ベルト位置検知装置及び画像形成装置
【課題】中間転写ベルト61の傾きを精度良く検知しつつ、配線の複雑化を抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】光ビーム発射器95を、中間転写ベルト61の移動方向における第1ベルト位置P1に対向させて配設し、光ビーム発射器95から発せられた後、第1ベルト位置P1でベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を、ベルト幅方向の中心線を基準にした線対称の姿勢で反転させつつ、第2ベルト位置P2におけるベルト端部に向けて折り返させる反転折り返し手段(91a〜c)と、これによって折り返された後、第2ベルト位置P2におけるベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を受光する受光ユニット94とを設け、受光ユニット94による受光量に基づいて、第1ベルト位置P1におけるベルト縁の位置と、第2ベルト位置P2におけるベルト縁の位置とをそれぞれ演算させるようにした。
【解決手段】光ビーム発射器95を、中間転写ベルト61の移動方向における第1ベルト位置P1に対向させて配設し、光ビーム発射器95から発せられた後、第1ベルト位置P1でベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を、ベルト幅方向の中心線を基準にした線対称の姿勢で反転させつつ、第2ベルト位置P2におけるベルト端部に向けて折り返させる反転折り返し手段(91a〜c)と、これによって折り返された後、第2ベルト位置P2におけるベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を受光する受光ユニット94とを設け、受光ユニット94による受光量に基づいて、第1ベルト位置P1におけるベルト縁の位置と、第2ベルト位置P2におけるベルト縁の位置とをそれぞれ演算させるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状のベルト部材における幅方向の端部に向けて光ビームを発し、その端部に当たらずにベルト側方をすり抜けた光ビームの光量に基づいて前記端部のベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知装置に関するものである。また、かかるベルト位置検知装置を用いる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置として、特許文献1に記載のものが知られている。図1は、特許文献1に記載の画像形成装置の要部を示す概略構成図である。この画像形成装置は、無端状の中間転写ベルト901を複数の張架ローラによって張架しながら図中反時計回り方向に無端移動させるベルトユニットや、4つの感光体(902Y,M,C,K)などを備えている。感光体902Y,M,C,Kの表面上には、周知の電子写真プロセスによってY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)トナー像が形成される。これらのトナー像は、感光体902Y,M,C,Kと、中間転写ベルト901とが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップにおいて、中間転写ベルト901の表面に重ね合わせて1次転写される。その後、中間転写ベルト901と2次転写ローラ905とが当接している2次転写ニップにて、ベルト上から図示しない記録紙に一括2次転写される。
【0003】
中間転写ベルト901は、周回移動を繰り返していると、各張架ローラの偏心、各張架ローラの平行度誤差、ベルト厚み誤差などに起因して、どうしてもベルト幅方向に蛇行してしまう。そして、この蛇行により、各色トナー像の重ね合わせズレを引き起こしてしまう。具体的には、中間転写ベルト901の蛇行は、図2に示すように、中間転写ベルト901が張架ローラ上でベルト幅方向に移動してしまう現象である。中間転写ベルト901が上述したY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過する間に、図示のようにベルト幅方向に動いてしまうと、各色の1次転写ニップでトナー像が互いにずれて転写されてしまうのである。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置においては、中間転写ベルト901の蛇行量を低減するためのステアリングローラ904を有している。このステアリングローラ903は、中間転写ベルト901を張架している複数の張架ローラの1つであり、ローラ軸線方向の中央に位置している揺動軸線を中心にして揺動可能なブラケット904に保持されている。このブラケット904の揺動により、ステアリングローラ903が互いに平行に配設された他の複数の張架ローラに対して傾いた姿勢をとることで、中間転写ベルト901の移動方向を修正して蛇行量を低減することができる。
【0005】
中間転写ベルト901の蛇行については、中間転写ベルト901の幅方向の端部であるベルト端部の位置を検知するベルト位置検知装置による検知結果に基づいて把握している。かかるベルト位置検知装置としては、図3に記載のものが知られている。同図において、ベルト位置検知装置は、回動軸911aを中心にして回動可能な接触子911の端部をバネ910の引っ張り力によってベルト端部に押し付けている。中間転写ベルト901の蛇行によってベルト端部の位置がベルト幅方向に変化すると、接触子911の回動停止位置が変化する。ベルト位置検知装置は、その変化を変位センサ912によって監視することで、ベルト端部の位置や蛇行量を把握している。かかる構成のベルト位置検知装置においては、次のような欠点があった。即ち、接触子911をベルト端部に押し付けることで、ベルトの蛇行状況に影響を与えてしまうという欠点である。
【0006】
一方、特許文献1には、図4に示すようなベルト位置検知装置が開示されている。同図において、ベルト位置検知装置は、ベルト端部の上方に配設されたLED920により、ベルト端部に向けて光ビームを発射する。発射された光ビームの一部は、ベルト端部に当たるが、残りはベルト側方をすり抜けて、ベルト端部の下方にある光量センサ921に受光される。光量センサ921による受光量は、ベルト端部のベルト幅方向の位置に応じて変化する。ベルト位置検知装置は、光量センサ921による受光量を監視することで、ベルト端部の位置や蛇行量を把握する。かかる構成のベルト位置検知装置においては、接触子をベルト端部に押さえ付けることなく、ベルト端部の位置を検知するので、接触子によってベルトの蛇行状況に影響を与えてしまうことがない。よって、ベルト検知装置としては、図4に示される構成のものを採用することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各色のトナー像の重ね合わせズレは、中間転写ベルト901の蛇行の他、中間転写ベルト901の斜行によっても発生する。中間転写ベルト901の斜行は、図5に示すように、互いに異なる2つの張架ローラの位置において、ベルト端部の位置が互いに異なっていることにより、それら張架ローラの間で中間転写ベルト901が斜めに走行してしまう現象である。このような斜行が発生すると、たとえ蛇行量を許容範囲内に収めていても、許容範囲を超える各色トナー像の重ね合わせズレが発生してしまう。
【0008】
中間転写ベルト901の斜行に起因する各色トナー像の重ね合わせズレを抑える方法の1つとして、斜行してしまった中間転写ベルト901の姿勢を真っ直ぐに修正することが挙げられる。図示の2つの張架ローラを何れもステアリングローラとして構成し、それぞれのステアリングローラでベルト端部の位置を個別に修正することで、ベルトの姿勢を真っ直ぐに修正することが可能である。また、斜行に起因する重ね合わせズレを抑える別の方法として、ベルトの傾斜角度に応じてY,M,C,Kの各色でそれぞれベルト幅方向におけるトナー像の形成位置を調整することで、斜行を許容しつつ各色トナー像を正常に重ね合わせる方法が挙げられる。何れの方法を採用するにしても、2つの張架ローラの間における中間転写ベルト901の傾斜角度を検知する必要がある。そして、かかる傾斜角度を精度良く検知するためには、2つの張架ローラのそれぞれ近傍でベルト端部の位置を個別に検知する必要がある。
【0009】
ところが、図4のベルト位置検知装置を2つの張架ローラのそれぞれ近傍に設けると、2つのLED920、及び2つの光量センサ921という4つの電気デバイスに対してそれぞれ電線を接続する必要があることから、配線を複雑にしてしまうという問題が生ずる。
【0010】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ベルト部材の傾きを精度良く検知しつつ、配線の複雑化を抑えることができるベルト位置検知装置や画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端状のベルト部材のループ内側に配設された複数の張架ローラに対してそれぞれ前記ベルト部材を掛け回した状態で、前記ベルト部材を無端移動せしめるベルト駆動装置における、前記ベルト部材のおもて面全域又は裏面全域のうち、ベルト幅方向の端部であるベルト端部に向けて光ビームを発射する光ビーム発射手段と、該光ビーム発射手段から発せられた光ビームにおけるビームスポットのうち、前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所の光量に基づいて、前記ベルト端部のベルト幅方向の位置を演算する演算手段とを有するベルト位置検知装置において、前記光ビーム発射手段を、前記ベルト部材の移動方向における互いに異なる第1ベルト位置と第2ベルト位置とのうち、前記第1ベルト位置に対向させて配設し、前記光ビーム発射手段から発せられたビームスポットのうち、前記第1ベルト位置における前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を、前記光ビーム発射手段から発せられた直後のビームスポットにおけるベルト幅方向の中心線を基準にした線対称の姿勢で反転させつつ、前記第2ベルト位置における前記ベルト端部に向けて折り返させる反転折り返し手段を設け、前記反転折り返し手段によって折り返された後、前記第2ベルト位置における前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を受光する受光手段を設け、且つ、前記受光手段による受光量に基づいて、前記第1ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第1エッジ位置と、前記第2ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第2エッジ位置とをそれぞれ演算する処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のベルト位置検知装置において、前記ベルト部材が、前記第1ベルト位置でのベルト幅方向の移動可能範囲のうち、ベルト幅方向の一端側に最大限に寄った場合に、前記光ビーム出射手段と前記反転折り返し手段との間で前記ビームスポットの全てを前記ベルト端部に当てずにベルト側方をすり抜けさせ、且つ、前記ベルト部材が、前記移動可能範囲のうち、ベルト幅方向の他端側に最大限に寄った場合に、前記光ビーム出射手段と前記反転折り返し手段との間で前記ビームスポットにおける前記中心線を境にしたちょうど半分だけを前記ベルト端部に当て、残りの半分だけにベルト側方をすり抜けさせる位置に、前記光ビーム発射手段を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のベルト位置検知装置において、前記受光手段として、前記中心線を境にした互いに線対称の位置で前記ビームスポット箇所をそれぞれ個別に受光する2つの受光部を具備するものを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかのベルト位置検知装置において、ベルト周方向に沿って所定の長さで延在しつつベルト周方向に沿って順に並ぶ複数の長穴を前記ベルト端部に設け、それら長穴よりもベルト幅方向の中央側のベルト箇所に当たらずに前記長穴内をすり抜けたビームスポット箇所を、前記反転折り返し手段や前記受光手段に当てるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかのベルト位置検知装置において、前記反転折り返し手段におけるビームスポットを反転させる反転手段として、像反転プリズムを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3又は5のベルト位置検知装置において、前記ベルト部材を一周させる間に前記第1エッジ位置と前記第2エッジ位置とをそれぞれ複数回に渡って仮検知し、一周分のそれぞれの平均値を求める処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかのベルト位置検知装置において、前記第1エッジ位置と前記第2エッジ位置とに基づいて、前記第1ベルト位置から前記第2ベルト位置に至るまでのベルト箇所の傾きを演算する処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、自らのループ内側に配設された複数の張架ローラに掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知手段と、前記ベルト位置検知手段による検知結果に基づいて前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を修正するベルト位置修正手段と、前記ベルト部材の表面、あるいは前記ベルト部材の表面に保持される記録シート、に可視像を形成する可視像形成手段とを備える画像形成装置において、前記ベルト位置検知手段として、請求項1乃至7の何れかのベルト位置検知装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、自らのループ内側に配設された複数の張架ローラに掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知手段と、前記ベルト部材の表面、あるいは前記ベルト部材の表面に保持される記録シート、に可視像を形成する可視像形成手段と、前記ベルト位置検知手段による検知結果に基づいて前記可視像形成手段によるベルト幅方向の可視像形成位置を補正する像形成位置補正手段とを備える画像形成装置において、前記ベルト位置検知手段として、請求項1乃至7の何れかのベルト位置検知装置を用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
