説明

プロジェクタ

【課題】偏光変換装置の構造をほとんど複雑化することなく、光路長が異なる光束の投射
状態を簡易に一致させて液晶表示パネルを無駄なく照明することができるプロジェクタを
提供すること
【解決手段】偏光変換装置34において第1主光線PL1と第2主光線PL2とを所定角
度で互いに収束させるので、第1プリズム91から射出される偏光と、第2プリズム92
から射出される偏光とが光軸に垂直な方向に関して異なる位置に射出されることに起因し
て生じる照明光の位置ずれを防止することができる。よって、第1及び第2プリズム91
,92からの照明光を少ない位置ずれで液晶表示パネル61b,61g,61r上に重ね
合わせて入射させることができる。つまり、光源光を少ない光量ロスで有効に活用した均
一な照明光を得ることができ、高品位の画像を投射することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光束を特定方向の偏光に揃えるための偏光変換装置を組み込んだ
プロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタに組み込まれる照明装置として、液晶表示パネルを照明する照明光を無駄
なく特定方向の偏光とすることができる偏光変換装置を組み込んだものが存在する。
【0003】
このような偏光変換装置では、例えば柱状の第1プリズムと第2プリズムとを積層し、
第1プリズムの接合側の一対の表面に偏光分離膜と反射膜とを設けることによって、積層
されたプリズム間に偏光分離膜と反射膜とを交互に介挿した構造を得ている(特許文献1
参照)。
【0004】
また、別の偏光変換装置では、偏光分離プリズムアレイを通過する際に直進する偏光と
、偏光分離プリズムアレイを通過する際に2度反射されて正面方向に射出される偏光とで
光路長が異なるので、光路長の長い側に補正用のガラスブロックを設けて偏光変換装置の
通過光の結像位置を調整している(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平10−39136号公報
【特許文献2】特開平11−101956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、偏光分離プリズムアレイにおいて光路長の長い側に補正用のガラスブロ
ックを設ける方法では、ガラスブロックをアレイ状に設ける分だけ偏光変換装置の構造が
複雑化し、偏光変換装置の精度向上が容易でなくなり、製造コストも増加する。
【0006】
そこで、本発明は、偏光変換装置の構造をほとんど複雑化することなく、光路長が異な
る光束の投射状態を簡易に一致させて液晶表示パネルを無駄なく照明することができるプ
ロジェクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るプロジェクタは、(a)光源光を発生する光源
と、(b)光源光の偏光方向を揃える偏光変換装置と、偏光変換装置を経た照明光を画像
情報に応じて変調する光変調装置と、(c)光変調装置で変調された光を投射する投射光
学系とを備える。そして、上記偏光変換装置は、(b1)平行四辺形状の断面を有する四
角柱の外形を有し、互いに略平行な入射面及び射出面と、入射面及び射出面に対して共に
傾斜し互いに略平行な分離面及び反射面とを有する第1プリズムと、(b2)第1プリズ
ムの分離面上に形成され、入射面からの入射光のうち第1の偏光を透過し第2の偏光を反
射することによって偏光の分離を行う偏光分離素子と、(b3)第1プリズムの反射面上
に形成され、偏光分離素子で反射された第2の偏光の光路を折り曲げる反射素子と、(b
4)偏光分離素子を介して第1プリズムの反対側に略補角を成すように配置される第2プ
リズムとを有する。そして、偏光変換装置は、反射素子で反射されて第1プリズムの射出
面から射出される偏光の第1主光線と、偏光分離素子を透過して第2プリズムの射出面か
ら射出される偏光の第2主光線とを、所定角度で互いに収束又は発散させる。
【0008】
上記プロジェクタでは、偏光変換装置が、第1主光線と第2主光線とを所定角度で互い
に収束又は発散させるので、第1プリズムから射出される偏光と、第2プリズムから射出
される偏光とが光軸に垂直な方向に関して異なる位置に射出されることに起因して生じる
照明光の位置ずれを防止又は低減することができる。
【0009】
また、本発明の具体的な態様又は側面によれば、上記プロジェクタにおいて、第1主光
線及び第2主光線が、第1プリズムの入射面に同一の光路で略垂直に入射する。この場合
、偏光変換装置に略光軸に沿って入射した単一の主光線が第1主光線と第2主光線とに分
かれて射出することになるが、第1プリズムから射出される第1主光線と、第2プリズム
から射出される第2主光線とを略光軸に沿って射出させつつも互いに収束又は発散させる
ことができる。よって、第1プリズムからの照明光と第2プリズムからの照明光とによっ
て少ない位置ずれで重ね合わせた照明が可能になる。
