説明

ブレーキ装置及び減速機構付モータ

【課題】ブレーキ解除状態を安定して維持することができるブレーキ装置及び減速機構付モータを提供する。
【解決手段】駆動側回転体31及びブレーキ部材33に形成されたカム部としての駆動側カム溝40及びブレーキ側カム溝41は、駆動側回転体31の回転に伴いブレーキ部材33を非係合位置に切り替えるべく該ブレーキ部材33にその作動力を付与する第1傾斜部40a,41aと、該第1傾斜部40a,41aと周方向に連続しブレーキ部材33とブレーキベースとの離間距離を一定に保つ保持部40b,41bと、該保持部40b,41bと反第1傾斜部側で周方向に連続するとともに該第1傾斜部40a,41aと同方向に傾斜する第2傾斜部40c,41cとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のウインドガラスを開閉するパワーウインド用の減速機構付モータに用いられるブレーキ装置及び減速機構付モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のブレーキ装置は、駆動軸に一体回転可能に設けられる駆動側回転体と、駆動軸と同軸配置された従動軸に一体回転可能に設けられる従動側回転体とを備えている。このようなブレーキ装置では、従動側回転体に一体回転可能に設けられるブレーキ部材を、その駆動軸側に配置されたブレーキベース部に対し付勢手段の付勢力を受けて当接させて回転方向に係合する係合位置、及びそのブレーキベース部に対し付勢手段の付勢力に抗して離間させて回転方向に非係合となる非係合位置の2位置間で移動可能に設けてなるブレーキ機構と、ブレーキ部材を前記2位置間で移動させるためのカム機構とを備えている。このカム機構は、例えば特許文献1に示すブレーキ装置では、駆動側回転体とブレーキ部材の双方に互いに対向するように形成されたカム溝と、それらカム溝の間に配置された転動体(ボール)とからなり、該カム溝はその周方向中央部が最も深く、そこから周方向端部に向かうにつれて徐々に浅くなる傾斜形状をなしている。
【0003】
このようなブレーキ装置において、駆動軸側から回転入力がなされていない状態では、カム機構の転動体はカム溝の周方向中央に位置しており、ブレーキ部材がブレーキベース部との係合位置に維持される。従って、このとき従動軸側から回転入力しようとしても、ブレーキ部材がブレーキベース部と回転方向に係合するため、従動側回転体及び従動軸の回転が規制されるようになっている。一方、駆動軸側から回転入力されると、転動体は駆動側回転体の回転に伴いカム溝の周方向端部に向かってその傾斜面に沿って相対的に移動するとともにカム溝から軸線方向に突出してブレーキ部材を付勢手段の付勢力に抗して退避させる。これにより、ブレーキ部材が前記非係合位置に切り替えられてブレーキ解除状態となって、駆動軸の回転が従動軸に伝達可能となり両回転体が一体回転するようになっている。また、この両回転体が一体回転する状態から駆動軸の回転がオフされた時には、付勢手段のブレーキ部材に対する駆動軸側の付勢力によって転動体がカム溝の傾斜面を下るように相対移動し該カム溝の周方向中央部に戻り、ブレーキ部材はブレーキベース部との係合位置に復帰するようになっている。
【特許文献1】特開2002−130336号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のようなブレーキ装置では、ブレーキ部材はブレーキベース部との非係合位置にあるブレーキ解除状態においても、常に付勢手段によって駆動軸側(ブレーキベース部側)に付勢されるようになっている。そのため、ブレーキ解除状態で両回転体が一体回転しているにも関わらず、付勢手段の付勢力により転動体が不意にカム溝の周方向中央部に戻りブレーキ部材が係合位置に復帰してしまい、それによるブレーキ力が生じてしまうといった動作不良を起こす虞があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ブレーキ解除状態を安定して維持することができるブレーキ装置及び減速機構付モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、駆動軸に一体回転可能に設けられる駆動側回転体と、前記駆動軸と同軸配置された従動軸に一体回転可能に設けられる従動側回転体と、前記従動側回転体に一体回転可能に設けられるブレーキ部材を、その前記駆動軸側に配置されたブレーキベース部に対し付勢手段の付勢力を受けて当接させて回転方向に係合する係合位置、及びそのブレーキベース部に対し前記付勢手段の付勢力に抗して離間させて回転方向に非係合となる非係合位置の2位置間で移動可能に設けてなるブレーキ機構と、前記駆動側回転体と前記ブレーキ部材との対向部においてそれらの少なくとも一方にカム部を設けてなり、前記駆動軸側からの回転入力時には前記駆動側回転体の回転に伴う前記カム部の回転方向への移動により前記ブレーキ部材を前記非係合位置に切り替えて前記駆動軸の回転を前記従動軸に伝達可能とし、前記駆動軸側から回転入力がなされていない時には前記ブレーキ部材を前記係合位置に維持して前記従動軸の回転を規制するカム機構と、を備えたブレーキ装置であって、前記カム機構のカム部は、前記駆動側回転体の回転に伴い前記ブレーキ部材を前記非係合位置に切り替えるべく前記ブレーキ部材にその作動力を付与する第1傾斜部と、該第1傾斜部と周方向に連続し前記ブレーキ部材と前記ブレーキベース部との離間距離を一定に保つ保持部と、該保持部と反第1傾斜部側で周方向に連続するとともに該第1傾斜部と同方向に傾斜する第2傾斜部とを有することをその要旨とする。
