説明

ポリイミド−ポリアミド酸共重合体、その製造方法、それを含む感光性組成物およびこれにより提供される保護膜

【課題】ポリイミド-ポリアミド酸(polyamic acid)のブロック共重合体、その製造方法および前記ポリイミド-ポリアミド酸のブロック共重合体を含むポジ型感光性組成物及び、半導体保護膜とOLEDのITO絶縁膜を提供する。
【解決手段】ポリイミドとポリアミド酸のブロック共重合体とを含む感光性組成物を用い、アルカリ水溶液に対する溶解度を調節されることにより高解像度と、優れた経時安定性に優れた半導体保護膜及びOLEDのITO絶縁膜。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイミド-ポリアミド酸(polyamic acid)共重合体、その製造方法、それを含む感光性樹脂組成物およびこれらから製造されたポリイミドフィルムで構成された保護膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来ポリイミド樹脂を用いたOLEDの絶縁膜または半導体保護膜の製造においては、フォトレジスト膜を追加塗布してパターニングさせた後、有機溶剤でエッチングする方法を用いてきた。しかしながら、この方法は工程が複雑であり、有機溶剤によりレジストパターンが膨潤するという問題が発生する。なお、ネガ型感光性ポリイミドを用いる場合は、追加のフォトレジスト膜が不要なため工程を短縮させることはできるが、有機溶剤によりレジストパターンが膨潤してしまい解像度が低下するという問題は依然として残っている。
【0003】
近年、このような問題点を補完するために、エッチング溶液をアルカリ水溶液に代替したネガ型感光性ポリイミドの開発が完了しており、量産に適用されている。しかしながら、この場合にも、露光領域での未架橋のカルボキシル基やアルコール性水酸基の残留により、アルカリ水溶液を用いて現像する時にこれらが多少膨潤してしまい、円い肩部形状の断面形状を有することから高品質のレジストパターン層を確保することができないという問題がある。
【0004】
したがって、感光性樹脂を直接適用して工程を短縮させることができ、有機溶剤の代わりにアルカリ水溶液を適用して環境に優しく、ネガ型よりも高解像度の実現が可能なポジ型感光性ポリイミドの開発が活発に進められている。
【0005】
従来は、ポジ型感光性樹脂組成物は、ポリアミド酸とジアゾナフトキノンの組み合わせ、ポリアミド酸-ポリイミド共重合体とジアゾナフトキノンの組み合わせ、ポリイミドとジアゾナフトキノンの組み合わせ、ポリベンゾオキサゾールとジアゾナフトキノンの組み合わせ、化学増幅型ポリアミド酸エステルと光酸発生剤の組み合わせとして開発されてきた。
【0006】
しかしながら、このような従来の感光性組成物中のポリイミド-ポリアミド酸共重合体をバインダー樹脂として使用する場合、前記共重合体中のポリアミド酸はアルカリ水溶液に対する溶解度が非常に大きく、ポリイミドは溶解度が非常に小さいため、露光領域と非露光領域での溶解度差の調節が非常に難しく、高解像度の実現が困難であった。
【0007】
したがって、アルカリ水溶液に対する露光領域と非露光領域での溶解度を調節することにより、高解像度の実現が可能なポジ型感光性樹脂組成物の開発が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、従来のポジ型感光性樹脂組成物において、ポリイミド-ポリアミド酸共重合体をバインダー樹脂として使用することによる露光領域と非露光領域での溶解度の調節の難しさを解決し、高解像度のポジ型感光性樹脂組成物を提供することで、経時安定性に優れた半導体保護膜を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって本発明では、ポリイミド-ポリアミド酸共重合体において、ポリイミド部分にはカルボキシル基を導入してアルカリ水溶液に対する溶解度を向上させ、ポリアミド酸部分のヒドロキシ基は感光剤と水素結合により露光領域で溶解しないようにその構造を調節することにより、従来露光領域と非露光領域での溶解度差による解像度低下の問題を解決することができる。
【0010】
本発明の目的は、露光/非露光領域での溶解度差を調節できる構造を有するポリイミド-ポリアミド酸共重合体とこの製造方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、上述のような特徴を有するポリイミド-ポリアミド酸共重合体をバインダー樹脂として使用する感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
本発明のまた他の目的は、前記ポリイミド-ポリアミド酸共重合体から製造されたポリイミドフィルムで構成され、経時安定性に優れたOLED保護膜および半導体保護膜を提供することにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、アルカリ水溶液に対する露光部および非露光部の溶解度を調節することにより、高解像度の実現が可能であり、経時安定性に優れた保護膜を提供することができる。本発明による感光性組成物により提供されたポリイミドフィルムは、OLED保護膜または半導体保護膜などとして使用できる。即ち、OLEDでは、ピクセルの保護膜としてEL層間に感光性ポリイミドフィルムを用いて保護膜を形成する。また、半導体では、エポキシとシリコンナイトライド層の間の緩衝膜として用いられる感光性保護膜への利用が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述のような本発明の目的を達成するための本発明のポリイミド-ポリアミド酸共重合体は、次の一般式(1)または(2)の構造を有することを特徴とする。
【0015】
【化1】

