説明

レーザシステム、極端紫外光生成システム、およびレーザ光生成方法

【課題】安定したレーザ光を得る。
【解決手段】レーザシステムは、パルスレーザ光を出力するように構成されたシードレーザシステムと、前記パルスレーザ光のパルスエネルギーを変化させるように構成されたパルスエネルギー調整部と、前記パルスレーザ光を増幅するように構成された少なくとも1つの増幅器と、前記少なくとも1つの増幅器の励起強度を変化させるように構成された少なくとも1つの電源と、前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記パルスエネルギー調整部を制御し、前記パルスレーザ光の複数パルスごとに前記少なくとも1つの電源を制御するように構成されたコントローラと、を備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、極端紫外(EUV)光を生成するために、ターゲット材料に照射されるレーザ光、又はこれに限定されない用途に使用することができるレーザ光を生成するためのレーザシステム、及び方法、並びにそのレーザシステムを用いた極端紫外光生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、たとえば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度の極端紫外光生成装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
極端紫外光生成装置としては、ターゲット物質にレーザビームを照射することによって生成されるプラズマを用いたLPP(Laser Produced Plasma:レーザ励起プラズマ)方式の装置と、放電によって生成されるプラズマを用いたDPP(Discharge Produced Plasma)方式の装置と、軌道放射光を用いたSR(Synchrotron Radiation)方式の装置との3種類の装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008−0149862号明細書
【概要】
【0005】
本開示の一態様によるレーザシステムは、パルスレーザ光を出力するように構成されたシードレーザシステムと、前記パルスレーザ光のパルスエネルギーを変化させるように構成されたパルスエネルギー調整部と、前記パルスレーザ光を増幅するように構成された少なくとも1つの増幅器と、前記少なくとも1つの増幅器の励起強度を変化させるように構成された少なくとも1つの電源と、前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記パルスエネルギー調整部を制御し、前記パルスレーザ光の複数パルスごとに前記少なくとも1つの電源を制御するように構成されたコントローラと、を備えてもよい。
【0006】
本開示の他の態様による極端紫外光生成システムは、パルスレーザ光を出力するように構成されたシードレーザシステムと、前記パルスレーザ光のパルスエネルギーを変化させるように構成されたパルスエネルギー調整部と、前記パルスレーザ光を増幅するように構成された少なくとも1つの増幅器と、前記少なくとも1つの増幅器の励起強度を変化させるように構成された少なくとも1の電源と、前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記パルスエネルギー調整部を制御し、前記パルスレーザ光の複数パルスごとに前記少なくとも1つの電源を制御するように構成されたコントローラと、を備えるレーザシステムと、チャンバと、前記チャンバに取り付けられ、前記チャンバ内にターゲット物質を供給するように構成されたターゲット供給システムと、前記レーザシステムから出力されたパルスレーザ光を前記チャンバ内の所定の領域に集光するように構成された集光光学素子と、を備えてもよい。
【0007】
本開示の他の態様によるレーザ生成方法は、シードレーザシステムと、パルスエネルギー調整部と、少なくとも1つの増幅器と少なくとも1の電源と、を備えるシステムのレーザ生成方法であって、前記シードレーザシステムから出力されたパルスレーザ光の1パルスごとに、前記パルスレーザ光のパルスエネルギーを変化させるように構成された前記パルスエネルギー調整部を制御し、複数の前記パルスレーザ光の複数パルスごとに、前記少なくとも1つの増幅器の励起強度を変化させるように構成された前記少なくとも1つの電源を制御することを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
【図1】図1は、本開示の一態様による例示的なLPP方式のEUV光生成システムの概略構成を示す。
【図2】図2は、本開示の実施の形態2によるレーザシステムの概略構成を示す。
【図3】図3は、図2に示されるレーザシステムの全体動作を示す。
【図4】図4は、図3のステップS101に示される初期設定ルーチンの一例を示す。
【図5】図5は、図3のステップS108に示される制御電圧値算出ルーチンの一例を示す。
【図6】図6は、実施の形態2における透過率と制御電圧値との関係を示す。
【図7】図7は、図3のステップS110に示されるシードパルス光出力制御ルーチンの一例を示す。
【図8】図8は、図3のステップS112に示される励起強度制御ルーチンの第1の例を示す。
【図9】図9は、図3のステップS112に示される励起強度制御ルーチンの第2の例を示す。
【図10】図10は、図3のステップS112に示される励起強度制御ルーチンの第3の例を示す。
【図11】図11は、図3のステップS113に示される増幅率算出ルーチンの一例を示す。
【図12】図12は、実施の形態2における励起強度と増幅率との関係を示す。
【図13】図13は、本開示の実施の形態3によるレーザシステムの概略構成を示す。
【図14】図14は、実施の形態3によるシードレーザ装置の概略構成を示す。
【図15】図15は、本開示の実施の形態4によるレーザシステムの概略構成を示す。
【図16】図16は、実施の形態5によるレーザシステムの概略構成を示す。
【図17】図17は、図3のステップS113に示される増幅率算出ルーチンの実施の形態5による一例を示す。
【図18】図18は、2つの偏光素子とポッケルスセルとを組み合わせて構成された光シャッタの一例を示す。
【図19】図19は、ポッケルスセルに印加する高電圧パルスの制御電圧値と光シャッタの透過率との関係の一例を示す。
【図20】図20に、実施の形態2における1つのパルスレーザ光と光シャッタの動作との関係を示す。
【図21】図21は、デューティ比をτ/Tとした場合にレーザコントローラからRF電源に入力される励起電力を示す。
【図22】図22は、図21に示される場合にRF電源から増幅器に供給される励起電力を示す。
【図23】図23は、電位制御方式においてRF電源から増幅器に供給されるRF電圧を示す。
【図24】図24は、本開示の実施の形態6によるEUV光生成システムの全体動作を示す。
【図25】図25は、図24に示されるEUV光生成システムの全体動作を示す。
【図26】図26は、図25のステップS301に示される初期設定ルーチンの一例を示す。
【図27】図27は、図25のステップS303に示されるエネルギー指令値算出ルーチンの一例を示す。
【図28】図28は、図25のステップS306に示されるEUV光生成制御ルーチンの一例を示す。
【図29】図29は、本開示の実施の形態による光シャッタの他の形態を示す。
【図30】図30は、本開示の実施の形態による再生増幅器の一例を示す。
【図31】図31は、本開示の一例による光路調節器およびこれに対するマスタオシレータの配置例を示す。
【図32】図32は、増幅装置における増幅ラインのゲイン特性と光シャッタを透過するパルスレーザ光のパルスエネルギーとの一例を示す。
【図33】図33は、図32に示されるゲイン特性に従った増幅後のパルスレーザ光のパルスエネルギーを示す。
【図34】図34は、増幅装置を用いてマルチライン増幅した場合とシングルライン増幅との増幅特性を示す。
【実施の形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示の一例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。なお、以下の説明では、下記目次の流れに沿って説明する。
【0010】
目次
1.概要
2.用語の説明
3.極端紫外光生成システム(実施の形態1)
3.1 構成
3.2 動作
3.3 短期パルスエネルギー制御と中長期パルスエネルギー制御
4.レーザシステムの制御システム
4.1 光シャッタの制御を含む実施形態(実施の形態2)
4.1.1 構成
4.1.2 動作
4.1.3 作用
4.1.4 制御フロー
4.1.4.1 全体フロー
4.1.4.2 初期設定ルーチン
4.1.4.3 制御電圧値算出ルーチン
4.1.4.4 シードパルス光出力制御ルーチン
4.1.4.5 励起強度制御ルーチン
4.1.4.5.1 第1の例
4.1.4.5.2 第2の例
4.1.4.5.3 第3の例
4.1.4.6 増幅率算出ルーチン
4.2 マスタオシレータの出力エネルギー制御を含む実施形態(実施の形態3)
4.3 マルチライン増幅システムを含む実施形態(実施の形態4)
4.3.1 構成
4.3.2 動作
4.3.3 作用
4.4 増幅装置の実施形態(実施の形態5)
4.4.1 構成
4.4.2 動作
4.4.3 作用
4.4.4 制御フロー
5.光シャッタ制御方式
5.1 光シャッタ
5.1.1 ポッケルスセルと偏光素子の組み合わせ
6.増幅器の励起強度の制御方式
6.1 PWM方式
6.2 電位制御方式
7.レーザシステムを用いた極端紫外光生成システム(実施の形態6)
7.1 構成
7.2 動作
7.3 作用
7.4 制御フロー
7.4.1 全体フロー
7.4.2 初期設定ルーチン
7.4.3 エネルギー指令値算出ルーチン
7.4.4 EUV光生成制御ルーチン
8.補足説明
8.1 光シャッタのバリエーション
8.2 再生増幅器
8.3 光路調節器
8.4 マルチライン増幅
【0011】
1.概要
以下で例示する実施の形態によれば、短期のパルスエネルギー制御と中長期のパルスエネルギー制御とが両立し得る。短期のパルスエネルギー制御では、増幅器に入射するパルスレーザ光のエネルギーがパルスごとに制御されてもよい(毎パルスエネルギー制御)。中長期のパルスエネルギー制御では、増幅器に入力する励起エネルギーが中長期で制御されてもよい(励起エネルギー制御)。
【0012】
2.用語の説明
つぎに、本開示において使用される用語を、以下のように定義する。
「ドロップレット」とは、溶融したターゲット物質の液滴である。したがって、その形状は、表面張力によって略球形となる。
「プラズマ生成領域」とは、プラズマが生成される空間として予め設定された3次元空間である。
「ビーム拡大」とは、ビーム断面が徐々に広がることをいう。
「バースト運転」とは、所定の時間、所定繰返し周波数で、パルスレーザ光またはパルスEUV光を出力させ、所定の時間外ではパルスレーザ光またはパルスEUV光を出力させない状態を繰り返す運転と定義する。
レーザ光の光路において、レーザ光の生成源側を「上流」とし、レーザ光の到達目標側を「下流」とする。
また、「所定繰返し周波数」とは、略所定の繰返し周波数であればよく、必ずしも一定の繰返し周波数でなくてもよい。
【0013】
本開示では、レーザ光の進行方向がZ方向と定義される。また、このZ方向と垂直な一方向がX方向と定義され、X方向およびZ方向と垂直な方向がY方向と定義される。レーザ光の進行方向がZ方向であるが、説明において、X方向とY方向は言及するレーザ光の位置によって変化する場合がある。
例えば、レーザ光の進行方向(Z方向)がX−Z平面内で変化した場合、進行方向変化後のX方向は進行方向の変化に応じて向きを変えるが、Y方向は変化しない。一方、レーザ光の進行方向(Z方向)がY−Z平面内で変化した場合、進行方向変化後のY方向は進行方向の変化に応じて向きを変えるが、X方向は変化しない。
なお、理解のために各図では、図示されている光学素子のうち、最上流に位置する光学素子に入射するレーザ光と、最下流に位置する光学素子から出射するレーザ光とのそれぞれに対して、座標系が適宜図示される。また、その他の光学素子に対して入射するレーザ光の座標系は、必要に応じて適宜図示される。
【0014】
反射型の光学素子に関し、光学素子に入射するレーザ光の光軸と該光学素子によって反射したレーザ光の光軸との双方を含む面を入射面とすると、「S偏光」とは、入射面に対して垂直な方向の偏光状態であるとする。一方、「P偏光」とは、光路に直交し、且つ入射面に対して平行な方向の偏光状態であるとする。
