説明

ピペラジン化合物、それを含む医薬組成物

【課題】新規なピペラジン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【解決手段】式(I)で表されるピペラジン化合物またはその薬学的に許容可能な塩。


ここで、nは2〜6の整数であり、R1およびR2は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、二酸化窒素、アルキル基、アルコキシ基から選択され、R3は、C1〜C2アルキレンであり、R4は、ジアルキルアミン、芳香族アミン、ヘテロ芳香族アミン、ヘテロサイクリック環、ヘテロ芳香族環から選択される。鬱病・不安神経症を治療・予防する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なピペラジン誘導体またはその薬学的に許容可能な塩、それを製造するための方法、および特にセロトニン1A(5−ヒドロキシトリプタミン;5−HT1A)受容体(レセプター)に対する高いバインディング、有効量のピペラジン化合物を含む鬱病および不安の治療および/または予防のための医薬組成物、および哺乳類における鬱病、不安神経症およびその他5−HT1A受容体と関連した疾患を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鬱病は米国内で約1400万、全世界的には3億4000万の人間に影響を与えており、障害の主要原因のうちの一つとなっている[Kessler RC.et al.,JAMA,2003,289,3095〜3105]。鬱病は高い再発率、障害率および死亡率とも関連されている[Hirschfield RM.et al.,JAMA,1997,277,333〜340;Keller MB.,J.Psychopharmacol.1996,10(suppl1);41〜44]。
【0003】
鬱障害および不安障害の治療でセロトニンの役割は、多様な5−HT受容体亜型(subtype)の活性化度を強化させるように作用する選択的5−HT再吸収抑制剤の治療作用により強調されている[Blier P.and Ward M.,Biol.Psychiatry,2003,53,193〜203]。選択的なセロトニン再吸収抑制剤(Selective serotonin reuptake inhibito:SSRI)は鬱病と関連した障害の治療において大きな成功を収めており、1980年代以降に最も多く処方された薬品のうちの一つとなっている。しかしながら、SSRIの使用は、すべてのセロトニン受容体の無差別的な活性化を招き、これはセロトニンが望ましくない受容体亜型で望ましくない経路で望ましいなく作用したと理解され得る[Stahl SM.,2008,Essential Psychopharmacology(3rd ed.),531]。鬱障害と不安神経障害に対して多様な治療方法を選択することができるが、向上した許容性および適切な効能を有する新たな薬品に対する要求は依然として存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,578,596号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Kessler RC.et al.,JAMA,2003,289,3095〜3105
【非特許文献2】Hirschfield RM.et al.,JAMA,1997,277,333〜340
【非特許文献3】Keller MB.,J.Psychopharmacol.1996,10(suppl1);41〜44
【非特許文献4】Blier P.and Ward M.,Biol.Psychiatry,2003,53,193〜203
【非特許文献5】Stahl SM.,2008,Essential Psychopharmacology(3rd ed.),531
【非特許文献6】Robinson DS.,et al.,J.Clin.Psychopharmacol.,1990,10(3),67S−76S
【非特許文献7】Bielski RJ.,J.Clin.Psychiatry,2008,69(4),571〜577
【非特許文献8】Grof P.,International Clin.Psychopharmacology,1993,8(3),167〜172
【非特許文献9】Blier P.and Ward M.,Biol.Psychiatry,2003,53,193〜203
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
SSRIとは対照的に、5−HT1Aの作用剤(agonist)または部分的作用剤は、シナプス以降のセロトニン受容体に直接作用してセロトニン性神経伝達を増加させる。そして、5−HT1Aの部分的作用剤、ブスピロン(Buspirone)とジェピロン(Gepirone)[Robinson DS.,et al.,J.Clin.Psychopharmacol.,1990,10(3),67S−76S;Bielski RJ.,J.Clin.Psychiatry,2008,69(4),571〜577]、および5−HT1A作用剤、フレキシノサン(Flexinoxan)[Grof P.,International Clin.Psychopharmacology,1993,8(3),167〜172]は鬱病治療のための臨床試験で効能を示してきた。さらに、独特の薬理学的プロファイルのため、5−HT1A作用剤は他の部類の抗鬱剤に比べて主要な鬱病の治療に理論上利点を有する。特に、これら薬品は、去る10年間導入された一部の抗鬱剤でしばしば問題となってきた体重増加、鎮静(sedation)または性機能障害などの問題を起こさないと期待される[Blier P.and Ward M.,Biol.Psychiatry,2003,53,193〜203]。
【0007】
フェニルピペラジン化合物が鬱病および不安神経症の制御のために有効に使用されることは多数の報告書に開示されている。
【0008】
例えば、米国特許第5,578,596号は、2−アルコキシ−5,6,7,8−テトラヒドロキノキサリン誘導体がセロトニン1A受容体に強い親和性を有し、セロトニン性ニューロン関連疾病の予防および治療に有用であると開示している。
【0009】
これら化合物は、鬱病と不安神経症を管理するための治療薬として非常に有効であると確認された。
【0010】
鬱病と不安神経症の治療のためのフェニルピペラジン化合物の応用に関して活発な研究と開発の努力が続いている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一の態様において、本発明は、式(I)で表されるピペラジン化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0012】
【化1】

【0013】
ここで、nは2〜6の整数であり;
R1およびR2は、同一または相異し、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、二酸化窒素、炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基、および炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ基からなる群より独立して選択され;
R3は、C1〜C2アルキレンであり;
R4は、下記からなる群より選択され:
(a)C2〜C6ジアルキルアミン、
(b)5員〜9員芳香族アミン(ここで、環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(c)環の構成員として少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロ芳香族アミン(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(d)少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロサイクリック環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、および
(e)少なくとも窒素原子を含む5員〜9員のヘテロ芳香族環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される);
R4は、そのうちの窒素原子を通じてR3基に連結される。
【0014】
他の態様において、本発明は下記を含む薬学的組成物を提供する。
【0015】
(A)式(I)で表されるピペラジン化合物またはその薬学的に許容可能な塩の有効量:
【0016】
【化2】

【0017】
ここで、nは2〜6の整数であり;
R1およびR2は、同一または相異し、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、二酸化窒素、炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基、および炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ基からなる群より独立して選択され;
R3は、C1〜C2アルキレンであり;
R4は、下記からなる群より選択され:
(a)C2〜C6ジアルキルアミン、
(b)5員〜9員芳香族アミン(ここで、環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(c)環の構成員として少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロ芳香族アミン(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(d)少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロサイクリック環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、および
(e)少なくとも窒素原子を含む5員〜9員のヘテロ芳香族環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される);
R4は、そのうちの窒素原子を通じてR3基に連結される;および
(B)薬学的に許容可能な担体または賦形剤。
【0018】
また他の態様において、本発明は、必要とする哺乳類に式(I)で表されるピペラジン化合物またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与する段階を含む、哺乳類における鬱病および不安神経症のうちの少なくとも一つを治療するための方法を提供する。
【0019】
【化3】

