説明

プリント回路基板に対するレンズ装置の取り付け

【課題】レンズ装置を有する光通信モジュールであって、構成要素を一体化して生産速度及び歩留まりを最大限にする。
【解決手段】プリント回路基板(PCB)28の表面上にプラスチック材料からなるフレーム26を配設し、該フレーム内で前記PCBの前記表面上に少なくとも1つのオプトエレクトロニクス要素34を取り付け、前記フレーム上に、光路を90°変換するミラー反射器と光ファイバポート44を含むレンズ装置40をレーザ溶接することにより、光学アセンブリを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置を有する光学アセンブリ及びかかる光学アセンブリを作成し又は形成するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光通信システムは、光学的な(光)信号に符号化された情報を光送信機から1つ又は2つ以上の光ファイバを介して光受信機へと送信する。光送信機は一般に、レーザ又は発光ダイオードといった光源、並びに該光源を光ファイバに結合させるための光機械要素を含む。同様に、光受信機は一般に、フォトダイオード等の光受信手段、並びに該光受信手段を光ファイバに結合させるための光機械要素を含む。該光要素は一般にレンズを含み、光路の向きを変えるミラー又はその類の反射要素を含むことも可能である。
【0003】
光送信機及び光受信機は一般に、光ファイバ及び光信号の通信を行うシステムに対する結合を容易にするためにモジュール化される。光送信機又は光受信機は一般にハウジングを含み、該ハウジングは、埃又はその他の同様の大気中物質による光路の汚染を阻止するために密封される。該ハウジングは、光ファイバの一端を結合させることができるポートを含むことが可能である。光送信器及び光受信器の両方を含む光送受信機モジュールは、周知のものであり、及び多くの異なる形状因子が存在するものである。幾つかの光通信モジュールでは、レンズ又はその他の光学要素は、光透過性プラスチック材料から作成することができるハウジングの他の部分と一緒に単体にモジュール化される。
【0004】
図1Aに示すように、プリント回路基板(PCB)16の表面上に取り付けられた1つ又は2つ以上のオプトエレクトロニクスデバイス及びエレクトロニクスデバイス14上にレンズ装置12を配置するステップを含む方法により光学アセンブリ10を形成することが知られている。該装置14は、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface-Emitting Laser)又はフォトダイオード及びそれに関連する集積回路チップを含むことが可能であり、PCB 16上に最初に取り付けることができる。ロボット式ピック・アンド・プレースマシン(図示せず)は、該VCSEL又はフォトダイオードを、PCB 16上で、マシンビジョン式フィードバックシステムを介して検知された基準マーク17に対して位置合わせすることが可能である。該ピック・アンド・プレースマシンにより達成される位置合わせの公差は一般に数十ミクロンのオーダーである。
【0005】
レンズ装置12は、VCSELと光ファイバポート20との間で光の方向を90°変える反射器18及びその他の光学要素を含む。装置14上にレンズ装置12が配置された後、アクティブアライメント法を用いて光路が正確に位置合わせされる。該アクティブアライメント法では、(図示しない外部機器により)光ファイバポート20に光が導入され、PCB 16の表面と平行な平面上をレンズ装置12が移動する際に前記光に応じて複数のオプトエレクトロニクスデバイス14のうちの1つにより生成された電子信号の振幅が(図示しない外部機器により)監視される。測定された振幅が最大になった際に、それに対応する位置でレンズ装置12の運動が停止され、その位置でPCB 16の表面にレンズ装置12が固定される。図1Bに示すように、レンズ装置12は、該レンズ装置12の基部とPCB 16の表面との間にエポキシ樹脂を塗布することにより固定することができる。図1Aでは、エポキシ樹脂22は、例示のため、レンズ装置12を配置することができる矩形のビードとして示されているが、その代わりに紫外線硬化性エポキシ樹脂からなる複数の小さなドット(図示せず)を使用して、PCB 16に対するレンズ装置12の初期固定を行うことが可能である。次いで、その初期固定用の接着を紫外線硬化させた後、その周囲に構造的なエポキシ樹脂(structural epoxy)のビードを塗布する。次いで該アセンブリを炉内に配置して、該構造的なエポキシ樹脂のビードを硬化させる。