説明

フレキシブルダクトの製造方法

【課題】 樹脂材料からなる内張り材の、芯材を挟み込んだ重畳部分の接合工程における調整作業を容易化し、かつ、接合部分の品質を安定して向上させることのできるフレキシブルダクトの製造方法を提供する。
【解決手段】 帯状の樹脂材料2と芯材1とを、帯状の樹脂材料2の両縁部が互いに重畳するよう、かつ、その重畳部分に芯材1が挟み込まれるようにマンドレル12に対して所要の捩れ角のもとに巻き付けながら、その外周側から帯状の樹脂材料2の重畳部分に超音波振動子15を押しつけることにより、重畳部分を超音波溶着する。帯状の樹脂材料2の接合工程に接着剤を不要とし、環境条件の変化等に伴う調整作業を容易化し、接合部分の品質を安定して向上させることを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空調用等に用いられる円形断面のフレキシブルダクトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
円形断面の空調用フレキシブルダクトとして、従来、図11(A)に部分切欠図を、同図(B)に拡大軸平行断面図をそれぞれ示すように、形状保持用の芯材1を螺旋状に巻回するとともに、その芯材1の内外両側から、例えばポリエステル系不織布などの帯状の樹脂材料からなる内張り材2により覆い、その外周にグラスウール等の保温材3を配し、更にその外周を外装ジャケット4で覆った構造のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このようなフレキシブルダクトは、従来、主として以下に示す方法によって製造されている。すなわち、帯状の内張り材2をその両縁部が重畳するようにマンドレルに巻き付けていくと同時に、その重畳部分に挟み込まれるように芯材1を供給する。帯状の内張り材2をマンドレルに巻き付けるに際しては、その直前において重畳部分に対応する領域にホットメルトや他の接着剤を滴下供給することによって、帯状の内張り材2の重畳部分を相互に接着させ、これにより芯材1と帯状の内張り材2とからなる管状体が得られる。次に、その管状体の周囲に保温材3を配した後、その外周を外装ジャケット4で覆う。
【0004】
ここで、外装ジャケット4の材質としては、塩化ビニルなどの樹脂チューブが用いられるほか、用途によってはアルミ箔が用いられる場合がある。これらの外装ジャケットは、上記した芯材1と内張り材2とからなる管状体とは別にチューブ状に製造される。すなわち、塩化ビニル等の樹脂チューブは押出成形により製造したものを、また、アルミ箔を用いる場合には、長い短冊状の箔体の両側縁部を重ね合わせるように丸め、その重ね合わせた部分を接着剤で接着してチューブ状としたものを用いる。
また、以上のような保温材や外装ジャケットを備えた空調用のフレキシブルダクトのほか、これらの保温材や外装ジャケットを有さないフレキシブルダクトが知られている。すなわち、上記した内張り材と芯材とからなる管状体と同等の構造を持ち、その外周に保温材や外装ジャケットを設けない構造のフレキシブルダクトであり、この場合、帯状の樹脂材料としては塩化ビニル樹脂テープやポリエチレンテレフタレート樹脂テープなどが用いられる。
【特許文献1】特開2004−347181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、以上のようなフレキシブルダクトの製造工程において、管状体の製造に当たって接着剤を用いて、帯状の内張り材2を芯材1を挟み込んだ状態で接着して内装部材としての管状体を製造する従来の製造方法によると、接着剤が気候等によってその溶融状態や接着後の性能にバラツキが多く、製造工程における調整作業が面倒であるばかりでなく、製造後の品質としてもその接着部分の安定性に欠けるという問題があり、更に、接着剤のコストも高いという問題もある。この接着剤を用いた接着工程における問題は、アルミ箔製の外装ジャケットを用いる場合にアルミ箔をチューブ状に接着する場合においても生じる。更に、同じ問題は、塩化ビニル樹脂テープやポリエチレンテレフタレート樹脂テープと芯材とからなるフレキシブルダクトの製造工程にも生じる。
【0006】
