説明

プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】 小型低コスト化が可能で、かつ、画像品質を損なうことなく画像の出力を行うことができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 ベルト感光体を用いてEH現像手段を重畳的に配置することにより、ベルト感光体サイズの小型化、現像、露光、帯電手段の略共通形状化、そして装置全体の小型低コスト化が、画像品質などを損なうことなく実現できる。また、現像カートリッジの各ユニットを夫々着脱可能にすることにより、カートリッジの小型化・メンテナンスの容易化を実現している。さらに、各現像カートリッジに対応可能なケーシングを用いることによって、カートリッジの大きさ・個数に関わらずユーザの所望するカートリッジを適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式のプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関し、特に、画像形成装置に設置される現像装置に移相電界によってトナー粒子が移動可能な静電搬送面を有する静電搬送部材を使用したプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写装置、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置として、像担持体上に静電潜像を形成し、この潜像に粉体である現像剤(以下、「トナー粒子」という)を付着させることでトナー像として現像する電子写真方式が知られている。
【0003】
ここで、潜像を現像する現像装置として、特許文献1に開示された発明が知られている。特許文献1は、移相電界のエネルギーを粉体であるトナー粒子に与えることによって、静電搬送部材の表面でトナー粒子を水平方向および垂直方向に移動させる現像装置に関するものである。かかる現像装置においては、トナー粒子は移相電界によって像担持体と現像装置との対向部である現像領域に移送され、現像領域において像担持体上の潜像の画像部に付着する。
【0004】
また、画像形成装置の小型化も進んでおり、特許文献2、3に開示された発明が知られている。特許文献2は、帯電器や現像器のメンテ、交換や現像剤の補給が容易で、各機材間の位置精度が保たれ良好な画像の得られる画像形成装置、特に、トナー像の重ね合わせによる良好なカラー画像の得られるカラー画像形成装置に関するものである。
【0005】
また、特許文献3は、現像材を確実に搬送し、かつ、小型化が可能で、配置位置も特に限定されず自由度の高い現像装置と、これを備える画像形成装置に関するものである。
【特許文献1】特開2003−280388号公報
【特許文献2】特開平8−339110号公報
【特許文献3】特許第3530124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
イメージオンイメージによる方式のカラー画像形成装置は、感光体が1つにも関わらずタンデム方式と同等の高速画像形成が可能であり、カラーレジストレーションが容易、転写工程が1回で済み高安定、高画質であるなど多くの優れた特徴をもつ。しかし、現像装置は感光体上のトナー像を乱さずに2色目以降の現像を行う必要があり、従来の乾式1成分あるいは乾式2成分現像方式では満足に実用化できていない。
【0007】
これに関し、富士ゼロックス(株)は、商品名「iGen(登録商標)3」にてパウダークラウド現像方式を用いることで、このイメージオンイメージによる方式のカラー画像形成装置を実用化した。しかし、現像装置の構成が複雑で極めて大型化しており、小型低コストとはなっていない。
【0008】
本発明者らは、トナー静電搬送手段を用いた現像装置は現像領域で感光体に対して非磁性、非接触であり、しかも現像電界は一方向で反転することが無いことから感光体上にトナー像や紙粉に代表される汚染物質があっても現像装置に流入することがないので、これまで実用化できていなかった、小型低コストのイメージオンイメージ方式のカラー画像形成装置に最適であると考え、特に、小型化をどのように実現するかを課題とした。
【0009】
イメージオンイメージによる方式の画像形成装置は、1つの感光体に対し帯電、露光、現像工程を複数色分、順次配置するので、感光体ドラムを用いた場合、順次配置するスペースを確保すると直径が極めて大きくなり、従来のタンデム方式などに比べ大型化してしまう。特に、露光ユニットが感光体ドラムを中心に放射状に配置されることになり、極めてスペース効率が低下する。
【0010】
これを避ける為に、小型LEDA光源を透明感光体内部に配置する提案もあるが、現在主流のレーザー露光手段に比べ光量や画素ピッチの均一性に劣り、コストも高く好ましくない。また透明感光体は基材の選択肢が狭く大幅なコストアップ要因となる。
【0011】
上記の問題点に鑑み、本発明は、小型低コスト化が可能で、かつ、画像品質を損なうことなく画像の出力を行うことができるプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、像担持体上の静電潜像を現像するための現像手段を有し、画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジであって、移相電界によってトナー粒子が移動可能な静電搬送面を有する静電搬送部材と、現像に使用するためのトナー粒子を格納するためのトナー格納部と、トナー格納部から静電搬送面へトナー粒子を供給するための供給手段と、像担持体を帯電させるための帯電手段とを有し、像担持体は、プロセスカートリッジ本体から着脱が可能であり、帯電手段と現像手段とが一体化されていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプロセスカートリッジにおいて、一体化された帯電手段と現像手段とは、分離可能であることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