説明

マイクロ波オーブンで主に固体食品の温度制御加熱を行う装置

本発明は、マイクロ波オーブン(10)の加熱システム(14)に接続された読取装置(11)で読取ることのできる位置でマイクロ波オーブン(10)内に配置した、主に固形食品(9)の温度に関連した熱感応性の読取り可能なカラーマーキング(15)によってマイクロ波オーブン(10)において主に固形食品(9)の温度制御加熱を行う装置に関する。食品の表面の温度は加熱段階中食品の温度に対応しない。従って、カラーマーキング、食品と熱絶縁されしかもオーブン内の食品と同じマイクロ波放射に晒されるように構成される高分子材料のブロック(5)の表面に読取り可能に配置される。高分子材料は、ブロックが食品の加熱に対応した加熱を得るように選択した誘電率をもつ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波オーブンの加熱システムに接続された読取装置で読取ることのできる位置でマイクロ波オーブン内に配置した、主に固形食品の温度に関連した熱感応性の読取り可能なマーキングによってマイクロ波オーブンにおいて食品の温度制御加熱を行う装置に関するものであり、かかる装置において読取装置は食品の温度の変化している時にマーキングの変化を読取り、そしてマイクロ波オーブンの加熱システムを制御する制御回路に制御信号を伝送し、マーキングは高分子材料のブロックの表面に読取り可能に配置される。
【背景技術】
【0002】
この形式の装置は種々の形態で多数公知であり、バーコード型の温度感応マーキングを備えた装置では、加熱プログラムや温度条件だけでなく、食品の入ったパッケージの先に実現されている温度関連扱いにも関する幅広い情報を考慮した転送できる。
【0003】
公知の複数の装置は、流動食品を収納したパッケージで十分に機能することが証明されており、パッケージの表面の読取り温度はパッケージの中身の温度に密接に追従すると証明されている。しかし、主に固形食品を収容したパッケージは、食品内の温度に比べ、パッケージの表面の測定した温度に対してかなりの遅れがある。また、パッケージの中の食品の種類によってもばらつきがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、固形食品単独或いは主に固形食品から構成されるものに対し、簡単に且つ信頼できる方法で機能する上記型の装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明によれば、マーキングが食品に対して熱絶縁され、しかも食品と同じマイクロ波放射に晒されるように配置されている高分子材料のブロックの表面に読取り可能に配置されことによって達成される。この種の高分子材料は市場で利用でき、広い誘電率スペクトルをもって入手可能であり、その誘電率スペクトルは、周知のように、マイクロ波によって高分子材料の加熱の度合いを決定付ける。その結果、様々な種類の複数の固形食品製品を用いて試行錯誤により可能になるものであり、つまり、種々の異なった高分子材料のブロックの誘電率の値に依存して、種々のテストした高分子材料のブロックの加熱の較正を行うと同時に、前述の複数の固形食品製品は、食品の温度の測定中にマイクロ波により加熱され、種々の高分子材料のブロックは食品と同じマイクロ波放射に晒されるが、食品に対して絶縁されて保たれる。このようにして、食品の温度と高分子材料のブロックの温度の間には相関関係又は一致が得られ、これは、高分子材料のブロックの表面における温度依存マーキングによって表示できるようにされ、この表示は、オーブンの加熱プログラムを制御するのに利用され得る。
【0006】
これとは別に、ブロックの表面上には特殊な既知のマーキングも配置され得、このマーキングは食品の種類、食品の価格、その他の事項を認知させるための通常のバーコードから成っている。
【0007】
高分子材料が食品の加熱の過程に同時に密接に追従するようなに組成をもつ場合には特に有利である。
【0008】
高分子材料は少なくとも部分的に透明であれば十分であり、マーキングは、ブロックに埋め込まれた、熱変色顔料から成り得、これらの顔料はブロック内の温度の変化時にゆっくりと色及び(又は)色の強度を変化させ、ブロックの表面上で読取り可能である。
【0009】
高分子材料の多数の代わりのブロックを、マイクロ波オーブンの付属品として利用することができ、これらのブロックは、規格化された種々の食料品に整合する異なった誘電率を持っている。食料品の種類に応じて、種々のブロックから1つのブロックが選ばれ、食品上或いは包装するパッケージを備えている場合にはそのパッケージ上に、ブロックのホルダーによって適当にマークされた予め決められた場所に、食品又はパッケージをオーブン内の予定の位置に入れる前に、配置され得る。代わりに、このようなホルダーは、ブロックがオーブン内に入れられた食品と同じマイクロ波放射に晒されるレンジ内の場所に直接位置決めしてもよい。このようにして、例えば、あまり焼かないとかもっと焼くなど、食品の調理の度合いを変えることができる。
【0010】
食料品又はパッケージに取付けられた高分子材料のブロックは食品の温度に影響されてはならないという事実により、この高分子材料のブロックはパッケージに適当にヒンジで取付けられ、パッケージから外方へパッケージ又は食品の表面から離れた位置へ向けて、折畳むことができるようにされている。代わりに、高分子材料のブロックは、食品を包装するパッケージの突き出た縁部から真直ぐに下へぶら下がるよう配置することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明による装置の実施形態の一例を概略的に記載している添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1〜図3に示す縦長で狭い皿1の形態のパッケージはカップ型部分2を有し、平面状の上部に突き出した縁部3を備えている。このパッケージは、膜4で封をされ、点線で描かれた主に固形の食料品9を収容している。皿の長辺の中央部分には、縁部3の上面部に対してプレスされている接着テープ6によって自由に下向きに吊り下げられた高分子材料の小さなブロック又はプレート5が設けられている。高分子材料のブロック5の外側に向いた面に取付けられた自己接着性ラベル7の上にバーコード8が黒インキで印刷されている。ラベル7の一部分には、予定の温度で変化する熱変色性のマーキング15が設けられている。上記部分は、代わりに透明であってもよく、マーキング15は直接この透明な部分の下のブロックの表面上に配置され得る。また、バーコードは当然ブロック5の表面上に直に印刷されてもよく、その場合には、ラベルは不要である。実用的な理由で、高分子材料のブロック5はパッケージを加熱する前にはパッケージの縁部3から下側へ向けられ、そしてパッケージをオーブン内に入れる際には図示したような位置へ向けられる。図4に示すように、パッケージ1は、ブロック5を配置できるホルダー16を備え得る。このようなホルダー16は当然、ホルダーに配置したブロック5がパッケージ1内の食品(図示していない)と同じマイクロ波放射に晒されるオーブン10内の位置に位置決めされ得る。
