説明

ユーザ装置を携えているユーザに緊急事態対応を提供するシステム及び方法

本発明は、ユーザ装置(32)を持っているユーザに緊急事態対応を供給する方法を供給する。当該方法は、複数のユーザ装置(32)のひとつひとつを識別する機能と、ユーザ装置毎に関連づけられたユーザ情報とを含む、監視データベース(32)を構築する。監視データベース(34)は、ひとつひとつのユーザ装置(32)それぞれのユーザ毎に、緊急事態に際し連絡をとるべき連絡員のリストを含んでいる。インターネットプロトコル(IP)アドレスが、監視データベース(34)と個々のユーザ装置(32)に割り当てられる。当該データベースにおいてはユーザ装置(32)のうちひとつが選択され、選択されたユーザ装置(32)の少なくともひとつ、又は、選択されたユーザ装置(32)に関連づけられた連絡員のリストに載っている少なくとも一人の連絡員が、非常事態を通知される。監視データベース(34)と選択されたユーザ装置(32)の間の通信は、インターネットプロトコルを用いてインターネット(36)上で確立され、選択されたユーザ装置(32)と連絡員の両方又は一方に通知が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2003年7月22日に出願した米国仮出願番号60/489,022の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ユーザ装置を持っているユーザに緊急事態対応を供給する方法に関する。特に、かかる対応を供給するにあたって、ユーザ装置と監視データベースの間の通信をインターネット上で確立するための緊急事態対応を供給する方法に関する。
【0003】
ユーザに緊急事態対応を供給しユーザを監視することに関連した、様々な手法と装置とが知られている。そのような方法のひとつにおいては、ある装置を公衆電話交換回線網(public switched telephone network、PSTN)に接続し、その装置がスピーカーフォンとして機能する。もしユーザがスピーカーフォンから遠く離れた場所で緊急事態や事件に遭遇したら、そのユーザは、人間の助言者にその緊急事態の性質を伝えることができない。緊急事態がいかなるものか不明な場合、警察官のような緊急事態用の人員が応答する必要のないときであっても、そのような人員が呼び出されてしまうかもしれない。ゆえに、ユーザは、緊急事態の性質をうまく伝えられない結果、緊急事態用の人員がやってきてばつの悪い思いしてしまうことになることをおそれて、システムを稼働させないであろう。かかる関連技術装置のもうひとつの短所は、ユーザが家の中にいなかったり、装置を稼働させることができないほど遠く離れたところにいたりする場合に、ユーザは助言を受けられないことである。
【0004】
監視システムとしては他に、米国特許第6,512,456号明細書に開示されたものがある。この米国特許第6,512,456号明細書においては、監視機関と、ユーザの肉体機能情報を監視するユーザ装置と、を含む移動可能な監視システムが開示されている。情報は、ユーザ装置から監視機関に伝達される。監視機関は、ユーザから得られた情報に基づき、必要に応じて家族や友人に通知するなどする。情報は、全地球位置方位座標に基づくユーザの位置を含んでいてもよい。ユーザ装置は、監視機関に接続された受信塔に情報を送信する。しかし、この米国特許第6,512,456号明細書に開示された技術においては、監視機関とユーザ装置の間でのインターネットを用いた通信が構築されていないし、情報を伝達したり通信を確立したりするためにIP電話を利用しているわけでもない。
【0005】
他の関連技術におけるシステムでは、全地球方位システム(GPS)を用い、ユーザの位置を監視している。これらのシステムは、情報を様々な連絡員に伝送することにより連絡員がユーザの足跡を把握することができるようになっている。さらに、通信にあたっては、PSTNを用いるかわりに、IP電話(Voice over internet protocol、VoIP)が用いられることが、ますます増えている。しかし、ユーザを監視し足跡を把握することと、インターネット上で通信を確立することにより緊急事態や事象をユーザが連絡員に通知することと、を複合させた関連技術システムは、存在しない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、関連技術の方法には、1又は2以上の欠点がある。前述のような欠点を克服するようなシステム及びユーザ装置を提供することは有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ユーザ装置を携帯しているユーザに緊急事態対応を供給する方法を提供する。当該方法によれば、複数のユーザ装置のひとつひとつを識別する機能と、各ユーザ装置に関係したユーザ情報と、を含む監視データベースが構築される。監視データベースには、個々のユーザ装置の各ユーザが緊急事態に際して連絡をとるべき連絡員のリストが含まれている。監視データベースと、ひとつひとつのユーザ装置とに、インターネットプロトコルアドレス(IPアドレス)が割り当てられる。当該データベースにおいてはユーザ装置のうちひとつが選択され、選択されたユーザ装置の少なくともひとつと、選択されたユーザ装置に関連づけられた連絡員のリストに載っている少なくとも一人の連絡員の、一方又は両方が、非常事態を通知される。選択されたユーザ装置と連絡員の一方又は両方に通報するための、監視データベースと選択されたユーザ装置の間の通信は、インターネットプロトコルを用いてインターネット上で確立される。
【0008】
本発明は、関連技術におけるシステムに特徴的な短所を克服するものである。本発明は、ユーザがインターネットプロトコルを用いてユーザ装置を通じ直接に連絡員とインターネット上で通信を確立することを可能にする。当該装置が手の届く範囲内にありさえすれば、ユーザは、監視データベースに通報することによりすばやい助けを要求することができて、監視データベースは緊急事態の性質を評価判断して連絡員又は緊急事態用の人員に通報することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
後述の詳細な説明を参照して、対応する図面とつき合わせながら検討すれば、発明はよりよく理解できるようになる。そして、理解が進むにつれ、本発明の他の利点についても、すぐに理解できるようになる。図面は後述のようなものである。
【0010】
図面全てに渡り、同じ数字は同じ部品を意味する。緊急事態対応警報システムは、図1に30として一般的に示されている。非常事態警報システム30は、ユーザ(図には示されていない。)が携帯するユーザ装置32と、監視データベース34と、を含む。ユーザ装置32と監視データベース34はインターネット36上でインターネットプロトコル(IP)により通信する。インターネット36は図1において一般的に雲の形で描かれているものであり、様々な構成要素を相互に結合している。ここでよく理解されるべきことは、IPとは、トランスミッションコントロールプロトコル(TCP)と、インターネット36上での通信に採用されるであろうその他のあらゆる結合不要のパケット交換プロトコルと、を含むものである、ということである。好適なインターネットプロトコルはTCP/IPであるが、本発明においては、ファイルトランスファープロトコル(FTP)のような他のインターネットプロトコルによる実施をも想定している。インターネット36とは、当業者であれば理解しているとおり、世界中のコンピュータを接続しTCP/IPによる通信を行うシステムのことである。
【0011】
非常事態警報システム30はユーザ装置32と監視データベース34をインターネット36により接続するものであり、図1及び2において図式的に描かれている。当該システム30は、ユーザ装置32の座標を取得するための全地球方位システム(GPS)受信機38を備えるユーザ装置32と、携帯電話モデム40と、ラジオ周波数(RF)モジュール42と、を備える。ユーザ装置32は、生体測定装置44と通信を行ってもよい。生体測定装置44はRFモジュール46を備えている。このRFモジュール46は、RF信号によって、ユーザ装置32のRFモジュール42を通じた通信を構築する。ユーザ装置32はクレードル48と通信を行ってもよい。クレードル48は、ユーザ装置32のRFモジュール42とRF信号により通信するためのRFモジュール50を備えている。ユーザ装置32は、携帯電話送受信塔52により携帯電話通信網とも通信するものであると想定されている。ユーザ装置32の携帯電話モデム40は、携帯電話通信網にアクセスするために、携帯電話送受信塔52に携帯電話信号を伝達する。
【0012】
携帯電話通信網とクレードル48は、いずれも、インターネット36に接続されている。ゆえに、任意の与えられた瞬間においては、ユーザ装置32は、携帯電話通信網とクレードル48のいずれか一方とだけ、通信するのが望ましい。しかし、両方と通信するのが望ましい場合もあるであろう。携帯電話モデム40とクレードル48はいずれも、IPに基づいた信号を伝達することができ、IP電話(ヴォイスオーヴァーインターネットプロトコル、VoIP)に対応している。VoIPについては、後により詳細に説明する。VoIPは、図1において、より太い結合線で示されている。