【0020】
ここで、nは2〜6の整数であり;
R1およびR2は、同一または相異し、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、二酸化窒素、炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基、および炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ基からなる群より独立して選択され;
R3は、C1〜C2アルキレンであり;
R4は、下記からなる群より選択し:
(a)C2〜C6ジアルキルアミン、
(b)5員〜9員芳香族アミン(ここで、環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(c)環の構成員として少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロ芳香族アミン(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(d)少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロサイクリック環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、および
(e)少なくとも窒素原子を含む5員〜9員のヘテロ芳香族環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの少なくとも一つで置換される);
R4は、そのうちの窒素原子を通じてR3基に連結される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の具現例を詳しく説明するに先立ち、本発明は以下の記載で記述された詳細な構造および構成要素の配列にその応用が限定されないことを理解しなければならない。本発明は、他の具現例も可能であり、多様な方式で実施および遂行が可能である。また、本明細書で使用された語法および用語は、記載の目的として使用されたものであり、限定するために考慮されてはならない。「含む」、「含有する」または「有する」という用語とその変形の使用は、以降に羅列された項目とその均等物のみならず、追加の項目をすべて含むことを意味する。
【0022】
また、ここに記載された任意の数値範囲は、低い値から高い値までのすべての値を含む。例えば、もし濃度範囲が1%〜50%と明示されている場合、これは2%〜40%、10%〜30%あるいは1%〜3%などのような値が明示的に本明細書に列挙されていることを意図する。これらは単に具体的に意図されたものに対する例示に過ぎず、列挙された最低値および最高値の間およびこれを含む数値のすべての可能な組み合わせが本出願に明示的に記載されていると考慮されなければならない。
【0023】
本明細書および添付の特許請求の範囲の全体にかけ、与えられた化学式または名称はすべての立体異性体および光学異性体とこれらのラセミ化合物(racemate)のみならず、このような異性体および鏡像異性体が存在し、個々の鏡像異性体の比率が異なる混合物を含み、ひいては、これらの薬学的に許容可能な塩および例えば水和物のようなその溶媒和物(solvate)を含む。異性体は従来技術、例えばクロマトグラフィーまたは分別結晶を使用して分離しても良い。鏡像異性体は、例えば、分別結晶、溶解(resolution)、またはHPLCによるラセミ化合物の分離により単離されても良い。立体異性体は、例えば分別結晶、HPLCまたはフラッシュクロマトグラフィーによる異性体混合物の分離により単離されても良い。「ヘテロ芳香族環」または「ヘテロサイクリック環」は一つ以上のヘテロ原子を含む環を意味する。「ヘテロ原子」はヘテロサイクリック基またはヘテロ芳香族基の環内で炭素以外の原子を意味する。ヘテロ原子は、酸素原子、硫黄原子および窒素原子のうちの一つ以上であっても良い。一つより多いヘテロ原子を含む基は相異なるヘテロ原子を含んでも良い。
【0024】
本発明のピペラジン化合物は、式(I)またはその薬学的に許容可能な塩を有する。
【0025】
【化4】

【0026】
ここで、nは2〜6の整数であり;
R1およびR2は、同一または相異し、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、二酸化窒素、炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基、および炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ基からなる群より独立して選択され;
R3は、C1〜C2アルキレンであり;
R4は、下記からなる群より選択し:
(a)C2〜C6ジアルキルアミン、
(b)5員〜9員芳香族アミン(ここで、環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(c)環の構成員として少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロ芳香族アミン(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(d)少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロサイクリック環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、および
(e)少なくとも窒素原子を含む5員〜9員のヘテロ芳香族環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの少なくとも一つで置換される);
R4は、そのうちの窒素原子を通じてR3基に連結される。
【0027】
一具体例において、R1およびR2は、水素、ヒドロキシ基、ハロゲン、二酸化窒素、炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アキルギおよび炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ基からなる群より独立して選択される。例えば、ハロゲンは、F、Cl、Br、またはIであっても良い。アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルであって良く、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよび三級ブチルであっても良い。別に明示されたり指示されない場合、「アルコキシ」という用語は、O−アルキル基(ここで、アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはt−ブチルである)を指称する。
【0028】
別に明示されたり指示されない場合、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素(ヨード)を意味する。
【0029】
R4の例は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルブチルアミンおよびエチルプロピルアミンを含むが、これに制限されない。
【0030】
R4が5員〜9員芳香族アミンまたは5員〜9員ヘテロ芳香族アミンである場合、R4はアミノ基内の窒素原子を通じてR3に連結される。
【0031】
R4は、5員〜9員芳香族アミンであっても良く、この場合、環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10環状アルキル、C6〜C10アリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で独立して置換されていてよい。一具体例において、R4において5員〜9員芳香族アミンの例は、水素、C1〜C6アルキルおよびハロゲンのうちの一つ以上で置換された5員または6員芳香族アミンであり、特にアニリンのように、水素で置換された6員芳香族アミンである。
【0032】
R4は、少なくとも一つの窒素原子を含む5員〜9員ヘテロ芳香族アミンであっても良いが、この時、環は、水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10環状アルキル、C6〜C10アリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で独立して置換されていてよい。一具体例において、5員〜9員ヘテロ芳香族アミンの例は、C1〜C6アルキルおよびハロゲンのうちの一つ以上で置換された5員または6員ヘテロ芳香族アミンを含み、この時、ヘテロ芳香族アミンは、環の構成員として2つ以上のヘテロ原子を含み、ここで、第1のヘテロ原子はNであり、第2のヘテロ原子はN、OおよびSからなる群より独立して選択される。
【0033】
5員ヘテロ芳香族アミンは、下記からなる群より選択された構造(II)を有しても良い:
【0034】
【化5】

【0035】
R4が5員〜9員ヘテロサイクリック環または5員〜9員ヘテロ芳香族環である場合、R4は前記5員〜9員ヘテロサイクリック環またはヘテロ芳香族環のヘテロ原子として環内に含まれている窒素原子を通じてR3に連結されても良い。
【0036】
R4は、少なくとも一つの窒素原子を含む5員〜9員ヘテロサイクリック環であっても良いが、この時、前記環は、水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10環状アルキル、C6〜C10アリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で独立して置換されていてよい。5員〜9員ヘテロサイクリック環の例は、下記からなる群より選択された構造(III)を有する5員または6員ヘテロサイクリック環を含むが、これに制限されない:
【0037】
【化6】

【0038】
R4は、少なくとも一つの窒素原子を含む5員〜9員ヘテロ芳香族環であっても良いが、この時、前記環は、水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10環状アルキル、C6〜C10アリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で独立して置換されていてよい。ヘテロ芳香族環の例は、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ベンズイミダゾールまたはインダゾール(indazol)のようなアゾール化合物を含むが、これに制限されるものではない。アゾール環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10環状アルキル、C6〜C10アリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換されても良い。アゾール化合物は下記からなる群より選択された構造(IV)を有しても良い:
【0039】
【化7】

