説明

ポリフェノールを含有する新規の組成物

本発明は、少なくともポリフェノールおよびポリエチレングリコールを含有する組成物、このような組成物を含有する食品、飲料、栄養補助食品、飼料、医薬品およびパーソナルケア製品等の製品、ならびにこのようなポリフェノールの苦味をマスクするためのポリエチレングリコールの使用に関する。ポリフェノールは、好ましくは、エピガロカテキン没食子酸塩、レスベラトロール、ヒドロキシチロソール、オレウロペイン、緑茶抽出物中に存在するポリフェノール、カテキン、赤ブドウ皮の抽出物中に存在するポリフェノール、オリーブおよび/またはオリーブ廃水中に存在するポリフェノール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、少なくともポリフェノールおよびポリエチレングリコールを含有する組成物、このような組成物を含有する食品、飲料、栄養補助食品、飼料、医薬品およびパーソナルケア製品等の製品、ならびに、特に散剤、チュアブル錠およびロゼンジ等の乾燥適用における、このようなポリフェノールの苦味をマスクするためのポリエチレングリコールの使用に関する。
【0002】
[背景技術および発明の概要]
ポリフェノールは、しばしば、消費者に受け入れらない苦味を有する。したがって、本発明の目的は、このような苦味のあるポリフェノールを含有する組成物へ添加され得、それによって苦味がマスクされ得る物質を提供することである。
【0003】
本発明の目的は、少なくともポリフェノール、特に少なくとも苦味のあるポリフェノールを含有する組成物へポリエチレングリコールを添加することによって解決される。好ましくは、ポリエチレングリコールは、10:90〜70:30のポリフェノール対ポリエチレングリコールの重量比を達成する量で存在する。ポリエチレングリコールは、有利には、ポリエチレングリコールの平均分子量が1000〜20000g/molの範囲内となるような、nが整数である、以下の式HO−(CH−CH−O−)Hのものであり得る。
【0004】
本発明のある実施形態において、ポリフェノールは、エピガロカテキン没食子酸塩、レスベラトロール、ヒドロキシチロソール、オレウロペイン、緑茶抽出物中に存在するポリフェノール、カテキン、赤ブドウ皮の抽出物中に存在するポリフェノール、オリーブおよび/またはオリーブ廃水中に存在するポリフェノール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。本発明に従って満足に使用され得る緑茶抽出物は、緑茶抽出物の総重量を基準にして、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%の量でエピガロカテキン没食子酸塩を含有するものであり得る。本発明に従って満足に使用され得る赤ブドウ皮の抽出物は、赤ブドウ皮の総重量を基準にして、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%の量でレスベラトロールを含有するものであり得る。
【0005】
本発明の組成物は、ビタミンCおよび/またはビタミンEを含み得る。
【0006】
本発明の組成物は、栄養食品組成物(dietary composition)、医薬品およびパーソナルケア製品からなる群から選択される製品へ配合され得る。本発明のある実施形態において、本発明の組成物は、チュアブル錠またはロゼンジの形態であり得る。
【0007】
[好ましい例示的な実施形態の詳細な説明]
ポリフェノールは、好ましくは、カテキン等の緑茶抽出物中に存在するポリフェノール、レスベラトロール等の赤ブドウ皮の抽出物中に存在するポリフェノール、ヒドロキシチロソールおよびオレウロペイン等のオリーブ、オリーブ廃水等の中に存在するポリフェノール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0008】
好適な緑茶抽出物は、例えば、緑茶抽出物の総重量を基準にして、少なくとも30重量%の量、好ましく30重量%〜100重量%の範囲の量(好ましくは35重量%〜60重量%の範囲の量)、より好ましくは少なくとも50重量%の量、最も好ましくは50重量%〜99重量%の範囲の量でエピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)を含有するものである。それらの緑茶抽出物はまた、緑茶抽出物の総重量を基準にして、15重量%までの量、好ましくは0.1〜12重量%の範囲の量、より好ましくは0.1〜3重量%の量でカフェインを含有し得る。このような緑茶抽出物中の茶ポリフェノールの総量は、緑茶抽出物の総重量を基準にして、85〜98重量%の範囲内(好ましくは90〜98重量%の範囲内)において好ましくあり得、一方、カテキンの総量は、好ましくは65〜90重量%の範囲内(好ましくは65〜80重量%の範囲内)において好ましくあり得る。