【0016】
式中、R1、R2、R3は、互いに同一でも異なっていても良く、それぞれカルボキシル基が置換された二無水物から誘導された4価の官能基であり、X1、X2、X3は、互いに同一でも異なっていても良く、それぞれジアミンから誘導された2価の有機基であり、A1とA2のうち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、フェノール性水酸基およびカルボキシル基からなる群より選択された1種以上の置換基であり、lとmは、1:10〜10:1の範囲内に該当する比率値を持つ1〜10の整数であり、nとpは、それぞれ0.5:1〜2:1の範囲内の比率値を持つ1〜100の整数である。
【0017】
【化2】

【0018】
式中、R1、R2は、互いに同一でも異なっていても良く、それぞれカルボキシル基が置換された二無水物から誘導された4価の官能基であり、X1、X2、X3は、互いに同一でも異なっていても良く、それぞれジアミンから誘導された2価の有機基であり、A1とA2のうち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、フェノール性水酸基およびカルボキシル基からなる群より選択された1種以上の置換基であり、lとmは、1:10〜10:1の範囲内に該当する比率値を持つ整数であり、pは、1〜100の整数であり、望ましくは5〜50の整数である。
【0019】
本発明におけるポリイミド-ポリアミド酸ブロック共重合体の製造方法は、二無水物とジアミンを反応させてオリゴイミドを製造するステップと、二無水物とジアミンを反応させてオリゴアミド酸を製造するステップと、前記オリゴイミドとオリゴアミド酸またはジアミンを縮合反応させるステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
なお、本発明の他の目的を達成するための感光性樹脂組成物は、前記ポリイミド-ポリアミド酸ブロック共重合体を含むことを特徴とする。
【0021】
なお、本発明は、前記ポリイミド-ポリアミド酸共重合体から製造されたポリイミドフィルムで構成されたOLED保護膜または半導体保護膜であることを特徴とする。
【0022】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0023】
本発明に係るポリイミド-ポリアミド酸共重合体は前記一般式(1)または(2)で表される。
【0024】
一般式(1)のR1、R2、R3、および一般式(2)のR1、R2は、互いに同一でも異なっていても良く、それぞれカルボキシル基が置換された芳香族、脂環族、脂肪族から選択される二無水物から誘導された4価の官能基であって、具体的な例として、ブタンテトラカルボン酸二無水物(butanetetracarboxylic dianhydride)、ペンタンテトラカルボン酸二無水物(pentaneteracarboxylic dianhydride)、ヘキサンテトラカルボン酸二無水物(hexanetetracarboxylic dianhydride)、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(cyclopentanetetracarboxylic dianhydride)、ビシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物(bicyclopentanetetracarboxylic dianhydride)、シクロプロパンテトラカルボン酸二無水物(cyclopropanetetracarboxylic dianhydride)、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(methylcyclohexanetetracarboxylic dianhydride)、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(3,3',4,4'-benzophenonetetracarboxylic dianhydride)、ピロメリト酸二無水物(pyromellitic dianhydride)、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物(3,4,9,10-perylenetetracarboxylic dianhydride)、4,4-スルホニルジフタル酸二無水物(4,4-sulfonyldiphthalic dianhydride)、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(3,3',4,4'-biphenyltetracarboxylic dianhydride)、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(1,2,5,6-naphthalenetetracarboxylic dianhydride)、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(2,3,6,7-naphthalenetetracarboxylic dianhydride)、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(1,4,5,8-naphthalenetetracarboxylic dianhydride)、2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸二無水物(2,3,5,6-pyridinetetracarboxylic dianhydride)、m-テルフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(m-terphenyl-3,3',4,4'-tetracarboxylic dianhydride)、p-テルフェニル-3,3',4,4'-テトラカルボン酸二無水物(p-terphenyl-3,3',4,4'-tetracarboxylic dianhydride)、4,4-オキシジフタル酸二無水物(4,4-oxydiphthalic dianhydride)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(2,3-ジカルボキシフェノキシ)フェニルプロパン二無水物(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2,2-bis(2,3-dicarboxyphenoxy)phenylpropane dianhydride)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニルプロパン二無水物(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2,2-bis(3,4-dicarboxyphenoxy)phenylpropane dianhydride)、2,2-ビス[4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(2,2-bis[4-(2,3-dicarboxyphenoxy)phenyl]propane dianhydride)、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(2,2-bis[4-(3,4-dicarboxyphenoxy)phenyl]propane dianhydride)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス[4-(2,3-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2,2-bis[4-(2,3-dicarboxyphenoxy)phenyl]propane dianhydride)および1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2,2-bis[4-(3,4-dicarboxyphenoxy)phenyl]propane dianhydride)からなる群より選択された1種以上である。
【0025】
