説明

プリント回路板、電子機器

【課題】 機械的強度が良好であり、かつリワークが容易なプリント回路板を提供する。
【解決手段】 プリント回路板60は、BGAパッケージ66とこのBGAパッケージ66が実装されるプリント配線板61と接着部689とからなる。プリント配線板61は、はんだ突起電極67と対向する位置に設けられた複数の接続パッド63と、パッケージ本体66aのコーナ部付近に対向する位置に設けられた補強パッドとを有する。接着部689は、補強パッド62上にはんだを介して設けられた金属層68と、金属層68上に設けられ、その一部がパッケージ本体66aのコーナ部付近と接合される接着剤69とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路板に係り、特にBGA(Ball Grid Array)パッケージを実装したプリント回路板、及びこのプリント回路板を内蔵した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばパーソナルコンピュータ等のCPUなどBGAパッケージのコーナー部には応力がかかり易い。このため、BGAパッケージのコーナー部とBGAパッケージが実装されるプリント配線板との間を接着剤で接合補強し、BGAパッケージのコーナー部にかかる応力を低減させる提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、接着剤を使用した場合、接続後に接続不良等が発見されたとしてもプリント配線板の表面からBGAを剥がすには困難が伴う。従ってリワークに多くの作業工数が係ってしまう問題があった。
【特許文献1】特開2000−299356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、機械的強度が良好であり、かつリワークが容易なプリント回路板及びこのプリント回路板を内蔵する電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために本発明に係るプリント回路板は、パッケージ本体とこのパッケージ本体の一方の面に所定の形態に配列して設けられた複数のはんだ突起電極とを有するBGA(Ball Grid Array)パッケージと、前記BGAパッケージが実装されるプリント配線板と、前記BGAパッケージと前記プリント配線板とを接合する接着部と、を備えたプリント回路板であって、前記プリント配線板は、前記複数のはんだ突起電極と対向する位置に設けられた複数の接続パッドと、前記パッケージ本体のコーナ部付近に対向する位置に設けられた補強パッドとを有し、前記接着部は、前記補強パッド上にはんだを介して設けられた金属層と、前記金属層上に設けられ、その一部が前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合される接着剤とを有することを特徴としている。
【0006】
また、本発明に係る電子機器は、プリント回路板を内蔵する電子機器であって、前記プリント回路板は、パッケージ本体とこのパッケージ本体の一方の面に所定の形態に配列して設けられた複数のはんだ突起電極とを有するBGA(Ball Grid Array)パッケージと、前記BGAパッケージが実装されるプリント配線板と、前記BGAパッケージと前記プリント配線板とを接合する接着部とを備え、前記プリント配線板は、前記複数のはんだ突起電極と対向する位置に設けられた接続パッドと、前記パッケージ本体のコーナ部付近に対向する位置に設けられた補強パッドとを有し、前記接着部は、前記補強パッド上にはんだを介して設けられた金属層と、前記金属層上に設けられ、その一部が前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合される接着剤とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機械的強度が良好であり、かつリワークが容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態に係るプリント回路板は、プリント回路板は、パッケージ本体とこのパッケージ本体の一方の面に所定の形態に配列して設けられた複数のはんだ突起電極とを有するBGA(Ball Grid Array)パッケージと、前記BGAパッケージが実装されるプリント配線板と、前記BGAパッケージと前記プリント配線板とを接合する接着部と、を備えたプリント回路板であって、前記プリント配線板は、前記複数のはんだ突起電極と対向する位置に設けられた複数の接続パッドと、前記パッケージ本体のコーナ部付近に対向する位置に設けられた補強パッドとを有し、前記接着部は、前記補強パッド上にはんだを介して設けられた金属層と、前記金属層上に設けられ、その一部が前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合される接着剤とを有する。