図1Bでは光ファイバ24の一端がポート20に結合されて示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した光学アセンブリ10の形成方法の欠点は、アクティブアライメントステップ及びエポキシ硬化ステップが長時間を要することにあり、これは、製造スループット(すなわち、単位時間あたりの生産量)に影響を与え得るものである。上述した方法の他の欠点は、アクティブアライメントの実行及びエポキシ樹脂の塗布が一般に手作業で(すなわち、人の直接的な管理下で)行われることにあり、その結果として、一層自動化された方法の場合よりも、欠陥のあるアセンブリの割合が増える(すなわち、製造歩留まりが低下する)ことになり得る。例えば、レンズアセンブリ10の複数の構成要素は、エポキシ樹脂が硬化する際に、互いの光学的な位置合わせ状態から外れてしまうのが一般的である。スループット及び歩留まりを最大限にする光学アセンブリの形成方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、レーザ溶接されたレンズ装置を有する光学アセンブリ、及びかかる光学アセンブリを作成し又は形成するための方法に関するものである。例示的又は模範的な一実施形態では、光学アセンブリの形成は、プラスチック材料からなるフレームをプリント回路基板(PCB)上に配設し、該フレーム内における該PCBの表面上に少なくとも1つのオプトエレクトロニクス要素を取り付け、及び該フレーム上にレンズ装置をレーザ溶接することにより行うことができる。該レンズ装置は、該レンズ装置と該フレームとの間にレーザ溶接ツールのビームが透過することを可能にする光透過性材料から作成することが可能である。該オプトエレクトロニクス要素は、例えば、レーザ等の光源又はフォトダイオード等の光検出器から構成することが可能である。該方法は、PCBに対してオプトエレクトロニクス要素を位置合わせするために使用される基準と同じ基準を使用して、PCBに対してレンズ装置を位置合わせするステップを含むことが可能である。
【0008】
他のシステム、方法、特徴、及び利点については、以下に示す図面及び詳細な説明を参照することにより当業者には自明であり又は明らかとなろう。かかる更なるシステム、方法、特徴、及び利点の全ては、本明細書内に含まれるものであり、特許請求の範囲内のものであり、及び特許請求の範囲により保護されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】当業界で周知の光学アセンブリを上方から見た斜視図であり、フレーム上にレンズ装置が取り付けられる前の光学アセンブリを示している。
【図1B】図1と同様の図であり、レンズ装置がフレーム上に取り付けられた後の光学アセンブリを示している。
【図2】本発明の例示的な実施形態による、プリント回路基板(PCB)上に取り付けらたフレームを上方から見た斜視図である。
【図3】図2と同様の図であり、フレーム内でPCB上に取り付けられたデバイスを示している。
【図4】図2ないし図3のフレーム及びプリント回路基板を下方から見た斜視図である。
【図5】レンズ装置を下方から見た斜視図である。
【図6】図8の6-6断面図である。
【図7】図2ないし図4のフレーム及びプリント回路基板上へのレンズ装置の取り付けを示す、上方から見た斜視図である。
【図8】図7と同様の図であり、レンズ装置がフレーム上に取り付けられた後の光学アセンブリを示している。
【図9】レンズ装置と光学アセンブリのフレームとの間の溶接を形成するレーザ溶接ツールを有するピック・アンド・プレースマシンの側面図である。
【図10】図9の光学アセンブリの平面図であり、この場合、レンズ装置とフレームとの間の溶接部分が見えるようにレンズ装置は図示されていない。
【図11】本発明の例示的な一実施形態による光学アセンブリの形成方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、以下に示す図面を参照することにより一層良好に理解することができる。該図面中の装置は、必ずしも正しい縮尺にはなっておらず、本発明の原理を明瞭に例示するために強調が加えられたものである。
【0011】
