基板に形成した前記位置決め孔が、前記パワーモジュール基板の前記基板面に突出形成した筒状体により構成されている。
【0027】
かかる構成により、パワーモジュール基板に形成した位置決め孔に成形型側の位置決めピンを挿入することにより、キャビティー内にセットされたパワーモジュール半製品は、キャビティー内において正規の位置にセットされ、しかもセット後に不用意に回転等移動してしまうことがなく、更には、筒状体から構成された位置決め孔は、パワーモジュール基板上に突出形成していることから、パワーモジュール基板上に他の部位に比して比較的肉厚に形成される成形樹脂層内に最終的に突出して包み込まれてしまうことから、パワーモジュール半製品延いては製品としてのパワーモジュール自体の極小化に対して何等弊害を及ぼすことはなく、しかも、比較的長く形成することができることから、位置決めピンの位置決め孔における接触面積を大きく確保することができ、パワーモジュール半製品のキャビティー内における位置決めをさらに安定したものにすることができる。
【0028】
また、上記発明の他の一つの実施の形態として、前記位置決め孔が、前記外部接続端子における前記外部表出側端部と前記成形樹脂層によって封止される基板接続側端部との境界部に設置されて前記積層基板体を構成する補助樹脂基板に形成されている。
【0029】
かかる構成により、補助樹脂基板に形成した位置決め孔に成形型側の位置決めピンを挿入することにより、キャビティー内にセットされたパワーモジュール半製品は、キャビティー内において正規の位置にセットされ、しかもセット後に不用意に移動してしまうことがなく、更には、補助樹脂基板は、パワーモジュール基板上に位置して成形樹脂層の比較的肉厚に形成する部分に包み込まれていることから、パワーモジュール半製品延いては製品としてのパワーモジュール自体の極小化に対して何等弊害を及ぼすことがなく、更には、位置決め孔を比較的長く形成することができることから、位置決めピンの位置決め孔における接触面積を大きく確保することができ、パワーモジュール半製品のキャビティー内における位置決めをさらに安定したものにすることができる。
【0030】
また、上記発明の他の一つの実施の形態として、前記成形樹脂層が、前記位置決め孔に挿入された位置決めピンにより形成された有底孔を有しており、該有底孔の内壁面にはアンダーカット部が形成されている。
【0031】
かかる構成により、キャビティー内でパワーモジュール半製品を成形樹脂層により封止した後、完成した製品としてのパワーモジュールを離型するために、例えば、下側成形型に対して上側成形型を移動させた際に、製品としてのパワーモジュールは、有底孔のアンダーカット部に引っ掛かっていることになって確実に下側成形型内に留まらせることができる。かかる点から、離型のためのエジェクト機構は、下側成形型側のみに設置すればよく、上型側成形型に別に設置する必要なくなって、成形型自体の製作コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0032】
上記のように構成する本発明において、パワーモジュール半製品は、成形型のキャビティー内にセットする場合に、積層基板に設けた位置決め孔を成形型側の位置決めピンに挿入することにより、常にキャビティー内において正規の位置にセットされることになって、パワーモジュール半製品を構成するヒートプレートを絶縁基板より面積的に小さくしても、成形時の絶縁基板の亀裂や破壊による損傷を防止することができると共に、極小化を実現できることになり、延いては製品としてのパワーモジュール自体の極小化の要請に十分答え得る実用化製品の提供を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る実施例1を採用したパワーモジュールを、ヒートプレート側を上側にして描画した斜視図からである。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1に示すパワーモジュールを、ヒートプレート側から描画した平面図である。
【図4】図1に示す実施例1に係るパワーモジュール半製品を成形型のキャビティー内にセットした状態を描画した縦断面図である。
【図5】本発明に係る実施例2を採用したパワーモジュールを、突出する外部接続端子側から描画した斜視図からである。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】図4に示すパワーモジュールを、突出する外部接続端子側から描画した平面図である。
【図8】本発明の実施例2の変形例を採用したパワーモジュールの図6と同様の断面図である。
