ブラシレスモータ
【課題】 コギングトルクを低減することにより騒音や振動の発生を抑制することが可能なブラシレスモータを提供する。
【解決手段】 ステータユニット30にバックヨーク80を有すると共に、バックヨーク80にステータコイル70が巻回された突極82を備えたアキシャルギャップタイプのブラシレスモータ10において、突極82は、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づくと共に、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかるように山形に形成されている。これにより、ロータマグネット24とバックヨーク80との間に作用する吸引・反発力が徐々に増減するようになるので、コギングトルクが低減され、騒音や振動が発生することを抑制することが可能となる。
【解決手段】 ステータユニット30にバックヨーク80を有すると共に、バックヨーク80にステータコイル70が巻回された突極82を備えたアキシャルギャップタイプのブラシレスモータ10において、突極82は、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づくと共に、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかるように山形に形成されている。これにより、ロータマグネット24とバックヨーク80との間に作用する吸引・反発力が徐々に増減するようになるので、コギングトルクが低減され、騒音や振動が発生することを抑制することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシレスモータに係り、特に、ロータマグネットとモータ回転軸方向に対向するように複数の突極がステータコアに形成されたアキシャルギャップタイプのブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ロータとステータとがモータ回転軸方向に対向するように配置された所謂アキシャルギャップタイプのブラシレスモータが知られている。この種のブラシレスモータのなかには、ステータにステータコアを有すると共に、このステータコアのモータ回転軸周りにステータコイルが巻回された突極を複数備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のブラシレスモータにおけるステータコアの構成について、図12,図13を参照しながら簡単に説明すると、従来のブラシレスモータに備えられたステータコア180では、図12(a),図12(b)に示すように、突極182をモータ回転方向Rに沿って切断したときの突極182の断面形状が矩形状となっていた。
【0004】
また、図13(a),図13(b)に示すように、従来のブラシレスモータのなかには、突極282のロータマグネット224側が、ステータコイル270の空芯部272よりもロータマグネット224側に突出すると共に、ステータコイル270におけるロータマグネット224側の端面270aの一部を覆うように構成されているものがある。このとき、突極282のステータコイル270の空芯部272よりもロータマグネット224側に突出した端部282aの断面形状は、突極282をモータ回転方向Rに沿って切断したときに矩形状となっていた。
【特許文献1】実開平6−70476号公報(図1,図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図12で示される従来技術では、突極182の断面形状が矩形状となっているため、図12(b)に示すように、ロータマグネット124とステータコア180とのギャップが大きい場所(符号P1で示す場所)と、ギャップの小さい場所(符号P2で示す場所)とが交互に存在する。
【0006】
そして、ステータコイル170が通電されることによりロータ120が回転しているときには、ロータマグネット124の各磁極において、ステータコア180とのギャップが小さい状態と大きい状態とが急激に切り替わるように繰り返されることになる。
【0007】
このとき、ロータマグネット124とステータコア180とのギャップが大きいときには、ロータマグネット124とステータコア180との間の磁束密度が低くなり、ロータマグネット124とステータコア180とのギャップが小さいときには、ロータマグネット124とステータコア180との間の磁束密度が高くなる。
【0008】
従って、ステータコイル170が通電されることによりロータ120が回転しているときには、ロータマグネット124の各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが急激に切り替わるように繰り返されることになるため、ロータマグネット124とステータコア180との間に作用する吸引・反発力も急激に増減するようになる。
【0009】
このように、ロータマグネット124とステータコア180との間に作用する吸引・反発力が急激に増減し、磁気エネルギーが急激に変化するようになると、コギングトルク(回転角度によるトルク変動)が増大し、騒音や振動が大きくなるという問題が生じる。
【0010】
同様に、図13で示される従来技術においても、突極282のステータコイル270の空芯部272よりもロータマグネット224側に突出した端部282aの断面形状が矩形状となっているため、ロータ220が回転しているときには、ロータマグネット224の各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが急激に切り替わるように繰り返される。
【0011】
これにより、上記と同様に、ロータマグネット224とステータコア280との間に作用する吸引・反発力が急激に増減し、磁気エネルギーが急激に変化するようになるため、コギングトルクが増大し、騒音や振動が大きくなるという問題が生じる。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、特殊な構成を用いることなく簡易な構成でコギングトルクを低減することにより騒音や振動の発生を抑制することが可能なブラシレスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のブラシレスモータは、モータ回転軸の周りに複数の磁極が形成されたロータマグネットを有するロータと、前記ロータマグネットとモータ回転軸方向に対向するように形成された突極をモータ回転軸の周りに複数備えたステータコアを有すると共に、前記各突極にステータコイルが巻回されたステータと、を備えたブラシレスモータにおいて、前記突極の前記ロータマグネット側は、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットに近づくと共に、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットから遠ざかるように山形に形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
このように、請求項1に記載のブラシレスモータによれば、突極のロータマグネット側が、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々にロータマグネットに近づくと共に、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々にロータマグネットから遠ざかるように山形に形成されているので、ステータコイルが通電されることによりロータが回転しているときには、ロータマグネットの各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが徐々に切り替わるようになる。
【0015】
従って、ロータマグネットとステータコアとの間に作用する吸引・反発力も徐々に増減するようになり、磁気エネルギーの変化が緩やかなものとなる。これにより、コギングトルクを低減することができるので、騒音や振動が発生することを抑制することが可能となる。
【0016】
このとき、請求項2に記載のブラスレスモータのように、より好適には、突極のロータマグネット側のモータ回転方向先端側が、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々にロータマグネットに近づく平面状又は曲面状の傾斜面で構成され、突極のロータマグネット側のモータ回転方向後端側が、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々にロータマグネットから遠ざかる平面状又は曲面状の傾斜面で構成される。
【0017】