【0013】
監視データベース34は、IPアドレスを備えており、インターネット36に接続されている。これにより、監視データベース34は、ユーザ装置32との間で信号の送受信を行う。監視データベース34は、当業者であれば見当がつくであろうとおり、ある種のサーバであることが好ましい。監視データベース34は、音声伝達のために、好ましくは公衆電話交換回線網(PSTN)56に接続されたゲートウェイ54を備えている。監視データベース34はまた、インターネット36上で音声とデータを伝達するための音声/データサーバ58を備えている。
【0014】
監視データベース34は複数のユーザ装置32を識別する能力を備えている。また、監視データベース34は、各ユーザ装置32に関連したユーザ情報を有している。ユーザ情報にはあるリストが含まれている。このリストは、各ユーザ装置32の各ユーザの緊急事態において、連絡がとられるべき連絡員のリストである。連絡員はユーザによって定義されてもよい。そして、当該リストは、ウェブベースのなんらかのアプリケーションソフトを通じてアクセス可能となっていてもよい。そうすれば、ユーザが当該リストを更新したり変更したりすることができる。連絡員という語は、図中で用いられているように、エンジェルという語と相互に置き換え可能である。特にユーザが年配であるときには、特定の連絡員がアドミニストレータレベルのアクセス権限を有するようにして、ユーザの代わりにリストの更新及び変更を行うようにしてもよい。連絡員のリストには、各連絡員と連絡をとる際の好ましい方法が載っている。そして、各連絡員は、連絡を受けるにあたっての、順序づけられた複数の方法を有していてもよい。例えば、監視データベース34は、連絡員に通知するにあたって、まず家庭の電話番号、それから職場の電話番号、それから携帯電話の電話番号、それからポケットベル、それから電子メール、といったふうに、順に試みてもよい。加えて、各連絡員は、時間帯ごとに、どの電話番号等に連絡されるのが都合がいいかを決めることができてもよいし、そういうことを状況や緊急事態しだいで変えることができてもよい。
【0015】
監視データベース34は、一人の連絡員に対してあらかじめ決められた回数だけ連絡を試みた後、次の連絡員へと移行し、事象や非常事態について、彼らに通知するよう試みてもよい。本発明のひとつの利点は、ユーザデータベース34が、PSTN56とインターネット36のいずれかを用いて連絡員に通知することができることである。インターネット36は、VoIP、ショートメッセージサービス(SMS)その他を用いサーバ58を通じて利用可能となる。その結果、これらをサポートする装置、例えば家庭の電話番号、ポケットベル、電子メール、といった装置が、利用可能になる。図1では、監視データベース34が、有線電話60に伝達するためのPSTN56と通信している様子と、携帯電話62又はポケットベル64に到達するための携帯電話送受信網と通信している様子と、が描かれている。監視データベース34はまた、電子メール66とウェブに基づいた情報68とを連絡員に伝達するために、サーバ58を通じても通信する。監視データベース34は、インターネット36を介して、ユーザ情報を受信したり、ユーザによるアクセスを可能とする。これは、ユーザ情報ばかりでなく、パートナー情報、携帯電話プロバイダ情報、医者の情報、金融機関情報、その他同様の情報に関しても、同じである。
【0016】
監視データベース34は、ユーザについての情報を蓄積してもよい。ユーザ情報には、ユーザの自宅住所、電話番号、電子メールアドレス、ユーザのアレルギー、病歴情報、医学的処置の情報、医療の処方せんの情報、ジオフェンスの情報が含まれていてもよい。ジオフェンス情報には、ユーザがその範囲内にいなければならない経度座標及び緯度座標が含まれているであろう。監視データベース34はユーザ装置32についての情報を蓄積してもよい。ユーザ装置32についての情報とは、例えば、シリアル番号、購入年月日、稼働日、販売員、パートナー情報、保証情報、電池寿命、さらに、または、ユーザ装置32について生じたエラーの報告といったものであるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
図2のフローチャートは、生体測定装置44とユーザ装置32の間でRF信号により行われる通信の様子を描いたものである。ユーザ装置32は、携帯電話モデム40又はRFモジュール42、50により、携帯電話送受信網及びクレードル48との間で通信する。携帯電話モデム40は、監視データベース34に到達するために、SMSセンターを経由したり、インターネット36を通じてインターネットゲートウェイ54と通信したり、インターネット36を通じてPSTNゲートウェイ54と通信してもよい。クレードル48は、インターネット36を通じて、有線ネットワークにより、監視データベース34と通信する。
【0018】
本発明はさらに、ユーザに装着された生体測定装置44と通信するユーザ装置32のRFモジュール42を備える。生体測定装置44は、ユーザ装置32のRFモジュール42とラジオ周波数信号により通信するRFモジュール46を備える。好適な実施例においては、ユーザ装置32のRFモジュール42と、生体測定装置44は、Bluetooth(商標)プロトコルを用いて通信する。全てのRF通信がBluetooth(商標)プロトコルを用いるのが最も好適である。ラジオ周波数伝達の当業者であれば、Bluetooth(商標)とは、有線の不要な周波数ホッピング方式を用いたラジオ周波数信号伝達の標準規格である、ということを理解するはずである。しかし、本発明は、任意のRF信号により実施されてもよい。ユーザの生体測定情報は、生体計測装置44からRF信号によりユーザ装置32に伝達される。その後、生体測定情報は監視データベース34に伝達されユーザに関する医学情報としてまとめて蓄積されてもよい。ユーザが事象や緊急事態に遭遇したならば、完全な病歴をおさらいのために利用することができ、ユーザの最新の医学的状態に即座にアクセスすることができる。
【0019】
ユーザ装置32は、図3A及び3Bに図式的に描かれている。図3Aはユーザ装置32の部分的な組立分解概念図であり、図3Bは上から見下ろしたところの概念図である。好適な実施例においては、ユーザ装置32はふたつのプリント配線板を備えており、これらのプリント配線板は、様々な要素を搭載し接続している。ふたつの配線板とは、主配線板70と第2配線板72のことである。主配線板70はインターネットプロトコル(IP)により通信するプロセッサ74を備えている。プロセッサ74は、様々な処理能力を備えた中央演算処理装置(CPU)のようなものである。主配線板はさらに、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)76を備える。DSP76は、ユーザ装置32から伝達されたデジタル信号を発生するのに用いられる。主配線板70はさらに、RFモジュール42を備えていてもよい。RFモジュール42は、クレードル48や生体測定装置44と通信するためのモジュールである。ユーザ装置32は、必要に応じて、RFモジュールを単数又は複数備えていてもよい。スピーカー78とマイクロフォン80が主配線板70に接続されていてもよい。
【0020】
メモリ源82はユーザ装置32のためのIPアドレスと、監視データベース34のためのIPアドレスと、を蓄積する。メモリ源82は、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュ、その他情報を蓄積することができる任意のタイプのメモリを備えていてもよい。当業者が知っているとおり、IPアドレスは、サービスプロバイダに組に分けて割り当てられる。このIPアドレスの組は、その後、再分割され、サービスプロバイダによりその顧客に割り当てられる。顧客はさらにその顧客に割り当てるためにIPアドレスの組を買う、ということもあるだろう。そこで、メモリ源82は、ユーザ装置32と監視データベース34の両方に割り当てられたIPアドレスを蓄積する。
【0021】
第2配線板72は、GPS受信機38と携帯電話モデム40と、を備えていてもよい。ユーザ装置32は、ユーザ装置32が主配線板70又は第2配線板72の一方と信号をやりとりするために少なくともひとつのアンテナ84をさらに備えていてもよい。アンテナ84は、GPS受信機38、RFモジュール42、携帯電話モデム40のうち少なくともひとつと通信をしている。図3Aにおいては、本発明は、複数のアンテナを備えるものとして描かれている。複数のアンテナとはすなわち、GPSアンテナ86、携帯電話アンテナ88、そしてふたつのRFアンテナ90及び92である。GPS受信機38はプロセッサ74と通信を行う。そして、GPS受信機38は様々な人工衛星から全地球測位座標を取得し、ユーザ装置32の経度座標及び緯度座標を決定する。これは、当業者であれば理解できることである。その後、全地球測位座標はメモリ源82に格納されてもよいし、または、監視データベースに送られてもよい。