【0040】
化学式(I)を有する化合物の例は、1−[4−(4−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−[4−(3−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−ヒドロクロライド、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−テトラゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド、1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−インダゾール、1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−ベンゾトリアゾール、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−フェニル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−フェニル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミンジヒドロクロライド、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−フェニル−アミン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−チアゾール−2−イル−アミン、1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[3−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、(3−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン、4−(3−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン、1−{4−[4−(4,5−ジクロロ−イミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン、1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、4−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン、(4−{4−[4−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン、1−(3−フルオロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−4−メチルピペラジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、(4−{4−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン、4−(4−{4−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−4−メチルピペラジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル−アミン、1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミン、1−{4−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−テトラゾール−2−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−テトラゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−(4−{4−[2−(5−メチル−テトラゾール−1−イル)−エチル]−フェノキシ}−ブチル)−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−(4−{4−[2−(5−メチル−テトラゾール−2−イル)−エチル]−フェノキシ}−ブチル)−ピペラジン、2−{4−[4−(4−[1,2,3]−トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−ベンゾニトリル、および1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを含むが、これに制限されるのではない。
【0041】
「薬学的に許容可能な塩」は、このような塩が可能な場合、薬学的に許容可能な酸性および塩基性付加塩をすべて含む。式(I)の化合物の薬学的に許容可能な適切な塩は、例えば、十分に塩基性である式(I)の化合物の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸またはマレイン酸のような無機または有機酸との酸付加塩であるか;あるいは例えば、十分に酸性である式(I)の化合物の塩、例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩、またはマグネシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、またはアンモニウム塩、またはメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルフォリン、またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンのような有機塩基との塩である。
【0042】
以下、式(I)で表される前記ピペラジン誘導体を製造する方法を詳しく記述する。
【0043】
まず、出発物質として式(VI)のフェノールを式(V)で表されるジハライドアルカンと反応させて式(VII)で表されるハロゲン化化合物を合成する:
【0044】
【化8】

【0045】
ここで、nは、前記で定義されたとおりであり、Xは、ハロゲンであって、塩素および臭素のようなものであるが、これに制限されない。
【0046】
式(VII)で表されるハロゲン化化合物に、式(VIII)のフェニルピペラジンを反応させて式(IX)で表されるヒドロキシ基を有する化合物を得る:
【0047】
【化9】

【0048】
ここで、R1、R2、nおよびR3は、前記で定義されたとおりである。
【0049】
このような過程は、下記の反応スキーム(I)で説明されたとおり要約される。
【0050】
<反応スキームI>
【0051】
【化10】

【0052】
反応スキームIに記述された反応条件の詳細内容は次のとおりであってよい。フェノール(VI)をハロゲン化化合物(VII)に転換するために、フェノール(VI)の濃度は約0.005〜約0.1モルであっても良く、ジハライドアルカン(V)は約2.0〜約3.0当量の範囲であり、有機または無機塩基は約3.0〜約4.0当量の範囲であって良い。この反応は還流されても良い。得られた生成物はカラムクロマトグラフィーにより精製されても良い。ハロゲン化化合物(VII)をヒドロキシ基を有する化合物(IX)に転換するためには、(VII)と置換されたフェニルピペラジン(VIII)の混合物を約30mlのアセトニトリル内で約6時間還流させても良い。このようなカップリング反応のために、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランのようなエーテル性溶媒、ジクロロメタンおよびクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素溶媒、またはこれらの混合物が使用されても良い。
【0053】
次に、式(IX)で表されるヒドロキシ基を有するヒドロキシ化合物が、塩化チオニルと反応した後、ジアルキルアミン、芳香族アミン、ヘテロ芳香族アミン、ヘテロサイクリック環またはヘテロ芳香族環基と反応することにより、式(I)で表されるフェニルピペラジン化合物が製造される:
【0054】
【化11】

【0055】
ここで、R1、R2、R3、R4およびnは、前記で定義したとおりである。
【0056】
下記のように式(XI)で表されるその薬学的に許容可能な塩は、式(I)のフェニルピペラジン化合物を追加の精製なしに溶液中で無水酸で処理して得られ得る。
【0057】
このような過程は下記反応スキーム(II)に記載したとおり要約される。
【0058】
<反応スキームII>
【0059】
【化12】

