説明

プログラマブルコントローラ

【課題】通電状態を維持したまま端子台の取り付けおよび取り外しが行われる場合におけるスパークの発生を抑えるとともに、端子台の抜けを未然に検出する。
【解決手段】基板側電極部7の単位電極21、22は、抵抗値の大きい抵抗R1、抵抗値の小さい抵抗R2を介して回路基板6の内部回路に接続され、単位電極23は直接内部回路に接続される。接点部13は、挿し込み方向に延びるとともに並んで配置された長さの異なる第1、第2の接続ピン26、27を備えている。第1、第2の接続ピン26、27の各先端部には、第1、第2の電気接点28、29が設けられる。第1、第2の電気接点28、29は、回路基板6側が丸みを帯びた円弧状の断面となっている。制御部は、挿し込み動作完了後、検出回路により接点部13が単位電極22、23の両方に接触する状態が検出されると、端子台が抜けかかった状態であると判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体ケースに、回路基板を収容するとともに、外部機器接続用の外部接続端子を有する端子台を取り付けるようにしたプログラマブルコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
工場設備等において使用され、外部機器に対する入出力制御を行うプログラマブルコントローラ(I/Oモジュール)は、例えば、本体ケース内に制御回路や入出力回路部等が実装された回路基板を備えるとともに、その本体ケースの外面部(前面部)に、外部機器(例えば、モータ、ベルトコンベア、電磁弁、表示装置、ランプ等の負荷、スイッチやセンサ等の入力機器)との電気的接続を行うための端子台を備えて構成されている。
【0003】
プログラマブルコントローラにおける回路基板と端子台との電気的接続構造としては、次のような構造が採用されることが多い。すなわち、プログラマブルコントローラの本体ケースの前面下部には、縦長の長方形状の開口部が設けられている。本体ケース内には、回路基板が立てた状態で収容され、その回路基板の一辺部(前辺)に接続辺部が設けられ、上記開口部に臨むように配置されている。回路基板の接続辺部の両面には、その辺部に沿って上下に並ぶようにして、端子台に電気的に接続される複数の電極が設けられている。
【0004】
これに対し、端子台は、縦方向に長い矩形ブロック状をなすハウジングの前面部に、左右2列に並んで配置された複数の接続端子を有して構成されている。なお、接続端子は、回路基板の電極と同じ数だけ設けられている。ハウジングの後面部には、開口部に嵌合されるとともに、回路基板の接続辺部が相対的に差し込まれて電気的に接続されるコネクタ部が設けられている。コネクタ部には、各接続端子に電気的に接続される複数の電気接点が設けられている。
【0005】
このような構成において、本体ケース内に回路基板が組込まれた状態で、開口部に端子台のコネクタ部を嵌め込む(挿し込む)ことにより、端子台が取り付けられる。このとき、回路基板の接続辺部がコネクタ部内に相対的に差し込まれ、コネクタ部の各電気接点が接続辺部の各電極と接触して電気的接続が図られる。
【0006】
このような構成のプログラマブルコントローラにおいて、通電状態を維持したまま、端子台の取り付けや取り外しが行われることがある。このような場合、端子台のコネクタ部の各電気接点が、回路基板の各電極に接触する瞬間、または離間する瞬間に、スパークが発生する可能性がある。スパークが発生すると、接点および電極の接触面において、炭化や表面が荒れるなどの劣化が生じ、導通性能が低下してしまうため、スパークの発生は極力抑制することが望ましい。
【0007】
一方、特許文献1には、実装部にパッケージを挿し込むことにより、そのパッケージに設けられる電子回路に対して実装部に設けられた電源から電圧を供給する構成において、活線状態で上記挿し込みを行う技術が開示されている。すなわち、特許文献1の技術は、パッケージの挿入量に応じて、実装部の電源に接続された電極に対し、電子回路に接続された複数のパスの接続端子を段階的に接続していくことで、電源と電子回路との間の抵抗値を大きいものから小さいものへと段階的に変化させていき、最終的に電源と電子回路との間を直接接続するものである。これにより、活線状態でパッケージを実装部に挿し込む際、電子回路に供給される電圧は、急激に上昇することなく、段階的に上昇するようになる。このような技術を、プログラマブルコントローラにおける回路基板と端子台との電気的接続構造に適用すれば、通電状態を維持したまま端子台の取り付けが行われる場合におけるスパークの発生を抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平3−283279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記したように、プログラマブルコントローラにおける回路基板と端子台との間は、挿し込みにより電気的接続が図られる構造である。そのため、挿し込み部分に何らかの外力(例えば、接続端子に接続されるケーブルの重みなど)が加わった場合には、端子台が意図せず抜け落ちるような事態が発生することが考えられる。端子台が抜け落ちると、外部機器との間の電気的接続が断たれてしまう。このようなことから、端子台の抜けを未然に検出し、端子台が完全に抜け落ちる事態の発生を防止する必要がある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通電状態を維持したまま端子台の取り付けおよび取り外しが行われる場合におけるスパークの発生を抑えるとともに、端子台の抜けを未然に検出することができるプログラマブルコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の手段によれば、本体ケースと、本体ケース内に収容される回路基板と、端子台とを具備したプログラマブルコントローラである。端子台は、外部機器接続用の外部接続端子が設けられた接続部を基端側に有するとともに、外部接続端子に電気的に接続された電気接点が設けられた連結部を先端側に有している。このようなプログラマブルコントローラにおいて、回路基板の一辺である接続辺部に連結部が挿し込まれることにより、接続辺部に沿って設けられた基板側電極部と連結部の電気接点との電気的接続が図られる。
【0012】
連結部は、外部接続端子に対して電気的に接続されるとともに、互いに長さの異なる第1の接続ピンおよび第2の接続ピンを備えている。電気接点は、第1および第2の接続ピンの先端部にそれぞれ設けられた第1の電気接点および第2の電気接点からなる。第1および第2の接続ピンは、連結部の挿し込み方向に延びるとともに、互いに並んで配置されている。また、第1および第2の接続ピンは、外部接続端子との接続部分において連結されている。そして、第1および第2の電気接点は、いずれも、断面が円弧状をなすように形成されている。このような形状の第1および第2の電気接点は、円弧の1点でもって、1つの単位電極に接触可能となる。
【0013】
また、基板側電極部は、複数の単位電極の集合体となっている。複数の単位電極は、連結部の挿し込み方向に一列に並んで配置されている。また、複数の単位電極は、互いに異なる抵抗値を有する抵抗を介して、回路基板に設けられた内部回路にそれぞれが電気的に接続されている。上記抵抗の抵抗値は、回路基板の接続辺部における端部に最も近い単位電極に接続されるものが最も大きく、端部から遠い単位電極に接続されるものほど小さくなっている。また、端部から最も遠い単位電極に接続される抵抗の抵抗値はゼロとなっている。すなわち、端部から最も遠い単位電極は、直接、内部回路に電気的に接続されている。
【0014】
