説明

ピルビン酸キナーゼM2調節剤、治療組成物および関連する使用方法

ピルビン酸キナーゼM2(PKM2)を調節する化合物を含む組成物が、本明細書に記載される。また、癌の処置において、PKM2を調節する化合物の使用方法が、本明細書に記載される。本発明はまた、本発明の化合物を含む組成物および薬学的キット、ならびに、例えば、癌、糖尿病、肥満、自己免疫疾患、および良性前立腺過形成(BPH)を含む、ピルビン酸キナーゼ機能(例えば、PKM2機能)に関連する疾患および病態を処置する方法における、そのような組成物およびキットの使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、参照することによりその全内容が本明細書に組み入れられる、2009年4月6日出願の米国特許第61/167,017号、および2009年8月12日出願の米国特許第61/233,470号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
癌細胞は、細胞エネルギー、ならびに脂質およびヌクレオチドの生合成のための生化学的中間体を生成するために、主として解糖に依存しており、一方成人組織内の「正常」細胞の大部分は、好気呼吸を利用する。ワールブルグ効果と呼ばれる癌細胞と正常細胞との間の細胞代謝におけるこの根本的な差異は、診断目的で利用されているが、まだ治療上の利益のためには利用されていない。
【0003】
ピルビン酸キナーゼ(PK)は、解糖中にホスホエノールピルビン酸をピルビン酸塩に変換する代謝酵素である。哺乳動物においては、4つのPKアイソフォームが存在し、LおよびRアイソフォームは、肝臓および赤血球に発現し、M1アイソフォームは、ほとんどの成人組織に発現し、M2アイソフォームは、胚発生中に発現するM1のスプライス変異である。全ての腫瘍細胞は、胚期M2アイソフォームのみを発現する。PKのM1アイソフォームとM2アイソフォームとの間の周知の差異は、M2が、上流解糖中間体、フルクトース−1,6−ビスホスフェート(FBP)によるアロステリック活性化に依存する低活性酵素であり、一方、M1は構成的に活性な酵素である、という点である。
【0004】
全ての腫瘍細胞は、PKの胚期M2アイソフォームのみを発現するが、これは癌治療のための潜在的な標的としてのPKM2を示唆している。PKM2はまた、脂肪組織および活性化T細胞に発現する。したがって、PKM2の調節(例えば、阻害または活性化)は、例えば肥満、糖尿病、自己免疫病態、および増殖依存性疾患、例えば良性前立腺過形成(BPH)の処置において効果的となり得る。ピルビン酸キナーゼの現行の調節剤(例えば、阻害剤)は選択的ではなく、ピルビン酸キナーゼ機能に関連した疾患の処置が困難となっている。
【0005】
さらに、PKM2に対するホスホチロシンペプチド結合は、PKM2からのFBPの解離、および活性な四量体形態から不活性形態へのPKM2の構造変化をもたらす。PKM2に結合して酵素を活性確認に固定する化合物は、解糖からヌクレオチドおよび脂質の生合成への、生化学的中間体のシャントに必要なPKM2のアロステリック制御の喪失をもたらす。したがって、PKM2の活性化はまた、癌細胞、活性化免疫細胞、および脂肪細胞の成長および増殖を阻害し得る。
【0006】
癌、糖尿病、肥満、自己免疫病態、増殖依存性疾患(例えば、BPH)、およびピルビン酸キナーゼ(例えば、PKM2)の機能に関連する他の疾患等の疾患の新規な処置法が、依然として必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ピルビン酸キナーゼM2(PKM2)を調節する化合物、ならびにその薬学的に許容される塩、溶媒和物、および水和物、例えばPKM2を調節する化合物が、本明細書に記載される。本発明はまた、本発明の化合物を含む組成物および薬学的キット、ならびに、例えば、癌、糖尿病、肥満、自己免疫疾患、および良性前立腺過形成(BPH)を含む、ピルビン酸キナーゼ機能(例えば、PKM2機能)に関連する疾患および病態を処置する方法における、そのような組成物およびキットの使用を提供する。
【0008】
一態様において、本発明は、式(I):
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
、X、X、X、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とする。
【0011】
いくつかの実施形態において、X、X、X、Xのうちの1つは、C−SO−NRである。
【0012】
いくつかの実施形態において、Xは、Aであり、Aは、−SO−NRである。いくつかの実施形態において、Xは、Bであり、Bは、−SO−NRである。いくつかの実施形態において、Xは、Dであり、Dは、−SO−NRである。いくつかの実施形態において、Xは、CEであり、Eは、−SO−NRである。
【0013】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ia):
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、A、B、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0016】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0017】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ib):
【0018】
【化3】

【0019】
(式中、A、B、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)に定義される通りである)の化合物である。
【0020】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0021】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ic):
【0022】
【化4】

【0023】
(式中、A、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)に定義される通りである)の化合物である。
【0024】
いくつかの実施形態において、AまたはDは、−SO−NRである。
【0025】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Id):
【0026】
【化5】

【0027】
(式中、A、D、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0028】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0029】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ie):
【0030】
【化6】

【0031】
(式中、A、B、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0032】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0033】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(If):
【0034】
【化7】

【0035】
(式中、A、B、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0036】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0037】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ig):
【0038】
【化8】

【0039】
(式中、A、B、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)に定義される通りである)の化合物である。
【0040】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0041】
いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NRである。
【0042】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ih):
【0043】
【化9】

【0044】
(式中、A、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0045】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0046】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ij):
【0047】
【化10】

【0048】
(式中、A、D、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0049】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0050】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ik):
【0051】
【化11】

【0052】
(式中、A、B、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0053】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0054】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Im):
【0055】
【化12】

【0056】
(式中、A、B、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0057】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0058】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(In):
【0059】
【化13】

【0060】
(式中、A、B、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0061】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0062】
いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NRである。
【0063】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Io):
【0064】
【化14】

【0065】
(式中、A、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0066】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0067】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ip):
【0068】
【化15】

【0069】
(式中、A、D、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0070】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0071】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iq):
【0072】
【化16】

【0073】
(式中、A、B、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0074】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0075】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ir):
【0076】
【化17】

【0077】
(式中、A、B、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0078】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0079】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Is):
【0080】
【化18】

【0081】
(式中、A、B、D、E、R、R、R、R、R、mおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0082】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0083】
いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NRである。
【0084】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(It):
【0085】
【化19】

【0086】
(式中、A、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0087】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0088】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iu):
【0089】
【化20】

【0090】
(式中、A、D、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0091】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0092】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iv):
【0093】
【化21】

【0094】
(式中、A、B、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0095】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0096】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iw):
【0097】
【化22】

【0098】
(式中、A、B、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0099】
いくつかの実施形態において、AまたはBは、−SO−NRである。
【0100】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ix):
【0101】
【化23】

【0102】
(式中、A、B、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0103】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0104】
いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NRである。
【0105】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iy):
【0106】
【化24】

【0107】
(式中、A、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0108】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0109】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iz):
【0110】
【化25】

【0111】
(式中、A、D、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0112】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0113】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iaa):
【0114】
【化26】

【0115】
(式中、A、B、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0116】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0117】
いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NRである。
【0118】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Ibb):
【0119】
【化27】

【0120】
(式中、A、B、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0121】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0122】
いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NRである。
【0123】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Icc):
【0124】
【化28】

【0125】
(式中、A、B、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0126】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0127】
いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NRである。
【0128】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Idd):
【0129】
【化29】

【0130】
(式中、A、D、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0131】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0132】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iee):
【0133】
【化30】

【0134】
(式中、A、D、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0135】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0136】
いくつかの実施形態において、化合物は、式(Iff):
【0137】
【化31】

【0138】
(式中、A、B、E、R、R、R、R、Rおよびnは、式(I)において定義される通りである)の化合物である。
【0139】
いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NRである。
【0140】
いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NRである。
【0141】
一態様において、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を特徴とする。
【0142】
一態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)を処置する方法であって、対象に、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0143】
一態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)の発症を予防する(例えば、少なくとも1つの症状の発症を予防する)、または遅延させる方法であって、対象に、本明細書に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0144】
一態様において、本発明は、式(II):
【0145】
【化32】

【0146】
(式中、
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、−SO−NRおよびRから独立して選択され;A、B、D、またはEの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とする。
【0147】
いくつかの実施形態において、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nである。いくつかの実施形態において、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、CHである。いくつかの実施形態において、Yは、Nである。いくつかの実施形態において、Yは、Nである。
【0148】
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素である。
【0149】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(IIa):
【0150】
【化33】

【0151】
(式中、n、B、D、E、R、R、R、RおよびRは、上に定義された通りである)の化合物を特徴とする。
【0152】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(IIb):
【0153】
【化34】

【0154】
(式中、n、B、D、E、R、R、R、RおよびRは、上に定義された通りである)の化合物を特徴とする。
【0155】
いくつかの実施形態において、B、DおよびEは、それぞれ、Hから独立して選択される。
【0156】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0157】
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素である。いくつかの実施形態において、各Rは、C1−8アルキル、ハロゲン、またはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲンまたはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、独立してハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)である。
【0158】
いくつかの実施形態において、Rは、アリールまたはヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリールまたはC8−14二環式アリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリール(例えば、任意選択で置換されたフェニル)である。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたフェニルである。
【0159】
いくつかの実施形態において、nは0である。いくつかの実施形態において、nは1である。
【0160】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、C1−4アルキルまたはハロアルキルであり、そのそれぞれは、さらに置換されていてもよい。
【0161】
いくつかの実施形態において、Rは、C1−4アルキル(例えば、エチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロ(例えば、クロロ)である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)である。
【0162】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、C1−4アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)であり、他方のRは、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、他方のRは、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。
【0163】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合している炭素原子とともに、5員ヘテロ環式環を形成する。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合しているフェニル環とともに、以下の構造を形成する。
【0164】
【化35】

【0165】
いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、全てのRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0166】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の式(II)、(IIa)もしくは(IIb)から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を特徴とする。
【0167】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)を処置する方法であって、対象に、本明細書に記載の式(II)、(IIa)もしくは(IIb)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0168】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)の発症を予防する(例えば、少なくとも1つの症状の発症を予防する)、または遅延させる方法であって、対象に、本明細書に記載の式(II)、(IIa)もしくは(IIb)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0169】
一態様において、本発明は、式(III):
【0170】
【化36】

【0171】
(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり、X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
は、NおよびCRから選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とする。
【0172】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(IIIa):
【0173】
【化37】

【0174】
(式中、n、B、D、E、R、R、RおよびRは、式(III)において定義される通りである)の化合物を特徴とする。
【0175】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(IIIb):
【0176】
【化38】

【0177】
(式中、n、B、E、R、R、RおよびRは、式(III)において定義される通りである)の化合物を特徴とする。
【0178】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(IIIc):
【0179】
【化39】

【0180】
(式中、n、B、D、R、R、RおよびRは、式(III)において定義される通りである)の化合物を特徴とする。
【0181】
いくつかの実施形態において、BおよびEは、それぞれ、Hから独立して選択される。
【0182】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0183】
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素である。いくつかの実施形態において、各Rは、C1−8アルキル、ハロゲン、またはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲンまたはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、独立してハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)である。
【0184】
いくつかの実施形態において、Rは、アリールまたはヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリールまたはC8−14二環式アリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリール(例えば、任意選択で置換されたフェニル)である。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたフェニルである。
【0185】
いくつかの実施形態において、nは0である。いくつかの実施形態において、nは1である。
【0186】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、C1−4アルキルまたはハロアルキルであり、そのそれぞれは、さらに置換されていてもよい。
【0187】
いくつかの実施形態において、Rは、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロ(例えば、クロロ)である。
【0188】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)であり、他方のRは、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、他方のRは、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0189】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合している炭素原子とともに、5員ヘテロ環式環を形成する。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合しているフェニル環とともに、以下の構造を形成する。
【0190】
【化40】

【0191】
いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、全てのRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0192】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の式(III)、(IIIa)、(IIIb)もしくは(IIIc)から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を特徴とする。
【0193】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)を処置する方法であって、対象に、本明細書に記載の式(III)、(IIIa)、(IIIb)もしくは(IIIc)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0194】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)の発症を予防する(例えば、少なくとも1つの症状の発症を予防する)、または遅延させる方法であって、対象に、本明細書に記載の式(III)、(IIIa)、(IIIb)もしくは(IIIc)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0195】
別の態様において、本発明は、以下の式:
【0196】
【化41】

【0197】
(式中、
nは、0、1、2または3であり;
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり;X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、Hおよび−SO−NRから独立して選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され、
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルヘテロアリール、アリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく、
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシまたは任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
は、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択される)から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とする。
【0198】
いくつかの実施形態において、XおよびXのうちの少なくとも1つは、CHである。
【0199】
いくつかの実施形態において、A、B、DおよびEのうちの1つは、Hである。いくつかの実施形態において、A、B、DおよびEのうちの少なくとも1つは、−SO−NH−Rである。いくつかの実施形態において、Aは、−SO−NH−Rである。いくつかの実施形態において、Bは、−SO−NH−Rである。
【0200】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(IVa):
【0201】
【化42】

【0202】
(式中、n、B、E、R、R、R、RおよびRは、上に定義された通りである)の化合物を特徴とする。
【0203】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(IVb):
【0204】
【化43】

【0205】
(式中、n、A、D、E、R、R、R、R、およびRは、上に定義された通りである)の化合物を特徴とする。
【0206】
いくつかの実施形態において、AおよびDは、Hである。いくつかの実施形態において、BおよびEは、Hである。
【0207】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0208】
いくつかの実施形態において、各Rは、独立してHである。いくつかの実施形態において、各Rは、C1−8アルキル、ハロゲン、またはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲンまたはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、独立してハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)である。
【0209】
いくつかの実施形態において、Rは、アリールまたはヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリールまたはC8−14二環式アリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリール(例えば、フェニル)である。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたフェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、C8−14二環式アリール(例えば、ナフチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、5〜8員ヘテロアリールまたは8〜14員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、8〜14員ヘテロアリール(例えば、5−キノリルまたは6−キノリル)である。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたキノリル(例えば、5−キノリルまたは6−キノリル)である。
【0210】
いくつかの実施形態において、nは0である。いくつかの実施形態において、nは1である。
【0211】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、C1−4アルキル、シアノ、ハロアルキル、−ORから選択され、2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、任意選択で置換された環を形成し、そのそれぞれはさらに置換されていてもよい。
【0212】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ(例えば、クロロまたはフルオロ)である。いくつかの実施形態において、Rは、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、シアノである。いくつかの実施形態において、Rは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチル)である。
【0213】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、C1−4アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、C1−4アルキルであり、他方は、ハロ(例えば、メチルおよびクロロまたはメチルおよびフルオロ)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、ORである。いくつかの実施形態において、両方のRが、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、1つのRは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)であり、1つは、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチル)である。
【0214】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、6員ヘテロ環式環を形成する。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合しているフェニル環と一緒になって、以下の構造を形成する。
【0215】
【化44】