【0022】
RFモジュール42は、後により詳しく説明するように、装置間でRF信号を伝達及び受信するために、プロセッサ74と通信する。携帯電話モデム40は、携帯電話接続上にて信号を伝送するための携帯電話接続を構築するために、プロセッサ74と通信する。スピーカー78とマイクロフォン80とは、ユーザ装置32を通じて及びユーザ装置32上で、音や音声通信を出力し伝達する。
【0023】
ユーザ装置32は、ユーザ装置32を稼働させるためのユーザ入力94を、さらに備えていてもよい。好ましくは、ユーザ入力94は、装置の表面に設けられた少なくとも1個の押しボタンまたはキーパッド124であり、複数の押しボタン124を備えていてもよい。装置を稼働するためのひとつの押しボタン124と、装置の可動をキャンセルするためのもうひとつの押しボタン124と、が存在してもよい。かわりに、同じ一つの押しボタン124が、ユーザ装置32を稼働及び非稼働にするのに用いられることとしてもよい。
【0024】
パワーサプライ96は、ユーザ装置32に電力を供給し、必要に応じて各部を電力が供給された状態にする。例えば、パワーサプライ96は、電力をプロセッサ74及びメモリ源82とに供給し、他の部品はプロセッサ74から電力を得るようにしてもよい。あるいはそのかわりに、部品それぞれがパワーサプライ96と接続していてもよい。
【0025】
図3Bには、CPUがより詳細に描かれている。CPUは、様々なコール処理100を完了させるためのコードを備える電話通信インターフェース98を備えている。コール処理100のための好適な標準規格はH.323であるが、本発明においては他の規格が用いられてもよい。コール処理部100は、装置を稼働させコールを開始するためのユーザ入力94に接続されていてもよい。CPUは積み重ねられたインターフェース102を備えている。そして、インターフース102は、携帯電話送受信網と通信するためのプロトコルと、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ポイントトゥーポイントプロトコル(PPP)、TCP、IPといったインターネットプロトコルにおけるデジタル信号を生成するためのプロトコルと、を備えている。GPS座標、生体測定データ、制御情報を含む補助的なデータも、CPUにより処理される。
【0026】
CPUの電話インターフェース及び積み重ねられたインターフェース102は、IP信号を生成するためにも、DSP76に接続されている。このことは、当業者であれば理解するとおりである。DSP76は、インターネット36上で音声通信を行うために、VoIPスタック104を備える。VoIPスタック104は、エコー打ち消し部106と、自動ゲイン制御(AGC)部108と、パケットカプセル化部110と、を備えていてもよい。好適な実施例においては、VoIPは音声コーデックG.723とG.729を用いて作動する。しかし、本発明においては、他のコーデックが利用されてもよい。
【0027】
マイクロフォン80とスピーカー78とは、インターネット36上でVoIPを用いて音声を記録し伝達するために、VoIPスタック104と接している。ユーザ装置32からのデジタル信号は、音声パケットとデータパケットといった情報のパケットを含んでいる。両方の種類のパケットは、監視データベース34とユーザ装置32の間で伝達される。当業者は、インターネットプロトコルを利用するためには、デジタル信号はパケットにして送らなければならないということを知っている。このようにして、ユーザ装置32はGPS座標によりユーザの居場所を常に監視し、この情報を監視データベース34にデータパケットとして常に伝達してもよい。監視データベース34から伝達されるであろうデータパケットは、ユーザに薬を服用するよう促すための投薬合図を含んでいる。他のデータは、生体測定装置44からユーザ装置32によって受信された任意の情報を含んでいてもよい。ユーザがユーザ装置32を稼働し双方向の音声通信を確立したときは、音声パケットはVoIPを用いて伝達される。
【0028】
図4はユーザ装置32の一つの実施例の分解組立透視図である。ユーザ装置32は二つの配線板を囲むおおい112を備えている。おおい112は、好ましくはプラスチック製であるが、ユーザが携帯するのに便利な、耐久力のある軽い材料であれば、他のどんな材料でできていてもかまわない。より好ましくは、水がユーザ装置32に入っておおい112の中の部品を壊してしまうことのないように、おおい112が防水仕様となっているのがよい。おおい112は、上板114と底板116とを備えており、一般には楕円形をしている。底板116は、パワーサプライ96にアクセスするためのアクセス口118と、シリアルインターフェースモジュール120と、を備えている。ユーザ装置32のこの実施例は、ユーザの注意を喚起するための3つの発光ダイオード(LED)と、3つの押しボタン124と、を備えている。押しボタン124には、装置を稼働し、緊急事態を解除し、装置をクリアする機能を割り当ててもよい。好ましくは、GPS受信機38、RFモジュール42、携帯電話モデム40が、損傷を避けるために、おおい112の中に配置されるのがよい。パワーサプライ96は、当業者なら理解できるとおり、覆い112の表面又は内部にパチンとはめ込まれる電池であることが好ましい。
【0029】
図5は、ユーザ装置32のもうひとつの実施例の側面図である。この実施例においては、ユーザ装置32は長く伸びた楕円形をしており、図4のLEDのかわりに、ユーザの注意を喚起するための液晶ディスプレイ(LCD)126を備えている。この実施例におけるユーザ装置32は、ひとつの押しボタン124を備えており、これが装置の稼働と通知解除の両方のために用いられることになろう。スピーカー78のかわりにイヤバッドを接続するためのイヤバッド用プラグ128が備えられている。図6は、ユーザ装置32のさらに別の実施例の側面図であり、概ね三角形をしていることが示されている。ユーザ装置32は2つの押しボタン124を備え、ひとつは稼働用で、もうひとつは通知解除用である。ユーザ装置32は、ユーザ装置32にメッセージが流されることを通知するインジケータ130を備えている。
【0030】
図7A及び7Bには、クレードル48の概念図が描かれている。クレードル48は、主制御部(MCU)132を備えている。このMCU132は、マイクロフォン134とスピーカー136、RFモジュール50、及び有線モジュール138と通信を行う。RFモジュール50は、ラジオ周波数信号により、ユーザ装置32と通信を行う。有線モジュール138はインターネット36に接続される。有線モジュール138は、図1においては、PSTN56を通じて接続するためのモデム140か、イーサネット(登録商標)接続を通じて接続するためのネットワークカード142の、いずれか一方であってもよい。好適な実施例においては、クレードル48は、モデム140とネットワークカード142との両方を備えている。モデム140が使用される場合は、クレードル48は、PSTN56を使用しサービスプロバイダを通じてインターネット36にアクセスする。それに対して、ネットワークカード142が使用される場合は、クレードル48は、インターネット36に直接に接続される。これらのことは、ケーブルモデムやデジタルサブスクライバーライン(DSL)やその他インターネット36に接続する任意の種類の接続法により達成されることであってもよい。
【0031】
クレードル48は、クレードル48とユーザ装置32の両方又は一方の状態についてユーザに知らせるためのインジケータ144をさらに備える。ユーザ装置32はクレードル48に接続するために装置コネクタ146に挿入される。接続された場合、クレードル48は、ユーザ装置32を充電し、ユーザがクレードル48を通じて直接に通信できるようにする。図には示されていないが、クレードル48は第2のコネクタを備えていてもよく、この第2のコネクタは、追加の電源を受け入れて充電する。こうすれば、ユーザ装置32がクレードル48の中で充電されていなくても、ユーザはいつも確実に充電済のパワーサプライ96を有していることになる。装置コネクタ146はユーザ装置32を受け入れるためにモジュール又はベース148に接続されてもよい。図7Bはクレードル48を上から見下ろした様子を描いたものである。電源150は、クレードル48に電力を供給しユーザ装置32を充電するために、ACアダプタ152に接続している。
【0032】
本発明は、ユーザ装置32を携帯しているユーザに緊急事態対応を供給する方法をも提供する。そして、当該方法は、図8に示されたフローチャートにて示されている。指示がある場合には、図8のステップは、後に続く図におけるより詳細なフローチャートに対応する。図8には示されていないが、当該方法は、監視データベース34を構築するステップと、監視データベース34にインターネットプロトコル(IP)アドレスを割り当てるステップと、各ユーザ装置32にIPアドレスを割り当てるステップと、を備える。ステップ200においては、ユーザ装置32からひとつのコールが開始されるか、又は、ユーザ装置32は監視データベース34により通知される。その後、ユーザ装置32と監視データベース34とが、ステップ202にて接続される。ステップ204において、ユーザ装置32に接続状態がセットされる。
