説明

フィルムマウント用コレットおよびフィルムマウント方法

【課題】 薄い接合用フィルムを負圧で吸着してフィルムに部分的な変形が生じても、基板などの平坦な被マウント面にボイドを残留させることなくマウントするコレット。
【解決手段】 平坦な矩形の吸着面21の中央部mを除く周辺部nの複数箇所にエアー出入穴23を形成し、各エアー出入穴23から吸着面21の四辺の外周縁22に延在させてリーク溝24を形成する。各リーク溝24は、その両端がエアー出入穴23と外周縁22で開口する。吸着面21でフィルム1を負圧で吸着するとき、中央部mにフィルム中央部を密着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製の接合用フィルムをリードフレームなどの平坦な被マウント面に押圧してマウントするコレット、及び、このコレットを使用したフィルムマウント方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップなどの薄型ダイをリードフレームなどの基板上に接合用フィルムを介して熱圧着接合するダイボンダーは、基板上に接合用フィルムをマウントするコレットを備える。接合用フィルムは、ダイと同程度のサイズで、厚さが10〜50μm程度の薄いエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂フィルムである。この接合用フィルムを専用のコレットで負圧で吸着して保持し、同じコレットでフィルムを予熱された基板上の平坦な被マウント面に荷重を掛けて貼り付ける。基板上にマウントされたフィルム上にダイを載せ、全体を加熱炉内で加熱してフィルムを熱硬化させることで、ダイを基板上に接合固定する。接合用フィルムは、機械的接合のみの樹脂フィルムの他、フィルム中に導電粒子を混入した導電性樹脂フィルムがある。
【0003】
上記コレットは、熱硬化性樹脂の薄い接合用フィルムを負圧で吸着する平坦な吸着面と、この吸着面に単数あるいは複数のエアー出入穴を開口させたものが公知である(例えば、特許文献1参照)。吸着面のエアー出入穴は、吸着面にフィルムを負圧で吸着するためのエアー吸入穴と、吸着面に負圧で吸着したフィルムと吸着面との間にエアーを吹き込んで負圧を正圧に変換するエアー吹出し穴を兼用する。また、コレットは、吸着面が弾性面であるラバー素材を使用したものと、吸着面に多数の小径のエアー出入穴を設けた多孔質樹脂や金属の硬質素材を使用したものに大別される。後者硬質素材のコレットは、平坦な吸着面で薄いフィルムを吸着して基板などの平坦な被マウント面に荷重を掛けて押圧するとき、吸着面と被マウント面の正確な平行出しが難しく、被マウント面とフィルムとの間に気泡が生じ易いこともあって、薄いフィルムに対しては、必然的に前者ラバー素材のコレットが多用される。
【0004】
ラバー素材のコレットの従来例を、図8(A)、(B)に示す。同図のコレット10は、天然ゴムや合成ゴムのラバー部品である弾性部材10aと、弾性部材10aを下端に固定した金属製のホルダー10bを備える。弾性部材10aは、略正方形の平板状ラバー部品で、下面が略正方形の吸着面11である。吸着面11は、平坦面仕上げされている。吸着面11の縦横サイズは、図8(A)の鎖線で示す矩形の接合用フィルム1の縦横サイズと同程度に設定される。吸着面11の左右二箇所に、コレット10を上下に貫通する吸排気穴12が形成される。吸排気穴12の下端開口が、吸着面11の左右二箇所のエアー出入穴13となる。各エアー出入穴13は吸排気穴12を介して、コレット10に連結された図示しないエアー吸引系とエアー排気系と連通する。
【0005】
図8(A)の状態で吸排気穴12をエアー吸引系に連通させて、エアー出入穴13から外気を吸入させながら、吸着面11に接合用フィルム1を面接触させると、吸着面11とフィルム1の間に負圧が発生し、この負圧でフィルム1が吸着面11に密着して保持される。コレット10に保持されたフィルム1は、図9(A)〜(C)に示すようにリードフレームなどの基板2の平坦な被マウント面3にコレット10の弾性部材10aで弾圧的に押圧されてマウントされる。
【0006】