【0010】
本発明の別の態様によれば、偏光変換装置が、第1主光線及び第2主光線を、光変調装
置の被照明領域の位置で交差させる。この場合、光変調装置の被照明領域を第1プリズム
からの照明光と第2プリズムからの照明光とによって位置ずれなく均一に照明することが
できる。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、第1プリズムの入射面と、第1プリズムの射出面と
、第2プリズムの射出面とが、互いに平行であり、第1プリズムの屈折率が、第2プリズ
ムの屈折率とは異なる。この場合、第1プリズムと第2プリズムとに屈折率差を設けるだ
けで、第1プリズムから射出される偏光と、第2プリズムから射出される偏光との照射位
置のずれを低減することができる。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、偏光分離素子と反射素子とが互いに非平行で所定の
楔角を成す。この場合、偏光分離素子と反射素子との成す楔角の調整によって、第1プリ
ズムから射出される偏光と、第2プリズムから射出される偏光との照射位置のずれを低減
することができる。
【0013】
本発明のさらに別の態様によれば、第1プリズムの射出面と、第2プリズムの射出面と
が互いに非平行で所定の折角を成す。この場合、第1プリズムの射出面と第2プリズムの
射出面との成す折角の調整によって、第1プリズムから射出される偏光と、第2プリズム
から射出される偏光との照射位置のずれを低減することができる。
【0014】
本発明のさらに別の態様によれば、第1プリズムの射出面と第2プリズムの射出面との
いずれか一方に対向して、当該一方の射出面からの射出光の偏光方向を他方射出面からの
射出光の偏光方向に一致させる位相差板をさらに備える。この場合、第1プリズムから射
出される偏光と、第2プリズムから射出される偏光とを揃えて偏光変換装置から射出させ
ることができる。
【0015】
本発明のさらに別の態様によれば、偏光変換装置が、第1プリズムと、偏光分離素子と
、反射素子と、第2プリズムとをそれぞれ含む複数組のユニットが光軸に垂直な所定方向
に繰り返し配列され、複数組のユニットからの射出光を光変調装置の被照明領域において
重畳させる重畳レンズをさらに備える。この場合、各ユニットについて第1及び第2プリ
ズムから射出される照明光の位置ずれを防止又は低減することができるだけでなく、複数
組のユニットからの射出光を被照明領域において重畳させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ10の光学系を示す模式図である。
このプロジェクタ10は、光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を
形成し、この光学像をスクリーン上に拡大投射する光学機器であり、光源ランプユニット
20、照明光学系30、色分離装置40、光変調部60、クロスダイクロイックプリズム
70、及び投射光学系80を備えて構成される。
【0017】
光源ランプユニット20は、光源ランプ21から周囲に放射された光束を集めて射出し
、照明光学系30等を介して光変調部60を照明するための光源であり、発光管である光
源ランプ21と、光源ランプ21から射出された光源光を反射する楕円の凹面鏡22と、
凹面鏡22で反射された光源光をコリメートする凹レンズ23とを備える。この光源ラン
プユニット20において、光源ランプ21から射出された光源光は、凹面鏡22及び凹レ
ンズ23を経て平行化され、前方側すなわち照明光学系30側に射出される。なお、上述
した楕円の凹面鏡22に代えて、放物面等の各種凹面鏡を用いることができる。放物面の
凹面鏡を用いた場合、凹面鏡22の後段に凹レンズ23等を設けなくとも、光源ランプユ
ニット20から平行光束を射出させることが可能となる。
【0018】
照明光学系30は、光源ランプユニット20から射出された光束を複数の部分光束に分
割し、これら複数の光束を対象とする照明領域に重畳して入射させ、この照明領域の面内
照度を均一化するための光学系であり、第1レンズアレイ31、第2レンズアレイ32、
偏光変換装置34、及び重畳レンズ35を備えている。
【0019】
第1レンズアレイ31は、光源ランプ21から射出された光束を複数の部分光束に分割
する光束分割光学素子としての機能を有し、システム光軸OAと直交する面内にマトリッ
クス状に配列される複数の小レンズを備えて構成される。各小レンズの輪郭形状は、後述
する光変調部60を構成する液晶表示パネル61b,61g,61rの画像形成領域すな
わち被照明領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。第2レンズアレイ32
は、前述した第1レンズアレイ31により分割された複数の部分光束を集光する光学素子
であり、第1レンズアレイ31と同様にシステム光軸OAに直交する面内にマトリックス