【0216】
いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、3個のRが、ハロ(例えば、フルオロ)である。
【0217】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の式(IV)、(IVa)もしくは(IVb)から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を特徴とする。
【0218】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)を処置する方法であって、対象に、本明細書に記載の式(IV)、(IVa)もしくは(IVb)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0219】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)の発症を予防する(例えば、少なくとも1つの症状の発症を予防する)、または遅延させる方法であって、対象に、本明細書に記載の式(IV)、(IVa)、もしくは(IVb)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0220】
別の態様において、本発明は、式(V):
【0221】
【化45】

【0222】
(式中、
B、DおよびEは、それぞれ、HおよびRから独立して選択され;
各Rは、水素、ハロおよびハロアルキルから独立して選択され;
は、水素、n個の存在のRで置換されたC1−8アルキルおよびアリールであり;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、ハロ、ハロアルキルおよび−ORから独立して選択され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
は、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物を含む、薬学的組成物を特徴とする。
【0223】
いくつかの実施形態において、B、DおよびEは、それぞれ独立してHである。
【0224】
いくつかの実施形態において、各Rは、独立してHである。いくつかの実施形態において、各Rは、独立してハロ(例えば、クロロ)である。いくつかの実施形態において、各Rは、独立してハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)である。
【0225】
いくつかの実施形態において、1つのRは、ハロであり、1つのRは、ハロアルキルである。いくつかの実施形態において、1つのRは、クロロであり、1つのRは、トリフルオロメチルである。
【0226】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0227】
いくつかの実施形態において、Rは、C1−8アルキル(例えば、メチル)である。
【0228】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0229】
いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたC1−8アルキルまたはアリールである。いくつかの実施形態におおいて、Rは、n個の存在のRで置換されたC1−8アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。
【0230】
いくつかの実施形態において、各Rは、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよい。
【0231】
いくつかの実施形態において、nは0である。いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、Rは、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換されたヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換された単環式ヘテロアリール(例えば、3−ピリジル)である。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換されたアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換された単環式アリール(例えば、4−クロロフェニル)である。
【0232】
いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたアリール(例えば、フェニル)である。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたフェニルである。いくつかの実施形態において、nは0である。
【0233】
いくつかの実施形態において、nは1である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、ヘテロアラルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換された単環式ヘテロアラルキル(例えば、メチル−4−トリフルオロメチル−2−ピリジル)である。いくつかの実施形態において、Rは、シアノである。いくつかの実施形態において、Rは、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、−COORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、エチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換された単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換されたピリジルである。いくつかの実施形態において、Rは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)で置換されたピリジルである。
【0234】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、1つのRは、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、1つは、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、1つのRは、ハロであり、1つは、−CONRc’である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、1つのRは、クロロであり、1つは、−CONHRc’である。いくつかの実施形態において、Rc’は、アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、1つのRは、アルキルであり、1つは、−CONRc’である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、1つのRは、メチルであり、1つは、−CONHRc’である。いくつかの実施形態において、Rc’は、アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)である。
【0235】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)であり、他方は、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、ハロであり、他方は、−ORである。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、クロロであり、他方は、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換されたヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換されたピリジルである。いくつかの実施形態において、Rは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)で置換されたピリジルである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換されたヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換された5員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択で置換されたピロリジニルである。いくつかの実施形態において、Rは、N−メチルピロリジニルである。いくつかの実施形態において、Rは、
【0236】
【化46】

【0237】
である。
【0238】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合している炭素原子とともに、5員ヘテロ環式環を形成する。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合しているフェニル環とともに、以下の構造を形成する。
【0239】
【化47】

【0240】
いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロ(例えば、フルオロ)である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、2つのRは、ハロであり、1つのRは、−CONRc’である。いくつかの実施形態において、2つのRは、クロロであり、1つのRは、−CONHRc’である。いくつかの実施形態において、Rc’は、アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)である。いくつかの実施形態において、1つのRは、クロロであり、1つのRは、ブロモであり、1つのRは、−CONHRc’である。いくつかの実施形態において、Rc’は、アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)である。いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、1つのRは、ハロであり、1つのRは、アルキルであり、1つのR は、−CONRc’である。いくつかの実施形態において、1つのRは、クロロであり、1つのRは、メチルであり、1つのRは、−CONHRc’である。いくつかの実施形態において、Rc’は、アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)である。いくつかの実施形態において、1つのRは、ブロモであり、1つのRは、メチルであり、1つのRは、−CONHRc’である。いくつかの実施形態において、Rc’は、アルキル(例えば、メチルまたはイソプロピル)である。
【0241】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ(例えば、クロロまたはブロモ)である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、ORである。いくつかの実施形態において、Rは、ハロアルキル(例えば、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシまたはトリフルオロエトキシ)である。いくつかの実施形態において、Rは、−CHCFである。
【0242】
別の態様において、本発明は、式(Va):
【0243】
【化48】

【0244】
(式中、
BおよびDは、HおよびSONRから独立して選択され;BまたはDのうちの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
AおよびEは、それぞれ、HおよびRから独立して選択され;
各Rは、水素、ハロおよびハロアルキルから独立して選択され;
は、水素、n個の存在のRで置換されたC1−8アルキルおよびアリールであり;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、ハロ、ハロアルキルおよび−ORから独立して選択され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
は、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物を含む、薬学的組成物を特徴とする。
【0245】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)を処置する方法であって、対象に、本明細書に記載の式(V)もしくは(Va)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0246】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)の発症を予防する(例えば、少なくとも1つの症状の発症を予防する)、または遅延させる方法であって、対象に、本明細書に記載の式(V)もしくは(Va)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0247】
いくつかの実施形態において、AおよびEは、それぞれHである。いくつかの実施形態において、AおよびEは、それぞれHであり、Bは、SONRであり、Dは、Hである。
【0248】
いくつかの実施形態において、Bは、SONRであり、Dは、Hである。いくつかの実施形態において、Bは、Hであり、Dは、SONRである。
【0249】
一態様において、本発明は、式(VI):
【0250】
【化49】

【0251】
(式中、
A、BおよびEは、それぞれ、H、−SO−NRおよびRから独立して選択され;A、BまたはEの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とする。
【0252】
いくつかの実施形態において、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nである。いくつかの実施形態において、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、CHである。いくつかの実施形態において、Yは、Nである。いくつかの実施形態において、Yは、Nである。
【0253】
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素である。
【0254】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(VIa):
【0255】
【化50】

【0256】
(式中、n、B、E、R、R、R、RおよびRは、上に定義された通りである)の化合物を特徴とする。
【0257】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(VIb):
【0258】
【化51】

【0259】
(式中、n、B、E、R、R、R、RおよびRは、上に定義された通りである)の化合物を特徴とする。
【0260】
いくつかの実施形態において、BおよびEは、それぞれ、Hから独立して選択される。
【0261】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0262】
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素である。いくつかの実施形態において、各Rは、C1−8アルキル、ハロゲン、またはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲンまたはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、独立してハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)である。
【0263】
いくつかの実施形態において、Rは、アリールまたはヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリールまたはC8−14二環式アリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリール(例えば、任意選択で置換されたフェニル)である。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたフェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、5〜8員ヘテロアリールまたは8〜14員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、8〜12員ヘテロアリール(例えば、5−キノリルまたは6−キノリル)である。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたキノリル(例えば、5−キノリルまたは6−キノリル)である。
【0264】
いくつかの実施形態において、nは0である。いくつかの実施形態において、nは1である。
【0265】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、C1−4アルキルまたはハロアルキルであり、そのそれぞれは、さらに置換されていてもよい。
【0266】
いくつかの実施形態において、Rは、C1−4アルキル(例えば、エチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)である。
【0267】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、C1−4アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)であり、他方のRは、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、他方のRは、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。
【0268】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合している炭素原子とともに、5員ヘテロ環式環を形成する。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合しているフェニル環とともに、以下の構造を形成する。
【0269】
【化52】

【0270】
いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、全てのRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0271】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の式(VI)、(VIa)もしくは(VIb)から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を特徴とする。
【0272】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)を処置する方法であって、対象に、本明細書に記載の式(VI)、(VIa)もしくは(VIb)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0273】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)の発症を予防する(例えば、少なくとも1つの症状の発症を予防する)、または遅延させる方法であって、対象に、本明細書に記載の式(VI)、(VIa)もしくは(VIb)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0274】
一態様において、本発明は、式(VII):
【0275】
【化53】

【0276】
(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり、X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
は、NおよびCRから選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を特徴とする。
【0277】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(VIIa):
【0278】
【化54】

【0279】
(式中、n、B、D、R、R、RおよびRは、式(VII)において定義される通りである)の化合物を特徴とする。
【0280】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(VIIa):
【0281】
【化55】

【0282】
(式中、n、B、E、R、R、RおよびRは、式(VII)において定義される通りである)の化合物を特徴とする。
【0283】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(VIIb):
【0284】
【化56】

【0285】
(式中、n、B、D、R、R、RおよびRは、式(VII)において定義される通りである)の化合物を特徴とする。
【0286】
いくつかの実施形態において、本発明は、式(VIIa):
【0287】
【化57】

【0288】
(式中、n、B、E、R、R、RおよびRは、式(VII)において定義される通りである)の化合物を特徴とする。
【0289】
いくつかの実施形態において、BおよびEは、それぞれ、Hから独立して選択される。
【0290】
いくつかの実施形態において、BおよびDは、それぞれ、Hから独立して選択される。
【0291】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0292】
いくつかの実施形態において、各Rは、独立して水素である。いくつかの実施形態において、各Rは、C1−8アルキル、ハロゲン、またはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲンまたはハロアルキルから独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、ハロゲン(例えば、塩素またはフッ素)から独立して選択される。いくつかの実施形態において、各Rは、独立してハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)である。
【0293】
いくつかの実施形態において、Rは、アリールまたはヘテロアリールから選択される。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたアリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリールまたはC8−14二環式アリールである。いくつかの実施形態において、Rは、C5−8単環式アリール(例えば、任意選択で置換されたフェニル)である。いくつかの実施形態において、Rは、n個の存在のRで置換されたフェニルである。
【0294】
いくつかの実施形態において、nは0である。いくつかの実施形態において、nは1である。
【0295】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、C1−4アルキルまたはハロアルキルであり、そのそれぞれは、さらに置換されていてもよい。
【0296】
いくつかの実施形態において、Rは、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、Rは、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0297】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、両方のRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、ハロアルキル(例えば、トリフルオロアルキル)であり、他方のRは、−ORである。いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、一方のRは、C1−4アルキル(例えば、メチルまたはエチル)であり、他方のRは、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0298】
いくつかの実施形態において、nは2である。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合している炭素原子とともに、5員ヘテロ環式環を形成する。いくつかの実施形態において、2つのRは、それらが結合しているフェニル環とともに、以下の構造を形成する。
【0299】
【化58】

