説明

プロジェクタ及びその制御方法

【課題】幼児等の操作によって光源が不用意に点灯してしまうことを抑制可能なプロジェクタ及びその制御方法を提供する。
【解決手段】スタンバイ状態において電源キーの操作(オン操作)がなされると、制御部20は、電源回路31に指示をして各部への電力の供給を開始させ、プロジェクタ1をオン状態とする。ただし、光源制御部32は、制御部20からの指示を受けるまで、光源11を消灯させた状態を保つようになっている。その後、制御部20は、画像信号検出部27からの検出信号に基づいて、入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されているか否かを判断する。この結果、入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されている場合には、制御部20は、光源制御部32に指示をして光源11を点灯させる。この結果、光源11が点灯して、入力端子25aに入力されている画像信号に基づく画像が画像投写部10から投写される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から射出された光を変調して投写するプロジェクタ及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超光圧水銀ランプ等の光源から射出された光を変調して、投写レンズからスクリーン等に投写するプロジェクタを家庭で使用する場合に、プロジェクタを幼児の手の届く位置に放置してしまうと、幼児が誤って電源を投入して光源を点灯させ、投写光を覗き見てしまう恐れがある。プロジェクタの投写光を直接覗き見てしまうと、激しい眩しさを感じ、一時的に視力が低下する症状が生じ得る。
特許文献1には、光源が不用意に点灯しないように、投写レンズを繰り出す操作を行うことによって電源スイッチをオンとするバッテリー駆動型の小型ビデオプロジェクタが提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−186522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のビデオプロジェクタは、バッグ等に収納した状態で電源スイッチが不用意にオンとなるのを防ぐには効果的であるが、投写レンズを繰り出す操作は、幼児にとっても簡単な操作であるため、幼児が投写光を覗き見てしまうことを防止するには有効ではない。
また、投写レンズの前面に開閉式のレンズカバーを備えたプロジェクタが存在するが、レンズカバーを閉め忘れたり、幼児がレンズカバーを開いてしまったりする恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]画像信号が入力される画像信号入力部と、光源と、前記光源から射出された光を前記画像信号に応じて変調して画像を形成する光変調装置と、前記光変調装置で形成された画像を投写する投写光学系と、前記画像信号入力部に対する前記画像信号の入力を検出する画像信号検出部と、前記画像信号検出部が前記画像信号の入力を検出した場合に、前記光源を点灯させる光源制御部と、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
【0007】
このプロジェクタによれば、画像信号検出部が画像信号の入力を検出した場合に、光源制御部が光源を点灯させる構成であるため、光源を点灯させるためには、画像信号の入力が必要となる。このため、例えば、スイッチ等の簡単な操作のみで光源が点灯してしまうことがなくなり、幼児等の操作によって光源が不用意に点灯してしまうことを抑制することが可能となる。
【0008】
[適用例2]上記プロジェクタであって、当該プロジェクタの動作状態を、オフ状態からオン状態に切り替えるためのオン操作を受け付ける入力操作部と、前記オン操作に応じて当該プロジェクタの動作状態をオン状態に切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、当該プロジェクタの動作状態をオン状態に切り替えた後、前記画像信号検出部が前記画像信号の入力を所定時間検出しなかった場合に、当該プロジェクタの動作状態をオフ状態に切り替えることを特徴とするプロジェクタ。
【0009】
このプロジェクタによれば、制御部は、オン操作に応じてプロジェクタの動作状態をオン状態に切り替えた後、画像信号が所定時間入力されなかった場合に、プロジェクタの動作状態をオフ状態に切り替えるため、不用意な操作によってオン状態が継続するのを抑制することが可能となり、無駄な電力消費を抑制することが可能となる。
【0010】
[適用例3]上記プロジェクタであって、当該プロジェクタの動作状態を、オン状態からオフ状態に切り替えるためのオフ操作を受け付ける入力操作部と、前記オフ操作がなされた後、前記画像信号検出部が前記画像信号の入力を検出した場合に、前記画像信号が入力されている旨を警告する警告部と、を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
【0011】
このプロジェクタによれば、動作状態をオフ状態に切り替える際に画像信号が入力されていると、警告部がその旨を警告するため、画像信号が入力されたままオフ状態になるのを抑制することが可能となる。このため、次にオン状態に切り替える際に、スイッチ等の簡単な操作のみで光源が点灯してしまうことを抑制できる。
【0012】
[適用例4]光源から射出された光を、入力される画像信号に基づいて変調して投写するプロジェクタの制御方法であって、入力操作に基づいて、前記プロジェクタの動作状態をオン状態に切り替える第1のステップと、前記第1のステップの後に、前記画像信号の入力を検出する第2のステップと、前記第2のステップで、前記画像信号の入力を検出した場合に、前記光源を点灯させる第3のステップと、を備えたことを特徴とするプロジェクタの制御方法。
