説明

プログラム、情報記憶媒体及び手書き図形評価装置

【課題】タッチパネルを用いて手書き入力された手書き図形の出来を、その作成過程、作成順序といった種々の観点から評価すること。
【解決手段】本実施の形態におけるゲーム装置1は、手本画像を構成する複数のパーツの中から手書き入力の画題とする画題パーツを選択し、この画題パーツに対応する図形の手書き入力を促す画題提示処理を、所定の入力期間が終了するごとに、全てのパーツを画題パーツとして選択するまで繰り返して実行する。また、プレーヤからタッチパネル4を介して所定の入力期間に入力された手書き図形を、当該入力期間において画題とされた画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認識し、認識された手書きパーツ図形と、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツとの類似度を判定して、手書き図形全体の評価を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを用いて手書き入力された手書き図形の出来を評価させるプログラム、情報記憶媒体及び手書き図形評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からディスプレイ(表示部)と、ディスプレイ上のタッチ位置(指示位置)を検出するタッチパネルとを有する表示装置を備えた電子機器が知られている。このような電子機器を用いて、手書き入力画像と予め用意された画像とを照合して、手書き入力画像の画像の種類を識別し、識別した画像の種類に応じた画像処理を行うことにより、アニメーション表示画像を作成して、アニメーション表示を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−282541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の電子機器(例えば、特許文献1)等においては、手書き入力された画像の認識は完成した画像全体に対して行うものであった。つまり、完成した最終画像のみが評価対象であり、画像の作成過程、作成順序等を評価することができず、多様な評価をすることができなかった。また、画像の認識等に係る処理を、画像完成時に一時に行う必要があるため、処理結果の算出までに時間を要し、処理待ちの状況が発生し得た。
【0004】
本発明の第1の課題は、タッチパネルを用いて手書き入力された手書き図形の出来を、その作成過程、作成順序といった種々の要素に基づいて評価することであり、第2の課題は、興趣性のある精度の良い評価を比較的簡単な処理で実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための第1の発明は、
コンピュータに、タッチパネルを用いて手書き入力された手書き図形の出来を評価させるためのプログラム(例えば図15のゲームプログラム32)であって、
所定の手本画像(例えば図10の手本画像)を構成する複数のパーツの中から手書き入力の画題とする画題パーツを選択し、該画題パーツに対応する図形の手書き入力を促す画題提示処理を、所定の手書き入力期間が終了するごとに、全てのパーツを画題パーツとして選択するまで繰り返し実行する画題提示進行制御手段(例えば図15の画題提示部222)、
前記各手書き入力期間それぞれにおいて手書き入力された図形を、当該手書き入力期間において画題とされた画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認知する手書きパーツ図形認知手段(例えば図15の認識評価部224、図21のステップS10)、
前記手書きパーツ図形認知手段により認知された各手書きパーツ図形について、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツとの類似度を判定するパーツ類似度判定手段(例えば図15の画題提示部224、図21のステップS12)、
前記パーツ類似度判定手段により判定された類似度に基づいて、前記手書きパーツ図形認知手段により認知された全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価する手書き図形全体評価手段(例えば図15の認識評価部224、図21のステップS20)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0006】
また、他の発明として、タッチパネルを備え、前記タッチパネルを用いて手書き入力された手書き図形の出来を評価する手書き図形評価装置であって、
所定の手本画像を構成する複数のパーツの中から手書き入力の画題とする画題パーツを選択し、該画題パーツに対応する図形の手書き入力を促す画題提示処理を、所定の手書き入力期間が終了するごとに、全てのパーツを画題パーツとして選択するまで繰り返し実行する画題提示進行制御手段(例えば図15の画題提示部222)と、
前記各手書き入力期間それぞれにおいて手書き入力された図形を、当該手書き入力期間において画題とされた画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認知する手書きパーツ図形認知手段(例えば図15の認識評価部224、図21のステップS10)と、
前記手書きパーツ図形認知手段により認知された各手書きパーツ図形について、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツとの類似度を判定するパーツ類似度判定手段(例えば図15の画題提示部224、図21のステップS12)と、
前記パーツ類似度判定手段により判定された類似度に基づいて、前記手書きパーツ図形認知手段により認知された全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価する手書き図形全体評価手段(例えば図15の認識評価部224、図21のステップS20)と、
を備えた手書き図形評価装置を構成するとしてもよい。
【0007】
この第1の発明等によれば、画題提示処理の進行に応じて順次選択される所与の画題パーツに対応して手書き入力された図形を、当該画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認識し、この手書きパーツ図形と対応する画題パーツとの類似度を判定するため、手書きパーツ図形と画題パーツとの対応付けが明確となり、精度良く類似度の判定を行うことができる。また、手書きパーツ図形と画題パーツは、手書き入力期間に基づいて対応付けられ、それぞれの類似度が個々に判別されるため、完成した手書き図形全体の評価は、手本画像との形状上の類似度のみに依存せず、多様な評価を行うことができる。また、類似度の判別は、完成した手書き図形全体に対して行うものでなく、個々のパーツについて行うため、比較的処理負荷が低く済む。さらに、手書きパーツ図形毎に判定された類似度に基づいて、手書きパーツ図形として認識された全ての手書きパーツ図形からなる手書き図形の出来を評価するため、手書き図形全体として適正な評価を得ることができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明のプログラムであって、
ユーザによる所定の期間終了操作入力を検出する期間終了操作検出手段(例えば図15の画題提示部222)として前記コンピュータを機能させ、
前記画題提示進行制御が、前記期間終了操作検出手段により検出がなされた場合に現在の手書き入力期間を終了と判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0009】
第2の発明によれば、ユーザによる所定の期間終了操作入力を検出して、当該検出がなされた場合に現在の手書き入力期間を終了と判定することができる。これにより、ユーザは任意の時間を入力期間として手書きパーツ図形を入力することができ、自己のペースに応じて手書き図形の入力を楽しむことができる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明のプログラムであって、
前記画題提示進行制御が、各手書き入力期間に対して予め定められた所定時間の経過により、手書き入力期間の終了を判定する(例えば図21のステップS8)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0011】
第3の発明によれば、各手書き入力期間に対して予め定められた所定時間の経過により、手書き入力期間の終了を判定することができる。これにより、所定時間が定められた入力期間内に手書きパーツ図形を入力しなければならないという制約条件が加わることになるため、手書き入力の難易度を高めたり、新たな興趣を与えるといったことができる。
【0012】
第4の発明は、第1から第3の発明のプログラムであって、
前記パーツ類似度判定手段が、手書きパーツ図形の縦横比と、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツの縦横比との差異の程度を判定する縦横比判定手段(例えば図15の認識評価部224)を有し、この縦横比判定手段により判定された差異の程度に基づいて類似度を判定する(例えば図21のステップS14)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0013】
第5の発明は、第1から第4の発明のプログラムであって、
前記手書き入力期間内における前記タッチパネルに対する摺動操作距離を算出する摺動操作距離算出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記パーツ類似度判定手段が、前記摺動操作距離算出手段により算出された手書きパーツ図形の描画に要した摺動操作距離と、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツに対して予め定められた描画距離との差異の程度を判定する距離判定手段を有し、この距離判定手段により判定された差異の程度に基づいて類似度を判定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0014】
第6の発明は、第5の発明のプログラムであって、
前記距離判定手段が、前記摺動操作距離算出手段による算出対象の手書きパーツ図形の大きさと、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツの大きさとの比率に応じて、判定する差異の程度を補正する(例えば図15の認識評価部224)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
第7の発明は、第1から第6の発明のプログラムであって、
前記手書き入力期間内における前記タッチパネルに対する摺動操作の全体的な摺動操作方向を算出する摺動操作方向算出手段(例えば図15の認識評価部224)として前記コンピュータを機能させ、