のプロセスカートリッジにおいて、同一姿勢に配置された少なくとも2以上のプロセスカートリッジをさらに有し、2以上のプロセスカートリッジが、画像形成装置から同時に着脱可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のプロセスカートリッジにおいて、同一姿勢に配置されたブラックと、マゼンタと、シアンと、イエローとの4色の各プロセスカートリッジと、同一姿勢に4色の各カートリッジ以外の補完色を備えたプロセスカートリッジとをさらに有し、プロセスカートリッジのうち、少なくとも2以上のプロセスカートリッジが、画像形成装置から同時に着脱可能であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、像担持体上に静電潜像を露光するための露光手段をさらに有し、露光手段と、帯電手段と、現像手段と、が一体化されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のプロセスカートリッジにおいて、複数のプロセスカートリッジを同一姿勢に配置するための指示部材と、プロセスカートリッジの有する色を認識するためのセンサとをさらに有し、画像形成装置に対して、ユーザの所望する任意の色・個数のプロセスカートリッジを設置することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のプロセスカートリッジにおいて、支持部材は、画像形成装置内に設置されたプロセスカートリッジと大きさの異なるプロセスカートリッジを支持することを特徴とする。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、帯電手段は、スコトロンチャージャ方式であることを特徴とする。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、帯電手段は、非接触帯電ローラ方式であることを特徴とする。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、帯電手段は、固体放電方式であることを特徴とする。
【0022】
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、像担持体は、ベルト状であることを特徴とする。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項2から11のいすれか1項に記載のプロセスカートリッジにおいて、画像形成装置の初期状態では、各色共通で使用することができる。
【0024】
請求項13に記載の発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジを装填可能な画像形成装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
以上、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置によれば、小型低コスト化が可能で、かつ、画像品質を損なうことなく画像の出力を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、発明者らが鋭意開発しているEH現像手段が、現像領域で感光体に対して非磁性、非接触であり、しかも、現像電界は一方向で反転することが無いことから、感光体上にトナー像や紙粉に代表される汚染物質があっても現像装置に流入することがなく、しかも現像感度が高く、必要帯電電位を従来の現像方式(およそ450V)に比べて2/3以下である300V以下で現像できる点に着目し、ベルト感光体を用いて現像手段を重畳的に配置したので、ベルト感光体サイズの小型化、現像、露光、帯電手段の略共通形状化、そして装置全体の小型低コスト化が画像品質などを損なうことなく実現することが可能である。
【0027】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1は、本実施形態におけるプロセスカートリッジを、画像形成装置に適用した場合の一例を示すブロック図である。
【0028】
本実施の形態における画像形成装置は、像担持体11と、転写ローラ2と、定着装置3と、各書込装置4K,4M,4C,4Yと、給紙装置5と、各現像カートリッジ6K,6M,6C,6Yとを備えている。なお、書込装置4と現像カートリッジ6とにおけるK,M,C,Yは、それぞれ、ブラック,マゼンタ,シアン,イエローの各色のトナーを示している。
【0029】
像担持体11は、負帯電の有機感光体をベルト形状に構成したものであり、図示を省略した回転駆動機構によって矢印方向に回転されるようにして備えられている。像担持体11には、現像カートリッジ6K,6M,6C,6Y、および、後述する帯電装置が、各色ごとに対向しており、像担持体11の移動にしたがって順次トナー像を像担持体11上に重ねていくように構成されている(シングルパスカラー方式)。
【0030】
給紙装置5は、記録用紙等の転写材を格納し、また、画像形成時に転写材を搬送開始させるものである。定着装置3は、転写材上に形成された未定着のトナー像を固定するためのものである。
【0031】
画像形成時には、給紙装置5から送られた転写材が像担持体11と転写ローラ2との接触部へと搬送される。そして、像担持体11と転写ローラ2との接触部において像担持体11上に形成されたフルカラー画像が、転写ローラ2に印加された電圧によって転写材上に転写される。その後、転写材が定着装置3に到達すると、転写材上のトナー像は加熱ローラ3aおよび加圧ローラ3bにおいて、挟まれつつ加熱されることによって転写材上に定着させられ、転写材上に可視像が形成されることになる。
【0032】
6K,6M,6C,6Yは、それぞれ、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローのトナー像を現像するための現像カートリッジである。この現像カートリッジは、図3に示すように、像担持体11が退避する事によって開放された空間から着脱可能となっており、作業者による交換が可能となっている。