【0007】
この発明では、駆動軸側から回転入力がなされていない時にはブレーキ部材は係合位置にあり、駆動軸側から回転入力されると駆動側回転体の回転に伴うカム部の第1傾斜部の移動によりブレーキ部材は非係合位置に切り替えられてブレーキ解除状態となり両回転体が一体回転可能となる。この両回転体が一体回転する状態から駆動軸側からの回転入力がオフされると、付勢手段の付勢力を受けたカム部の第2傾斜部によりブレーキ部材が係合位置に復帰されてブレーキ状態となる。ブレーキ解除状態において、付勢手段の付勢力により第2傾斜部にて生じたブレーキ部材を係合位置に押し戻そうとする力は、第1及び第2傾斜部間に設けられブレーキ部材とブレーキベース部との離間距離を一定に保つ保持部により緩和されるため、このブレーキ解除状態においてブレーキ部材が係合位置に不意に復帰してしまうことが抑制される。これにより、ブレーキ解除状態を安定して維持することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブレーキ装置において、前記カム部の第2傾斜部は、前記第1傾斜部よりも大きい傾斜角を有することをその要旨とする。
この発明では、ブレーキ部材を非係合位置に切り替えるための第1傾斜部、及びブレーキ部材を係合位置に復帰させるための第2傾斜部の傾斜角をそれぞれの役割に応じた角度に設定することが可能となる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のブレーキ装置において、前記カム部の第1傾斜部は、その傾斜角が周方向に対して45度よりも小さく設定され、前記第2傾斜部は、その傾斜角が周方向に対して45度以上に設定されたことをその要旨とする。
【0010】
この発明では、カム部の第1傾斜部はその傾斜角が周方向に対して45度よりも小さく設定されるため、駆動側回転体の回転に伴いブレーキ部材を非係合位置に容易に切り替えることができる。また、第2傾斜部はその傾斜角が周方向に対して45度以上に設定されるため、ブレーキが解除されて両回転体が一体回転する状態から駆動軸側からの回転入力がオフされた時、付勢手段の付勢により生じるブレーキ部材が係合位置に復帰しようとする力が大きくなり、これによりブレーキ部材を係合位置に復帰させ易くすることできる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキ装置において、前記カム機構は、前記駆動側回転体と前記ブレーキ部材との間において前記カム部に一部収容された転動体を備えてなることをその要旨とする。
【0012】
この発明では、駆動側回転体の回転に伴いカム部が回転方向に移動するとき、転動体がカム部内を転がりながら相対移動するとともにブレーキ部材を付勢手段の付勢力に抗して押圧する。そのため、カム部の回転方向への移動により生じる摩擦を抑えることができ、これによりブレーキ部材の移動をスムーズにすることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のブレーキ装置において、前記カム部は、前記駆動側回転体及び前記ブレーキ部材の双方に互いに対向するよう設けられ、それらカム部の間に前記転動体が配置されたことをその要旨とする。
【0014】
この発明では、カム部が駆動側回転体及びブレーキ部材の双方に設けられ、それらカム部の間に転動体が配置されるため、カム機構を安定して動作させることができる。
請求項6に記載の発明は、回転軸を回転駆動するモータ本体と、前記回転軸と同軸上に配置されるウォーム軸を有する減速部とを一体に組み付けてなる減速機構付モータであって、前記回転軸と前記ウォーム軸との間に請求項1〜5のいずれか1項に記載のブレーキ装置を組み付けてなることをその要旨とする。
【0015】
この発明では、ブレーキ解除状態を安定して維持することができるブレーキ装置を用いることで、減速機構付モータの動作不良の抑制に貢献することができる。
【発明の効果】
【0016】
従って、上記記載の発明によれば、ブレーキ装置及び減速機構付モータにおいて、ブレーキ解除状態を安定して維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のモータ1を示す。本実施形態のモータ1は、自動車のウインドガラスを開閉するパワーウインド用のモータであり、モータ本体2と減速部3とからなる減速機付きモータにて構成されている。
