説明

ベンゾジチオフェンを製造する方法および半導体ポリマを製造する方法

【課題】より効率的で、より安全で、かつ/または拡張性の高いベンゾジチオフェン、半導体ポリマを製造する方法を提供する。
【解決手段】式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェン:


式(I)
(式中、Rは、独立に直鎖状アルキル、分枝状アルキル、およびアリールから選択される)を製造する方法であって、ベンゾキノン−ジチオフェンを、少なくとも35のpKaを有し、かつ、式M−R(式中、Mは、MgXまたはLiであり、Xはハロゲンであり、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)を有する試薬と反応させる段階と、その結果として生じる中間体を還元して、式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェンを形成する段階と、を含む、ベンゾジチオフェンを製造する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、様々な実施形態において、ポリマ、およびかかるポリマを調製するための方法に関する。このポリマは、電子デバイス、例えば薄膜トランジスタ(「TFT」)および有機太陽電池での使用に適した半導体ポリマおよび有機半導体であり得る。これらのポリマを含む装置(デバイス)も含められる。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT)は、例えばセンサ、画像読取装置、および電子ディスプレイ装置を含む現代の電子工学における基本要素である。製造コストが非常に低いというだけでなく、物理的にコンパクトであり、軽量であり、かつ柔軟性があるなどの機械的特性をも表すTFTを製造することが一般に望まれている。
【0003】
TFTは、一般に、支持基板、3つの導電性電極(ゲート、ソースおよびドレイン電極)、チャネル半導体層、および、ゲート電極を半導体層から分離している電気絶縁性のゲート誘電層を含んでなる。
【0004】
望ましいのは、公知のTFTの性能を改良することである。性能は、少なくとも2つの特性、移動度およびオン/オフ比によって測定することができる。移動度は、cm/V・秒の単位で測定され、より高い移動度が望ましい。オン/オフ比は、オン状態のTFTを流れる電流に対する、オフ状態のTFTを通して漏れる電流の量の比である。一般に、より高いオン/オフ比がより望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,332,615号明細書
【特許文献2】米国特許第7,524,922号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0102559号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2008/0103286号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2008/0146776号明細書
【特許文献6】国際公開第2008/011957号パンフレット
【特許文献7】欧州特許第1357163号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】PAN et al., Chem. Mater., 18, p.3237-3241 (2006)
【非特許文献2】BEIMLING et al., Chem. Ber., 119, p.3189-3203 (1986)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
柔軟なTFTを製造するための一つのアプローチは、有機TFT(OTFT)を製造するための有機ポリマの使用である。プリンテッド・エレクトロニクス(printed electronics)産業で使用するための、溶液処理可能な空気安定性p型半導体ポリマ組成物に高い需要がある。しかしながら、そのような半導体ポリマ組成物を製造する方法およびプロセスは、より効率的で、より安全で、かつ/または拡張性の高いことが望ましいと思われる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
様々な実施形態において、半導体ポリマ組成物を作製するための方法が本明細書に開示される。特に、本方法は、ベンゾジチオフェンまたはBDTとしても知られるベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを製造するために有用である。これらの方法は、結果として生じるポリマの性能を損なうことなく、電子工学グレードの材料を調製することを可能にする。
【0009】
実施形態において、式(I):
【化1】


式(I)
(式中、Rは、独立に、アルキル、アリール、およびヘテロアリールから選択される)の4,8−二置換ベンゾジチオフェンを製造する方法が開示され;該方法は、ベンゾキノン−ジチオフェンを、少なくとも35のpKaを有し、かつ、式M−R(式中、Mは、MgXまたはLiであり、Xはハロゲンであり、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)を有する試薬と反応させること;ならびに、結果として生じる中間体を還元して、式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェンを形成することを含む。Rは、直鎖状アルキルであっても分枝状アルキルであってもよい。Rは、1〜約24個の炭素原子を有してもよい。
【0010】
中間体の還元は、酸性溶液中の金属塩化物を用いて行うことができ、該金属塩化物は、塩化錫、塩化亜鉛、または塩化鉄からなる群から選択される。
【0011】
該試薬は、炭化水素溶媒、芳香族溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、およびそれらの混合物から選択される溶媒に溶解して、試薬溶液を形成することができる。塩または有機添加剤、例えばLiClまたはLiBrを試薬溶液に添加して、試薬の反応性を変更してもよい。
【0012】
反応は、ベンゾキノン−ジチオフェンを試薬溶液に添加することにより行う。混合したベンゾキノン−ジチオフェンおよび試薬を約20℃〜約140℃の温度まで加熱してもよい。加熱は少なくとも30分間行ってもよい。試薬のベンゾキノン−ジチオフェンに対するモル比は、約2:1〜約4:1であってもよい。
【0013】
還元は、約20℃〜約140℃の温度まで加熱することを含んでもよい。この加熱も少なくとも30分間行ってもよい。
【0014】
本方法は、シリカゲルによるカラムクロマトグラフィおよび再結晶、ならびにそれらの組合せを用いて4,8−二置換ベンゾジチオフェンを精製することをさらに含むことができる。
【0015】
実施形態において、式(II)の半導体ポリマ:
【化2】


