説明

レストレスレッグス症候群の治療のためのラサギリンの使用

レストレスレッグス症候群の治療のための方法であって、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の量を投与することを含む方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願を通して、様々な刊行物、公開された特許出願および公開された特許が参照される。これらの刊行物の開示は、それらの全体において、本発明が属す技術水準をより十分に記述するために、本願に援用される。
【0002】
レストレスレッグス症候群(Restless Legs Syndrome)(「RLS」、エクボーム症候群としても知られる)は、脚を動かそうとする抑えがたい衝動として表される神経学的症状であり、通常、安静時における脚の居心地の悪さまたは不快な感覚によって引き起こされる。脚の動きは、一時的に不快感を軽減させる(Jones et al., Restless Legs Syndrome - A Review, Eur.J.Vasc.Endovasc.Surg., Dec. 1997, 14(6):430-2)。
【0003】
感覚は無活動の期間の間に発生し、そのため晩および夜に最も激しい。RLSはしばしば睡眠または寝つきの困難を引き起こし、このことは昼間の倦怠または疲労の感覚をもたらす。RLSは、睡眠時およびしばしば覚醒時において肢の不随意性の反射運動(jerking)を引きこす可能性がある。これらの病徴の性質のために、RLSは睡眠妨害(sleep disturbance)および不眠症といった睡眠障害の最も流行している原因の1つである(Fox, G.N., Restless Legs Syndrome, American Family Physician, Jan. 1986, 33 (1) :147-52)。
【0004】
RLSはあらゆる世代で発生するが、成長するほどその頻度は増大する(Thorpy J. Michael- New Paradignms in the treatment of restless legs syndrome. Neurology 2005; 64: S28-S33)。それは一般的人口の約8%を悩ましている(rls.org/参照)。
【0005】
少なくとも80%のRLS患者が、睡眠時または横たわって安静にしているときに約5−90秒おきに発生する周期性四肢運動(peliodic leg movements,PLMs)、常同性で反復性の脚の屈曲運動を経験している(Hening A Wayne et al. An update on the dopaminergic treatment of restless legs syndrome and periodic limb movement disorder. Sleep 2004, 27: 560-583.)。脚の感覚およびPLMsはともに、著しく睡眠(寝つきおよび眠りの維持)を妨害し得る。このことは、過度の日中の眠気並びに憂うつおよび不安をもたらし、生活の質に著しく否定的な影響を与える可能性がある。
【0006】
RLSの治療は困難であり、しばしば様々な薬剤および投与計画を試す必要がある(The Merck Manual, 17th Ed. 1999, 1416)。RLSの主要な薬理学的治療は主に2つのクラスの薬物を伴う:ドーパミン作動性薬剤およびアヘン剤(opate agents)(Restless Legs Syndrome Foundation, Inc. Medical Bulletin, April 2004, pg. 15)。
【0007】
ほぼ全てのRLSの患者が、パーキンソン病の治療において処方されるよりも非常に低い用量で、ドーパミン前駆体レボドパ(L−dopa)(単独の場合またはカルビドパといったdopaデカルボキシラーゼ阻害剤を伴う場合の何れか)に対して、少なくとも初期の肯定的な治療的応答を示す(Montplaisir J. et al., Restless Legs Syndrome and Periodic Movements in Sleep: Physiopathology and Treatment with L- dopa, Clin. Neuropharmacol . , 1986, 9 (5) : 456-463)。この初期応答は、しかしながら、普遍的に維持されない。L−dopa療法の欠陥は、多くの患者において、その有効性が次第に減少することおよび/またはRLS問題が朝の時間に向かってシフトすること(リバウンド)または障害が、日中における現象の発生という問題を悪化させること(増強(augmentation))という事実にある(Guilleminault C. et al., Dopaminergic Treatment of Restless Legs and Rebound Phenomenon, Neurology, 1993, 43(2) :445; and Allen R. P., Augmentation of the Restless Legs Syndrome with Carbidopa/Levodop'a, Sleep, 1996, 19(3) :205-213)。
【0008】
ドーパミン受容体作動薬、例えばペルゴリドおよびプラミペキソール(pramipexole)(商品名Mirapexとして知られ、Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc.(コネチカット州リッジフィールド)から入手可能)は、十分確立され且つ有効なRLSに対する治療を提供する。しかしながら、それらは主要な副作用を引きこすことが報告されている(Dooley M. et al., Pramipexole: A Review of Its Use in the Management of Early and Advanced Parkinson's Disease, Drugs Aging, June 1998, 12 (6) : 495-514; and Silber M. H. et al., Pergolide in the Management of Restless Legs Syndrome: An Extended Study, Sleep, 1991, 20 (10) : 878-882)。実際に、全てのドーパミン作動薬はRLSの治療のために使用出来るが否定的な側面を伴っており、通常最初において、および投与する用量に応じて、悪心、嘔吐、眩暈、低血圧、便秘または不眠症といった副作用をもたらす(Medical Bulletin, infra at pg. 17)。