【0009】
「(−)−エピガロカテキン没食子酸塩」(EGCG)という用語はまた、薬学的に許容される塩等の(−)−EGCG誘導体を含む。
【0010】
エピカテキン没食子酸塩(ECG)、エピガロカテキン(EGC)、ガロカテキン没食子酸塩(ECG)、およびエピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)等の、カテキンは、特に緑茶抽出物中において見られ、ここで、EGCGが最も好ましいものである。EGCGはまた、ペクチンと共に顆粒化された直接圧縮可能な形態でありそしてDSM Nutritional Products Ltd,Kaiseraugst,Switzerlandから市販される、Teavigo(登録商標)錠剤グレード(=約3%のペクチンと混合された約88%のEGCGを含有する緑茶抽出物)等の製剤化された製品形態で使用され得る。
【0011】
別の好適な(−)−EGCGは、例えば、DSM Nutritional Products Ltd, Kaiseraugst, Switzerlandから市販される、Teavigo(≧94%のEGCGを含有する緑茶抽出物)である。
【0012】
(−)−エピガロカテキン没食子酸塩についての別の好ましい実施形態は、緑茶抽出物の総重量を基準にして、少なくとも90重量%の(−)−エピガロカテキン没食子酸塩(EGCG)および多くとも2重量%のカフェインを含む緑茶フラクション、特に、少なくとも90重量%のEGCG、多くとも1重量%のカフェインおよび多くとも10重量%のエピカテキン没食子酸塩(ECG)を含む緑茶フラクション、より特には、少なくとも90重量%のEGCG、多くとも0.5重量%(好ましくは多くとも0.1重量%)のカフェイン、多くとも5.0重量%のエピカテキン没食子酸塩(ECG)(好ましくは0.1〜2.5重量%の範囲内)ならびにエピカテキン(EC)、カテキン(CAT)、カテキン没食子酸塩(CG)、エピガロカテキン(EGC)、ガロカテキン没食子酸塩(GCG)、ガロカテキン(GC)および没食子酸(GA)を合わせた総量多くとも3.5重量%(好ましくは多くとも1.0重量%)を含む緑茶フラクションである。
【0013】
レスベラトロールは、天然供給源または化学合成から誘導されたその本質的に純粋な形態で、レスベラトロールおよび追加の添加物を含有する製品形態で、例えば、直接圧縮可能な形態としてまたは抽出物として、使用され得る。
【0014】
赤ブドウ皮の抽出物は、特に、赤ワイン抽出物の総量を基準にして、少なくとも30重量%の量、好ましくは30重量%〜100重量%の範囲の量、より好ましくは少なくとも50重量%の量、最も好ましくは50重量%〜99重量%の範囲の量でレスベラトロールを含有するものである。
【0015】
「レスベラトロール」という用語は、本明細書中で使用される場合、その誘導体、代謝産物または類似体を含む。炭素−炭素二重結合は、トランスまたはシスであり得、そしてシス/トランス混合物を含む。エーテル化またはエステル化ヒドロキシ基は、1〜26個の炭素原子を有する非置換かまたは置換された、直鎖または分岐鎖のアルキル基から、あるいは1〜26個の炭素原子を有する非置換かまたは置換された、直鎖または分岐鎖の脂肪族、芳香族脂肪族または芳香族カルボン酸から、誘導され得る。エーテル化ヒドロキシ基は、さらにグリコシド基であり得、そしてエステル化ヒドロキシ基は、さらにグルクロニドまたは硫酸基であり得る。本発明の目的について主に興味深いのは、(トランス)−レスベラトロールである。
【0016】
ヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペインは、天然供給源または化学合成から誘導されたその/それらの本質的に純粋な形態で、それ/それらおよび追加の添加物を含有する製品形態で、例えば、直接圧縮可能な形態としてまたは抽出物として使用され得、即ち、ヒドロキシチロソールは合成起源のものであってもよく、あるいはそれは、オリーブ葉、オリーブ果実およびオリーブ油製造の植物水(vegetation water)の抽出から、チロソールおよびオレウロペイン等の他の水溶性ポリフェノールと共に得られてもよい。
【0017】