式(II)
(式中、各々のRおよび各々のRは、独立に、アルキル、アリール、およびヘテロアリールから選択され;かつ、nは、2〜約5,000である)を製造する方法が開示され;該方法は、ベンゾキノン−ジチオフェンを、式M−R(式中、Mは、MgXまたはLiであり、Xはハロゲンであり、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)の試薬と反応させること;結果として生じる中間体を還元して、式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェン:
【化3】


式(I)
を形成すること;Rがアルキル、アリール、またはヘテロアリールである3−R−チオフェンを、ベンゾジチオフェンの2位および6位に結合させて反復単位を得ること;ならびに、その反復単位を重合して式(II)のポリマを得ること、を含む。
【0016】
およびRは、約1〜約24個の炭素原子を有してもよい。望ましくは、水素ガス(H)は本方法で使用しない。
【0017】
中間体の還元は、具体的な実施形態において、酸性溶液中の塩化錫を用いて行われる。
【0018】
式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェンは、パラジウム、ニッケル、または鉄触媒クロスカップリング反応を用いて、3−R−チオフェンの2位および6位に結合させることができる。
【0019】
反応させる段階は、ベンゾキノン−ジチオフェンを試薬溶液に添加することにより行うことができる。ベンゾキノン−ジチオフェンを試薬溶液と混合し、約40℃〜約80℃の範囲を含む、約20℃〜約140℃の温度に加熱する。加熱は、少なくとも30分〜約4時間の間行ってもよい。反応させる段階は不活性雰囲気下で行ってもよい。
【0020】
試薬のベンゾキノン−ジチオフェンに対するモル比は、約2:1〜約4:1であってもよい。
【0021】
還元する段階は、約40℃〜約80℃を含む、約20℃〜約140℃の温度まで、少なくとも30分〜約24時間の間加熱することを含んでもよい。
【0022】
本方法は、4,8−二置換ベンゾジチオフェンを精製する段階をさらに含んでもよい。時には、少なくとも約30%の収率が得られる。n=1の場合の式(II)の反復単位も、シリカゲル、アルミナ、またはそれらの組合せによるカラムクロマトグラフィと、再結晶の組合せを用いて精製して最小のHPLC純度を94%とすることができる。
【0023】
その他の実施形態において、式(II)の半導体ポリマが開示され:
【化4】


式(II)
(式中、各々のRおよび各々のRは、独立に、アルキル、アリール、およびヘテロアリールから選択され;かつ、nは、2〜約5,000である);この際、該ポリマは、:ベンゾキノン−ジチオフェンを、式M−R(式中、Mは、MgXまたはLiであり、Xはハロゲンであり、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)の試薬と反応させること;結果として生じる中間体を還元して、式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェン:
【化5】