【図9】本発明に係る実施例3を採用したパワーモジュールの図6と同様の断面図である。
【図10】図9に示す実施例3に係るパワーモジュール半製品を成形型のキャビティー内にセットした状態を描画した縦断面図である。
【図11】本発明に係る実施例3の第1変形例に係るパワーモジュール半製品を成形型のキャビティー内にセットした状態を描画した縦断面図である。
【図12】図11に示すパワーモジュール半製品をセットした状態における成形型のキャビティー内に溶融樹脂を封入して成形樹脂層を成形した状態を描画した要部断面図である。
【図13】本発明に係る実施例3の第2変形例に係る製品としてのパワーモジュールの要部のみを描画した縦断面図である。
【図14】本発明に係る実施例3の第3変形例に係る製品としてのパワーモジュールの要部のみを描画した縦断面図である。
【図15】本発明に係る実施例3の第4変形例に係る製品としてのパワーモジュールの要部のみを描画した縦断面図である。
【図16】従来の一の技術に係るパワーモジュールを構成するパワーモジュール半製品を成形型のキャビティー内にセットした状態を描画した縦断面図である。
【図17】従来の他の技術に係るパワーモジュールを構成するパワーモジュール半製品を成形型のキャビティー内にセットした状態を描画した縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、ヒートプレートを絶縁基板より小さくしてパワーモジュール半製品の極小化、延いては製品としてのパワーモジュール自体の極小化を果たし得ると共に、成形樹脂層の成形に当たって絶縁基板の亀裂や破壊による損傷を防止することができるパワーモジュールを提供するものである。
【実施例1】
【0035】
次に、本発明に係る実施例1について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0036】
本発明の実施例1に係るパワーモジュールZは、図2に明確に示すように、セラミック等の絶縁基板1と、絶縁基板1の一方の面に一面側が接合される金属板からなるヒートプレート2と、絶縁基板1の他方の面に接合する回路パターンが形成されたパワーモジュール基板3とを有しており、ヒートプレート2およびパワーモジュール基板3とは積層基板体Xを構成している。
【0037】
そして、パワーモジュール基板3は、互いに電気的に切断された第1の基板部3−1と第2の基板部3−2とで構成しており、第1の基板部3−1に形成された回路パターン(不図示)にパワー半導体4を配設すると共に、パワー半導体素子4と第2の基板部3−2に形成された回路パターン(不図示)とはボンディング体3−3を介して電気的に接続している。
【0038】
さらに、第1の基板部3−1および第2の基板部3−2の各基板面にそれぞれ直状に形成されている外部接続端子5、6の一端部側である基板接続側端部5a、6aが起立設置されている。
【0039】
かくして、一方の外部接続端子5、第1の基板部3−1の回路パターン、パワー半導体素子4、ボンディング体3−3、第2の基板部3−2、そして、他方の外部接続端子6が電気的に接続されて、パワーモジュール半製品Y(図4参照)を構成することになる。
【0040】
パワーモジュール半製品Yは、外部接続端子5、6の他端側の外部表出側端部5b、6b及びヒートプレート2の他面側をそれぞれ表出させた状態で、成形樹脂層7により封止されて、製品としてのパワーモジュールZを構成することになる。
【0041】
かかるパワーモジュールZは、図3に示すように平面視矩形状を呈しており、且つ、直状形状に形成した外部接続端子5、6の外部表出側端部5b、6bを成形樹脂層7におけるヒートプレート2とは反対側の面から表出させると共に、ヒートプレート2を絶縁基板1に対して面積的に小さく形成されていて、外部接続端子5、6とヒートプレート2との絶縁距離を十分確保されるようにすると同時に、製品サイズの極小化という世の中の要請に答えている。
【0042】
さらに、ヒートプレート2の他面側には、図3に示すパワーモジュール半製品Yの長手方向の重心線イ(或いは短手方向の重心線)に対して互いに対象位置に存するように、一対の丸孔状の位置決め孔8、8が形成されている。位置決め孔8、8は、絶縁基板1側が細径となるテーパー孔に形成されている。
【0043】
パワーモジュール半製品Yは、図4に示すように、上側成形型11と下側成形型12とが型締め状態において形成されたキャビティー13内にセットした状態においてキャビティー13内に溶融樹脂を封入することにより、成形樹脂層7が施される。
【0044】