本発明はこのよう実情に鑑みてなされたもので、樹脂材料からなる内張り材の重畳部分の接合工程、あるいはアルミ箔製の外装ジャケットの接合工程、更には塩化ビニル樹脂テープやポリエチレンテレフタレート樹脂テープの頂上部分の接合工程における調整作業を容易化することができ、しかもその接合部分の品質を安定して向上させることができ、更には従来の製造方法に比してトータルコストを低下させることのできるフレキシブルダクトの製造方法の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のフレキシブルダクトの製造方法は、形状を保持するための芯材と帯状の樹脂材料を螺旋状に巻回してなる管状体の周囲に保温材を配し、更にその外周を外装ジャケットで被覆してなる円形断面のフレキシブルダクトの製造方法であって、上記管状体の製造に際し、上記帯状の樹脂材料と芯材とを、帯状の樹脂材料の両縁部が互いに重畳するように、かつ、その重畳部分に上記芯材が挟み込まれるようにマンドレルに対して所要の捩じれ角のもとに巻き付けていくとともに、その外周側から、上記帯状の樹脂材料重畳部分に超音波振動子を押しつけ、その重畳部分を超音波溶着することによって特徴づけられる(請求項1)。
【0008】
ここで、本発明においては、上記超音波振動子に、上記芯材を跨ぐための凹部が形成されたものを用い、芯材の両側で上記樹脂材料の重畳部分を超音波溶着する構成(請求項2)、あるいは、上記樹脂材料の重畳部分に、上記芯材を跨ぐための凹部が形成された第1の超音波振動子を押しつけるとともに、その第1の超音波振動子に対して上記マンドレルの径方向にずらせた位置に当該第1の超音波振動子の凹部よりも幅の広い凹部が形成された第2の超音波振動子を押しつけることにより、上記重畳部分の両縁部近傍を超音波溶着する構成(請求項3)、更には、上記樹脂材料の重畳部分のうち、上記芯材を挟んだ両側の各領域に対して、上記マンドレルの径方向に互いにずらせた位置にそれぞれ超音波振動子をそれぞれ押しつける構成(請求項4)のいずれをも採用することができる。
【0009】
また、請求項5に係る発明は、上記と同様のフレキシブルダクトで、外装ジャケットとしてアルミ箔を用いるフレキシブルダクトの製造方法であって、上記外装ジャケットを製造するに当たり、帯状のアルミ箔の両面に樹脂層をラミネートしてなる帯状複合材を用い、その帯状複合材を、当該帯状複合材の両縁部が互いに重畳するようにマンドレルに対して所要の捩れ角のもとに巻き付けていくとともに、その外周側から、上記帯状複合材の頂上部分に超音波振動子を押しつけ、その重畳部分を超音波溶着して筒状のアルミ箔製外装ジャケットを得て、その筒状のアルミ箔製外装ジャケットを上記管状体の外周を覆った保温材の外周に装着することによって特徴づけられる。
【0010】
また、請求項6に係る発明は、形状を保持するための芯材と帯状の樹脂材料を螺旋状に巻回してなるフレキシブルダクトの製造方法であって、帯状の樹脂材料をその両縁部が互いに重畳するように、かつ、その重畳部分に上記芯材が挟み込まれるようにマンドレルに対して所要の捩れ角のもとに巻き付けていくとともに、その外周側から、上記帯状の樹脂材料の頂上部分に超音波振動子を押しつけ、その重畳部分を超音波溶着することによって特徴づけられる。
【0011】
請求項1〜4に係る発明は、帯状の樹脂材料からなる内張り材と芯材によって構成されるダクトの内装皮としての管状体の製造工程から、接着剤による接着工程をなくし、課題を解決しようとするものである。
【0012】
帯状の樹脂材料の両縁部を芯材を挟み込んで互いに重畳するようにマンドレルに対して螺旋状に巻回していきながら、その重畳部分に超音波振動子を押しつけると、その重畳部分を超音波溶着できることが判明した。すなわち、この超音波振動子の押しつけ力は、樹脂の材料にもよるが数十kgにも及ぶのであるが、超音波振動子が振動しているが故に、マンドレルと超音波振動子の間に挟み込まれた帯状の樹脂材料に送りをかけても切断等することなく、スムーズに送られつつ確実に溶着することが確認された。しかも、超音波溶着工程の条件は気候等の環境条件に殆ど影響を受けることなく、溶着強度等の品質についても極めて安定していることが確かめられた。
【0013】
ここで、芯材を挟み込んだ状態で重畳している帯状の樹脂材料の重畳部分を超音波溶着するに当たっては、請求項2に係る発明のように、芯材を跨ぐ凹部を形成した超音波振動子を用い、芯材の両側において樹脂材料の重畳部分を溶着することが好ましく、また、請求項3に係る発明のように、マンドレルの径方向に互いにずれた位置に第1と第2の超音波振動子を配置して、第2の超音波振動子には第1の超音波振動子よりも幅の広い凹部を形成して、その第2の超音波振動子により重畳部分の両縁部近傍を溶着することにより、つまり第1と第2の超音波振動子により重畳部分の芯材近傍と両縁部近傍とを分担的に超音波溶着することによって、より一層安定して確実に所要部分を溶着することができる。
【0014】
更に、同じくマンドレルの径方向に互いにずれた位置に2つの超音波振動子を配置し、これらの各超音波振動子によって芯材を挟んでその両側の重畳部分を分担的に超音波溶着しても、上記と同様に確実に所要部分の溶着が可能である。
【0015】