これらの発明においては、次のようにして第1エッジ位置と第2エッジ位置とを検知する。即ち、光ビーム発射手段が第1ベルト位置におけるベルト端部に向けて光ビームを発射する。発射された光ビームのビームスポットにおける全域のうち、ベルト幅方向の中心線を境にした一端側の領域はベルト端部に当たる。このとき、前記一端側の領域であっても、ベルト幅方向におけるベルト端部の位置によっては、ベルト端部に当たらずに、ベルト側方をすり抜ける部分が発生する。このため、第1ベルト位置において、ビームスポットにおける前記一端側の領域のうち、ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜ける箇所(以下、「第1エッジすり抜け箇所」という)の量は、ベルト縁のベルト幅方向の位置である第1エッジ位置と相関する。また、第1ベルト位置において、ビームスポットにおける前記中心線を境にした他端側の領域は、ベルト端部に当たらずにその全量がベルト側方をすり抜ける。このため、前記他端側の領域は、第1エッジ位置の検知には利用されない。ベルト側方をすり抜けたビーム箇所は、反転折り返し手段により、前記中心線を境にして線対称の姿勢に反転された後、ベルト部材の第2ベルト位置におけるベルト端部に向けて折り返される。すると、反転前の前記他端側の領域は、反転によって新たに一端側に位置するようになる。このようにして新たに一端側に位置するようになった領域は、光ビーム発射手段から発せられたままの大きさになっており、その一部を第2ベルト位置におけるベルト端部に当てる。このとき、前記領域のうち、ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜ける箇所(以下、「第2エッジすり抜け箇所」という)の量は、第2ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第2エッジ位置と相関する。また、第2ベルト位置において、光ビームにおける「第1エッジすり抜け箇所」は、ベルト端部に当たらずにその全量がベルト側方をすり抜ける。受光手段は、その全域のうち、前記中心線を境にした一端側の領域で、「第2エッジすり抜け箇所」を受光する。この受光量に基づいて、演算手段が第2エッジ位置を演算する。また、受光手段は、その全域のうち、前記中心線を境にした他端側の領域で、「第1エッジすり抜け箇所」を受光する。この受光量に基づいて、演算手段が第1エッジ位置を演算する。
本発明においては、このようにして演算した第1エッジ位置と第2エッジ位置とに基づいて、第1ベルト位置と第2ベルト位置との間におけるベルトの傾きを精度良く検知することができる。更には、電気デバイスとしては、1つの光ビーム発射手段、及び1つの受光手段の2つしか使用しないので、4つの電気デバイアスを設ける場合に比べて、配線の複雑化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】特許文献1に記載の画像形成装置の要部を示す概略構成図。
【図2】ベルトの蛇行を説明するための平面図。
【図3】従来の振動子方式のベルト位置検知装置を示す概略構成図。
【図4】従来の光学方式のベルト位置検知装置を示す概略構成図。
【図5】ベルトの斜行を説明するための平面図。
【図6】実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図。
【図7】同プリンタの蛇行修正ローラと、これを揺動可能に保持する保持手段としての揺動ブラケットとを示す斜視図。
【図8】同プリンタの転写ユニットを示す平面図。
【図9】同転写ユニットを示す側面図。
【図10】第1ベルト位置P1で自らの全領域がベルト側方をすり抜けた状態のビームスポットBsを中間転写ベルト61とともに示す平面図。
【図11】第1ベルト位置P1で自らの半分の領域がベルト側方をすり抜けた状態のビームスポットBsを中間転写ベルト61とともに示す平面図。
【図12】第1ベルト位置P1で自らの3/4の領域がベルト側方をすり抜けた状態のビームスポットBsを中間転写ベルト61とともに示す平面図。
【図13】光ビーム発射器から発射された直後の光ビームのビームスポットBsを上方から示す拡大模式図。
【図14】第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の第1例を示す拡大模式図。
【図15】第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の第2例を示す拡大模式図。
【図16】第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の第3例を示す拡大模式図。
【図17】反転折り返し手段によって反転された除隊のビームスポットBsを中間転写ベルトとともに下方から示す図。
【図18】第2ベルト位置P2でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の第1例を下方から示す図。
【図19】受光ユニットに受光されている状態の同第1例を下方から示す図。
【図20】同プリンタの反転手段としてのタブプリズムを示す平面図。
【図21】反転手段の変形例を示す平面図。
【図22】反転折り返し手段の変形例を示す平面図及び側面図。
【図23】同プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。
【図24】変形例に係るプリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。
【図25】実施例に係るプリンタの中間転写ベルトにおけるリア側のベルト端部を部分的に拡大して示す拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタの実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す要部構成図である。同図において、本プリンタは、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット2Y,M,C,Kを備えている。また、機内で記録シートPを搬送するための複数のガイド板等からなるシート搬送路21、レジストローラ対37、定着ユニット150、光書込ユニット(不図示)、転写ユニット60、なども備えている。
【0015】
図示しない光書込ユニットは、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有しており、外部のパーソナルコンピュータ等から送られている画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動する。そして、画像形成ユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kを光走査する。具体的には、画像形成ユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によってそれぞれ図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。光書込ユニットは、駆動中の感光体3Y,M,C,Kに対して、レーザー光Lをそれぞれ回転軸線方向に偏向せしめながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、潜像担持体たる感光体3Y,M,C,Kには、Y,M,C,K画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
【0016】
本プリンタは、4つの画像形成ユニット2Y,M,C,Kを、後述する中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。各色の画像形成ユニット2Y,M,C,Kは、それぞれ、潜像担持体たる感光体3Y,M,C,Kと、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部本体に対してそれらを一体的に着脱可能にしている。そして、互いに使用するトナーの色が異なる点の他が同様の構成になっている。Y用の画像形成ユニット2Yを例にすると、これは、感光体3Yの他、これの表面に形成された静電潜像をYトナー像に現像するための現像装置4Y、ドラム状の感光体3Yを一様帯電せしめるための帯電装置16Y、ドラムクリーニング装置18Y等を有している。
【0017】
帯電装置16Yは、回転駆動される感光体3Yの周面をトナーの帯電極性と同極性に一様帯電せしめる。このようにして一様帯電せしめられた感光体3Yの周面には、上述した光書込装置による光走査で静電潜像が形成される。感光体3Yとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
【0018】
現像装置4Yは、図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を用いて、感光体3Y上の静電潜像を現像する。二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用してもよい。
【0019】
現像によって感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述するY用の1次転写ニップで中間転写ベルト61のおもて面に転写される。このようにしてYトナー像を転写した後の感光体3Y上に付着している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置18Yによって感光体3Y表面から除去される。このクリーニングに先立って、感光体3Yの表面は図示しない除電ランプによる光照射を受けて除電される。
【0020】
Y用の画像形成ユニット2Yについて説明したが、M,C,K用の画像形成ユニットにおいても、同様にして感光体3M,C,Kの表面にM,C,Kトナー像が形成される。
【0021】
4つの画像形成ユニット2Y,M,C,Kの下方には、転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、複数の張架ローラによって張架している像担持体たる中間転写ベルト61を、感光体3Y,M,C,Kに当接させながら、駆動ローラ69の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61とが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0022】
Y,M,C,K用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ62Y,M,C,Kによって中間転写ベルト61を感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,M,C,K用の1次転写ニップには、感光体3Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。
【0023】
図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト61のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0024】
中間転写ベルト61の図中下方には、2次転写ローラ74が配設されており、中間転写ベルト61における駆動ローラ69に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。これにより、中間転写ベルト61のおもて面と、2次転写ローラ74とが当接する2次転写ニップが形成されている。
【0025】
ベルトループ内の駆動ローラ69には、図示しない電源によってトナーと同極性の2次転写バイアスが印加されている。一方、ベルトループ外の2次転写ローラ74は接地されている。これにより、2次転写ニップ内に2次転写電界が形成されている。
【0026】
2次転写ニップの図中左側方には、レジストローラ対37が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録シートPを中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録シートに一括2次転写され、記録シートの白色と相まってフルカラー画像となる。
【0027】
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト61のおもて面には、2次転写ニップで記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト61に当接するベルトクリーニング装置73によってクリーニングされる。
【0028】
2次転写ニップを通過した記録シートPは、中間転写ベルト61から離間して、定着ユニット150に向けて送られる。定着ユニット150は、加圧ローラ4152と、発熱源を内包する定着ローラ151とを当接させて定着ニップを形成している。定着ユニット150に受け入れられた記録シートPは、この定着ニップ内で加圧されたり加熱されたりすることで、表面上のフルカラー画像が定着せしめられる。
【0029】
中間転写ベルト61に当接して2次転写ニップを形成している2次転写ローラ74は、金属製の芯金とこれの周面に被覆されたゴム等の弾性部材とを具備している。2次転写ニップでは、中間転写ベルト61における駆動ローラ69に対する掛け回し箇所が、2次転写ローラ74の表面の弾性部材に食い込んでいる。これにより、幅広い2次転写ニップが形成されている。
【0030】
2次転写ローラ74の回転軸は、保持体としての揺動アーム76に固定された軸受けによって回転自在に受けられている。そして、この揺動アーム76は、揺動軸84を中心にして揺動するように支持されており、自らの揺動に伴って2次転写ローラ74の回転軸と、駆動ローラ69の回転軸との距離(軸間距離)を変化させる。その距離を記録シートPの厚みに応じて変化させることで、シート厚みにかかわらず、2次転写ニップ圧を一定にすることができる。
【0031】
転写ユニット60は、ベルト部材たる中間転写ベルト61と、これのループ内側で自らの表面の一部に中間転写ベルト61を掛け回しながら中間転写ベルト61を張架する複数の張架ローラとを具備するベルトユニットを具備している。このベルトユニットにおける複数の張架ローラは、具体的には、Y,M,C,K用の1次転写ローラ62Y,M,C,K、蛇行修正ローラ64、1次転写ニップ上流ローラ65、ニップ群下流ローラ66、サイドローラ67、2次転写ニップ上流ローラ68、駆動ローラ69、及びクリーニングバックアップローラ70である。これら張架ローラのうち、蛇行修正ローラ64、サイドローラ67、駆動ローラ69に対するベルト巻き付き角がそれぞれ特に大きくなっている。即ち、本プリンタにおいて、蛇行修正ローラ64、サイドローラ67、駆動ローラ69はそれぞれ大巻き付け角ローラとして機能している。中間転写ベルト61は、主にそれら3本のローラによって張架され、それら3本のローラ以外の張架ローラは、補助的に中間転写ベルト61をバックアップしている。なお、巻き付け角は、ローラ中心とローラ周面におけるベルト接触開始点とを結ぶ線分と、ローラ中心とローラ周面におけるベルト接触終了点とを結ぶ線分とのなす角である。
【0032】
ベルトループ外側には、バネによって中間転写ベルト61のループ内側に向けて付勢されながら中間転写ベルト61のおもて面に圧接して中間転写ベルト61に所定のテンションを付与するテンションローラ71が配設されている。
【0033】