前記パーツ類似度判定手段が、前記摺動操作方向算出手段により算出された手書きパーツ図形の描画に要した摺動操作の全体的な摺動操作方向と、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツに対して予め定められた全体的な線描の方向との差異の程度を判定する方向判定手段(例えば図15の認識評価部224)を有し、この方向判定手段により判定された方向の程度に基づいて類似度を判定する(例えば図15の認識評価部224)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0016】
第4から第7の発明によれば、手書きパーツ図形を構成する種々の要素に基づいて、手書きパーツ図形と画題パーツとの類似度を判定することができ、精度の良い判定結果を得ることができる。
【0017】
第8の発明は、第1から第7の発明のプログラムであって、
前記手書き図形全体評価手段が、前記手書きパーツ図形認知手段により認知された各手書きパーツ図形の相対位置関係を評価するパーツ位置関係評価手段(例えば図15の認識評価部224)を有し、このパーツ位置関係評価手段により判定された相対位置関係の評価結果を加味して全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価する(例えば図15の認識評価部、図21のステップS20)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0018】
第8の発明によれば、各手書きパーツ図形の相対位置関係を評価し、相対位置関係の評価結果を加味して全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価するため、例えば、手書きパーツ図形同士の相対位置関係のバランスが悪い場合に生じる図形の不自然さを評価に反映するといったことができる。
【0019】
第9の発明は、第1から第8の発明のプログラムであって、
前記手書き図形全体評価手段が、
前記手書きパーツ図形認知手段により認知された手書きパーツ図形それぞれの、対応する画題パーツに対する大きさの比率の偏差を加味して全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価する(例えば図15の認識評価部224、図21のステップS20)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
第9の発明によれば、手書きパーツ図形それぞれの、対応する画題パーツに対する大きさの比率の偏差を加味して全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価するため、例えば、手書きパーツ図形毎の大きさの比率にばらつきがある場合に生じる手書き図形の不自然さを評価に反映するといったことができる。
【0021】
第10の発明は、第1から第9の発明のプログラムであって、
前記パーツ類似度判定手段が、前記手書き入力期間が終了する毎に、前記手書きパーツ図形認知手段により認知された当該手書き入力期間の手書きパーツ図形と、対応する画題パーツとの類似度を判定する(例えば図15の認識評価部224)ように前記コンピュータを機能させ、
前記手書き入力期間が終了する毎に、前記パーツ類似度判定手段により判定された類似度に応じて所定のパラメータの値を変更するパラメータ値変更手段(例えば図15の認識評価部224)として前記コンピュータを機能させ、
前記パラメータの値が所定の途中終了条件を満たした場合に、前記画題提示進行制御手段による画題提示処理の実行を中止する制御を行う途中終了制御手段(例えば図15の画題提示部222)として前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0022】
第10の発明によれば、ユーザは、画題提示処理の実行を中止させないようにパラメータ値を意識しながら手書きパーツ図形の入力を行わなければならないため、手書き図形を入力する全期間に亘って、緊張感を持たせた面白さを与えることができる。
【0023】
第11の発明は、第1から第10の発明のプログラムであって、
前記画題提示進行制御手段による画題提示処理の繰り返し実行に応じて、現在の手書き入力期間において画題とされている画題パーツの図形を追加的に表示していく制御を行う画題パーツ図形追加表示制御手段(例えば図15の画題提示部222)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0024】
第11の発明によれば、画題提示処理の繰り返し実行に応じて、現在の手書き入力期間において画題とされている画題パーツの図形を追加的に表示させることができる。これにより、ユーザは、順次表示される画題パーツを模して、対応する手書きパーツ図形を入力することにより、画題である手本画像を模した手書き図形を容易に完成させることができる。
【0025】
第12の発明は、第1から第10の発明のプログラムであって、
手書き入力期間が変わる毎に、従前の手書き入力期間において画題とされていた画題パーツの図形を消去して、現在の手書き入力期間において画題とされている画題パーツの図形を表示していく制御を行う画題パーツ図形更新表示制御手段(例えば図15の画題提示部222)として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0026】
第12の発明によれば、手書き入力期間が変わる毎に、従前の手書き入力期間において画題とされていた画題パーツの図形が消去され、現在の手書き入力期間において画題とされている画題パーツの図形が表示されるため、画題パーツ同士の位置関係を容易に把握できなくなり、手書き入力の難易度が向上する。
【0027】
第13の発明は、第12の発明のプログラムであって、
前記画題パーツ図形更新表示制御手段が、同一の表示位置に、新たに選択される画題パーツの図形を更新表示していく制御を行う(例えば図15の画題提示部222)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0028】
第13の発明によれば、新たに選択される画題パーツの図形を、従前の画題パーツの図形と同一の表示位置に更新表示するため、手本画像を構成する画題パーツの位置関係を容易に把握できなくなり、手書き入力の難易度が向上する。
【0029】
第14の発明は、第1から第13の発明のプログラムであって、
画題パーツそれぞれには、当該画題パーツの図形をユーザに推測させる推測データであるテキストデータ及び/又は音声データが予め対応づけらており(例えば図19の画題データ348)、
前記画題提示進行制御手段が、現在の手書き入力期間において画題とされている画題パーツに対応する推測データを出力する制御を行うことで前記画題提示処理を実行する(例えば図15の画題提示部222)ように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0030】
第14の発明によれば、入力すべき画題パーツの図形をユーザに推測させる推測データであるテキストデータや音声データを出力させることが出来る。これにより、プレーヤは推測データに基づき、勘を働かせて手書き図形を入力するといった興趣を楽しむことができる。
【0031】
第15の発明は、第1から第14の発明の何れかのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば図15の記憶部30)である。
【0032】
この第15の発明によれば、第1から第14の発明と同様の作用効果を奏する情報記憶媒体を実現し得る。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、タッチパネルを用いて手書き入力された手書き図形の出来を種々の要素に基づいて評価することにより、多様な評価をプレーヤに与えることができる。また、興趣性のある精度の良い評価を比較的簡単な処理で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。尚、以下では、スピーカから絵描き歌を音声出力させると共に、ディスプレイにお手本となる絵柄と歌詞を序々に表示させ、絵描き歌のフレーズに沿って表示される絵柄を模した図形をプレーヤに手書き入力させることにより絵柄を完成させる絵描き歌ゲームを実行する場合について説明するが、本発明を適用し得る実施形態がこれに限定されるものではない。
【0035】
1.ゲーム装置の外観例
本実施の形態におけるゲーム装置1の概要について図を参照して説明する。図1は、本発明を携帯型のゲーム装置1に適用した一例を示す概観図である。図1に示すように、ゲーム装置1は、第1の筐体1aと、第2の筐体1bとが、1つの軸で軸支される蝶番構造からなる連結部1cにより、開閉可能に連結されて形成された折り畳み形状を有している。第1の筐体1aには、第1の表示部であるディスプレイ3aと、ディスプレイ3aの左右両側にスピーカ7a,7bとが設けられている。また、第2の筐体1bには、第2の表示部であるディスプレイ3bと、ディスプレイ3bの左右両側に電源キー5a、十字キー5b、機能キー5c,5dを含む操作キー5とが設けられている。つまり、ゲーム装置1は、使用時の開状態において、上下に配置された2つのディスプレイ3a,3bを、プレーヤが同時に視認可能な構成となっている。
【0036】
ディスプレイ3a,3bは、TFT(Thin Film Transistor)等のカラー液晶ディスプレイである。また、ディスプレイ3bには、その上面(或いは、下面)にタッチパネル4が一体的に形成されており、ディスプレイ3bとタッチパネル4とでタッチスクリーンが構成されている。タッチパネル4は、感圧式や光学式、静電式、電磁誘導式等の検出方式によってディスプレイ3b上のタッチ操作された位置を、例えばディスプレイ3bを構成するドット単位で検出し、検出した位置(以下、「指示位置」と称する。)の信号(指示信号)を出力する。指示位置は、タッチパネル4に設定されているXY座標系で表現される。プレーヤは、付属のスタイラスペン9や指等を用いたディスプレイ3b上でのタッチ操作によって各種の操作入力を行うことができる。
【0037】
また、筐体1b内部には、CPUやICメモリ等を搭載した制御ユニットが内蔵される。CPUは、ICメモリ等から読み出したプログラムやデータ、操作キー5から入力された操作信号、タッチパネル4から入力された指示信号等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。そして、生成した画像信号をディスプレイ3a,3bに出力してゲーム画面を表示させると共に、生成した音信号をスピーカ7a,7bに出力してゲーム音を出力させる。
【0038】
筐体1b側面には、ゲーム装置1の外部記憶媒体であるゲームカセットCSが着脱自在に装着されるカードスロットSL、スピーカ7a,7bの出力音を調整するための音量スイッチ、他のゲーム装置等の外部機器と通信するための通信ケーブルを接続するケーブルコネクタ等を具備している。