一方、請求項5に係る発明は、上記の手法を外装ジャケットの製造工程にも適用しようとするものであり、アルミ箔製の外装ジャケットについて、アルミ箔の両面に樹脂層をラミネートした帯状複合材を両縁部が互いに重畳するようにマンドレルに対して螺旋状に巻回していきながら、その重畳部分に超音波振動子を押しつけることにより、帯状複合材の樹脂層を相互に溶着させてチューブ状のアルミ箔製外装ジャケットを得る。この方法により製造されたアルミ箔製の外装ジャケットは、接着剤を用いないが故に、製造時において気候等の環境条件に影響を受けることなく、安定して高品質の外装ジャケットを得ることができる。
【0016】
請求項6に係る発明も、上記した手法を、保温材並びに外装ジャケットを有さないフレキシブルダクトの製造方法に応用したものであって、塩化ビニル樹脂テープやポリエチレンテレフタレート樹脂テープ等の帯状の樹脂材料の両縁部が互いに重畳するように、芯材を挟み込みつつマンドレルに対して螺旋状に巻回していき、その重畳部分に超音波振動子を押しつけることによって、重畳部分を相互に超音波溶着するものであり、接着剤を用いないが故に、製造時における気候等の環境条件に影響を受けることなく、安定して高品質のフレキシブルダクトが得られる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1〜4に係る発明によれば、芯材を挟んで重畳した内張り材の接合工程の調整作業を容易化することができ、しかもその接合部分の強度等の品質を安定して向上させることができる。
【0018】
また、請求項5に係る発明によれば、アルミ箔製の外装ジャケットの接合工程の調整作業を容易化することができ、しかもその接合部分の強度等の品質を安定して向上させることができる。
【0019】
更に、請求項6に係る発明によれば、芯材を挟んで重畳した帯状樹脂材料の接合工程の調整作業を容易化することができ、しかもその接合部分の強度等の品質を安定して向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は芯材と内張り材とからなる管状体の製造装置の正面図であり、図2はその平面図、図3は同じくその右側面図である。
【0021】
芯材1はテンション付与機構11aを含む複数のプーリからなる芯材供給機構11を介してマンドレル12に供給される。一方、帯状の樹脂材料2は、テンション付与機構を備えたリール13aを含む樹脂材料供給機構13を介してマンドレル12に供給される。
【0022】
マンドレル12は、図4にその拡大平面図を示すように、複数のロール12aの両端部を互いに対向して固定されたフレーム12b,12cに対してそれぞれ同じ捩れ角をもって独立的に回転自在に支持した構造を有し、各ロール12aの一端に固定されているプーリ12dには、モータ14に固定されているプーリ14aとの間にベルトが掛け回され、モータ14の駆動により各ロール12aが同じ向きに同じ回転数のもとに回転するようになっている。各ロール12aには、その表面に一定のピッチで複数の平行な溝12eが形成されており、各ロール12aをそれぞれ捩れ角をもって回転自在に支持した構造によって、全体としてのマンドレル12の表面に螺旋溝が形成されることになる。従って、モータ14を駆動することにより、マンドレル12は全体としてその表面の溝12eが回転することになる。
【0023】
芯材1は、マンドレル12の溝12eに嵌まり込むように、マンドレル12の回転に同期して供給され、また、帯状の樹脂材料2は、これと同じ速度で芯材1の外側に供給される。帯状の樹脂材料2の幅寸法は、溝12eのピッチよりも広く、従って、図5に要部斜視図を示すように、マンドレル12の表面には、その溝12eの形成位置において帯状の樹脂材料2が互いに重畳し、かつ、その間に芯材1が挟み込まれた状態で溝12e内に嵌まり込んだ状態で、マンドレル12に対して螺旋状に巻回されていく。
【0024】
そして、その帯状の樹脂材料2の重畳部分に、超音波振動子15がマンドレル12の外側から押しつけられている。具体的には、マンドレル12を構成する複数のロール12aのうちの特定の1本のロール12aに対してその法線方向に超音波振動子15が押しつけられている。なお、この超音波振動子15は、調整機構16によってマンドレル12に対する姿勢を調整することができ、また、前後移動機構17によって前後方向に移動させることができる。
【0025】
超音波振動子15の先端部は、図6に断面図を示すように、マンドレル12のロール12aの溝12eに嵌まり込んでいる芯材1を跨ぐための凹部15aが形成されており、その凹部15aの両側において帯状の樹脂材料2の重畳部分を押圧し、その重畳部分を相互に超音波溶着する。その条件を例示すると、帯状の樹脂材料2がポリエステル系不織布の場合、出力600Wの超音波振動子15を、10〜50kgの押圧力のもとに押しつけつつ、帯状の樹脂材料2の20〜100m/minの速度で供給して、安定して超音波溶着することができた。なお、この条件は一例であり、特に限定されるものではなく、また、材料によっても適宜に変更される。