【0033】
書込装置4K,4M,4C,4Yは、画像情報に従って帯電後の像担持体11にそれぞれ、ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー色に対応した潜像を書き込むための装置である。ポリゴンを用いた光走査装置やLEDアレイ等、種々のものを使用する事ができる。
【0034】
図2は、現像カートリッジ6の構成を示すブロック図である。なお、各色の現像カートリッジ6は同一構造であるので、1つのみを説明する。
【0035】
本実施形態の現像カートリッジ6は、帯電装置12と、現像装置13と、クリーニング装置14とを備える。
【0036】
帯電装置12は、像担持体11の表面を一様帯電させるためのものである。本実施形態では、コロナ帯電を採用するものとする。コロナ帯電の如く、非接触の帯電手段を用いれば、上流側の現像カートリッジ6によって形成されたトナー像を乱すことなく像担持体11を帯電させる事ができる。
【0037】
帯電装置12と現像装置13とは、ケーシング1によって一体化されており、現像カートリッジ6を交換する時に同時に着脱できる。また、ケーシング1から、帯電装置12と現像装置13とを別々に取り外すことも可能である。
【0038】
現像装置13は、粉体であるトナー粒子を搬送、現像、回収する電界を発生するための複数の電極を有するローラ状の静電搬送部材13aを備えている。静電搬送部材13aは、画像形成時には、像担持体11に対して50〜1000μm、好ましくは150〜400μmの間隙をあけて非接触に対向している。
【0039】
この静電搬送部材13aの構成について、図4を参照しながら詳細に説明する。
図4は、静電搬送部材13aの像担持体11側表面を拡大した断面図である。
【0040】
静電搬送部材13aは、支持基板101上に複数の電極102、102、102・・・を、n本を1セットとして、トナー移動方向に沿って所要の間隔で配置し、この上に搬送面を形成する絶縁性の搬送面形成部材となり、かつ、電極102の表面を覆う保護膜となる、無機又は有機の絶縁性材料で形成した表面保護層103を積層したものである。
【0041】
本実施形態における支持基板101としては、ガラス基板、樹脂基板或いはセラミックス基板等の絶縁性材料からなる基板や、或いは、SUSなどの導電性材料からなる基板にSiO2等の絶縁膜を成膜したものや、ポリイミドフィルムなどのフレキシブルに変形可能な材料からなる基板などを用いることができる。
【0042】
電極102は、支持基板101上にAl、Ni−Cr等の導電性材料を0.1〜10μm厚、好ましくは0.5〜2.0μmで成膜し、所要の電極形状にパターン化して形成している。これらの複数の電極102の粉体進行方向における幅Lは、移動させる粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下とし、かつ、電極102、の粉体進行方向の間隔Rも移動させる粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下としている。
【0043】
表面保護層103としては、例えば、SiO2、TiO2、TiO4、SiON、BN、TiN、Ta25などを厚さ0.5〜10μm、好ましくは厚さ0.5〜3μmで成膜して形成している。
【0044】
図4において、各電極102から伸びる線は、各電極102に電圧を印加するための導電線を表している。各線の重なる部分のうち、黒丸で示した部分だけが電気的に接続されており、他の部分は電気的に絶縁状態である。各電極102に対しては、本体側の電源からn相の異なる駆動電圧が印加される。本実施形態では、3相の駆動電圧が印加される場合(n=3)について説明するが、本発明はトナー粒子が搬送される限りにおいてn>2を満たす任意の自然数nについて適用可能である。
【0045】
本実施形態では、各電極102はプロセスカートリッジ側の接点S11、S12、S13,S21、S22、S23のいずれかに接続されている。各接点は、プロセスカートリッジが画像形成装置本体に装着された状態においては、それぞれ駆動波形V11,V12,V13,V21,V22,V23を与える本体側電源と接続される。ここで、プロセスカートリッジ側の接点S11,S12,S13,S21,S22,S23は、図9に示すように、プロセスカートリッジの外側(現像カートリッジ6の外壁面)に露出しており、プロセスカートリッジが装着されると、本体側の接点と接続して本体側電源から電力が供給される。
【0046】
静電搬送部材13aは、トナー粒子を像担持体11近傍まで移送し、また現像領域を通過した後の現像に寄与しなかったトナー粒子を回収するための搬送領域と、像担持体11の潜像にトナー粒子を付着させてトナー像を形成するための現像領域とに分けられる。現像領域は、像担持体11に近接した領域のみに存在する。一方、搬送領域は、静電搬送部材13aの周上、現像領域以外の全域に存在する。以下、トナー粒子が位相電界によって移動可能な領域を「静電搬送面」と呼ぶ。
【0047】
本実施形態の場合では、静電搬送部材13aの表面全体が静電搬送面になる。搬送領域では、各電極102に対して駆動波形V11,V12,V13が印加され、現像領域では、各電極102に駆動波形V21,V22,V23が印加される。
【0048】
次に、静電搬送部材13aにおけるトナーの静電搬送の原理について説明する。静電搬送部材13aの複数の電極102に対してn相の駆動波形を印加することにより、複数の電極102によって移相電界(進行波電界)が発生し、静電搬送部材13a上の帯電したトナー粒子は反発力及び/又は吸引力を受けて移送方向に移動する。
【0049】
例えば、静電搬送部材13aの複数の電極102に対して、図5の(A)に示すように、グランドG(0V)と正の電圧+との間で変化する3相のパルス状駆動波形を、タイミングをずらして印加する。このとき、図5(B)に示すように、静電搬送部材13a上に負帯電トナーTがあり、静電搬送部材13aの連続した複数の電極102に、それぞれ「G」,「G」,「+」,「G」,「G」が印加された(1)とすると、負帯電トナーTは「+」の電極102上に位置する。