【0009】
アヘン剤は、RLSに対して同様に、しかしながら、しばしば相対的に高用量で、有効である(Walters, A. S. et al., Successful Treatment of the Idiopathic Restless Legs Syndrome in a Randomized Double-Blind Trial of Oxycodone Versus Placebo, Sleep, 1993, 16 (4) : 327-332)。しかしながら、中毒および進行性の耐性のリスクのために、これらの物質は、最高でも限定された範囲での治療的投与に適している。
【0010】
クロナゼパムといったベンゾジアゼピンならびにガバペンチン(gabapentin)およびカルバマゼピンといった抗痙攣薬もまた、RLSの病徴を低減させることがわかっている(Medical Bulletin, infra at pg. 19)。しかしながら、上述した治療に関するものと同様な副作用が、使用を制限する。中毒および日中の鎮静は、ベンゾジアゼピンにともなう問題であり、これは運動ではなく目覚めのみを妨げる(同上)。抗痙攣薬療法には高用量が要求される。そのうえ、抗痙攣薬はRLSの全ての範囲の要素を解決できないと考えられている(Telstad W. et al., Treatment of the Restless Legs Syndrome with Carbamazepine; A Double Blind Study, Br. Med. J. (Clin. Res. Ed.) , 1984, 288 (6415) : 444-446)。
【0011】
バルプロ酸塩もまたRLSに対して利益があるが、体重増加の副作用がその許容性を制限している(Dinesin H. et al., Weight Gain During Treatment With Valproate, Acta. Neurol. Scan. , 1984, 70(2):65-69)。
【0012】
当初血圧降下薬および縮瞳薬として開発されたクロニジンもまた、RLS治療における有効性について試験された。昏眠性の潜時(soporiferous latency)は減少した一方で、睡眠の質、目覚めの頻度または睡眠時の周期性四肢運動には何ら効果がなかった。より効果的な物質が単独療法に利用可能ならば、クロニジンは、限定的な状況を除いて、治療の代用形態としては現在推奨されない(U.S. Patent Publication No. 2001/0053777, published December 20, 2001)。
【0013】
従って、RLSに悩まされる個人のための効果的で代替となる治療および関連した治療摂生の選択肢に対する必要性が存在する。より具体的には、RLSの現代的な薬物療法学にて見られる好ましくない事象を誘導しない治療に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、レストレスレッグス症候群を患う対象を治療する方法であって、前記対象に対して、前記対象を治療するために有効な量のR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0015】
本発明はまた、レストレスレッグス症候群に苦しむ対象においてレストレスレッグス症候群の病徴を緩和する方法であって、前記対象に対して、前記対象におけるレストレスレッグス症候群の病徴を緩和させるのに有効な量のR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0016】
本発明はまた、単位剤形において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩および少なくとも1つのペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロール(ropinirole)またはクロニジンを含む医薬組成物を提供する。
【0017】
本発明はまた、レストレスレッグス症候群の治療またはレストレスレッグス症候群の病徴の緩和における使用のための医薬組成物であって、治療的有効量のR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩および医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0018】
本発明はまた、レストレスレッグス症候群の治療またはレストレスレッグス症候群の病徴の緩和のための医薬品の製造における、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の使用を提供する。
【発明の詳細な説明】
【0019】
本発明は、レストレスレッグス症候群を患う対象を治療する方法であって、前記対象に対して、前記対象を治療するために有効な量のR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0020】
本発明はまた、レストレスレッグス症候群に苦しむ対象においてレストレスレッグス症候群の病徴を緩和する方法であって、前記対象に対して、前記対象におけるレストレスレッグス症候群の病徴を緩和させるのに有効な量のR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む方法を提供する。
【0021】
一実施態様において、病徴は、脚の刺痛、脚の痙攣(cramps)、脚の痛みまたは脚の不穏状態の何れかであってよい。
【0022】
当該方法において、対象のIRLSレーティングスケールスコア(Rating Scale Score)は、基準(baseline)と比較して減少する。
【0023】
方法の一実施態様において、減少は、IRLSレーティングスケールスコアの20%の減少、好ましくは30%の減少、より好ましくは40%の減少、さらにより好ましくは50%の減少である。
【0024】