【0060】
反応スキームIIに記述された反応条件の詳細内容は次のとおりである。ヒドロキシ基を有する化合物(IX)を化合物(X)に転換させるために、ヒドロキシ基を有する化合物(IX)は約0.005〜約0.1モルであっても良く、塩化チオニルは約1.0〜約1.5当量の範囲であってよい。このような反応は約0℃の温度で遂行されても良い。得られた生成物はカラムクロマトグラフィーにより精製されても良い。得られた化合物(X)は約2.0〜約3.0当量のジアルキルアミン、芳香族アミン、ヘテロ芳香族アミン、ヘテロサイクリック環またはヘテロ芳香族環で還流下に処理して一般式(I)の化合物を得ても良い。このようなカップリング反応のために、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンおよびクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素溶媒、またはこれらの混合物が使用されても良い。
【0061】
反応スキームIIにおいて、HAは、塩基性窒素原子と薬理学的に有用な塩を形成することができる酸を示す。化合物(XI)の製造のために使用される無水酸の特定の例は、塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、シュウ酸、琥珀酸、酒石酸、乳酸、グルコン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸などを含むが、これに制限されない。追加の酸に対しては、Pharmaceutical Salts,J.Pharm.Sci.,1977;66(1):1〜19を参照しても良い。このような処理過程は、テトラヒドロフランのようなエーテル性溶媒、メタノールのようなアルコール性溶媒、エチルアセテートのようなエステル溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒およびこれらの混合物によって例示される反応媒質内で遂行されても良い。一具体例において、エーテル系溶媒は付加溶液として推奨され、前記エーテル系溶媒はエチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテルおよびイソブチルエーテルを含む。化合物(I)の濃度は、約0.01〜約5モル程度であっても良い。
【0062】
本発明の他の具体例において、本発明は、鬱病および不安神経症のうちの少なくとも一つを治療するために、式(I)で表されるフェニルピペラジン化合物の有効量を含む医薬組成物を提供する。
【0063】
本発明のさらなる具体例において、本発明は、構造式(I)で表されるピペラジン化合物の有効量を、単独あるいは薬学的に許容可能な担体や賦形剤との組み合わせで、必要とする哺乳類に投与する段階を含む、哺乳類における鬱病および不安神経症のうちの少なくとも一つを治療する方法を提供する。
【0064】
本発明の化合物の活性は、マウス尻尾懸垂法(Mouse Tail Suspension)とガラス玉覆い隠し試験(Marble Burying Test)とにより試験された。
【0065】
鬱病および不安神経症のための製剤としての治療的用途において、本発明の化合物は単独あるいは薬学的に許容可能な担体や賦形剤との組み合わせで使用される。
【0066】
本発明の化合物は、そのままで、あるいは従来技術の薬学的担体との組み合わせで経口または非経口投与されても良い。適用可能な固体担体は、香味料、潤滑剤、溶解化剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤(glidant)、圧縮補助剤、バインダー、錠剤崩壊剤、または封入材料として機能することができる一つ以上の成分を含んでも良いが、これに制限されない。粉末の場合、担体は微粉化された活性成分と混合され得る微粉化された固体であっても良い。錠剤の場合、活性成分は適切な圧縮特性を有する担体と適切な比率で混合されて所望の形状と大きさで圧縮されても良い。粉末および錠剤は活性成分を約99%まで含んでも良い。
【0067】
適切な固体担体は、例えば、カルシウムホスフェート、マグネシウムステアレート、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ソジウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、低融点ワックス(low melting wax)、およびイオン交換樹脂を含む。液体担体は、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップおよびエリキシル(elixir)を製造するのに使用されても良い。
【0068】
本発明の活性成分は、水、有機溶媒、両者の混合物または薬学的に許容可能なオイルまたは脂肪のように薬学的に許容可能な液体担体内に溶解または懸濁されても良い。液体担体は、溶解化剤、乳化剤、緩衝剤、防腐剤、甘味剤、香味剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘性調節剤、安定化剤または浸透圧調節剤のように他の適切な薬学的添加剤を含んでも良い。経口および非経口投与のための液体担体の適切な例は、水(特に、前記の添加剤、例えば、限定されるものではないが、ソジウムカルボキシメチルセルロース溶液のような、セルロース誘導体を含有したもの)、アルコール(限定されるものではないが、1価アルコールおよび多価アルコール、例えばグリコールを含む)とそれらの誘導体、およびオイル(例えば、限定されるものではないが、分画化ココナッツオイルおよび落花生油(arachis oil))を含む。
【0069】
また、非経口投与のために、担体はオレイン酸エチル(ethyl oleate)およびミリスチン酸イソプロピルのようなエステル油であっても良い。非経口投与のための滅菌(無菌)液状組成物では、滅菌液体担体が使用される。滅菌溶液または懸濁液である液体薬学的組成物は、例えば、筋肉内注射、腹腔内(intraperitoneal)注射または皮下注射により利用されても良い。滅菌溶液はまた、静脈内に投与されても良い。
【0070】
経口投与は液体または固体組成物形態であっても良い。一具体例において本発明の化合物を含有する薬学的組成物は、例えば、錠剤またはカプセルのような単位投与分(unit dosage)の形態(剤型)である。このような形態において、組成物は適切な量の活性成分を含有する単位投与分に再び分けられても良い。単位投与分の形態はパッケージ化組成物、例えばパッケージ化された、パウダー、バイアル、アンプル、充填型注射器または液体を含有する袋体(sachet)であっても良い。代案として、単位投与分の形態は、例えば、カプセルまたは錠剤それ自体であるか、あるいはパッケージ形態の任意のこのような組成物の適切な数であっても良い。治療的に有効な使用投与分は、医師が変更または調節することができるが、治療対象の特別な状態および患者のサイズ、年齢と反応パターンに応じて一般には約0.5mg〜約750mgの範囲である。
【0071】
本発明の化合物は、1日当り約0.7〜約7000mgの投与量で患者に投与されても良い。例えば、ほぼ体重70kgの正常成人の場合、投与量は体重1kg当り約0.01〜約100mgの1日用量(daily dose)で換算されても良い。しかしながら、使用される個々の投与量は、患者の要求条件、患者の状態の深刻性および化合物の活性に応じて変化されても良い。特定の状況で最適の投与量の決定は、臨床的に行われ得、当該分野の技術内である。
【実施例】
【0072】
本発明は、以下に説明する実施例によってより良好に理解され得るが、本発明がこのような実施例に限定されると解釈してはならない。
【0073】
〔実施例1〕
1−[4−(4−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン
【0074】
【化13】

【0075】
4−ヒドロキシベンズアルデヒド(5mmol)、1−ブロモ−4−クロロブタン(5mmol)、および炭酸カリウム(15mmol)の混合物を100mlのアセトン内で6時間還流させた。この溶液を次に回転蒸発器(回転式減圧蒸留装置:rotary evaporator)で濃縮させて酢酸エチルで希釈した。混合物を次に塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥してカラムクロマトグラフィーにより精製した。これをメタノール(50ml)に溶解させ、ソジウムボロハイドライド(10mmol)を25℃で添加した。この混合物を25℃で2時間攪拌した。この溶液を次に回転蒸発器で濃縮し、メチレンクロライドで希釈した後、塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥して真空で濃縮した。粗生成物をイソプロパノール(50ml)に溶解させ、1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン(5mmol)、炭酸ソーダ(15mmol)およびヨウ化カリウム(5mmol)を25℃で添加し、反応混合物を12時間還流させた。この溶液を次に回転蒸発器で濃縮し、メチレンクロライドで希釈した後、塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥した後、カラムクロマトグラフィーにより精製した。この生成物をCHCl(30ml)に溶解させ、ピリジンと塩化チオニル(5mmol)を0℃で添加した後、室温で16時間攪拌し、水を添加して反応を終結させた。有機層をジクロロメタンで3回抽出して乾燥させ、真空で濃縮させた。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。これをアセトニトリル(30ml)に溶解させ、イミダゾール(6mmol)、炭酸カリウム(15mmol)およびヨウ化カリウム(5mmol)を25℃で添加し、反応混合物を12時間還流させた。この溶液を回転蒸発器で濃縮し、メチレンクロライドで希釈した後、塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥し、カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた1−[4−(4−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンをジクロロメタンに溶解させ、この溶液をHCl含有エチルエーテル溶液で処理した。最終沈殿物をろ過して1−[4−(4−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンヒドロクロライドを得た。
【0076】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ11.1(br、1H)、7.5(s、1H)、7.3(s、1H)、7.2(m、2H)、6.9(m、7H)、5.0(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0077】
〔実施例2〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0078】
【化14】

【0079】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,4−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0080】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.1(s、1H)、8.0(s、1H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.2(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0081】
〔実施例3〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0082】
【化15】

【0083】
イミダゾールの代わりに1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0084】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.6(s、1H)、7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、5.6(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)3.2(m、4H)、2.9(m、4H)、2.7(t、2H)、1.9(m、4H)
【0085】
〔実施例4〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0086】
【化16】

【0087】
イミダゾールの代わりに1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0088】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.6(s、1H)、7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、5.8(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)3.2(m、4H)、2.9(m、4H)、2.7(t、2H)、1.9(m、4H)
【0089】
〔実施例5〕
1−[4−(3−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−ヒドロクロライド
【0090】
【化17】

