説明

ルビジウム原子発振器

【課題】スイープ時間を短時間にする。
【解決手段】マイクロ波MWに基づき共鳴信号RSを発生する原子共鳴器1と、原子共鳴器1が発生する共鳴信号RSを増幅する増幅器2と、位相変調信号LWを出力する低周波発振器10と、共鳴信号RSと位相変調信号LWとに基づき制御電圧VCを出力する周波数制御部4と、制御電圧VCによって発振信号OUTの周波数が制御される電圧制御発振器8と、発振信号OUTを位相変調信号LWに基づき逓倍及び位相変調してマイクロ波MWを出力する逓倍位相変調部9と、記憶部27と、共鳴信号RSの周波数がロックされたロック状態の時に制御電圧VCを所定の時間間隔TSで記憶部27に同期電圧SVとして記憶させ、共鳴信号RSの周波数がロックされていない非ロック状態の時に制御電圧VCと同期電圧SVとに基づき周波数制御部4に制御信号S2を出力する制御部26と、を含むルビジウム原子発振器100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルビジウム原子発振器に関し、さらに詳しくは、非ロック状態が発生した際に、周波数の引き込みを行うためのスイープ電圧の生成を、デジタル的に行う回路技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信網や放送網等のデジタルネットワーク化が進み、これに伴い、伝送装置のクロック信号や放送局の基準周波数の生成に使用されるクロック源として、高精度・高安定な発振器が必要不可欠なものとなっている。そのような要請を満たす発振器として、発振周波数の精度・安定度が高いルビジウム原子発振器が多く用いられている。また、近年、原子発振器の小型化への要求が高まり、光マイクロ波ユニット(OMU:Optical Microwave Unit)も含めて全体を小型化する必要性に迫られている。
【0003】
ルビジウム原子発振器は、電源立ち上げ時に周波数の引き込みのためのスイープ回路が必要である。即ち、電圧制御水晶発振器の可変範囲に比べ、原子共鳴の光吸収特性が発生する周波数帯域は非常に狭いため(電圧制御水晶発振器の可変範囲は1×10-5程度、原子共鳴の光吸収特性が発生する周波数帯域は1×10-7程度)、従来、電圧制御水晶発振器の周波数を、原子共鳴の光吸収特性が発生する周波数に引き込むためにスイープ回路が使われてきた。また、電源を立ち上げてから周波数がロックするまでの時間(同期時間)を短縮することを目的として、様々な技術が用いられている。
【0004】
例えば、特許文献1には、電圧制御水晶発振器の逓倍周波数が原子共鳴周波数から充分離れているときにスイープ回路の掃引速度を速くし、電圧制御水晶発振器の逓倍周波数が原子共鳴周波数近傍に達したときにスイープ回路の掃引速度を遅くする方法が記載されている。この技術によれば、電圧制御水晶発振器の逓倍周波数が原子共鳴周波数の近傍になったときにスイープ回路の掃引速度を遅くしているので、周波数同期状態を正確に、且つ迅速に検出することができ、周波数引き込みの動作を早めることができる。
【0005】
また、特許文献2には、スイープ回路をデジタル化し、スイープ回路を小型化する技術が開示されている。従来のスイープ回路は、いずれも電圧制御水晶発振器の発振周波数の全範囲をカバーするように、広い周波数範囲をスイープしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−131122号公報(図1)
【特許文献2】特開2008−131123号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の方法では、スイープ回路の掃引速度を過度に速くすると、周波数同期状態の検出が不安定になるため、掃引速度を全体的に速くすることにも限界があり、従来のスイープ回路では少なくとも数分以上の掃引時間を必要とし、これ以上同期時間の短縮を図ることが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
