説明

プリント基板の黒化処理方法及び装置

【課題】高価な純水製造装置や廃水処理設備が不要となり、水質汚濁防止法や下水道法などの法律に基づいた、廃水を公共下水道に流すための許認可が不要な黒化処理方法および装置を提供する。
【解決手段】COレーザ加工用基板を水酸化ナトリウムにより脱脂処理する脱脂処理槽と、脱脂処理後の水洗を行う第1水洗槽と、過硫酸ナトリウムによりマイクロエッチング処理を行うためのマイクロエッチング処理槽と、マイクロエッチング処理後の水洗を行う第2水洗槽と、酸洗処理を行うための酸洗槽と、酸洗処理後の水洗を行う第3水洗槽と、黒化処理を行うための黒化処理槽と、黒化処理工程後に水洗を行うための第4水洗槽と、第3および第4の2つの水洗槽に、pHを監視するためのpH測定手段と、電気伝導率を監視するための電気伝導率測定手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板の銅箔にレーザで穴明け加工を行うために、銅箔表面を粗化させる黒化処理の方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型軽量化に伴い、プリント配線板の配線の高密度化が要求されている。そのために、複数の絶縁層と配線層を有する多層プリント配線板の技術が進化している。多層プリント配線基板の製造技術では、配線層の間を電気的に接続する層間接続が重要な要素となっている。
【0003】
層間接続方法としては、貫通穴であるスルーホールや非貫通穴のブラインドビアホールを使用する方法、インタースティシャルビアホールを使用する方法等がある。プリント基板の穴の形成方法には、ドリル加工法、レーザ加工法などがあるが、加工穴の小径化、加工速度の高速化などの面からレーザ加工法が主流となっている。レーザ加工用の発振源も様々なものがあるが、その中でも高いレーザエネルギを有するCOレーザが最も普及している。
【0004】
COレーザの波長領域では銅箔表面でレーザ光が反射するため、COレーザによる加工が困難である。そこで、予め穴形成周辺部の銅箔のみをエッチング除去してからレーザ加工を行うコンフォーマルマスク法が採用されている。しかし、コンフォーマルマスク法では銅箔のパターニング工程では必要とされることや穴の位置ずれの修正も困難であることから、直接、レーザで銅箔を加工するための銅箔表面処理技術が検討されている。銅箔表面のレーザ光の吸収率を高くする方法としては、銅箔表面にレーザ光吸収率の高い金属層または有機被膜を設ける方法と直接銅箔表面を粗化する特許文献1に記載の黒化処理方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−339259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1のように黒化処理工程においては、工程中における水洗槽の水が汚れると、表面処理品質が悪くなるため、純水を水洗槽に給水し、それと同時に使用済みの純水を槽外へ廃水する作業を行っていた。この方法を用いた場合、水洗用の水として純水を用いるため、高価な純水製造装置が必要となる。また使用済みの廃水は、高価な廃水処理設備が必要となる。水質汚濁防止法や下水道法などの法律に基づき、廃水を公共下水道に流すための許認可が必要であるという問題があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記問題点を解決した黒化処理方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、多層基板表面の銅層から内層の銅層に達する穴を明けるCOレーザ加工用基板の表面を黒化処理する黒化処理方法において、COレーザ加工用基板を水酸化ナトリウム溶液により脱脂処理する脱脂処理工程と、脱脂処理後に前記COレーザ加工用基板を水洗する第1の水洗工程と、過硫酸ナトリウム溶液によりマイクロエッチング処理を行うエッチング処理工程と、エッチング処理工程後に前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第2の水洗工程と、希硫酸溶液により酸洗処理を行う酸洗処理工程と、酸洗処理工程後に前記COレーザ加工用基板を水洗する第3の水洗工程と、亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウムの混合溶液で構成される黒化処理液により黒化処理を行う黒化処理工程と、黒化処理工程後に前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第4の水洗工程とからなり、水洗工程で使用する水洗水を水道水とし、第3および第4の水洗工程で、水洗水のpH値と電気伝導率を監視することを主要な特徴とする。