【0009】
また、本発明の実施の形態に係る電子機器は、プリント回路板を内蔵する電子機器であって、前記プリント回路板は、パッケージ本体とこのパッケージ本体の一方の面に所定の形態に配列して設けられた複数のはんだ突起電極とを有するBGA(Ball Grid Array)パッケージと、前記BGAパッケージが実装されるプリント配線板と、前記BGAパッケージと前記プリント配線板とを接合する接着部とを備え、前記プリント配線板は、前記複数のはんだ突起電極と対向する位置に設けられた接続パッドと、前記パッケージ本体のコーナ部付近に対向する位置に設けられた補強パッドとを有し、前記接着部は、前記補強パッド上にはんだを介して設けられた金属層と、前記金属層上に設けられ、その一部が前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合される接着剤とを有する。
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態をより具体的に説明する。
【0011】
図1に、本発明の一実施形態であるプリント回路板の一部の概略的な断面図を示す。
【0012】
図2に、図1を電子部品側(天面)から見た図を示す。
【0013】
図1及び図2に示すように、プリント回路板60は、BGAパッケージ66と、プリント配線板61と、接着部689から構成されている。
【0014】
BGAパッケージ66は、略平板のパッケージ本体66aと、このパッケージ本体66a本体の一方の面に所定の形態に配列して設けられた複数のはんだ突起電極67を有している。BGAパッケージ66は電子部品であるICパッケージの一種である。BGAパッケージ66はプリント配線板61上に実装された状態でリフロー加熱することでプリント配線板61と接合される。
【0015】
プリント配線板61は、その一方の面にBGAパッケージ66が実装される。プリント配線板61は、BGAパッケージ66の複数のはんだ突起電極67と対向する位置に接続パッド63が夫々設けられている。また、パッケージ本体66aのコーナ部付近に対向する位置には補強パッド62が設けられている。プリント配線板61の表面には、絶縁層65が設けられている。但し、接続パッド63や補強パッド62の夫々は少なくとも一部が露出している。接続パッド63が露出している理由は、はんだ突起電極67が搭載され電極としての役割を果たすためである。補強パッド62が露出している理由は、はんだ層64を介して後述する金属層68が搭載されるためである。
【0016】
接着部689は、金属層68と接着剤69とを有する。金属層68は、はんだ層64を介して補強パッド62上に設けられる。接着剤69は、金属層68上に設けられ、BGAパッケージのコーナ部付近と接合される。
【0017】
図1及び図2に示すように、補強パッド62、金属層68(図2では補強パッド62は不図示)は、その一部分がBGAパッケージ66のコーナー部の一部と対向し、その他の部分がコーナー部より外側に位置するように配置されている。但し本発明の実施の形態は、これに限られず、BGAパッケージ66のコーナ部周辺に対向する位置であればいずれの位置であっても良い。例えば、補強パッド62及び金属層68の全てがBGAパッケージ66のコーナ部と対向する位置に配置されていても良い。また、補強パッド62及び金属層68が、その全てがBGAパッケージ66のコーナ部と対向する位置に配置されていなくても、コーナ部外側周辺と対向する位置に配置されていても良い。但し、補強パッド62及び金属層68は、接着剤69がBGAパッケージ66のコーナ部周辺と接合する位置に配置されている必要がある。
【0018】
図3は、BGAパッケージ66を実装する前の状態のプリント配線板の断面図の一例である。
【0019】
補強パッド62と金属層68との積層には、はんだ層64以外に接着剤層等を使用することができる。但し、はんだ層64を、接続パッド63上に形成する際に補強パッド62上にも形成すると、設備及び工程を増加することなく効率的である。
【0020】
金属層68としては、例えば黄銅に錫メッキを施した材料、銅、真鍮、鉄などにニッケルや錫などのメッキを施した材料等を使用することができる。金属層68は、例えば円柱または角柱形状を有することができる。金属層68は、BGAパッケージ66をプリント配線板61上に実装するために用いるマウンタを使用して補強パッド62上にはんだ層64を介して設けられる。
【0021】
図4及び図5に、本発明の実施の形態に使用される金属層の形状の一例を表す概略図を示す。
【0022】
図4は例えば円柱形状の金属層71の例を示す。
【0023】