本発明の実施形態において、好ましくは1:1〜200:1の範囲の重量比、より好ましくは5:1〜200:1の範囲の重量比、最も好ましくは10:1〜100:1の範囲の重量比の、ヒドロキシチロソールおよびオレウロペインの混合物が使用され得る。
【0018】
本発明の他の実施形態において、好ましくは1:1〜50:1の範囲の重量比、より好ましくは3:1〜50:1の範囲の重量比、最も好ましくは5:1〜30:1の範囲の重量比の、ヒドロキシチロソールおよびチロソールの混合物が、使用され得る。
【0019】
オリーブ葉からのオレウロペインおよび/またはヒドロキシチロソールの抽出を扱う参考文献の例は、国際公開第02/18310号パンフレット、米国特許出願公開第2002/0198415号明細書、国際公開第2004/005228号パンフレット、米国特許第6,416,808号明細書および米国特許出願公開第2002/0058078号明細書であり、これらは、存在するオレウロペインの少なくとも90%が変換されるまでの2〜12ヶ月間のオリーブ植物水の酸加水分解についての方法を開示している。オリーブ、オリーブ果肉、オリーブ油および搾油廃水からのフェノール化合物の抽出方法が、Usana Inc.特許米国特許第6,361,803号明細書および国際公開第01/45514号パンフレットによってならびに米国特許出願公開第2002/0004077号明細書において記載されている。EP−A 1 582 512号明細書は、オリーブ葉からのヒドロキシチロソールの抽出を記載している。デピッテッドオリーブ(de−pitted olive)の植物水からヒドロキシチロソールおよび/またはオレウロペインを得るための方法が、米国特許出願公開第2004/0039066 A1号明細書において段落[0080]−[0091]に開示されている。
【0020】
ヒドロキシチロソールの誘導体は、エステルならびに生理学的に/薬学的に許容される塩であり得る。好ましい例は、(不)飽和のカルボン酸R−COOHとのヒドロキシチロソールのモノ−、ジ−およびトリエステルであり、ここで、Rは、2〜22個の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル鎖である。
【0021】
本発明に従って使用され得る市販のヒドロキシチロソール含有オリーブ抽出物としては、例えば、オリーブ果実由来の抽出物、例えば、Life Extension製のPolyphen−OilTM、Indena製のOleaSelectTM、Genosa製のHytolive(登録商標)、Seppic製のProlivols、Lalilab製のOLIVE LEAFまたはOLIVE Water Extract of Olea europea、Ebiser製のHitofulvic、EP1582512号明細書に記載されるような、加水分解オリーブ葉抽出物、Furfuralから市販されるような、オレウロペインに富む、オリーブ葉抽出物、およびCreAgri製のHIDROX(登録商標)が挙げられる。好ましくは、CreAgriから市販されるHIDROX(登録商標)、例えば、HIDROX(登録商標)2%噴霧乾燥粉末、HIDROX(登録商標)Gold凍結乾燥粉末(9%)およびHIDROX(登録商標)6%凍結乾燥粉末有機オリーブジュース抽出物が使用される。
【0022】
HIDROX(登録商標)2%噴霧乾燥粉末有機オリーブジュース抽出物(製品)は、製品の総重量を基準にして、30〜35重量%の範囲内(好ましくは32〜33重量%の範囲内)の乾燥固体(ここで、これらの乾燥固体の少なくとも20〜30重量%がポリフェノールであり、その結果、ポリフェノールの総量は、製品中において約6重量%である)、60〜70重量%の範囲内(好ましくは63〜69重量%の範囲内)のマルトデキストリンおよび0.5〜2.5重量%の範囲内(好ましくは1〜2重量%の範囲内)のクエン酸を含有するオリーブオイル製造において得られた廃水の濃縮物である。
【0023】
HIDROX(登録商標)Gold凍結乾燥粉末(9%)有機オリーブジュース抽出物(製品)は、製品の総重量を基準にして、97.5〜99.5重量%の範囲内(好ましくは98〜99重量%の範囲内)の乾燥固体(ここで、これらの乾燥固体の少なくとも7〜15重量%(好ましくは10〜12重量%)がポリフェノールであり、その結果、ポリフェノールの総量は、製品中において約9重量%である)および0.5〜2.5重量%の範囲内(好ましくは1〜2重量%の範囲内)のクエン酸を含有するオリーブオイル製造において得られた廃水の濃縮物である。