このような構成によれば、回路基板の接続辺部に連結部が挿し込まれる際、連結部の電気接点は、最初に回路基板の端部に最も近い単位電極に接触する。その後、電気接点は、端部に近い単位電極から遠い単位電極へと順次接触していき、最後に回路基板の端部から最も遠い単位電極に接触する。これにより、連結部の接続辺部への挿し込み動作が完了となる。すなわち、上記挿し込み動作が行われる際、電気接点と内部回路との間は、最初は最も大きい抵抗値を有する抵抗を介して接続され、その後は、徐々に抵抗値の小さい抵抗を介して接続されていき、最後に電気接点と内部回路との間が直接接続される。また、回路基板の接続辺部から連結部が引き抜かれる引き抜き動作の際には、上記した挿し込み動作と逆の動作となる。
【0015】
従って、通電状態のまま、端子台の取り付けまたは取り外しのために上記挿し込み動作または引き抜き動作を行ったとしても、電気接点と内部回路との間の抵抗値が急激に変化することがないため、電気接点が基板側電極部に接触する瞬間または離間する瞬間におけるスパークの発生を抑制することができる。なお、ここで言う通電状態とは、外部接続端子に接続される外部機器から内部回路に対して電源が供給された状態または信号が与えられた状態、あるいは、内部回路から外部機器に対して電源が供給された状態または信号が与えられた状態のことを示す。
【0016】
また、第1の電気接点において基板側電極部に接触する点と、第2の電気接点において基板側電極部に接触する点との距離は互いに異なっている。なお、ここで言う距離は、第1および第2の接続ピンが連結された部分を基準とした挿し込み方向についての距離である。そして、上記各距離の差は、隣接する単位電極間の距離の最小値以上であり、且つ、その距離の最小値に単位電極の挿し込み方向の長さの最小値を加えた値未満である。
【0017】
つまり、挿し込み動作時、電気接点が所定の単位電極に接触する状態から隣接する他の単位電極に接触する状態に遷移する際、電気接点がどの単位電極にも接触しない状態になってしまうと、次に電気接点が単位電極に接触するときにスパークが発生する可能性が高まる。しかし、本手段では、上記した単位電極間を移動する際に、2つの互いに隣接する単位電極のうち、一方には第1の電気接点が接触し、他方には第2の電気接点が接触する状態になるため、第1および第2の電気接点の両方がどの単位電極にも接触しないという状態は生じない。このため、本手段によれば、隣接する単位電極間を移動する際におけるスパークの発生についても抑制される。
【0018】
回路基板と端子台との間は、挿し込みにより電気的接続が図られる構造であるため、挿し込み部分に何らかの外力が加わった場合には、端子台が意図せず抜け落ちるような事態が発生することが考えられる。そこで、本手段では、以下のようにして端子台の抜けを未然に検出するようにしている。すなわち、挿し込み動作が完了した後、何らかの外力により端子台が抜けそうになる場合、上記構成においては回路基板の端部から最も遠い単位電極および二番目に遠い単位電極の両方と電気接点とが電気的に接続される状態を必ず経由することになる。接続状態検出手段は、その状態を非完全接続状態として検出する。そして、抜け状態判断手段は、接続辺部に連結部が挿し込まれる動作(上記した挿し込み動作)が完了した後、接続状態検出手段により非完全接続状態が検出されると、端子台が抜けかかった状態であると判断する。このようにして、端子台が抜けかかった状態が検出される、つまり、端子台の抜けが未然に検出される。
【0019】
このように、本手段によれば、通電状態を維持したまま端子台の取り付けや取り外しが行われる場合におけるスパークの発生を抑えるとともに、そのスパーク抑制のための電気的接続構造を用いて端子台の抜けを未然に検出することができる。端子台の抜けを未然に検出することができれば、端子台が完全に抜け落ちる前に、作業者が元に戻す(端子台を再度挿し込む)などの対策を行うことが可能となるので、端子台が完全に抜け落ちる事態の発生を防止することができる。
【0020】
連結部の挿し込み方向に延びるとともに互いに並んで配置された第1の接続ピンおよび第2の接続ピンは、互いに長さが異なっている。このため、端子台が傾きながら抜けかかるようなときには、比較的早い段階において、回路基板の端部から最も遠い単位電極および二番目に遠い単位電極の両方と電気接点とが電気的に接続される状態となる。従って、端子台が傾きながら抜けかかるような場合において、端子台の抜けを確実に且つ早い段階において検出することができる。
【0021】
電気接点は、第1および第2の接続ピンの先端部にそれぞれ設けられた第1の電気接点および第2の電気接点により構成されている。このため、第1および第2の電気接点の形状(円弧の半径など)については、従来の電気接点と同様の形状でよい。つまり、基板側電極部と電気接点との対向距離などの位置関係は従来どおりでよい。従って、従来の構成に対し、機構部分についての大きな設計変更を伴うことなく、基板側電極部の形状などを変更することにより、上記した作用および効果が得られることになる。
【0022】
請求項2に記載の手段によれば、請求項1に記載の手段と同様の構成を有するプログラマブルコントローラであるが、電気接点に係る構成が以下のように異なっている。すなわち、連結部は、外部接続端子に対して電気的に接続されるとともに、連結部の挿し込み方向に延びる接続ピンを備えている。そして、電気接点は接続ピンの先端部に設けられている。このような構成によっても、端子台を取り付けるための挿し込み動作が行われる際、電気接点と内部回路との間は、最初は最も大きい抵抗値を有する抵抗を介して接続され、その後は、徐々に抵抗値の小さい抵抗を介して接続されていき、最後に電気接点と内部回路との間が直接接続される。また、端子台を取り外すための引き抜き動作が行われる際には、上記挿し込み動作と逆の動作となる。このため、通電状態のまま、上記挿し込み動作または引き抜き動作を行ったとしても、電気接点が基板側電極部に接触する瞬間または離間する瞬間におけるスパークの発生を抑制することができる。
【0023】
また、電気接点は、断面が円弧状をなすように形成されている。このような形状をなす電気接点は、1つの単位電極に対向する位置では、円弧の1点でもって、その1つの単位電極に接触可能である。さらに、電気接点は、2つの互いに隣接する単位電極間の位置では、円弧の2点でもって、それら2つの単位電極の両方に(同時に)接触可能となっている。このような構成によっても、2つの互いに隣接する単位電極間においては、それら2つの単位電極の両方に電気接点が接触する状態になるため、電気接点がどの単位電極にも接触しないという状態は生じない。このため、本手段によっても、隣接する単位電極間を移動する際におけるスパークの発生についても抑制される。
【0024】
また、上記構成によっても、挿し込み動作が完了した後、何らかの外力により端子台が抜けそうになる場合、回路基板の端部から最も遠い単位電極および二番目に遠い単位電極の両方と電気接点とが電気的に接続される状態を必ず経由することになる。このため、請求項1に記載した手段と同様、接続状態検出手段および抜け状態判断手段により端子台の抜けを未然に検出することが可能となる。従って、本手段によっても、通電状態を維持したまま端子台の取り付けや取り外しが行われる場合におけるスパークの発生を抑えるとともに、そのスパーク抑制のための電気的接続構造を用いて端子台の抜けを未然に検出することにより、端子台が完全に抜け落ちる事態の発生を防止することができる。
【0025】
請求項3に記載の手段によれば、請求項1に記載の手段と同様の構成を有するプログラマブルコントローラであるが、電気接点および基板側電極部に係る構成が以下のように異なっている。すなわち、連結部は、外部接続端子に対して電気的に接続されるとともに、連結部の挿し込み方向に延びる接続ピンを備えている。そして、電気接点は接続ピンの先端部に設けられている。このような構成によっても、端子台を取り付けるための挿し込み動作が行われる際、電気接点と内部回路との間は、最初は最も大きい抵抗値を有する抵抗を介して接続され、その後は、徐々に抵抗値の小さい抵抗を介して接続されていき、最後に電気接点と内部回路との間が直接接続される。また、端子台を取り外すための引き抜き動作が行われる際には、上記挿し込み動作とは逆の動作となる。このため、通電状態のまま、上記挿し込み動作または引き抜き動作を行ったとしても、電気接点が基板側電極部に接触する瞬間または離間する瞬間におけるスパークの発生を抑制することができる。