【0026】
以上の実施の形態によれば、帯状の樹脂材料2の重畳部分の接合に接着剤を用いて接着する従来の製造方法に比して、気候等の環境条件の影響を殆ど受けることなく、従って環境条件に応じた調整が不要であり、しかも、接合強度等の品質についても、接着剤により接着した従来のものに比して、接合強度等の品質が安定して向上する。
【0027】
ここで、以上の実施の形態においては、帯状の樹脂材料2の重畳部分を1つの超音波振動子15によって超音波溶着した例を示したが、2つの超音波振動子を用いて重畳部分を溶着することもできる。その場合、図7(A)に示すように、2つの超音波振動子151,152をマンドレル12の径方向にずらせて配置し、第1の超音波振動子151は同図(B)に示すように、先の例と同等の大きさの凹部151aを形成して芯材1を跨ぎ、重畳部分のうちの芯材1の直近の両側を超音波溶着し、第2の超音波振動子152については、同図(C)に示すように、より大きな凹部152aを形成して、重畳部分の両縁部近傍を超音波溶着するように構成すると、帯状の樹脂材料2の重畳部分はその全域にわたってより確実に均一に溶着される。
【0028】
また、2つの超音波振動子を用いて帯状の樹脂材料2の重畳部分を超音波溶着する場合には、上記した図7(A)に示すような配置関係のもとに、図8(A)および(B)に示すように、個々の超音波振動子153,154により、螺旋溝12eに嵌まり込んでいる芯材1を挟んでその両側領域を超音波溶着することによっても、重畳部分を全域にわたって確実に均一に溶着することができる。
【0029】
次に、アルミ箔製の外装ジャケットの製造工程について述べる。この場合、図9に断面図を示すような3層構造の複合材料40を用いる。すなわち、アルミ箔41の両面にそれぞれ樹脂層42,43をラミネートした帯状複合材40を用いる。樹脂層42,43の材質としては、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル、ポリエチレン−ポリプロピレン重合体などを好適に用いることができ、アルミ箔41の厚さを5〜15μm、各樹脂層42,43はそれぞれ6〜24μm程度としたものを好適に用いることができる。
【0030】
そして、このような帯状複合材40を、図10に要部斜視図を示すように、先の例と同等のマンドレル120、つまり複数のロール120aを同等の捩れ角のもとに捩じった状態で回転自在に支持してなるマンドレル120(ただし溝は不要)に供給して、両側縁部が重畳するように螺旋状に巻回していく。そして、そのマンドレル120の外側から、帯状複合材40の重畳部分に対して超音波振動子150を押しつける。これにより、帯状複合材40はその重畳部分において表裏の樹脂層42と43とが相互に超音波溶着され、全体としてチューブ状のアルミ箔製外装ジャケットが得られる。このようにして得られたアルミ箔製外装ジャケットは、短冊状のアルミ箔の両縁部を重ね合わせるように丸めて接着する従来のアルミ箔製の外装ジャケットに比して、その製造工程が気候等の環境条件に影響を受けることなく、従って環境条件に応じて調整する作業を必要とすることなく、また得られた製品も接合部の強度等の品質が安定したものとなる。
【0031】
また、保温材や外装ジャケットを有さず、芯材と塩化ビニル樹脂テープやポリエチレンテレフタレート樹脂テープのみによって形成されたフレキシブルダクトの製造に際しても、前記した実施の形態における管状体と同等の製造方法によって製造することができる。この場合、帯状の樹脂材料としては塩化ビニル樹脂テープやポリエチレンテレフタレート樹脂テープを用い、図5に示した方法と全く同じ方法によりフレキシブルダクトを製造することができる。
【0032】
なお、以上の各実施の形態において、マンドレルをはじめとする各部の構造等については、上記した例に限られることなく、他の構造を採用し得ることは勿論であり、また、フレキシブルダクトを構成する各部材の材質等についても、適宜に選択し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を適用した芯材と内張り材とからなる管状体の製造装置の実施の形態の正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】図1におけるマンドレル12の拡大平面図である。
【図5】図1におけるマンドレル12に芯材1と帯状の樹脂材料2を巻回して超音波振動子15を押しつけている状態を示す要部斜視図である。
【図6】図1における超音波振動子15の先端部の形状を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態の説明図で、(A)は2つの超音波振動子の配置例の説明図であり、(B)および(C)はその各超音波振動子の先端部の形状を示す断面図である。