転写ユニット60においては、中間転写ベルト61を張架する各張架ローラの形状誤差、組み付け誤差による傾斜、ベルトの幅方向の周長差などにより、中間転写ベルト61がどうしても蛇行してしまう。そこで、本プリンタにおいては、後述する蛇行修正ローラ64の傾動により、蛇行を修正するようになっている。
【0034】
図7は、蛇行修正ローラ64と、これを揺動可能に保持する保持手段としての揺動ブラケット211とを示す斜視図である。同図において、蛇行修正ローラ64は、揺動ブラケット211により、自らのローラ軸線方向の中央位置で延在する揺動軸線910を中心にして揺動可能に保持されている。そして、自らのローラ軸線を、他の張架ローラのローラ軸線に対して傾ける姿勢をとることで、中間転写ベルト(図4の61)の蛇行を修正する。
【0035】
揺動ブラケット211は、蛇行修正ローラ64の軸線方向の両端にそれぞれ存在しているローラ軸をそれぞれ回転自在に受けながら、ブラケット本体に突設せしめられた回転軸部材212が回転駆動される。この回転軸部材212の回転中心が揺動軸線910となる。つまり、回転軸部材212が回動することで、揺動軸線910を中心にして揺動して、蛇行修正ローラ64を揺動させる。
【0036】
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。図8は、本プリンタの転写ユニット60を示す平面図である。また、図9は、本プリンタの転写ユニット60を示す側面図である。これらの図において、転写ユニット60の中間転写ベルト61は、その無端移動に伴って、第1ベルト位置(図8のP1)を通過した直後に、Y用の1次転写ローラ62Yに対する掛け回し位置に進入する。その後、M,C,K用の1次転写ローラ62M,C,Kに対する掛け回し位置を順次通過した後、第2ベルト位置(図8のP2)に進入する。転写ユニット60は、第1ベルト位置P1における中間転写ベルト61の幅方向の端部位置である第1エッジ位置や、第2ベルト位置P2における中間転写ベルト61の幅方向の端部位置である第2エッジ位置を検知するベルト位置検知装置を備えている。そして、このベルト位置検知装置は、光ビーム発射器95、反転折り返し手段91、受光ユニット94などを有している。また、反転折り返し手段91は、第1反射ミラー91a、反転手段91a、第2反射ミラー91cなどを具備している。
【0037】
図8において、矢印Aで示される方向は、中間転写ベルト61のベルト幅方向を表している。そして、本プリンタにおいて、そのベルト幅方向は、プリンタ本体の前後方向に沿っている。また、ベルト幅方向における一端側は、ベルト幅方向におけるプリンタ本体のフロント側と同じである。また、ベルト幅方向における他端側は、ベルト幅方向におけるプリンタ本体のリア側と同じである。
【0038】
光ビーム発射器95は、中間転写ベルト61の上方で第1ベルト位置P1に位置するように配設されており、中間転写ベルト61の端部に向けて光ビームを発射する。第1ベルト位置P1において、中間転写ベルト61がそのベルト幅方向における移動可能範囲のうち、最大限にフロント側に寄ったとする。すると、光ビーム発射器95から発射された光ビームのビームスポットBsは、図10に示されるように、その全域がベルト端部に当たることなく、ベルト側方をすり抜ける。同図において、LLという符号が付された一点鎖線は、ビームスポットBsのベルト幅方向におけるリア側のベルト縁に対する接線である。また、RLという符号が付された一点鎖線は、ビームスポットBsのベルト幅方向における中心線である。ベルト幅方向において中間転写ベルト61が最大限にフロント側に寄った状態から、最大限にリア側に寄った状態になると、リア側のベルト縁が図10に示される接線LLの位置から図11に示される中心線RLの位置に移動する。つまり、接線LLから中心線RLまでがリア側のベルト縁の移動可能範囲である。
【0039】
第1ベルト位置P1において、図11に示されるように、中間転写ベルト61のリア側のベルト縁が最大限にリア側に寄ると、光ビーム発射器95から発射された光ビームのビームスポットBsは、次のようになる。即ち、中心線RLを境にしたリア側の半分がベルト端部に当たることなく、ベルト側方をすり抜ける一方で、フロント側の半分がベルト端部に当たる。
【0040】
また、第1ベルト位置P1において、中間転写ベルト61がその幅方向における移動可能範囲のうち、中間点に位置したとする。すると、中間転写ベルト61は、ベルト幅方向におけるリア側のベルト縁を、接線LLと中心線RLとの中間点に位置させる。そして、図12に示されるように、光ビーム発射器95から発射された光ビームのビームスポットBsにおける全域のうち、ベルト幅方向の1/4の領域だけがベルト端部に当たり、残りの3/4の領域がベルト側方をすり抜ける。中間転写ベルト61については、ベルト幅方向において、同図に示される位置で安定して無端移動させるのが理想であるが、どうしても蛇行してしまう。このため、図示の状態よりもリア側に中間転写ベルト61が寄った場合には、上述した蛇行修正ローラ(64)の傾動によってベルトをフロント側に向けて強制移動させる。また、中間転写ベルト61が図示の状態よりもフロント側に寄った場合には、蛇行修正ローラ(64)の逆傾動によってベルトをリア側に強制移動させる。このようにして、ベルトの蛇行量を所定の許容範囲内に留める。この許容範囲が、接線LLから中心線RLに至るまでの範囲である。
【0041】
図13は、光ビーム発射器95から発射された直後の光ビームのビームスポットBsを上方から示す拡大模式図である。以下、発射された直後のビームスポットBsにおける中心線RLを境にしたフロント側の領域を、第1領域A1という。また、同ビームスポットBsにおける中心線RLを境にしたリア側の領域を、第2領域A2という。同図では、便宜上、第1領域A1と第2領域A2とにそれぞれ互いに異なる形態のハッチングを施している。
【0042】
光ビーム発射器95から発射された光ビームの一部は、上述したように、第1ベルト位置P1において、リア側のベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜ける。図14は、第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の一例を示す拡大模式図である。第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けたビームスポット箇所は、第1ベルト位置P1におけるベルト縁のベルト幅方向の位置である第1エッジ位置にかかわらず、図示のように、第2領域A2の全てを具備している。これに対し、第1領域A1については、前記位置に応じた大きさのものを具備している。第1ベルト位置P1において、第1エッジ位置がベルト幅方向におけるフロント側限界位置(=接線LLの位置)とリア側限界位置(=中心線RLの位置)との間にある場合には、図示のようにビームスポットBsの第1領域A1における一部だけがベルト側方をすり抜ける。一方、第1ベルト位置P1において、第1エッジ位置がフロント側限界位置にある場合には、図15に示すように、第1領域A1の全てがベルト側方をすり抜けて残る。また、第1ベルト位置P1において、第1エッジ位置がリア側限界位置にある場合には、図16に示すように、第1領域(A1)は全てベルト端部に当たってしまうため、ベルト側方をすり抜けて残る第1領域部分がなくなる。このように、第1ベルト位置P1においては、第1エッジ位置に応じた分だけ第1領域A1が残る。
【0043】
第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けたビームスポット箇所は、上述したように、反転折り返し手段によって反転せしめられる。すると、例えば、図14に示した状態のビームスポット箇所は、図17に示すように反転されて、第1領域A1をリア側に向けるとともに、第2領域A2をフロント側に向けた状態になる。なお、図14はビームスポットBsを上方から示しているのに対し、図17はビームスポットBsを下方から示している。
【0044】
図17のビームスポットBsは、反転折り返し手段により、第2ベルト位置P2でベルト端部に向けて折り返される。そして、図18に示されるように、第2ベルト位置P2におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第2エッジ位置に応じた分だけ、第2領域A2をベルト端部に当てる。第2ベルト位置P2において、第2エッジ位置がフロント側限界位置とリア側限界位置との間にある場合には、図示のように、第2領域A2の一部だけがベルト端部に当たる。これに対し、第2ベルト位置P2において、第2エッジ位置がフロント側限界位置にある場合には、第2領域A2の全てがベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜ける。また、第2ベルト位置P2において、第2エッジ位置がリア側限界位置にある場合には、第2領域A2の全てがベルト端部に当たるため、ベルト側方をすり抜ける第2領域部分が無くなる。
【0045】
第2ベルト位置A2において、ベルト側方をすり抜けたビームスポット箇所は、図19に示されるように、受光ユニット94に受光される。受光ユニット94は、中心線RLを境にしたフロント側のビームスポット箇所を受光する第1受光部94aと、リア側のビームスポット箇所を受光する第2受光部94bとを具備している。第1領域A1は、第2受光部94bによって受光される。この受光量は、第1エッジ位置と相関する。実施形態のように第1領域A1が半円形状である場合、その相関関係は、多次関数式によって表される。半円形状の代わりに、矩形を採用した場合には、その相関関係は一次関数式によって表される。何れにしても、関数式によって相関関係を表すことが可能である。演算手段としての受光ユニット制御部96は、第2受光部94bから出力される受光信号と、予め記憶している関数式とに基づいて、第1エッジ位置を演算する。
【0046】
また、第2領域A2は、受光ユニット94の第1受光部94aによって受光される。この受光量は、第2エッジ位置と相関する。受光ユニット制御部96は、第1受光部94aから出力される受光信号と、予め記憶している関数式とに基づいて、第2エッジ位置を演算する。その後、第1エッジ位置、第2エッジ位置、及び、第1ベルト位置P1から第2ベルト位置P2までの距離、に基づいて、第1ベルト位置P1と第2ベルト位置P2との間におけるベルトの傾き角度を演算する。
【0047】
本プリンタにおいては、反転折り返し手段の反転手段91bとしては、図20に示される台形状のタブプリズム91b1を採用している。図20では、タブプリズムを上方から示す平面図である。このタブプリズム91b1は、第1反射ミラー(図9の91a)からベルト移動方向に沿って真っ直ぐに送られてくる光ビームを入口面で受け入れると、像反転面に向けて偏向せしめる。そして、像反転面で光ビームのビームスポットを反転反射させた後、光ビームを出口面から出射する。この際、光ビームをベルト移動方向に沿う方向に偏向せしめる。タブプリズム91b1は、第1反射ミラー(91a)や第2反射ミラー(91b)と同軸で水平方向に一直線上に配設することが可能なので、省スペース化を図ることができる。
【0048】
なお、反転手段91bとして、図21に示す反転ミラー91b2を用いてもよい。この反転ミラー91b2は、鉛直方向に延在する姿勢で配設されている。これに対し、第1反射ミラー91aや第2反射ミラー91cは、鉛直方向から45[°]傾いた姿勢で配設されている。反転ミラー91b2は、第1反射ミラー91aから送られてくるビームスポットを反転させながら、第2反射ミラー91cに向けて反射させる。かかる構成では、タブプリズム91b1を用いる場合に比べて低コスト化を実現することができる。但し、図20と図21との比較から明らかなように、タブプリズム91b1を用いる場合に比べて、反転折り返し手段の水平設置スペースを大型化してしまう。
【0049】
また、反転折り返し手段91として、図22に示される特殊タブプリズムを用いてもよい。この特殊タブプリズムは、光ビーム発射器95から鉛直下方に向けて発射された光ビームを第1ベルト位置(P1)で水平方向に反射させる第1反射面と、反射後の光ビームの像をフロント側とリア側とで反転させるように反射させる反転反射面と、反射後の光ビームを第2ベルト位置(P2)で鉛直上方に向けて反射させて受光ユニット94に受光させる第2反射面とを有している。第1反射ミラーや第2反射ミラーを配設する必要がないので、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
【0050】
図23は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、受光ユニット制御部96は、第1エッジ位置を次のようにして演算する。即ち、まず、プリントジョブの開始に伴って中間転写ベルト(61)の駆動が開始されると、所定の時間間隔(例えば0.2秒)で第2受光部94bからの出力をサンプリングして第1エッジ位置を仮計算する。そして、仮計算結果をIC等からなるデータ記憶回路に順次記憶していく。ベルト一周分における仮計算結果が蓄積されると、その後は、第1エッジ位置の仮計算を継続しながら、前述の時間間隔が経過する毎に、過去1周分における第1エッジ位置の仮計算結果の平均を求めて、その結果を第1エッジ位置として確定する。つまり、所定の時間が経過する毎に、過去1周分における第1エッジ位置の仮計算結果の平均を求めて、その結果をその時点における第1エッジ位置として確定する。このように、過去1周分の平均を第1エッジ位置とすることで、中間転写ベルト61のベルト縁が真っ直ぐに加工されておらずベルト周方向におけるエッジ位置の誤差があることに起因するベルト幅方向の位置の検知精度悪化を回避することができる。
【0051】
受光ユニット制御部96は、確定した第1エッジ位置の結果を、ステアリング制御部97に送る。ステアリング制御部97は、送られてきた第1エッジ位置の結果と、第1エッジ位置目標値との差を求め、その差分に相当する分だけ、傾動モータ98を駆動する。これにより、蛇行修正ローラ64を傾動(又は逆傾動)させて、中間転写ベルト(61)をベルト幅方向の中央に向けて移動させることで、ベルトの蛇行量を所定の許容範囲内に留める。
【0052】
また、受光ユニット制御部96は、第1エッジ位置と同様にして、第2エッジ位置についても、過去1周分の平均を第2エッジ位置として確定する。そして、所定の時間が経過する毎に、その時点における第1エッジ位置の確定値と第2エッジ位置の確定値とに基づいて求めたベルトの傾斜角度を、光書込制御部100に送信する。光書込制御部98は、Yにおける頁先端の画像位置に対応する光書き込みをY用の感光体(3Y)に対して実施する直前に、受光ユニット制御部96から送られてきたベルトの傾斜角度のデータに基づいて、M,C,Kの感光体(3M,C,K)に対するベルト幅方向の光書込開始位置を補正する。これにより、前記傾斜角度で傾斜した状態の中間転写ベルト(61)に対して、各色を位置ずれなく重ね合わせるようにする。
【0053】
次に、変形例に係るプリンタについて説明する。変形例に係るプリンタは、以下に説明する点が、実施形態に係るプリンタと異なっている。即ち、変形例に係るプリンタは、先に図6に示したサイドローラ67も、蛇行修正ローラ64と同様にして傾動させることが可能である。
【0054】
