説明

プリント配線基板、プリント配線基板の製造方法、部品搭載済みプリント配線基板、部品搭載済みプリント配線基板の製造方法、および、部品搭載済みプリント配線基板の再生方法

【課題】高密度表面実装電子部品を容易かつ高精度に実装して薄型化することが可能なプリント配線基板、プリント配線基板の製造方法、高密度表面実装電子部品を実装した部品搭載済みプリント配線基板、部品搭載済みプリント配線基板の製造方法、部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を提供する。
【解決手段】プリント配線基板10は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極21を有する高密度表面実装電子部品20が搭載される高密度実装領域10gと、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部12と、第1導体ランド部12に積層された絶縁層13と、絶縁層13を貫通した貫通穴14に充填され第1導体ランド部12に接続された貫通導体部15とを備え、グリッドアレイ電極21は、高密度実装領域10gに配置され絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板、このようなプリント配線基板の製造方法、高密度実装領域に高密度表面実装電子部品が搭載された部品搭載済みプリント配線基板、このような部品搭載済みプリント配線基板の製造方法、このような部品搭載済みプリント配線基板の再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、高機能化に伴いプリント配線基板に対する小型化(高密度化)、高機能化が求められている。この要求に伴い、プリント配線基板に搭載される電子部品も種々の形態が適用されるようになってきた。
【0003】
例えば、以前から知られているチップ型表面実装電子部品の搭載に加えて、電極が格子状に配置されたグリッド電極を有する高密度表面実装電子部品を搭載することが多くなっている。
【0004】
図19および図20に基づいて、従来のプリント配線基板に対する高密度表面実装電子部品およびチップ型表面実装電子部品の搭載状況について説明する。
【0005】
図19は、従来のプリント配線基板の概要を示す説明図であり、(A)は配線パターンを示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0006】
図20は、図19で示した従来のプリント配線基板に高密度表面実装電子部品を実装した部品搭載済みプリント配線基板の平面状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0007】
プリント配線基板110は、絶縁性基板111と、絶縁性基板111に、第1導体ランド112、絶縁層113、貫通穴114を順次形成した後、絶縁層113に積層(および貫通穴114に充填)した導体層をパターニングして形成された高密度第2導体ランド部116gと、同様にパターニングされた第2導体ランド部116とを有する。
【0008】
また、プリント配線基板110は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極121(図20参照)を有する高密度表面実装電子部品120が搭載される高密度実装領域110g、および、端部に表面実装電極124を有するチップ型表面実装電子部品123が搭載されるチップ部品実装領域110cを備える。
【0009】
グリッドアレイ電極121に対応させて形成された高密度第2導体ランド部116gは、高密度実装領域110gに配置され、また、表面実装電極124に対応させて形成された第2導体ランド部116は、チップ部品実装領域110cに配置される。また、高密度第2導体ランド部116gの信頼性を確保するために、高密度第2導体ランド部116gの周囲にはソルダレジスト118が形成されている。
【0010】
つまり、高密度第2導体ランド部116gは、貫通導体部115に対して位置合わせした状態で貫通導体部115の周囲に形成する必要があることから、高精度化、高密度化(高精細化)が困難であり、また、高密度表面実装電子部品120のグリッドアレイ電極121に対応させたパターンとする必要があることから、製造工程が複雑になり、歩留まりも低下するという問題があった。
【0011】
さらに、高密度第2導体ランド部116gは、複数工程で形成された積層膜を加工することによって形成されることから、厚さ方向での高さを生じ薄型化が困難になるという問題もあった。
【0012】
また、プリント配線基板110は、プリント配線基板110(高密度第2導体ランド部116g)に搭載される高密度表面実装電子部品120(グリッドアレイ電極121)に対する位置決め手段として、高密度実装領域110gの外側に形成された位置決めマーク115mを有している。
【0013】
位置決めマーク115mと高密度第2導体ランド部116gとは、同時に形成することから、高精度に位置決めされているが、位置決めマーク115mに対してソルダレジスト118は異なるプロセスで形成されることから、位置決めマーク115mとソルダレジスト118との間での位置決め精度は、一定の限界を有し、高精度化が困難であるという問題があった。
【0014】
また、位置決めマーク115mとソルダレジスト118との間での位置精度に限界があることから、ソルダレジスト118を介して高密度第2導体ランド部116gに接続される高密度表面実装電子部品120のプリント配線基板110(高密度第2導体ランド部116g)に対する位置精度に限界があった。
【0015】
上述したとおり、従来技術では、プリント配線基板110の高密度第2導体ランド部116gは、構造が複雑であることから、高精細化、薄型化、高精度化が困難であるという課題を有していた。
【0016】
また、プリント配線基板110(高密度第2導体ランド部116g)が有する課題は、そのまま部品搭載済みプリント配線基板110Bの課題となっていた。つまり、プリント配線基板110に対する高密度表面実装電子部品120の搭載は高精度に位置決めすることが困難であり、また、高密度表面実装電子部品120が不良と判定された場合に再生することが困難であった。
【0017】
また、プリント配線基板、特に高密度実装電子部品を搭載するためのプリント配線基板に関する技術として、例えば、特許文献1ないし特許文献4などが提案されている。
【特許文献1】特開2001−119132号公報
【特許文献2】特開平11−26919号公報
【特許文献1】特開2002−76592号公報
【特許文献2】特開平10−163624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板であって、高密度実装領域に配置され絶縁層の表面に露出させた貫通導体部をグリッドアレイ電極に接続することにより、高密度表面実装電子部品を容易かつ高精度に実装して薄型化することが可能なプリント配線基板を提供することを目的とする。
【0019】
また、本発明は、高密度表面実装電子部品の格子状に配置されたグリッドアレイ電極が絶縁層の表面に露出した貫通導体部に接続される高密度実装領域を備えるプリント配線基板の製造方法であって、絶縁層に積層された導体層をパターニングして高密度実装領域で貫通導体部を被覆する貫通導体部被覆パターンを形成し、高密度実装領域の貫通導体部被覆パターンを除去して貫通導体部を露出させることにより、貫通導体部に対して高密度表面実装電子部品(グリッドアレイ電極)を高精度に実装することができるプリント配線基板を容易に製造することが可能なプリント配線基板の製造方法を提供することを他の目的とする。
【0020】
また、本発明は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備える部品搭載済みプリント配線基板であって、グリッドアレイ電極を高密度実装領域で絶縁層の表面に露出した貫通導体部に接続することにより、高密度表面実装電子部品を高精度に実装して薄型化した部品搭載済みプリント配線基板を提供することを他の目的とする。
【0021】
また、本発明は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域にグリッドアレイ電極を接続する部品搭載済みプリント配線基板の製造方法であって、高密度実装領域の外側に配置した位置決めマークに基づいて高密度表面実装電子部品を位置決めすることにより、容易かつ高精度に部品搭載済みプリント配線基板を製造することが可能な部品搭載済みプリント配線基板の製造方法を提供することを他の目的とする。
【0022】
また、本発明は、部品搭載済みプリント配線基板の再生方法であって、不良と判定された高密度表面実装電子部品が搭載された部品搭載済みプリント配線基板を準備し、高密度表面実装電子部品を除去することにより、部品搭載済みプリント配線基板(プリント配線基板)を再生する部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明に係るプリント配線基板は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板であって、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、前記高密度実装領域に配置され前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部は、前記グリッドアレイ電極が接続される構成としてあることを特徴とする。
【0024】
この構成により、高密度表面実装電子部品のグリッドアレイ電極の配線密度に対応させて微細化した貫通導体部を容易かつ高精度に配置することが可能となることから、高密度表面実装電子部品を容易かつ高精度に実装して薄型化することが可能なプリント配線基板とすることができる。
【0025】
また、本発明に係るプリント配線基板では、端部に表面実装電極を有するチップ型表面実装電子部品が搭載されるチップ部品実装領域と、該チップ部品実装領域で前記絶縁層に積層された導体層をパターニングして形成された第2導体ランド部を備え、前記前記第2導体ランド部は、前記表面実装電極が接続される構成としてあることを特徴とする。
【0026】
この構成により、高密度表面実装電子部品に加えてチップ型表面実装電子部品を実装することが可能となり、種々の用途に適用できる汎用性のあるプリント配線基板とすることができる。
【0027】
また、本発明に係るプリント配線基板では、前記貫通導体部によって構成され前記高密度表面実装電子部品が搭載されるときの位置決め基準となる位置決めマークを前記高密度実装領域の外側に備えることを特徴とする。
【0028】
この構成により、貫通導体部に対する高密度表面実装電子部品の位置決めを容易かつ高精度に実行することが可能となり、高密度表面実装電子部品を容易かつ高精度に実装することができる。
【0029】
また、本発明に係るプリント配線基板では、前記高密度実装領域での前記絶縁層の厚さは、前記チップ部品実装領域での前記絶縁層の厚さより薄くしてあることを特徴とする。
【0030】
この構成により、プリント配線基板に高密度表面実装電子部品を実装したときに、高密度表面実装電子部品の高さを抑制し、プリント配線基板に実装されたチップ型表面実装電子部品との段差を低減することが可能となり、高密度表面実装電子部品およびチップ型表面実装電子部品を実装したときの部品搭載済みプリント配線基板の厚さを低減して薄型化を図ることができる。