パワーモジュール半製品Yに成形樹脂層7を施すに当たって、パワーモジュール半製品Yは、キャビティー13内においてヒートプレート2を下側成形型12側に向けることになり、この際、位置決め孔8、8に下側成形型12に一体または別体に突出形成した位置決めピン14を嵌合させて、キャビティー13内の所定位置にセットされることになる。かかる状態において、外部接続端子5、6の外部表出側端部5b、6bは、上側成形型11に設けた逃げ孔11a内に嵌合するようになっている。
【0045】
かかる状態から、キャビティー13内に溶融樹脂を封入し、成形樹脂層7を形成することになる。その後、下側成形型12に対して上側成形型11を上方に移動させて型開きを行い、下側成形型12に残された製品として完成した図1に示すパワーモジュールZを取り出すことになる。
【0046】
したがって、本発明に係る第1の実施例においては、成形樹脂層7を成形するに際して、パワーモジュール半製品Yは、上側成形型11および下側成形型12が形成するキャビティー13内にセットする場合に、積層基板体Xを構成するヒートプレート2に設けた位置決め孔8、8に下側成形型12側に設けた位置決めピン14をそれぞれ挿入することにより、常にキャビティー13内において正規の位置に短時間でセットすることができ、ヒートプレート2を絶縁基板1より面積的に小さくしても、成形樹脂層7を成形するに当たって例えば下側成形型12に絶縁基板1が接触当接することを無くして、絶縁基板1の亀裂や破壊による損傷を防止することができると共に、極小化の実用化を果たすことになり、延いてはパワーモジュール自体の極小化した実用化製品を提供することができる。
【0047】
また、位置決め孔8、8は、ヒートプレート2に一対形成されていることから、たとえ加工しやすい円孔形状にしたとしても、キャビティー13内にセットされたパワーモジュール半製品Yを正規の位置に確実にセットすることができ、しかもセット後に不用意に回転等移動することがない。
【0048】
さらに、一対の位置決め孔8、8は、パワーモジュール半製品の重心線に対して互いに対象位置にそれぞれ配置形成されていることから、パワーモジュール半製品Yがキャビティー内へのセット後に重力分布の不均衡によるガタツキを起こすことはなく、常に安定したセット状態で保持されることになる。
【実施例2】
【0049】
次に、図5乃至図7を用いて、本発明に係る実施例2について説明する。
【0050】
本発明の実施例2に係るパワーモジュールZは、実施例1と同様に、図6に明確に示すように、セラミック等の絶縁基板1と、絶縁基板1の一方の面に一面側が接合される金属板からなるヒートプレート2と、絶縁基板1の他方の面に接合する回路パターンが形成されたパワーモジュール基板3とを有して構成しており、ヒートプレート2とパワーモジュール基板3とで積層基板体Xが構成されている。
【0051】
そして、パワーモジュール基板3は、互いに電気的に切断された第1の基板部3−1とのの基板部3−2とで構成しており、第1の基板部3−1に形成された回路パターン(不図示)にパワー半導体素子4を配設するとともに、パワー半導体素子4と第2の基板部に形成された回路パターン(不図示)とはボンディング体3−3を介して電気的に接続している。
【0052】
さらに、第1の基板部3−1および第2の基板部3−2の各基板面にそれぞれ直状に形成されている外部接続端子5、6の一端部側である基板接続側端部5a、6aが起立設置されている。
【0053】
かくて、一方の外部接続端子5、第1の基板部3−1の回路パターン、パワー半導体素子4、ボンディング体3−3、第2の基板部3−2、そして、他方の外部接続端子6が電気的に接続されて、パワーモジュール半製品Yが構成されることになる。
【0054】
パワーモジュール半製品Yは、パワーモジュール基板3の第1の基板部3−1および第2の基板部3−2に不図示の成形型の位置決めピンが嵌合する位置決め孔8、8をそれぞれ形成することによって、成形型のキャビティー内にセットされた状態で位置決め孔8、8に成形型側の位置決めピンを挿入して位置決めして、外部接続端子5、6の他端側の外部表出側端部5b、6b及びヒートプレート2の他面側をそれぞれ表出させた状態で、成形樹脂層7により封止されて、製品としてのパワーモジュールZを構成することになる。
【0055】
かかる製品としてのパワーモジュールZは、図7に示すように平面視矩形状を呈しており、且つ、外部接続端子5、6を直状形状に構成して、外部表出側端部5b、6bを成形樹脂層7におけるヒートプレート2とは反対側の面から表出させると共に、ヒートプレート2を絶縁基板1に対して面積的に小さく形成されていて、外部接続端子5、6とヒートプレート2との絶縁距離を十分確保することができると同時に、製品サイズの極小化という世の中の要請に答えている。