一実施態様において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の量は、1日あたり0.01mgから20mgであってよい。0.01mgから20mgとは、当該範囲内の全ての100分の1、10分の1および整数の単位の量が、本発明の一部として明確に開示されていることを意味する。従って、0.02、0.03 ... 0.09; 0.1、0.2 ...0.9; 1、2 ...19mg単位量が、この発明の実施態様として含まれる。
【0025】
更なる実施態様において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の治療的に有効な量は、一日あたり0.5mgから5mgであってよい。
【0026】
特異的な実施態様において、量は1.0mgであってよい。0.5mgから5mgとは、当該範囲内の全ての10分の1および整数の単位の量が、本発明の一部として明確に開示されていることを意味する。従って、0.6、0.7 ...0.9;1、2 ...4mg単位量が、この発明の実施態様として含まれる。
【0027】
一実施態様において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の用量は、一日あたり1から4回投与してよい。
【0028】
更なる実施態様において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の用量は、一日あたり1回投与してよい。
【0029】
さらに、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の晩の量は、対象が就寝する1から3時間前に対象に対して投与してよい。
【0030】
更にその上、第2の用量が、晩の用量の3から7時間前に対象に対して投与される。
【0031】
別の実施態様において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の用量は、1日を通して3から7時間おきに対象に投与される。
【0032】
一実施態様において、投与はR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンの投与である。
【0033】
更なる実施態様において、投与はR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンの医薬的に許容可能な塩の投与である。
【0034】
方法の医薬的に許容可能な塩は、エシレート、メシレート、硫酸塩または酒石酸塩であってよい。
【0035】
特異的な実施態様において、医薬的に許容可能な塩はメシレートであってよい。
【0036】
更なる実施態様において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンメシレートの治療的に有効な量は一日あたり1.66mgであってよい。
【0037】
1mgの塩基化合物R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンは、1.66mgのR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンメシレートに等しい。
【0038】
一実施態様において、投与は、経口、非経口、直腸または経皮の投与であってよい。
【0039】
本発明の更なる実施態様において、方法は更に、カルビドパ、レボドパ、ペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンの投与を含む。
【0040】
一実施態様において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは塩の投与は、実質的に、カルビドパ、レボドパ、ペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンの何れかの投与に先行する。
【0041】
更なる実施態様において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは塩の投与は、カルビドパ、レボドパ、ペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンの何れかの投与と同時である。
【0042】
R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩は、方法で使用されるときに医薬組成物中に存在してよい。
【0043】
一実施態様において、医薬組成物は錠剤の形態である。
【0044】
一実施態様において、医薬組成物は経皮投与に適した形態である。
【0045】
一実施態様において、医薬組成物は舌下投与に適した形態である。
【0046】
本発明はまた、単位剤形において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩および少なくとも1つのペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンを含む医薬組成物を提供する。
【0047】
本発明はまた、レストレスレッグス症候群の治療またはレストレスレッグス症候群の病徴の緩和における使用のための医薬組成物であって、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩および医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物を提供する。
【0048】
本発明はまた、レストレスレッグス症候群の治療またはレストレスレッグス症候群の病徴の緩和のための医薬品の製造における、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の使用を提供する。そのような使用は、方法の状況において、ここに具体的に開示されたものと同様の実施態様を有することが可能である。
【0049】
本発明は、従って、レストレスレッグス症候群(「RLS」)のためのヒト患者の治療のための、下式(I)のN−プロパルギル−1−アミノインダンのR−(+)−鏡像異性体[「R(+)PAI」]:
【化1】

【0050】
および、その医薬的に許容可能な酸付加塩を提供する。本発明はまた、化合物R(+)PAIを含む医薬組成物、それらの製造および医薬組成物によるRLSの治療の方法を提供する。
【0051】