マイクロ波に基づき共鳴信号を発生する原子共鳴器と、前記原子共鳴器が発生する前記共鳴信号を増幅する増幅器と、位相変調信号を出力する低周波発振器と、前記共鳴信号と前記位相変調信号とに基づき制御電圧を出力する周波数制御部と、前記制御電圧に基づき発振信号の周波数が制御される電圧制御発振器と、前記発振信号を前記位相変調信号に基づき逓倍及び位相変調して前記マイクロ波を出力する逓倍位相変調部と、記憶部と、前記共鳴信号の周波数がロックされたロック状態の時に前記制御電圧を所定の時間間隔で前記記憶部に同期電圧として記憶させ、前記共鳴信号の周波数がロックされていない非ロック状態の時に前記制御電圧と前記同期電圧とに基づき前記周波数制御部に制御信号を出力する制御部と、を含み、前記周波数制御部は、前記非ロック状態の時に前記共鳴信号の周波数の引き込みを行うためのスイープ電圧データを前記制御信号に基づき生成するスイープ電圧データ生成部を含む、ことを特徴とするルビジウム原子発振器。
【0010】
この構成によれば、電圧制御発振器の制御電圧のスイープ範囲を、同期電圧の近傍に限定するため、電源立ち上げ時においてスイープ時間を短縮することができ、電源立ち上げから同期するまでの時間を短縮することができる。
【0011】
[適用例2]
上記に記載のルビジウム原子発振器において、前記スイープ電圧データ生成部は、前記制御電圧を上昇させるための前記位相変調信号に同期した正電圧データを生成する正電圧データ生成部と、前記制御電圧を下降させるための前記位相変調信号に反転同期した負電圧データを生成する負電圧データ生成部と、前記制御信号に基づき前記正電圧データまたは前記負電圧データを切り替えて前記スイープ電圧データとして出力する第1のスイッチ回路と、を含む、ことを特徴とするルビジウム原子発振器。
【0012】
この構成によれば、電圧制御発振器の制御電圧のスイープ範囲を、同期電圧の近傍に限定するため、電源立ち上げ時においてスイープ時間を短縮することができ、電源立ち上げから同期するまでの時間を短縮することができる。
【0013】
[適用例3]
上記に記載のルビジウム原子発振器において、前記制御部は、前記制御電圧の電圧値が前記同期電圧より低い第1の電圧から前記同期電圧よりも高い第2の電圧に上昇するまでの期間に前記正電圧データを選択する前記制御信号を出力し、前記制御電圧の電圧値が前記第2の電圧から前記第1の電圧に下降するまでの期間に前記負電圧データを選択する前記制御信号を出力する、ことを特徴とするルビジウム原子発振器。
【0014】
この構成によれば、電圧制御発振器の制御電圧のスイープ範囲を、同期電圧の近傍に限定するため、電源立ち上げ時においてスイープ時間を短縮することができ、電源立ち上げから同期するまでの時間を短縮することができる。
【0015】
[適用例4]
上記に記載のルビジウム原子発振器において、前記周波数制御部は、前記共鳴信号をデジタルに変換したデジタル信号を出力するA/D変換部と、前記デジタル信号に基づいて前記ロック状態か前記非ロック状態かを判定した判定信号を出力する状態判定部と、前記デジタル信号に含まれる前記位相変調信号の周波数成分を濾過した濾過データを出力するバンドパスフィルターと、前記判定信号が前記ロック状態の場合に前記濾過データを出力し、前記判定信号が前記非ロック状態の場合に前記スイープ電圧データを出力する第2のスイッチ回路と、前記第2のスイッチ回路の出力をアナログに変換したアナログ信号を出力するD/A変換部と、前記アナログ信号と前記位相変調信号とを位相検波して周波数制御信号を生成する位相検波器と、前記周波数制御信号を積分処理して前記制御電圧を生成する積分回路と、を含む、ことを特徴とするルビジウム原子発振器。
【0016】
この構成によれば、電圧制御発振器の制御電圧のスイープ範囲を、同期電圧の近傍に限定するため、電源立ち上げ時においてスイープ時間を短縮することができ、電源立ち上げから同期するまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係るルビジウム原子発振器の構成を示すブロック図。
【図2】従来のルビジウム原子発振器の動作を示すタイミング図。
【図3】第1実施形態に係るルビジウム原子発振器の動作を示すタイミング図。
【図4】変形例1に係るルビジウム原子発振器の制御部の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、ルビジウム原子発振器の実施形態について図面に従って説明する。
【0019】
(第1実施形態)
<ルビジウム原子発振器の構成>