図9(A)は、基板2の真上にコレット10でフィルム1を移動させた状態を示す。この状態でコレット10が真下に下降して、図9(B)に示すようにフィルム1を予熱された基板2上の対応する被マウント面3に押し当てる。このとき、コレット10の吸着面11と被マウント面3の双方が平行でなくても、双方の面を互いに押し当てるときに弾性部材10aが弾性変形して結果的に双方の面が平行になり、薄いフィルム1が平行出し良く被マウント面3に押圧され、基板2の予熱で貼付される。図9(B)の状態で、各吸排気穴12がエアー吸引系からエアー排気系に切り換えられ、エアー出入穴13からフィルム1に向けてエアーが吹き出される。このエアー吹出しで吸着面11とフィルム1の間が負圧から正圧に切り換わり、負圧によるフィルム吸着力が解除される。この後、図9(C)に示すようにコレット10がフィルム1から離れて上昇し、1回のフィルムマウント動作が終了する。
【特許文献1】特開2000−323504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のようにラバー部品の弾性部材10aで吸着面11を形成したコレット10は、薄い樹脂製フィルム1を負圧で吸着したときに、平坦な吸着面11がフィルム吸着力で変形しない程度に弾性部材10aのラバー硬度が設定してある。また、平坦な吸着面11に部分的に形成されたエアー出入穴13を真空吸引して吸着面11に薄いフィルム1を吸着させると、フィルム1のエアー出入穴13に面部分がエアー出入穴13に負圧で吸い込まれて、図9(A)に示すようにフィルム1の下面に部分的な凹み4が生じる。この凹み4は、エアー出入穴13でのエアー吸入を止めて負圧を大気圧の平圧に戻すと、フィルム自体の弾性復元で無くなる。ところが、上述のフィルムマウントの場合、図9(A)の状態にあるフィルム1を吸着面11に負圧で吸着したまま、フィルム1の下面を被マウント面3に押し当てるため、フィルム下面の凹み4が永久変形した形で残り、凹み4と被マウント面3の間に小さな隙間が生じる。この隙間は、エアー出入穴13でのエアー吹出しによる正圧でフィルム1の凹み部分を押圧することで縮小できるが、隙間が周囲に拡がって微細なボイドとしてフィルム1と被マウント面3の間に発生し、図9(C)のフィルムマウント終了後にも無くならず残留し、フィルム1のマウント不良を引き起こすことがある。
【0008】
本発明の目的とするところは、薄い接合用フィルムを負圧で吸着してフィルムに部分的な凹みが生じても、基板などの平坦な被マウント面にボイドを残留させることなくマウントできるフィルムマウント用コレットと、このコレットを使用したフィルムマウント方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のフィルムマウント用コレットは、平坦な吸着面と、吸着面の中央部を除く周辺部の複数箇所に形成したエアー出入穴と、吸着面の複数のエアー出入穴のそれぞれと吸着面の外周縁との間に吸着面中央部に対して放射状に形成され、それぞれが対応するエアー出入穴と吸着面外周縁外方との間でエアーをリークさせる複数の独立したリーク溝を有する構造とし、吸着面の中央部とリーク溝を除く周辺部に吸着対象のフィルムを密着させ、複数の各エアー出入穴でのエアー吸入により発生する負圧で吸着する。
【0010】
ここで、コレットの平坦な吸着面はラバーなどの弾性素材で形成することが、吸着面に吸着したフィルムを基板などの平坦な被マウント面にマウントする際に吸着面と被マウント面の平行出しが確実にできる上で望ましい。また、コレットの吸着面は、被マウント面と平行出しが容易にできる場合は、樹脂や金属の硬質素材で形成することもできる。平坦な吸着面の中央部を除く周辺部に、複数のエアー出入穴を形成する。換言すると、吸着面の中央部にはエアー出入穴を形成せず、この中央部を平坦な吸着面としてフィルムの中央部が確実に密着されるようにする。複数のエアー出入穴は、同一穴径の円形穴、矩形穴、長穴が適用でき、数と形状は限定されない。吸着面の中央部と、吸着面の周辺部のリーク溝を除く部分が面一な平坦面となり、この平坦面にフィルムが密着して吸着され、このときにフィルムとリーク溝の間に隙間が形成される。この隙間は、両端がエアー出入穴と吸着面外周縁外方に開口したトンネル状のリーク穴となる。エアー出入穴を真空吸引でエアー吸入させると、リーク溝とフィルムの間のトンネル状の隙間を吸着面外周縁外方の外気がエアー出入穴に向けて内方にリークする。この内方のエアーリークで、エアー出入穴におけるフィルム吸着力が緩和され、フィルムの部分的な変形が抑制される。また、吸着面でフィルムを平坦な被マウント面に押し付けた状態で、エアー出入穴からエアーを吹き出すと、リーク溝とフィルムの間のトンネル状の隙間をエアー出入穴から吸着面外周縁に向けて外方にリークする。この外方のエアーリークで吸着面のリーク溝のところで変形していたフィルムの変形部分が、外方に向けて順に元の平坦な形状に修正され、フィルム変形部分と被マウント面の間に残留していたボイドがフィルム外周縁外へと押し出される。