状に配列される複数の小レンズを備えているが、集光を目的としているため、各小レンズ
の輪郭形状が液晶表示パネル61b,61g,61rの画像形成領域の形状と対応してい
る必要はない。
【0020】
偏光変換装置34は、PBSアレイと位相差板とで形成されており、第1レンズアレイ
31により分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光に揃える役割を有する。
この偏光変換装置34のPBSアレイは、後に詳述するが、システム光軸OAに対して傾
斜配置される偏光分離膜及び反射ミラーを複数のプリズムを介して交互に配列した構造を
有する。偏光分離膜及び反射ミラーによって分離され同一方向に射出された2種類の偏光
光束のうち一方は、ストライプ状に設けられた位相差板(不図示)によって偏光変換され
、すべての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換装置34を用いること
により、ランプ本体21から射出される光束を、一方向の偏光光束に無駄なく揃えること
ができるため、光変調部60で利用する光源光の利用率を向上させることができる。
【0021】
重畳レンズ35は、第1レンズアレイ31、第2レンズアレイ32、及び偏光変換装置
34を経た複数の部分光束を集光して、液晶表示パネル61b,61g,61rの画像形
成領域に対応する被照明領域上に重畳させて入射させるための光学素子である。この重畳
レンズ35から射出された光束は、均一化されつつ次段の色分離装置40に射出される。
つまり、両レンズアレイ31,32と重畳レンズ35とを経た照明光は、以下に詳述する
色分離装置40を経て、光変調部60の照明領域すなわち各色の液晶表示パネル61b,
61g,61rの画像形成領域を均一に重畳照明する。
【0022】
色分離装置40は、第1及び第2ダイクロイックミラー41a,41b、反射ミラー4
2a,42b,42c、コンデンサレンズ43r,43b,43g、及びリレーレンズ4
5,46を備える。これらのうち、第1及び第2ダイクロイックミラー41a,41bを
含んで構成される色分離光学系は、照明光を、青(B)色光、緑(G)色光、及び赤(R
)色光の3つの光束に分離する。各ダイクロイックミラー41a,41bは、透明基板上
に、所定の波長領域の光束を反射し他の波長領域の光束を透過する波長選択作用を有する
誘電体多層膜を形成することによって得た光学素子であり、システム光軸OAに対してと
もに傾斜した状態で配置される。第1ダイクロイックミラー41aは、赤・青・緑(R・
G・B)の3色のうち青色光LBを反射し、緑色光LGと赤色光LRとを透過させる。ま
た、第2ダイクロイックミラー41bは、入射した緑色光LG及び赤色光LRのうち緑色
光LGを反射し赤色光LRを透過させる。色分離装置40の射出側に設けられた各色用の
コンデンサレンズ43r,43b,43gは、第2レンズアレイ32から射出され光変調
部60に入射する各部分光束が、システム光軸OAに対して適当な収束度又は発散度とな
るように設けられている。一対のリレーレンズ45,46は、青色用の第1光路OP1や
緑色用の第2光路OP2よりも相対的に長い赤色用の第3光路OP3上に配置されている
。これらのリレーレンズ45,46は、入射側の第1のリレーレンズ45の直前に形成さ
れた像を、ほぼそのまま射出側のコンデンサレンズ43rに伝達することにより、光の拡
散等による光の利用効率の低下を防止している。
【0023】
この色分離装置40において、光源ランプユニット20から照明光学系30を経て入射
した照明光は、まず第1ダイクロイックミラー41aに入射する。第1ダイクロイックミ
ラー41aで反射された青色光LBは、第1光路OP1に導かれ、反射ミラー42aを経
て最終段のコンデンサレンズ43bに入射する。また、第1ダイクロイックミラー41a
を透過して第2ダイクロイックミラー41bで反射された緑色光LGは、第2光路OP2
に導かれ最終段のコンデンサレンズ43gに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラ
ー41bを通過した赤色光LRは、第3光路OP3に導かれ、反射ミラー42b,42c
やリレーレンズ45,46を経て最終段のコンデンサレンズ43rに入射する。
【0024】
光変調部60は、3色の照明光LB,LG,LRがそれぞれ入射する3つの液晶表示パ
ネル(液晶表示パネル)61b,61g,61rと、各液晶表示パネル61b,61g,
61rを挟むように配置される3組の偏光フィルタ62b,62g,62rとを備える。
ここで、例えば青色光LB用の液晶表示パネル61bと、これを挟む一対の偏光フィルタ
62b,62bとは、照明光を画像情報に基づいて2次元的に輝度変調するための液晶ラ
イトバルブを構成する。同様に、緑色光LG用の液晶表示パネル61gと、対応する偏光
フィルタ62g,62gも、液晶ライトバルブを構成し、赤色光LR用の液晶表示パネル