【0039】
尚、ゲーム装置1がゲームを実行するために必要な情報(システムプログラムやゲームプログラム、ゲームデータ等)は、筐体1b内の制御ユニットに搭載されているICメモリや、ゲーム装置1に着脱自在な外部記憶媒体であるゲームカセットCSに格納されている。
【0040】
2.ゲームの概要
ゲーム装置1を用いて実行される絵描き歌ゲームの概要について図を参照して説明する。図2〜図4は、絵描き歌ゲームの実行に際してディスプレイ3a,3bに表示される表示画面例を示す図であり、上段のディスプレイ3aに問題が提示され、下段のタッチパネル4を備えるディスプレイ3bに回答が入力されることにより、絵描き歌ゲームが進行する。
【0041】
図2は、絵描き歌ゲーム(例えば、「コックさん」)の問題が選択され、選択された問題に従って手本画像の表示が開始された場合にディスプレイ3aに表示される表示画面W101と、選択された問題に従って回答入力が開始された場合にディスプレイ3bに表示される表示画面W102とを示す図である。図2に示すように、表示画面W101には、絵描き歌の歌詞をテキストデータとして表示する領域101aと、お手本となる絵柄を手本画像として表示する領域101bとが設けられている。ここで、絵描き歌の歌詞は、プレーヤに入力すべき図形の形状を推測させるようなテキストデータにより構成される。また、手本画像は、1又は複数のパーツから構成され、絵描き歌の1フレーズに対応して出題される手本画像(パーツ)を画題と呼ぶ。
【0042】
具体的には、領域101aには、歌詞のテキストデータ(例えば、「はっぱかな?」)が表示されると共に、テキストデータの上部に指示符号101cが表示される。この指示符号101cは、スピーカ7a,7bから出力される歌詞の音声出力に同期して、テキストデータの上部を左から右へと移動表示される。また、領域101bには、絵描き歌の歌詞の音声出力及びテキストデータの表示に同期して、画題(例えば、コックさんの口の図形)が予め定められた書き順に従って徐々に表示される。
【0043】
表示画面W102には、表示画面W102全体に亘ってプレーヤが回答を入力する領域102aが設けられ、領域102aには、スタイラスペン9を用いたプレーヤのタッチ操作に応じて検出された指示位置の軌跡(以下、「手書き図形」と記す)が表示される。例えば、領域102aには、表示画面W101に表示された画題を模倣するように描かれた手書き図形が表示される。
【0044】
図3は、絵描き歌ゲームの画題提示過程を示す表示画面W103と、絵描き歌ゲームの回答過程を示す表示画面W104を示す図である。図3に示すように、表示画面W103には、領域103aに、歌詞のテキストデータ(例えば、「はっぱじゃないよ、カエルだよ」)と、指示符号103cとが表示されると共に、領域103bに、画題(例えば、コックさんの口と目の図形)が表示される。
【0045】
表示画面W104には、プレーヤにより入力された手書き図形と、この手書き図形に対する評価コメント(例えば、「うまい!」)が表示される。この評価コメントは、ディスプレイ3aに順次表示される画題毎に、画題に対応して入力された手書き図形が画像認識され、認識された手書き図形に対して与えられる評価である。
【0046】
図4は、絵描き歌ゲームの画題提示終了時の表示画面W105と、絵描き歌ゲームの回答終了時の表示画面W106を示す図である。図4に示すように、表示画面W105には、領域105aに手本画像の完成形(例えば、コックさんの図形)が表示される。また、表示画面106には、プレーヤにより入力された手本画像を模した手書き図形が表示されると共に、この手書き図形に対する評価コメント(例えば、「うまい!」)及び評価点(例えば、「47点」)が表示される。
【0047】
このように、本実施の形態における絵描き歌ゲームは、ゲーム装置1が、スピーカ7a,7bから絵描き歌を音声出力させると共に、上段のディスプレイ3aに絵描き歌の進行に従って画題及び歌詞を表示して問題を提示する。一方、プレーヤは、絵描き歌の進行に従ってディスプレイ3aに表示された画題を模した手書き図形を下段のディスプレイ3bに入力して回答を行う。そして、ゲーム装置1が、画題が表示されている間に入力された手書き図形を対応する画題毎に認識し、手書き図形と対応する画題とをそれぞれ対比して類似度を判定して、プレーヤにより入力された手書き図形を評価するゲームである。
【0048】
3.画像認識、評価の原理
3−1.文字認識、評価
手書き図形として文字(1つのパーツから構成される手本画像であり、例えば、「あ」)が入力された場合の画像認識及び評価について図を参照して説明する。本実施の形態において、手書き図形の画像認識は、図形に外接する矩形(以下、単に「矩形」と記す)、縦横比、矩形サイズ、サイズ比率、描画距離、ベクトルデータ及び中心点を取得することにより行う。また、評価は、縦横比、描画距離及びベクトルデータに基づいて行う。
【0049】
まず、図5を参照して、手書き図形に外接する矩形について説明する。図5(a)は、基準となる手本画像「あ」に外接する矩形10Aを示す図である。図5(b)は、手書き図形「あ」に外接する矩形10Bを示す図であり、矩形10Bで囲まれた領域が画像認識の対象領域となることを示している。この手書き図形「あ」に外接する矩形10Bの大きさ及び位置は、公知の認識技術により認識される。例えば、手書き図形の各画素値をX座標軸に対して投射し、空白部分(画素値=0)を探索して両端のX座標を取得する。その後、手書き図形の各画素値をY座標軸に対して投射し、空白部分(画素値=0)を探索して、両端のY座標を取得する。そして、取得した2つのX座標を通過するY座標軸に平行な2本の直線と、取得した2つのY座標を通過するX座標軸に平行な2本の直線とで区切られる領域を矩形として認識する。
【0050】
続いて、図6を参照して、縦横比、矩形サイズ、サイズ比率、中心点について説明する。図6(a)は、基準となる手本画像「あ」の各種データを示す図である。尚、手本画像「あ」についての各種データは、後述する手本データ(図16参照)に予め記憶されているものとする。図6(b)は、手書き図形「あ」の縦横比、矩形サイズ、サイズ比率、中心点を取得する方法を説明する図である。
【0051】
まず、図6(b)に示すように、矩形10Bの各頂点の座標データが取得され、各座標データから矩形サイズ(例えば、縦、横のピクセル数を単位として「90ピクセル×180ピクセル」)、中心点(例えば、「X'0, Y'0」)が取得される。また、矩形サイズから縦横比(例えば、「2:1」)が取得される。
【0052】
さらに、手本画像「あ」の矩形サイズと、手書き図形「あ」の矩形サイズとに基づいて、サイズ比率が取得される。具体的には、サイズ比率は下記式により求められる。
【数1】

【0053】
例えば、図6(a)に示す手本画像の矩形サイズ(120×100ピクセル)と、図6(b)に示す手書き図形の矩形サイズ(180×90ピクセル)とを上記式に代入することにより、サイズ比率が求められる。
サイズ比率=(120+100)/(180+90)=0.81
【0054】
縦横比に基づく評価方法について説明する。例えば、手本画像の縦横比と手書き図形の縦横比を対比した場合、手本画像の縦横比は「6:5」であり、手書き図形の縦横比は「2:1」であることから、縦横比の一致率は、(6/5)/(2/1)=60%となる。この一致率に基づいて、手本画像と手書き図形との類似度を判定する。また、一致率が60%であることから、手本画像と手書き図形との差分の程度(以下、「ズレ量」と呼ぶ)は40%となり、手本画像のズレ量に応じた減点数が評価として与えられる。尚、減点数については後述するが、評価方法は点数に限らず、コメント、ポイント等であってもよい。
【0055】
次に、図7を参照して、描画距離について説明する。図7(a)は、基準となる手本画像の描画距離(例えば、「550ピクセル」)を示す図である。図7(b)は、手書き図形の描画距離を取得する方法を説明する図である。図7(b)に示すように、タッチパネル4上において摺動操作により連続的に検出された指示位置の座標データから、所定時間単位毎(例えば、1/60秒単位毎)に座標データを抽出し、抽出された各座標データ間の距離をそれぞれ算出する。そして、描画開始位置から描画終了位置までの各距離の合計を手書き図形の描画距離(例えば、572ピクセル)として取得する。
【0056】
描画距離に基づく評価方法について説明する。まず、描画距離に基づいて評価を行う場合、手本画像の矩形サイズと手書き図形の矩形サイズとが略1:1となるように手書き図形の描画距離を修正する。つまり、手書き図形の描画距離に対してサイズ比率を乗算し、乗算後の描画距離に基づいて評価を行う。例えば、図7に示す手書き図形の描画距離は「572ピクセル」であり、手本画像と手書き図形とのサイズ比率は「0.81」であるため、修正後の描画距離は、「572×0.81=463.32ピクセル」となる。修正後の描画距離「463.32ピクセル」と、手本画像の描画距離「550ピクセル」とを比較すると、描画距離の一致率は84%となる。従って、手本画像と手書き図形とのズレ量は16%となるため、このズレ量に応じた減点数が評価として与えられる。
【0057】
次に、図8を参照して、ベクトルデータについて説明する。図8(a)は、基準となる手本画像「あ」のベクトルデータを示す図である。図8(b)は、手書き図形「あ」のベクトルデータを取得する方法を説明する図である。図8(b)に示すように、タッチパネル4上において摺動操作により連続的に検出された指示位置の座標データから、所定時間単位毎(例えば、1/60秒単位毎)に座標データを抽出し、抽出された座標データ間を結ぶベクトルデータを算出する。そして、各ベクトルデータの合計を算出し、正規化することにより、手書き図形のベクトルデータ(例えば、「s'V, t'V」)を取得する。
【0058】
ベクトルデータに基づく評価について説明する。ベクトルデータに基づく評価は、ベクトルの角度に基づいて行う。例えば図8においては、手書き図形「あ」のベクトルデータとしての角度θと、手本画像「あ」のベクトルデータとしての角度θ´とを比較して一致率を算出し、一致率から類似度を判定する。また、手書き図形のベクトルデータと手本画像のベクトルデータとのズレ量を求め、得られたズレ量に応じた減点数を評価として与える。そして、上述した縦横比、描画距離及びベクトルデータに基づいて与えられた減点数を合計して手書き図形の評価を行う。
【0059】
次に、上述した画像認識を適用して認識された手書き図形の評価の具体例について図9を参照して説明する。図9(a)は、画面中央に淡色で表示された手本画像Tx1である「て」に対して入力された手書き図形Tx2である「て」の評価例を示す図である。図9(a)に示すように、手書き図形Tx2「て」は、縦横比、描画距離及びベクトルデータに基づいて類似度が判定された結果、手本画像Tx1と類似する文字であると評価されている。つまり、手書き図形Tx2の評価対象は、縦横比、描画距離及びベクトルデータのみであり、手書き図形Tx2「て」の評価対象に中心点が含まれないため、中心点が大幅にずれていても減点数が与えられない。この結果、図9(a)に示すように、手本画像に類似する文字として評価され、評価結果として丸印の記号Sy1が表示されている。