【0033】
監視データベース34とユーザ装置32の間でいったん接続が確立されたら、3つの異なるステップが生じるであろう。監視データベース34は、当該装置に対応したリストに載っている連絡員達の一人に通知するか(ステップ206)、インシデント調査を行うか(ステップ208)、又は、インシデントを閉じる(ステップ210)であろう。連絡員への通知は、連絡員に通知するための少なくとも4つの異なるステップに分けてもよい。まず、連絡員は、ステップ212において、電子メール又はSMS通知によって通知されてもよい。かわりに、連絡員は、ステップ214において、電話を受けて直接に通信されるようになってもよい。あるいは、緊急事態応答がステップ216開始されてもよい。連絡員が直接的な通信状態にある場合には、連絡員は受理してもよく(ステップ218)、そしてそれからインシデントは閉じられる(220)。もし連絡員が受理しなかった場合、当該連絡員は、ステップ222において、2度目の通知を受けることとしてもよい。監視データベース34は開いているインシデントの監視も行っており、閉じられる必要があるであろうインシデントはなんでも閉じる(ステップ224)。
【0034】
図9において、フローチャートは、ステップ202において監視データベース34と接続しているユーザ装置32を描いている。ユーザ装置32は、ステップ226において、監視データベース34に対して、装置識別情報を含んだ信号を伝達する。ユーザ装置32は、ステップ228において応答を待ち、そして、応答が成功すれば、ユーザ装置32はステップ230において通信用の線を開く。その後ユーザ装置32はステップ232においてダイヤルトーンが存在するかどうか決定する。ダイヤルトーンが存在する場合には、ユーザ装置32はステップ234においてクレードル48を通じて接続する。ダイヤルトーンが存在しない場合には、ユーザ装置32はステップ236において携帯電話接続を用いて監視データベース34に接続する。デジタル信号を伝達するために、ユーザ装置32は、携帯電話送受信網とクレードル48のいずれか一方の存在を検出することとしてもよい。クレードル48が検出された場合には、デジタル信号はRF信号によりユーザ装置32からクレードル48に伝達され、インターネット36上に伝達される。クレードル48が検出されなかった場合には、ユーザ装置32は携帯電話モデム40を採用して携帯電話送受信網にアクセスする。その後デジタル信号は携帯電話送受信網に伝達され、インターネット36上に伝達される。よく理解されねばならないことは、本発明においては、クレードル48の検出を試みることなしに、携帯電話モデム40だけを利用してもよい、ということである。しかし、好適な方法においては、携帯電話モデム40とクレードル48の両方が利用される。なぜならば、携帯電話モデム40は建物の中では受信能力が貧弱であるかもしれないし、携帯電話送受信網の電波の届く範囲は限られているかもしれないからである。
【0035】
ユーザ装置32はステップ238において監視データベース34と接続しようと試みる。そして、もし接続が不可能だったら、ユーザ装置32は、ユーザに警告する。監視データベース34と接続した後は、ステップ240において、ユーザを照合するために装置情報が特定される。装置が認可されていないものであると判断された場合には、接続は終了する。装置が正当なものであると認証された場合には、監視データベース34はステップ206において連絡員に通知する。
【0036】
選択されたユーザ装置32と連絡員の一方または両方が、緊急事態や事象に応じて通知を受けることになってよい。例えば、もしユーザがユーザ装置32を稼働させたら、稼働されたユーザ装置32が選択され、監視データベース34は当該選択されたユーザ装置に関連づけられた連絡員のひとりに通知する。あるいは、ユーザがある時間に薬を服用することが求められている場合に、監視データベース34はユーザ装置32を選択してユーザ装置32に通知し、ユーザに薬を服用するよう警告する。この投薬通知の例では、監視データベース34は、選択されたユーザ装置32と関連づけられた連絡員の誰にも通知を行わない。しかし、もしユーザが自分の薬を服用しないならば、緊急度が拡大するであろうから、監視データベース34は関連づけられた連絡員に通知するようにしてもよい。この投薬通知については、後で、より詳細に説明する。
【0037】
図10は、ユーザ装置32の監視データベース34への接続と、ユーザ装置32において接続状態をセットする様子(ステップ204)を描いたフローチャートである。ユーザ情報が監視データベース34から取得されるか否かによらず、監視データベース34はステップ242においてユーザ装置32にフラグを伝達する。伝達が成功した場合には、ユーザ装置32はフラグを格納する。フラグが監視データベース34の中で見つかった場合には、ユーザ装置32にはある記録が伝達される。ある記録とは、ステップ244において連絡員が通知を受けたことを意味するものである。フラグが見つからない場合には、ユーザ装置32にはあるメッセージが伝達される。あるメッセージとは、当該ユーザ装置32が、ステップ246においてサポートされていないことを意味するものである。監視データベース34がフラグをユーザ装置32に送信することができなかった場合には、監視データベース34はフラグを再送信し、それでも成功しなかった場合には、ステップ248において接続を終了する。
【0038】
連絡員に通知する方法のひとつとして考えられるのは、あらかじめ記録されたメッセージを連絡員に伝達することである。あらかじめ記録されたメッセージは監視データベース34に格納され、選択されたユーザ装置32と関連づけられた連絡員に当該メッセージが伝達される。あらかじめ記録されたメッセージは、緊急事態や事象の種類と、連絡員によってとられなくてはならない応答と、を備えていてもよい。例えば、連絡員は、自分が緊急事態への対応を受理するのか、それとも断るのかを、監視データベース34に通知するよう、要請されることになっていてもよい。このようにして、監視データベース34は、連絡員の反応を監視し、連絡員の誰か一人からの対応が確定するまで、次の連絡員に通知することを繰り返し続ける。連絡員が受理し対応を完了したら、監視データベース34は、ユーザに知らせるためにユーザ装置32に対応を知らせる信号を伝達してもよい。ユーザ装置32と監視データベース34を接続するためにインターネット36を使用することが、最も重要な点である。インターネット36を使用することにより、システム30のようなシステムを作動させ維持するための費用を削減できる。そして、インターネット36を使用することにより、本発明の応用の幅が広がる。さらに、インターネット36は人間の介在を減らすので、監視データベース34は、連絡員への通知を完全に自動化することができる。人間の介在を減らすことは、システム30を作動させ維持するための費用の削減にもつながる。
【0039】
本発明のもうひとつの利点は、ユーザ装置32と連絡員の対応との間で、VoIPを利用することにより、双方向の音声通信が確立されてもよい、ということである。ゆえに、連絡員は、通知を受けたとき、ユーザ装置32を通じて、ユーザと即座に通信できるであろう。このことは、関連する技術分野における、PSTN56に直接に接続されたシステムに比べて、進歩した点である。関連技術分野におけるこれらのPSTN56に接続されたシステムは、スピーカーフォンとして作動する。だから、ユーザが当該スピーカーフォンから離れた場所で緊急事態や事象に遭遇した場合には、ユーザは、緊急事態の性質を人間の助言者に伝えることができない。緊急事態がどのようなものであるか不明であれば、警察官のような緊急事態人員が応答するよう呼ばれることになるであろう。そこまでおおげさな応答が必要ない場合でも、そうならざるを得ないであろう。ゆえに、ユーザは、システムを稼働させないであろう。というのは、ユーザは、緊急事態の性質を効果的に伝えることができないことをおそれるであろうし、また、効果的に伝えることができなかったために、緊急事態人員が到着してしまって、ばつの悪い思いをすることをおそれるであろうからである。本発明は、これらの問題を、ユーザがユーザ装置32を通じて連絡員との通信を直接に確立することができるようにしたことによって、克服した。当該装置が手の届く範囲にありさえすれば、ユーザは、監視データベース34を通じて即座に連絡をとることができる。
【0040】
図11は、ある与えられたインシデント(ステップ208)におけるユーザ装置32と監視データベース34との間のインシデント問い合わせの様子を示したフローチャートである。血圧が低いとか脈が遅いといったインシデントが監視データベース34の中で呼び出され、ユーザ情報に対して有効とされる。あるいは、投薬警告などのような時限警報が、監視データベース34の中に格納されたユーザ情報の中に出現することとしてあってもよい。時限警報に対応する時刻がきたら、監視データベース34は、ユーザ装置32を選択しユーザに警告するためにデジタル信号を伝達するであろう。他の実施例においては、連絡員のうちの一人が監視データベース34にアクセスしてもよい。そして、当該連絡員に通知を要求する旨を、監視データベース34がユーザ装置32を用いてユーザに警告するやり方により、ユーザに通知することとしてもよい。インシデントが有効である場合、インシデントの識別が得られ(ステップ250)、ステップ252において当該装置に伝達される。その後、ユーザ装置32は、ステップ254においてインシデント識別を受理したことに対する反応として、状態メッセージを流す。