61rと、偏光フィルタ62r,62rも、液晶ライトバルブを構成する。各液晶表示パ
ネル61b,61g,61rは、一対の透明なガラス基板間に電気光学物質である液晶を
密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与え
られた画像信号に従って、それぞれに入射した偏光光束の偏光方向を変調する。
【0025】
この光変調部60において、第1光路OP1に導かれた青色光LBは、コンデンサレン
ズ43bを介して液晶表示パネル61bの位置に設けた照明領域に入射し液晶表示パネル
61b内の画像形成領域を照明する。第2光路OP2に導かれた緑色光LGは、コンデン
サレンズ43gを介して液晶表示パネル61gの位置に設けた照明領域に入射し液晶表示
パネル61g内の画像形成領域を照明する。第3光路OP3に導かれた赤色光LRは、第
1及び第2リレーレンズ45,46及びコンデンサレンズ43rを介して液晶表示パネル
61rの位置に設けた照明領域に入射し液晶表示パネル61r内の画像形成領域を照明す
る。各液晶表示パネル61b,61g,61rは、入射した照明光の偏光方向の空間的分
布を変化させるための非発光で透過型の光変調装置である。各液晶表示パネル61b,6
1g,61rにそれぞれ入射した各色光LB,LG,LRは、各液晶表示パネル61b,
61g,61rに電気的信号として入力された駆動信号或いは制御信号に応じて、画素単
位で偏光状態が調整される。その際、偏光フィルタ62b,62g,62rによって、各
液晶表示パネル61b,61g,61rに入射する照明光の偏光方向が調整されるととも
に、各液晶表示パネル61b,61g,61rから射出される光から所定の偏光方向の変
調光が取り出される。
【0026】
クロスダイクロイックプリズム70は、射出側の偏光フィルタ62b,62g,62r
から射出された各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光合成光学
系である。このクロスダイクロイックプリズム70は、4つの直角プリズムを貼り合わせ
た平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差す
る一対の誘電体多層膜71,72が形成されている。一方の第1誘電体多層膜71は青色
光を反射し、他方の第2誘電体多層膜72は赤色光を反射する。このクロスダイクロイッ
クプリズム70は、液晶表示パネル61bからの青色光LBを第1誘電体多層膜71で反
射して進行方向右側に射出させ、液晶表示パネル61gからの緑色光LGを第1及び第2
誘電体多層膜71,72を介して直進・射出させ、液晶表示パネル61rからの赤色光L
Rを第2誘電体多層膜72で反射して進行方向左側に射出させる。
【0027】
このようにクロスダイクロイックプリズム70で合成された像光は、拡大投影レンズと
しての投射光学系80を経て、適当な拡大率でスクリーン(不図示)にカラー画像として
投射される。
【0028】
図2は、図1の照明光学系30に組み込まれている偏光変換装置34の構造等を説明す
る拡大平面図である。この偏光変換装置34は、第1及び第2プリズム91,92と、偏
光分離膜93と、反射膜94と、位相差板95と、マスク96とを備える。
【0029】
第1及び第2プリズム91,92は、ともにガラス等で形成された透光性の部材であり
、それぞれ底面(紙面に対して平行な面)が平行四辺形である四角柱状の形状を有してい
る。第1及び第2プリズム91,92は、交互に連なることでシステム光軸OAに垂直な
四角い厚板状となり、偏光変換装置34の外形を構成する。ここで、第1プリズム91は
、互いに平行な入射面91a及び射出面91bと、これらの面91a,91bに対して所
定の角度をなし互いに平行な分離面91c及び反射面91dとを備える。ここで、分離面
91cは偏光分離膜93を支持し、反射面91dは反射膜94を支持する。なお、詳細な
説明は省略するが、第2プリズム92も同様に、入射面、射出面、分離面、及び反射面を
有する。両プリズム91,92は、光学接着剤によって互い違いに接合される。
【0030】
偏光分離膜93は、隣接するプリズム91,92の間においてシステム光軸OAに対し
て45°傾斜した状態で配置されている。偏光分離膜93は、第2レンズアレイ32を構
成する各小レンズから射出された入射光ILの光束に含まれるP偏光光束及びS偏光光束
のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。ここでは、偏光分離膜9
3は、誘電体多層膜からなる偏光分離素子として、偏光変換装置34に入射した入射光I
Lの偏光成分のうち、S偏光を反射により第1の偏光として折り曲げ、P偏光を透過によ
り第2の偏光として直進させることによって分離するものとする。なお、偏光分離膜93
は、プリズム91の一方の傾斜側面である分離面91c上に蒸着等を含む各種成膜法を利
用して形成される。
【0031】
反射膜94は、隣接するプリズム91,92の間においてシステム光軸OAに対して4