【0013】
この制御方法によれば、光源を点灯させるためには、画像信号の入力が必要となるため、例えば、スイッチ等の簡単な操作のみで光源が点灯してしまうことがなくなり、幼児等の操作によって光源が不用意に点灯してしまうことを抑制することが可能となる。
【0014】
また、上述したプロジェクタ及びその制御方法がプロジェクタに備えられたコンピュータ(CPU)を用いて構築されている場合には、上記形態及び上記適用例は、その機能を実現するためのプログラム、或いは当該プログラムを前記コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体等の態様で構成することも可能である。記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコード等の符号が印刷された印刷物、プロジェクタの内部記憶装置(RAMやROM等のメモリ)、及び外部記憶装置等、前記コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本実施形態に係るプロジェクタについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクタの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プロジェクタ1は、画像投写部10、制御部20、記憶部21、操作パネル22、リモコン23、操作信号受信部24、入力端子群25、入力ソース選択部26、画像信号検出部27、画像信号処理部28、OSD処理部29等で構成されており、画像投写部10には、光源11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、ライトバルブ駆動部14等が含まれている。
【0016】
光源11は、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクタ11bとを含んで構成されている。光源11から射出された光は、図示しないインテグレータ光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0017】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bには、マトリクス状に配列された複数の画素が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。ライトバルブ駆動部14が、入力される画像データに応じた駆動電圧を各画素に印加すると、各画素は、画像データに応じた光透過率に設定される。つまり、光源11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを透過することによって変調され、画像データに応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像を表す画像光となった後、投写レンズ13によってスクリーンSC等に拡大投写される。
【0018】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)等を備え、記憶部21に記憶されている制御プログラムに従って動作することによりプロジェクタ1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、記憶部21とともにコンピュータとして機能する。また、制御部20には、計時を行うためのタイマ20aが備えられている。
【0019】
記憶部21は、マスクROM(Read Only Memory)や、フラッシュメモリ、FeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリ)等の不揮発性のメモリにより構成されている。記憶部21には、プロジェクタ1の動作を制御するための制御プログラムや各種データ等が記憶されている。
【0020】
操作パネル22及びリモコン23は、入力操作部に相当するものであり、プロジェクタ1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。操作パネル22及びリモコン23が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを切り替えるための「電源キー」、各種設定を行うためのメニュー画像を表示させる「メニューキー」、メニュー画像におけるカーソルの移動等に用いられる「カーソルキー」、入力ソース(画像信号の供給元)を切り替えるための「入力ソース切替キー」等がある。ユーザが操作パネル22の各種操作キーを操作すると、操作パネル22は、ユーザの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。また、ユーザがリモコン23の各種操作キーを操作すると、リモコン23は、ユーザの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発し、操作信号受信部24がこれを受信して制御部20に伝達する。
【0021】
入力端子群25は、画像信号入力部に相当するものであり、ビデオ再生装置やパーソナルコンピュータ等、図示しない外部の画像供給装置から、各種形式の画像信号を入力可能な複数の入力端子25aを備えている。各入力端子25aに入力された画像信号は、入力ソース選択部26に供給される。
【0022】