図24は、変形例に係るプリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、受光ユニット制御部96は、実施形態と同様にして第1エッジ位置や第2エッジ位置を求めて、その結果をステアリング制御部97に送る。ステアリング制御部97は、送られてきた第1エッジ位置の結果と、第1エッジ位置目標値との差を求め、その差分に相当する分だけ、傾動モータ98を駆動する。この駆動により、蛇行修正ローラ94を傾動(又は逆傾動)させて、第1ベルト位置(P1)において中間転写ベルト(61)をベルト幅方向の中央に向けて移動させることで、第1ベルト位置(P1)におけるベルトの蛇行量を所定の許容範囲内に留める。また、受光ユニット制御部96から送られてきた第2エッジ位置の結果と、第2エッジ位置目標値との差を求め、その差分に相当する分だけ、第2傾動モータ99を駆動する。この駆動により、サイドローラ67を傾動(又は逆傾動)させて、第2ベルト位置(P1)において中間転写ベルト(61)をベルト幅方向の中央に向けて移動させることで、第2ベルト位置(P2)におけるベルトの蛇行量を所定の許容範囲内に留める。かかる構成では、M,C,Kのベルト幅方向における光書込開始位置を補正するという複雑な演算処理を行うことなく、ベルトの斜行に起因する重ね合わせズレの発生を抑えることができる。
【0055】
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した実施例のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
【0056】
図25は、実施例に係るプリンタの中間転写ベルト61におけるリア側のベルト端部を部分的に拡大して示す拡大平面図である。この中間転写ベルト61は、リア側のベルト端部に、複数の長穴61aを具備している。これらの長穴61aは、ベルト周方向に沿って所定の長さで延在しつつベルト周方向に沿って所定のピッチで順に並んでいる。中間転写ベルト61は、遠心成型法などによって成型されるのが一般的であるが、ベルト縁の位置がどうしても周方向において一定にならず、周方向に多少の誤差が生じてしまう。複数の長穴61aは、成型後のベルト端部に対して加工されたものである。複数の長穴61aにおいて、フロント側の辺は、一直線状に並んでいる。このため、長穴61aの位置を第1エッジ位置として検知することで、ベルト縁の位置誤差による第1エッジ位置の検知誤差の発生を回避することが可能である。
【0057】
そこで、実施例に係るプリンタにおいては、長穴61aよりもフロント側のベルト領域(以下、「穴隣接領域}という)に、反転前のビームスポットBsの第1領域A1や、反転後のビームスポットBsの第2領域A1を当てるようにしている。また、「穴隣接領域」に当たらなかったビームスポット箇所に対して、その全てを長穴61aに通すようにしている。このため、長穴61aの短手方向の寸法は、ビームスポットBsの半径よりも大きく設定されている。なお、ベルト移動方向において、互いに隣り合う2つの長穴61aの間のベルト箇所は、光ビームを通すことはできないが、そのときには、受光ユニット94における第1受光部94a及び第2受光部94bが何れも全く受光しなくなる。受光ユニット制御部96は、サンプリングした受光量の結果が、第1受光部94a及び第2受光部94bともにゼロである場合には、そのときのサンプリングを中止する。そして、少なくとも何れか一方の受光部による受光量がゼロよりも大きくなるまで受光量のサンプリングを待機する。
【0058】
また、受光ユニット制御部96は、サンプリングした受光量に基づいて第1エッジ位置や第2エッジ位置を演算したら、それらを一周分平均することなく、その演算結果を第1エッジ位置や第2エッジ位置として確定してステアリング制御部97に送る。かかる構成においては、第1エッジ位置や第2エッジ位置をそれぞれ1周分平均するという演算処理を実施することなく、ベルト縁の位置誤差による第1エッジ位置の検知誤差の発生を回避することができる。
【0059】
これまで、各色のトナー像をベルト部材たる中間転写ベルト61に重ね合わせて転写してから記録シートに2次転写する構成のプリンタについて説明してきたが、次のような構成の画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。即ち、各色のトナー像を、ベルト部材たる紙搬送ベルトの表面に保持されている記録シートに重ね合わせて転写する構成である。
【0060】
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、実際に検知した第1エッジ位置と第2エッジ位置とに基づいて、第1ベルト位置P1と第2ベルト位置P2との間におけるベルトの傾きを精度良く検知することができる。更には、電気デバイスとして、光ビーム発射器95及び受光ユニット94の2つしか使用しないので、特許文献1に記載のベルト検知装置をそれぞえのベルト位置に設けて4つの電気デバイアスを用いる場合に比べて、配線の複雑化を抑えることができる。
【0061】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、中間転写ベルト61が、第1ベルト位置P1でのベルト幅方向の移動可能範囲のうち、ベルト幅方向のフロント側に最大限に寄った場合に、光ビーム出射器95と反転折り返し手段との間でビームスポットBsの全てをベルト端部に当てずにベルト側方をすり抜けさせ、且つ、中間転写ベルト61が、前記移動可能範囲のうち、ベルト幅方向のリア側に最大限に寄った場合に、光ビーム出射器95と反転折り返し手段との間でビームスポットBsにおける中心線RLを境にしたちょうど半分(第1領域A1)だけをベルト端部に当て、残りの半分(第2領域A2)だけにベルト側方をすり抜けさせる位置に、光ビーム発射器92を配設している。かかる構成では、既に説明したように、ビームスポットBsにおける第1領域A1を利用して第1エッジ位置を検知するとともに、第2領域A2を利用して第2エッジ位置を検知することができる。
【0062】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、受光手段たる受光ユニット94として、中心線RLを境にした互いに線対称の位置でビームスポット箇所をそれぞれ個別に受光する第1受光部94a及び第2受光部94bを具備するものを設けている。かかる構成では、既に説明したように、第1受光部94aによる受光量に基づいて第2エッジ位置を把握するとともに、第2受光部94bによる受光量に基づいて第1エッジ位置を把握することができる。
【0063】
また、実施例に係るプリンタにおいては、ベルト周方向に沿って所定の長さで延在しつつベルト周方向に沿って順に並ぶ複数の長穴61aを中間転写ベルト61のベルト端部に設け、それら長穴61aよりもベルト幅方向の中央側のベルト箇所(「穴隣接領域」)に当たらずに長穴61a内をすり抜けたビームスポット箇所を、反転折り返し手段や受光ユニット94に当てるようにしている。かかる構成では、既に説明したように、第1エッジ位置や第2エッジ位置をそれぞれ1周分平均するという演算処理を実施することなく、ベルト縁の位置誤差による第1エッジ位置の検知誤差の発生を回避することができる。
【0064】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、反転折り返し手段におけるビームスポットを反転させる反転手段として、像反転プリズムたるタブプリズム91b1を用いている。かかる構成では、既に説明したように、反転手段として反転ミラーを用いる場合に比べて省スペース化を図ることができる。
【0065】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、中間転写ベルト61を一周させる間に第1エッジ位置と第2エッジ位置とをそれぞれ複数回に渡って仮検知し、一周分のそれぞれの平均値を求める処理を実施するように、演算手段たる受光ユニット制御部96を構成している。かかる構成では、既に説明したように、ベルト縁の位置誤差による第1エッジ位置の検知誤差の低減することができる。
【0066】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、第1エッジ位置と第2エッジ位置とに基づいて、第1ベルト位置P1から第2ベルト位置P2に至るまでのベルト箇所の傾き(傾斜角度)を演算する処理を実施するように、受光ユニット制御部96を構成している。かかる構成では、実際に検知した第1エッジ位置及び第2エッジ位置に基づいて、傾斜角度を精度良く検知することができる。
【符号の説明】
【0067】
2Y,M,C,K:画像形成ユニット(可視像形成手段の一部)
60:転写ユニット(可視像形成手段の一部、ベルト駆動装置)
61:中間転写ベルト(ベルト部材)
61a:長穴
62Y,M,C,K:1次転写ローラ(張架ローラ)
64:寄り修正ローラ(ベルト位置修正手段の一部、張架ローラ)
65:1次転写ニップ上流ローラ(張架ローラ)
66:ニップ群下流ローラ(張架ローラ)
67:サイドローラ(張架ローラ)
68:2次転写ニップ上流ローラ(張架ローラ)
69:駆動ローラ(張架ローラ)
70:クリーニングバックアップローラ(張架ローラ)
90:ベルト位置検知装置
94:受光ユニット(受光手段)
94a:第1受光部
94b:第2受光部
95:光ビーム発射器(光ビーム発射手段)
96:受光ユニット制御部(演算手段)
97:ステアリング制御部(ベルト位置修正手段の一部)
98:傾動モータ(ベルト位置修正手段の一部)
99:第2傾動モータ(ベルト位置修正手段の一部)
100:光書込制御部(像形成位置補正手段)
Bs:ビームスポット
P1:第1ベルト位置
P2:第2ベルト位置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2006−276427号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状のベルト部材における幅方向の端部に向けて光ビームを発し、その端部に当たらずにベルト側方をすり抜けた光ビームの光量に基づいて前記端部のベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知装置に関するものである。また、かかるベルト位置検知装置を用いる画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置として、特許文献1に記載のものが知られている。図1は、特許文献1に記載の画像形成装置の要部を示す概略構成図である。この画像形成装置は、無端状の中間転写ベルト901を複数の張架ローラによって張架しながら図中反時計回り方向に無端移動させるベルトユニットや、4つの感光体(902Y,M,C,K)などを備えている。感光体902Y,M,C,Kの表面上には、周知の電子写真プロセスによってY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(黒)トナー像が形成される。これらのトナー像は、感光体902Y,M,C,Kと、中間転写ベルト901とが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップにおいて、中間転写ベルト901の表面に重ね合わせて1次転写される。その後、中間転写ベルト901と2次転写ローラ905とが当接している2次転写ニップにて、ベルト上から図示しない記録紙に一括2次転写される。
【0003】
中間転写ベルト901は、周回移動を繰り返していると、各張架ローラの偏心、各張架ローラの平行度誤差、ベルト厚み誤差などに起因して、どうしてもベルト幅方向に蛇行してしまう。そして、この蛇行により、各色トナー像の重ね合わせズレを引き起こしてしまう。具体的には、中間転写ベルト901の蛇行は、図2に示すように、中間転写ベルト901が張架ローラ上でベルト幅方向に移動してしまう現象である。中間転写ベルト901が上述したY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過する間に、図示のようにベルト幅方向に動いてしまうと、各色の1次転写ニップでトナー像が互いにずれて転写されてしまうのである。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置においては、中間転写ベルト901の蛇行量を低減するためのステアリングローラ904を有している。このステアリングローラ903は、中間転写ベルト901を張架している複数の張架ローラの1つであり、ローラ軸線方向の中央に位置している揺動軸線を中心にして揺動可能なブラケット904に保持されている。このブラケット904の揺動により、ステアリングローラ903が互いに平行に配設された他の複数の張架ローラに対して傾いた姿勢をとることで、中間転写ベルト901の移動方向を修正して蛇行量を低減することができる。
【0005】
中間転写ベルト901の蛇行については、中間転写ベルト901の幅方向の端部であるベルト端部の位置を検知するベルト位置検知装置による検知結果に基づいて把握している。かかるベルト位置検知装置としては、図3に記載のものが知られている。同図において、ベルト位置検知装置は、回動軸911aを中心にして回動可能な接触子911の端部をバネ910の引っ張り力によってベルト端部に押し付けている。中間転写ベルト901の蛇行によってベルト端部の位置がベルト幅方向に変化すると、接触子911の回動停止位置が変化する。ベルト位置検知装置は、その変化を変位センサ912によって監視することで、ベルト端部の位置や蛇行量を把握している。かかる構成のベルト位置検知装置においては、次のような欠点があった。即ち、接触子911をベルト端部に押し付けることで、ベルトの蛇行状況に影響を与えてしまうという欠点である。
【0006】
一方、特許文献1には、図4に示すようなベルト位置検知装置が開示されている。同図において、ベルト位置検知装置は、ベルト端部の上方に配設されたLED920により、ベルト端部に向けて光ビームを発射する。発射された光ビームの一部は、ベルト端部に当たるが、残りはベルト側方をすり抜けて、ベルト端部の下方にある光量センサ921に受光される。光量センサ921による受光量は、ベルト端部のベルト幅方向の位置に応じて変化する。ベルト位置検知装置は、光量センサ921による受光量を監視することで、ベルト端部の位置や蛇行量を把握する。かかる構成のベルト位置検知装置においては、接触子をベルト端部に押さえ付けることなく、ベルト端部の位置を検知するので、接触子によってベルトの蛇行状況に影響を与えてしまうことがない。よって、ベルト検知装置としては、図4に示される構成のものを採用することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
各色のトナー像の重ね合わせズレは、中間転写ベルト901の蛇行の他、中間転写ベルト901の斜行によっても発生する。中間転写ベルト901の斜行は、図5に示すように、互いに異なる2つの張架ローラの位置において、ベルト端部の位置が互いに異なっていることにより、それら張架ローラの間で中間転写ベルト901が斜めに走行してしまう現象である。このような斜行が発生すると、たとえ蛇行量を許容範囲内に収めていても、許容範囲を超える各色トナー像の重ね合わせズレが発生してしまう。