先ず、第1実施形態に係るルビジウム原子発振器の構成について、図1を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るルビジウム原子発振器の構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、ルビジウム原子発振器100は、原子共鳴器(OMU:Optical Microwave Unit)1と、増幅器(Amp:Amplifier)2と、低周波発振器10と、周波数制御部4と、電圧制御発振器(VCXO:Voltage Controlled Xtal Oscillator)8と、逓倍位相変調部9と、記憶部であるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)27と、A/D変換部(Analog Digital Converter)25と、タイマー15と、制御部26と、から構成されている。
【0021】
OMU1は、一般にルビジウム(Rb:Rubidium)ランプとRbガスセルと光検出器とから構成され、マイクロ波MWで共鳴させたRbガスセルにRbランプの共鳴光を照射し、Rbガスセルから出力される照射光を光検出器により検出し、共鳴信号RSを出力する。Amp2は、共鳴信号RSを増幅し、増幅信号ASを出力する。周波数制御部4は、増幅信号ASと低周波発振器10が出力する位相変調信号LWとに基づき制御電圧VCを出力する。VCXO8は、制御電圧VCに基づき発振信号OUTの周波数が制御される。逓倍位相変調部9は、発振信号OUTを位相変調信号LWに基づき逓倍及び位相変調してマイクロ波MWを出力する。A/D変換部25は、制御電圧VCをデジタル信号VDに変換し制御部26に出力する。
【0022】
制御部26は、共鳴信号RSの周波数がロックされたロック状態の時に制御電圧VCをデジタルに変換したデジタル信号VDをタイマー15が出力する所定の時間間隔である時間間隔TSでEEPROM27に同期電圧SVとして記憶させ、共鳴信号RSの周波数がロックされていない非ロック状態の時にデジタル信号VDと同期電圧SVとに基づき周波数制御部4に制御信号S2を出力する。
【0023】
周波数制御部4は、スイープ電圧データ生成部12と、A/D変換部3と、状態判定部11と、バンドパスフィルター13と、第2のスイッチ回路であるスイッチ回路14と、D/A変換部5と、位相検波器6と、積分回路7と、から構成されている。
【0024】
スイープ電圧データ生成部12は、非ロック状態の時に共鳴信号RSの周波数の引き込みを行うためのスイープ電圧データSDを制御信号S2に基づき生成する。A/D変換部3は、増幅信号ASをデジタル信号DSに変換する。状態判定部11は、デジタル信号DSに基づいてロック状態か非ロック状態かを判定した判定信号S1を出力する。判定信号S1は、例えば、ロック状態の場合にHレベル、非ロック状態の場合にLレベルに設定される。バンドパスフィルター13は、デジタル信号DSに含まれる位相変調信号LWの周波数成分を濾過した濾過データBDを出力する。
【0025】
スイッチ回路14は、判定信号S1がロック状態(Hレベル)の場合に濾過データBDを出力(a端子とc端子が接続)し、判定信号S1が非ロック状態(Lレベル)の場合にスイープ電圧データSDを出力(b端子とc端子が接続)する。D/A変換部5は、スイッチ回路14の出力をアナログに変換したアナログ信号ADを出力する。位相検波器6は、アナログ信号ADと位相変調信号LWとを位相検波して周波数制御信号FSを生成する。積分回路7は、周波数制御信号FSを積分処理して制御電圧VCを生成する。
【0026】
スイープ電圧データ生成部12は、正電圧データ生成部19と、負電圧データ生成部20と、第1のスイッチ回路であるスイッチ回路21と、から構成されている。
【0027】
正電圧データ生成部19は、制御電圧VCを上昇させるための位相変調信号LWに同期した正電圧データPDを生成する。負電圧データ生成部20は、制御電圧VCを下降させるための位相変調信号LWに反転同期した負電圧データMDを生成する。スイッチ回路21は、制御信号S2に基づき正電圧データPD(a端子)または負電圧データMD(b端子)を切り替えてスイープ電圧データSDとして(c端子から)出力する。例えば、制御信号S2がHレベルの場合に正電圧データPDをスイープ電圧データSDとして出力するならば、スイッチ回路21のa端子とc端子が接続状態となり、制御信号S2がLレベルの場合に負電圧データMDをスイープ電圧データSDとして出力するならば、スイッチ回路21のb端子とc端子が接続状態となる。
