説明

プラズマ生成用電源装置及びプラズマ生成パラメータ設定方法

【課題】インピーダンス整合までの時間を短縮でき、処理効率を向上できるプラズマ生成用電源装置を提供する。
【解決手段】所定周波数の基準信号を生成する基準信号生成部と、基準信号を増幅し高周波電力信号を生成する電力増幅部と、高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力とを検出する検出部と、基準信号の周波数を変化させ電力増幅部での増幅度を変化させる制御部とを備えるプラズマ生成用電源装置において、第1の時間において基準信号を第1の周波数に固定して反射波電力が第1の電力値以下となるよう制御し、その後の第2の時間において、反射波電力が第2の電力値以下になるように基準信号の周波数を掃引するプラズマ生成動作を行うとともに、第1の周波数、第1の時間、第2の時間の最適値を見出すプラズマ生成パラメータ設定動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを生成するために用いられる高周波電源装置であるプラズマ生成用電源装置やプラズマ生成パラメータ設定方法に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)を製造するための基板に対しプラズマアッシング等のプラズマ処理を行うプラズマ処理装置において、プラズマを生成するために用いられるプラズマ生成用電源装置やプラズマ生成パラメータ設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、IC、LSI等の半導体装置の製造工程においては、エッチング工程後に、不要となった有機物から構成されているレジストを分解除去するために、酸素ガスを含有する雰囲気中で放電させることによって発生する酸素プラズマを用いるプラズマアッシング装置(灰化装置)が用いられている。
このようなプラズマアッシング装置においては、例えば、基板を収容した反応管内に酸素ガスを導入し、該反応管周囲を巻き回すように設けたコイルに高周波電源から電流を供給して、反応管内部のガス中に放電を起こしプラズマを発生させる。放電によって生成したラジカルやイオン化分子を含んだガスにより、基板上のレジストはアッシングされ、二酸化炭素や水等となり除去される。
【0003】
このとき、プラズマを生成するために、高周波電源からの出力周波数を負荷インピーダンスに整合させるが、ガスの種類や圧力、あるいは印加電力によっても共振周波数が変動するため、高周波電源からの出力周波数を少しずつ変化させてインピーダンス整合を行う。インピーダンス整合までの時間が長引くと、高周波電源の出力回路素子が負荷からの反射波に長時間晒されることにより、ストレス(熱ダメージ)を受け素子の寿命が短くなる。また、インピーダンス整合までの時間が長引くと、アッシング装置における処理効率(スループット)が低下する。
下記の特許文献1には、反射波電力が最小となるように高周波電源の発振周波数を変化させてインピーダンス整合を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−049000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を解決するため、インピーダンス整合までの時間を短縮し、高周波電源の出力回路素子が負荷からの反射波により受けるストレスを低減する、あるいは、プラズマ処理装置における処理効率を向上するプラズマ生成用電源装置やプラズマ生成パラメータ設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための、本発明に係るプラズマ生成用電源装置の代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
所定の周波数の基準信号を生成する基準信号生成部と、
前記基準信号を電力増幅し高周波電力信号を生成する電力増幅部と、
前記高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力とを検出する検出部と、
前記基準信号生成部に対して基準信号の周波数を変化させ、前記電力増幅部に対して電力増幅度を変化させる制御部とを備え、
外部に設けられプラズマを生成するプラズマ生成部へ前記電力増幅部で生成された高周波電力信号を供給するプラズマ生成用電源装置であって、
前記制御部は、
前記プラズマ生成部へ前記高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記基準信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記反射波電力が所定の第1の電力値以下となるよう制御し、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記基準信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うよう構成されるとともに、前記プラズマ生成動作におけるパラメータである前記開始周波数、前記第1の時間、前記第2の時間に関してプラズマ生成パラメータ設定動作を行うよう構成され、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作は、
前記開始周波数を予め設定されたデフォルト値から前記目標周波数に近づけた値に設定し、前記第1の時間及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記開始周波数の更新値を見出して新たな開始周波数として設定する開始周波数設定動作を行い、次に、前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定動作を行い、次に、前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定動作を行うよう構成されることを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【0007】
また、本発明に係るプラズマ生成パラメータ設定方法の代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
プラズマを生成するプラズマ生成部へ高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記高周波電力信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記高周波電力信号に含まれる反射波電力が所定の第1の電力値以下となるようにし、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記高周波電力信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うプラズマ生成方法に用いられるパラメータである前記開始周波数、前記第1の時間、前記第2の時間の設定方法であって、
前記開始周波数を予め設定されたデフォルト値から前記目標周波数に近づけた値に設定し、前記第1の時間及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記開始周波数の更新値を見出して新たな開始周波数として設定する開始周波数設定ステップと、
前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定ステップと、