【0050】
次のタイミングで、複数の電極102には、それぞれ「+」,「G」,「G」,「+」,「G」が印加される(2)。負帯電トナーTには、左側の「G」の電極102との間で反発力が作用し、右側の「+」の電極102との間で吸引力が作用するので、負帯電トナーTは「+」の電極102側に移動する。
【0051】
さらに、次のタイミングで複数の電極102にはに示すようにそれぞれ「G」、「+」、「G」、「G」、「+」が印加され、負帯電トナーTには同様に反発力と吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電トナーTは更に「+」の電極102側に移動する。
【0052】
このように、複数の電極102に対して、電圧の変化する複相の駆動波形を印加することで、静電搬送部材13a上には進行波電界が発生し、負帯電トナーはこの進行波電界の進行方向に移動する。なお、正帯電トナーの場合には、駆動波形の変化パターンを逆にすることで同様に同方向に移動することになる。
【0053】
ここで、本実施形態において、静電搬送部材13aの搬送領域では、各電極102に対して図6に示すように、3相の駆動波形(駆動パルス)V11,V12,V13を印加する。この3相の駆動波形V11,V12,V13は、各相の+100Vの印加時間taを、繰り返し周期tfの1/3である約33%に設定した(これを「搬送電圧パターン」という)ものである。また、この駆動波形は、搬送領域においてトナー粒子を高速搬送させるのに適した波形である事が、本出願人の研究から分かっている。
【0054】
一方、現像領域では、各電極102に対して図7に示すように、3相の駆動波形(駆動パルス)V21,V22,V23を印加する。この3相の駆動波形V21,V22,V23は、各相の+100V又は0Vの印加時間taを繰り返し周期tfの2/3である約67%に設定した(これを「現像電圧パターン」という)ものである。また、現像領域では、トナー粒子を積極的に像担持体に向かって打ち上げることが好ましく、図7の駆動波形は、トナー粒子を打ち上げるのに適していることが本出願人の研究から分かっている。
【0055】
なお、現像電圧パターンの駆動波形を印加した場合であっても、0V電極のセンターに位置したトナー以外は横方向への力も受ける。したがって、すべてのトナーが一斉に高く打ち上げられるというものではなく、水平方向に移動するトナーもある。逆に、搬送電圧パターンの駆動波形を印加した場合であっても、トナーの位置によっては、大きな角度で斜めに打ち上げられて水平に移動するよりも上昇距離の方が大きいものもある。
【0056】
したがって、搬送領域において各電極102に印加する駆動波形パターンは、前述した図6に示す搬送電圧パターンに限定されるものではなく、また、現像領域の各電極102に印加する駆動波形パターンも、前述した図7に示す現像電圧パターンに限定されるものではない。
【0057】
ここまでは、駆動波形は3層の場合について説明したが、これをn相に一般化すると、次のようになる。
【0058】
各電極に対してn相(nは3以上の整数)のパルス状電圧(駆動波形)を印加して進行波電界を発生させる場合、1相あたりの電圧印加時間が、{繰り返し周期時間×(n−1)/n}未満となる電圧印加デューティとすることによって、搬送、現像の効率を上げることができる。例えば、3相の駆動波形を用いる場合には、上述したように、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間tfの2/3である約67%未満に設定し、また、4相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間の3/4である75%未満に設定することが好ましい。
【0059】
他方、電圧印加デューティは、{繰り返し周期時間/n}以上に設定することが好ましい。例えば、3相の駆動波形を用いる場合には、各相の電圧印加時間taを繰り返し周期時間tfの1/3である約33%以上に設定することが好ましい。
【0060】
すなわち、注目電極に印加する電圧と、進行方向上流側隣接電極及び下流側隣接電極に印加する各電圧との間には、上流側隣接電極が反発、下流側隣接電極が吸引、という時間を設定することによって効率を向上することができる。特に、駆動周波数が高い場合には、{繰り返し周期時間/n}以上で、かつ、{繰り返し周期時間×(n−1)/n}未満の範囲内に設定することにより、注目電極上のトナーに対する初期速度が得られやすくなる。
【0061】
なお、上記の静電搬送部材の説明は、ベストモードと考えられるものを説明したが、所望の搬送/現像性能が得られるのであれば、現像領域と搬送領域とで電極102間の間隔を異ならせて電界の方向を調整しても良いし、あるいは現像領域と搬送領域で電極の間隔および駆動波形を同一としても良い。
【0062】
また、現像装置13には、静電搬送部材13aへトナー粒子を供給するための供給ローラ13bが配置されており、供給ローラ13bと静電搬送部材13aとの対向部分では磁気ブラシが形成されている。供給ローラ13bの表面では、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形にした非磁性スリーブが形成されている。この非磁性スリーブが、不図示の回転駆動機構によって時計回り方向に回転されるようになっている。
【0063】
現像剤の搬送方向における現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、すなわち、スリーブ上の現像剤量を規制するためのドクタブレード13cが設置されている。このドクタブレード13cと非磁性スリーブとの間隔であるドクタギャップは0.4mmに設定されている。更に、供給ローラ13bから見て像担持体11とは反対側領域に、現像装置13内の現像剤を攪拌しながら供給ローラ13bへ汲み上げるための2つのスクリュー13dが設置されている。