【0060】
図9(b)は、画面中央に淡色で表示された手本画像Tx3である「あ」に対して入力された手書き図形Tx4である「お」の評価例を示す図である。図9(b)に示すように、手書き図形Tx4は、縦横比、描画距離及びベクトルデータに基づいて評価された結果、手本画像Tx3「あ」に類似しない文字であると評価されている。つまり、手書き図形Tx4である「お」は、手本画像Tx3である「あ」と縦横比では類似するものの、描画距離及びベクトルデータが類似しない判定結果となるため、描画距離及びベクトルデータの評価として大幅な減点数が与えられる。この結果、図9(b)に示すように、手本画像とは異なる文字として評価され、評価結果として×印の記号Sy2が表示されている。
【0061】
3−2.図形認識、評価
次に、手書き図形として複数のパーツから構成される図形(例えば、「コックさん」)が入力された場合の画像認識及び評価について図を参照して説明する。
【0062】
図10は、複数のパーツから構成される手本画像の一例を示す図である。図10に示すように、手本画像は、所定単位に予め分割された複数のパーツ(例えば、点線で囲まれた「口」、「目」などのパーツ)から構成され、各パーツに対応付けて縦横比、矩形サイズ、描画距離、ベクトルデータ及び中心点が定められているものとする。尚、手本画像が複数のパーツで構成される場合、絵描き歌ゲームにおいて問題として提示される画題はこのパーツ単位で選択、表示される。また、手書き図形もこのパーツ単位で入力、認識されるものとする。従って、以下では問題として提示されるパーツ毎の手本画像を画題パーツと呼び、画題パーツに対応して入力された手書き図形を手書きパーツ図形と呼ぶ。
【0063】
また、複数のパーツから構成される手書き図形の画像認識は、各手書きパーツ図形を画像認識することにより行われ、手書きパーツ図形の画像認識は、矩形、縦横比、矩形サイズ、描画距離、ベクトルデータ及び中心点を取得することにより行われる。さらに、手書き図形の評価は、手書きパーツ図形の縦横比、描画距離、ベクトルデータ、サイズ比率及び中心点に基づいて行われる。
【0064】
具体的に、手書きパーツ図形として「口」パーツが入力された場合について図11を参照して説明する。図11(a)は、ディスプレイ3b上で入力された手書き図形を示す図であり、図11(b)は、入力された手書き図形から「口」パーツを手書きパーツ図形として認知し、この「口」パーツの矩形を認識した図である。図11(b)に示すように、認識された矩形の各頂点の座標データから矩形サイズ、縦横比、中心点が取得される。また、画題パーツと手書きパーツ図形の矩形サイズに基づいてサイズ比率が算出される。さらに、取得された縦横比に基づいて評価が行われる。また、図11(c)に示すように、「口」パーツの描画距離及びベクトルデータが取得され、取得された描画距離及びベクトルデータに基づいてそれぞれ評価が行われる。そして、縦横比、描画距離及びベクトルデータの評価に基づいて、手書きパーツ図形の評価が行われる。尚、各種データの取得方法及び評価方法については、上述した文字認識で説明した方法と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0065】
次に、絵描き歌ゲームの進行に伴って、「目」パーツが手書き入力された場合について図12を参照して説明する。図12(a)は、ディスプレイ3b上で入力された手書き図形を示す図であり、図12(b)は、入力された手書き図形のうち「目」パーツを手書きパーツ図形として認知し、この「目」パーツの矩形を認識した図である。図12(b)に示すように、認識された矩形の各頂点の座標データから、矩形サイズ、縦横比、中心点が取得される。また、取得された矩形サイズからサイズ比率が算出される。さらに、取得された縦横比に基づいて評価が行われる。また、図11(c)に示すように、「口」パーツについて描画距離及びベクトルデータが取得され、取得された描画距離及びベクトルデータに基づいてそれぞれ評価が行われる。そして、縦横比、描画距離及びベクトルデータに基づいて、手書きパーツ図形の評価が行われる。
【0066】
このように、絵描き歌ゲームの進行に従って、手書き図形が入力された場合、画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認知し、認知した手書きパーツ図形毎に評価が行われる。そして、絵描き歌が終了すると、手書きパーツ図形毎の評価から手書き図形全体の評価を求め、この手書き図形全体の評価を補正するための評価係数kを求める。
【0067】
ここで、評価係数kは、手書きパーツ図形それぞれの対応する画題パーツに対するサイズ比率の偏差と、手書き図形における手書きパーツ図形の相対位置関係とこれに対応する手本画像における画題パーツの相対位置関係との差異とを加味して、手書き図形全体の評価を補正するためのものである。具体的には、評価係数kは、手書きパーツ図形のサイズ比率及び中心点に基づいて求められる。
【0068】
例えば、サイズ比率に基づいて定められる評価係数k1は、手書きパーツ図形のサイズ比率の平均値と、個々のサイズ比率との標準偏差に応じて0.1〜1.0の値が定められるものとする。また、中心点に基づいて定められる評価係数k2は、パーツ毎の中心点のうち基準となる中心点(以下、「基準中心点」と記す)と各中心点との相対位置関係(例えば、距離と角度により定義される位置関係)に基づいて定められるものとする。図13〜図14を参照して、中心点に基づいて定められる評価係数k2について説明する。
【0069】
図13(a)は、手本画像上に画題パーツ毎の中心点(図中、×印)と、基準中心点(図中、★印)とを示した図であり、図13(b)は、手書き図形上に手書きパーツ図形毎の中心点(図中、×印)と、基準中心点(図中、★印)とを示した図である。まず、手本画像における基準中心点と「口」パーツの中心点とを結ぶ矢印P1の距離及び角度を取得する。続いて、手書き図形における基準中心点と「口」パーツの中心点とを結ぶ矢印P2の距離及び角度を取得する。そして、矢印P1の距離と矢印P2の距離の一致率及び矢印P1の角度と矢印P2の角度の一致率を取得する。取得されたそれぞれの一致率から距離のズレ量と角度のズレ量の平均値を算出する。さらに、全ての手書きパーツ図形についてズレ量の平均値を算出し、算出した平均値の合計を全体バランスSとして算出する。そして、算出された全体バランスSから対応する評価係数k2を取得する。
【0070】
図14は、算出された全体バランスSの値に応じて、評価係数k2を定めるグラフの一例である。図14に示すように、全体バランスSの値が大きい場合、すなわち、手本画像と手書き図形との相対位置関係のズレ量が大きい場合、評価係数k2は0.1に近い値となり、全体バランスSの値が小さい場合、すなわち、手本画像と手書き図形との相対位置関係のズレ量が小さい場合、評価係数k2は1.0に近い値となる。
【0071】
以上より、サイズ比率に基づいて定められる評価係数k1と、中心点に基づいて定められる評価係数k2とを乗算して、手書き図形全体の評価を補正する評価係数kを取得する。この評価係数kを手書き図形全体の評価に乗算することにより、手書き図形の総合的な評価を得る。このように、サイズ比率及び中心点の相対位置関係に基づく評価係数kを用いることにより、例えば、手書きパーツ図形毎にサイズ比率が異なる場合や、手書きパーツ図形同士の相対位置関係のバランスが悪い場合に生じる図形の不自然さを評価に加味することができ、作品としての優劣を適切に評価することができる。
【0072】
4.機能構成
次に、ゲーム装置1の機能構成について説明する。図15は、本実施の形態におけるゲーム装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。図15に示すように、ゲーム装置1は、タッチパネル4を備える操作部10、処理部20、記憶部30、表示部40a,40b、音出力部50等を備えて構成され、ビデオゲームを実行してゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像を表示部40a,40bに表示させる。
【0073】
操作部10は、プレーヤによる操作指示を受け付け、操作に応じた操作信号を処理部20に出力する。この機能は、例えばボタンや操作スティック、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサ等によって実現される。また、操作部10はタッチパネル4を備え、タッチパネル4により検出されたタッチ操作を指示信号に変換して処理部20に出力する。図1では、タッチパネル4、操作キー5がこれに相当する。
【0074】
処理部20は、ゲーム装置1全体の制御やゲームの進行、画像生成等の各種演算処理を行う。この機能は、例えばCPU(CISC型、RISC型)、ASIC(ゲートアレイ等)等の演算装置やその制御プログラムにより実現される。
【0075】
また、処理部20は、主にゲームに係る演算処理を行うゲーム演算部22と、ゲーム演算部22の処理によって求められた各種のデータに基づき、ゲーム画面を表示させるためのゲーム画像及びゲーム画像を表示させるための画像信号の生成を実行する画像生成部24と、効果音やBGM等のゲーム音の生成及びゲーム音を出力させるための音信号の生成を実行する音生成部26と、を含んでいる。
【0076】
ゲーム演算部22は、操作部10から入力された操作信号や指示信号、記憶部30から読み出したプログラム及びデータ等に基づいて種々のゲーム処理を実行する。また、ゲーム演算部22は、主な機能部として、画題提示部222と、認識評価部224と、を含んでいる。
【0077】
画題提示部222は、ゲーム演算部22によりゲームプログラム32が読み出されて実行されるゲーム処理中において、記憶部30から画題データ348を読み出して、スピーカ7a,7bから絵描き歌の音声データを音声出力させると共に、絵描き歌の音声出力に同期させてディスプレイ3aに絵描き歌の歌詞及び画題(手本画像)を順次表示させる。
【0078】
認識評価部224は、ゲーム処理中において、ゲームプログラム32を実行して、操作部10から入力された手書き図形の認識、評価を行う。
【0079】
画像生成部24は、例えばCPUやDSP等の演算装置やその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部24は、ゲーム演算部22による演算結果に基づき、ゲーム画面を表示するためのゲーム画像を生成し、生成した画像の画像信号を表示部40a,40bに出力する。
【0080】
表示部40a,40bは、画像生成部24からの画像信号に基づいて、例えば1/60秒毎に1フレームの画面を再描画しながらゲーム画面を表示する。この機能は、例えばTFT、LCD、ELD、PDP、HMD等のハードウェアによって実現される。図1では、ディスプレイ3a,3bがこれに相当する。