【0015】
3.極端紫外光生成システム(実施の形態1)
3.1 構成
図1に本開示の一態様による例示的なLPP方式のEUV光生成システム1(極端紫外光生成システム)の概略構成を示す。EUV光生成システム1は、少なくとも1つのレーザシステム3と共に用いることができる。図1に示し、かつ以下に詳細に説明するように、EUV光生成システム1は、チャンバ2を含むことができる。チャンバ2は、チャンバ2内を真空もしくは大気圧よりも低圧にすることができるようにしてもよい。あるいは、チャンバ2は、チャンバ2の内部にEUV光の透過率が高いガスが存在することができるようにしてもよい。また、EUV光生成システム1は、ターゲット供給システム(例えばターゲット生成器26)を更に含むことができる。ターゲット供給システムは、例えばチャンバ2の壁に取り付けられていてもよい。ターゲット供給システムが供給するターゲットの材料は、スズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、又はそのいずれかの組合せを含むことができるが、これらに限定されない。また、ターゲットの形態はドロップレットであってもよい。
【0016】
チャンバ2には、その壁を貫通する少なくとも1つの孔が設けられている。その貫通孔はウィンドウ21によって塞がれていてもよい。チャンバ2の内部には例えば、回転楕円面形状の反射面を有するEUV集光ミラー23が配置されてもよい。EUV集光ミラー23は、第1の焦点、及び第2の焦点を有する。EUV集光ミラー23の表面には例えば、モリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。EUV集光ミラー23は、例えば、その第1の焦点がプラズマ発生位置(プラズマ生成領域25)又はその近傍に位置し、その第2の焦点が露光機6の設計によって定められるEUV光252の集光位置(中間集光点(IF)292)に位置するよう配置されるのが好ましい。EUV集光ミラー23の中央部には、パルスレーザ光33が通過することができる貫通孔24が設けられていてもよい。
【0017】
再び図1を参照に、EUV光生成システム1は、EUV光生成制御システム5を含むことができる。また、EUV光生成システム1は、ターゲットセンサ4を含むことができる。ターゲットセンサ4は、ターゲットの存在、軌道、位置の少なくとも1つを検出可能であるとよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有していてもよい。
【0018】
更に、EUV光生成システム1は、チャンバ2内部と露光装置6内部とを連通する接続部29を含むことができる。接続部29内部にはアパーチャを備えた壁291を含むことができ、そのアパーチャが第2の焦点位置にあるように壁291を設置することができる。
【0019】
更に、EUV光生成システム1は、レーザ光進行方向制御アクチュエータ34、レーザ集光ミラー22、ターゲット27のターゲット回収器28なども含むことができる。
【0020】
3.2 動作
図1を参照すると、レーザシステム3から出射されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御アクチュエータ34を経てパルスレーザ光32としてウィンドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。パルスレーザ光32は、レーザシステム3から少なくとも1つのレーザビーム経路に沿ってチャンバ2内に進み、レーザ集光ミラー22で集光反射して少なくとも1つのターゲットに照射されてもよい。
【0021】
ターゲット生成器26は、ターゲット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出射してもよい。ターゲット27には、少なくとも1つのパルスレーザ光33が照射される。レーザ光に照射されたターゲット27はプラズマ化し、そのプラズマからEUV光252を含む放射光251が発生する。放射光251のうち、EUV集光ミラー23に入射したEUV光252は、中間集光点(IF)292へ向けて反射される。なお、1つのターゲット27に、複数のパルスレーザ光が照射されてもよい。
【0022】
EUV光生成制御システム5は、EUV光生成システム1全体の制御を統括することができる。EUV光生成制御システム5はターゲットセンサ4によって撮像されたターゲット27のイメージ情報等を処理することができる。EUV光生成制御システム5はまた、例えばターゲット27を射出するタイミングの制御、及びターゲット27の射出方向の制御の少なくとも1つを行うことができる。EUV光生成制御システム5は更に、例えばレーザシステム3のレーザ発振タイミングの制御、パルスレーザ光31の進行方向の制御、及び集光位置変更の制御の少なくとも1つを行うことができる。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御を追加することもできる。
【0023】
3.3 短期パルスエネルギー制御と中長期パルスエネルギー制御
半導体露光装置用のEUV光生成システム1は、パルスのEUV光252を所定繰返し周波数で出力し得る。出力されたパルスのEUV光252は、露光装置6中のウエハ上に塗布されたフォトレジストの露光に用いられ得る。
【0024】
フォトレジストに回路パターンを形成する際には、露光量が高精度に制御されるとよい。レーザシステム3とともに用いられるEUV光生成システム1においては、レーザシステム3から出力されるパルスレーザ光31のパルスエネルギーが1パルスごとに制御されること(毎パルスエネルギー制御)が可能であるとよい。その場合、EUV光252のパルスエネルギーが1パルスごとに制御され得る。その結果、高精度な露光量制御が可能となり得る。
【0025】
しかしながら、パルスレーザ光31の毎パルスエネルギー制御では、パルスエネルギーの制御可能範囲であるダイナミックレンジを超えてパルスレーザ光31のパルスエネルギーを制御することが要求される場合がある。そのような場合の例を、以下に示す。
【0026】
まず1つの例は、チャンバ2内に配置されているEUV集光ミラー23の反射率が、デブリ等の付着によって低下した場合である。そのような場合、露光装置6に入力するEUV光252のパルスエネルギーを所定の値に維持するためには、たとえば以下のような制御が実行されてもよい。すなわち、レーザシステム3から出力されるパルスレーザ光31のパルスエネルギーが初期値よりも所定量増加させる制御が実行されてもよい。それによれば、プラズマ生成領域25で発生するEUV光252のパルスエネルギーが初期値よりも所定量増加し得る。その結果、EUV集光ミラー23の反射率が低下することによって低減した、露光装置6に入力するEUV光252のパルスエネルギーを補償し得る。
【0027】
また、フォトレジストによって露光感度が異なることも、ダイナミックレンジを超えたパルスエネルギーの制御を要求する1つの要因である。たとえば、EUV光252に対する感度が高いフォトレジストを使用する場合には、EUV光252のパルスエネルギーを小さくする必要が生じる場合がある。その場合、レーザシステム3から出力されるパルスレーザ光31のパルスエネルギーを、定格のパルスエネルギーよりも小さくする必要が生じ得る。
【0028】
そこで本開示では、他の態様として、以下の実施の形態を例示する。
【0029】
4.レーザシステムの制御システム
4.1 光シャッタの制御を含む実施形態(実施の形態2)
実施の形態2では、光シャッタを用いて毎パルスエネルギー制御を行うレーザシステム3Aを例示する。
【0030】
4.1.1 構成
図2は、実施の形態2によるレーザシステム3Aの概略構成を示す。図2に示されるように、レーザシステム3Aは、レーザコントローラ301と、シードレーザシステム310と、増幅装置320と、エネルギーモニタ330とを含んでもよい。
【0031】
レーザコントローラ301は、エネルギー制御部302と、シードレーザ制御部303と、増幅制御部304とを含んでもよい。シードレーザシステム310は、マスタオシレータ311と、光シャッタ340とを含んでもよい。光シャッタ340は、マスタオシレータ311と増幅装置320との間の光路上に配置されてもよい。
【0032】
増幅装置320は、シードレーザシステム310より下流側の光路上に設置されてもよい。増幅装置320は、少なくとも1つの増幅器320〜320と、少なくとも1つのRF電源321〜321とを含んでもよい。
【0033】
レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5などの外部装置に接続されてもよい。レーザコントローラ301は、シードレーザシステム310、増幅装置320、およびエネルギーモニタ330それぞれに接続されてもよい。エネルギー制御部302は、シードレーザ制御部303および増幅制御部304それぞれに接続されてもよい。
【0034】
シードレーザ制御部303は、シードレーザシステム310のマスタオシレータ311および光シャッタ340に接続されてもよい。増幅制御部304は、各増幅器320〜320のRF電源321〜321に接続されてもよい。
【0035】
エネルギーモニタ330は、増幅装置320における最終段の増幅部320から出力されるパルスレーザ光31の光路上に配置されてもよい。
【0036】
4.1.2 動作
図2において、レーザコントローラ301には、EUV光生成制御システム5から、エネルギー指令値Ptとトリガ信号S1とが入力されてもよい。エネルギー指令値Ptとは、露光装置6が要求するEUV光252のパルスエネルギーを達成するためにパルスレーザ光31に対して要求されるパルスエネルギーであってもよい。トリガ信号S1は、パルスレーザ光31の出力タイミングおよびその周期の基準となる信号であってもよい。
【0037】
エネルギー制御部302は、EUV光生成制御システム5から入力されたトリガ信号S1に基づいて、シードレーザ制御部303を制御してもよい。シードレーザ制御部303は、エネルギー制御部302からの制御のもと、発振信号S11をマスタオシレータ311へ送信してもよい。マスタオシレータ311は、発振信号S11に従って発振してもよい。その結果、マスタオシレータ311から、シードレーザ光L0が所定繰返し周波数で出力してもよい。
【0038】
あるいは、シードレーザ制御部303は、所定繰返し周波数で内部トリガ信号を出力する内部トリガ発振部を含んでもよい。シードレーザ制御部303は、内部トリガ信号に従って、発振信号S11をマスタオシレータ311へ送信してもよい。マスタオシレータ311は、発振信号S11に従って発振してもよい。その結果、マスタオシレータ311から、シードレーザ光L0が所定繰返し周波数で出力してもよい。
【0039】
エネルギーモニタ330は、ビームスプリッタ331と、光センサ332とを含んでもよい。ビームスプリッタ331は、増幅装置320から出力されるパルスレーザ光31の光路上に配置されてもよい。光センサ332は、ビームスプリッタ331で分岐されたパルスレーザ光31のパルスエネルギーをモニタしてもよい。光センサ332で検出されたパルスエネルギーの検出値(エネルギー検出値P)は、エネルギー制御部302に送信されてもよい。
【0040】
エネルギー制御部302は、たとえばトリガ信号S1とエネルギー指令値Ptとエネルギー検出値Pとに基づいて、シードレーザ制御部303を制御してもよい。または、エネルギー制御部302は、たとえば内部トリガ信号とエネルギー初期指令値P0とに基づいて、シードレーザ制御部303を制御してもよい。シードレーザ制御部303は、エネルギー制御部302からの制御のもと、シードレーザシステム310における光シャッタ340のパルスレーザ光L0に対する透過率をパルスごとに制御してもよい。それにより、シードレーザシステム310から出力されるシードレーザ光L1のパルスエネルギーが、パルスごとに制御され得る。このように、光シャッタ340は、パルスレーザ光L1のパルスエネルギーを変化させ得るパルスエネルギー調整部として機能してもよい。
【0041】