【0064】
上述した供給ローラ13b内には、非磁性スリーブの周表面に現像剤の穂立ちを生じるように磁界を形成する磁石ローラ体(磁石ローラ)が固定状態で備えられている。この磁石ローラ体から発せられる法線方向の磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが非磁性スリーブ上にチェーン状に穂立ちを起こす。そして、このチェーン状に穂立ちを生じたキャリアに帯電トナーが付着されて、磁気ブラシが構成される。この磁気ブラシは、非磁性スリーブの回転によって非磁性スリーブと同方向に移送されることとなる。
【0065】
また、磁石ローラ体は、複数の磁極(磁石)を備えている。具体的には、図8に示すように、現像領域部分に現像剤の穂立ちを生じる現像主磁極P1と、非磁性スリーブ上に現像剤を汲み上げるための磁極P4および磁極P5と、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁極P6と、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2と、剤離れ磁極P3とを備えている。
【0066】
なお、本実施形態では、磁石ローラ体をP1〜P6の6極の磁石によって構成しているが、8極や12極で構成してもよい。図8において、供給ローラ13bの表面に描かれた曲線は、法線磁力パターンの概略を示すものであり、「N」、「S」の記号は各磁極の供給ローラ13bにおける表面側の極性が、それぞれN極、S極であることを示している。
【0067】
現像手段13内には、図示しないトナー粒子および磁性キャリアが格納されている。本発明を実施する上では、特にキャリア粒子およびトナー粒子を限定する必要はないが、以下に、本実施形態における態様を説明する。
【0068】
本実施形態のトナー粒子は、バインダー樹脂としてスチレン系またはアクリル系の重合性単量体を重合開始剤と共に水中に分散させた状態でラジカル重合させたものや、あるいは、ポリエステル系樹脂を水中に分散させ重付加反応により高分子化させたものなどを用いる。そして、これに着色剤、帯電制御剤などを加えて造粒することによって、重量平均粒径約5μmの非磁性トナー粒子を得る。
【0069】
また、本実施形態の磁性キャリアは、1キロエルステッドの磁界中における磁化量が、30emu/cm3以上、200emu/cm3以下の範囲にあるキャリアであることが望ましい。磁化量が、200emu/cm3以下、好ましくは140emu/cm3以下の低磁化であれば、隣り合う磁気ブラシの磁気的な相互作用が小さくなり、形成される磁気ブラシの穂が緻密に、かつ、短くなる。
【0070】
この結果、静電搬送部材13aに対して均一なトナー粒子の供給が達成できる。一方、磁性キャリアの磁化量が30emu/cm3未満の場合には、現像剤の搬送性能が劣ってしまう。このため、磁性キャリアの磁化量は30emu/cm3以上、好ましくは、80emu/cm3以上であることが好ましい。本実施形態では、磁性キャリアとして、少なくともバインダー樹脂と、磁性金属酸化物及び非磁性金属酸化物と、からなる重合法により生成された磁性体が分散されている樹脂磁性キャリアを用いる。
【0071】
具体的には、磁性金属酸化物としては、マグネタイト(Fe34)を用いる。また、金属酸化物を分散させて結着させるバインダー樹脂としては、スチレン、アクリル酸エチルなどのビニル系モノマーを重合して得られる樹脂を用いる。磁性体がバインダー樹脂中に分散されているキャリアをそのまま用いてもよいが、これをキャリアコアとして用い、絶縁性樹脂をコート剤とし、キャリアコア表面に被覆してコート磁性キャリアとして用いるとよい。
【0072】
磁化量は、キャリアの磁気特性を、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置にて、1キロエルステッドの外部磁場中に、円筒状の容器内にパッキングした磁性キャリアを置き、その際に測定して得た磁化の強さにキャリアの真比重を掛けることで算出することができる。
【0073】
次に、本実施形態におけるプロセスカートリッジの動作を説明する。
【0074】
本実施形態の画像形成装置は、複写機およびプリンタとして機能することができる画像形成装置である。複写機として機能する際には、スキャナから読み込まれた画像情報がA/D変換、MTF補正、階調処理等の種々の画像処理を施されて書き込みデータに変換される。プリンタとして機能する際には、コンピュータ等から転送されるページ記述言語やビットマップ等の形式の画像情報に対して画像処理が施されて書き込みデータに変換される。
【0075】
画像形成に先駆けて、像担持体11は、表面の移動速度が所定の測度となるように図2の矢印方向、すなわち、反時計回り方向に回転を始める。また、帯電装置12は、像担持体11の回転に連動して回転させられる。このとき、帯電装置12の芯金には、帯電バイアス印加電源から−100Vの直流電圧、および、振幅1200V周波数2kHzの交流電圧が印加される。これにより、像担持体11の表面が約−100Vに帯電されることになる。
【0076】
帯電された像担持体11に対して、書込装置4(4K,4M,4C,4Y)は、書き込みデータに応じた露光を行なう。すなわち、光照射によって画像部の電位を変化させることにより、光照射されなかった非画像部の電位との差を発生させて、この電位コントラストによる静電潜像を形成する。
【0077】
書込装置4によって像担持体11上に形成された静電潜像は、現像装置13によって現像される。そして、画像部にトナー粒子が付着することにより、トナー像として像担持体11上に可視化される。移相電界による現像では、トナー粒子が静電搬送部材13aの表面を跳びはねながら移動し、像担持体11に近接した際に、画像部に吸着するように付着して現像が行なわれる。本実施形態では、静電搬送基板13aに対して−50V、供給ローラ13bに対して−250Vの電圧がそれぞれ印加される。これによって、供給ローラ13bから静電搬送基板13aへと、さらに、静電搬送基板13aから像担持体11上の画像部へと、トナー粒子を導く電界が形成される。
