説明

ルテニウム含有膜を堆積するための方法

式(I)の有機金属化合物
【化1】


(ここで、Lは、少なくとも6個の環形成炭素原子を持った非芳香族性環の不飽和炭化水素配位子(L)であり、前記環は無置換であるかまたは置換されており、Xは、少なくとも6個の環形成炭素原子を持った、(L)と同一または異なる非芳香族性環の不飽和炭化水素配位子であって、前記環は無置換であるかまたは置換されているものであるか、または5ないし10個の炭素原子を持った環状もしくは非環状共役アルカジエニル炭化水素配位子であって、前記炭化水素配位子は無置換であるかまたは置換されている)。ルテニウムをベースとする膜で被覆された金属電極を製造するためのルテニウム前駆体としての使用。

【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、ルテニウムをベースとする有機金属化合物、基板上へそれらを堆積する方法および半導体産業におけるそれらの使用などに関する。
【0002】
ルテニウム(Ru)は、将来における多くの用途のための工業的半導体製造プロセスにおいて使用されることが期待されている。産業に課された継続的な縮尺の趨勢によって生じる問題を解決するために、チップ製造のための新規な材料の使用に向かうこの動きが必要である。次世代に関しては、RuはFeRAMおよびDRAM用途のための電極キャパシタの最良の候補と考えられている。Ruは、それをCMOSトランジスタの潜在的なゲート電極材料にさせる高融点、低比抵抗、高酸化耐性および適切な仕事関数のような要求される特性を有する。事実、Ruの比抵抗はイリジウム(Ir)およびプラチナ(Pt)のよりも低く、かつドライエッチングに容易に使用することができる。さらに、高い導電性を持ち、かつ鉛-ジルコナート-チタナート(PZT)、ストロンチウムビスマスタンタラート(SBT)またはビスマスランタンチタナート(BLT)のような強誘電膜から生じ得る酸素の拡散によって形成され得る酸化ルテニウム(RuO2)およびストロンチウムルテニウム酸化物(SRO、SrRuO3)は、より絶縁性があるとして知られている他の金属酸化物よりも、電気的特性に与える影響が低い。
【0003】
Ruは銅の裏打ち材料として有望なバックエンドオブライン(BEOL)法の候補物質でもある。単一のRu膜はTa、Ta(Si)Nおよび銅シード層と置き換わるであろう。Ruプロセスは、2工程のTa/Ta(Si)Nプロセスを1工程に置き換えるであろう。
【0004】
多くの種類のRuのCVD(化学気相堆積)前駆体が利用可能で、多くが研究されている。しかしながら、今日利用可能な前駆体は低い蒸気圧を持つ(すなわち、Ru(EtCp)2について73℃で0.1 Torr)。これら既知の前駆体から得られたRu膜は、かなりの量の炭素および酸素不純物を含む。炭素不純物は前駆体材料から生じると思われる。酸素不純物は共反応ガス(O2)から生じる。Ru膜は粘着性に乏しく、不均一であり、特徴的に長いインキュベーション時間を持つことが、T.Shibutani et al.(Tosoh R&D Review, 47, 2003)から知られている(インキュベーション時間は、堆積を有効に開始するために必要な時間として、すなわち、ガスが反応炉中に流される時点と膜が成長する時点との間の差の時間によって定義される)。
【0005】
トリカルボニル(1,3-シクロヘキサジエン)Ru前駆体のようなRu前駆体を使用して粗い酸化ルテニウム層を堆積させることは、米国特許第6,897,160号により知られており、前記特定の前駆体(前記特許の例4を参照のこと)は室温(およそ25℃)でバブラーリザーバー内に保持され、ヘリウムがそれを通してバブリングされる。
【0006】
しかしながら、Ru(CO)3(1,3-シクロヘキサジエン)生成物は、室温で液体ではなく、ヘリウムのようなイナートガスでバブリングされる前駆体および溶媒の液体溶液を得るために溶解する必要があることは、米国特許第6,517,616号及び米国特許第5,962,716から既知である。
【0007】
Ru(CO)3(1,3-シクロヘキサジエン)は、35℃の融点を持ち、常温下では固体であるというその性質を含めて論文Y.W.Song et al. (ECS transactions, 2(4), 1-11,2006)にも開示されている。
【0008】
全ての既知のCO含有Ru前駆体は、それらの融点が高いという本質的に同じ欠点を持っている。それ故に、バブリングまたは気化法のような通常の液体配送法によって、前駆体の蒸気をより簡単に反応炉に流すことができる液体製品を得るためには溶媒が必要である。
【0009】
しかしながら通常、溶媒の使用は溶媒分子の反応器への侵入、および堆積された膜への望ましくない不純物の取り込みに起因して、堆積プロセスに悪影響となるとみられている。さらに通常は、使用される溶媒は有毒および/または可燃性であって、それらの使用は多くの制約(安全面、環境問題)をもたらす。さらに、20℃より高い融点を持つ前駆体の使用(および、0℃を上回る融点を持つものでさえ)は、堆積プロセスの間(輸送ラインを加熱して、望ましくない箇所での前駆体の凝集を避ける)および輸送の間に多くのさらなる制約を伴う。
【0010】
既知のCO含有前駆体の反応性は、今日、原子層堆積(ALD)法(atomic layer deposition (ALD) regime)に到達できていない。ルテニウム膜はCVDによってのみ堆積され、論文の中には、Ru(CO)3(1,3-シクロヘキサジエン)前駆体によるALDモードは不可能であるとさえ概説するものもある。ALDは、他方の共反応物質によって飽和された表面上にある一方の反応物質の化学吸着によって(逆もまた然り)、均質かつ共形の薄膜を堆積することができるので、今日では広く使用されている堆積技術である。それは、反応炉における反応物質の連続的な導入を示唆し、各々の反応物質の導入工程は、イナートガス混合物による反応炉のパージによって分離される。ALDモードでのルテニウムの堆積は、例えば、ルテニウム前駆体の蒸気の導入により後続されるパージの期間で構成される。前駆体の蒸気は、基板上に均一に吸着され、およそ1原子の層が形成される。一旦、この層が形成されると、ルテニウム原子は基板の新たな表面と反応し得ない。これは、ALDの自己制限特性と呼ばれる。次に、未反応前駆体分子および発生した全ての副生成物を除去するために、イナートガスが反応炉に流される。先に堆積された層と反応させるために共反応物質が導入され、結果として生じた物質がルテニウム膜となる。この4段階プロセスはサイクルと呼ばれ、このサイクルは、所望の厚さのルテニウムが得られるまで必要に応じて繰り返され得、理想的なALD法においては1サイクルで1ルテニウム原子の層の堆積を可能にすることが知られている。