接着剤69としては、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系など液状接着剤、高温で溶融特性を持たせたBステージ状の樹脂等の半硬化状態で使用し得る熱硬化性樹脂系接着剤、熱硬化性エポキシ樹脂にシリコーン等を添加したゴム変性接着剤、アクリル系ゴム、シリコーン系、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)などのゴム系接着剤等を用いることができる。
【0024】
図5には、凹部形状を有した金属層例を示す。図5に示すように、金属層72が、このような凹部形状を有すると、接着剤を盛りやすくなる。例えば、接着剤69として液状接着剤を使用する場合には、金属層72のように表面を凹部形状にしておくことで、接着剤を盛りやすくなる。
【0025】
また、非液状の接着剤を使用する場合には、非液状の接着剤を予め金属層に積層させることができる。図6に、金属層と半硬化接着剤層との積層の一例を表す概略図を示す。例えば半硬化状態で使用し得る接着剤を用いる場合には、例えば金属層上に所望の形状で設けることができる。即ち、図6に示すように、円柱形状の金属層71上に、BGAパッケージ66のパッケージ本体66aのコーナー部にはまる形状の切り欠きを有する半硬化接着剤層74を設けた接着部714が考えられる。接着部714は、金属層71上に半硬化接着剤層74の積層体を予め形成しておくことにより、製造工程を簡略化し得る。
【0026】
また、金属層上に、接着後にゴム状となる接着剤例えばゴム変性接着剤、あるいはゴム系接着剤等の応力緩和剤層を設けることができる。図7に、金属層と応力緩和剤層の積層の一例を表す概略図を示す。図7に示すように、円柱形状の金属層71上に、円柱形状の応力緩和剤層75を設けた接着部715が考えられる。
【0027】
あるいは、例えば半硬化状態で使用し得る接着剤を用いる場合には、例えば金属層との間に応力緩和層を所望の形状で設けることができる。図8に、金属層と応力緩和剤層と半硬化接着剤層との積層の一例を表す概略図を示す。図8に示すように、円柱形状の金属層71上と、BGAパッケージ66のパッケージ本体66aのコーナー部にはまる形状の切り欠きを有する半硬化接着剤層74との間に、同様の切り欠きを有する応力緩和剤層75’を設けた接着部7154’が考えられる。応力緩和剤層を使用することにより、BGAパッケージ66の実装構造にかかる応力を緩和し、機械的強度をより良好にすることができる。この場合、応力緩和剤層75’としては、ゴム変性接着剤、あるいはゴム系接着剤等の接着剤以外にゴム状樹脂を使用することもできる。
【0028】
上記金属層、接着層、応力緩和層、半硬化接着剤層の厚さは、実装する電子部品によって適宜設定し得る。
【0029】
図9ないし図11に、本発明の実施の形態に係る電子機器の一例を表す概略図を示す。図9に示すように、パーソナルコンピュータ1は、偏平な矩形箱状の機器本体10と、同じく偏平な矩形状のディスプレイユニット12とを備えている。
【0030】
機器本体10は、上面の開口した矩形状のベース部8と、ベース部8の開口を覆うようにベース部8に接合されたカバー7とで構成されている。そして、機器本体10は、カバー7によって構成された上壁7a、一対の側壁26、後壁28、および矩形状の底壁25を有している。
【0031】
機器本体10の上壁7aには矩形状の凹所6が形成され、この凹所6には多数のキー5を有したキーボード14が配置されている。その他、機器本体10の上壁7aには、電源スイッチ16、クリックスイッチ18、インジケータ20等が設けられている。そして、ディスプレイユニット12は、機器本体10の後部に設けられたヒンジ部22により、キーボード14の入力操作が可能な図示の開放位置と、キーボードを覆う閉塞位置との間を回動自在に支持されている。
【0032】
図10に示すように、機器本体10内には、光ディスクドライブ24、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ32、カードスロット36、電池パック38、その他、種々の電子部品が配設されている。また、機器本体10内の底壁25上には、種々の電子部品が実装されたプリント回路板42が配設されているとともに、このプリント回路板42上には、機器本体10内および電子部品を冷却するための冷却ユニット44が配設されている。
【0033】
図10及び図11に示すように、冷却ユニット44は、アルミニウム等の金属によって形成され矩形状の断面を有した冷却ダクト50と、この冷却ダクト内に配設されたファン54とを備えている。冷却ダクト50は、キーボード14の下方に位置している。そして、冷却ダクト50の一端に形成された排気口50aは、機器本体10の後壁28に形成された排気孔27に連通している。ファン54は冷却ダクト50の他端部内に配置され、冷却ダクト50に形成された円形の吸気口53と対向している。また、冷却ダクト50内には、多数の放熱フィン52が形成されている。