【0026】
また、電気接点の形状、単位電極の形状および隣接する単位電極間の距離は、以下の条件を満たすように設定されている。すなわち、電気接点が所定の単位電極に接触する状態から、電気接点が所定の単位電極に隣接する他の単位電極に接触する状態に遷移するように、連結部が移動する期間に、電気接点が上記した2つの互いに隣接する単位電極の両方に(同時に)接触する状態になるという条件を満たすように、上記各形状および距離が設定されている。このような構成によっても、2つの互いに隣接する単位電極間においては、それら2つの単位電極の両方に電気接点が接触する状態になるため、電気接点がどの単位電極にも接触しないという状態は生じない。このため、本手段によっても、隣接する単位電極間を移動する際におけるスパークの発生についても抑制される。
【0027】
また、上記構成によっても、挿し込み動作が完了した後、何らかの外力により端子台が抜けそうになる場合、回路基板の端部から最も遠い単位電極および二番目に遠い単位電極の両方と電気接点とが電気的に接続される状態を必ず経由することになる。このため、請求項1に記載した手段と同様、接続状態検出手段および抜け状態判断手段により端子台の抜けを未然に検出することが可能となる。従って、本手段によっても、通電状態を維持したまま端子台の取り付けや取り外しが行われる場合におけるスパークの発生を抑えるとともに、そのスパーク抑制のための電気的接続構造を用いて端子台の抜けを未然に検出することにより、端子台が完全に抜け落ちる事態の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すものであり、回路基板と端子台との電気的接続構造を概略的に示す拡大図
【図2】端子台の取り付け前および取り付け後の状態を示すプログラマブルコントローラの斜視図
【図3】端子台が回路基板に嵌合した状態を示す左側面図
【図4】端子台の背面図および右側面図
【図5】電源供給用の外部接続端子に対応する検出回路の一構成例を示す図
【図6】端子台が抜けかかった場合の図1相当図
【図7】端子台が抜けかかった場合の図5相当図
【図8】端子台が傾きながら抜けかかった場合の図1相当図
【図9】端子台が傾きながら抜けかかった場合の図3相当図
【図10】本発明の第2の実施形態を示すものであり、信号出力用の外部接続端子に対応する検出回路の一構成例を示す図
【図11】端子台が抜けかかった場合の図10相当図
【図12】本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
【図13】図6相当図
【図14】基板側電極部の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図9を参照しながら説明する。
図2は、プログラマブルコントローラの外観を概略的に示している。図2の(b)に示すように、プログラマブルコントローラ1の本体ケース2は、全体としてほぼ矩形状をなしており、例えば立てた状態(縦長の状態)に設置される。図2(a)にも示すように、以下では、便宜上、本体ケース2のうち、端子台3が取り付けられる端子台取付部4を有する側を前面とし、これを基準として、前後、左右、上下といった方向を述べることとする。
【0030】
図2に示すように、プログラマブルコントローラ1の本体ケース2は、合成樹脂製であり、縦型の矩形箱状に構成されている。本体ケース2の外面である前面の上端部には、接続された外部機器の動作状況などを表示するための表示部5が前方に突出した形態で設けられている。詳しく図示はしないが、表示部5は、複数個のLEDを縦横に配列状に備えており、それら各LEDを点灯、消灯することにより、各負荷のオン・オフ状態などの状況を表示するように構成されている。
【0031】
また、図2の(a)に示すように、本体ケース2の前面において、表示部5より下側の部分は一段後方(奥方)に引っ込んだ状態となっており、その部分には、端子台取付部4が設けられている。端子台取付部4のほぼ中央には、縦長の長方形状の開口部4aが形成されている。後述するように、端子台取付部4には、外部機器のケーブル(配線)が接続される端子台3が、接続端子を有する側(基端側に相当)を前面として立てた状態(縦長の状態)に取り付けられる。
【0032】
本体ケース2内には、図3にも示すように、制御回路や入出力回路部等が実装された回路基板6が、立てた状態で収容される。回路基板6は、矩形板状をなし、その前辺に位置する接続辺部6aが、端子台取付部4の開口部4aに臨むように配設されている。図3に片面のみ示すように、接続辺部6aには、接続辺部6aに沿って並ぶように、端子台3(外部機器)に接続される複数個の基板側電極部7が設けられている。基板側電極部7は、必要なクリアランスが確保されるピッチで、片面に例えば9個が上下方向に並んで設けられ、また、表裏両面間で半ピッチだけ上下にずれた位置に、合計18個が設けられている。
【0033】
図2および図3に示すように、端子台3は、全体として上下方向に細長いほぼ矩形ブロック状をなす絶縁材(プラスチック)製のハウジング9の基端側である前面部9a(接続部に相当)に、外部機器接続用の複数個(この場合18個)の外部接続端子10を配列して構成されている。この場合、ハウジング9の前面部9aに、左右2列に9個ずつの外部接続端子10が設けられるのであるが、ハウジング9の前面部9aは、左側(左列)が奥方に一段下がり、右側(右列)が前方に突出した段差状をなしている。
【0034】
詳しく図示はしないが、各外部接続端子10は、ねじ穴を有する座金部と、その座金部に上方からねじ込まれるねじとを有して構成されている。隣り合う外部接続端子10同士間には、ハウジング9に一体に設けられた隔壁部9bが前方に立ち上がるように配置されている。また、右列の外部接続端子10と、左列の外部接続端子10とは、上下方向に半ピッチ分だけずれて配置されている。図示はしないが、外部機器のケーブルは、その先端にY型端子が取り付けられ、上記ねじを緩めた状態でそのY型端子が端子台3の左側面側から挿し込まれ、その後ねじが締め付けられることにより、外部接続端子10に着脱可能に接続されるようになっている。
【0035】
端子台3(ハウジング9)の後面側(先端側に相当)には、端子台3と回路基板6との電気的接続を行うためのコネクタ部11(連結部に相当)が設けられている。コネクタ部11は、端子台3の端子台取付部4への取り付け状態で、開口部4aから本体ケース2内部に挿し込まれ、回路基板6に嵌合するようになっている。
【0036】
図4(b)にも示すように、コネクタ部11は、ハウジング9のほぼ中央の位置に、前後方向に延びて後方に凸となるように設けられている。図4(a)に示すように、コネクタ部11の中央部には、回路基板6の接続辺部6aが挿し込まれる挿し込み溝11aが上下方向全体に延びて設けられている。コネクタ部11の挿し込み溝11aの内部には、各基板側電極部7に対応した位置に、ばね性を有する金属板材からなる合計18個の接点部13が、挿し込み溝11aの左右両側に位置して上下方向に配列された状態で設けられている。また、図示はしないが、コネクタ部11内の接点部13は、ハウジング9の内部において、各外部接続端子10(座金部)にそれぞれ電気的に接続(一体的に接続)されている。
【0037】
端子台3は、その後面側のコネクタ部11を、端子台取付部4の開口部4aに前方から挿し込むようにすることで、図2(b)に示すように、端子台取付部4(本体ケース2)に取り付けられるようになっている。このようにして端子台3が端子台取付部4に取り付けられることにより、コネクタ部11が回路基板6に挿し込まれ、端子台3が本体ケース2に固定されることになる。なお、図示しないが、端子台3のハウジング9には突起部が設けられ、本体ケース2には、上記突起部に対応する位置に挿入溝が設けられている。上記取り付け時、端子台3の突起部が本体ケース2の挿入溝に嵌め込まれることにより、上記挿し込みによる固定状態を補助するようになっている。