【0300】
いくつかの実施形態において、nは3である。いくつかの実施形態において、全てのRが、ハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。
【0301】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)もしくは(VIId)から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を特徴とする。
【0302】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)を処置する方法であって、対象に、本明細書に記載の式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)もしくは(VIId)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0303】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載の障害(例えば、癌)の発症を予防する(例えば、少なくとも1つの症状の発症を予防する)、または遅延させる方法であって、対象に、本明細書に記載の式(VII)、(VIIa)、(VIIb)、(VIIc)もしくは(VIId)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を特徴とする。
【0304】
一態様において、本発明は、それを必要とする患者におけるPKM2活性および/または解糖のレベルを調節する(例えば、増加または減少させる)(例えば、患者内の細胞の内因性の能力を調節してPKM2を下方調整する)方法を特徴とする。方法は、それを必要とする患者に、効果的な量の本明細書に記載の化合物を投与し、それにより患者におけるPKM2活性および/または解糖のレベルを調節する(例えば、増加または減少させる)ステップを含む。本発明のいくつかの実施形態において、患者内でグルコース代謝産物を同化プロセスではなく異化プロセスに転換するための手段として、PKM2をその活性立体配座に維持する、またはピルビン酸キナーゼ活性を増殖細胞において活性化させるように活性化剤が使用される。
【0305】
別の態様において、本発明は、それを必要とする患者における細胞増殖を調整する方法を特徴とする。方法は、それを必要とする患者に、効果的な量の本明細書に記載の化合物を投与し、それにより患者における細胞増殖を調整するステップを含む。例えば、この方法は、形質転換細胞、例えば癌細胞の成長を調節することができるか、または一般的には、好気的解糖を受けるPKM2依存性細胞の成長を調節することができる。
【0306】
別の態様において、本発明は、それを必要とする患者において、PKM2の機能に関連した疾患または障害に罹患した、またはそれを生じやすい患者を処置する方法を特徴とする。方法は、それを必要とする患者に、効果的な量の本明細書に記載の化合物を投与し、それにより患者における疾患または障害を処置、予防または改善するステップを含む。別の実施形態において、調節剤は、薬学的組成物として提供される。
【0307】
別の実施形態において、方法は、PKM2の調節(例えば、活性化または阻害)から利益を得る患者を識別または選択することを含む。例えば、患者は、(例えば、単に癌などの疾患の処置自体を必要としていることとは対照的に)患者の細胞におけるPKM2のレベルに基づいて特定することができる。別の実施形態において、選択される患者は、本明細書において識別された障害または疾患、例えば、望ましくない細胞成長または増殖により特徴付けられる障害、例えば、癌、肥満、糖尿病、アテローム性動脈硬化、再狭窄、および自己免疫疾患等に罹患している、またはそれを生じやすい患者である。
【0308】
別の態様において、本発明は、候補化合物を評価する方法であって、
任意選択で候補化合物を供給することと;
化合物を、細胞、例えば無傷の形質膜を有する細胞と接触させることと;
細胞内で相互作用する化合物の能力、例えば、PKM2等のピルビン酸キナーゼ等の標的キナーゼと錯体を形成する、例えばそれに特異的に結合する、またはその活性を調節(例えば、活性化または阻害)する能力を評価することと、
それにより候補化合物を評価することとを含む方法を特徴とする。
【0309】
いくつかの実施形態において、候補化合物を評価することは、抗増殖または抗癌剤としての使用のための候補化合物を評価することを含み、細胞内で標的化合物と相互作用する候補化合物の能力は、抗増殖または抗癌剤としての有効性に関連する。
【0310】
いくつかの実施形態において、候補化合物を評価することは、細胞膜を横断する候補化合物の能力を評価することを含み、細胞内で標的化合物と相互作用する候補化合物の能力は、細胞膜を横断する候補化合物の能力に関連する。
【0311】
いくつかの実施形態において、候補化合物を評価することは、次の特性:標的キナーゼにおける立体配座状態、標的キナーゼ活性の内因性調節剤、例えば、FBPもしくはホスホチロシン含有ポリペプチドに対する標的キナーゼの結合、または本明細書に開示される標的キナーゼの他の特性のいずれかを調節する候補化合物の能力を評価することを含み、標的化合物と相互作用する候補化合物の能力は、前記特性のうちの1つ以上に関連する。
【0312】
いくつかの実施形態において、方法は、例えば、細胞を洗浄する、または候補化合物を投与された動物から細胞を取り出すことにより、細胞に進入しなかった候補化合物から細胞を分離することをさらに含む。
【0313】
いくつかの実施形態において、方法は、例えば、標的キナーゼと相互作用する候補化合物の能力を評価する前に、細胞を溶解させる(例えば、細胞膜を破壊または溶解することにより)ことをさらに含む。
【0314】
いくつかの実施形態において、候補化合物を細胞と接触させることは、候補化合物を、全身の動物、全身の動物の一部ではない組織、全身の動物の一部ではない臓器、または全身の動物の一部ではない細胞と接触させることを含む。
【0315】
いくつかの実施形態において、細胞は、培養細胞、例えば初代細胞、二次細胞等である。
【0316】
いくつかの実施形態において、細胞は、哺乳動物、霊長類、ヒト、齧歯類、マウス、ラット、またはハムスターの細胞である。
【0317】
いくつかの実施形態において、細胞は、腫瘍または形質転換細胞、例えば充実性腫瘍細胞である。
【0318】
いくつかの実施形態において、複数の標的化合物が評価され、例えば、少なくとも10、20、50、100、または500種の候補化合物が評価される。
【0319】
いくつかの実施形態において、複数の候補化合物は同時に評価され、例えば、複数の候補化合物のそれぞれが個々にかつ同時に評価されるか、または、複数の候補化合物がプールされ、同じ細胞または同じ一定量の細胞と接触させられる。
【0320】
いくつかの実施形態において、複数の候補化合物は、自動化デバイスにおいて評価される。
【0321】
いくつかの実施形態において、候補化合物を評価することは、標的キナーゼと相互作用する候補化合物の能力に対して値を提供することと、任意選択で、その値を、所定の値、例えば陽性または陰性対称に対する値と比較することとを含む。
【0322】
いくつかの実施形態において、方法は、参照値との予め選択された関係を有する標的キナーゼとの相互作用に対する値を有する候補化合物を選択することをさらに含み、例えば、標的化合物に対する値は、予め選択された値、例えば、標的キナーゼの活性化に対する予め選択された最小値を超える。
【0323】
いくつかの実施形態において、方法は、第2の方法において標的キナーゼと相互作用する、例えばそれと錯体を形成する、それに特異的に結合する、またはその活性を調節(例えば、活性化または阻害)する、化合物(例えば、所定レベルの相互作用(例えば、評価ステップにおいて、錯体形成、特異的結合、または調節(例えば、活性化または阻害)に適合する候補化合物)の能力を評価する、例えば確認することをさらに含む。
【0324】
いくつかの実施形態において、方法は、候補化合物を選択することと、同じまたは異なる条件下、例えば同じまたは異なる濃度で評価を反復することとをさらに含む。
【0325】
いくつかの実施形態において、方法は、全身の動物以外の細胞内において評価された候補化合物を選択することと、全身の動物における評価による細胞ベースのアッセイにおいて決定された活性を確認することとをさらに含む。
【0326】
いくつかの実施形態において、方法は、候補化合物を選択することと、第2の異なるアッセイによる評価において決定された活性を確認することとをさらに含む。
【0327】
いくつかの実施形態において、複数の構造的に関連した候補候補、例えば、共通のコアまたは骨格を有する複数の候補候補が評価される。
【0328】
いくつかの実施形態において、方法は、候補化合物の類似体である複数の第2世代候補候補を提供することを含む。
【0329】
いくつかの実施形態において、方法は、第1の候補化合物を評価することと、第1の候補化合物の構造を第2の候補化合物と比較することと、第2の候補化合物を評価することとを含む。
【0330】
いくつかの実施形態において、候補化合物は、培養細胞、例えば、予め選択されたレベルの密集度、例えば約60%から約95%、好ましくは約70%から約90%の密集度を有する培養細胞と接触させられる。
【0331】
いくつかの実施形態において、候補化合物は、予め選択された長さの時間、例えば、陽性対照を細胞内に進入させて標的キナーゼと相互作用させるのに十分な期間、細胞と接触させられる。
【0332】
いくつかの実施形態において、接触させるステップは、化合物を、少なくとも約0.1時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、または6時間細胞と接触させることを含む。
【0333】
いくつかの実施形態において、化合物は、標的キナーゼと錯体を形成する。
【0334】
いくつかの実施形態において、化合物は、例えば、標的キナーゼに特異的に結合する。
【0335】
いくつかの実施形態において、標的キナーゼはPKM2であり、候補化合物は、標的キナーゼにおける構造変化(例えば、非活性化もしくはより低い活性化度の立体構造から、活性化もしくはより活性化された立体構造へ、または、活性化もしくはより活性化された立体構造から、非活性化もしくはより低い活性化度の立体構造へ)を誘導する。
【0336】
いくつかの実施形態において、標的キナーゼはPKM2であり、候補化合物はPKM2の活性を増加させる。
【0337】
いくつかの実施形態において、標的キナーゼはPKM2であり、候補化合物はPKM2の活性を減少させる。
【0338】
いくつかの実施形態において、方法は、例えば培地中の乳酸塩の存在および/または量を評価することをさらに含む。
【0339】
いくつかの実施形態において、溶解させるステップは、例えばドライアイス上で、細胞を急速冷凍することを含む。
【0340】
いくつかの実施形態において、溶解させるステップは、溶解緩衝液、例えば、洗浄剤含有(例えば、トリトン含有)溶解緩衝液(例えば、表3に記載の溶解緩衝液)を細胞に添加することを含む。
【0341】
いくつかの実施形態において、洗浄剤は、化合物と、PKM2等のピルビン酸キナーゼ等のキナーゼとの間の相互作用(例えば、結合)を妨害しない濃度、例えば約0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、または5%以下で使用される。
【0342】
別の態様において、本発明は、候補化合物を評価する方法であって、
任意選択で候補化合物を供給することと;
候補化合物を、動物外の細胞である細胞、例えば無傷の形質膜を有する細胞と接触させることと;
細胞に進入していない候補化合物から細胞を分離することと;
PKM2に対する候補化合物の結合を無効化しない条件下で、前記細胞を溶解させることと;
細胞内で相互作用する化合物の能力、例えば、PKM2と錯体を形成する、例えばそれに特異的に結合する、またはその活性を調節(例えば、活性化または阻害)する能力を評価することと;
それにより候補化合物を評価することとを含む方法を特徴とする。
【0343】
別の態様において、本発明は、候補化合物を評価する方法であって、
任意選択で候補化合物を供給することと;
候補化合物を、全身の動物の一部である細胞と接触させることと;
PKM2に対する候補化合物の結合を無効化しない条件下で、前記細胞を溶解させることと;
細胞内で相互作用する化合物の能力、例えば、PKM2と錯体を形成する、例えばそれに特異的に結合する、またはその活性を調節(例えば、活性化または阻害)する能力を評価することと;
それにより候補化合物を評価することとを含む方法を特徴とする。
【0344】
別の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、乳酸塩産生または酸化的リン酸化を増加させるのに十分な用量および頻度で投与される。
【0345】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素の任意のラジカルを指す。
【0346】
「アルキル」という用語は、示された数の炭素原子を含有する、直鎖であっても分岐鎖であってもよい炭化水素鎖を指す。例えば、C−C12アルキルは、基が、1個から12個(これらを含む)の炭素原子をそれに有し得ることを示す。「ハロアルキル」という用語は、1個以上の水素原子がハロで置き換えられたアルキルを指し、全ての水素がハロで置き換えられているアルキル部分(例えば、ペルフルオロアルキル)を含む。「アリールアルキル」または「アラルキル」という用語は、アルキル水素原子がアリール基で置き換えられたアルキル部分を指す。アラルキルは、2つ以上の水素原子がアリール基で置き換えられている基を含む。「アリールアルキル」または「アラルキル」の例には、ベンジル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、9−フルオレニル、ベンズヒドリル、およびトリチル基が含まれる。
【0347】
「アルキレン」という用語は、二価アルキル、例えば、−CH−、−CHCH−、および−CHCHCH−を指す。
【0348】
「アルケニル」という用語は、2〜12個の炭素原子を含有し、1つ以上の二重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖を指す。アルケニル基の例には、アリル、プロペニル、2−ブテニル、3−ヘキセニルおよび3−オクテニル基が含まれるが、これらに限定されない。二重結合炭素の1つは、任意選択で、アルケニル置換基の結合点であってもよい。「アルキニル」という用語は、2〜12個の炭素原子を含有し、1つ以上の三重結合を有することを特徴とする直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖を指す。アルキニル基の例には、エチニル、プロパルギル、および3−ヘキシニルが含まれるが、これらに限定されない。三重結合炭素の1つは、任意選択で、アルキニル置換基の結合点であってもよい。
【0349】
「アルキルアミノ」および「ジアルキルアミノ」という用語は、それぞれ−NH(アルキル)および−NH(アルキル)ラジカルを指す。「アラルキルアミノ」という用語は、−NH(アラルキル)ラジカルを指す。アルキルアミノアルキルという用語は、(アルキル)NH−アルキル−ラジカルを指し、ジアルキルアミノアルキルという用語は、(アルキル)N−アルキル−ラジカルを指す。「アルコキシ」という用語は、−O−アルキルラジカルを指す。「メルカプト」という用語は、SHラジカルを指す。「チオアルコキシ」という用語は、−S−アルキルラジカルを指す。「チオアリールオキシ」という用語は、−S−アリールラジカルを指す。
【0350】
「アリール」という用語は、芳香族単環式、二環式、または三環式炭化水素環系を指し、置換可能な任意の環原子が(例えば、1個以上の置換基で)置換され得る。アリール部分の例には、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0351】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書において使用される場合、3個から12個の炭素を有する、飽和環式、二環式、三環式、または多環式炭化水素基を含む。任意の環原子が(例えば、1個以上の置換基で)置換され得る。シクロアルキル基は、融合環を含有し得る。融合環は、共通の炭素原子を共有する環である。シクロアルキル部分の例には、シクロプロピル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、アダマンチル、およびノルボルニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0352】
「ヘテロシクリル」という用語は、単環式の場合1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合1〜6個のへテロ原子、または三環式の場合1〜9個のヘテロ原子を有する、非芳香族3〜10員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、N、O、またはSから選択される(例えば、炭素原子、および、単環式、二環式、または三環式の場合、それぞれ1〜3個、1〜6個、または1〜9個のN、O、またはSのヘテロ原子)。ヘテロ原子は、任意選択で、ヘテロシクリル置換基の結合点であってもよい。任意の環原子が(例えば、1個以上の置換基で)置換され得る。ヘテロシクリル基は、融合環を含有し得る。融合環は、共通の炭素原子を共有する環である。ヘテロシクリルの例には、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリノ、ピロリニル、ピリミジニル、キノリニル、およびピロリジニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0353】
「シクロアルケニル」という用語は、5個から12個の炭素、好ましくは5個から8個の炭素を有する、部分不飽和非芳香族環式、二環式、三環式、または多環式炭化水素基を指す。不飽和炭素は、任意選択で、シクロアルケニル置換基の結合点であってもよい。任意の環原子が(例えば、1個以上の置換基で)置換され得る。シクロアルケニル基は、融合環を含有し得る。融合環は、共通の炭素原子を共有する環である。シクロアルケニル部分の例には、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、またはノルボルネニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0354】
「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、単環式の場合1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合1〜6個のへテロ原子、または三環式の場合1〜9個のヘテロ原子を有する、部分飽和非芳香族5〜10員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、N、O、またはSから選択される(例えば、炭素原子、および、単環式、二環式、または三環式の場合、それぞれ1〜3個、1〜6個、または1〜9個のN、O、またはSのヘテロ原子)。不飽和炭素またはヘテロ原子は、任意選択で、ヘテロシクロアルケニル置換基の結合点であってもよい。任意の環原子が(例えば、1個以上の置換基で)置換され得る。ヘテロシクロアルケニル基は、融合環を含有し得る。融合環は、共通の炭素原子を共有する環である。ヘテロシクロアルケニルの例には、テトラヒドロピリジルおよびジヒドロピラニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0355】
「ヘテロアリール」という用語は、単環式の場合1〜3個のヘテロ原子、二環式の場合1〜6個のへテロ原子、または三環式の場合1〜9個のヘテロ原子を有する、芳香族5〜8員単環式、8〜12員二環式、または11〜14員三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、N、O、またはSから選択される(例えば、炭素原子、および、単環式、二環式、または三環式の場合、それぞれ1〜3個、1〜6個、または1〜9個のN、O、またはSのヘテロ原子)。任意の環原子が(例えば、1個以上の置換基で)置換され得る。
【0356】
「オキソ」という用語は、炭素に結合した場合はカルボニル、窒素に結合した場合はN−オキシド、および硫黄に結合した場合はスルホキシドまたはスルホンを形成する酸素原子を指す。
【0357】
「アシル」という用語は、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロシクリルカルボニル、またはヘテロアリールカルボニル置換基を指し、そのいずれも(例えば、1個以上の置換基で)さらに置換されていてもよい。
【0358】
「置換基」という用語は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルケニル、シクロアルケニル、アリール、またはヘテロアリール基上に、その基の任意の原子において「置換」された基を指す。任意の原子が置換され得る。好適な置換基は、制限されることなく、アルキル(例えば、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12直鎖または分岐鎖アルキル)、シクロアルキル、ハロアルキル(例えば、CF等のペルフルオロアルキル)、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、アルケニル、アルキニル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、アルコキシ、ハロアルコキシ(例えば、OCF等のペルフルオロアルコキシ)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキシレート、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、SOH、サルフェート、ホスフェート、メチレンジオキシ(−O−CH−O−(式中、酸素は隣接原子に結合している)、エチレンジオキシ、オキソ、チオキソ(例えば、C=S)、イミノ(アルキル、アリール、アラルキル)、S(O)アルキル(nは、0〜2である)、S(O)アリール(式中、nは、0〜2である)、S(O)ヘテロアリール(式中、nは、0〜2である)、S(O)ヘテロシクリル(式中、nは、0〜2である)、アミン(モノ−、ジ−、アルキル、シクロアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、およびこれらの組合せ)、エステル(アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール)、アミド(モノ−、ジ−、アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、およびこれらの組合せ)、スルホンアミド(モノ−、ジ−、アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、およびこれらの組合せ)を含む。一態様において、基上の置換基は、独立して、任意の単一の上記置換基、または任意の上記置換基の部分集合である。別の態様において、置換基は、それ自体、上記置換基のいずれか1つで置換されてもよい。
【0359】
「選択的」という用語は、M1よりもM2の調節(例えば、阻害)が、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍または10倍大きいことを意味する。
【0360】
「活性化剤」という用語は、本明細書において使用される場合、ピルビン酸キナーゼ(例えば、PKM2)の活性を(ある程度に)増加させる、またはピルビン酸キナーゼ(例えば、PKM2)活性を、PKM2の基礎レベルよりも大きいレベルに増加させる薬剤を意味する。例えば、活性化剤は、天然リガンド(例えば、FBP)によりもたらされる作用を模倣し得る。薬剤によりもたらされる活性化剤作用は、天然リガンドによりもたらされる活性化作用と同じ程度、またはそれより高い程度、またはそれより低い程度となり得るが、同じ種類の作用がもたらされる。ペプチド、核酸、および小分子が活性化剤となり得る。薬剤は、薬剤に供された時のピルビン酸キナーゼの活性を直接的または間接的に測定することにより、それが活性化剤であるかどうかを決定するために評価され得る。薬剤の活性は、例えば、対照物質に対して測定され得る。いくつかの場合において、薬剤の測定される活性は、PKM2の活性化に対するものである。PKM2の活性は、例えば、ATPまたはNADH等の基質の濃度を監視することにより測定され得る。
【0361】
「阻害剤」という用語は、本明細書において使用される場合、ピルビン酸キナーゼ(例えば、PKM2)の酵素活性をある程度に抑制、停止、低下または不活性化して、ピルビン酸キナーゼの(例えば、PKM2の)基礎活性レベルより低いレベルまで低下させる薬剤を意味する。ピルビン酸キナーゼ(例えば、PKM2)の阻害剤は、ペプチドまたは核酸であってもよい。薬剤は、薬剤に供された時のピルビン酸キナーゼの活性を直接的または間接的に測定することにより、それが阻害剤であるかどうかを決定するために評価され得る。薬剤の活性は、例えば、対照物質に対して測定され得る。いくつかの場合において、薬剤の測定される活性は、PKM2の阻害に対するものである。PKM2の活性は、例えば、ATPまたはNADH等の基質の濃度を監視することにより測定され得る。
【0362】
「調節する」という用語は、例えば、所望の最終結果(例えば、治療結果)が達成されるような、患者の細胞の少なくとも部分集合における、本明細書に記載の化合物または組成物への暴露に応じた酵素の活性の増加または減少、例えばPKM2の活性化または阻害を指す。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の標的、例えばPKM2を阻害する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の標的、例えばPKM2を活性化する。
【発明を実施するための形態】
【0363】
本発明は、その応用において、以下の説明において記載される、または図面に示される構造の詳細および構成要素の配置に制限されない。本発明は、他の実施形態が可能であり、また様々な様式で実践または実行することができる。また、本明細書において使用される語法および用語は、説明を目的としており、制限的に解釈されるべきではない。本明細書において、「含む」、「備える」、または「有する」、「含有する」、「関与する」、およびこれらの変化形の使用は、それ以降に列挙される項目およびその等価物、ならびに追加的項目を包含するように意図される。
【0364】
化合物
本明細書には、PKM2を調節する、例えばPKM2を活性化または阻害する化合物および組成物が記載される。PKM2を調節する、例えばPKM2を活性化または阻害する化合物は、腫瘍性障害(例えば、癌)または脂肪関連障害(例えば、肥満)等の障害を処置するために使用することができる。例示的な化合物は、本明細書に記載の式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)および(VII)の化合物を含む。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、FBP結合ポケットと相互作用する(例えば結合する)ことにより、PKM2を調節する。例えば、本明細書に記載の化合物はPKM2においてFBP結合と競合し得る。
【0365】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、本明細書に記載の1つ以上の特性、例えば次の特性のうちの1つ以上を有する:アロステリック調節剤(例えば、阻害剤または活性化剤)である;FBPの遊離を調節する(例えば、阻害または促進する);FBPの調節剤(例えば、作動薬または拮抗薬)、例えば、FBPよりも低い、それとほぼ同じ、またはそれより高い親和性で結合する作動薬である;四量体PKM2の溶解を調節する(例えば、阻害または促進する);四量体PKM2の集合を調節する(例えば、促進または阻害する);PKの少なくとも1つの他のアイソフォームよりも選択的にPKM2を調節する(例えば、阻害または活性化する)、例えば、PKR、PKM1、またはPKLよりもPKM2選択的である;PKの少なくとも1つの他のアイソフォーム、例えば、PKR、PKM1、またはPKLに対する親和性よりも大きいPKM2に対する親和性を有する。
【0366】
別の実施形態において、本発明の方法および組成物に利用されるPKM2の活性化剤は、以下の機構または特性のうちの1つ以上により作用する、またはそれを有する:
a.PKM2のアロステリック調節剤である;
b.PKM2の結合ポケットにおけるFBPの結合を調節する(例えば、安定化または阻害する);
c.PKM2の結合ポケットからのFBPの遊離を調節する(例えば、阻害または促進する);
d.FBPの調節剤(例えば、作動薬または拮抗薬)、例えば類似体、例えばFBPよりも低い、それとほぼ同じ、またはそれより高い親和性でPKM2に結合する作動薬である;
e.四量体PKM2の溶解を調節する(例えば、阻害または促進する);
f.四量体PKM2の集合を調節する(例えば、阻害または促進する);
g.PKM2の四量体立体構造を調節する(例えば、安定化または阻害する);
h.ホスホチロシン含有ポリペプチドのPKM2への結合を調節する(例えば、阻害または促進する);
i.例えばPKM2の立体構造、例えばLys 433の位置の変化を誘導し、それによりFBPの遊離を妨害することにより、PKM2からのFBPの遊離を誘導するホスホチロシン含有ポリペプチドの能力を調節する(例えば、阻害または促進する);
k.Lys 433に結合するか、またはFBP結合ポケットに対するその位置を変化させる;
l.PKの少なくとも1つの他のアイソフォームよりも選択的にPKM2を調節する(例えば、活性化または阻害する)、例えば、PKR、PKM1、またはPKLのうちの1つ以上よりもPKM2選択的である;
m.PKの少なくとも1つの他のアイソフォーム、例えば、PKR、PKM1、またはPKLに対する親和性よりも大きいPKM2に対する親和性を有する。
【0367】
本明細書に記載の化合物は、PKM2の活性化剤であってもよい。例示的な化合物を表1に示す。表1に示されるように、Aは、EC50<100nMのPKM2の活性化剤を指す。Bは、EC50が100nM〜500nMのPKM2の活性化剤を指す。Cは、EC50が500nM〜1000nMのPKM2の活性化剤を指す。Dは、EC50が1μM〜10μMのPKM2の活性化剤を指す。Eは、EC50>10μMのPKM2の活性化剤を指す。NDは、未測定を意味する。
【0368】
生体外データは、以下のように記載されている:+は、1μMの活性を有する化合物を指し;++は、>1μMの活性を有する化合物を指し;NDは、未測定を意味する。
【0369】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【表1−8】