前記一般式(1)のX2とX3、一般式(2)のX2とX3は、互いに同一でも異なっていても良く、脂肪族、脂環族、芳香族ジアミンから選択される2価の有機基であって、具体的には、m-フェニレンジアミン(m-phenylenediamine)、p-フェニレンジアミン(p-phenylenediamine)、m-キシリレンジアミン(m-xylylenediamine)、p-キシリレンジアミン(p-xylylenediamine)、1,5-ジアミノナフタレン(1,5-diaminonaphthalene)、3,3'-ジメチルベンジジン(3,3'-dimethylbenzidine)、4,4-ジアミノジフェニルメタン(4,4-diaminodiphenylmethane)、3,4'-ジアミノジフェニルメタン(3,4'-diaminodiphenylmethane)、3,3'-ジアミノジフェニルメタン(3,3'-diaminodiphenylmethane)、2,4'-ジアミノジフェニルメタン(2,4'-diaminodiphenylmethane)、2,2'-ジアミノジフェニルメタン(2,2'-diaminodiphenylmethane)、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル(4,4'-diaminodiphenylether)、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル(3,4'-diaminodiphenylether)、3,3'-ジアミノジフェニルエーテル(3,3'-diaminodiphenylether)、2,4'-ジアミノジフェニルエーテル(2,4'-diaminodiphenylether)、2,2'-ジアミノジフェニルエーテル(2,2'-diaminodiphenylether)、4,4'-硫化ジアミノジフェニル(4,4'-diaminodiphenylsulfide)、3,4'-硫化ジアミノジフェニル(3,4'-diaminodiphenylsulfide)、3,3'-硫化ジアミノジフェニル(3,3'-diaminodiphenylsulfide)、2,4'-硫化ジアミノジフェニル(2,4'-diaminodiphenylsulfide)、2,2'-硫化ジアミノジフェニル(2,2'-diaminodiphenylsulfide)、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン(4,4'-diaminodiphenylsulfone)、3,4'-ジアミノジフェニルスルホン(3,4'-diaminodiphenylsulfone)、3,3'-ジアミノジフェニルスルホン(3,3'-diaminodiphenylsulfone)、2,4'-ジアミノジフェニルスルホン(2,4'-diaminodiphenylsulfone)、2,2'-ジアミノジフェニルスルホン(2,2'-diaminodiphenylsulfone)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロ-2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン(1,1,1,3,3,3-hexafluoro-2,2-bis(4-aminophenyl)propane)、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(2,2-bis(4-(4-aminophenoxy)phenyl)propane)、4,4-ベンゾフェノンジアミン(4,4-bezophenonediamine)、4,4'-ジ-(4-アミノフェノキシ)フェニルスルホン(4,4'-di-(4-aminophenoxy)phenylsulfone)、3,3-ジメチル-4,4-ジアミノジフェニルメタン(3,3-dimethyl-4,4-diaminodiphenylmethane)、4,4'-ジ-(3-アミノフェノキシ)フェニルスルホン(4,4'-di-(3-aminophenoxy)phenylsulfone)、2,4-ジアミノトルエン(2,4-diaminotoluene)、2,5-ジアミノトルエン(2,5-diaminotoluene)、2,6-ジアミノトルエン(2,6-diaminotoluene)、ベンジジン(benzidine)、o-トリジン(o-tolidine)、4,4'-ジアミノテルフェニル(4,4'-diaminoterphenyl)、2,5-ジアミノピリジン(2,5-diaminopyridine)、4,4'-ビス(p-アミノフェノキシ)ビフェニル(4,4'-bis(p-aminophenoxy)biphenyl)およびヘキサヒドロ-4,7-メタノインダニレンジメチレンジアミン(hexahydro-4,7-methanoindanylene dimethylene diamine)からなる群より選択された1種以上を用いる。
【0026】
一般式(1)のX1と一般式(2)のX1は2価の有機基を有するジアミンであり、A1とA2のうち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、フェノール性水酸基およびカルボキシル基からなる群より選択された1種以上の置換基を含む2価の脂肪族、脂環族、芳香族ジアミンであり、具体的な例として、2,2-ビス(4'-アミノ-3'-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(2,2-bis(4'-amino-3'-hydroxyphenyl)-1,1,1,3,3,3-hexafluoropropane)、2,2-ビス(4'-アミノ-3'-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジメチルプロパン(2,2-bis(4'-amino-3'- hydroxyphenyl)-2,2-dimethylpropane)、3,5-ジアミノ安息香酸(3,5-diaminobenzoic acid)、3,3'-ジヒドロキシベンジジン(3,3'-dihydroxybenzidine)、2,2-ビス(3-アミノプロピル)-2,2-ジヒドロキシプロパン(2,2-bis(3-aminopropyl)-2,2-dihydroxypropane)、および2-ヒドロキシシクロヘキシル-1,5-ジアミン(2-hydroxycyclohexyl-1,5-diamine)からなる群より選択された1種以上を用いる。
【0027】
一方、本発明に係る前記ポリイミド-ポリアミド酸共重合体の製造過程を説明する。
【0028】
本発明に係る共重合体は、二無水物とジアミンを、通常のイミド化反応を行って2つのイミドブロックからなるオリゴイミドを製造するステップと、二無水物とジアミンを反応させてオリゴアミド酸を製造するステップと、前記オリゴイミドとオリゴアミド酸を縮合反応させるステップとを含む。
【0029】
先ず、繰り返し単位pで表されるオリゴイミドブロックは、二無水物とジアミンを通常のポリイミド重合のような反応条件で反応させると、前記一般式(1)での繰り返し単位mのオリゴイミド部分が作られ、ここにジアミンを添加して重合することにより、繰り返し単位l部分が作られ、最終的に繰り返し単位pのオリゴイミドが作られることになる。
【0030】
次に、二無水物とジアミンを順次加えて反応させると、繰り返し単位n部分のポリアミド酸が製造されるが、前記オリゴイミドとポリアミド酸を縮合反応させることにより、最終的に前記一般式(1)で表されるポリイミド-ポリアミド酸共重合体を製造することができる。
【0031】
上述のように、末端が無水物のオリゴイミドと末端がアミンのオリゴアミド酸との縮合反応は、0℃〜常温で3〜24時間行われる。
【0032】
前記反応は、繰り返し単位mと繰り返し単位lで表されるそれぞれのイミド化ブロックを製造して、これらから構成されたオリゴイミドの繰り返し単位pを作り、ここに二無水物とジアミンを順次加えて繰り返し単位nのポリアミド酸が結合されたポリイミド-ポリアミド酸共重合体を同一な反応器で連続的な工程により製造することができる。
【0033】
また、繰り返し単位mと繰り返し単位lで表されるそれぞれのイミド化ブロックを製造して、繰り返し単位pで構成されたオリゴイミド溶液と、これとは別途に二無水物とジアミンを反応させてオリゴアミド酸溶液をそれぞれ製造し、これらを縮合重合させることもできる。
【0034】
この時、適用可能な溶媒は、通常、ポリアミド酸を重合するジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルジスルホキシドの他に、テトラヒドロフラン、キシレン、ジクロロベンゼンなどが様々に適用可能である。
【0035】
また、前記一般式(2)で表されるポリイミド-アミド酸共重合体の製造は、前記一般式(1)の共重合体の製造のように、オリゴイミドを製造した後、ここにジアミン化合物だけを添加して製造することができる。前記一般式(2)で表される化合物は、ジアミン化合物を添加することにより、オリゴアミド酸でない、アミド酸が前記オリゴイミドの末端に繰り返される。
【0036】
前記オリゴイミドとオリゴアミド酸またはジアミンとの反応当量比は0.5:1〜2:1のモル比であることが望ましい。
【0037】
一方、本発明に係るポリイミド-ポリアミド酸誘導体は、二無水物の末端のオリゴイミドを合成した溶液とジアミン末端のオリゴアミド酸を合成した溶液とを混合して撹拌および縮合反応により得られ、この時、末端はカルボキシル酸やアミンである。
【0038】
本発明では、必要に応じて付加的な末端基を添加して、架橋可能な末端基を導入することにより、次の一般式(3)のような化合物の合成も可能である。
【0039】
【化3】