【0038】
上記取り付け時において、端子台3のコネクタ部11の挿し込み溝11aに、回路基板6の前辺部である接続辺部6aが相対的に挿し込まれる。これにより、回路基板6の接続辺部6aの各基板側電極部7に、コネクタ部11内の各接点部13が圧接し、端子台3と回路基板6との電気的接続がなされる。この場合、全部で18個の接点(電極)における電気的接続が可能となる。このように電気的接続が図られる構造を持つ本実施形態のプログラマブルコントローラ1は、通電状態のまま端子台3の取り付けを行うことを許容している。なお、上記通電状態のままとは、外部接続端子10に接続される外部機器からプログラマブルコントローラ1内部の回路に対して電源が供給された状態または信号が与えられた状態、あるいは、プログラマブルコントローラ1内部の回路から外部機器に対して電源が供給された状態または信号が与えられた状態のことを示す。
【0039】
続いて、基板側電極部7および接点部13の構成について詳しく説明する。図1は、回路基板6に設けられた18個の基板側電極部7のうちの1つの基板側電極部7と、端子台3に設けられた18個の接点部13のうちの上記基板側電極部7に対応する1つの接点部13と、それらに関連する構成を概略的に示している。図1において、(a)は回路基板6を側方向から見た図であり、(b)は回路基板6を下方向から見た一部断面図である。なお、図1では、隣接する他の基板側電極部7および接点部13の図示を省略している。また、他の17個の基板側電極部7および他の17個の接点部13の構成については、図示はしないが、図1に示したものと同様に構成されている。
【0040】
図1に示すように、基板側電極部7は、3つの単位電極21〜23の集合体として構成されている。単位電極21〜23は、コネクタ部11の挿し込み方向である前後方向(図1では左右方向)に一列に並んで配置されている。各単位電極21〜23同士の間の距離(クリアランス)は等しくなっている。単位電極21〜23は、上下方向に長い長方形状をなしている。単位電極21、22は、同一寸法の形状となっている。単位電極23は、単位電極21、22に対し、長辺(図1(a)における上下方向の辺)の長さは同一であるが、短辺(図1(a)における左右方向の辺)の長さが長くなっている。
【0041】
回路基板6の接続辺部6aにおける端(端部)に最も近い単位電極21は、抵抗R1を介して、回路基板6に設けられた内部回路(図5に符号24を付して示す)に電気的に接続されている。単位電極21に隣接する単位電極22は、抵抗R2を介して内部回路24に電気的に接続されている。接続辺部6aの端から最も遠い単位電極23は、内部回路24に電気的に直接接続されている。言い換えれば、単位電極23は、0オームの抵抗値を持つ抵抗(図示せず)を介して内部回路24に電気的に接続されている。接続辺部6aの端から2番目に遠い単位電極22は、検出回路(図5に符号25を付して示す)に接続されている。抵抗R1の抵抗値は、抵抗R2の抵抗値に比べて大きくなっている。
【0042】
接点部13は、ばね性を有する金属板材を、後側である先端側(図1における左側)を二股に分割するような形状に加工することで形成されている。二股に分割された上側部分を第1の接続ピン26とし、下側部分を第2の接続ピン27としている。接点部13は、前側である基端側(図1における右側)において、対応する1つの外部接続端子10に接続されている。このような構成により、基端側において連結された第1の接続ピン26および第2の接続ピン27は、前後方向(図1における左右方向)に延びるとともに、互いに上下方向に並んで配置されている。
【0043】
第1の接続ピン26および第2の接続ピン27の先端部における基板側電極部7に対向する部分には、第1の電気接点28および第2の電気接点29がそれぞれ設けられている。第1の電気接点28および第2の電気接点29は、左右方向(図1(b)における上下方向)についての断面が、いずれも、回路基板6(基板側電極部7)側が丸みを帯びるような円弧形状をなしている。第1の電気接点28は、上記した金属板材を先端より少し手前の部分で回路基板6側に向けて折り曲げ、その後、その折り曲げ部より先の部分を回路基板6側が丸みを帯びるように曲げるという加工を施すことで形成されている。第2の電気接点29は、第1の電気接点28と同様に形成されている。このような形状をなす第1の電気接点28および第2の電気接点29は、上記円弧の1点でもって、単位電極21〜23のうちのいずれか1つに接触可能となる。
【0044】
第1の接続ピン26および第2の接続ピン27は、前後方向の長さが互いに異なっている。具体的には、第1の接続ピン26の前後方向の長さは、第2の接続ピン27の前後方向の長さよりも短くなっている。このため、第1の接続ピン26および第2の接続ピン27が連結された部分から、第1の電気接点28が基板側電極部7に接触する点(円弧の最下点)までの距離L1と、上記連結された部分から第2の電気接点29が基板側電極部7に接触する点(円弧の最下点)までの距離L2とは、下記(1)式に示すような関係となる。ただし、距離L1、L2は、前後方向(挿し込み方向)についての距離である。
L1<L2 …(1)
【0045】
距離L1、L2の差(L2−L1=ΔL)は、下記(2)式に示す条件を満たす値に設定されている。ただし、単位電極21〜23同士の間の距離をLaで表し、単位電極21、22の短辺の長さをLbで表している。
La≦ΔL<La+Lb …(2)
【0046】
続いて、基板側電極部7と接点部13との間の接続状態を検出するために設けられる検出回路25の構成について説明する。図5は、外部機器から回路基板6に設けられた内部回路24に対する電源供給用の外部接続端子VDDについての接続状態を検出する検出回路25およびその周辺部分の電気的構成を示している。なお、図5では、端子台3が回路基板6に完全に挿し込まれた状態を示している。また、図5に示す信号出力用の外部接続端子OUTおよびコモン用の外部接続端子GNDに接続される各基板側電極部についても、実際には3つの単位電極から構成されているが、ここでは、1つの電極として図示を省略している。
【0047】
図5に示すように、内部回路24は、トランジスタQ1およびダイオードD1により構成されている。トランジスタQ1は、Pチャネル型のMOSFETであり、そのソースは単位電極23に接続され、そのドレインはダイオードD1のカソードに接続されている。トランジスタQ1のゲートには、制御部31から図示しない駆動回路を介して駆動信号Sdが与えられる。ダイオードD1のアノードは外部接続端子GNDに対応する基板側電極部に接続され、カソードは外部接続端子OUTに対応する基板側電極部に接続されている。外部接続端子OUTは、外部機器側に設けられた負荷32に接続されている。負荷32は、直流電圧VDDを生成する直流電源33の負側端子に接続されている。外部接続端子GNDは、外部機器側に設けられた直流電源33の負側端子に接続されている。
【0048】
基板側電極部7の単位電極23は、接点部13および電源供給用の外部接続端子VDDを介して、外部機器側の直流電源33の正側端子に接続されている。単位電極21、22は、それぞれ抵抗R1、R2を介して内部回路24のトランジスタQ1のソースに接続されている。単位電極23は、直接、内部回路24のトランジスタQ1のソースに接続されている。検出回路25は、抵抗R3〜R5およびトランジスタQ2により構成されている。トランジスタQ2は、NPN形のバイポーラトランジスタであり、そのコレクタは抵抗R3を介して単位電極22に接続され、そのエミッタはダイオードD2のアノードに接続されている。トランジスタQ2のベースは、抵抗R4を介して単位電極22に接続されるとともに、抵抗R5を介してダイオードD2のアノードに接続されている。
【0049】
このような構成により、制御部31がトランジスタQ1をオン駆動するような駆動信号Sdを出力することで、外部接続端子OUTを介して、外部機器に設けられた負荷32に対して信号(この場合、直流電圧VDDとほぼ等しい電圧)が供給される。また、制御部31がトランジスタQ2をオフ駆動するような駆動信号Sdを出力することで、負荷32に対する上記信号の供給が停止される。