5°傾斜した状態で配置されている。つまり、反射膜94は、第1プリズム91を挟んで
偏光分離膜93に対向して平行に配置されている。反射膜94は、誘電体多層膜からなる
反射素子として、偏光分離膜93により反射された第1の偏光をさらに反射することで、
その光路を第2の偏光と同一の方向に変換させる。なお、反射膜94は、第1プリズム9
1の他方の傾斜側面である反射面91d上に蒸着等を含む各種成膜法を利用して形成され
る。
【0032】
位相差板95は、第1プリズム91の射出面91bに対向して設けられており、半波長
位相差板として、反射膜94で反射されたS偏光である第1の偏光をP偏光に変換する。
なお、位相差板95は、第2プリズム92の射出側に設けることもできるが、この場合、
偏光分離膜93を透過したP偏光である第2の偏光をS偏光に変換することになる。
【0033】
マスク96は、第2プリズム92の入射側に設けられており、遮光性の材料からなる遮
光板として不要な光を遮断する。
【0034】
以上の偏光変換装置34において、第1プリズム91に入射した入射光ILのうち、照
明光学系30としての主光線PL0は、偏光分離膜93により、これで反射される一方の
偏光である第1主光線PL1と、これを通過する他方の偏光である第2主光線PL2とに
分岐される。両主光線PL1,PL2は、ともにシステム光軸OAに沿って偏光変換装置
34から射出され重畳レンズ35に入射するが、ここで、第1主光線PL1と第2主光線
PL2とは、完全に平行ではなく、進行方向に向かって互いに収束するような微小角αを
成している。この場合、第1主光線PL1は、システム光軸OAに平行であり、第2主光
線PL2は、システム光軸OAに対して微小角αだけ傾いている。この結果、第1主光線
PL1と、第2主光線PL2とは、液晶表示パネル61b,61g,61rに設けられた
画像形成領域の位置に相当する被照明領域ISにおいて、システム光軸OAが通過する一
点にともに入射する。なお、図示の例では、偏光変換装置34に入射する主光線PL0が
システム光軸OAに平行であるとしているが、第1及び第2レンズアレイ31,32の仕
様によっては、主光線PL0がシステム光軸OAに対して一定の角度を有する場合もある
。この場合も、第1主光線PL1と第2主光線PL2との相対的な傾き調整によって、こ
れら主光線PL1,PL2を被照明領域IS上の一箇所に入射させることとする。
【0035】
以下、主光線PL1,PL2を相対的に傾けて収束させる理由について説明する。本実
施形態の重畳レンズ35は、収束してくる入射光線を所定の1点(被照明領域IS上)に
集光させる特性を有するので、偏光変換装置34から射出される第1主光線PL1と第2
主光線PL2とが重畳レンズ35の特性に適応した微小角αで互いに収束する場合は、重
畳レンズ35によって被照明領域IS上で同一位置に重ね合わされる。しかしながら、偏
光変換装置の構成、複数の部分光束の各主光線PL0同士の傾き等に起因して、収束して
くる入射光線を所定の1点(被照明領域IS上)に集光させる重畳レンズ35の特性に適
応しない、例えば両主光線PL1,PL2が偏光変換装置34から互いに平行に射出され
た場合、被照明領域IS上で異なる位置に入射することになる。このような場合、一般的
には、両主光線PL1,PL2が被照明領域ISの後方の面で交わることになり、レンズ
アレイ31,32を経て分割された入射光ILが正確に位置合わせされず、有効な照明範
囲が狭くなってしまう。この結果、照明マージンが十分に確保できなくなり、投射画像の
端部に色づき等が生じる場合がある。そこで、本実施形態では、収束してくる入射光線を
所定の1点(被照明領域IS上)に集光させる重畳レンズ35の特性に適応させるように
第2主光線PL2の射出方向を第1主光線PL1側にずらす。つまり、第1主光線PL1
と第2主光線PL2とが微小角αで互いに収束するように、第1プリズム91と第2プリ
ズム92との間に微小な屈折差を設ける。
【0036】
図3は、偏光変換装置34を構成する特定セルの部分拡大図であり、第1主光線PL1
と第2主光線PL2とを互いに収束するように射出させる手法を説明するものである。主
光線PL0が第1プリズム91に入射すると、偏光分離膜93で、第1主光線PL1と第
2主光線PL2とに分離されるが、この際、第1主光線PL1については、第1プリズム
91の断面が平行四辺形であることにより、光路を進行方向に垂直な紙面方向に関してシ
フトさせて同一の方向に射出される。一方、第2主光線PL2については、第1プリズム
91の屈折率n1よりも第2プリズム92の屈折率n2の方がわずかに小さくなっており
、入射角I1よりも射出角I2の方がわずかに大きくなっている。より具体的に説明する
と、周知のように、入射角I1と射出角I2との関係は、スネルの法則によって与えられ
、n1・sin(I1)=n2・sin(I2)となっている。よって、n1>n2なら
I1<I2となって、第2プリズム92から射出される第2主光線PL2の第1主光線P