【0011】
したがって本発明の目的は、向上した熱安定性を持ち、扱いおよび使用がより簡単で、CVD、ALDまたは他の堆積技術によって膜を堆積させることができ、より短いインキュベーションで膜を堆積させることができ、下層(sub-layer)との界面における、望まれない特性を生じる酸化物層の形成を抑制する新規な有機-ルテニウム化合物を開発することであった。
【0012】
ルテニウム膜の低い堆積温度
本発明の他の目的は、室温で液体であり、溶媒の添加なしで純液体として提供され得、前駆体と共に用いられる共反応物質に依存して純ルテニウム膜またはルテニウム含有膜の堆積を可能にし、結果として得られた膜が検出可能なインキュベーション時間なしで堆積され、純ルテニウムの堆積および他のルテニウム含有膜(例えばSrRuO3、RuO2)の堆積ためのALD法が得られるような、有機ルテニウム化合物を提供することであった。
【0013】
こういうわけで、第1の態様によれば、本発明は式(I)の有機金属化合物に関する:
【化1】

【0014】
(ここで、Lは少なくとも6個の環形成炭素原子を持つ非芳香族環状不飽和炭化水素配位子(L)であり、前記環は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されており、
Xは、少なくとも6個の炭素原子を持つ、(L)と同一または異なる非芳香族環状不飽和炭化水素であって、前記環は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されているものであるか、または5ないし10個の炭素原子を持つ環状もしくは非環状の共役アルカジエニル炭化水素配位子のいずれかであって、前記炭化水素配位子は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されている)。
【0015】
ここで先に定義された有機金属化合物において、少なくとも1つの有機配位子は、少なくとも6個の環形成炭素原子を有する炭素環から作られるが、対応するπ電子(今後「電子雲」と呼ばれる)は、部分的に開いた環を形成する。このような配位子の例は以下の式:
【化2】

【0016】
で表される。
【0017】
第1の具体的な態様によれば、本発明はここで先に定義された式(I)の有機金属化合物に関し、ここで、(L)は、シクロヘキサジエニル(今後はchxd、C6H7)およびシクロヘプタジエニル(今後はchpd、C7H9)配位子であって、前記配位子は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されていないかまたは置換されているものから選択されるか、または5ないし10個の炭素原子を持つ環状もしくは非環状の共役アルカジエニル炭化水素配位子であって、前記配位子は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているかまたは無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されている。
【0018】
第2の具体的な態様によれば、本発明は先に定義された式(I)の有機金属化合物に関し、ここで、Xは、シクロヘキサジエニル(今後はchxd、C6H7)、シクロヘプタジエニル(今後はchpd、C7H9)、シクロペンタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニルおよびヘプタジエニル配位子から選択され、前記配位子は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているかまたは無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されている。Xが非環状配位子である場合、それは例えば(1-3η:6-8η)-2,7-ジメチルオクタジエニル配位子である。
【0019】
第3の具体的な態様によれば、本発明はここで先に定義された式(I)の有機金属化合物に関し、ここで、配位子LおよびXの置換基は酸素を含んでおらず、より具体的にはここで先に定義された式(I)の有機金属化合物に関し、ここでXおよびLは、無置換であるか、またはフルオロまたはアミノから選択された1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基から選択される1以上の置換基で置換されている。
【0020】
第4の具体的な態様によれば、本発明はここで先に定義された式(I)の有機金属化合物に関し、ここで、XおよびLは無置換であるか、またはメチル、エチル、プロピルおよびブチルから選択された1以上の置換基で置換されているものであり、例えばここで先に定義された式(I)の有機金属化合物であって、Lが、1-メチル-シクロヘキサジエニル、2-メチル-シクロヘキサジエニル、3-メチル-シクロヘキサジエニル、6-メチル-シクロヘキサジエニル、1-エチル-シクロヘキサジエニル、2-エチル-シクロヘキサジエニル、3-エチル-シクロヘキサジエニル、6-エチル-シクロヘキサジエニル、1,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル、2,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル、3,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル、1,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル、2,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル、3,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル、1,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル、2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル、3,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル、1,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル、2,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル、3,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル、1-メチル-シクロヘプタジエニル、2-メチル-シクロヘプタジエニル、3-メチル-シクロヘプタジエニル、7-メチル-シクロヘプタジエニル、1-エチル-シクロヘプタジエニル、2-エチル-シクロヘプタジエニル、3-エチル-シクロヘプタジエニル、7-エチル-シクロヘプタジエニル、6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、2,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、3,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、4,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、5,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、6,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、1,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル、2,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル、3,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル、1,5-ジメチル-シクロヘプタジエニル、7,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル、1,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、2,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、3,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、4,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、5,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、6,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、1,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル、2,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル、3,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル、1,5-ジエチル-シクロヘプタジエニルおよび7,7-ジエチル-シクロヘプタジエニルから選択されるものである。
【0021】
第5の具体的な態様によれば、本発明はここで先に定義された式(I)の有機金属化合物に関し、ここで、XとLは同一であり、さらにより具体的には以下の有機金属化合物である:
式;
【化3】

【0022】
の、ビス(2,6,6-トリメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム (Ru(2,6,6-Me3-chxd)2
および式;
【化4】

の、ビス(メチル-シクロヘプタジエニル)ルテニウム Ru(Me-chpd)2)。
【0023】
ここで先に定義された式(I)の有機金属化合物の他の例は、Ru(1-メチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(2-メチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(3-メチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(6-メチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(1-エチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(2-エチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(3-エチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(6-エチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(1,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(2,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(3,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(1,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(2,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(3,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(1,