【0024】
HIDROX(登録商標)6%凍結乾燥粉末有機オリーブジュース抽出物(製品)は、製品の総重量を基準にして、97.5〜99.5重量%の範囲内(好ましくは98〜99重量%の範囲内)の乾燥固体(ここで、これらの乾燥固体の少なくとも15〜20重量%(好ましくは15.5〜17重量%)がポリフェノールであり、その結果、ポリフェノールの総量は、製品中において約6重量%である)および0.5〜2.5重量%の範囲内(好ましくは1〜2重量%の範囲内)のクエン酸を含有するオリーブオイル製造において得られた廃水の濃縮物である。
【0025】
ポリエチレングリコールのタイプは、特に、1000〜20000の平均分子量を有する以下の式HO−(CH−CH−O−)Hのものである。最も好ましいポリエチレングリコールは、例えばClariant GmbH,65840 Sulzbach,Germanyから市販される、PEG6000である。タイプ名「PEG X」中の数Xは、ポリマーの平均分子量を示す。
【0026】
ポリフェノール対ポリエチレングリコールの重量比は、10:90〜70:30、好ましくは20:80〜60:40、最も好ましくは25:75〜60:40であり得る。
【0027】
本発明の好ましい実施形態において、組成物は、ビタミンCおよび/またはビタミンEをさらに含む。
【0028】
「ビタミンC」という表現は、(L−)アスコルビン酸ならびにそれらの塩およびエステル、例えばパルミチン酸アスコルビルおよびステアリン酸アスコルビル、ならびにそれらの任意のさらなる誘導体および製品形態、例えば直接圧縮可能な粉末を含む。
【0029】
「ビタミンE」という表現は、オール−rac−トコフェロールおよび天然供給源から誘導されたトコフェロールならびにそれらのエステル、例えばアセテートおよびスクシネート、ならびにそれらの任意のさらなる誘導体および製品形態、例えば直接圧縮可能なおよび/または水分散性粉末を含む。
【0030】
少なくともポリフェノール、ポリエチレングリコール、ビタミンEおよび/またはビタミンCを含有する組成物において、1供給(serving)(例えば、チュアブル錠として)当たりの有効成分の濃度は、
ポリフェノール、例えば、EGCGについて、1mgから300mgまで、
ビタミンCについて10mgから360mgまで、
ビタミンEについて1mgから100mg(mgトコフェロール当量として計算)まで
変動し得る。
【0031】
好ましくは、1供給(例えば、チュアブル錠として)当たりの有効成分の濃度は、
ポリフェノール、例えば、EGCGについて、1mgから150mgまで、
ビタミンCについて10mgから240mgまで、
ビタミンEについて1mgから50mg(mgトコフェロール当量として計算)まで
変動し得る。
【0032】
最も好ましくは、1供給(例えば、チュアブル錠として)当たりの有効成分の濃度は、
ポリフェノール、例えば、EGCGについて、1mgから80mgまで、
ビタミンCについて10mgから180mgまで、
ビタミンEについて10mgから30mg(mgトコフェロール当量として計算)まで
変動し得る。
【0033】
それは、ビタミンE対ビタミンCの重量比が、(1:1)から(1:10)まで、好ましくは(1:3.6)から(1:10)まで、より好ましくは(1:4.8)から(1:6)まで変動し得ること、および/またはビタミンE対ポリフェノール(好ましくはEGCGである)の重量比が、(10:1)から(1:3)まで、好ましくは(1:1)から(1:3)まで、より好ましくは(1:1)から(1:2.6)まで変動し得ることを意味する。
【0034】
本発明の組成物は、以下の工程を含む方法によって調製され得る:
a)ポリフェノールを提供し、そして必要に応じてそれとビタミンCおよび/またはビタミンEとを混合すること、
b)必要に応じて甘味料、フレーバーおよび/または他の賦形剤を添加し、そして混合すること、
c)ポリエチレングリコールを添加し、そしてこのようにして得られた混合物を混合すること。
【0035】
本発明の組成物はまた、対応の適応タイプについて当業者に公知の混合方法によって調製され得、そして与えられる実施例に記載された手順に従って粉末混合物について行われ得る。
【0036】
本発明の組成物は、錠剤へ圧縮され得る。したがって、本発明はまた、以下の工程を含む錠剤の製造のための方法に関する:
a)ポリフェノールを提供し、そして必要に応じてそれとビタミンCおよび/またはビタミンEとを混合すること、
b)必要に応じて甘味料、フレーバーおよび/または他の賦形剤を添加し、そして混合すること、