【0011】
上記コレットの吸着面に部分的に形成するリーク溝は、エアー出入穴から吸着面の外周縁に向け幅が拡がる略扇形に形成することができる。このようにリーク溝をエアー出入穴から吸着面の外周縁に向け末広がり状の略扇形にすることで、エアー出入穴からの外方エアーリークでボイドを押し出すときに、ボイドが末広がりの隙間を移動するためにボイド押し出しがスムーズに確実性良くできる。
【0012】
また、本発明のフィルムマウント方法は、上記コレットの吸着面で吸着対象のフィルムを吸着して平坦な被マウント面に押圧するフィルムマウント方法で、吸着面の中央部と周辺部のリーク溝を除く平坦面にフィルムを密着させて複数の各エアー出入穴でのエアー吸入により発生する負圧で吸着するフィルム吸着工程と、吸着面の中央部でフィルム中央部を被マウント面に押圧して密着させ、複数の各エアー出入穴から吹き出したエアーをリーク溝とフィルム間の隙間を吸着面外周縁外方に向けリークさせてフィルム周辺部を被マウント面に密着させるマウント工程を特徴とする。
【0013】
ここでのフィルム吸着工程は、吸着面の中央部でフィルム中央部を積極的に密着させることで行われる。このようにすることで、吸着面とフィルムの双方の各中央部の間にボイドが発生し難くなり、仮にボイドが発生しても吸着面周辺部のエアー出入穴のエアー吸入で吸入されて無くなる。吸着面に吸着したフィルムを被マウント面に押し付けて、エアー出入穴からリーク溝とフィルム間の隙間で吸着面外周縁外方に向けエアーリークさせることで、フィルムの吸着面周辺部のリーク溝に面する部分で、リーク溝に向け負圧で吸引されて変形していた変形部分がリーク溝をリークするエアー圧に押されて平坦に修正され、被マウント面に密着する。このとき、フィルムの変形部分の修正がフィルム外周縁に向けて順に行われれ、フィルム変形部分と被マウント面の間に生じるボイドがフィルム外周縁外方へと順に追い出されるように移動して大気中に放出されるので、ボイドの残留が確実性良く低減される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コレットの吸着面で薄い接合用フィルムを負圧で吸引吸着すると、吸着面の平坦面である中央部にフィルムの中央部が積極的に密着され、この状態でフィルムが平坦な被マウント面に押し付けられてマウントされるので、フィルムの中央部と被マウント面の間でボイドが発生し難くなり、かつ、フィルムの周辺部と被マウント面の間で発生したボイドは吸着面周辺部のリーク溝を外方に向けリークするエアー圧によるフィルムの形状修正の作用で確実性良く追い出される。その結果、コレットでフィルムを平坦な被マウント面に残留ボイドの発生を少なくして、常に良好なフィルムマウントが実行できる。また、被マウント面にマウントした接合用フィルム上に半導体チップをマウントして半導体装置を製造する設備においては、被マウント面とフィルム間の残留ボイドによる品質劣化の問題発生が軽減されて、半導体装置製造設備の歩留まり向上が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図6と図7を参照して説明する。
【0016】
図1(A)(B)に示すコレット20は、天然ゴムや合成ゴムのラバー部品である弾性部材20aと、弾性部材20aを下端面に固定した金属製のホルダー20bを備える。弾性部材20aは、略正方形の平板状ラバー部品で、下面が略正方形の吸着面21である。吸着面21は、平坦面仕上げされた矩形面で、四辺の外周縁22を有する。矩形の吸着面21の中央部mを除く周辺部nの複数例えば4箇所に同一穴径のエアー出入穴23が形成される。また、吸着面21の周辺部nに、4箇所の各エアー出入穴23から外周縁22に向けて放射状に延在する凹面状のリーク溝24を有する。
【0017】