【0031】
また、本発明に係るプリント配線基板の製造方法は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、高密度表面実装電子部品の格子状に配置されたグリッドアレイ電極が前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部に接続される高密度実装領域を備えるプリント配線基板の製造方法であって、絶縁性基板に、前記第1導体ランド部、前記絶縁層、および前記第1導体ランド部に位置合わせされた前記貫通穴を順次形成する処理基板形成工程と、前記絶縁層に導体層を積層すると共に前記貫通穴へ導体を充填して前記貫通導体部を形成する貫通導体部形成工程と、前記絶縁層に積層された前記導体層をパターニングして前記高密度実装領域で前記貫通導体部を被覆する貫通導体部被覆パターンを形成する導体層パターニング工程と、前記高密度実装領域の前記貫通導体部被覆パターンを除去して前記貫通導体部を露出させる貫通導体部露出工程とを備えることを特徴とする。
【0032】
この構成により、高密度実装領域の貫通導体部を高精度に形成して露出させることが可能となり、貫通導体部に対して高密度表面実装電子部品(グリッドアレイ電極)を高精度に実装することができるプリント配線基板を容易に製造することが可能となる。
【0033】
また、本発明に係るプリント配線基板の製造方法では、前記貫通導体部露出工程で、前記貫通導体部被覆パターンの除去は、機械加工によって施されることを特徴とする。
【0034】
この構成により、効率的に貫通導体部被覆パターンを除去することが可能となる。
【0035】
また、本発明に係るプリント配線基板の製造方法では、前記貫通導体部露出工程で、前記機械加工の後、化学研磨による表面処理が施されることを特徴とする。
【0036】
この構成により、貫通導体部被覆パターンの残留膜を除去し、絶縁層の表面を清浄化し、信頼性を向上させることができる。
【0037】
また、本発明に係るプリント配線基板の製造方法では、前記プリント配線基板は、端部に表面実装電極を有するチップ型表面実装電子部品が搭載されるチップ部品実装領域と、該チップ部品実装領域で前記絶縁層に積層された前記導体層をパターニングして形成された第2導体ランド部を備え、該第2導体ランド部は、前記導体層パターニング工程で、前記絶縁層に積層された前記導体層をパターニングして形成されることを特徴とする。
【0038】
この構成により、高密度表面実装電子部品に加えてチップ型表面実装電子部品を実装するプリント配線基板を製造することが可能となり、種々の用途に適用できる汎用性のあるプリント配線基板を製造することができる。
【0039】
また、本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、前記高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備える部品搭載済みプリント配線基板であって、前記プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、前記グリッドアレイ電極は、前記高密度実装領域で前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部に接続されていることを特徴とする。
【0040】
この構成により、高密度表面実装電子部品のグリッドアレイ電極とグリッドアレイ電極に対応させた貫通導体部とを容易かつ高精度に接続することが可能となることから、高密度表面実装電子部品を高精度に実装して薄型化した部品搭載済みプリント配線基板とすることができる。
【0041】
また、本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板では、前記プリント配線基板は、端部に表面実装電極を有するチップ型表面実装電子部品が搭載されるチップ部品実装領域と、該チップ部品実装領域で前記絶縁層に積層された導体層をパターニングして形成された第2導体ランド部とを備え、前記表面実装電極は、前記第2導体ランド部に接続されていることを特徴とする。
【0042】
この構成により、高密度表面実装電子部品に加えてチップ型表面実装電子部品が搭載されることから、電子部品を高密度に実装して電子機器の機能を容易かつ確実に実現できる適合性の高い部品搭載済みプリント配線基板とすることができる。
【0043】
また、本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板では、前記高密度実装領域での前記絶縁層の厚さは、前記チップ部品実装領域での前記絶縁層の厚さより薄くしてあることを特徴とする。
【0044】
この構成により、搭載された高密度表面実装電子部品とチップ型表面実装電子部品との段差を低減して薄型化を図ることが可能となることから、薄型化した部品搭載済みプリント配線基板とすることができ、適用される電子機器の小型化を図ることが可能となる。
【0045】
また、本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板の製造方法は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、前記高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備え、前記プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、前記グリッドアレイ電極は、前記高密度実装領域で前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部に接続されている部品搭載済みプリント配線基板の製造方法であって、前記プリント配線基板は、前記貫通導体部によって構成され前記高密度表面実装電子部品を実装するときの位置決め基準となる位置決めマークを前記高密度実装領域の外側に備え、前記グリッドアレイ電極を前記貫通導体部に接続して前記高密度表面実装電子部品を前記プリント配線基板に搭載する高密度表面実装電子部品搭載工程で、前記位置決めマークに基づいて前記高密度表面実装電子部品を位置決めすることを特徴とする。
【0046】
この構成により、高密度表面実装電子部品のグリッドアレイ電極が接続される貫通導体部と同一精度で形成された位置決めマークを基準として高密度表面実装電子部品を搭載することが可能となることから、容易かつ高精度に部品搭載済みプリント配線基板を製造することができる。
【0047】
また、本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、前記高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備え、前記プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、前記グリッドアレイ電極は、前記高密度実装領域で前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部に接続されている部品搭載済みプリント配線基板の再生方法であって、不良と判定された高密度表面実装電子部品が搭載された部品搭載済みプリント配線基板を準備する部品搭載済みプリント配線基板準備工程と、該部品搭載済みプリント配線基板準備工程で準備された前記部品搭載済みプリント配線基板のプリント配線基板から前記高密度表面実装電子部品を除去する高密度表面実装電子部品除去工程とを備えることを特徴とする。
【0048】
この構成により、プリント配線基板に実装した高密度表面実装電子部品が不良と判定された場合でも、高密度表面実装電子部品を除去して部品搭載済みプリント配線基板(プリント配線基板)を再生することが可能となり、プリント配線基板および部品搭載済みプリント配線基板の製造コストを低減することが可能となる。
【0049】
また、本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法では、前記高密度表面実装電子部品除去工程は、前記高密度表面実装電子部品を前記プリント配線基板から機械加工により除去する機械加工工程と、該機械加工工程を終了した後、機械加工により除去した部分に対して化学研磨による表面処理を施す化学研磨処理工程とを備えることを特徴とする。
【0050】
この構成により、高密度表面実装電子部品の除去および貫通導体部の露出を容易かつ高精度に実行することが可能となるので、不良品であった部品搭載済みプリント配線基板を容易かつ高精度に再生することが可能となり、部品搭載済みプリント配線基板の製造コストを低減することができる。
【0051】
また、本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法では、前記高密度表面実装電子部品除去工程で、前記高密度実装領域での前記絶縁層の厚さを、前記チップ部品実装領域での前記絶縁層の厚さより薄くすることを特徴とする。
【0052】
この構成により、機械加工によって貫通導体部を効率的に露出させることが可能となることから、高精度に高密度表面実装電子部品を搭載することが可能となり、容易かつ高精度に部品搭載済みプリント配線基板を再生することができる。
【発明の効果】
【0053】
本発明に係るプリント配線基板によれば、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板であって、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、第1導体ランド部に積層された絶縁層と、絶縁層を貫通した貫通穴に充填され第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、高密度実装領域に配置され絶縁層の表面に露出した貫通導体部は、グリッドアレイ電極が接続される構成とすることから、高密度表面実装電子部品のグリッドアレイ電極の配線密度に対応させて微細化した貫通導体部を容易かつ高精度に配置することが可能となり、高密度表面実装電子部品を容易かつ高精度に実装して薄型化することが可能なプリント配線基板とすることができるという効果を奏する。
【0054】
本発明に係るプリント配線基板の製造方法によれば、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、第1導体ランド部に積層された絶縁層と、絶縁層を貫通した貫通穴に充填され第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、高密度表面実装電子部品の格子状に配置されたグリッドアレイ電極が絶縁層の表面に露出した貫通導体部に接続される高密度実装領域を備えるプリント配線基板の製造方法であって、絶縁性基板に、第1導体ランド部、絶縁層、および第1導体ランド部に位置合わせされた貫通穴を順次形成する処理基板形成工程と、絶縁層に導体層を積層すると共に貫通穴へ導体を充填して貫通導体部を形成する貫通導体部形成工程と、絶縁層に積層された導体層をパターニングして高密度実装領域で貫通導体部を被覆する貫通導体部被覆パターンを形成する導体層パターニング工程と、高密度実装領域の貫通導体部被覆パターンを除去して貫通導体部を露出させる貫通導体部露出工程とを備えることから、高密度実装領域の貫通導体部を高精度に形成して露出させることが可能となり、貫通導体部に対して高密度表面実装電子部品(グリッドアレイ電極)を高精度に実装することができるプリント配線基板を容易に製造することが可能となるという効果を奏する。