本発明はまた、ラサギリンによるRLSの治療のための方法であって、ここにおいて、患者は、以前にRLSと診断されおよび治療を受けており、並びに、増強の病徴、すなわち、RLSの病徴がより重篤になり、晩においてより早く生じ、および身体の別の部分に広がるという長期治療の共通する結果を発症している方法である。
【0052】
ラサギリンは、化学物質R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンのINN(国際一般名)およびUSAN(アメリカ合衆国一般名)である。
【0053】
R(+)PAIは、N−プロパルギル−1−アミノインダン(PAI)のRおよびS−鏡像異性体のラセミ混合物の光学分割によって得てよい。そのような分割は、当業者に周知の何れかの従来の分割方法によって達成することが可能であり、例えばJ.Jacques、A.ColletおよびS.Wilenによる“Enantiomers, Racemates and Resolutions”(Pub. John Wiley & Sons, N. Y., 1981)に記載の方法によって達成できる。例えば、分割は、キラルカラムでの分取クロマトグラフィーによって行ってよい。適切な分割方法の別の例は、酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸またはアミノ酸のN−アセチル誘導体(例えばN−アセチルロイシン)といったキラル酸とのジアステレオ異性塩の形成、それに続く再結晶による所望のR鏡像異性体のジアステレオ異性塩の単離である。
【0054】
PAIのRおよびS鏡像異性体のラセミ混合物は、例えばWO95/11016に記載の通りに製造してよい。PAIのラセミ混合物もまた、1−クロロインダンまたは1−ブロモインダンとプロパルギルアミンとの反応によって製造することができる。あるいは、このラセミ化合物は、プロパルギルアミンと1−インダノンとを反応させ対応するイミンを形成し、その後、イミンと適切な試薬(例えば水素化ホウ素ナトリウム)との炭素−窒素二重結合を還元することで製造してよい。
【0055】
本発明に関して、R(+)PAIはまた、有機または無機塩基の存在下、および任意に適切な溶媒の存在下、臭化プロパルギルまたは塩化プロパルギルとの反応によって、1−アミノインダンの光学的に活性なR−鏡像異性体から直接に製造することができる。上述の化合物の製造の好ましい方法は、炭酸水素カリウムを塩基として用いおよびアセトニトリルを溶媒として用いた、R−1−アミノインダンと塩化プロパルギルとの間の反応である。
【0056】
化合物R(+)PAIは、RLSの治療に特に有用な医薬組成物として製造してもよい。そのような組成物は、医薬的に許容可能な担体および/または賦形剤と共に、R(+)PAIまたは医薬的に許容可能なその酸付加塩の化合物を含んでよい。この発明の実施において、医薬的に許容可能な塩は、メシレート、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、エシレート、p-トルエンスルホン酸塩、安息香酸塩、酢酸塩、リン酸塩および硫酸塩を含むが、これらに限定されない。
【0057】
組成物は、経口的に、非経口的に、直腸にまたは経皮的に投与される薬物として製造してよい。
【0058】
経口投与のための適切な形態は、錠剤、圧縮または被覆錠剤、ドラジェ(dragees)、サッシェ(sachets)、ハードまたはソフトゼラチンカプセル剤、舌下錠、シロップおよび懸濁剤を含む;非経口投与のために、本発明は、水性または非水性溶液または乳濁液を含むアンプルまたはバイアルを提供する;直腸投与のために、親水性または疎水性媒体を伴う坐剤が提供される;および、軟膏剤としての局所適用および経皮送達のために、当該分野で既知の適切な送達システムが提供される。
【0059】
本発明の経口剤形を処方するために使用してよい医薬的に許容可能な担体および賦形剤の特異的な例は、例えば、2000年10月3日に登録されたPeskinらの米国特許第6,126,968号に記載されている。本発明に使用可能な剤形を作るための技術および組成は以下の参考文献に記載されている:7 Modern Pharmaceutics, Chapters 9 and 10 (Banker & Rhodes, Editors, 1979); Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (Lieberman et al . , 1981); Ansel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 2nd Edition (1976); Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed. (Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985); Advances in Pharmaceutical Sciences (David Ganderton, Trevor Jones, Eds., 1992); Advances in Pharmaceutical Sciences VoI 7. (David Ganderton, Trevor Jones, James McGinity, Eds., 1995); Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms (Drugs and the Pharmaceutical Sciences, Series 36 (James McGinity, Ed., 1989); Pharmaceutical Particulate Carriers: Therapeutic Applications: Drugs and the Pharmaceutical Sciences, VoI 61 (Alain Rolland, Ed-, 1993); Drug Delivery to the Gastrointestinal Tract (Ellis Horwood Books in the Biological Sciences. Series in Pharmaceutical Technology; J. G. Hardy, S. S. Davis, Clive G. Wilson, Eds.); Modem Pharmaceutics Drugs and the Pharmaceutical Sciences, VoI 40 (Gilbert S. Banker, Christopher T. Rhodes, Eds.)。