さらに、エネルギー制御部302は、中長期のパルスエネルギー制御として、たとえばトリガ信号S1とエネルギー指令値Ptとエネルギー検出値Pとに基づいて、増幅制御部304を制御してもよい。または、エネルギー制御部302は、たとえば内部トリガ信号とエネルギー初期指令値P0とに基づいて、増幅制御部304を制御してもよい。増幅制御部304は、エネルギー制御部302からの制御のもと、少なくとも1つの増幅器320〜320の励起強度を制御してもよい。各増幅器320〜320の励起強度は、増幅制御部304からRF電源321〜321に制御信号を送信することで制御されてもよい。ここで、増幅装置320へ入力されるレーザ光L1のエネルギーをEin、増幅装置320から出力されるパルスレーザ光31をEoutとする。また、Einの増分をΔEin、Eoutの増分をΔEoutとする。Einが小さい値から大きい値に変化すると、図34の例えば励起強度C1に示されるように、C1の変化率ΔG=ΔEout/ΔEinの値はΔEinの増加に伴って減少し得る。そのため、Einが大きい値の範囲でレーザシステム3Aを動作させる場合、光シャッタ340の開度の制御のみでΔEoutの値を大幅に増加させることは難しい。その場合は、増幅制御部304を制御することでΔEoutの値を大幅に増加させる方が望ましい。ΔEoutの値を大幅に増加させることは、たとえば励起強度をC1から増加させることで達成されてもよい。増幅制御部304によるレーザ光L1のエネルギー制御は、光シャッタ340の開度を制御する場合と比較して、制御追従性が低い場合がある。このため、増幅制御部304による制御は中長期的な期間におけるレーザ光L1のエネルギー制御に適している。一方、光シャッタ340は、印加された電圧パルスに対する動作速度が比較的速いため、制御追従性が良い。そのため、光シャッタ340によるレーザ光L1のエネルギー制御は、毎パルスなど、短期的な期間でのレーザ光L1のエネルギー制御に適している。
【0042】
なお、本例では、レーザコントローラ301がエネルギー制御部302とシードレーザ制御部303と増幅制御部304とからなる場合を示した。ただし、これに限定されない。たとえば、レーザコントローラ301は、1つの制御部で構成されてもよい。
【0043】
4.1.3 作用
以上のような構成および動作によれば、毎パルスエネルギー制御(短期パルスエネルギー制御)と、励起エネルギー制御(中長期パルスエネルギー制御)とを両立し得る。毎パルスエネルギー制御とは、増幅装置320に入射するシードレーザ光L1のパルスエネルギーをパルスごとに制御することであってよい。励起エネルギー制御とは、中長期に亘ってレーザ光L2のパルスエネルギーを制御することであってよい。その結果、毎パルスエネルギー制御のみの場合と比較して、より広いダイナミックレンジでパルスエネルギーを制御することが可能となる。
【0044】
4.1.4 制御フロー
つづいて、実施の形態2によるレーザシステム3Aの動作を、図面を参照して詳細に説明する。図3は、レーザシステム3Aの全体動作を示す。図4は、図3のステップS101に示される初期設定ルーチンの一例を示す。図5は、図3のステップS108に示される制御電圧値算出ルーチンの一例を示す。図6は、実施の形態2における透過率と制御電圧値との関係を示す。図7は、図3のステップS110に示されるシードパルス光出力制御ルーチンの一例を示す。図8は、図3のステップS112に示される励起強度制御ルーチンの第1の例を示す。図9は、図3のステップS112に示される励起強度制御ルーチンの第2の例を示す。図10は、図3のステップS112に示される励起強度制御ルーチンの第3の例を示す。図11は、図3のステップS113に示される増幅率算出ルーチンの一例を示す。なお、本説明では、レーザコントローラ301の動作を説明する。
【0045】
4.1.4.1 全体フロー
図3に示されるように、レーザコントローラ301は、まず、本動作における各種パラメータの初期値を設定する初期設定ルーチンを実行してもよい(ステップS101)。つぎに、レーザコントローラ301は、増幅装置320における各RF電源321〜321をオンしてもよい(ステップS102)。これにより、各RF電源321〜321が起動状態となってもよい。また、レーザコントローラ301は、シードレーザ制御部303の内部トリガ発振部から出力される所定繰返し周波数の内部トリガ信号を、発振信号S11としてシードレーザシステム310のマスタオシレータ311に送信してもよい(ステップS103)。これにより、マスタオシレータ311が所定繰返し周波数でアイドリング発振し得る。さらに、レーザコントローラ301は、シードレーザシステム310の光シャッタ340へ、光シャッタ340を閉状態とするための光シャッタ動作信号S41(閉信号)を送信してもよい(ステップS104)。これにより、光シャッタ340が閉状態となり、マスタオシレータ311から出力されたシードレーザ光L0が遮断されてもよい。なお、ステップ103とステップ104の順序は逆でも良い。
【0046】
つぎに、レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5からエネルギー指令値Ptを受信するまで待機してもよい(ステップS105;NO)。エネルギー指令値Ptを受信すると(ステップS105;YES)、レーザコントローラ301は、受信したエネルギー指令値Ptを目標のエネルギー指令値Ptとして設定してもよい(ステップS106)。つぎに、レーザコントローラ301は、エネルギー指令値Ptに基づいて光シャッタ340へ与える制御電圧の制御電圧値Vを算出する制御電圧値算出ルーチンを実行してもよい(ステップS107)。
【0047】
つぎに、レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5からトリガ信号S1を受信するまで待機してもよい(ステップS108;NO)。なお、EUV光生成制御システム5は、略所定繰返し周波数でトリガ信号S1をレーザコントローラ301に送信してもよい。また、EUV光生成制御システム5からトリガ信号S1を受信するまでは、レーザコントローラ301は、内部トリガ信号に基づくマスタオシレータ311のアイドリング発振を継続してもよい。トリガ信号S1を受信すると(ステップS108;YES)、レーザコントローラ301は、内部トリガ信号による発振信号S11のマスタオシレータ311への送信を停止してもよい(ステップS109)。これにより、マスタオシレータ311のアイドリング発振が停止してもよい。つぎに、レーザコントローラ301は、シードレーザシステム310にシードレーザ光L0を出力させるシードパルス光出力制御ルーチンを実行してもよい(ステップS110)。シードパルス光出力制御ルーチンでは、内部トリガ信号に同期する発振信号S11に代わって、EUV光生成制御システム5からのトリガ信号S1に同期する発振信号S11がレーザコントローラ301からマスタオシレータ311へ送信されてもよい。
【0048】
つぎに、レーザコントローラ301は、エネルギーモニタ330からパルスレーザ光31のエネルギー検出値Pを受信するまで待機してもよい(ステップS111;NO)。エネルギー検出値Pを受信すると(ステップS111;YES)、レーザコントローラ301は、増幅装置320における各増幅器320〜320の励起強度を制御する励起強度制御ルーチンを実行してもよい(ステップS112)。つぎに、レーザコントローラ301は、増幅装置320による増幅率を算出する増幅率算出ルーチンを実行してもよい(ステップS113)。
【0049】
その後、レーザコントローラ301は、パルスレーザ光31の出力を停止するか否かを判断してもよい(ステップS114)。この判断は、たとえばEUV光生成制御システム5からの命令に基づいてもよい。パルスレーザ光31の出力を停止する場合(ステップS114;YES)、レーザコントローラ301は、図3に示される動作を終了してもよい。一方、パルスレーザ光31の出力を継続する場合(ステップS114;NO)、レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5からエネルギー指令値Ptの更新を受信したか否かを判断してもよい(ステップS115)。エネルギー指令値Ptの更新を受け付けた場合(ステップS115;YES)、レーザコントローラ301は、ステップS106へリターンし、その後の動作を実行してもよい。このとき、EUV光生成制御システム5は、トリガ信号S1のレーザコントローラ301への送信を停止してもよい。その場合、レーザコントローラ301は、内部トリガ信号に基づくマスタオシレータ311のアイドリング発振を開始しても良い。一方、エネルギー指令値Ptの更新を受け付けていなかった場合(ステップS115;NO)、レーザコントローラ301は、ステップS107へリターンし、その後の動作を実行してもよい。このとき、EUV光生成制御システム5は、トリガ信号S1のレーザコントローラ301への送信を停止してもよい。その場合、レーザコントローラ301は、内部トリガ信号に基づくマスタオシレータ311のアイドリング発振を開始しても良い。
【0050】
4.1.4.2 初期設定ルーチン
図3のステップS101に示される初期設定ルーチンの一例を説明する。図4に示されるように、レーザコントローラ301は、エネルギー指令値Ptの初期値であるエネルギー初期指令値P0を読み出してもよい(ステップS121)。レーザコントローラ301は、光シャッタ340に設定する透過率Trの初期値である透過率初期値Tr0を読み出してもよい(ステップS122)。レーザコントローラ301は、増幅装置320の各増幅器320〜320に設定する励起強度の初期値である励起強度初期値(初期デューティ比D0)を読み出してもよい(ステップS123)。レーザコントローラ301は、増幅装置320による増幅率Gの初期値である増幅率初期値G0を読み出してもよい(ステップS124)。
【0051】
レーザコントローラ301は、各種遅延時間を読み出してもよい(ステップS125)。この遅延時間には、トリガ信号S1の入力タイミングに対する発振信号S11の出力タイミングの遅延時間(発振遅延時間T1)が含まれていてもよい。また、遅延時間には、トリガ信号S1の入力タイミングに対して光シャッタ340を開状態とするタイミングの遅延時間(シャッタ開遅延時間T2)が含まれていてもよい。さらに、遅延時間には、トリガ信号S1の入力タイミングに対して光シャッタ340を閉状態とするタイミングの遅延時間(シャッタ閉遅延時間T3)が含まれていてもよい。
【0052】
レーザコントローラ301は、パルスレーザ光31に対する許容範囲として、光シャッタ340の透過率Trに対する許容範囲RTの下限値Tminおよび上限値Tmaxを読み出してもよい(ステップS126)。ステップS126では、透過率Trに対する許容範囲RTの下限値Tminおよび上限値Tmaxの代わりに、出力パルスエネルギーであるエネルギー検出値Pに対する許容範囲RPの下限値Pminおよび上限値Pmaxを読み出してもよい。もしくは、ステップS126では、透過率Trに対する許容範囲RTの下限値Tminおよび上限値Tmaxの代わりに、光シャッタ340の開状態を制御する制御電圧値Vに対する許容範囲RVの下限値Vmixおよび上限値Vmaxを読み出してもよい。
【0053】
その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。なお、本動作において、各値の読み出し元は、不図示のメモリ等であってもよい。
【0054】
4.1.4.3 制御電圧値算出ルーチン
図3のステップS107に示される制御電圧値算出ルーチンの一例を説明する。図5に示されるように、前回、ステップS111(図3)を実行した際に受信したエネルギー検出値Pと、現在設定されているエネルギー指令値Ptとの差ΔP(=Pt−P)を算出してもよい(ステップS131)。
【0055】
つぎに、レーザコントローラ301は、差ΔPを用いて、光シャッタ340に要求する透過率Trを算出してもよい(ステップS132)。要求される透過率Trbは、たとえば以下の式(1)〜(4)で求められ得る。
Pa=G・Ps・Tra ・・・(1)
Pb=G・Ps・Trb ・・・(2)
ΔP=Pa−Pb=G・Ps・(Tra−Trb) ・・・(3)
Trb=Tra−ΔP/(G・Ps) ・・・(4)
なお、式(1)〜(4)において、マスタオシレータ311から出力されるシードレーザ光L0のパルスエネルギーをPsとする。現在設定されている透過率をたとえばTra、要求される透過率をTrbとしたとき、増幅装置320を透過後のパルスレーザ光31のパルスエネルギーをそれぞれPaおよびPbとする。その際の増幅率をGとする。
【0056】
つぎに、レーザコントローラ301は、要求される透過率Trbを満足するための制御電圧値Vを算出してもよい(ステップS133)。透過率Trと制御電圧値Vとは、たとえば図6に示されるように関係していてもよい。透過率Trに対する制御電圧Vは、予め用意しておいた算出用の関数V=f(Tr)を用いて算出されてもよいし、透過率Trと制御電圧値Vとの対応関係を管理するデータテーブル等を用いて取得されてもよい。