【0055】
本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板によれば、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備える部品搭載済みプリント配線基板であって、プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、第1導体ランド部に積層された絶縁層と、絶縁層を貫通した貫通穴に充填され第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、グリッドアレイ電極は、高密度実装領域で絶縁層の表面に露出した貫通導体部に接続されていることから、高密度表面実装電子部品のグリッドアレイ電極とグリッドアレイ電極に対応させた貫通導体部とを容易かつ高精度に接続することが可能となり、高密度表面実装電子部品を高精度に実装して薄型化した部品搭載済みプリント配線基板とすることができるという効果を奏する。
【0056】
本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板の製造方法によれば、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備え、プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、第1導体ランド部に積層された絶縁層と、絶縁層を貫通した貫通穴に充填され第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、グリッドアレイ電極は、高密度実装領域で絶縁層の表面に露出した貫通導体部に接続されている部品搭載済みプリント配線基板の製造方法であって、プリント配線基板は、貫通導体部によって構成され高密度表面実装電子部品を実装するときの位置決め基準となる位置決めマークを高密度実装領域の外側に備え、グリッドアレイ電極を貫通導体部に接続して高密度表面実装電子部品をプリント配線基板に搭載する高密度表面実装電子部品搭載工程で、位置決めマークに基づいて高密度表面実装電子部品を位置決めすることから、高密度表面実装電子部品のグリッドアレイ電極が接続される貫通導体部と同一精度で形成された位置決めマークを基準として高密度表面実装電子部品を搭載することが可能となり、容易かつ高精度に部品搭載済みプリント配線基板を製造することができるという効果を奏する。
【0057】
本発明に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法によれば、格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備え、プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、第1導体ランド部に積層された絶縁層と、絶縁層を貫通した貫通穴に充填され第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、グリッドアレイ電極は、高密度実装領域で絶縁層の表面に露出した貫通導体部に接続されている部品搭載済みプリント配線基板の再生方法であって、不良と判定された高密度表面実装電子部品が搭載された部品搭載済みプリント配線基板を準備する部品搭載済みプリント配線基板準備工程と、部品搭載済みプリント配線基板準備工程で準備された部品搭載済みプリント配線基板のプリント配線基板から高密度表面実装電子部品を除去する高密度表面実装電子部品除去工程とを備えることから、プリント配線基板に実装した高密度表面実装電子部品が不良と判定された場合でも、高密度表面実装電子部品を除去して部品搭載済みプリント配線基板(プリント配線基板)を再生することが可能となり、プリント配線基板および部品搭載済みプリント配線基板の製造コストを低減することが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0059】
<実施の形態1>
図1ないし図6に基づいて、本実施の形態に係るプリント配線基板、部品搭載済みプリント配線基板、プリント配線基板の製造方法、部品搭載済みプリント配線基板の製造方法について説明する。
【0060】
図1は、本発明の実施の形態1に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は貫通導体部被覆パターンを形成した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。なお、プリント配線基板の断面でのハッチングは図の見易さを考慮して全て省略してある(以下同様とする)。
【0061】
本実施の形態に係るプリント配線基板10は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極21(図4(B)参照)を有する高密度表面実装電子部品20(図4参照)が搭載される高密度実装領域10g、および、端部に表面実装電極24(図4(A)参照)を有するチップ型表面実装電子部品23(図4参照)が搭載されるチップ部品実装領域10cを備える。なお、プリント配線基板10は、完成したものに限らず、工程途中のものも含めてプリント配線基板10とする。
【0062】
先ず、絶縁性基板11に、第1導体ランド12、絶縁層13、第2導体ランド部16の下地となる下地導体層16b、貫通穴14を順次形成する。
【0063】
つまり、絶縁性基板11に積層した導体層をパターニングして第1導体ランド部12を形成し、第1導体ランド部12に絶縁層13および下地導体層16bを積層し、第1導体ランド部12に位置合わせして絶縁層13および下地導体層16bを貫通する貫通穴14を形成する(処理基板形成工程)。
【0064】
次に、絶縁層13および下地導体層16bを貫通した貫通穴14へ導体を充填して貫通導体部15を形成する(貫通導体部形成工程)。なお、貫通穴14への導体の充填は、例えば、プリント配線基板10に対するパネルメッキ(例えば、銅メッキ)などを適用して施すことが可能である。このとき、下地導体層16bにメッキ導体層(パターニングされ、下地導体層16bとともに第2導体ランド部16、貫通導体部被覆パターン17を形成する。)が積層される。
【0065】
その後、絶縁層13に積層された導体層(下地導体層16bおよびメッキ導体層)をパターニングして高密度実装領域10gで貫通導体部15を被覆する貫通導体部被覆パターン17を形成する(導体層パターニング工程)。
【0066】
つまり、プリント配線基板10は、絶縁性基板11に積層した導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部12と、第1導体ランド部12に積層された絶縁層13と、絶縁層13を貫通した貫通穴14に充填され第1導体ランド部12に接続された貫通導体部15とを備える。
【0067】
また、プリント配線基板10は、チップ部品実装領域10cで絶縁層13に積層された導体層(下地導体層16bおよびメッキ導体層)をパターニングして形成された第2導体ランド部16を備える。なお、第2導体ランド部16は、導体層パターニング工程で、貫通導体部被覆パターン17と同時に形成される。
【0068】
また、第2導体ランド部16は、表面実装電極24が接続される構成としてある。したがって、プリント配線基板10は、高密度表面実装電子部品20に加えてチップ型表面実装電子部品23を実装することが可能となり、種々の用途に適用できる汎用性のあるプリント配線基板10とすることができる。
【0069】
プリント配線基板10は、貫通導体部15によって構成され高密度表面実装電子部品20が搭載されるときの位置決め基準となる位置決めマーク15mを高密度実装領域10gの外側に備える。したがって、貫通導体部15に対する高密度表面実装電子部品20の位置決めを容易かつ高精度に実行することが可能となり、高密度表面実装電子部品20を容易かつ高精度に実装することができる。
【0070】
なお、位置決めマーク15mは、貫通導体部15と全く同一の処理工程、同一の加工精度で形成されることから、貫通導体部15と同一の位置精度を有することとなり、貫通導体部15に対する位置決め基準とすることが可能となる。
【0071】
以下、絶縁性基板11の一方の面に対する加工状態(形成状態)のみについて説明するが、他方の面に適宜の絶縁層13s、貫通穴14、貫通導体部15s、第2導体ランド部16sが形成してあっても良い。また、他方の面に一方の面と同様の加工を施すことも可能である。
【0072】
図2は、本発明の実施の形態1に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は貫通導体部被覆パターンを機械加工によって除去する状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0073】
図3は、本発明の実施の形態1に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は機械加工の後に化学研磨によって表面処理を施した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0074】
本実施の形態に係るプリント配線基板10の製造方法では、高密度実装領域10gの貫通導体部被覆パターン17を除去して貫通導体部15を露出させる貫通導体部露出工程を備える。なお、貫通導体部露出工程は、機械加工によって施される機械加工工程と、化学研磨による表面処理が施される化学研磨処理工程とで構成される。
【0075】
図2では、機械加工工程での処理状態を示し、図3では、化学研磨処理工程での処理状態を示している。つまり、貫通導体部露出工程では、貫通導体部被覆パターン17の除去は、機械加工によって施される。したがって、効率的に貫通導体部被覆パターン17を除去することが可能となる。
【0076】
機械加工は、例えば、NC(数値制御)ルーターのように厚さ方向での制御を高精度に実施することが可能な装置を適用する。したがって、機械加工を高精度に実行することが可能となる。
【0077】
なお、図2では、貫通導体部被覆パターン17、位置決めマーク15mに対応する導体層の一部(残留膜)が残った状態を示すが、これに限らず機械加工工程で導体層を完全に除去した形態(図3の状態)とすることも可能である。
【0078】
貫通導体部露出工程は、高密度実装領域10gで、絶縁層13に積層された導体層のほとんどの厚さを除去する機械加工工程を備えることから、従来の化学的エッチング技法の場合に生じるエッチング斑が問題になることはない。
【0079】
また、高密度実装領域10gの全体に対して均一な機械加工を施すことが可能となることから、個々の貫通導体部15に対する面方向での位置合わせ精度は全く問題とならない。つまり、ホトリソグラフィ技術を適用した従来技法によって形成する場合のようなホトレジストに対する加工工程(加工精度)が不要となり、処理工程を簡略化し、高精度化することが可能となる。したがって、厚さ方向での精度の制御のみで良いことから、高精度に導体層を除去して、高精度に位置決めされた貫通導体部15を露出させることが可能となる。
【0080】
図3では、貫通導体部露出工程で、機械加工工程の後、化学研磨処理工程による表面処理が施される。したがって、貫通導体部被覆パターン17の残留膜を完全に除去し、絶縁層13の表面を清浄化し、プリント配線基板10の信頼性を向上させることができる。