【表1−9】

【表1−10】

【表1−11】

【表1−12】

【表1−13】

【表1−14】

【表1−15】

【表1−16】

【表1−17】

【表1−18】

【表1−19】

【表1−20】

【表1−21】

【表1−22】

【表1−23】

【表1−24】

【表1−25】

【表1−26】

【表1−27】

【表1−28】

【表1−29】

【0370】
本明細書に記載の化合物は、様々な合成技術を使用して作製することができる。以下のスキーム1は、本明細書に記載のある特定の化合物の代表的な合成を表している。
【0371】
【化59−1】

【0372】
当業者には認識され得るように、本明細書の式の化合物を合成する方法は、当業者に明らかである。さらに、所望の化合物を得るために、代替のシーケンスまたは順番で様々な合成ステップを行ってもよい。本明細書に記載の化合物の合成において有用な合成化学転換および保護基の方法(保護および脱保護)は、当技術分野において知られており、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989);T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d..Ed.,John Wiley and Sons(1991);L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1994);ならびにL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)、およびその後続の版に記載のもの等を含む。
【0373】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含有してもよく、したがって、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一の光学異性体、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として生じ得る。これらの化合物の全てのそのような異性体は、本発明に明示的に含まれる。本発明の化合物はまた、結合回転を制限(例えば、環または二重結合の存在から制限がもたらされる)し得る連結(例えば、炭素環結合)または置換基を含有してもよい。したがって、全てのシス/トランスおよびE/Z異性体が、本発明に明示的に含まれる。
【0374】
本発明の化合物はまた、複数の互変異性体として表現することができ、そのような場合、本発明は、単一の互変異性体が表現され得るとしても、本明細書に記載の化合物の全ての互変異生体を明示的に含む(例えば、環系のアルキル化は、複数の部位でのアルキル化をもたらすことができ、本発明は全てのそのような反応生成物を明示的に含む)。そのような化合物の全てのそのような異性体は、本発明に明示的に含まれる。水和物および他の溶媒和物を含む、本明細書に記載の化合物の全ての結晶形が、本発明に明示的に含まれる。
【0375】
本発明の化合物は、その化合物自体だけでなく、該当する場合には、その塩およびそのプロドラッグを含む。例えば、塩は、アニオンと、本明細書に記載の化合物上の正に帯電した置換基(例えば、アミノ)との間で形成され得る。好適なアニオンは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、および酢酸塩を含む。同様に、塩はまた、カチオンと、本明細書に記載の化合物上の負に帯電した置換基(例えば、カルボキシレート)との間で形成され得る。好適なカチオンは、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、およびテトラメチルアンモニウムイオン等のアンモニウムカチオンを含む。プロドラッグの例には、対象への投与後に活性化合物を提供することができる、エステルおよび他の薬学的に許容される誘導体が含まれる。
【0376】
本発明の化合物は、選択された生物学的特性、例えば特定組織への標的化を高めるために、適切な官能基を付加することにより改質され得る。そのような改質は、当技術分野において知られており、所与の生物学的区画(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)への生物学的浸透性を増加させるもの、経口利用可能性を増加させるもの、注射による投与を可能とするために溶解度を増加させるもの、代謝を改変するもの、および排出速度を改変するものを含む。
【0377】
代替の実施形態において、本明細書に記載の化合物は、化合物の誘導体および/または化学ライブラリの調製のための組み合わせ化学技術において利用され得るプラットフォームまたは骨格として使用され得る。そのような化合物の誘導体およびライブラリは、生物活性を有し、特定の活性を有する化合物の識別および設計に有用である。本明細書に記載の化合物を利用するのに好適な組み合わせ技術は、Obrecht,D.and Villalgrodo,J.M.,Solid−Supported Combinatorial and Parallel Synthesis of Small−Molecular−Weight Compound Libraries,Pergamon−Elsevier Science Limited(1998)で例示されるように、当技術分野において知られており、「スプリットおよびプール(split and pool)」または「パラレル」合成技術、固相および溶液相技術、ならびにコード化技術等の技術において有用なものを含む(例えば、Czarnik,A.W.,Curr.Opin.Chem.Bio.,(1997)1,60を参照されたい)。したがって、一実施形態は、誘導体または化学ライブラリを生成するために、本明細書に記載の化合物を使用する方法であって、1)複数のウェルを備える本体を提供することと、2)本明細書に記載の方法により識別される1つ以上の化合物を各ウェルに提供することと、3)追加的な1つ以上の化学物質を各ウェルに提供することと、4)得られた1つ以上の生成物を各ウェルから単離することとを含む方法に関する。代替の実施形態は、誘導体または化学ライブラリを生成するために、本明細書に記載の化合物を使用する方法であって、1)固体担体に結合させた本明細書に記載の1つ以上の化合物を提供することと、2)固体担体に結合させた本明細書に記載の方法により識別された1つ以上の化合物を、1つ以上の追加的な化学物質で処理することと、3)得られた1つ以上の生成物を固体担体から単離することとを含む方法に関する。上述の方法において、所望の生成物またはその中間体の追跡、識別または単離を促進するために、「タグ」または識別子または標識部分を、本明細書に記載の化合物またはその誘導体に結合および/または脱着させてもよい。そのような部分は、当技術分野において知られている。上述の方法において使用される化学物質は、例えば、溶媒、試薬、触媒、保護基および脱保護基試薬等を含み得る。そのような化学物質の例は、本明細書において参照される様々な合成および保護基化学の教本および専門書に記載されているものである。
【0378】
化合物の評価方法
本明細書に記載の化合物は、当技術分野において知られた方法により、PKM2を調節する(例えば、PKM2を活性化または阻害する)能力について評価することができる。例示的な方法は、PKM2を調節する(例えば、活性化または阻害する)能力の評価を可能とする細胞ベースのアッセイに化合物を接触させることを含む。例えば、候補化合物を細胞に接触させ、酸素の消費または乳酸塩の産生を測定することができる。細胞のホスホエノールピルビン酸の変化、グリセロールリン酸の変化、リボースもしくはデオキシリボースの変化、脂質合成の変化、または脂質もしくは核酸もしくはアミノ酸もしくはタンパク質へのグルコース変換の変化もまた、PKM2を調節する(例えば、PKM2を活性化または阻害する)能力について化合物を評価するために使用され得る。評価はまた、例えば、蛍光電位差染料により測定されるような、ピルビン酸塩の変化の測定またはミトコンドリア膜電位の改変の決定を含んでもよい。
【0379】
スクリーニング方法における使用のためのPKM1およびPKM2は、組み換えタンパク質の発現の技術分野において知られた任意の方法により生成され得る。例えば、発現のために、所望のポリペプチドをコード化する核酸を、様々な細胞型または無細胞系内に導入することができる。PKMシーケンスがプラスミドまたは他のベクター中に導入され、次いでこれを使用して生体細胞を転換する、真核(例えば、COS、HEK293T、CHO、およびNIH細胞株)および原核(例えば、大腸菌)発現系が生成されてもよい。PKMcDNAが全オープンリーディングフレームまたはその西部学的に活性な断片を含有するコンストラクトが、発現プラスミド中に正しい配向で挿入され、タンパク質発現に使用することができる。原核および真核発現系は、融合タンパク質の発現および回収を可能とし、PKMタンパク質は、識別および/または精製を容易化する、アミノ末端またはカルボキシ末端側のいずれかにおけるタグ分子に共有結合する。使用可能なタグの例には、ヘキサヒスチジン、HA、FLAG、およびc−mycエピトープタグが含まれる。酵素的または化学的切断部位は、精製後にタグが除去され得るように、PKMタンパク質とタグ分子との間に設計することができる。
【0380】
スクリーニングアッセイにおいて測定されるPKM酵素の活性は、例えば、反応混合物中に存在する基質(例えば、ATPまたはNADH)の濃度を監視することにより測定され得る。ピルビン酸キナーゼの酵素活性により産生されるピルビン酸塩は、NADHの消費(NADH→NAD+)を必要とする乳酸脱水素酵素により、乳酸塩に変換される。したがって、PKM2の活性は、例えば蛍光アッセイによりNADHの消費を監視することで、間接的に測定することができる。さらに、ホスホエノールピルビン酸がピルビン酸塩に変換される際にATPが産生されるため、PKM2酵素の活性は、ATPの産生を測定することで直接的に監視することができる。反応混合物中の基質の量を監視するための方法は、例えば、吸光、蛍光、ラマン散乱、リン光、発光、ルシフェラーゼアッセイ、および放射能を含む。
【0381】
スクリーニング手順には、反応混合物中の特定成分の存在が必要である。アッセイに利用される成分は、例えば、ヌクレオシドジホスフェート(例えば、ADP)、ホスホエノールピルビン酸、NADH、乳酸脱水素酵素、FBP、還元剤(例えば、ジチオスレイトール)、洗浄剤(例えば、Brij 35)、グリセロール、および溶媒(例えば、DMSO)を含む。例示的な反応条件は表2に示されている。
【0382】
【表2】

【0383】
PKM2に対する特異性、および10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、または99.9%を超えるPKM2酵素の阻害を示す場合、候補阻害化合物として選択される。
【0384】
PKM2に対する特異性、および、FBPの存在下での活性化レベルの10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99、または100%を超えるレベルまで、FBPの非存在下でPKM2酵素の活性化を示す場合、候補活性化化合物として選択される。さらに、PKM2の特定の候補活性化剤は、ホスホチロシンペプチドの存在下または非存在下で評価することができる。PKM2に対するホスホチロシンペプチド結合は、PKM2からのFBPの解離、および活性な四量体形態から不活性形態へのPKM2の構造変化をもたらす。ホスホチロシンペプチドの存在下であってもPKM2に結合して酵素を活性立体配座に固定する化合物は、解糖から他の中間体の生合成への、生化学的中間体のシャントに必要なPKM2のアロステリック制御の喪失をもたらす。一方で、これは、癌細胞、活性化免疫細胞および脂肪細胞の成長の阻害をもたらす。
【0385】
また、例示的なスクリーニングアッセイは、生体外アッセイ、例えば本明細書に記載の生体外アッセイを含む。
【0386】
処置方法
本明細書に記載される化合物および組成物は、本明細書の以下において記載されるものを含む様々な障害を処置、予防、および/または診断するために、培養物中、例えばインビトロまたは生体外での細胞に投与することができ、または対象に、例えば生体内で投与することができる。
【0387】
本明細書において使用される場合、「処置する」または「処置」という用語は、障害、障害の1つ以上の症状、または障害への傾向を治療、治癒、軽減、緩和、変更、修復、改善、改良またはそれらに作用することを目的として(例えば、障害の少なくとも1つの症状を予防するため、または障害の少なくとも1つの症状の発症を遅延させるために)、対象、例えば患者への、単独もしくは第2の化合物との組み合わせとしての化合物の適用もしくは投与、または、対象、例えば、障害(例えば、本明細書に記載されるような障害)、障害の症状、もしくは障害への傾向を有する患者から単離された組織もしくは細胞、例えば細胞株への化合物の適用もしくは投与として定義される。
【0388】
本明細書において使用される場合、障害を処置するのに効果的な化合物の量、または「治療上効果的な量」は、対象への単回または複数回投与後に、細胞の処置において、または、そのような処置なしで予測される状態を超える、障害を有する対象の治療、軽減、緩和もしくは改良において効果的な化合物の量を指す。
【0389】
本明細書において使用される場合、障害を予防するのに効果的な化合物の量または化合物の「予防上効果的な量」は、対象への単回または複数回投与後に、発症の発生、または障害もしくは障害の症状の再発の予防または遅延に効果的な量を指す。
【0390】
本明細書において使用される場合、「対象」という用語は、人間および人間以外の動物を含むことを意図する。例示的な人間対象は、障害、例えば本明細書に記載の障害を有する人間、または正常な対象を含む。本発明における「人間以外の動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば非哺乳動物(例えばニワトリ、両生類、爬虫類)、および人間以外の霊長類等の哺乳動物、飼い慣らされた、および/または農業上有用な動物、例えばヒツジ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ等を含む。
【0391】
腫瘍性障害
本明細書に記載の化合物または組成物は、腫瘍性障害を処置するために使用することができる。「腫瘍性障害」は、自律的増殖または複製の能力を有する細胞により特徴付けられる疾患または障害、例えば、細胞増殖により特徴付けられる異常な状態または病態である。例示的な腫瘍性障害は、癌腫、肉腫、転移性障害(例えば、前立腺、結腸、肺、乳房および肝臓を起源とする腫瘍)、造血系腫瘍性障害、例えば白血病、転移性腫瘍を含む。一般的な癌は、乳癌、前立腺癌、結腸癌、肺癌、肝臓癌、および膵臓癌を含む。化合物による処置は、腫瘍性障害の少なくとも1つの症状の改善、例えば細胞増殖の低減、腫瘤の低減等に効果的な量であってもよい。
【0392】
開示される方法は、例えば充実性腫瘍、軟組織腫瘍、およびその転移を含む癌の予防および処置において有用である。開示される方法はまた、非充実性腫瘍の処置においても有用である。例示的な充実性腫瘍は、様々な臓器系の悪性腫瘍(例えば、肉腫、腺癌、および癌腫)、例えば、肺、乳房、リンパ、胃腸(例えば、結腸)、および泌尿生殖(例えば、腎臓、尿路上皮、または精巣腫瘍)路、咽頭、前立腺、および卵巣の悪性腫瘍を含む。例示的な腺癌は、結腸直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、肺の非小細胞癌、および小腸の癌を含む。
【0393】
米国癌研究所により説明されている例示的な癌は、急性リンパ性白血病、成人;急性リンパ性白血病、小児;急性骨髄性白血病、成人;副腎皮質癌;副腎皮質癌、小児;AIDS関連リンパ腫;AIDS関連悪性腫瘍;肛門癌;星状細胞腫、小児小脳;星状細胞腫、小児大脳;胆管癌、肝外;膀胱癌;膀胱癌、小児;骨癌、骨肉種/悪性線維性組織球腫;脳幹グリオーマ、小児;脳腫瘍、成人;脳腫瘍、脳幹グリオーマ、小児;脳腫瘍、小脳星状細胞腫、小児;脳腫瘍、大脳星状細胞腫/悪性グリオーマ、小児;脳腫瘍、上衣細胞腫、小児;脳腫瘍、髄芽細胞腫、小児;脳腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、小児;脳腫瘍、視覚伝導路および視床下部グリオーマ、小児;脳腫瘍、小児(その他);乳癌;乳癌および妊娠;乳癌、小児;乳癌、男性;気管支腺腫/カルチノイド、小児;カルチノイド腫瘍、小児;カルチノイド腫瘍、胃腸;癌腫、副腎皮質;癌腫、島細胞;未知の原発性癌腫;中枢神経系リンパ腫、原発性;小脳星状細胞腫、小児;大脳星状細胞腫/悪性グリオーマ、小児;子宮頸癌;小児癌;慢性リンパ球性白血病;慢性骨髄性白血病;慢性骨髄増殖性障害;腱鞘の明細胞肉腫;結腸癌;結腸直腸癌、小児;皮膚T細胞性リンパ腫;子宮内膜癌;上衣細胞腫、小児;上皮性癌、卵巣;食道癌;食道癌、小児;ユーイング腫瘍ファミリー;頭蓋外胚細胞腫瘍、小児;性腺外胚細胞腫瘍;肝外胆管癌;眼癌、眼内メラノーマ;眼癌、網膜芽細胞腫;胆嚢癌;胃(gastric)(胃(stomac))癌;胃(gastric)(胃(stomach))癌、小児;消化管カルチノイド腫瘍;胚細胞腫瘍、頭蓋外、小児;胚細胞腫瘍、性腺外;胚細胞腫瘍、卵巣;妊娠性絨毛性腫瘍;グリオーマ、小児脳幹;グリオーマ、小児視覚伝導路および視床下部;ヘアリー細胞白血病;頭頸部癌;肝細胞(肝臓)癌、成人(原発性);肝細胞(肝臓)癌、小児(原発性);ホジキンリンパ腫、成人;ホジキンリンパ腫、小児;妊娠中ホジキンリンパ腫;下咽頭癌;視床下部および視覚伝導路グリオーマ、小児;眼内メラノーマ;島細胞癌(膵臓内分泌部);カポジ肉腫;腎臓癌;喉頭癌;喉頭癌、小児;白血病、急性リンパ性、成人;白血病、急性リンパ性、小児;白血病、急性骨髄性、成人;白血病、急性骨髄性、小児;白血病、慢性リンパ球性;白血病、慢性骨髄性;白血病、ヘアリー細胞;口唇および口腔癌;肝臓癌、成人(原発性);肝臓癌、小児(原発性);肺癌、非小細胞;肺癌、小細胞;リンパ芽球性白血病、成人急性;リンパ芽球性白血病、小児急性;リンパ性白血病、慢性;リンパ腫、AIDS関連;リンパ腫、中枢神経系(原発性);リンパ腫、皮膚T細胞;リンパ腫、ホジキン、成人;リンパ腫、ホジキン、小児;リンパ腫、妊娠中ホジキン;リンパ腫、非ホジキン、成人;リンパ腫、非ホジキン、小児;リンパ腫、妊娠中非ホジキン;リンパ腫、原発性中枢神経系;マクログロブリン血症、ワルデンシュトレーム;男性乳癌;悪性中皮腫、成人;悪性中皮腫、小児;悪性胸腺腫;髄芽腫、小児;メラノーマ;メラノーマ、眼内;メルケル細胞癌;中皮腫、悪性;潜在性原発性の転移扁平頸部癌;多発性内分泌腫瘍症候群、小児;多発性骨髄腫/形質細胞腫;菌状息肉腫;骨髄異形成症候群;骨髄性白血病、慢性;骨髄性白血病、小児急性;骨髄腫、多発性;骨髄増殖症候群、慢性;鼻腔および副鼻腔癌;鼻咽腔癌;鼻咽腔癌、小児;神経芽細胞腫;非ホジキンリンパ腫、成人;非ホジキンリンパ腫、小児;妊娠中非ホジキンリンパ腫;非小細胞肺癌;口腔癌、小児;口腔および口唇癌;口腔咽頭癌;骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫;卵巣癌、小児;上皮性卵巣癌;卵巣胚細胞腫瘍;卵巣低悪性度腫瘍;膵臓癌;膵臓癌、小児;膵臓癌、島細胞;副鼻腔および鼻腔癌;副甲状腺癌;陰茎癌;褐色細胞腫;松果体部およびテント上原発性神経外胚葉性腫瘍、小児;下垂体部腫瘍;形質細胞腫/多発性骨髄腫;胸膜肺芽腫;妊娠および乳癌;妊娠およびホジキンリンパ腫;妊娠および非ホジキンリンパ腫;原発性中枢神経系リンパ腫;原発性肝臓癌、成人;原発性肝臓癌、小児;前立腺癌;直腸癌;腎細胞(腎臓)癌;腎細胞癌、小児;腎盂および尿管、移行細胞癌;網膜芽細胞腫;横紋筋肉腫、小児;唾液腺癌;唾液腺癌、小児;肉腫、ユーイング腫瘍ファミリー;肉腫、カポジ;肉腫(骨肉腫)/骨の悪性線維性組織球腫;肉腫、横紋筋肉腫、小児;肉腫、軟組織、成人;肉腫、軟組織、小児;セザリー症候群;皮膚癌;皮膚癌、小児;皮膚癌(メラノーマ);皮膚癌腫、メルケル細胞;小細胞肺癌;小腸癌;軟組織癌腫、成人;軟組織肉腫、小児;潜在性原発性の扁平頸部癌、転移;胃(stomach)(胃(gastric))癌;胃(stomach)(胃(gastric))癌、小児;テント上原始神経外胚葉性腫瘍、小児;T細胞リンパ腫、皮膚;睾丸癌;胸腺腫、小児;胸腺腫、悪性;甲状腺癌;甲状腺癌、小児;腎盂および尿管の移行細胞癌;絨毛性腫瘍、妊娠;未知の原発部位、小児癌;特異的な小児癌;尿管および腎盂、移行細胞癌;尿道癌;子宮肉腫;膣癌;視覚伝導路および視床下部グリオーマ、小児;外陰癌;ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;ならびにウィルムス腫瘍を含む。上述の癌の転移もまた、本明細書に記載の方法に従い処置または予防することができる。
【0394】
癌併用療法
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、追加的な癌治療とともに投与される。例示的な癌治療は、例えば、化学療法、抗体療法等の標的療法、免疫療法、およびホルモン療法を含む。これらの治療のそれぞれの例を、以下に記載する。
【0395】
化学療法
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、化学療法とともに投与される。化学療法は、癌細胞を破壊することができる薬物による癌の処置である。「化学療法」は、通常、標的療法とは対照的に、一般に急速に分裂する細胞に影響する細胞毒性薬を指す。化学療法薬は、様々な可能な様式で細胞分裂に干渉し、例えば、DNAの複製または新たに形成された染色体の分離に干渉する。化学療法のほとんどの形態は、急速に分裂する細胞の全てを標的とし、癌細胞に特異的ではないが、正常細胞はDNA損傷を修復することができるものの多くの癌細胞はDNA損傷を修復することができないことから、ある程度の特異性がもたらされ得る。
【0396】
化学療法において使用される化学療法薬剤の例には、例えば、代謝拮抗物質(例えば、葉酸、プリン、およびピリミジン誘導体)およびアルキル化剤(例えば、窒素マスタード、ニトロソウレア、白金、スルホン酸アルキル、ヒドラジン、トリアゼン、アジリジン、紡錘体毒、細胞毒性薬剤、トポイソメラーゼ阻害剤等)が含まれる。例示的な薬剤は、アクラルビシン、アクチノマイシン、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミノプテリン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アトラセンタン、ベロテカン、ベキサロテン、ベンダムスチン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルボクオン、カルモフール、カルムスチン、セレコキシブ、クロラムブシル、クロルメチン、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン、デメコルチン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エファプロキシラル、エレスクロモル、エルサミトルシン、エノシタビン、エピルビシン、エストラムスチン、エトグルシド、エトポシド、フロキシウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル(5FU)、フォテムスチン、ゲムシタビン、Gliadelインプラント、ヒドロキシカルバミド、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、イロフルベン、イクサベピロン、ラロタキセル、ロイコボリン、リポソーマルドキソルビシン、リポソーマルダウノルビシン、ロニダミン、ロムスチン、ルカントン、マンノスルファン、マソプロコール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、アミノレブリン酸メチル、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトタン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ネダプラチン、ニムスチン、オブリメルセン、オマセタキシン、オルタタキセル、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペグアスパルガーゼ、ペメトレキセド、ペントスタチン、ピラルビシン、ピクサントロン、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、プレドニマスチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、ラニムスチン、ルビテカン、サパシタビン、セムスチン、シチマジーンセラデノベック、ストラタプラチン、ストレプトゾシン、タラポルフィン、テガフール‐ウラシル、テモポルフィン、テモゾロマイド、テニポシド、テセタキセル、テストラクトン、テトラニトレート、チオテパ、チアゾフリン、チオグアニン、ティピファニブ、トポテカン、トラベクテジン、トリアジクオン、トリエチレンメラミン、トリプラチン、トレチノイン、トレオスルファン、トロホスファミド、ウラムスチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボリノスタット、ゾルビシン、および本明細書に記載の他の細胞増殖抑制剤または細胞毒性薬剤を含む。
【0397】
いくつかの薬物は、単独よりも組み合わされる方が良好に作用するため、しばしば2種以上の薬物が同時に与えられる。多くの場合、2種以上の化学療法薬剤が、併用化学療法として使用される。いくつかの実施形態において、化学療法薬剤(併用化学療法を含む)は、本明細書に記載の化合物と組み合わせて使用することができる。
【0398】
標的療法
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、標的療法とともに投与される。標的療法は、癌細胞の脱制御されたタンパク質に特異的な薬剤の使用を構成する。小分子標的療法薬は、一般に、癌細胞内の変異、過剰発現、またはその他の様式で危機的なタンパク質上の酵素ドメインの阻害剤である。顕著な例は、アキシチニブ、ボスチニブ、セジラニブ、デサチニブ、エルロチニブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、ラパチニブ、レスタウルチニブ、ニロチニブ、セマクサニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、およびバンデタニブ等のチロシンキナーゼ阻害剤、ならびにアルボシジブおよびセリシクリブ等のサイクリン依存性キナーゼ阻害剤である。モノクローナル抗体療法は、治療薬剤が、癌細胞の表面上のプロテインに特異的に結合する抗体である、別の戦略である。例には、乳癌において典型的に使用される抗HER2/neu抗体トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標))、および様々なB細胞悪性腫瘍において典型的に使用される抗CD20抗体リツキシマブおよびトシツモマブが含まれる。他の例示的な抗体は、セツキシマブ、パニツムマブ、トラスツズマブ、アレムツズマブ、ベバシズマブ、エドレコロマブ、およびゲムツズマブを含む。例示的な融合タンパク質は、アフリベルセプトおよびデニロイキンジフチトクスを含む。いくつかの実施形態において、標的療法は、本明細書に記載の化合物と組み合わせて使用することができる。
【0399】
また、標的療法は、「自動誘導装置」として、細胞表面受容体または腫瘍周囲の冒された細胞外基質に結合することができる小ペプチドを含み得る。これらのペプチド(例えばRGD)に結合する放射性核種は、細胞付近で核種が崩壊する場合、最終的に癌細胞を死滅させる。そのような療法の例には、BEXXAR(登録商標)が含まれる。