【0041】
図12は、ステップ200においてユーザ装置32を稼働するユーザによりユーザ装置32が選択される様子を描いたもうひとつのフローチャートである。ユーザ装置32を稼働するために、ユーザはキーパッドを押し、それによって、監視データベース34に信号を送る。その後、監視データベース34はユーザ装置32を選択する。ユーザ装置32は、監視データベース34に通知している間、ステップ256においてGPS座標を取得し、ステップ258においてメモリ状態をクリアし、ステップ260において生体測定データを受信し、ステップ262において電池電力を確認してもよい。これらの情報は、必要に応じて監視データベース34に伝達されてもよい。さらに、ユーザ装置32は、通知が進行中であることをユーザに知らせてもよく、いったん監視データベース34との接続が完了したら、その旨をユーザに知らせることになるだろう。ステップ202において監視データベース34との接続がいったん確立したら、連絡員への通知が開始される。
【0042】
監視データベース34がユーザ装置32からの警報をひとたび受け取れば、ステップ206において連絡員は通知を受ける。図13は、連絡員への通知の様子を描いたフローチャートである。監視データベース34はステップ264においてインシデントを記録し、ステップ266においてユーザ情報及び連絡員リストを取得する。その後監視データベース34はステップ212においてこの情報を連絡員に電子メール又はSMS通知により伝達してもよい。監視データベース34はコールリスト(ステップ268)を構築する。コールリストとは、連絡員を優先順に、そして各連絡員への連絡方法ごとに、並べたものである。その後、連絡員は、ステップ214において、コールリストに示された順番に、好ましい方法により、通知を受ける。監視データベース34はコール状態を監視し、連絡員により受理されたら、インシデントを閉じる。コールが受理されない場合には、監視データベース34は、コールリストから次の連絡員を選択する。ユーザ又は監視データベース34があらかじめ定めてある時間内は、これが継続される。当該時間が経過したら、ステップ216において緊急事態人員が連絡を受ける。緊急事態人員は911番や、911番が利用できないときは地域警察、消防隊、救急隊を含んでいてもよい。
【0043】
図14は、電話によって連絡員に通知する監視データベース34を描いたフローチャートである。監視データベース34は、ステップ220において、連絡員に関係づけられた電話番号にダイヤルする。当該電話番号が話し中であるならば、監視データベース34は自動的にリダイヤルする。それでも返事がない場合には、連絡員へのコール状態は更新され(ステップ272)、監視データベース34はステップ274において次の連絡員へと継続していく。連絡員が返事をした場合には、監視データベース34はメッセージを取得しそれをステップ276において連絡員に流す。連絡員が受理した場合には、監視データベース34は接続を絶ちステップ218においてユーザ装置32を通じて当該受理をユーザに通知する。連絡員は、ある特定のキーを押すとか、問いかけに口頭で答えるといった、様々な方法により、受理することとしてもよい。監視データベース34は、ステップ278において、連絡員からの返事が無効である場合には、メッセージを再び流す。連絡員が受理しない場合には、監視データベース34は拒絶を確定し(ステップ280)、コール状態を更新し(ステップ282)、リスト上の次の連絡員に通知する(ステップ274)。同様に、監視データベース34は、留守番電話に遭遇した場合には、ステップ284において音声メッセージを残し、ステップ282においてコール状態を更新し、ステップ274にて次の連絡員に通知する。
【0044】
電子メール又はSMSメッセージングによる、連絡員への別の通知法が、図15のフローチャートに描かれている。監視データベース34は、ステップ286において、連絡員情報を取得する。電子メールが選択された場合には、監視データベース34は電子メールメッセージを作成し(ステップ288)、それを連絡員に伝達し(ステップ290)、コール記録を更新する(ステップ292)。SMSが選択された場合には、監視データベース34はSMSメッセージを作成し(ステップ294)、それを連絡員に伝達し(ステップ296)、コール記録を更新する(ステップ298)。
【0045】
図16は、連絡員が事象や緊急事態を扱うことを受理する様子を描いたフローチャートである。どの連絡員も受理しなかった場合は、ただちに緊急事態人員に連絡されることとしてもよい。ひとたび連絡員が受理したら、ステップ300において、コールはカバーされたものとしてマークされる。そして、監視データベース34は、ステップ302において、カバーされたメッセージをユーザ装置32に伝達し、ステップ304において、コールの状態は更新される。コールがカバーされていない場合には、監視データベース34は、サポート連絡されたメッセージのひとつをユーザ装置32に伝達する(ステップ306)か、又は、連絡員インストラクションメッセージをユーザ装置32に伝達する(ステップ308)。その後、連絡員は、ステップ310においてユーザ装置32に直接に接続される。双方向通信を確立するために、ユーザからの音声は即座に記録され、音声から音声パケットが生成され、当該音声パケットは監視データベース34に伝達されるか、監視データベース34との間で交換される。同様の過程により、当業者であれば理解できるとおり、連絡員の音声は、インターネット36上での伝達のために、変換される。コールは監視されており(ステップ312)、コールが完了したときには、インシデントはカバーされ(ステップ220)、コール状態は更新される(ステップ304)。
【0046】
図17では、フローチャートにより、ステップ220においてインシデントがカバーされたことのユーザへの通知の様子が描かれている。監視データベース34は、サポートコールが終了した旨のメッセージを取得し(ステップ314)、ユーザ装置32にメッセージを伝達する(ステップ316)。ユーザが当該メッセージに反応してユーザ装置32を稼働させた場合には、コール状態はカバーされないままとなる(ステップ318)。しかし、ユーザがユーザ装置32の稼働を継続せずコールを終了する場合には、コールは終了し、監視データベース34はステップ320において状態をリゾルブドに更新する。ユーザがコールを終了しない場合には、監視データベース34は待機し、サポート待ち中メッセージを伝達して(ステップ322)、ユーザが反応するのを待つ。
【0047】
図18のフローチャートに示すように、連絡員は監視データベース34に直接に連絡できる(ステップ222)。連絡員は監視データベース34の中にコールを行い(ステップ324)、連絡を特定するためのインシデント番号、名前、ユーザ名などといった情報を入力する(ステップ326)。監視データベース34はインシデントを検索し(ステップ328)、インシデント記録を取得する(ステップ330)。その後、コールは記録され、インシデントがもはやアクティブ状態にない場合には、連絡員は、閉じられた状態であることを知らされる。インシデントがアクティブでありかつカバーされている場合には、監視データベース34は、その旨を連絡員に知らせる。インシデントがアクティブでありかつカバーされていない場合には、ユーザ情報が取得され、連絡員は図16に示されるようにメソッドに再び加わる。
【0048】
インシデントは、図19に示すフローチャートに描かれているように、閉じられる。監視データベース34は、ユーザ装置32に接し、閉じる旨のメッセージを取得し(ステップ332)、当該メッセージをユーザ装置32に伝達し(ステップ334)、ユーザを待つ。ユーザがインシデントが閉じられることを望めば、監視データベース34において当該インシデントは閉じられ、状態は更新される(ステップ336)。ユーザがインシデントを閉じるよう望まなかった場合、当該インシデントは監視データベース34においてアクティブの状態のままである(ステップ338)。ユーザが閉じる旨のメッセージに反応しない場合、監視データベース34は当該メッセージの伝達を継続する。
【0049】