【0056】
パワーモジュール基板3の第1の基板部3−1および第2の基板部3−2にそれぞれ形成した位置決め孔8、8は、第1の実施例と同様に、パワーモジュール半製品Yの長手方向の重心線(或いは短手方向の重心線)に対して互いに対象位置に存するように、形成されている。
【0057】
パワーモジュール半製品Yは、図示しないが実施例1と同様に、上側成形型および下側成形型が型締め状態において形成したキャビティー内にセットした状態においてキャビティー内に溶融樹脂を封入することにより、成形樹脂層7が施される。
【0058】
パワーモジュール半製品Yに成形樹脂層7を施すに当たって、パワーモジュール半製品Yは、例えば位置決めピンを下側成形型側に形成した場合には、外部接続端子5、6の外部表出側端部5b、6aを下側成形型側に向けることになり、この際、位置決め孔8、8に下側成形型に一体または別体に突出形成した位置決めピン(不図示)を嵌合させて、キャビティー内の所定位置にセットすることになる。
【0059】
かかる位置決めピンが位置決め孔8、8に嵌合した状態で、成形樹脂層7が成形されることから、成形樹脂層7には、位置決めピンによって穿設された位置決め孔8に連通する貫通孔7aが形成されることになる。そして、位置決め孔8、8およびこれに連接する貫通孔7aは、絶縁基板1側が細径となるテーパー孔に形成されている。
【0060】
このように構成する本発明に係る実施例2においては、成形樹脂層7を成形するに際して、パワーモジュール半製品Yは、キャビティー内にセットされる場合に、積層基板体Xを構成するパワーモジュール基板3に設けた位置決め孔8、8に成形型側の位置決めピンを挿入することにより、常にキャビティー13内において正規の位置に短時間でセットすることができ、ヒートプレート2を絶縁基板1より面積的に小さくしても、成形樹脂層7を成形するに当たって、絶縁基板1が成形型に接触当接することをなくして、絶縁基板1の亀裂や破壊による損傷を防止することができると共に、極小化の実用化を果たすことになり、延いては製品としてのパワーモジュールZ自体の極小化した実用化製品を提供することができる。
【0061】
また、位置決め孔8、8は、絶縁基板1にそれぞれ接合固定されたパワーモジュール基板3の第1の基板部3−1および第2の基板部3−2に一対形成されていることから、たとえ加工しやすい円孔形状にしたとしても、キャビティー内にセットされたパワーモジュール半製品Yを正規の位置に確実にセットすることができ、しかもセット後に不用意に回転等移動することがない。
【0062】
さらに、一対の位置決め孔8、8は、パワーモジュール半製品Yの重心線に対して互いに対象位置にそれぞれ配置形成されていることから、パワーモジュール半製品Yがキャビティー内へのセット後に重力分布の不均衡によるガタツキを起こすことはなく、常に安定したセット状態で保持されることになる。
【0063】
さらにまた、パワーモジュール半製品Yを成形型のキャビティー内にセットする場合、位置決め孔8、8が成形型のうち下側成形型に設けた位置決めピンに嵌合するようにしたことにより、作業者は、位置決め孔8、8と位置決めピンとの嵌合作業を目視しながら、パワーモジュール半製品Yのセット作業が可能となって、セットの確実性と共にセット時間の大巾短縮が期待できる。
【0064】
図8は、上記実施例2における変形例を示している。
【0065】
かかる図8に示す変形例によれば、パワーモジュール基板3に形成する位置決め孔8、8は、パワーモジュール基板3の基板面に突出形成した筒状体により構成している点が前記実施例2とは異なる構成を採っている。
【0066】
かかる構成により、筒状体により構成した位置決め孔8、8は、パワーモジュール基板3上に突出形成したとしても、成形樹脂層7がパワーモジュール基板3上において他の部位に比して比較的厚く形成されていることから最終的には成形樹脂層7内に突出し完全に包み込まれてしまうことから、パワーモジュール半製品Y延いては製品としてのパワーモジュールZ自体の極小化に対して何等弊害を及ぼすことはなく、しかも、比較的長く形成することができることから、位置決めピンの位置決め孔における接触面積を大きく確保することができ、パワーモジュール半製品Yのキャビティー内における位置決めをさらに安定したものにすることができる。
【実施例3】
【0067】
次に、本発明に係る実施例3について、図9および図10を用いて説明する。
【0068】