【0078】
像担持体11上に形成されたトナー像が転写ローラ2と像担持体11との対向部に当たる転写部に到達するタイミングと同時に、給紙装置5から転写材が搬送される。そして、像担持体11上のトナー像は、転写ローラ2に印加された電圧により転写材へと転写される。転写されたトナー像は、定着装置3によって転写材に定着されて画像が出力される。
【0079】
一方、転写されずに像担持体11上に残留したトナー(転写残トナー)は、クリーニング装置14によって清掃され、清掃後の像担持体11の表面は、次回の画像形成のために使用される。
【0080】
次に、像担持体上にトナー像を形成させる動作について説明する。
【0081】
まず、帯電装置12によって像担持体11の表面が一様に帯電される。すでに像担持体11上にトナー像が形成されている場合であっても、トナー像を含め像担持体11の表面が一様に帯電されることになる。次いで、書込装置4から画像情報に応じた光ビームが照射される。光ビームは、帯電装置12と現像カートリッジ6との間を通過するため、すでに一様帯電された像担持体11に対して光ビームが照射されることとなり、負帯電性の感光体である像担持体11の表面では画像部に対応する領域が除電されて潜像が形成される。
【0082】
現像カートリッジ6は、上述したように、像担持体11上に形成された潜像の画像部にトナー粒子を付着させて、潜像をトナー像として可視化する。以上の帯電、光ビーム照射、現像の工程が上述のように各現像カートリッジ6との対向部において繰り返され、像担持体11上に4色のトナー像が重ねられたフルカラー画像が形成されることになる。
【0083】
なお、本実施形態の画像形成装置では、像担持体11の表面上の転写残トナー粒子を回収するためのクリーニング部材は設けていない。転写残トナー粒子は像担持体11表面に残留したままとなるが、4つの各現像カートリッジ6内に設けられた帯電装置12によって帯電され、やがて転写材に転写されて像担持体11上から除去される。転写残トナー粒子が転写材に転写されると多少の画像の乱れが生じるが、わずかの乱れであれば視覚的に認識されない。
【0084】
また、本実施形態の画像形成装置では、複数のカートリッジを同時に着脱することも可能である。図10は、複数のカートリッジを同時に着脱する場合を示す図である。上述したように、現像カートリッジ6K,6M,6C,6Yは、それぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエローのトナー像を現像するための現像カートリッジと帯電装置が一体化されたカートリッジである。
【0085】
この現像カートリッジは、図10に示すように、像担持体11が退避する事で開放された空間から着脱可能となっており、作業者による交換が可能となっている。また、現像カートリッジ6K,6M,6C,6Yのうち、少なくとも2つ以上のカートリッジ(図10では、6M,6C,6Y)がケーシング2によりパッケージングされて同時に着脱が可能となる。
【0086】
さらに、上述した4色のカートリッジの他のカートリッジを増設することも可能である。図11は、4色のカートリッジの他に、さらにカートリッジを増設して、同時に着脱する場合を示す図である。
【0087】
現像カートリッジ6K,6M,6C,6Yは、それぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエローのトナー像を現像するための現像カートリッジと帯電装置が一体化されたカートリッジである。さらに、プロセス色のブラック、マゼンタ、シアン、イエローのほかに、色の再現性を良くするために、光の三原色であるR,G,B(レッド、グリーン、ブルー)のトナー像を現像するための現像カートリッジや、グレーのトナー像を現像するための現像カートリッジなどを加えることができるスペースを設けている。
【0088】
一方、消色トナーの現像カートリッジなどを増設することも考えられる。また、増加された現像カートリッジの数に応じた書込装置が増設されることになる。この現像カートリッジは、図11に示すように、像担持体11が退避する事で開放された空間から着脱可能となっており、作業者による交換が可能となっている。また、上述したプロセス色の現像カートリッジ、増加された現像カートリッジの少なくとも2つ以上のカートリッジ(図11では、6M,6C,6Y)がケーシング3によりパッケージングされ同時に着脱が可能となる。
【0089】
また、本実施形態のプロセスカートリッジによれば、カートリッジ内の複数のユニットが一体になっているので、メンテナンス等の際に同時に着脱することができる。図12にその一例を示す。
【0090】
帯電装置12は、像担持体11の表面を一様帯電させるためのものである。本実施形態では、コロナ帯電を採用するものとする。コロナ帯電の如く、非接触の帯電手段を用いれば、上流側の現像カートリッジによって形成されたトナー像を乱すことなく像担持体11を帯電させる事ができる。
【0091】
帯電装置12と現像装置13とは、ケーシング4によって一体化されており、現像カートリッジ6を交換する時に同時に着脱できる。また、ケーシング4から、帯電装置12と現像装置13とを別々に取り外すことも可能である。
【0092】
さらに、帯電装置12と現像装置13との間に書込装置4’が設置されている。この書込装置4’も、ケーシング4により帯電装置12と現像装置13と一体化されていて、現像カートリッジを交換する時に同時に着脱できる。この書込装置には、小型のLEDアレイやポリゴンを用いた光走査装置等、種々のものを使用する事ができる。
【0093】
また、本実施形態のプロセスカートリッジによれば、任意の色、個数のカートリッジを設置することができる。図13にその一例を示す。
【0094】
