説明

フィルタ洗浄乾燥システム及びフィルタ洗浄乾燥方法

【課題】フィルタを搬送して移動させながらフィルタの洗浄、水洗、脱水、乾燥をコンパクトな構成により短時間で連続処理するフィルタ洗浄乾燥システム及びフィルタ洗浄方法を提供する。
【解決手段】フィルタ洗浄乾燥システム1は、フィルタ2を搬入口8から搬出口9に移送するフィルタ搬送装置3と、洗浄液17を噴射する洗浄液噴射ノズル10、及び洗浄液噴射ノズル10の下流側で高圧ガス18のみを噴射する高圧ガス噴射ノズル11を有するフィルタ洗浄装置4と、洗浄水19を噴射する洗浄水噴射ノズル12を有するフィルタ水洗装置5と、吸水手段、及び吸水手段に設けられた吸水材14によりフィルタ2の内部に含まれた水分を吸収させる押し当て機構15を有するフィルタ乾燥装置6と、を備えてフィルタ2を連続的に洗浄乾燥する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ洗浄乾燥システム及びフィルタ洗浄乾燥方法に係り、特に、フィルタを洗浄して乾燥させるフィルタ洗浄乾燥システム及びフィルタ洗浄乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建物の空気調和機などの空気取入口には、周縁に枠が形成された網状のフィルタを装着し、空気調和機などにより吸入された空気中の塵埃などの異物を捕集して空気を濾過するのが一般的である。このフィルタは、使用により塵埃などの異物がフィルタ面に付着し、フィルタの空気を濾過する能力が低下するため、一定期間ごとにフィルタを空気取入口から取り外して洗浄して異物を除去し、その後に乾燥させて再使用することが行なわれている。
【0003】
この網状フィルタの洗浄は、例えば、高圧エアジェッタなどによる水洗浄、バキュームによる吸引、バイブレータなどを使用したふるい(叩き)落し、ブラシによる掻き落とし等、或いはこれらの組合せにより実施される。そして、これらの洗浄作業は手作業もしくは半自動により行われる。
【0004】
例えば、特許文献1には、空調機などの空気取り入れ口に装着される網状のフィルタを洗浄するフィルタ洗浄装置が開示されている。ここでは、空調機などに装着される周縁に枠を有する網状のフィルタに付着する埃などを、エアノズルによるエアの噴出と回転ブラシの作動とでフィルタの汚れ面から除去することが開示されている。
【0005】
この網状フィルタの乾燥は、例えば、天日干し、加熱装置を撹拌送風装置と共に備えた乾燥室を利用した加熱乾燥、遠心分離による脱水乾燥などより行なわれる。また、これらの網状フィルタの乾燥作業は手作業もしくは半自動で行われる。
【0006】
例えば、特許文献2には、空調用フィルタの乾燥時間及び清掃の作業時間を短縮する空調用フィルタの乾燥装置が開示されている。ここでは、第一チャンバの内部を加熱し、空調用フィルタに含まれる水分の蒸発を促進する加熱手段と、第二チャンバの内部を冷却し、第二チャンバ内に含まれる水蒸気の凝縮を促進する冷却手段とを有する。そして、加熱手段と冷却手段とが冷媒を介して接続されており、第二チャンバから第一チャンバに熱が移動することが開示されている。
【0007】
また、中性能或いは高性能な空調用フィルタとして、濾材を用いた空調用フィルタが採用されている。この濾材を用いた空調用フィルタは、プレフィルタにより網状フィルタを装着して塵埃などを捕集した後、空気中の微細な粉塵や油成分などまでも捕集する。この濾材は化学繊維を主体とした多孔質の不織布などからなり、その網目状構造により空気中の微細な粉塵や油成分などの異物を捕集する。なお、空調用フィルタ(或いはフィルタ)が捕集する空気中の微細な粉塵や油成分などを本明細書では「異物」と総称する。
【0008】
従来、この空調用フィルタは濾材の洗浄の難しさから使い捨てされていたが、環境問題への関心の高まりにより洗浄再生されて再使用する試みが研究されている。そして、空調用フィルタを回収して洗浄する自動化された洗浄方法が提案されている。この空調用フィルタの自動化された洗浄は、主に超音波の洗浄効果を利用した超音波洗浄システムにより行なわれている。また、例えばケミカルフィルタのようなガス吸着フィルタに向いた超臨界二酸化炭素を利用した洗浄システムも提案されている。
【0009】
一方、特許文献3には、空調設備に用いられるフィルタを自動的に洗浄処理するフィルタの洗浄装置が開示されている。ここでは、搬送コンベアによって移送されるフィルタの移送路上に、搬送コンベアの搬送面に向けて高圧エアを噴射する複数のエア噴射ノズルを搬送コンベアの幅方向に所要の間隔をおいて設け、そのエア噴射ノズルの下流側に、高圧エアの噴射口を中心に有し、その外側に水噴射口が形成され、その両口から高圧エアと高圧水とを同時に噴射する複数の気液噴射ノズルを搬送コンベアの幅方向に所要の間隔をおいて設けることが開示されている。
【0010】
特許文献4には、空調用エアフィルタの自動化された洗浄装置が開示されている。ここでは、搬送手段によるフィルタの搬送経路に沿って、圧縮空気噴射手段と集塵機を設けたエア洗浄ゾーン、高圧水噴射手段を設けた水洗浄ゾーン及び温風発生手段を設けた乾燥ゾーンを順次配置し、乾燥ゾーンでは、フィルタは乾燥室内に入り、そこでヒーターとファンとから成る温風発生手段の温風により乾燥された後、乾燥室から出して再使用に供されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特公平06−102128号公報
【特許文献2】特開2009−112973号公報
【特許文献3】特開平09−122425号公報
【特許文献4】特開2001−129332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
網状フィルタの洗浄手段である、例えば、高圧エアジェッタなどによる水洗浄、バキュームによる吸引、バイブレータなどを使用したふるい(叩き)落し、ブラシによる掻き落とし等の手段、或いはこれらの組合せによる手段は、濾材を用いた空調用フィルタに付着した異物を除去するには不十分であるという問題がある。
【0013】
すなわち、中性能或いは高性能な空調用フィルタとして濾材を用いるのは、多孔質の不織布などからなる網目状構造により空気中の異物をより効果的に逃さず捕集するためである。このため、捕集された異物を除去する技術は、異物の捕集効果が高くなるほど難しくなるという特性を有している。従って、上述した手段では異物を効果的に除去するのは難しく、より効果的な手段が望まれる。
【0014】
また、濾材を用いた中性能或いは高性能な空調用フィルタの洗浄に使用されている超音波洗浄システムは、大型な装置が必要であり消費電力が高いため省エネルギに反し、環境への配慮が問題となる。また、超臨界二酸化炭素洗浄システムは、大型な装置が必要となる、装置が特殊であるため装置管理などに専門性が必要となる、連続運転が困難である、或いは、一回の洗浄フィルタの枚数が限られ生産性に劣る、などの問題がある。
【0015】
さらに、特許文献3に示されるフィルタの洗浄装置は、後述するように、液体を連続的に噴射するためフィルタの表面に液体が溜ってしまい、高圧エアが繊維間の異物を押し出すのに抵抗してしまい洗浄効果が低下するという問題がある。また、連続的に液体が噴射されて濾材内部に液体が浸ることで水膜が形成され、噴射される高圧エアが濾材内部を縦断するのをブロックし、異物を押し出す効果が低下するという問題がある。