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(3,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(1,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(2,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(3,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル)2、Ru(1-メチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(2-メチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(3-メチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(7-メチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(1-エチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(2-エチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(3-エチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(7-エチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(1,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(2,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(3,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(4,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(5,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(6,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(1,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(2,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(3,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(1,5-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(7,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(1,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(2,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(3,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(4,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(5,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(6,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(1,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(2,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(3,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2、Ru(1,5-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2およびRu(7,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル)2である。
【0024】
これらの化合物において、およびより一般的にはここで先に定義された式(I)の有機金属化合物において、配位子の配置は、環炭素分子およびそれらのそれぞれの開いた電子雲の構造と共に、立体障害および電子相互作用の低減を最適化し、このことは、化合物の融点を下げることを助けると信じられている、ということを強調することができる。第2の態様によれば、本発明は、Ru+++塩を亜鉛の存在下で適切な有機配位子と反応させることを含む、ここで先に定義された化合物を調製するための方法に関する。
【0025】
第3の態様によれば、本発明は、LiCO3中のジ-μ-クロロジクロロビス[(1-3η:6-8η)-2,7-ジメチル-オクタジエニル]ジルテニウムを、適切な配位子およびアセトニトリルを含有するエタノール溶液と反応させることを含む、ここで先に定義された化合物を調製するための方法に関する。
【0026】
第4の態様によれば、本発明は、基板上にルテニウム含有膜を堆積させるための方法に関し、
a) - 少なくとも1つの基板を反応器中に提供する工程と、
b) - ここで先に定義された式(I)の少なくとも1つの有機金属化合物を前記反応器に導入する工程と、
c) - 前記少なくとも1つの有機金属化合物を、100℃以上の温度に設定された前記反応器中で、単数または複数の基板上にて分解させるかまたは吸着させる工程と、
d) - 前記少なくとも1つの基板上に前記ルテニウム含有膜を堆積させる工程と
を含む。
【0027】
ここで先に記載された方法において、種々の反応物質が、CVDのように同時に、ALDのように逐次に、またはその異なる組合せのいずれかによって反応器に導入され得る。
【0028】