【0081】
化学研磨処理工程は、例えば酸などの化学薬品を適用して研磨処理を施すことによって実行される。つまり、化学研磨(Chemical Mechanical Polishing)によって、導体層(貫通導体部被覆パターン17)の残留膜、機械加工の切削による導体粉末、導体層のプロファイル(銅張り積層板の銅箔のアンカー効果を出すための足(不図示))などを除去する。
【0082】
なお、絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15の端部は、絶縁層13とほぼ面一とされることとなる。したがって、貫通導体部15は、貫通穴14の位置決めに自己整合的に形成され、高精度に配列された状態とすることが可能となる。また、高密度実装領域10gに配置され絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15は、グリッドアレイ電極21が接続される構成としてある。つまり、グリッドアレイ電極21の大きさに整合する大きさで貫通穴14は予め形成されている。
【0083】
貫通導体部露出工程の後、プリント配線基板10の表面に対する安定化処理を施す(不図示)。つまり、洗浄処理、防錆処理を施す。これによって、プリント配線基板10の表面を清浄にし、また、露出した導体層(貫通導体部15、第2導体ランド部16)の防錆を図ることが可能となり、配線間の絶縁抵抗を確保して信頼性を向上させることができる。
【0084】
図4は、本発明の実施の形態1に係る部品搭載済みプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は高密度実装領域に高密度表面実装電子部品を搭載した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。なお、搭載した高密度表面実装電子部品およびチップ型表面実装電子部品に対しては、断面でのハッチングを施してある(以下同様とする)。
【0085】
本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bは、格子状に配置されたグリッドアレイ電極21を有する高密度表面実装電子部品20が搭載される高密度実装領域10gを備えるプリント配線基板10と、高密度実装領域10gに搭載された高密度表面実装電子部品20とを備える。つまり、プリント配線基板10は、高密度表面実装電子部品20を搭載されて部品搭載済みプリント配線基板10Bとなる。
【0086】
プリント配線基板10は、上述したとおり、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部12と、第1導体ランド部12に積層された絶縁層13と、絶縁層13を貫通した貫通穴14に充填され第1導体ランド部12に接続された貫通導体部15とを備える。また、グリッドアレイ電極21は、高密度実装領域10gで絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15に接続されている。
【0087】
したがって、高密度表面実装電子部品20のグリッドアレイ電極21とグリッドアレイ電極21に対応させた貫通導体部15とを容易かつ高精度に接続することが可能となることから、高密度表面実装電子部品20を高精度に実装した部品搭載済みプリント配線基板10Bとすることができる。なお、貫通導体部15は、貫通穴14を充填した状態のままで良く、表面にランド部を形成する必要が全くないことから、グリッドアレイ電極21に正対させて高精細化(微細化、薄型化)することが可能となり、高密度に配置することが可能となる。
【0088】
高密度表面実装電子部品20としては、例えば半田バンプ(あるいは、半田ボール)をグリッドアレイ電極21とされたCSP(Chip Size Package:チップサイズパッケージ)などを対象とすることが可能となる。
【0089】
また、プリント配線基板10は、端部に表面実装電極24を有するチップ型表面実装電子部品23が搭載されるチップ部品実装領域10cと、チップ部品実装領域10cで絶縁層13に積層された導体層をパターニングして形成された第2導体ランド部16とを備える。また、表面実装電極24は、第2導体ランド部16に例えば半田で接続されている。
【0090】
したがって、高密度表面実装電子部品20に加えてチップ型表面実装電子部品23が搭載されることから、電子部品を高密度に実装して電子機器の機能を容易かつ確実に実現できる適合性の高い部品搭載済みプリント配線基板10Bとすることができる。
【0091】
上述したとおり、プリント配線基板10は、貫通導体部15によって構成され高密度表面実装電子部品20を実装するときの位置決め基準となる位置決めマーク15mを高密度実装領域10gの外側に備え、グリッドアレイ電極21を貫通導体部15に接続して高密度表面実装電子部品20をプリント配線基板10に搭載する高密度表面実装電子部品搭載工程で、位置決めマーク15mに基づいて高密度表面実装電子部品20を位置決めする。
【0092】
したがって、高密度表面実装電子部品20のグリッドアレイ電極21が接続される貫通導体部15と同一精度で形成された位置決めマーク15mを基準として高密度表面実装電子部品20を搭載することが可能となることから、容易かつ高精度に部品搭載済みプリント配線基板10Bを製造することができる。
【0093】
なお、高密度表面実装電子部品20の搭載と、チップ型表面実装電子部品23の搭載は、いずれを先に搭載しても良く、また条件を整合させて同時に実行する形態とすることも可能である。
【0094】
図5は、本発明の実施の形態1に係る部品搭載済みプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は実装した高密度表面実装電子部品を保護樹脂部で被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。なお、保護樹脂部に対しては、断面でのハッチングを施してある(以下同様とする)。
【0095】
実装した高密度表面実装電子部品20およびチップ型表面実装電子部品23を全面的に被覆する保護樹脂部30(全面被覆型保護樹脂部)を形成する。保護樹脂部30は、例えばエポキシ系樹脂による通常の樹脂封止成型装置を適用した樹脂封止工程によって形成することが可能である。
【0096】
保護樹脂部30を形成した後、部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実施する。なお、不良品に対しては、実施の形態2による再生処理を施すことが可能である。
【0097】
図6は、本発明の実施の形態1に係るプリント配線基板の製造方法、部品搭載済みプリント配線基板の製造方法を実行するときの処理フローを示すフロー図である。
【0098】
本実施の形態に係るプリント配線基板10の製造方法は、次に示すステップS1ないしステップS5で実施され、本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bの製造方法は、ステップS5の後に続くステップS6ないしステップS8で実施される。
【0099】
ステップS1:
絶縁性基板11に、第1導体ランド部12、絶縁層13、および第1導体ランド部12に位置合わせされた貫通穴14を順次形成する(処理基板形成工程)。詳細は、図1で説明したとおりである。
【0100】
ステップS2:
絶縁層13に導体層(パターニングされて第2導体ランド部16、貫通導体部被覆パターン17となる導体層。)を積層する。また、貫通穴14に導体を充填して貫通導体部15を形成する。つまり、図1で説明したとおり、絶縁層13に導体層を積層すると共に貫通穴14へ導体を充填して貫通導体部15を形成する(貫通導体部形成工程)。
【0101】
ステップS3:
絶縁層13に積層された導体層をパターニングする。つまり、高密度実装領域10gで貫通導体部15を被覆する貫通導体部被覆パターン17を形成する(導体層パターニング工程)。また、併せて、チップ部品実装領域10cで絶縁層13に積層された導体層をパターニングして第2導体ランド部16を形成する(導体層パターニング工程)。詳細は、図1で説明したとおりである。
【0102】
ステップS4:
高密度実装領域10gの貫通導体部被覆パターン17を除去する。つまり、貫通導体部被覆パターン17を除去して貫通導体部15を露出させる(貫通導体部露出工程)。
【0103】
図3で説明したとおり、貫通導体部露出工程で、貫通導体部被覆パターン17の除去は、先ず機械加工工程によって施され、機械加工工程の後の化学研磨処理工程による表面処理が施される。
【0104】
ステップS5:
プリント配線基板10に対する洗浄処理を施した後、プリント配線基板10に対する防錆処理を施す。
【0105】
洗浄処理は、例えば純水を適用して施される。したがって、化学研磨処理工程で使用された化学薬品の残留物を除去し、プリント配線基板10の絶縁抵抗を確保することが可能となり、また、残留した化学薬品による変質を防止して信頼性を確保することが可能となる。
【0106】
防錆処理は、プリント配線基板10の表面に反応する薬液(例えば水溶性のフラックス)を適用して施される。防錆処理によって、高密度表面実装電子部品20、チップ型表面実装電子部品23を搭載するときに適用される半田に対する耐性を向上させ、半田接合に対する信頼性を向上させることが可能となる。
【0107】
ステップS6:
プリント配線基板10に高密度表面実装電子部品20を搭載して部品搭載済みプリント配線基板10Bを形成する。また、プリント配線基板10にチップ型表面実装電子部品23を搭載する。詳細は、図4で説明したとおりである。
【0108】
ステップS7:
保護樹脂部30(全面被覆型)を形成し、プリント配線基板10の表面を保護する。詳細は、図5で説明したとおりである。なお、保護樹脂部30の形成は、隣接する高密度表面実装電子部品20が配置された領域を含めて複数の部品搭載済みプリント配線基板10Bに対して行うことが可能である。
【0109】
ステップS8:
部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実行する。適宜の電気検査装置を適用して所定の検査を行い、良否判定を行う。不良品に対しては、後述する再生処理を施すことが可能である。
【0110】
上述したとおり、本実施の形態に係るプリント配線基板10は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極21を有する高密度表面実装電子部品20が搭載される高密度実装領域10gを備えるプリント配線基板10であって、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部12と、第1導体ランド部12に積層された絶縁層13と、絶縁層13を貫通した貫通穴14に充填され第1導体ランド部12に接続された貫通導体部15とを備え、高密度実装領域10gに配置され絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15は、グリッドアレイ電極21が接続される構成としてある。
【0111】
したがって、高密度表面実装電子部品20のグリッドアレイ電極21の配線密度に対応させて微細化した貫通導体部15を容易かつ高精度に配置することが可能となることから、高密度表面実装電子部品20を容易かつ高精度に実装して薄型化することが可能なプリント配線基板10とすることができる。