このように構成されていると、ステータコイルが通電されることによりロータが回転しているときには、ロータマグネットの各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが徐々に切り替わることをより確実なものとすることができる。
【0018】
また、請求項3に記載のブラシレスモータのように、さらに好適には、突極のロータマグネット側のモータ回転方向中央側に、ロータマグネットのステータ側の端面と平行となるように平面状の頂上面が形成され、この頂上面が、モータ径方向内側から外側に向かうに従って徐々に幅広となるように形成される。
【0019】
つまり、ロータとステータとがモータ回転軸方向に対向するように配置されたブラシレスモータでは、モータ径方向内側よりも外側の方が突極上をロータマグネットの磁極が通過する速度が速い(距離が長い)ので、請求項3に記載のブラシレスモータのように、突極の頂上面がモータ径方向内側から外側に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されていると、モータ径方向内側と外側とで、ロータマグネットの磁極が突極の頂上面を通過するタイミングを合わせることができる。これにより、コギングトルクをより安定して低減することが可能となる。
【0020】
なお、請求項4に記載のブラシレスモータのように、突極のロータマグネット側が、ステータコイルの空芯部の内側に位置するように構成されていても良い。
【0021】
このように構成されていると、突極のロータマグネット側への突出量を抑えることができるので、ロータマグネットとステータコアとのギャップを小さくすることができる。これにより、ロータマグネットとステータコアとの間の磁束密度を高めることができ、モータトルクを向上させることが可能となる。
【0022】
また、請求項5に記載のブラシレスモータのように、突極の前記ロータマグネット側が、ステータコイルの空芯部よりもロータマグネット側に突出し、且つ、ステータコイルにおけるロータマグネット側の端面の一部を覆うように構成されていても良い。
【0023】
このように構成されていると、ステータコイルの空芯部よりもロータマグネット側に突出すると共に、ステータコイルにおけるロータマグネット側の端面の一部を覆うように構成された突極のロータマグネット側で、ロータマグネットの磁束をステータコイル側に取り込むことができる。これにより、ロータマグネットとステータコアとの間の磁束密度を高めることができ、モータトルクを向上させることが可能となる。
【0024】
さらに、請求項6に記載のブラシレスモータのように、ステータは、複数のステータコイルの端末部を結線する結線端子ユニットを備えると共に、結線端子ユニットと複数のステータコイルとステータコアが樹脂部材で一体的にモールド成形されることによりユニット化されていても良い。
【0025】
このように構成されていると、ブラシレスモータの組み立て作業時に、結線端子ユニットと複数のステータコイルとステータコアがユニット化されたステータをモータ本体に容易に組み付けることが可能となる。
【0026】
また、請求項7に記載のブラシレスモータのように、ステータには、モールド成形により外部取付ステーが樹脂部材で一体的に形成されていても良い。
【0027】
このように構成されていると、結線端子ユニットと複数のステータコイルとステータコアを樹脂部材で一体的にモールド成形してステータを形成するときに、ステータに外部取付ステーが同時に形成されるので、外部取付ステーを別途成形することを不要にすることができる。これにより、従来に比して製造工数を削減できると共に、部品点数が増加することを防止することができるので製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0029】
はじめに、本発明の一実施形態に係るブラシレスモータの構成について説明する。
本発明の一実施形態に係るブラシレスモータ10は、例えば、乗用自動車等のラジエータを冷却するためのブラシレスファンモータ装置に好適に適用されるものであり、図1に示すように、ロータ20と、ステータとしてのステータユニット30と、回路ユニット40と、バックフレーム50を有して構成されている。
【0030】
ロータ20は、円盤状に構成されたロータヨーク22を備えており、ロータヨーク22のステータユニット30側の平面部22aには、環状のロータマグネット24が固定されている。このロータマグネット24には、モータ回転軸Lの周りにN極とS極とが交互に形成(例えば、8極形成)されている。
【0031】
ロータヨーク22の中央部には、環状のシャフト支持部22bが形成されており、このシャフト支持部22bには、回転シャフト26が嵌合されている。回転シャフト26は、後述するステータユニット30に設けられた軸受部材32によって回転自在に支持されており、この回転シャフト26の先端部には、ネジなどの固着具によって不図示のファンが固定されるようになっている。
【0032】
ステータユニット30は、図1、図2に示すように、結線端子ユニット60と、ステータコイル70と、ステータコアとしてのバックヨーク80を有して構成されている。本実施形態のステータユニット30は、予めモールド成形された結線端子ユニット60と、ステータコイル70およびバックヨーク80とがさらにモールド成形されることによって一体化されたものであり、所定の形状に構成されている。
【0033】
つまり、このモールド成形されたステータユニット30の構成について説明すると、ステータユニット30のモータ回転軸L上には、回転シャフト26を挿通するための孔部30aが形成されており、この孔部30aの周囲には、モータ回転軸L方向に離間する二箇所の位置に軸受部材32を支持するための軸受支持部30bが形成されている。
【0034】
また、図2に示すように、ステータユニット30のモータ径方向外側の部分でステータコイル70の境界近傍位置には、モータ径方向に延びる外部取付ステー30cが形成されている。この外部取付ステー30cは、ステータユニット30をモールド成形したときに樹脂部材で一体的に形成されたものである。
【0035】
さらに、図1に示すように、ステータユニット30のロータ20側には、このロータ20と面対向するように結線端子ユニット60が配置されており、結線端子ユニット60のモータ回転軸L周りには、ロータマグネット24とモータ回転軸L方向に対向するように複数のステータコイル70が設けられている。本実施形態のステータコイル70は、結線端子ユニット60によりY字状に結線されており、結線端子ユニット60には、バックヨーク80が一体に連結されている。
【0036】
本実施形態の結線端子ユニット60は、図3に示すように、結線端子フレーム62(バスバー)をモールド成形することによって、結線端子フレーム62と樹脂部材とが一体化された概略円盤状の部材である。図3はステータユニット30にモールド成形される前の段階の結線端子ユニット60の構成を示す図である。図3に示すように、結線端子ユニット60の中央部には、モータ回転軸方向に貫通する孔部60aが形成されており、孔部60aの周囲に形成された内側環状成形部60bには、結線端子フレーム62がモールド成形されている。
【0037】
この結線端子ユニット60に用いる結線端子フレーム62は、U相フレーム62u、V相フレーム62v、W相フレーム62wと、コモンフレーム62cと、を有して構成されている。U相フレーム62u、V相フレーム62v、W相フレーム62w、コモンフレーム62cのそれぞれは、細長の導電性平板部材をモータ回転軸を中心として円弧状に曲げることにより形成されたものである。
【0038】
そして、U相フレーム62u、V相フレーム62v、W相フレーム62wのそれぞれには、U相、V相、W相の各相のステータコイル70(図2参照)の端末部と接続するための結線端子64が形成されている。また、コモンフレーム62cには、U相、V相、W相のステータコイル70の中性点となる端末部をそれぞれ接続するための結線端子66が形成されている。
【0039】
結線端子ユニット60に形成された内側環状成形部60bの径方向外側で且つ各結線端子64,66が位置する樹脂成形部分には、板厚方向に貫通する複数の切欠部60cが形成されている。本実施形態では、このように結線端子ユニット60の樹脂成形部分に切欠部60cを設けることにより、内側環状成形部60bから径方向外側へ向けて結線端子64,66がそれぞれ突出し、この結線端子64,66とステータコイル70の端末部とを切欠部60cを介してスポット溶接等によりそれぞれ接続することができるようになっている。
【0040】
結線端子ユニット60の内側環状成形部60bよりも径方向外側に形成された外側環状成形部60dには、ステータコイル70を固定するための複数のステータコイル固定部60eが形成されている。さらに、ステータコイル固定部60eの内側には、板厚方向に貫通する突極挿通部60fが形成されており、本実施形態では、この突極挿通部60fに、後に詳述するバックヨーク80の突極82を挿通することができるようになっている。また、ステータコイル固定部60eとステータコイル固定部60eとの間には、ステータコイル70のうち隣接するステータコイル同士が接触しないように、絶縁壁60gが設けられている。