c)ポリエチレングリコールを添加し、そしてこのようにして得られた混合物を混合すること、
d)工程c)で得られた混合物を必要に応じて篩い分けすること、
e)篩い分けられた混合物を錠剤へ圧縮すること。
【0037】
意外なことに、少量のポリエチレングリコールを含有するロゼンジおよびチュアブル錠等の組成物中において、製剤化プロセスの終了時よりも製剤化プロセスの開始時にポリエチレングリコールが添加される場合、苦味がより十分にマスクされ得ることが発見された。これは、さらなる加工処理工程より前に、例えばタンブラーミキサー中において、数分間、EGCG等の苦いポリフェノールをPEGとプレ混合することによって行われ得る。
【0038】
本発明はまた、上述のような組成物を含有する栄養食品組成物、医薬品およびパーソナルケア製品からなる群から選択される製品に関する。好ましいのは、チュアブル錠またはロゼンジ等の製品である。
【0039】
「栄養食品組成物(dietary composition)」という用語は、任意のタイプの(強化)食品、(強化)(動物)飼料および飲料(臨床栄養分(clinical nutrition)、およびまた栄養補助食品(dietary supplement)もまた含む)ならびに対応の添加剤:食品添加剤、飲料添加剤、飼料添加剤を含む。機能食品/飼料、即ち、さらなる特定の健康利益を提供するためにビタミン、他の微量栄養素または医薬品で強化されている食品/飼料、ならびに栄養補給食品(nutraceutical)、即ち、栄養価を有する丸剤または他の薬品もまた含まれる。
【0040】
本発明に従う栄養食品組成物は、保護的親水コロイド(例えば、ゴム、タンパク質、加工デンプン)、結合剤、フィルム形成剤、封入剤/材料、壁/貝殻材料(wall/shell material)、マトリクス化合物、コーティング、乳化剤、界面活性剤、可溶化剤(油、脂質、ワックス、レシチンなど)、吸着剤、担体、充填剤、コ−コンパウンド(co−compound)、分散剤、湿潤剤、加工助剤(溶剤)、流動化剤、増量剤、ゼリー化剤(jellyfying agent)、ゲル形成剤、抗酸化剤および抗菌剤をさらに含有し得る。
【0041】
本発明のさらなる目的は、ポリフェノールの苦味をマスクするためのポリエチレングリコールの使用である。特に、本発明の実施形態によれば、ポリフェノールの苦味は、苦味のあるポリフェノールを含む組成物へ、味をマスクするのに有効な量のポリエチレングリコールを添加することによって、マスクされ得る。好ましくは、ポリエチレングリコールは、10:90〜70:30のポリフェノール対ポリエチレングリコールの重量比を達成する味をマスクするのに有効な量で存在する。
【0042】
[実施例]
[実施例1:EGCG、ビタミンEおよびビタミンCを含有するロゼンジの調製]
【0043】
【表1】

【0044】
[手順]
I Pos.A〜Cをドラム中へ秤量し、そして2分間混合した。
II Pos.D+Eを、第2ドラム中において、0.80mmの直径を有する篩で篩い分けし、そして5分間混合した。
III Pos.F〜IをIへ添加し、そして10分間混合した。
IV IIおよびIIIを一緒にし、そして10分間混合した。
V Pos.Fを0.80mmの直径を有する篩で篩い分けし、IVへ添加し、そして5分間混合した。
VI 次いで、得られた混合物を下記の条件下で錠剤へ圧縮した。
【0045】
[錠剤化特徴]
打錠機:COMPREX I
パンチ:8mm R9.5ラウンド
圧縮力:10KN
硬度:193.5N
厚み:4.22mm
脆さ:0.09%
崩壊:5‘31‘‘
【0046】
[実施例2:EGCG、ビタミンEおよびビタミンCを含有するチュアブル錠の調製]
【0047】
【表2】

【0048】
[混合手順]
1〜5を好適な容器へ秤量し、そして10分間混合した。
6〜9を1.0mmの直径を有する篩に通し、そして別の容器中において10分間混合した。
IおよびIIを合わせ、そして10分間再度混合した。
10を1.0mmの直径を有する篩に通し、次いでIIIへ添加し、そして10分間混合した。
11を0.63mmの直径を有する篩に通し、IVへ添加し、そしてさらに5分間混合した。
その後、このようにして得られた混合物を下記の条件下で錠剤へ圧縮した。
【0049】
[錠剤化特徴]
錠剤機:COMPREX I
パンチ:14mm鋭角エッジ
圧縮力:13.0KN
硬度:218N
脆さ:0.13%
【0050】
[実施例3:実施例1に従って調製したロゼンジの安定性データ]