ユーザが反応しないとき、または、連絡員が反応しないときは、ステップ216にて緊急事態過程が設けられる。図20は、緊急事態過程を描いたフローチャートである。監視データベース34はステップ340においてユーザ情報を検索する。そして、監視データベース34は、緊急事態対応に関係するあらゆる情報を検索する。監視データベース34は、ステップ342において、ユーザ装置32からGPS座標も検索する。監視データベース34が当該座標の取得に成功しなかった場合、ステップ344において、過去の座標が使用されることとしてもよい。監視データベース34は現在の位置で911番が機能するかどうか決定し(ステップ346)、機能するのであれば、911番が接続される(ステップ348)。911番が機能しない場合には、監視データベース34は、ステップ350において、当該座標に応じた緊急事態サービス番号を検索する。監視データベース34は、ステップ352において、GPS座標に沿って緊急事態告知を伝達する。その後、911番のオペレータ又は緊急事態人員は、ステップ354において、ユーザ装置32に直接的に接続される。監視データベース34は、完了するまでコールを監視し続ける。監視データベース34は、ステップ356において、911番のオペレータ又は緊急事態人員にユーザ情報を提供することとしてもよい。
【0050】
図21のフローチャートが示すように、ユーザ装置32はジオフェンスとして用いることもできる。ユーザは、ステップ358において、ユーザ装置32に現在の座標を教え込むために、ユーザ装置32を稼働させることとしてもよい。かわりに、ユーザ装置32が自動的に座標を検索するようにしてもよいし、又は、ユーザ装置32がステップ360において監視データベース34からの要求に応えて座標を検索するようにしてもよい。GPS受信機38は全地球測位座標を受信し続けるであろう。そして、かかる全地球測位座標は、ユーザ装置32においてあらかじめ定義された境界と比較されるであろう。ユーザ装置32が境界を越えたら、ユーザ装置32は監視データベース34にデジタル信号を伝達する。すると、監視データベース34は、ユーザ装置32に通知するか、又は、選択されたユーザ装置32に関連づけられた連絡員に通知する。全地球測位座標は、ユーザ装置32の中のプロセッサ74により比較されてもよいし、監視データベース34に比較のため伝達し返されてもよい。比較が監視データベースで行われる場合には、連絡員は、ジオフェンスが破られたとき即座に連絡をされるであろう。
【0051】
監視データベース34は、監視データベース34にある、ユーザ装置32からのデジタル信号に基づいて、ユーザの状態を決定することもできる。例えば、ユーザ装置32は生体計測装置44と通信している状態にあってもよく、ユーザの血圧がしきい値を超えた場合には、ユーザ装置32は監視データベース34にデジタル信号を伝達する。監視データベース34は、その後、連絡員に通知してもよいし、あるいは、リストにある連絡員を飛び越えてただちに緊急事態人員に連絡してもよい。このように連絡員を飛び越えることは、限定することなく一例を挙げるとすれば、ユーザが意識を失っていたり鼓動が止まっていたりするといった、あらかじめ定められた状態においてだけ、生じるであろう。これらの状態は、医学上の又は訓練を受けた緊急事態人員が真っ先に通知されるべきであるような、深刻な性質のものである。本発明は、緊急事態が確約されない限り緊急事態人員に通知がされないので、従来の関連技術の欠点を克服した。
【0052】
ユーザ装置32はユーザからのメッセージを格納し記録してもよい。記録されたメッセージは、監視データベース34に格納するために伝達されてもよいし、そのままユーザ装置32にとどまることとしてもよい。ユーザ装置32は、記録されたメッセージを非常事態人員又は連絡員に警告するためのディスプレイを備えている。ディスプレイは、メッセージが録音されたときに点滅するLEDを備えるようなものであってもよい。ユーザ装置32において音声が再生される必要がある場合には、ユーザからの音声は記録され、音声から音声パケットが生成され、その後、ユーザ装置32における再生のためにユーザ装置32に音声パケットが格納される。これは、特に、緊急事態人員又は連絡員が到着する前にユーザが意識を失った場合に、有益である。
【0053】
システム30とユーザ装置32は、投薬を管理するための投薬通知に役立つ。投薬通知は、何をいつ摂取するか指示することによって、そして、監視データベース34にこの情報を格納することによって、行われる。監視データベース34はまた、投薬の必要性を変えることや、異なるレベル及び時間枠における異なる投薬についての、記録も保持する。ユーザ又は権限のある連絡員は、ウェブに基づいたアプリケーションソフトを通じて、ユーザに関係する投薬リストを構築することができる。ユーザ又は権限ある連絡員は、なんらかの投薬がなされないといった、処方の調整や変更をしてもよい。投薬情報は、投薬の詳細、服用量、時期についての詳細な事項を備えていてもよい。すなわち、限定されるわけではないが、投薬の識別、充填された日、処方の単位(何錠であるか、さじ何杯であるか、貼り付け薬何枚であるか、といったこと)、服用量、服用のタイミング、服用前のコメントと警告、服用後のコメントと警告、補充用の物の数、処方における服用の数や補充物における服用の数、処方した医師、冷蔵保存を要する等の保存にあたっての要請、終結日、薬を充填した薬局、最初の薬がいつ摂取されたか(日、時)、薬の残量、残りの薬に充填すべきとの通知、といった事項である。
【0054】
監視データベース34はインターネット36上で見ることのできる報告書を生成する。当該報告書は、ユーザが現在摂取している全ての薬と、処方した医者と、支給した薬局と、を一覧にした投薬報告書を備えていてもよいし、いつどの薬を摂取したらよいかについての週別のスケジュールを一覧にした仮想の薬箱を備えていてもよい。監視データベース34はまた、薬と、薬が摂取されるべき時間と、を一覧表にしてある確認報告書を生成してもよい。確認報告書は、確認を受けたユーザが実際に薬を摂取した時間を示すとともに、当該時間に生じた事項を強調する。事項とは、確認の遅れ、連絡や更新ができないこと、ユーザに連絡ができないこと、監視データベース34により発せられた警告といったものであってもよい。監視データベース34はまた、処方が足りないこととか、補充薬が必要になったこととか、患者からの協力事項といった、注意を向けるべき事項を識別する警告報告書も生成する。生体測定装置44から集められた生体測定データも、投薬通知と組み合わせて用いられてよい。
【0055】
ユーザが反応しない場合、又は、ユーザが自分の薬を摂取したことを合理的な時間の経過後も確証することができない場合には、連絡員に直接に警告が届くことになる。監視データベース34が連絡員に通知した場合には、連絡員は直接にユーザに接続され、連絡員がユーザと直接に話して問題を解決できるようにする。監視データベース34に集められ通信される全ての情報は、安全なインターネット36の接続においてアクセスされる。
【0056】
ユーザに薬を摂取するよう通知し思い起こさせるために、監視データベース34はユーザ装置32に催促通知を伝達する。通知は、摂取されるべき1又は2以上の薬を表してもよく、記録された音声メッセージの形になっている。ユーザは当該メッセージを再生することができ、そのときに摂取されるべき薬の詳細を知ることができ、警告を取り出すことができ、理解して薬を摂取することを確証することができる。今どんな薬が摂取されるべきかということの詳細やその他の情報の詳細をユーザが知りたい場合には、ユーザはユーザ装置32を稼働させ投薬指示が流れるようにすればよい。指示は監視データベース34からユーザ装置32に送信される。情報が表示された後、ユーザは、情報を再生するか、確証して通知を閉じるか、警告を発するか、の選択権を有することになる。
【0057】
薬を摂取した後、ユーザは、ユーザ装置32を稼働させることにより確証の選択肢を選ぶ。当該稼働により、催促通知は解除され、薬が摂取されたとの通知が監視データベース34に送信される。ユーザが何ら行動しない場合は、自動的に警告が発せられる。かわりに、ユーザが警告を発して、連絡員の一人と直接に音声通信できる状態に身を置くことにしてもよい。投薬通知はまた、ユーザに薬の補充を促すためにも、そして、処方する医者が監視するためにも、利用することができる。
【0058】
発明は典型的な実施例に言及することにより記述されてきたが、発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われるであろうことと、要素はその等価物で置き換えられるであろうことは、当業者によって理解されるであろう。さらに、発明の本質的な範囲から逸脱することなく、ある特定の状況又は材料を発明の教示することに適合させるべく、多くの変更をなすことができるであろう。ゆえに、本発明は本発明を実施するために意図された最適の形態として開示された特定の実施例に限定されない一方、本発明は付された請求項の範囲に含まれる全ての実施形態を含む、ということが意図されている。さらに、請求項における参照用の番号は、単に利便性のためだけのものであって、いかなる意味でも限定する意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、インターネットを介して通信するユーザ装置と監視データベースを有する緊急事態通報システムを図示したものである。
【図2】図2は、図1に示された緊急事態通報システムを、別のしかたで図示したものである。
【図3A】図3Aは、ユーザ装置の概念図である。