【0400】
免疫療法
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、免疫療法とともに投与される。癌免疫療法は、患者自身の免疫系を腫瘍と戦うように誘導するよう設計された、治療戦略の多様な集合を指す。腫瘍に対する免疫応答を生成するための現代の方法は、表在性膀胱癌に対する膀胱内BCG免疫療法、ならびに、腎細胞癌およびメラノーマ患者における免疫応答を誘導するためのインターフェロンおよびその他のサイトカインの使用を含む。
【0401】
同種造血幹細胞移植は、多くの場合ドナーの免疫細胞が移植片対腫瘍効果において腫瘍を攻撃するため、免疫療法の一形態と考えることができる。いくつかの実施形態において、免疫療法薬剤は、本明細書に記載の化合物と組み合わせて使用することができる。
【0402】
ホルモン療法
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、ホルモン療法とともに投与される。いくつかの癌の成長は、ある特定のホルモンを提供または遮断することにより、阻害することができる。ホルモン感受性腫瘍の一般例には、ある特定種類の乳癌および前立腺癌が含まれる。エストロゲンまたはテストステロンの除去または遮断が、重要な追加的処置であることが多い。ある特定の癌においては、プロゲストゲン等のホルモン作動薬の投与が、治療上有益となり得る。いくつかの実施形態において、ホルモン療法薬剤は、本明細書に記載の化合物と組み合わせて使用することができる。
【0403】
肥満および脂肪障害
本明細書に記載の化合物または組成物は、例えば小児または成人対象等の人間対象における肥満の処置または予防に使用することができる。「肥満」は、対象が30以上のボディマス指数を有する状態を指す。本明細書に記載の多くの化合物を使用して、過体重状態を処置または予防することができる。「過体重」は、対象が25.0以上のボディマス指数を有する状態を指す。ボディマス指数(BMI)および他の定義は、「NIH Clinical Guidelines on the Identification and Evaluation,and Treatment of Overweight and Obesity in Adults」(1998)に従う。化合物による処置は、対象の体重を、例えば少なくとも2、5、7、10、12、15、20、25、30、25、40、45、50、または55%改変するのに有効な量であってもよい。化合物による処置は、対象のボディマス指数を、例えば30、28、27、25、22、20、または18未満まで低下させるのに効果的な量であってもよい。化合物は、異常または不適切な体重増加、代謝速度、または脂肪沈着、例えば、拒食症、過食症、肥満、糖尿病、または高脂血症(例えば、トリグリセリドの上昇および/もしくはコレステロールの上昇)、ならびに脂肪もしくは脂質代謝の障害等を処置または予防するために使用することができる。
【0404】
本明細書に記載の化合物または組成物は、プラダー・ウィリー症候群(PWS)と関連した肥満を処置するために投与することができる。PWSは、肥満(例えば、病的肥満)と関連した遺伝性疾患である。
【0405】
本明細書に記載の化合物または組成物は、体脂肪を低減するため、体脂肪の増加を予防するため、コレステロール(例えば、総コレステロールおよび/もしくはHDLコレステロールに対する総コレステロールの比)を低減するため、ならびに/またはPWS関連肥満に罹患した個人における食欲を減退させるため、ならびに/または糖尿病、循環器疾患および脳梗塞等の併存疾患を低減するために使用することができる。
【0406】
組成物および投与経路
本明細書において描写された組成物は、本明細書に記載のものを含む疾患または疾患の症状の変調を達成するために効果的な量の、本明細書において描写された化合物(例えば、本明細書に記載の化合物)、および、存在する場合は、追加的な治療薬剤を含む。
【0407】
「薬学的に許容されるキャリアまたはアジュバント」という用語は、本発明の化合物とともに患者に投与されてもよく、また、治療量の化合物を送達するのに十分な用量で投与された場合にその薬理活性を破壊せず非毒性である、キャリアまたはアジュバントを指す。
【0408】
本発明の薬学的組成物中に使用され得る薬学的に許容されるキャリア、アジュバントおよびビヒクルは、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化型薬物送達システム(SEDDS)、例えばd−α−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート、薬学的剤形において使用される界面活性剤、例えばTweenまたは他の同様のポリマー送達マトリックス、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化 ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂を含むが、これらに限定されない。α−、β−、およびγ−シクロデキストリン等のシクロデキストリン、またはヒドロキシアルキルシクロデキストリン等の化学修飾誘導体(2−および3−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む)、または他の可溶化誘導体もまた、本明細書に記載の式の化合物の送達を向上させるために有利に使用することができる。
【0409】
本発明の薬学的組成物は、経口的、非経口的、吸入スプレーにより、局所的、経直腸的、経鼻的、頬内、経膣的、または埋め込んだ容器から投与することができ、好ましくは経口投与または注射による投与で投与される。本発明の薬学的組成物は、任意の従来の非毒性の薬学的に許容されるキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含有してもよい。いくつかの場合において、製剤化された化合物またはその送達形態の安定性を向上させるために、製剤のpHが、薬学的に許容される酸、塩基または緩衝剤で調節され得る。本明細書において使用される場合、非経口という用語は、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、病巣内および頭蓋内投与または注入技法を含む。
【0410】
薬学的組成物は、滅菌注射用調製物の形態で、例えば、滅菌注射用水性または油性懸濁液としての形態であってもよい。この懸濁液は、当技術分野において知られた技術に従い、好適な分散剤または湿潤剤(例えば、Tween80等)および懸濁化剤を使用して製剤化することができる。滅菌注射用調合薬は、例えば1,3−ブタンジオール中溶液等の、非毒性の非経口用として許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射溶液または懸濁液であってもよい。使用可能な許容されるビヒクルおよび溶媒には、マンニトール、水、リンゲル液および等張食塩水がある。さらに、溶媒または懸濁化媒体として、従来から滅菌不揮発性油が使用される。この目的のために、合成モノ−またはジ−グリセリドを含む任意の低刺激性の不揮発性油を使用することができる。オレイン酸等の脂肪酸およびそのグリセリド誘導体、ならびにオリーブ油またはヒマシ油等の天然の薬学的に許容される油、特にそれらのポリオキシエチル化された形態が、注射製剤の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、またはエマルジョンおよび/もしくは懸濁液等の薬学的に許容される剤形の製剤化において一般に使用される、カルボキシメチルセルロースもしくは同様の分散剤を含有してもよい。薬学的に許容される固体、液体、または他の剤形の製造に一般に使用される、TweenもしくはSpan等の他の一般に使用される界面活性剤、および/または同様の乳化剤もしくはバイオアベイラビリティ向上剤もまた、製剤化の目的で使用することができる。
【0411】
本発明の薬学的組成物は、カプセル、錠剤、エマルジョンおよび水性懸濁液、分散液および溶液を含むがこれらに限定されない、経口的に許容される任意の剤形で経口投与され得る。錠剤または経口による使用の場合、一般に使用されるキャリアは、ラクトースおよびコーンスターチを含む。ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤もまた、典型的に添加される。カプセル形態での経口投与の場合、有利な希釈剤は、ラクトースおよび乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁液および/またはエマルジョンが経口投与される場合、活性成分は、乳化および/または懸濁剤と合わせた油相中に懸濁または溶解され得る。所望により、ある特定の甘味料および/または香味料および/または着色剤が添加されてもよい。
【0412】
本発明の薬学的組成物はまた、直腸投与用の坐剤の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、本発明の化合物を、室温では固体であるが、直腸内温度では液体であり、したがって直腸内で融解して活性成分を放出する好適な非刺激性賦形剤と混合することにより調製することができる。そのような材料は、ココアバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールを含むが、これらに限定されない。
【0413】
本発明の薬学的組成物の局所投与は、所望の処置が局所適用により容易に到達できる領域または器官に関連する場合に有用である。皮膚に局所的に適用するためには、薬学的組成物は、キャリア中に懸濁または溶解した活性成分を含有する好適な軟膏とともに製剤化されるべきである。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアは、ミネラルオイル、鉱油、白色油、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水を含むが、これらに限定されない。あるいは、薬学的組成物は、好適な乳化剤とともにキャリア中に懸濁または溶解した活性成分を含有する好適なローションまたはクリームとともに製剤化され得る。好適なキャリアは、ミネラルオイル、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水を含むが、これらに限定されない。本発明の薬学的組成物はまた、直腸坐薬製剤または好適な浣腸用製剤により、下部腸管に局所的に適用され得る。局所的経皮パッチもまた、本発明に含まれる。
【0414】
本発明の薬学的組成物は、鼻エアロゾルまたは吸入により投与され得る。そのような組成物は、医薬製剤の分野において周知の技術に従い調製され、ベンジルアルコールもしくは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、および/またはその他の当技術分野において知られた可溶化剤もしくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
【0415】
本発明の組成物が本明細書に記載の式の化合物および1つ以上の追加的治療薬剤または予防薬剤の組合せを含む場合、化合物および追加的薬剤の両方が、単剤治療計画において通常投与される用量の約1%から100%の間、より好ましくは約5%から95%の間の用量レベルで存在するべきである。追加的薬剤は、複数投薬計画の一部として、本発明の化合物とは別個に投与され得る。あるいは、それらの薬剤は、単一組成物として本発明の化合物とともに混合された、単回投薬形態の一部であってもよい。
【0416】
本明細書に記載の化合物は、例えば、注射により、静脈内、動脈内、皮内、腹腔内、筋肉内、もしくは皮下に、または、経口的、頬内、経鼻的、経粘膜的、局所的、眼科用調製物として、もしくは吸入により、約0.5mg/体重kgから約100mg/体重の範囲の用量で、あるいは1mgから1000mg/投薬の間の用量で、4時間から120時間毎、または特定の薬物の要件に従い、投与され得る。本明細書における方法は、所望の、または示された効果を達成するために、有効量の化合物または化合物組成物を投与することを企図する。典型的には、本発明の薬学的組成物は、1日あたり約1回から約6回、あるいは持続注入として投与される。そのような投与は、長期治療または救急治療として使用され得る。単回投薬形態を生成するためにキャリア材料と組み合わせることができる活性成分の量は、治療されるホストおよび特定の投与形態に依存して変動する。典型的な調製物は、約5%から約95%の活性化合物(重量比)を含有する。あるいは、そのような調製物は、約20%から約80%の活性化合物を含有する。
【0417】
上に列挙したものより低い、または高い用量が必要となり得る。いなかる特定の患者に対する具体的用量および治療計画は、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食生活、投与時間、排泄速度、混合薬、疾患の重症度および経過、状態または症状、ならびに治療を行う医者の判断を含む、様々な因子に依存する。
【0418】
患者の状態の改善後、本発明の化合物、組成物または組み合わせの維持用量が、必要に応じて投与されてもよい。その後、用量もしくは投与頻度、またはその両方が、症状の関数として、症状が所望のレベルまで軽減された時に改善された状態が維持されるレベルに低減されてもよい。しかしながら、患者は、疾患症状の再発時には、長期的に断続的処置を必要とし得る。
【0419】
患者の選択および監視
本明細書に記載の化合物は、PKM2を調節することができる。したがって、患者および/または対象は、まず、対象がPKM2の調節を必要としているかを決定するために患者および/または対象を評価し、次いで、対象がPKM2の調節を必要としていると決定された場合には、任意選択で本明細書に記載の化合物を対象に投与することにより、本明細書に記載の化合物を使用した治療に選択され得る。
【0420】
対象は、当技術分野において知られた方法を使用して、例えば患者内のPKM2の存在および/または活性を測定することにより、PKM2の調節を必要としていると評価することができる。いくつかの実施形態において、癌におけるPKM2の活性および/またはレベルが評価される。
【0421】
本明細書に記載の化合物を受ける患者は、例えば、状態の改善および/または副作用に関して監視することができる。患者の状態の改善は、例えば、癌(例えば、腫瘍)の成長、成長が見られないこと、または退行を監視することにより評価することができる。いくつかの実施形態において、患者は、放射線アッセイまたは溶血パラメータの評価を使用して評価される。
【実施例】
【0422】
実施例1.PKM2アッセイ。
手順:
・PKM2酵素原液を、反応緩衝液中に希釈した。
・まず化合物2μLを各ウェル内に加え、次いで反応混合物180μLを添加した。
・化合物を含む反応混合物(ADPを含まない)を、4℃で30分間インキュベートした。
・プレートを再び室温に平衡化してから、ADP20μLを添加して反応を開始させた。
・反応の進行を、室温(25℃)における340nm波長での吸光度の変化として測定した。
反応混合物:反応緩衝液中PKM2(50ng/ウェル)、ADP(0.7mM)、PEP(0.15mM)、NADH(180μM)、LDH(2単位)
反応緩衝液:100mM KCl、50mMトリスpH7.5、5mM MgCl2、1mM DTT、0.03%BSA。
【0423】
実施例2.PKM2生体外アッセイ。
【0424】
ここでは、生体細胞および生体組織におけるPKM2活性化剤の活性を測定する方法が説明される。この方法は、ハイスループット形式に適合させることができ、様々な細胞株および成長条件に対応することができることが、当業者に認識および理解される。
【0425】
アッセイにおいて、細胞は、本明細書に記載の化合物(すなわち、PKM2活性化剤)で処理される。この化合物は、細胞内に進入してPKM2に結合し、活性化された立体構造を誘導する。過剰の未結合化合物をPBSで洗浄し、ドライアイス上での急速冷凍により細胞を溶解させ、続いて洗浄剤含有溶解緩衝液を添加する。活性化PKM2が無傷で残る溶解物を除去し、LDHa酵素に結合した分析試料中のピルビン酸キナーゼ活性を測定するのに必要な化学物質を含む化学カクテルに添加する。測定されるピルビン酸キナーゼ活性の量は、溶解物中の総タンパク質含有量に正規化し、細胞に添加されたPKM2活性化剤の濃度に関連付ける。これにより、AC50(PKM2が50%活性化される濃度)値を導出することができる。模擬処理された細胞に対する活性の総増加倍数もまた計算することができ、「最大活性化レベル」を使用して、完全にPKM2を活性化させる化合物と、部分的にのみPKM2を活性化させ得る化合物とを区別することができる。
【0426】
組織(例えば、細胞腫瘍内)からPKM2活性を測定する場合、対象となる組織/腫瘍を保有する動物に、化合物を投薬する。対象となる標的組織/腫瘍における暴露が達成される所定期間後に、組織/腫瘍を動物から採取し、急速冷凍し、次いで溶解させて均質化する。次いで、この溶解物中のピルビン酸キナーゼ活性の量を、上述のように定量することができる。
材料:
溶解緩衝液
20mMトリス−HCl(pH7.5)
150mM NaCl
1mM NaEDTA
1mM EGTA
1%トリトン
2.5mMピロリン酸ナトリウム
1mM β−グリセロホスフェート
1mM NaVO
1μg/mlロイペプチン
1mM PMSF**