【0041】
図4(a)に示すように、バックヨーク80のモータ回転軸L周りには、ロータマグネット24とモータ回転軸L方向に対向するように複数の突極82(本実施形態では8個)が形成されている。この突極82には、結線端子ユニット60のステータコイル固定部60eを介してステータコイル70が巻回されている(図2,図3参照)。
【0042】
ここで、本実施形態のバックヨーク80の構成を図4(b)を参照しながら説明すると、突極82のロータマグネット24側は、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づくと共に、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかるように山形に形成されている
【0043】
つまり、突極82のモータ回転方向先端側(Rf側)には、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づく平面状の第一傾斜面84が形成されており、突極82のモータ回転方向後端側(Rr側)には、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかる平面状の第二傾斜面86が形成されている。
【0044】
さらに、突極82のロータマグネット24側のモータ回転方向中央側(Rc側)には、ロータマグネット24のステータユニット30側の端面24aと平行となるように平面状の頂上面88が形成されている。この頂上面88は、図4(a)に示すように、モータ径方向内側(Xi側)から外側(Xo側)に向かうに従って徐々に幅広(この場合の幅は頂上面88のモータ回転方向Rの長さを示す)となるように形成されている。
【0045】
また、本実施形態では、図4(b)に示すように、突極82にステータコイル70を巻回したときに、突極82のロータマグネット24側に形成された頂上面88が、ステータコイル70の空芯部72の内側に位置するようになっている。
【0046】
回路ユニット40は、図1に示すように、ヒートシンク42と回路基板44とを有して構成されている。ヒートシンク42は、ステータユニット30のロータ20と反対側の位置に配置されており、回路基板44は、ヒートシンク42のステータユニット30と反対側に設けられている。回路基板44には、ドライバIC44aやその他の電子部品が配設されており、このドライバIC44aは、配線部材44bによって結線端子ユニット60に配線接続されている。そして、この回路ユニット40のステータユニット30と反対側は、バックフレーム50によって覆われている。
【0047】
次に、上記構成からなるブラシレスモータの作用について説明する。
【0048】
本発明の一実施形態に係るブラシレスモータ10によれば、突極82のロータマグネット24側が、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づくと共に、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかるように山形に形成されているので、ステータコイル70が通電されることによりロータ20が回転しているときには、ロータマグネット24の各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが徐々に切り替わるようになる。
【0049】
従って、ロータマグネット24とバックヨーク80との間に作用する吸引・反発力も徐々に増減するようになり、磁気エネルギーの変化が緩やかなものとなる。これにより、コギングトルクを低減することができるので、騒音や振動が発生することを抑制することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、突極82モータ回転方向先端側(Rf側)に、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づく平面状の第一傾斜面84が形成され、突極82のモータ回転方向後端側(Rr側)に、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかる平面状の第二傾斜面86が形成されている。
【0051】
このように構成されていると、ステータコイル70が通電されることによりロータ20が回転しているときには、ロータマグネット24の各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが徐々に切り替わることをより確実なものとすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、突極82のロータマグネット24側のモータ回転方向中央側(Rc側)に、ロータマグネット24のステータユニット30側の端面24aと平行となるように平面状の頂上面88が形成され、この頂上面88が、モータ径方向内側(Xi側)から外側(Xo側)に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されている。
【0053】
つまり、本実施形態のように、ロータ20とステータユニット30とがモータ回転軸L方向に対向するように配置されたブラシレスモータ10では、モータ径方向内側(Xi側)よりも外側(Xo側)の方が突極82上をロータマグネット24の磁極が通過する速度が速くなる(距離が長い)。このとき、本実施形態のように、突極82の頂上面88がモータ径方向内側(Xi側)から外側(Xo側)に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されていると、モータ径方向内側(Xi側)と外側(Xo側)とで、ロータマグネット24の磁極が突極82の頂上面88を通過するタイミングを合わせることができる。これにより、コギングトルクをより安定して低減することが可能となる。
【0054】
さらに、本実施形態のように、突極82のロータマグネット24側が、ステータコイル70の空芯部72の内側に位置するように構成されていると、突極82のロータマグネット24側への突出量を抑えることができるので、ロータマグネット24とバックヨーク80とのギャップを小さくすることができる。これにより、ロータマグネット24とバックヨーク80との間の磁束密度を高めることができ、モータトルクを向上させることが可能となる。
【0055】
また、本実施形態では、結線端子ユニット60と、複数のステータコイル70と、バックヨーク80をモールド成形することによってステータユニット30を単一ユニット化しているので、これにより、ブラシレスモータの組み立て作業時に、結線端子ユニット60と複数のステータコイル70とバックヨーク80が散けてしまうことを防止することができる。従って、ステータユニット30をモータ本体に容易に組み付けることが可能である。
【0056】
さらに、本実施形態では、結線端子ユニット60と複数のステータコイル70とバックヨーク80を樹脂部材で一体的にモールド成形してステータユニット30を形成するときに、ステータユニット30に外部取付ステー30cが同時に形成されるので、外部取付ステー30cを別途成形することを不要にすることができる。これにより、従来に比して製造工数を削減できると共に、部品点数が増加することを防止することができるので製造コストを低減することができる。
【0057】
また、本実施形態では、結線端子フレーム62をモールド成形することにより結線端子ユニット60を形成しているので、結線端子フレーム62の形状および位置を樹脂部材で固定することができる。これにより、ブラシレスモータ10の組み立て作業時に、結線端子ユニット60の取り扱いを容易にすることができる。
【0058】
さらに、本実施形態では、図2に示すように、外部取付ステー30cをステータユニット30における複数のステータコイル70の境目近傍位置に形成するようにしているので、外部取付ステー30cの形成位置で樹脂が合流すること無く外部取付ステー30cを成形することができる。従って、外部取付ステー30cの概観を良好にすることができると共に、外部取付ステー30cの強度も確保できる。
【0059】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように変形することができる。
(1)上記実施形態では、突極82に形成された第一傾斜面84及び第二傾斜面86がそれぞれ平面状に形成されていたが、図5に示すように、第一傾斜面84及び第二傾斜面86が凸曲面状に形成されていても良い。また、第一傾斜面84及び第二傾斜面86は、凹曲面状に形成されていても良い。さらに、第一傾斜面84及び第二傾斜面86の一方を平面状とし、他方を曲面状としても良い。