本発明の実施例3に係るパワーモジュールZは、上記実施例と同様に、図9に明確に示すように、セラミック等の絶縁基板1と、絶縁基板1の一方の面に一面側が接合される金属板からなるヒートプレート2と、絶縁基板1の他方の面に接合する回路パターンが形成されたパワーモジュール基板3とを有しており、ヒートプレート2およびパワーモジュール基板3が積層基板体Xを構成している。
【0069】
そして、パワーモジュール基板3は、互いに電気的に切断された第1の基板部3−1と第2の基板部3−2とで構成しており、第1の基板部3−1に形成された回路パターン(不図示)にパワー半導体素子4を配設すると共に、パワー半導体素子4と第2の基板部3−2に形成された回路パターン(不図示)とはボンディング体3−3を介して電気的に接続している。
【0070】
さらに、第1の基板部3−1および第2の基板部3−2の各基板面にそれぞれ直状に形成されている外部接続端子5、6の一端部側である基板接続側端部5a、6aが起立設置されている。
【0071】
かくして、一方の外部接続端子5、第1の基板部3−1の回路パターン、パワー半導体素子4、ボンディング体3−3、第2の基板部3−2、そして、他方の外部接続端子6が電気的に接続されて、パワーモジュール半製品Y(図10参照)を構成することになる。
【0072】
そして、本実施例3は、外部接続端子5、6における基板接続側端部5a、6aと外部表出側端部5b、6bとの境界部にやはり積層基板体Xを構成する平面視矩形状を呈した補助樹脂基板9が設置されており、補助樹脂基板9に位置決め孔8、8を形成するようにした点特徴としている。
【0073】
また、位置決め孔8、8は、補助樹脂基板9におけるパワーモジュール半製品Yの長手方向重心線(或いは短手方向重心線)に対して互いに対象の位置に配置されていると共に、パワーモジュール基板3側に細径となるテーパー孔に形成されている。
【0074】
パワーモジュール半製品Yは、外部接続端子5、6の他端側の外部表出側端部5b、6b及びヒートプレート2の他面側をそれぞれ表出させた状態で、成形樹脂層7により封止されて、製品としてのパワーモジュールZを構成することになる。
【0075】
かかるパワーモジュールZは、外部接続端子5、6を直状形状に構成して、外部表出側端部5b、6bを成形樹脂層7におけるヒートプレート2とは反対側の面から表出させると共に、ヒートプレート2を絶縁基板1に対して面積的に小さく形成されていて、外部接続端子5、6とヒートプレート2との絶縁距離を十分確保されるようにすると同時に、製品サイズの極小化した実用化製品を提供することができる。
【0076】
パワーモジュール半製品Yは、図10に示すように、上側成形型11と下側成形型12とが型締め状態において形成されたキャビティー13内セットした状態においてキャビティー13内に溶融樹脂を封入することにより、成形樹脂層7が施される。
【0077】
パワーモジュール半製品Yに成形樹脂層7を施すに当たって、パワーモジュール半製品Yは、キャビティー13内においてヒートプレート2を下側成形型12側に向けることになり、この際、位置決め孔8、8に下側成形型12に一体に突出形成した位置決めピン14を嵌合させて、キャビティー13内の所定位置にセットすることになる。この時、位置決めピン14は、位置決め孔8、8を貫通してキャビティー13内に突出するようになっている。
【0078】
また、外部接続端子5、6の外部表出側端部5b、6bは、図10に示すように、下側成形型12に設けた逃げ孔12a内に隙間をもって嵌合するようになっている。かかる隙間が形成されたとしても、成形樹脂層7は、補助樹脂基板9が逃げ孔12aを閉塞しているので、外部接続端子5、6の外部表出側端部5b、6b側を被覆することはなく、また、成形樹脂層7には、位置決め孔8、8よりキャビティー13側に突出した位置決めピンによって、位置決め孔8、8に連設するテーパー状の有底孔7bが形成されることになる。
【0079】
かかる状態から、キャビティー13内に溶融樹脂を封入し、成形樹脂層7を形成することになる。その後、下側成形型12に対して上側成形型11を上方に移動させて型開きを行い、下側成形型12に残された製品として完成した図9に示すパワーモジュールZを取り出すことになる。
【0080】
したがって、本発明に係る実施例3においては、成形樹脂層7を成形するに際して、パワーモジュール半製品Yは、上側成形型11および下側成形型12が形成するキャビティー13内にセットする場合に、積層基板体Xを構成する補助樹脂基板9に設けた位置決め孔8、8に下側成形型12側に設けた位置決めピン14をそれぞれ挿入することにより、常にキャビティー13内において正規の位置に短時間でセットすることができ、ヒートプレート2を絶縁基板1より面積的に小さくしても、成形樹脂層7を成形するに当たって例えば下側成形型12に絶縁基板1が接触当接することを無くして、絶縁基板1の亀裂や破壊による損傷を防止することができると共に、極小化の実用化を果たすことになり、延いては製品としてのパワーモジュール自体の極小化した実用化製品を提供することができる。