図2に示すように、本発明の例示的又は模範的な一実施形態では、プリント回路基板(PCB)28の上面上にフレーム26が配設される。該フレーム26は、後述する態様で別のプラスチック材料に対してレーザ溶接することができるプラスチック材料からなる。フレーム26は、あらゆる適当な態様でPCB28の表面上に配設することができる。例えば、フレーム26は、PCB28の上面上にオーバーモールドすることが可能である。当業界で周知のように、オーバーモールドとは、他の要素(この例ではPCB28)に対して型(図示せず)を配置し、熱可塑性物質等のモールド可能材料を該型内に注入する方法である。次いで該型が除去されて、フレーム26のみがPCB28上に残る。代替的に、例えば、フレーム26をPCB28とは別個に形成し、次いでPCB28の上面上に配設することが可能である。例示的な一実施形態では、フレーム26は全体的に矩形形状のものであり、C字状の断面を有し、及び該PCB28の底面に対して該PCB28の側部の周囲に部分的に延びる端部を有しており、該端部は、PCB28に対する該フレーム26の固定を助けるものである。しかし、本発明の他の実施形態では、かかるフレームは、別の適当な形状を有することが可能であり、PCBの底面上へと延びる部分を有している必要はない。該例示的な一実施形態では、図4に示すように、フレーム26は、PCB28に対する該フレーム26の固定を更に助けるために、PCB28の孔を通って延び隆起又は突起30を含み、該突起30は、PCB28の底面に熱カシメされる(heat-staked)端部を有する。該例示的な一実施形態では、フレーム26は、全体的に矩形の周辺を有する内部領域32を有しており、該内部領域32内でPCB28の一部が露出する、ということに留意されたい。
【0012】
図3に示すように、1つ又は2つ以上のオプトエレクトロニクスデバイス34及びエレクトロニクスデバイス36は、フレーム26の内部領域32を介して露出しているPCB28の一部上に取り付けることが可能である。オプトエレクトロニクスデバイス34は、例えば、VCSEL等の光源、又はフォトダイオード等の光検出器を含むことが可能である。エレクトロニクスデバイス36は、オプトエレクトロニクスデバイス34へ送信され又は該オプトエレクトロニクスデバイス34から受信された電気信号を処理する1つ又は2つ以上の集積回路チップを含むことが可能である。基準38(前記露出部分内におけるPCB28の上面上の視覚的に認知可能なマーク)は、PCB28に対するデバイス34,36の位置合わせを助けることができるものである。オプトエレクトロニクスデバイス34及びエレクトロニクスデバイス36は、それらデバイス34,36を基準38に対して位置合わせする従来のピック・アンド・プレースマシン54(図9)を使用して取り付けることができる。当業界で周知のように、ピック・アンド・プレースマシン54は、表面実装デバイスを部品供給手段から取り上げて該デバイスをPCBの表面上に配置するロボットシステムであり、この場合、該デバイスは、リフローはんだ付け又はその類のプロセスによりPCB上の導電トレースに対して電気的に接続される。ピック・アンド・プレースマシン54は、基準38を光学的に検知し、及び該基準38を基準系として使用してデバイス34,36を配置することができる、従来のマシンビジョン式フィードバックシステムを含むことが可能である。かかるピック・アンド・プレースマシン54が動作する態様は、当業界で周知のものであるため、該方法の特徴については本書ではこれ以上詳述しないこととする。デバイス34,36を互いに電気的に接続し又はPCB28上の導電パッドと電気的に接続するボンディングワイヤその他の導体は、明瞭化のため図示していない。
【0013】
図5及び図6に示すように、レンズ装置40は、本体部分42及び光ファイバポート部分44を含む。以下で説明するように、レンズ装置40は、フレーム26に対してレーザ溶接することが可能である。レンズ装置40は、該レンズ装置40がフレーム26上に取り付けられた際(図8)にオプトエレクトロニクスデバイス34と光ファイバポート部分44との間の光路内に介在する光学要素を含むことが可能である。かかる光学要素は、例えば、第1のレンズ46、第2のレンズ48、及び反射器50を含むことが可能である。レンズ装置40がフレーム26上に取り付けられると(図6及び図8)、光ファイバポート部分44に結合された光ファイバを介して光信号の送受信を行うことが可能となる。該光信号は、反射器50及びその他の光学系により、光ファイバポート部分44の光軸とオプトエレクトロニクスデバイス34の光軸との間で方向が90°変えられる。それら光軸は図6に波線で示されている。
【0014】
レンズ装置40は、オプトエレクトロニクスデバイス34により発せられ又は該オプトエレクトロニクスデバイス34により受信された光信号に対して透過性を有する材料から作成することが可能である。かかる材料の一例として、商品名「ULTEM」(例えば、ULTEM 1010)として入手可能なものがあり、これは、Saudi Arabia の SABIC Innovative Plastics (以前は General Electric Plastics Division)により製造されている非晶質熱可塑性材料である。レンズ装置40が光透過性材料から作成されるため、第1及び第2のレンズ46,48は、レンズ装置40のうち該レンズ装置40の周辺部分と一体的に成形された部分により画定することが可能である。