【0018】
モータ本体2は、ヨークハウジング4、一対のマグネット5、電機子6、ブラシホルダ7及び一対のブラシ8を備えている。ヨークハウジング4は略有底扁平円筒状に形成され、その内側面にマグネット5が固着されている。ヨークハウジング4の底部中央には軸受9が設けられ、該軸受9は電機子6の回転軸(駆動軸)10の基端を回転可能に支持する。
【0019】
ヨークハウジング4の開口部4aはフランジ状に形成され、後述するギヤハウジング21の開口部21aにネジ11にて固定される。尚、この固定の際に、ヨークハウジング4の開口部4aとギヤハウジング21の開口部21aとでブラシホルダ7が挟持されて固定される。
【0020】
ブラシホルダ7は、ヨークハウジング4内において、電機子6の回転軸10の先端を回転可能に支持する軸受12及び回転軸10に固着された整流子13に摺接するブラシ8を保持している。また、ブラシホルダ7の両ハウジング4,21から突出する部分は車体側から延びる車体側コネクタ(図示略)と連結するためコネクタ部7aであって、該コネクタ部7aの凹部7b内には複数本のターミナル14が露出している。これらターミナル14はブラシホルダ7にインサートされており、前記ブラシ8、及びモータ1内に備えられる回転センサ15等と電気的に接続されている。そして、コネクタ部7aが車体側コネクタと連結されることで、モータ1と車体側に備えられるウインドECU20とが電気的に接続され、電源供給やセンサ信号等の出力が行われる。
【0021】
このようなモータ本体2に対し、減速部3は、ギヤハウジング21、ウォーム軸22、ウォームホイール23、出力軸24及びブレーキ装置30を備えている。
ギヤハウジング21は樹脂製であって、該ギヤハウジング21の内部には、ウォーム軸22、ウォームホイール23及びブレーキ装置30が収容されている。ギヤハウジング21は、前記ヨークハウジング4の開口部4aと対向する開口部21aを備え、両開口部4a,21a間に前記ブラシホルダ7が介装される。
【0022】
ギヤハウジング21は、ウォーム軸22を収容するために開口部21aから軸方向に延びる略円筒状の軸収容筒部21bと、該軸収容筒部21bと連通しウォームホイール23を収容するためのホイール収容凹部21cと、軸収容筒部21bの基端(モータ本体2側)に設けられブレーキ装置30を収容するためのブレーキ収容凹部21dとを備えている。
【0023】
軸収容筒部21bには、所定間隔を有する一対の軸受25a,25bにてウォーム軸22が前記回転軸10と同軸上に回転可能に支持されて収容されている。ウォーム軸22の軸受25a,25bにて支持される部位間には、ウォームホイール23と噛合するためのウォーム22aが形成されている。ウォーム22aは、軸方向両端部より軸方向中央部が小径とされウォームホイール23の歯部23aを有する外周部に倣った鼓型ウォームにて構成されている。つまり、ウォーム22aとウォームホイール23との噛合範囲が大きくされており、この噛合部分の強度向上が図られている。また、ウォーム軸22の先端には、該ウォーム軸22のスラスト荷重を受けるためのスラスト受けボール26a及びスラスト受けプレート26bが備えられている。
【0024】
ホイール収容凹部21cには、前記ウォーム軸22のウォーム22aと噛合されるウォームホイール23が回転可能に収容支持されている。ウォームホイール23は、金属製の補強プレート23xの外周部に樹脂製のギヤ部23yが一体に成形されて構成されている。この樹脂製のギヤ部23yの外周部には、ウォーム軸22のウォーム22aと噛合する歯先が平坦状の歯部23aを有している。このようなウォームホイール23を支持するホイール収容凹部21cは、開口部がカバー部材28にて閉塞され、該カバー部材28の一部にて出力軸24の基端端面も支持されている。また、出力軸24にはウインドガラスを開閉するウインドレギュレータ(図示略)が駆動連結されている。
【0025】
[ブレーキ装置の構成]
ブレーキ収容凹部21dには、ウォーム軸22と前記回転軸10との間に介装されたブレーキ装置30が収容されている。図2(a)(b)に示すように、ブレーキ装置30は、回転軸10に連結され該回転軸10と一体回転する駆動側回転体31と、ウォーム軸22に連結され該ウォーム軸22と一体回転する従動側回転体32とを備えている。また、ブレーキ装置30は従動側回転体32と一体回転可能に設けられたブレーキ部材33と、該ブレーキ部材33のモータ本体2側でブレーキ収容凹部21dに固定されたブレーキベース(ブレーキベース部)34とを備えている。
【0026】