【0034】
プリント回路板42は、機器本体10の底壁25内面に配置されているとともに、プリント回路板42上には、BGA型電子部品、例えばCPU43、半導体パッケージ45等が実装されている。
【0035】
実施例
以下、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。
【0036】
実施例1
図12に、BGAパッケージの実装工程の第1の例のフロー図を示す。
【0037】
図13ないし図16に、BGAパッケージの実装工程の第1の例を説明するためのモデル図を示す。
【0038】
図13に示すように、例えば260mm×210mmの大きさを有するプリント配線板61を用意する。プリント配線板61は、例えば銅からなる0.55mmの直径を有する円形の接続パッド63の配列、及びBGAパッケージ66のコーナー部が搭載される所定の位置に補強パッド62を形成し、その上にSn−Ag−Cuからなるペースト状のはんだ層64を印刷機にて印刷した(ST1)。
【0039】
図14に示すように、補強用パッド62の上に、このはんだ層64を介して、黄銅にSnめっきを施した2mmの直径、150μmの厚さを有する円柱形状の金属層68をマウンタで位置合わせして載置し、同様に接続パッド63上に、はんだ層64を介して、BGAパッケージ66の220℃の融点を有するSn−Agはんだ突起電極67をマウンタで位置合わせし、載置した(ST2)。
【0040】
金属層68とBGAパッケージ66を載置したプリント回路板60を、リフロー炉内に入れ、240℃に加熱接合を行った(ST3)。
【0041】
これにより、図15に示すように、接続パッド63とはんだ突起電極67、及び金属層68と補強用パッド62が各々はんだ接合された。
【0042】
その後、図16に示すように、金属層68上にディスペンサを用いてエポキシ系接着剤81を塗布する。これによりBGAパッケージ66のパッケージ本体66aのコーナー部と金属層68を接着して固定する。これによりプリント回路板60を得た。
【0043】
この例では、同じマウンタを使用して、BGAパッケージ66の載置の前に、金属層68を載置し得、さらにリフロー炉を通した後、ディスペンサで接着剤69を適用するだけで、十分な機械的強度を有する実装構造が得られる。
【0044】
リワークのため、はんだの溶融点この場合は240℃まで温度を上げることにより、BGAパッケージ66のはんだ突起電極67及びプリント配線板61上に塗布されたはんだ層64が溶融して、プリント配線板61からBGAパッケージ66を簡単に剥がすことができるので、リワークが容易であった。
【0045】
実施例2
図17に、BGAパッケージの実装工程の第2の例のフロー図を示す。図18ないし図21に、BGAパッケージの実装工程の第2の例を説明するためのモデル図を示す。
【0046】
図13に示すように、実施例1と同様にして、接続パッド63の配列、補強用パッド62を形成したプリント配線板61上に、印刷機でペースト状のはんだ層64を印刷した(ST11)。
【0047】
次に、図18に示すように、マウンタを用いて、補強パッド62上に、はんだ層64を介して金属層68を位置合わせして載置した(ST12)。
【0048】
続いて、図19に示すように、金属層68上に熱硬化性接着剤82として例えばエポキシ系樹脂をディスペンサを用いて塗布した(ST13)。
【0049】
その後、図20に示すように、接続パッド63上に、はんだ層64を介して、BGAパッケージ66の220℃の融点を有するSn−Ag系はんだ突起電極67をマウンタで位置合わせし、載置した(ST14)。
【0050】
金属層68、BGAパッケージ66、及び熱硬化性接着剤82を載置したプリント回路板60を、リフロー炉内に入れ、240℃に加熱した(ST15)。
【0051】
これにより、図21に示すように、接続パッド63とはんだ突起電極67、金属層68と補強パッド62が各々はんだ接合され、かつ同時にBGAパッケージ66のパッケージ本体66aのコーナー部と金属層68の間の接着剤82が熱硬化して固定され、プリント配線板61が得られた。
【0052】
この例では、印刷後、マウンタで金属層68を載置した後、ディスペンサで接着剤層82を適用して、再びBGAパッケージ66を載置してリフロー炉を通すだけで、十分な機械的強度を有する実装構造が得られる。
【0053】
リワークのため、はんだの溶融点この場合は240℃まで温度を上げることにより、BGAパッケージ66のはんだ突起電極67及びプリント配線板61上に塗布されたはんだ層64が溶融して、プリント配線板61からBGAパッケージ66を簡単に剥がすことができるので、リワークが容易であった。