【0057】
その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。なお、本動作において、計算式V=f(Tr)は、不図示のメモリ等に記憶されていてもよい。データテーブル等は不図示のメモリ等によって保持され、レーザコントローラ301によって適時参照されてもよい。
【0058】
4.1.4.4 シードパルス光出力制御ルーチン
図3のステップS110に示されるシードパルス光出力制御ルーチンの一例を説明する。図7に示されるように、レーザコントローラ301は、不図示のタイマのカウント値Tをリセットしてもよい(ステップS141)。不図示のタイマはリセットされた直後から計時カウントを開始してもよい。
【0059】
つぎに、レーザコントローラ301は、タイマのカウント値Tが図4のステップS125で読み出した発振遅延時間T1に達するまで待機してもよい(ステップS142;NO)。カウント値が発振遅延時間T1に達すると(ステップS142;YES)、レーザコントローラ301は、マスタオシレータ311へ発振信号S11を送信してもよい(ステップS143)。これにより、マスタオシレータ311がシードパルス光であるパルスレーザ光L0を出力してもよい。なお、ステップS143の発振信号S11とステップS103の発振信号S11との共通点は、シードレーザ制御部303からマスタオシレータ311へ送信されることである。両信号の相違点は、ステップS143の発振信号S11が前記トリガ信号S1と同期している一方、ステップS103の発振信号S11はシードレーザ制御部303の内部トリガ発振部によるタイミングで送信されることである。
【0060】
つぎに、レーザコントローラ301は、タイマのカウント値Tが図4のステップS125で読み出したシャッタ開遅延時間T2に達するまで待機してもよい(ステップS144;NO)。カウント値Tがシャッタ開遅延時間T2に達すると(ステップS144;YES)、レーザコントローラ301は、光シャッタ340へ制御電圧値Vを供給するための光シャッタ動作信号(開信号)の送信を開始してもよい(ステップS145)。これにより、光シャッタ340が制御電圧値Vに応じた透過率Trで開状態となってもよい。
【0061】
その後、レーザコントローラ301は、タイマのカウント値Tが図4のステップS125で読み出したシャッタ閉遅延時間T3に達するまで待機してもよい(ステップS146;NO)。カウント値Tがシャッタ閉遅延時間T3に達すると(ステップS146;YES)、レーザコントローラ301は、光シャッタ340への光シャッタ動作信号(開信号)の送信を終了してもよい(ステップS147)。これにより、光シャッタ340が閉状態となってもよい。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0062】
4.1.4.5 励起強度制御ルーチン
図3のステップS112に示される励起強度制御ルーチンの例を説明する。
【0063】
4.1.4.5.1 第1の例
まず、励起強度制御ルーチンの第1の例を説明する。図8に示されるように、レーザコントローラ301は、まず、不図示のカウンタの値nを1つ増加してもよい(ステップS151)。不図示のカウンタは、整数カウンタであってよい。その初期値は、‘0’であってよい。つぎに、レーザコントローラ301は、透過率Trの累計値Tsumを算出してもよい(ステップS152)。
【0064】
つぎに、レーザコントローラ301は、カウンタの値nが予め母体数として決めておいた数の値Jに達したか否かを判定してもよい(ステップS153)。母体数Jに達していない場合(ステップS153;NO)、レーザコントローラ301は、そのまま図3の動作へリターンしてもよい。一方、母体数Jに達していた場合(ステップS153;YES)、レーザコントローラ301は、累計値Tsumを値nで除算することで、透過率Trの平均値Taveを算出してもよい(ステップS154)。
【0065】
つぎに、レーザコントローラ301は、算出した平均値Taveが、図4のステップS126で読み出した許容範囲RTの下限値Tminよりも小さいか否かを判定してもよい(ステップS155)。平均値Taveが下限値Tminよりも小さい場合(ステップS155;YES)、レーザコントローラ301は、励起強度を下げるように、RF電源321〜321の少なくとも1つが増幅器320〜320の少なくとも1つに入力する励起電力Wのデューティ比Dを補正してもよい(ステップS156)。補正量ΔDは、予め実験等により決定されていてもよい。これにより、光シャッタ340の透過率Trを下限値Tmin以上に設定し得る。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0066】
一方、平均値Taveが下限値Tmin以上である場合(ステップS155;NO)、レーザコントローラ301は、つぎに、平均値Taveが上限値Tmaxよりも大きいか否かを判定してもよい(ステップS157)。平均値Taveが上限値Tmaxよりも大きい場合(ステップS157;YES)、レーザコントローラ301は、励起強度を上げるように、RF電源321〜321の少なくとも1つが増幅器320〜320の少なくとも1つに入力する励起電力Wのデューティ比Dを補正してもよい(ステップS158)。補正量ΔDは、予め実験等により決定されていてもよい。これにより、光シャッタ340の透過率Trを上限値Tmax以下に設定し得る。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0067】
また、平均値Taveが上限値Tmax以下である場合(ステップS157;NO)、レーザコントローラ301は、RF電源321〜321の少なくとも1つが増幅器320〜320の少なくとも1つに入力する励起電力Wのデューティ比Dを変更しなくてもよい(ステップS159)。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0068】
この動作は、中長期パルスエネルギー制御を示す。この中長期パルスエネルギー制御では、毎パルスエネルギー制御(短期パルスエネルギー制御)と比べて、多数のサンプルの値の平均値が用いられてもよい。なお、光シャッタ340の透過率Trに基づく動作では、実際には、透過率Trの代わりに、その透過率Trを達成するために光シャッタ340に与える電圧値が用いられてもよい。
【0069】
4.1.4.5.2 第2の例
つぎに、励起強度制御ルーチンの第2の例を説明する。図9に示されるように、レーザコントローラ301は、まず、不図示のカウンタの値nを1つ増加してもよい(ステップS151)。不図示のカウンタは、整数カウンタであってよい。その初期値は、‘0’であってよい。つぎに、レーザコントローラ301は、エネルギー検出値Pとエネルギー指令値Ptとの差ΔPの累計値ΔPsumを算出してもよい(ステップS152a)。これらの差ΔPに関する複数のデータが正または負に偏っていれば、累計値ΔPsumも正または負の大きな数値となり得る。
【0070】
つぎに、レーザコントローラ301は、カウンタの値nが予め母体数として決めておいた数の値Jに達したか否かを判定してもよい(ステップS153)。母体数Jに達していない場合(ステップS153;NO)、レーザコントローラ301は、そのまま図3に示される動作へリターンしてもよい。一方、母体数Jに達していた場合(ステップS153;YES)、レーザコントローラ301は、累計値ΔPsumを値nで除算することで、差ΔPの平均値ΔPaveを算出してもよい(ステップS154a)。
【0071】
つぎに、レーザコントローラ301は、算出した平均値ΔPaveが、図4のステップS126で読み出した許容範囲RΔPの上限値ΔPmaxよりも大きいか否かを判定してもよい(ステップS155a)。平均値ΔPaveが上限値ΔPmaxよりも大きい場合(ステップS155a;YES)、レーザコントローラ301は、励起強度を下げるように、RF電源321〜321の少なくとも1つから増幅器320〜320の少なくとも1つに入力される励起電力Wのデューティ比Dを補正してもよい(ステップS156)。補正量ΔDは、予め実験等により決定されていてもよい。これにより、差ΔPが上限値ΔPmax以下となるように、前記少なくとも1つの増幅器320〜320の励起強度が設定され得る。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0072】
一方、平均値ΔPaveが上限値ΔPmax以下である場合(ステップS155a;NO)、レーザコントローラ301は、つぎに、平均値ΔPaveが下限値ΔPminよりも小さいか否かを判定してもよい(ステップS157a)。平均値ΔPaveが下限値ΔPminよりも小さい場合(ステップS157a;YES)、レーザコントローラ301は、励起強度を上げるように、RF電源321〜321の少なくとも1つから増幅器320〜320の少なくとも1つに入力される励起電力Wのデューティ比Dを補正してもよい(ステップS158)。補正量ΔDは、予め実験等により決定されていてもよい。これにより、差ΔPが下限値ΔPmin以上となるように、前記少なくとも1つの増幅器320〜320の励起強度が設定され得る。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0073】
また、平均値ΔPaveが下限値ΔPmin以上である場合(ステップS157a;NO)、レーザコントローラ301は、RF電源321〜321の少なくとも1つが増幅器320〜320の少なくとも1つに入力する励起電力Wのデューティ比Dを変更しなくてもよい(ステップS159)。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0074】
このように、エネルギー検出値Pとエネルギー指令値Ptとの差ΔPの平均値ΔPaveに基づいて、増幅装置320の励起強度が制御されてもよい。
【0075】
4.1.4.5.3 第3の例
つぎに、励起強度制御ルーチンの第3の例を説明する。図10に示されるように、レーザコントローラ301は、まず、不図示のカウンタの値nを1つ増加してもよい(ステップS151)。不図示のカウンタは整数カウンタであり、初期値0であってよい。つぎに、レーザコントローラ301は、制御電圧値Vの累計値Vsumを算出してもよい(ステップS152b)。
【0076】
つぎに、レーザコントローラ301は、カウンタの値nが予め母体数として決めておいた数の値Jに達したか否かを判定してもよい(ステップS153)。母体数Jに達していない場合(ステップS153;NO)、レーザコントローラ301は、そのまま図3の動作へリターンしてもよい。一方、母体数Jに達していた場合(ステップS153;YES)、レーザコントローラ301は、累計値Vsumを値nで除算することで、制御電圧値Vの平均値Vaveを算出してもよい(ステップS154b)。
【0077】
つぎに、レーザコントローラ301は、算出した平均値Vaveが、図4のステップS126で読み出した許容範囲RVの下限値Vminよりも小さいか否かを判定してもよい(ステップS155b)。平均値Vaveが下限値Vminよりも小さい場合(ステップS155b;YES)、レーザコントローラ301は、励起強度を下げるように、RF電源321〜321の少なくとも1つが増幅器320〜320の少なくとも1つに入力する励起電力Wのデューティ比Dを補正してもよい(ステップS156)。補正量ΔDは、予め実験等により決定されていてもよい。これにより、制御電圧値Vが下限値Vmin以上に設定され得る。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0078】
一方、平均値Vaveが下限値Vmin以上である場合(ステップS155b;NO)、レーザコントローラ301は、つぎに、平均値Vaveが上限値Vmaxよりも大きいか否かを判定してもよい(ステップS157b)。平均値Vaveが上限値Vmaxよりも大きい場合(ステップS157b;YES)、レーザコントローラ301は、励起強度を上げるように、RF電源321〜321の少なくとも1つが増幅器320〜320の少なくとも1つに入力する励起電力Wのデューティ比Dを補正してもよい(ステップS158)。補正量ΔDは、予め実験等により決定されていてもよい。これにより、制御電圧値Vが上限値Vmax以下に設定され得る。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0079】