【0050】
また、抵抗R4および抵抗R5の抵抗値は、下記(3)式の条件を満たす値に設定されている。ただし、抵抗R4および抵抗R5の抵抗値をそれぞれR4およびR5で表し、トランジスタQ2のベース・エミッタ間順方向電圧をVFで表している。
VDD・(R5/(R4+R5))≧VF …(3)
このようにすることで、接点部13(外部接続端子VDD)が単位電極22に接触しているときにトランジスタQ2がオンし、接点部13(外部接続端子VDD)が単位電極22に接触していないときにトランジスタQ2がオフする。
【0051】
トランジスタQ2のコレクタは、検出信号Saの出力端子とされている。検出信号Saは、制御部31に与えられる。接点部13が単位電極22に接触していないとき、トランジスタQ2がオフするため、検出信号Saは、直流電圧VDDとほぼ同じ電圧値(以下、Hレベルと称す)となる。一方、接点部13が単位電極22に接触しているとき、トランジスタQ2がオンするため、検出信号Saは、コモン電位(以下、Lレベルと称す)となる。本実施形態では、検出回路25が、回路基板6の端から最も遠い単位電極23および二番目に遠い単位電極22の両方と接点部13とが電気的に接続された非完全接続状態を検出する接続状態検出手段に相当する。また、検出回路25がLレベルの検出信号Saを出力している状態が、非完全接続状態を検出している状態に相当する。
【0052】
制御部31は、Hレベルの検出信号Saが与えられた状態が所定時間継続すると、接続辺部6aに端子台3が挿し込まれる挿し込み動作(後述する)が完了したと判断する。また、制御部31は、挿し込み動作が完了したと判断した後、Lレベルの検出信号Saが与えられると、端子台3が抜けかかった状態(非完全接続状態)であると判断する。すなわち、本実施形態では、制御部31が抜け状態判断手段に相当する。なお、このようにして判断する理由については後述する。制御部31は、端子台3が抜けかかった状態であると判断すると、その旨を作業者(ユーザ)に報知する報知動作を実行する。なお、その報知動作としては、例えば、表示部5などを用いて警告表示するといった表示による報知や、図示しないブザーなどを用いて警告音を発するといった音声による報知などが考えられる。
【0053】
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
端子台3を本体ケース2に取り付けるため、回路基板6の接続辺部6aにコネクタ部11が挿し込まれる際、コネクタ部11の接点部13は、最初に回路基板6の端に最も近い単位電極21に接触する。その後、接点部13は、単位電極21に隣接する単位電極22に接触し、最後に回路基板6の端から最も遠い単位電極23に接触する。これにより、コネクタ部11の接続辺部6aへの挿し込み動作が完了となる。すなわち、その挿し込み動作が行われる際、接点部13(外部機器)と内部回路24との間は、最初は比較的大きい抵抗値を有する抵抗R1を介して接続され、次に抵抗値の比較的小さい抵抗R2を介して接続され、最後に接点部13と内部回路24との間が直接接続される。
【0054】
また、端子台3を本体ケース2から取り外すため、回路基板6の接続辺部6aからコネクタ部11を引き抜く動作(引き抜き動作)の際には、上記した挿し込み動作と逆の動作になる。従って、通電状態のまま、端子台3の取り付けまたは取り外しのために上記挿し込み動作または引き抜き動作が行われたとしても、接点部13と内部回路24との間の抵抗値が急激に変化することがないため、接点部13が基板側電極部7に接触する瞬間または離間する瞬間におけるスパークの発生が抑制されることになる。
【0055】
接点部13において、第1の接続ピン26および第2の接続ピン27の長さを、上記(1)式および(2)式の条件を満たすように設定した。これにより、接点部13が所定の単位電極(例えば単位電極21)に接触する状態から隣接する他の単位電極(例えば単位電極22)に接触する状態に遷移する際に、2つの互いに隣接する単位電極21、22のうち、単位電極21には第1の電気接点28が接触し、単位電極22には第2の電気接点29が接触する状態になる。つまり、本実施形態によれば、2つの互いに隣接する単位電極間を移動する際に、第1の電気接点28および第2の電気接点29の両方がどの単位電極にも接触しないという状態は生じない。このため、隣接する単位電極間を移動する際においても、接点部13と内部回路24との間の抵抗値の急激な変化が抑えられ、スパークの発生が抑制される。
【0056】
回路基板6と端子台3との間は、挿し込みにより電気的接続が図られる構造であるため、挿し込み部分に何らかの外力が加わった場合には、端子台3が意図せず抜け落ちるような事態が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、以下のようにして端子台3の抜けを未然に検出するようにしている。すなわち、上記構成によれば、挿し込み動作が完了すると、図1および図5に示した状態となる。図1および図5の状態では、接点部13が単位電極22に接触していない。このため、トランジスタQ2がオフし、検出信号SaはHレベルになる。その状態が所定時間継続することで、制御部31は、挿し込み動作が完了したと判断する。
【0057】
その後、何らかの外力が加わることで端子台3が抜けそうになる場合、上記構成においては、必ず図6および図7に示すような状態を経由することになる。図6および図7は、図1および図5に相当する。図6および図7に示す状態では、回路基板6の端から最も遠い単位電極23および二番目に遠い単位電極22の両方と、接点部13(外部接続端子10)とが電気的に接続されている。すなわち、接点部13が単位電極22に接触している。このため、トランジスタQ2がオンし、検出信号SaはLレベルになる。これを受けて制御部31は、端子台3が抜けかかった状態であると判断し、所定の報知動作を実行する。このようにして、端子台3の抜けが未然に検出される。
【0058】
このように、本実施形態によれば、通電状態を維持したまま、端子台3の取り付けや取り外しが行われる場合におけるスパークの発生を抑えるとともに、そのスパーク抑制のための電気的接続構造を用いて端子台3の抜けを未然に検出することができる。また、端子台の抜けが未然に検出された後、所定の報知動作によりその旨が作業者に報知される。従って、端子台3が完全に抜け落ちる前に、その報知を受けた作業者が端子台3の状態を元に戻す(端子台3を再度挿し込む)などの対策を行うことが可能になり、端子台3が完全に抜け落ちる事態の発生を防止することができる。
【0059】
さて、プログラマブルコントローラ1において挿し込み部分に外力が加わるケースとしては、次のケースの可能性が高い。すなわち、端子台3には、外部機器に接続されるケーブル(図9に符号41を付して示す)が接続される。プログラマブルコントローラ1が設置された状態では、通常、その下側に空気循環のための空間が設けられる。このため、ケーブル41は、その空気循環のための空間を通じて配線されることが一般的である。つまり、外部機器に接続されるケーブル41は、端子台3から下方向に向けて引き回されることになる。従って、端子台3には、常に下方向に対してケーブル41の荷重が加わる状態になっている。そのため、接続されるケーブル41が比較的重いものである場合には、挿し込み部分に加わる外力が大きくなり、端子台3が意図せずに抜け落ちる可能性がある。また、このような状態において、ケーブル41が外部機器側に向けて引っ張られることも考えられる。その場合、端子台3には、下方向に対してケーブル41の荷重に加えて上記引っ張られたときの力が加わる。すると、挿し込み部分に強い外力が加わることになり、端子台3が意図せず抜け落ちる可能性が高くなる。
【0060】