【0008】
中間転写ベルト901の斜行に起因する各色トナー像の重ね合わせズレを抑える方法の1つとして、斜行してしまった中間転写ベルト901の姿勢を真っ直ぐに修正することが挙げられる。図示の2つの張架ローラを何れもステアリングローラとして構成し、それぞれのステアリングローラでベルト端部の位置を個別に修正することで、ベルトの姿勢を真っ直ぐに修正することが可能である。また、斜行に起因する重ね合わせズレを抑える別の方法として、ベルトの傾斜角度に応じてY,M,C,Kの各色でそれぞれベルト幅方向におけるトナー像の形成位置を調整することで、斜行を許容しつつ各色トナー像を正常に重ね合わせる方法が挙げられる。何れの方法を採用するにしても、2つの張架ローラの間における中間転写ベルト901の傾斜角度を検知する必要がある。そして、かかる傾斜角度を精度良く検知するためには、2つの張架ローラのそれぞれ近傍でベルト端部の位置を個別に検知する必要がある。
【0009】
ところが、図4のベルト位置検知装置を2つの張架ローラのそれぞれ近傍に設けると、2つのLED920、及び2つの光量センサ921という4つの電気デバイスに対してそれぞれ電線を接続する必要があることから、配線を複雑にしてしまうという問題が生ずる。
【0010】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ベルト部材の傾きを精度良く検知しつつ、配線の複雑化を抑えることができるベルト位置検知装置や画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、無端状のベルト部材のループ内側に配設された複数の張架ローラに対してそれぞれ前記ベルト部材を掛け回した状態で、前記ベルト部材を無端移動せしめるベルト駆動装置における、前記ベルト部材のおもて面全域又は裏面全域のうち、ベルト幅方向の端部であるベルト端部に向けて光ビームを発射する光ビーム発射手段と、該光ビーム発射手段から発せられた光ビームにおけるビームスポットのうち、前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所の光量に基づいて、前記ベルト端部のベルト幅方向の位置を演算する演算手段とを有するベルト位置検知装置において、前記光ビーム発射手段を、前記ベルト部材の移動方向における互いに異なる第1ベルト位置と第2ベルト位置とのうち、前記第1ベルト位置に対向させて配設し、前記光ビーム発射手段から発せられたビームスポットのうち、前記第1ベルト位置における前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を、前記光ビーム発射手段から発せられた直後のビームスポットにおけるベルト幅方向の中心線を基準にした線対称の姿勢で反転させつつ、前記第2ベルト位置における前記ベルト端部に向けて折り返させる反転折り返し手段を設け、前記反転折り返し手段によって折り返された後、前記第2ベルト位置における前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を受光する受光手段を設け、且つ、前記受光手段による受光量に基づいて、前記第1ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第1エッジ位置と、前記第2ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第2エッジ位置とをそれぞれ演算する処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のベルト位置検知装置において、前記ベルト部材が、前記第1ベルト位置でのベルト幅方向の移動可能範囲のうち、ベルト幅方向の一端側に最大限に寄った場合に、前記光ビーム出射手段と前記反転折り返し手段との間で前記ビームスポットの全てを前記ベルト端部に当てずにベルト側方をすり抜けさせ、且つ、前記ベルト部材が、前記移動可能範囲のうち、ベルト幅方向の他端側に最大限に寄った場合に、前記光ビーム出射手段と前記反転折り返し手段との間で前記ビームスポットにおける前記中心線を境にしたちょうど半分だけを前記ベルト端部に当て、残りの半分だけにベルト側方をすり抜けさせる位置に、前記光ビーム発射手段を配設したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2のベルト位置検知装置において、前記受光手段として、前記中心線を境にした互いに線対称の位置で前記ビームスポット箇所をそれぞれ個別に受光する2つの受光部を具備するものを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかのベルト位置検知装置において、ベルト周方向に沿って所定の長さで延在しつつベルト周方向に沿って順に並ぶ複数の長穴を前記ベルト端部に設け、それら長穴よりもベルト幅方向の中央側のベルト箇所に当たらずに前記長穴内をすり抜けたビームスポット箇所を、前記反転折り返し手段や前記受光手段に当てるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかのベルト位置検知装置において、前記反転折り返し手段におけるビームスポットを反転させる反転手段として、像反転プリズムを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3又は5のベルト位置検知装置において、前記ベルト部材を一周させる間に前記第1エッジ位置と前記第2エッジ位置とをそれぞれ複数回に渡って仮検知し、一周分のそれぞれの平均値を求める処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかのベルト位置検知装置において、前記第1エッジ位置と前記第2エッジ位置とに基づいて、前記第1ベルト位置から前記第2ベルト位置に至るまでのベルト箇所の傾きを演算する処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、自らのループ内側に配設された複数の張架ローラに掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知手段と、前記ベルト位置検知手段による検知結果に基づいて前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を修正するベルト位置修正手段と、前記ベルト部材の表面、あるいは前記ベルト部材の表面に保持される記録シート、に可視像を形成する可視像形成手段とを備える画像形成装置において、前記ベルト位置検知手段として、請求項1乃至7の何れかのベルト位置検知装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、自らのループ内側に配設された複数の張架ローラに掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知手段と、前記ベルト部材の表面、あるいは前記ベルト部材の表面に保持される記録シート、に可視像を形成する可視像形成手段と、前記ベルト位置検知手段による検知結果に基づいて前記可視像形成手段によるベルト幅方向の可視像形成位置を補正する像形成位置補正手段とを備える画像形成装置において、前記ベルト位置検知手段として、請求項1乃至7の何れかのベルト位置検知装置を用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
これらの発明においては、次のようにして第1エッジ位置と第2エッジ位置とを検知する。即ち、光ビーム発射手段が第1ベルト位置におけるベルト端部に向けて光ビームを発射する。発射された光ビームのビームスポットにおける全域のうち、ベルト幅方向の中心線を境にした一端側の領域はベルト端部に当たる。このとき、前記一端側の領域であっても、ベルト幅方向におけるベルト端部の位置によっては、ベルト端部に当たらずに、ベルト側方をすり抜ける部分が発生する。このため、第1ベルト位置において、ビームスポットにおける前記一端側の領域のうち、ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜ける箇所(以下、「第1エッジすり抜け箇所」という)の量は、ベルト縁のベルト幅方向の位置である第1エッジ位置と相関する。また、第1ベルト位置において、ビームスポットにおける前記中心線を境にした他端側の領域は、ベルト端部に当たらずにその全量がベルト側方をすり抜ける。このため、前記他端側の領域は、第1エッジ位置の検知には利用されない。ベルト側方をすり抜けたビーム箇所は、反転折り返し手段により、前記中心線を境にして線対称の姿勢に反転された後、ベルト部材の第2ベルト位置におけるベルト端部に向けて折り返される。すると、反転前の前記他端側の領域は、反転によって新たに一端側に位置するようになる。このようにして新たに一端側に位置するようになった領域は、光ビーム発射手段から発せられたままの大きさになっており、その一部を第2ベルト位置におけるベルト端部に当てる。このとき、前記領域のうち、ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜ける箇所(以下、「第2エッジすり抜け箇所」という)の量は、第2ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第2エッジ位置と相関する。また、第2ベルト位置において、光ビームにおける「第1エッジすり抜け箇所」は、ベルト端部に当たらずにその全量がベルト側方をすり抜ける。受光手段は、その全域のうち、前記中心線を境にした一端側の領域で、「第2エッジすり抜け箇所」を受光する。この受光量に基づいて、演算手段が第2エッジ位置を演算する。また、受光手段は、その全域のうち、前記中心線を境にした他端側の領域で、「第1エッジすり抜け箇所」を受光する。この受光量に基づいて、演算手段が第1エッジ位置を演算する。
本発明においては、このようにして演算した第1エッジ位置と第2エッジ位置とに基づいて、第1ベルト位置と第2ベルト位置との間におけるベルトの傾きを精度良く検知することができる。更には、電気デバイスとしては、1つの光ビーム発射手段、及び1つの受光手段の2つしか使用しないので、4つの電気デバイアスを設ける場合に比べて、配線の複雑化を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】特許文献1に記載の画像形成装置の要部を示す概略構成図。
【図2】ベルトの蛇行を説明するための平面図。
【図3】従来の振動子方式のベルト位置検知装置を示す概略構成図。
【図4】従来の光学方式のベルト位置検知装置を示す概略構成図。
【図5】ベルトの斜行を説明するための平面図。
【図6】実施形態に係るプリンタの要部を示す概略構成図。
【図7】同プリンタの蛇行修正ローラと、これを揺動可能に保持する保持手段としての揺動ブラケットとを示す斜視図。
【図8】同プリンタの転写ユニットを示す平面図。
【図9】同転写ユニットを示す側面図。
【図10】第1ベルト位置P1で自らの全領域がベルト側方をすり抜けた状態のビームスポットBsを中間転写ベルト61とともに示す平面図。
【図11】第1ベルト位置P1で自らの半分の領域がベルト側方をすり抜けた状態のビームスポットBsを中間転写ベルト61とともに示す平面図。
【図12】第1ベルト位置P1で自らの3/4の領域がベルト側方をすり抜けた状態のビームスポットBsを中間転写ベルト61とともに示す平面図。
【図13】光ビーム発射器から発射された直後の光ビームのビームスポットBsを上方から示す拡大模式図。
【図14】第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の第1例を示す拡大模式図。
【図15】第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の第2例を示す拡大模式図。
【図16】第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の第3例を示す拡大模式図。
【図17】反転折り返し手段によって反転された除隊のビームスポットBsを中間転写ベルトとともに下方から示す図。
【図18】第2ベルト位置P2でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の第1例を下方から示す図。
【図19】受光ユニットに受光されている状態の同第1例を下方から示す図。
【図20】同プリンタの反転手段としてのタブプリズムを示す平面図。
【図21】反転手段の変形例を示す平面図。
【図22】反転折り返し手段の変形例を示す平面図及び側面図。
【図23】同プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。
【図24】変形例に係るプリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。
【図25】実施例に係るプリンタの中間転写ベルトにおけるリア側のベルト端部を部分的に拡大して示す拡大平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタの実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す要部構成図である。同図において、本プリンタは、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(K)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット2Y,M,C,Kを備えている。また、機内で記録シートPを搬送するための複数のガイド板等からなるシート搬送路21、レジストローラ対37、定着ユニット150、光書込ユニット(不図示)、転写ユニット60、なども備えている。
【0015】
図示しない光書込ユニットは、レーザーダイオード、ポリゴンミラー、各種レンズなどを有しており、外部のパーソナルコンピュータ等から送られている画像情報に基づいて、レーザーダイオードを駆動する。そして、画像形成ユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kを光走査する。具体的には、画像形成ユニット2Y,M,C,Kの感光体3Y,M,C,Kは、図示しない駆動手段によってそれぞれ図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。光書込ユニットは、駆動中の感光体3Y,M,C,Kに対して、レーザー光Lをそれぞれ回転軸線方向に偏向せしめながら照射することで、光走査処理を行う。これにより、潜像担持体たる感光体3Y,M,C,Kには、Y,M,C,K画像情報に基づいた静電潜像が形成される。
【0016】
本プリンタは、4つの画像形成ユニット2Y,M,C,Kを、後述する中間転写ベルト61に対してその無端移動方向に沿って並べたいわゆるタンデム型の構成になっている。各色の画像形成ユニット2Y,M,C,Kは、それぞれ、潜像担持体たる感光体3Y,M,C,Kと、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体に支持するものであり、プリンタ部本体に対してそれらを一体的に着脱可能にしている。そして、互いに使用するトナーの色が異なる点の他が同様の構成になっている。Y用の画像形成ユニット2Yを例にすると、これは、感光体3Yの他、これの表面に形成された静電潜像をYトナー像に現像するための現像装置4Y、ドラム状の感光体3Yを一様帯電せしめるための帯電装置16Y、ドラムクリーニング装置18Y等を有している。