図3(a)(b)(c)に示すように、駆動側回転体31は平面視で円形状をなし、その中央部に形成された円筒部31aには回転軸10の先端部が挿入固定される固定孔31bが貫通形成されている。尚、回転軸10の先端部及び固定孔31bは扁平状に形成されている。駆動側回転体31におけるモータ本体2側の端部には鍔状のフランジ部31cが形成され、円筒部31aにおけるフランジ部31cよりもウォーム軸22側には、該円筒部31aの外周面から放射状に延びる回転伝達部31dが周方向等間隔に3つ形成されている。また、フランジ部31cにおけるブレーキ部材33との対向部には周方向に沿って延びるカム部としての駆動側カム溝40が周方向等間隔に3つ形成されている。尚、これら駆動側カム溝40は回転伝達部31dの径方向外側にそれぞれ形成されている。
【0027】
図2及び図4(a)(b)に示すように、従動側回転体32はその中央部に円筒部32aを有し、該円筒部32aにはウォーム軸22が挿入固定される固定孔32bが形成されている。円筒部32aの外周部には、モータ本体2側に開口するカップ状をなすスプリング支持部32cが形成されている。また、円筒部32aの先端部(モータ本体2側端部)には、軸方向に突出する回転係合部32dが周方向等間隔に3つ形成されている。この回転係合部32dの内側には駆動側回転体31の円筒部31aが配置され、その駆動側回転体31の各回転伝達部31dと従動側回転体32の各回転係合部32dとは周方向に交互に配置されている。
【0028】
図2及び図5(a)(b)に示すように、ブレーキ部材33は略円筒状をなし、その内周面には軸方向に沿って延びる係合溝33aが周方向等間隔に3つ形成されている。各係合溝33aには従動側回転体32の各回転係合部32dが挿入され、各係合溝33aは各回転係合部32dと周方向に係合している。即ち、ブレーキ部材33は従動側回転体32と一体回転可能、且つ軸方向にスライド可能となるように設けられている。
【0029】
ブレーキ部材33は、その先端面(モータ本体2側端面)が駆動側回転体31のフランジ部31cと軸方向に対向しており、該先端面にはカム部としてのブレーキ側カム溝41が周方向等間隔に3つ形成されている。このブレーキ側カム溝41は、駆動側カム溝40と同形状、同サイズをなすとともに、駆動側カム溝40と軸線方向に対向配置されている。そして、ブレーキ側カム溝41と駆動側カム溝40との間には転動体としての球体42が介在されている(図6(a)参照)。本実施形態では、上記したような駆動側カム溝40、ブレーキ側カム溝41及び球体42がカム機構を構成している。
【0030】
このようなカム機構のカム溝40,41の形状を、ブレーキ側カム溝41を例にとって説明する。図4及び図6に示すように、カム溝41はその周方向と直交する断面(軸方向断面)が、周方向全体に亘って円弧状をなしている(図4(b)参照)。カム溝41は、その周方向中央から周方向端部にかけて順に第1傾斜部41a、保持部41b及び第2傾斜部41cが連続的に繋がるように形成されてなる。また、カム溝41はその周方向における中心線に対して線対称となるように形成されており、第1傾斜部41a、保持部41b及び第2傾斜部41cは前記中心線を挟んだ両側にそれぞれ1つずつ設けられている。また、カム溝41はその周方向中央で最も深くなるように形成されている。
【0031】
図6(a)に示すように、ブレーキ側カム溝41の第1傾斜部41aは、カム溝41の周方向中央から端部側に向かってその深さが浅くなるように傾斜しており、その周方向に対する傾斜角θ1は45度よりも小さく設定されている。また、この第1傾斜部41aはその径方向幅が周方向端部にかけて徐々に小さくなるように形成されている。第1傾斜部41aとその周方向におけるカム溝41が浅くなる側の端部で連続する保持部41bは、軸直交平面と平行に延びている。つまり、この保持部41bの深さはその周方向位置に関わらず一定となっている。尚、前述したように保持部41b(カム溝41)は軸方向断面が円弧状であるため、保持部41bの深さはその径方向位置によっては異なる。また、保持部41bの径方向幅はその周方向位置に関わらず一定となっている。保持部41bとその反第1傾斜部41a側の端部で周方向に連続する第2傾斜部41cは、カム溝41の周方向端部に向かってその深さが浅くなるように傾斜しており、その周方向に対する傾斜角θ2は45度以上に設定されている。このブレーキ側カム溝41は、その周方向中央において一対の第1傾斜部41aより形成される谷間部分で球体42の略半分を収容可能となっている。また、ブレーキ側カム溝41と同形状、同サイズに形成された駆動側カム溝40には、ブレーキ側カム溝41の第1傾斜部41a、保持部41b及び第2傾斜部41cと同様な第1傾斜部40a、保持部40b及び第2傾斜部40cが形成されている。
【0032】