【0040】
式中、lとmは1:10〜10:1の範囲内に該当する比率値を持つ1〜10の整数であり、nとpはそれぞれ0.5:1〜2:1の範囲内の比率値を持つ1〜100の整数であり、R1、R2、X1、X2、X3、A1およびA2は前記一般式(1)で定義されたものと同一であり、R3は無水物の構造を有する誘導体である。
【0041】
前記架橋可能な末端基は、無水物の構造を有する化合物であって、R3の具体的な例としては、マレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、およびエチニルフェニル無水物からなる群より選択されたものである。
【0042】
本発明に係る前記一般式(1), (2)または(3)で表されるポリイミド-ポリアミド酸共重合体は、重量平均分子量が20,000〜200,000であり、ガラス転移温度(Tg)が250℃〜400℃であることが望ましい。
【0043】
一方、本発明に係る感光性樹脂組成物は、前記一般式(1), (2)または(3)で表されるポリイミド-ポリアミド酸共重合体、感光剤、および溶媒を提供することを特徴とする。
【0044】
前記ポリイミド-ポリアミド酸共重合体は、全感光性樹脂組成物に対して10〜45重量%で含まれ、感光剤は、前記ポリイミド-ポリアミド酸共重合体100重量部に対して10〜40重量部、望ましくは12〜27重量部を適用する。
【0045】
本発明に係る感光剤(PAC)は、ジアゾナフトキノン化合物として次の一般式(4)〜(7)で表示された化合物の中から選択できる。
【0046】
【化4】