式(I)
を形成すること;Rがアルキル、アリール、またはヘテロアリールである3−R−チオフェンを、ベンゾジチオフェンの2位および6位に結合させて反復単位を得ること;ならびに、その反復単位を重合して式(II)のポリマを得ること、により製造される。
【0024】
半導体層を含み、該半導体層が式(II)の半導体ポリマを含有する電子デバイス、例えば薄膜トランジスタなども開示される。
【0025】
4,8−二置換ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを得るための方法も開示され、該方法は、順々に、式M−R(式中、Mは、MgXまたはLiであり、Xはハロゲンであり、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)の試薬を含む混合物を調製すること;ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−ジオンを混合物に添加すること;混合物を加熱すること;混合物をクエンチし、混合物を冷却すること;塩化錫溶液および酸を混合物に添加すること;混合物を加熱すること;混合物をクエンチし、混合物を冷却して有機層および水層を得ること;ならびに有機層を精製して4,8−二置換ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを得ることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本開示のOTFTの第1の例示的な実施形態である。
【図2】本開示のOTFTの第2の例示的な実施形態である。
【図3】本開示のOTFTの第3の例示的な実施形態である。
【図4】本開示のOTFTの第4の例示的な実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に開示される成分、プロセス、および装置は、付随する図面を参照することにより完全に理解することができるであろう。これらの図は、簡便さおよび本発明の実証の容易さに基づく単なる模式図であり、それ故に、その装置または成分の相対的なサイズおよび寸法を示すこと、ならびに/あるいは、例示的な実施形態の範囲を規定または制限することを意図するものではない。
【0028】
以下の説明では明確にするために特定の用語が使用されているが、これらの用語は、図面での説明のために選択された実施形態の特定の構造にだけ言及することを意図するものであり、本開示の範囲を規定または制限することを意図するものではない。図面および以下の説明において、同様の数字表示が、同様の機能の成分をさすことは当然理解される。
【0029】
量に関連して使用される「約」という修飾語は述べられた値を含み、その文脈に示される意味を有する(例えば、それは少なくとも、特定の量の測定値に関連する誤差の程度を含む)。範囲に関連して使用される場合、「約」という修飾語は、2つのエンドポイントの絶対値により定義される範囲を開示するものともみなされるべきである。例えば、「約2〜約4」という範囲は、「2〜4」という範囲も開示する。
【0030】
本開示は、ベンゾジチオフェン半導体ポリマを調製するためのプロセスに関する。それらは、例えば、有機薄膜トランジスタ(OTFT)における半導体層としての使用に適している。
【0031】
図1は、第1のOTFTの実施形態または構成を説明する。OTFT10は、ゲート電極30および誘電層40に接触している基板20を含む。ここではゲート電極30は基板20の内部にあるように表されているが、これは必ずしも必要ではない。しかし、誘電層40が、ゲート電極30をソース電極50、ドレイン電極60、および半導体層70から分離していることは重要である。ソース電極50は半導体層70に接触している。ドレイン電極60も半導体層70に接触している。半導体層70は、ソース電極50およびドレイン電極60の上方および両者の間に延びている。界面層80は、誘電層40と半導体層70の間に設置されている。
【0032】
図2は、第2のOTFTの実施形態または構成を説明する。OTFT10は、ゲート電極30および誘電層40に接触している基板20を含む。半導体層70は、誘電層40の上方または上面に設置され、誘電層40をソース電極50およびドレイン電極60から分離している。界面層80は、誘電層40と半導体層70の間に設置されている。
【0033】
図3は、第3のOTFTの実施形態または構成を説明する。OTFT10は、ゲート電極としても作用し、かつ、誘電層40に接触している基板20を含む。半導体層70は、誘電層40の上方または上面に設置され、誘電層40をソース電極50およびドレイン電極60から分離している。界面層80は、誘電層40と半導体層70の間に設置されている。
【0034】
図4は、第4のOTFTの実施形態または構成を説明する。OTFT10は、ソース電極50、ドレイン電極60、および半導体層70に接触している基板20を含む。半導体層70は、ソース電極50およびドレイン電極60の上方および両者の間に延びている。誘電層40は、半導体層70の上にある。ゲート電極30は、誘電層40の上にあり、半導体層70とは接触していない。界面層80は、誘電層40と半導体層70の間に設置されている。
【0035】
ベンゾジチオフェン系半導体ポリマは、有機薄膜トランジスタおよび有機太陽電池にとって重要な材料である。この重要な材料は可溶性であり(製造の際に使い易くなる)、かつ、装置の二次加工の間に熱アニーリング工程を必要とせずOTFTにおいて高い電界効果移動度を示す。ベンゾジチオフェン(BDT)は一般に、次の構造のものを用いるとされる。
【化6】

【0036】
ベンゾジチオフェン部分のコア自体は有機溶媒への溶解度が非常に低い。しかし、いくらかの修正によって、可溶性BDT含有ポリマ、例えば式(II)のポリマ:
【化7】