また、平均値Vaveが上限値Vmax以下である場合(ステップS157b;NO)、レーザコントローラ301は、RF電源321〜321の少なくとも1つが増幅器320〜320の少なくとも1つに入力する励起電力Wのデューティ比Dを変更しなくてもよい(ステップS159)。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0080】
このように、光シャッタ340に印可する制御電圧値Vの平均値Vaveに基づいて、増幅装置320の励起強度が制御されてもよい。
【0081】
4.1.4.6 増幅率算出ルーチン
図3のステップS113に示される増幅率算出ルーチンの例を説明する。図11に示されるように、レーザコントローラ301は、現在、増幅装置320(または各増幅器320〜320)に設定している励起強度(デューティ比D)を読み込んでもよい(ステップS161)。つぎに、レーザコントローラ301は、読み込んだ励起強度(デューティ比D)に基づいて、増幅装置320(または各増幅器320〜320)の増幅率Gを算出してもよい(ステップS162)。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。
【0082】
なお、励起強度(デューティ比D)と増幅率Gとは、たとえば図12に示されるように関係していてもよい。励起強度(デューティ比D)に対する増幅率Gは、予め用意しておいた算出用の近似関数G=g(D)を用いて算出されてもよいし、励起強度(デューティ比D)と増幅率Gとの対応関係を管理するデータテーブル等を用いて取得されてもよい。なお、本動作において、近似関数G=g(D)は、不図示のメモリ等に記憶されていてもよい。データテーブル等は不図示のメモリ等によって保持され、レーザコントローラ301によって適時参照されてもよい。
【0083】
4.2 マスタオシレータの出力エネルギー制御を含む実施形態(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3によるレーザシステム3Bを、図面を用いて詳細に説明する。図13は、実施の形態3によるレーザシステム3Bの概略構成を示す。図13に示されるように、レーザシステム3Bは、図2に示されるレーザシステム3Aのシードレーザシステム310が、シードレーザシステム310Bに置き換えられた構成を備えてもよい。
【0084】
図14は、実施の形態3によるシードレーザシステム310Bの概略構成を示す。図14に示されるように、シードレーザシステム310Bは、マスタオシレータ311と、光シャッタ341とを備えてもよい。マスタオシレータ311は、2つの共振器ミラー311aおよび311bと、チャンバ311cと、RF電源311dと、偏光ビームスプリッタ311eと、高反射ミラー311fとを含んでもよい。
【0085】
チャンバ311cは、2つの共振器ミラー311aおよび311b間におけるシードレーザ光L0の光路上に配置されていてもよい。チャンバ311cには、シードレーザ光L0の入出窓となる2つのウィンドウが設けられてもよい。チャンバ311c内には、COガスを含む増幅媒体が充填されていてもよい。チャンバ311c内には、シードレーザ光L0の光路と略平行な一対の放電電極が配置されていてもよい。
【0086】
RF電源311dは、レーザコントローラ301から入力された発振信号S11に従って、チャンバ311c内の放電電極に励起電力を入力してもよい。RF電源311dが放電電極に与える励起電力は、一定であってもよい。
【0087】
光シャッタ341は、ポッケルスセル341aと、電源341bとを含んでもよい。ポッケルスセル341aは、マスタオシレータ311内部におけるシードレーザ光L0の光路上に配置されていてもよい。電源341bは、レーザコントローラ301から入力された光シャッタ動作信号S41に従って、ポッケルスセル341aに制御電圧値Vの制御電圧を印加してもよい。これにより、制御電圧値Vに応じて、ポッケルスセル341aを通過するシードレーザ光L0の偏光方向が変化してもよい。
【0088】
偏光ビームスプリッタ311eは、2つの共振器ミラー311aおよび311b間におけるシードレーザ光L0の光路上に配置されていてもよい。偏光ビームスプリッタ311eは、入射したパルスレーザ光L0のうち、所定方向の偏光成分を透過し、これと垂直方向の偏光成分を反射してもよい。偏光ビームスプリッタ311eで反射されたパルスレーザ光L0は、高反射ミラー311fで反射され、パルスレーザ光L1としてシードレーザシステム310Bから出力されてもよい。
【0089】
この構成によれば、光シャッタ341を用いてパルスレーザ光L0の偏光方向を制御することで、シードレーザシステム310Bから出力されるパルスレーザ光L1のパルスエネルギーをパルスごとに制御し得る。
【0090】
4.3 マルチライン増幅システムを含む実施形態(実施の形態4)
つぎに、実施の形態4によるレーザシステム3Cを、図面を用いて詳細に説明する。
【0091】
4.3.1 構成
図15は、実施の形態4によるレーザシステム3Cの概略構成を示す。ただし、レーザシステム3Cにおける増幅装置320およびエネルギーモニタ330は、上述した実施の形態によるレーザシステム3Aにおける増幅装置320およびエネルギーモニタ330と同様であるため、図15では省略する。
【0092】
図15に示されるように、レーザシステム3Cでは、たとえば図2のシードレーザシステム310がシードレーザシステム310Cに置き換えられてもよい。シードレーザシステム310Cは、シードレーザ装置311Cと、再生増幅器317と、RF電源318と、光シャッタ340とを備えてもよい。なお、図15における光シャッタ340と光シャッタ動作信号S41を伝送するための信号線とは省略することが可能である。そこで、図15では、これらが破線で描かれている。
【0093】
シードレーザ装置311Cは、複数のマスタオシレータ314〜314と、複数の光シャッタ342〜342と、光路調節器316とを含んでいてもよい。各マスタオシレータ314〜314は、たとえば量子カスケードレーザであってもよい。
【0094】
各光シャッタ342〜342は、各マスタオシレータ314〜314から出力されたパルスレーザ光の光路上に配置されてもよい。各光シャッタ342〜342は、レーザコントローラ301から入力された光シャッタ動作信号S42の制御電圧値Vに応じて、開状態または透過率が制御されてもよい。各光シャッタ342〜342に入力される光シャッタ動作信号S42の制御電圧値Vは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0095】
光路調節器316は、光シャッタ342〜342を通過したパルスレーザ光の光路を略同一にして、パルスレーザ光L0として出力してもよい。
【0096】
シードレーザ装置311Cから出力されたパルスレーザ光L0は、再生増幅器317で増幅されてもよい。再生増幅器317から出力されたパルスレーザ光L0aの光路上には、光シャッタ340が配置されていてもよい。
【0097】
4.3.2 動作
各マスタオシレータ314〜314は、再生増幅器317および増幅装置320の増幅可能な波長領域に含まれる波長のパルスレーザ光を発振してもよい。各マスタオシレータ314〜314は、実質的に同一の波長で発振してもよいし、異なる波長で発振してもよい。各マスタオシレータ314〜314は、シングル縦モードで発振してもよいし、マルチ縦モードで発振してもよい。以降の説明は、各マスタオシレータ314〜314が、シングル縦モードで、且つそれぞれ異なる波長で発振する場合に関するものである。
【0098】
レーザコントローラ301は、各マスタオシレータ314〜314を所定繰返し周波数でレーザ発振させてもよい。また、レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5からの指令値に基づいて、各光シャッタ342〜342の各透過率Trk(k=1〜n)を制御してもよい。
【0099】
なお、マスタオシレータ314〜314の代わりに、シングル縦モードでCW発振するCOレーザが用いられてもよい。また、レーザコントローラ301は、各マスタオシレータ314〜314を一定の出力でCW(Continuous Wave)レーザ発振させてもよい。さらに、レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5からの指令値に基づいて、各光シャッタ342〜342の各透過率Trkと開時間とを制御してもよい。
【0100】
マスタオシレータ314〜314から出力されたパルスレーザ光は、それぞれ光シャッタ342〜342を通過することで、それぞれ光シャッタ342〜342に入力された制御電圧値Vk(k=1〜n)に応じた光強度のパルスレーザ光に調整されてもよい。
【0101】
光シャッタ342〜342を通過したパルスレーザ光の光路は、光路調節器316によって実質的に一致させられてもよい。光路が実質的に一致したパルスレーザ光は、レーザガスを含む再生増幅器317によって増幅されてもよい。再生増幅器317は、光シャッタ342〜342を通過した弱いパルスレーザ光を再生増幅してもよい。
【0102】
レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5からのエネルギー指令値Ptに基づいて、少なくとも1つの光シャッタ342〜342の透過率Trkをパルスごとに制御してもよい。また、レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5からの少なくともエネルギー指令値Ptに基づいて、少なくとも1つの増幅器320〜320の励起強度を制御するために、RF電源321〜321に制御信号を送信してもよい。別の制御方法として、レーザコントローラ301は、少なくともエネルギーモニタ330のエネルギー検出値PとEUV光生成制御システム5からのエネルギー指令値Ptに基づいて、少なくとも1つの光シャッタ342〜342の透過率Trkをパルスごとに制御してもよい。
【0103】
もしくは、各マスタオシレータ314〜314と再生増幅器317とを所定の条件(一定の繰返し周波数、一定の励起強度)で運転してもよい。この場合、光シャッタ314〜314の各透過率Trkが所望の値に設定されてもよい。その後、光シャッタ314〜314の各透過率Trkは、ほぼ一定の値に保持されてもよい。なお、光シャッタ340の透過率Trは、パルスごとに制御されてもよい。
【0104】
4.3.3 作用
実施の形態4によれば、増幅装置320に入射する各波長のパルスレーザ光L1のパルスエネルギーを光シャッタ342〜342および/または340によってパルスごとに制御し得る。ここで、更なる作用を述べるためにパルスごとの制御の一例として、各マスタオシレータ314〜314の出力光の波長が再生増幅器317および増幅装置320の増幅可能ないずれかの波長領域に含まれている場合について説明する。後述する図32および図33のように、再生増幅器317および増幅装置320が増幅可能な波長領域の増幅ゲインは波長毎に違っている。そこで、各波長に対応する増幅ゲインの高低に合わせて各マスタオシレータ314〜314の出力光エネルギーを調節することで、高い増幅効率が得られてもよい。それによって、増幅装置320で増幅されたパルスレーザ光31のパルスエネルギーのダイナミックレンジが改善され得る。
【0105】
また、実施の形態4によれば、シードレーザ装置311Cから再生増幅器317までを一定の熱負荷条件で運転し得る。これにより、再生増幅後のパルスレーザ光L0aの特性(光路、波面、エネルギ等)を安定させ得る。
【0106】
4.4 増幅装置の実施形態(実施の形態5)
また、増幅装置320が複数の増幅器320〜320を含む場合を、以下に実施の形態5として、図面を用いて詳細に説明する。
【0107】
4.4.1 構成
図16は、実施の形態5によるレーザシステム3Dの概略構成を示す。ただし、レーザシステム3Dにおけるシードレーザシステムは、上述した実施の形態4によるシードレーザシステム310Cと同様であるため、図16では省略する。図16に示されるように、増幅装置320Dは、複数の増幅器320〜320と、複数のRF電源321〜321とを含んでもよい。
【0108】
4.4.2 動作
レーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5からの少なくともエネルギー指令値Ptに基づいて、少なくとも1つの増幅器320〜320の励起強度を制御するために、増幅制御部304を介してRF電源321〜321に制御信号を送信してもよい。また、レーザコントローラ301は、少なくともエネルギーモニタ330によるエネルギー検出値PとEUV光生成制御システム5からのエネルギー指令値Ptに基づいて、増幅制御部304を介してRF電源321〜321に制御信号を送信してもよい。この制御信号の送信によって、少なくとも1つの増幅器320〜320の励起強度が制御されてもよい。