【0009】
また、本発明は、多層基板表面の銅層から内層の銅層に達する穴を明けるCOレーザ加工用基板を脱脂するための脱脂処理槽と、脱脂処理後のCOレーザ加工用基板の水洗を行う第1水洗槽と、第1水洗槽による水洗後に前記COレーザ加工用基板の表面の銅層をエッチングするマイクロエッチング処理を行うためのエッチング処理槽と、エッチング処理後の前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第2水洗槽と、第2水洗槽による水洗後に前記COレーザ加工用基板の酸洗処理を行う酸洗処理槽と、酸洗処理後に前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第3水洗槽と、第3水洗槽による水洗後に前記COレーザ加工用基板の黒化処理を行う黒化処理槽と、黒化処理後に前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第4水洗槽とが設けられ、第3水洗槽および第4水洗槽には、pHを測定するためのpH測定手段と、電気伝導率を測定するための電気伝導率測定手段とが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の黒化処理方法及び装置によれは、廃水の排出を最小限に止め、純水製造装置および廃水処理施設の設置が不要となる。また、水質汚濁防止法や下水道法などの法律に基づいた廃水を公共下水道に流すための許認可が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明における黒化処理装置の模式図である。
【図2】本発明の黒化処理プロセスを示すブロック図である。
【図3】本発明における黒化処理装置を用いて黒化処理を行った黒化処理被膜の厚みを測定した測定結果である。
【図4】本発明における黒化処理装置の第3水洗槽および第4水洗槽のpHの経時変化である。
【図5】本発明における黒化処理装置を用いた第3水洗槽および第4水洗槽の電気伝導率の経時変化である。
【図6】本発明のpHおよび電気伝導率の調整手段を説明する図である。
【図7】本発明の別の実施例における黒化処理プロセスを示すブロック図である。
【図8】本発明の別の実施例である搬送方式が異なる黒化処理装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0012】
図1に基づいて本発明における黒化処理装置について説明する。図1は黒化処理装置の模式図である。
黒化処理装置1は複数の槽からなり、黒化処理装置1の装置全体に亘って槽から漏出した液を受けるためのトレイ2とトレイ2に対して黒化処理装置1を支持するための支持手段3が設けられている。このトレイ2および支持手段3の材質として、強アルカリや強酸に対する耐性が強く、腐食し難く、耐熱(70℃以上)で重量物の支持に適しているステンレス、チタン等が望ましい。
【0013】
本発明における黒化処理装置1は、黒化処理の対象であるプリント基板4を左側の槽から順次浸漬、搬送するための搬送アーム5と、脱脂処理を行うための脱脂処理槽6と、脱脂処理後の水洗を行うために脱脂処理槽6の右隣に配置された第1水洗槽7と、この第1水洗槽7で水洗されたプリント基板4の銅層をエッチングするためのマイクロエッチング処理を行うために第1水洗槽7の右隣に配置されたエッチング処理槽8と、マイクロエッチング処理後の水洗を行うためにエッチング槽8の右隣に配置された第2水洗槽9と、第2水洗槽9で水洗されたプリント基板4の酸洗処理を行うために第2水洗槽9の右隣に配置された酸洗処理槽10と、酸洗処理後のプリント基板4を水洗するために酸洗処理槽10の右隣に配置された第3水洗槽11と、第3水洗槽11によるプリント基板4の水洗後に黒化処理を行うために第3水洗槽11の右隣に配置された黒化処理槽12と、黒化処理を行った後にプリント基板4を水洗するために黒化処理槽12の右隣に配置された第4水洗槽13により構成されている。
【0014】
この黒化処理装置1の第3水洗槽11および第4水洗槽13には水洗槽内のpHおよび電気伝導率を測定するための測定子14および15が設けられている。本実施例において、測定子14および15はpH測定用と電気伝導率測定用のそれぞれ個別の測定子で測定するようになっている。