4箇所のエアー出入穴23は、図1(B)に示すように矩形の吸着面21の四外周縁22の各中央からほぼ等距離に設置される。各エアー出入穴23は、弾性部材20aを厚さ方向に貫通する吸排気穴25の下端開口である。各エアー出入穴23に連通する吸排気穴25は、ホルダー20bに形成された吸排気穴26を介して、後述するエアー吸引系31またはエアー排気系32にエアー切換弁(図示せず)を介して連結される。吸着面21の周辺部nの4箇所のエアー出入穴23と対応する四辺の外周縁22との間にリーク溝24が形成される。任意の1箇所のエアー出入穴23と、この出入穴23から最も近い一辺の外周縁22の中央部分との間に1つのリーク溝24が形成される。それぞれのリーク溝24の内方端がエアー出入穴23で開口し、外方端が外周縁22で開口する。4箇所の各リーク溝24は、対向する両内壁面が平行な平行溝形状であってもよいが、図2(B)に示すように、エアー出入穴23から外周縁22に向け幅が拡がる末広がり的な略扇形に形成する。吸着面21の中央部mと、周辺部nの4箇所のリーク溝24を部分が、面一で連続する平坦面にしてある。この平坦な吸着面21に、後述するように接合用フィルム1が密着して吸着され、平坦な吸着面21で吸着したフィルム1を被マウント面3に押し付けてマウントする。
【0018】
以上のコレット20によるフィルム吸着着動作を図2及び図3を参照し、フィルムマウント動作を図3〜図6を参照して説明する。
【0019】
図2と図3は共に接合用フィルム1を吸着面21で吸着したときのものである。図2のように、吸排気穴25をエアー吸引系31に連通させて、エアー出入穴23から外気を吸入させながら、コレット20をフィルム支持台35に近づけて、吸着面21に接合用フィルム1を面接触させると、吸着面21とフィルム1の間に負圧が発生し、この負圧でフィルム1が吸着面21に密着して保持される(フィルム吸着工程)。このとき、吸着面21の中央部mは周辺部nと面一の平坦面であるので、この中央部mにフィルム1の中央部が密着し、フィルム中央部は変形せず平坦なままである。また、吸着面21の周辺部nの4箇所に形成されたリーク溝24とフィルム1との間にトンネル状の隙間gが形成され、この隙間gに外気がエアー出入穴23に向けて内方にリークする。この内方のエアーリークで隙間gに負圧が発生し、この負圧でフィルム1がリーク溝24に向けて凸波形に変形した変形部分1’が生じる。各エアー出入穴23でのエアー吸入を継続させたまま、コレット20を、図3に示すように、基板2上の被マウント面3の真上に移動させる。
【0020】
上記フィルム吸着工程において、リーク溝24での内方のエアーリークでフィルム1を吸着する負圧が緩和され、その分、フィルム1の変形部分1’の変形量が軽減される。また、エアー出入穴23のエアー吸入と隙間gでの内方へのエアーリークによる負圧でフィルム1を吸引吸着するので、小さなエアー吸引力でフィルム1の吸引吸着ができ、フィルム1の変形部分1’の変形量が尚一層に軽減できる。
【0021】
図3に示すコレット20を基板2に向けて下降させ、吸着面21に吸着されたフィルム1を平坦な被マウント面3に押し付ける。吸着面21の中央部mに密着したフィルム中央部が被マウント面3に積極的に押圧され、両者間にボイドが発生せず、発生してもエアー出入穴23へと吸引される。吸着面21でフィルム1を予熱された被マウント面3に押圧した状態で、図4に示すようにエアー出入穴23をエアー排気系32に切り換え、エアー出入穴23からエアーを吹き出し、フィルム1を被マウント面3に貼り付ける(マウント工程)。
【0022】
エアー出入穴23からフィルム1に向けてエアーを吹き出すと、エアーはリーク溝24とフィルム1の間の隙間gを吸着面外周縁22の外方へとリークする。この外方にリークするエアーは、図4の矢印で示すようにフィルム1の上面から変形部分1’の上面を流れ、変形部分1’を正圧のエアー圧で押し付けて、元の平坦面に形状修正する。この形状修正は、図5に示すように変形部分1’の内方端から外方端に向けて順に行われ、変形部分1’と被マウント面3の間に生じていた空洞が内方端から外方端に向け順に無くなり、変形部分1’と被マウント面3の間に生じていたボイドが外に順に追い出されるように移動して、最終的に吸着面外周縁22から外に排出される。このボイド排出の時点で、図6に示すように変形部分1’が平坦になり、被マウント面3に密着する。リーク溝24の形状を末広がり的な略扇形にすることで、変形部分1’の内方端から外方端への形状修正により追い出されるボイドは、幅狭な領域から幅広な領域へと追い出されることになるので、ボイド追い出しが途中で止まることなく円滑にして確実に行われる。ボイド追い出しが終了し、フィルム1の全面が被マウント面3に密着したところで、図6に示すようにコレット20が上昇してフィルム1から離脱し、1回のフィルムマウントが終了する。