L1に対する収束角である微小角αを一定範囲で任意に設定することができ、第2主光線
PL2を第1主光線PL1側に寄せることができる。つまり、上記のような屈折率条件の
下、重畳レンズ35のパワー、液晶表示パネル61b,61g,61rまでの距離等を考
慮して、第1主光線PL1と第2主光線PL2とが被照明領域IS上で同一位置に入射す
るようにする。第1プリズム91の材料と、第2プリズム92の材料とは、目的とする屈
折率差を達成すべく既存の材料を組み合わせたものとして適宜選択できる。
【0037】
なお、偏光変換装置34は、システム光軸OAを挟んで両側に対称になるよう、プリズ
ム91,92等からなる複数のセルをアレイ状に含んでいる。これらのセルも、詳細な説
明を省略するが、図3に示すものと同様の構造を有しており、それぞれにおいて、反射さ
れる第1主光線PL1と、透過する第2主光線PL2とは、被照明領域IS上で同一位置
に入射するように設定されている。
【0038】
以上の説明から明らかなように、本実施形態のプロジェクタ10によれば、収束してく
る入射光を所定の1点(被照明領域IS上)に集光させる重畳レンズ35の特性に適応さ
せるように偏光変換装置34において第1主光線PL1と第2主光線PL2とを所定角度
で互いに収束させるので、第1プリズム91から射出される偏光と、第2プリズム92か
ら射出される偏光とが光軸に垂直な方向に関して異なる位置に射出されることに起因して
生じる照明光の位置ずれを防止することができる。よって、第1及び第2プリズム91,
92からの照明光を少ない位置ずれで液晶表示パネル61b,61g,61r上に重ね合
わせて入射させることができる。つまり、光源光を少ない光量ロスで有効に活用した均一
な照明光を得ることができ、高品位の画像を投射することができる。
【0039】
以下、上記実施形態のプロジェクタ10に組み込む偏光変換装置34の具体例について
説明する。図4(a)〜4(f)は、具体的なプロジェクタ10についてシミュレーショ
ンを行った結果を説明する図である。図4(a)は、第1及び第2プリズム91,92の
屈折率が等しく旧来型の構成になっている場合を説明するものである。つまり、旧来型の
特定セルを直進する第2主光線PL2に対応する照明光の液晶表示パネル上における分布
が示されている。この場合、被照明領域ISに対応する黒枠に対して照明像IIが右に偏
っている。図4(b)は、被照明領域ISと照明像IIとの位置関係をより分かり易く説
明する図である。図4(c)は、図4(a)に対応するもので、同じ特定セルを反射され
つつ通過する第1主光線PL1に対応する照明光の液晶表示パネル上における分布を示し
ており、被照明領域ISに対応する黒枠に対して照明像IIが左右に偏っていない。図4
(d)は、図4(b)に対応するもので、被照明領域ISと照明像IIとの位置関係をよ
り分かり易く説明する図である。図4(e)は、図4(a)に示す照明状態を修正した実
施例の特定セルを直進する第2主光線PL2に対応しており、被照明領域ISに対応する
黒枠に対して照明像IIが左右に偏っていない。図4(f)は、被照明領域ISと照明像
IIとの位置関係をより分かり易く説明する図である。つまり、実施例の偏光変換装置3
4では、液晶表示パネルの被照明領域ISが、図4(c)の照明光と図4(e)の照明光
とによってずれなく照明されるので、光源光を少ない光量ロスで有効に活用した均一な照
明光を得ることができる。なお、以上のシミュレーションにおいて、屈折率差n1−n2
=0.003とし、主光線の角度修正量に対応する微小角α=0.07°とし、偏光変換
装置34から被照明領域ISまでの距離を110mmとしている。
【0040】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタについて説明する。なお、第2実施形
態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを一部変更したものであり、特に説明
しない部分については第1実施形態と同様であるものとする。
【0041】
図5は、第2実施形態に係るプロジェクタに組み込まれる偏光変換部材の構成を説明す
る一部拡大図である。この偏光変換部材134の場合、第1プリズム191の屈折率と第
2プリズム192の屈折率とが等しくなっているが、偏光分離膜93と反射膜94とが互
いに平行でなく楔角βを成している。つまり、第1プリズム191と第2プリズム192
とは、断面において光入射面及び光射出面がそれぞれ一平面となるように互いに補角を成
すように配置されているものの各断面が正確に平行四辺形になっていない。偏光分離膜9
3と反射膜94との成す楔角βを調整することにより、収束してくる入射光線を所定の1
点(被照明領域IS上)に集光させる重畳レンズ35の特性に適応させるように第1プリ
ズム91から射出される第1主光線PL1の第2主光線PL2に対する収束角である微小
角αを任意に設定することができ、第1主光線PL1を第2主光線PL2側に寄せること