現像カートリッジ6K,6M,6C,6Yは、それぞれブラック、マゼンタ、シアン、イエローのトナー像を現像するための現像カートリッジと帯電装置が一体化されたカートリッジである。さらに、プロセス色のブラック、マゼンタ、シアン、イエローのほかに、色の再現性を良くするために、R,G,B(レッド、グリーン、ブルー)のトナー像を現像するための現像カートリッジや、グレーのトナー像を現像するための現像カートリッジなどを加えることができるスペースを設けている。
【0095】
一方、消色トナーの現像カートリッジなどを増設することも考えられる。図13では、カラープロセスカートリッジを用いた場合を示しているが、この他にも、ブラック、レッドの2色の現像カートリッジでの構成なども考えられる。もちろん、ブラック単色のみの構成でも可能であり、この場合に使用しないスペースに複数の同色のカートリッジを入れることも可能である。
【0096】
この構成の利点としては、現像を分散することができるので、カートリッジの耐久性の向上、トナーの格納量の増大などが考えられる。この現像カートリッジは、像担持体11が退避する事で開放された空間から着脱可能となっており、作業者による交換が可能となっている。
【0097】
また、頻繁に使用するカートリッジの大きさを大きくすることにより、カートリッジの耐久性を向上することも可能である。図14に示すように、ブラック単色での使用はカラーでの使用よりも多いと予想される場合のため、6Kのブラックの現像カートリッジは、6M,6C,6Yのマゼンタ、シアン、イエローの現像カートリッジと比較しても、カートリッジの容積が大きくなり、トナー収納容量が増加されている。
【0098】
また、帯電装置12、書込装置4、現像装置13が大きくできるため、プロセス設計に余裕ができる。したがって、ブラック単色でのプロセス線速を速くすることができる。さらには、筐体の剛性が向上して耐久性が向上する。また、頻繁にブラック単色を使用しない場合には、6M,6C,6Yのマゼンタ、シアン、イエローの現像カートリッジと容積が同じ大きさのブラック現像カートリッジを、ケーシング6内の6Kブラック現像カートリッジの位置に挿入するれば良い。
【0099】
また、本実施形態では、非接触の帯電手段を用いることにより、上流側の現像カートリッジによって形成されたトナー像を乱すことなく像担持体を帯電させる事ができる。図15は、非接触の帯電手段として非接触帯電ローラを、図16は、固体放電素子を、それぞれ設けることによって実現している。なお各色の現像カートリッジは同一構造であるので1つのみを説明する。
【0100】
図15は、本実施形態のプロセスカートリッジにおいて、非接触帯電ローラを用いた場合を示す図である。図15において、非接触帯電ローラ12Aは、像担持体11の表面を一様帯電させるための帯電装置である。この非接触帯電ローラ12Aは、像担持体11の表面との間に、50μm〜100μm程度の間隙を形成して設置された導電性ローラに電圧を印加しておき、間隙中で起きるコロナ放電によって帯電させる方式である。また、帯電を安定させるため、ACバイアスを印加させても良い。コロナ帯電方式と同様に非接触の帯電手段であるので、上流側の現像カートリッジによって形成されたトナー像を乱すことなく像担持体11を帯電させる事ができる。
【0101】
また、図16は、本実施形態のプロセスカートリッジにおいて、固体放電素子を用いた場合を示す図である。図16において、固体放電素子12Bは、像担持体11の表面を一様帯電させるための帯電装置である。固体放電素子を用いた帯電方式は、セラミックのような薄い絶縁体板を挟んで帯状の電極が構成されている。これに高周波のACバイアスを印加させると、沿面コロナ放電によりイオンを生じさせて帯電させる方式である。コロナ帯電方式と同様に非接触の帯電手段であるので、上流側の現像カートリッジによって形成されたトナー像を乱すことなく像担持体11を帯電させる事ができる。
【0102】
図15、図16において、帯電装置12と現像装置13とは、ケーシングによって一体化されており、現像カートリッジ6を交換する時に同時に着脱できる。また、ケーシング4から、帯電装置12と現像装置13とを別々に取り外すことも可能である。
【0103】
また、帯電装置12と現像装置13との間に書込装置4’が設置されている。この書込装置4’も、ケーシング4により帯電装置12と現像装置13と一体化されていて、現像カートリッジを交換する時に同時に着脱できる。この書込装置には、小型のLEDアレイやポリゴンを用いた光走査装置等、種々のものを使用する事ができる。
【0104】
さらに、本実施形態のプロセスカートリッジは、各色共通化を視野に入れており、画像形成装置が初期状態のときに、カートリッジ内の現像装置にキャリアのみが入っている状態にトナーを補給することも可能である。また、何も入っていない状態にトナーとキャリアを補給するということも考えられる。カートリッジ各色共通化の利点としては、色によるプロセスカートリッジの区別がないので、各オフィスでのカートリッジ在庫数を削減することができ、また、サービスマンが携帯するカートリッジ数を削減することも可能である。
【0105】
なお、本実施の形態は、上述したものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々変更が可能である。例えば、本実施形態を適用できるシステムとしては、静電搬送部材を使用した現像方式のフルカラー機として描かれているが、これは画像形成装置の代表例として描いているだけであり、中間転写ベルト、転写ドラム、中間転写ドラムなどを用いたカラ−画像形成装置、モノクロ画像形成装置などにも適用可能である事はいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本実施形態におけるプロセスカートリッジを、画像形成装置に適用した場合を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における現像カートリッジ6の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態におけるプロセスカートリッジを、像担持体11が退避する事によって開放された空間から着脱した場合を示す図である。