【0091】
3−ヒドロキシベンズアルデヒド(5mmol)、1−ブロモ−4−クロロブタン(5mmol)、および炭酸カリウム(15mmol)の混合物を100mlのアセトンで6時間還流させた。次に、前記溶液を回転蒸発器(回転式減圧蒸留装置:rotary evaporator)で濃縮させて酢酸エチルで希釈した後、塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥してカラムクロマトグラフィーにより精製した。これをメタノール(50ml)に溶解させ、25℃でソジウムボロハイドライド(10mmol)を添加して25℃で2時間攪拌した。この溶液を次に回転蒸発器で濃縮し、メチレンクロライドで希釈した後、塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥させて真空下に濃縮した。粗生成物をイソプロパノール(50ml)に溶解させ、1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン(5mmol)、炭酸ソーダ(15mmol)およびヨウ化カリウム(5mmol)を25℃で添加し、反応混合物を12時間還流させた。この溶液を回転蒸発器で濃縮し、メチレンクロライドで希釈した後、塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥した後、カラムクロマトグラフィーにより精製した。この生成物をCHCl(30ml)に溶解させ、0℃でピリジンと塩化チオニル(5mmol)を添加した後、得られた反応混合物を室温で16時間攪拌し、水を添加して反応を終結させた。有機層をジクロロメタンで3回抽出した後、乾燥させて真空で濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製した。これをアセトニトリル(30ml)に溶解させ、イミダゾール(6mmol)、炭酸カリウム(15mmol)およびヨウ化カリウム(5mmol)を25℃で添加して反応混合物を12時間還流させた。この溶液を回転蒸発器で濃縮し、メチレンクロライドで希釈した後、塩水で洗浄し、有機層を乾燥させてカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた1−[4−(3−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンをジクロロメタンに溶解させ、この溶液をHCl含有エチルエーテル溶液で処理した。最終沈殿物をろ過して1−[4−(3−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンヒドロクロライドを得た。
【0092】
H−NMR(DMSO、200MHz)δ11.6(br、1H)、9.5(s、1H)、7.8(s、1H)、7.6(s、1H)、7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、5.4(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6−3.2(m、10H)、2.0(m、2H)、1.8(m、2H)
【0093】
〔実施例6〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド
【0094】
【化18】

【0095】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,4−トリアゾールを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0096】
H−NMR(DMSO、200MHz)δ11.6(br、1H)、9.5(s、1H)、8.5(s、1H)、7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、5.4(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6−3.2(m、10H)、2.0(m、2H)、1.8(m、2H)
【0097】
〔実施例7〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−テトラゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド
【0098】
【化19】

【0099】
イミダゾールの代わりに1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−テトラゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0100】
H−NMR(DMSO、200MHz)δ10.8(br、1H)、9.6(s、1H)、7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、5.4(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6(m、4H)、3.2(m、6H)、2.0(m、2H)、1.8(m、2H)
【0101】
〔実施例8〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド
【0102】
【化20】

【0103】
イミダゾールの代わりに1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0104】
H−NMR(DMSO、200MHz)δ10.8(br、1H)、9.0(s、1H)、7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、5.9(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6(m、4H)、3.2(m、6H)、2.0(m、2H)、1.8(m、2H)
【0105】
〔実施例9〕
1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール
【0106】
【化21】

【0107】
イミダゾールの代わりに1H−ベンゾイミダゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−ベンゾイミダゾールを得た。
【0108】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.0(s、1H)、7.8(m、1H)、7.3(m、3H)、7.2(m.,2H)、7.0(m、6H)、5.3(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0109】
〔実施例10〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0110】
【化22】

【0111】
イミダゾールの代わりに2−メチル−イミダゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0112】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.1〜6.8(m、10H)、5.0(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.2(s、3H)、1.8(m、4H)
【0113】
〔実施例11〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0114】
【化23】

【0115】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0116】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.6(s、2H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.6(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0117】
〔実施例12〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0118】
【化24】

【0119】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0120】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.7(s、1H)、7.4(s、1H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.5(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0121】
〔実施例13〕
1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−インダゾール
【0122】
【化25】

【0123】
イミダゾールの代わりに1H−インダゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−インダゾールを得た。
【0124】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.1(s、1H)、7.7(m、1H)、7.3(m、3H)、7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、5.3(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0125】
〔実施例14〕
1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−ベンゾトリアゾール
【0126】
【化26】

【0127】
イミダゾールの代わりにベンゾトリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−ベンゾトリアゾールを得た。
【0128】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.1(m、1H)、7.4〜7.2(m、5H)、7.0〜6.8(m、6H)、5.8(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0129】
〔実施例15〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−フェニル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0130】
【化27】

【0131】
イミダゾールの代わりに5−フェニル−1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−フェニル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0132】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.2(m、2H)、7.6(m、5H)、7.2〜7.0(m.,6H)、5.8(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0133】
〔実施例16〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−フェニル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0134】
【化28】

【0135】
イミダゾールの代わりに5−フェニル−1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−フェニル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0136】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.6(m、4H)、7.2(m.,3H)、6.9(m、6H)、5.6(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0137】
〔実施例17〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0138】
【化29】

【0139】
イミダゾールの代わりに5−メチル−1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0140】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.4(m、2H)、7.0(m、6H)、5.6(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.5(s、3H)、1.8(m、4H)
【0141】
〔実施例18〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0142】
【化30】

【0143】
イミダゾールの代わりに5−メチル−1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0144】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、5.4(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.5(s、3H)、1.8(m、4H)
【0145】
〔実施例19〕
(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミンジヒドロクロライド
【0146】
【化31】

【0147】
イミダゾールの代わりにジメチルアミンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミンジヒドロクロライドを得た。
【0148】
H−NMR(DMSO、200MHz)δ11.3(br、1H)、11.1(br、1H)、7.5(m、2H)、7.0(m、6H)、4.2(m、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6(m、4H)、3.2(m、6H)、2.6(m、6H)、1.8(m、4H)
【0149】
〔実施例20〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0150】
【化32】

【0151】
イミダゾールの代わりにピペリジンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0152】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.4(s、2H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.4(m、4H)、1.8(m、4H)、1.6(m、4H)、1.4(m、2H)
【0153】
〔実施例21〕
(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−フェニル−アミン
【0154】
【化33】

【0155】
イミダゾールの代わりにアニリンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−フェニル−アミンを得た。
【0156】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、6.8(m、5H)、4.3(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6(s、1H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0157】
〔実施例22(10663)〕
(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−チアゾール−2−イル−アミン
【0158】
【化34】

【0159】
イミダゾールの代わりにチアゾール−2−イルアミンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−チアゾール−2−イル−アミンを得た。
【0160】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.5(s、1H)、7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、6.6(s、1H)、4.3(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6(s、1H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0161】
〔実施例23〕
1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0162】
【化35】

【0163】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジンおよび1H−1,2,4−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0164】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.1(s、1H)、8.0(s、1H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.2(s、2H)、4.0(t、2H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0165】
〔実施例24〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0166】
【化36】

【0167】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0168】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.6(s、2H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.4(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0169】
〔実施例25〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0170】
【化37】

【0171】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0172】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.7(s、1H)、7.4(s、1H)、7.2(m、2H)、7.0−6.8(m、6H)、5.5(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.5(s、3H)、1.8(m、4H)
【0173】
〔実施例26〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[3−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0174】
【化38】

【0175】
イミダゾールの代わりに5−メチル−1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[3−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0176】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.6(s、2H)、7.2(m、2H)、7.0−6.8(m、6H)、5.5(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.5(s、3H)、1.8(m、4H)
【0177】
〔実施例27〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[3−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0178】
【化39】