図8および図9は、接続されるケーブル41が原因で端子台3が抜けそうになる状態における図1および図3相当図である。図8および図9に示すように、ケーブル41の重み、または、ケーブル41に対する引っ張り力などに起因して端子台3が抜けそうになる場合、端子台3は前方向(図8では右方向)に傾くことになる。これに伴い、接点部13の第1の接続ピン26および第2の接続ピン27も、同様に前方向に傾く。本実施形態では、第1の接続ピン26の前後方向の長さを、第2の接続ピン27の前後方向の長さよりも短くしているので、例えば、上記各長さを同じにした場合に比べると、第1の接続ピン26に設けられた第1の電気接点28が単位電極22に接触するのが早くなる。つまり、上記各長さを同じにした場合に比べると、抜け始める段階のうち、より早い段階において端子台3が抜けかかった状態を検出することが可能となる。このように、本実施形態によれば、プログラマブルコントローラ1において、最も発生頻度が高いと考えられるケーブル41の重みやケーブル41に対する引っ張り力などに起因した端子台3の抜けを確実に且つ早い段階において検出することができる。
【0061】
また、接点部13は、ばね性を有する金属板材を、先端側を二股に分割するような形状に加工することにより形成した。そして、その二股に分割された上側の第1の接続ピン26および下側の第2の接続ピン27のそれぞれの先端部に設けられた第1の電気接点28および第2の電気接点29により、基板側電極部7との接触を図る構成とした。このようにすることで、第1の接続ピン26および第2の接続ピン27には、第1の電気接点28の支点および第2の電気接点29の支点がそれぞれ独立して存在するため、独立したピンの動きが可能となる。一方、例えば、ばね性を有する金属板材を、先端側を二股に分割することなく、その先端部に本実施形態と同様の2つの電気接点を設ける構成を採用した場合、2つの電気接点の支点が共通となる。このような場合、一方の電気接点の動作に対して他方の電気接点の動作が影響を受けるため、2つの電気接点を同時に基板側電極部に接触させることができないという事態が発生する可能性がある。これに対し、本実施形態によれば、第1の電気接点28および第2の電気接点29を基板側電極部7に同時に接触する動作を確実に実現することができる。
【0062】
さらに、上記したような二股の構成によれば、第1の電気接点28および第2の電気接点29の形状(円弧の半径など)は、従来の電気接点と同様の形状でよい。つまり、基板側電極部7と接点部13との対向距離などの位置関係は従来どおりでよい。従って、従来の構成に対し、機構部分についての大きな設計変更を伴うことなく、接点部13の形状や基板側電極部7の形状などを変更することにより、上記した作用および効果が得られることになる。
【0063】
(第2の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、検出回路の構成を変更した第2の実施形態について図10および図11を参照して説明する。
図10および図11は、第1の実施形態における図5および図7相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。図10に示す本実施形態の検出回路51は、回路基板6に設けられた内部回路24から外部機器に対して信号を出力する信号出力用の外部接続端子OUTについての接続状態を検出するようになっている。
【0064】
なお、外部機器から内部回路24に対する電源供給用の外部接続端子VDDおよびコモン用の外部接続端子GNDに接続される各基板側電極についても、実際には3つの単位電極から構成されているが、図10では、1つの電極として図示を省略している。また、検出回路51は、制御部31からトランジスタQ1をオンするような駆動信号Sdが出力された状態(出力オン状態)において、外部接続端子OUTの接続状態を検出可能に構成されている。これに対し、制御部31からトランジスタQ1をオフするような駆動信号Sdが出力された状態(出力オフ状態)においては、検出回路51は上記接続状態の検出を行うことができない。ただし、出力オフ状態は、外部機器と内部回路24との間が電気的接続されていない状態と同等であるため、動作上問題は生じない。
【0065】
トランジスタQ1のソースは、外部接続端子VDDに対応する基板側電極部に接続されている。基板側電極部7の単位電極23は、接点部13および信号出力用の外部接続端子OUTを介して、外部機器側の負荷32に接続されている。単位電極21、22は、それぞれ抵抗R1、R2を介して内部回路24のトランジスタQ1のドレインに接続されている。単位電極23は、直接、内部回路24のトランジスタQ1のドレインに接続されている。
【0066】
検出回路51は、トランジスタQ51および抵抗R51、R52により構成されている。トランジスタQ51は、PNP形のバイポーラトランジスタであり、そのエミッタはトランジスタQ1のドレインに接続され、そのコレクタは抵抗R51を介してダイオードD1のアノードに接続されている。トランジスタQ51のベースは、抵抗R52を介してダイオードD1のアノードに接続されるとともに、単位電極22に接続されている。
【0067】
抵抗R2および抵抗R52の抵抗値は、下記(4)式の条件を満たす値に設定されている。なお、抵抗R2の抵抗値は、抵抗R1の抵抗値よりも小さいという条件も満たす必要がある。ただし、抵抗R2および抵抗R52の抵抗値をそれぞれR2およびR52で表し、トランジスタQ51のエミッタ・ベース間順方向電圧をVFで表している。
VDD−(VDD・(R52/(R2+R52)))≧VF …(4)
【0068】
このようにすることで、接点部13(外部接続端子OUT)が単位電極22に接触しているときにトランジスタQ51がオフし、接点部13(外部接続端子10)が単位電極22に接触していないときにトランジスタQ51がオンする。
【0069】
トランジスタQ51のコレクタは、検出信号Sa’の出力端子とされている。検出信号Sa’は、制御部31に与えられる。接点部13が単位電極22に接触していないとき、トランジスタQ51がオンするため、検出信号Sa’は、直流電圧VDDとほぼ同じ電圧値(以下、Hレベルと称す)となる。一方、接点部13が単位電極22に接触しているとき、トランジスタQ51がオフするため、検出信号Sa’は、コモン電位(以下、Lレベルと称す)となる。本実施形態では、検出回路51が、回路基板6の端から最も遠い単位電極23および二番目に遠い単位電極22の両方と接点部13とが電気的に接続された非完全接続状態を検出する接続状態検出手段に相当する。また、検出回路51がLレベルの検出信号Sa’を出力している状態が、非完全接続状態を検出している状態に相当する。
【0070】
上記構成によれば、挿し込み動作が完了すると、図10に示した状態となる。図10の状態では、接点部13が単位電極22に接触していない。このため、トランジスタQ51がオンし、検出信号Sa’はHレベルになる。その状態が所定時間継続することで、制御部31は、挿し込み動作が完了したと判断する。その後、何らかの外力が加わることで端子台3が抜けそうになる場合、上記構成においては、必ず図11に示すような状態を経由する。図11に示す状態では、接点部13が単位電極22に接触している。このため、トランジスタQ51がオフし、検出信号Sa’はLレベルになる。これを受けて制御部31は、端子台3が抜けかかった状態であると判断し、所定の報知動作を実行する。このように、本実施形態によっても、端子台3の抜けを未然に検出することにより、端子台3が完全に抜け落ちる事態の発生を防止することができる。
【0071】
(第3の実施形態)
以下、第1の実施形態に対し、接点部の構成を変更した第3の実施形態について図12および図13を参照して説明する。