このようなカム機構において、駆動側回転体31の非回転時には駆動側カム溝40とブレーキ側カム溝41とが周方向において同位置であり、それらの周方向中央には球体42が収容されるようになっている。尚、カム溝40,41は周方向に延びる溝であり、その径方向両側には側壁40d,41dがそれぞれ形成されているため、その内部に一部が収容される球体42の脱落が防止されている。この状態からモータ本体2が駆動されると、その回転軸10とともに駆動側回転体31が回転する。このとき、従動側回転体32及びブレーキ部材33はウォームホイール23と噛合するウォーム軸22からの負荷により停止したままであるため、駆動側カム溝40はブレーキ側カム溝41に対して回転方向にずれる。このとき、駆動側カム溝40は、その第1傾斜部40aの一方とブレーキ側カム溝41の第1傾斜部41aの一方とで球体42を挟んで転動させながら回転方向に移動する。すると、球体42は駆動側カム溝40から軸方向に突出するとともにブレーキ側カム溝41の第1傾斜部41aをウォーム軸22側に押圧し、これによりブレーキ部材33が駆動側回転体31から離間するようになっている。尚、カム溝40,41はその周方向における中心線に対して線対称となるように形成されているため、駆動側回転体31の両回転方向に対応するようになっている。
【0033】
図2及び図5に示すように、ブレーキ部材33はその先端部付近において外周側に延びる鍔状の圧接部33bが形成されており、その圧接部33bはそのモータ本体2側に配置された前記ブレーキベース34に当接可能となっている。
【0034】
図2(b)に示すように、ブレーキベース34は環状をなすとともに、その所定位置に複数形成された取付孔34aには、モータ本体2側に突出するようにブレーキ収容凹部21dに形成された複数の取付突起21eがそれぞれ嵌着され、これによりブレーキベース34はギヤハウジング21に対し固定されている。尚、このブレーキベース34及びブレーキ部材33は、前記駆動側回転体31の各回転伝達部31d及び従動側回転体32の各回転係合部32dよりも径方向外側に設けられている。
【0035】
上記従動側回転体32とブレーキ部材33との間には、付勢手段としてのスプリング43が設けられている。詳述すると、スプリング43はその一端が従動側回転体32のスプリング支持部32cに支持されるとともに他端がブレーキ部材33の圧接部33bと当接している。このスプリング43によってブレーキ部材33はモータ本体2側に付勢され、該ブレーキ部材33の圧接部33bがブレーキベース34に対し圧接されるようになっている。本実施形態では、上記したようなブレーキ部材33、ブレーキベース34及びスプリング43がブレーキ機構を構成している。
【0036】
[ブレーキ装置の動作]
上記のようなブレーキ装置30において、モータ本体2の非駆動時、即ち、駆動側回転体31に回転力が入力されてないときには、図6(a)に示すように、駆動側カム溝40とブレーキ側カム溝41とが周方向において同位置であり、それらの周方向中央に球体42が位置している。このとき、ブレーキ部材33はスプリング43からの付勢力を受けてその圧接部33bがブレーキベース34に圧接され、該ブレーキベース34に対して回転方向に係合する係合位置に位置している。この状態では、ブレーキ部材33の圧接部33bとブレーキベース34との間に生じる摩擦力によりブレーキ部材33及び従動側回転体32の回転が規制されるようになっている。これにより、ウォーム軸22、ウォームホイール23及び出力軸24の回転が規制されるため、ウインドガラスの落下や悪意のある者のウインドガラスの開作動が防止されて車両の盗難防止が図られる。
【0037】
一方、モータ本体2が駆動されて駆動側回転体31が回転すると、前述したように、駆動側カム溝40及びブレーキ側カム溝41の第1傾斜部40a,41aの周方向への位置ずれによって球体42がブレーキ部材33をスプリング43の付勢力に抗してウォーム軸22側に押圧する。これにより、ブレーキ部材33の圧接部33bはブレーキベース34から離間する。即ち、ブレーキベース34に対して回転方向に非係合となる非係合位置に切り替えられてブレーキ解除状態となる。この第1傾斜部40a,41aの傾斜角θ1は、前述のように45度よりも小さく設定されているため、ブレーキ部材33をスプリング43の付勢力に抗して非係合位置に容易に移動させることができるようになっている。
【0038】
その後、駆動側カム溝40は、図6(b)に示すように、その保持部40bとブレーキ側カム溝41の保持部41bとで球体42を挟んで転動させながら、該ブレーキ側カム溝41に対し回転方向にずれる。このように球体42を保持部40b,41bで軸方向に挟む状態では、ブレーキ部材33は軸方向に移動せず、その圧接部33bとブレーキベース34との離間距離は一定に保たれる。その後も駆動側回転体31は回転し、駆動側カム溝40は、図6(c)に示すように、その第2傾斜部40cとブレーキ側カム溝41の第2傾斜部41cとで挟んで転動させながら回転方向に移動する。すると、球体42は駆動側カム溝40から軸方向に更に突出し、これによりブレーキ部材33の圧接部33bは駆動側回転体31から更に離間される。
【0039】