【0028】
状態判定部11は、バンドパスフィルター16と、レベル検出部17と、判定部18と、から構成されている。バンドパスフィルター16は、デジタル信号DSに含まれる位相変調信号LWの周波数成分を濾過した濾過データB2を出力する。レベル検出部17は、濾過データB2からレベル検出信号LVを出力する。判定部18は、レベル検出信号LVが所定値を超えているか否か(共鳴信号RSがロック状態か否か)を判定し、判定信号S1を出力する。
【0029】
<ルビジウム原子発振器の動作>
次に、第1実施形態に係るルビジウム原子発振器の動作について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、従来のルビジウム原子発振器の動作を示すタイミング図である。図3は、第1実施形態に係るルビジウム原子発振器の動作を示すタイミング図である。
【0030】
図2に示すように、従来(特許文献2)のルビジウム原子発振器では、タイマー15が出力する時間間隔TSに基づき制御信号S2を切り替えている。つまり、時点t0から時間間隔TS後の時点t1までの期間は制御信号S2をHレベル、時点t1から時間間隔TS後の時点t2までの期間は制御信号S2をLレベル、のように切り替えている。正電圧データ生成部19が正電圧データPDを電圧V2〜V1の間で位相変調信号LWに同期させ出力し、負電圧データ生成部20が負電圧データMDを電圧V2〜V3の間で位相変調信号LWに反転同期させ出力している場合、スイープ電圧データSDは、時点t0〜t1の期間は正電圧データPDとなり、時点t1〜t2の期間は負電圧データMDとなる。スイープ電圧データSDに伴い、制御電圧VCは電圧Vb〜Vaの間で上昇、下降する。
ここで、スイープ電圧データSDはデジタルデータであるが、図2には説明の便宜上アナログ電圧として表示している。
【0031】
第1実施形態に係るルビジウム原子発振器100では、制御部26は、制御電圧VCをデジタルに変換したデジタル信号VDとEEPROM27に記憶された同期電圧SVとに基づき制御信号S2を切り替えている。同期電圧SVより低い第1の電圧である下限電圧をSV−ΔV、同期電圧SVより高い第2の電圧である上限電圧をSV+ΔV、とした場合、制御部26は、デジタル信号VDが下限電圧SV−ΔVから上限電圧SV+ΔVに上昇する期間に制御信号S2をHレベルに設定し、デジタル信号VDが上限電圧SV+ΔVから下限電圧SV−ΔVに下降する期間に制御信号S2をLレベルに設定する。
【0032】
図3に示すように、時点t0からデジタル信号VDが上限電圧SV+ΔVに達する時点t1までの期間は制御信号S2をHレベル、時点t1からデジタル信号VDが下限電圧SV−ΔVに達する時点t2までの期間は制御信号S2をLレベル、のように切り替えている。図3における時点t0〜t1,t1〜t2の時間間隔は、タイマー15が出力する時間間隔TSよりも短い時間間隔となる。
【0033】
以上に述べた本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0034】
本実施形態では、VCXO8の制御電圧VCのスイープ範囲を、同期電圧SVの近傍に限定するため、電源立ち上げ時においてスイープ時間を短縮することができ、電源立ち上げから同期するまでの時間を短縮することができる。
【0035】
以上、ルビジウム原子発振器の実施形態を説明したが、こうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることができる。以下、変形例を挙げて説明する。
【0036】
(変形例1)ルビジウム原子発振器の変形例1について説明する。図4は、変形例1に係るルビジウム原子発振器の制御部の構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部26は、電源電圧VDDの変動を監視する電源監視回路50からのアラーム信号VXに基づきロック状態か非ロック状態かを判断するようにしてもよい。電源電圧VDDがON状態からOFF状態(0V)に低下し始めた時、電源監視回路50はアラーム信号VXを制御部26に出力する。この時点から制御部26は、EEPROM27にデジタル信号VDを同期電圧SVとして書き込む。次に、電源電圧VDDがOFF状態からON状態に立ち上がる時は、制御部26は、EEPROM27に記憶した同期電圧SVに基づき制御信号S2を出力できるので、スイープ時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0037】