前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定ステップと、を備えることを特徴とするプラズマ生成パラメータ設定方法。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、インピーダンス整合までの時間を短縮し、高周波電源の出力回路素子が負荷からの反射波により受けるストレスを低減する、あるいは、プラズマ処理装置における処理効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係るプラズマアッシング装置に用いられるプラズマ処理ユニットを示す垂直断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプラズマ生成用電源装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプラズマ生成シーケンスにおける進行波と反射波の時間的変化を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るプラズマ生成シーケンス最適化処理を構成する、デフォルト値での動作確認処理のフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係るプラズマ生成シーケンス最適化処理を構成する、開始周波数設定処理のフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係るプラズマ生成シーケンス最適化処理を構成する、開始周波数送信時間設定処理のフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るプラズマ生成シーケンス最適化処理を構成する、周波数掃引時間設定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。本発明の実施形態においては、例として、半導体製造装置として用いられるプラズマアッシング装置におけるプラズマ生成用電源装置を示す。図1は、本発明の実施形態に係るプラズマアッシング装置に用いられるプラズマ処理ユニット10を示す垂直断面図である。
プラズマ処理ユニット10は、半導体基板や半導体素子に対し、乾式処理でアッシングを施す高周波無電極放電型のプラズマ処理ユニットである。プラズマ処理ユニット10は、図1に示すように、プラズマを生成する空間であるプラズマ生成空間30、半導体基板などのウエハ20を収容する処理空間45、処理空間45の下方の第1排気室74、第2排気室76、共振コイル32等のプラズマ生成部、該プラズマ生成部に高周波電力を供給するプラズマ生成用電源装置40等を備えている。プラズマ生成空間30と処理空間45は繋がっており、プラズマ生成空間30と処理空間45から処理室が構成される。プラズマ処理ユニット10は、例えば、水平な架台であるベースプレート48の上側に前記のプラズマ生成部が配置され、ベースプレート48の下側に処理空間45が配置されて構成される。
【0011】
プラズマ生成部は、減圧可能に構成され且つプラズマ用の反応ガスが供給される反応容器31と、反応容器31の外周に巻回された共振コイル32と、共振コイル32の外周に配置され且つ電気的に接地された外側シールド52とから構成される。共振コイル32は、反応容器31内部のガス中に放電を起こさせ、プラズマを発生させるためのコイルである。
【0012】
反応容器31は、本例では、高純度の石英硝子やセラミックスにて円筒状に形成され、プラズマ生成空間30を形成する。処理室側壁68は、本例では、アルミニウムで形成され、処理空間45を形成する。プラズマ生成空間30、処理空間45、第1排気室74、第2排気室76は、それらの間が連通しており、ガスが通過可能となっている。プラズマ生成空間30、処理空間45、第1排気室74、第2排気室76は、トッププレート54及び底板69によって、上下端が気密に封止される。
【0013】
処理空間45の下部には、複数(例えば4本)の支柱61によって支持されるサセプタ(基板載置部)11が設けられる。サセプタ11上には、被処理基板であるウエハ20が載置される。
【0014】
サセプタ11の下方に、排気板65が配設される。排気板65は、ガイドシャフト67を介して底板69に固定される。昇降基板71が、ガイドシャフト67をガイドとして昇降自在に動くように、設けられる。昇降基板71は、少なくとも3本のリフターピン13を支持している。
【0015】
リフターピン13はサセプタ11を貫通し、リフターピン13の頂部には、ウエハ20を支持するウエハ支持部14が設けられている。リフターピン13の昇降によって、ウエハ20をサセプタ11に載置し、あるいはサセプタ11から持ち上げることができる。
底板69を経由して、昇降駆動部(図示略)の昇降シャフト73が昇降基板71に連結されている。昇降駆動部が昇降シャフト73を昇降させることで、昇降基板71とリフターピン13を介して、ウエハ支持部14が昇降する。
【0016】
サセプタ11下方の排気板65に、排気連通孔75が設けられる。排気連通孔75によって、第1排気室74と、第1排気室74の下方に設けられた第2排気室76が連通される。第2排気室76は、排気板65と底板69で形成される。第2排気室76には、底板69を貫通する排気管80が連通されている。
排気管80には、ガス流れの上流から順に、圧力調整バルブとしてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ81、真空排気装置としての真空ポンプ82が設けられている。真空ポンプ82は、処理室内の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう、処理室内を真空排気するように構成されている。APCバルブ81は、後述の制御部90に電気的に接続されている。制御部90は、処理室内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、APCバルブ81の開度や、後述のガス供給ユニットの流量制御装置を制御するように構成されている。排気管80、APCバルブ81、真空ポンプ82からガス排気部が構成される。
【0017】
反応容器31の上部のトッププレート54には、ガス供給ユニットから伸長され且つ所要のプラズマ発生用の反応ガスを供給するためのガス供給管55が、ガス導入口33に付設されている。
ガス供給管55には、酸素ガス供給管21が接続されている。酸素ガス供給管21には、ガス流れの上流から順に、酸素ガスを供給する酸素ガス源24、流量制御装置としてのMFC(マスフローコントローラ)23、及び開閉バルブ22がそれぞれ設けられている。酸素ガス供給管21、酸素ガス源24、MFC23、開閉バルブ22から、ガス供給部が構成される。
【0018】
MFC23及び開閉バルブ22は、後述の制御部90に電気的に接続されている。制御部90は、供給するガスの種類が所望のタイミングにて所望のガス種となるよう、また、供給するガスの流量が所望のタイミングにて所望の流量となるよう、MFC23及び開閉バルブ22を制御する。
また、反応容器31内には、ガス導入口33から導入された反応ガスを反応容器31の内壁に沿って流れるようにするための略円板形で、石英からなるバッフル板60が設けられている。
【0019】