【0015】
図9に概略的に示すように、ピック・アンド・プレースマシン54は、レンズ装置40等をまとめて格納している保管場所(図示せず)から該レンズ装置40等を供給する供給手段からレンズ装置40を取り上げることができるロボット機構56を有している。従来のピック・アンド・プレースマシンによっては、一度に複数の装置を取り上げることができるものがあるが、明瞭化のため、レンズ装置40は1つのみ示されている。次いで、ピック・アンド・プレースマシン54は、ロボット機構56を使用してレンズ装置40をフレーム26の上に配置する(図7及び図8)。より詳細には、レンズ装置40は、その平坦な基部57(図5)がそれに対応するフレーム26の平坦な上面に対して載置されるような向きで配置される。(該例示的な一実施形態では、該基部57及びフレーム26の係合面は平坦又は平面であるが、他の実施形態では、該係合面は、互いに対応して嵌合する任意の形状又は輪郭を有することが可能である。)ピック・アンド・プレースマシン54は、基準38に対するデバイス34,36の位置合わせに関して上述したものと実質的に同じ態様で、レンズ装置40を基準38と位置合わせする。このため、レンズ装置40及びオプトエレクトロニクスデバイス34の両方が同じ基準38に対して位置合わせされると、該レンズ装置40及びオプトエレクトロニクスデバイス34は本質的に互いに対して位置合わせされることになる。同じピック・アンド・プレースマシン54を使用してレンズ装置40及びオプトエレクトロニクスデバイス34を位置合わせすることにより、位置合わせ精度を高めることができる。これは、該アセンブリを1つのマシンから別のマシンへと移動させる必要がないからである。
【0016】
レンズ装置40を作成する材料は、レーザ溶接ツールにより発せられる光エネルギーに対して透過性を有するものとすることも可能である。図9に示すように、かかるレーザ溶接ツール58をピック・アンド・プレースマシン54に配設することが可能である。レーザ溶接ツール58は、当業者に周知の従来型のものとすることが可能である。図9及び図10に示すように、ピック・アンド・プレースマシン54は、レンズ装置40の位置合わせが完了している上述の位置でロボット機構56が該レンズ装置40を正しい位置に保持している間に、内部領域32の周辺の複数の位置(例えば四隅)でスポット溶接60をレーザ溶接ツール58に行わせることが可能である。すなわち、レーザ溶接ツール58により発せられたレーザビーム64が、図10にスポット溶接部60として示す複数の点に当たる。追加的に、又は代替的に、ピック・アンド・プレースマシン54は、レンズ装置40の位置合わせが完了している上述の位置でロボット機構56が該レンズ装置40を保持している間に、内部領域32の周辺の連続する経路62をレーザビーム64でトレースすることをレーザ溶接ツール58に行わせることが可能である。例えば、スポット溶接60は、最初にレンズ装置40を正しい位置に固定するのを助けるよう形成し、次いで、該レンズ装置40をフレーム26に対して密封するよう経路62の周囲に連続的な溶接を形成することが可能である。溶接中にレンズ装置40を保持することにより、レンズ装置40が溶接により正しい位置に固定されるまで、該レンズ装置40が位置合わせされた位置からずれるよう該レンズ装置40が移動するのを防止することが可能となる。
【0017】
溶接中には、レーザビーム64がレンズ装置40の上部に進入し、該レンズ装置40を通過し、及び基部57(図5)を通過して該レンズ装置40を出る。基部57を通過して出るレーザビーム64の部分は、フレーム26の上面に当たって、該基部57と該フレーム26との間に溶接を形成する。
【0018】
溶接を容易にするために、フレーム26は、レンズ装置40が作成される材料と同様の特性を有する材料から作成することが可能である。同様の材料は一般に、互いに対する溶接を一層受け入れやすいからである。例えば、レンズ装置40及びフレーム26を両方ともULTEMから作成することが可能である。レーザビーム64がレンズ装置40を容易に通過する一方でフレーム26により吸収されるように、レンズ装置40が作成される材料よりもレーザビーム64のエネルギーに対して透過性が一層低い材料からフレーム26を作成することが可能である。フレーム26によるエネルギーの吸収により、溶接60,62を形成する熱が生成される。例えば、添加剤なしでULTEM1010からレンズ装置40を作成する一方、エネルギー吸収を高めるよう約1%のカーボンブラックを添加したULTEM1010からフレーム26を作成することが可能である。
【0019】