【0112】
本実施の形態に係るプリント配線基板10の製造方法は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部12と、第1導体ランド部12に積層された絶縁層13と、絶縁層13を貫通した貫通穴14に充填され第1導体ランド部12に接続された貫通導体部15とを備え、高密度表面実装電子部品20の格子状に配置されたグリッドアレイ電極21が絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15に接続される高密度実装領域10gを備えるプリント配線基板10の製造方法である。
【0113】
また、本実施の形態に係るプリント配線基板10の製造方法では、絶縁性基板11に、第1導体ランド部12、絶縁層13、および第1導体ランド部12に位置合わせされた貫通穴14を順次形成する処理基板形成工程と、絶縁層13に導体層を積層すると共に貫通穴14へ導体を充填して貫通導体部15を形成する貫通導体部形成工程と、絶縁層13に積層された導体層をパターニングして高密度実装領域10gで貫通導体部15を被覆する貫通導体部被覆パターン17を形成する導体層パターニング工程と、高密度実装領域10gの貫通導体部被覆パターン17を除去して貫通導体部15を露出させる貫通導体部露出工程とを備える。
【0114】
したがって、高密度実装領域10gの貫通導体部15を高精度に形成して露出させることが可能となり、貫通導体部15に対して高密度表面実装電子部品20(グリッドアレイ電極21)を高精度に実装することができるプリント配線基板10を容易に製造することが可能となる。
【0115】
上述したとおり、本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bは、格子状に配置されたグリッドアレイ電極21を有する高密度表面実装電子部品20が搭載される高密度実装領域10gを備えるプリント配線基板10と、高密度実装領域10gに搭載された高密度表面実装電子部品20とを備える部品搭載済みプリント配線基板10Bであって、プリント配線基板10は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部12と、第1導体ランド部12に積層された絶縁層13と、絶縁層13を貫通した貫通穴14に充填され第1導体ランド部12に接続された貫通導体部15とを備え、グリッドアレイ電極21は、高密度実装領域10gで絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15に接続されている。
【0116】
したがって、高密度表面実装電子部品20のグリッドアレイ電極21とグリッドアレイ電極21に対応させた貫通導体部15とを容易かつ高精度に接続することが可能となることから、高密度表面実装電子部品20を高精度に実装して薄型化した部品搭載済みプリント配線基板10Bとすることができる。
【0117】
また、本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bの製造方法は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極21を有する高密度表面実装電子部品20が搭載される高密度実装領域10gを備えるプリント配線基板10と、高密度実装領域10gに搭載された高密度表面実装電子部品20とを備え、プリント配線基板10は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部12と、第1導体ランド部12に積層された絶縁層13と、絶縁層13を貫通した貫通穴14に充填され第1導体ランド部12に接続された貫通導体部15とを備え、グリッドアレイ電極21は、高密度実装領域10gで絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15に接続されている部品搭載済みプリント配線基板10Bの製造方法である。
【0118】
また、本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bの製造方法では、プリント配線基板10は、貫通導体部15によって構成され高密度表面実装電子部品20を実装するときの位置決め基準となる位置決めマーク15mを高密度実装領域10gの外側に備え、グリッドアレイ電極21を貫通導体部15に接続して高密度表面実装電子部品20をプリント配線基板10に搭載する高密度表面実装電子部品搭載工程で、位置決めマーク15mに基づいて高密度表面実装電子部品20を位置決めする。
【0119】
したがって、高密度表面実装電子部品20のグリッドアレイ電極21が接続される貫通導体部15と同一精度で形成された位置決めマーク15mを基準として高密度表面実装電子部品20を搭載することが可能となることから、容易かつ高精度に部品搭載済みプリント配線基板10Bを製造することができる。
【0120】
<実施の形態2>
図7ないし図10に基づいて、本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法について説明する。本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法は、実施の形態1に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bに対する再生方法である。
【0121】
図7は、本発明の実施の形態2に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は不良と判定された高密度表面実装電子部品を除去した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0122】
本実施の形態は、実施の形態1(図6)のステップS8で不良品と判定された部品搭載済みプリント配線基板10Bの再生方法に関する。
【0123】
前提として、プリント配線基板10に高密度表面実装電子部品20が搭載され部品搭載済みプリント配線基板10Bとなった状態で、搭載された高密度表面実装電子部品20の良否判定を行う(実施の形態1のステップS8)。
【0124】
つまり、不良と判定された高密度表面実装電子部品20が搭載された部品搭載済みプリント配線基板10Bを準備する(部品搭載済みプリント配線基板準備工程。状態としては、図5と同様である。)。
【0125】
次に、部品搭載済みプリント配線基板準備工程で準備された部品搭載済みプリント配線基板10Bのプリント配線基板10から高密度表面実装電子部品20を除去する(高密度表面実装電子部品除去工程。図7)。
【0126】
この構成により、プリント配線基板10に実装した高密度表面実装電子部品20が不良の場合でも、高密度表面実装電子部品20を除去してプリント配線基板10(部品搭載済みプリント配線基板10B)を再生することが可能となり、プリント配線基板10および部品搭載済みプリント配線基板10Bの製造コストを低減することが可能となる。
【0127】
なお、高密度表面実装電子部品除去工程では、高密度表面実装電子部品20を除去するために高密度表面実装電子部品20を被覆している保護樹脂部30も併せて除去される。また、高密度表面実装電子部品20の除去に併せて位置決めマーク15mを被覆している領域の保護樹脂部30を除去して位置決めマーク15mを露出させる。
【0128】
また、高密度表面実装電子部品除去工程は、高密度表面実装電子部品20をプリント配線基板10から機械加工により除去する機械加工工程と、機械加工工程を終了した後、機械加工により除去した部分に対して化学研磨による表面処理を施す化学研磨処理工程とを備える。
【0129】
したがって、高密度表面実装電子部品20の除去および貫通導体部15の露出を容易かつ高精度に実行することが可能となるので、不良品であった部品搭載済みプリント配線基板10Bを容易かつ高精度に再生することが可能となり、部品搭載済みプリント配線基板10Bの製造コストを低減することができる。
【0130】
なお、機械加工工程および化学研磨処理工程は、実施の形態1(図1)で説明したものと同様とすることが可能である。高密度表面実装電子部品除去工程での処理によって、部品搭載済みプリント配線基板10B(プリント配線基板10)は、高密度実装領域10gで、実施の形態1の図3で示した状態と同様となる。
【0131】
また、高密度表面実装電子部品除去工程(機械加工工程および化学研磨処理工程)の後、プリント配線基板10の洗浄処理、プリント配線基板10の防錆処理を行う。洗浄処理および防錆処理は、実施の形態1(図3)で説明したとおりの処理とすることが可能である。
【0132】
なお、位置決めマーク15mに対しても同様の処理を施すことで位置決めマーク15mの精度を確保することが可能となる。
【0133】
図8は、本発明の実施の形態2に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は新たな高密度表面実装電子部品を搭載した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0134】
高密度実装領域10gで露出させた貫通導体部15に対して高密度表面実装電子部品20のグリッドアレイ電極21を接続して、新たな高密度表面実装電子部品20を部品搭載済みプリント配線基板10Bに再度搭載する。
【0135】
位置決めマーク15mを露出させていることから、位置決めマーク15mに対して高密度表面実装電子部品20を実施の形態1の図4と同様にして搭載することが可能となる。
【0136】
図9は、本発明の実施の形態2に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は新たな高密度表面実装電子部品を搭載した後、除去した保護樹脂部に樹脂を補充した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0137】
新たな高密度表面実装電子部品20を搭載した後、保護樹脂部30の樹脂を除去した部分に樹脂を補充して、保護樹脂部30を再度形成し、部品搭載済みプリント配線基板10Bを再生する。
【0138】
再度保護樹脂部30を形成した後、再生した部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実施する。
【0139】
図10は、本発明の実施の形態2に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を実行するときの処理フローを示すフロー図である。
【0140】
本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bの再生方法は、実施の形態1でのステップS8の後、以下に示すステップS10ないしステップS15で実施される。
【0141】
ステップS8:
部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実行する。実施の形態1でのステップS8のとおりであるので、説明は省略する。なお、本ステップは、部品搭載済みプリント配線基板10Bの再生方法と直接関係するわけではないが、不良と判定された部品搭載済みプリント配線基板10Bを準備するための前提条件となるものである。
【0142】
ステップS10:
ステップS8で不良と判定された部品搭載済みプリント配線基板10Bを準備する。
【0143】
ステップS11:
高密度表面実装電子部品20を部品搭載済みプリント配線基板10Bから除去する。先ず機械加工工程による除去を実行し、さらに化学研磨処理工程による除去を実行する。詳細は、実施の形態1(図6)のステップS4で説明したとおりであるので省略する。
【0144】
ステップS12:
プリント配線基板10の洗浄処理を施した後、プリント配線基板10の防錆処理を施す。詳細は、実施の形態1のステップS5で説明したとおりであるので省略する。
【0145】
ステップS13:
新たな高密度表面実装電子部品20をプリント配線基板10(部品搭載済みプリント配線基板10B)に搭載し、新たな部品搭載済みプリント配線基板10Bを形成する。詳細は、実施の形態1のステップS6で説明したとおりであるので省略する。なお、チップ型表面実装電子部品23は、そのままとした状態で説明するが、高密度表面実装電子部品20と同様に適宜取り替えることも可能である。
【0146】
ステップS14:
保護樹脂部30(全面被覆型)の補充を行う。つまり、機械加工工程で除去した保護樹脂部30の除去部分へ樹脂を補充(充填)して、部品搭載済みプリント配線基板10Bを再生する。
【0147】
ステップS15:
再生した部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実行する。
【0148】
上述したとおり、本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bの再生方法は、格子状に配置されたグリッドアレイ電極21を有する高密度表面実装電子部品20が搭載される高密度実装領域10gを備えるプリント配線基板10と、高密度実装領域10gに搭載された高密度表面実装電子部品20とを備え、プリント配線基板10は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部12と、第1導体ランド部12に積層された絶縁層13と、絶縁層13を貫通した貫通穴14に充填され第1導体ランド部12に接続された貫通導体部15とを備え、グリッドアレイ電極21は、高密度実装領域10gで絶縁層13の表面に露出した貫通導体部15に接続されている部品搭載済みプリント配線基板10Bの再生方法である。
【0149】
また、本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bの再生方法では、不良と判定された高密度表面実装電子部品20が搭載された部品搭載済みプリント配線基板10Bを準備する部品搭載済みプリント配線基板準備工程と、部品搭載済みプリント配線基板準備工程で準備された部品搭載済みプリント配線基板10Bのプリント配線基板10から高密度表面実装電子部品20を除去する高密度表面実装電子部品除去工程とを備える。
【0150】
したがって、プリント配線基板10に実装した高密度表面実装電子部品20が不良の場合でも、高密度表面実装電子部品20を除去してプリント配線基板10を再生することが可能となり、プリント配線基板10および部品搭載済みプリント配線基板10Bの製造コストを低減することが可能となる。
【0151】
<実施の形態3>
図11ないし図15に基づいて、本実施の形態に係るプリント配線基板、部品搭載済みプリント配線基板、プリント配線基板の製造方法、部品搭載済みプリント配線基板の製造方法について説明する。
【0152】
本実施の形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であり、プリント配線基板10の高密度実装領域10gの厚さをチップ部品実装領域10cの厚さより薄くする点が異なる。したがって、以下では実施の形態1と同一の符号を採用し、適宜説明を省略する。
【0153】
図11は、本発明の実施の形態3に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は貫通導体部被覆パターンを形成した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0154】
本実施の形態に係るプリント配線基板10は、実施の形態1(図1)に示したプリント配線基板10と同様であり、製造方法も同様であるので、説明は省略する。
【0155】
図12は、本発明の実施の形態3に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は貫通導体部被覆パターンを除去して高密度実装領域の厚さをチップ部品実装領域の厚さより薄くした状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0156】
本実施の形態に係るプリント配線基板10は、実施の形態1(図2、図3)に示したプリント配線基板10と基本的な構成は同様であり、製造方法も同様であるので、詳細な説明は適宜省略する。
【0157】
なお、上述したとおり、本実施の形態では、実施の形態1(図3)と異なり、高密度実装領域10gでの絶縁層13の厚さTgは、チップ部品実装領域10cでの絶縁層13の厚さTcより薄くしてある。
【0158】
したがって、プリント配線基板10に高密度表面実装電子部品20を実装したときに、高密度表面実装電子部品20の絶縁性基板11からの高さを抑制し、プリント配線基板10に実装されたチップ型表面実装電子部品23との段差を低減することが可能となり、高密度表面実装電子部品20およびチップ型表面実装電子部品23を実装したときの厚さTt(図13参照)を低減して部品搭載済みプリント配線基板10Bの薄型化を図ることができる。
【0159】
なお、厚さの調整(高密度実装領域10gでの絶縁層13の厚さTg<チップ部品実装領域10cでの絶縁層13の厚さTc)は、機械加工を適用することによって、容易かつ高精度に実現することが可能である。
【0160】
図13は、本発明の実施の形態3に係る部品搭載済みプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は高密度実装領域に高密度表面実装電子部品を搭載した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0161】
上述したとおり、高密度実装領域10gでの絶縁層13の厚さTgは、チップ部品実装領域10cでの絶縁層13の厚さTcより薄く形成してある。したがって、高密度表面実装電子部品20およびチップ型表面実装電子部品23を搭載したとき、高密度表面実装電子部品20の絶縁性基板11からの厚さTtを薄く(高さを低く)することが可能となり、また、高密度表面実装電子部品20とチップ型表面実装電子部品23との段差を低減することが可能となる。
【0162】
したがって、プリント配線基板10(部品搭載済みプリント配線基板10B)が適用される電子機器の小型化を図ることが可能となる。
【0163】
チップ型表面実装電子部品23をプリント配線基板10に搭載した後、部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実施する。なお、不良品に対して、実施の形態4による再生処理を施すことが可能である。
【0164】
図14は、本発明の実施の形態3に係る部品搭載済みプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は実装した高密度表面実装電子部品を保護樹脂部で被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0165】
実装した高密度表面実装電子部品20と絶縁層13との間の空間(間隙)を封止する保護樹脂部31(間隙充填型保護樹脂部)を形成する。保護樹脂部31は、例えばエポキシ系樹脂による通常の樹脂塗布装置、真空樹脂充填装置などを適用した樹脂封止工程によって形成することが可能である。
【0166】
保護樹脂部31の形成によって、高密度表面実装電子部品20(グリッドアレイ電極21)とプリント配線基板10(貫通導体部15)との間での半田接合の信頼性を向上させ、部品搭載済みプリント配線基板10Bの信頼性を向上させることが可能となる。
【0167】
なお、保護樹脂部31を形成する高密度実装領域10gは、チップ部品実装領域10cに対して凹状態とされていることから、高密度実装領域10gの周囲に壁を形成した状態となっている。したがって、保護樹脂部31を形成する樹脂を容易かつ高精度に位置決めすることが可能となる。つまり、高密度実装領域10gは、保護樹脂部31を形成するときの樹脂止めとして作用することから、保護樹脂部31を容易かつ高精度に形成することができる。
【0168】
図15は、本発明の実施の形態3に係るプリント配線基板の製造方法、部品搭載済みプリント配線基板の製造方法を実行するときの処理フローを示すフロー図である。
【0169】
本実施の形態に係るプリント配線基板10の製造方法は、次に示すステップS20ないしステップS24で実施され、本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bの製造方法は、ステップS24の後に続くステップS25ないしステップS27で実施される。
【0170】
基本的な処理フローは、実施の形態1(図6)と同様であるので、主に異なる事項について説明する。
【0171】
ステップS20:
絶縁性基板11に、第1導体ランド部12、絶縁層13、および第1導体ランド部12に位置合わせされた貫通穴14を順次形成する(処理基板形成工程)。基本的な構成は、実施の形態1のステップS1と同様であるので説明は省略する。
【0172】
ステップS21:
絶縁層13に導体層(パターニングされて第2導体ランド部16、貫通導体部被覆パターン17となる。)を積層する。また、貫通穴14に導体を充填して貫通導体部15を形成する。基本的な構成は、実施の形態1のステップS2と同様であるので説明は省略する。
【0173】
ステップS22:
絶縁層13に積層された導体層をパターニングする。つまり、高密度実装領域10gで貫通導体部15を被覆する貫通導体部被覆パターン17を、チップ部品実装領域10cで絶縁層13に積層された導体層をパターニングして第2導体ランド部16を形成する。基本的な構成は、実施の形態1のステップS3と同様であるので説明は省略する。詳細は、図11で説明したとおりである。
【0174】
ステップS23:
高密度実装領域10gの貫通導体部被覆パターン17を除去する。貫通導体部被覆パターン17の除去は、機械加工工程、機械加工工程の後の化学研磨処理工程によって行われる。基本的な構成は、実施の形態1のステップS4と同様であるが、上述したとおり、高密度実装領域10gでの絶縁層13の厚さTgと、チップ部品実装領域10cでの絶縁層13の厚さTcとを異ならせている。
【0175】
つまり、高密度実装領域10gの絶縁層13の厚さTg<チップ部品実装領域10cの絶縁層13の厚さTcとしている。詳細は、図12で説明したとおりである。
【0176】
ステップS24:
プリント配線基板10に対する洗浄処理を施した後、プリント配線基板10に対する防錆処理を施す。基本的な構成は、実施の形態1のステップS5と同様であるので説明は省略する。詳細は、図12で説明したとおりである。
【0177】
ステップS25:
プリント配線基板10に高密度表面実装電子部品20を搭載して部品搭載済みプリント配線基板10Bを形成する。また、プリント配線基板10にチップ型表面実装電子部品23を搭載する。基本的な構成は、実施の形態1のステップS6と同様であるので説明は省略する。なお、詳細は、図13で説明したとおりである。