そして、この第2傾斜部40c,41cで球体42を挟んでいる状態において、駆動側回転体31の回転伝達部31dが従動側回転体32の回転係合部32dと回転方向に当接する。これにより、駆動側回転体31の回転力が従動側回転体32に伝達可能となり、駆動側回転体31と従動側回転体32とが一体回転するようになっている。そして、従動側回転体32の回転により、ウォーム軸22及びウォームホイール23を介して出力軸24が回転し、この出力軸24の回転により、ウインドレギュレータが作動してウインドガラスが開閉作動されるようになっている。
【0040】
この駆動側回転体31及び従動側回転体32が一体回転する状態からモータ本体2の駆動がオフされて駆動側回転体31の回転が停止すると、ブレーキ部材33を駆動側回転体31側に付勢するスプリング43の付勢力によりブレーキ部材33が駆動側回転体31に接近する方向に移動する。このとき、球体42は駆動側カム溝40の第2傾斜部40cを押圧しながら第2傾斜部40c,41cを保持部40b,41b側に転動し、駆動側回転体31は復帰方向に回転される。これにより、駆動側回転体31は、図6(a)に示すブレーキ側カム溝41と周方向において同位置となる状態に復帰し、ブレーキ部材33がブレーキベース34との係合位置に戻る。尚、球体42が保持部40b,41bに軸方向に挟まれる状態では、スプリング43の付勢力は駆動側回転体31を復帰させる方向への回転力に変換されないため、第2傾斜部40c,41cで得た回転力で駆動側回転体31は復帰位置まで回転する。本実施形態では、第2傾斜部40c,41cの傾斜角θ2が45度以上に設定されているため、この第2傾斜部40c,41cで駆動側回転体31を復帰させる方向への回転力を効率良く生じさせることができ、その結果、駆動側回転体31を確実に復帰位置に戻すことが可能となっている。
【0041】
上記したようなブレーキ装置30において、ブレーキが解除されて駆動側回転体31及び従動側回転体32が一体回転している状態で、例えばモータ本体2からの駆動力が瞬間的に弱まってしまったとき、スプリング43の付勢力により球体42が第2傾斜部40c,41cを転動しブレーキ部材33はブレーキベース34に接近する方向に移動してしまう。そして、ブレーキ部材33は、図6(b)に示すような球体42を保持部40b,41bで軸方向に挟む状態まで移動するが、該保持部40b,41bにてブレーキ部材33を係合位置に復帰させる方向への付勢力が緩和され、ブレーキ解除状態が安定して維持されるようになっている。これにより、両回転体31,32の一体回転状態において、ブレーキ部材33が不意に係合位置に復帰してブレーキ力が生じてしまうような動作不良の発生が抑制されるようになっている。また、モータ本体2の駆動をオフした時には、ブレーキ部材33を係合位置に復帰させる方向への付勢力が保持部40b,41bにて一旦緩和された後、ブレーキ部材33が係合位置に復帰するため、ブレーキ部材33がブレーキベース34にスムーズに接触するようになっている。
【0042】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)本実施形態のモータ1では、カム部としての駆動側カム溝40及びブレーキ側カム溝41は、駆動側回転体31の回転に伴いブレーキ部材33を非係合位置に切り替えるべく該ブレーキ部材33にその作動力を付与する第1傾斜部40a,41aと、該第1傾斜部40a,41aと周方向に連続しブレーキ部材33とブレーキベース34との離間距離を一定に保つ保持部40b,41bと、該保持部40b,41bと反第1傾斜部側で周方向に連続するとともに該第1傾斜部40a,41aと同方向に傾斜する第2傾斜部40c,41cとを有する。そのため、回転軸10側から回転入力がなされていない時にはブレーキ部材33は係合位置にあり、回転軸10側から回転入力されると駆動側回転体31の回転に伴う各カム溝40,41の第1傾斜部40a,41aの移動によりブレーキ部材33は非係合位置に切り替えられてブレーキ解除状態となり両回転体31,32が一体回転可能となる。ブレーキ解除状態において、スプリング43の付勢力により第2傾斜部40c,41cにて生じたブレーキ部材33を係合位置に押し戻そうとする力は、第1傾斜部40a,41aと第2傾斜部40c,41cとの間に設けられブレーキ部材33とブレーキベース部との離間距離を一定に保つ保持部40b,41bにより緩和されるため、このブレーキ解除状態においてブレーキ部材33が係合位置に不意に復帰してしまうことが抑制される。これにより、ブレーキ解除状態を安定して維持することができる。
【0043】
(2)本実施形態では、第2傾斜部40c,41cの傾斜角θ2は、第1傾斜部40a,41aの傾斜角θ1よりも大きいため、ブレーキ部材33を非係合位置に切り替えるための第1傾斜部40a,41a、及びブレーキ部材33を係合位置に復帰させるための第2傾斜部40c,41cの傾斜角θ1,θ2をそれぞれの役割に応じた角度に設定することが可能となる。
【0044】