【0017】
帯電装置16Yは、回転駆動される感光体3Yの周面をトナーの帯電極性と同極性に一様帯電せしめる。このようにして一様帯電せしめられた感光体3Yの周面には、上述した光書込装置による光走査で静電潜像が形成される。感光体3Yとしては、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、無端ベルト状のものを用いても良い。
【0018】
現像装置4Yは、図示しない磁性キャリアと非磁性のYトナーとを含有する二成分現像剤(以下、単に現像剤という)を用いて、感光体3Y上の静電潜像を現像する。二成分現像剤の代わりに、磁性キャリアを含まない一成分現像剤によって現像を行うタイプのものを使用してもよい。
【0019】
現像によって感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述するY用の1次転写ニップで中間転写ベルト61のおもて面に転写される。このようにしてYトナー像を転写した後の感光体3Y上に付着している転写残トナーは、ドラムクリーニング装置18Yによって感光体3Y表面から除去される。このクリーニングに先立って、感光体3Yの表面は図示しない除電ランプによる光照射を受けて除電される。
【0020】
Y用の画像形成ユニット2Yについて説明したが、M,C,K用の画像形成ユニットにおいても、同様にして感光体3M,C,Kの表面にM,C,Kトナー像が形成される。
【0021】
4つの画像形成ユニット2Y,M,C,Kの下方には、転写ユニット60が配設されている。この転写ユニット60は、複数の張架ローラによって張架している像担持体たる中間転写ベルト61を、感光体3Y,M,C,Kに当接させながら、駆動ローラ69の回転駆動によって図中反時計回り方向に無端移動させる。これにより、感光体3Y,M,C,Kと中間転写ベルト61とが当接するY,M,C,K用の1次転写ニップが形成されている。
【0022】
Y,M,C,K用の1次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された1次転写ローラ62Y,M,C,Kによって中間転写ベルト61を感光体3Y,M,C,Kに向けて押圧している。これら1次転写ローラ62Y,M,C,Kには、それぞれ図示しない電源によって1次転写バイアスが印加されている。これにより、Y,M,C,K用の1次転写ニップには、感光体3Y,M,C,K上のトナー像を中間転写ベルト61に向けて静電移動させる1次転写電界が形成されている。
【0023】
図中時計回り方向の無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト61のおもて面には、各1次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト61のおもて面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0024】
中間転写ベルト61の図中下方には、2次転写ローラ74が配設されており、中間転写ベルト61における駆動ローラ69に対する掛け回し箇所にベルトおもて面から当接して2次転写ニップを形成している。これにより、中間転写ベルト61のおもて面と、2次転写ローラ74とが当接する2次転写ニップが形成されている。
【0025】
ベルトループ内の駆動ローラ69には、図示しない電源によってトナーと同極性の2次転写バイアスが印加されている。一方、ベルトループ外の2次転写ローラ74は接地されている。これにより、2次転写ニップ内に2次転写電界が形成されている。
【0026】
2次転写ニップの図中左側方には、レジストローラ対37が配設されており、ローラ間に挟み込んだ記録シートPを中間転写ベルト61上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで2次転写ニップに送り出す。2次転写ニップ内では、中間転写ベルト61上の4色トナー像が2次転写電界やニップ圧の影響によって記録シートに一括2次転写され、記録シートの白色と相まってフルカラー画像となる。
【0027】
2次転写ニップを通過した中間転写ベルト61のおもて面には、2次転写ニップで記録シートPに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、中間転写ベルト61に当接するベルトクリーニング装置73によってクリーニングされる。
【0028】
2次転写ニップを通過した記録シートPは、中間転写ベルト61から離間して、定着ユニット150に向けて送られる。定着ユニット150は、加圧ローラ4152と、発熱源を内包する定着ローラ151とを当接させて定着ニップを形成している。定着ユニット150に受け入れられた記録シートPは、この定着ニップ内で加圧されたり加熱されたりすることで、表面上のフルカラー画像が定着せしめられる。
【0029】
中間転写ベルト61に当接して2次転写ニップを形成している2次転写ローラ74は、金属製の芯金とこれの周面に被覆されたゴム等の弾性部材とを具備している。2次転写ニップでは、中間転写ベルト61における駆動ローラ69に対する掛け回し箇所が、2次転写ローラ74の表面の弾性部材に食い込んでいる。これにより、幅広い2次転写ニップが形成されている。
【0030】
2次転写ローラ74の回転軸は、保持体としての揺動アーム76に固定された軸受けによって回転自在に受けられている。そして、この揺動アーム76は、揺動軸84を中心にして揺動するように支持されており、自らの揺動に伴って2次転写ローラ74の回転軸と、駆動ローラ69の回転軸との距離(軸間距離)を変化させる。その距離を記録シートPの厚みに応じて変化させることで、シート厚みにかかわらず、2次転写ニップ圧を一定にすることができる。
【0031】
転写ユニット60は、ベルト部材たる中間転写ベルト61と、これのループ内側で自らの表面の一部に中間転写ベルト61を掛け回しながら中間転写ベルト61を張架する複数の張架ローラとを具備するベルトユニットを具備している。このベルトユニットにおける複数の張架ローラは、具体的には、Y,M,C,K用の1次転写ローラ62Y,M,C,K、蛇行修正ローラ64、1次転写ニップ上流ローラ65、ニップ群下流ローラ66、サイドローラ67、2次転写ニップ上流ローラ68、駆動ローラ69、及びクリーニングバックアップローラ70である。これら張架ローラのうち、蛇行修正ローラ64、サイドローラ67、駆動ローラ69に対するベルト巻き付き角がそれぞれ特に大きくなっている。即ち、本プリンタにおいて、蛇行修正ローラ64、サイドローラ67、駆動ローラ69はそれぞれ大巻き付け角ローラとして機能している。中間転写ベルト61は、主にそれら3本のローラによって張架され、それら3本のローラ以外の張架ローラは、補助的に中間転写ベルト61をバックアップしている。なお、巻き付け角は、ローラ中心とローラ周面におけるベルト接触開始点とを結ぶ線分と、ローラ中心とローラ周面におけるベルト接触終了点とを結ぶ線分とのなす角である。
【0032】
ベルトループ外側には、バネによって中間転写ベルト61のループ内側に向けて付勢されながら中間転写ベルト61のおもて面に圧接して中間転写ベルト61に所定のテンションを付与するテンションローラ71が配設されている。
【0033】
転写ユニット60においては、中間転写ベルト61を張架する各張架ローラの形状誤差、組み付け誤差による傾斜、ベルトの幅方向の周長差などにより、中間転写ベルト61がどうしても蛇行してしまう。そこで、本プリンタにおいては、後述する蛇行修正ローラ64の傾動により、蛇行を修正するようになっている。
【0034】
図7は、蛇行修正ローラ64と、これを揺動可能に保持する保持手段としての揺動ブラケット211とを示す斜視図である。同図において、蛇行修正ローラ64は、揺動ブラケット211により、自らのローラ軸線方向の中央位置で延在する揺動軸線910を中心にして揺動可能に保持されている。そして、自らのローラ軸線を、他の張架ローラのローラ軸線に対して傾ける姿勢をとることで、中間転写ベルト(図4の61)の蛇行を修正する。
【0035】
揺動ブラケット211は、蛇行修正ローラ64の軸線方向の両端にそれぞれ存在しているローラ軸をそれぞれ回転自在に受けながら、ブラケット本体に突設せしめられた回転軸部材212が回転駆動される。この回転軸部材212の回転中心が揺動軸線910となる。つまり、回転軸部材212が回動することで、揺動軸線910を中心にして揺動して、蛇行修正ローラ64を揺動させる。
【0036】
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。図8は、本プリンタの転写ユニット60を示す平面図である。また、図9は、本プリンタの転写ユニット60を示す側面図である。これらの図において、転写ユニット60の中間転写ベルト61は、その無端移動に伴って、第1ベルト位置(図8のP1)を通過した直後に、Y用の1次転写ローラ62Yに対する掛け回し位置に進入する。その後、M,C,K用の1次転写ローラ62M,C,Kに対する掛け回し位置を順次通過した後、第2ベルト位置(図8のP2)に進入する。転写ユニット60は、第1ベルト位置P1における中間転写ベルト61の幅方向の端部位置である第1エッジ位置や、第2ベルト位置P2における中間転写ベルト61の幅方向の端部位置である第2エッジ位置を検知するベルト位置検知装置を備えている。そして、このベルト位置検知装置は、光ビーム発射器95、反転折り返し手段91、受光ユニット94などを有している。また、反転折り返し手段91は、第1反射ミラー91a、反転手段91a、第2反射ミラー91cなどを具備している。
【0037】
図8において、矢印Aで示される方向は、中間転写ベルト61のベルト幅方向を表している。そして、本プリンタにおいて、そのベルト幅方向は、プリンタ本体の前後方向に沿っている。また、ベルト幅方向における一端側は、ベルト幅方向におけるプリンタ本体のフロント側と同じである。また、ベルト幅方向における他端側は、ベルト幅方向におけるプリンタ本体のリア側と同じである。
【0038】
光ビーム発射器95は、中間転写ベルト61の上方で第1ベルト位置P1に位置するように配設されており、中間転写ベルト61の端部に向けて光ビームを発射する。第1ベルト位置P1において、中間転写ベルト61がそのベルト幅方向における移動可能範囲のうち、最大限にフロント側に寄ったとする。すると、光ビーム発射器95から発射された光ビームのビームスポットBsは、図10に示されるように、その全域がベルト端部に当たることなく、ベルト側方をすり抜ける。同図において、LLという符号が付された一点鎖線は、ビームスポットBsのベルト幅方向におけるリア側のベルト縁に対する接線である。また、RLという符号が付された一点鎖線は、ビームスポットBsのベルト幅方向における中心線である。ベルト幅方向において中間転写ベルト61が最大限にフロント側に寄った状態から、最大限にリア側に寄った状態になると、リア側のベルト縁が図10に示される接線LLの位置から図11に示される中心線RLの位置に移動する。つまり、接線LLから中心線RLまでがリア側のベルト縁の移動可能範囲である。
【0039】
第1ベルト位置P1において、図11に示されるように、中間転写ベルト61のリア側のベルト縁が最大限にリア側に寄ると、光ビーム発射器95から発射された光ビームのビームスポットBsは、次のようになる。即ち、中心線RLを境にしたリア側の半分がベルト端部に当たることなく、ベルト側方をすり抜ける一方で、フロント側の半分がベルト端部に当たる。
【0040】
また、第1ベルト位置P1において、中間転写ベルト61がその幅方向における移動可能範囲のうち、中間点に位置したとする。すると、中間転写ベルト61は、ベルト幅方向におけるリア側のベルト縁を、接線LLと中心線RLとの中間点に位置させる。そして、図12に示されるように、光ビーム発射器95から発射された光ビームのビームスポットBsにおける全域のうち、ベルト幅方向の1/4の領域だけがベルト端部に当たり、残りの3/4の領域がベルト側方をすり抜ける。中間転写ベルト61については、ベルト幅方向において、同図に示される位置で安定して無端移動させるのが理想であるが、どうしても蛇行してしまう。このため、図示の状態よりもリア側に中間転写ベルト61が寄った場合には、上述した蛇行修正ローラ(64)の傾動によってベルトをフロント側に向けて強制移動させる。また、中間転写ベルト61が図示の状態よりもフロント側に寄った場合には、蛇行修正ローラ(64)の逆傾動によってベルトをリア側に強制移動させる。このようにして、ベルトの蛇行量を所定の許容範囲内に留める。この許容範囲が、接線LLから中心線RLに至るまでの範囲である。
【0041】
図13は、光ビーム発射器95から発射された直後の光ビームのビームスポットBsを上方から示す拡大模式図である。以下、発射された直後のビームスポットBsにおける中心線RLを境にしたフロント側の領域を、第1領域A1という。また、同ビームスポットBsにおける中心線RLを境にしたリア側の領域を、第2領域A2という。同図では、便宜上、第1領域A1と第2領域A2とにそれぞれ互いに異なる形態のハッチングを施している。
【0042】
光ビーム発射器95から発射された光ビームの一部は、上述したように、第1ベルト位置P1において、リア側のベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜ける。図14は、第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けた後のビームスポット箇所の一例を示す拡大模式図である。第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けたビームスポット箇所は、第1ベルト位置P1におけるベルト縁のベルト幅方向の位置である第1エッジ位置にかかわらず、図示のように、第2領域A2の全てを具備している。これに対し、第1領域A1については、前記位置に応じた大きさのものを具備している。第1ベルト位置P1において、第1エッジ位置がベルト幅方向におけるフロント側限界位置(=接線LLの位置)とリア側限界位置(=中心線RLの位置)との間にある場合には、図示のようにビームスポットBsの第1領域A1における一部だけがベルト側方をすり抜ける。一方、第1ベルト位置P1において、第1エッジ位置がフロント側限界位置にある場合には、図15に示すように、第1領域A1の全てがベルト側方をすり抜けて残る。また、第1ベルト位置P1において、第1エッジ位置がリア側限界位置にある場合には、図16に示すように、第1領域(A1)は全てベルト端部に当たってしまうため、ベルト側方をすり抜けて残る第1領域部分がなくなる。このように、第1ベルト位置P1においては、第1エッジ位置に応じた分だけ第1領域A1が残る。
【0043】