共振コイル32は、所定の波長の定在波を形成するため、一定波長モードで共振するように巻径、巻回ピッチ、巻数が設定される。すなわち、共振コイル32の電気的長さは、プラズマ生成用電源装置40から供給される電力の所定周波数における1波長の整数倍(1倍、2倍、…)、又は半波長、もしくは1/4波長に相当する長さに設定される。例えば、1波長の長さは、27.12MHzの場合約11メートルになる。
【0020】
共振コイル32の両端は電気的に接地されるが、共振コイル32の少なくとも一端は、本装置の最初の設置の際、又は処理条件の変更の際に、当該共振コイルの電気的長さを微調整するため、可動タップ62を介して接地される。図1中の符号64は、他方の固定グランドを示す。更に、本装置の最初の設置の際、又は処理条件の変更の際に、共振コイル32のインピーダンスを微調整するため、共振コイル32の接地された両端の間には、可動タップ63によって給電部が構成される。
【0021】
すなわち、共振コイル32は、電気的に接地されたグランド部を両端に備え、且つプラズマ生成用電源装置40から電力供給される給電部を各グランド部の間に備え、しかも、少なくとも一方のグランド部は、位置調整可能な可変式グランド部とされ、そして、給電部は、位置調整可能な可変式給電部とされる。
【0022】
外側シールド52は、共振コイル32の外側への電磁波の漏れを遮蔽するとともに、共振回路を構成するのに必要な容量成分を、共振コイル32との間に形成するために設けられる。外側シールド52は、一般的には、アルミニウム合金、銅又は銅合金などの導電性材料を使用して円筒状に形成される。外側シールド52は、共振コイル32の外周から、例えば5〜150mm程度隔てて配置される。
【0023】
制御部90は、後述するようにプラズマ生成用電源装置40を制御するほか、プラズマアッシング装置の各構成部の制御を行っている。制御部90は、レシピ(アッシングプロセスの制御シーケンス)に基づき、処理室内の温度制御や圧力制御、処理ガス等の流量制御、および処理室内へのウエハ搬入等の機械駆動制御等を行う。制御部90には、表示部92や、操作者からの指示を受け付ける操作部91、各種データやレシピ等を記憶する記憶部93が接続されている。
制御部90は、ハードウェア構成として、CPU(中央演算ユニット)と、CPUの動作プログラムを格納するメモリとを備えるものである。
【0024】
次に、プラズマ生成用電源装置40の構成について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るプラズマ生成用電源装置の構成を示す図である。
図2において、41は、所定の周波数の基準信号を生成する基準信号生成部であり、本例では周波数シンセサイザ回路である。周波数シンセサイザ回路41には、例えば参照するための参照周波数信号を発生する水晶発振器(不図示)が接続され、この水晶発振器からの参照周波数信号に基づき、該参照周波数信号の整数倍又は整数で割った周波数の基準周波数信号(例えば27.12MHz)が、周波数シンセサイザ回路41から出力される。なお、参照周波数信号として、水晶発振器を用いず、外部の参照クロック信号を用いることも可能である。
また、周波数シンセサイザ回路41は、制御部90からの指示に基づき、上記基準周波数信号を中心として所定の範囲で、その出力周波数を変更することができるようになっている。
【0025】
42は、周波数シンセサイザ回路41で生成された所定周波数の基準信号の電力を増幅して高周波電力信号を生成する電力増幅部である。電力増幅部42で生成された高周波電力信号は、後述する検出部43を介して、負荷である共振コイル32へ出力される。検出部43は、例えばCM型方向性結合器で構成され、電力増幅部42から出力された高周波電力信号から、該高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力を検出し、制御部90へ出力する。
制御部90は、検出部43で検出された反射波電力に基づき、該反射波電力を小さくするように、周波数シンセサイザ回路41を制御し、また、検出部43で検出された進行波電力と反射波電力に基づき、所定の電力増幅度となるよう電力増幅部42を制御する。
なお、プラズマ生成用電源装置40を制御する制御部を、処理室の圧力等を制御する制御部とは別に設けるようにしてもよい。
【0026】
次に、プラズマ生成用電源装置40のプラズマ生成動作の概略について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態に係るプラズマ生成シーケンスを示す図である。
図3において、横軸は時間を示す。縦軸(左)は、プラズマ生成用電源装置40から負荷である共振コイル32へ供給され印加される電力を示す。縦軸(右)は、プラズマ生成用電源装置40から負荷である共振コイル32へ供給され印加される電力の周波数を示す。
【0027】
周波数シンセサイザ回路41の出力周波数が所定の開始周波数F1(例えば約30MHz)に設定され、図3の時刻t1において、電力印加、つまり電力増幅部42において電力増幅が開始(RF-ON)される。開始周波数F1は、プラズマ生成用ガスをプラズマ生成空間30に供給したときの共振コイル32の共振周波数よりも高くなるように設定される。本実施形態では、後述するように、周波数シンセサイザ回路41の出力周波数を開始周波数F1から徐々に下げていくことにより、反共振周波数を経て共振周波数に達するようにしている。反共振周波数における電力印加により、プラズマ生成用ガスに効率よくエネルギーを与えることができ、プラズマ生成が容易に行える。
【0028】
時刻t1において電力増幅が開始(RF-ON)されると、印加電力の増加に伴い、進行波電力PFと反射波電力PRが増加する。図3では、時刻t1からt3までは、進行波電力PFと反射波電力PRは同程度の値である。時刻t2において反射波電力PRの値が許容可能な最大反射波電力PRmax(例えば約1kW)に達すると、印加電力の増加を停止し、反射波電力PRを最大反射波電力PRmax以下に抑えた状態で、印加電力を時刻t2からt3まで所定時間ほぼ一定レベルに維持する。
このようにして、開始時刻t1からt3までのT1時間(例えば約500ms間)、開始周波数F1に維持した状態で、プラズマ生成空間30内のプラズマ生成用ガスに、電離してプラズマ化するためのエネルギーを供給する。
なお、反射波電力PRの値を最大反射波電力PRmax以下に抑える理由は、電力増幅部42の出力デバイスが破壊されるのを防止するためである。
【0029】
T1時間が経過し時刻t3になると、時刻t3から時刻t6までのT2時間(例えば約800ms間)において、周波数シンセサイザ回路41の出力周波数を、開始周波数F1(例えば約30MHz)から目標周波数F2(例えば約25MHz)に向けて、徐々に変化させる周波数掃引動作を行う。図3の例では、開始周波数F1から徐々に周波数を下げており、それに伴い、徐々にインピーダンスマッチングが改善されていく。周波数を下げている途中において、時刻t5において周波数FM1となりマッチング周波数(共振周波数)FM2に近づくと、急激にインピーダンスマッチングが進み、時刻t7において、インピーダンスマッチングが最良となり反射波電力が最小の状態になる。このように、実際の周波数掃引時間は、設定された周波数掃引時間であるT2時間よりも短くなる。
【0030】
この間、周波数掃引開始(時刻t3)から徐々にインピーダンスがマッチングしていくに従って反射波電力PRが低下するので、反射波電力PRを最大反射波電力PRmax以下に抑えた状態を保ちつつ、印加電力を増加させていく。これにより、反射波電力PRの増加が抑えられつつ進行波電力PFを増加させることができる。図3では、時刻t3から時刻t5にかけて、反射波電力PRを少しずつ減少させながら進行波電力PFを増加させていく様子が示されている。