(3)本実施形態では、第1傾斜部40a,41aはその傾斜角θ1が周方向に対して45度よりも小さく設定されるため、駆動側回転体31の回転に伴いブレーキ部材33を非係合位置に容易に切り替えることができる。また、第2傾斜部40c,41cはその傾斜角θ2が周方向に対して45度以上に設定されるため、ブレーキが解除されて両回転体31,32が一体回転する状態から回転軸10側からの回転入力がオフされた時、スプリング43の付勢により生じるブレーキ部材33が係合位置に復帰しようとする力が大きくすることができ、これによりブレーキ部材33を係合位置に復帰させ易くすることできる。
【0045】
(4)本実施形態では、カム機構は駆動側回転体31とブレーキ部材33との間において各カム溝40,41に一部収容された転動体としての球体42を備える。そのため、駆動側回転体31の回転に伴い駆動側カム溝40が回転方向に移動するとき、球体42が駆動側カム溝40及びブレーキ側カム溝41内を転がりながら相対移動するとともにブレーキ部材33をスプリング43の付勢力に抗して押圧する。従って、駆動側カム溝40の回転方向への移動により生じる摩擦を抑えることができ、これによりブレーキ部材33の移動をスムーズにすることができる。
【0046】
(5)本実施形態では、カム溝40,41が駆動側回転体31及びブレーキ部材33の双方に設けられ、それらカム溝40,41の間に球体42が配置されるため、カム機構を安定して動作させることができる。
【0047】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、カム機構(カム溝40,41及び球体42)は3つ設けられたが、これ以外に例えば、1つや2つでもよく、また、4つ以上設けてもよい。
【0048】
・上記実施形態では、カム機構は駆動側カム溝40、ブレーキ側カム溝41及び球体42にて構成されたが、これ以外に例えば、駆動側カム溝40及びブレーキ側カム溝41のどちらか一方を設けない構成としてもよく、また、球体42を設けない例えば図7に示すような駆動側カム溝40及び突出部50とからなる構成としてもよい。この突出部50はブレーキ部材33の先端に軸方向に突出するように形成され、該突出部50先端はカム溝40と当接可能となっている。駆動側回転体31が回転すると、突出部50がカム溝40から回転力を受け、ブレーキ部材33が付勢力に抗してウォーム軸22側に移動し、ブレーキベース34から離間するようになっている。このような構成によれば、球体42のような駆動側回転体31及びブレーキ部材33に介在される部材を用いずに構成でき、その介在部材の振動音をなくすことができる。尚、上記のような突出部50を駆動側回転体31に設け、ブレーキ側カム溝41と係合するように構成してもよい。
【0049】
・上記実施形態では、転動体として球体42が設けられたが、これ以外に例えば、円柱状の転動体を周方向に転動可能に設けてもよい。
・上記実施形態では、第1傾斜部40a,41aの傾斜角θ1は45度よりも小さく設定され、第2傾斜部40c,41cの傾斜角θ2は45度以上に設定されたが、特にこれに限定されるものではなく、第1傾斜部40a,41aの傾斜角θ1を45度以上に設定してもよく、また、第2傾斜部40c,41cの傾斜角θ2を45度よりも小さく設定してもよい。
【0050】
・上記実施形態では、特に言及しなかったが、第1傾斜部40a,41a及び第2傾斜部40c,41cはその周方向に沿う断面が直線状をなすように形成されたが、特にこれに限定されるものではなく、湾曲状であってもよい。
【0051】
・上記実施形態では、カム溝40,41には、その周方向における中心線に対して線対称となるように第1傾斜部40a,41a、保持部40b,41b及び第2傾斜部40c,41cがそれぞれ一対設けられ、駆動側回転体31の回転方向の両方に対応するように構成されたが、1つのカム溝40,41に第1傾斜部40a,41a、保持部40b,41b及び第2傾斜部40c,41cをそれぞれ1つずつ設け、駆動側回転体31の回転方向の一方に対応するように構成してもよい。
【0052】
・上記実施形態では、駆動側カム溝40及びブレーキ側カム溝41の径方向両側には側壁40d,41dが形成されたが、これに限定されるものではなく、側壁40d,41dを設けない構成としてもよい。
【0053】
・上記実施形態では、ブレーキベース34はブレーキ収容凹部21dに対し別部材としても設けられたが、ブレーキ収容凹部21dの内面にブレーキベース部を形成してもよい。
【0054】
・上記実施形態では、ブレーキ部材33を付勢する付勢手段としてスプリング43が用いられたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば板ばね等を用いてもよい。
・上記実施形態では、従動軸として減速機構を構成するウォーム軸22が用いられたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば平ギヤを有する従動軸を用いてもよい。
【0055】