【図8】本発明の更に他の実施の形態の説明図であり、(A)および(B)はこの実施の形態に用いられる各超音波振動子の先端部の形状を示す断面図である。
【図9】本発明によりアルミ箔製の外装ジャケットを製造する場合に用いられる帯状複合材の構造を示す模式的断面図である。
【図10】図9の帯地状複合材を用いてアルミ箔製の外装ジャケットを製造する装置の要部構成を示す斜視図である。
【図11】空調用フレキシブルダクトの構造例の説明図で、(A)は部分切欠図で、(B)は拡大軸平行断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 芯材
2 帯状の樹脂材料
3 保温材
4 外装ジャケット
11 芯材供給機構
12,120 マンドレル
12a,120a ロール
12b,c フレーム
12e 螺旋溝
13 樹脂材料供給機構
15,150,151,152,153,154 超音波振動子
40 帯状複合材
41 アルミ箔
42,43 樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状を保持するための芯材と帯状の樹脂材料を螺旋状に巻回してなる管状体の周囲に保温材を配し、更にその外周を外装ジャケットで被覆してなる円形断面のフレキシブルダクトの製造方法であって、
上記管状体の製造に際し、上記帯状の樹脂材料と芯材とを、帯状の樹脂材料の両縁部が互いに重畳するように、かつ、その重畳部分に上記芯材が挟み込まれるようにマンドレルに対して所要の捩じれ角のもとに巻き付けていくとともに、その外周側から、上記帯状の樹脂材料重畳部分に超音波振動子を押しつけ、その重畳部分を超音波溶着することを特徴とするフレキシブルダクトの製造方法。
【請求項2】
上記超音波振動子に、上記芯材を跨ぐための凹部が形成されたものを用い、芯材の両側で上記樹脂材料の重畳部分を超音波溶着することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルダクトの製造方法。
【請求項3】
上記樹脂材料の重畳部分に、上記芯材を跨ぐための凹部が形成された第1の超音波振動子を押しつけるとともに、その第1の超音波振動子に対して上記マンドレルの径方向にずらせた位置に当該第1の超音波振動子の凹部よりも幅の広い凹部が形成された第2の超音波振動子を押しつけることにより、上記重畳部分の両縁部近傍を超音波溶着することを特徴する請求項1に記載のフレキシブルダクトの製造方法。
【請求項4】
上記樹脂材料の重畳部分のうち、上記芯材を挟んだ両側の各領域に対して、上記マンドレルの径方向に互いにずらせた位置にそれぞれ超音波振動子をそれぞれ押しつけることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルダクトの製造方法。
【請求項5】
形状を保持するための芯材と帯状の樹脂材料を螺旋状に巻回してなる管状体の周囲に保温材を配し、更にその外周をアルミ箔製の外装ジャケットで被覆してなる円形断面のフレキシブルダクトの製造方法であって、
上記外装ジャケットを製造するに当たり、帯状のアルミ箔の両面に樹脂層をラミネートしてなる帯状複合材を用い、その帯状複合材を、当該帯状複合材の両縁部が互いに重畳するようにマンドレルに対して所要の捩れ角のもとに巻き付けていくとともに、その外周側から、上記帯状複合材の重畳部分に超音波振動子を押しつけ、その重畳部分を超音波溶着して筒状のアルミ箔製外装ジャケットを得て、その筒状のアルミ箔製外装ジャケットを上記管状体の外周を覆った保温材の外周に装着することを特徴とするフレキシブルダクトの製造方法。
【請求項6】
形状を保持するための芯材と帯状の樹脂材料を螺旋状に巻回してなるフレキシブルダクトの製造方法であって、
帯状の樹脂材料の両縁部が互いに重畳するように、かつ、その重畳部分に上記芯材が挟み込まれるようにマンドレルに対して所要の捩じれ角のもとに巻き付けていくとともに、その外周側から、上記帯状の樹脂材料の重畳部分に超音波振動子を押しつけ、その重畳部分を超音波溶着することを特徴とするフレキシブルダクトの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−248045(P2006−248045A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67869(P2005−67869)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(391038202)アライ実業株式会社 (1)
【出願人】(504468609)
【Fターム(参考)】