【0047】
【化5】

【0048】
【化6】

【0049】
【化7】

【0050】
前記一般式中、Dは(化8)と水素から選択される。
【0051】
【化8】

【0052】
前記感光性組成物は、ガンマブチロラクトン、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの溶媒から選択して使用し、溶媒の含有量は、通常、感光性組成において使用される量であれば充分である。
【0053】
また、コーティング性の改善のために乳酸エチルや4-ブトキシエタノールを少量添加したり、本発明の感光性組成物の物性を低下させない範囲内で通常の添加剤を含めることができることはもちろんである。
【0054】
このように製造された本発明に係る感光性樹脂組成物は、従来使用されたポリアミド酸を含む樹脂組成物とは異なり高解像度を得ることができる。
【0055】
すなわち、ポリアミド酸が含まれた樹脂組成物は、アルカリ水溶液に対して溶解度が大きいため、過現像される。その反面、本発明による感光性樹脂組成物の場合、一般式(1), (2)または(3)の構造を有するポリイミド-ポリアミド酸共重合体は、アルカリ水溶液に対するポリイミド自体の溶解度は高くなり、ポリアミド酸のOH基がPACと水素結合するため、露光されない領域はほとんど溶解されない。また、露光された領域では、PACが分解され、アルカリ水溶液に対する溶解度が高くなるため、溶解性が良い。したがって、高解像度の実現が可能である。
【0056】
前記感光性樹脂組成物をシリコンウェハ上に、スピンコーティングや、ロールコーティング、スリットコーティングなどのコーティング法にてコーティングする。コーティング後、120℃で2分間乾燥して溶媒を蒸発させる。コーティングされたフィルムは、パターン化されたフォトマスクにより露光を行うが、露光はi、g、hラインの単一紫外線や混合光紫外線を用いることができる。露光量は、コーティングされたフィルムの厚さにより異なるが、通常50〜1000mJ/cm2の紫外線を露光する。
【0057】
露光が終了した後、アルカリ溶液で現像する。アルカリ溶液は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水溶液とし、通常、0.38〜2.39wt%の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いる。現像は、約30〜120秒間でき、現像後に蒸溜水に10〜30秒間漬けてから洗浄する。この過程により所望の部位にフォトマスクのパターンによりポジ型パターンが形成される。
【0058】
形成されたフィルムは塑性加工を行うことにより、ポリイミドフィルムを提供することができる。塑性加工は窒素下にて230〜350℃で30分〜1時間ホットプレートやオーブンを利用して真空乾燥することが望ましい。この過程により、ポリイミドとポリアミド酸の共重合体がポリイミドに転換され、パターン化されたポリイミドフィルムが提供される。
【0059】
本発明による感光性組成物により提供されたポリイミドフィルムは、OLED保護膜または半導体保護膜などとして使用できる。即ち、OLEDでは、ピクセルの保護膜としてEL層間に感光性ポリイミドフィルムを用いて保護膜を形成する。また、半導体では、エポキシとシリコンナイトライト層の間の緩衝膜として用いられる感光性保護膜への利用が可能である。本発明による保護膜は経時安定性に優れる。
【0060】
以下では、本発明の具体的な製造例および実施例を説明する。但し、本発明は、以下の製造例および実施例により限定されるものではない。
【0061】
(合成例1:PI-b-PAA-1の合成)
【0062】
10mmolのジフェニルエーテル二無水物(ODPA)と5mmolのジアミノフェニルエーテル(ODA)をNMP50mLと10mLのトルエンに溶かした後、180℃で水分を除去するための共沸蒸留(azeotropic distillation)により3時間反応させてから、常温に温度を低くした後、5mLのトルエンとビス(4-ヒドロキシ、3-アミノフェニル)ヘキサフルオロメタンを3mmol加え、180℃で3時間反応させた。共沸蒸留管を除去してから、1時間追加加熱してトルエンを除去した後、溶液を常温に冷却させ、ピロメリト酸二無水物3mmolとジアミノフェニルエーテル5mmolを順次加えた。次いで、常温で18時間撹拌してPI-b-PAA-1を重合した。
【0063】
重合したポリイミド-アミド酸共重合体は、GPC分析により34,000の重量平均分子量を確認し、DSCによりTgが255℃であることを確認した。
【0064】
(合成例2:PI-b-PAA-2の合成)
【0065】