実施例1に従って作製したロゼンジを用いての保存試験を密封ポリプロピレンチューブ中において室温(25℃/60%相対湿度)下で行い、そして良好な安定性が示された。
【0051】
【表3】

【0052】
【表4】

【0053】
[実施例4:実施例2に従って調製したチュアブル錠の安定性データ]
実施例2に従って作製したチュアブルを用いての保存試験を密封ポリプロピレンチューブ中において室温(25℃/60%相対湿度)下で行い、そして良好な安定性が示された。
【0054】
【表5】

【0055】
【表6】

【0056】
[実施例5:実施例1に従って調製したロゼンジの安定性データ]
実施例1に従って作製したロゼンジを用いての保存試験を密封ポリプロピレンチューブ中において促進された条件(40℃/75%相対湿度)下で行い、そして良好な安定性が示された。
【0057】
【表7】

【0058】
[実施例6:実施例2に従って調製したチュアブル錠の安定性データ]
実施例2に従って作製したチュアブルを用いての保存試験を密封ポリプロピレンチューブ中において促進された条件(40℃/75%相対湿度)下で行い、そして良好な安定性が示された。
【0059】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともポリフェノールおよびポリエチレングリコールを含有する組成物。
【請求項2】
前記ポリフェノールが、エピガロカテキン没食子酸塩、レスベラトロール、ヒドロキシチロソール、オレウロペイン、緑茶抽出物中に存在するポリフェノール、カテキン、赤ブドウ皮の抽出物中に存在するポリフェノール、オリーブおよび/またはオリーブ廃水中に存在するポリフェノール、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記緑茶抽出物が、前記緑茶抽出物の総重量を基準にして、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%の量でエピガロカテキン没食子酸塩を含有するものである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記赤ブドウ皮の抽出物が、前記赤ブドウ皮の抽出物の総重量を基準にして、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも50重量%の量でレスベラトロールを含有するものである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
ビタミンCおよび/またはビタミンEをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
苦味のあるポリフェノール対ポリエチレングリコールの重量比が、10:90〜70:30である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリエチレングリコールが、1000〜20000の平均分子量を有する以下の式HO−(CH−CH−O−)Hのものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物を含有する、栄養食品組成物、医薬品およびパーソナルケア製品からなる群から選択される、製品。
【請求項9】
前記製品がチュアブル錠またはロゼンジである、請求項8に記載の製品。
【請求項10】
ポリフェノールの苦味をマスクするためのポリエチレングリコールの使用。
【請求項11】
苦味のあるポリフェノール対ポリエチレングリコールの重量比が、10:90〜70:30である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
苦味のあるポリフェノールを含む組成物へ、味をマスクするのに有効な量のポリエチレングリコールを添加することを含む、ポリフェノールの苦味をマスクする方法。
【請求項13】
ポリフェノール対ポリエチレングリコールの重量比が10:90〜70:30である、請求項12に記載の方法。

【公表番号】特表2009−510003(P2009−510003A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532685(P2008−532685)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009527
【国際公開番号】WO2007/039262
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】