入力ソース選択部26は、複数の入力端子25aのうち、制御部20の指示に基づく1つの入力端子25aを選択し、この入力端子25aに入力される画像信号を画像信号処理部28に出力する。ユーザが、操作パネル22やリモコン23に備わる入力ソース切替キーを操作して所望の入力端子25aを指定すると、制御部20は、この入力端子25aに入力されている画像信号が画像信号処理部28に出力されるよう、入力ソース選択部26に指示をする。
【0023】
画像信号検出部27は、入力ソース選択部26から画像信号が出力されているか否か、即ち、入力ソース選択部26で選択されている入力端子25aに対して画像信号が入力されているか否かを検出して、その検出結果を表す検出信号を制御部20に出力する。
【0024】
画像信号処理部28は、入力ソース選択部26から入力される各種形式の画像信号を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像データ、即ち各画素に印加する駆動電圧を規定するための画像データに変換する。さらに、制御部20の指示に基づいて、変換した画像データに対して、明るさ、コントラスト、シャープネス、色合い等の調整や、ガンマ補正等の各種画質調整を施す。画像信号処理部28で画質調整がなされた画像データは、OSD処理部29に出力される。
【0025】
OSD処理部29は、制御部20の指示に基づいて、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を、画像信号処理部28から入力される画像データに基づく画像(入力画像)上に重畳するための処理を行う。OSD処理部29は、図示しないOSDメモリを備えており、OSD画像を形成するための図形やフォント等を表すOSD画像データを記憶している。制御部20が、OSD画像の重畳を指示すると、OSD処理部29は、必要なOSD画像データをOSDメモリから読み出し、入力画像の所定の位置にOSD画像が重畳されるように、画像信号処理部28から入力される画像データにこのOSD画像データを合成する。OSD画像データが合成された画像データは、ライトバルブ駆動部14に出力される。なお、制御部20からOSD画像を重畳する旨の指示がない場合には、OSD処理部29は、画像信号処理部28から出力される画像データを、そのままライトバルブ駆動部14に出力する。
【0026】
ライトバルブ駆動部14が、入力される画像データに従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、画像データに応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13からスクリーンSCに投写される。
【0027】
電源回路31には、外部からAC100V等の商用電源が供給(入力)される。電源回路31は、商用電源(交流電源)を所定の電圧の直流電源に変換するとともに、プロジェクタ1の各部に電力を供給する。なお、制御部20は、電源回路31から電力の供給を受けて動作している間、電源回路31に指示をして、画像の投写に必要な電力(動作電力)の供給と停止とを切り替えることができる。
【0028】
光源制御部32は、制御部20の指示に基づいて、光源11に対する電力の供給と停止とを制御し、光源11の点灯及び消灯を切り替える。
【0029】
LED表示部33は、1つ或いは複数のLED(発光ダイオード)からなるインジケータであり、制御部20の指示に基づいてその点灯状態を切り替えることにより、ユーザにプロジェクタ1の動作状態(オン状態やスタンバイ状態等)を報知する。なお、LED表示部33は、LEDの点灯状態、即ちLEDの点灯、点滅、消灯、発光色等を適宜切り替えることによって、多数の動作状態を表すことが可能になっている。
【0030】
次に、本実施形態のプロジェクタ1の動作について説明する。
プロジェクタ1に商用電源が供給されると、電源回路31は、制御部20、記憶部21、操作パネル22、操作信号受信部24、LED表示部33に電力(スタンバイ電力)の供給を行い、制御部20は、この電力供給を受けて、制御プログラムに従った動作を開始する。商用電源が供給された直後には、プロジェクタ1は、スタンバイ状態(オフ状態ともいう)であり、この状態では、制御部20は、操作パネル22やリモコン23の電源キーに対するオン操作を監視する。そして、このオン操作を検知すると、制御部20は、電源回路31に指示をして、動作電力の供給を開始させ、プロジェクタ1を動作可能な状態(オン状態)とする。
【0031】
オン状態においては、制御部20は、電源キーに対するオフ操作を監視しており、このオフ操作を検知すると、電源回路31に指示をして動作電力供給を停止させ、プロジェクタ1をスタンバイ状態に移行させる。
【0032】
図2は、オン操作時のプロジェクタ1の動作を説明するためのフローチャートである。スタンバイ状態において電源キーの操作(オン操作)がなされると、制御部20は、図2に示すフローに従って動作する。
【0033】
図2に示すように、ステップS101では、制御部20は、電源回路31に指示をして動作電力の供給を開始させ、プロジェクタ1をオン状態とする。これにより、画像信号検出部27による画像信号の検出や、画像信号処理部28における各種処理、光源制御部32による光源11の制御等が可能な状態となる。なお、光源制御部32は、制御部20からの指示を受けるまで、光源11を消灯させた状態を保つようになっている。
【0034】
ステップS102では、制御部20は、タイマ20aによる計時を開始する。また、続くステップS103では、制御部20は、LED表示部33に指示をしてLEDを所定の点灯状態とし、光源11が消灯した状態、即ち光源11の点灯を保留している状態であることをユーザに報知する。
【0035】