【0081】
音生成部26は、例えばCPUやDSP等の演算装置及びその制御プログラムによって実現され、ゲーム中に使用される効果音やBGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部50に出力する。
【0082】
音出力部50は、音生成部26からの音信号に基づいて、BGMや効果音等のゲーム音声を出力する。この機能は、例えばスピーカ等によって実現され、図1では、スピーカ7a,7bがこれに相当する。図1では、スピーカ7a,7bがこれに相当する。
【0083】
記憶部30は、処理部20にゲーム装置1を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラムやデータ等を記憶すると共に、処理部20の作業領域として用いられ、処理部20が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部10から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えば各種ICメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、MO、RAM、VRAM等によって実現される。
【0084】
また、記憶部30は、処理部20をゲーム演算部22として機能させるためのゲームプログラム32及びデータ34を記憶する。また、データ34には、手本データ342、減点テーブル344、評価テーブル346、画題データ348、回答データ350、が含まれる。
【0085】
手本データ342は、手本画像を特定するための情報として、縦横比、矩形サイズ、描画距離、ベクトルデータ、中心点等を記憶している。図16に、手本データ342のデータ構成例を示す。図16に示すように、手本データ342は、出題される問題(例えば、「あ」)に対応付けて、縦横比(例えば、「6:5」)、矩形サイズ(例えば、「120×100(ピクセル)」)、描画距離(例えば、「550(ピクセル)」)、ベクトルデータ(例えば、「sV,tV」)及び中心点(例えば、「X0,Y0」)をそれぞれ記憶している。
【0086】
また、手本画像が複数のパーツから構成される場合、手本データ342は、画題パーツ毎に手本データを記憶する。例えば、問題「コックさん」は、「口」、「目」、「顔」、…、「帽子」の画題パーツから構成され、これら画題パーツに対応付けて縦横比、矩形サイズ、描画距離、ベクトルデータ及び中心点をそれぞれ記憶する。具体的には、「口」パーツに対応付けて、縦横比「7:20」、矩形サイズ「28×80(ピクセル)」、描画距離「250(ピクセル)」、ベクトルデータ「qV,rV」、中心点「a0,b0」を記憶している。
【0087】
減点テーブル344は、手本画像(画題パーツ)の縦横比、描画距離及びベクトルデータと、手書き図形(手書きパーツ図形)の縦横比、描画距離及びベクトルデータとのズレ量と減点数との対応関係を定義するテーブルである。すなわち、縦横比、描画距離及びベクトルデータを評価対象として、これらに基づいた評価を減点数として与えるためのテーブルである。
【0088】
図17に、減点テーブル344のデータ構成例を示す。図17に示すように、減点テーブル344は、評価対象として縦横比、描画距離、ベクトルデータを記憶しており、各評価対象に対応付けて、ズレ量の範囲とこれに応じた減点数をそれぞれ記憶している。例えば、評価対象が縦横比である場合、手本画像と手書き図形とのズレ量が「10〜20%」の範囲内である場合、減点数「−5点」が評価として与えられる。また、手本画像と手書き図形のズレ量の範囲が「20%以上」である場合、減点数「−10点」が評価として与えられる。
【0089】
評価テーブル346は、評価として与えられた減点数に対応する評価コメントを記憶するテーブルである。評価コメントは、画題パーツに対応して手書きパーツ図形が入力され、手書きパーツ図形毎に画像認識、評価が行われた場合に、ディスプレイ3bに表示されるコメントである。図18に評価テーブル346のデータ構成例を示す。図18に示すように、評価テーブル346には、所定範囲に区分された減点数に対応して評価コメントが記憶されており、例えば、減点数「−0〜−15点」には評価コメント「うまい!」が記憶される。
【0090】
画題データ348は、画題提示処理を実行する際に必要となる画像データ、文字データ、音声データ、入力期間を含む画題データを問題毎に記憶している。図19に、画題データ348のデータ構成例を示す。図19に示すように、画題データ348には、ディスプレイ3aに手本画像(画題パーツ)を表示するための画像データ、ディスプレイ3aに絵描き歌の歌詞を表示するための文字データ、スピーカ7a,7bから絵描き歌を音声出力するための音声データ、ディスプレイ3bへの手書き入力を受け付ける期間を定義するための入力期間が記憶されている。
【0091】
また、画像データ、文字データ、音声データ及び入力期間は、絵描き歌の1フレーズ毎に絵描き歌の進行に従った順序にてそれぞれ記憶されている。すなわち、絵描き歌のフレーズ単位は、上述した画題パーツにそれぞれ対応している。例えば、フレーズNo.1には、画題パーツとして「口」パーツが対応しており、「口」パーツの画題パーツを表示するための画像データ(例えば、「kuti.jpg」)、「口」パーツの歌詞を表示するための文字データ(例えば、「kuti.txt」)、「口」パーツの絵描き歌を音声出力するための音声データ(例えば、「kuti.mp3」)、「口」パーツの手書きパーツ図形を受け付ける期間を定義する入力期間(例えば、「5sec」)が記憶されている。
【0092】
従って、画題提示部222は、画題提示処理の実行に際して、画題データ348から指定された題名の画題データを取得し、取得した画題データからフレーズNOに従って順次各データが読み出して、音声データをスピーカ7a,7bから音声出力させると共に、画像データ及び文字データをディスプレイ3aに表示させる。
【0093】
回答データ350は、ゲーム処理において回答として入力された手書き図形から取得された手書きパーツ図形の縦横比、矩形サイズ、サイズ比率、描画距離、ベクトルデータ及び中心点と、評価として与えられる減点数を絵描き歌のフレーズ毎に記憶している。つまり、上述した画題データ348において、フレーズNOに対応づけて画題パーツの画像データ等が記憶されると共に、回答データ350において、フレーズNOに対応づけて手書きパーツ図形の縦横比等が記憶されることにより、画題データと手書きパーツ図形とは、フレーズNOによりそれぞれの対応付けが行われることとなる。これにより、画題パーツに対応して入力された手書きパーツ図形と、対応する画題パーツとを対比させて、類似度の判定、評価を行うことができる。
【0094】
図20に、回答データ350のデータ構成例を示す。図20に示すように、回答データ350には、各フレーズにおいて認知された手書きパーツ図形の縦横比(例えば、「4:11」)、矩形サイズ(例えば、「32×88(ピクセル)」)、サイズ比率(例えば、「0.98」)、描画距離(例えば、「286(ピクセル)」)、ベクトルデータ(例えば、「q1V,r1V」)、中心点(例えば、「a'0,b'0」)及び減点数(例えば、「-3(点)」)が記憶されている。
【0095】
従って、認識評価部224は、ゲーム処理の実行に際して、入力された手書き図形から手書きパーツ図形を認知することにより取得される各種データと、各種データに基づいて与えられる減点数を回答データ350に記憶する。そして、画題データ348及び回答データ350に記憶されたデータに基づいて、手書き図形の評価を行う。
【0096】
5.処理の流れ
本実施の形態における処理の流れについて説明する。
図21は、ゲーム処理を示すフローチャートである。この処理は、ゲーム演算部22がゲームプログラム32を実行することで実現される。
【0097】
図21に示すように、ゲーム処理では、まず、プレーヤにより問題が選択されてゲームを開始する指示が入力されると(ステップS2)、画題提示部222により、指定された問題の画題データが取得されて、画題提示処理が開始される(ステップLAS〜LAE)。ここで、画題提示処理の実行に応じて当該フレーズに対応する画題パーツ及び歌詞の表示、絵描き歌の音声出力が開始されると、認識評価部224は、タイマーを起動させて経過時間の計測を開始する(ステップS4)。
【0098】
続いて、ディスプレイ3bへの手書き入力の受付を開始する(ステップS6)。また、画題データ348から当該フレーズに対応する入力期間を取得して、タイマーの開始から入力期間が経過したか否かを判別する(ステップS8)。ここで、経過時間が入力期間に満たない場合(ステップS8;NO)、ディスプレイ3bへの手書き入力の受付を継続する。一方、経過時間が入力期間に達した場合(ステップS8;YES)、入力期間内にディスプレイ3bに入力された手書き図形を手書きパーツ図形と認知して取得し、取得した手書きパーツ図形の画像認識を行う(ステップS10)。なお、画像認識は上述した方法により行われ、画像認識により得られた各種データは、回答データ350に記憶される。
【0099】
続いて、画像認識により得られた手書きパーツ図形の縦横比、描画距離及びベクトルデータに基づいて対応する画題パーツとのズレ量を算出し、減点テーブル344からズレ量に対応する減点数を評価として取得する(ステップS12)。さらに、評価テーブル346から減点数に対応する評価コメントを取得して、ディスプレイ3bに評価コメントを表示する(ステップS14)。
【0100】
そして、評価認識部224は、画題データ348に次のフレーズが記憶されているか否かを判別し(ステップS16)、次のフレーズがある場合(ステップS16;YES)、ループAを繰り返して実行する。一方、次のフレーズがない場合(ステップS16;NO)、ループAを終了する。続いて、評価認識部224は、回答データ350に記憶させたサイズ比率及び中心点に基づいて、評価係数kを取得する(ステップS18)。次いで、減点数と評価係数kとから手書き図形全体に対する評価点を算出し(ステップS20)、算出した評価点をディスプレイ3bに表示して(ステップS22)、本ゲーム処理を終了する。
【0101】
6.ハードウェア構成
次に、本実施の形態におけるゲーム装置1を実現するためのハードウェア構成の一例について図22を参照して説明する。図22に示す電子機器100では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1010、音生成IC1008、I/Oポート1012、1014、がシステムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。I/Oポート1012には入力装置1022が、I/Oポート1014には通信装置1024が、I/Oポート1018には、タッチパネル1030が、それぞれ接続されている。