【0109】
4.4.3 作用
実施の形態5によれば、増幅装置320が複数の増幅器320〜320を含んでいてもよい。そこで、それらの増幅器320〜320の励起強度を制御することによって、1つの増幅器を制御する場合に比べて、パルスエネルギーのダイナミックレンジを大きくし得る。
【0110】
4.4.4 制御フロー
実施の形態5によるレーザシステム3Dの動作は、実施の形態2で説明した動作と同様であってもよい。そのため、レーザシステム3Dの動作は、図3〜図10に示されるフローチャートを用いて説明することができてもよい。ただし、実施の形態5では、図11に示された増幅率算出ルーチンが、図17に示される増幅率算出ルーチンに置き換えられてもよい。
【0111】
図17に示されるように、レーザコントローラ301は、現在、各増幅器320〜320に設定している励起強度を不図示のメモリ等から読み込んでもよい(ステップS261)。励起強度は例えばデューティ比D1〜Dnであってよい。つぎに、レーザコントローラ301は、読み込んだ励起強度に基づいて、各増幅器320〜320の各増幅率G1〜Gnを算出してもよい(ステップS262)。増幅率の算出には、実験等によって前もって計測しておいた励起強度と増幅率との関係から近似式等を用いて得られた関数が用いられてもよい。励起強度と増幅率との関係を関数G=g(D)として計算する場合、関数G=g(D)は各増幅器によって異なっていてもよい。例えば、増幅率G1=g1(D1)〜Gn=gn(Dn)が存在してもよい。つぎに、レーザコントローラ301は、算出した各増幅器320〜320の増幅率G1〜Gnから、増幅装置320全体の増幅率Gを算出してもよい(ステップS263)。その後、レーザコントローラ301は、図3に示される動作へリターンしてもよい。なお、複数の増幅器320〜320全体の増幅率Gは、各々増幅器320〜320の増幅率をG1、G2、…、Gnとすると、以下の式(5)で求められてもよい。
G=G1×G2×…×Gn ・・・(5)
【0112】
5.光シャッタ制御方式
つぎに、上述した実施の形態で用いた光シャッタの一例について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下では、光シャッタ340を例に挙げて説明する。ただし、他の光シャッタにも適用可能である。
【0113】
5.1 光シャッタ
5.1.1 ポッケルスセルと偏光素子の組み合わせ
図18は、2つの偏光素子340aおよび340bとポッケルスセル340cとを組み合わせて構成された光シャッタ340の一例を示す。図18に示されるように、光シャッタ340は、たとえば2つの偏光素子340aおよび340bとポッケルスセル340cと電源340dとを含んでもよい。偏光素子340aは、たとえば入射した光のうち、Y方向の偏光成分を透過させ、X方向の偏光成分を遮断してもよい。一方、偏光素子340bは、たとえば入射した光のうち、X方向の偏光成分を透過させ、Y方向の偏光成分を遮断してもよい。このように、偏光素子340aと偏光素子340bとでは、透過させる光の偏光成分が異なっていてもよい。たとえば、本例のように、偏光素子340aと偏光素子340bとでは、透過する光の偏光方向が略90°異なっていてもよい。
【0114】
光シャッタ動作信号S41は、レーザコントローラ301から光シャッタ340の電源340dに入力されてもよい。電源340dは、光シャッタ動作信号S41が入力されるとポッケルスセル340cに、電圧S61を印加してもよい。電圧S61は、光シャッタ動作信号S41と実質的に同じパルス幅(時間長)を有してもよい。ポッケルスセル340cは、たとえば電圧S61が印加されている期間、入射した光の偏光方向を変更し得る。本例では、入射光の偏光方向を略90°変更する電圧値の電圧S61が、電源340dからポッケルスセル340cに印加されてもよい。
【0115】
マスタオシレータ311から光シャッタ340に入射したパルスレーザ光L0は、まず、偏光素子340aに入射してもよい。偏光素子340aは、入射したパルスレーザ光L0のうち、Y方向の直線偏光成分(以下、Y直線偏光パルスレーザ光という)を透過させ得る。偏光素子340aを透過したY直線偏光パルスレーザ光は、ポッケルスセル340cに入射してもよい。
【0116】
ポッケルスセル340cに電圧S61が印加されていない場合、ポッケルスセル340cに入射したY直線偏光パルスレーザ光は、Y方向の直線偏光のまま、ポッケルスセル340cから出力され、偏光素子340bに入射し得る。このため、ポッケルスセル340cを透過したY直線偏光パルスレーザ光は、偏光素子340bによって反射および吸収され得る。この結果、パルスレーザ光L0が、光シャッタ340によって遮断され得る。
【0117】
一方、ポッケルスセル340cに電圧S61が印加されている場合、ポッケルスセル340cに入射したY直線偏光パルスレーザ光の偏光方向は、略90°変更され得る。この結果、ポッケルスセル340cからは、X方向の直線偏光のパルスレーザ光(以下、X直線偏光パルスレーザ光という)が出力され得る。このX直線偏光パルスレーザ光は、偏光素子340bを透過する。この結果、パルスレーザ光L1が、光シャッタ340から出力され得る。
【0118】
ここで、図19に、ポッケルスセル340cに印加する高電圧パルスの制御電圧値(V)と光シャッタ340の透過率(T)との関係の一例を示す。図19に示されるように、制御電圧値(V)と透過率(T)とは、一対一に対応してもよい。したがって、光シャッタ340に要求される透過率(T)から制御電圧値(V)を算出し、この制御電圧値(V)の高電圧パルスをポッケルスセル340cに印加するとよい。これにより、光シャッタ340の透過率を調整することでパルスレーザ光L1のパルスエネルギーが制御され得る。
【0119】
このように、制御電圧値に応じた透過率のパルスエネルギーでパルスレーザ光L1が光シャッタ340から出力され得る。これにより、制御電圧値に応じてパルスエネルギーが調節されてもよい。なお、光シャッタ340から出力されたパルスレーザ光L1は、下流側の増幅器120に入射する前に、図示しない偏光素子によって、Y直線偏光パルスレーザ光に変更されてもよい。
【0120】
ここで、各パルスレーザ光L0のタイミングに合わせてポッケルスセル340cに高電圧パルスを印加する場合、光シャッタ340は下流側の増幅器320〜320(再生増幅器を含んでもよい)からの自励発振光や戻り光を抑制することができてもよい。また、マスタオシレータ311を所定繰返し周波数で継続的に発振させつつ、光シャッタ340を開閉することで、パルスレーザ光L1のバースト生成を行うことができてもよい。すなわち、光シャッタ340は、自励発振光や戻り光の抑制およびバースト生成の2つの機能を果たすことができてもよい。
【0121】
また、図20に、実施の形態2における1つのパルスレーザ光と光シャッタの動作との関係を示す。図20に示されるように、たとえばパルスレーザ光L0の時間長(パルス時間幅)を20nsとすると、各光シャッタ340のポッケルスセル340cには、パルスレーザ光L0の多少の時間ジッタを吸収できる程度の時間幅(たとえば40ns)を持つ高電圧パルスが印加されるのが好ましい。ただし、高電圧パルスの時間幅を長くしすぎると、戻り光を遮断できない場合が生じる。このため、高電圧パルスの時間幅は、適度に設定されることが好ましい。なお、ポッケルスセルは、通常、数nsの応答性を有しているため、高速スイッチングが要求されるレーザシステムの光シャッタに適している。
【0122】
6.増幅器の励起強度の制御方式
つぎに、上述した実施の形態における各増幅器320〜320の励起強度の制御について、図面を用いて詳細に説明する。ここでは、励起強度の制御方式として、PWM(Pulse Width Modulation)方式と、電位制御方式と、これらの組合せとを例に挙げる。
【0123】
6.1 PWM方式
PWM方式は、電圧パルスのデューティ比を変化させる変調方式である。そこで、RF電源321〜321から増幅器320〜320に供給される電圧パルス(励起電力W)のデューティ比Dを変化させてもよい。ここで、デューティ比とは、周期的なパルス波を出したときの1周期に対するパルス幅の比を意味し、以下の式(6)で表され得る。
D=τ/Ts ・・・(6)
なお、式(6)において、Dはデューティ比を示し、τはパルス幅を示し、Tsは1周期の長さを示す。たとえば、周期Tを10μsとし、パルス幅τを1μsとすると、デューティ比Dは、式(6)より、0.1(10%)となる。
【0124】
図21は、デューティ比Dをτ/Tsとした場合にレーザコントローラ301からRF電源321〜321に入力される励起電力Wを示す。図22は、図21に示される場合にRF電源321〜321から増幅器320〜320に供給される励起電力Wを示す。図21に示されるように、PWM方式の場合、レーザコントローラ301からRF電源321〜321には、たとえば矩形波の信号が入力され得る。これにより、RF電源321〜321から増幅器320〜320には、図22に示されるような、断続的なRF電圧が供給され得る。
【0125】
PWM方式の場合、励起の制御は、たとえば矩形波のデューティ比Dを変えることで実現され得る。増幅器320〜320が備える電極間に印加されるRF電圧のデューティ比Dが変化することによって、レーザ媒質の励起強度が変化し得る。そこで、弱励起期間Twkにおけるデューティ比Dを強励起期間Tstにおけるデューティ比Dよりも小さくしてもよい。これにより、弱励起期間Twkにおいて単位時間あたりに増幅器320〜320に供給される励起エネルギーを強励起期間Tstにおけるそれよりも小さくすることが可能となる。この結果、省エネルギー化が実現され得る。
【0126】
なお、COガスを増幅媒体とする増幅器のRF周波数は、典型的には10〜100MHzである。そこで、周期Tが10μSである場合、PWMの周波数は100kHz(=1/Ts)となる。このように、PWMの周期は、増幅器のRF周期に対して十分大きな値に設定されるとよい。その上で、マスタオシレータ311から出力されるパルスレーザ光の繰返し周波数を、たとえば100kHzとして、PWMの周期Tに同期させるとよい。
【0127】
6.2 電位制御方式
つづいて、電位制御方式について説明する。図23は、電位制御方式においてRF電源321〜321から増幅器320〜320に供給されるRF電圧を示す。電位制御方式では、励起強度に応じてRF電圧の振幅が変化してもよい。この結果、図23に示されるように、弱い励起強度の期間Twk中では、強い励起強度の期間Tst中よりも、RF電源321〜321から増幅器320〜320に供給されるRF電圧の振幅が小さくなり得る。このように、弱励起期間TwkにおけるRF電圧の振幅を制御することで、単位時間あたりに増幅器320〜320に供給される励起エネルギーを制御することが可能となる。
【0128】
7.レーザシステムを用いた極端紫外光生成システム(実施の形態6)
つぎに、上述した実施の形態によるレーザシステムを用いたEUV光生成システム1Aを、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、実施の形態2によるレーザシステム3Aを用いた場合を例示する。ただし、これに限定されず、上述したいずれのレーザシステムを用いてもよい。
【0129】
7.1 構成
図24は、実施の形態6によるEUV光生成システム1Aの概略構成を示す。図24に示されるように、EUV光生成システム1Aは、図2に示したレーザシステム3Aと、EUV光生成制御システム5と、リレー光学系R1と、レーザ光進行方向制御アクチュエータ34と、チャンバ2と、を備えてもよい。チャンバ2は、ターゲット生成器26と、ターゲットコントローラ260と、ターゲット回収器28と、ターゲットセンサ4と、EUV光エネルギーセンサ401と、を備えてもよい。
【0130】
レーザシステム3Aのレーザコントローラ301は、EUV光生成制御システム5と接続されてもよい。EUV光生成制御システム5は、ターゲットコントローラ260、EUV光エネルギーセンサ401、および露光コントローラ61と接続されてもよい。
【0131】
7.2 動作
図24において、EUV光生成制御システム5は、露光コントローラ61から、EUV光252に要求するEUV光エネルギー指令値Etと、EUV光252を要求するEUV光要求信号とを受信してもよい。EUV光生成制御システム5は、ターゲットコントローラ260を介してターゲット生成器26にターゲット生成信号を送信してもよい。