【0179】
イミダゾールの代わりに5−メチル−1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[3−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0180】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、7.0−6.7(m、6H)、5.5(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.5(s、3H)、1.8(m、4H)
【0181】
〔実施例28〕
(3−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン
【0182】
【化40】

【0183】
イミダゾールの代わりにジメチルアミンを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により(3−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミンを得た。
【0184】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.3(m、2H)、6.9(m、6H)、4.0(t、2H)、3.9(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.6(s、6H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0185】
〔実施例29〕
4−(3−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン
【0186】
【化41】

【0187】
イミダゾールの代わりにモルフォリンを反応物として使用して実施例5に与えられた過程により4−(3−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリンを得た。
【0188】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、4.1(t、2H)、3.9(s、3H)、3.7(m、4H)、3.5(s、2H)、3.2(m、4H)、2.8(m、4H)、2.6(t、2H)、2.5(m、4H)、1.8(m、4H)
【0189】
〔実施例30〕
1−{4−[4−(4,5−ジクロロ−イミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン
【0190】
【化42】

【0191】
イミダゾールの代わりに4,5−ジクロロ−イミダゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−{4−[4−(4,5−ジクロロ−イミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンを得た。
【0192】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.4(s.1H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.0(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0193】
〔実施例31〕
1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0194】
【化43】

【0195】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジンおよび1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0196】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.5(m、1H)、7.4(m、4H)、7.0(m、2H)、6.8(m、2H)、5.8(s、2H)、4.0(t、2H)、3.2(m、4H)、2.9(m、4H)、2.7(t、2H)、1.9(m、4H)
【0197】
〔実施例32〕
4−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン
【0198】
【化44】

【0199】
イミダゾールの代わりにモルフォリンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により4−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリンを得た。
【0200】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.4(s、2H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.4(m、4H)、1.8(m、4H)、1.6(m、4H)
【0201】
〔実施例33〕
(4−{4−[4−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン
【0202】
【化45】

【0203】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジンおよびジメチルアミンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により(4−{4−[4−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミンを得た。
【0204】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.3〜7.1(m、4H)、7.1〜6.8(m、4H)、4.2(t、2H)、3.4(m、2H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(m、2H)、2.4(s、6H)、1.8〜1.7(m、4H)
【0205】
〔実施例34〕
1−(3−フルオロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0206】
【化46】

【0207】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(3−フルオロ−フェニル)−ピペラジンおよび1H−1,2,4−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(3−フルオロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0208】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.9(s、1H)、7.7(s、1H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.5(s、2H)、4.0(t、2H)、3.2(m、4H)、2.8(m、4H)、2.6(t、2H)、1.8(m、4H)
【0209】
〔実施例35〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−4−メチルピペラジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0210】
【化47】

【0211】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジンおよびメチルピペラジンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−4−メチルピペラジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0212】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.3〜7.1(m、4H)、7.1〜6.8(m、4H)、4.3(t、2H)、3.4(m、2H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.6(m、8H、)2.5(m、2H)、2.3(s、3H)、1.8〜1.7(m、4H)
【0213】
〔実施例36〕
1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0214】
【化48】

【0215】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジンおよび1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0216】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.5(m、1H)、7.4−6.8(m、7H)、5.8(s、2H)、4.0(t、2H)、3.2(m、4H)、2.9(m、4H)、2.7(t、2H)、1.9(m、4H)
【0217】
〔実施例37〕
1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0218】
【化49】

【0219】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジンおよび5−メチル−1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0220】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、7.0(m、5H)、5.4(s、2H)、4.0(t、2H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.6(s、3H)、1.8(m、4H)
【0221】
〔実施例38〕
1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0222】
【化50】

【0223】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジンおよび5−メチル−1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0224】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2〜7.0(m、7H)、5.6(s、2H)、4.0(t、2H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.5(s、3H)、1.8(m、4H)
【0225】
〔実施例39〕
(4−{4−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン
【0226】
【化51】

【0227】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジンおよびジメチルアミンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により(4−{4−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミンを得た。
【0228】
H−NMR(DMSO、200MHz)δ11.3(br、1H)、11.1(br、1H)、7.5(m、2H)、7.0(m、5H)、4.2(m、2H)、4.0(t、2H)、3.6(m、4H)、3.2(m、6H)、2.6(m、6H)、1.8(m、4H)
【0229】
〔実施例40〕
4−(4−{4−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン
【0230】
【化52】

【0231】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジンおよびモルフォリンを使用して実施例1に与えられた過程により4−(4−{4−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリンを得た。
【0232】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、4.2(t、2H)、3.7(m、4H)、3.5(s、2H)、3.2(m、4H)、2.8(m、4H)、2.6(t、2H)、2.5(m、4H)、1.8(m、4H)
【0233】
〔実施例41〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−4−メチルピペラジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0234】
【化53】

【0235】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジンおよびメチルピペラジンを使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−4−メチルピペラジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0236】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.3〜6.8(m、7H)、4.3(t、2H)、3.4(m、2H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.6(m、8H、)2.5(m、2H)、2.3(s、3H)、1.8〜1.7(m、4H)
【0237】
〔実施例42〕
1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0238】
【化54】

【0239】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジンおよび1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0240】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.7(s、1H)、7.4(s、1H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.5(s、2H)、4.0(t、2H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0241】
〔実施例43〕
(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル−アミン
【0242】
【化55】

【0243】
イミダゾールの代わりに[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル−アミンを得た。
【0244】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2〜6.8(m、9H)、4.3(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0245】
〔実施例44〕
1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0246】
【化56】

【0247】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジンおよび1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0248】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.7(s、1H)、7.4−6.8(m、8H)、5.8(s、2H)、4.0(t、2H)、3.2(m、4H)、2.9(m、4H)、2.7(t、2H)、1.9(m、4H)
【0249】
〔実施例45〕
(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミン
【0250】
【化57】

【0251】
イミダゾールの代わりに5−メチル−イソオキサゾール−3−イルアミンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミンを得た。
【0252】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2〜6.8(m、9H)、4.3(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6(s、1H)3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.3(s、3H)、1.8(m、4H)
【0253】
〔実施例46〕
(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イル)−アミン
【0254】
【化58】

【0255】
イミダゾールの代わりに3−メチル−イソオキサゾール−5−イルアミンを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イル)−アミンを得た。
【0256】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2(m、2H)、7.0(m、6H)、6.8(s、1H)、4.3(s、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.6(s、1H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、2.3(s、3H)、1.8(m、4H)
【0257】
〔実施例47〕
1−{4−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン
【0258】
【化59】