したがって、ここで先に工程b)において定義されたルテニウム含有前駆体は、通常は液体であるべきであり、換言すれば20℃未満の融点を持ち、より好ましくは0℃未満の融点を持つべきである。
【0029】
ここで先に定義された方法において、基板はMIM、DRAMのような金属電極、ケイ素酸化物、ゲルマニウム酸化物などのようなゲート誘電体またはキャパシタを製造するために使用される通常の酸化物から一般に選択される。
【0030】
ここで先に定義された方法において、温度条件は100℃ないし500℃の範囲、より好ましくは150℃ないし350℃の範囲から選択され、反応器中の圧力は、好ましくは1 Paないし105 Pa、より好ましくは25 Paないし 103 Paに維持されるべきである。
【0031】
ここで先に定義された方法の第1の具体的な態様によれば、方法はさらに、
e) - 少なくとも1つの還元性流体を反応器に提供する工程
を含む。
【0032】
ここで先に定義された方法の工程e)において使用される還元性流体の例としては、より具体的にはH2、NH3、SiH4、Si2H6、Si3H8、水素含有流体またはその混合物である。
【0033】
ここで先に定義された方法の第2の具体的な態様によれば、方法はさらに、
f) - 少なくとも1つの酸素含有流体を反応器に導入する工程
を含む。
【0034】
ここで先に定義された方法の工程f)において使用される酸素含有流体の例としては、より具体的にはO2、O3、H2O、H2O2、OもしくはOHのような酸素含有ラジカルまたはその混合物である。
【0035】
ここで先に定義され、かつ工程e)および/または工程f)をさらに含む方法において、水素含有流体および/または酸素含有流体は反応器に連続的に導入され、有機金属化合物または複数の有機金属化合物の混合物が、パルス化学気相堆積(PCVD)のような技術によってパルスで基板上に堆積され得る。
【0036】
反応物質および実験条件に依存して、ここで先に定義された方法は、ルテニウム金属膜、ルテニウム酸化物膜またはルテニウム含有膜のいずれかの形成を可能にする。
【0037】
種々の例の図示として、図1は、Ruが使用される相補形金属酸化物半導体CMOS構造の概略図であり、図2は、銅ワイヤーと絶縁層との間のバリア層(low-kと呼ばれ、通常は多孔質ケイ素酸炭化物から作られる)のためのスタック構造の概略図である。
【0038】
最後の態様によれば、本発明は、ここで先に定義された有機金属化合物またはその混合物の、ルテニウムベースの膜で被覆された金属電極を製造するためのルテニウム前駆体としての使用に関する。このようなデバイスは、主に電子産業において使用される。
【0039】
式(I)による化合物の調製の例
例1: ビス(2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル)ルテニウム
エタノール中の無水三塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O)を、亜鉛(Zn)粉末および2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエンと混合する。
【0040】
混合物を還流下で加熱し、その後濾過する。得られた溶液を減圧下で蒸発させて乾燥させ、n-ペンタンで抽出し、アルミナを通して濾過する。得られた溶液を次に-78℃まで冷却し、最終生成物を得る。
【0041】
例2: ビス(1-メチル-シクロヘプタジエニル)ルテニウム
エタノール中の無水三塩化ルテニウム(RuCl3・nH2O)を、亜鉛(Zn)粉末および2-メチル-1,3-シクロヘプタジエンと混合する。
【0042】
混合物を還流下で加熱し、その後濾過する。得られた溶液を減圧下で蒸発させて乾燥させ、n-ペンタンで抽出し、アルミナを通して濾過する。得られた溶液を次に-78℃まで冷却し、最終生成物を得る。
【0043】
例3: (2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル) (1-3η:6-8η)-2,7-ジメチルオクタジエニル)ルテニウム
炭酸リチウム(LiCO3)中のジ-μ-クロロジクロロビス [(1-3η:6-8η)-2,7-ジメチルオクタジエニル]ジルテニウムのスラリーを、2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエンおよびアセトニトリル(CH3CN)を含有するエタノール溶液と混合する。混合物を還流させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を攪拌する。得られた溶液をアルミナでクロマトグラフする。ヘキサンによる最終溶離工程で、生成物を最終的に良好な収率で得る。
【0044】
例4: (1-メチル-シクロヘプタジエニル) (1-3η:6-8η)-2,7-ジメチルオクタジエニル)ルテニウム
炭酸リチウム(LiCO3)中のジ-μ-クロロジクロロビス [(1-3η:6-8η)-2,7-ジメチルオクタジエニル]ジルテニウムのスラリーを、2-メチル-1,3-シクロヘプタジエンおよびアセトニトリル(CH3CN)を含有するエタノール溶液と混合する。混合物を還流させ、溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を攪拌する。得られた溶液をアルミナでクロマトグラフにかける。ヘキサンによる最終溶離工程で、生成物を極めて良好な収率で得る。
【0045】
ビス(2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル)ルテニウムを用いた異なる操作条件下でのルテニウム膜の堆積の例
Ru(2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル)2は、20℃で液体の淡黄色前駆体である。
【0046】
純ルテニウム膜の堆積
ビス(2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル)ルテニウムを用いて、250℃超の温度で純ルテニウム膜を堆積させた。液体前駆体を80℃に加熱したバブラー中に置き、前駆体の蒸気をバブリング法によって高温壁反応器に運んだ。イナートガス、この場合はヘリウムをキャリアガスとして、かつ希釈目的で用いた。共反応物質として水素を使用した試験および使用しない試験を行った。