式(II)
(式中、各々のRおよび各々のRは、独立に、アルキル、アリール、およびヘテロアリールから選択され;かつ、nは、反復単位の数であり、2〜約5,000である)を得ることができる。
【0037】
用語「アルキル」とは、完全に飽和した式C2n+1の、炭素原子と水素原子から完全に構成される置換基をさす。アルキル鎖は直鎖状であっても分枝状であってもよい。用語「アリール」とは、炭素原子と水素原子から完全に構成され、芳香族である置換基をさす。用語「ヘテロアリール」とは、炭素原子、水素原子、および1以上のヘテロ原子(O、N、S)から構成され、芳香族である置換基をさす。
【0038】
式(II)のポリマは、具体的な実施形態において、ポリ(4,8−ジアルキル−2,6−ビス(3−アルキルチオフェン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン)としても知られている。さらに具体的な実施形態では、RおよびRは各々1〜約24個の炭素原子を有するアルキルである。その他の実施形態では、RおよびRは相互に同一である。一具体例では、RおよびRは各々−C1225である。
【0039】
アルキル化したベンゾジチオフェンコアを調製するための公知の一プロセスを、−C1225鎖の付加を用いて説明されるスキーム1に示す。ベンゾキノン出発物質から出発して、アルキニルマグネシウムまたはアルキニルリチウム試薬(スキーム1中、MはMgXまたはLiであり、ここでXはハロゲンである)を用いてアルキル側鎖を4位および8位に付加し、塩化錫(II)(SnCl)を用いてジオールを還元する。アルキニル結合をその後にHガスで還元する。この三段階のプロセスは、一般に安全でないと考えられている可燃性の水素ガスを使用する。その上、このプロセスは実験台量(lab−bench amounts)(すなわち、グラム)よりも上の規模にすることが困難である。
【0040】
【化8】


スキーム1
【0041】
本開示では、ベンゾジチオフェンコアをアルキル化するプロセスを、この場合も−C1225鎖の付加を例として用いて説明されるスキーム2に示す。p−ベンゾキノン出発物質(すなわち、ベンゾジチオフェン−4,8−ジオン)から出発して、該試薬の有機部分がアルキル、アリール、またはヘテロアリールである、有機マグネシウムまたは有機リチウム試薬(スキーム2中、Mは、MgXまたはLiであり、ここでXはハロゲンである)を用いて、−C1225鎖を中央のベンゼン環の4位および8位に直接付加する。この後に、還元的芳香族化段階が続く。この二段階プロセスは精製を単純化し、水素ガスを用いる反応を排除する。もう一つの利点は、このプロセスが、そうでなければスキーム1で示される先行技術を用いて近づくことのできない(unaccessable)(すなわち、4および8の位置に置換することのできない)置換基、例えば分枝アルキル鎖またはアリール環の付加を可能にすることである。
【0042】
【化9】