この溶解緩衝液(PMSFを含まない)は、Cell Signaling Technology社から10倍原液(#9803)として入手可能である。
**1mM PMSFは、イソプロパノール中で調製した100mM原液から新鮮な状態で添加した。原液は、4℃で無期限に保存することができる。
ピルビン酸キナーゼマスター混合物(PKM2活性化剤アッセイの場合と同じ):
【0427】
【表3】

【0428】
手順:
初日(第1日)に、細胞をRPMI−1640(Lonza#12−115°F)(25mM Hepes、L−グルタミンを含む)/10%FBS中で通常通り培養する。続いて細胞をトリプシン処理し、96ウェルプレートにおいて、以下の密度でRPMI−1640(Lonza社、#12−918F)(フェノールレッド不含、300mg/LのL−グルタミン(Sigma社、#G8540)を追加)/10%FBS中に播種する。
A549:40k/ウェル
ウェル当たり100uLの最終体積の培地
【0429】
2日目(第2日)では、細胞70〜90%の密集度となるはずである。次いで細胞を、96ウェルアッセイブロック(500uL)(Costar社、#3956)において、最終アッセイ濃度で培地に溶解した本明細書に記載の化合物で処理する。最終DMSO濃度は、0.1%(500μL中に0.5μL)である。DMSO中の化合物は、最終DMSO濃度がす全ての化合物濃度において一定となるように調製される。アッセイ用の培地は、RPMI−1640(フェノールレッド不含、300mg/LのL−グルタミン)である。
【0430】
次いで、マルチチャンネルアスピレーターを使用して、細胞から慎重に培地を吸引する。100μLの培地および化合物を、マルチチャンネルピペットで細胞上に添加する。次いで各化合物濃度を3回分析する(2回のアッセイでも十分である)。
【0431】
細胞を、1〜4時間(この時間は、DMSO参照処理と比較して実験的に決定される)処理する。細胞処理の間、PBS(カルシウムおよびマグネシウムを含有する)および溶解緩衝液を氷上で冷却する。
【0432】
細胞を溶解させ、ピルビン酸キナーゼ活性を分析する。残りの培地を吸引し、細胞を100μLの氷冷PBSで2回洗浄する。PBSを除去し、細胞プレートをドライアイス上で5分間凍結させる。細胞を50μLの低温溶解緩衝液中に溶解させる。続いて細胞を氷上に5分間維持し、次いでプレート振盪器上で5分間撹拌する(3回繰り返す)。タンパク質定量化のために10μLを取り出す(またはプレート全体に対しOD280を使用する)。
【0433】
新鮮なプレートにおいて、170μLのピルビン酸キナーゼアッセイマスター混合物を各ウェルに加えた(調製法については最後を参照)。次いで、10μLの細胞溶解物を各ウェルに移した。20μLのADP溶液の添加後に、アッセイを開始した。次いで、初期速度に対して速度を計算し、ピルビン酸キナーゼ特異的活性を決定した。
【0434】
溶解緩衝液中の洗浄剤の濃度および種類は、特定のPKM2活性化剤の特定の物理化学的特性に対応するように変動し得る。例えば、いくつかのPKM2活性化剤間の相互作用は、より高い洗浄剤濃度により妨害され得るが、細胞がより低い洗浄剤濃度で溶解される場合には維持される。
【0435】
実施例3.化合物および合成
スキーム1:
【0436】
【化59−2】

【0437】
化合物2の一般手順:クロロスルホン酸(24mL)を、15分の期間にわたり、0℃で徐々にイミダゾール(4.0g、58.82mmol)に添加した。得られた混合物を、120〜130℃で3時間加熱した。SMの完了後、反応混合物を氷冷水(25mL)でクエンチし、DCM(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。所望の化合物2が、固体として得られた(3.0g、収率42%)。
【0438】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:14.29(bs,1H),8.90(s,1H),7.64(s,1H);質量(M+1):166.9。
【0439】
化合物4の一般手順:窒素雰囲気下の化合物3(500mg、4.13mmol)のDCM(10mL)中溶液に、ピリジン(0.65ml、8.26mmol)を添加し、室温で15分間撹拌した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、続いてDCM(4mL)中の化合物2(820mg、4.96mmol)を滴下により添加した。得られた反応混合物を、室温で2時間撹拌した。反応完了後、0.5N HCl溶液を添加し、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、所望の化合物4が固体として得られた(500mg、収率50%)。
【0440】
化合物6の一般手順:二口RBフラスコ内で、化合物4(50mg、0.2mmoL)、化合物5(51mg、0.24mmoL)およびKCO(54mg、0.4mmoL)を、N雰囲気下でDMF(6mL)に投入した。得られた反応混合物を、90℃で3時間撹拌した。反応の進行は、TLCで監視した。SMの完了後、反応混合物を水(15mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60−120、3:7、酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、所望の化合物6が固体として得られた(40mg、収率47%)。
【0441】
H NMR(500MHz,DMSO−D6)δ:10.29(s,1H),9.03(s,1H),8.84(s,1H),8.37(s,1H),8.32(s,1H),7.82(s,2H),6.63(s,1H),2.18(s,6H);HPLC純度:93.13%;質量(M+1):431.1。
【0442】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0443】
【化60】

【0444】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.29(s,1H),9.03(s,1H),8.84(s,1H),8.37(s,1H),8.32(s,1H),7.82(s,2H),6.63(s,1H),2.18(s,6H);HPLC純度:93.13%;質量(M+1):431.1。
【0445】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(4−メトキシフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0446】
【化61】

【0447】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.04(bs,1H),9.01(s,1H),8.83(s,1H),8.38(s,1H),8.18(s,1H),7.08(d,2H),6.82(d,2H),3.67(s,3H);HPLC純度:91.04%;質量(M+1):433。
【0448】
N−(4−メトキシフェニル)−1−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0449】
【化62】

【0450】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.11(s,1H),8.97(s,1H),8.81(s,1H),8.52(m,2H),8.19(d,1H),7.48(d,2H),6.82(d,2H),3.65(s,3H);HPLC純度:96.12%;質量(M+1):399。
【0451】
N−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)−1−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0452】
【化63】

【0453】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.53(s,1H),8.96(s,1H),8.79(s,1H),8.58(s,1H),8.56(s,1H),8.18(d,1H),6.66(s,2H),6.63(d,1H)4.17(t,4H);HPLC純度:98.48%;質量(M+1):427。
【0454】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(2,3−ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシン−6−イル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0455】
【化64】

【0456】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.13(s,1H),9.02(s,1H),8.84(s,1H),8.39(s,1H),8.22(s,1H),6.78−6.58(m,3H),4.18(s,4H);HPLC純度:96.98%;質量(M+1):461。
【0457】
N−(4−フルオロフェニル)−1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0458】
【化65】

【0459】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.42(s,1H),8.97(s,1H),8.80(s,1H),8.62(s,1H),8.46(d,1H),8.19(d,1H),7.23(d,2H),7.08(d,2H);HPLC純度:99.35%;質量(M+1):387。
【0460】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0461】
【化66】

【0462】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.42(s,1H),9.02(s,1H),8.84(s,1H),8.39(s,1H),8.24(s,1H),7.22(d,2H),7.08(d,2H);HPLC純度:92.78%;質量(M+1):421。
【0463】
N−(3,5−ジメチルフェニル)−1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0464】
【化67】

【0465】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.28(s,1H),8.96(s,1H),8.78(s,1H),8.63(s,1H),8.33(d,1H),8.19(d,1H),7.82(s,2H),7.62(s,1H),2.18(s,6H);HPLC純度:99.23%;質量(M+1):397.1。
【0466】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3,5−ジメトキシフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0467】
【化68】

【0468】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.41(s,1H),9.02(s,1H),8.87(s,1H),8.38(s,2H),6.39(s,2H),6.17(s,1H),3.67(s,6H);HPLC純度:97.82%;質量(M+1):463.1。
【0469】
N−(4−クロロ−3−メチルフェニル)−1−(3−クロロ−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0470】
【化69】

【0471】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.53(s,1H),9.03(s,1H),8.84(s,1H),8.37(d,2H),7.28(d,1H),7.16(s,1H),7.03(d,1H),2.22(s,3H);HPLC純度:98.76%;質量(M+1):451。
【0472】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3,4−ジメチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0473】
【化70】

【0474】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.21(s,1H),9.02(s,1H),8.85(s,1H),8.38(s,2H),8.24(s,1H),6.98−6.87(m,3H),2.13(s,6H);HPLC純度:99.06%;質量(M+1):431。
【0475】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3−クロロフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0476】
【化71】

【0477】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.78(s,1H),9.03(s,1H),8.84(s,1H),8.38(d,2H),7.31−7.24(m,2H),7.16(d,1H),7.08(d,1H);HPLC純度:95.26%;質量(M+1):436.9。
【0478】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0479】
【化72】

【0480】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.96(s,1H),9.02(s,1H),8.87(s,1H),8.38(d,2H),7.52−7.38(m,4H);HPLC純度:90.31%;質量(M+1):471.1。
【0481】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3,5−ジクロロフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0482】
【化73】

【0483】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:11.03(s,1H),9.03(s,1H),8.49(s,1H),8.39(s,1H),7.24−7.21(m,4H);HPLC純度:97.52%;質量(M+1):472.8。
【0484】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3−エチルフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0485】
【化74】

【0486】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.38(s,1H),9.02(s,1H),8.84(s,1H),8.37(d,2H),7.17(m,1H),7.01(m,2H),6.86(d,1H),2.52(q,2H),1.13(t,3H);HPLC純度:93.13%;質量(M+1):431.1。
【0487】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3−シアノフェニル)−1H−イミダゾール−5−スルホンアミド
【0488】
【化75】

【0489】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.99(s,1H),9.04(s,1H),8.87(s,1H),8.44(s,1H),8.38(s,1H),7.51(m,4H);HPLC純度:90.19%;質量(M+1):428.1。
【0490】
スキーム2:
【0491】
【化76】

【0492】
化合物3および3’の一般手順:二口RBフラスコ内で、化合物2(3.0g、0.02mole)、ピロール(2.69g、0.04mole)およびCSCO(19.68g、0.06mole)を、N雰囲気下でトルエン(60mL)に投入した。次いで、BINAP(620mg、0.00099mole)およびPd(OAc)(990mg、0.004mole)を、N雰囲気下で反応混合物に添加し、80℃で3時間撹拌した。反応の進行は、TLCで監視した。SMの完了後、反応混合物をセライトを通して濾過し、水(5mL)でクエンチした。有機層を分離し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60−120、1:9、酢酸エチル/ヘキサン)に供し、塩化スルホニル3および3’を粘凋性の油として分離した(化合物3:1.1g 30.55%および化合物3’:684mg 19.0%)。全体的に49.55%の収率が得られた。
【0493】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:8.53(d,1H),7.54(d,2H),7.15(d,1H),6.41(d,2H);質量(M+1):180。
【0494】
化合物4の一般手順:一口RBフラスコ内で、化合物3(100mg,0.59mmol)にクロロスルホン酸(690mg、5.9mmol)を15分の期間にわたり0℃で徐々に添加した。得られた混合物を、室温で3時間撹拌した。SMの完了後、反応混合物を水(3mL)でクエンチし、DCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗化合物をペンタンで洗浄し、真空下で乾燥させると、所望の化合物4が固体として得られた(60mg、38.7%)。
【0495】
化合物6の一般手順:二口RBフラスコ内に、化合物5(9.5mg、0.16mmol)およびピリジン(0.15mL)を入れ、0℃で10分間撹拌した。次いで、化合物4(30mg、0.1mmol)を0℃で添加し、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応完了後、HCl溶液(6N、4mL)を添加し、DCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(1×20mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60−120、2:8、酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、所望の化合物6が固体として得られた(20.4mg、68.1%)。
【0496】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:8.81(s,1H),8.19(s,1H),7.97(s,1H),7.81(s,1H),6.81(s,2H),6.69(s,1H),6.58(s,1H),2.19(s,6H);HPLC純度:92.07%;質量(M+1):362.9。
【0497】
化合物7の一般手順:一口RBフラスコ内で、化合物3’(100mg、0.59mmol)にクロロスルホン酸(690mg、5.9mmol)を15分の期間にわたり0℃で添加した。次いで、得られた混合物を、室温で3時間撹拌した。SMの完了後(TLCで示されるように)、反応混合物を水(3mL)でクエンチし、DCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗化合物をペンタンで洗浄し、真空下で乾燥させると、所望の化合物7が固体として得られた(35mg、収率22%)。
【0498】
化合物8の一般手順:二口RBフラスコ内に、化合物5(14.9mg、0.12mmol)およびピリジン(0.1mL)を移し、0℃で10分間撹拌した。次いで、化合物7(20mg、0.08mmol)を0℃で添加した。得られた混合物を、室温で3時間撹拌した。反応完了後、HCl(6N、4mL)を添加し、DCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機層を、ブライン(1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60−120、2:8、酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、所望の化合物8が固体として得られた(18.62mg、収率71%)。
【0499】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.0(s,1H),8.81(s,1H),8.01(s,1H),7.78(s,1H),7.63(s,1H),6.82(s,2H),6.68(s,1H),6.54(s,1H),2.19(s,6H);HPLC純度:98.01%;質量(M+1):363。
【0500】
1−(4−クロロピリミジン−2−イル)−N−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド
【0501】
【化77】