【0259】
4−ヒドロキシフェネチルアルコール(5mmol)、1−ブロモ−4−クロロブタン(5mmol)および炭酸カリウム(15mmol)の混合物を100mlのアセトンで6時間還流させた。次に、前記溶液を回転蒸発器(回転式減圧蒸留装置:rotary evaporator)で濃縮し、酢酸エチルで希釈した。次に、この混合物を塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥してカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物をイソプロパノール(50ml)に溶解させ、1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジン(5mmol)、炭酸ソーダ(15mmol)およびヨウ化カリウム(5mmol)を25℃で添加し、反応混合物を12時間還流させた。次に、この溶液を回転蒸発器で濃縮し、メチレンクロライドで希釈した。次に、この混合物を塩水で洗浄し、得られた有機層を乾燥した後、カラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物をTHFに溶解させ、イミダゾール(15mmol)、トリフェニルホスフィン(15mmol)およびジイソプロピルアゾジカルボキシレート(15mmol)を0℃で滴加した後、室温まで加温した。2時間後に溶媒を除去し、残留物を塩水で洗浄した後、カラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0260】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.3(s、1H)、7.0(m、10H)、4.1(t、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、4H)、3.0(m、2H)、2.7(m、4H)、2.6(t、2H)、1.8(m、4H)
【0261】
〔実施例48〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0262】
【化60】

【0263】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,4−トリアゾールを反応物として使用して実施例47に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0264】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.0(s、1H)、7.8(s、1H)、7.0(m、8H)、4.4(t、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、6H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0265】
〔実施例49〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0266】
【化61】

【0267】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例47に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0268】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.7(s、2H)、7.0(m、8H)、4.6(t、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、6H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0269】
〔実施例50〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0270】
【化62】

【0271】
イミダゾールの代わりに1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例47に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0272】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.6(s、1H)、7.3(s、1H)、7.0(m、8H)、4.6(t、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、6H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0273】
〔実施例51〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−テトラゾール−2−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0274】
【化63】

【0275】
イミダゾールの代わりに1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例47に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−テトラゾール−2−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0276】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.5(s、1H)、7.0(m、8H)、4.9(t、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.3(t、2H)、3.1(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0277】
〔実施例52〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−テトラゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン
【0278】
【化64】

【0279】
イミダゾールの代わりに1H−テトラゾールを反応物として使用して実施例47に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−テトラゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジンを得た。
【0280】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ8.2(s、1H)、7.0(m、8H)、4.7(t、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、6H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0281】
〔実施例53〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−(4−{4−[2−(5−メチル−テトラゾール−1−イル)−エチル]−フェノキシ}−ブチル)−ピペラジン
【0282】
【化65】

【0283】
イミダゾールの代わりに5−メチル−テトラゾールを反応物として使用して実施例47に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−(4−{4−[2−(5−メチル−テトラゾール−1−イル)−エチル]−フェノキシ}−ブチル)−ピペラジンを得た。
【0284】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2〜7.0(m、8H)、5.0(t、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、6H)、2.7(m、4H)、2.3〜2.5(m、5H)、1.8(m、4H)
【0285】
〔実施例54〕
1−(2−メトキシ−フェニル)−4−(4−{4−[2−(5−メチル−テトラゾール−2−イル)−エチル]−フェノキシ}−ブチル)−ピペラジン
【0286】
【化66】

【0287】
イミダゾールの代わりに5−メチル−テトラゾールを反応物として使用して実施例47に与えられた過程により1−(2−メトキシ−フェニル)−4−(4−{4−[2−(5−メチル−テトラゾール−2−イル)−エチル]−フェノキシ}−ブチル)−ピペラジンを得た。
【0288】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.2〜7.0(m、8H)、5.2(t、2H)、4.0(t、2H)、3.8(s、3H)、3.1(m、6H)、2.7(m、4H)、2.3〜2.5(m、5H)、1.8(m、4H)
【0289】
〔実施例55〕
2−{4−[4−(4−[1,2,3]−トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−ベンゾニトリル
【0290】
【化67】

【0291】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2−シアノ−フェニル)−ピペラジンおよび1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により2−{4−[4−(4−[1,2,3]−トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−ベンゾニトリルを得た。
【0292】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.9(s、1H)、7.8(s、1H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.5(s、2H)、4.0(t、2H)、3.2(m、4H)、2.8(m、4H)、2.6(t、2H)、1.8(m、4H)
【0293】
〔実施例56〕
1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン
【0294】
【化68】

【0295】
1−(2−メトキシフェニル)−ピペラジンおよびイミダゾールの代わりに1−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジンおよび1H−1,2,3−トリアゾールを反応物として使用して実施例1に与えられた過程により1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンを得た。
【0296】
H−NMR(CDCl、200MHz)δ7.6(s、2H)、7.2(m、2H)、6.9(m、6H)、5.6(s、2H)、4.0(t、2H)、3.2(m、4H)、2.7(m、4H)、2.5(t、2H)、1.8(m、4H)
【0297】
一般構造式(I)の化合物およびこれらの薬学的に有用な塩の治療的用途は下記試験により実証されている。
【0298】
〔実施例57:セロトニン1A(5−HT1A)受容体抑制試験〕
化合物がセロトニン1A(5−HT1A)受容体を抑制する能力を試験するための方法は、Hall.et al.、J Neuro Chem.,1985、44、p1685〜1696を修正して使用した。
【0299】
Sprague−Dawley(SD)ラットを断首により屠殺し、4℃でこれらの脳を迅速に除去した。皮質組織をUltra−Turrax T8を使用して氷冷した50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)30体積内で均質化(ホモジナイズ、homogenize)し、48,000gで20分間遠心分離した。上清液を捨ててペレットを20体積のTris−HClで再懸濁(resuspension)および遠心分離により2回洗浄し、20体積のTris−HClで均質化し、37℃で10分間インキュベート(incubate)した。次に、遠心分離により膜(membrane)を収集し、10体積の50mM Tris−HCl、pH7.4で最終再懸濁前に2回洗浄した。
【0300】
バインディング試験のために、培養媒質はウェル(well)当り162.5ugの組織均質化物、0.92nMの[3H]8−OH−DPATおよびビヒクルまたは10uMの5−HTまたは10nMの試験化合物で構成された。5−HTおよび試験化合物は蒸溜水で溶解し、培養媒質は50mM Tris(室温でpH7.4)であった。試験プレート(96ウェル)を25℃で60分間インキュベート(incubate)した。Tomtec収穫器を使用してGF/Cガラス繊維フィルターを通じて急速ろ過し、Tris緩衝液で5回洗浄し、反応を終結させた。フィルター上に残っている放射能(radioactivity)をシンチレーション(scintillation)分光法(MicroBeta Trilux、Wallac)により計測(count)した。試験は3回実施した。百分率抑制を下記式により計算した。
【0301】
【数1】

【0302】
全体バインディング(total binding)はビヒクル処理された群の値であり、特定バインディングは不特定バインディング(つまり、不特定リガンド、5HTの値)を差し引いた値である。
【0303】
本発明の化合物試験により得られた結果を下記表1に示す。
【0304】
【表1】