【0060】
錠剤は、適切な結合剤、潤滑剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、流動誘導剤(flow−inducing agents)および溶融剤(melting agents)を含んでもよい。例えば、錠剤またはカプセル剤の用量単位形態における経口投与のために、活性薬剤成分は、経口性で無毒で薬剤的に許容可能な不活性担体、例えば、ラクトース、ゼラチン、寒天、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、リン酸ニカルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、微結晶性セルロース等と併用することができる。適切な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然の糖(例えばグルコースまたはベータ−ラクトース)、コーンスターチ、天然のおよび合成ゴム(例えばアラビアゴム、トラガカントゴムまたはアルギン酸ナトリウム)、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス等を含む。これらの剤形で使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ソーダ、塩化ナトリウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム(sodium stearyl fumarate)、タルク等を含む。崩壊薬は、限定されることなく、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム、クロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodium)、デンプングリコール酸ナトリウム(sodium starch glycolate)など。
【0061】
1mgの錠剤中のラサギリンメシレートは、パーキンソン病治療の使用に、Azilect(登録商標)(Teva Pharmaceutical Industries, Ltd. (イスラエル、ターティクヴァ)およびH. Lundbeck A/S (デンマーク、コペンハーゲン))として商業的に利用可能である。AZILECT(登録商標)、 Physician’s Desk Reference (2006), 60th Edition, Thomson Healthcareも参照される。Azilect(登録商標)で治療される対象における、幻覚、錯乱状態、うつ病、傾眠およびその他の睡眠障害の認知性および行動性有害事象はわずかであり、および、プラセボを投与された対象にて見られる発生率を、3パーセントを超えて上回ることはない(Parkinson Study Group, Tyramine Challenge to Assess the Safety of Rasagiline Monotherapy in a Placebo-Controlled Multicenter Trial for Early Parkinson's Disease (The TEMPO Study), Neurology, 2001, 56: A345)。ラサギリン治療を受けた対象において最も一般に報告された有害事象は、疼痛、頭痛および眩暈である。例えば幻覚、傾眠、浮腫、悪心、嘔吐および下痢といった、その他のドーパミン作動性薬物に一般的に伴う副作用が、ラサギリン治療を受けた対象においてまれに報告される(Stern et al., Double-Blind, Randomized, Controlled Trial of Rasagiline as Monotherapy in Early Parkinson’s Disease Patients, Mov. Disord. , 2004, 19(8) : 916-923)。
【0062】
R(+)PAI組成物はRLSを治療するために単独で使用してよく、あるいは、それらは既存のRLS治療の補助として使用してよい。R(+)PAIは、その他のRLS治療と異なる時および別に投与してよく、または、少なくともカルビドパ、レボドパ、ペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンとの併用によるR(+)PAIの医薬組成物として投与してよい。従って、例えば、錠剤またはカプセル剤の形態における経口的使用のための医薬組成物は、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダン、レボドパおよびデカルボキシラーゼ阻害剤を含んでよい。そのような組成物は、0.01−20mgのR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダン、50−100mgのレボドパ、および12.5−50mgのベンセラジドを含んでよい。
【0063】
開示される何れかの組成物におけるR(+)PAIの好ましい用量は以下の範囲内であってよい:経口的または坐剤の剤形のために、1日に摂取される量として用量単位あたり0.01−20mg、および、より好ましくは一日摂取される量として用量単位あたり0.5−5mgを使用してよい;ならびに、注射の剤形のために、1日に摂取される量として用量単位あたり0.05−10mg/ml、および、より好ましくは1日に摂取される量として用量単位あたり0.5−3mg/mlを使用してよい。
【0064】
0.01−20mgとは、当該範囲内の全ての100分の1、10分の1および整数の単位の量が、本発明の一部として明確に開示されていることを意味する。従って、0.02、0.03 ... 0.09; 0.1、0.2 ...0.9;および1、2 ...19mg単位量が、この発明の実施態様として含まれる。
【0065】
R(+)PAIは、単独およびその他のRLS治療との併用の両方で、RLSの治療における使用に有効であり適している。
【0066】
さらに、幾つかの既知のRLS治療と異なり、RLSの治療のための活性成分としてのラサギリンの使用は、望ましくない副作用を引き起こすことなく対象の状態を改善する。対象はヒト対象である。
【実施例】
【0067】
例1
【表1】

【0068】
例2
【表2】