10mmolのジフェニルエーテル二無水物(ODPA)と5mmolのジアミノフェニルエーテル(ODA)をNMP50mLと10mLのトルエンに溶かした後、180℃で水分を除去するための共沸蒸留により3時間反応させて常温に温度を低くし、5mLのトルエンとビス(4-ヒドロキシ、3-アミノフェニル)ヘキサフルオロメタンを3mmol加え、180℃で3時間反応させた。共沸蒸留管を除去してから、1時間追加加熱してトルエンを除去した後、製造したオリゴイミド溶液を常温で保存した。他のフラスコにピロメリト酸二無水物2.5mmolとジアミノフェニルエーテル5mmolを順次加えてから、常温で15時間撹拌した後、この溶液をオリゴイミド溶液と混合して5時間撹拌した。次いで、末端官能基としてマレイン酸無水物1mmolを加えた後、さらに10時間を撹拌してPI-b-PAA-2を重合した。
【0066】
重合したポリイミド-アミド酸共重合体は、GPC分析により27,500の重量平均分子量を確認し、DSCによりTgが295℃であることを確認した。
【0067】
(合成例3:PI-b-DA-1の合成)
【0068】
10mmolのジフェニルエーテル二無水物(ODPA)と3mmolのジアミノフェニルエーテル(ODA)をNMP50mLと10mLのトルエンに溶かした後、180℃で水分を除去するための共沸蒸留により3時間反応させて常温に温度を低くし、5mLのトルエンとビス(4-ヒドロキシ、3-アミノフェニル)ヘキサフルオロメタンを3mmol加え、180℃で3時間反応させた。共沸蒸留管を除去してから、1時間追加加熱してトルエンを除去した後、製造したオリゴイミド溶液を常温に冷却した。その後、ジアミノフェニルエーテル4.5mmolを加えた後、常温で5時間撹拌した。次いで、末端官能基としてノルボルネン無水物1mmolをさらに加えた後、15時間撹拌してPI-b-DA-1を重合した。
【0069】
重合したポリイミド-アミド酸共重合体は、GPC分析により31,000の重量平均分子量を確認し、DSCによりTgが235℃であることを確認した。
【0070】
(比較合成例1:sPI-1の合成)
【0071】
10.3mmolのジフェニルエーテル二無水物(ODPA)と2mmolのジアミノフェニルエーテル(ODA)をNMP40mLと10mLのトルエンに溶かした後、180℃で水分を除去するための共沸蒸留により3時間反応させて常温に温度を低くし、5mLのトルエンとビス(4-ヒドロキシ、3-アミノフェニル)ヘキサフルオロメタンを8mmol加えた後、180℃で3時間反応させた。共沸蒸留管を除去してから、1時間追加加熱してトルエンを除去した。次いで、製造したポリイミド溶液を常温に冷却した後、sPI-1を重合した。
【0072】
重合したポリイミド重合体は、GPC分析により131,000の重量平均分子量を確認し、DSCによりTgが315℃であることを確認した。
【0073】
(比較合成例2:PAA-1の合成)
【0074】
10mmolのジフェニルエーテル二無水物(ODPA)と10.5mmolのジアミノフェニルエーテル(ODA)をNMP80mLに溶かした後、常温で18時間撹拌してPAA-1を重合した。
【0075】
重合したポリアミド酸重合体は、GPC分析により111,000の重量平均分子量を確認し、DSCによりTgが305℃であることを確認した。
【0076】
(実施例1:PSPI-1の製造および特性実験)
【0077】
25重量%のPI-b-PAA-1溶液20mLに、前記一般式(4)の3個のD中2個は硫酸ジアゾナフトキノン基で、残りの1個は水素に置換された構造のTPPA320 1.5gを加え、且つ2-ブトキシエタノール2mLを加えてPSPI-1溶液を製造した。この溶液をシリコンウェハ上にスピンコーティングして、初期厚さが11μmになるようにした後、パターンのある光マスク下で365nm(i-line)の紫外線を600mJ/cm2露光し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で120秒間現像し、蒸溜水で60秒間洗浄した後、乾燥して、最終厚さが8μm、且つパターンの孔の最小大きさが1μmのパターンを得た。このパターン化されたフィルムを350℃で30分間硬化してパターン化されたポリイミドフィルムを得た。この時、ラインパターンの直進性はきれいで良好であった。
【0078】
この時、パターンの孔の最小大きさは3μmであり、パターンの最終厚さは8μmであった。
【0079】
(実施例2:PSPI-2の製造および特性実験)
【0080】
23重量%のPI-b-PAA-2溶液30mLに、前記一般式(4)の3個のD中2個は硫酸ジアゾナフトキノン基で、残りの1個は水素に置換された構造のTPPA320 2.0gを加え、且つ2-ブトキシエタノール2.5mLを加えてPSPI-2溶液を製造した。この溶液をシリコンウェハ上にスピンコーティングして、初期厚さが11μmになるようにした後、パターンのある光マスク下で365nm(i-line)の紫外線を450mJ/cm2露光し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で120秒間現像し、蒸溜水で60秒間洗浄した後、乾燥して、所望のマスクのパターンを得た。このパターン化されたフィルムを350℃で30分間硬化してパターン化されたポリイミドフィルムを得た。この時、パターンの孔の最小大きさは4μmであり、パターンの最終厚さは7μmであった。この時、ラインパターンの直進性はきれいで良好であった。