【0016】
網状フィルタの乾燥に用いられる天日干しについては、気候や季節要因の影響が多く乾燥がフィルタごとに不安定になるという問題がある。また、野外に放置されることで洗浄後のフィルタが外気に含まれる異物により再度汚染される危険性がある。
【0017】
また、加熱装置を撹拌送風装置と共に備えた乾燥室を利用した加熱乾燥については、濾材面積の大きなフィルタでは洗浄後に多量の水分を含むため脱水、乾燥に長時間を要するという問題がある。また、乾燥に多量のエネルギを消費することはフィルタ洗浄本来の省エネルギ、或いは環境への配慮の観点から好ましくない。さらに、フィルタは耐熱性が低く、特にフィルタに使用されている接着剤は融点が低く高温状態では機能が低下するという問題がある。
【0018】
また、遠心分離による脱水については、装置が大型化し、多様な形状のフィルタへ対応が難しいという問題がある。また、フィルタを連続的に処理することができず、一回の乾燥で可能なフィルタの枚数も限られるため生産性に劣るという問題がある。さらに、過剰な遠心力によりフィルタが破損する虞がある。
【0019】
また、上述したように中性能或いは高性能な空調用フィルタに用いられる濾材は、化学繊維を主体とした多孔質の不織布などからなり、その網目状構造により空気中の微細な粉塵や油成分などを捕集する。そのため、上述した各乾燥方式では洗浄により密に折り込まれた濾材内部に浸透した水分を連続的に脱水して乾燥させることは難しいという問題がある。
【0020】
さらに、フィルタの洗浄乾燥システムとして、大量のフィルタを順次搬入して連続処理できることが望ましいが、洗浄、水洗、脱水、乾燥の各工程にそれぞれかかる時間が異なると連続的に処理することは難しく、全体の処理時間は最も時間のかかる工程の処理時間で決まってしまう。特に、フィルタを加熱乾燥する場合には、フィルタの洗浄乾燥をシステムとして行うことは難しいという問題がある。
【0021】
本願の目的は、かかる課題を解決し、フィルタを搬送して移動させながらフィルタの洗浄、水洗、脱水、乾燥をコンパクトな構成により短時間で連続処理するフィルタ洗浄乾燥システム及びフィルタ洗浄乾燥方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成するため、本発明に係るフィルタ洗浄乾燥システムは、フィルタを搬入口から搬出口まで移送するフィルタ搬送装置と、フィルタに洗浄液を噴射する洗浄液噴射ノズル、及び、フィルタに、洗浄液噴射ノズルの下流側で高圧ガスのみを噴射する高圧ガス噴射ノズル、を有するフィルタ洗浄装置と、フィルタに、洗浄水を噴射する洗浄水噴射ノズルを有するフィルタ水洗装置と、水分を吸収する吸水手段、及び、吸水手段に設けられた吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を吸収させる押し当て機構を有するフィルタ乾燥装置と、を備え、フィルタを連続的に洗浄乾燥することを特徴とする。
【0023】
上記構成により、フィルタ洗浄乾燥システムは、フィルタ搬送装置によりフィルタを搬入口から搬出口まで連続的に搬送し、フィルタをフィルタ洗浄装置、フィルタ水洗装置、及びフィルタ乾燥装置に移動させながらフィルタの洗浄、水洗、脱水、乾燥の各処理を連続的に行うことができる。
【0024】
すなわち、フィルタの乾燥手段として、フィルタの水分を吸収する吸水手段と、吸水手段に設けられた吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を吸収させる押し当て機構とを採用することで、フィルタの洗浄手段と同様なタイミングで連続処理が可能となり、フィルタを搬入口に投入して搬出口で採取するまでコンパクトな構成の処理ラインを有するフィルタ洗浄乾燥システムとすることができる。
【0025】
さらに、フィルタ搬送装置により移動させながらフィルタの洗浄、水洗、脱水、乾燥の各処理を連続的に行うことで、短時間にフィルタを洗浄及び乾燥させ、大量のフィルタを効率的に処理できるシステムとすることができる。
【0026】
また、フィルタ洗浄乾燥システムは、フィルタの進入を検出してフィルタの移送を制御するフィルタ制御装置を備え、フィルタは、フィルタ制御装置に制御されてフィルタ洗浄装置、フィルタ水洗装置、及びフィルタ乾燥装置を順次移動して連続的に洗浄乾燥されることが好ましい。これにより、フィルタをフィルタ洗浄装置、フィルタ水洗装置、及びフィルタ乾燥装置に移動させながらフィルタの洗浄、水洗、脱水、乾燥の各処理を連続的に行い、連続的に順次搭載される前後のフィルタが同じ装置内において同時に処理されることを防止できる。
【0027】
また、フィルタ洗浄乾燥システムは、さらにオゾン水をフィルタに噴射するオゾン水噴射ノズルを有するフィルタ除菌装置を備えることが好ましい。これにより、洗浄液で洗浄されたフィルタを連続してオゾン水により除菌することができる。フィルタを除菌する方法は、オゾン水に限定するものではなく、次亜塩素酸ソーダ、除菌薬品などの溶液や紫外線、電子線或いはオゾンガスなどを使用することもできる。
【0028】
また、フィルタ洗浄乾燥システムは、洗浄液噴射ノズル、洗浄水噴射ノズル、及びオゾン水噴射ノズルは、移送されるフィルタの上側及び下側にそれぞれ設置されることが好ましい。これにより、フィルタに上下双方から洗浄液が噴射され、濾材の表面及び裏面から洗浄液により異物を効率的に剥離させることができる。また、フィルタに上下双方から洗浄水が噴射され、濾材の表面及び裏面から洗浄水により洗浄液を洗い流すことができる。さらに、フィルタに上下双方からオゾン水が噴射され、濾材の表面及び裏面からオゾンにより除菌することができる。
【0029】
また、フィルタ洗浄乾燥システムは、洗浄液噴射ノズル、洗浄水噴射ノズル、及びオゾン水噴射ノズルの上側のノズルと、高圧ガス噴射ノズルとは、移送されるフィルタの上下方向の厚みにより昇降する昇降装置に取付けられることが好ましい。これにより、上下方向の厚みが異なるフィルタに対し、洗浄されるフィルタに最適な高さ方向の位置から洗浄液、高圧ガス、洗浄水、オゾン水を噴射することができる。
【0030】
また、フィルタ洗浄乾燥システムは、昇降装置には、フィルタの上下方向の厚みを検知し、昇降装置を昇降させてノズルの高さ方向の位置を制御するフィルタ高さ検知センサを備えることが好ましい。これにより、上下方向の厚みが異なるフィルタに対し、各ノズルを最適な上下方向の位置にすることができる。また、ノズルがフィルタに衝突することを防止することができる。
【0031】
また、フィルタ洗浄乾燥システムは、フィルタ搬送装置を構成してフィルタを移送するローラコンベアは、フィルタ乾燥装置内では吸水材が巻かれた吸水ローラであることが好ましい。これにより、吸水材によりフィルタを脱水する吸水ローラを、フィルタを搬送するローラコンベアと兼用することができる。
【0032】
また、フィルタ洗浄乾燥システムは、フィルタ搬送装置は、フィルタの進行方向を変更させるフィルタ押し出し装置を備えることが好ましい。これにより、本フィルタ洗浄乾燥システムが設置される室の広さや形状により、各装置を直線的なレイアウトにするだけではなく、例えば、L型、コ型などにレイアウトすることができる。
【0033】