【図3B】図3Bは、ユーザ装置の、別の概念図である。
【図4】図4は、ユーザ装置のひとつの実施例の分解組立図である。
【図5】図5は、ユーザ装置の別の実施例の側面図である。
【図6】図6は、ユーザ装置のさらにまた別の実施例の正面図である。
【図7A】図7Aは、ユーザ装置と通信するためのクレードルの側面図である。
【図7B】図7Bは、クレードルを上から見下ろしたところを示す図である。
【図8】図8は、ユーザ装置を携帯しているユーザに緊急事態対応を提供する方法を示すフローチャートである。
【図9】図9は、ユーザ装置が監視データベースに接続する様子を示すフローチャートである。
【図10】図10は、ユーザ装置を監視データベースに接続しユーザ装置において接続状態をセットする様子を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ある与えられたインシデントにおける、ユーザ装置と監視データベースの間でのインシデント調査の様子を示すフローチャートである。
【図12】図12は、ユーザ装置を稼働させたユーザに応答してユーザ装置を選択する様子を示すフローチャートである。
【図13】図13は、監視データベースにより連絡員に通知がなされる様子を示すフローチャートである。
【図14】図14は、監視データベースが電話により連絡員に通知を行う様子を示すフローチャートである。
【図15】図15は、監視データベースが電子メール又はSMSにより連絡員に通知を行う様子を示すフローチャートである。
【図16】図16は、連絡員が通知を受けた後に受理を行う様子を示すフローチャートである。
【図17】図17は、インシデントにおいてユーザの通知が連絡員の一人によってカバーされる様子を示すフローチャートである。
【図18】図18は、連絡員がインシデントについて調査するために直接に監視データベースに連絡する様子を示すフローチャートである。
【図19】図19は、監視データベースによりインシデントがクローズされる様子を示すフローチャートである。
【図20】図20は、あらかじめ定められたインシデントにおいて生じる緊急事態プロセスを示すフローチャートである。
【図21】図21は、ジオフェンスとして機能するような、ユーザ装置と監視データベースの使用法を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(32)を携えているユーザに緊急事態対応を供給する方法であって、
複数のユーザ装置(32)を識別する機能と、各ユーザ装置(32)の各ユーザについての緊急事態において連絡されるべき連絡員のリストを含む各ユーザ装置(32)に関係づけられたユーザ情報と、を備える監視データベース(34)を構築する工程と、
監視データベース(34)にインターネットプロトコル(IP)アドレスを割り当てる工程と、
各ユーザ装置(32)にIPアドレスを割り当てる工程と、
前記データベースにおいてユーザ装置(32)を選択する工程と、
ユーザ装置(32)によりインターネット(36)に接続された携帯電話送受信網又はクレードル(48)のいずれか一方の存在を検出する工程と、
選択されたユーザ装置(32)の少なくともひとつ又は選択されたユーザ装置(32)に関係づけられた連絡員のリストに載っている連絡員の少なくともひとりに緊急事態を携帯電話送受信網又はクレードル(48)の一方により通知する工程と、
選択されたユーザ装置(32)又は連絡員に通知するためにインターネットプロトコルを利用して監視データベース(34)と選択されたユーザ装置(32)の間でインターネット(36)上において通信を構築する工程と、
を備える、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記連絡員に通知する工程は、連絡員に通知するためにインターネットプロトコル又は公衆電話交換回線網の少なくともいずれか一方を利用するものとしてさらに定義される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連絡員に通知する工程は、あらかじめ記録され監視データベース(34)に格納されたメッセージを選択されたユーザ装置(32)と関係づけられた連絡員に伝達するものとしてさらに定義される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
連絡員の反応を監視し連絡員のうちのひとりからの反応が確認されるまでさらに次の連絡員への通知を継続する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
連絡員のひとりが反応した結果として監視データベース(34)からユーザ装置(32)に反応信号を伝達する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記反応信号を伝達する工程は、
ユーザ装置(32)とボイスオーバーインターネットプロトコルを利用して反応する連絡員との間に双方向の音声通信を構築するものとしてさらに定義される、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ユーザ装置(32)を携えているユーザに緊急事態対応を供給する方法であって、
複数のユーザ装置(32)を識別する機能と、各ユーザ装置(32)の各ユーザについての緊急事態において連絡されるべき連絡員のリストを含む各ユーザに関係づけられたユーザ情報と、を備える監視データベース(34)を構築する工程と、
監視データベース(34)にインターネットプロトコル(IP)アドレスを割り当てる工程と、
各ユーザ装置(32)にIPアドレスを割り当てる工程と、
当該データベースからユーザ装置(32)のひとつを選択し選択されたユーザ装置(32)の少なくともひとつ又は選択されたユーザ装置(32)に関係づけられた連絡員のリストに載っている連絡員の少なくともひとりに緊急事態を通知する工程と、
選択されたユーザ装置(32)又は連絡員に通知するためにインターネットプロトコルを利用して監視データベース(34)と選択されたユーザ装置(32)の間でインターネット(36)上において通信を構築する工程と、
を備える、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記選択されたユーザ装置(32)の少なくともひとつ又は連絡員に通知する工程は、
監視データベース(34)に関係づけられたIPアドレスと選択されたユーザ装置(32)に関係づけられたIPアドレスのうちのひとつについてインターネットプロトコルを利用することによりデジタル信号を携帯電話送受信網上とインターネット(36)上で伝達する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザ装置(32)のひとつを選択する工程は、
ユーザ装置(32)を稼働させユーザ装置(32)からのデジタル信号を監視データベース(34)に伝達する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ユーザ装置(32)と監視データベース(34)の間でボイスオーバーインターネットプロトコルを利用し音声接続を構築する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
監視データベース(34)においてユーザ装置(32)から受信したデジタル信号に基づいてユーザの状態を決定する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
あるあらかじめ決められた状態にあるユーザの状態に応じて連絡員のリストを飛び越えて緊急事態人員に連絡する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記連絡員に通知する工程は、
インターネットプロトコルのうちの少なくともひとつ又は公衆電話交換回線網によって連絡員に通知するものとしてさらに定義される、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項14】
連絡員の反応を監視し連絡員のうちのひとりからの反応が確認されるまでさらに次の連絡員への通知を継続する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ボイスオーバーインターネットプロトコルを利用して監視データベース(34)とユーザ装置(32)の間に双方向の音声通信を構築する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項16】
緊急事態人員により再生できるようにユーザからのメッセージを記録し当該メッセージをユーザ装置(32)に格納する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記デジタル信号を伝達する工程は、