スキーム2
【0043】
本開示のプロセスは、より広範にスキーム3に説明される。
【0044】
【化10】


スキーム3
(式中、Mは、MgXまたはLiであり、Xはハロゲンであり、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである。)出発ベンゾキノン−ジチオフェンまたはベンゾジチオフェン−4,8−ジオンAを試薬Bと反応させて4位および8位にR置換基を得て、中間体化合物(示さず)を得る。次に、中間体化合物を還元して4,8−二置換ベンゾジチオフェンCを形成する。
【0045】
有機マグネシウムまたは有機リチウム試薬M−Rは、pKaが少なくとも35、すなわち、pKaが35以上である。言い換えれば、この試薬は極めてアルカリ性である。例示的な試薬は、pKaが約50の臭化ドデシルマグネシウムである。ベンゾキノン−ジチオフェンのpKaは約35である。この大きなpKaの差は、一般に所望のBDTの収率を低下させる望ましくない酸塩基副反応を導く。しかし、反応プロセスを注意深く選択することにより、適度な収率のBDTが得られる。スキーム1に示される先行技術のプロセスは、これらの競合する副反応を回避するためにpKaが約25のアルキニルマグネシウムまたはアルキニルリチウム試薬を使用している。
【0046】
環元段階では、一般にRの同一性に影響を及ぼさないあらゆる還元剤を使用してもよい。実施形態では、還元は、酸性溶液中の金属塩化物を使用して(一般にHClの付加によって)行われる。例となる金属塩化物としては、塩化錫、塩化亜鉛、および塩化鉄が挙げられる。しかし、特定の実施形態では、酸性溶液中のSnClが使用される。
【0047】
試薬は、一般に溶媒に溶解されて試薬溶液を形成する。溶媒は、炭化水素溶媒、芳香族溶媒、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、またはそれらの混合物であってもよい。例となる溶媒としては、シクロヘキサン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、およびトルエンが挙げられる。特定の実施形態では、溶媒は無水エーテル溶媒である。
【0048】
一般に、ベンゾキノン−ジチオフェンを有機マグネシウムまたは有機リチウム試薬の溶液に添加する。有機マグネシウムまたは有機リチウム試薬の濃度は、約0.1M〜約1.0Mであってもよい。反応物は、一般に約40℃〜約80℃を含む約20℃〜約140℃の範囲まで加熱される。加熱は、一般に少なくとも30分〜約4時間の間持続する。その他の実施形態では、加熱は、少なくとも1時間持続する。反応物を室温まで冷却し、過剰な有機マグネシウムまたは有機リチウム試薬を水でクエンチする。次に反応物を金属塩化物の酸性溶液で処理する。10容積%の塩酸溶液に溶解した金属塩化物の濃度は、約1M〜約3Mである。反応物は、一般に約40℃〜約80℃を含む約20℃〜約140℃の範囲まで加熱される。反応物は、約2時間〜約24時間を含む少なくとも30分の時間加熱することができる。反応物を室温まで冷却し、生成物Cを当分野で公知の標準法を用いて単離および精製する。例えば、この生成物はカラムクロマトグラフィと再結晶の組合せにより精製することができる。カラムは、例えば、シリカゲルまたはアルミナを使用してもよい。一部の実施形態では、カラムクロマトグラフィおよび再結晶を用いて94%という最小HPLC純度が達成される。
【0049】
このプロセスを最適化し、数回反復した。それにより30%前後という安定した収率が得られる。
【0050】
特定の実施形態では、有機マグネシウム/有機リチウム試薬Bを、ヘキサンあるいはエーテル溶媒/エーテル含有溶媒、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、またはtert−ブチルメチルエーテル(TBME)などの溶媒に溶解する。次に、出発ベンゾキノン−ジチオフェンAを溶液に添加して反応を開始させる。特定の実施形態では、ベンゾキノン−ジチオフェンと試薬の反応は、不活性雰囲気下、例えばアルゴンまたは窒素下で起こる。試薬のベンゾキノン−ジチオフェンに対するモル比(試薬:ベンゾキノン−ジチオフェン)は、4位および8位への置換基の付加を確実に完了させるために、約2:1〜約4:1であってもよい。
【0051】
様々な成分の添加順序は重要ではない。例えば、有機マグネシウム/有機リチウム試薬を、ベンゾキノン−ジチオフェンのエーテル溶媒中の懸濁液に添加してもよく、その反応物は30%前後の収率を伴って既に説明したように完了させることができる。
【0052】
有機マグネシウム試薬、例えばLiClまたはLiBrの反応性を変更する塩またはその他の有機添加剤は、本プロセスの収量に影響を及ぼさないし、同じように試薬溶液に添加することができる。本プロセスは、5グラムの規模で同様の収率を伴って実証されており、それよりも大きなバッチサイズであっても30%の範囲内の一貫した再現性のある収率が予期される。
【0053】
次に、アルキル化ベンゾジチオフェンコアを用いて、当分野で公知の方法を用いて半導体ポリマを形成することができる。それらの半導体ポリマは、例えば、有機薄膜トランジスタにおける半導体層を形成するために使用することができる。
【0054】
例えば、式(II)のポリマは、スキーム4において下に示される通り形成することができる。
【0055】
【化11】