【図4】静電搬送部材13aの像担持体11側表面を拡大した断面図である。
【図5】(A)は、電極102に対して、3相のパルス状駆動波形を、タイミングをずらして印加した場合を示す図であり、(B)は、(A)によって印加された負帯電トナーTの位置を模式的に示す図である。
【図6】搬送電圧パターンを約33%に設定した場合における、3相の駆動波形の印加例である。
【図7】現像電圧パターンを約67%に設定した場合における、3相の駆動波形の印加例である。
【図8】本実施形態のプロセスカートリッジ内の、磁石ローラ体を示す図である。
【図9】本実施形態における現像カートリッジ6の側壁側から見た場合の構成を示すブロック図である。
【図10】本実施形態において、複数のカートリッジを同時に着脱する場合を示す図である。
【図11】本実施形態において、予め設置されているカートリッジに、さらに別のカートリッジを増設して、同時に着脱する場合を示す図である。
【図12】本実施形態におけるプロセスカートリッジ内の複数のユニットが、一体になっている場合を示すブロック図である。
【図13】本実施形態において、任意の色、個数のカートリッジを設置した場合を示す図である。
【図14】本実施形態において、カートリッジの大きさを変更した場合を示す図である。
【図15】本実施形態におけるプロセスカートリッジ内の帯電手段として、非接触帯電ローラを用いた場合を示す図である。
【図16】本実施形態におけるプロセスカートリッジ内の帯電手段として、固体放電素子を用いた場合を示す図である。
【符号の説明】
【0107】
2 転写ローラ
3 定着装置
3a 加熱ローラ
3b 加圧ローラ
4K,4M,4C,4Y、4’ 書込装置
5 給紙装置
6K,6M,6C,6Y 現像カートリッジ
11 像担持体
11ak,11am,11ac,11ay 搬送ローラ
12 帯電装置
13 現像装置
13a 静電搬送部材13a
13b 供給ローラ
13c ドクタブレード
13d スクリュー
14 クリーニング装置
101 支持基板
102 電極
103 表面保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体上の静電潜像を現像するための現像手段を有し、画像形成装置本体から着脱可能なプロセスカートリッジであって、
移相電界によってトナー粒子が移動可能な静電搬送面を有する静電搬送部材と、
現像に使用するためのトナー粒子を格納するためのトナー格納部と、
前記トナー格納部から前記静電搬送面へ前記トナー粒子を供給するための供給手段と、
前記像担持体を帯電させるための帯電手段とを有し、
前記像担持体は、
前記プロセスカートリッジ本体から着脱が可能であり、
前記帯電手段と前記現像手段とが一体化されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
一体化された前記帯電手段と前記現像手段とは、分離可能であることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
同一姿勢に配置された少なくとも2以上のプロセスカートリッジをさらに有し、
2以上の前記プロセスカートリッジが、前記画像形成装置から同時に着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
同一姿勢に配置されたブラックと、マゼンタと、シアンと、イエローとの4色の各プロセスカートリッジと、
同一姿勢に前記4色の各カートリッジ以外の補完色を備えたプロセスカートリッジとをさらに有し、
前記プロセスカートリッジのうち、少なくとも2以上の前記プロセスカートリッジが、前記画像形成装置から同時に着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
像担持体上に静電潜像を露光するための露光手段をさらに有し、
前記露光手段と、前記帯電手段と、前記現像手段と、が一体化されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
複数の前記プロセスカートリッジを同一姿勢に配置するための指示部材と、
前記プロセスカートリッジの有する色を認識するためのセンサとをさらに有し、
前記画像形成装置に対して、ユーザの所望する任意の色・個数の前記プロセスカートリッジを設置することを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記支持部材は、
前記画像形成装置内に設置された前記プロセスカートリッジと大きさの異なる前記プロセスカートリッジを支持することを特徴とする請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記帯電手段は、スコトロンチャージャ方式であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記帯電手段は、非接触帯電ローラ方式であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記帯電手段は、固体放電方式であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記像担持体は、ベルト状であることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
前記画像形成装置の初期状態では、各色共通で使用することができる請求項2から11のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジを装填可能な画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−251736(P2006−251736A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−72065(P2005−72065)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】