【0054】
実施例3
図22に、BGAパッケージの実装工程の第3の例を説明するためのフロー図を示す。
【0055】
図23ないし図25に、BGAパッケージの実装工程の第3の例を説明するためのモデル図を示す。
【0056】
図13に示すように、実施例1と同様にして、接続パッド63の配列、補強用パッド62が形成されたプリント配線板61を用意し、印刷機でペースト状のはんだ層64を印刷した(ST21)。
【0057】
また、予め、金属層68上にエポキシ系接着剤を適用してBGAパッケージ66のパッケージ本体66aのコーナー部形状にはまる形状に切り欠きを形成して半硬化させ、接着剤層83を得た。
次に、図23に示すように、マウンタを用いて、補強パッド62上に、はんだ層64を介して、金属層68と接着剤層83とからなる接着部を位置合わせして載置し、図24に示すように、接続パッド63上に、はんだ層64を介して、BGAパッケージ66の220℃の融点を有するSn−Ag系はんだ突起電極67をマウンタで位置合わせし、載置した(ST22)。
【0058】
金属層68、及び熱硬化性接着剤層83とからなる接着部及びBGAパッケージ66を載置したプリント回路板60を、リフロー炉内に入れ、240℃に加熱した(ST23)。
【0059】
これにより、図25に示すように、接続パッド63とはんだ突起電極67、金属層68と補強パッド62が各々はんだ接合され、かつ同時にBGAパッケージ66のパッケージ本体66aのコーナー部と金属層68の間の接着剤層83が熱硬化して固定され、十分な機械的強度を有するプリント配線板61が得られた。
【0060】
この例では、予め、金属層68上に接着剤層83を積層しておき、印刷機とマウンタとリフロー炉に通すだけで、BGAパッケージ66とプリント配線板61との接合、及びパッケージ本体66aのコーナー部の接着を容易に行うことができる。
【0061】
リワークのため、はんだの溶融点この場合は240℃まで温度を上げることにより、BGAパッケージ66のはんだ突起電極67及びプリント配線板61上に塗布されたはんだ層64が溶融して、プリント配線板61からBGAパッケージ66を簡単に剥がすことができるので、リワークが容易であった。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態であるプリント回路板の一部の概略的な断面図。
【図2】図1を電子部品側(天面)から見た図。
【図3】BGAパッケージ66を実装する前の状態のプリント配線板の断面図の一例。
【図4】本発明の実施の形態に使用される金属層の形状の一例を表す概略図。
【図5】本発明の実施の形態に使用される金属層の形状の一例を表す概略図。
【図6】金属層と半硬化接着剤層との積層の一例を表す概略図。
【図7】金属層と応力緩和剤層の積層の一例を表す概略図。
【図8】金属層と応力緩和剤層と半硬化接着剤層との積層の一例を表す概略図。
【図9】本発明の実施の形態に係る電子機器の一例を表す概略図。
【図10】本発明の実施の形態に係る電子機器の一例を表す概略図。
【図11】本発明の実施の形態に係る電子機器の一例を表す概略図。
【図12】BGAパッケージの実装工程の第1の例のフロー図。
【図13】BGAパッケージの実装工程の第1の例を説明するためのモデル図。
【図14】BGAパッケージの実装工程の第1の例を説明するためのモデル図。
【図15】BGAパッケージの実装工程の第1の例を説明するためのモデル図。
【図16】BGAパッケージの実装工程の第1の例を説明するためのモデル図。
【図17】BGAパッケージの実装工程の第2の例のフロー図。
【図18】BGAパッケージの実装工程の第2の例を説明するためのモデル図。
【図19】BGAパッケージの実装工程の第2の例を説明するためのモデル図。
【図20】BGAパッケージの実装工程の第2の例を説明するためのモデル図。
【図21】BGAパッケージの実装工程の第2の例を説明するためのモデル図。
【図22】BGAパッケージの実装工程の第3の例のフロー図。
【図23】BGAパッケージの実装工程の第3の例を説明するためのモデル図。
【図24】BGAパッケージの実装工程の第3の例を説明するためのモデル図。
【図25】BGAパッケージの実装工程の第3の例を説明するためのモデル図。
【符号の説明】
【0063】
60…プリント回路板、61…プリント配線板、62…補強パッド、63…接続パッド、66…BGAパッケージ、67…はんだ突起電極、68…金属層、75…応力緩和剤層
、689…接着部689

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ本体とこのパッケージ本体の一方の面に所定の形態に配列して設けられた複数のはんだ突起電極とを有するBGA(Ball Grid Array)パッケージと、