ができる。これにより、第1主光線PL1と第2主光線PL2とが被照明領域IS上で同
一位置に入射させることができ、光源光を少ない光量ロスで有効に活用した均一な照明光
を得ることができる。
【0042】
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態に係るプロジェクタについて説明する。なお、第3実施形
態のプロジェクタは、第1実施形態のプロジェクタを一部変更したものであり、特に説明
しない部分については第1実施形態と同様であるものとする。
【0043】
図6は、第3実施形態に係るプロジェクタに組み込まれる偏光変換部材の構成を説明す
る一部拡大図である。この偏光変換部材234の場合、第1プリズム291の屈折率と第
2プリズム292の屈折率とが等しくなっているが、両プリズム291,292の射出面
291b,292bが互いに平行でなく折角γを成している。つまり、第1プリズム29
1と第2プリズム292とは、正確な平行四辺形の断面を有していない。よって、両プリ
ズム291,292の射出面291b,292bの成す折角γを調整することにより、収
束してくる入射光線を所定の1点(被照明領域IS上)に集光させる重畳レンズ35の特
性に適応させるように第1プリズム91から射出される第1主光線PL1の、第2プリズ
ム92から射出される第2主光線PL2に対する収束角である微小角αを任意に設定する
ことができ、第1主光線PL1と第2主光線PL2とを互いに寄せることができる。これ
により、第1主光線PL1と第2主光線PL2とが被照明領域IS上で同一位置に入射さ
せることができ、光源光を少ない光量ロスで有効に活用した均一な照明光を得ることがで
きる。
【0044】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではない。
例えば、上記実施形態では、収束してくる入射光線を所定の1点(被照明領域IS上)
に集光させる重畳レンズ35の特性に適応させるように第1プリズム91から射出される
第1主光線PL1と、第2プリズム92から射出される第2主光線PL2とを微小角αで
収束させているが、重畳レンズの特性が発散してくる入射光線を所定の1点(被照明領域
IS上)に集光させる場合は、このような重畳レンズの特性に適応させて両主光線PL1
,PL2を微小角αで発散させることもできる。同様に、偏光変換部材に入射する複数の
部分光束の主光線がシステム光軸OAと平行でなく重畳レンズの特性がシステム光軸OA
に平行な入射光線を所定の1点(被照明領域IS上)に集光させる場合は、このような重
畳レンズの特性に適応させて両主光線PL1,PL2をシステム光軸OAに平行にさせる
こともできる。
【0045】
また、上記実施形態では、第1プリズム91、第2プリズム92等で構成される各セル
が同一構造を有するとしたが、各セルに屈折率の設定等が偏光変換部材に入射する複数の
部分光束の主光線の入射角に応じた異なる構造を持たせることもできる。
【0046】
上記実施形態では、光変調装置を3つ用いたプロジェクタ10の例について説明したが
、本発明は、光変調装置を1つ、2つ、あるいは4つ以上用いたプロジェクタにも適用す
ることができる。
【0047】
また、上記実施形態では、透過型のプロジェクタに本発明を適用した場合の例について
説明したが、本発明は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「
透過型」とは、液晶表示パネル等を含むライトバルブが光を透過するタイプであることを
意味しており、「反射型」とは、ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味し
ている。反射型プロジェクタの場合、ライトバルブは液晶表示パネルのみによって構成す
ることが可能であり、一対の偏光板は不要である。なお、光変調装置は液晶表示パネル等
に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
【0048】
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェ
クタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがある
が、図1のプロジェクタ10の構成は、いずれにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】第1実施形態に係るプロジェクタの光学系を示す模式図である。
【図2】プロジェクタを構成する偏光変換部材を説明するための平面図である。
【図3】偏光変換部材に入射する光束の振る舞いを説明する部分拡大図である。
【図4】(a)〜(f)は、実施例を説明する図である。
【図5】第2実施形態に係るプロジェクタ中の偏光変換部材を説明する図である。
【図6】第3実施形態に係るプロジェクタ中の偏光変換部材を説明する図である。