第1ベルト位置P1でベルト側方をすり抜けたビームスポット箇所は、上述したように、反転折り返し手段によって反転せしめられる。すると、例えば、図14に示した状態のビームスポット箇所は、図17に示すように反転されて、第1領域A1をリア側に向けるとともに、第2領域A2をフロント側に向けた状態になる。なお、図14はビームスポットBsを上方から示しているのに対し、図17はビームスポットBsを下方から示している。
【0044】
図17のビームスポットBsは、反転折り返し手段により、第2ベルト位置P2でベルト端部に向けて折り返される。そして、図18に示されるように、第2ベルト位置P2におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第2エッジ位置に応じた分だけ、第2領域A2をベルト端部に当てる。第2ベルト位置P2において、第2エッジ位置がフロント側限界位置とリア側限界位置との間にある場合には、図示のように、第2領域A2の一部だけがベルト端部に当たる。これに対し、第2ベルト位置P2において、第2エッジ位置がフロント側限界位置にある場合には、第2領域A2の全てがベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜ける。また、第2ベルト位置P2において、第2エッジ位置がリア側限界位置にある場合には、第2領域A2の全てがベルト端部に当たるため、ベルト側方をすり抜ける第2領域部分が無くなる。
【0045】
第2ベルト位置A2において、ベルト側方をすり抜けたビームスポット箇所は、図19に示されるように、受光ユニット94に受光される。受光ユニット94は、中心線RLを境にしたフロント側のビームスポット箇所を受光する第1受光部94aと、リア側のビームスポット箇所を受光する第2受光部94bとを具備している。第1領域A1は、第2受光部94bによって受光される。この受光量は、第1エッジ位置と相関する。実施形態のように第1領域A1が半円形状である場合、その相関関係は、多次関数式によって表される。半円形状の代わりに、矩形を採用した場合には、その相関関係は一次関数式によって表される。何れにしても、関数式によって相関関係を表すことが可能である。演算手段としての受光ユニット制御部96は、第2受光部94bから出力される受光信号と、予め記憶している関数式とに基づいて、第1エッジ位置を演算する。
【0046】
また、第2領域A2は、受光ユニット94の第1受光部94aによって受光される。この受光量は、第2エッジ位置と相関する。受光ユニット制御部96は、第1受光部94aから出力される受光信号と、予め記憶している関数式とに基づいて、第2エッジ位置を演算する。その後、第1エッジ位置、第2エッジ位置、及び、第1ベルト位置P1から第2ベルト位置P2までの距離、に基づいて、第1ベルト位置P1と第2ベルト位置P2との間におけるベルトの傾き角度を演算する。
【0047】
本プリンタにおいては、反転折り返し手段の反転手段91bとしては、図20に示される台形状のタブプリズム91b1を採用している。図20では、タブプリズムを上方から示す平面図である。このタブプリズム91b1は、第1反射ミラー(図9の91a)からベルト移動方向に沿って真っ直ぐに送られてくる光ビームを入口面で受け入れると、像反転面に向けて偏向せしめる。そして、像反転面で光ビームのビームスポットを反転反射させた後、光ビームを出口面から出射する。この際、光ビームをベルト移動方向に沿う方向に偏向せしめる。タブプリズム91b1は、第1反射ミラー(91a)や第2反射ミラー(91b)と同軸で水平方向に一直線上に配設することが可能なので、省スペース化を図ることができる。
【0048】
なお、反転手段91bとして、図21に示す反転ミラー91b2を用いてもよい。この反転ミラー91b2は、鉛直方向に延在する姿勢で配設されている。これに対し、第1反射ミラー91aや第2反射ミラー91cは、鉛直方向から45[°]傾いた姿勢で配設されている。反転ミラー91b2は、第1反射ミラー91aから送られてくるビームスポットを反転させながら、第2反射ミラー91cに向けて反射させる。かかる構成では、タブプリズム91b1を用いる場合に比べて低コスト化を実現することができる。但し、図20と図21との比較から明らかなように、タブプリズム91b1を用いる場合に比べて、反転折り返し手段の水平設置スペースを大型化してしまう。
【0049】
また、反転折り返し手段91として、図22に示される特殊タブプリズムを用いてもよい。この特殊タブプリズムは、光ビーム発射器95から鉛直下方に向けて発射された光ビームを第1ベルト位置(P1)で水平方向に反射させる第1反射面と、反射後の光ビームの像をフロント側とリア側とで反転させるように反射させる反転反射面と、反射後の光ビームを第2ベルト位置(P2)で鉛直上方に向けて反射させて受光ユニット94に受光させる第2反射面とを有している。第1反射ミラーや第2反射ミラーを配設する必要がないので、製造工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
【0050】
図23は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、受光ユニット制御部96は、第1エッジ位置を次のようにして演算する。即ち、まず、プリントジョブの開始に伴って中間転写ベルト(61)の駆動が開始されると、所定の時間間隔(例えば0.2秒)で第2受光部94bからの出力をサンプリングして第1エッジ位置を仮計算する。そして、仮計算結果をIC等からなるデータ記憶回路に順次記憶していく。ベルト一周分における仮計算結果が蓄積されると、その後は、第1エッジ位置の仮計算を継続しながら、前述の時間間隔が経過する毎に、過去1周分における第1エッジ位置の仮計算結果の平均を求めて、その結果を第1エッジ位置として確定する。つまり、所定の時間が経過する毎に、過去1周分における第1エッジ位置の仮計算結果の平均を求めて、その結果をその時点における第1エッジ位置として確定する。このように、過去1周分の平均を第1エッジ位置とすることで、中間転写ベルト61のベルト縁が真っ直ぐに加工されておらずベルト周方向におけるエッジ位置の誤差があることに起因するベルト幅方向の位置の検知精度悪化を回避することができる。
【0051】
受光ユニット制御部96は、確定した第1エッジ位置の結果を、ステアリング制御部97に送る。ステアリング制御部97は、送られてきた第1エッジ位置の結果と、第1エッジ位置目標値との差を求め、その差分に相当する分だけ、傾動モータ98を駆動する。これにより、蛇行修正ローラ64を傾動(又は逆傾動)させて、中間転写ベルト(61)をベルト幅方向の中央に向けて移動させることで、ベルトの蛇行量を所定の許容範囲内に留める。
【0052】
また、受光ユニット制御部96は、第1エッジ位置と同様にして、第2エッジ位置についても、過去1周分の平均を第2エッジ位置として確定する。そして、所定の時間が経過する毎に、その時点における第1エッジ位置の確定値と第2エッジ位置の確定値とに基づいて求めたベルトの傾斜角度を、光書込制御部100に送信する。光書込制御部98は、Yにおける頁先端の画像位置に対応する光書き込みをY用の感光体(3Y)に対して実施する直前に、受光ユニット制御部96から送られてきたベルトの傾斜角度のデータに基づいて、M,C,Kの感光体(3M,C,K)に対するベルト幅方向の光書込開始位置を補正する。これにより、前記傾斜角度で傾斜した状態の中間転写ベルト(61)に対して、各色を位置ずれなく重ね合わせるようにする。
【0053】
次に、変形例に係るプリンタについて説明する。変形例に係るプリンタは、以下に説明する点が、実施形態に係るプリンタと異なっている。即ち、変形例に係るプリンタは、先に図6に示したサイドローラ67も、蛇行修正ローラ64と同様にして傾動させることが可能である。
【0054】
図24は、変形例に係るプリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、受光ユニット制御部96は、実施形態と同様にして第1エッジ位置や第2エッジ位置を求めて、その結果をステアリング制御部97に送る。ステアリング制御部97は、送られてきた第1エッジ位置の結果と、第1エッジ位置目標値との差を求め、その差分に相当する分だけ、傾動モータ98を駆動する。この駆動により、蛇行修正ローラ94を傾動(又は逆傾動)させて、第1ベルト位置(P1)において中間転写ベルト(61)をベルト幅方向の中央に向けて移動させることで、第1ベルト位置(P1)におけるベルトの蛇行量を所定の許容範囲内に留める。また、受光ユニット制御部96から送られてきた第2エッジ位置の結果と、第2エッジ位置目標値との差を求め、その差分に相当する分だけ、第2傾動モータ99を駆動する。この駆動により、サイドローラ67を傾動(又は逆傾動)させて、第2ベルト位置(P1)において中間転写ベルト(61)をベルト幅方向の中央に向けて移動させることで、第2ベルト位置(P2)におけるベルトの蛇行量を所定の許容範囲内に留める。かかる構成では、M,C,Kのベルト幅方向における光書込開始位置を補正するという複雑な演算処理を行うことなく、ベルトの斜行に起因する重ね合わせズレの発生を抑えることができる。
【0055】
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した実施例のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
【0056】
図25は、実施例に係るプリンタの中間転写ベルト61におけるリア側のベルト端部を部分的に拡大して示す拡大平面図である。この中間転写ベルト61は、リア側のベルト端部に、複数の長穴61aを具備している。これらの長穴61aは、ベルト周方向に沿って所定の長さで延在しつつベルト周方向に沿って所定のピッチで順に並んでいる。中間転写ベルト61は、遠心成型法などによって成型されるのが一般的であるが、ベルト縁の位置がどうしても周方向において一定にならず、周方向に多少の誤差が生じてしまう。複数の長穴61aは、成型後のベルト端部に対して加工されたものである。複数の長穴61aにおいて、フロント側の辺は、一直線状に並んでいる。このため、長穴61aの位置を第1エッジ位置として検知することで、ベルト縁の位置誤差による第1エッジ位置の検知誤差の発生を回避することが可能である。
【0057】
そこで、実施例に係るプリンタにおいては、長穴61aよりもフロント側のベルト領域(以下、「穴隣接領域}という)に、反転前のビームスポットBsの第1領域A1や、反転後のビームスポットBsの第2領域A1を当てるようにしている。また、「穴隣接領域」に当たらなかったビームスポット箇所に対して、その全てを長穴61aに通すようにしている。このため、長穴61aの短手方向の寸法は、ビームスポットBsの半径よりも大きく設定されている。なお、ベルト移動方向において、互いに隣り合う2つの長穴61aの間のベルト箇所は、光ビームを通すことはできないが、そのときには、受光ユニット94における第1受光部94a及び第2受光部94bが何れも全く受光しなくなる。受光ユニット制御部96は、サンプリングした受光量の結果が、第1受光部94a及び第2受光部94bともにゼロである場合には、そのときのサンプリングを中止する。そして、少なくとも何れか一方の受光部による受光量がゼロよりも大きくなるまで受光量のサンプリングを待機する。
【0058】
また、受光ユニット制御部96は、サンプリングした受光量に基づいて第1エッジ位置や第2エッジ位置を演算したら、それらを一周分平均することなく、その演算結果を第1エッジ位置や第2エッジ位置として確定してステアリング制御部97に送る。かかる構成においては、第1エッジ位置や第2エッジ位置をそれぞれ1周分平均するという演算処理を実施することなく、ベルト縁の位置誤差による第1エッジ位置の検知誤差の発生を回避することができる。
【0059】
これまで、各色のトナー像をベルト部材たる中間転写ベルト61に重ね合わせて転写してから記録シートに2次転写する構成のプリンタについて説明してきたが、次のような構成の画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。即ち、各色のトナー像を、ベルト部材たる紙搬送ベルトの表面に保持されている記録シートに重ね合わせて転写する構成である。
【0060】
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、実際に検知した第1エッジ位置と第2エッジ位置とに基づいて、第1ベルト位置P1と第2ベルト位置P2との間におけるベルトの傾きを精度良く検知することができる。更には、電気デバイスとして、光ビーム発射器95及び受光ユニット94の2つしか使用しないので、特許文献1に記載のベルト検知装置をそれぞえのベルト位置に設けて4つの電気デバイアスを用いる場合に比べて、配線の複雑化を抑えることができる。
【0061】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、中間転写ベルト61が、第1ベルト位置P1でのベルト幅方向の移動可能範囲のうち、ベルト幅方向のフロント側に最大限に寄った場合に、光ビーム出射器95と反転折り返し手段との間でビームスポットBsの全てをベルト端部に当てずにベルト側方をすり抜けさせ、且つ、中間転写ベルト61が、前記移動可能範囲のうち、ベルト幅方向のリア側に最大限に寄った場合に、光ビーム出射器95と反転折り返し手段との間でビームスポットBsにおける中心線RLを境にしたちょうど半分(第1領域A1)だけをベルト端部に当て、残りの半分(第2領域A2)だけにベルト側方をすり抜けさせる位置に、光ビーム発射器92を配設している。かかる構成では、既に説明したように、ビームスポットBsにおける第1領域A1を利用して第1エッジ位置を検知するとともに、第2領域A2を利用して第2エッジ位置を検知することができる。
【0062】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、受光手段たる受光ユニット94として、中心線RLを境にした互いに線対称の位置でビームスポット箇所をそれぞれ個別に受光する第1受光部94a及び第2受光部94bを具備するものを設けている。かかる構成では、既に説明したように、第1受光部94aによる受光量に基づいて第2エッジ位置を把握するとともに、第2受光部94bによる受光量に基づいて第1エッジ位置を把握することができる。
【0063】
また、実施例に係るプリンタにおいては、ベルト周方向に沿って所定の長さで延在しつつベルト周方向に沿って順に並ぶ複数の長穴61aを中間転写ベルト61のベルト端部に設け、それら長穴61aよりもベルト幅方向の中央側のベルト箇所(「穴隣接領域」)に当たらずに長穴61a内をすり抜けたビームスポット箇所を、反転折り返し手段や受光ユニット94に当てるようにしている。かかる構成では、既に説明したように、第1エッジ位置や第2エッジ位置をそれぞれ1周分平均するという演算処理を実施することなく、ベルト縁の位置誤差による第1エッジ位置の検知誤差の発生を回避することができる。
【0064】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、反転折り返し手段におけるビームスポットを反転させる反転手段として、像反転プリズムたるタブプリズム91b1を用いている。かかる構成では、既に説明したように、反転手段として反転ミラーを用いる場合に比べて省スペース化を図ることができる。