【0031】
また、周波数掃引開始(時刻t3)から時間が経過し時刻t4になると、進行波電力PFと反射波電力PRとの差が増大し、その差が所定の値、例えば100W以上になる。この状態を、プラズマ着火された状態と判定する。プラズマ着火された状態になると、その後、安定的にプラズマが生成される。
時刻t5から急激にインピーダンスマッチングが進むにつれて、反射波電力PRが急激に低下し、時刻t7になると反射波電力PRが最小値になる。一方、進行波電力PFは、所定の設定出力(例えば約3kW)となるよう、電力増幅部42で調整される。時刻t5から時刻t7の間においては、周波数シンセサイザ回路41の出力周波数は、反射波電力PRが最小となるように調整される、つまり、反射波電力PRが最小となるよう、周波数シンセサイザ回路41の出力周波数を追従させる。
【0032】
このように、制御部90は、プラズマを生成するプラズマ生成部へ電力増幅部42で生成された高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間T1において、基準信号である周波数シンセサイザ回路41の出力周波数を所定の開始周波数F1に固定して、反射波電力PRが所定の第1の電力値(例えば最大反射波電力)以下となるよう制御し、第1の時間T1経過後の所定の第2の時間T2において、反射波電力PRが所定の第2の電力値(例えば最小値)以下になるように、基準信号の周波数を開始周波数F1から所定の目標周波数F2に向けて掃引する周波数掃引動作を行い、ほぼ共振周波数に達すると、つまり、反射波電力が急激に減少し始める周波数FM1(時刻t5)に達すると、反射波電力PRが所定の第2の電力値(例えば最小値)以下となるよう周波数シンセサイザ回路41の出力周波数を追従させる周波数追従動作を行うことにより、プラズマ生成動作を行うよう構成される。
【0033】
次に、最適なプラズマ生成シーケンス、すなわち、インピーダンス整合までの時間を短縮し、高周波電源の出力回路素子が負荷からの反射波により受けるストレスを低減することのできるプラズマ生成シーケンスを見出すための制御部90の処理について説明する。図4〜図7は、本発明の実施形態に係るプラズマ生成シーケンスを最適化するプラズマ生成パラメータ設定動作のフローチャートであって、図4はデフォルト値での動作確認処理であり、図5は最適な開始周波数を見出すための開始周波数設定処理であり、図6は最適な開始周波数送信時間を見出すための開始周波数送信時間設定処理であり、図7は最適な周波数掃引時間を見出すための周波数掃引時間設定処理である。
【0034】
本実施形態では、このプラズマ生成シーケンスを最適化する処理は、制御部90のCPUの動作プログラムとして実行され、図3で説明した開始周波数F1、開始周波数F1の送信時間T1、周波数掃引時間T2を最適化するものである。
なお、図3で説明したように、このプラズマ生成シーケンスにおいては、開始周波数F1は、プラズマ生成用ガスをプラズマ生成空間30に入れたときの共振コイル32の共振周波数よりも高くなるように設定され、周波数シンセサイザ回路41の出力周波数を開始周波数F1から徐々に下げていくことにより、反共振周波数を経て共振周波数に達するようになっている。
【0035】
図4において、制御部90は、プラズマ生成シーケンスを最適化する動作プログラムに、開始周波数F1としてそのデフォルト値(例えば30MHz)を設定し(ステップS41)、開始周波数送信時間T1としてそのデフォルト値(例えば1s)を設定し(ステップS42)、周波数掃引時間T2としてそのデフォルト値(例えば2s)を設定する(ステップS43)。これらのデフォルト値は、実験等に基づき求められたもので、プラズマ発生を確実に行えるよう、十分な余裕をもった値に設定され、予め記憶部93に記憶されている。
次に、制御部90は、プラズマ生成空間30内に所定のプラズマ生成用ガス(例えば酸素ガス)を供給し、プラズマ生成空間30内を所定の圧力(例えば2トール)にした後、プラズマ生成用電源装置40から共振コイル32へ電力印加する(ステップS44)。すなわち、図3で説明したように、制御部90は、開始周波数F1をデフォルト値(30MHz)に固定した状態で、開始周波数送信時間T1(デフォルト値:1s)の間、プラズマ生成用電源装置40から共振コイル32へ電力印加した後、周波数掃引時間T2(デフォルト値:2s)において、目標周波数F2(例えば25MHz)に向けて周波数掃引動作を行うように制御する。
【0036】
ステップS44の電力印加中において周波数掃引時間T2の間に、制御部90は、プラズマ着火されたか否かを判定する(ステップS45)、すなわち、進行波電力PFと反射波電力PRとの差が増大して、その差が所定の値、例えば100W以上になったか否かを判定する。
周波数掃引時間T2の間にプラズマ着火されなかった場合は(ステップS45でNo)、制御部90は、プラズマ着火無を表示部92に表示し、電力印加を停止する(ステップS47)。この場合は、上述の各デフォルト値の少なくとも1つが不適切であるので、操作者は、各デフォルト値を見直して記憶部93に再設定し(ステップS48)、再度、ステップS41から開始するよう、操作部91から指示を行う。
プラズマ着火された場合は(ステップS45でYes)、制御部90は、周波数掃引動作を中止して電力印加を停止し(ステップS46)、図5の開始周波数設定処理(ステップS51)へ移行する。
【0037】
図5において、制御部90は、開始周波数F1として、前回の設定値つまりデフォルト値から所定の周波数幅を差し引いた値を設定、この例では前回の設定値(30MHz)から0.1MHz差し引いた値である29.9MHzを設定し(ステップS51)、開始周波数送信時間T1としてそのデフォルト値(1s)を設定し(ステップS52)、周波数掃引時間T2としてそのデフォルト値(2s)を設定する(ステップS53)。
次に、制御部90は、図4のデフォルト値での動作確認処理と同様に、プラズマ生成空間30内に所定のプラズマ生成用ガスを供給し、プラズマ生成空間30内を所定の圧力にした後、プラズマ生成用電源装置40から共振コイル32へ電力印加する(ステップS54)。すなわち、制御部90は、開始周波数F1を29.9MHzに固定した状態で、開始周波数送信時間T1(デフォルト値:1s)の間、プラズマ生成用電源装置40から共振コイル32へ電力印加した後、周波数掃引時間T2(デフォルト値:2s)において、目標周波数F2(25MHz)に向けて周波数掃引動作を行うように制御する。
【0038】
ステップS54の電力印加中において周波数掃引時間T2の間に、制御部90は、プラズマ着火されたか否かを判定する(ステップS55)。
プラズマ着火された場合は(ステップS55でYes)、制御部90は、周波数掃引動作を中止して電力印加を停止(ステップS56)した後、ステップS51へ戻り、開始周波数F1として、前回の設定値(29.9MHz)から所定の周波数幅(0.1MHz)を差し引いた値である29.8MHzを設定する。このようにして、プラズマ着火無が検出されるまで、ステップS51〜S56を繰り返す。
【0039】
周波数掃引時間T2の間にプラズマ着火されなかった場合は(ステップS55でNo)、制御部90は、電力印加を停止し(ステップS57)、開始周波数F1の最適値として、プラズマ着火有が検出された直近の周波数を設定、つまり、プラズマ着火無が検出された時点の開始周波数F1設定値(例えば28.0MHz)に所定の周波数幅(0.1MHz)を加算した値である28.1MHzを設定して(ステップS58)、図6の開始周波数送信時間設定処理(ステップS61)へ移行する。