上記目的を達成するため、本発明に係るフィルタ洗浄乾燥方法は、搬入口においてフィルタをフィルタ搬送手段に搬入するステップと、フィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに洗浄液を噴射するステップと、フィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに高圧ガスのみを噴射するステップと、フィルタに洗浄水を噴射するステップと、吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を脱水してフィルタを乾燥させるステップと、搬出口においてフィルタをフィルタ搬送手段から搬出するステップと、を備え、フィルタを連続的に洗浄乾燥することを特徴とする。
【0034】
上記構成により、フィルタ洗浄乾燥方法は、フィルタ搬送装置によりフィルタを搬入口から搬出口まで連続的に搬送し、フィルタを各装置に移動させながらフィルタの洗浄、水洗、脱水、乾燥の各処理ステップを連続的に行うことができる。
【0035】
すなわち、フィルタの乾燥手段として、フィルタの水分を吸収する吸水手段と、吸水手段に設けられた吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を吸収させる押し当て機構とを採用することで、フィルタの洗浄手段と同様なタイミングで連続処理が可能となり、フィルタを搬入口に投入して搬出口で採取するまでコンパクトな構成の処理ラインを有するフィルタ洗浄乾燥手段とすることができる。
【0036】
さらに、フィルタ搬送装置により移動させながらフィルタの洗浄、水洗、脱水、乾燥の各処理ステップを連続的に行うことで、短時間にフィルタを洗浄及び乾燥させるフィルタ洗浄乾燥方法とすることができる。
【0037】
また、フィルタ洗浄乾燥方法は、フィルタに洗浄水を噴射するステップの後に、フィルタにオゾン水を噴射するステップを備えることが好ましい。これにより、洗浄液で洗浄されたフィルタを連続してオゾンにより除菌することができる。
【0038】
また、フィルタ洗浄乾燥方法は、フィルタに洗浄液を噴射するステップと、フィルタに高圧ガスを噴射するステップとは、1組の連続するステップとして複数回繰り返されることが好ましい。これにより、例えば、予備洗浄ステップ、粗洗浄ステップ、精密洗浄ステップといったように段階的に洗浄の精度を上げ、フィルタの洗浄効果を高めることができる。
【0039】
さらに、フィルタ洗浄乾燥方法は、洗浄液は、フィルタの上側及び下側においてフィルタの移送方向に所定の間隔を有して設置された1組の噴射ノズルからフィルタに噴射され、洗浄液を噴射するステップは、一方の噴射ノズルが洗浄液をフィルタに噴射するステップと、他方の噴射ノズルがフィルタに洗浄液を噴射するステップとから構成されることが好ましい。これにより、フィルタに上下双方から洗浄液が噴射され、濾材の表面及び裏面から洗浄液により異物を効率的に剥離させることができる。
【発明の効果】
【0040】
以上のように、本発明に係るフィルタ洗浄乾燥システムによれば、フィルタを搬送して移動させながらフィルタの洗浄、水洗、脱水、乾燥をコンパクトな構成により短時間で連続処理するフィルタ洗浄乾燥システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係るフィルタ洗浄乾燥システムの1つの実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図2】フィルタ洗浄乾燥システムの各装置を配置したレイアウトを示す平面図である。
【図3】フィルタ洗浄装置の他の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図4】図3のフィルタ洗浄装置のA―A断面を示す説明図である。
【図5】フィルタ洗浄装置において、1組の洗浄液噴射ノズル群及び高圧ガス噴射ノズル群によるフィルタ洗浄の説明図である。
【図6】フィルタ洗浄装置において、フィルタ内へ高圧ガス噴射ノズル群から噴射した高圧ガスによる異物の押し出しを示す説明図である。
【図7】フィルタ乾燥装置の1つの実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図8】図7のフィルタ乾燥装置のB−B断面を示す説明図である。
【図9】フィルタ乾燥装置において、フィルタが上部吸水ローラ及び下部吸水ローラにより挟み込まれる状態を示す説明図である。
【図10】フィルタ乾燥装置において、吸水材押し付け圧力と吸水量との関係を示すグラフである。
【図11】フィルタ乾燥装置において、上部吸水ローラ及び下部吸水ローラの絞り機構を示す説明図である。
【図12】フィルタ洗浄乾燥方法の概略構成を示すフローチャートである。
【図13】図12の実施形態に加えて、フィルタ洗浄ステップにおいて、さらに繰り返し洗浄する場合の概略構成を示すフローチャートである。
【図14】図12の実施形態に加えて、フィルタ洗浄ステップにおいてさらにフィルタの上下方向から洗浄する場合の概略構成を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下に、図面を用いて本発明に係るフィルタ洗浄乾燥システムの実施形態につき、詳細に説明する。
【0043】
図1に、本発明に係るフィルタ洗浄乾燥システムの1つの実施形態の概略構成を示す。フィルタ洗浄乾燥システム1は、フィルタ搬送装置3、フィルタ洗浄装置4、フィルタ水洗装置5、フィルタ除菌装置6、フィルタ乾燥装置7から構成される。洗浄乾燥されるフィルタ2は、搬入口20aに順次搬入され、これらの装置3,4,5,6,7を連続的に移動して洗浄乾燥され、搬出口20bから搬出される。図1では、搬送されるフィルタ2は、その位置によりフィルタ2a〜フィルタ2eで示す。フィルタ2は、フィルタ搬送装置3により図1中の矢印の方向に移送される。
【0044】
また、本発明に係るフィルタ洗浄乾燥システム1は、各装置3〜7はフィルタ2の進入を検出して制御するフィルタ制御装置8を備え、フィルタ2は、フィルタ制御装置8に制御されてフィルタ洗浄装置4、フィルタ水洗装置5、フィルタ除菌装置6、及びフィルタ乾燥装置7を順次移動して連続的に洗浄乾燥される。これにより、フィルタ2を移動させながらフィルタ2の洗浄、水洗、脱水、乾燥の各処理を連続的に行い、連続的に順次搭載される前後のフィルタ2が同じ装置3〜7内に於いて同時に処理されることを防止できる。
【0045】
本実施形態では、フィルタ2は、化学繊維を主体とした多孔質の不織布などからなる濾材を用いた空調用フィルタであり、中性能或いは高性能な空調用フィルタである。このフィルタ2は、例えば、建物の空気調和機などの空気取入口に取り付けられ、吸入された空気に含まれる塵埃などの異物を捕集して空気を濾過する。従って、このフィルタ2は、塵埃などの異物がフィルタ2に付着し空気を濾過する能力が低下するため、一定期間ごとにフィルタ2を空気取入口から外して洗浄しなければならない。この濾材を用いたフィルタ2の厚みは、約10mm〜約500mmの範囲であり、その網目状構造により空気中の微細な粉塵や油成分などまでも捕集する。フィルタ2は、その縦横の大きさにより単一個、或いは複数個が洗浄用の枠材に収められ、フィルタ洗浄システム1に搬入されて洗浄、水洗、脱水、乾燥の各処理が行なわれる。