1…OMU、2…Amp、3…A/D変換部、4…周波数制御部、5…D/A変換部、6…位相検波器、7…積分回路、8…VCXO、9…逓倍位相変調部、10…低周波発振器、11…状態判定部、12…スイープ電圧データ生成部、13…バンドパスフィルター、14…スイッチ回路、15…タイマー、16…バンドパスフィルター、17…レベル検出部、18…判定部、19…正電圧データ生成部、20…負電圧データ生成部、21…スイッチ回路、25…A/D変換部、26…制御部、27…記憶部、50…電源監視回路、100…ルビジウム原子発振器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波に基づき共鳴信号を発生する原子共鳴器と、
前記原子共鳴器が発生する前記共鳴信号を増幅する増幅器と、
位相変調信号を出力する低周波発振器と、
前記共鳴信号と前記位相変調信号とに基づき制御電圧を出力する周波数制御部と、
前記制御電圧に基づき発振信号の周波数が制御される電圧制御発振器と、
前記発振信号を前記位相変調信号に基づき逓倍及び位相変調して前記マイクロ波を出力する逓倍位相変調部と、
記憶部と、
前記共鳴信号の周波数がロックされたロック状態の時に前記制御電圧を所定の時間間隔で前記記憶部に同期電圧として記憶させ、前記共鳴信号の周波数がロックされていない非ロック状態の時に前記制御電圧と前記同期電圧とに基づき前記周波数制御部に制御信号を出力する制御部と、
を含み、
前記周波数制御部は、前記非ロック状態の時に前記共鳴信号の周波数の引き込みを行うためのスイープ電圧データを前記制御信号に基づき生成するスイープ電圧データ生成部を含む、
ことを特徴とするルビジウム原子発振器。
【請求項2】
請求項1に記載のルビジウム原子発振器において、
前記スイープ電圧データ生成部は、
前記制御電圧を上昇させるための前記位相変調信号に同期した正電圧データを生成する正電圧データ生成部と、
前記制御電圧を下降させるための前記位相変調信号に反転同期した負電圧データを生成する負電圧データ生成部と、
前記制御信号に基づき前記正電圧データまたは前記負電圧データを切り替えて前記スイープ電圧データとして出力する第1のスイッチ回路と、
を含む、
ことを特徴とするルビジウム原子発振器。
【請求項3】
請求項1または2に記載のルビジウム原子発振器において、
前記制御部は、
前記制御電圧の電圧値が前記同期電圧より低い第1の電圧から前記同期電圧よりも高い第2の電圧に上昇するまでの期間に前記正電圧データを選択する前記制御信号を出力し、
前記制御電圧の電圧値が前記第2の電圧から前記第1の電圧に下降するまでの期間に前記負電圧データを選択する前記制御信号を出力する、
ことを特徴とするルビジウム原子発振器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のルビジウム原子発振器において、
前記周波数制御部は、
前記共鳴信号をデジタルに変換したデジタル信号を出力するA/D変換部と、
前記デジタル信号に基づいて前記ロック状態か前記非ロック状態かを判定した判定信号を出力する状態判定部と、
前記デジタル信号に含まれる前記位相変調信号の周波数成分を濾過した濾過データを出力するバンドパスフィルターと、
前記判定信号が前記ロック状態の場合に前記濾過データを出力し、前記判定信号が前記非ロック状態の場合に前記スイープ電圧データを出力する第2のスイッチ回路と、
前記第2のスイッチ回路の出力をアナログに変換したアナログ信号を出力するD/A変換部と、
前記アナログ信号と前記位相変調信号とを位相検波して周波数制御信号を生成する位相検波器と、
前記周波数制御信号を積分処理して前記制御電圧を生成する積分回路と、
を含む、
ことを特徴とするルビジウム原子発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−187273(P2010−187273A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−31038(P2009−31038)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】