【0015】
この黒化処理装置1を用いてプリント基板4を黒化処理する黒化処理工程について図2を用いて説明する。
まず、ステップS11でプリント基板4の銅箔表面の洗浄として水酸化ナトリウム溶液による脱脂処理を脱脂処理槽6で行い、その後ステップS12で第1水洗槽7にプリント基板4を浸漬させて水洗を行った。次にステップS13で過硫酸ナトリウム溶液によりエッチング処理槽8でマイクロエッチング処理を行い、その後ステップS14で第2水洗槽9にプリント基板4を浸漬させて水洗を行った。次にステップS15で希硫酸溶液により酸洗処理槽10で酸洗処理を行い、その後ステップS16で第3水洗槽11にプリント基板7を浸漬させて水洗を行った。次にステップS17で亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウムの混合溶液からなる黒化処理溶液による黒化処理を黒化処理槽12で行い、その後ステップS18で第4水洗槽13にプリント基板4を浸漬させて水洗し、水洗後乾燥させることでプリント基板4の黒化処理が完了する。なお、プリント基板4の黒化処理終了後、第3水洗槽11および第4水洗槽13に設けたpHおよび電気伝導率を測定するための測定子14および15で測定したpHおよび電気伝導率に基づき、水洗槽の水を交換する必要が生じたときは、交換すべき水洗槽の水を排水し、新たな水道水を供給する。
【0016】
図3は、この黒化処理の工程で、各水洗槽に水道水を用いて黒化処理を行い、プリント基板4表面の黒化処理被膜の厚みを測定した測定結果である。図3の実験条件は水槽への給水および排水なしで水洗水として水道水を用いたときの処理枚数ごとの黒化処理被膜の膜厚の変化を示す図である。グラフ上の各点は横軸である処理枚数を右方向に1点進む度に1日経過していることを示し、開始膜厚とは実験日の最初の基板の黒化処理被膜の膜厚であり、終了膜厚とはその日の最後に黒化処理を行った黒化処理被膜の膜厚を示している。図3より、黒化処理の総処理枚数約650枚、13日経過時点でも黒化処理被膜の膜厚は安定している。今回の実験条件の場合、黒化処理被膜の厚みが0.7μm以上で良好な品質と言えるが、図3における黒化処理実験終了後ではまだまだ良好な品質を確保できる。
【0017】
図4は第3水洗槽11および第4水洗槽13におけるpH測定の結果を処理枚数毎に示した図である。この図は処理枚数の経過に伴う第3水洗槽11および第4水洗槽13のpHの変化を示したものである。この図の縦軸はpH、横軸はプリント基板4の黒化処理枚数の総数を示しており、実験条件は前述の図3のものと同様である。なお、黒化処理枚数が400枚に達した時点で各水洗槽内の水を1度廃水し、新たな水道水を給水しなおした。この結果、pHについても黒化処理開始から650枚処理終了、実験開始から13日経過時点でpHは安定しており、黒化処理後の品質も安定した状態を保っていた。
【0018】
図5は第3水洗槽11および第4水洗槽13における電気伝導率測定の結果を黒化処理枚数毎に示した図である。この図は処理枚数の経過に伴う第3水洗槽11および第4水洗槽13の電気伝導率の変化を示したものである。この図の縦軸は電気伝導率、横軸はプリント基板4の黒化処理枚数の総数を示しており、実験条件は前述の図3のものと同様である。なお、黒化処理枚数が400枚に達した時点で各水槽内の水を1度廃水し、新たな水道水を給水しなおした。この結果、電気伝導率についても黒化処理開始から650枚処理終了、実験開始から13日経過時点で電気伝導率は安定しており、黒化処理後の品質も安定した状態を保っていた。
【0019】
以上図3から図5の結果より、本発明の条件で、各水洗槽の水として水道水を用いてもpHおよび電気伝導率を調整することで、良好な黒化処理被膜を得ることができるということが明らかとなった。
【0020】
次に、本発明の実施例1における別例で、水洗槽内のpHおよび電気伝導率を自動的に調整する調整手段を設けた実施例について図6を用いて説明する。
図6は、図1の第4水洗槽13にpHおよび電気伝導率測定手段を設け、さらに調整手段を設けた図を示している。
以下、図6に基づいて水洗槽内のpHおよび電気伝導率を自動的に調整する調整手段について説明する。