スキーム4
【0056】
手短に言えば、3−R−チオフェンDを4,8−二置換ベンゾジチオフェンCの2位および6位に結合させて反復単位Eを得る。例えば、パラジウム触媒クロスカップリング反応を用いてCとDを共に結合させる。次に、反復単位を例えばカラムクロマトグラフィおよび再結晶によって精製して、最小HPLC純度94%を達成する。次に、反復単位を重合してポリマFを得る。重合は、例えば、FeClにより媒介される酸化カップリング反応であってもよい。
【0057】
所望であれば、本発明の半導体層は、別の有機半導体材料をさらに含んでもよい。その他の有機半導体材料の例としては、限定されるものではないが、アセン、例えばアントラセン、テトラセン、ペンタセン、およびそれらの置換誘導体など、ペリレン、フラーレン、オリゴチオフェン、その他の半導体ポリマ、例えばトリアリールアミンポリマ、ポリインドロカルバゾール、ポリカルバゾール、ポリアセン、ポリフルオレン、ポリチオフェンおよびそれらの置換誘導体など、フタロシアニン、例えば銅フタロシアニンまたは亜鉛フタロシアニンおよびそれらの置換誘導体などが挙げられる。
【0058】
半導体層は約5nm〜約1000nm厚、特に約10nm〜約100nm厚である。半導体層は任意の適した方法により形成されてもよい。しかし、半導体層は一般に液体組成物、例えば分散系または溶液から形成され、その後トランジスタの基板の上に成膜される。例となる成膜法としては、液相成長、例えばスピンコーティング、浸漬被覆、ブレードコーティング、ロッドコーティング、スクリーン印刷、スタンピング、インクジェット印刷、および同類のもの、ならびに当技術分野で公知のその他の従来プロセスが挙げられる。
【0059】
基板は、限定されるものではないが、例えばシリコン、ガラス板、プラスチックフィルムまたはシートを含む材料から構成されてもよい。構造上柔軟な装置には、プラスチック基板、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミドシートおよび同類のものなどを使用することができる。基板の厚さは、約10マイクロメートルから10ミリメートル超までであってもよく、例示的な厚さは、特に柔軟なプラスチック基板には約50マイクロメートル〜約5ミリメートル、ガラスまたはシリコンなどの硬質基板には約0.5〜約10ミリメートルである。
【0060】
ゲート電極は、導電性の材料から構成される。それは薄い金属膜、導電性ポリマフィルム、導電性インクまたはペーストから作製された導電膜、あるいは基板自体、例えば高濃度ドープシリコンであってもよい。ゲート電極材料の例としては、それに制限されないが、アルミニウム、金、銀、クロム、酸化インジウムスズ、導電性ポリマ、例えばポリスチレンスルホン酸をドープしたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PSS−PEDOT)、および、カーボンブラック/グラファイトまたは銀コロイドを含む導電性インク/ペースが挙げられる。ゲート電極は、真空蒸発、金属または導電性金属酸化物のスパッタリング、従来のリソグラフィおよびエッチング、化学気相成長、スピンコーティング、キャスティングまたはプリンティング、あるいはその他の成膜工程により調製することができる。ゲート電極の厚さは、金属フィルムには約10〜約500ナノメートルの範囲、そして導電性ポリマには約0.5〜約10マイクロメートルの範囲である。
【0061】
誘電層は、一般に、無機金属膜、有機高分子膜、または有機無機複合膜であってもよい。誘電層として適した無機材料の例としては、酸化ケイ素、窒化珪素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸バリウムジルコニウムおよび同類のものが挙げられる。適した有機ポリマの例としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(ビニルフェノール)、ポリイミド、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、エポキシ樹脂および同類のものが挙げられる。誘電層の厚さは使用する材料の誘電率によって決まり、それは例えば、約10ナノメートル〜約500ナノメートルであってもよい。誘電層は、例えば、1センチメートルあたり約10−12ジーメンス(S/cm)未満の導電率を有してもよい。誘電層は、ゲート電極を形成する際に説明されるプロセスを含む、当技術分野で公知の従来プロセスを用いて形成される。
【0062】
所望であれば、界面層は誘電層と半導体層の間に設置されてもよい。有機薄膜トランジスタにおいて電荷輸送はこれらの2つの層の界面で起こるため、界面層はTFTの特性に影響を及ぼし得る。例となる界面層は、シランから製造されたもの、例えば2008年4月11日出願の米国特許出願第12/101,942号に記載されるものであり得る。
【0063】
ソースおよびドレイン電極としての使用に適した典型的な材料としては、ゲート電極材料の材料、例えば金、銀、ニッケル、アルミニウム、白金、導電性ポリマ、および導電性インクが挙げられる。具体的な実施形態では、これらの電極材料は低い接触抵抗を半導体にもたらす。典型的な厚さは、例えば、約40ナノメートル〜約1マイクロメートルであり、より具体的な厚さは、約100〜約400ナノメートルである。本開示のOTFT装置は半導体チャネルを含む。半導体チャネル幅は、例えば、約5マイクロメートル〜約5ミリメートルであり、具体的なチャネル幅は約100マイクロメートル〜約1ミリメートルである。半導体チャネル長は、例えば、約1マイクロメートル〜約1ミリメートルであり、より具体的なチャネル長は、約5マイクロメートル〜約100マイクロメートルである。
【0064】
ソース電極を接地し、例えば、約0ボルト〜約80ボルトのバイアス電圧をドレイン電極に印加して、例えば、約+10ボルト〜約−80ボルトの電圧をゲート電極に印加した場合に半導体チャネルを横断して輸送される電荷担体を収集する。これらの電極は、当技術分野で公知の従来プロセスを用いて形成または成膜することができる。
【0065】
所望であれば、TFTの電気的特性を低下させ得る環境条件、例えば光、酸素および水分などからTFTを保護するために、TFTの上面にバリア層を成膜してもよい。そのようなバリア層は当技術分野で公知であり、単にポリマを含んでなってもよい。
【0066】
OTFTの様々な構成要素は、図面から分かるように、任意の順序で基板の上に成膜することができる。「基板の上」という用語は、各々の構成要素が直接的に基板に接触することを必要とすると解釈されるべきではない。この用語は基板に対する構成要素の位置を説明すると解釈されるべきである。しかしながら、一般にゲート電極と半導体層は両方共に誘電層に接触しているべきである。その上、ソース電極およびドレイン電極は両方共に半導体層に接触しているべきである。本開示の方法により形成される半導体ポリマを、有機薄膜トランジスタの任意の適切な構成要素の上に成膜させて、そのトランジスタの半導体層を形成することができる。
【0067】
結果として生じるトランジスタは、実施形態において、0.2cm/V・秒またはそれより大きい移動度を有し得る。
【0068】
以下の実施例は本開示の方法を説明するものである。実施例は単なる説明であって、本開示中に示される材料、条件、または処理パラメータに関して、本開示を制限することを意図するものではない。特に断りのない限り、すべての「部」は重量百分率である。