【0081】
また、位置決め孔8、8は、補助樹脂基板9に一対形成されていることから、たとえ加工しやすい円孔形状にしたとしても、キャビティー13内にセットされたパワーモジュール半製品Yを正規の位置に確実にセットすることができ、しかもセット後に不用意に回転等移動することがない。
【0082】
さらに、一対の位置決め孔8、8は、パワーモジュール半製品Yの重心線に対して互いに対象位置にそれぞれ配置形成されていることから、パワーモジュール半製品Yがキャビティー13内へのセット後に重力分布の不均衡によるガタツキを起こすことはなく、常にキャビティー13内において安定したセット状態で保持されることになる。
【0083】
さらにまた、パワーモジュール半製品Yをキャビティー13にセットする場合、位置決め孔8、8が下側成形型12側に設けた位置決めピン14、14にそれぞれ嵌合するようにしたことにより、作業者は、位置決め孔8、8と位置決めピン14、14との嵌合作業を目視しながら、パワーモジュール半製品Yのセット作業が可能となって、セット位置の確実性と共にセット時間の大巾短縮が期待できる。
【0084】
次に、上記実施例3の変形例について、図11乃至図15を用いて説明する。
【0085】
先ず、実施例3における第1変形例について、図11および図12を用いて説明する。
【0086】
かかる第1変形例においては、位置決めピン14は、その中途部にパワーモジュール基板3側に徐々に細くなる括れ部を設けることによって略断面三角形状の突起部14aが設けられていると共に、一端部にネジ軸14bを一体に形成して下側成形型12に取外し可能に設置した点を特徴としている。
【0087】
かかる構成により、図12に示すように、成形樹脂層7は、補助樹脂基板9の位置決め孔8と位置決めピンとの間に形成される隙間内にも侵入形成されると共に、位置決めピン14によって形成された有底孔7bが形成され、有底孔7bの内壁面には突起部14aによって形成された凸状のアンダーカット部7cが形成されている。
【0088】
このように構成する結果、キャビティー13内でパワーモジュール半製品Yを成形樹脂層7により封止した後、完成した製品としてのパワーモジュールZを離型するために、例えば、下側成形型12に対して上側成形型11を移動させた際に、製品としてのパワーモジュールZは、有底孔7bのアンダーカット部7cが位置決めピン14の突起部14aに引っ掛かっていることになって確実に下側成形型12内に留まらせて上側成形型11への張り付きが防止されることになる。かかる点から、離型のためのエジェクト機構(不図示)は、下側成形型12側のみに設置すればよく、上側成形型11に別に設置する必要なくなって、成形型自体の製作コストを低減することができる。
【0089】
図13に示す実施例3の第2変形例は、位置決めピン14の形状を変更することにより、成形樹脂層7に形成される有底孔7bが、パワーモジュール基板3側に徐々に細径となったテーパー状を呈した後、その底側先端部が断面矩形状の凹部に形成されることによって、内壁面に凸状のアンダーカット部7cを形成したものであり、図14に示す実施例3の第3変形例は、やはり位置決めピン14の形状を変更することにより、成形樹脂層7に形成される有底孔7bが、パワーモジュール基板3側に徐々に細径となるテーパー状を呈する内壁面形状となっていると共に、当該内壁面に内方に凸状となったアンダーカット部7cを形成したものであり、更には、図15に示す実施例3の第4変形例は、やはり位置決めピン14の形状を変更することにより、成形樹脂層7に形成された有底孔7bが、パワーモジュール基板側に徐々にテーパー状を呈する内壁面形状となっていると共に、内壁面に三角ネジ山状を呈する凸状のアンダーカット部7cを形成したものであり、第2乃至第4の変形例におけるアンダーカット部7cは、いずれも第1変形例のアンダーカット部7cと同様の作用効果を発揮するものである。
【0090】
さらに、実施例3における各変形例においては、下側成形型12に設けた位置決めピン14は、ネジ軸14bを設けて下側成形型12に対して取外し可能に構成したことから、摩耗等が発生した場合には、新品部品に交換することができ、下側成形型12自体を交換する必要なく、型製作費を軽減することができる。
【0091】