【0046】
(フィルタ搬送装置)
図1に示すように、フィルタ搬送装置3は、本実施形態では一対のローラ36及びベルト37からなるベルトコンベア3及び複数のローラコンベア9から構成され、フィルタ2を搬入口20aから搬出口20bまで移送する。本実施形態では、このベルトコンベア3は、搬入口20aに設置された搬入ベルトコンベア3a、フィルタ2を各装置に順次移送する搬送ベルトコンベア3b、及び搬出口20bに設置された搬出ベルトコンベア3cに分割するが、この分割方法に限らず、例えば、搬送ベルトコンベア3bをさらに装置単位で分割しても良く、搬入ベルトコンベア3a又は搬出ベルトコンベア3cを搬送ベルトコンベア3bと一体化しても良い。このベルトコンベア3の分割方法により、ローラ36は、搬入ローラ36a、搬送ローラ36b、及び搬出ローラ36cに分割される。また、ベルト37は、搬入ベルト37a、搬送ベルト37b、及び搬出ベルト37cに分割される。さらに、ローラコンベア9は、搬入ローラ9a、搬送ローラ9b、及び搬出ローラ9cに分割される。
【0047】
相互に略平行に配設された左右のローラ36にベルト37が巻き掛けられたベルトコンベア3がベルト駆動モータ(図示せず)によりローラ軸43を介して回転する。そして、フィルタ2は、ベルト37を介してローラ36に連動して回転するローラコンベア9により移送される。但し、ローラコンベア9を省略し、移送されるフィルタ2をベルト37に搭載して搬送しても良い。この場合、ベルト37には洗浄液及び高圧ガスが流れ出すための穴が複数設けられていることが望ましい。
【0048】
後述するように、フィルタ乾燥装置7内ではローラコンベア9は下部吸水ローラ9eとなる。そして、上部吸水ローラ9dとともにフィルタ2の脱水を行なう。これにより、吸水材によりフィルタを脱水する吸水ローラを、フィルタを搬送するローラコンベアと兼用することができる。
【0049】
図2にフィルタ洗浄乾燥システムの各装置を配置したレイアウトを示す。本実施形態では、フィルタ搬入ゾーン100、フィルタ洗浄ゾーン110、フィルタ水洗ゾーン120、フィルタ除菌ゾーン130、フィルタ乾燥ゾーン140、及びフィルタ搬出ゾーン150から構成される。図2(a)は、各ゾーンを直列に配置した場合であり、図2(b)は、L型のレイアウトにした場合であり、図2(c)は、コ型にレイアウトした場合である。各図において、フィルタ2は矢印の方向に移送される。これらのレイアウトは、本フィルタ洗浄乾燥システムが設置される室の広さや形状により設計される。図2(b)のL字型、及び図2(c)のコ字型のレイアウトでは、搬送されるフィルタ2の移動方向を切り換える移動方向切替ゾーン160が設けられる。そして、フィルタ搬送装置3は、移動方向切替ゾーン160において、フィルタ2の進行方向を変更させるフィルタ押し出し装置27を備える。このフィルタ押し出し装置27は、フィルタ2が移動方向切替ゾーン160に進入したことを検知すると、フィルタ2を押し出して移動方向を変更させる。
【0050】
(フィルタ洗浄装置)
図1に示すように、フィルタ洗浄装置4は、フィルタ2に洗浄液17を噴射する洗浄液噴射ノズル10、及び、フィルタ2に、洗浄液噴射ノズル10の下流側で高圧ガス18のみを噴射する高圧ガス噴射ノズル11から構成される。そして、洗浄液噴射ノズル10は、フィルタ2に対して上方から洗浄液17を噴射する洗浄液噴射ノズル10a、及びその洗浄液噴射ノズル10aより下流側にずれた位置でフィルタ2に対して下方から洗浄液17を噴射する洗浄液噴射ノズル10bで構成される。また、フィルタ洗浄装置4の洗浄液噴射ノズル10には、洗浄液タンク28から洗浄液供給配管30を介して洗浄液ポンプ29により洗浄液が供給される。また、フィルタ洗浄装置4の高圧ガス噴射ノズル11についても同様に、高圧ガスタンク31から高圧ガス供給配管32を介して高圧ガスが供給される。
【0051】
後述するように、本発明に係るフィルタ洗浄装置4は、洗浄されるフィルタ2がフィルタ搬送装置3で移送され、洗浄液噴射ノズル10a,10bにより洗浄液17がフィルタ2に噴射され、その下流側で高圧ガス噴射ノズル11により高圧ガスのみフィルタ2に噴射されることで、フィルタ2の濾材内部まで効果的に洗浄し、繊維表面から剥離した異物だけではなく繊維間に捕集された異物を押し出すことが可能となる。この高圧ガスの速度は、約50m/sから約300m/sの範囲である。
【0052】
(フィルタ洗浄装置の他の実施形態)
図3に、フィルタ洗浄装置の他の実施形態の概略構成を示す。また、図4に、図3のフィルタ洗浄装置のA―A断面を示す。ケーシング41内に設置されたフィルタ洗浄装置4は、フィルタ搬送装置3の搬送面上のフィルタ2に洗浄液を噴射する複数の洗浄液噴射ノズル10からなる洗浄液噴射ノズル群50、及びフィルタ搬送装置3の搬送面上のフィルタ2に、洗浄液噴射ノズル群50の下流側で高圧ガスのみを噴射する複数の高圧ガス噴射ノズル11からなる高圧ガス噴射ノズル群60から構成される。ここで、図4に示すように、洗浄液噴射ノズル群50は、直線状に列をなした複数の洗浄液噴射ノズル10から構成される。また、高圧ガス噴射ノズル群60も、直線状に列をなした複数の高圧ガス噴射ノズル11から構成される。
【0053】
本実施形態では、フィルタ2の洗浄は予備洗浄領域、粗洗浄領域、及び精密洗浄領域の3つの領域から構成される。従って、洗浄液噴射ノズル群50は、移送されるフィルタ2に対して上側から洗浄液を噴射する上部洗浄液噴射ノズル群50a,50c,50eと、下側から洗浄液を噴射する下部洗浄液噴射ノズル群50b,50d、50fと、から構成される。このように、フィルタ2は、段階的に繰り返して洗浄され、予備洗浄領域、粗洗浄領域、及び精密洗浄領域を順次通過することでその洗浄度が高まっていく。但し、フィルタ2の洗浄は予備洗浄領域、粗洗浄領域、及び精密洗浄領域の3つの領域に限らず、2つの領域、或いは4つ以上の領域から構成されても良い。
【0054】
従って、予備洗浄領域では、フィルタ2の上部の予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群50a、フィルタ2の下部の予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群50b、及び予備洗浄用高圧ガス噴射ノズル群60aが1組の洗浄装置を形成する。同様に、粗洗浄領域では、フィルタ2の上部の粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群50c、フィルタ2の下部の粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群50d、及び粗洗浄用高圧ガス噴射ノズル群60bが1組の洗浄装置を形成する。さらに、精密洗浄領域では、フィルタ2の上部の精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群50e、及びフィルタ2の下部の精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群50f、及び精密洗浄用高圧ガス噴射ノズル群60cが1組の洗浄装置を形成する。
【0055】