【実施例】
【0069】
<実施例1>
500mL丸底フラスコ中で、無水テトラヒドロフラン(150mL)を臭化ドデシルマグネシウムの1M溶液(34mL、34ミリモル)で処理した。固体4,8−デヒドロベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−ジオン(2.50g、11.4ミリモル)を一度に添加し、反応物をアルゴン雰囲気下で60℃に加熱した。90分後、加熱浴を除去し、反応物を室温まで冷却し、水(20mL)で注意深くクエンチした。反応物を10容積%の塩酸溶液(30mL)中の塩化錫(II)(12.91g、68.1ミリモル)の溶液で処理し、60℃に加熱した。18時間後、加熱浴を除去し、反応物を室温まで冷却した。層を分離し、有機層を乾燥させ(MgSOを使用)、濾過し、ロータリエバポレータを用いて濃縮した。粗生成物をヘキサンを溶出剤として用いる短いSiOプラグに通過させ、生成物をヘキサンから再結晶化させて、4,8−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを白色固体として得た(1.7g、収率28%)。この構造をHおよび13C NMR分光法により確認した。
【0070】
<実施例2>
500mL丸底フラスコ中で、4,8−デヒドロベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−ジオン(2.50g、11.4ミリモル)を無水tert−ブチルメチルエーテル(150mL)に懸濁した。この懸濁液を、アルゴン雰囲気下で臭化ドデシルマグネシウムの1M溶液(45.4mL、45.4ミリモル)を滴下して処理した。90分後、加熱浴を除去し、反応物を室温まで冷却し、水(20mL)で注意深くクエンチした。反応物を10容積%の塩酸溶液(30mL)中の塩化錫(II)(12.9g、68.1ミリモル)の溶液で処理し、50℃に加熱した。4時間後、加熱源を除去し、反応物を室温まで冷却した。層を分離し、有機層を乾燥させ(MgSOを使用)、濾過し、ロータリエバポレータを用いて濃縮した。粗生成物をヘキサンを溶出剤として用いる短いSiOプラグに通過させ、生成物をヘキサンから再結晶化させて、4,8−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを白色固体として得た(1.7g、収率28%)。この構造をHおよび13C NMR分光法により確認した。
【0071】
<実施例3>
500mL三口丸底フラスコ中で、塩化リチウム(1.45g、34.0ミリモル)を無水THF(150ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下で臭化ドデシルマグネシウムの1M溶液(34.0ml、34.0ミリモル)で処理した。反応物を固体の4,8−デヒドロベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−ジオン(2.5g、11.4ミリモル)で処理し、室温にて撹拌した。30分後、反応物を65℃に加熱した。1時間後、加熱浴を除去し、反応物を室温まで冷却し、水(20mL)で注意深くクエンチした。反応物を10容積%のHCl(30.0ml)中の塩化錫(II)(10.76g、56.7ミリモル)の溶液で一度に処理して、反応物を65℃に加熱した。3時間後、加熱浴を除去し、反応物を室温まで冷却した。粗生成物をヘキサンを溶出剤として用いる短いSiOプラグに通過させ、生成物をヘキサンから再結晶化させて、4,8−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを白色固体として得た(1.6g、収率27%)。この構造をHおよび13C NMR分光法により確認した。
【0072】
<実施例4>
500mL三口丸底フラスコ中で、無水THF(300ml)をアルゴン雰囲気下で臭化ドデシルマグネシウムの1M溶液(68.1ml、68.1ミリモル)で処理した。反応物を固体4,8−デヒドロベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−4,8−ジオン(5.00g、22.7ミリモル)で処理し、室温にて撹拌した。1時間後、反応物を65℃に加熱した。1時間後、加熱浴を除去し、反応物を室温まで冷却し、水(20mL)で注意深くクエンチした。反応物を10容積%のHCl(50ml)中の塩化錫(II)(21.52g、113ミリモル)の溶液で一度に処理し、反応物を65℃に加熱した。3時間後、加熱浴を除去し、反応物を室温まで冷却した。層を分離し、有機層を乾燥させ(MgSOを使用)、濾過し、ロータリエバポレータを用いて濃縮した。粗生成物をヘキサンを溶出剤として用いる短いSiOプラグに通過させ、生成物をヘキサンから再結晶化させて、4,8−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを白色固体として得た(3.2g、収率27%)。この構造をHおよび13C NMR分光法により確認した。
【0073】
<実施例5>
250mL三口丸底フラスコ中で、トルエン(80ml)および2M NaCO(40.0ml)の混合物を、アルゴンを溶液に通すことにより脱酸素化した。1時間後、反応物を2,6−ジブロモ−4,8−ジドデシルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン(3.00g、4.38ミリモル)、3−ドデシルチオフェン−2−ボロン酸ピナコールエステル(4.15g、10.95ミリモル)、Pd(PPh(0.253g、0.22ミリモル)で処理し、アルゴン雰囲気下で100℃に加熱した。48時間後、加熱浴を除去し、反応物を室温まで冷却した。層を分離し、水相を酢酸エチル(75mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(MgSOを使用)、濾過し、ロータリエバポレータを用いて濃縮した。ヘキサンを溶出剤として用いるSiOによるカラムクロマトグラフィにより粗生成物を精製し、ヘキサンから再結晶させて、4,8−ジドデシル−2,6−ビス(3−ドデシルチエン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを黄色の固体として得た(3.5g、78%)。この構造をHおよび13C NMR分光法により確認した。モノマの純度はHPLCにより測定して94%であった。
【0074】
<実施例6>
式(II)のポリマを形成するため、4,8−ジドデシル−2,6−ビス(3−ドデシルチエン−2−イル)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンを、FeClを用いて重合した。精製後、このポリマを、OTFT装置の上に接触するp型半導体層として使用した。この材料の移動度の範囲を測定すると0.239〜0.285cm/V・秒であり、これは対照サンプルに一致した。この実施例により、この新規のプロセスを用いて調製したBDTビルディングブロックを電子工学グレードの材料に性能を損なうことなく組み込むことができることが示された。
【符号の説明】
【0075】
10 OTFT、20 基板、30 ゲート電極、40 誘電層、50 ソース電極、60 ドレイン電極、70 半導体層、80 界面層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェン:
【化1】