【符号の説明】
【0050】
10…プロジェクタ、 20…光源ランプユニット、 30…照明光学系、 31…第
1レンズアレイ、 32…第2レンズアレイ、 34…偏光変換装置、 34,134,
234…偏光変換装置、 35…重畳レンズ、 40…色分離装置、 41a,41b…
ダイクロイックミラー、 42a,42b,42c…反射ミラー、 43r,43b,4
3g…コンデンサレンズ、 45,46…リレーレンズ、 60…光変調部、 61b,
61g,61r…液晶表示パネル、 62b,62g,62r…偏光フィルタ、 70…
クロスダイクロイックプリズム、 80…投射光学系、 91…第1プリズム、 91a
…入射面、 91b…射出面、 91c…分離面、 91d…反射面、 92…第2プリ
ズム、 93…偏光分離膜、 94…反射膜、 95…位相差板、 96…マスク、 I
1…入射角、 I2…射出角、 IS…被照明領域、 OA…システム光軸、 PL0…
主光線、 PL1…第1主光線、 PL2…第2主光線、 α…微小角、 β…楔角、
γ…折角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源光を発生する光源と、
前記光源光の偏光方向を揃える偏光変換装置と、
前記偏光変換装置を経た照明光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置で変調された光を投射する投射光学系とを備え、
前記偏光変換装置は、
平行四辺形状の断面を有する四角柱の外形を有し、互いに略平行な入射面及び射出面と
、前記入射面及び前記射出面に対して共に傾斜し互いに略平行な分離面及び反射面とを有
する第1プリズムと、
前記第1プリズムの前記分離面上に形成され、前記入射面からの前記入射光のうち第1
の偏光を透過し第2の偏光を反射することによって偏光の分離を行う偏光分離素子と、
前記第1プリズムの前記反射面上に形成され、前記偏光分離素子で反射された前記第2
の偏光の光路を折り曲げる反射素子と、
前記偏光分離素子を介して前記第1プリズムの反対側に略補角を成すように配置される
第2プリズムとを有し、
前記反射素子で反射されて前記第1プリズムの射出面から射出される偏光の第1主光線
と、前記偏光分離素子を透過して前記第2プリズムの射出面から射出される偏光の第2主
光線とを、所定角度で互いに収束又は発散させることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
前記第1主光線及び前記第2主光線は、前記第1プリズムの前記入射面に同一の光路で
略垂直に入射する請求項1記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記偏光変換装置は、前記第1主光線及び前記第2主光線を、前記光変調装置の被照明
領域の位置で交差させる請求項1及び請求項2のいずれか一項記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記第1プリズムの前記入射面と、前記第1プリズムの前記射出面と、前記第2プリズ
ムの前記射出面とは、互いに平行であり、前記第1プリズムの屈折率は、前記第2プリズ
ムの屈折率とは異なる請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記偏光分離素子と前記反射素子とは、互いに非平行で所定の楔角を成す請求項1から
請求項3のいずれか一項記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記第1プリズムの前記射出面と、前記第2プリズムの前記射出面とは、互いに非平行
で所定の折角を成す請求項1から請求項3のいずれか一項記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記第1プリズムの前記射出面と前記第2プリズムの前記射出面とのいずれか一方に対
向して、当該一方の射出面からの射出光の偏光方向を他方射出面からの射出光の偏光方向
に一致させる位相差板をさらに備える請求項1から請求項6のいずれか一項記載のプロジ
ェクタ。
【請求項8】
前記偏光変換装置は、前記第1プリズムと、前記偏光分離素子と、前記反射素子と、前
記第2プリズムとをそれぞれ含む複数組のユニットが光軸に垂直な所定方向に繰り返し配
列され、前記複数組のユニットからの射出光を前記光変調装置の被照明領域において重畳
させる重畳レンズをさらに備える請求項1から請求項7のいずれか一項記載のプロジェク
タ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−145483(P2008−145483A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−329222(P2006−329222)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】