【0102】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、入力装置1022によって入力される信号等に従って、機器全体の制御や各種データ処理を行う。このCPU1000は、図15に示す処理部20に相当する。
【0103】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶部であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。このRAM1004は、図15に示す記憶部30の一部を構成するものである。
【0104】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレイデータ等が主に格納されるものである。この情報記憶媒体1006は、図15に示す記憶部30の一部を構成するものである。本実施の形態を実現するものがコンピュータシステムである場合には、情報記憶媒体1006は、ゲームプログラム32などを格納する情報記憶媒体としてのCD−ROM、DVD或いはハードディスク等が用いられる。
【0105】
また、この装置に設けられている画像生成IC1010と音生成IC1008により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0106】
画像生成IC1010は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号はメインディスプレイ1026、サブディスプレイ1028に出力される。メインディスプレイ1026、サブディスプレイ1028は、CRT、LCD、ELD、PDP、HMD等により実現され、図1のディスプレイ3a,3b、図15の表示部40a,40bに相当する。
【0107】
また、音生成IC1008は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1020によって出力される。スピーカ1020は、図1のスピーカ7a,7b、図15の音出力部50に相当する。
【0108】
入力装置1022は、各種操作を入力するための装置であり、その機能は、レバー、ボタン等のハードウェアにより実現される。この入力装置1022は、図1の操作キー5、図15の操作部10に相当する。
【0109】
通信装置1024は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、他の装置と通信回線を介して接続されてプログラムに応じた所与の情報を送受すること等に利用される。
【0110】
タッチパネル1030は、感圧式や光学式、静電式、電磁誘導式の座標読み取り原理でタッチ指示された位置座標(X,Y座標)を検出し、検出した位置座標を指示信号としてCPU1000に出力する。このパッチパネル1030は、図1のタッチパネル4、図15のタッチパネル4に相当する。
【0111】
7.作用・効果
以上のように、本実施の形態におけるゲーム装置1は、タッチパネル4を用いて手書き入力された手書き図形の出来を評価する場合に、手本画像を構成する複数のパーツの中から手書き入力の画題とする画題パーツを選択し、この画題パーツに対応する図形の手書き入力を促す画題提示処理を、所定の入力期間が終了するごとに、全てのパーツを画題パーツとして選択するまで繰り返して実行する。また、プレーヤからタッチパネル4を介して所定の入力期間に入力された手書き図形を、当該入力期間において画題とされた画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認識し、認識された手書きパーツ図形と、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツとの類似度を判定する。そして、手書きパーツ図形毎に判定された類似度に基づいて、手書きパーツ図形として認識された全ての手書きパーツ図形からなる手書き図形の出来を評価する。
【0112】
従って、画題提示処理の実行に伴って順次提示される画題パーツを模倣するように、対応する手書きパーツ図形を順次入力することにより、手本画像を模した手書き図形を完成させることができる。この結果、複雑な手本画像であっても、提示される画題パーツ毎に段階的に手書きパーツ図形を入力することで、容易に手書き図形を完成させることができる。これにより、初心者や幼児であっても、手軽にお絵かきゲームを楽しむことができる。
【0113】
また、画題提示処理の進行に応じて順次選択される所与の画題パーツに対応して入力された手書き図形を、当該画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認識し、この手書きパーツ図形と対応する画題パーツとの類似度を判定するため、手書きパーツ図形と画題パーツとの対応付けが明確となり、精度良く類似度の判定を行うことができる。また、パーツ毎の判定であるため、各判定における処理負荷は少なくて済む。
【0114】
例えば、画題提示処理が実行され、画題パーツの提示が「口」、「目」、「顔」、…の順に行われた場合に、プレーヤにより手書きパーツ図形が、「口」、「目」、「顔」、…の順で入力されて完成された手書き図形と、「口」、「顔」、「目」、…の順で入力されて完成された手書き図形とでは、最終的に図4に示すような同一の手書き図形が完成した場合であっても、2つの手書き図形に対する評価は、大きく異なることになる。つまり、画題パーツと各手書きパーツ図形との類似度の判定において、「口」と「口」、「目」と「目」、「顔」と「顔」をそれぞれ対応させて類似度を判定した場合と、「口」と「口」、「目」と「顔」、「顔」と「口」をそれぞれ対応させて類似度を判定した場合では、判定結果が大きく異なるからである。従って、この判定結果に基づいて評価が行われることにより、最終的に完成した手書き図形が同一であったとしても、画題提示処理に従って入力が行われたか否かに応じて異なる評価が得られることになる。
【0115】
これにより、最終的に完成された手書き図形の形状のみに基づく評価ではなく、画題提示処理に従って入力が行われたか否かを適正に評価することができ、種々の要素に基づいて、手書き図形の評価を行うことができる。また、画題提示処理に従って行われたプレーヤの手書き入力操作が適正に評価されるため、プレーヤは、評価結果に対して満足感を得ることができる。さらに、プレーヤには、画題提示処理に従って手書きパーツ図形を入力することにより手書き図形を完成しなければならないという制約条件が加わるため、ゲームの面白さが増す。
【0116】
また、手書き入力期間に対して予め所定時間が定められ、この入力期間において入力された手書き図形を手書きパーツ図形として認識するため、所定時間が定められた入力期間内に手書きパーツ図形を入力しなければならないという制約条件が加わることにより、ゲームの緊張感が増し、手書き入力の難易度を高めて、より興趣性のあるゲームとすることができる。
【0117】
また、手書きパーツ図形と画題パーツの類似度の判定は、手書きパーツ図形の矩形サイズの縦横比とこれに対応する画題パーツの矩形サイズの縦横比との一致率に基づいて判定されるため、例えば、画題パーツとサイズが異なる手書きパーツ図形が入力されていた場合であっても、当該手書きパーツ図形が画題パーツに対して相似形である場合は、類似度が高い図形であると判定される。これにより、手書きパーツ図形の縦横の相対的なバランスを適正に評価することができる。
【0118】
また、手書きパーツ図形と画題パーツの類似度の判定は、手書きパーツ図形の描画距離と、これに対応する画題パーツの描画距離との一致率に基づいて行われるため、例えば、「あ」や「お」といった縦横比が類似するような手書きパーツ図形であっても、描画距離に基づいて類似度を適正に判定することができる。
【0119】
さらに、手書きパーツ図形の描画距離と、これに対応する画題パーツの描画距離との一致率により類似度を判定する場合、手書きパーツ図形とこれに対応する画題パーツのサイズ比率を求め、当該サイズ比率を手書きパーツ図形の描画距離に乗算することにより、矩形サイズの補正を行った上で描画距離に基づく類似度の判定を行う。これにより、精度良く類似度を判定して、適正な評価を得ることができる。
【0120】
また、手書きパーツ図形と画題パーツの類似度の判定は、手書きパーツ図形のベクトルデータと、これに対応する画題パーツのベクトルデータとの一致率に基づいて行われるため、例えば、「6」と「9」といった縦横比及び描画距離が類似するような手書きパーツ図形であっても、ベクトルデータに基づいて類似度を適正に判定することが出来る。
【0121】
さらに、手書き図形全体の評価を、手書きパーツ図形毎の縦横比、描画距離及びベクトルデータの評価に基づいて行うため、手書き図形全体を適正に評価することができる。
【0122】
また、手書きパーツ図形とこれに対応する画題パーツのサイズ比率を手書きパーツ図形ごとに算出し、これらのサイズ比率の偏差を加味して、手書き図形全体の評価を行うため、例えば、手書きパーツ図形毎のサイズ比率にばらつきがある場合に生じる手書き図形の不自然さを評価に反映するといったことができる。
【0123】
また、手書き図形における手書きパーツ図形の相対位置関係とこれに対応する手本画像における画題パーツの相対位置関係との差異を加味して、手書き図形全体の評価を行うため、例えば、手書きパーツ図形同士の相対位置関係のバランスが悪い場合に生じる図形の不自然さを評価に反映するといったことができる。
【0124】
8.変形例
以上、本発明についての好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。
【0125】
8−1.カラー表示
本実施の形態においては、手本画像や手書き図形をモノクロ表示する場合について説明を行ったが、手本画像や手書き図形がカラー表示される構成であっても良い。具体的に、図23〜図25を参照して説明する。
【0126】
図23〜図25は、ディスプレイ3aに画題パーツが表示された表示画面と、ディスプレイ3bにプレーヤにより入力された手書き図形が表示された表示画面とを示す図である。まず、図23に示すように、表示画面W107には、黒色に着色されたラインL1により「口」パーツが表示される。その後、ラインの色が切り替えられ、茶色に着色されたラインL2により「髪」パーツが表示される。一方、表示画面W108には、プレーヤにより入力された手書き図形が黒色に着色されたラインl1により表示される。すなわち、プレーヤにより入力された「口」パーツは、画題パーツとして表示された「口」パーツのラインL1と同様の黒色に着色される。
【0127】
続いて、図24に示すように、表示画面W109には、青色に着色されたラインL3により「目」パーツが表示され、さらにラインの色が切り替えられて、赤色に着色されたラインL4により「顔」パーツが表示される。一方、表示画面W110には、対応する画題パーツと同様の色にラインl1〜l3の色が切り替えられて、手書きパーツ図形が表示される。
【0128】