図12および図13は、第1の実施形態における図1および図6相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。図12に示すように、接点部61は、ばね性を有する金属板材により形成された前後方向(図12における左右方向)に延びる接続ピン62を備えている。接点部61は、前側である基端側(図12における右側)において、対応する1つの外部接続端子10に接続されている。接続ピン62の先端部における基板側電極部7に対向する部分には、電気接点63が設けられている。電気接点63は、左右方向(図12(b)における上下方向)についての断面が、回路基板6(基板側電極部7)側が丸みを帯びるような円弧形状をなしている。電気接点63は、上記した金属板材を先端より少し手前の部分で回路基板6側に向けて折り曲げ、その後、その折り曲げ部より先の部分を回路基板6側が丸みを帯びるように曲げるという加工を施すことで形成されている。
【0072】
このような形状をなす電気接点63は、1つの単位電極に対向する位置にあるときは、円弧の1点でもって、その1つの単位電極に接触可能となる。また、電気接点63の円弧の半径は、第1の実施形態における第1の電気接点28および第2の電気接点29の円弧の半径よりも大きくなっている。具体的には、電気接点63の円弧の半径は、電気接点63が2つの互いに隣接する単位電極間と対向する位置にあるときに、円弧の2点でもって、それら2つの単位電極の両方に(同時に)接触可能となる長さに設定されている。
【0073】
上記構成によれば、端子台3を取り付けるための挿し込み動作が行われる際、接点部61と内部回路24との間は、最初は比較的大きい抵抗値を有する抵抗R1を介して接続され、次に抵抗値の比較的小さい抵抗R2を介して接続され、最後に接点部61と内部回路24との間が直接接続される。また、端子台3を取り外すための引き抜き動作が行われる際には、上記挿し込み動作と逆の動作となる。このため、本実施形態によっても、通電状態のまま、挿し込み動作または引き抜き動作が行われたとしても、接点部61が基板側電極部7に接触する瞬間または離間する瞬間におけるスパークの発生が抑制されることになる。
【0074】
また、電気接点63の円弧の半径を上記したような長さに設定した。従って、2つの互いに隣接する単位電極間においては、それら2つの単位電極の両方に電気接点63が接触する状態になるため、電気接点63がどの単位電極にも接触しないという状態は生じない。このため、本実施形態によっても、隣接する単位電極間を移動する際においても、接点部61と内部回路24との間の抵抗値の急激な変化が抑えられ、スパークの発生が抑制される。
【0075】
また、上記構成によっても、挿し込み動作が完了した後、何らかの外力により端子台3が抜けそうになる場合、回路基板6の端から最も遠い単位電極23および二番目に遠い単位電極22の両方と電気接点63とが電気的に接続される状態(図13に示す状態)を必ず経由することになる。このため、第1の実施形態と同様、検出回路25および制御部31により、端子台3の抜けを未然に検出することが可能となる。従って、本実施形態によっても、通電状態を維持したまま端子台3の取り付けや取り外しが行われる場合におけるスパークの発生を抑えるとともに、そのスパーク発生のための電気的接続構造を用いて端子台3の抜けを未然に検出することにより、端子台3が完全に抜け落ちる事態の発生を防止することができる。
【0076】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
プログラマブルコントローラ1は、電源供給用の外部接続端子についての接続状態を検出する第1の実施形態の検出回路25と、信号出力用の外部接続端子についての接続状態を検出する第2の実施形態の検出回路51とを両方備えた構成としてもよい。その場合、制御部31は、検出信号Sa、Sa’の両方がHレベルである状態が所定時間継続すると挿し込み動作が完了したと判断し、挿し込み動作が完了したと判断した後、検出信号Sa、Sa’のいずれか一方がLレベルになったとき、端子台3が抜けかかった状態であると判断すればよい。このようにすれば、抜けの検出対象とする接続部分が多くなるため、端子台3の抜けを一層早い段階で検出可能になるとともに、一層確実に検出することが可能になる。
【0077】
また、プログラマブルコントローラ1は、端子台3が備える外部接続端子10のうち、少なくともいずれか1つの外部接続端子10についての接続状態を検出する検出回路を備えていればよい。例えば、プログラマブルコントローラ1は、内部回路24から外部機器に対して電源を供給するための外部接続端子や、外部機器から内部回路24に対して信号を与えるための外部接続端子などについての接続状態を検出する検出回路を備えていてもよい。
外部接続端子についての接続状態を検出する検出回路は、図5または図10に示した構成に限らずともよい。すなわち、検出回路は、回路基板6の端から最も遠い単位電極23および二番目に遠い単位電極22の両方と電気接点とが電気的に接続された状態を検出する構成であればよく、ハードウェアにより構成してもよいし、ソフトウェアにより構成してもよい。
【0078】
プログラマブルコントローラ1と外部機器との間で端子台3を介してやり取りする信号(または電源)の電圧値が比較的低い場合には、比較的高い場合に比べると、接点部13が基板側電極部7に接触する瞬間または離間する瞬間にスパークが生じる可能性が低い。そこで、電圧値の低い信号(または電源)をやり取りする部分の基板側電極部7については、単位電極22を削除してもよい。すなわち、基板側電極部7を2つの単位電極21、23の集合体により構成してもよい。これにより、挿し込み動作時において、内部回路24と外部機器との間の抵抗値の変化が若干大きくなるが、元々スパークが発生し難いため、十分にスパークの発生を防止できる。さらに、抵抗R2が削減されるので、部品点数およびそれに係るコストを低減できる。また、電圧値の高い信号をやり取りする部分の基板側電極部7については、4つ以上の単位電極の集合体により構成してもよい。
【0079】
第1の実施形態における第1の電気接点28および第2の電気接点29と、第2の実施形態における電気接点63とは、金属板材の先端を折り曲げることにより形成するものに限らずともよい。すなわち、第1の電気接点28、第2の電気接点29および電気接点63は、図2における左右方向についての断面が、回路基板6(基板側電極部7)側が丸みを帯びるような円弧形状をなすものであればよい。例えば、第1の接続ピン26、第2の接続ピン27または接続ピン62の先端部における回路基板6(基板側電極部7)に対向する部分に、回路基板6側に丸みを帯びるような半球状の金属の塊を取り付けることにより、第1の電気接点28、第2の電気接点29および電気接点63を構成してもよい。
基板側電極部7を構成する単位電極21〜23は、図1に示した構成に限らずともよく、単位電極21〜23は、コネクタ部11の挿し込み方向(前後方向)に一列に並んで配置されていればよい。例えば、図14の(a)〜(d)に示すような形状に構成してもよい。
【0080】
接点部(電気接点)の形状、基板側電極部の形状(単位電極の形状および単位電極間の距離など)は、上記各実施形態において示したものに限らずともよく、以下の条件を満たすように設定されていればよい。すなわち、電気接点が所定の単位電極に接触する状態から、電気接点が所定の単位電極に隣接する他の単位電極に接触する状態に遷移するように、コネクタ部11が移動する期間に、電気接点が上記した2つの互いに隣接する単位電極の両方に(同時に)接触する状態になるという条件を満たすように、上記各形状および距離が設定されていればよい。例えば、第1の実施形態における接点部13について、第1の接続ピン26および第2の接続ピン27の前後方向の長さを、第2の接続ピン27の方が短くなるようにしてもよいし、互いに同一の長さになるようにしてもよい。同一の長さにした場合には、基板側電極部7を、図14の(b)または(c)に示すような形状に構成するとよい。そうすれば、第1の接続ピン26および第2の接続ピン27の前後方向の長さを互いに異ならせた場合と同等の作用および効果が得られる。つまり、端子台3が傾きながら抜けるような場合において、端子台3の抜けを一層早い段階で検出可能になるとともに、一層確実に検出することが可能になる。
【0081】