【0069】
例3
【表3】

【0070】
例4
【表4】

【0071】
例5
【表5】

【0072】
例6−RLSのラットモデル
6−ヒドロキシドーパミンは、カテコールアミン作動性システムを選択的に乱しまたは破壊する薬剤である。従って、ドーパミン作動性間脳脊髄ニューロンの核(全て)への定位的で両側性の6−ヒドロキシドーパミン病変は、特異的ではないが、RLSのラットモデルに期待されるものと一致した挙動をもたらすために行われる(Ondo W. G. et al., Clinical Correlates of 6-Hydroxydopamine Injections into All Dopaminergic Neurons in Rats: A Possible Model for Restless Leg Syndrome, Mov. Disord., 2000, 15(1): 154-8)。
【0073】
並列盲目的速度ビデオエポック(Multiple blindly−rated video epochs)から、コントロールのラットと比較して、障害を起こしたラットにおいて、起立状態(standing)の発症の平均数が増大したことおよび総起立状態時間が増大したが総睡眠時間は同程度であることが実証される。しかしながら、障害を起こしたラットのR(+)PAIメシレートによる治療は、未治療の障害を起こしたラットと比較して、起立状態発症は少なく、および総起立状態時間は少ない結果になる。
【0074】
例7−ラットの睡眠時に自発的に発生するRLSモデル
睡眠における周期性四肢運動(PLMS)はしばしばRLSに付随する。16−20月齢の老齢ラットの群において、睡眠−覚醒の挙動を記録し、後肢運動を磁力誘導装置を用いて2回の12時間の明期の間、検出する(Baier P. C. et al., Assessment of spontaneously occurring periodic limb movements in sleep in the rat, J. Neurol. Sci. 2002; 198(1-2): 71-77)。非急速眼球運動睡眠(NREM)時の周期性後肢運動(PHLM)を幾つかのラットにおいて、改変したヒトの基準にそって同定し、その後、ラサギリン実験のためにラットを選択する。半分のラットをラサギリンで毎日治療し、一方その他の半分にはビヒクルを与える。PHLMの頻度を、治療の開始から7日後から始めて連続した3度の夜に検出する。ラサギリンで治療したラットは、ビヒクルで治療したラットよりも有意にPHLMは少ない。
【0075】
例8
R(+)PAIメシレートの1mg錠剤を、中等度から重度の主要なレストレスレッグス症候群で苦しんでいる成人患者を含む、プラセボ対照二重盲式無作為臨床試験にて調べた。
【0076】
性別、年齢および先の疾病の重症度に関する無作為化は適切に調整される。その他の症状(例えば、妊娠、腎不全および貧血症)に従属的なRLSの患者は除かれる。
【0077】
何かの先行するL−dopa治療の段階的および完全な打ち切りおよび治療の中断(休薬期間)の後、患者をR(+)PAIで治療する。
【0078】
日中の治療期間にわたって、1つの群の患者は0.5mgの用量で治療し、その他の群の患者は1mgで治療する。比較のために、プラセボ群の患者をプラセボで治療する。
【0079】
症状の重症度は、国際レストレスレッグス症候群研究グループ(International Restless Legs Syndrome Study Group)(IRLSSG)(http: //www. irlssg.org/)によって作成されるレーティングスケールで測定する。スケールの使用は、RLSに関する臨床評価、研究および治療試験に共通である。全体のIRLSSGレーティングは、後述する個々の値に由来する。
【0080】
まず、最初の開始値を、研究に参加する個々の患者で測定する。これは、0日すなわち治療前として、個々のIRLSSGパラメータ値を合計して行われる。治療の経過にわたって、IRLSSG値を開始値と比較し、その開始値からのあらゆる変化を記録する。最後に、開始値に対するIRLSSG値の平均的改善を、全ての対象の平均を算出することによって測定する。得られた値はCAS−−(完全分析セット)とよび、全体的IRLSSGレーティングの開始値からの無作為化された平均変化である。「無作為化される」という用語は、それらの異なる予め特定された用量に関して、患者が前もって二重盲式無作為化に供されることを意味する。
【0081】
結果
プラセボ群と比較して、開始値と治療後示された値との間で、IRLSSG値の有意な改善が記録される。
【0082】
治療終了後、両患者群は、自覚症状、例えば、肢の刺痛、痙攣および疼痛、夜間の肢の不穏状態、および寝つきまたは睡眠維持の困難さは、いずれも消失しまたは許容できる最低限まで減少したことを報告する。
【0083】
患者はまた、治療は、何かの幻覚、傾眠、浮腫、悪心、嘔吐または下痢を引き起こさない、またはそれらを非常に最小限まで抑えることを報告する。
【0084】
従って、R(+)PAIは、十分に許容的および安全であり、および中等度から重度の段階のRLS患者において明確な臨床状態の改善をもたらす。
【0085】
プラセボと比較して2ポイントのIRLSSG値の改善は成功と考えることができる。3超または6および更なるレーティング単位の改善は、いっそう有意な治療的前進を構成し、従って本発明の好ましい目的である。
【0086】
例9
これは、ラサギリンがRLS対象に投与された最初の臨床研究であった。PDの対症療法のための最適な投与計画に基づいて、1mg/日のラサギリンの投与計画を選択した。しかしながら、PDの治療に要求されるよりも小さい用量が、RLSの治療において有効であると予想される。従って、対象が1mgの一日量のラサギリンを許容することができなかった場合、0.5mgのラサギリンの一日量が容認された。
【0087】
ラサギリンは錠剤として経口投与した。1mgおよび0.5mgのラサギリン錠剤は、面取りされた丸い錠剤であり、平坦で、白からオフホワイトであり、一方の面に切り目が入れられ、他方は平面である。Teva Pharmaceutical Industries社は、研究用医薬生成物に適用できる現在の医薬品製造品質管理基準(cGMP)の原則およびガイドラインに従って、研究薬物の製造および主要なパッケージングの責任があった。
【表6】

【0088】