【0081】
(実施例3:PSPI-3の製造および特性実験)
【0082】
20重量%のPI-b-DA-1溶液20mLに、前記一般式(5)の4個のD中、平均して2.5個は硫酸ジアゾナフトキノン基で、残りは水素に置換された構造のM425 1.5gを加え、且つ2-ブトキシエタノール2mLを加えてPSPI-3溶液を製造した。この溶液をシリコンウェハ上にスピンコーティングして、初期厚さが11μmになるようにした後、パターンのある光マスク下で365nm(i-line)の紫外線を300mJ/cm2露光し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で120秒間現像し、蒸溜水で60秒間洗浄した後、乾燥して、所望のマスクのパターンを得た。このパターン化されたフィルムを350℃で30分間硬化してパターン化されたポリイミドフィルムを得た。この時、パターンの孔の最小大きさは3μmであり、パターンの最終厚さは8μmであった。この時、ラインパターンの直進性はきれいで良好であった。
【0083】
(比較例1:CPI-1(感光性sPI-1)の製造および特性実験)
【0084】
30重量%のsPI-1溶液20mLに、前記一般式(5)の4個のD中、平均して2.5個は硫酸ジアゾナフトキノン基で、残りは水素に置換された構造のM425 2.3gを加え、且つ2-ブトキシエタノール2.7mLを加えてCPI-1溶液を製造した。この溶液をシリコンウェハ上にスピンコーティングして、初期厚さが9μmになるようにした後、パターンのある光マスク下で365nm(i-line)の紫外線を1200mJ/cm2露光し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で120秒間現像し、蒸溜水で60秒間洗浄した後、乾燥して、所望のマスクのパターンを得た。このパターン化されたフィルムを350℃で30分間硬化してパターン化されたポリイミドフィルムを得た。この時、パターンの孔の最小大きさは30μmであり、パターンの最終厚さは6μmであった。この時、ラインパターンの直進性は良好であった。
【0085】
(比較例2:CPI-2(感光性PAA-1)の製造および特性実験)
【0086】
20重量%のPAA-1溶液20mLに、前記一般式(4)の3個のD中2個は硫酸ジアゾナフトキノン基で、残りの1個は水素に置換された構造のTPPA320 2.0gを加え、且つ2-ブトキシエタノール2.5mLを加えてCPI-2溶液を製造した。この溶液をシリコンウェハ上にスピンコーティングして、初期厚さが12μmになるようにした後、パターンのある光マスク下で365nm(i-line)の紫外線を100mJ/cm2を露光し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で120秒間現像し、蒸溜水で60秒間洗浄した後、乾燥して、所望のマスクのパターンを得た。このパターン化されたフィルムを350℃で30分間硬化し、パターン化されたポリイミドフィルムを得た。この時、パターンの孔の最小大きさは20μmであり、パターンの最終厚さは8μmであった。この時、ラインパターンの直進性は良好であった。
【0087】
(比較例3:CPI-3(感光性PI+PAA-1)の製造および特性実験)
【0088】
30重量%のsPI-1溶液10mLを20重量%のPAA-1溶液5mLに混合した後、前記一般式(4)の3個のD中2個は硫酸ジアゾナフトキノン基で、残りの1個は水素に置換された構造のTPPA320 2.0gを加え、且つN-メチルピロリジノン5mLと2-ブトキシエタノール2.5mLを加えてCPI-3溶液を製造した。この溶液をシリコンウェハ上にスピンコーティングして、初期厚さが12μmになるようにした後、パターンのある光マスク下で365nm(i-line)の紫外線を700mJ/cm2露光し、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で120秒間現像し、蒸溜水で60秒間洗浄した後、乾燥してパターンを得た。このパターン化されたフィルムを350℃で30分間硬化してパターン化されたポリイミドフィルムを得た。この時、パターンの孔の最小大きさは10μmであり、パターンの最終厚さは8μmであった。しかしながら、この時、ラインパターンの直進性は歪んで非常に乱雑であった。
【0089】
【表1】