【0132】
ターゲットセンサ4は、ターゲット生成器26から出力されたターゲットDが所定の位置を通過したことを検出してもよい。この検出信号は、ターゲットコントローラ260を介してEUV光生成制御システム5に送信されてもよい。
【0133】
EUV光生成制御システム5は、露光コントローラ61から受信したEUV光エネルギー指令値Etに基づいて、レーザコントローラ301にエネルギー指令値Ptを送信してもよい。また、EUV光生成制御システム5は、EUV光エネルギーセンサ401から受信したEUV光252のエネルギー検出値Eに基づいて、レーザコントローラ301にエネルギー指令値Ptを送信してもよい。
【0134】
また、EUV光生成制御システム5は、露光コントローラ61から受信したEUV光要求信号またはターゲットコントローラ260から受信したターゲットDの検出信号に基づいて、レーザコントローラ301にパルスレーザ光要求信号を送信してもよい。これにより、ターゲットDがプラズマ生成領域25に到達したときにパルスレーザ光33がプラズマ生成領域25に照射されるとよい。
【0135】
レーザコントローラ301は、マスタオシレータ311および光シャッタ340に、上述したように各種信号を送信してもよい。これにより、レーザシステム3Aからパルスレーザ光31が出力されてもよい。
【0136】
パルスレーザ光31は、リレー光学系R1によってビーム径が拡大されてもよい。拡大されたパルスレーザ光32は、レーザ光進行方向制御アクチュエータ34、ウィンドウ21、およびレーザ集光ミラー22を介してプラズマ生成領域25のターゲットDに照射されてもよい。これにより、ターゲット物質(たとえばSn)のプラズマが生成されてもよい。このプラズマから、EUV光252を含む放射光251が発生してもよい。
【0137】
生成されたEUV光252のパルスエネルギーは、EUV光エネルギーセンサ401によって検出されてもよい。検出されたEUV光エネルギー検出値Eは、EUV光生成制御システム5に送信されてもよい。
【0138】
7.3 作用
実施の形態6によれば、EUV光252のパルスエネルギーを大きなダイナミックレンジで制御し得る。それにより、レーザビームの集光光学系の伝送効率の低下を抑制し得る。また、EUV光の生成効率(CE)のドリフトを低減し得る。さらに、EUV集光ミラー23の反射率の低下を抑制し得る。
【0139】
7.4 制御フロー
つづいて、実施の形態6によるEUV光生成システム1Aの動作を、図面を参照して詳細に説明する。図25は、EUV光生成システム1Aの全体動作を示す。図26は、図25のステップS301に示される初期設定ルーチンの一例を示す。図27は、図25のステップS303に示されるエネルギー指令値算出ルーチンの一例を示す。図28は、図25のステップS306に示されるEUV光生成制御ルーチンの一例を示す。なお、本説明では、EUV光生成制御システム5の動作を説明する。
【0140】
7.4.1 全体フロー
図25に示されるように、EUV光生成制御システム5は、まず、本動作における各種パラメータの初期値を設定する初期設定ルーチンを実行してもよい(ステップS301)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、露光コントローラ61からEUV光252に対するEUV光エネルギー指令値Etを受信したか否かを判定してもよい(ステップS302)。EUV光エネルギー指令値Etを受信していた場合(ステップS302;YES)、EUV光生成制御システム5は、レーザシステム1Aが出力するパルスレーザ光31に対するエネルギー指令値Ptを算出するエネルギー指令値算出ルーチンを実行してもよい(ステップS303)。また、EUV光生成制御システム5は、算出したエネルギー指令値Ptをレーザコントローラ301へ送信してもよい(ステップS304)。その後、EUV光生成制御システム5は、ステップS305へ移行してもよい。また、EUV光生成制御システム5は、ステップS302において、EUV光エネルギー指令値Etを受信していなかった場合(ステップS302;NO)、そのままステップS305へ移行してもよい。
【0141】
ステップS305では、EUV光生成制御システム5は、露光コントローラ61からEUV光252を要求するEUV光要求信号を受信したか否かを判定してもよい(ステップS305)。EUV光要求信号を受信していなかった場合(ステップS305;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS302へリターンしてもよい。一方、EUV光要求信号を受信していた場合(ステップS305;YES)、EUV光生成制御システム5は、EUV光252の生成を制御するEUV光生成制御ルーチンを実行してもよい(ステップS306)。
【0142】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、EUV光エネルギーセンサ401からEUV光エネルギー検出値Eを受信するまで待機してもよい(ステップS307;NO)。EUV光エネルギー検出値Eを受信すると(ステップS307;YES)、EUV光生成制御システム5は、EUV光252の出力を停止するか否かを判断してもよい(ステップS308)。EUV光252の出力を停止する場合(ステップS308;YES)、EUV光生成制御システム5は、本動作を終了してもよい。一方、EUV光252の出力を停止しない場合(ステップS308;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS302へリターンしてもよい。
【0143】
7.4.2 初期設定ルーチン
図25のステップS301に示される初期設定ルーチンの一例を説明する。図26に示されるように、EUV光生成制御システム5は、EUV光エネルギー指令値Etの初期値であるEUV光エネルギー初期指令値E0を読み出してもよい(ステップS321)。EUV光生成制御システム5は、ターゲット生成器26へ送信するターゲット出力信号の所定タイミングに対する遅延時間Ddを読み出してもよい(ステップS322)。なお、所定タイミングは、たとえば不図示の基準クロックジェネレータが発生した基準クロックに基づいていてもよい。EUV光生成制御システム5は、レーザコントローラ301へ送信するトリガ信号S1の所定タイミングに対する遅延時間Dpを読み出してもよい(ステップS323)。EUV光生成制御システム5は、EUV光エネルギー指令値Etからエネルギー指令値Ptを算出する際に用いる比例定数hを読み出してもよい(ステップS324)。その後、EUV光生成制御システム5は、図25に示される動作へリターンしてもよい。なお、本動作において、各値の読み出し先は、不図示のメモリ等であってもよい。
【0144】
7.4.3 エネルギー指令値算出ルーチン
図25のステップS303に示されるエネルギー指令値算出ルーチンの一例を説明する。図27に示されるように、EUV光生成制御システム5は、露光コントローラ61から受信したEUV光エネルギー指令値Etと、EUV光エネルギーセンサ401で検出されたEUV光エネルギー検出値Eとの差ΔEを算出してもよい(ステップS331)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、算出した差ΔEに比例定数hを乗算し、これと現在のエネルギー指令値Ptとを加算することで、あらたなエネルギー指令値Ptを算出してもよい(ステップS332)。その後、EUV光生成制御システム5は、図25に示される動作へリターンしてもよい。
【0145】
7.4.4 EUV光生成制御ルーチン
図25のステップS306に示されるEUV光生成制御ルーチンの一例を説明する。図28に示されるように、EUV光生成制御システム5は、基準クロックを受信するまで待機してもよい(ステップS341;NO)。基準クロックを受信すると(ステップS341;YES)、EUV光生成制御システム5は、不図示のタイマのカウント値をリセットしてもよい(ステップS342)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、基準クロックからの経過時間が遅延時間Dd以上となるまで待機してもよい(ステップS343;NO)。経過時間が遅延時間Dd以上となると(ステップS343;YES)、EUV光生成制御システム5は、ターゲットコントローラ260へターゲット出力信号を送信してもよい(ステップS344)。これに対し、ターゲットコントローラ260は、ターゲット生成器26にターゲットDを出力させてもよい。
【0146】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、ターゲットコントローラ260からターゲットDの検出信号を受信するまで待機してもよい(ステップS345;NO)。検出信号を受信すると(ステップS345;YES)、EUV光生成制御システム5は、基準クロックからの経過時間が遅延時間Dp以上となるまで待機してもよい(ステップS346;NO)。経過時間が遅延時間Dp以上となると(ステップS346;YES)、EUV光生成制御システム5は、レーザコントローラ301へトリガ信号S1を送信してもよい(ステップS347)。これにより、レーザシステム1Aからパルスレーザ光31が出力されてもよい。
【0147】
8.補足説明
以下、上述した各実施の形態を補足する。
【0148】
8.1 光シャッタのバリエーション
図29は、上述した光シャッタ340の他の形態を示す。図29に示されるように、光シャッタ340Aは、2つの反射型の偏光素子340eおよび340fとポッケルスセル340cとを組み合わせて構成されてもよい。このような反射型の偏光素子340eおよび340fを用いても、図18に示した光シャッタ340と同様の動作により、光シャッタ340と同様の機能を発揮することができる。また、反射型の偏光素子340eおよび340fを用いた場合、透過型の偏光素子340aおよび340bを用いた場合と比較して、熱負荷に対して強い光シャッタ340Aが実現され得る。なお、熱負荷に対して強いとは、加熱され難い、もしくは、温度上昇に対して安定的に動作することが可能であることを意味する。
【0149】
8.2 再生増幅器
つぎに、上述の再生増幅器317の一例を説明する。図30は、再生増幅器317の一例を示す。再生増幅器317は、偏光ビームスプリッタ701と、COガス増幅部702と、EOポッケルスセル703および706と、λ/4板704と、共振器ミラー705および707と、を備えてもよい。
【0150】
偏光ビームスプリッタ701は、たとえば薄膜ポラライザー(Thin−Film Polarizer)で構成される。この偏光ビームスプリッタ701は、たとえば偏光ビームスプリッタ701の反射面に対してS偏光成分の光を反射し、P偏光成分の光を透過させてもよい。説明のため、以下、偏光ビームスプリッタ701の反射面を基準として、反射面に平行な偏光成分をS偏光成分、このS偏光成分と垂直な偏光成分をP偏光成分とする。再生増幅器317に入射したS偏光成分のパルスレーザ光L0は、まず、偏光ビームスプリッタ701によって反射されることで、2つの共振器ミラー705および707が形成する共振器内に取り込まれてもよい。取り込まれたS偏光成分のパルスレーザ光L0は、COガス増幅部702を通過する際に増幅されてもよい。また、S偏光成分のパルスレーザ光L0は、電圧が印加されていないEOポッケルスセル703を通過した後、λ/4板704を透過し、共振器ミラー705で反射されてλ/4板704を再度透過することで、P偏光成分のパルスレーザ光L0に変換されてもよい。
【0151】
P偏光成分のパルスレーザ光L0は、その後、再度、電圧が印加されていないEOポッケルスセル703を通過してもよい。EOポッケルスセル703には、この通過後のタイミングで図示しない電源により所定の電圧が印加されてもよい。これにより、EOポッケルスセル703は、通過する光にλ/4の位相シフトを与えてもよい。この結果、EOポッケルスセル703に所定の電圧が印加されている期間、偏光ビームスプリッタ701を透過する際のパルスレーザ光L0の偏光状態が常にP偏光成分となるため、パルスレーザ光L0が共振器内に閉じ込められ得る。
【0152】