なお、上記何れの実施例において、位置決め孔8は、それぞれ一対形成するようにしたが、キャビティー13内におけるパワーモジュール半製品Yをセットする際の位置決めとなると共にセット後に不用意に動かないようにするために設けたものであることから、一対であることに限定されることなく、3個以上設けてもよく、また、孔形状を多角形状にすることによって、パワーモジュール半製品Yの重心が包含する位置に単一のものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
以上説明したように、本発明は、パワーモジュール半製品が、成形型のキャビティー内において位置決め孔に成形型側の位置決めピンが挿入されて常に正規の位置にセットされ、ヒートプレートを絶縁基板より面積的に小さくしても、成形時の絶縁基板の亀裂や破壊による損傷を防止することができると共に、極小化を実現できることになり、延いては製品としてのパワーモジュール自体の極小化の要請に十分答え得る実用化製品の提供を可能にすることができるために、ソリットステートリレーや電源などの特に大電力商品に組み込むパワーモジュール等に好適である。
【符号の説明】
【0093】
1 絶縁基板
2 ヒートプレート
3 パワーモジュール基板
4 パワー半導体素子
5、6 外部接続端子
5a、6a 基板接続側端部
5b、6b 外部表出側端部
7 成形樹脂層
7b 有底孔
7c アンダーカット部
8 位置決め孔
9 補助樹脂基板
11 上側成形型
12 下側成形型
13 キャビティー
14 位置決めピン
Y 積層基板体
X パワーモジュール半製品
Z 製品としてのパワーモジュール
イ 重心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック等の絶縁基板の一方の面に一面側が接合される金属板からなるヒートプレートと、前記絶縁基板の他方の面に接合し回路パターンが形成されたパワーモジュール基板とで積層基板体を構成しており、前記パワーモジュール基板の回路パターン上にパワー半導体素子を配設すると共に、該パワー半導体素子に電気的に導通する少なくとも一対の直状形状の外部接続端子を、前記パワーモジュール基板の基板面に対して交差する方向に起立設置してパワーモジュール半製品を構成し、且つ、該パワーモジュール半製品を、前記両外部接続端子における一端側の外部表出側端部及び前記ヒートプレートの他面側をそれぞれ表出させた状態で、成形樹脂層により封止して構成しており、前記積層基板体に位置決め孔を形成したことを特徴とするパワーモジュール。
【請求項2】
前記位置決め孔は、前記積層基板体に一対形成したことを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
【請求項3】
前記一対の位置決め孔は、前記パワーモジュール半製品の重心線に対して互いに対称位置にそれぞれ配置形成したことを特徴とする請求項2に記載のパワーモジュール。
【請求項4】
前記位置決め孔は、前記積層基板体を構成するヒートプレートに形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のパワーモジュール。
【請求項5】
前記位置決め孔は、前記積層基板体を構成する前記パワーモジュール基板に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一に記載のパワーモジュール。
【請求項6】
前記積層基板体に形成した前記位置決め孔は、前記積層基板体の前記基板面に突出形成した筒状体により構成したことを特徴とする請求項5に記載のパワーモジュール。
【請求項7】
前記位置決め孔は、前記外部接続端子における前記外部表出側端部と前記成形樹脂層によって封止される基板接続側端部との境界部に設置されて前記積層基板体を構成する補助樹脂基板に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載したパワーモジュール。
【請求項8】
前記成形樹脂層は、前記位置決め孔に挿入された位置決めピンにより形成された有底孔を有しており、該有底孔の内壁面にはアンダーカット部が形成されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか一に記載のパワーモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−35354(P2011−35354A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183269(P2009−183269)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】