IRLS(International Restless Legs Scale(国際レストレスレッグススケール))
IRLSスケールは、感覚性のおよび運動性の症状の重症度、睡眠障害、昼間傾眠、ならびにRLSに伴う日常生活動作および気分への影響を評価するために設計された10の項目を含む。全ての項目は、0から4の範囲で等級付けられ(0=問題なし、4=非常に重度な問題)、最大で40のスコアを与える。
【0089】
研究者は、全ての予定される研究往診において、IRLSにて対象にスコアを付けた。主要な有効性指標は、IRLSスコアにおける基準から週2、4および8までの変化に基づいた。
【0090】
IRLSスケール
10の項目のそれぞれは0から4のスケールで採点し、0は問題がないことを意味し、および4は非常に重度な問題があることを意味した。テーブル1は結果を示す;低いスコアは問題のないことを示し、高いスコアは非常に重度の問題があることを示す。
【表7】

【0091】
臨床全般印象−全般改善(Clinical Global Impression−Global Improvement)(CGI−I)
CGI−Iスケールは単一の項目のスケールであり、研究者は対象の症状を、とても非常に改善された、非常に改善された、最小限に改善された、変化なし、最小限に悪くなった、非常に悪くなった、またはとても非常に悪くなったとして評価する。対象は、2、4および8週目に、このスケールで評価された。これらの時間点の各々の平均スコアが第2の有効性の指標として算出された。テーブル2はCGI−Iレーティングスケールの結果を示す。対象は、1−7のスケールでスコアをつけられ、1は対象の症状がとても非常に改善されることを示し、および7は対象の症状がとても非常に悪くなったことを示す。
【表8】

【0092】
RLS QoL質問表
レストレスレッグス症候群生活の質質問表(Restless Leg Syndrome Quality of Life questionnaire)(RLS QoL)は、日常生活、感情的な幸福、社会生活および職場生活でのRLSの影響を評価する。それは、総スコアが0−100の範囲の18項目の質問表である。テーブル3はこの質問表の結果を示す。スコアが低いほど、生活の質におけるRLSの影響が大きい。
【表9】

【0093】
(Abetz L. et al. Validation of the restless- legs syndrome quality of life questionnaire. Value in Health, 2005; 8(2): 157-167)。
【0094】
RLS QoL質問表は、基準および4週目および8週目の往診において、研究者により記入された。基準からの各々の基準後の研究往診の変化を付加的な有効性の指標として算出した。
【0095】
睡眠スケール(Sleep Scale):
睡眠スケールは12項目のスケールであり、それは、昼間傾眠、睡眠障害、睡眠適切性および睡眠量を含む、睡眠のほとんどすべての特質にわたる総合的な見解を提供する。研究者は、基準および4週目および8週目の往診において、このスケールにて対象をスコア付けした。基準からの各々の基準後の研究往診の変化を第2の有効性の指標として算出した(Hays, R. D. & Steward, A. L. (1992) . Sleep measures. In A. L. Stewart & J. E. Ware (eds. ) , Measuring functioning and well-being: The Medical Outcomes Study approach (pp.235-259) , Durham, NC: Duke University Press.)。
【0096】
テーブル4−12は、睡眠レーティングスケール(Sleep Rating Scale)によってスコア付けされる9つの特質それぞれの、睡眠レーティングスケールおよび基準からの時間の進行による変化の結果を示す。Nは研究の参加者数である。低いスコアは問題がないことを示し、高いスコアは非常に重度な問題であることを示す。
【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【0097】
結論:
現在まで、2人の対象が、レストレスレッグス症候群におけるラサギリンの有効性のこのオープンラベル予備的研究に参加した。これらの対象は、平均基準IRLSレーティングスケールスコアが32であった。2週後、平均スコアは29まで減少した。4週目において、1人の対象はスコア13であった(基準から50%の減少を示す)。別の対象は、4週目に、スコア38(この対象の基準スコアから変化なし)で研究への参加を中止した。8週までに、残りの対象のIRLSスコアは12に減少した(基準から54%の減少)。さらに、8週目までに、この対象は、CGI−IレーティングスケールにおいてRLS症状が「とても非常に改善した」ことを示した。また、8週目までに、この対象は、基準と比較して37%のIRLS生活の質質問表の改善を示した。加えて、8週目までに、この対象は、睡眠スケールの一部として測定される睡眠問題指標II(Sleep Problems Index II)統計において58%の改善があった。要約すると、少なくともRLS患者の部分集合において、ラサギリンはRLSの病徴に臨床的に有意な効果があることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レストレスレッグス症候群を患う対象を治療する方法であって、前記対象に対して、前記対象を治療するために有効な量のR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む方法。
【請求項2】