【0060】
(2)上記実施形態では、突極82のロータマグネット24側のモータ回転方向中央側に形成された頂上面88が、モータ径方向内側から外側に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されていたが、図6に示すように、頂上面88の幅(この場合の幅は頂上面88のモータ回転方向Rの長さを示す)は、モータ径方向内側(Xi側)から外側(Xo側)に向かうに従って一定となるように形成されていても良い。
【0061】
(3)上記実施形態では、突極82が、ロータマグネット24側のモータ回転方向中央側(Rc側)に頂上面88を有する構成であったが、図7に示すように、突極82は、曲面状の第一傾斜面84と曲面状の第二傾斜面86とが山形に連続するように構成されたものであっても良い。
【0062】
(4)また、突極82は、図8に示すように、ピラミッド状(三角錐状)に形成されていても良い。
【0063】
(5)上記実施形態では、突極82の頂上面88が突極82のモータ径方向内側(Xi側)端から外側(Xo側)端へ向けて延びるように形成されていたが、図9に示すように、突極82は、四角錐状に構成され、突極82の頂上面88は、モータ径方向Xにおける中間部分に形成されたものであっても良い。
【0064】
(6)上記実施形態では、突極82の第一傾斜面84及び第二傾斜面86がバックヨーク80の上端面80aと連続するように構成されていたが、図10に示すように、突極82の第一傾斜面84及び第二傾斜面86は、バックヨーク80の上端面80aに垂直面80bを介して形成されていても良い。
【0065】
つまり、突極82のロータマグネット24側のモータ回転方向先端側(Rf側)およびモータ回転方向後端側(Rr側)を面取り状にしても良い。このように、突極82の全体が山形でなくロータマグネット24側の端部82aが山形に形成されていても良い。このようにすると、突極82に直接的にステータコイル70を巻回する場合に、垂直面80bにステータコイル70を巻回することが可能となる。
【0066】
(7)上記実施形態では、突極82のロータマグネット24側が、ステータコイル70の空芯部72の内側に位置するように形成されていたが、図11に示すように、突極82のロータマグネット24側が、ステータコイル70の空芯部72よりもロータマグネット24側に突出し、且つ、ステータコイル70におけるロータマグネット24側の端面70aの一部を覆うように傘状に構成されていても良い。
【0067】
このように構成されていると、上述のように傘状に構成された突極82のロータマグネット24側の端部82aで、ロータマグネット24の磁束をステータコイル70側に取り込むことができる。これにより、ロータマグネット24とバックヨーク80との間の磁束密度を高めることができ、モータトルクを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るブラシレスモータの構成を示す図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態に係るステータの構成を示す図である。
【図3】図3は本発明の一実施形態に係る結線端子ユニットの構成を示す図である。
【図4】図4(a)は本発明の一実施形態に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図4(b)はA−A線断面図である。
【図5】図5(a)は第一変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図5(b)はB−B線断面図である。
【図6】図6(a)は第二変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図6(b)はC−C線断面図である。
【図7】図7(a)は第三変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図7(b)はD−D線断面図である。
【図8】図8(a)は第四変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図8(b)はE−E線断面図である。
【図9】図9(a)は第五変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図9(b)はF−F線断面図である。
【図10】図10(a)は第六変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図10(b)はG−G線断面図である。
【図11】図11(a)は第七変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図11(b)はH−H線断面図である。
【図12】図12(a)は従来例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図12(b)はI−I線断面図である。
【図13】図13(a)は従来例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図13(b)はJ−J線断面図である。
【符号の説明】
【0069】
10…ブラシレスモータ、20…ロータ、22…ロータヨーク、22a…平面部、22b…シャフト支持部、24…ロータマグネット、24a…端面、26…回転シャフト、30…ステータユニット(ステータ)、30a…孔部、30b…軸受支持部、30c…外部取付ステー、32…軸受部材、40…回路ユニット、42…ヒートシンク、44…回路基板、44a…ドライバIC、44b…配線部材、50…バックフレーム、60…結線端子ユニット、60a…孔部、60b…内側環状成形部、60c…切欠部、60d…外側環状成形部、60e…ステータコイル固定部、60f…突極挿通部、60g…絶縁壁、62…結線端子フレーム、62c…コモンフレーム、62u…U相フレーム、62v…V相フレーム、62w…W相フレーム、64,66…結線端子、70…ステータコイル、70a…端面、72…空芯部、80…バックヨーク(ステータコア)、80a…上端面、82…突極、82a…端部、84…第一傾斜面(傾斜面)、86…第二傾斜面(傾斜面)、88…頂上面
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシレスモータに係り、特に、ロータマグネットとモータ回転軸方向に対向するように複数の突極がステータコアに形成されたアキシャルギャップタイプのブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ロータとステータとがモータ回転軸方向に対向するように配置された所謂アキシャルギャップタイプのブラシレスモータが知られている。この種のブラシレスモータのなかには、ステータにステータコアを有すると共に、このステータコアのモータ回転軸周りにステータコイルが巻回された突極を複数備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のブラシレスモータにおけるステータコアの構成について、図12,図13を参照しながら簡単に説明すると、従来のブラシレスモータに備えられたステータコア180では、図12(a),図12(b)に示すように、突極182をモータ回転方向Rに沿って切断したときの突極182の断面形状が矩形状となっていた。
【0004】
また、図13(a),図13(b)に示すように、従来のブラシレスモータのなかには、突極282のロータマグネット224側が、ステータコイル270の空芯部272よりもロータマグネット224側に突出すると共に、ステータコイル270におけるロータマグネット224側の端面270aの一部を覆うように構成されているものがある。このとき、突極282のステータコイル270の空芯部272よりもロータマグネット224側に突出した端部282aの断面形状は、突極282をモータ回転方向Rに沿って切断したときに矩形状となっていた。
【特許文献1】実開平6−70476号公報(図1,図9)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図12で示される従来技術では、突極182の断面形状が矩形状となっているため、図12(b)に示すように、ロータマグネット124とステータコア180とのギャップが大きい場所(符号P1で示す場所)と、ギャップの小さい場所(符号P2で示す場所)とが交互に存在する。
【0006】
そして、ステータコイル170が通電されることによりロータ120が回転しているときには、ロータマグネット124の各磁極において、ステータコア180とのギャップが小さい状態と大きい状態とが急激に切り替わるように繰り返されることになる。