第4水洗槽13には黒化処理後のプリント基板4を洗浄するための水道水が充填されており、pHおよび電気伝導率を測定するための測定子15が、その一部が水道水に浸漬するように設けられている。また、第4水洗槽13内に注入口を持つpH調整タンク21および水道水を供給するための水源24が設けられ、それぞれに第1バルブ22および第2バルブ23が設けられており、この第1バルブ22および第2バルブ23は常時閉じられている。この図において、第4水洗槽13は黒化処理後のプリント基板4を水洗するため、処理枚数が増えるに従ってアルカリ性側にシフトする。そのため、pH調整タンク21には希硫酸溶液が充填されている。また、第4水洗槽13の底部には槽内の溶液を排出するための排出経路および第3バルブ26が設けられており常時は閉じられた状態である。測定子15は測定装置25に接続され、第4水洗槽13内の水道水のpHおよび電気伝導率の測定値が制御装置20に送信される。制御装置20は第1バルブ22、第2バルブ23および第3バルブ26に接続されており、それぞれバルブの開閉を制御可能である。なお、第3水洗槽11は酸洗処理後の水洗工程であるため、充填されている水道水のpHは酸性側にシフトする。そのため、第3水洗槽11のpH調整タンク21には水酸化ナトリウム溶液が充填されている。このように、他の水洗槽にこの調整手段を設ける場合は、前工程の溶液によりpHが酸性、アルカリ性のどちら側にシフトするかが異なるので、水洗槽ごとにpH調整タンク21に充填する物質を選択する必要がある。
【0021】
この調整手段によるpHおよび電気伝導率の調整方法について説明する。第4水洗槽13内の水道水のpHおよび電気伝導率は測定子15により測定され、測定値はこの測定子15に接続された測定装置25より制御装置20に送信される。この測定値に応じてそれぞれ第1バルブ22、第2バルブ23および第3バルブ26の開閉を制御することにより第4水洗槽13内の水道水のpHおよび電気伝導率を調整するようになっている。良好な黒化処理の品質を得るためにはpHが6.0から8.4、電気伝導率が40mS/m以下が望ましい。また、この第4水洗槽13内の水道水は処理を重ねるたびにアルカリ性側にシフトする。このような条件下で、水道水のpHの測定値が8.4を超え、かつ電気伝導率が40mS/m以上である場合、制御装置20により、第1バルブ22を開放して第4水洗槽13内にpH調整タンク21に充填された希硫酸溶液を注入してpHが7付近になるように調整する。また、電気伝導率が40mS/mを超えた場合はpHがいずれの値でも制御装置20は第3バルブ26を開放し、第4水洗槽13の槽内の溶液を全て排出した後に第3バルブ26を閉鎖した後、第2バルブ23を開放し、第4水洗槽13内に水道水を注入する。
【0022】
この実施例で、図3の黒化処理工程は、水洗工程をそれぞれ1回のみとしているが、工程によっては1回の水洗工程のみではプリント基板4の表面の汚れが取りきれないこともあるので、図7のように工程によって、水洗の回数を増やすこともある。また、図7のS32にも示すように水洗の条件を、水道水の温度を変えて湯洗とすることも可能である。例えば、図7の場合は条件として水道水の温度を60℃に設定している。このように、水洗回数を増加したり、水洗の条件を変更することでより良好な黒化処理品質が得られ、各水洗槽の水道水の交換周期も長くすることができる。
【0023】
また、黒化処理装置1のプリント基板4が薄い基板(0.1μm未満)である場合は、図8に示すようにフレキシブルプリント基板18を連続で搬送し、回収することも可能である。以下、この図に基づいてフレキシブルプリント基板18をロールで搬送する場合の実施例について説明する。なお、実施例1と重複する構成については説明を省略する。
【0024】
供給ロール16によりロール状に巻き取られているフレキシブルプリント基板18は供給ロール16の供給により、工程中の複数のガイドローラ19を通して各処理槽6〜13を経て黒化処理を行い、黒化処理が行われたフレキシブルプリント基板18は巻き取りローラ17に巻き取られて回収されるようになっている。このような搬送方式を採用することにより、基板の厚さは限定されるが、フレキシブルプリント基板18に連続で黒化処理を行うことができ、生産効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0025】
1 黒化処理装置
4 プリント基板
6 脱脂処理槽
7 第1水洗槽
8 エッチング処理槽
9 第2水洗槽
10 酸洗処理槽
11 第3水洗槽
12 黒化処理槽
13 第4水洗槽
14、15 測定子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層基板表面の銅層から内層の銅層に達する穴を明けるCOレーザ加工用基板の表面を黒化処理する黒化処理方法において、