ステップS104では、制御部20は、画像信号検出部27からの検出信号に基づいて、入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されているか否かを判断する。具体的には、制御部20は、入力ソース選択部26に入力端子25aを1つずつ順次選択させつつ、画像信号検出部27の検出結果を取得することにより、各入力端子25aに対する画像信号の入力の有無を判断する。この結果、入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されている場合にはステップS105に移行し、いずれの入力端子25aにも画像信号が入力されていない場合にはステップS106に移行する。
【0036】
画像信号が入力され、ステップS105に移行した場合には、制御部20は、光源制御部32に指示をして光源11を点灯させ、オン操作時の処理を終了する。この結果、光源11が点灯して、入力端子25aに入力されている画像信号に基づく画像が画像投写部10から投写される。
【0037】
ステップS104において画像信号の入力が検出されず、ステップS106に移行した場合には、制御部20は、タイマ20aによる計時結果に基づいて、オン操作がなされてから所定の時間(例えば、20秒)が経過したか否かを判断する。この結果、所定の時間に達していない場合にはステップS104に戻って再び画像信号の入力を判断する。一方、所定の時間が経過した場合には、ステップS107に移行する。
【0038】
オン操作がなされてから所定の時間が経過して、ステップS107に移行した場合には、制御部20は、電源回路31に指示をして、動作電力の供給を停止させ、オン操作時の処理を終了する。この結果、プロジェクタ1はスタンバイ状態に移行する。
【0039】
図3は、オフ操作時のプロジェクタ1の動作を説明するためのフローチャートである。プロジェクタ1がオン状態、即ち光源11が点灯し、画像が投写されている状態において電源キーの操作(オフ操作)がなされると、制御部20は、図3に示すフローに従って動作する。
【0040】
図3に示すように、ステップS201では、制御部20は、画像信号検出部27からの検出信号に基づいて、入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されているか否かを判断する。この結果、入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されている場合にはステップS202に移行し、いずれの入力端子25aにも画像信号が入力されていない場合にはステップS206に移行する。
【0041】
画像信号が入力されており、ステップS202に移行した場合には、制御部20は、OSD処理部29に指示をして、画像信号が入力されている旨と、所定時間(例えば、20秒)の経過後にオフに切り替える旨の警告メッセージ(例えば、「画像信号が入力されています。20秒後に電源をオフにします。」等)を入力画像上に重畳させる。続くステップS203では、制御部20は、タイマ20aによる計時を開始する。
【0042】
ステップS204では、制御部20は、画像信号検出部27からの検出信号に基づいて、入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されているか否かを再度判断する。この結果、依然として入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されている場合にはステップS205に移行し、いずれの入力端子25aにも画像信号が入力されていない場合、即ち画像信号の入力が途絶えた場合にはステップS206に移行する。
【0043】
画像信号の入力が継続し、ステップS205に移行した場合には、制御部20は、タイマ20aによる計時結果に基づいて、警告メッセージを表示してから所定の時間(例えば、20秒)が経過したか否かを判断する。この結果、所定の時間に達していない場合にはステップS204に戻って再び画像信号の入力を判断する。一方、所定の時間が経過した場合には、ステップS206に移行する。
【0044】
ステップS206に移行した場合には、制御部20は、光源制御部32に指示をして光源11を消灯させるとともに、動作の終了に必要な各種処理を施した後、電源回路31に指示をして、動作電力の供給を停止させて、オフ操作時の処理を終了する。この結果、プロジェクタ1はスタンバイ状態に移行する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクタ1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態のプロジェクタ1によれば、制御部20が、入力端子25aのいずれかに画像信号が入力されている場合に、光源制御部32に指示をして光源11を点灯させるため、光源11を点灯させるためには、画像信号の入力が必要となる。このため、電源キーの操作のみで光源11が点灯してしまうことがなくなり、幼児等の操作によって光源11が不用意に点灯してしまうことを抑制することが可能となる。
【0046】
(2)本実施形態のプロジェクタ1によれば、制御部20は、電源キーのオン操作に応じてプロジェクタ1の動作状態をオン状態に切り替えた後、画像信号が所定時間入力されなかった場合に、プロジェクタ1の動作状態をスタンバイ状態に切り替えるため、不用意な操作によってオン状態が継続するのを抑制することが可能となり、無駄な電力消費を抑制することが可能となる。
【0047】
(3)本実施形態のプロジェクタ1によれば、オフ操作に応じて動作状態をスタンバイ状態に切り替える際に、画像信号が入力されていると、警告メッセージを表示してその旨を警告するため、画像信号が入力されたままスタンバイ状態になるのを抑制することが可能となる。このため、次にオン状態に切り替える際に、電源キーのオン操作のみで光源11が点灯してしまうことを抑制できる。