【0007】
このとき、ロータマグネット124とステータコア180とのギャップが大きいときには、ロータマグネット124とステータコア180との間の磁束密度が低くなり、ロータマグネット124とステータコア180とのギャップが小さいときには、ロータマグネット124とステータコア180との間の磁束密度が高くなる。
【0008】
従って、ステータコイル170が通電されることによりロータ120が回転しているときには、ロータマグネット124の各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが急激に切り替わるように繰り返されることになるため、ロータマグネット124とステータコア180との間に作用する吸引・反発力も急激に増減するようになる。
【0009】
このように、ロータマグネット124とステータコア180との間に作用する吸引・反発力が急激に増減し、磁気エネルギーが急激に変化するようになると、コギングトルク(回転角度によるトルク変動)が増大し、騒音や振動が大きくなるという問題が生じる。
【0010】
同様に、図13で示される従来技術においても、突極282のステータコイル270の空芯部272よりもロータマグネット224側に突出した端部282aの断面形状が矩形状となっているため、ロータ220が回転しているときには、ロータマグネット224の各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが急激に切り替わるように繰り返される。
【0011】
これにより、上記と同様に、ロータマグネット224とステータコア280との間に作用する吸引・反発力が急激に増減し、磁気エネルギーが急激に変化するようになるため、コギングトルクが増大し、騒音や振動が大きくなるという問題が生じる。
【0012】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、特殊な構成を用いることなく簡易な構成でコギングトルクを低減することにより騒音や振動の発生を抑制することが可能なブラシレスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のブラシレスモータは、モータ回転軸の周りに複数の磁極が形成されたロータマグネットを有するロータと、前記ロータマグネットとモータ回転軸方向に対向するように形成された突極をモータ回転軸の周りに複数備えたステータコアを有すると共に、前記各突極にステータコイルが巻回されたステータと、を備えたブラシレスモータにおいて、前記突極の前記ロータマグネット側は、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットに近づくと共に、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットから遠ざかるように山形に形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
このように、請求項1に記載のブラシレスモータによれば、突極のロータマグネット側が、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々にロータマグネットに近づくと共に、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々にロータマグネットから遠ざかるように山形に形成されているので、ステータコイルが通電されることによりロータが回転しているときには、ロータマグネットの各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが徐々に切り替わるようになる。
【0015】
従って、ロータマグネットとステータコアとの間に作用する吸引・反発力も徐々に増減するようになり、磁気エネルギーの変化が緩やかなものとなる。これにより、コギングトルクを低減することができるので、騒音や振動が発生することを抑制することが可能となる。
【0016】
このとき、請求項2に記載のブラスレスモータのように、より好適には、突極のロータマグネット側のモータ回転方向先端側が、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々にロータマグネットに近づく平面状又は曲面状の傾斜面で構成され、突極のロータマグネット側のモータ回転方向後端側が、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々にロータマグネットから遠ざかる平面状又は曲面状の傾斜面で構成される。
【0017】
このように構成されていると、ステータコイルが通電されることによりロータが回転しているときには、ロータマグネットの各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが徐々に切り替わることをより確実なものとすることができる。
【0018】
また、請求項3に記載のブラシレスモータのように、さらに好適には、突極のロータマグネット側のモータ回転方向中央側に、ロータマグネットのステータ側の端面と平行となるように平面状の頂上面が形成され、この頂上面が、モータ径方向内側から外側に向かうに従って徐々に幅広となるように形成される。
【0019】
つまり、ロータとステータとがモータ回転軸方向に対向するように配置されたブラシレスモータでは、モータ径方向内側よりも外側の方が突極上をロータマグネットの磁極が通過する速度が速い(距離が長い)ので、請求項3に記載のブラシレスモータのように、突極の頂上面がモータ径方向内側から外側に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されていると、モータ径方向内側と外側とで、ロータマグネットの磁極が突極の頂上面を通過するタイミングを合わせることができる。これにより、コギングトルクをより安定して低減することが可能となる。
【0020】
なお、請求項4に記載のブラシレスモータのように、突極のロータマグネット側が、ステータコイルの空芯部の内側に位置するように構成されていても良い。
【0021】
このように構成されていると、突極のロータマグネット側への突出量を抑えることができるので、ロータマグネットとステータコアとのギャップを小さくすることができる。これにより、ロータマグネットとステータコアとの間の磁束密度を高めることができ、モータトルクを向上させることが可能となる。
【0022】
また、請求項5に記載のブラシレスモータのように、突極の前記ロータマグネット側が、ステータコイルの空芯部よりもロータマグネット側に突出し、且つ、ステータコイルにおけるロータマグネット側の端面の一部を覆うように構成されていても良い。
【0023】
このように構成されていると、ステータコイルの空芯部よりもロータマグネット側に突出すると共に、ステータコイルにおけるロータマグネット側の端面の一部を覆うように構成された突極のロータマグネット側で、ロータマグネットの磁束をステータコイル側に取り込むことができる。これにより、ロータマグネットとステータコアとの間の磁束密度を高めることができ、モータトルクを向上させることが可能となる。
【0024】
さらに、請求項6に記載のブラシレスモータのように、ステータは、複数のステータコイルの端末部を結線する結線端子ユニットを備えると共に、結線端子ユニットと複数のステータコイルとステータコアが樹脂部材で一体的にモールド成形されることによりユニット化されていても良い。
【0025】
このように構成されていると、ブラシレスモータの組み立て作業時に、結線端子ユニットと複数のステータコイルとステータコアがユニット化されたステータをモータ本体に容易に組み付けることが可能となる。
【0026】
また、請求項7に記載のブラシレスモータのように、ステータには、モールド成形により外部取付ステーが樹脂部材で一体的に形成されていても良い。
【0027】
このように構成されていると、結線端子ユニットと複数のステータコイルとステータコアを樹脂部材で一体的にモールド成形してステータを形成するときに、ステータに外部取付ステーが同時に形成されるので、外部取付ステーを別途成形することを不要にすることができる。これにより、従来に比して製造工数を削減できると共に、部品点数が増加することを防止することができるので製造コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0029】
はじめに、本発明の一実施形態に係るブラシレスモータの構成について説明する。
本発明の一実施形態に係るブラシレスモータ10は、例えば、乗用自動車等のラジエータを冷却するためのブラシレスファンモータ装置に好適に適用されるものであり、図1に示すように、ロータ20と、ステータとしてのステータユニット30と、回路ユニット40と、バックフレーム50を有して構成されている。