さらに、図25に示すように、表示画面W111には、金色に着色されたラインL5により「角」パーツが表示された後、「顔」パーツの白色領域が赤色に着色されると共に、「髪」パーツの白色領域が茶色に着色されて表示される。一方、表示画面W112には、対応する画題パーツと同様の色にラインl4〜l5の色が切り替えられて、手書きパーツ図形が表示される。
【0129】
以上のように、ディスプレイ3aに表示される手本画像及びディスプレイ3bに表示される手書き図形を画題パーツ及び手書きパーツ図形毎に色を変えて表示させることにより、画像に新たな付加価値を持たせてプレーヤの興味をいっそう引き立て、面白みのあるお絵かきゲームを提供することができる。
【0130】
8−2.アニメーション表示
本実施の形態においては、手本画像及び手書き図形を静止画像として表示させる場合について説明を行ったが、手書き図形の一部の表示態様を変化させることによりアニメーション表示させる構成であっても良い。具体的に、図26〜図29を参照して説明する。
【0131】
図26、図27に手書き図形がアニメーション表示により表示された場合の表示画面例を示す。図26、図27に示すように、表示画面W114と、表示画面W116とには、一部のパーツが異なる手書き図形が表示されており、これらの手書き図形を交互にディスプレイ3bに表示させることにより、アニメーション表示を可能とする。具体的には、表示画面W114には、プレーヤにより入力されたままの手書き図形が表示され、表示画面W116には、「目」パーツが拡大され、「帽子」パーツの表示位置が変更された手書き図形が表示されている。
【0132】
上述したアニメーション表示を可能にするため、記憶部30に記憶される回答データ352には、プレーヤにより入力された手書き図形を手書きパーツ図形毎にスプライト画像として記憶している。図28に、回答データ352のデータ構成例を示す。図28に示すように、手書きパーツ図形がスプライト画像として、フレーズNOに対応付けて記憶される。
【0133】
また、記憶部30には、スプライト画像の表示手順を定義する表示手順テーブル354が記憶される。図29に、表示手順テーブル354のデータ構成例を示す。図29に示すように、表示手順テーブル354には、問題の種類毎に複数の表示手順テーブルを含んでいる。また、表示手順テーブル354には、手順と動作が対応付けて記憶されている。例えば、問題「コックさん」の表示手順テーブル354には、「手順1」に対応付けて「NO.2のスプライトを1.5倍にして表示」といった動作と、「手順2」に対応付けて「NO.15のスプライトを上に10ドット移動させて表示」といった動作が記憶されている。
【0134】
従って、ゲーム演算部22は、表示手順テーブル354を参照して、回答データ352に記憶されたスプライト画像を取得し、各手順に従ってスプライト画像を表示させることにより、図26,図27に示す画像を順次切替表示させて、あたかもコックさんが驚いているかのようにアニメーション表示を実現することができる。この結果、自分が描いた画像が画面上で動き出すといった演出効果により、プレーヤに、手書きした図形が完成後に突然動き出すことによる驚きといった新たな感覚を与えることができ、自己が描いた画像に愛着を持たせることができる。
【0135】
8−3.画題パーツの更新表示
本実施の形態においては、ディスプレイ3aに画題パーツを追加的に表示していくことにより手本画像全体を表示する場合について説明したが、各画題パーツを随時更新表示させる構成であってもよい。図30〜図32を参照して具体的に説明する。
【0136】
図30〜図32は、ディスプレイ3aに画題パーツが表示された表示画面と、ディスプレイ3bにプレーヤにより入力された手書き図形が表示された表示画面とを示す図である。まず、図30に示すように、表示画面W117には、画題パーツである「口」パーツが、その中心点が表示画面の略中心となる座標位置に位置するように表示され、表示画面W118には、プレーヤにより手書き入力された「口」パーツが手書きパーツ図形として表示される。
【0137】
続いて、図31に示すように、表示画面W119には、「口」パーツが非表示された後、次の画題パーツである「目」パーツが、その中心点が表示画面の略中心となる座標位置に位置するように表示される。一方、表示画面W120には、プレーヤにより入力された「口」及び「目」の手書きパーツ図形が表示される。さらに、図32に示すように、表示画面W121には、「目」パーツが非表示された後、次の画題パーツである「顔」パーツが、その中心点が表示画面の略中心となる座標位置に位置するように表示される。一方、表示画面W122には、プレーヤにより入力された「口」、「目」及び「顔」パーツが手書きパーツ図形としてそれぞれ表示される。
【0138】
このように、画題パーツを順次表示させる場合、次の画題パーツを表示する際に現在表示されている画題パーツを非表示して、次の画題パーツを略同一の位置に表示させる。これにより、プレーヤは手本画像を構成する画題パーツ同士の相対的な位置関係を容易に把握できなくなり、お絵かきゲームの難易度が向上する。この結果、完成した手書き図形及びこれに対する評価が多様になり、ゲームの面白さを引き立てることができる。
【0139】
或いは、プレーヤにより入力された手書きパーツ図形を更新表示させ、手書き図形の完成時に、全ての手書きパーツ図形を表示させる構成であっても良い。この構成によれば、絵描き歌ゲームとしての面白さに加えて、手書き図形の完成が容易に予想できないため、副笑いゲームのような面白さを加味することが出来る。
【0140】
8−4.画題パーツの非表示
本実施の形態においては、ディスプレイ3aに絵描き歌の歌詞と画題パーツを表示すると共に、絵描き歌の歌詞をスピーカ7a,7bから音声出力させてプレーヤに画題パーツに対応する手書きパーツ図形の入力を促す場合について説明したが、ディスプレイ3aに画題パーツを表示させない構成であっても良い。つまり、ディスプレイ3aには、絵描き歌の歌詞をテキストデータで表示させると共に、スピーカ7a,7bから絵描き歌の歌詞を音声出力させ、絵描き歌の歌詞から画題パーツを推測させて、手書きパーツ図形を入力させる。
【0141】
この構成によれば、入力すべき画題パーツを視覚的に把握することが出来ないため、手書き入力される図形がバラエティに富み、完成した手書き図形の評価を楽しむことができる。また、完成した絵は出来上がりの優劣のみに依存しない評価を与えることができ、お絵かきの苦手なプレーヤでもゲームを楽しむことができる。
【0142】
8−5.途中終了
本実施の形態においては、プレーヤの回答入力に制限を設けず、最後まで絵描き歌ゲームを進行させる場合について説明を行ったが、プレーヤが入力した手書きパーツ図形の評価に応じて、絵描き歌ゲームの進行を途中で終了させる構成であっても良い。具体的に、図33〜図34を参照して説明する。
【0143】
図33〜図34は、ディスプレイ3aに画題パーツ及びインジケータが表示された表示画面例と、ディスプレイ3bにプレーヤにより入力された手書き図形が表示された表示画面例とを示す図である。まず、図33に示すように、表示画面W123には、画題パーツが表示されると共に、インジケータ123aが表示される。このインジケータ123aには、例えば、プレーヤにより入力された手書きパーツ図形に対する減点数の合計値に応じたインジケータ量「0〜−100」が表示され、インジケータ量が「−100」に到達した場合、絵描き歌ゲームが途中終了される。つまり、画題提示部222は、手書きパーツ図形に対する減点数を合計して、合計値が所定値に達したか否かを判別し、減点数の合計値が所定値に達した場合、画題提示処理の実行を中止させて、絵描き歌ゲームを終了させる。
【0144】
図34に、インジケータ量が「−100」に達した場合の表示画面例を示す。図34に示すように、表示画面W125には、画題パーツ及びインジケータ量が「−100」に達したことを示すインジケータ123aが表示されている。また、表示画面W126には、手書きパーツ図形、画題提示処理が中止されたことを示す「ゲームオーバー」なるテキストデータ及び手書きパーツ図形に重畳するように×印が表示されている。
【0145】
従って、手書きパーツ図形の評価に応じて、絵描き歌ゲームの進行が途中で中断されるため、プレーヤは、描き歌ゲームの進行を中断させないように評価を意識しながら手書き図形の入力を行なわなければならず、制約条件を課してゲームの面白さを増大させることができる。
【0146】
8−6.入力期間のユーザ決定
本実施の形態においては、画題パーツ毎に予めプレーヤが回答を入力可能な入力期間を定め、所定時間が設定された入力期間内に入力された手書きパーツ図形を画題パーツに対応する手書きパーツ図形として取得する場合について説明したが、入力期間をユーザが任意に決定する構成であっても良い。
【0147】
例えば、プレーヤは、画題パーツが表示されると、画題パーツに対応する回答として、ディスプレイ3bに手書きパーツ図形を入力する。そして、手書きパーツ図形の入力を終了すると、入力期間終了操作に対応付けられるスイッチを操作して、入力期間終了指示を入力する。画題提示部222は、画題パーツの表示開始から入力期間終了指示の入力までを入力期間として認識し、当該入力期間が終了すると、次の画題パーツを提示する。また、認識評価部224は、画題パーツの表示開始から入力期間終了指示の入力までを入力期間として認識し、当該入力期間内にプレーヤにより入力された手書き図形を、画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認識し、画題パーツと対比させて手書きパーツ図形の評価を行う。
【0148】
これにより、プレーヤは、自己のペースに応じて任意の入力期間を決定して手書きパーツ図形を入力することができるため、初心者や子供など絵描き歌ゲームになれていないプレーヤであってもゲームを楽しむことができる。
【0149】
8−7.本発明を適用可能な装置
上述した実施形態では、携帯型のゲーム装置を例に挙げて説明したが、本発明を適用可能な装置は、これに限られず、タッチパネルを備えた業務用のゲーム装置の他、PDA等の装置であってもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0150】
【図1】本実施の形態におけるゲーム装置の概観図。
【図2】本実施の形態における絵描き歌ゲームの概要を説明する図。
【図3】本実施の形態における絵描き歌ゲームの概要を説明する図。
【図4】本実施の形態における絵描き歌ゲームの概要を説明する図。
【図5】(a)手本画像の矩形を説明する図、(b)手書き図形の矩形を説明する図。
【図6】(a)手本画像の矩形サイズ、縦横比、中心点を説明する図、(b)手書き図形の矩形サイズ、縦横比、中心点を説明する図。
【図7】(a)手本画像の描画距離を説明する図、(b)手書き図形の描画距離を説明する図。
【図8】(a)手本画像のベクトルデータを説明する図、(b)手書き図形のベクトルデータを説明する図。
【図9】(a)手書き図形「て」の評価例を示す図、(b)手書き図形「お」の評価例を示す図。
【図10】手本画像及び画題パーツに対応付けられた手本データの一例を示す図。