式(I)
(式中、Rは、独立に直鎖状アルキル、分枝状アルキル、およびアリールから選択される)を製造する方法であって、
ベンゾキノン−ジチオフェンを、少なくとも35のpKaを有し、かつ、式M−R(式中、Mは、MgXまたはLiであり、Xはハロゲンであり、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)を有する試薬と反応させる段階と、
その結果として生じる中間体を還元して、前記式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェンを形成する段階と、
を含む、ベンゾジチオフェンを製造する方法。
【請求項2】
式(II)の半導体ポリマ:
【化2】


式(II)
(式中、RおよびRは、独立に、アルキル、アリール、およびヘテロアリールから選択され;かつ、nは、2〜5,000である)を製造する方法であって、
ベンゾキノン−ジチオフェンを、式M−R(式中、Mは、MgXまたはLiであり、Xはハロゲンであり、Rは、アルキル、アリール、またはヘテロアリールである)の試薬と反応させる段階と、
その結果として生じる中間体を還元して、式(I)の4,8−二置換ベンゾジチオフェン:
【化3】


式(I)
(式中、Rは、独立に直鎖状アルキル、分枝状アルキル、およびアリールから選択される)を形成する段階と、
がアルキル、アリール、またはヘテロアリールである3−R−チオフェンを、前記ベンゾジチオフェンの2位および6位に結合させて反復単位を得る段階と、
前記反復単位を重合して前記式(II)のポリマを得る段階と、
を含む、半導体ポリマを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−79827(P2011−79827A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227190(P2010−227190)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】