洗浄液の供給量は、図4に示すように洗浄液噴射ノズル群50a〜50fに設けられた噴射液制御装置42により制御され、適切な洗浄液の量が供給される。図4に示すように、各領域の洗浄液噴射ノズル群50a〜50fには複数の洗浄液噴射ノズル10が直線的な列をなして取り付けられ、フィルタ2の幅方向の全体に略均等に洗浄液を噴射する。図4に示す本実施形態では、洗浄液噴射ノズル群50aは、7個の洗浄液噴射ノズル11から構成されるが、この個数には限らない。
【0056】
高圧ガスの供給量は、高圧ガス噴射ノズル群60a〜60cに設けられた高圧ガス制御装置(図示せず)により制御され、適切な高圧ガスの量が供給される。各領域の高圧ガス噴射ノズル群60a〜60cには複数の高圧ガス噴射ノズル11が直線的な列をなして取り付けられ、フィルタ2の幅方向の全体に略均等に高圧ガスを噴射する。
【0057】
洗浄液噴射ノズル群50及び高圧ガス噴射ノズル群60は、移送されるフィルタ2の上下方向の厚み(d)により図3に示すC方向に昇降する昇降装置38に架台39及び支持棒40を介して取付けられる。すなわち、移送されるフィルタ2の上下方向の厚み(d)は、約10mm〜約500mmの範囲であり、昇降装置38は、このフィルタ2の上下方向の厚み(d)に対して最適な高さ方向の位置から洗浄液噴射ノズル群50及び高圧ガス噴射ノズル群60に噴射をさせるように昇降する。この昇降装置38には、ボールねじ(図示せず)が設けられ、サーボモータ(図示せず)によりC方向に昇降するが、他の方式、例えばロック・シリンダなどにより昇降させても良い。
【0058】
(フィルタの洗浄)
図5に、本発明に係る1組の洗浄液噴射ノズル10a,10b及び高圧ガス噴射ノズル11によるフィルタ2の洗浄について模式的に示す。図5中のフィルタ2のE面は、建物の空気調和機などの空気取入口に取り付けられた場合に排出側となる面であり、F面は吸入側となる面である。図3中のX方向は上面の方向であり、Y方向はフィルタ2が移送される方向である。すなわち、例えば、建物の空気調和機などの空気取入口において吸入され、フィルタ2の不織布45に捕集された異物46は、高圧ガス噴射ノズル11により吸入された方向と逆方向に向かって排出される。つまり、異物46を高圧ガス18により元の経路の方向に戻すように排出する。
【0059】
Y方向に移送されたフィルタ2には、まずフィルタ2の上方に設けられた予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群50a、粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群50c、又は精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群50eにより洗浄液が噴射される。これにより、フィルタ2のE面側の表面の不織布45に捕集された異物46が洗浄液17により浸されて剥離する。また、フィルタ2のE面側内部の不織布45に捕集された異物46が洗浄液17により浸されて剥離する。次に、フィルタ2には、予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群50aなどからY方向に距離(D)だけ離れた位置でフィルタ2の下方に設けられた予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群50b、粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群50d、又は精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群50fにより洗浄液が噴射される。これにより、フィルタ2のF面側の表面の不織布45に捕集された異物46が洗浄液17により浸されて剥離する。また、フィルタ2のF面側内部の不織布45に捕集された異物46が洗浄液17により浸されて剥離する。
【0060】
このように、フィルタ2の上面及び下面から時間差をもって洗浄液を噴射することで、相互の噴射液が衝突することなく、それぞれの表面近傍に捕集された異物46を共に洗浄液により効果的に剥離できる。また、フィルタ2の内部の不織布45に捕集された異物46に対して両側から洗浄液を噴射することでフィルタ2全体に満遍なく洗浄液を散布できる。
【0061】
洗浄液17を噴射され内部まで洗浄液に浸ったフィルタ2には、さらに、予備洗浄用高圧ガス噴射ノズル群60a,粗洗浄用高圧ガス噴射ノズル群60b,又は精密洗浄用高圧ガス噴射ノズル群60cにより高圧ガス18が噴射される。図6に、フィルタ2内へ高圧ガス噴射ノズル群60から噴射した高圧ガス18による異物46の押し出しの様子を模式的に示す。
【0062】
図6(a)には、フィルタ2に対して高圧ガス噴射ノズル群60a,60b,60cから噴射した高圧ガス18のみにより異物46を押し出す機構を模式的に示す。高圧ガス噴射ノズル11から噴射された高圧ガス18は、フィルタ2内において高圧水に比べて抵抗が少ないので、フィルタ2を縦断して吹き抜け、フィルタ2の内部の不織布45に捕集された異物46をその圧力により押し出す。このとき、不織布45に捕集された異物46は、洗浄液17に浸され剥離されることで繊維間の移動度が向上しており、洗浄液17と共に高圧ガス18の圧力で容易にフィルタ2の外部へと押し出される。
【0063】
一方、図6(b)には、特許文献2に記載されているように、フィルタ2内へ高圧エアと高圧水とを同時に噴射する場合についての機構を模式的に示す。この場合には、高圧水47が継続してフィルタ2に放水されるため、フィルタ2の表面に水溜り48が生じて高圧エアがフィルタ2を縦断して吹き抜けるのをブロックしてしまう。また、高圧水47が継続して放水されるため、フィルタ2の内部において部分的に水膜49が生じて高圧エアがフィルタ2を縦断して吹き抜けるのをブロックしてしまう。このことから、フィルタ洗浄装置4のように高圧水47を用いずに高圧ガス18のみを使用することで効率的に不織布45に捕集された異物46を押し出すことができる。
【0064】
(フィルタ水洗装置)
図1に示すように、フィルタ水洗装置5は、フィルタ2に、洗浄水19を噴射する洗浄水噴射ノズル12を有する。これは、フィルタ2に残存した洗浄液17を洗い流すためである。この洗浄水噴射ノズル12は、移送されるフィルタ2に対して上側から洗浄水19を噴射する上部洗浄水噴射ノズル12aと、下側から洗浄水19を噴射する下部洗浄水噴射ノズル12bと、から構成される。このように、フィルタ2に上下双方から洗浄水19が噴射され、濾材の表面及び裏面から洗浄水19により洗浄液17を洗い流すことができる。フィルタ水洗装置5の洗浄水噴射ノズル12には、洗浄水タンク33から洗浄水供給配管34を介して洗浄水ポンプ26により洗浄水が供給される。
【0065】
フィルタ水洗装置5は、フィルタ洗浄装置4と同様な機構の昇降装置38を有する。上部洗浄水噴射ノズル12aは、移送されるフィルタ2の上下方向の厚み(d)により図3に示すC方向に昇降する昇降装置38に架台39及び支持棒40を介して取付けられる。
【0066】
(フィルタ除菌装置)