デジタル信号を監視データベース(34)からユーザ装置(32)に伝達するものとしてさらに定義される、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記デジタル信号を伝達する工程は、ユーザ装置(32)による受け取りのために音声パケットとデータパケットとをパッケージする工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記データパケットをパッケージする工程は、
ユーザに薬を摂取するよう警告するための投薬合図をデータパケットにパッケージするものとしてさらに定義される、
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
携帯電話送受信網又はインターネット(36)上でデジタル信号を伝達するためのラジオ周波数モジュールを備えるクレードル(48)のいずれか一方の存在がユーザ装置(32)により検出される工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項21】
デジタル信号をラジオ周波数信号によりユーザ装置(32)からクレードル(48)に伝達しインターネット(36)上でIPアドレスにデジタル信号を発送する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
ユーザ装置(32)とラジオ周波数により通信するラジオ周波数モジュールを備えた生体計測装置(44)の存在を検出する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項23】
生体測定装置(44)からユーザ装置(32)にユーザに関する生体測定データを伝達する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
生体測定データをデジタル信号と共にパッケージし当該デジタル信号をユーザ装置(32)から監視データベース(34)に伝達する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ユーザに関する医学報告を編集するために監視データベース(34)に生体測定データを格納する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
デジタル信号を生成する工程が伝達のために音声パケットとデジタルパケットとをパッケージする工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項27】
前記音声パケットをパッケージする工程は、
ただちに音声を記録し音声から音声パケットを生成し音声パケットを伝達することにより監視データベース(34)との即座の通信を構築するものとしてさらに定義される、
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記音声パケットをパッケージする工程は、
ユーザ装置(32)における再生のために音声を記録し音声から音声パケットを生成し音声パケットをユーザ装置(32)に格納するものとしてさらに定義される、
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
再生のために格納された音声パケットについて緊急事態人員に警告する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ユーザ装置(32)との間で通信しているユーザに監視データベース(34)から警告をする工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項31】
ユーザにより監視データベース(34)からのデジタル信号の再生を初期化する工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ユーザにより携えられるユーザ装置(32)であって、
覆い(112)と、
前記覆い(112)の内部に配置され、インターネットプロトコル(IP)により通信することが可能なプロセッサ(74)と、
前記覆い(112)の内部に配置され、前記ユーザ装置(32)のためのIPアドレスと監視データベース(34)のためのIPアドレスとを格納するメモリ源(82)と、
前記覆い(112)の内部に配置され、前記ユーザ装置(32)の全地球測位座標を受信するためと前記メモリ源(82)に当該座標を格納するために前記プロセッサ(74)と通信している全地球位置システム(GPS)受信機(38)と、
前記覆い(112)の内部に配置され、ラジオ周波数信号を伝達し受信するために前記プロセッサ(74)と通信しているラジオ周波数(RF)モジュール(42)と、
携帯電話接続を構築するために前記プロセッサ(74)と通信している携帯電話モデム(40)と、
前記携帯電話モデム(40)と前記RFモジュール(42)に入ってくるメッセージを流すためのスピーカー(78)と、
ユーザからの音声を伝達し記録するためのマイクロフォン(80)と、
を備える、ことを特徴とするユーザ装置。
【請求項33】
前記ユーザ装置(32)を稼働するためのユーザ入力部(94)をさらに備える、
ことを特徴とする請求項32に記載のユーザ装置。
【請求項34】
前記プロセッサ(74)と前記メモリ源(82)とに電力を供給するための電源(96)をさらに備える、
ことを特徴とする請求項33に記載のユーザ装置。
【請求項35】
前記GPS受信機(38)と前記RFモジュール(42)と前記携帯電話モデム(40)と通信している少なくともひとつのアンテナ(84)をさらに備える、
ことを特徴とする請求項32に記載のユーザ装置。
【請求項36】
ユーザにより携えられ覆い(112)を備えるユーザ装置(32)と、
インターネットプロトコル(IP)により通信するプロセッサ(74)と、
監視データベース(34)に割り当てられたIPアドレスと前記ユーザ装置(32)に割り当てられたIPアドレスを格納するメモリ源(82)と、
前記プロセッサ(74)と通信している全地球測位システム(GPS)受信機(38)と、
RF信号を伝達し受信するための前記プロセッサ(74)と通信しているラジオ周波数モジュール(42)と、
携帯電話接続を構築するための前記プロセッサ(74)と通信している携帯電話モデム(40)と、
スピーカー(78)と、
マイクロフォン(80)と、
ラジオ周波数により前記ユーザ装置(32)と通信するためのRFモジュール(50)とインターネット(36)に接続された有線モジュール(138)とを備えたクレードル(48)と、
複数のユーザ装置(32)を識別する機能と前記各ユーザ装置(32)に関係づけられたユーザ情報とを備える監視データベース(34)であって前記ユーザ情報は各ユーザ装置(32)の各ユーザの緊急時に連絡されるべき連絡員のリストを含むことを特徴とする監視データベースと、
を備える、ことを特徴とする緊急事態警報システム(30)。
【請求項37】
前記ユーザ情報は、
ユーザの住所と、アレルギーと、病歴情報と、投薬治療情報と、医療処方情報と、のうち少なくともひとつを備える、
ことを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記ユーザ装置(32)情報は、
保証情報と、電池寿命と、エラー報告と、のうち少なくともひとつを備える、
ことを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記連絡員のリストは、
各連絡員への望ましい連絡手段を備える、
ことを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項40】
前記クレードル(48)は、
前記ユーザ装置(32)を充電するために前記ユーザ装置(32)を受け入れる装置コネクタ(146)をさらに備える、
ことを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項41】
前記クレードル(48)は、
追加の電源を受け入れる第2のコネクタをさらに備える、
ことを特徴とする請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記クレードル(48)は、
公衆電話交換回線網を通じてインターネット(36)に接続するためのモデム(140)を備える、
ことを特徴とする請求項36に記載のシステム。
【請求項43】
前記クレードル(48)は、
イーサネット(登録商標)接続によりインターネット(36)に接続するためのネットワークカード(142)を備える、
ことを特徴とする請求項36に記載のシステム。

【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2007−534189(P2007−534189A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521218(P2006−521218)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/023493
【国際公開番号】WO2005/011251
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506024331)
【出願人】(307004671)
【Fターム(参考)】