前記BGAパッケージが実装されるプリント配線板と、
前記BGAパッケージと前記プリント配線板とを接合する接着部と、
を備えたプリント回路板であって、
前記プリント配線板は、
前記複数のはんだ突起電極と対向する位置に設けられた複数の接続パッドと、
前記パッケージ本体のコーナ部付近に対向する位置に設けられた補強パッドとを有し、
前記接着部は、
前記補強パッド上にはんだを介して設けられた金属層と、
前記金属層上に設けられ、その一部が前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合される接着剤とを有すること
を特徴とするプリント回路板。
【請求項2】
前記接着剤は、前記接続パッドと前記複数のはんだ突起電極とのリフロー加熱による接続が行われる際に前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合されることを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
【請求項3】
前記接着剤は、前記接続パッドと前記複数のはんだ突起電極とのリフロー加熱による接続が行わた後に前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合されることを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
【請求項4】
前記金属層は、円柱または角柱形状を有することを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
【請求項5】
前記金属層は、その表面に凹部形状を有することを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
【請求項6】
前記接着剤は、前記金属層上に設けられる前に半硬化状態であり、かつ切り欠き部を有することを特徴とする請求項1項に記載のプリント回路板。
【請求項7】
前記接着部は、前記金属層と前記接着剤との間に応力緩和剤層を更に有することを特徴とする請求項1又は請求項6に記載のプリント回路板。
【請求項8】
プリント回路板を内蔵する電子機器であって、
前記プリント回路板は、パッケージ本体とこのパッケージ本体の一方の面に所定の形態に配列して設けられた複数のはんだ突起電極とを有するBGA(Ball Grid Array)パッケージと、前記BGAパッケージが実装されるプリント配線板と、前記BGAパッケージと前記プリント配線板とを接合する接着部とを備え、
前記プリント配線板は、
前記複数のはんだ突起電極と対向する位置に設けられた接続パッドと、
前記パッケージ本体のコーナ部付近に対向する位置に設けられた補強パッドとを有し、
前記接着部は、
前記補強パッド上にはんだを介して設けられた金属層と、
前記金属層上に設けられ、その一部が前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合される接着剤とを有すること
を特徴とする電子機器。
【請求項9】
前記接着剤は、前記第1のパッドと前記複数のはんだ突起電極とのリフロー加熱による接続が行われる際に前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合されることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記接着剤は、前記第1のパッドと前記複数のはんだ突起電極とのリフロー加熱による接続が行わた後に前記BGAパッケージのコーナ部付近と接合されることを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項11】
前記金属層は、円柱または角柱形状を有することを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項12】
前記金属層は、その表面に凹部形状を有することを特徴とする請求項8に記載の電子機器。
【請求項13】
前記接着剤は、前記金属層上に設けられる前に半硬化状態であり、かつ切り欠き部を有することを特徴とする請求項8項に記載の電子機器。
【請求項14】
前記接着部は、前記金属層と前記接着剤との間に応力緩和剤層を更に有することを特徴とする請求項8又は請求項13に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−16460(P2008−16460A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−182680(P2006−182680)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】