フィルタ除菌装置6は、オゾン水22をフィルタ2に噴射するオゾン水噴射ノズル21を有する。これは、フィルタ2を物理的又は化学的に除菌するためである。このオゾン水噴射ノズル21は、移送されるフィルタ2に対して上側からオゾン水22を噴射する上部オゾン水噴射ノズル21aと、下側からオゾン水22を噴射する下部オゾン水噴射ノズル21bと、から構成される。このように、フィルタ2に上下双方からオゾン水22が噴射され、濾材の表面及び裏面からオゾン水22により除菌される。フィルタ除菌装置6のオゾン水噴射ノズル21には、オゾン水生成装置35からオゾン水供給配管25を介してオゾン水が供給される。
【0067】
フィルタ除菌装置6は、フィルタ洗浄装置4と同様な機構の昇降装置38を有する。上部オゾン水22噴射ノズル21aは、移送されるフィルタ2の上下方向の厚み(d)により図3に示すC方向に昇降する昇降装置38に架台39及び支持棒40を介して取付けられる。
【0068】
(フィルタ乾燥装置)
図7に、フィルタ乾燥装置7の1つの実施形態の概略構成を示す。また、図8に、図7のフィルタ乾燥装置7のB−B断面を示す。フィルタ乾燥装置7は、ケーシング41内に設置され、フィルタ2に含まれる水分を吸収する吸水材が設けられた吸水手段である上部吸水ローラ9d,下部吸水ローラ9e、及び、上部吸水ローラ9dをフィルタ2に押し付けてフィルタ2の内部に含まれた水分を吸収させる押し当て機構15から構成される。
【0069】
搬送手段であるコンベア3は、左右のローラ36a,36b及びベルト37からなるフィルタ搬送装置3、及び下部吸水ローラ9eから構成される。ベルトコンベア3の動力は下部吸水ローラ9eを回転させ、その回転によってフィルタ2が図7中の矢印Bの方向に搬送される。すなわち、相互に略平行に配置されたローラ36にベルト37が巻き掛けられたフィルタ搬送装置3がベルト駆動モータ(図示せず)によりローラ軸43を介して回転する。ベルト37は、下部吸水ローラ9eと接触又はかみ合わされており、ベルト37の移動が下部吸水ローラ9eを回転させる。下部吸水ローラ9eの回転により、下部吸水ローラ9eに乗せられたフィルタ2が搬送される。
【0070】
吸水手段である吸水ローラ9d,9eは、本実施形態では、吸水材14がロール状に巻き付けられ、フィルタ2の上方に設けられる上部吸水ローラ9d、及びフィルタ2の下方に設けられる下部吸水ローラ9eから構成される。そして、上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eは、フィルタ2を上下方向に挟み込んでフィルタ2の内部に含まれた水分を吸水する。この吸水材14は、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)などの吸水性樹脂、或いは親水性樹脂からなるが、これに限らず、吸水性或いは親水性を有する素材であれば良い。また、吸水手段は吸水ローラの形式に限らず、例えば、平板状、ベルト状の吸水材が設けられた形式などであっても良い。また、吸水手段に使用される吸水ローラは、下部吸水ローラ9e又は上部吸水ローラ9dの片方のみを設置した形式とすることもできる。
【0071】
図9に、フィルタ2が上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eにより挟み込まれる状態を示す。フィルタ2を構成する多孔質の不織布45の網目状の内部に洗浄の際に溜まった水分51が含まれている。なお、図9では、上部吸水ローラ9dの下端部がフィルタ2の上表面(E面)に接触した状態を示す。下部吸水ローラ9eのロール芯材52は、ベルト37を介して吸水ローラ9d,9eに連動して図9中のR方向に回転し、ロール芯材52に巻き付けられた吸水材14を介してフィルタ2を搬送する。同時に、後述する押し当て機構15により、フィルタ2内部に含まれた水分51を吸水する。すなわち、下部吸水ローラ9eは、吸水手段として機能するとともに搬送手段の1部としても機能する。
【0072】
押し当て機構15は、図7,8に示すように、架台39に取り付けられた上部吸水ローラ9dを、支持棒40を介して上下方向に駆動させる昇降装置23を有する。この押し当て機構15は、昇降装置23による昇降により下記に示す2つの機能を有する。
【0073】
第1の機能は、上部吸水ローラ9dとフィルタ2との間隔を調整する機能である。すなわち、移送されるフィルタ2の上下方向の厚み(d)は、約10mm〜約500mmの範囲であり、昇降装置23は、このフィルタ2の上下方向の厚み(d)に対して最適な高さ方向の位置を設定する。すなわち、昇降装置23は、昇降することでフィルタ2を上部吸水ローラ9dと下部吸水ローラ9eとにより挟み込ませる位置に調整する。この昇降装置23には、ボールねじ(図示せず)が設けられ、サーボモータ(図示せず)によりC方向に昇降するが、他の方式、例えばロック・シリンダなどにより昇降させても良い。
【0074】
第2の機能は、上部吸水ローラ9dをフィルタ2に押し付けて上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eの吸水材14を圧縮させる機能である。図9に、昇降装置23によりフィルタ2に上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eの吸水材14を押し付けて吸水する機構を示す。図9の接触状態では、フィルタ2の上表面(E側)と、上部吸水ローラ9dに巻き付けられた吸水材14との接触により、フィルタ2の上表面(E側)及びその表面近傍の水分51、或いは水分51が結合した水滴が接触する吸水材14により吸水される。また、フィルタ2の下表面(F側)と、下部吸水ローラ9eに巻き付けられた吸水材14との接触により、フィルタ2の下表面(F側)及びその表面近傍の水分51、或いは水分51が結合した水滴が接触する吸水材14により吸水される。
【0075】
図10は、昇降装置23により上部吸水ローラ9dの押し付け圧力を変化させた場合に、フィルタ2から吸い出される水分量を測定した結果である。上部吸水ローラ9dの押し付け圧力を高めるとフィルタ2から吸い出される水分量が増加する。昇降装置23によって上部吸水ローラ9dをフィルタ2に押し付けると、上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eと接触する部分でフィルタ2の濾材を形成する不織布45が圧縮される。これは、不織布45に溜まった水分51を内部で相互結合させ、フィルタ2の外側部から内部にいたる水の通路を形成する。そして、フィルタ2内部の水分51は、毛細管現象により上部吸水ローラ9d及或いは下部吸水ローラ9eの吸水材14に吸い寄せられる。すなわち、フィルタ2内部の水分51は、吸水材14が圧縮されて変形した状態で濾材を形成する多孔質の不織布45相互の隙間を伝わってフィルタ2の両表面に毛細管現象により滲み出てくる。そして、上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eの吸水材14に吸収される。
【0076】
このように、フィルタ2は、本フィルタ乾燥装置7により連続的に脱水され、脱水率は50パーセント以上となる。ここに、脱水率は、式(1−W/W)で表され、Wは乾燥後にフィルタに残存している水分量であり、Wはフィルタの飽和水分量である。この吸水ローラ9d,9eによる脱水乾燥後にフィルタ2に残存する水分51は、一般的な熱乾燥により乾燥され、フィルタ2は所定の乾燥状態となる。
【0077】