【0023】
次に、他の実施の形態を図7(A)、(B)に示す。同図のコレット20は、矩形の吸着面21の四コーナー部に1つずつリーク溝24を形成している。この場合の4箇所のエアー出入穴23は、矩形の吸着面21の対角線上に中心を有する円形穴であり、各々の中心は吸着面21の中心点に対して点対称の4箇所にある。各エアー出入穴23から吸着面21のコーナー部の直交二辺の外周縁22,22に向けて末広がり的にリーク溝24が略扇形に形成される。
【0024】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(A)は本発明の実施の形態を示すコレットの部分断面を含む正面図、(B)は下面図である。
【図2】図1のコレットのフィルム吸着時の部分断面を含む部分拡大正面図である。
【図3】図1のコレットのフィルム吸着時の他の部分断面を含む部分拡大正面図である。
【図4】図1のコレットのフィルムマウント時の部分断面を含む正面図である。
【図5】図1のコレットのフィルムマウント時の部分断面を含む正面図である。
【図6】図1のコレットのフィルムマウント後の部分断面を含む正面図である。
【図7】(A)は本発明の他の実施の形態を示すコレットの部分断面を含む正面図、(B)は下面図である。
【図8】(A)は従来のコレットの部分断面を含む正面図、(B)は下面図である。
【図9】(A)は図8のコレットのフィルム吸着時の正面図、(B)はフィルムマウント時の正面図、(C)はマウント後の正面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 フィルム
1’ 変形部分
3 被マウント面
20 コレット
20a 弾性部材
21 吸着面
m 中央部
n 周辺部
22 吸着面外周縁
23 エアー出入穴
24 リーク溝
25 吸排気穴
31 エアー吸引系
32 エアー排気系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦な吸着面と、前記吸着面の中央部を除く周辺部の複数箇所に形成したエアー出入穴と、前記吸着面の前記複数のエアー出入穴のそれぞれと吸着面の外周縁との間に形成され、それぞれが対応する前記エアー出入穴と吸着面外周縁外方との間でエアーをリークさせる複数の独立したリーク溝を有し、
前記吸着面に吸着対象のフィルムを密着させて前記複数の各エアー出入穴でのエアー吸入により発生する負圧で吸着することを特徴とするフィルムマウント用コレット。
【請求項2】
前記複数の各リーク溝を、前記エアー出入穴から前記吸着面の外周縁に向け幅が拡がる略扇形に形成したことを特徴とする請求項1に記載のフィルムマウント用コレット。
【請求項3】
平坦な吸着面と、この吸着面の中央部を除く周辺部の複数箇所に形成したエアー出入穴と、前記吸着面の前記複数のエアー出入穴のそれぞれと吸着面の外周縁との間に形成され、それぞれが対応する前記エアー出入穴と吸着面外周縁外方との間でエアーをリークさせる複数の独立したリーク溝を有するフィルムマウント用コレットの前記吸着面で吸着対象のフィルムを吸着して平坦な被マウント面に押圧するフィルムマウント方法で、
前記吸着面の中央部と前記リーク溝を除く周辺部に前記フィルムを密着させて前記複数の各エアー出入穴でのエアー吸入により発生する負圧で吸着するフィルム吸着工程と、前記吸着面の中央部で前記フィルム中央部を前記被マウント面に押圧して密着させ、前記複数の各エアー出入穴から吹き出したエアーを前記リーク溝とフィルム間の隙間で吸着面外周縁外方に向けリークさせてフィルム周辺部を被マウント面に密着させるマウント工程を有することを特徴とするフィルムマウント方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−294608(P2007−294608A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119552(P2006−119552)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000110859)キヤノンマシナリー株式会社 (179)
【Fターム(参考)】