レーザ溶接処理及び溶接ツール58の動作は、当業者には周知のものであり、選択すべき有用な溶接パラメータとして、レーザビーム64の出力、レーザビーム64のスポットサイズ、及び溶接中にロボット機構56がレンズ装置40を正しい位置に保持する圧力が挙げられる。適当なビーム出力は、例えば、約12ワットとすることができる。適当なビームスポットサイズは、例えば、約0.6mmとすることができる。溶接中にロボット機構56がレンズ装置40を正しい位置に保持する適当な圧力は、例えば、約0.9barとすることができる。しかし、本発明に関係する当業者であれば、かかるパラメータを容易に選択することが可能であり、また適当な溶接60,62を形成するように溶接ツール58を容易に別の態様で動作させることが可能である。
【0020】
上述した方法を用いることにより、図8に示す完成した光学アセンブリ66を形成することができる。光学アセンブリ66は、例えば、それをPCB28上の電気接点(図示せず)を介して外部の電子情報処理システム(図示せず)電気的に接続し、及び光ファイバポート部分44に光ファイバ(図示せず)を結合することにより、従来の態様で使用することが可能なものである。動作時には、図6に波線で示す光路に沿って該光ファイバとオプトエレクトロニクスデバイス34との間で光信号の通信を行うことが可能である。2つのかかる光学アセンブリ66は、光ファイバを介して互いに光信号の通信を行うことが可能であり、この場合には、一方が送信機として機能し、他方が受信機として機能する。送信側の光学アセンブリ66では、オプトエレクトロニクスデバイス34はレーザその他の光源であり、受信側の光学アセンブリ66では、オプトエレクトロニクスデバイス34はフォトダイオードその他の光検出器である。
【0021】
本発明の一実施形態による光学アセンブリ(例えば光学アセンブリ66)の形成方法は、図11に関して説明することができる。ブロック68に示すように、フレーム26は、それを所定位置にオーバーモールドすることにより、又は代替的には該フレーム26を別個に形成し次いでそれをPCB28上に配置することにより、PCB28上に配設することが可能である。ブロック70に示すように、少なくとも1つのオプトエレクトロニクスデバイス34を基準38と位置合わせすることにより、該オプトエレクトロニクスデバイス34を内部領域32内でPCB28の表面上に取り付けることができる。ブロック72に示すように、レンズ装置40は、該レンズ装置40を前記と同じ基準38と位置合わせすることにより、フレーム26上に取り付けることができる。同一のピック・アンド・プレースマシン54を使用して、オプトエレクトロニクスデバイス34及びレンズ装置40の両方の位置合わせを行う。ブロック74に示すように、レンズ装置40は、該レンズ装置40が位置合わせされた場所でフレーム26に対してレーザ溶接することができる。
【0022】
以上、本願発明の1つ又は2つ以上の例示的又は模範的な実施形態について説明した。しかし、本発明は、特許請求の範囲により画定されるものであり、上述した特定の実施形態に限定されるものではない、とうことが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0023】
26 フレーム
28 プリント回路基板
30 突起
32 内部領域
34 オプトエレクトロニクスデバイス
38 基準
40 レンズ装置
44 光ファイバポート部分
54 ピック・アンド・プレースマシン
57 基部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学アセンブリの作成方法であって、
プリント回路基板の表面上にプラスチック材料からなるフレームを配設し、
該フレームの内部領域内で前記プリント回路基板の前記表面上に少なくとも1つのオプトエレクトロニクスデバイスを取り付け、
前記フレーム上にレンズ装置を配置し、該レンズ装置が、前記オプトエレクトロニクスデバイスに光ファイバを光学的に結合させるための少なくとも1つの光学要素を有しており、
前記レンズ装置を前記フレームにレーザ溶接する、
という各ステップからなる、光学アセンブリの作成方法。
【請求項2】
前記フレームを配設する前記ステップが、該フレームを前記プリント回路基板の前記表面上にオーバーモールドするステップからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレームを配設する前記ステップが、該フレームを前記プリント回路基板の前記表面上に取り付けるステップからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクスデバイスを取り付ける前記ステップが、該オプトエレクトロニクスデバイスを前記プリント回路基板上の1つ又は2つ以上の基準と位置合わせするステップからなり、