端子台3に設けられた外部接続端子10の数および回路基板6に設けられた基板側電極部7の数は、上記各実施形態で示した数に限らずともよく、プログラマブルコントローラ1および外部機器の仕様に応じて適宜変更可能である。また、端子台3において、外部接続端子10を1列や3列以上に設けることも可能である。すなわち、端子台3や本体ケース2などの具体的な形状や構造については、種々の変形が可能である。さらには、1つの本体ケース2に複数の回路基板6および端子台3を設ける構成のプログラマブルコントローラに本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0082】
図面中、1はプログラマブルコントローラ、2は本体ケース、6は回路基板、6aは接続辺部、7は基板側電極部、9aは前面部(接続部)、10は外部接続端子、11はコネクタ部(連結部)、21〜23は単位電極、24は内部回路、25、51は検出回路(接続状態検出手段)、26は第1の接続ピン、27は第2の接続ピン、28は第1の電気接点(電気接点)、29は第2の電気接点(電気接点)、31は制御部(抜け状態判断手段)、62は接続ピン、63は電気接点、R1、R2は抵抗を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、前記本体ケース内に収容される回路基板と、外部機器接続用の外部接続端子が設けられた接続部を基端側に有するとともに前記外部接続端子に電気的に接続された電気接点が設けられた連結部を先端側に有する端子台とを具備し、前記回路基板の一辺の接続辺部に前記連結部が挿し込まれることにより、前記接続辺部に沿って設けられた基板側電極部と前記電気接点との電気的接続が図られるプログラマブルコントローラであって、
前記連結部は、前記外部接続端子に対して電気的に接続されるとともに、互いに長さが異なる第1の接続ピンおよび第2の接続ピンを備え、
前記電気接点は、前記第1および第2の接続ピンの先端部にそれぞれ設けられた第1の電気接点および第2の電気接点からなり、
前記第1および第2の接続ピンは、前記連結部の挿し込み方向に延びるとともに互いに並んで配置され、前記外部接続端子との接続部分において連結されており、
前記第1の電気接点および前記第2の電気接点は、いずれも、断面が円弧状をなすように形成されており、
前記基板側電極部は、前記連結部の挿し込み方向に一列に並んで配置された複数の単位電極の集合体であり、
前記複数の単位電極は、互いに異なる抵抗値を有する抵抗を介して前記回路基板に設けられた内部回路にそれぞれ電気的に接続され、
前記抵抗の抵抗値は、前記回路基板の端部に最も近い前記単位電極に接続されるものが最も大きく、前記回路基板の端部から遠い前記単位電極に接続されるものほど小さくなり、前記回路基板の端部から最も遠い前記単位電極に接続されるものはゼロであり、
前記第1の電気接点において前記基板側電極部に接触する点と、前記第2の電気接点において前記基板側電極部に接触する点との、前記第1および第2の接続ピンが連結された部分を基準とした前記挿し込み方向についての距離は、互いに異なっており、
前記各距離の差は、隣接する前記単位電極間の距離の最小値以上であり、且つ、前記最小値に前記単位電極の前記挿し込み方向の長さの最小値を加えた値未満であり、
前記回路基板の端部から最も遠い前記単位電極および二番目に遠い前記単位電極の両方と前記電気接点とが電気的に接続された非完全接続状態を検出する接続状態検出手段と、
前記接続辺部に前記連結部が挿し込まれる動作が完了した後、前記接続状態検出手段により前記非完全接続状態が検出されると、前記端子台が抜けかかった状態であると判断する抜け状態判断手段と、
を備えたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。
【請求項2】
本体ケースと、前記本体ケース内に収容される回路基板と、外部機器接続用の外部接続端子が設けられた接続部を基端側に有するとともに前記外部接続端子に電気的に接続された電気接点が設けられた連結部を先端側に有する端子台とを具備し、前記回路基板の一辺の接続辺部に前記連結部が挿し込まれることにより、前記接続辺部に沿って設けられた基板側電極部と前記電気接点との電気的接続が図られるプログラマブルコントローラであって、
前記連結部は、前記外部接続端子に対して電気的に接続されるとともに、前記連結部の挿し込み方向に延びる接続ピンを備え、
前記電気接点は、前記接続ピンの先端部に設けられ、
前記基板側電極部は、前記連結部の挿し込み方向に一列に並んで配置された複数の単位電極の集合体であり、
前記複数の単位電極は、互いに異なる抵抗値を有する抵抗を介して前記回路基板に設けられた内部回路にそれぞれ電気的に接続され、
前記抵抗の抵抗値は、前記回路基板の端部に最も近い前記単位電極に接続されるものが最も大きく、前記回路基板の端部から遠い前記単位電極に接続されるものほど小さくなり、前記回路基板の端部から最も遠い前記単位電極に接続されるものはゼロであり、
前記電気接点は、断面が円弧状をなすように形成されており、2つの互いに隣接する前記単位電極間の位置では前記2つの単位電極の両方に接触可能であり、
前記回路基板の端部から最も遠い前記単位電極および二番目に遠い前記単位電極の両方と前記電気接点とが電気的に接続された非完全接続状態を検出する接続状態検出手段と、
前記接続辺部に前記連結部が挿し込まれる動作が完了した後、前記接続状態検出手段により前記非完全接続状態が検出されると、前記端子台が抜けかかった状態であると判断する抜け状態判断手段と、
を備えたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。
【請求項3】
本体ケースと、前記本体ケース内に収容される回路基板と、外部機器接続用の外部接続端子が設けられた接続部を基端側に有するとともに前記外部接続端子に電気的に接続された電気接点が設けられた連結部を先端側に有する端子台とを具備し、前記回路基板の一辺の接続辺部に前記連結部が挿し込まれることにより、前記接続辺部に沿って設けられた基板側電極部と前記電気接点との電気的接続が図られるプログラマブルコントローラであって、
前記連結部は、前記外部接続端子に対して電気的に接続されるとともに、前記連結部の挿し込み方向に延びる接続ピンを備え、
前記電気接点は、前記接続ピンの先端部に設けられ、
前記基板側電極部は、前記連結部の挿し込み方向に一列に並んで配置された複数の単位電極の集合体であり、
前記複数の単位電極は、互いに異なる抵抗値を有する抵抗を介して前記回路基板に設けられた内部回路にそれぞれ電気的に接続され、
前記抵抗の抵抗値は、前記回路基板の端部に最も近い前記単位電極に接続されるものが最も大きく、前記回路基板の端部から遠い前記単位電極に接続されるものほど小さくなり、前記回路基板の端部から最も遠い前記単位電極に接続されるものはゼロであり、
前記電気接点が所定の前記単位電極に接触する状態から、前記電気接点が前記所定の単位電極に隣接する他の前記単位電極に接触する状態に遷移するように、前記連結部が移動する期間に、前記電気接点が前記2つの互いに隣接する単位電極の両方に接触する状態となるように、前記電気接点の形状、前記単位電極の形状および隣接する前記単位電極間の距離が設定されており、
前記回路基板の端部から最も遠い前記単位電極および二番目に遠い前記単位電極の両方と前記電気接点とが電気的に接続された非完全接続状態を検出する接続状態検出手段と、
前記接続辺部に前記連結部が挿し込まれる動作が完了した後、前記接続状態検出手段により前記非完全接続状態が検出されると、前記端子台が抜けかかった状態であると判断する抜け状態判断手段と、
を備えたことを特徴とするプログラマブルコントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−64513(P2012−64513A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209439(P2010−209439)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】