【0013】
本発明の小規模な応用では、接着テープを備えた高分子材料のブロックは、種々応用するためのバーコードを備えて、或いは高分子材料のブロックに取付けるべきバーコードをもつ別個の透明ししかも自己接着性ラベルを備えて得ることができる。
【0014】
図示皿1の形態のパッケージを加熱するために、パッケージは、読取装置11の前面にマーキング15を付けてマイクロ波オーブン10内に入れられ、読取装置11はマーキングを読取って、線12を介して制御回路13へ複数の制御信号を伝送する。制御回路13は、それ自体知られた仕方で、赤色の情報に関連して、オーブンの加熱装置14を制御するように構成され、またバーコード8も備え得る。パッケージがかなり強度に冷凍された温度のままオーブンに入れられる場合には、高分子材料のブロックはこの温度となり、それで加熱時間は自動的に長く延長される。パッケージが冷蔵庫内の温度である場合には、加熱時間は短くなり、またパッケージが常温に保たれていて、パッケージ内の食品と高分子材料のブロックが常温に近い温度にあると仮定される場合には加熱時間は更に短くなる。
【0015】
本発明は当然例として図示し説明してきた実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の仕方で変更できる。従って、比較的複雑でない応用例では、オーブンを停止させる一定の温度に達したことを表示するだけである高分子材料のブロックの限定した領域として構成したマーキングを使うことが可能である。この場合、読取装置は赤外線読取装置である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】食品を収納し、皿としてデザインしたパッケージの短辺側面図。
【図2】図1のパッケージの長辺側面図。
【図3】パッケージの平面図。
【図4】マイクロ波オーブン内に食品パッケージを入れた状態で示すマイクロ波オーブン正面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波オーブン(10)の加熱システム(14)に接続された読取装置(11)で読取ることのできる位置でマイクロ波オーブン(10)内に配置した、主に固形食品(9)の温度に関連した熱感応性の読取り可能なマーキング(15)によってマイクロ波オーブン(10)において主に固形食品(9)の温度制御加熱を行う装置であって、上記読取装置(11)が食品(9)の温度の変化している時にマーキング(15)の変化を読取り、そしてマイクロ波オーブン(10)の加熱システムを制御する制御回路(13)に制御信号を伝送し、マーキング(15)が高分子材料のブロック(5)の表面に読取り可能に配置され、上記ブロック(5)が食品(9)に対して熱絶縁され、そして食品(9)と同じマイクロ波放射に晒されるように配置されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
高分子材料のブロック(5)が食品(9)の加熱の進行に同時にかつ密接に追従する組成をもつことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
マーキング(15)が少なくとも部分的に透明な高分子材料のブロック(5)に埋め込まれた熱変色性カラー顔料を備え、上記顔料が温度の変化時に色及び色の純度、或いは色又は色の純度(強さ)を徐々に変化することを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
誘電率の異なる高分子材料の多数の代わりのブロック(5)の一つが食品(9)を収容するパッケージ(1−4)に取付けできることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
高分子材料のブロックが食品(9)を収容するパッケージ(1−4)にヒンジで取付けられ、パッケージの表面から離れた位置までパッケージから外方にブロックを保持できるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
高分子材料のブロック(5)が食品(9)を収容するパッケージ(1−4)の突起縁部(3)から下方へ自由に吊り下がるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
高分子材料のブロック(5)がマイクロ波オーブン(10)内の所定の位置でホルダー(16)に固定されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
読取装置(11)がマーキングの温度を測定するIR読取り装置であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−521457(P2007−521457A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518591(P2006−518591)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001101
【国際公開番号】WO2005/004543
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(506009763)リアル フード スウェーデン アクチボラグ (1)
【Fターム(参考)】