【0178】
ステップS26:
部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実行する。基本的な構成は、実施の形態1のステップS8と同様であるので説明は省略する。
【0179】
なお、本実施の形態では、保護樹脂部31の形成を高密度表面実装電子部品20それぞれに対して形成することから、保護樹脂部31を形成する前(ステップS27の前)に良否判定を実行する形態とした。したがって、効率的に保護樹脂部31を形成することが可能となる。
【0180】
ステップS27:
保護樹脂部31(間隙充填型)を形成し、プリント配線基板10の表面(プリント配線基板10の表面と高密度表面実装電子部品20の間の間隙)を保護する。実施の形態1のステップS7に対応するが、ステップS7で示した保護樹脂部30に比較して、保護樹脂部31は少ない樹脂量で形成することが可能である。
【0181】
なお、高密度表面実装電子部品20が後工程で不良と判定された場合に高密度表面実装電子部品20の除去を容易に実行することが可能となる。また、詳細は、図14で説明したとおりである。
【0182】
<実施の形態4>
図16ないし図18に基づいて、本実施の形態に係る本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法について説明する。本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法は、実施の形態3に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bに対する再生方法である。
【0183】
図16は、本発明の実施の形態4に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は不良の高密度表面実装電子部品を除去した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0184】
先ず、図16の直前の状態(図13の状態)での部品搭載済みプリント配線基板10Bを準備する(部品搭載済みプリント配線基板準備工程)。つまり、実施の形態3のステップS26で不良と判定された部品搭載済みプリント配線基板10Bに対する保護樹脂部31を充填しないで本実施の形態の処理対象として準備する。
【0185】
したがって、部品搭載済みプリント配線基板10Bは、プリント配線基板10(貫通導体部15)に高密度表面実装電子部品20(グリッドアレイ電極21)が接続された状態となっている。
【0186】
図13の状態の部品搭載済みプリント配線基板10Bに対して、機械加工工程による除去を実行し、不良と判定された高密度表面実装電子部品20のほとんどを除去する(高密度表面実装電子部品除去工程)。つまり、グリッドアレイ電極21の一部(貫通導体部15に接合された側の残留グリッドアレイ電極21r)がわずかに残る程度に高密度表面実装電子部品20を除去する(高密度表面実装電子部品除去工程)。
【0187】
したがって、高密度表面実装電子部品20を除去した状態では、部品搭載済みプリント配線基板10Bの高密度実装領域10gの貫通導体部15に、グリッドアレイ電極21の残留物としての残留グリッドアレイ電極21rがわずかに存在した状態となっている。
【0188】
なお、グリッドアレイ電極21に対応する部分を加熱して、グリッドアレイ電極21を溶かして高密度表面実装電子部品20を除去することも可能である。
【0189】
図17は、本発明の実施の形態4に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は不良の高密度表面実装電子部品を除去してプリント配線基板を再生した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【0190】
図16での機械加工(機械加工工程)に加えて、化学研磨による表面処理(化学研磨処理工程)を施すことによって、残留グリッドアレイ電極21rを除去する。したがって、高密度実装領域10gでは、高密度表面実装電子部品20を搭載する前の状態である図12と同様の状態とすることが可能である(高密度表面実装電子部品除去工程)。
【0191】
機械加工工程、化学研磨処理工程での処理方法は、他の実施の形態と同様に実施することが可能である。また、機械加工工程、化学研磨処理工程の後、プリント配線基板10の表面に対する洗浄処理、防錆処理を施すことによって、図12と同様の状態とすることが可能である。
【0192】
なお、高密度表面実装電子部品除去工程では、高密度実装領域10gでの絶縁層13の厚さTgを、チップ部品実装領域10cでの絶縁層13の厚さTcより薄くする。したがって、機械加工によって貫通導体部15を効率的に露出させることが可能となることから、高精度に高密度表面実装電子部品20を搭載することが可能となり、容易かつ高精度に部品搭載済みプリント配線基板10Bを再生することができる。
【0193】
上述した表面処理を施した後、高密度実装領域10gの貫通導体部15に、新たな高密度表面実装電子部品20を接続して搭載する。新たな高密度表面実装電子部品20を搭載した状態は、図13と同様の状態となり、部品搭載済みプリント配線基板10Bは、再生された状態となる。
【0194】
高密度表面実装電子部品20を搭載した後、再生された部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を行う。良否判定で良品と判定された部品搭載済みプリント配線基板10Bに対して、保護樹脂部31を形成することによって、図14と同様の状態とすることが可能である。つまり、不良と判定された高密度表面実装電子部品20を除去して、新たな高密度表面実装電子部品20を再度搭載することによって部品搭載済みプリント配線基板10Bを再生することが可能となる。
【0195】
図18は、本発明の実施の形態4に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を実行するときの処理フローを示すフロー図である。
【0196】
本実施の形態に係る部品搭載済みプリント配線基板10Bの再生方法は、実施の形態3でのステップS26の後、以下に示すステップS30ないしステップS35で実施される。基本的な構成は、実施の形態2(図10のステップS10ないしステップS15)と同様である。
【0197】
ステップS26:
部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実行する。実施の形態3でのステップS26のとおりであるので、説明は省略する。なお、本ステップは、部品搭載済みプリント配線基板10Bの再生方法と直接関係するわけではないが、不良と判定された部品搭載済みプリント配線基板10Bを準備するための前提条件となるものである。
【0198】
ステップS30:
実施の形態3のステップS26で不良と判定された部品搭載済みプリント配線基板10Bを準備する。基本的な構成は、実施の形態2のステップS10と同様であるので説明は省略する。
【0199】
ステップS31:
高密度表面実装電子部品20を部品搭載済みプリント配線基板10Bから除去する。先ず機械加工工程による除去を実行し、さらに化学研磨処理工程による除去を実行する。詳細は、実施の形態2のステップS11、実施の形態3のステップS23と同様であるので省略する。
【0200】
ステップS32:
プリント配線基板10の洗浄処理を施した後、プリント配線基板10の防錆処理を施す。詳細は、実施の形態2のステップS1、実施の形態3のステップS24と同様であるので省略する。
【0201】
ステップS33:
新たな高密度表面実装電子部品20をプリント配線基板10(部品搭載済みプリント配線基板10B)に搭載し、新たな部品搭載済みプリント配線基板10Bを形成する。詳細は、実施の形態2のステップS13、実施の形態3のステップS25と同様であるので省略する。
【0202】
ステップS34:
再生した部品搭載済みプリント配線基板10Bの良否判定を実行する。詳細は、実施の形態2のステップS15、実施の形態3のステップS26と同様であるので省略する。
【0203】
ステップS35:
保護樹脂部31(間隙充填型)の補充を行う。つまり、機械加工工程で除去した保護樹脂部30の除去部分へ樹脂を補充(充填)して、部品搭載済みプリント配線基板10Bを再生する。詳細は、実施の形態2のステップS14、実施の形態3のステップS27と同様であるので省略する。
【図面の簡単な説明】
【0204】
【図1】本発明の実施の形態1に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は貫通導体部被覆パターンを形成した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は貫通導体部被覆パターンを機械加工によって除去する状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は機械加工の後に化学研磨によって表面処理を施した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る部品搭載済みプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は高密度実装領域に高密度表面実装電子部品を搭載した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る部品搭載済みプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は実装した高密度表面実装電子部品を保護樹脂部で被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るプリント配線基板の製造方法、部品搭載済みプリント配線基板の製造方法を実行するときの処理フローを示すフロー図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は不良と判定された高密度表面実装電子部品を除去した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は新たな高密度表面実装電子部品を搭載した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は新たな高密度表面実装電子部品を搭載した後、除去した保護樹脂部に樹脂を補充した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を実行するときの処理フローを示すフロー図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は貫通導体部被覆パターンを形成した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係るプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は貫通導体部被覆パターンを除去して高密度実装領域の厚さをチップ部品実装領域の厚さより薄くした状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る部品搭載済みプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は高密度実装領域に高密度表面実装電子部品を搭載した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係る部品搭載済みプリント配線基板およびその製造方法を示す工程説明図であり、(A)は実装した高密度表面実装電子部品を保護樹脂部で被覆した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図15】本発明の実施の形態3に係るプリント配線基板の製造方法、部品搭載済みプリント配線基板の製造方法を実行するときの処理フローを示すフロー図である。