前記COレーザ加工用基板を水酸化ナトリウム溶液により脱脂処理する脱脂処理工程と、
前記脱脂処理後に前記COレーザ加工用基板を水洗する第1の水洗工程と、
過硫酸ナトリウム溶液によりマイクロエッチング処理を行うエッチング処理工程と、
前記エッチング処理工程後に前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第2の水洗工程と、
希硫酸溶液により酸洗処理を行う酸洗処理工程と、
前記酸洗処理工程後に前記COレーザ加工用基板を水洗する第3の水洗工程と、
亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウムの混合溶液で構成される黒化処理液により黒化処理を行う黒化処理工程と、
前記黒化処理工程後に前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第4の水洗工程とからなり、
前記水洗工程で使用する水洗水を水道水とし、
前記第3および第4の水洗工程で、水洗水のpH値と電気伝導率を監視する黒化処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の黒化処理方法において、
前記各水洗工程のいずれかは水洗工程を複数回連続して繰返すことを特徴とする黒化処理方法。
【請求項3】
請求項1に記載の黒化処理方法において、
前記第3および第4の水洗工程のpHまたは電気伝導率の少なくともいずれか一方が所定の値を超えた場合に、所定の値を超えたpHおよび電気伝導率の少なくともいずれか一方の値を調整する
ことを特徴とする黒化処理方法。
【請求項4】
前記pHは6.0から8.4の間の範囲を外れた場合、電気伝導率は40mS/mを超えた場合に調整を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の黒化処理方法。
【請求項5】
多層基板表面の銅層から内層の銅層に達する穴を明けるCOレーザ加工用基板を脱脂するための脱脂処理槽と、
前記脱脂処理後のCOレーザ加工用基板の水洗を行う第1水洗槽と、
前記第1水洗槽による水洗後に前記COレーザ加工用基板の表面の銅層をエッチングするマイクロエッチング処理を行うためのエッチング処理槽と、
前記エッチング処理後の前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第2水洗槽と、
前記第2水洗槽による水洗後に前記COレーザ加工用基板の酸洗処理を行う酸洗処理槽と、
前記酸洗処理後に前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第3水洗槽と、
前記第3水洗槽による水洗後に前記COレーザ加工用基板の黒化処理を行う黒化処理槽と、
前記黒化処理後に前記COレーザ加工用基板の水洗を行う第4水洗槽とが設けられ、
前記第3水洗槽および第4水洗槽には、
pHを測定するためのpH測定手段と、電気伝導率を測定するための電気伝導率測定手段とが
設けられていることを特徴とする黒化処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の黒化処理装置において、
前記各水洗槽のいずれかは複数の水洗槽から構成されることを特徴とする黒化処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の黒化処理装置において、
前記第3水洗槽および第4水洗槽のうち少なくともいずれか一方には、
前記pH測定手段および電気伝導率測定手段により測定された結果により、
水洗槽内の液体のpHおよび電気伝導率を調整するためのpH調整手段および電気伝導率測定手段を設けた
ことを特徴とする黒化処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の黒化処理装置において、
前記pH調整手段は水酸化ナトリウム溶液あるいは希硫酸溶液を供給する供給手段が設けられていることを特徴とする黒化処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−89934(P2013−89934A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232459(P2011−232459)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000233332)日立ビアメカニクス株式会社 (237)
【Fターム(参考)】