【0047】
我々の設定の条件で、膜は250℃、0.5 Torrで堆積され、堆積速度は350 ℃でプラトーに達した。ケイ素酸化物上で堆積を行った。ルテニウム膜中の種々の元素の濃度をオージェ分光器によって分析した。純ルテニウム膜を熱二酸化ケイ素層上に堆積させた。ルテニウム膜中の酸素の濃度はAESの検出限界未満であった。
【0048】
原子層堆積
この前駆体ビス(2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル)ルテニウムは、適切な共反応物質を用いた低温(150〜350℃)でのルテニウム膜の原子層堆積(ALD)に適切である。ALD技術における金属ルテニウムの堆積は、共反応物質が分子状または原子状水素である場合、ならびにアンモニアおよび関連するラジカルNH2、NHおよび酸化剤によっても可能であることが見出されている。
【0049】
ルテニウム酸化物膜の堆積
ビス(2,6,6-トリメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウムと酸素含有流体とを堆積炉中で反応させることによってルテニウム酸化物膜を堆積させた。この特殊な場合において、酸素含有流体は酸素であった。ALD技術におけるルテニウム酸化物堆積は、共反応物質が分子状または原子状酸素である場合、および水蒸気またはその他の酸素含有混合物によっても可能であることが見出されている。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】
【図2】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の有機金属化合物
【化1】

(ここで、Lは少なくとも6個の環形成炭素原子を持つ非芳香族環の不飽和炭化水素配位子(L)であり、前記環は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているかまたは無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されており、
Xは、少なくとも6個の炭素原子を持つ、(L)と同一または異なる非芳香族環状不飽和炭化水素であって、前記環は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されているものであるか、
または5ないし10個の炭素原子を持つ環状もしくは非環状の共役アルカジエニル炭化水素配位子であって、前記炭化水素配位子は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されている)。
【請求項2】
(L)はシクロヘキサジエニル(今後はchxd、C6H7)およびシクロヘプタジエニル(今後はchpd、C7H9)配位子であって、前記配位子は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されているものから選択されるか、または5ないし10個の炭素原子を持つ環状もしくは非環状の共役アルカジエニル炭化水素配位子であって、前記炭化水素配位子は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されている1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されている請求項1において定義された式(I)の有機金属化合物。
【請求項3】
Xがシクロヘキサジエニル(今後はchxd、C6H7)、シクロヘプタジエニル(今後はchpd、C7H9)、シクロペンタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニルおよびヘプタジエニル配位子から選択され、前記配位子は、無置換であるか、またはフルオロ、ヒドロキシまたはアミノから選択される1つ以上の基で置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミド基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルコキシ基、1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキルアミジナートから選択される1つ以上の置換基で置換されている請求項1または請求項2において定義された式(I)の有機金属化合物
【請求項4】
XおよびLが、無置換であるか、またはフルオロラジカルまたはアミノラジカルから選択された1つ以上のラジカルで置換されているか無置換の1ないし6個の炭素原子を持つ直鎖または分岐鎖アルキル基から選択される1以上の置換基で置換されている請求項1ないし請求項3のうちの1項において定義された式(I)の有機金属化合物
【請求項5】
XおよびLが、メチル、エチル、プロピルおよびブチルから選択された1つ以上の置換基で置換されていないかまたは置換されている請求項1ないし請求項4のうちの1項において定義された式(I)の有機金属化合物
【請求項6】
Lが、1-メチル-シクロヘキサジエニル、2-メチル-シクロヘキサジエニル、3-メチル-シクロヘキサジエニル、6メチル-シクロヘキサジエニル、1-エチル-シクロヘキサジエニル、2-エチル-シクロヘキサジエニル、3-エチル-シクロヘキサジエニル、6-エチル-シクロヘキサジエニル、1,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル、2,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル、3,6-ジメチル-シクロヘキサジエニル、1,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル、2,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル、3,6-ジエチル-シクロヘキサジエニル、1,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル、2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル、3,