・上記実施形態では、本発明を自動車のウインドガラスを開閉するパワーウインド用のモータに具体化したが、特にこれに限定されるものではなく、パワーウインド用以外のモータに具体化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本実施形態におけるモータの側断面図。
【図2】(a)(b)ブレーキ装置を示す側断面図、平断面図。
【図3】(a)(b)(c)駆動側回転体をウォーム軸側から見た平面図、駆動側回転体のA−A断面図、正面図。
【図4】(a)(b)従動側回転体の断面図、従動側回転体を回転軸側から見た平面図。
【図5】(a)(b)ブレーキ部材を回転軸側から見た平面図、ブレーキ部材の部分断面図。
【図6】(a)(b)(c)ともにカム機構の動作態様を示す模式断面図。
【図7】別例のカム機構を示す模式断面図。
【符号の説明】
【0057】
θ1…第1傾斜部の傾斜角,θ2…第2傾斜部の傾斜角、1…モータ、2…モータ本体、3…減速部、10…駆動軸としての回転軸、22…従動軸としてのウォーム軸、30…ブレーキ装置、31…駆動側回転体、32…従動側回転体、33…ブレーキ部材、34…ブレーキベース(ブレーキベース部)、40…カム部としての駆動側カム溝、40a,41a…第1傾斜部、40b,41b…保持部、40c,41c…第2傾斜部、41…カム部としてのブレーキ側カム溝、42…転動体としての球体、43…付勢手段としてのスプリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸に一体回転可能に設けられる駆動側回転体と、
前記駆動軸と同軸配置された従動軸に一体回転可能に設けられる従動側回転体と、
前記従動側回転体に一体回転可能に設けられるブレーキ部材を、その前記駆動軸側に配置されたブレーキベース部に対し付勢手段の付勢力を受けて当接させて回転方向に係合する係合位置、及びそのブレーキベース部に対し前記付勢手段の付勢力に抗して離間させて回転方向に非係合となる非係合位置の2位置間で移動可能に設けてなるブレーキ機構と、
前記駆動側回転体と前記ブレーキ部材との対向部においてそれらの少なくとも一方にカム部を設けてなり、前記駆動軸側からの回転入力時には前記駆動側回転体の回転に伴う前記カム部の回転方向への移動により前記ブレーキ部材を前記非係合位置に切り替えて前記駆動軸の回転を前記従動軸に伝達可能とし、前記駆動軸側から回転入力がなされていない時には前記ブレーキ部材を前記係合位置に維持して前記従動軸の回転を規制するカム機構と、を備えたブレーキ装置であって、
前記カム機構のカム部は、前記駆動側回転体の回転に伴い前記ブレーキ部材を前記非係合位置に切り替えるべく前記ブレーキ部材にその作動力を付与する第1傾斜部と、該第1傾斜部と周方向に連続し前記ブレーキ部材と前記ブレーキベース部との離間距離を一定に保つ保持部と、該保持部と反第1傾斜部側で周方向に連続するとともに該第1傾斜部と同方向に傾斜する第2傾斜部とを有することを特徴とするブレーキ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーキ装置において、
前記カム部の第2傾斜部は、前記第1傾斜部よりも大きい傾斜角を有することを特徴とするブレーキ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のブレーキ装置において、
前記カム部の第1傾斜部は、その傾斜角が周方向に対して45度よりも小さく設定され、前記第2傾斜部は、その傾斜角が周方向に対して45度以上に設定されたことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のブレーキ装置において、
前記カム機構は、前記駆動側回転体と前記ブレーキ部材との間において前記カム部に一部収容された転動体を備えてなることを特徴とするブレーキ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のブレーキ装置において、
前記カム部は、前記駆動側回転体及び前記ブレーキ部材の双方に互いに対向するよう設けられ、それらカム部の間に前記転動体が配置されたことを特徴とするブレーキ装置。
【請求項6】
回転軸を回転駆動するモータ本体と、前記回転軸と同軸上に配置されるウォーム軸を有する減速部とを一体に組み付けてなる減速機構付モータであって、
前記回転軸と前記ウォーム軸との間に請求項1〜5のいずれか1項に記載のブレーキ装置を組み付けてなることを特徴とする減速機構付モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−207231(P2009−207231A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−44799(P2008−44799)
【出願日】平成20年2月26日(2008.2.26)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】