【0030】
ロータ20は、円盤状に構成されたロータヨーク22を備えており、ロータヨーク22のステータユニット30側の平面部22aには、環状のロータマグネット24が固定されている。このロータマグネット24には、モータ回転軸Lの周りにN極とS極とが交互に形成(例えば、8極形成)されている。
【0031】
ロータヨーク22の中央部には、環状のシャフト支持部22bが形成されており、このシャフト支持部22bには、回転シャフト26が嵌合されている。回転シャフト26は、後述するステータユニット30に設けられた軸受部材32によって回転自在に支持されており、この回転シャフト26の先端部には、ネジなどの固着具によって不図示のファンが固定されるようになっている。
【0032】
ステータユニット30は、図1、図2に示すように、結線端子ユニット60と、ステータコイル70と、ステータコアとしてのバックヨーク80を有して構成されている。本実施形態のステータユニット30は、予めモールド成形された結線端子ユニット60と、ステータコイル70およびバックヨーク80とがさらにモールド成形されることによって一体化されたものであり、所定の形状に構成されている。
【0033】
つまり、このモールド成形されたステータユニット30の構成について説明すると、ステータユニット30のモータ回転軸L上には、回転シャフト26を挿通するための孔部30aが形成されており、この孔部30aの周囲には、モータ回転軸L方向に離間する二箇所の位置に軸受部材32を支持するための軸受支持部30bが形成されている。
【0034】
また、図2に示すように、ステータユニット30のモータ径方向外側の部分でステータコイル70の境界近傍位置には、モータ径方向に延びる外部取付ステー30cが形成されている。この外部取付ステー30cは、ステータユニット30をモールド成形したときに樹脂部材で一体的に形成されたものである。
【0035】
さらに、図1に示すように、ステータユニット30のロータ20側には、このロータ20と面対向するように結線端子ユニット60が配置されており、結線端子ユニット60のモータ回転軸L周りには、ロータマグネット24とモータ回転軸L方向に対向するように複数のステータコイル70が設けられている。本実施形態のステータコイル70は、結線端子ユニット60によりY字状に結線されており、結線端子ユニット60には、バックヨーク80が一体に連結されている。
【0036】
本実施形態の結線端子ユニット60は、図3に示すように、結線端子フレーム62(バスバー)をモールド成形することによって、結線端子フレーム62と樹脂部材とが一体化された概略円盤状の部材である。図3はステータユニット30にモールド成形される前の段階の結線端子ユニット60の構成を示す図である。図3に示すように、結線端子ユニット60の中央部には、モータ回転軸方向に貫通する孔部60aが形成されており、孔部60aの周囲に形成された内側環状成形部60bには、結線端子フレーム62がモールド成形されている。
【0037】
この結線端子ユニット60に用いる結線端子フレーム62は、U相フレーム62u、V相フレーム62v、W相フレーム62wと、コモンフレーム62cと、を有して構成されている。U相フレーム62u、V相フレーム62v、W相フレーム62w、コモンフレーム62cのそれぞれは、細長の導電性平板部材をモータ回転軸を中心として円弧状に曲げることにより形成されたものである。
【0038】
そして、U相フレーム62u、V相フレーム62v、W相フレーム62wのそれぞれには、U相、V相、W相の各相のステータコイル70(図2参照)の端末部と接続するための結線端子64が形成されている。また、コモンフレーム62cには、U相、V相、W相のステータコイル70の中性点となる端末部をそれぞれ接続するための結線端子66が形成されている。
【0039】
結線端子ユニット60に形成された内側環状成形部60bの径方向外側で且つ各結線端子64,66が位置する樹脂成形部分には、板厚方向に貫通する複数の切欠部60cが形成されている。本実施形態では、このように結線端子ユニット60の樹脂成形部分に切欠部60cを設けることにより、内側環状成形部60bから径方向外側へ向けて結線端子64,66がそれぞれ突出し、この結線端子64,66とステータコイル70の端末部とを切欠部60cを介してスポット溶接等によりそれぞれ接続することができるようになっている。
【0040】
結線端子ユニット60の内側環状成形部60bよりも径方向外側に形成された外側環状成形部60dには、ステータコイル70を固定するための複数のステータコイル固定部60eが形成されている。さらに、ステータコイル固定部60eの内側には、板厚方向に貫通する突極挿通部60fが形成されており、本実施形態では、この突極挿通部60fに、後に詳述するバックヨーク80の突極82を挿通することができるようになっている。また、ステータコイル固定部60eとステータコイル固定部60eとの間には、ステータコイル70のうち隣接するステータコイル同士が接触しないように、絶縁壁60gが設けられている。
【0041】
図4(a)に示すように、バックヨーク80のモータ回転軸L周りには、ロータマグネット24とモータ回転軸L方向に対向するように複数の突極82(本実施形態では8個)が形成されている。この突極82には、結線端子ユニット60のステータコイル固定部60eを介してステータコイル70が巻回されている(図2,図3参照)。
【0042】
ここで、本実施形態のバックヨーク80の構成を図4(b)を参照しながら説明すると、突極82のロータマグネット24側は、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づくと共に、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかるように山形に形成されている
【0043】
つまり、突極82のモータ回転方向先端側(Rf側)には、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づく平面状の第一傾斜面84が形成されており、突極82のモータ回転方向後端側(Rr側)には、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかる平面状の第二傾斜面86が形成されている。
【0044】
さらに、突極82のロータマグネット24側のモータ回転方向中央側(Rc側)には、ロータマグネット24のステータユニット30側の端面24aと平行となるように平面状の頂上面88が形成されている。この頂上面88は、図4(a)に示すように、モータ径方向内側(Xi側)から外側(Xo側)に向かうに従って徐々に幅広(この場合の幅は頂上面88のモータ回転方向Rの長さを示す)となるように形成されている。
【0045】
また、本実施形態では、図4(b)に示すように、突極82にステータコイル70を巻回したときに、突極82のロータマグネット24側に形成された頂上面88が、ステータコイル70の空芯部72の内側に位置するようになっている。
【0046】
回路ユニット40は、図1に示すように、ヒートシンク42と回路基板44とを有して構成されている。ヒートシンク42は、ステータユニット30のロータ20と反対側の位置に配置されており、回路基板44は、ヒートシンク42のステータユニット30と反対側に設けられている。回路基板44には、ドライバIC44aやその他の電子部品が配設されており、このドライバIC44aは、配線部材44bによって結線端子ユニット60に配線接続されている。そして、この回路ユニット40のステータユニット30と反対側は、バックフレーム50によって覆われている。
【0047】
次に、上記構成からなるブラシレスモータの作用について説明する。
【0048】
本発明の一実施形態に係るブラシレスモータ10によれば、突極82のロータマグネット24側が、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づくと共に、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかるように山形に形成されているので、ステータコイル70が通電されることによりロータ20が回転しているときには、ロータマグネット24の各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが徐々に切り替わるようになる。
【0049】
従って、ロータマグネット24とバックヨーク80との間に作用する吸引・反発力も徐々に増減するようになり、磁気エネルギーの変化が緩やかなものとなる。これにより、コギングトルクを低減することができるので、騒音や振動が発生することを抑制することが可能となる。
【0050】