【0065】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、中間転写ベルト61を一周させる間に第1エッジ位置と第2エッジ位置とをそれぞれ複数回に渡って仮検知し、一周分のそれぞれの平均値を求める処理を実施するように、演算手段たる受光ユニット制御部96を構成している。かかる構成では、既に説明したように、ベルト縁の位置誤差による第1エッジ位置の検知誤差の低減することができる。
【0066】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、第1エッジ位置と第2エッジ位置とに基づいて、第1ベルト位置P1から第2ベルト位置P2に至るまでのベルト箇所の傾き(傾斜角度)を演算する処理を実施するように、受光ユニット制御部96を構成している。かかる構成では、実際に検知した第1エッジ位置及び第2エッジ位置に基づいて、傾斜角度を精度良く検知することができる。
【符号の説明】
【0067】
2Y,M,C,K:画像形成ユニット(可視像形成手段の一部)
60:転写ユニット(可視像形成手段の一部、ベルト駆動装置)
61:中間転写ベルト(ベルト部材)
61a:長穴
62Y,M,C,K:1次転写ローラ(張架ローラ)
64:寄り修正ローラ(ベルト位置修正手段の一部、張架ローラ)
65:1次転写ニップ上流ローラ(張架ローラ)
66:ニップ群下流ローラ(張架ローラ)
67:サイドローラ(張架ローラ)
68:2次転写ニップ上流ローラ(張架ローラ)
69:駆動ローラ(張架ローラ)
70:クリーニングバックアップローラ(張架ローラ)
90:ベルト位置検知装置
94:受光ユニット(受光手段)
94a:第1受光部
94b:第2受光部
95:光ビーム発射器(光ビーム発射手段)
96:受光ユニット制御部(演算手段)
97:ステアリング制御部(ベルト位置修正手段の一部)
98:傾動モータ(ベルト位置修正手段の一部)
99:第2傾動モータ(ベルト位置修正手段の一部)
100:光書込制御部(像形成位置補正手段)
Bs:ビームスポット
P1:第1ベルト位置
P2:第2ベルト位置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0068】
【特許文献1】特開2006−276427号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状のベルト部材のループ内側に配設された複数の張架ローラに対してそれぞれ前記ベルト部材を掛け回した状態で、前記ベルト部材を無端移動せしめるベルト駆動装置における、前記ベルト部材のおもて面全域又は裏面全域のうち、ベルト幅方向の端部であるベルト端部に向けて光ビームを発射する光ビーム発射手段と、該光ビーム発射手段から発せられた光ビームにおけるビームスポットのうち、前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所の光量に基づいて、前記ベルト端部のベルト幅方向の位置を演算する演算手段とを有するベルト位置検知装置において、
前記光ビーム発射手段を、前記ベルト部材の移動方向における互いに異なる第1ベルト位置と第2ベルト位置とのうち、前記第1ベルト位置に対向させて配設し、
前記光ビーム発射手段から発せられたビームスポットのうち、前記第1ベルト位置における前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を、前記光ビーム発射手段から発せられた直後のビームスポットにおけるベルト幅方向の中心線を基準にした線対称の姿勢で反転させつつ、前記第2ベルト位置における前記ベルト端部に向けて折り返させる反転折り返し手段を設け、
前記反転折り返し手段によって折り返された後、前記第2ベルト位置における前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を受光する受光手段を設け、
且つ、前記受光手段による受光量に基づいて、前記第1ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第1エッジ位置と、前記第2ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第2エッジ位置とをそれぞれ演算する処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項2】
請求項1のベルト位置検知装置において、
前記ベルト部材が、前記第1ベルト位置でのベルト幅方向の移動可能範囲のうち、ベルト幅方向の一端側に最大限に寄った場合に、前記光ビーム出射手段と前記反転折り返し手段との間で前記ビームスポットの全てを前記ベルト端部に当てずにベルト側方をすり抜けさせ、且つ、前記ベルト部材が、前記移動可能範囲のうち、ベルト幅方向の他端側に最大限に寄った場合に、前記光ビーム出射手段と前記反転折り返し手段との間で前記ビームスポットにおける前記中心線を境にしたちょうど半分だけを前記ベルト端部に当て、残りの半分だけにベルト側方をすり抜けさせる位置に、前記光ビーム発射手段を配設したことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項3】
請求項2のベルト位置検知装置において、
前記受光手段として、前記中心線を境にした互いに線対称の位置で前記ビームスポット箇所をそれぞれ個別に受光する2つの受光部を具備するものを設けたことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかのベルト位置検知装置において、
ベルト周方向に沿って所定の長さで延在しつつベルト周方向に沿って順に並ぶ複数の長穴を前記ベルト端部に設け、それら長穴よりもベルト幅方向の中央側のベルト箇所に当たらずに前記長穴内をすり抜けたビームスポット箇所を、前記反転折り返し手段や前記受光手段に当てるようにしたことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかのベルト位置検知装置において、
前記反転折り返し手段におけるビームスポットを反転させる反転手段として、像反転プリズムを用いたことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項6】
請求項1、2、3又は5のベルト位置検知装置において、
前記ベルト部材を一周させる間に前記第1エッジ位置と前記第2エッジ位置とをそれぞれ複数回に渡って仮検知し、一周分のそれぞれの平均値を求める処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかのベルト位置検知装置において、
前記第1エッジ位置と前記第2エッジ位置とに基づいて、前記第1ベルト位置から前記第2ベルト位置に至るまでのベルト箇所の傾きを演算する処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項8】
自らのループ内側に配設された複数の張架ローラに掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知手段と、前記ベルト位置検知手段による検知結果に基づいて前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を修正するベルト位置修正手段と、前記ベルト部材の表面、あるいは前記ベルト部材の表面に保持される記録シート、に可視像を形成する可視像形成手段とを備える画像形成装置において、
前記ベルト位置検知手段として、請求項1乃至7の何れかのベルト位置検知装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
自らのループ内側に配設された複数の張架ローラに掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知手段と、前記ベルト部材の表面、あるいは前記ベルト部材の表面に保持される記録シート、に可視像を形成する可視像形成手段と、前記ベルト位置検知手段による検知結果に基づいて前記可視像形成手段によるベルト幅方向の可視像形成位置を補正する像形成位置補正手段とを備える画像形成装置において、
前記ベルト位置検知手段として、請求項1乃至7の何れかのベルト位置検知装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
無端状のベルト部材のループ内側に配設された複数の張架ローラに対してそれぞれ前記ベルト部材を掛け回した状態で、前記ベルト部材を無端移動せしめるベルト駆動装置における、前記ベルト部材のおもて面全域又は裏面全域のうち、ベルト幅方向の端部であるベルト端部に向けて光ビームを発射する光ビーム発射手段と、該光ビーム発射手段から発せられた光ビームにおけるビームスポットのうち、前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所の光量に基づいて、前記ベルト端部のベルト幅方向の位置を演算する演算手段とを有するベルト位置検知装置において、
前記光ビーム発射手段を、前記ベルト部材の移動方向における互いに異なる第1ベルト位置と第2ベルト位置とのうち、前記第1ベルト位置に対向させて配設し、
前記光ビーム発射手段から発せられたビームスポットのうち、前記第1ベルト位置における前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を、前記光ビーム発射手段から発せられた直後のビームスポットにおけるベルト幅方向の中心線を基準にした線対称の姿勢で反転させつつ、前記第2ベルト位置における前記ベルト端部に向けて折り返させる反転折り返し手段を設け、
前記反転折り返し手段によって折り返された後、前記第2ベルト位置における前記ベルト端部に当たらずにベルト側方をすり抜けたスポット箇所を受光する受光手段を設け、
且つ、前記受光手段による受光量に基づいて、前記第1ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第1エッジ位置と、前記第2ベルト位置におけるベルト幅方向のベルト縁の位置である第2エッジ位置とをそれぞれ演算する処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項2】
請求項1のベルト位置検知装置において、
前記ベルト部材が、前記第1ベルト位置でのベルト幅方向の移動可能範囲のうち、ベルト幅方向の一端側に最大限に寄った場合に、前記光ビーム出射手段と前記反転折り返し手段との間で前記ビームスポットの全てを前記ベルト端部に当てずにベルト側方をすり抜けさせ、且つ、前記ベルト部材が、前記移動可能範囲のうち、ベルト幅方向の他端側に最大限に寄った場合に、前記光ビーム出射手段と前記反転折り返し手段との間で前記ビームスポットにおける前記中心線を境にしたちょうど半分だけを前記ベルト端部に当て、残りの半分だけにベルト側方をすり抜けさせる位置に、前記光ビーム発射手段を配設したことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項3】
請求項2のベルト位置検知装置において、
前記受光手段として、前記中心線を境にした互いに線対称の位置で前記ビームスポット箇所をそれぞれ個別に受光する2つの受光部を具備するものを設けたことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかのベルト位置検知装置において、
ベルト周方向に沿って所定の長さで延在しつつベルト周方向に沿って順に並ぶ複数の長穴を前記ベルト端部に設け、それら長穴よりもベルト幅方向の中央側のベルト箇所に当たらずに前記長穴内をすり抜けたビームスポット箇所を、前記反転折り返し手段や前記受光手段に当てるようにしたことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかのベルト位置検知装置において、
前記反転折り返し手段におけるビームスポットを反転させる反転手段として、像反転プリズムを用いたことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項6】
請求項1、2、3又は5のベルト位置検知装置において、
前記ベルト部材を一周させる間に前記第1エッジ位置と前記第2エッジ位置とをそれぞれ複数回に渡って仮検知し、一周分のそれぞれの平均値を求める処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかのベルト位置検知装置において、
前記第1エッジ位置と前記第2エッジ位置とに基づいて、前記第1ベルト位置から前記第2ベルト位置に至るまでのベルト箇所の傾きを演算する処理を実施するように、前記演算手段を構成したことを特徴とするベルト位置検知装置。
【請求項8】
自らのループ内側に配設された複数の張架ローラに掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知手段と、前記ベルト位置検知手段による検知結果に基づいて前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を修正するベルト位置修正手段と、前記ベルト部材の表面、あるいは前記ベルト部材の表面に保持される記録シート、に可視像を形成する可視像形成手段とを備える画像形成装置において、
前記ベルト位置検知手段として、請求項1乃至7の何れかのベルト位置検知装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
自らのループ内側に配設された複数の張架ローラに掛け回された状態で無端移動せしめられる無端状のベルト部材と、前記ベルト部材の張架ローラ上におけるベルト幅方向の位置を検知するベルト位置検知手段と、前記ベルト部材の表面、あるいは前記ベルト部材の表面に保持される記録シート、に可視像を形成する可視像形成手段と、前記ベルト位置検知手段による検知結果に基づいて前記可視像形成手段によるベルト幅方向の可視像形成位置を補正する像形成位置補正手段とを備える画像形成装置において、
前記ベルト位置検知手段として、請求項1乃至7の何れかのベルト位置検知装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
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【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
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【図22】
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【図25】
【公開番号】特開2012−247652(P2012−247652A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119895(P2011−119895)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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