【図11】(a)手書きパーツ図形の一例、(b)手書きパーツ図形の矩形、矩形サイズ及び中心点の認識例、(c)手書きパーツ図形の描画距離、ベクトルデータの認識例、を示す図。
【図12】(a)手書きパーツ図形の一例、(b)手書きパーツ図形の矩形、矩形サイズ及び中心点の認識例、(c)手書きパーツ図形の描画距離、ベクトルデータの認識例、を示す図。
【図13】中心点に基づいた評価方法を説明する図。
【図14】評価係数kを求めるためのグラフを示す図。
【図15】ゲーム装置の機能ブロック図。
【図16】手本データのデータ構成例を示す図。
【図17】減点テーブルのデータ構成例を示す図。
【図18】評価テーブルのデータ構成例を示す図。
【図19】画題データのデータ構成例を示す図。
【図20】回答データのデータ構成例を示す図。
【図21】ゲーム処理を示すフローチャート。
【図22】ハードウェアの構成の一例を示す図。
【図23】変形例8−1を説明するための表示画面例を示す図。
【図24】変形例8−1を説明するための表示画面例を示す図。
【図25】変形例8−1を説明するための表示画面例を示す図。
【図26】変形例8−2を説明するための表示画面例を示す図。
【図27】変形例8−2を説明するための表示画面例を示す図。
【図28】回答データ352のデータ構成例を示す図。
【図29】表示手順テーブル354のデータ構成例を示す図。
【図30】変形例8−3を説明するための表示画面例を示す図。
【図31】変形例8−3を説明するための表示画面例を示す図。
【図32】変形例8−3を説明するための表示画面例を示す図。
【図33】変形例8−5を説明するための表示画面例を示す図。
【図34】変形例8−5を説明するための表示画面例を示す図。
【符号の説明】
【0151】
1 ゲーム装置
10 操作部
4 タッチパネル
20 処理部
22 ゲーム演算部
222 画題提示部
224 認識評価部
24 画像生成部
26 音生成部
30 記憶部
32 ゲームプログラム
34 データ
342 手本データ
344 減点テーブル
346 評価テーブル
348 画題データ
350 回答データ
40a,40b 表示部
50 音出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、タッチパネルを用いて手書き入力された手書き図形の出来を評価させるためのプログラムであって、
所定の手本画像を構成する複数のパーツの中から手書き入力の画題とする画題パーツを選択し、該画題パーツに対応する図形の手書き入力を促す画題提示処理を、所定の手書き入力期間が終了するごとに、全てのパーツを画題パーツとして選択するまで繰り返し実行する画題提示進行制御手段、
前記各手書き入力期間それぞれにおいて手書き入力された図形を、当該手書き入力期間において画題とされた画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認知する手書きパーツ図形認知手段、
前記手書きパーツ図形認知手段により認知された各手書きパーツ図形について、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツとの類似度を判定するパーツ類似度判定手段、
前記パーツ類似度判定手段により判定された類似度に基づいて、前記手書きパーツ図形認知手段により認知された全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価する手書き図形全体評価手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
ユーザによる所定の期間終了操作入力を検出する期間終了操作検出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記画題提示進行制御が、前記期間終了操作検出手段により検出がなされた場合に現在の手書き入力期間を終了と判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記画題提示進行制御が、各手書き入力期間に対して予め定められた所定時間の経過により、手書き入力期間の終了を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記パーツ類似度判定手段が、手書きパーツ図形の縦横比と、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツの縦横比との差異の程度を判定する縦横比判定手段を有し、この縦横比判定手段により判定された差異の程度に基づいて類似度を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記手書き入力期間内における前記タッチパネルに対する摺動操作距離を算出する摺動操作距離算出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記パーツ類似度判定手段が、前記摺動操作距離算出手段により算出された手書きパーツ図形の描画に要した摺動操作距離と、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツに対して予め定められた描画距離との差異の程度を判定する距離判定手段を有し、この距離判定手段により判定された差異の程度に基づいて類似度を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記距離判定手段が、前記摺動操作距離算出手段による算出対象の手書きパーツ図形の大きさと、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツの大きさとの比率に応じて、判定する差異の程度を補正するように前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記手書き入力期間内における前記タッチパネルに対する摺動操作の全体的な摺動操作方向を算出する摺動操作方向算出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記パーツ類似度判定手段が、前記摺動操作方向算出手段により算出された手書きパーツ図形の描画に要した摺動操作の全体的な摺動操作方向と、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツに対して予め定められた全体的な線描の方向との差異の程度を判定する方向判定手段を有し、この方向判定手段により判定された方向の程度に基づいて類似度を判定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記手書き図形全体評価手段が、前記手書きパーツ図形認知手段により認知された各手書きパーツ図形の相対位置関係を評価するパーツ位置関係評価手段を有し、このパーツ位置関係評価手段により判定された相対位置関係の評価結果を加味して全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記手書き図形全体評価手段が、
前記手書きパーツ図形認知手段により認知された手書きパーツ図形それぞれの、対応する画題パーツに対する大きさの比率の偏差を加味して全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記パーツ類似度判定手段が、前記手書き入力期間が終了する毎に、前記手書きパーツ図形認知手段により認知された当該手書き入力期間の手書きパーツ図形と、対応する画題パーツとの類似度を判定するように前記コンピュータを機能させ、
前記手書き入力期間が終了する毎に、前記パーツ類似度判定手段により判定された類似度に応じて所定のパラメータの値を変更するパラメータ値変更手段として前記コンピュータを機能させ、
前記パラメータの値が所定の途中終了条件を満たした場合に、前記画題提示進行制御手段による画題提示処理の実行を中止する制御を行う途中終了制御手段として前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記画題提示進行制御手段による画題提示処理の繰り返し実行に応じて、現在の手書き入力期間において画題とされている画題パーツの図形を追加的に表示していく制御を行う画題パーツ図形追加表示制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
手書き入力期間が変わる毎に、従前の手書き入力期間において画題とされていた画題パーツの図形を消去して、現在の手書き入力期間において画題とされている画題パーツの図形を表示していく制御を行う画題パーツ図形更新表示制御手段として前記コンピュータを機能させるための請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記画題パーツ図形更新表示制御手段が、同一の表示位置に、新たに選択される画題パーツの図形を更新表示していく制御を行うように前記コンピュータを機能させるための請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
画題パーツそれぞれには、当該画題パーツの図形をユーザに推測させる推測データであるテキストデータ及び/又は音声データが予め対応づけらており、
前記画題提示進行制御手段が、現在の手書き入力期間において画題とされている画題パーツに対応する推測データを出力する制御を行うことで前記画題提示処理を実行するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項16】
タッチパネルを備え、前記タッチパネルを用いて手書き入力された手書き図形の出来を評価する手書き図形評価装置であって、
所定の手本画像を構成する複数のパーツの中から手書き入力の画題とする画題パーツを選択し、該画題パーツに対応する図形の手書き入力を促す画題提示処理を、所定の手書き入力期間が終了するごとに、全てのパーツを画題パーツとして選択するまで繰り返し実行する画題提示進行制御手段と、
前記各手書き入力期間それぞれにおいて手書き入力された図形を、当該手書き入力期間において画題とされた画題パーツに対応する手書きパーツ図形として認知する手書きパーツ図形認知手段と、
前記手書きパーツ図形認知手段により認知された各手書きパーツ図形について、当該手書きパーツ図形に対応する画題パーツとの類似度を判定するパーツ類似度判定手段と、
前記パーツ類似度判定手段により判定された類似度に基づいて、前記手書きパーツ図形認知手段により認知された全ての手書きパーツ図形から成る手書き図形の出来を評価する手書き図形全体評価手段と、
を備えた手書き図形評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2006−133886(P2006−133886A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−319562(P2004−319562)
【出願日】平成16年11月2日(2004.11.2)
【出願人】(000134855)株式会社ナムコ (1,157)
【Fターム(参考)】