レストレスレッグス症候群に苦しむ対象においてレストレスレッグス症候群の病徴を緩和する方法であって、前記対象に対して、前記対象におけるレストレスレッグス症候群の病徴を緩和させるのに有効な量のR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩を投与することを含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記病徴は、脚の刺痛、脚の痙攣、脚の痛みまたは脚の不穏状態である方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の方法であって、前記対象のIRLSレーティングスケールスコアは、基準と比較して減少する方法。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の方法であって、前記R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の量は、1日あたり0.01mgから20mgである方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の治療的に有効な量は、一日あたり0.5mgから5mgである方法。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載の方法であって、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の用量は、一日あたり1から4回投与される方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の用量は、一日あたり1回投与される方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の晩の量は、前記対象が就寝する1から3時間前に対象に対して投与される方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、第2の用量が、晩の用量の3から7時間前に前記対象に対して投与される方法。
【請求項11】
請求項1から6の何れか1項に記載の方法であって、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の用量は、1日を通して3から7時間おきに前記対象に投与される方法。
【請求項12】
請求項1から11の何れか1項に記載の方法であって、前記投与はR(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンの投与である方法。
【請求項13】
請求項1から11の何れか1項に記載の方法であって、前記投与は前記R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンの医薬的に許容可能な塩の投与である方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記医薬的に許容可能な塩がエシレート、メシレート、硫酸塩または酒石酸塩である方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、前記医薬的に許容可能な塩はメシレートである方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンメシレートの治療的に有効な量は一日あたり1.66mgである方法。
【請求項17】
請求項1から16の何れか1項に記載の方法であって、前記投与は、経口、非経口、直腸または経皮の投与である方法。
【請求項18】
請求項1から17の何れか1項に記載の方法であって、更に、カルビドパ、レボドパ、ペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンの投与を含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは塩の投与は、実質的に、カルビドパ、レボドパ、ペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンの何れかの前記投与に先行する方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、前記R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは塩の投与は、カルビドパ、レボドパ、ペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンの何れかの前記投与と同時である方法。
【請求項21】
請求項1から20の何れか1項に記載の方法であって、前記患者は、以前にレストレスレッグス症候群と診断されおよび治療を受けており、並びに、増強の病徴を発症している方法。
【請求項22】
請求項1から21の何れか1項に記載の方法であって、前記R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩が医薬組成物中に存在する方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記医薬組成物は錠剤の形態である方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、前記医薬組成物は経皮投与に適した形態である方法。
【請求項25】
請求項22に記載の方法であって、前記医薬組成物は舌下投与に適した形態である方法。
【請求項26】
単位剤形において、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩および少なくとも1つのペルゴリド、プラミペキソール、オキシコドン、クロナゼパム、カルバマゼピン、ガバペンチン、バルプロ酸塩、ロピニロールまたはクロニジンを含む医薬組成物。
【請求項27】
レストレスレッグス症候群の治療またはレストレスレッグス症候群の病徴の緩和における使用のための医薬組成物であって、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩および医薬的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項28】
レストレスレッグス症候群の治療またはレストレスレッグス症候群の病徴の緩和のための医薬品の製造における、R(+)−N−プロパルギル−1−アミノインダンまたは医薬的に許容可能なその塩の使用。

【公表番号】特表2009−534312(P2009−534312A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504260(P2009−504260)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/008261
【国際公開番号】WO2007/117431
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】