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル、1,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル、2,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル、3,6,6-トリエチル-シクロヘキサジエニル、1-メチル-シクロヘプタジエニル、2-メチル-シクロヘプタジエニル、3-メチル-シクロヘプタジエニル、7-メチル-シクロヘプタジエニル、1-エチル-シクロヘプタジエニル、2-エチル-シクロヘプタジエニル、3-エチル-シクロヘプタジエニル、7-エチル-シクロヘプタジエニル、1,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、2,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、3,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、4,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、5,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、6,6-ジメチル-シクロヘプタジエニル、1,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル、2,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル、3,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル、1,5-ジメチル-シクロヘプタジエニル、7,7-ジメチル-シクロヘプタジエニル、1,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、2,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、3,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、4,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、5,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、6,6-ジエチル-シクロヘプタジエニル、1,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル、2,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル、3,7-ジエチル-シクロヘプタジエニル、1,5-ジエチル-シクロヘプタジエニルおよび7,7-ジエチル-シクロヘプタジエニルから選択される請求項1ないし請求項5のうちの1項において定義された式(I)の有機金属化合物。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のうちの1項において定義された前記式(I)の有機金属化合物(ここでXおよびLは同一である)。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のうちの1項において定義された式(I)のうちの、以下の有機金属化合物:ビス(2,6,6-トリメチルシクロヘキサジエニル)ルテニウム、ビス(メチル-シクロヘプタジエニル)ルテニウム、 (2,6,6-トリメチル-シクロヘキサジエニル) (1-3η:6-8η)-2,7-ジメチルオクタジエニル)ルテニウムおよび(1-メチル-シクロヘプタジエニル) (1-3η:6-8η)-2,7-ジメチルオクタジエニル)ルテニウム。
【請求項9】
Ru+++塩と前記適切な有機配位子を亜鉛の存在下で反応させることを含む請求項1ないし請求項8のうちの1項において定義された化合物を調製するための方法。
【請求項10】
LiCO3中のジ-μ-クロロジクロロビス [(1-3η:6-8η)-2,7-ジメチルオクタジエニル]ジルテニウムを、前記適切な有機配位子およびアセトニトリルを含有するエタノール溶液と反応させることを含む請求項1ないし請求項8のうちの1項において定義された化合物を調製するための方法。
【請求項11】
基板上にルテニウム含有膜を堆積するための方法であって、
a) - 少なくとも1つの基板を反応器に提供する工程と、
b) - 請求項1ないし請求項8のうちの1項において定義された少なくとも1つの有機金属化合物を前記反応器に導入する工程と、
c) - 前記少なくとも1つの有機金属化合物を、100℃以上の温度に設定された前記反応器中で、単数または複数の基板上にて分解させるかまたは吸着させる工程と、
d) - 前記ルテニウム含有膜を前記少なくとも1つの基板上に堆積させる工程
とを含む方法。
【請求項12】
少なくとも1つの還元流体を、少なくとも1つの前記ルテニウム前駆体と共に、または別個に前記反応器へと提供する工程e)をさらに含む請求項11による方法。
【請求項13】
少なくとも1つの酸素含有流体を、少なくとも1つの前記ルテニウム前駆体と共に、または別個に前記反応器へと提供する工程e)をさらに含む請求項11または請求項12による方法。
【請求項14】
ルテニウムベースの膜で被覆された金属電極を製造するためのルテニウム前駆体としての、請求項1ないし請求項8のうちの1項において定義された有機金属化合物またはその混合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−513467(P2010−513467A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542378(P2009−542378)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/IB2007/055258
【国際公開番号】WO2008/078295
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】