【0305】
〔実施例58:マウス尻尾懸垂法(Tail Suspension Test in mice:TST)〕
マウス尻尾懸垂法はマウスの脱出行動と不動時間をチェックすることによって化合物の抗鬱症効果を決定する公知の動物モデルである。抗鬱病薬で処理したマウスは対照群と比較して連続的に脱出する動きを示す。
【0306】
マウスには主に30%PEG400内に溶解させた試験化合物を経口投与したりあるいは対照群として30%PEG400のみを経口投与した。マウスの尻尾をTST装置の棒にぶら下げ、尻尾の端部を粘着テープで固定する。訓練と順応のためにぶら下げられたマウスを2分間純化させ、続いて2分後、4分間脱出行動を観察し、不動時間をチェックした。化合物の潜在的能力は100%をベースラインとした対照群と比較して不動視間での減少百分率値で決定した。
【0307】
本発明の化合物を試験して得られた結果を表2に示す。
【0308】
【表2】

【0309】
このような抗鬱症効果は、他の抗鬱病薬と同様に、鬱病症治療のための可能性を示唆する。
【0310】
〔実施例59:マウスにおける抗ガラス玉覆い隠し行動試験〕
潜在的抗不安神経症活性の予備臨床分析としてガラス玉覆い隠しを遂行し、確認した。(Andrews and Broekkamp(1993).Procedures to Identify Anxiolytic or Anxiogenic Agents.In Behavioural Neuroscience,ed.A Sahgal,pp.37〜54,IRL Press,Oxford)。ガラス玉覆い隠し試験では、ナイーブマウス(naive mouse)を(おがくず表面の最上部に配列された)25個のガラス玉を含む新たな環境に置く。マウスが埋めたガラス玉数の減少は、抗不安神経症の類似効果と推定される。
【0311】
本発明の化合物を試験して得られた結果を表3に示す。
【0312】
【表3】

【0313】
抗ガラス玉覆い隠し効果は、他の抗不安神経症薬と同様に、不安神経症の治療の可能性を示唆する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表されるピペラジン化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【化1】

ここで、nは、2〜6の整数であり、
R1およびR2は、同一または相異し、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、二酸化窒素、炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基、および炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ基からなる群より独立して選択され、
R3は、C1〜C2アルキレンであり;
R4は、下記からなる群より選択され:
(a)C2〜C6ジアルキルアミン、
(b)5員〜9員芳香族アミン(ここで、環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(c)環の構成員として少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロ芳香族アミン(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、
(d)環の構成員として少なくとも窒素原子を含む5員〜9員ヘテロサイクリック環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される)、および
(e)環の構成員として少なくとも窒素原子を含む5員〜9員のヘテロ芳香族環(ここで、前記環は、独立して水素、C1〜C6脂肪族アルキル、C3〜C10の環状アルキル、C6〜C10のアリール基およびハロゲンのうちの一つ以上で置換される);
R4は、そのうちの窒素原子を通じてR3基に連結される。
【請求項2】
R4は、ジメチルアミンまたはジエチルアミンである、請求項1に記載のピペラジン化合物。
【請求項3】
R4は、前記5員〜9員芳香族アミンまたはヘテロ芳香族アミンのアミノ基内の窒素原子を通じてR3に連結される、請求項1に記載のピペラジン化合物。
【請求項4】
R4は、水素、C1〜C6アルキルおよびハロゲンのうちの一つ以上で置換された5員または6員芳香族アミンであることを特徴とする、請求項3に記載のピペラジン化合物。
【請求項5】
R4は、水素で置換された6員芳香族アミンである、請求項4に記載のピペラジン化合物。
【請求項6】
R4は、C1〜C6アルキルおよびハロゲンからなる群より選択された一つ以上の基で置換された5員または6員のヘテロ芳香族アミンであり、前記ヘテロ芳香族アミンは、環の構成員として2つ以上のヘテロ原子を含み、但し、第1ヘテロ原子は、Nであり、第2ヘテロ原子は、N、OおよびSからなる群より独立して選択される、請求項3に記載のピペラジン化合物。
【請求項7】
R4は、下記からなる群より選択された構造(II)を有する5員ヘテロ芳香族アミンである、請求項6に記載のピペラジン化合物。
【化2】

【請求項8】
R4は、前記5員〜9員ヘテロサイクリック環またはヘテロ芳香族環のヘテロ原子として環内に含まれている窒素原子を通じてR3に連結される、請求項1に記載のピペラジン化合物。
【請求項9】
R4は、下記からなる群より選択された構造(III)を有する5員または6員ヘテロサイクリック環である、請求項8に記載のピペラジン化合物。
【化3】

【請求項10】
R4は、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ベンズイミダゾールおよびインダゾールからなる群より選択される、請求項8に記載のピペラジン化合物。
【請求項11】
アゾールは、下記からなる群より選択された構造(IV)を有する、請求項10に記載のピペラジン化合物。
【化4】

【請求項12】
R1およびR2は、独立して水素、ハロゲン、炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルキル基および炭素原子1〜4の直鎖または分岐鎖アルコキシ基からなる群より選択される、請求項1に記載のピペラジン化合物。
【請求項13】
前記化合物は、下記からなる群より選択される、請求項1に記載のピペラジン化合物。
1−[4−(4−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−[4−(3−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジンヒドロクロライド、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−テトラゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジンヒドロクロライド、1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−ベンゾイミダゾール、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−メチル−イミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−インダゾール、1−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−1H−ベンゾトリアゾール、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−フェニル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−フェニル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミンジヒドロクロライド、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−フェニル−アミン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−チアゾール−2−イル−アミン、1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(3−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[3−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、(3−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン、4−(3−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン、1−{4−[4−(4,5−ジクロロ−イミダゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン、1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、4−(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン、(4−{4−[4−(2−クロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン、1−(3−フルオロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−4−メチルピペラジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−[4−(4−テトラゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−1−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−{4−[4−(5−メチル−テトラゾール−2−イルメチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、(4−{4−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−ジメチル−アミン、4−(4−{4−[4−(2,3−ジクロロ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−モルフォリン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−[4−(4−4−メチルピペラジン−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル−アミン、1−(2,3−ジクロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミン、(4−{4−[4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブトキシ}−ベンジル)−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−アミン、1−{4−[4−(2−イミダゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−4−(2−メトキシ−フェニル)−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,3]トリアゾール−2−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−テトラゾール−2−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−{4−[4−(2−テトラゾール−1−イル−エチル)−フェノキシ]−ブチル}−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−(4−{4−[2−(5−メチル−テトラゾール−1−イル)−エチル]−フェノキシ}−ブチル)−ピペラジン、1−(2−メトキシ−フェニル)−4−(4−{4−[2−(5−メチル−テトラゾール−2−イル)−エチル]−フェノキシ}−ブチル)−ピペラジン、2−{4−[4−(4−[1,2,3]−トリアゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン−1−イル}−ベンゾニトリル、および、1−(2−クロロ−フェニル)−4−[4−(4−[1,2,3]トリアゾール−2−イルメチル−フェノキシ)−ブチル]−ピペラジン。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれかに記載のピペラジン化合物の有効量、および薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む、鬱病および不安神経症を治療・予防するための医薬組成物。

【公表番号】特表2011−521944(P2011−521944A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511519(P2011−511519)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/KR2009/002881
【国際公開番号】WO2009/145591
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(303024622)エスケー ホルディングス カンパニー リミテッド (28)
【Fターム(参考)】