図11に、上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eの水分を除去する絞り機構を示す。図11では、上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eは、連続する2つの吸水ローラを取り出して記載する。上部吸水ローラ9dは上部絞りローラ54を備える。そして、上部絞りローラ54は、回転する上部吸水ローラ9dの吸水材14に押し当てられて吸水材14を変形させて脱水させる。同様に下部吸水ローラ9eは下部絞りローラ53を備える。そして、下部絞りローラ53は、回転する下部吸水ローラ9eの吸水材14に押し当てられて吸水材14を変形させて脱水させる。上部吸水ローラ9dと上部絞りローラ54とが接触する部分には、水分が落下するのを防ぐための受け板55が設けられている。上部吸水ローラ9dから絞りだされた水分は、受け板55によって下部吸水ローラ9eの端部に流され、下部吸水ローラ9eに落下するのが防止される。
【0078】
これにより、回転する上部吸水ローラ9d及び下部吸水ローラ9eを簡易に脱水させて次のフィルタ2の脱水に備えさせることができ、大量のフィルタ2を連続的に脱水乾燥させることができる。
【0079】
(フィルタ洗浄乾燥方法)
搬入口においてフィルタ2をフィルタ搬送手段に搭載する(S1)。フィルタ2に洗浄液を噴射する(S2)。フィルタ2に高圧ガスのみを噴射する(S3)。フィルタ2に洗浄水を噴射する(S4)。フィルタにオゾン水を噴射する(S5)。吸水材をフィルタに押し付けてフィルタ2の内部に含まれた水分を脱水してフィルタ2を乾燥させる(S6)。搬出口においてフィルタ2をフィルタ搬送手段から取得する(S7)。フィルタ2を連続的に洗浄乾燥する。
【0080】
(フィルタ洗浄方法)
図12〜図14に、本発明に係るフィルタ洗浄乾燥方法をフローチャートで示す。図12は、フィルタ洗浄方法の基本的なフローチャートである。図13は、フィルタ洗浄のステップで繰り返し洗浄する場合のフローチャートである。さらに、図14は、フィルタ洗浄のステップで洗浄液をフィルタ2の上下から噴射する場合のフローチャートである。各ステップには、ステップを示す“S”という記号に番号を付加してフィルタ洗浄方法の順番を示す。
【0081】
まず、図12に示すように、搬入口においてフィルタをフィルタ搬送手段に搬入する(S1)。フィルタをフィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに洗浄液を噴射し(S2)、フィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに高圧ガスのみを噴射する(S3)。また、フィルタに洗浄水を噴射し(S4)、フィルタにオゾン水を噴射する(S5)。吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を脱水してフィルタを乾燥させる(S6)。搬出口においてフィルタをフィルタ搬送手段から搬出する(S7)。そして、次に洗浄乾燥するフィルタがある場合にはステップ1に戻り、ない場合には終了する(S8)。
【0082】
ここで、フィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに洗浄液を噴射するステップ(S2)と、フィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに高圧ガスを噴射するステップ(S3)とは、1組の連続するステップとし、本実施形態では3回繰り返される。すなわち、予備洗浄ステップ、粗洗浄ステップ、及び精密洗浄ステップである。但し、この1組の連続するステップは、予備洗浄ステップ、粗洗浄ステップ、及び精密洗浄ステップの3回に限らず、2回の洗浄ステップであるか、或いは4回以上の洗浄ステップであっても良い。
【0083】
上述したステップは、図13に示すフローチャートとなる。すなわち、搬入口においてフィルタをフィルタ搬送手段に搬入する(S1)。まず、予備洗浄ステップにおいて、予備洗浄としてフィルタに洗浄液を噴射し(S2a)、フィルタに高圧ガスのみを噴射する(S2b)。次に、粗洗浄ステップにおいて、粗洗浄としてフィルタに洗浄液を噴射し(S3a)、フィルタに高圧ガスのみを噴射する(S3b)。さらに、精密洗浄ステップにおいて、精密洗浄としてフィルタに洗浄液を噴射し(S4a)、フィルタに高圧ガスのみを噴射する(S4b)。そして、フィルタに洗浄水を噴射し(S5)、フィルタにオゾン水を噴射する(S6)。吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を脱水してフィルタを乾燥させる(S7)。搬出口においてフィルタをフィルタ搬送手段から搬出する(S8)。次に洗浄乾燥するフィルタ2がある場合にはステップ1に戻り、ない場合には終了する(S9)。
【0084】
また、洗浄液は、フィルタの上側及び下側においてフィルタの移送方向に所定の間隔を有して設置された1対の洗浄液噴射ノズル群からフィルタに噴射され、洗浄液を噴射するステップは、一方の洗浄液噴射ノズル群が洗浄液をフィルタに噴射するステップと、他方の洗浄液噴射ノズルがフィルタに洗浄液を噴射するステップとから構成される。
【0085】
上述したステップは、図14に示すフローチャートとなる。搬入口においてフィルタをフィルタ搬送手段に搬入する(S1)。予備洗浄ステップにおいて、予備洗浄としてフィルタに上側から洗浄液を噴射し(S2a)、フィルタに下側から洗浄液を噴射し(S2a)、フィルタに高圧ガスのみを噴射する(S2b)。次に、粗洗浄ステップにおいて、粗洗浄としてフィルタの上側から洗浄液を噴射し(S3a)、フィルタに下側から洗浄液を噴射し(S3a)、フィルタに高圧ガスのみを噴射する(S3b)。さらに、精密洗浄ステップにおいて、精密洗浄としてフィルタに上側から洗浄液を噴射し(S4a)、フィルタに下側から洗浄液を噴射し(S4a)、フィルタに高圧ガスのみを噴射する(S4b)。そして、フィルタに洗浄水を噴射し(S5)、フィルタにオゾン水を噴射する(S6)。吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を脱水してフィルタを乾燥させる(S7)。搬出口においてフィルタをフィルタ搬送手段から搬出する(S8)。次に洗浄乾燥するフィルタ2がある場合にはステップ1に戻り、ない場合には終了する(S9)。なお、このフローチャートにおいて、フィルタ2の上側からの洗浄液噴射のステップと下側からの洗浄液噴射のステップは、順序が逆であっても良い。
【0086】
図14の実施形態に加えてさらにフィルタの上下方向から洗浄する場合のフローチャートについては、上述した各フローチャートから明らかであるため説明を省略する。
【符号の説明】
【0087】