前記フレーム上に前記レンズ装置を配置する前記ステップが、該レンズ装置を前記プリント回路基板上の前記1つ又は2つ以上の基準と位置合わせするステップからなる、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのオプトエレクトロニクスデバイスを取り付ける前記ステップが、ピック・アンド・プレースマシンを使用して該少なくとも1つのオプトエレクトロニクスデバイスを取り付けるステップからなり、
前記フレーム上に前記レンズ装置を配置する前記ステップが、前記ピック・アンド・プレースマシンを使用して該レンズ装置を前記フレーム上に配置するステップからなる、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記レンズ装置を前記フレームにレーザ溶接する前記ステップが、該レンズ装置を配置すべき該フレーム上の所定位置に前記ピック・アンド・プレースマシンが該レンズ装置を保持している間に、該ピック・アンド・プレースマシン上に取り付けられたレーザ溶接手段を使用して該レンズ装置を該フレームに溶接する、というステップからなる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記フレームが前記内部領域の周囲に連続的な周辺を有しており、前記レンズ装置を前記フレームにレーザ溶接する前記ステップが、前記周辺に対応する連続的な溶接部を形成するステップからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記レンズ装置を前記フレームにレーザ溶接する前記ステップが、該レンズ装置の基部と、該レンズ装置の該基部と接触している前記フレームの一部とに交差する軸に沿って、該レンズ装置の外面にレーザ溶接ビームを向けるステップからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記レンズ装置を前記フレームにレーザ溶接する前記ステップが、前記フレームのうちレーザビームに対して実質的に透過性を有する部分を介して、該フレームのうちレーザビームに対して実質的に透過性を有さない部分上にレーザビームを向けるステップからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フレームが、前記内部領域の周囲に連続的な周辺を有しており、前記レンズ装置を前記フレームにレーザ溶接する前記ステップが、前記周辺に対応する連続的な溶接部を形成するステップからなる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
レーザ溶接された光学アセンブリであって、
プリント回路基板と、
該プリント回路基板上に配設されたプラスチック材料からなるフレームと、
該フレームの内部領域内で前記プリント回路基板上に取り付けられた少なくとも1つのオプトエレクトロニクスデバイスと、
前記フレームにレーザ溶接されたレンズ装置であって、前記オプトエレクトロニクスデバイスに光ファイバを光学的に結合させるための少なくとも1つの光学要素と、該レンズ装置と該フレームとが共に溶合する該フレームと該レンズ装置の基部との間の溶接部とを有している、レンズ装置と
からなる、レーザ溶接された光学アセンブリ。
【請求項12】
前記フレームの外面から該フレームの基部へと延びる該フレームの一部が、レーザ溶接放射線に対して実質的に透過性を有しており、
前記フレームの別の一部が、レーザ溶接放射線に対して実質的に透過性を有さず、
前記フレームのうち前記レーザ溶接放射線に対して実質的に透過性を有する前記部分と前記フレームのうち前記レーザ溶接放射線に対して実質的に透過性を有さない前記部分との間に前記溶接部が形成されている、請求項11に記載の光学アセンブリ。
【請求項13】
前記フレームが、前記プリント回路基板の前記表面に対して前記フレームを保持するように該プリント回路基板内へと延びる1つ又は2つ以上の突起を有する、請求項11に記載の光学アセンブリ。
【請求項14】
前記フレームが前記内部領域の周囲に連続的な周辺を有しており、前記溶接部が該周辺をたどるものである、請求項11に記載の光学アセンブリ。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−181521(P2012−181521A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30563(P2012−30563)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【出願人】(506098789)アバゴ・テクノロジーズ・ファイバー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (36)
【Fターム(参考)】