【0040】
図6において、制御部90は、開始周波数F1として、図5の開始周波数設定処理で求めた最適値(28.1MHz)を設定し(ステップS61)、開始周波数送信時間T1として、前回の設定値つまりデフォルト値(1s)から所定の時間を差し引いた値を設定、この例では前回の設定値から10ms差し引いた値である990msを設定し(ステップS62)、周波数掃引時間T2としてそのデフォルト値(2s)を設定する(ステップS63)。
次に、制御部90は、図4のデフォルト値での動作確認処理と同様に、プラズマ生成空間30内に所定のプラズマ生成用ガスを供給し、プラズマ生成空間30内を所定の圧力にした後、プラズマ生成用電源装置40から共振コイル32へ電力印加する(ステップS64)。すなわち、制御部90は、開始周波数F1を最適値(28.1MHz)に固定した状態で、上記設定した開始周波数送信時間T1(990ms)の間、プラズマ生成用電源装置40から共振コイル32へ電力印加した後、周波数掃引時間T2(デフォルト値:2s)において、目標周波数F2(25MHz)に向けて周波数掃引動作を行うように制御する。
【0041】
ステップS64の電力印加中において周波数掃引時間T2の間に、制御部90は、プラズマ着火されたか否かを判定する(ステップS65)。
プラズマ着火された場合は(ステップS65でYes)、制御部90は、周波数掃引動作を中止して電力印加を停止(ステップS66)した後、前述したステップS61へ戻り、ステップS62において、開始周波数送信時間T1として、前回の設定値(990ms)から所定の時間(10ms)を差し引いた値である980msを設定する。このようにして、プラズマ着火無が検出されるまで、ステップS61〜S66を繰り返す。
【0042】
周波数掃引時間T2の間にプラズマ着火されなかった場合は(ステップS65でNo)、制御部90は、電力印加を停止し(ステップS67)、開始周波数送信時間T1の最適値として、プラズマ着火有が検出された直近の開始周波数送信時間T1を設定、つまり、プラズマ着火無が検出された時点の開始周波数送信時間T1(例えば490ms)に所定の時間(10ms)を加算した値である500msを設定して(ステップS68)、図7の周波数掃引時間設定処理(ステップS71)へ移行する。
【0043】
図7において、制御部90は、開始周波数F1として、図5の開始周波数設定処理で求めた最適値(28.1MHz)を設定し(ステップS71)、開始周波数送信時間T1として、図6の開始周波数送信時間設定処理で求めた最適値(500ms)を設定し(ステップS72)、周波数掃引時間T2として、前回の設定値つまりデフォルト値から所定の時間を差し引いた値を設定、この例では前回の設定値(2s)から10ms差し引いた値である1990msを設定する(ステップS73)。
次に、制御部90は、図4のデフォルト値での動作確認処理と同様に、プラズマ生成空間30内に所定のプラズマ生成用ガスを供給し、プラズマ生成空間30内を所定の圧力にした後、プラズマ生成用電源装置40から共振コイル32へ電力印加する(ステップS74)。すなわち、制御部90は、開始周波数F1を最適値(28.1MHz)に固定した状態で、最適値に設定した開始周波数送信時間T1(500ms)の間、プラズマ生成用電源装置40から共振コイル32へ電力印加した後、上記設定した周波数掃引時間T2(1990ms)において、目標周波数F2(25MHz)に向けて周波数掃引動作を行うように制御する。
【0044】
ステップS74の電力印加中において周波数掃引時間T2の間に、制御部90は、プラズマ着火されたか否かを判定する(ステップS75)。
プラズマ着火された場合は(ステップS75でYes)、制御部90は、周波数掃引動作を中止して電力印加を停止(ステップS76)した後、前述したステップS71へ戻り、ステップS73において、周波数掃引時間T2として、前回の設定値(1990ms)から所定の時間(10ms)を差し引いた値である1980msを設定する。このようにして、プラズマ着火無が検出されるまで、ステップS71〜S76を繰り返す。
【0045】
周波数掃引時間T2の間にプラズマ着火されなかった場合は(ステップS75でNo)、制御部90は、電力印加を停止し(ステップS77)、周波数掃引時間T2の最適値として、プラズマ着火有が検出された直近の周波数掃引時間T2を設定、つまり、プラズマ着火無が検出された時点の周波数掃引時間T2(例えば790ms)に所定の時間(10ms)を加算した値である800msを設定して(ステップS78)、処理を終了する。
【0046】
以上説明したプラズマ生成シーケンス最適化処理により、例えば、開始周波数F1の最適値としてデフォルト値の30MHzよりも低い28.1MHzを得ることができ、開始周波数送信時間T1の最適値としてデフォルト値の1sよりも小さい500msを得ることができ、周波数掃引時間T2の最適値としてデフォルト値の2sよりも小さい800msを得ることができる。このようにして、プラズマ生成シーケンスに要する時間を、例えば従来の5秒程度から1〜2秒程度に短縮することができる。
【0047】
前記実施形態に依れば、少なくとも次の(1)〜(4)の効果を得ることができる。
(1)インピーダンス整合までの時間を短縮し、高周波電源の出力回路素子が負荷からの反射波により受けるストレスを低減する、あるいは、プラズマ処理装置における処理効率を向上することができる。
(2)開始周波数設定処理、開始周波数送信時間設定処理、周波数掃引時間設定処理の順に処理を行うので、最適なプラズマ生成パラメータを効率よく設定できる。
(3)プラズマ生成パラメータ設定動作において、電力印加中に進行波電力値と反射波電力値の差分が所定値以上大きくなるとプラズマ着火したと判定し、プラズマ着火有と判定すると、その時点で電力印加を停止してプラズマ生成動作を終了するので、インピーダンスマッチングするまでプラズマ生成動作を行う場合と比べて、効率よく最適なプラズマ生成パラメータを見出すことができる。
(4)開始周波数設定処理において、反射波電力が許容可能な最大反射波電力値に達すると、その電力値を維持するので、高周波電源の出力回路素子が反射波により破壊されることを抑制し、また、最大の電力をコイル等の負荷に供給できるので、開始周波数設定処理時間を短縮することができる。
【0048】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
前記実施形態のデフォルト値での動作確認処理(図4)では、電力印加中にプラズマ着火有と判定すると、その時点で電力印加を停止するようにしたが、プラズマ着火有と判定した後も電力印加を継続し、インピーダンス整合ができることを確認するように構成することも可能である。すなわち、プラズマ着火有と判定した後も電力印加を継続し、ほぼ共振周波数に達すると、つまり、反射波電力が急激に減少し始める周波数FM1に達すると、その後、周波数追従動作を行い、共振周波数FM2でインピーダンス整合ができることを確認するように構成することも可能である。この方が、確実にプラズマ生成するうえで好ましい。
また、前記実施形態の開始周波数設定処理(図5)や、開始周波数送信時間設定処理(図6)や、周波数掃引時間設定処理(図7)では、電力印加中にプラズマ着火有と判定すると、その時点で電力印加を停止するようにしたが、プラズマ着火有と判定した後も電力印加を継続し、インピーダンス整合ができることを確認するように構成することもできる。すなわち、プラズマ着火有と判定した後も電力印加を継続し、ほぼ共振周波数に達すると、つまり、反射波電力が急激に減少し始める周波数FM1に達すると、その後、周波数追従動作を行い、共振周波数FM2でインピーダンス整合ができることを確認するように構成することも可能である。