また、本実施形態では、突極82モータ回転方向先端側(Rf側)に、モータ回転方向先端側(Rf側)からモータ回転方向中央側(Rc側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24に近づく平面状の第一傾斜面84が形成され、突極82のモータ回転方向後端側(Rr側)に、モータ回転方向中央側(Rc側)からモータ回転方向後端側(Rr側)に向かうに従って徐々にロータマグネット24から遠ざかる平面状の第二傾斜面86が形成されている。
【0051】
このように構成されていると、ステータコイル70が通電されることによりロータ20が回転しているときには、ロータマグネット24の各磁極において、磁束密度が低い状態と高い状態とが徐々に切り替わることをより確実なものとすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、突極82のロータマグネット24側のモータ回転方向中央側(Rc側)に、ロータマグネット24のステータユニット30側の端面24aと平行となるように平面状の頂上面88が形成され、この頂上面88が、モータ径方向内側(Xi側)から外側(Xo側)に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されている。
【0053】
つまり、本実施形態のように、ロータ20とステータユニット30とがモータ回転軸L方向に対向するように配置されたブラシレスモータ10では、モータ径方向内側(Xi側)よりも外側(Xo側)の方が突極82上をロータマグネット24の磁極が通過する速度が速くなる(距離が長い)。このとき、本実施形態のように、突極82の頂上面88がモータ径方向内側(Xi側)から外側(Xo側)に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されていると、モータ径方向内側(Xi側)と外側(Xo側)とで、ロータマグネット24の磁極が突極82の頂上面88を通過するタイミングを合わせることができる。これにより、コギングトルクをより安定して低減することが可能となる。
【0054】
さらに、本実施形態のように、突極82のロータマグネット24側が、ステータコイル70の空芯部72の内側に位置するように構成されていると、突極82のロータマグネット24側への突出量を抑えることができるので、ロータマグネット24とバックヨーク80とのギャップを小さくすることができる。これにより、ロータマグネット24とバックヨーク80との間の磁束密度を高めることができ、モータトルクを向上させることが可能となる。
【0055】
また、本実施形態では、結線端子ユニット60と、複数のステータコイル70と、バックヨーク80をモールド成形することによってステータユニット30を単一ユニット化しているので、これにより、ブラシレスモータの組み立て作業時に、結線端子ユニット60と複数のステータコイル70とバックヨーク80が散けてしまうことを防止することができる。従って、ステータユニット30をモータ本体に容易に組み付けることが可能である。
【0056】
さらに、本実施形態では、結線端子ユニット60と複数のステータコイル70とバックヨーク80を樹脂部材で一体的にモールド成形してステータユニット30を形成するときに、ステータユニット30に外部取付ステー30cが同時に形成されるので、外部取付ステー30cを別途成形することを不要にすることができる。これにより、従来に比して製造工数を削減できると共に、部品点数が増加することを防止することができるので製造コストを低減することができる。
【0057】
また、本実施形態では、結線端子フレーム62をモールド成形することにより結線端子ユニット60を形成しているので、結線端子フレーム62の形状および位置を樹脂部材で固定することができる。これにより、ブラシレスモータ10の組み立て作業時に、結線端子ユニット60の取り扱いを容易にすることができる。
【0058】
さらに、本実施形態では、図2に示すように、外部取付ステー30cをステータユニット30における複数のステータコイル70の境目近傍位置に形成するようにしているので、外部取付ステー30cの形成位置で樹脂が合流すること無く外部取付ステー30cを成形することができる。従って、外部取付ステー30cの概観を良好にすることができると共に、外部取付ステー30cの強度も確保できる。
【0059】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように変形することができる。
(1)上記実施形態では、突極82に形成された第一傾斜面84及び第二傾斜面86がそれぞれ平面状に形成されていたが、図5に示すように、第一傾斜面84及び第二傾斜面86が凸曲面状に形成されていても良い。また、第一傾斜面84及び第二傾斜面86は、凹曲面状に形成されていても良い。さらに、第一傾斜面84及び第二傾斜面86の一方を平面状とし、他方を曲面状としても良い。
【0060】
(2)上記実施形態では、突極82のロータマグネット24側のモータ回転方向中央側に形成された頂上面88が、モータ径方向内側から外側に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されていたが、図6に示すように、頂上面88の幅(この場合の幅は頂上面88のモータ回転方向Rの長さを示す)は、モータ径方向内側(Xi側)から外側(Xo側)に向かうに従って一定となるように形成されていても良い。
【0061】
(3)上記実施形態では、突極82が、ロータマグネット24側のモータ回転方向中央側(Rc側)に頂上面88を有する構成であったが、図7に示すように、突極82は、曲面状の第一傾斜面84と曲面状の第二傾斜面86とが山形に連続するように構成されたものであっても良い。
【0062】
(4)また、突極82は、図8に示すように、ピラミッド状(三角錐状)に形成されていても良い。
【0063】
(5)上記実施形態では、突極82の頂上面88が突極82のモータ径方向内側(Xi側)端から外側(Xo側)端へ向けて延びるように形成されていたが、図9に示すように、突極82は、四角錐状に構成され、突極82の頂上面88は、モータ径方向Xにおける中間部分に形成されたものであっても良い。
【0064】
(6)上記実施形態では、突極82の第一傾斜面84及び第二傾斜面86がバックヨーク80の上端面80aと連続するように構成されていたが、図10に示すように、突極82の第一傾斜面84及び第二傾斜面86は、バックヨーク80の上端面80aに垂直面80bを介して形成されていても良い。
【0065】
つまり、突極82のロータマグネット24側のモータ回転方向先端側(Rf側)およびモータ回転方向後端側(Rr側)を面取り状にしても良い。このように、突極82の全体が山形でなくロータマグネット24側の端部82aが山形に形成されていても良い。このようにすると、突極82に直接的にステータコイル70を巻回する場合に、垂直面80bにステータコイル70を巻回することが可能となる。
【0066】
(7)上記実施形態では、突極82のロータマグネット24側が、ステータコイル70の空芯部72の内側に位置するように形成されていたが、図11に示すように、突極82のロータマグネット24側が、ステータコイル70の空芯部72よりもロータマグネット24側に突出し、且つ、ステータコイル70におけるロータマグネット24側の端面70aの一部を覆うように傘状に構成されていても良い。
【0067】
このように構成されていると、上述のように傘状に構成された突極82のロータマグネット24側の端部82aで、ロータマグネット24の磁束をステータコイル70側に取り込むことができる。これにより、ロータマグネット24とバックヨーク80との間の磁束密度を高めることができ、モータトルクを向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係るブラシレスモータの構成を示す図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態に係るステータの構成を示す図である。
【図3】図3は本発明の一実施形態に係る結線端子ユニットの構成を示す図である。
【図4】図4(a)は本発明の一実施形態に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図4(b)はA−A線断面図である。
【図5】図5(a)は第一変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図5(b)はB−B線断面図である。
【図6】図6(a)は第二変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図6(b)はC−C線断面図である。
【図7】図7(a)は第三変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図7(b)はD−D線断面図である。