その後、パルスレーザ光L0を出力するタイミングで、EOポッケルスセル706に図示しない電源により所定の電圧が印加されてもよい。共振器内を往復するパルスレーザ光L0は、偏光ビームスプリッタ701を透過後、EOポッケルスセル706を通過する際にλ/4の位相シフトを受け得る。その後、パルスレーザ光L0は、共振器ミラー707で反射され、再度、EOポッケルスセル706を通過した結果、S偏光成分のパルスレーザ光L0に変換され得る。S偏光成分のパルスレーザ光L0は、偏光ビームスプリッタ701によって反射され、パルスレーザ光L0aとして再生増幅器317から出力されてもよい。
【0153】
8.3 光路調節器
つぎに、上述した光路調節器316の一例を説明する。図31は、第1構成例による光路調節器316、およびこれに対するマスタオシレータ314〜314の配置例を示す。なお、説明の都合上、図31では、光シャッタ342〜342を省略する。
【0154】
図31に示されるように、光路調節器316は、たとえば反射型のグレーティング316aを用いて構成されてもよい。複数のマスタオシレータ314〜314は、それぞれからのレーザ光L0〜L0の同次数回折光(例えば−1次回折光)がそれぞれ同じ回折角βで同じ方向へ出力されるように、グレーティング316aに対して配置される。この際、各マスタオシレータ314〜314は、以下の式(7)を満足するように、グレーティング316aに対して配置される。式(7)において、λ〜λはそれぞれパルスレーザ光L0〜L0の中心波長、βは回折角、α〜αはそれぞれパルスレーザ光L0〜L0の入射角である。
【0155】
【数1】

【0156】
反射型のグレーティング316aに対してマスタオシレータ314〜314を上述のように配置することで、複数のパルスレーザ光L0〜L0の光路をコンパクトな光学素子(グレーティング316a)を用いて容易に一致させることが可能となる。なお、本例では、反射型のグレーティング316aを用いたが、透過型のグレーティングを用いてもよい。
【0157】
8.4 マルチライン増幅
ここで、増幅装置320によるマルチライン増幅について説明する。図32は、増幅装置320における増幅ラインP(18)〜P(30)のゲイン特性S18〜S30と、各光シャッタ342〜342を透過するパルスレーザ光L1〜L1のパルスエネルギーとの一例を示す。図33は、増幅後の各パルスレーザ光L2〜L2のパルスエネルギーを示す。
【0158】
図32に示されるように、たとえば増幅ラインP(18)〜P(30)のゲイン特性S18〜S30の比に基づいて各光シャッタ342〜342の透過率を調節する。その場合、図33に示されるように、各増幅ラインP(18)〜P(30)で増幅されたパルスレーザ光L2〜L2のパルスエネルギーを略等しくすることも可能である。なお、図32および図33では、5組のマスタオシレータ314〜314および光シャッタ342〜342を用いた場合を例示するが、これに限られることなく、種々変形することが可能である。
【0159】
また、各光シャッタ342〜342の透過率を制御して各パルスレーザ光L1〜L1のパルスエネルギーを調節すれば、各パルスレーザ光L2〜L2のパルスエネルギーを調節することができる場合がある。その結果、最終的にレーザシステム3C(図15)から出力されるパルスレーザ光31のパルスエネルギーを所望の値(たとえばエネルギー指令値で要求された値)に調節することができる場合がある。
【0160】
この際、エネルギー変換効率の比較的良い増幅ラインP(20)を主に用いて毎パルスエネルギー制御を行うことで、消費エネルギーの低減またはその増大の抑制が可能な場合がある。
【0161】
図34は、増幅装置320を用いてマルチライン増幅した場合とシングルライン増幅との増幅特性を示す。図34において、ラインC1は、増幅ラインP(20)を用いてシングルライン増幅した場合の増幅特性を示す。ラインC2は、増幅ラインP(20)〜P(28)を用いてマルチライン増幅した場合の増幅特性を示す。
【0162】
図34におけるラインC1とラインC2とを比較すると明らかなように、マルチライン増幅を行った場合、シングルライン増幅を行った場合よりも、約1.5倍の出力パルスエネルギーを得ることができる。これは、マルチライン増幅を行う場合、シングルライン増幅を行う場合と比較して、約1.5倍のダイナミックレンジを得ることができることを示唆していると考えられる。なお、図34における出力パルスエネルギーは、レーザシステム3Aから出力されるパルスレーザ光31のパルスエネルギーである。
【0163】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0164】
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0165】
1、1A LPP式EUV光生成システム
2 チャンバ
3、3A、3B、3C、3D レーザシステム
4 ターゲットセンサ
5 EUV光生成制御システム
6 露光装置
61 露光コントローラ
21 ウィンドウ
22 レーザ集光ミラー
23 EUV集光ミラー
24 貫通孔
25 プラズマ生成領域
251 放射光
252 EUV光
26 ターゲット生成器
260 ターゲットコントローラ
27 ターゲット(ドロップレット)
28 ターゲット回収器
29 接続部
291 壁
292 中間集光点(IF)
31〜33、L0、L0a、L0〜L0、L1、L1〜L1、L2、L2〜L2 パルスレーザ光
34 レーザ光進行方向制御アクチュエータ
301 レーザコントローラ
302 エネルギー制御部
303 シードレーザ制御部
304 増幅制御部
310、310B、310C シードレーザシステム
311、314〜314 マスタオシレータ
311C シードレーザ装置
311a、311b 共振器ミラー
311c チャンバ
311d RF電源
311e 偏光ビームスプリッタ
311f 高反射ミラー
316 光路調節器
317 再生増幅器
318 RF電源
320、320D 増幅装置
320〜320 増幅器
321〜321 RF電源
330 エネルギーモニタ
331 ビームスプリッタ
332 光センサ
340、340A、341、342〜342 光シャッタ
340a、340b 偏光素子
340c、341a ポッケルスセル
341b、340d 電源
401 EUV光エネルギーセンサ
S1 トリガ信号
S11 発振信号
S41、S42 光シャッタ動作信号
S61 電圧
P エネルギー検出値
Pt エネルギー指令値
W 励起電力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルスレーザ光を出力するように構成されたシードレーザシステムと、
前記パルスレーザ光のパルスエネルギーを変化させるように構成されたパルスエネルギー調整部と、
前記パルスレーザ光を増幅するように構成された少なくとも1つの増幅器と、
前記少なくとも1つの増幅器の励起強度を変化させるように構成された少なくとも1つの電源と、
前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記パルスエネルギー調整部を制御し、前記パルスレーザ光の複数パルスごとに前記少なくとも1つの電源を制御するように構成されたコントローラと、
を備える、レーザシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの増幅器の下流側の光路上に配置されたエネルギーモニタをさらに備え、
前記コントローラは、外部から入力されたパルスエネルギーの目標値と前記エネルギーセンサの検出値とに基づいて、前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記パルスエネルギー調整部を制御する、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの増幅器の下流側の光路上に配置されたエネルギーモニタをさらに備え、
前記コントローラは、外部から入力されたパルスエネルギーの目標値と前記エネルギーセンサの検出値とに基づいて、前記パルスレーザ光の複数パルスごとに前記少なくとも1つの電源を制御する、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記目標値と前記検出値とに基づいて、前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記パルスエネルギー調整部を制御する、請求項3記載のレーザシステム。
【請求項5】
前記パルスエネルギー調整部は、前記パルスレーザ光の光路上に配置された光シャッタを含み、
前記コントローラは、前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記光シャッタの透過率を制御する、
請求項1記載のレーザシステム。
【請求項6】
シードレーザシステムは、マスタオシレータを含み、
前記光シャッタは、前記マスタオシレータの下流側の前記光路上に配置される、
請求項5記載のレーザシステム。
【請求項7】
シードレーザシステムは、マスタオシレータを含み、
前記光シャッタは、前記マスタオシレータ内の前記光路上に配置される、
請求項5記載のレーザシステム。
【請求項8】
前記シードレーザシステムは、マスタオシレータと、再生増幅器とを含み、
前記光シャッタは、前記再生増幅器の下流側の前記光路上に配置され、
前記コントローラは、前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記光シャッタの透過率を制御する、
請求項5記載のレーザシステム。
【請求項9】
前記光シャッタは、
電気光学素子と、
前記電気光学素子の光入力端側に配置される第1の光フィルタと、
前記電気光学素子の光出力端側に配置される第2の光フィルタと、
前記電気光学素子に接続され、前記電気光学素子に電圧を印加するように構成された電源と、
を備える、請求項5記載のレーザシステム。
【請求項10】
前記電気光学素子は、ポッケルスセルである、請求項9記載のレーザシステム。
【請求項11】
前記第1および第2の光フィルタは、それぞれ少なくとも1つの偏光素子を含む、請求項9記載のレーザシステム。
【請求項12】
前記シードレーザシステムは、それぞれパルスレーザ光を出力するように構成された複数のマスタオシレータと、前記複数のマスタオシレータから出力された前記パルスレーザ光の光路を一致させるように構成された光路調整器と、を含み、
前記パルスエネルギー調整部は、各マスタオシレータに対して下流側の光路上に配置された複数の光シャッタを含み、
前記コントローラは、前記パルスレーザ光ごとに前記複数の光シャッタの透過率を制御する、
請求項1記載のレーザシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの増幅器は、炭酸ガスを増幅媒体として含む、請求項1記載のレーザシステム。
【請求項14】
パルスレーザ光を出力するように構成されたシードレーザシステムと、前記パルスレーザ光のパルスエネルギーを変化させるように構成されたパルスエネルギー調整部と、前記パルスレーザ光を増幅するように構成された少なくとも1つの増幅器と、前記少なくとも1つの増幅器の励起強度を変化させるように構成された少なくとも1の電源と、前記パルスレーザ光の1パルスごとに前記パルスエネルギー調整部を制御し、前記パルスレーザ光の複数パルスごとに前記少なくとも1つの電源を制御するように構成されたコントローラと、を備えるレーザシステムと、
チャンバと、
前記チャンバに取り付けられ、前記チャンバ内にターゲット物質を供給するように構成されたターゲット供給システムと、
前記レーザシステムから出力されたパルスレーザ光を前記チャンバ内の所定の領域に集光するように構成された集光光学素子と、
を備える、極端紫外光生成システム。
【請求項15】
シードレーザシステムと、パルスエネルギー調整部と、少なくとも1つの増幅器と少なくとも1の電源と、を備えるシステムのレーザ生成方法であって、
前記シードレーザシステムから出力されたパルスレーザ光の1パルスごとに、前記パルスレーザ光のパルスエネルギーを変化させるように構成された前記パルスエネルギー調整部を制御し、
複数の前記パルスレーザ光の複数パルスごとに、前記少なくとも1つの増幅器の励起強度を変化させるように構成された前記少なくとも1つの電源を制御する
ことを含むレーザ光生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2012−216768(P2012−216768A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4220(P2012−4220)
【出願日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】