【0502】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.0(s,1H),8.81(s,1H),8.01(s,1H),7.78(s,1H),7.63(s,1H),6.82(s,2H),6.68(s,1H),6.54(s,1H),2.19(s,6H);HPLC純度:98.01%;質量(M+1):363。
【0503】
1−(2−クロロピリミジン−4−イル)−N−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド
【0504】
【化78】

【0505】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:8.81(s,1H),8.19(s,1H),7.97(s,1H),7.81(s,1H),6.81(s,2H),6.69(s,1H),6.58(s,1H),2.19(s,6H);HPLC純度:92.07%;質量(M+1):362.9。
【0506】
N−(4−クロロフェニル)−1−(2−クロロピリミジン−2−イル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド
【0507】
【化79】

【0508】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.34(s,1H),8.82(s,1H),8.23(s,1H),8.07(s,1H),7.37(d,2H),7.08(d,2H),6.57(s,1H);HPLC純度:96.74%;質量(M+1):369。
【0509】
N−(4−クロロフェニル)−1−(4−クロロピリミジン−2−イル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド
【0510】
【化80】

【0511】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.29(s,1H),8.90(s,1H),8.02(s,1H),7.77(s,1H),7.64(s,1H),7.33(d,2H),7.18(d,2H),6.54(s,1H);HPLC純度:91.17%;質量(M+1):368.9。
【0512】
N−(4−クロロフェニル)−1−(ピリミジン−2−イル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド
【0513】
【化81】

【0514】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.27(s,1H),8.83(d,2H),8.07(s,1H),7.79(s,1H),7.48(d,1H),7.32(d,2H),7.18(d,2H),6.53(s,1H);HPLC純度:97.05%;質量(M+1):334.9。
【0515】
N−(3,5−ジメチルフェニル)−1−(ピリミジン−2−イル)−1H−ピロール−2−スルホンアミド
【0516】
【化82】

【0517】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:9.88(s,1H),8.84(d,2H),8.04(s,1H),7.78(s,1H),7.43(d,1H),6.79(s,2H),6.63(s,1H),6.49(s,1H);HPLC純度:97.48%;質量(M+1):329。
【0518】
【化83】

【0519】
化合物2の一般手順:一口RBフラスコ内で、っクロロスルホン酸(9.7ml、145mmol)を、15分の期間にわたり、0℃で徐々にピラゾール(2.0g、29.0mmol)に添加した。次いで、得られた混合物を、100℃で3時間撹拌した。完了後、反応混合物を氷冷水(25mL)でクエンチし、DCM(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。所望の生成物2が、固体として得られた(4.8g、収率63%)。
【0520】
H NMR(500MHz,CDCl3)δ:8.19(s,2H)。
【0521】
化合物3の一般手順:窒素雰囲気下の化合物2(60mg、0.496mmol)のDCM(10mL)中撹拌溶液に、ピリジン(0.1mL、0.99mmol)を添加し、室温で15分間撹拌した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、続いて化合物2溶液(91.1mg、DCM4mL中0.545mmol)を滴下により添加した。得られた混合物を、室温で2時間撹拌した。反応完了後、0.5N HCl溶液を添加し、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮すると、所望の化合物4が固体として得られた(120mg、収率97%)。
【0522】
H NMR(500MHz,CDCl)δ:10.4(bs,1H),7.81(s,2H),6.79(s,1H),6.72(s,2H),6.47(s,1H),2.23(s,6H);質量(M+1):252。
【0523】
化合物4の一般手順:二口RBフラスコ内で、化合物3(50mg、0.2mmol)、化合物C(0.03ml、0.29mmol)およびKCO(83mg、0.6mmol)を、N雰囲気下でDMF(5mL)に投入し、90℃で3時間撹拌した。反応の進行は、TLCで監視した。SMの完了後、反応混合物を水(15mL)でクエンチし、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を、NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60−120、3:7、酢酸エチル/ヘキサン)で精製すると、所望の生成物4が固体として得られた(70mg、収率81.3%)。
【0524】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド
【0525】
【化84】

【0526】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.10(s,1H),9.01(s,1H),8.82(s,1H),8.75(s,1H),8.15(s,1H),6.81(s,2H),6.77(s,1H),2.19(s,6H);HPLC純度:94.73%;質量(M+1):431.1。
【0527】
N−(4−メトキシフェニル)−1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド
【0528】
【化85】

【0529】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:9.98(s,1H),8.97(s,1H),8.81(s,1H),8.45(d,1H),8.10(d,1H),8.05(s,1H),7.07(d,2H),6.85(d,2H),3.68(s,3H);HPLC純度:99.35%。
【0530】
N−(4−クロロフェニル)−1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾロ−4−スルホンアミド
【0531】
【化86】

【0532】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.51(s,1H),8.97(s,2H),8.46(d,1H),8.18(s,1H),8.12(d,1H),7.38(d,2H),7.21(d,2H);HPLC純度:99.60%;質量(M+1):403。
【0533】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド
【0534】
【化87】

【0535】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:10.49(s,1H),9.01(s,1H),8.83(s,1H),8.78(s,1H),8.13(s,1H),7.38(d,2H),7.19(d,2H);HPLC純度:99.52%;質量(M+1):437。
【0536】
1−(3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−N−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−スルホンアミド
【0537】
【化88】

【0538】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:9.98(s,1H),9.01(s,1H),8.81(s,1H),8.64(s,1H),8.02(s,1H),7.07(d,2H),6.84(d,2H),3.68(s,3H);HPLC純度 99.35%;質量(M+1):432.9。
【0539】
【化89】

【0540】
化合物Aの調製の一般手順:オルトギ酸トリエチル(11.2g、75mmol)およびマロノニトリル(5.0g、75mmol)の混合物の無水酢酸(15mL)中溶液を、90℃に12時間加熱した。反応完了後(TLCがS.Mがないことを示す)、高真空下で溶媒(過剰の無水酢酸および酢酸)を除去した。残渣(6.0g、収率65.2%)を、それ以上精製せずに次の反応に使用した。
【0541】
H NMR(500mhz,DMSO−d6)δ:8.59(s,1H),4.55(m,2H),1.38(m,3H)。
【0542】
化合物2の一般手順:2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(化合物1)(1.0g、4.0mmol)のエタノール(5mL)中撹拌溶液に、ヒドラジン水和物(980mg、20mmol)を室温で添加し、反応混合物を90℃に12時間加熱した。反応完了後(TLCがS.Mがないことを示す)、高真空下で溶媒を除去した。残渣を水(30mL)で処理し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して濃縮すると、所望の化合物2が褐色固体として得られた(700mg、収率90%)。
【0543】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:8.42(d,2H),8.25(s,1H),5.0(bs,3H);質量(M+1):178。
【0544】
化合物3の一般手順:2−ヒドラジニル−5−(トリフルオロメチル)ピリジン(化合物2)(250mg、1.4mmol)および2−(エトキシメチレン)マロノニトリル(化合物A)(170mg、1.4mmol)のエタノール(10mL)中溶液を、90℃に12時間加熱した。反応完了後(TLCがS.Mがないことを示す)、高真空下で溶媒を除去した。残渣を水(30mL)で処理し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して濃縮すると、所望の化合物3がオフホワイト色の固体として得られた(280mg、収率80%)。
【0545】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:8.91(s,1H),8.45(d,1H),8.32(s,2H),8.15(d,1H),8.0(s,1H);質量(M+1):254。
【0546】
化合物4の一般手順:二口RBフラスコ内で、化合物3(50mg、0.1mmoL)をTHF(4mL)中に入れ、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。NaH(60%NaH、5mg、0.1mmol)を反応混合物に添加して10分間撹拌し、続いて3,5−ジメチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(44mg、0.2mmoL)のTHF(2mL)中溶液を0℃で添加した。次いで反応混合物を室温で30分間撹拌した。反応終了後、反応混合物を氷冷水でクエンチして酢酸エチルで抽出し、有機層をブライン(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して濃縮すると、所望の化合物4が固体として得られた(60mg、収率81.2%)。
【0547】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:8.83(s,1H),8.28(d,1H),8.17(d,1H),7.77(s,1H),7.31(s,2H),7.01(s,1H),2.21(s,6H);HPLC純度:98.81%;質量(M+1):422。
【0548】
N−(4−シアノ−1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−3,5−ジメチルベンゼンスルホンアミド
【0549】
【化90】

【0550】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:8.83(s,1H),8.28(d,1H),8.17(d,1H),7.77(s,1H),7.31(s,2H),7.01(s,1H),2.21(s,6H);HPLC純度:98.81%;質量(M+1):422。
【0551】
4−クロロ−N−(4−シアノ−1−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)−1H−ピラゾール−5−イル)ベンゼンスルホンアミド
【0552】
【化91】

【0553】
H NMR(500MHz,DMSO−d)δ:8.88(s,1H),8.31(d,1H),8.14(bs,1H),7.73(m,3H),7.41(m,2H);HPLC純度:97.80%;質量(M+1):428。
【0554】
このように、本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明したが、様々な改変、修正、および改善が容易に行われることが、当業者には認識される。そのような改変、修正、および改善は、本開示の一部であることが意図され、また本発明の精神および範囲内であることが意図される。したがって、前述の説明および図面は、例示のみを目的とする。
【0555】
このように、本発明の少なくとも1つの実施形態のいくつかの態様を説明したが、様々な改変、修正、および改善が容易に行われることが、当業者には認識される。そのような改変、修正、および改善は、本開示の一部であることが意図され、また本発明の精神および範囲内であることが意図される。したがって、前述の説明および図面は、例示のみを目的とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)〜(Iff):
【化92】

【化93】

(式中、
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)のうちの1つから選択される化合物。
【請求項2】
式(II):
【化94】

(式中、
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、−SO−NRおよびRから独立して選択され;A、B、D、またはEの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)から選択される化合物。
【請求項3】
式(VI):
【化95】

(式中、
A、BおよびEは、それぞれ、H、−SO−NRおよびRから独立して選択され;A、BまたはEの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)から選択される化合物。
【請求項4】
式(VII):
【化96】

(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり、X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
は、NおよびCRから選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)から選択される化合物。
【請求項5】
式(Va):
【化97】

(式中、
BおよびDは、HおよびSONRから独立して選択され;BまたはDのうちの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
AおよびEは、それぞれ、HおよびRから独立して選択され;
各Rは、水素、ハロおよびハロアルキルから独立して選択され;
は、水素、n個の存在のRで置換されたC1−8アルキルおよびアリールであり;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、ハロ、ハロアルキルおよび−ORから独立して選択され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
は、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)から選択される化合物。
【請求項6】
式(I):
【化98】

(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
、X、X、X、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)
の薬学的に許容される塩の化合物の、癌の処置用の薬物の製造における使用。
【請求項7】
前記化合物は、式(II):
【化99】

(式中、
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、−SO−NRおよびRから独立して選択され;A、B、D、またはEの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物である、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記化合物は、式(III):
【化100】

(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり、X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
は、NおよびCRから選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物である、請求項6に記載の使用。
【請求項9】
前記化合物は、式(IV):
【化101】

(式中、
nは、0、1、2または3であり;
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり;X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、Hおよび−SO−NRから独立して選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され、
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルヘテロアリール、アリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく、
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシまたは任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
は、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択される)の化合物である、請求項6に記載の使用。
【請求項10】
前記化合物は、式(V):
【化102】

(式中、
B、DおよびEは、それぞれ、HおよびRから独立して選択され;
各Rは、水素、ハロおよびハロアルキルから独立して選択され;
は、水素、n個の存在のRで置換されたC1−8アルキルおよびアリールであり;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、ハロ、ハロアルキルおよび−ORから独立して選択され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
は、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物である、請求項6に記載の使用。
【請求項11】
前記化合物は、式(VI):
【化103】

(式中、
A、BおよびEは、それぞれ、H、−SO−NRおよびRから独立して選択され;A、BまたはEの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物である、請求項6に記載の使用。
【請求項12】
式(VII):
【化104】

(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり、X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
は、NおよびCRから選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)
の化合物または薬学的に許容される塩の、癌の処置用の医用薬物の製造における使用。
【請求項13】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物。
【請求項14】
請求項12に記載の化合物または薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物。
【請求項15】
癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療上効果的な量の式(I):
【化105】

(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
、X、X、X、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項16】
前記化合物は、式(II):
【化106】

(式中、
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、−SO−NRおよびRから独立して選択され;A、B、D、またはEの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記化合物は、式(III):
【化107】

(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり、X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
は、NおよびCRから選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物である、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記化合物は、式(IV):
【化108】

(式中、
nは、0、1、2または3であり;
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり;X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、Hおよび−SO−NRから独立して選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され、
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニルヘテロアリール、アリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく、
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシまたは任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
は、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択される)の化合物である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記化合物は、式(V):
【化109】

(式中、
B、DおよびEは、それぞれ、HおよびRから独立して選択され;
各Rは、水素、ハロおよびハロアルキルから独立して選択され;
は、水素、n個の存在のRで置換されたC1−8アルキルおよびアリールであり;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、ハロ、ハロアルキルおよび−ORから独立して選択され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
は、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物である、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記化合物は、式(VI):
【化110】

(式中、
A、BおよびEは、それぞれ、H、−SO−NRおよびRから独立して選択され;A、BまたはEの少なくとも1つは、−SO−NRであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ、NおよびCRから独立して選択され、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは、Nであり;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
各Rは、独立して、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物である、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
癌を処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療上効果的な量の式(VII):
【化111】

(式中、
は、NまたはCEであり;
は、NまたはCDであり;
は、NまたはCBであり;
は、NまたはCAであり、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、Nであり、X、X、X、Xのうちの少なくとも1つは、C−SO−NRであり;
A、B、DおよびEは、それぞれ、H、Rおよび−SO−NRから独立して選択され;
は、NおよびCRから選択され;
各Rは、C1−8アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立して選択され、そのそれぞれは、n個の存在のRで置換され;
は、水素またはC1−8アルキルであり;
各Rは、水素、C1−8アルキル、C1−8末端アルキニル、C1−8アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキルおよびハロアルコキシから独立して選択され;
各Rは、ハロ、ハロアルキル、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、シアノ、−OR、−COORおよび−CONRc’から独立して選択され;2つのRは、それらが結合している炭素とともに、任意選択で置換された環を形成してもよく、そのそれぞれはさらに置換されていてもよく;
各Rは、C1−8アルキル、−OR、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシおよび任意選択で置換されたヘテロアリールから独立して選択され;
各Rは、アルキル、ハロアルキル、任意選択で置換されたヘテロアリールおよび任意選択で置換されたヘテロシクリルから独立して選択され;
各Rは、独立してアルキルであり;
各Rは、水素およびアルキルから独立して選択され;
nは、0、1、2または3である)の化合物を投与することを含む、方法。

【公表番号】特表2012−522847(P2012−522847A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504791(P2012−504791)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/US2010/030139
【国際公開番号】WO2010/118063
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511223394)アジオス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】