【0049】
また、前記実施形態では、反共振点の周波数が共振点の周波数よりも高い場合において、反共振点の周波数よりも高い開始周波数F1から、共振点の周波数よりも低い目標周波数F2に向けて、高周波数から低周波数へ周波数掃引を行ったが、共振点の周波数よりも低い開始周波数F1から、反共振点の周波数よりも高い目標周波数F2に向けて、低周波数から高周波数へ周波数掃引を行うように構成することもできる。この場合は、少なくとも反共振点の周波数まで低周波数から高周波数へ周波数掃引を行った後、共振点の周波数方向に高周波数から低周波数へ周波数掃引を行うのが、プラズマ生成効率を向上するうえで好ましい。
また、反共振点の周波数が共振点の周波数よりも低い場合においては、反共振点の周波数よりも低い開始周波数F1から、共振点の周波数よりも高い目標周波数F2に向けて、低周波数から高周波数へ周波数掃引を行うように構成することもできる。
【0050】
また、前記実施形態では、開始周波数設定処理(図5)、開始周波数送信時間設定処理(図6)、周波数掃引時間設定処理(図7)を行ったが、開始周波数の適正値が分かっているような場合は、開始周波数設定処理を省略することができ、また、開始周波数送信時間の適正値が分かっているような場合は、開始周波数送信時間設定処理を省略することができ、また、周波数掃引時間の適正値が分かっているような場合は、周波数掃引時間設定処理を省略することができる。
【0051】
また、前記実施形態の開始周波数設定処理(図5)では、1回目の電力印加処理において、開始周波数設定値を所定値(0.1MHz)分差し引くようにしたが、1回目の電力印加処理においては、デフォルト値での動作確認処理(図4)を行って、再度、プラズマ着火できることを確認した後に、2回目の電力印加処理以降において、開始周波数設定値を所定値(0.1MHz)分差し引くように構成することもできる。
同様に、開始周波数送信時間設定処理(図6)の1回目の電力印加処理において、プラズマ着火した最終回の開始周波数設定処理(図5)を行って、再度、プラズマ着火できることを確認した後に、2回目の電力印加処理以降において、開始周波数送信時間設定値を所定値(10ms)分差し引くように構成することもできる。この場合、1回目の電力印加処理においてプラズマ着火できなかったときは、開始周波数設定値を所定値(0.1MHz)分加算して、再度、開始周波数送信時間設定処理(図6)を行うように構成する。
同様に、周波数掃引時間設定処理(図7)の1回目の電力印加処理において、プラズマ着火した最終回の開始周波数送信時間設定処理(図6)を行って、再度、プラズマ着火できることを確認した後に、2回目の電力印加処理以降において、周波数掃引時間設定値を所定値(10ms)分差し引くように構成することもできる。この場合、1回目の電力印加処理においてプラズマ着火できなかったときは、開始周波数送信時間設定値を所定値(10ms)分加算して、再度、周波数掃引時間設定処理(図7)を行うように構成する。
【0052】
本明細書の記載事項には、少なくとも次の発明が含まれる。すなわち、
第1の発明は、
所定の周波数の基準信号を生成する基準信号生成部と、
前記基準信号を電力増幅し高周波電力信号を生成する電力増幅部と、
前記高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力とを検出する検出部と、
前記基準信号生成部に対して基準信号の周波数を変化させ、前記電力増幅部に対して電力増幅度を変化させる制御部とを備え、
外部に設けられプラズマを生成するプラズマ生成部へ前記電力増幅部で生成された高周波電力信号を供給するプラズマ生成用電源装置であって、
前記制御部は、
前記プラズマ生成部へ前記高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記基準信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記反射波電力が所定の第1の電力値以下となるよう制御し、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記基準信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うよう構成されるとともに、前記プラズマ生成動作におけるパラメータである前記開始周波数、前記第1の時間、前記第2の時間に関してプラズマ生成パラメータ設定動作を行うよう構成され、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作は、
前記開始周波数を予め設定されたデフォルト値から前記目標周波数に近づけた値に設定し、前記第1の時間及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記開始周波数の更新値を見出して新たな開始周波数として設定する開始周波数設定動作を行い、次に、前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定動作を行い、次に、前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定動作を行うよう構成されることを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【0053】
第2の発明は、前記第1の発明のプラズマ生成用電源装置であって、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作において、前記プラズマ生成動作実行中に前記進行波電力が前記反射波電力よりも所定値以上大きくなるとプラズマ着火したと判断し、前記実行中のプラズマ生成動作を終了することを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【0054】
第3の発明は、前記第1の発明又は第2の発明のプラズマ生成用電源装置であって、
前記プラズマ生成動作の前記第1の時間において、前記反射波電力が前記第1の電力値に達すると、前記電力増幅部での電力増幅度をそのまま維持することを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【0055】
第4の発明は、前記第1の発明ないし第3の発明のプラズマ生成用電源装置であって、
前記反射波電力の所定の第1の電力値は、許容可能な最大反射波電力であり、前記反射波電力の所定の第2の電力値は、最小反射波電力であることを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【0056】
第5の発明は、
所定の周波数の基準信号を生成する基準信号生成部と、
前記基準信号を電力増幅し高周波電力信号を生成する電力増幅部と、
前記高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力とを検出する検出部と、
前記基準信号生成部に対して基準信号の周波数を変化させ、前記電力増幅部に対して電力増幅度を変化させる制御部とを備え、
外部に設けられプラズマを生成するプラズマ生成部へ前記電力増幅部で生成された高周波電力信号を供給するプラズマ生成用電源装置であって、