1 フィルタ洗浄乾燥システム、2,2a,2b,2c,2d、2e フィルタ、3 フィルタ搬送装置(ベルトコンベア),3a 搬入ベルトコンベア、3b 搬送ベルトコンベア、3c 搬出ベルトコンベア、4 フィルタ洗浄装置、5 フィルタ水洗装置、6 フィルタ除菌装置、7 フィルタ乾燥装置、8 フィルタ制御装置、9 ローラコンベア,9a 搬入ローラ,9b 搬送ローラ,9c 搬出ローラ、9d 上部吸水ローラ、9e 下部吸水ローラ、10,10a,10b 洗浄液噴射ノズル、11a,11b,11c 高圧ガス噴射ノズル、12a,12b 洗浄水噴射ノズル、14 吸水材、15 押し当て機構、16 フィルタ位置検出装置、17 洗浄液、18 高圧ガス、19 洗浄水、20a 搬入口、20b 搬出口、21 オゾン水噴射ノズル、22 オゾン水、23 昇降装置、24 フィルタ高さ検知センサ、25 オゾン水供給配管、26 洗浄水ポンプ、27 フィルタ押し出し装置、28 洗浄液タンク、29 洗浄液ポンプ、30 洗浄液供給配管、31 高圧ガスタンク、32 高圧ガス配管、33 洗浄水タンク、34 洗浄水配管、35 オゾン水生成装置、36 ローラ、37a,37b,37c ベルト、38 昇降装置、39 架台、40 支持棒、41 ケーシング、42 噴射液制御装置、43 ローラ軸、44 ローラ軸、45 不織布、46 異物、47 高圧水、48 水溜り、49 水膜、50 洗浄液噴射ノズル群,50a 予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群(上部),50b 予備洗浄用洗浄液噴射ノズル群(下部),50c 粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群(上部),50d 粗洗浄用洗浄液噴射ノズル群(下部),50e 精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群(上部),50f 精密洗浄用洗浄液噴射ノズル群(下部)、51 水分、52 ロール芯材、53 下部絞りローラ、54 上部絞りローラ、55 受け板、60 高圧ガス噴射ノズル群,60a 予備洗浄用高圧ガス噴射ノズル群,60b 粗洗浄用高圧ガス噴射ノズル群,60c 精密洗浄用高圧ガス噴射ノズル群、100 フィルタ搬入ゾーン、110 フィルタ洗浄ゾーン、120 フィルタ水洗ゾーン、130 フィルタ除菌ゾーン、140 フィルタ乾燥ゾーン、150 フィルタ搬出ゾーン、160 移動方向切替ゾーン。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタを搬入口から搬出口まで移送するフィルタ搬送装置と、
フィルタに洗浄液を噴射する洗浄液噴射ノズル、及び、フィルタに、洗浄液噴射ノズルの下流側で高圧ガスのみを噴射する高圧ガス噴射ノズル、を有するフィルタ洗浄装置と、
フィルタに、洗浄水を噴射する洗浄水噴射ノズルを有するフィルタ水洗装置と、
水分を吸収する吸水手段、及び、吸水手段に設けられた吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を吸収させる押し当て機構を有するフィルタ乾燥装置と、
を備え、
フィルタを連続的に洗浄乾燥することを特徴とするフィルタ洗浄乾燥システム。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタ洗浄乾燥システムであって、各装置はフィルタの進入を検出してフィルタの移送を制御するフィルタ制御装置を備え、フィルタは、フィルタ制御装置に制御されてフィルタ洗浄装置、フィルタ水洗装置、及びフィルタ乾燥装置を順次移動して連続的に洗浄乾燥されることを特徴とするフィルタ洗浄乾燥システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフィルタ洗浄乾燥システムであって、さらに、オゾン水をフィルタに噴射するオゾン水噴射ノズルを有するフィルタ除菌装置を備えることを特徴とするフィルタ洗浄乾燥システム。
【請求項4】
請求項3に記載のフィルタ洗浄乾燥システムであって、洗浄液噴射ノズル、洗浄水噴射ノズル、及びオゾン水噴射ノズルは、移送されるフィルタの上側及び下側にそれぞれ設置されることを特徴とするフィルタ洗浄乾燥システム。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1に記載のフィルタ洗浄乾燥システムであって、洗浄液噴射ノズル、洗浄水噴射ノズル、及びオゾン水噴射ノズルの上側のノズルと、高圧ガス噴射ノズルとは、移送されるフィルタの上下方向の厚みにより昇降する昇降装置に取付けられることを特徴とするフィルタ洗浄乾燥システム。
【請求項6】
請求項5に記載のフィルタ洗浄乾燥システムであって、昇降装置には、フィルタの上下方向の厚みを検知し、昇降装置を昇降させてノズルの高さ方向の位置を制御するフィルタ高さ検知センサを備えることを特徴とするフィルタ洗浄乾燥システム。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1に記載のフィルタ洗浄乾燥システムであって、フィルタ搬送装置を構成してフィルタを移送するローラコンベアは、フィルタ乾燥装置内では吸水材が巻かれた吸水ローラであることを特徴とするフィルタ洗浄乾燥システム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1に記載のフィルタ洗浄乾燥システムであって、フィルタ搬送装置は、フィルタの進行方向を変更させるフィルタ押し出し装置を備えることを特徴とするフィルタ洗浄乾燥システム。
【請求項9】
搬入口においてフィルタをフィルタ搬送手段に搬入するステップと、
フィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに洗浄液を噴射するステップと、
フィルタ搬送手段により搬送しながらフィルタに高圧ガスのみを噴射するステップと、
フィルタに洗浄水を噴射するステップと、
吸水材をフィルタに押し付けてフィルタの内部に含まれた水分を脱水してフィルタを乾燥させるステップと、
搬出口においてフィルタをフィルタ搬送手段から搬出するステップと、
を備え、
フィルタを連続的に洗浄乾燥することを特徴とするフィルタ洗浄乾燥方法。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルタ洗浄乾燥方法であって、フィルタに洗浄水を噴射するステップの後に、フィルタにオゾン水を噴射するステップを備えることを特徴とするフィルタ洗浄乾燥方法。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のフィルタ洗浄方法であって、フィルタに洗浄液を噴射するステップと、フィルタに高圧ガスを噴射するステップとは、1組の連続するステップとして複数回繰り返されることを特徴とするフィルタ洗浄方法。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれか1に記載のフィルタ洗浄方法であって、洗浄液は、フィルタの上側及び下側においてフィルタの移送方向に所定の間隔を有して設置された1組の噴射ノズルからフィルタに噴射され、洗浄液を噴射するステップは、一方の噴射ノズルが洗浄液をフィルタに噴射するステップと、他方の噴射ノズルがフィルタに洗浄液を噴射するステップとから構成されることを特徴とするフィルタ洗浄方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−194383(P2011−194383A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67373(P2010−67373)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】