【図8】図8(a)は第四変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図8(b)はE−E線断面図である。
【図9】図9(a)は第五変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図9(b)はF−F線断面図である。
【図10】図10(a)は第六変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図10(b)はG−G線断面図である。
【図11】図11(a)は第七変形例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図11(b)はH−H線断面図である。
【図12】図12(a)は従来例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図12(b)はI−I線断面図である。
【図13】図13(a)は従来例に係るバックヨークの構成を示す斜視図、図13(b)はJ−J線断面図である。
【符号の説明】
【0069】
10…ブラシレスモータ、20…ロータ、22…ロータヨーク、22a…平面部、22b…シャフト支持部、24…ロータマグネット、24a…端面、26…回転シャフト、30…ステータユニット(ステータ)、30a…孔部、30b…軸受支持部、30c…外部取付ステー、32…軸受部材、40…回路ユニット、42…ヒートシンク、44…回路基板、44a…ドライバIC、44b…配線部材、50…バックフレーム、60…結線端子ユニット、60a…孔部、60b…内側環状成形部、60c…切欠部、60d…外側環状成形部、60e…ステータコイル固定部、60f…突極挿通部、60g…絶縁壁、62…結線端子フレーム、62c…コモンフレーム、62u…U相フレーム、62v…V相フレーム、62w…W相フレーム、64,66…結線端子、70…ステータコイル、70a…端面、72…空芯部、80…バックヨーク(ステータコア)、80a…上端面、82…突極、82a…端部、84…第一傾斜面(傾斜面)、86…第二傾斜面(傾斜面)、88…頂上面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ回転軸の周りに複数の磁極が形成されたロータマグネットを有するロータと、
前記ロータマグネットとモータ回転軸方向に対向するように形成された突極をモータ回転軸の周りに複数備えたステータコアを有すると共に、前記各突極にステータコイルが巻回されたステータと、を備えたブラシレスモータにおいて、
前記突極の前記ロータマグネット側は、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットに近づくと共に、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットから遠ざかるように山形に形成されていることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
前記突極の前記ロータマグネット側のモータ回転方向先端側は、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットに近づく平面状又は曲面状の傾斜面で構成され、
前記突極の前記ロータマグネット側のモータ回転方向後端側は、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットから遠ざかる平面状又は曲面状の傾斜面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
【請求項3】
前記突極の前記ロータマグネット側のモータ回転方向中央側には、前記ロータマグネットの前記ステータ側の端面と平行となるように平面状の頂上面が形成され、
前記頂上面は、モータ径方向内側から外側に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラシレスモータ。
【請求項4】
前記突極の前記ロータマグネット側は、前記ステータコイルの空芯部の内側に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。
【請求項5】
前記突極の前記ロータマグネット側は、前記ステータコイルの空芯部よりも前記ロータマグネット側に突出し、且つ、前記ステータコイルにおける前記ロータマグネット側の端面の一部を覆うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。
【請求項6】
前記ステータは、前記複数のステータコイルの端末部を結線する結線端子ユニットを備えると共に、前記結線端子ユニットと前記複数のステータコイルと前記ステータコアが樹脂部材で一体的にモールド成形されることによりユニット化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。
【請求項7】
前記ステータには、前記モールド成形により外部取付ステーが樹脂部材で一体的に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のブラシレスモータ。
【請求項1】
モータ回転軸の周りに複数の磁極が形成されたロータマグネットを有するロータと、
前記ロータマグネットとモータ回転軸方向に対向するように形成された突極をモータ回転軸の周りに複数備えたステータコアを有すると共に、前記各突極にステータコイルが巻回されたステータと、を備えたブラシレスモータにおいて、
前記突極の前記ロータマグネット側は、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットに近づくと共に、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットから遠ざかるように山形に形成されていることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
前記突極の前記ロータマグネット側のモータ回転方向先端側は、モータ回転方向先端側からモータ回転方向中央側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットに近づく平面状又は曲面状の傾斜面で構成され、
前記突極の前記ロータマグネット側のモータ回転方向後端側は、モータ回転方向中央側からモータ回転方向後端側に向かうに従って徐々に前記ロータマグネットから遠ざかる平面状又は曲面状の傾斜面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
【請求項3】
前記突極の前記ロータマグネット側のモータ回転方向中央側には、前記ロータマグネットの前記ステータ側の端面と平行となるように平面状の頂上面が形成され、
前記頂上面は、モータ径方向内側から外側に向かうに従って徐々に幅広となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラシレスモータ。
【請求項4】
前記突極の前記ロータマグネット側は、前記ステータコイルの空芯部の内側に位置することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。
【請求項5】
前記突極の前記ロータマグネット側は、前記ステータコイルの空芯部よりも前記ロータマグネット側に突出し、且つ、前記ステータコイルにおける前記ロータマグネット側の端面の一部を覆うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。
【請求項6】
前記ステータは、前記複数のステータコイルの端末部を結線する結線端子ユニットを備えると共に、前記結線端子ユニットと前記複数のステータコイルと前記ステータコアが樹脂部材で一体的にモールド成形されることによりユニット化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のブラシレスモータ。
【請求項7】
前記ステータには、前記モールド成形により外部取付ステーが樹脂部材で一体的に形成されていることを特徴とする請求項6に記載のブラシレスモータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−211753(P2006−211753A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17311(P2005−17311)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
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