前記制御部は、
前記プラズマ生成部へ前記高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記基準信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記反射波電力が所定の第1の電力値以下となるよう制御し、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記基準信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うよう構成されるとともに、前記プラズマ生成動作におけるパラメータである前記第1の時間、前記第2の時間に関してプラズマ生成パラメータ設定動作を行うよう構成され、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作は、
前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定動作を行い、次に、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定動作を行うよう構成されることを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【0057】
第6の発明は、
所定の周波数の基準信号を生成する基準信号生成部と、
前記基準信号を電力増幅し高周波電力信号を生成する電力増幅部と、
前記高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力とを検出する検出部と、
前記基準信号生成部に対して基準信号の周波数を変化させ、前記電力増幅部に対して電力増幅度を変化させる制御部とを備え、
外部に設けられプラズマを生成するプラズマ生成部へ前記電力増幅部で生成された高周波電力信号を供給するプラズマ生成用電源装置であって、
前記制御部は、
前記プラズマ生成部へ前記高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記基準信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記反射波電力が所定の第1の電力値以下となるよう制御し、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記基準信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うよう構成されるとともに、前記プラズマ生成動作におけるパラメータである前記開始周波数、又は前記第1の時間、あるいは前記第2の時間に関してプラズマ生成パラメータ設定動作を行うよう構成され、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作は、
前記開始周波数を予め設定されたデフォルト値から前記目標周波数に近づけた値に設定し、前記第1の時間及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記開始周波数の更新値を見出して新たな開始周波数として設定する開始周波数設定動作を行うか、又は、前記開始周波数及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定動作を行うか、あるいは、前記開始周波数及び前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定動作を行うか、いずれかのプラズマ生成パラメータ設定動作を行うよう構成されることを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【0058】
第7の発明は、
所定の周波数の基準信号を生成する基準信号生成部と、
前記基準信号を電力増幅し高周波電力信号を生成する電力増幅部と、
前記高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力とを検出する検出部と、
前記基準信号生成部に対して基準信号の周波数を変化させ、前記電力増幅部に対して電力増幅度を変化させる制御部と、
前記電力増幅部で生成された高周波電力信号によりプラズマを生成するプラズマ生成部と、を備えるプラズマ生成用装置であって、
前記制御部は、
前記プラズマ生成部へ前記高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記基準信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記反射波電力が所定の第1の電力値以下となるよう制御し、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記基準信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うよう構成されるとともに、前記プラズマ生成動作におけるパラメータである前記開始周波数、前記第1の時間、前記第2の時間に関してプラズマ生成パラメータ設定動作を行うよう構成され、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作は、
前記開始周波数を予め設定されたデフォルト値から前記目標周波数に近づけた値に設定し、前記第1の時間及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記開始周波数の更新値を見出して新たな開始周波数として設定する開始周波数設定動作を行い、次に、前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定動作を行い、次に、前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定動作を行うよう構成されることを特徴とするプラズマ生成用装置。
【0059】
第8の発明は、
プラズマを生成するプラズマ生成部へ高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記高周波電力信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記高周波電力信号に含まれる反射波電力が所定の第1の電力値以下となるようにし、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記高周波電力信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うプラズマ生成方法に用いられるパラメータである前記開始周波数、前記第1の時間、前記第2の時間の設定方法であって、
前記開始周波数を予め設定されたデフォルト値から前記目標周波数に近づけた値に設定し、前記第1の時間及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記開始周波数の更新値を見出して新たな開始周波数として設定する開始周波数設定ステップと、
前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定ステップと、
前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定ステップと、を備えることを特徴とするプラズマ生成パラメータ設定方法。
【符号の説明】
【0060】