【0048】
なお、本実施形態では、ステップS202において、画像信号が入力されている旨の警告メッセージを表示する制御部20及びOSD処理部29が、警告部に相当する。
【0049】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
前記実施形態では、ユーザがオン操作を行った後、所定の時間内に画像信号の入力がない場合には、制御部20がプロジェクタ1をスタンバイ状態に切り替えるようになっているが、画像信号の入力がない場合でも、操作パネル22やリモコン23に対する所定の入力操作があった場合に、光源11を点灯させるようにしてもよい。この場合には、不用意にこの入力操作を行ってしまうことがないように、複数のキーの同時操作等、比較的複雑な操作を要求するようにすることが望ましい。
【0050】
前記実施形態では、ユーザがオフ操作を行った後も画像信号が入力されていると、警告メッセージを所定時間表示して、その後でスタンバイ状態に移行するようにしているが、画像信号の入力が継続している場合でも、操作パネル22やリモコン23に対する所定の入力操作があった場合には、その時点でスタンバイ状態に移行するようにしてもよい。
【0051】
前記実施形態では、オフ操作の後に画像信号が入力されていると、OSD画像を用いた警告メッセージを表示するようにしているが、LED表示部33等、他の表示手段によってその旨を警告するようにしてもよいし、図示しない音声出力手段により、音声で警告するようにしてもよい。
【0052】
前記実施形態では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
【0053】
前記実施形態では、光源11は、放電型の光源ランプ11aによって構成されているが、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)光源等の固体光源や、その他の光源を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施形態のプロジェクタの概略構成を示すブロック図。
【図2】オン操作時のプロジェクタの動作を説明するためのフローチャート。
【図3】オフ操作時のプロジェクタの動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0055】
1…プロジェクタ、10…画像投写部、11…光源、11a…光源ランプ、11b…リフレクタ、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…ライトバルブ駆動部、20…制御部、20a…タイマ、21…記憶部、22…入力操作部、23…リモコン、24…操作信号受信部、25…入力端子群、25a…入力端子、26…入力ソース選択部、27…画像信号検出部、28…画像信号処理部、29…OSD処理部、31…電源回路、32…光源制御部、33…LED表示部、SC…スクリーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号が入力される画像信号入力部と、
光源と、
前記光源から射出された光を前記画像信号に応じて変調して画像を形成する光変調装置と、
前記光変調装置で形成された画像を投写する投写光学系と、
前記画像信号入力部に対する前記画像信号の入力を検出する画像信号検出部と、
前記画像信号検出部が前記画像信号の入力を検出した場合に、前記光源を点灯させる光源制御部と、
を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクタであって、
当該プロジェクタの動作状態を、オフ状態からオン状態に切り替えるためのオン操作を受け付ける入力操作部と、
前記オン操作に応じて当該プロジェクタの動作状態をオン状態に切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、当該プロジェクタの動作状態をオン状態に切り替えた後、前記画像信号検出部が前記画像信号の入力を所定時間検出しなかった場合に、当該プロジェクタの動作状態をオフ状態に切り替えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のプロジェクタであって、
当該プロジェクタの動作状態を、オン状態からオフ状態に切り替えるためのオフ操作を受け付ける入力操作部と、
前記オフ操作がなされた後、前記画像信号検出部が前記画像信号の入力を検出した場合に、前記画像信号が入力されている旨を警告する警告部と、
を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項4】
光源から射出された光を、入力される画像信号に基づいて変調して投写するプロジェクタの制御方法であって、
入力操作に基づいて、前記プロジェクタの動作状態をオン状態に切り替える第1のステップと、
前記第1のステップの後に、前記画像信号の入力を検出する第2のステップと、
前記第2のステップで、前記画像信号の入力を検出した場合に、前記光源を点灯させる第3のステップと、
を備えたことを特徴とするプロジェクタの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−299042(P2008−299042A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144622(P2007−144622)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】