【図16】本発明の実施の形態4に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は不良の高密度表面実装電子部品を除去した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図17】本発明の実施の形態4に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を示す工程説明図であり、(A)は不良の高密度表面実装電子部品を除去してプリント配線基板を再生した状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態4に係る部品搭載済みプリント配線基板の再生方法を実行するときの処理フローを示すフロー図である。
【図19】従来のプリント配線基板の概要を示す説明図であり、(A)は配線パターンを示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【図20】図19で示した従来のプリント配線基板に高密度表面実装電子部品を実装した部品搭載済みプリント配線基板の平面状態を示す平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を示す断面図である。
【符号の説明】
【0205】
10 プリント配線基板
10B 部品搭載済みプリント配線基板
10g 高密度実装領域
10c チップ部品実装領域
11 絶縁性基板
12 第1導体ランド部
13 絶縁層
14 貫通穴
15 貫通導体部
15m 位置決めマーク
16 第2導体ランド部
17 貫通導体部被覆パターン
20 高密度表面実装電子部品
21 グリッドアレイ電極
21r 残留グリッドアレイ電極
23 チップ型表面実装電子部品
24 表面実装電極
30 保護樹脂部
31 保護樹脂部
Tc 厚さ
Tg 厚さ
Tt 厚さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板であって、
導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、
前記高密度実装領域に配置され前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部は、前記グリッドアレイ電極が接続される構成としてあること
を特徴とするプリント配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載のプリント配線基板であって、
端部に表面実装電極を有するチップ型表面実装電子部品が搭載されるチップ部品実装領域と、該チップ部品実装領域で前記絶縁層に積層された導体層をパターニングして形成された第2導体ランド部を備え、
前記前記第2導体ランド部は、前記表面実装電極が接続される構成としてあること
を特徴とするプリント配線基板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプリント配線基板であって、
前記貫通導体部によって構成され前記高密度表面実装電子部品が搭載されるときの位置決め基準となる位置決めマークを前記高密度実装領域の外側に備えること
を特徴とするプリント配線基板。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のプリント配線基板であって、
前記高密度実装領域での前記絶縁層の厚さは、前記チップ部品実装領域での前記絶縁層の厚さより薄くしてあること
を特徴とするプリント配線基板。
【請求項5】
導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、高密度表面実装電子部品の格子状に配置されたグリッドアレイ電極が前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部に接続される高密度実装領域を備えるプリント配線基板の製造方法であって、
絶縁性基板に、前記第1導体ランド部、前記絶縁層、および前記第1導体ランド部に位置合わせされた前記貫通穴を順次形成する処理基板形成工程と、
前記絶縁層に導体層を積層すると共に前記貫通穴へ導体を充填して前記貫通導体部を形成する貫通導体部形成工程と、
前記絶縁層に積層された前記導体層をパターニングして前記高密度実装領域で前記貫通導体部を被覆する貫通導体部被覆パターンを形成する導体層パターニング工程と、
前記高密度実装領域の前記貫通導体部被覆パターンを除去して前記貫通導体部を露出させる貫通導体部露出工程とを備えること
を特徴とするプリント配線基板の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載のプリント配線基板の製造方法であって、
前記貫通導体部露出工程で、前記貫通導体部被覆パターンの除去は、機械加工によって施されること
を特徴とするプリント配線基板の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のプリント配線基板の製造方法であって、
前記貫通導体部露出工程で、前記機械加工の後、化学研磨による表面処理が施されること
を特徴とするプリント配線基板の製造方法。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7のいずれか一つに記載のプリント配線基板の製造方法であって、
前記プリント配線基板は、端部に表面実装電極を有するチップ型表面実装電子部品が搭載されるチップ部品実装領域と、該チップ部品実装領域で前記絶縁層に積層された前記導体層をパターニングして形成された第2導体ランド部を備え、
該第2導体ランド部は、前記導体層パターニング工程で、前記絶縁層に積層された前記導体層をパターニングして形成されること
を特徴とするプリント配線基板の製造方法。
【請求項9】
格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、前記高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備える部品搭載済みプリント配線基板であって、
前記プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、
前記グリッドアレイ電極は、前記高密度実装領域で前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部に接続されていること
を特徴とする部品搭載済みプリント配線基板。
【請求項10】
請求項9に記載の部品搭載済みプリント配線基板であって、
前記プリント配線基板は、端部に表面実装電極を有するチップ型表面実装電子部品が搭載されるチップ部品実装領域と、該チップ部品実装領域で前記絶縁層に積層された導体層をパターニングして形成された第2導体ランド部とを備え、
前記表面実装電極は、前記第2導体ランド部に接続されていること
を特徴とする部品搭載済みプリント配線基板。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の部品搭載済みプリント配線基板であって、
前記高密度実装領域での前記絶縁層の厚さは、前記チップ部品実装領域での前記絶縁層の厚さより薄くしてあること
を特徴とする部品搭載済みプリント配線基板。
【請求項12】
格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、前記高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備え、前記プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、前記グリッドアレイ電極は、前記高密度実装領域で前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部に接続されている部品搭載済みプリント配線基板の製造方法であって、
前記プリント配線基板は、前記貫通導体部によって構成され前記高密度表面実装電子部品を実装するときの位置決め基準となる位置決めマークを前記高密度実装領域の外側に備え、
前記グリッドアレイ電極を前記貫通導体部に接続して前記高密度表面実装電子部品を前記プリント配線基板に搭載する高密度表面実装電子部品搭載工程で、前記位置決めマークに基づいて前記高密度表面実装電子部品を位置決めすること
を特徴とする部品搭載済みプリント配線基板の製造方法。
【請求項13】
格子状に配置されたグリッドアレイ電極を有する高密度表面実装電子部品が搭載される高密度実装領域を備えるプリント配線基板と、前記高密度実装領域に搭載された高密度表面実装電子部品とを備え、前記プリント配線基板は、導体層をパターニングして形成された第1導体ランド部と、該第1導体ランド部に積層された絶縁層と、該絶縁層を貫通した貫通穴に充填され前記第1導体ランド部に接続された貫通導体部とを備え、前記グリッドアレイ電極は、前記高密度実装領域で前記絶縁層の表面に露出した前記貫通導体部に接続されている部品搭載済みプリント配線基板の再生方法であって、
不良と判定された高密度表面実装電子部品が搭載された部品搭載済みプリント配線基板を準備する部品搭載済みプリント配線基板準備工程と、
該部品搭載済みプリント配線基板準備工程で準備された前記部品搭載済みプリント配線基板のプリント配線基板から前記高密度表面実装電子部品を除去する高密度表面実装電子部品除去工程とを備えること
を特徴とする部品搭載済みプリント配線基板の再生方法。
【請求項14】
請求項13に記載の部品搭載済みプリント配線基板の再生方法であって、
前記高密度表面実装電子部品除去工程は、前記高密度表面実装電子部品を前記プリント配線基板から機械加工により除去する機械加工工程と、該機械加工工程を終了した後、機械加工により除去した部分に対して化学研磨による表面処理を施す化学研磨処理工程とを備えること
を特徴とする部品搭載済みプリント配線基板の再生方法。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の部品搭載済みプリント配線基板の再生方法であって、
前記高密度表面実装電子部品除去工程で、前記高密度実装領域での前記絶縁層の厚さを、前記チップ部品実装領域での前記絶縁層の厚さより薄くすること
を特徴とする部品搭載済みプリント配線基板の再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−16107(P2010−16107A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173554(P2008−173554)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】