10…プラズマ処理ユニット、11…サセプタ、13…リフターピン、14…ウエハ支持部、20…ウエハ、21…供給管、22…バルブ、23…MFC、24…ガス供給源、30…プラズマ生成空間、31…反応容器、32…共振コイル、33…ガス導入口、40…プラズマ生成用電源装置、41…周波数シンセサイザ回路(基準信号生成部)、42…電力増幅部、43…検出部、45…処理空間、48…ベースプレート、52…外側シールド、54…トッププレート、55…ガス供給管、60…バッフル板、61…支柱、62…可動タップ、63…可動タップ、64…固定グランド、65…排気板、67…ガイドシャフト、68…処理室側壁、69…底板、71…昇降基板、73…昇降シャフト、74…第1排気室、75…排気連通孔、76…第2排気室、80…排気管、81…APC、82…真空ポンプ、90…制御部、91…操作部、92…表示部、93…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数の基準信号を生成する基準信号生成部と、
前記基準信号を電力増幅し高周波電力信号を生成する電力増幅部と、
前記高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力とを検出する検出部と、
前記基準信号生成部に対して基準信号の周波数を変化させ、前記電力増幅部に対して電力増幅度を変化させる制御部とを備え、
外部に設けられプラズマを生成するプラズマ生成部へ前記電力増幅部で生成された高周波電力信号を供給するプラズマ生成用電源装置であって、
前記制御部は、
前記プラズマ生成部へ前記高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記基準信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記反射波電力が所定の第1の電力値以下となるよう制御し、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記基準信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うよう構成されるとともに、前記プラズマ生成動作におけるパラメータである前記開始周波数、前記第1の時間、前記第2の時間に関してプラズマ生成パラメータ設定動作を行うよう構成され、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作は、
前記開始周波数を予め設定されたデフォルト値から前記目標周波数に近づけた値に設定し、前記第1の時間及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記開始周波数の更新値を見出して新たな開始周波数として設定する開始周波数設定動作を行い、次に、前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定動作を行い、次に、前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定動作を行うよう構成されることを特徴とするプラズマ生成用電源装置
【請求項2】
請求項1に記載されたプラズマ生成用電源装置であって、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作において、前記プラズマ生成動作実行中に前記進行波電力が前記反射波電力よりも所定値以上大きくなるとプラズマ着火したと判断し、前記実行中のプラズマ生成動作を終了することを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【請求項3】
所定の周波数の基準信号を生成する基準信号生成部と、
前記基準信号を電力増幅し高周波電力信号を生成する電力増幅部と、
前記高周波電力信号に含まれる進行波電力と反射波電力とを検出する検出部と、
前記基準信号生成部に対して基準信号の周波数を変化させ、前記電力増幅部に対して電力増幅度を変化させる制御部とを備え、
外部に設けられプラズマを生成するプラズマ生成部へ前記電力増幅部で生成された高周波電力信号を供給するプラズマ生成用電源装置であって、
前記制御部は、
前記プラズマ生成部へ前記高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記基準信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記反射波電力が所定の第1の電力値以下となるよう制御し、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記基準信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うよう構成されるとともに、前記プラズマ生成動作におけるパラメータである前記第1の時間、前記第2の時間に関してプラズマ生成パラメータ設定動作を行うよう構成され、
前記プラズマ生成パラメータ設定動作は、
前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定動作を行い、次に、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定動作を行うよう構成されることを特徴とするプラズマ生成用電源装置。
【請求項4】
プラズマを生成するプラズマ生成部へ高周波電力信号が供給されるときに、所定の第1の時間において、前記高周波電力信号の周波数を所定の開始周波数に固定して、前記高周波電力信号に含まれる反射波電力が所定の第1の電力値以下となるようにし、前記第1の時間経過後の所定の第2の時間において、前記反射波電力が所定の第2の電力値以下になるように、前記高周波電力信号の周波数を前記開始周波数から所定の目標周波数に向けて掃引するプラズマ生成動作を行うプラズマ生成方法に用いられるパラメータである前記開始周波数、前記第1の時間、前記第2の時間の設定方法であって、
前記開始周波数を予め設定されたデフォルト値から前記目標周波数に近づけた値に設定し、前記第1の時間及び前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記開始周波数の更新値を見出して新たな開始周波数として設定する開始周波数設定ステップと、
前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値に設定し、前記第1の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第1の時間の更新値を見出して新たな第1の時間として設定する開始周波数送信時間設定ステップと、
前記基準信号の周波数を前記開始周波数の更新値に設定し、前記第1の時間を前記第1の時間の更新値に設定し、前記第2の時間を予め設定されたデフォルト値から短縮した値に設定した状態で前記プラズマ生成動作を行って、プラズマ生成が可能である前記第2の時間の更新値を見出して新たな第2の時間として設定する周波数掃引時間設定ステップと、を備えることを特徴とするプラズマ生成パラメータ設定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−54856(P2013−54856A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190928(P2011−190928)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】