【0090】
前記表1でアスペクト比(aspect ratio)は、パターンの厚さをパターンの大きさで割った値であって、その値が大きいほど解像度が高いといえ、本発明のポリイミドとアミド酸の共重合体を感光性樹脂組成物に含ませて製造されたパターンは、好適な酸価調節により所望の高解像度が得られることを確認することができる。
【0091】
(実験例:アルカリ現像性(Alkanine Developing Rate、ADR)
【0092】
前記実施例および比較例から得られたフィルムをアルカリ現像液の2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像性を実験した。実施例1〜3および比較例1〜3で製造した製造液をシリコンウェハにコーティングした後、120℃で3分間プリベークして10μmのフィルムを製造した。フィルムがコーティングされたシリコンウェハを25℃の2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に漬けた後、フィルムが完全に溶解するまでの時間を測定し、フィルムの厚さを割って秒当たり溶解速度を測定し、表2のような結果を得た。
【0093】
【表2】

【0094】
10μmの厚さを有するフィルムを通常の現像時間の100秒〜120秒内に未露光領域で現像が行われるためには、溶解速度(エッチング速度)が900〜1300Å/secの範囲内であることが望ましい。前記表2のように、実施例により製造されたフィルムの溶解速度が好適な水準であることを確認することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(1)または(2)で表されるポリイミド-ポリアミド酸共重合体:
【化1】

【化2】

式中、R1、R2、R3は、互いに同一でも異なっていても良く、それぞれカルボキシル基が置換された二無水物から誘導された4価の官能基であり、X1、X2、X3は、互いに同一でも異なっていても良く、それぞれジアミンから誘導された2価の有機基であり、A1とA2のうち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、フェノール性水酸基およびカルボキシル基からなる群より選択された1種以上の置換基であり、lとmは1:10〜10:1の範囲内に該当する比率値を持つ整数であり、pは1〜100の整数であり、nとpはそれぞれ0.5:1〜2:1の範囲内の比率値を持つ整数である。
【請求項2】
前記ポリイミド-ポリアミド酸共重合体は、重量平均分子量が20,000〜200,000であり、ガラス転移温度が250〜400℃のブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
二無水物とジアミンを反応させてオリゴイミドを製造するステップと、
二無水物とジアミンを反応させてオリゴアミド酸を製造するステップと、
前記オリゴイミドとオリゴアミド酸を縮合反応させるステップと、を含む請求項1の一般式(1)で表されるポリイミド-ポリアミド酸共重合体の製造方法。
【請求項4】
前記オリゴイミドとオリゴアミド酸の反応当量比は0.5:1〜2:1のモル比であることを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
前記縮合反応後、マレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物、ノルボルネンジカルボン酸無水物、およびエチニルフェニル無水物からなる群より選択された1種以上の無水物の構造を有する化合物を添加して反応させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項6】
前記反応により得られた化合物は、次の一般式(3)で表されることを特徴とする請求項5に記載の製造方法:
【化3】

式中、lとmは、1:10〜10:1の範囲内に該当する比率値を持つ1〜10の整数であり、nとpはそれぞれ0.5:1〜2:1の範囲内の比率値を持つ1〜100の整数であり、R1、R2、X1、X2、X3、A1、およびA2は前記一般式(1)で定義されたものと同一であり、R3は無水物の構造を有する誘導体である。
【請求項7】
二無水物とジアミンを反応させてオリゴイミドを製造するステップと、
前記オリゴイミドとジアミンを反応させるステップと、を含む請求項1の一般式(2)で表されるポリイミド-ポリアミド酸共重合体の製造方法。
【請求項8】
請求項1または請求項6に記載のポリイミド-ポリアミド酸共重合体を10〜45重量%で含む感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記組成物は、感光剤であって、次の一般式(4)〜(7)で表される化合物であることを特徴とする請求項8に記載の感光性樹脂組成物:
【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

前記一般式中、Dは(化8)又は水素である。
【化8】

【請求項10】
請求項8に記載の感光性樹脂組成物から製造されたポリイミドフィルムで構成されたOLEDまたは半導体絶縁膜。



【公開番号】特開2010−18802(P2010−18802A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162264(P2009−162264)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】